JP6748707B2 - 複数本のケーブル用の壁貫通部を有する構造、その製造方法および組立キット - Google Patents

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Description

本発明は、複数本のケーブル用の壁貫通部の製造方法、およびその構造に関する。
ケーブル貫通部とも呼ばれるケーブル用壁貫通部は、ケーブルを壁の一方の側から反対側へと導いて通す。このような壁貫通部は、特に、装置またはキャビネット、たとえば、制御キャビネットの収納壁を通してケーブルを導くことと関連して用いられる。このような壁貫通部は、たとえば、湿気や汚れの侵入を防止するために密封するシールを提供することができる。
壁貫通部は、射出成形部品として製造されたプラスチック製の筐体を有してもよい。この場合または他の既知の設計では、前記筐体は、壁開口の反対側に位置し前記ケーブルを導いて通らせる筐体開口を有する。
文献DE3224977A1から、自動車内の壁を通るケーブルまたはケーブルセットの密封された套管用の、壁の切り込みによって保持されるケーブル支持スリーブが知られている。前記ケーブル支持スリーブは貫通口のある基部を有し、当該基部は、端部つばが密封するように前記ケーブルの上に保持されている、一体的に連結された円錐台形状の延伸部を有する。一般的に、前記基部は四辺形、たとえば正方形である。前記ケーブル支持スリーブは外側に狭い表面を有し、当該表面のうち切り込みに割り当てられた領域がさねはぎ継ぎによって保持されている。前記切り込みは、複数のそのようなケーブル支持スリーブを保持し、当該ケーブル支持スリーブの互いに隣接する狭い表面が同様にさねはぎ継ぎによって互いに係合している。このように、たとえば、互いにほぼ平行する2つの外側境界端部の領域において、また、前記2つの境界端部を連結させ、当該2つの境界端部とほぼ直角である3つ目の境界端部において、前記基部は、何れの場合においても、当該端部の狭い表面へと凹んだ溝を有する。4つ目の境界端部の領域において、前記基部は外側に突出する隆起を保持し、当該隆起は、複数のケーブル支持スリーブが互いに連結された時、隣接するケーブル支持スリーブの溝と係合できる。
文献DE10225046A1は、壁の開口にケーブル貫通部を取り付けるための装置に関する。前記装置は、前記開口の全面を囲んでおり、しっかり密封するように固定的に前記壁につなげることができる。前記装置は、ケーブル用の少なくとも1つの連続的な開口を有し、固定的にしっかり密封するように前記ケーブル貫通部につなげることができる。前記ケーブル貫通部を前記装置に着脱可能につなげるために、少なくも1つの保持クリップを備える。
文献DE102013201149A1には、ケーブルガスケットを設置するためのケーブル導入開口を有する密封担持部を有するケーブルガイド装置が開示されている。前記密封担持部および前記ケーブルガスケットは、ケーブルガイド方向と平行に延伸している仕切り面を含み、当該仕切り面にはネジ部品を備えて、それを前記密封担持部にねじ込んで、前記ケーブル貫通部の開口の中に配置された前記ケーブルガスケットと前記ケーブルとを当接させることができる。
文献DE29911305U1から、電気的および/または電子的な部材を収容する筐体用のケーブループラグ貫通部システムが知られている。前記貫通部システムは、多数の部分から成る格子部材を備え、当該格子部材は、筐体開口の片側に取り付けられる、密封素子の受容手段を備える。
文献US7806374B1から、壁ケーブル貫通部用の多数の部分から成る筐体がさらに知られている。
文献DE10225046A1には、ケーブル貫通部を壁の開口に取り付ける装置が開示されている。多数の部分から成る格子部材が、前記壁に取り付けられる筐体の裏面に配置される。
EP1710882A1では、ケーブル貫通部およびケーブル貫通部システムがさらに説明されている。
文献WO2010/011151A2から、コネクター管用の壁ダクトが知られている。前記壁ダクトを製造する時に、断熱材の立方体の部分が、前記壁の穴を通され、それによって、前記穴のある壁の内側に配置された留め板の穴も通される。これにより、前記断熱材の前記立方体の部分は、太陽集熱器の内部に入れられる。その後、コネクター管が該構造に入れられ、それぞれ外部と内部に管連結部を設ける。取付リングが、前記コネクター管に配置される。
本発明の目的は、様々な適用状況に適応できる、複数本のケーブル用の壁貫通部を有する改良された構造、その製造方法および組立キットを提供することである。特に、前記ケーブルの末端が壁を通ってコネクター補助用具またはプラグのような部材に通例嵌め込まれている組立済ケーブルの貫通部を支持する。
これを解決するために、独立請求項1に記載の複数本のケーブル用の壁貫通部の製造方法を提供する。さらに、請求項15に記載の壁貫通部の構造を提供する。さらなる実施形態は、従属請求項の構成である。
一態様によれば、複数本のケーブル用の壁貫通部を有する構造を提供する。前記構造は、複数のケーブルを導いて通らせる壁開口がある壁を有する。前記壁はさまざまな材料、たとえば、プラスチックまたは金属で構成されてよい。一実施形態において、金属シートで構成された壁であってもよい。前記壁貫通部は、前記筐体に形成された筐体開口が前記壁開口の反対側に位置するように前記壁の一方の側に配置される筐体を含む。複数のケーブルはそれぞれ、前記壁開口、前記筐体開口、および、割り当てられた密封素子を貫通する。前記それぞれの割り当てられた密封素子は、前記それぞれのケーブルを密封するように取り囲んで、前記筐体の保持空間の中に配置される。前記壁の貫通部の前記筐体の保持空間において、少なくも1つの格子部材の補助によって分離している、1つまたは複数の密封素子のそれぞれのための、分離型受容手段が形成される。当該分離型受容手段の中に、前記ケーブルを収容し密封する密封素子が配置される。前記筐体が前記壁に配置された後、前記格子部材は、前記壁の反対側、たとえば、内側から、前記壁開口を通して、前記保持空間の中に、さらに、前記筐体開口の領域の中に挿入される。
さらなる態様によれば、複数本のケーブル用の壁貫通部の製造方法が提供される。当該方法は、壁に壁開口を提供するステップと、壁貫通部の筐体を、前記壁の一方の側に対して、当該筐体に形成された筐体開口が前記壁開口の反対側に位置するように配置するステップと、少なくとも一つの格子部材を前記筐体の保持空間内部に配置するステップであって、当該少なくとも一つの格子部材は、前記筐体が前記壁に配置された後、前記壁の反対側から前記壁開口を通して前記保持空間の中へ、さらに前記筐体開口の領域へと挿入され、当該少なくとも一つの格子部材内部に、一つまたは複数の密封素子それぞれのための分離型受容手段を提供する、ステップと、複数の密封素子を前記分離型受容手段の中に配置するステップであって、複数本のケーブルがそれぞれ、前記壁開口、前記筐体開口、および割り振られた密封素子を貫通するように設けられ、当該割り振られた密封素子は、それぞれの前記ケーブルを密封するように囲んで、前記分離型受容手段の中に配置されるステップと、を含む。
たとえば、1つまたは複数のねじを用いて、壁ダクトの筐体を、壁開口を有する壁に固定することができる。その代わりに、またはそれに加えて、たとえば、スナップオンマウントを用いて固定してもよい。
前記格子または角格子部材は、たとえば、留め具および/またはスナップオンマウントによって、前記筐体の前記保持空間の中に固定してもよい。
前記密封素子は、1つまたは複数のケーブル支持スリーブとともに形成されてもよい。前記密封素子は、圧力が加わると弾力的に屈する弾性材料(たとえばゴム材料)によって作られてもよい。前記密封素子は、単一の部分品として構成されてもよいし、または複数の部分から成るように構成されてもよい。単一の部分品の設計の場合、外側の端部からケーブル貫通口へと伸びるスリットまたは切り込みを設けることができ、これにより、密封素子を開くことができ、たとえば、スリットに沿った側面からケーブルを挿入することができる。前記密封素子、少なくともその一部は、内側および/または外側の中空空間を有する中空体として、あるいは非中空体として、設計されてもよい。
前記壁貫通部の前記筐体は、単一の部分品として、または複数の部分品から成るように、設計されてもよい。
前記格子部材は、複数のバーによって形成される角格子を有する部材(角格子部材)として設計することができ、当該複数のバーは、それぞれの受容手段の周囲を部分的にまたは全体として締める。前記複数のバーの一部は、非連続的であるように設計されてもよい。
ちょうど1つの密封素子を、前記分離型受容手段の少なくとも一部の中に配置してもよい。すべての前記受容手段の中に、ちょうど1つの密封素子を配置してもよい。前記それぞれの密封素子は、1つまたは複数のケーブルを密封するように収容してもよい。一実施形態において、それぞれの受容手段において、ちょうど1つのケーブルを収容するちょうど1つの密封素子がある。
複数の密封素子は、分離型受容手段の少なくとも一部の中に配置されてもよい。前記複数の密封素子は、それらが一緒に中に配置されている前記受容手段の内部いっぱいに存在してもよい。
前記密封素子は、前記受容手段に挿入されると、前記ケーブルを自動的に留め、密封するように囲むよう設計されてもよい。これによって、前記密封素子は、そのほぼ全体が前記割り振られた受容手段の中に(格子部材および壁貫通部によってであろうと、それらのどちらか一方によってであろうと)配置されている少なくとも一つの取り付け位置において、圧力を受けることができる。この実施形態または別の実施形態において、前記密封素子において前記ケーブルを取り囲むように密封するのは、密封リップを用いて行うよう設計してよい。当該密封リップは、組み立てられた状態で、非連続または連続的に、前記ケーブルの外側表面に配置されている。
前記自動的な留めおよび密封の効果は、前記密封素子を前記受容手段の中に挿入させるにつれて増す。前記自動的な留めおよび密封の効果は、部分が組立位置に挿入されるにつれて連続的に増すよう設定されてもよい。
前記密封素子は、前記受容手段の中に着脱可能に収容されてもよい。着脱可能な収容は、たとえば、前記密封素子が前記割り振られた受容手段に押し込まれたり、または挿入されたりすることによって、実現できる。前記着脱可能な収容によって、前記密封素子を前記受容手段の中に組み立てたり、前記受容手段から取り外したりするのを、繰り返し行うことができる。
前記密封素子および/または前記受容手段は円錐であってよい。たとえば、前記密封素子および/または前記受容手段は、円錐台形状をしていてもよい。前記格子部材と関連して、前記受容手段を取り囲む前記複数のバーは、断面が円錐であるように設計されてもよい。前記密封素子の円錐の中線に対する傾斜度と、前記受容手段の円錐の中線に対する傾斜度は異なってもよい。
前記密封素子の外側表面および/または前記受容手段の内側表面は表面構造を有してもよい。前記表面構造は、前記密封素子の前記外側表面と前記受容手段の前記内側表面との間の摩擦を増加させるように設計されてもよい。前記密封素子の前記取り付け位置において、相互に向き合う前記密封素子の前記外側表面と前記受容手段の前記内側表面の面部には、相補的なシボ加工を施してもよい。
前記密封素子は、近位前面および/または遠位前面に配置された端部密封リップを含み、当該端部密封リップは、前記格子部材の前面に少なくとも部分的に配置されてよい。そこで、前記端部密封リップは、前記格子部材の前面と少なくとも部分的に重なる。一実施形態において、前記壁の反対側にカバーが設けられ、当該カバーは、前記端部密封リップを前記前面に押し付けることができ、それにより、さらなる密封効果が得られる。
前記格子部材の前記前面は、少なくとも部分的に露出してよい。これにより、前記壁貫通部が取り付けられる際、前記格子部材の前記前面は、前記壁開口が形成された前記壁の一方の側または両側から見ることができる。
前記格子部材は、前記筐体の中に着脱可能に配置されてもよい。取り外せる連結部は、たとえば、スナップロック連結部またはクランプ連結部であってもよい。前記取り外せる連結部の代わりに、前記格子部材の連結部は、当該格子部材が前記筐体に挿入されたら取り外せない連結部であってもよい。特に、関連する前記部材を部分的に破壊しないと、再び分離できない連結部であってもよい。
前記筐体開口を囲む端部は、前記端部と少なくとも部分的に隣接する、密封素子の前記前面に位置してもよい。たとえば、内側へ伸びる、または突き出る前記筐体の端部は、前記壁貫通部の前記筐体の中に配置された、前記端部に位置している密封素子の前面にあってもよい。
前記格子部材は、単一の部分品として設計されてもよい。その代わりに、前記格子部材は、複数の部分品(たとえば複数の角格子素子)を有してよい。当該複数の部分品は、前記筐体の前記保持空間に個別に挿入され、任意で、たとえばスナップオン連結またはプラグ連結によって互いに連結されてよい。その代わりに、前記複数の格子素子は、互いに連結されずに、前記壁貫通部の前記筐体の保持空間の中に個別の連結によって取り付けられるだけでもよい。特に、これは、前記複数の格子部材の表面が、互いに支え合い、または向かい合って置かれることを除外するものではない。
カバーを前記壁の反対側に配置してもよい。カバー(たとえば、単一の部分品として設計された、または複数の部分品から成るように設計された、カバープレート)を用いて、前記密封素子にさらに圧力をかけ、さらに密封効果をもたらすことができる。本実施形態または別の実施形態において、前記壁貫通部は、特に前記ケーブルの密封に関して、EN60529に従って保護クラスIP65に適合することができる。前記標準を満たすか否かにかかわらず、さまざまな実施形態において、前記密封は、少なくとも湿気や汚れを防止できる。前記カバー、たとえば、内部空間に向いている前記壁の側にあるカバーは、前記壁開口を部分的にまたは完全にカバーし、それによって、前記ケーブルは、前記カバープレートの1つまたは複数の開口を貫通する。前記カバープレートは、1つまたは複数のねじによって取り付けられてよい。
前記格子部材または角格子部材に関して、密封部を前記バーの遠位隅領域に設けて、一辺または二辺でそれらに取り付けることで、前記格子部材が前記筐体の前記保持空間の中に取り付けられた時、前記筐体および前記格子部材の間が密封されるようにできる。前記密封部は、前記格子部材とともに単一の部分品として形成されてもよい。前記密封部は、前記バーと比べて柔らかいプラスチック材料で形成されてもよい。前記格子部材は、二成分射出成形によって製造されてもよい。前記格子部材を前記筐体に挿入すると、前記遠位隅領域が前方に移動することができ、前記格子または角格子部材が前記筐体内にスナップオン素子によって取り付けられると、前記密封部が最終的に、筐体の内部を密封するように位置することができる。前記スナップオン素子は、バーの外側面側の近位隅領域に隣接して配置されてよい。密封素子は、前記密封部の密封部分部の一方または両方が少なくともスナップオン位置にある状態で、前記筐体の内部へ押し込まれてもよい。両方の密封部分部は、隅で互いに連結されてもよい。1つまたは複数の密封リップが、前記密封部分部に配置されてもよい。その代わりに、1つだけの密封リップを備えてもよい。さらに、前記さらなる密封部分部は、1つまたは複数の密封リップを有してもよく、有しなくてもよい。
前記密封素子が前記受容手段内に取り付けられると、前記密封リップは、前記密封素子上で、他の密封リップと一直線になってもよい。ここで、形状ロック部材を備えてもよい。前記密封リップ、および、前記さらなる密封リップは、同じ構造上の高さを有してもよい。その代わりに、または、それに加えて、前記密封リップは、前記さらなる密封リップと同じ断面を有してもよい。前記バーの前側の領域の中に、隅領域の中に延伸している前記密封部間の連結部を備えてもよく、または備えなくてもよい。前記密封部より狭く設計された前記連結部は、少なくとも一部が、溝が形成された前記バーの中のくぼみの中へ延伸してもよい。それに加えて、または、その代わりに、このような実施形態を、前記密封部に関して設けてもよい。前記密封部の側面部は、連結部材によって、前記密封素子に連結されてもよい。前記さらなる密封部分部の表面は、前記密封素子の表面と同一平面上に位置してもよい。つば部は、前記さらなる密封部分部の一方の側または両側に形成されてもよい。
前記壁貫通部の前記組立キットおよびその製造方法と関連して、前記実施形態は適宜に提供されることができる。
以下、図面を参照し、さらなる代表的な実施形態をより詳しく説明する。
壁部分および複数本のケーブル用の壁貫通部を有する構造の概略図である。 壁部分および複数本のケーブル用の壁貫通部を有するさらなる構造の概略図である。 図1の前記構造の断面図である。 図1の前記構造の部材の概略図である。 前記壁貫通部を有する前記構造の部分的な概略断面図である。 複数のケーブル用前記壁貫通部のさらなる部分の概略断面図である。 筐体、および、該筐体に収容される、壁貫通部用格子部材の斜視図である。 密封部が形成された格子部材の概略斜視図である。 密封素子が受容手段の中に配置された、図8の格子部材の概略斜視図である。
以下、図1〜図7を参照して、密封するように複数のケーブル2を壁3(壁3として壁部を示す)を通らせて導く壁貫通部1の実施形態を説明する。前記壁3は、たとえば、装置または制御キャビネットの筐体壁であってもよい。前記壁3は、たとえば、金属シート材料で作られてもよい。
図1は、ここに示す実施形態において、たとえば射出成形部品としてプラスチック材料から単一の部分品として製造された筐体4を有する前記壁貫通部1を有する構造の斜視図を示す。前記筐体4は、たとえば、ねじ6によって前記壁3の面5に取り付けられる。前記筐体4は、前記壁3に接して設置され、その内部に保持空間7を有する(特に、以下の図4および7を参照)。格子部材8が、前記保持空間7の中に配置される。ここに示す実施形態において、前記格子部材8は複数の受容手段9を備え、当該複数の受容手段9のそれぞれの中に、1つまたは複数のケーブル2とともに密封素子10が配置される。前記密封素子10は、前記それぞれのケーブルの周囲全体を密封し、特に湿気や汚れの侵入を防止する。
図2は、前記壁貫通部1の別の実施形態に係る、さらなる構造の斜視図を示す。前記格子部材8は、前記筐体4の前記保持空間7の中において、前記受容手段9の異なる仕切りまたは区切りを提供する。
図3は、図1の構造の断面図を示す。
図4は、図1の壁貫通部1の実施形態に係る構造の分解図を示す。
特に、図4から、前記筐体4がねじ6によって前記壁3の前記面5に取り付けられた後、前記格子部材8は、前記筐体4の前記保持空間7の中に挿入できることがわかる。前記筐体4が取り付けられたため、筐体開口11が壁開口12の反対側に配置され、両方の開口は、平面的に少なくとも部分的に重なる。前記格子部材8を、前記壁開口12を通して前記保持空間7の中に挿入し、前記受容手段9を提供できる。当該受容手段9に、それぞれのケーブルとともに密封素子10が挿入される。ここに示す実施形態において、前記壁3の反対側の面14にカバー13が設けられる。当該カバー13は、ねじ15によって、やはり前記壁3に取り付けられる。
これによって、前記壁貫通部を組み立てる際、まず前記筐体4を前記壁3の前記面5に取り付け、それにより、その後、前記壁開口12および前記筐体開口11のまだ広い前記開口を通して、前記複数のケーブル2のはめ込み式のケーブル末端を挿入することが可能になる。続いて、前記格子部材8を、前記壁貫開口12を通して前記保持空間7に取り付け、それにより、最後に、前記密封素子10を前記受容手段9に挿入することができる。
ここに示す実施形態において、前記封止素子10は、挿入されると、前記受容手段9に自動的に留められる。さらに、特に図6に示した前記受容手段9は、円錐状である。それに加えて、または、その代わりに、前記密封素子10は、円錐状の外部形状を有してもよい。さらに図6に示したように、前記格子部材8の前面17に位置する縁密封リップ16が、前記密封素子10上に形成される。
図5は、前記壁貫通部1を有する前記構造の部分的な概略断面図を示す。特に、ここに示す実施形態において挿入フレームとして形成された前記格子部材8は、スナップオン連結部18によって前記筐体4に取り付けられることが示される。
図7は、前記格子部材8が前記筐体4に挿入された斜視図を示す。前記筐体4の周囲全体に密封リップ19を備える。
図8および9は、前記格子部材8のさらなる実施形態の概略斜視図を示す。図9では、密封素子10は、前記受容手段9の中に配置される。
密封部22が、前記格子部材8の前記バー21の遠位隅領域20に形成される。前記密封部22は、前記バー21と比べると柔らかいプラスチック材料、たとえば、圧力を受けた時に弾力的に屈するプラスチック材料によって作られる。前記格子部材18は、二成分射出成形によって製造されてもよい。
前記格子部材を前記筐体4に挿入すると、前記遠位隅領域20が前方に移動し、前記格子または角格子部材8が前記筐体4内および/または壁開口上にスナップオン素子23によって取り付けられると、前記密封部22が最終的に、筐体4の内部を部分的にまたは完全に密封するように位置する。前記スナップオン素子23は、バー24aの外側面側の近位隅領域24に隣接して配置されている。ここで、前記密封部22は、当該密封部22の密封部分部22a、22bの一方または両方が少なくとも挿入位置にある状態で、前記筐体4の内部へ押し込まれてもよい。複数の密封リップ25が、前記密封部分部22a上に配置される。その代わりに、1つだけの密封リップを備えてもよい。別の実施形態においては省略してもよいもう一方の密封部分部22bは、1つまたは複数の密封リップ(図示せず)をさらに含んでもよく、含まなくてもよい(図8を参照)。
図9によれば、前記密封素子10が前記受容手段9内に取り付けられると、前記密封リップ15は、前記密封素子10上で、さらなる密封リップ26と一直線になってもよい。ここで、形状ロック部材を備えてもよい。前記密封リップ25、および、前記さらなる密封リップ26は、同じ構造上の高さを有してもよい。その代わりに、または、それに加えて、前記密封リップ25と別の密封リップ26とは同じ断面を有してもよい。
図8および9に示した例のように、前記バー21の前側21aの領域の中に、前記隅領域20の中に延伸している前記密封部22間の連結部27を備えてもよく、または備えなくてもよい。ここに示す実施形態において、前記連結部27は、前記バー21の前記凹所28の中に延伸している。前記凹所28には溝を形成して、前記連結部27を構成する材料が前記前側21aから前記凹所28に届くことができるようにしてよい。
図9のように、ここに示す実施形態において、前記密封部22の側面部29は、形状ロックするように、前記密封素子10に連結される。図9に示すように、前記さらなる密封部分部22bの表面30は、前記密封素子10の表面31と同一平面上に位置してもよい。側面つば部32が、前記別の密封部分部22bの側面に形成される。
前記密封素子10は、たとえばケーブルを挿入する時に、前記密封素子10の開口、拡張、または、広がりを可能にする部分33を含む。
以上、明細書で開示された特徴、請求項、および、図面は、さまざまな実施形態の実施のために、それぞれ個別に、また、任意の組合せで重要である。

Claims (14)

  1. 複数本のケーブル(2)用の壁貫通部(1)製造方法であって、
    壁(3)に壁開口を提供するステップと、
    壁貫通部の筐体(4)を、前記壁(3)の一方の側に対して、当該筐体(4)に形成された筐体開口(11)が前記壁開口(12)の反対側に位置するように配置するステップと、
    少なくとも一つの格子部材(8)を前記筐体(4)の保持空間(7)内部に配置するステップであって、当該少なくとも一つの格子部材(8)は、前記筐体(4)が前記壁(3)に配置された後、前記壁(3)の反対側から前記壁開口(12)を通して前記保持空間(7)の中へ、さらに前記筐体開口(11)の領域へと挿入され、当該少なくとも一つの格子部材(8)内部に、一つまたは複数の密封素子(10)それぞれのための分離型受容手段(9)を提供する、ステップと、
    複数の密封素子(10)を前記分離型受容手段(9)の中に配置するステップであって、複数本のケーブル(2)がそれぞれ、前記壁開口(12)、前記筐体開口(11)、および割り振られた密封素子(10)を貫通するように設けられ、当該割り振られた密封素子(10)は、それぞれの前記ケーブル(2)を密封するように囲んで、前記分離型受容手段(9)の中に配置されるステップと、を含む、製造方法。
  2. ちょうど1つの密封素子(10)が前記分離型受容手段(9)の少なくとも一部の中に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 複数の密封素子(10)が前記分離型受容手段(9)の少なくとも一部の中に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記密封素子(10)は、前記受容手段(9)に挿入されると、前記ケーブル(2)を自動的に留めて、密封するように囲むことを特徴とする、請求項1から3の少なくとも1項に記載の方法。
  5. 前記自動的な留めおよび密封の効果は、前記密封素子(10)を前記受容手段(9)の中に挿入させるにつれて増すことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記密封素子(10)は、前記受容手段(9)の中に着脱可能に収容されることを特徴とする、請求項1から5の少なくとも1項に記載の方法。
  7. 円錐形状の密封素子(10)および/または円錐形状の受容手段(9)が使用されることを特徴とする、請求項1から6の少なくとも1項に記載の方法。
  8. 前記密封素子(10)の外側表面および/または前記受容手段(9)の内側表面は表面構造を有し、
    前記表面構造は、前記密封素子の前記外側表面と前記受容手段の前記内側表面との間の摩擦を増加させるように設計された構造、および/または、相互に向き合う前記密封素子の前記外側表面と前記受容手段の前記内側表面とにおける相補的なシボ加工による構造であることを特徴とする、請求項1から7の少なくとも1項に記載の方法。
  9. 前記密封素子(10)は、近位前面および/または遠位前面に配置された端部密封リップを含み、当該端部密封リップは、前記格子部材(8)の前面に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする、請求項1から8の少なくとも1項に記載の方法。
  10. 前記格子部材(8)の前面は、少なくとも部分的に露出していることを特徴とする、請求項1から9の少なくとも1項に記載の方法。
  11. 前記格子部材(8)は、前記筐体(4)の中に着脱可能に配置されることを特徴とする、請求項1から10の少なくとも1項に記載の方法。
  12. 前記筐体開口(11)を囲む端部は、当該端部と少なくとも部分的に隣接する、前記密封素子(10)の前面に位置することを特徴とする、請求項1から11の少なくとも1項に記載の方法。
  13. 前記格子部材(8)は、単一の部分品として設計されることを特徴とする、請求項1から12の少なくとも1項に記載の方法。
  14. 前記壁(3)の反対側にカバー(13)が配置されることを特徴とする、請求項1から13の少なくとも1項に記載の方法。
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