JP6748530B2 - 基板 - Google Patents
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Description
〔1〕
基材と;
上記基材上に配置された、コーティング材料を含む第一層と;
上記第一層上に配置された、微粒子及び有機物を含む第二層と
を有する、基板であって、
上記有機物の含有量が、上記微粒子の全体積を100体積部として5体積部〜900体積部であり、
上記微粒子は酸化銅を含み、上記微粒子中の上記酸化銅の含有率が65体積%以上である、基板。
〔2〕
上記第二層中の上記微粒子の含有率が、上記第二層の全体積に対して10体積%以上90体積%以下である、項目1に記載の基板。
〔3〕
上記第一層の上記コーティング材料が結合性構造を有する、項目1又は2に記載の基板。
〔4〕
上記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、項目3に記載の基板。
〔5〕
上記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、項目4に記載の基板。
〔6〕
上記第一層の上記コーティング材料がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、項目1又は2に記載の基板。
〔7〕
上記第一層がプライマー材料を含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の基板。
〔8〕
上記第一層が、上記コーティング材料と第二層との間に上記プライマー材料を有する、項目7に記載の基板。
〔9〕
上記第一層の上記プライマー材料が結合性構造を有する、項目7又は8に記載の基板。
〔10〕
上記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、項目9に記載の基板。
〔11〕
上記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、項目10に記載の基板。
〔12〕
上記第一層の上記プライマー材料がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、項目8又は9に記載の基板。
〔13〕
上記第一層の厚みが20μm以下である、項目1〜12のいずれか一項に記載の基板。
〔14〕
上記基材の荷重たわみ温度が300℃以下である、項目1〜13のいずれか一項に記載の基板。
〔15〕
上記有機物が結合性構造を有する、項目1〜14のいずれか一項に記載の基板。
〔16〕
上記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、項目15に記載の基板。
〔17〕
上記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、項目16に記載の基板。
〔18〕
上記第一層の上記有機物がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、項目14に記載の基板。
本実施形態の基板は、基材と、上記基材上に配置されたコーティング材料を含む第一層と、上記第一層上に配置された、微粒子及び有機物を含む第二層とを有する。上記有機物の含有量は、上記微粒子の全質量を100重量部として1重量部〜150重量部である。また、上記微粒子は酸化銅を含み、上記微粒子中の上記酸化銅の含有率が60質量%以上である。
基材としては、特に制限されないが、具体的には紙フェノール基材、紙エポキシ基材、ガラスコンポジット基材、ガラスエポキシ基材等の複合基材、テフロン基材、アルミナ基材、低温低湿同時焼成セラミックス(LTCC)、樹脂基材、ガラス基材、シリコンウェハ、及び紙基材等が挙げられる。
本実施形態の基板は、基材上に配置された、コーティング材料を含む第一層を有する。
第一層は少なくともコーティング材料を含む。コーティング材料としては、例えば、有機材料、無機材料、及び有機無機複合材料が挙げられる。
第一層は単独の材料で形成してもよいし、複数種類の材料を混合又は積層して形成してもよい。
本実施形態の基板は、第一層上に配置された、微粒子及び有機物を含む第二層を有する。上記微粒子は酸化銅を含み、上記微粒子中の上記酸化銅の含有率は60質量%以上である。
微粒子は酸化銅を含み、任意に他の成分、例えば銅を含んでもよい。酸化銅及び銅は安価であり、焼成によって抵抗の低い配線を形成することができるため好ましい。酸化銅及び銅を含む微粒子の具体例としては、例えば、銅、酸化第一銅、酸化第二銅、その他の酸化数を持つ酸化銅等から構成される微粒子の混合物であってもよく、コア部が銅でありシェル部が酸化銅であるコア/シェル構造を有する微粒子であってもよい。酸化銅としては、酸化第一銅及び酸化第二銅は、分散性が優れる傾向にあるので好ましく、酸化第一銅は低温焼結し易い傾向にあるのでさらに好ましい。微粒子は、少量の不純物、例えば銅塩若しくは銅錯体又はその双方を含んでもよい。微粒子は、一種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
(1)ポリオール溶剤中に、水及び銅アセチルアセトナト錯体を加え、一旦有機銅化合物を加熱溶解させ、反応に必要な量の水を更に添加し、有機銅の還元温度に加熱して還元する方法。
(2)有機銅化合物(銅−N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン錯体)を、ヘキサデシルアミン等の保護剤の存在下、不活性雰囲気中で、300℃程度の高温で加熱する方法。
(3)水溶液に溶解した銅塩をヒドラジンで還元する方法。
有機物は、微粒子を第一層上に固定できるものであれば特に限定されない。有機物は単一分子でもよいし、複数種類の分子の混合物でもよい。
水800g及び1,2−プロピレングリコール(和光純薬製)400gから成る混合溶媒中に、酢酸銅(II)一水和物(和光純薬製)80gを溶解し、ヒドラジン(和光純薬製)24gを加えて攪拌した後、遠心分離を用いて上澄みと沈殿物とに分離した。得られた沈殿物2.8gに、有機物としてDisperbyk−145(商品名、ビックケミー社製)0.05g及び溶媒としてエタノール(和光純薬製)6.6gを加え、ホモジナイザーを用いて分散することにより、銅(I)酸化物粒子を含有する分散体(a)を得た。なお、沈殿物を真空乾燥することで沈殿物中の酸化銅粒子の重量を測定したところ、沈殿物2.8g中に酸化銅粒子は2.0g含有されていた。
[比較例1]
厚み100μmのPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100)の表面にUVオゾン処理を施した後、分散体(a)を所定の厚みになるようバーコートし、室温で10分間乾燥することで比較例1の基板を得た。
基材、分散体の種類及び厚みを、それぞれ表2及び3に示すとおりに変更した他は、上記比較例1と同様の操作により、比較例2〜15の基板を得た。
厚み100μmのPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100)の表面にUVオゾン処理を施した後、コルコートN103X(コルコート社製)を所定の厚みになるようバーコートし、室温で10分間乾燥した後、100℃のオーブンで10分間加熱し、第一層を形成した。
コーティング主材料、分散体の種類及び厚みを、それぞれ表2及び3に記載のとおりに変更した他は、上記実施例1と同様の操作により、実施例2〜実施例19及び比較例16〜比較例19の基板を得た。
厚み100μmのPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100)の表面にUVオゾン処理を施した後、コルコートN103X(コルコート社製)を所定の厚みになるようバーコートし、室温で30分間乾燥した後、100℃のオーブンで2時間加熱した。次いで、5mMのO−ホスホリルエタノールアミン水溶液中に16時間浸漬し、蒸留水及びエタノールで洗浄、乾燥することで、コルコートN103XをO−ホスホリルエタノールアミンでプライマー処理し、第一層を形成した。
コーティング主材料、プライマー材料、分散体の種類及び厚みを、それぞれ表2及び3に記載のとおりに変更した他は、上記実施例20と同様の操作により、実施例21〜実施例25の基板を得た。これら基板の第一層表面には、表4に記載する結合性構造が形成されていると考えられる。
PET:コスモシャインA4100(商品名、東洋紡社製)
PP:ポリプロピレンフィルム
COP:ゼオノアフィルムZF−16(商品名、ゼオン社製)
PEN:ポリエチレンナフタレート樹脂
BYK−145:Disperbyk−145、(商品名、ビックケミー社製、顔料親和性基を有する高分子量共重合物のリン酸エステル塩。結合性構造としてリン酸エステル基とアミノ基を有する。重量平均分子量Mw:約1,000〜5,000)
コルコートN103X:商品名、コルコート社製
PVP:ポリビニルフェノール樹脂
エポキシ:EPICLON N−740(商品名、DIC社製)を酸無水物で硬化させた樹脂
WML−337:アクリディックWML−337(商品名、DIC社製)
KR5206:商品名、信越化学工業社製
ITO:酸化インジウムスズ
PI:ポリイミド樹脂
〈分散体の成膜性評価〉
得られた基板の、第二層の成膜性を、形状測定レーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−9510)で観察した。このとき、10倍の対物レンズを用いた。評価基準は以下である。図1にクラックのない第二層の例を、図2にクラックのある第二層の例を示す。
○:クラックがない
×:クラックがある
基板を可動ステージ上に設置し、基板表面にレーザー光(波長532nm、出力0.4W、連続波発振(Continuous Wave:CW))の焦点が合うような位置に100倍の対物レンズを設置した。
導電性の評価方法を以下に述べる。
○:導通した(抵抗が1MΩ以下)
×:導通しない(抵抗が1MΩより高い)
3cm角の基板をステージ上に設置し、キセノンフラッシュ(照射エネルギー3J/cm2、照射時間4m秒)を照射することで導電性膜を得た。
○:導通した(抵抗が1MΩ以下)
×:導通しない(抵抗が1MΩより高い)
○※:焼成により導電性が向上
×※:焼成の前後で導電性に変化なし又は劣化
微粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。具体的な操作を説明する。サンプルを適当なサイズに切り分け、日立ハイテクノロジーズ社製、イオンミリング装置E−3500を用いてブロードイオンビーム(BIB)加工した。この際、必要に応じてサンプルを冷却しながらBIB加工を行った。加工したサンプルに導電処理を施し、導電性粘着剤部の断面を日立製作所社製、走査型電子顕微鏡S−4800にて観察した。1視野内に10点以上の一次粒子が存在する画像内のすべての一次粒子径を測定し、その平均値を、平均一次粒子径とした。
微粒子の平均二次粒径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。具体的な操作を説明する。サンプルを適当なサイズに切り分け、日立ハイテクノロジーズ社製、イオンミリング装置E−3500を用いてBIB加工した。この際、必要に応じてサンプルを冷却しながらBIB加工を行った。加工したサンプルに導電処理を施し、導電性粘着剤部の断面を日立製作所社製、走査型電子顕微鏡S−4800にて観察した。1視野内に10点以上の二次粒子が存在する画像内のすべての二次粒子径を測定し、その平均値を、平均二次粒子径とした。
基材の荷重たわみ温度は、JIS7191に準拠した方法で測定することができる。
走査型電子顕微鏡(SEM)で第二層の断面を観察することにより、第二層中の酸化銅微粒子、銅微粒子、及び有機物の含有率(体積%)を測定した。図4に、比較例2における第二層の断面画像を示す。図4に示すように、SEM画像においては、電子密度が大きい材料ほど明るく観察されるため、無機物は有機物より明るく、導電性の金属は酸化物より明るく観察される。したがって、第二層(3)中のある観察領域(4)において、断面画像中の微粒子と有機物を、形状、サイズ、及びコントラストで区別することが可能である。断面画像中の微粒子が占める面積と、第二層の総面積との商をとって100を乗じることで微粒子の含有率(体積%)を求めることができる。
断面画像から求めた体積比と、それぞれの材料の比重とから重量比を計算することができる。材料の比重はそれぞれ以下の値を用いることができる。
酸化銅:6.0g/cm3
銅:8.9g/cm3
有機物:1.0g/cm3
これ以外の材料については、化学便覧、理化年表等に記載の数値を用いてもよい。
分散体(a)〜(m)は、目視評価においてすべて分散性の良好な分散体であった。
分散体(a)を乾燥膜厚0.5μmで塗布した膜には、クラックが生じなかった(比較例1、実施例1)。しかしながら、分散体(f)を乾燥膜厚30μmの厚みで塗布した膜は、乾燥後にクラックが生じた(比較例6)。
第一層のない基板(比較例1〜15)は、レーザー照射によって基板から第二層が剥離してしまい、導電性のパターンを得ることができなかった。
第一層のない基板(比較例1〜15)は、キセノンフラッシュ照射によって基板から第二層が剥離してしまい、導電性のパターンを得ることができなかった。
2 銀ぺースト
3 第二層
4 観察領域
Claims (16)
- 基材と;
前記基材上に配置された、コーティング材料を含む第一層と;
前記第一層上に配置された、微粒子及び有機物を含む第二層と
を有する、基板であって、
前記有機物の含有量が、前記微粒子の全体積を100体積部として5体積部〜900体積部であり、
前記微粒子は酸化銅を含み、前記微粒子中の前記酸化銅の含有率が65体積%以上であり、
前記第一層が、前記コーティング材料と第二層との間にプライマー材料を有し、前記プライマー材料は、シランカップリング剤、ホスホン酸系低分子材料、及びチオール系材料からなる群から選択される少なくとも一つである、基板。 - 前記第二層中の前記微粒子の含有率が、前記第二層の全体積に対して10体積%以上90体積%以下である、請求項1に記載の基板。
- 前記第一層の前記コーティング材料が結合性構造を有する、請求項1又は2に記載の基板。
- 前記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、請求項3に記載の基板。
- 前記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、請求項4に記載の基板。
- 前記第一層の前記コーティング材料がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、請求項1又は2に記載の基板。
- 前記第一層の前記プライマー材料がSi−OH基を有する、請求項1に記載の基板。
- 前記第一層の前記プライマー材料がSi−O構造を有する、請求項1に記載の基板。
- 前記第一層の厚みが20μm以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板。
- 前記基材の荷重たわみ温度が300℃以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板。
- 前記有機物が結合性構造を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板。
- 前記結合性構造が、−OH基、ホスホン酸基、アミノ基、及びカルボン酸基からなる群から選択される少なくとも一つの基である、請求項11に記載の基板。
- 前記−OH基は、Ar−OH基(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−OH基である、請求項12に記載の基板。
- 前記有機物がAr−O構造(Arは芳香族を指す)及び/又はSi−O構造を有する、請求項13に記載の基板。
- 前記有機物の前記結合性構造が、ホスホン酸エステル基とアミノ基である、請求項11に記載の基板。
- 前記有機物の分子量が800以上1,000,000以下である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の基板。
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