JP6748530B2 - 基板 - Google Patents

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Description

本発明は基板に関する。
回路基板は、基板上に導電性の配線を施した構造を有する。このような回路基板を製造する従来の方法は、一般に、金属箔を貼り合せた基板上にフォトレジストを塗布すること、これを露光及び現像して所望の回路パターンのネガ状の形状を得ること、及びフォトレジストに被覆されていない部分の金属箔をケミカルエッチングにより除去してパターンを形成することを含む。回路基板の従来の製造方法は、高性能の導電性基板を製造することができる。しかしながら、回路基板の従来の製造方法は、工程数が多く、煩雑であるとともに、フォトレジスト材料を要する等の欠点がある。
これに対し、金属微粒子及び金属酸化物微粒子からなる群から選択された微粒子を分散させた分散体(以下、「導電性ペースト」ともいう)を用いて、基板上に所望の配線パターンを直接印刷することを含む方法が注目されている。このような、基板上に所望の配線パターンを直接印刷する方法は、工程数が少なく、フォトレジスト材料を用いる必要がない等、極めて生産性が高い。
しかしながら、導電性ペーストは一般に抵抗が高く、金属並みの低抵抗な配線を得るためには非常に高い温度で長時間焼成し、バインダーを焼失する必要がある。そのため、基板の材料として安価な低耐熱樹脂材料を使用することができず、高価な高耐熱材料を使用しなければならない。安価な低耐熱樹脂材料を用いて、導電性ペーストを焼成する方法が求められている。
特許文献1では、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材上に、酸化第一銅の凝集体粒子を含む分散液を厚み10〜20μmで塗布し、これをレーザーで焼成することで銅配線を製造する方法が開示されている。この方法によれば、レーザー照射部以外は加熱されないため、PET基材のような低耐熱樹脂材料を用いることができる。
特許文献2では、基材と金属銅含有膜との密着性を向上させるために、基材上に下地層を設けることを記載している。より具体的には、下地層として酸化ケイ素の粒子であるコロイダルシリカを用いている。
特表2010−534932号公報 国際公開第2013/146389号
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、レーザー照射部が酸化第一銅の還元温度である250℃以上に急速に加熱されることで、レーザー照射部のPET基材が急速に熱分解を起こし、瞬間的に発生する多量の分解ガスにより銅配線が断線する問題があった。
特許文献2に記載されている方法では、コロイダルシリカは金属との密着性に優れるものの、樹脂基材との密着性が悪く、コロイダルシリカ層と樹脂基材層との間で剥離が生じることがある。また、下地層として樹脂やカップリング剤を用いることが記載されているが、その具体的な構成が記載されておらず、密着性の向上は実現不可能であった。
本発明が解決しようとする課題は、断線や破損が少ない導電性パターンを得ることができる、基板を提供することである。
本願発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、基板上にコーティング材料を含む第一層を配置し、その上に酸化銅を含む微粒子及び有機物を含む第二層を配置することにより上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
基材と;
上記基材上に配置された、コーティング材料を含む第一層と;
上記第一層上に配置された、微粒子及び有機物を含む第二層と
を有する、基板であって、
上記有機物の含有量が、上記微粒子の全体積を100体積部として5体積部〜900体積部であり、
上記微粒子は酸化銅を含み、上記微粒子中の上記酸化銅の含有率が65体積%以上である、基板。
〔2〕
上記第二層中の上記微粒子の含有率が、上記第二層の全体積に対して10体積%以上90体積%以下である、項目1に記載の基板。
〔3〕
上記第一層の上記コーティング材料が結合性構造を有する、項目1又は2に記載の基板。
〔4〕
上記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、項目3に記載の基板。
〔5〕
上記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、項目4に記載の基板。
〔6〕
上記第一層の上記コーティング材料がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、項目1又は2に記載の基板。
〔7〕
上記第一層がプライマー材料を含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の基板。
〔8〕
上記第一層が、上記コーティング材料と第二層との間に上記プライマー材料を有する、項目7に記載の基板。
〔9〕
上記第一層の上記プライマー材料が結合性構造を有する、項目7又は8に記載の基板。
〔10〕
上記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、項目9に記載の基板。
〔11〕
上記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、項目10に記載の基板。
〔12〕
上記第一層の上記プライマー材料がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、項目8又は9に記載の基板。
〔13〕
上記第一層の厚みが20μm以下である、項目1〜12のいずれか一項に記載の基板。
〔14〕
上記基材の荷重たわみ温度が300℃以下である、項目1〜13のいずれか一項に記載の基板。
〔15〕
上記有機物が結合性構造を有する、項目1〜14のいずれか一項に記載の基板。
〔16〕
上記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、項目15に記載の基板。
〔17〕
上記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、項目16に記載の基板。
〔18〕
上記第一層の上記有機物がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、項目14に記載の基板。
本発明によれば、断線や破損が少ない導電性パターンを得ることができる基板を提供することができる。
図1は、クラックのない例示的な第二層の電子顕微鏡写真である。 図2は、クラックのある例示的な第二層の電子顕微鏡写真である。 図3は、レーザーによる基板の焼成、及び導電性評価に用いた導電性パターンの模式図である。 図4は、比較例2の第2層の断面画像である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)を例示する目的で詳細に説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。本願明細書において、各数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
《基板》
本実施形態の基板は、基材と、上記基材上に配置されたコーティング材料を含む第一層と、上記第一層上に配置された、微粒子及び有機物を含む第二層とを有する。上記有機物の含有量は、上記微粒子の全質量を100重量部として1重量部〜150重量部である。また、上記微粒子は酸化銅を含み、上記微粒子中の上記酸化銅の含有率が60質量%以上である。
〈基材〉
基材としては、特に制限されないが、具体的には紙フェノール基材、紙エポキシ基材、ガラスコンポジット基材、ガラスエポキシ基材等の複合基材、テフロン基材、アルミナ基材、低温低湿同時焼成セラミックス(LTCC)、樹脂基材、ガラス基材、シリコンウェハ、及び紙基材等が挙げられる。
樹脂基材としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリアセタール、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリカルボジイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエチレンテトラフルオライド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ブチルゴム、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フェノールノボラック、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノール、ポリクロロピレン、ポリオキシメチレン、ポリスルホン(PSF)、シクロオレフィンポリマー(COP)、及びシリコーン樹脂等から構成される基材を用いることができる。特に、PET及びPENは、低コストで入手可能であり、事業の観点から有意であり、好ましい。
基材の荷重たわみ温度は、300℃以下であることが好ましく、275℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。荷重たわみ温度が300℃以下の基材は、低コストで入手可能であり、事業の観点から有意であり、好ましい。
基材の厚さは、例えば1μm〜10mmとすることができ、好ましくは25μm〜250μmである。基材の厚さが250μm以下であれば、作製される電子デバイスを、軽量化、省スペース化、及びフレキシブル化できるため好ましい。
〈第一層〉
本実施形態の基板は、基材上に配置された、コーティング材料を含む第一層を有する。
(コーティング材料)
第一層は少なくともコーティング材料を含む。コーティング材料としては、例えば、有機材料、無機材料、及び有機無機複合材料が挙げられる。
コーティング材料は、結合性構造を有することが好ましい。結合性構造としては、例えば、水酸基(−OH基)、アミノ基、チオール基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基、スクシンイミド骨格を有する官能基、ピロリドン骨格を有する官能基、セレノール基、ポリスルフィド基、ポリセレニド基、カルボキシル基、酸無水物骨格を有する官能基、スルホン酸基、ニトロ基、シアノ基、イソシアネート基、アジド基、シラノール基、シリルエーテル基、及びヒドロシリル基等を挙げることができる。結合性構造としては、水酸基(−OH基)、アミノ基、ホスホン酸基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つ以上の基であることが好ましい。−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基であることがより好ましい。
コーティング材料は、Ar−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有することもまた密着性の観点から好ましい。
コーティング材料は、以下の化学式に示す有機材料であってもよい。
上記化学式において、nは1以上の整数であり、Xは有機材料の主骨格であり、Rは官能基である。上記化学式においてRで表される官能基としては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基(例えばメチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、チエニル基等)、ハロアリール基(例えばペンタフルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基等)、アルケニル基、アルキニル基、アミド基、アシル基、アルコキシ基(例えばメトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、ナフチル基等)、ハロアルキル基(例えばパーフルオロアルキル基等)、チオシアノ基、水酸基、アミノ基、チオール基、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基、スクシンイミド骨格を有する官能基、ピロリドン骨格を有する官能基、セレノール基、ポリスルフィド基、ポリセレニド基、カルボン酸基、酸無水物骨格を有する官能基、スルホン酸基、ニトロ基、シアノ基、及びこれらを組み合わせた構造を挙げることができる。第一層がこれらの結合性構造を有する有機材料を含む場合、基材及び第二層との密着性が良好である傾向にある。
有機材料としては、芳香族構造(Ar)を有する有機材料を好適に用いることができる。芳香族構造を有する有機材料は、軟化温度及び分解温度が高いため、焼成時の基材の変形を抑制することができ、また基材の分解ガスによる第二層の破れが生じにくい。このため、焼成によって低抵抗な導電性膜を得ることができる。芳香族構造としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、フェナントレン、ピレン、ペリレン、及びトリフェニレン等の芳香族炭化水素;並びにチオフェン、チアゾール、ピロール、フラン、ピリジン、ピラゾール、イミダゾール、ピリダジン、ピリミジン、及びピラジン等の複素芳香族を用いることができる。芳香族構造のπ電子系に含まれる電子数は、22以下であることが好ましく、14以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。π電子系に含まれる電子数が22以下であると結晶性が高くなりすぎず、柔軟で平滑性の高い第一層を得ることができる。これら芳香族構造は、芳香環に結合した水素の一部が官能基に置換されていてもよい。官能基としては、例えば、ハロゲン、アルキル基(例えばメチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、チエニル基等)、ハロアリール基(例えばペンタフルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基等)、アルケニル基、アルキニル基、アミド基、アシル基、アルコキシ基(例えばメトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、ナフチル基等)、ハロアルキル基(例えばパーフルオロアルキル基等)、チオシアノ基、及び水酸基等を挙げることができる。有機材料は、芳香族性水酸基(Ar−OH基)を有することが好ましく、特にフェノール基(Ph−OH基)が好ましい。また、芳香族性水酸基の酸素が他の構造と結合したAr−O構造を有する有機材料は、焼成時に分解しにくい傾向にあるため好ましい。
有機材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリアセタール、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリカルボジイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエチレンテトラフルオライド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フェノールノボラック、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノール、ポリクロロピレン、ポリオキシメチレン、ポリスルホン(PSF)及びシリコーン樹脂等が挙げられる。有機材料としては、フェノール樹脂、フェノールノボラック、ポリビニルフェノール、及びポリイミドからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
無機材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属炭酸化物、及び金属フッ化物等が挙げられる。無機材料としては、具体的には、酸化ケイ素、酸化銀、酸化銅、酸化アルミニウム、ジルコニア、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化スズ、酸化カルシウム、酸化セリウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化ホルミウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化アンチモン、酸化サマリウム、酸化テルビウム、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズインジウム(ITO)、フッ化銀、フッ化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化ジルコニウム、フッ化チタン、フッ化ハフニウム、フッ化タンタル、フッ化スズ、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、フッ化コバルト、フッ化ホルミウム、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、フッ化マンガン、フッ化モリブデン、フッ化ニッケル、フッ化アンチモン、フッ化サマリウム、フッ化テルビウム、フッ化タングステン、フッ化イットリウム、フッ化亜鉛、フッ化リチウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、窒化銅、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化スズ、窒化カルシウム、窒化セリウム、窒化コバルト、窒化ホルミウム、窒化ランタン、窒化マグネシウム、窒化マンガン、窒化モリブデン、窒化ニッケル、窒化アンチモン、窒化サマリウム、窒化テルビウム、窒化タングステン、窒化イットリウム、窒化亜鉛、窒化リチウム、窒化ガリウム、SiC、SiCN、及びダイヤモンドライクカーボン(DLC)等が挙げられる。水酸基を有する無機材料は、基材及び第二層との密着性に優れるため好ましい。特に、金属酸化物表面には水酸基が存在するため、金属酸化物が好ましい。金属酸化物の中でも特に、Si−O構造を有する無機材料がより好ましく、具体的には、酸化ケイ素、酸化チタン、ジルコニア、及び酸化スズインジウムからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
無機材料としては、無機半導体を用いることもできる。無機半導体材料としては、例えば、単体元素半導体、酸化物半導体、化合物半導体、及び硫化物半導体等が挙げられる。単体元素半導体としては、例えば、シリコン、及びゲルマニウムが例示される。酸化物半導体としては、例えば、IGZO(インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化ニオブ、及び酸化第一銅等が例示される。化合物半導体としては、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、ガリウムリン(GaP)、カドミウムセレン(CdSe)、炭化ケイ素(SiC)、インジウムアンチモン(InSb)、及び窒化ガリウム等が例示される。硫化物半導体としては、例えば、硫化モリブデン、及び硫化カドミウム等が例示される。
有機無機複合材料としては、例えば、無機微粒子を分散した有機材料、及び有機金属化合物を用いることができる。無機微粒子としては、上述した無機材料の粒子を用いることができる。有機金属化合物としては、例えば、シリケート、チタネート、及びアルミナート等が挙げられる。シリケートとしては、メチルシリケート、及びエチルシリケート等を用いることができる。
(プライマー材料)
第一層は単独の材料で形成してもよいし、複数種類の材料を混合又は積層して形成してもよい。
例えば、第一層はプライマー材料を含んでもよく、例えば、基材とコーティング材料との間、又はコーティング材料と第二層との間にプライマー材料を有してもよい。第一層がプライマー材料を含むと、密着性がより向上する傾向にある。プライマー材料は、例えば、表面に薄いプライマー材料の層を形成するプライマー処理で形成することができる。
プライマー材料は結合性構造を有することが好ましい。結合性構造としては、上記「(コーティング材料)」の項目で説明した結合性構造が挙げられる。プライマー材料が結合性構造を有することで、第一層に結合性構造が導入され、高い密着性が得られる傾向にある。
基材上にプライマー処理をしてからコーティング材料を配置して第一層を形成してもよく、基材上にコーティング材料を配置してからコーティング材料の上にプライマー処理をして第一層を形成してもよく、コーティング材料とプライマー材料とを予め混合してから基材上に配置することにより第一層を形成してもよく、基材上にプライマー材料を配置して第一層を形成してもよい。コーティング材料の上にプライマー処理を施すと、表面の結合構造の密度を増加することができるため、より高い密着性が得られる。
プライマー材料としては、例えば、シランカップリング剤、ホスホン酸系低分子材料、及びチオール系材料等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、末端にビニル基、アミノ基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、チオール基、イソシアネート基、ホスホン酸基等の官能基を有する化合物が挙げられる。シランカップリング剤としては、具体的には、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及び3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
ホスホン酸系材料としては、例えば、末端にビニル基、アミノ基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、チオール基、イソシアネート基、シリル基、シラノール基、シリルエーテル基等の官能基を有する化合物が挙げられる。ホスホン酸系材料としては、具体的には、アミノメチルホスホン酸、2−アミノエチルホスホン酸、O−ホスホリルエタノールアミン、12−アミノドデシルホスホン酸、12−アミノウンデシルホスホン酸塩酸塩、6−アミノヘキシルホスホン酸、6−アミノヘキシルホスホン酸塩酸塩、12−アジドドデシルホスホン酸、(12−ドデシルホスホン酸)N,N−ジメチル−N−オクタデシルアンモニウムブロミド、(12−ドデシルホスホン酸)N,N−ジメチル−N−オクタデシルアンモニウムクロリド、(12−ドデシルホスホン酸)ピリジニウムブロミド、(12−ドデシルホスホン酸)トリエチルアンモニウムブロミド、(12−ドデシルホスホン酸)トリエチルアンモニウムクロリド、11−ヒドロキシウンデシルホスホン酸、12−メルカプトドデシルホスホン酸、11−メルカプトウンデシルホスホン酸、11−メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、4−ニトロベンジルホスホン酸、12−ホスホノ−1−ドデカンスルホン酸、(6−ホスホノヘキシル)ホスホン酸、11−ホスホノウンデカン酸、11−ホスホノウンデシルアクリレート、プロピレンジホスホン酸、4−アミノベンジルホスホン酸、1,8−オクタンジホスホン酸、1,10−デシルジホスホン酸、6−ホスホノヘキサン酸、(1−アミノ−2−メチルプロピル)ホスホン酸、(1−アミノプロピル)ホスホン酸、(3−ニトロフェニル)ホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1,−ジホスホン酸、3−アミノプロピルホスホン酸、4−アミノブチルホスホン酸、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、及びメチレンジホスホン酸等が挙げられる。
チオール系材料としては、例えば、末端にビニル基、アミノ基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、イソシアネート基、シリル基、シラノール基、シリルエーテル基、ホスホン酸基等の官能基を有する化合物を好適に用いることができる。チオール系材料としては、具体的には、4−シアノ−1−ブタンチオール、1,11−ウンデカンジチオール、1,16−ヘキサデカンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2,2‘−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール、2,3−ブタンジチオール、5,5’−ビス(メルカプトメチル)−2,2‘−ビピリジン、ヘキサ(エチレングリコール)ジチオール、テトラ(エチレングリコール)ジチオール、ベンゼン−1,4−ジチオール、(11−メルカプトウンデシル)ヘキサ(エチレングリコール)、(11−メルカプトウンデシル)テトラ(エチレングリコール)、1−メルカプト−2−プロパノール、11−アミノ−1−ウンデカンチオール、11−アミノ−1−ウンデカンチオール塩酸塩、11−アジド−1−ウンデカンチオール、11−メルカプト−1−ウンデカノール、11−メルカプトウンデカンアミド、11−メルカプトウンデカン酸、11−メルカプトウンデシルヒドロキノン、11−メルカプトウンデシルホスホン酸、12−メルカプトドデカン酸、16−アミノ−1−ヘキサデカンチオール、16−アミノ−1−ヘキサデカンチオール塩酸塩、16−メルカプトヘキサデカンアミド、16−メルカプトヘキサデカン酸、3−アミノ−1−プロパンチオール、3−アミノ−1−プロパンチオール塩酸塩、3−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプトプロピオン酸、4−メルカプト−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサンチオール、6−アミノ−1−ヘキサンチオール塩酸塩、6−メルカプト−1−ヘキサノール、6−メルカプトヘキサン酸、8−アミノ−1−オクタンチオール、8−アミノ−1−オクタンチオール塩酸塩、8−メルカプト−1−オクタノール、8−メルカプトオクタン酸、9−メルカプト−1−ノナノール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、4,4’−ビス(メルカプトメチル)ビフェニル、4,4‘−次メルカプトスチルベン、4−メルカプト安息香酸、ビフェニル−4,4−ジチオール等が挙げられる。
第一層の形成方法としては、塗布、蒸着、ゾルゲル法等が挙げられる。第一層の厚みは、基板の反り防止の観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは1μm以下;密着性の観点から好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上である。
〈第二層〉
本実施形態の基板は、第一層上に配置された、微粒子及び有機物を含む第二層を有する。上記微粒子は酸化銅を含み、上記微粒子中の上記酸化銅の含有率は60質量%以上である。
(微粒子)
微粒子は酸化銅を含み、任意に他の成分、例えば銅を含んでもよい。酸化銅及び銅は安価であり、焼成によって抵抗の低い配線を形成することができるため好ましい。酸化銅及び銅を含む微粒子の具体例としては、例えば、銅、酸化第一銅、酸化第二銅、その他の酸化数を持つ酸化銅等から構成される微粒子の混合物であってもよく、コア部が銅でありシェル部が酸化銅であるコア/シェル構造を有する微粒子であってもよい。酸化銅としては、酸化第一銅及び酸化第二銅は、分散性が優れる傾向にあるので好ましく、酸化第一銅は低温焼結し易い傾向にあるのでさらに好ましい。微粒子は、少量の不純物、例えば銅塩若しくは銅錯体又はその双方を含んでもよい。微粒子は、一種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
微粒子中の酸化銅の含有量は65体積%以上であり、好ましくは85体積%以上、より好ましくは90体積%以上、更に好ましくは100体積%であってもよい。質量%に換算すると、微粒子中の酸化銅の含有量は60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは100質量%であってもよい。銅微粒子は光を反射するのに対し、酸化銅微粒子は光を吸収するため、粒子が酸化銅を60質量%以上または65体積%以上含む場合、より小さいエネルギーの光照射によって膜を加熱することができる。
微粒子の平均二次粒径は、特に制限されないが、好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは80nm以下である。微粒子の平均二次粒径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上である。平均二次粒径とは、一次粒子が複数個集まって形成される凝集体(二次粒子)の平均粒径のことである。この平均二次粒径が500nm以下であると、基板上に微細パターンを形成し易い傾向があるので好ましい。平均二次粒径が5nm以上であれば、分散体の長期保管安定性が向上するため好ましい。微粒子の平均二次粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。
二次粒子を構成する一次粒子の平均一次粒径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、更に好ましくは20nm以下である。平均一次粒径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、更に好ましくは5nm以上である。平均一次粒径が100nm以下の場合、後述する焼成温度を低くすることができる傾向にある。このような低温焼成が可能になる理由は、粒子の粒径が小さいほど、その表面エネルギーが大きくなって、融点が低下するためと考えられる。また、平均一次粒径が1nm以上であれば、良好な分散性を得ることができるため好ましい。平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。
第二層中の微粒子の含有率は、第二層の全質量に対して、40質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく;98質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。また、10体積%以上であることが好ましく、15体積%以上であることがより好ましく、25体積%以上であることがさらに好ましく;90体積%以下であることが好ましく、76体積%以下であることがより好ましく、60体積%以下であることがさらに好ましい。第二層中の微粒子の含有率が40質量%以上または10体積%以上であれば、焼成によって微粒子同士が融着して導電性を発現し、より高濃度になるほど高い導電性を得ることができ;98質量%以下または90体積%以下であれば、第二層は膜として第一層に付着することができ、95質量%以下または76体積%以下であれば第一層との高い密着性を得ることができ、90質量%以下または60体積%以下であれば可撓性が高くなり、折り曲げたときクラックが生じにくい信頼性の高い膜を得ることができる。
本実施形態における微粒子としては、市販品を用いてもよいし、合成物を用いてもよい。市販品としては、例えば、CIKナノテック製の平均一次粒径50nmの酸化第二銅微粒子が挙げられる。
微粒子の合成法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
(1)ポリオール溶剤中に、水及び銅アセチルアセトナト錯体を加え、一旦有機銅化合物を加熱溶解させ、反応に必要な量の水を更に添加し、有機銅の還元温度に加熱して還元する方法。
(2)有機銅化合物(銅−N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン錯体)を、ヘキサデシルアミン等の保護剤の存在下、不活性雰囲気中で、300℃程度の高温で加熱する方法。
(3)水溶液に溶解した銅塩をヒドラジンで還元する方法。
上記(1)の方法は、例えば、アンゲバンテ・ケミ・インターナショナル・エディション、40号、2巻、p.359、2001年に記載の条件で行うことができる。
上記(2)の方法は、例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ・1999年、121巻、p.11595に記載の条件で行うことができる。
上記(3)の方法において、銅塩としては、二価の銅塩を好適に用いることができ、その例として、例えば、酢酸銅(II)、硝酸銅(II)、炭酸銅(II)、塩化銅(II)、硫酸銅(II)等を挙げることができる。ヒドラジンの使用量は、銅塩1モルに対して、0.2モル〜2モルとすることが好ましく、0.25モル〜1.5モルとすることがより好ましい。
銅塩を溶解した水溶液には、水溶性有機化合物を添加してもよい。該水溶液に水溶性有機化合物を添加することによって該水溶液の融点が下がるので、より低温における還元が可能となる。水溶性有機化合物としては、例えば、アルコール、水溶性高分子等を用いることができる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を用いることができる。水溶性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体等を用いることができる。
上記(3)の方法における還元の際の温度は、例えば−20〜60℃とすることができ、−10〜30℃とすることが好ましい。この還元温度は、反応中一定でもよいし、途中で昇温又は降温してもよい。ヒドラジンの活性が高い反応初期は、10℃以下で還元することが好ましく、0℃以下で還元することがより好ましい。還元時間は、30分〜300分とすることが好ましく、90分〜200分とすることがより好ましい。還元の際の雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気であることが好ましい。
上記(1)〜(3)の方法の中でも、(3)の方法は操作が簡便で、且つ、粒径の小さい粒子が得られるので好ましい。
(有機物)
有機物は、微粒子を第一層上に固定できるものであれば特に限定されない。有機物は単一分子でもよいし、複数種類の分子の混合物でもよい。
有機物の分子量は特に限定されないが、350以上であることが好ましく、800以上であることがより好ましく、1,500以上であることがさらに好ましく;1,000,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることがさらに好ましい。
微粒子100体積部に対する有機物の含有量は、5体積部〜900体積部である。微粒子100体積部に対する有機物の含有量は、好ましくは10体積部以上、より好ましくは30体積部以上、更に好ましくは60体積部以上であり;好ましくは480体積部以下、より好ましくは240体積部以下である。重量部に換算すると、微粒子100重量部に対する有機物の含有量は、1重量部〜150重量部であることが好ましい。微粒子100重量部に対する有機物の含有量は、好ましくは2重量部以上、より好ましくは5重量部以上、更に好ましくは10重量部以上であり;好ましくは80重量部以下、より好ましくは40重量部以下である。5体積部以上又は1重量部以上であれば厚みサブミクロンの薄膜を形成することができ、10体積部以上又は5重量部以上であれば厚み数十μmの厚膜を形成することができ、30体積部以上又は10重量部以上であれば曲げてもクラックが入りにくい可撓性の高い膜を得ることができる;900体積部以下又は150重量部以下であれば光焼成によって導電性膜を得ることができる。
有機物は、光や熱によって分解又は蒸発しやすいものであることが好ましい。光や熱によって分解又は蒸発しやすい有機物を用いることによって、光焼成後に有機物の残渣が残りにくくなり、抵抗率の低い導電性膜を得ることができる。有機物の分解温度は、限定されないが、600℃以下であることが好ましく、400℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましい。有機物の沸点は、限定されないが、300℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることがさらに好ましい。
有機物の吸収特性は、限定されないが、焼成に用いる光源の波長の光を吸収できることが好ましい。例えば、焼成にキセノンランプを用いる場合は300nm〜1000nmの光を吸収する有機物を用いることが好ましく、UVランプを用いる場合は100nm〜450nmの光を吸収する有機物を用いることが好ましい。
有機物は、結合性構造を1種類以上有していてもよい。結合性構造としては、上記「(コーティング材料)」の項目で説明した結合性構造が挙げられる。結合性構造としては、特に水酸基、アミノ基、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基、及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも一つを有するものが好ましい。第二層がこれらの結合性構造を有する有機物を含むと、第一層との密着性が良好である傾向にある。
有機物としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリアセタール、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリカルボジイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエチレンテトラフルオライド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ブチルゴム、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フェノールノボラック、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノール、ポリクロロピレン、ポリオキシメチレン、ポリスルホン(PSF)、ポリスルフィド、シリコーン樹脂、アルドース、セルロース、アミロース、プルラン、デキストリン、グルカン、フルクタン、キチン等の構造を用いることができる。これら構造の官能基を変性した構造を用いることもできるし、これら構造を修飾した構造を用いることもできるし、これら構造の共重合体を用いることもできる。ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、ポリアセタール構造、ポリブテン構造、及びポリスルフィド構造から選択される骨格を有する有機物は、分解し易く、焼成後に得られる導電性膜中に残渣を残し難いため好ましい。
有機物として、市販の材料を用いることができ、具体的には、ビックケミー社製のDISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−118、DISPERBYK−140、DISPERBYK−145、DISPERBYK−168、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−187、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−193、DISPERBYK−194N、DISPERBYK−199、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2012、DISPERBYK−2013、DISPERBYK−2015、DISPERBYK−2022、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2152、DISPERBYK−2055、DISPERBYK−2060、DISPERBYK−2061、DISPERBYK−2164、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2200、BYK−405、BYK−607、BYK−9076、BYK−9077、BYK−P105、第一工業製薬社製のプライサーフM208F、プライサーフDBS等を挙げることができる。
第二層の形成方法としては、微粒子の分散体を塗布する方法、微粒子を散布し次いで有機物を塗布する方法、有機物を塗布し次いで微粒子を散布する方法等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
《分散体の製造》
水800g及び1,2−プロピレングリコール(和光純薬製)400gから成る混合溶媒中に、酢酸銅(II)一水和物(和光純薬製)80gを溶解し、ヒドラジン(和光純薬製)24gを加えて攪拌した後、遠心分離を用いて上澄みと沈殿物とに分離した。得られた沈殿物2.8gに、有機物としてDisperbyk−145(商品名、ビックケミー社製)0.05g及び溶媒としてエタノール(和光純薬製)6.6gを加え、ホモジナイザーを用いて分散することにより、銅(I)酸化物粒子を含有する分散体(a)を得た。なお、沈殿物を真空乾燥することで沈殿物中の酸化銅粒子の重量を測定したところ、沈殿物2.8g中に酸化銅粒子は2.0g含有されていた。
沈殿物2.8gに加える有機物の量を、それぞれ表1に記載のとおりに変更した他は上記と同様の操作により、銅(I)酸化物粒子を含有する分散体(b)〜(k)を得た。
分散体(b)に、銅粉(高純度化学社製、品番:CUE12PB)を表1に記載のとおりの量で添加することにより、分散体(l)、(m)を得た。
《基板の製造》
[比較例1]
厚み100μmのPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100)の表面にUVオゾン処理を施した後、分散体(a)を所定の厚みになるようバーコートし、室温で10分間乾燥することで比較例1の基板を得た。
[比較例2〜15]
基材、分散体の種類及び厚みを、それぞれ表2及び3に示すとおりに変更した他は、上記比較例1と同様の操作により、比較例2〜15の基板を得た。
[実施例1]
厚み100μmのPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100)の表面にUVオゾン処理を施した後、コルコートN103X(コルコート社製)を所定の厚みになるようバーコートし、室温で10分間乾燥した後、100℃のオーブンで10分間加熱し、第一層を形成した。
次いで、第一層上に分散体(a)を所定の厚みになるようバーコートし、室温で10分間乾燥することで、実施例1の基板を得た。
[実施例2〜実施例19及び比較例16〜比較例19]
コーティング主材料、分散体の種類及び厚みを、それぞれ表2及び3に記載のとおりに変更した他は、上記実施例1と同様の操作により、実施例2〜実施例19及び比較例16〜比較例19の基板を得た。
[実施例20]
厚み100μmのPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100)の表面にUVオゾン処理を施した後、コルコートN103X(コルコート社製)を所定の厚みになるようバーコートし、室温で30分間乾燥した後、100℃のオーブンで2時間加熱した。次いで、5mMのO−ホスホリルエタノールアミン水溶液中に16時間浸漬し、蒸留水及びエタノールで洗浄、乾燥することで、コルコートN103XをO−ホスホリルエタノールアミンでプライマー処理し、第一層を形成した。
次いで、第一層上に分散体(b)を、所定の厚みになるようバーコートし、室温で10分間乾燥することで、実施例20の基板を得た。
[実施例21〜実施例25]
コーティング主材料、プライマー材料、分散体の種類及び厚みを、それぞれ表2及び3に記載のとおりに変更した他は、上記実施例20と同様の操作により、実施例21〜実施例25の基板を得た。これら基板の第一層表面には、表4に記載する結合性構造が形成されていると考えられる。
表中の名称はそれぞれ以下の化合物を指す。
PET:コスモシャインA4100(商品名、東洋紡社製)
PP:ポリプロピレンフィルム
COP:ゼオノアフィルムZF−16(商品名、ゼオン社製)
PEN:ポリエチレンナフタレート樹脂
BYK−145:Disperbyk−145、(商品名、ビックケミー社製、顔料親和性基を有する高分子量共重合物のリン酸エステル塩。結合性構造としてリン酸エステル基とアミノ基を有する。重量平均分子量Mw:約1,000〜5,000)
コルコートN103X:商品名、コルコート社製
PVP:ポリビニルフェノール樹脂
エポキシ:EPICLON N−740(商品名、DIC社製)を酸無水物で硬化させた樹脂
WML−337:アクリディックWML−337(商品名、DIC社製)
KR5206:商品名、信越化学工業社製
ITO:酸化インジウムスズ
PI:ポリイミド樹脂
《評価及び測定方法》
〈分散体の成膜性評価〉
得られた基板の、第二層の成膜性を、形状測定レーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−9510)で観察した。このとき、10倍の対物レンズを用いた。評価基準は以下である。図1にクラックのない第二層の例を、図2にクラックのある第二層の例を示す。
○:クラックがない
×:クラックがある
〈レーザーによる基板の焼成、及び導電性評価〉
基板を可動ステージ上に設置し、基板表面にレーザー光(波長532nm、出力0.4W、連続波発振(Continuous Wave:CW))の焦点が合うような位置に100倍の対物レンズを設置した。
次いで、可動ステージを300mm/分で動かしながらレーザー光を基板に照射することで導電性パターンを得た。
導電性の評価方法を以下に述べる。
長さ1cmの導電性パターン(1)を縦に20本並べて形成し、20本の導電性パターンの片方の端部同士を導電性ペースト(銀ペースト(2))で短絡し、さらにもう一方の端部同士を同様に短絡した。図3に、導電性パターンの模式図を示す。導電性パターンの両端に形成した2か所の導電性ペースト間の抵抗をテスタで測定することによって、導電性を評価した。評価基準は以下である。
○:導通した(抵抗が1MΩ以下)
×:導通しない(抵抗が1MΩより高い)
〈キセノンフラッシュによる基板の焼成、及び導電性評価〉
3cm角の基板をステージ上に設置し、キセノンフラッシュ(照射エネルギー3J/cm、照射時間4m秒)を照射することで導電性膜を得た。
導電性膜の両端にテスタを当て、導電性を評価した。評価基準は以下である。
○:導通した(抵抗が1MΩ以下)
×:導通しない(抵抗が1MΩより高い)
表2及び3中の「※」について:ITO自体が導電性を有するため、焼成によって導電性が向上したかどうかで評価した。
○※:焼成により導電性が向上
×※:焼成の前後で導電性に変化なし又は劣化
レーザーによる基板の焼成、及びキセノンフラッシュによる基板の焼成のうち、いずれか一方で導電性を発現することができれば、プリント配線板として使用することができる。
〈平均一次粒子径〉
微粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。具体的な操作を説明する。サンプルを適当なサイズに切り分け、日立ハイテクノロジーズ社製、イオンミリング装置E−3500を用いてブロードイオンビーム(BIB)加工した。この際、必要に応じてサンプルを冷却しながらBIB加工を行った。加工したサンプルに導電処理を施し、導電性粘着剤部の断面を日立製作所社製、走査型電子顕微鏡S−4800にて観察した。1視野内に10点以上の一次粒子が存在する画像内のすべての一次粒子径を測定し、その平均値を、平均一次粒子径とした。
〈平均二次粒子径〉
微粒子の平均二次粒径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。具体的な操作を説明する。サンプルを適当なサイズに切り分け、日立ハイテクノロジーズ社製、イオンミリング装置E−3500を用いてBIB加工した。この際、必要に応じてサンプルを冷却しながらBIB加工を行った。加工したサンプルに導電処理を施し、導電性粘着剤部の断面を日立製作所社製、走査型電子顕微鏡S−4800にて観察した。1視野内に10点以上の二次粒子が存在する画像内のすべての二次粒子径を測定し、その平均値を、平均二次粒子径とした。
〈荷重たわみ温度〉
基材の荷重たわみ温度は、JIS7191に準拠した方法で測定することができる。
〈第二層中の酸化銅微粒子、銅微粒子、及び有機物の含有率(体積%)の測定〉
走査型電子顕微鏡(SEM)で第二層の断面を観察することにより、第二層中の酸化銅微粒子、銅微粒子、及び有機物の含有率(体積%)を測定した。図4に、比較例2における第二層の断面画像を示す。図4に示すように、SEM画像においては、電子密度が大きい材料ほど明るく観察されるため、無機物は有機物より明るく、導電性の金属は酸化物より明るく観察される。したがって、第二層(3)中のある観察領域(4)において、断面画像中の微粒子と有機物を、形状、サイズ、及びコントラストで区別することが可能である。断面画像中の微粒子が占める面積と、第二層の総面積との商をとって100を乗じることで微粒子の含有率(体積%)を求めることができる。
また、酸化銅微粒子と銅微粒子も同様に、形状、サイズ、及びコントラストで区別することが可能である。断面画像中の酸化銅が占める面積と、全微粒子が占める面積との商をとって100を乗じることで微粒子中の酸化銅の含有率(体積%)を求めることができる。
有機物の含有率(体積%)は、断面画像中の有機物の占める面積と、第二層の総面積との商をとって100を乗じることで求めることができる。
画像の解析には、画像解析ソフトを用いることができ、例えばImageJ(アメリカ国立衛生研究所製)が挙げられる。実施例においては、ImageJに断面画像を読み込み、白黒8ビット画像に変換、デフォルトの閾値設定を行い、粒子解析することで微粒子の含有率を求めた。
〈第二層中の微粒子等の含有率(質量%)の測定〉
断面画像から求めた体積比と、それぞれの材料の比重とから重量比を計算することができる。材料の比重はそれぞれ以下の値を用いることができる。
酸化銅:6.0g/cm
銅:8.9g/cm
有機物:1.0g/cm
これ以外の材料については、化学便覧、理化年表等に記載の数値を用いてもよい。
(分散体の分散性について)
分散体(a)〜(m)は、目視評価においてすべて分散性の良好な分散体であった。
(分散体の成膜性について)
分散体(a)を乾燥膜厚0.5μmで塗布した膜には、クラックが生じなかった(比較例1、実施例1)。しかしながら、分散体(f)を乾燥膜厚30μmの厚みで塗布した膜は、乾燥後にクラックが生じた(比較例6)。
分散体(a)及び(f)で作製した第二層中の有機物の含有量は、酸化銅微粒子100重量部に対して、2.5重量部であった。
分散体(g)は、乾燥膜厚30μmにおいても、クラックの無い膜を得ることができた。分散体(g)で作製した膜中の有機物含有量は、酸化銅微粒子100重量部に対して10重量部であった。
(レーザーによって焼成した基板について)
第一層のない基板(比較例1〜15)は、レーザー照射によって基板から第二層が剥離してしまい、導電性のパターンを得ることができなかった。
第二層中の有機物の含有量の多い基板(比較例16及び比較例17)は、レーザー照射によっても導電性を発現することがなかった。有機物の含有量が多すぎたため、粒子同士が接触できず、焼結しなかったためと考えられる。
実施例1〜25の基板においては、レーザー照射によって導電性の膜を得ることができた。実施例20〜25では第一層表面に結合性構造が形成され、第一層と第二層との密着性がより向上したため、導電性膜が剥離しなかったと考えられる。
第一層のある基板であっても、比較例18及び19の基板は、レーザー照射によって剥離することがなかったものの、導電性を発現することがなかった。酸化銅微粒子及び銅微粒子の全質量に対する酸化銅微粒子の含有率が65体積%未満であったため、銅微粒子が光を反射し、第二層の温度が十分に上がらず焼結しなかったと考えられる。
(キセノンフラッシュによって焼成した基板について)
第一層のない基板(比較例1〜15)は、キセノンフラッシュ照射によって基板から第二層が剥離してしまい、導電性のパターンを得ることができなかった。
第二層中の有機物の含有量の多い基板(比較例16及び17)は、キセノンフラッシュ照射によっても導電性を発現することがなかった。有機物の含有量が多すぎたため、粒子同士が接触できず、焼結しなかったためと考えられる。
実施例11の基板においては、キセノンフラッシュ照射によっては第二層が剥離してしまい、導電性のパターンを得ることができなかった。キセノンフラッシュは非常に大きなエネルギーを広範囲に照射するため、第一層の耐熱性が低いと第一層の分解や変形によって第二層が剥離すると考えられる。
実施例1〜10、及び実施例12〜25の基板においては、キセノンフラッシュ照射によって導電性の膜を得ることができた。第一層表面に結合性構造が形成され、第一層と第二層との密着性が向上したため、導電性膜が剥離しなかったと考えられる。
第一層のある基板であっても、比較例18及び19の基板は、キセノンフラッシュ照射によって剥離することがなかったものの、導電性を発現することがなかった。酸化銅微粒子及び銅微粒子の全質量に対する酸化銅微粒子の含有率が65体積%未満であったため、銅微粒子が光を反射し、第二層の温度が十分に上がらず焼結しなかったと考えられる。
本発明の基板は、光焼成処理によって断線や破損が少ない導電性膜を得ることができる。そのため、本発明の基板は、プリント配線板、電子デバイス、透明導電性フィルム、帯電防止膜等の製造に好適に用いられる。
1 導電性パターン
2 銀ぺースト
3 第二層
4 観察領域

Claims (16)

  1. 基材と;
    前記基材上に配置された、コーティング材料を含む第一層と;
    前記第一層上に配置された、微粒子及び有機物を含む第二層と
    を有する、基板であって、
    前記有機物の含有量が、前記微粒子の全体積を100体積部として5体積部〜900体積部であり、
    前記微粒子は酸化銅を含み、前記微粒子中の前記酸化銅の含有率が65体積%以上であり、
    前記第一層が、前記コーティング材料と第二層との間にプライマー材料を有し、前記プライマー材料は、シランカップリング剤、ホスホン酸系低分子材料、及びチオール系材料からなる群から選択される少なくとも一つである、基板。
  2. 前記第二層中の前記微粒子の含有率が、前記第二層の全体積に対して10体積%以上90体積%以下である、請求項1に記載の基板。
  3. 前記第一層の前記コーティング材料が結合性構造を有する、請求項1又は2に記載の基板。
  4. 前記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、請求項3に記載の基板。
  5. 前記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、請求項4に記載の基板。
  6. 前記第一層の前記コーティング材料がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、請求項1又は2に記載の基板。
  7. 前記第一層の前記プライマー材料がSi−OH基を有する、請求項に記載の基板。
  8. 前記第一層の前記プライマー材料がSi−O構造を有する、請求項に記載の基板。
  9. 前記第一層の厚みが20μm以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板。
  10. 前記基材の荷重たわみ温度が300℃以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板。
  11. 前記有機物が結合性構造を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板。
  12. 前記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、請求項11に記載の基板。
  13. 前記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、請求項12に記載の基板。
  14. 記有機物がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、請求項13に記載の基板。
  15. 前記有機物の前記結合性構造が、ホスホン酸エステル基とアミノ基である、請求項11に記載の基板。
  16. 前記有機物の分子量が800以上1,000,000以下である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の基板。
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