JP6746973B2 - プリフォーム用基材、強化繊維プリフォーム、繊維強化樹脂成形体および繊維強化樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

プリフォーム用基材、強化繊維プリフォーム、繊維強化樹脂成形体および繊維強化樹脂成形体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6746973B2
JP6746973B2 JP2016048048A JP2016048048A JP6746973B2 JP 6746973 B2 JP6746973 B2 JP 6746973B2 JP 2016048048 A JP2016048048 A JP 2016048048A JP 2016048048 A JP2016048048 A JP 2016048048A JP 6746973 B2 JP6746973 B2 JP 6746973B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
base material
preform
reinforcing fiber
yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016048048A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017160572A (ja
Inventor
弘樹 木原
弘樹 木原
由輝 長門
由輝 長門
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2016048048A priority Critical patent/JP6746973B2/ja
Publication of JP2017160572A publication Critical patent/JP2017160572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6746973B2 publication Critical patent/JP6746973B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Description

本発明はプリフォーム用基材、強化繊維プリフォーム、およびそれを用いた繊維強化樹脂成形体であって、特に、成形体における外観品位の向上と原料収率の改善を図るため、基材に含まれる繊維欠損部を強化繊維糸条にて充填してなるプリフォーム用基材に関する。
強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化プラスチック(FRP)は、軽量性や力学特性に優れることから、各種産業用途に幅広く利用されている。中でも、織物や編物、等の強化繊維基材を用いたFRPは、そのデザイン性から意匠用部材としての利用価値も高まっている。このような意匠用部材においては、強化繊維基材の意匠を強調するため、成形体の仕上げとしてクリア塗装が採用されるケースも多く、原料となる強化繊維基材に対しても高い外観品位が要求される。
一般に強化繊維基材は強化繊維の糸束を織り編みしてシート状に加工されるが、その製造過程において外観不良をゼロにすることは実質的に不可能である。とりわけ、意匠目的としての適用例が多い自動車外板用途では、薄肉な基材が好適に用いられるため、強化繊維の配置不良や開繊不良等により、並行する強化繊維糸条間に隙間を生じる、いわゆる、繊維欠損部の欠陥が、特に発生し易いことが知られている。前記欠陥を含む基材を成形体の表面近傍に適用した場合、表面凹凸、模様、色ムラ、等が発生し、特に意匠用部材においては外観不適合となることも少なくない。従って、前記欠陥を含む基材は、意匠用CFRPにおける利用価値は低く、廃棄処分される事も少なくないため、材料収率が低下するうえ、これによる製品コストアップに繋がるといった課題があった。
かかる意匠用部材に用いられる強化繊維基材として、特許文献1には、ステッチ糸に低融点ポリマー糸を用いた多軸ステッチ布帛の開示がある。また、特許文献2、3には、意匠用部材を目的とした強化繊維基材の積層体に関する発明が開示されている。前記積層体においては、成形体の表面にあたる最表層において、炭素繊維が組織していない一方向性基材あるいは不織布を適用する方法が示されている。
特開2002−227066号公報 特開2006−27091号公報 特開2008−132705号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の発明では、繊維欠損といった巨視的な欠陥における有効手段とはならない問題がある。また、特許文献2、3に記載の発明においても、特許文献1と同様に巨視的な欠陥に着目されていないうえ、積層体の最表層に1層追加することが前提となるため、炭素繊維基材の意匠を表面化する用途に適用することができない。そのため、このように先行技術では、成形体における更なる表面品位を追求する術について検討がなされているものの、巨視的な欠陥を含む基材を改善する術に対しては検討すらされていないのが、実状である。
そこで本発明は、上述した技術課題に対し、本来利用価値のない繊維欠損部を含む炭素繊維基材において、その欠陥部を埋設することで、意匠用途にも適用可能なプリフォーム用基材を提供することにある。
上述の課題を解決する本発明は、以下である。
強化繊維糸条Aが少なくとも一方向に配向した基材であって、該基材の少なくとも片表面に、強化繊維糸条Aの配向に沿った繊維欠損部を含み、該繊維欠損部に、強化繊維糸条Bが埋設されている、プリフォーム用基材。
本発明のプリフォーム用基材によれば、基材に含まれる繊維欠損部を強化繊維糸条にて埋設することで、繊維欠損部における凹みが低減でき、前記プリフォーム用基材を適用した成形体において、表面凹凸、スジ模様、色ムラ、等の発生を抑制できる。そのため、本来であれば、意匠用途にて使用されることのなかった基材を有効利用でき、原料収率の改善、これに伴う製品コストの削減に貢献できる。
本発明におけるプリフォーム用基材の一実施態様を示す概略斜視図 本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部の発生態様の一例を示す概略図 本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部の別の発生態様を示す簡略図 本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部のさらに別の一発生態様を示す簡略図 本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部の埋設態様の一例を示す概略図および概略断面図 本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部の別の埋設態様を示す概略図および概略断面図 本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部のさらに別の埋設態様を示す概略図および概略断面図
本発明のプリフォーム用基材は、強化繊維糸条Aが少なくとも一方向に配向した基材であって、該基材の少なくとも片表面に、強化繊維糸条Aの配向に沿った繊維欠損部を含み、該繊維欠損部に、強化繊維糸条Bが埋設されている。
以下、本発明のプリフォーム用基材の構成について、詳しく説明する。
本発明のプリフォーム用基材は、強化繊維糸条Aが少なくとも一方向に配向した基材を構成要素として含む。基材に用いられる強化繊維糸条Aを構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、および、アラミド、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアリレートおよびポリイミド、などの有機繊維が挙げられ、これらの1種または複数種を併用して使用することができる。
中でも、炭素繊維は、比強度、比弾性率に優れ、意匠材としての高級感も秀逸なことから、強化繊維糸条Aを構成する強化繊維としては特に好適である。かかる炭素繊維は、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、およびこれらを複数種ブレンドして構成された強化繊維糸条を用いることができる。
また、強化繊維糸条Aは、取扱性や高次加工性の観点から、サイジング剤が付与されていることが好ましい。サイジング剤の付着量としては、サイジング剤を含めた強化繊維糸条の全体100質量%に対して0.2〜2.5質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜1.2質量%である。付与するサイジング剤の組成としては特に限定されないが、例えば、脂肪族タイプの複数のエポキシ基を有する化合物や、ポリアルキレングリコールのエポキシ付加物、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのポリアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのポリアルキレンオキサイド付加物にエポキシ基を付加させたもの、などの1種または複数種を併用することができる。
強化繊維糸条Aのフィラメント数は、500〜100,000本が好ましく、より好ましくは3,000〜50,000本である。糸条繊度としては33〜8,000texが好ましく、より好ましくは198〜4,000texである。特にフィラメント数が多く太繊度な糸条は、比較的安価に入手できることから、基材を安価に製造することができるため好ましい。一方で、基材の強化繊維目付が低い場合、強化繊維糸条の打ち込み本数が少なくなるため、糸条と糸条の間に隙間が形成され易く、後述する繊維欠損部の発生頻度は一般的に高くなる傾向にある。従って、本発明の格別な効果を適用するには、とりわけ有意義な態様といえる。
本発明のプリフォーム用基材においては、強化繊維糸条Aが少なくとも一方向に配向している。強化繊維糸条Aが少なくとも一方向に配向していれば、強化繊維糸条Aの基材中における配向は、特に制限はないが、実用性の観点から一方向または二方向が好ましく用いられ、例えば0°、90°、+45°、−45°の一方向ないし組み合わせが一般的な構成である。強化繊維糸条Aが少なくとも一方向に配向した本発明のプリフォーム用基材の具体的な形態としては、織物、編物、シート等が挙げられ、その用途や要求性能に応じて適宜選択できる。なかでも、編物に分類されるNon Crimp Fabric(NCF)においては、基材の少なくとも片表面に強化繊維糸条の配向に沿った繊維欠損部が発生し易いため、本発明の効果を発揮するにはとりわけ好ましい態様といえる。
本発明のプリフォーム用基材の強化繊維の目付としては、100〜1000g/mが好ましく、より好ましくは200〜600g/mである。特に意匠用途では薄肉な板状部材が多いことから、前記範囲が好まれる。ここで、強化繊維の目付とは、JIS R7602(1995)の単位面積当たりの質量に従い測定される数値をいう。
本発明のプリフォーム用基材は、上記基材の少なくとも片表面に、強化繊維糸条Aの配向に沿った繊維欠損部を含み、該繊維欠損部に強化繊維糸条Bが埋設されている。
繊維欠損部とは、基材の面方向において局所的に強化繊維が存在していない状態をいい、基材上で凹みとして確認できる。この繊維欠損部は、例えば、基材の製造工程における強化繊維糸条Aの抜け、細糸、撚れ、拡がり不良、などに起因して発生する欠点である。より詳しくは、糸条と糸条との間において生産上のトラブルによって非意図的に発生した異常な隙間などによって、繊維欠損部が発生する。
前記繊維欠損部は、基材製造における糸条の挿入工程で発生するため、その配置は必然的に強化繊維糸条Aの配向に沿って発生するが、強化繊維糸条Aの配向に必ずしも平行している必要はない。強化繊維糸条Aに隣接していればよく、繊維欠損部が延在する中で形状が変化したり、湾曲したり、する場合を含む。
前記繊維欠損部においては、強化繊維が実質的に存在しないことから、周辺にある基材健全部に対して厚みが薄くなり、基材上で凹みとなる。この凹みが、後述する強化繊維プリフォームの最表面ないし、その近傍に配置されることで、成形体とした場合に表面でのヒケ、スジ模様、色ムラの転写といった外観不良が発生し、意匠性が損なわれる。前記外観不良は、繊維欠損部が基材の少なくとも片表面に含まれると顕在化し、両表面に含まれる場合でも当然同様となる。
すなわち、従来において繊維欠損部を含む基材は、意匠を用途とする成形体への使用を大幅に制限され、場合によっては廃棄処分されるため、材料収率が低下し、製品のコストアップに繋がるといった、致命的な問題があった。
かかる問題に対して本発明は、繊維欠損部を含む基材であっても、繊維欠損部に強化繊維糸条Bを埋設することで、意匠用途にも使用可能なプリフォーム基材を提供する。すなわち、プリフォーム用基材中の繊維欠損部に強化繊維糸条Bを埋設することで、周辺部との厚み差が低減でき、成形体とした場合の外観不良の発生や程度を抑制することができる。さらには、本来廃棄される基材を有効利用できるようになり、材料収率が改善され、製品のコストダウンに貢献することができる。
繊維欠損部に埋設される強化繊維糸条Bとしては、繊維欠損部に埋設できれば特にその種類に制限はないが、上述した強化繊維糸条Aと同様の強化繊維の群から選択することができる。なかでも、強化繊維糸条Aと同一材料であることが好ましく、さらに好ましくは強化繊維糸条Aと同一品種である。強化繊維糸条Bとして、強化繊維糸条Aにより近い材料を選択することで、強化繊維糸条Aとの性能差や、マトリックス樹脂との相性を考慮する必要がなく、成形体とした場合に均質な性能発現が可能となる。なお、強化繊維糸条Aとの同一性とは、強化繊維糸条の組成や機械特性、サイジング剤の組成や付着量に関するものであって、フィラメント数や繊度の形状特性については、繊維欠損部の大きさにより、適宜選択するとよい。
本発明の有効性を示すうえで、繊維欠損部の幅は0.5mm以上あればよいが、本発明をより効果的にする意味では、繊維欠損部の幅は2〜100mmが好ましい。繊維欠損部の幅が大きいほど成形体における外観不良の頻度および/または程度が大きくなるが、特に幅が2mm以上でそれが顕著であり、本発明の効果をより一層発揮することができる。一方、幅の上限について特に制限はないが、あまりに大きい場合は、繊維欠損部の補修工数が嵩み、反対にコストアップとなるため、100mm以下が適当である。なお、繊維欠損部の幅とは、繊維欠損部が延在する方向における最大幅Wmaxであり、強化繊維糸条Aの配向方向と直交する方向における長さをいう。一方で、後述する繊維欠損部の長さ方向LDとは、強化繊維糸条Aの配向方向をいう。
強化繊維糸条Bを埋設する方法として、本発明の効果を発現するうえでは、繊維欠損部の上に強化繊維糸条Bが配置されていれば特に限定されないが、後工程での取扱性向上や成形時の位置ズレ抑制の観点からは、強化繊維糸条Bが係合材料により繊維欠損部と接着一体化されていることが好ましい。
係合材料の形態としては、例えば、多孔性フィルム、短繊維不織布、カットファイバーもしくは粉粒体、等があるが、これらの中でも、粉粒体が好ましい。かかる形態を取ることで、係合材料を均一に繊維欠損部に付与できるとともに、付与量や付与範囲を自由に調整可能となる。繊維欠損部に付与する係合材料の付着量は、特に制限はないが、基材への接着力とマトリックス樹脂の含浸性を両立する観点から1〜20g/mの範囲が好ましい。
また本発明のプリフォーム用基材は少なくとも片表面に係合材料が配置されたことが好ましく、この態様において加熱処理することにより、係合材料は基材上に接着させることから、作業性を考慮し、係合材料は50〜150℃の範囲の融点またはガラス転移温度を有しているものが好ましい。
係合材料の成分としては、各種の熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を使用でき、いずれを主成分としても良い。ここで主成分とは、係合材料100質量において50質量%を超えて含有している成分をいうものとする。
例えば、係合材料の主成分として熱可塑性樹脂を用いる場合には、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリビニルフォルマール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリビニルフォルマール、フェノキシ、および、フェノール、などからなる群より選ばれた1種、2種以上の共重合体、もしくは、変性体、または、2種類以上の混合物を使用することができる。中でも、係合材料の主成分としては、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリビニルフォルマール、フェノキシ樹脂、ポリカーボネートからなる群より選ばれた1種、2種以上の混合物であるのが好ましい。
また、係合材料の主成分として熱硬化性樹脂を用いる場合には、エポキシ、フェノール、ポリベンゾイミダゾール、ベンゾオキサジン、シアネートエステル、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ユリア、メラミン、ビスマレイミド、ポリイミド、および、ポリアミドイミド、などからなる群より選ばれた1種、2種以上の混合物、もしくは、変性体、更にエラストマーやゴム成分、硬化剤、硬化促進剤、触媒等を添加した樹脂等を使用することができる。中でも、係合材料の主成分としてはエポキシ、フェノール、酢酸ビニル、不飽和ポリエステル、および、ビニルエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種または2種類以上の混合物であるのが好ましい。特に係合材料としてエポキシを使用すると、接着性が高いため強化繊維基材の取り扱い性に優れるだけでなく、後述のマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合に高い力学特性を発現することができるため好ましい。
本発明のプリフォーム用基材は、上記観点とは別に、係合材料が基材の少なくとも片表面に配置されてもよい。かかる態様により、後述する本発明の強化繊維プリフォームを形成する際に、積層した強化繊維基材と本発明のプリフォーム用基材との層間同士を接着一体化することができ、後工程での取扱性が向上するとともに、形状賦形後の形態保持が可能となる。ここで、係合材料は本発明のプリフォーム用基材の少なくとも片表面に配置されていれば、基材の表面の全面に均一分散されていてもよいし、基材の表面に局部的に点在していてもよいし、さらに基材の表面にパターン化されていてもよく、後述のプリフォーム形成時に層間の接着が確保できれば、その態様は限定されない。
ここで、本発明のプリフォーム用基材について、図面を参照しながら、さらに詳しく説明する。図1は本発明におけるプリフォーム用基材の一実施態様を示した概略斜視図である。
図1のプリフォーム用基材1は、+45°方向に配向した強化繊維糸条A2の第1のシートと、−45°方向に配向した強化繊維糸条A2の第2のシートとが、互いに直行するよう積層され、ステッチ糸3により一体化された本発明のプリフォーム用基材1であって、強化繊維糸条A2が+45°方向に配向した第1のシートにおいて繊維欠損部を含んでおり、その繊維欠損部の直上に強化繊維糸条B(図示せず)が配置され、粉粒体の係合材料(図示せず)により、強化繊維糸条Bが繊維欠損部に接着一体化されている。
図1の本発明のプリフォーム用基材は、一般にノンクリンプファブリック(NCF)と称され、ステッチ糸が経編組織を形成していることから、編物に分類される。かかるNCFにおいては、強化繊維糸条を引き揃えたシートを任意の方向に複数層形成できるため、例えば、疑似的に等方性となる様に、「−45°/0°/+45°/90°・・・」に構成することも可能である。経編組織は図中で鎖編を形成しているが、例えば1/1トリコット編や鎖編との複合組織、など適宜選択することができる。組織するステッチ糸についても、特にその種類に制限はなく、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ乳酸、アラミド繊維、綿糸、絹糸、などのモノフィラメント糸、マルチフィラメント糸から選択することができる。
さらに、本発明の繊維欠損部および強化繊維糸条Bによる埋設方法について、図2〜7を用いて更に詳しく説明する。図2〜7は、本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部の一発生態様または一埋設態様を示した概略図および概略断面図である。
図2には本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部の一発生態様を示す。図2の繊維欠損部5は、強化繊維糸条A(図示せず)が+45°方向に配向した基材6上に、強化繊維糸条Aの配向に沿って、長さL・最大幅Wmaxで、略一定の幅で延在している。ここで、長さLとしては、強化繊維糸条Aの配向方向における最大幅を採用する。また、繊維欠損部の平均幅Waveとしては、繊維欠損部の最大幅Wmaxと両端部の幅2点WS、WE、さらに繊維欠損部の長さ方向における200mm毎の幅W1〜Wnの平均値として算出される。繊維欠損部の長さLが400mm未満の場合は、長さ方向LDを均等割りした3点にて幅W1〜W3を測定し、Wmax、WS、WEとの平均値を繊維欠損部の平均幅Waveとする。また、繊維欠損部の面積Sとしては、長さLと平均幅Waveの積にて求められる。
図3には本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部の別の発生態様を示す。図3の繊維欠損部7は、強化繊維糸条A(図示せず)が+45°方向に配向した基材8上に、強化繊維糸条Aの配向に沿って、長さL・最大幅Wmaxで、先細り形状(三角形)で幅変動をともなって延在している。ここで、繊維欠損部7の平均幅Wave、面積Sは図2と同様に算出できる。
図4には本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部のさらに別の発生態様を示す。図4の繊維欠損部9は、強化繊維糸条A(図示せず)が+45°方向に配向した基材10上に、強化繊維糸条Aの配向に沿って、長さL・最大幅Wmaxで、円弧状(三日月型)に幅変動をともなって延在している。ここで、繊維欠損部の平均幅Wave、面積Sは図2と同様に算出できる。
図5には本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部の一埋設態様を示す。図5では、図2の繊維欠損部11の直上に強化繊維糸条B12の1本を配置し、粉粒体の形態を取る係合材材料13にて、強化繊維糸条B12が繊維欠損部11に接着一体化されている。ここで、強化繊維糸条Bは、繊維欠損部が大凡埋まる程度に配置されている。かかる態様とすることで、本発明の効果は十分に発現されるが、より適正に強化繊維糸条Bの埋設量を管理する観点からは、チャージ率Rを指標にすることができる。
上記チャージ率Rとは、繊維欠損部の体積Vと、強化繊維糸条Bの体積Vとの比率であって式(1)で表される。
繊維欠損部の体積Vは、繊維欠損部の面積Sと理論厚みTとの積である。そして理論厚みT(mm)は、繊維欠損部が存在する基材の目付FAW(g/m)と、基材を構成する強化繊維糸条Aの比重ρ(g/cm)との商であって、式(2)にて算出される。
また、強化繊維糸条Bの体積Vは、使用する強化繊維糸条Bの長さL、繊度Y(tex)および比重ρ(g/cm)から、式(3)にて算出される。ここで、繊維欠損部の体積Vと強化繊維糸条Bの体積Vにおいては、空隙部を含むため、繊維体積含有率を考慮する必要があるが、後述するプリフォーム工程において、同じ圧力負荷をともなうことから、実質的に同じ繊維体積含有率とされるため、本算式では無視できるものとする。
本発明においては、繊維欠損部における強化繊維糸条Bのチャージ率は、80〜120%が好ましく、より好ましくは90〜110%である。かかる範囲とすることで、本発明の効果をより確実なものとでき、表面品位に優れた成形体を得ることができる。
Figure 0006746973
Figure 0006746973
Figure 0006746973
図6には本発明のプリフォーム基材における繊維欠損部の別の埋設態様を示す。図6では、図3の繊維欠損部14の直上に同じ繊度の強化繊維糸条B15の2本を配置し、粉粒体の形態を取る係合材材料16にて、強化繊維糸条B15が繊維欠損部に接着一体化されている。
図7には本発明のプリフォーム用基材における繊維欠損部のさらに別の埋設態様を示す。図7では、図4の繊維欠損部17の直上に繊度の異なる強化繊維糸条B18の2本を配置し、その上から粉粒体の形態を取る係合材材料19にて、強化繊維糸条B18が繊維欠損部に接着一体化されている。
図6、7に示したとおり、繊維欠損部への強化繊維糸条Bの埋設において、埋設する強化繊維糸条Bは必ずしも1本である必要はなく、繊維欠損部の形状によって、使用する本数やレイアウト、端部形状を適宜調整することが好ましい。
また、本発明のプリフォーム用基材は、別の強化繊維基材と積層して強化繊維プリフォームを形成することができる。該強化繊維プリフォームにおいては、最表面側の層を1層目、1層目に隣接する層を2層目とした場合、少なくとも一方の1層目ないし2層目に本発明のプリフォーム用基材を配置する。
前記強化繊維プリフォームは、成形体を製造するための中間体であって、前記プリフォームにマトリックス樹脂を注入することで、成形体が得られる。従って、プリフォームにおける積層構成が直接、最終製品に反映されることとなるが、従来の繊維欠損部を含む基材の場合、この基材を強化繊維プリフォームの1層目又は2層目に配置すると、成形体とした際に繊維欠損部の凹みに起因するヒケ、模様や色ムラの転写の外観不良が成形体に発生するため、繊維欠損部を含む基材は3層目以降のさらに内層に使用するか、あるいは廃棄するしかなかった。
一方、本発明のプリフォーム用基材は、繊維欠損部を強化繊維糸条Bが埋設し、凹みが低減されていることから、プリフォームの1層目又は2層目に適用した場合であっても、上述した外観不良の発生は低減あるいは解消され、積層の自由度が格段に拡がる。特に意匠を目的とする部材においては、薄肉大面積な形状が主流であり、5層以下の積層構成となることも少なくないため、本発明の効果は一層発揮されることとなる。
本発明において強化繊維プリフォームの1層目である最表面側の層とは、積層構成における最下面および最上面に配置された層をいう。そして強化繊維プリフォームの2層目である、1層目に隣接した層とは、1層目の直上層及び直下層をいう。そして本発明のプリフォーム用基材は、最終的な成形体での扱いに応じて、適宜その配置を選択すればよく、例えば、最下面の片面のみを成形体で意匠面とする場合は、最下面の1層目および2層目に少なくとも本発明のプリフォーム用基材を配置し、成形体の両表面を意匠面とする場合は、最下面および最上面のそれぞれの一層目および2層目に配置すればよい。
また、別の観点として、成形体の塗装方法によって使い分けることもよく、成形体をカラーリング塗装する場合は、プリフォームの1層目および2層目に本発明のプリフォーム用基材を配置すればよく、クリア塗装の場合は、繊維欠損部の埋設跡が表面化して美観を損なうため、プリフォームの2層目から本発明のプリフォーム用基材を配置すればよい。
また、本発明の強化繊維プリフォームにおいては、少なくとも一方の1層目に強化繊維基材が配置され、少なくとも一方の2層目にプリフォーム用基材が配置され、前記1層目に配置される別の強化繊維基材として、二方向性織物を用いることが好ましい。より詳細には、クリア塗装により強化繊維基材の意匠を表面に出す場合は、織り柄による意匠が美しい二方向性織物を用いるのが好ましい。使用する二方向性織物としては、平組織、綾組織、繻子組織、など種々の組織を適宜選択できるが、中でも意匠性の高い綾組織が好まれる。二方向性織物に使用される強化繊維糸条の繊度についても、意匠性の観点から、50〜400texの細線度が好ましく、基材の強化繊維目付としては100〜350g/mが好ましい。
本発明の強化繊維プリフォームを構成する、積層された本発明のプリフォーム用基材、並びに、強化繊維基材は、後工程での取扱性、形態安定性の観点から、層間を接合一体化することが好ましい。本発明の強化繊維プリフォームを構成する、本発明のプリフォーム用基材並びに強化繊維基材を接合一体化する手段としては、種々の係合材料、ステッチ、ニードリング、タフティング、スプレーアップ法、など強化繊維プリフォームの厚み方向に接合をもたらす手段から適宜選択できる。中でも、上述した係合材料により層間を接着する方法が好ましく、ステッチやニードルパンチ、などの機械的手段に比べ、強化繊維基材にダメージを与えることがなく、外観上も表面化することがない。
さらに係合材料の中でも、粉粒体が好ましい。かかる形態とすることで、固体毎に付与量を自由に調整でき、面内方向にて均一に分散が可能である他、隣接する強化繊維基材の層間にスペースが形成され、樹脂注入して成形体とする際に、マトリックス樹脂の流路の役目を果たすことができる。
上記係合材料による強化繊維プリフォームの一体化の方法としては、プリフォーム用基材および強化繊維基材にあらかじめ係合材料を付与しておくか、基材を積層する毎に付与するかの何れかであるが、生産性の観点からは前者が好ましい。次いで、任意の構成で積まれた積層体に対し、ホットプレス装置やデバルク装置などにより、所定の温度、圧力を付与して接着一体化される。
本発明において、上述したプリフォーム用基材または強化繊維プリフォームは、樹脂を含浸して繊維強化樹脂成形体とされる。つまり本発明の繊維強化樹脂成形体は、本発明の強化繊維プリフォームに樹脂が含浸されたものである。
本発明の繊維強化樹脂成形体の成形方法としては、RTM(Resin Transfer Molding)成形、RFI(Resin Film Infusion)成形、RIM(Resin Injection Molding)成形、真空アシストRTM、プレス成形、ハンドレイアップ成形、などの成形法が適用できる。中でも、生産性が高く、表面品位の優れた成形体が得られることから、RTM成形が意匠部材の多い産業用途には好適である。
RTM成形は、強化繊維基材または成形体形状に賦形した強化繊維プリフォームを、上型下型からなる金型内部に配置し、金型を型締めした後、樹脂注入孔から樹脂を減圧下に注入してプリフォームに含浸させ、加熱硬化の後、金型を開いて脱型することで、繊維強化樹脂成形体を得る。
RTM 成形で使用する樹脂としては、粘度が低く強化繊維への含浸が容易な熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を形成するRIM用(Resin Injection Molding)モノマーなどが好適である。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、グアナミン樹脂、また、ビスマレイド・トリアジン樹脂等のポリイミド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリジアリルフタレート樹脂、さらにメラニン樹脂やユリア樹脂やアミノ樹脂等が挙げられる。
また、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11などのポリアミド、またはこれらポリアミドの共重合ポリアミド、また、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラートなどのポリエステル、またはこれらポリエステルの共重合ポリエステル、さらにポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリオレフィンなど、更にまた、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーなどに代表される熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
また、上記の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴムから選ばれた複数をブレンドした樹脂を用いることもできる。中でも好ましい樹脂として、意匠性に影響を与える成形時の熱収縮を抑える観点から、エポキシ樹脂が挙げられる。
前記にて得られた繊維強化樹脂成形体は、主として自動車用パネル部材をはじめとする意匠用外板部材の製造分野に好適に用いることができる。ここで意匠用外板部材とは、自動車やトラックにおけるドアパネルやフード、ルーフ、トランクリッド、フェンダー、スポイラー、サイドスカート、フロントスカート、マッドガード、ドアインナーパネル等のいわゆるパネル部材であり、他の関連パネル部材としては鉄道車両におけるドア、サイドパネル、内装パネルなどのパネル類、クレーンなどがある。その他にも、建設機械のカバー類、建築における仕切板、パーティシャン、ドアパネル、遮蔽板等、スポーツにおけるサーフィンボード、スケートボード、自転車部品などの外側にあって、意匠性が求められる部材の製造分野にも適用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(1)強化繊維糸条
<炭素繊維1>
東レ(株)製“トレカ(登録商標)”、引張強度4,900MPa、引張弾性率230GPa、繊度800tex、比重1.80。
<炭素繊維2>
東レ(株)製“トレカ(登録商標)”、引張強度4,900MPa、引張弾性率230GPa、繊度1650tex、比重1.80。
<炭素繊維3>
東レ(株)製“トレカ(登録商標)”、引張強度4,900MPa、引張弾性率230GPa、繊度200tex、比重1.80。
<炭素繊維4>
東レ(株)製“トレカ(登録商標)”、引張強度4,900MPa、引張弾性率230GPa、繊度800tex、比重1.80。
<炭素繊維5>
東レ(株)製“トレカ(登録商標)”、引張強度3530MPa、引張弾性率230GPa、繊度66tex、比重1.76。
<炭素繊維6>
東レ(株)製“トレカ(登録商標)”、引張強度3530MPa、引張弾性率230GPa、繊度198tex、比重1.76。
<炭素繊維7>
東レ(株)製“トレカ(登録商標)”、引張強度3530MPa、引張弾性率230GPa、繊度396tex、比重1.76。
<炭素繊維8>
Zoltek社製 炭素繊維(品番:Panex35)、引張強度4137MPa、引張弾性率242GPa、繊度3704tex、比重1.81。
<ガラス繊維1>
日東紡(株)製 ガラスロービング(品番:RS 110 QL−520)、繊度1150tex、比重2.50g/m
(2)ステッチ糸
東レ(株)製“テトロン(登録商標)”、24フィラメント、繊度33dtex、ウーリー加工糸
(3)係合材料
ポリビニルフォルマール(窒素株式会社製“ビニレック”K タイプ)60質量部、液状ビスフェノールA 型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製“エピコート”828)10質量部、固形ビスフェノールA 型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製“エピコート”1001)30質量部を、2 軸押出機により180℃で混練してマスターバッチペレット得た。前記マスターバッチをハンマーミル(ホソカワミクロン(株)製“PULVERIZER”)にて液体窒素を用いて凍結粉砕し、粉粒体状の係合材料を得た。得られた係合材料は平均粒径約120μm、ガラス転移温度は71℃であった。
(4)強化繊維基材の製造
<基材1>
炭素繊維1の複数本を強化繊維の目付が150g/mとなる様に+45°方向に並行に引き揃えた第1のシートと、同じく炭素繊維1の複数本を強化繊維目付が150g/mとなる様に−45°方向に並行に引き揃えた第2のシートとを、互いに積層した後、ステッチ糸を用いてゲージ5.0本/inch、コース9.0本/inchの鎖編組織にて縫合一体化し、NCFの基材1得た。得られた基材1の幅は1500mmであった。
<基材2>
第1のシートにおける強化繊維糸条の配向を0°方向、第2のシートにおける強化繊維糸条の配向を90°にした以外は、基材1と同様にしてNCFの基材2を得た。
<基材3>
各シートの強化繊維糸条を炭素繊維8とし、強化繊維目付を200g/mとした以外は、基材1と同様にしてNCFの基材3を得た。
<基材4>
炭素繊維6をたて糸およびよこ糸とし、たて糸密度が12.5本/25mm、よこ糸密度が12.5本/25mmとなる様に、レピア織機にて平織組織を形成し、二方向性織物の基材4を得た。得られた基材4は強化繊維目付198g/m、幅1500mm、係合材料の付着量6g/mであった。
<基材5>
第1のシートにおける強化繊維糸条の配向を−45°方向、第2のシートにおける強化繊維糸条の配向を+45°にした以外は、基材1と同様にしてNCFを得た。得られたNCFを、粉体散布装置、非接触加熱装置(遠赤外線ヒータ:基材表面温度130〜150℃)、搬送装置とから構成される加工設備に通し、基材片面(第1のシート)の全面に対し係合材料を満遍なく塗布し、基材5を得た。ここで、係合材料の付着量6g/mであった。
<基材6>
炭素繊維1をたて糸およびよこ糸とし、たて糸密度4.94本/25mm、よこ糸密度4.94本/25mmとした以外は、基材4と同様に二方向性織物を得た。前記二方向性織物に対し、基材5と同様に係合材料を塗布し、基材6を得た。得られた基材6は、強化繊維目付300g/m、幅1500mm、係合材料の付着量6g/mであった。
(5)強化繊維プリフォームの製造
上記強化繊維基材を1000mm×1000mの正方形に裁断し、任意の4層を重ねて積層体とした。なお、前記工程において、強化繊維基材が繊維欠損部を有する場合は、繊維欠損部が基材の中央に配置される様にして基材を裁断する(例えば、強化繊維糸条が+45°に配向する場合、裁断後の基材において対角線上に繊維欠損部が位置する)。次いで、前記積層体をプレス成形機に設置された1000mm×1000mmの平板型キャビティ内に配置、金型温度100℃、圧力0.06MPaで3分間加圧し、圧力を保持したまま金型温度を50℃に冷却した後、型開きして積層体を取り出すことで、強化繊維プリフォームを得た。
(6)繊維強化樹脂成形体の製造
プレス成形機に設置された1000mm×1000mmの平板型キャビティを有する成形型の上型と下型との間に、上記強化繊維プリフォームを配置する。次いで型締めを行い、熱媒オイルを流すことで成形型を120℃に加熱した。続いて、成形型の温度を120℃に保った状態で金型内を真空状態に保持し、この状態で上型に設置された樹脂吐出孔を開け、樹脂注入機を用いて金型内にRTM用の低粘度エポキシ樹脂を注入した。この状態を保持して樹脂を硬化させた後、金型から脱型して、繊維強化樹脂成形体を得た。
(7)表面品位の評価
(6)にて得られた繊維強化樹脂成形体に対し、クリア塗装または着色塗装を施した成形体にて表面品位評価をおこなった。評価項目は表面凹凸、スジ模様の二項目であって、それぞれ目視確認にて、以下判定基準に従い評点した。
◎:全く見えない
○:位置情報がなければ見えない
△:うっすら見える
×:はっきりと見える
(8)作業性
プリフォーム用基材(以下、PF基材)の製造工程のうち、繊維欠損部に強化繊維糸条B1、B2を埋設し、場合により係合材料にて接着一体化するまでの作業に要した所要時間を以下基準に従い評点した。
○:15分以内
△:15分超45分以内
×:45分超
(実施例1)
基材1の第1のシートにおいて、強化繊維糸条Aの挿入ピッチを意図的に操作し、繊維欠損部を形成した。前記繊維欠損部は、最大幅Wmax1.5mm、平均幅Wave1.4mm、長さL2121mmであった。前記繊維欠損部に、強化繊維糸条B1として、長さ2121mmの炭素繊維6を埋設し、プリフォーム用基材(PF基材)を得た。
次いでPF基材を、[基材4/PF基材/基材5/基材6](ここで、強化繊維糸条の配向は[(0/90)/(+45/−45)/(−45/+45)/(0/90)]である)の構成にて積層体とし、(5)の手順で強化繊維プリフォームを得た。
前記強化繊維プリフォームを(6)の手順で繊維強化樹脂成形体とし、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
基材1において、最大幅Wmax3.0mm、平均幅Wave2.8mm、長さL2121mmの繊維欠損部を形成した。前記繊維欠損部に対し、篩いを用いて係合材料を基材面方向に満遍なく塗布し、その上に強化繊維糸条B1として炭素繊維7を配置した。ここで、係合材料は繊維欠損部を残してマスキングした状態で塗布し、塗布面積と係合材料の使用量から、付着量は約2g/mであった。この状態で遠赤外線ヒータを用いて、基材の表面温度を130〜150℃で加熱し、繊維欠損部に炭素繊維7を溶融接着してPF基材を得た。
前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
基材1において、最大幅Wmax7.0mm、平均幅Wave6.8mm、長さL2121mmの繊維欠損部を形成した。次いで、前記基材を粉体散布装置、非接触加熱装置(遠赤外線ヒータ)、搬送装置とから構成される加工設備に通し、基材全面に対し係合材料を満遍なく塗布した。得られた基材における係合材料の付着量は約6g/mであった。続いて、前記繊維欠損部の直上にガラス繊維1を配置し、この状態で実施例2と同様にして、係合材料によりガラス繊維1を基材に溶融接着させ、PF基材を得た。
前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
繊維欠損部の埋設において、強化繊維糸条B1として炭素繊維6の3本、強化繊維糸条B2として炭素繊維5の1本を使用した以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
繊維欠損部の埋設において、強化繊維糸条B1として炭素繊維1の1本、強化繊維糸条B2として炭素繊維6の3本を使用した以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
繊維欠損部の埋設において、強化繊維糸条B1として炭素繊維1の1本、強化繊維糸条B2として炭素繊維3の1本を使用した以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
繊維欠損部の埋設において、強化繊維糸条B1として炭素繊維1の1本、強化繊維糸条B2として炭素繊維5の1本を使用した以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
PF基材の原反を基材2とした以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。得られたPF基材を、[PF基材/基材1/基材5/基材6](ここで、強化繊維糸条の配向は[(0/90)/(+45/−45)/(−45/+45)/(0/90)]である)の構成にて積層体とし、(5)の手順で強化繊維プリフォームを得た。前記強化繊維プリフォームを(6)の手順で繊維強化樹脂成形体とし、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体は着色塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
PF基材の原反を基材3とし、繊維欠損部を最大幅Wmax18.5mm、平均幅Wave18.2mm、長さL2121mmとし、強化繊維糸条B1を炭素繊維8とした以外は、実施例3と同様にPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例10)
繊維欠損部を最大幅Wmax117mm、平均幅Wave111mm、長さL2121mmとし、強化繊維糸条B1に炭素繊維8の7本とした以外は、実施例9と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例11)
繊維欠損部の埋設において、強化繊維糸条B1として炭素繊維7の1本を使用した以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(実施例12)
繊維欠損部の埋設において、強化繊維糸条B1として炭素繊維2の1本を使用した以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
繊維欠損部を最大幅Wmax0.20mm、平均幅Wave0.17mm、長さL2121mmとし、繊維欠損部を埋設しなかったこと以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
繊維欠損部を埋設しなかったこと以外は、実施例3と同様にしてPF基材を得た。前記PF基材を用いた以外は実施例1と同様に繊維強化樹脂成形体を作成し、(7)(8)に従い、表面品位および作業性を評価した。なお、成形体はクリア塗装とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0006746973
Figure 0006746973
Figure 0006746973
Figure 0006746973
Figure 0006746973
実施例1〜3は、成形体の表面品位および作業性は良好である。実施例2では繊維欠損部において、実施例3では基材全面において、係合材料が付与されていることで、実施例1に対し、それぞれPF基材および/または強化繊維プリフォームの後次工程における取扱性に優れた。
実施例3〜8、11、12、比較例2においては、チャージ率の程度により、表面品位に差が認められる結果となった。実施例4、5、11、12は、表面品位にやや劣る結果ではあるが、用途次第では実用可能なレベルである。一方、繊維欠損部に強化繊維糸条を埋設しない比較例2は、全ての実施例、比較例の中で外観不良の視認性はとりわけ高く、品位に明確な優位差が認められた。一方、実施例3,6、7、8はチャージ率が比較的高いことから、表面品位は良好であった。中でも、実施例8はPF基材を最表層に適用したが、表面凹凸の品位に優れることから、着色塗装を施すことで、チャージ率が同等水準にある実施例1、2と比べても遜色ない仕上がりであった。また、強化繊維糸条B1としてガラス繊維を用いた実施例3において、炭素繊維を用いたそれと比べて、同等の表面品位の改善効果を確認できた。
さらに、実施例9、10では、強化繊維糸条Aとしてより太繊度な炭素繊維糸条を使用しているため、繊維欠損部の幅も前述に比べて大きくなっているが、チャージ率を適正に確保できているため、他の実施例と比較しても、表面品位はとりわけ良好であった。なお、比較例1については、繊維欠損部の幅が小さいために、強化繊維糸条Bによる埋設をしなくとも、実用性のある表面品位が確保されていた。
一方、作業性の観点からは、繊維欠損部の埋設に用いる強化繊維糸条Bの本数により、優劣が示されており、使用本数を最小化することが好ましい。従って、実施例1、2、9が実施例中では最良である。
これら実施例の中でも、実施例9が取扱性、表面品位、作業性の総合的な観点で最も優れた。
本発明のプリフォーム用基材によれば、意匠用部材の成形材料として好適に用いられる。また、これにより得られる繊維強化樹脂成形体は、主として自動車用パネル部材をはじめとする意匠外板部材の製造分野に好適に用いられ、自動車や建設機械のカバー類、建築における仕切板、パーティシャン、ドアパネル、遮蔽板等、スポーツにおけるサーフィンボード、スケートボード、自転車部品などの外側にあって、意匠性が求められ部材にて優れた外観品位を提供する。
1 :プリフォーム用基材
2 :強化繊維糸条A
3 :ステッチ糸
4、5、7、9、11、14、17 :繊維欠損部
6、8、10 :基材
12、15、18 :強化繊維糸条B
13、16、19 :係合材料

Claims (10)

  1. 強化繊維糸条Aが少なくとも一方向に配向した基材であって、該基材の少なくとも片表面に、強化繊維糸条Aの配向に沿った、強化繊維が実質的に存在しないことから、周辺にある基材健全部に対して厚みが薄くなり、基材上で凹みとなった繊維欠損部を含み、該繊維欠損部に、強化繊維糸条Bが埋設されている、プリフォーム用基材。
  2. 少なくとも片表面に係合材料が配置された、請求項1に記載のプリフォーム用基材。
  3. 前記強化繊維糸条Bが、係合材料により前記繊維欠損部と接着一体化された、請求項1または2に記載のプリフォーム用基材。
  4. 前記繊維欠損部の幅が2〜100mmである、請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォーム用基材。
  5. 前記繊維欠損部における強化繊維糸条Bのチャージ率が80〜120%である、請求項1〜4のいずれかに記載のプリフォーム用基材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のプリフォーム用基材、並びに、強化繊維基材が、積層された強化繊維プリフォームであって、
    前記強化繊維プリフォームの最表面側の層を1層目、1層目に隣接する層を2層目とすると、少なくとも一方の1層目ないし2層目に前記プリフォーム用基材が配置された、強化繊維プリフォーム。
  7. 少なくとも一方の1層目に強化繊維基材が配置され、少なくとも一方の2層目にプリフォーム用基材が配置され、
    前記1層目に配置される強化繊維基材が、二方向性織物である、請求項6に記載の強化繊維プリフォーム。
  8. 請求項6または7に記載の強化繊維プリフォームに樹脂が含浸された繊維強化樹脂成形体。
  9. 前記成形体が、意匠用外板部材に用いられる、請求項8に記載の繊維強化樹脂成形体。
  10. 強化繊維糸条Aが少なくとも一方向に配向した基材であって、該基材の少なくとも片表面に、強化繊維糸条Aの配向に沿った、強化繊維が実質的に存在しないことから、周辺にある基材健全部に対して厚みが薄くなり、基材上で凹みとなった繊維欠損部を含む基材の前記繊維欠損部に、強化繊維糸条Bを埋設してプリフォーム用基材とし、さらに該プリフォーム用基材または該プリフォーム用基材を別の強化繊維基材と積層した強化繊維プリフォームに樹脂を含浸する繊維強化樹脂成形体の製造方法。
JP2016048048A 2016-03-11 2016-03-11 プリフォーム用基材、強化繊維プリフォーム、繊維強化樹脂成形体および繊維強化樹脂成形体の製造方法 Active JP6746973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016048048A JP6746973B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 プリフォーム用基材、強化繊維プリフォーム、繊維強化樹脂成形体および繊維強化樹脂成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016048048A JP6746973B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 プリフォーム用基材、強化繊維プリフォーム、繊維強化樹脂成形体および繊維強化樹脂成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017160572A JP2017160572A (ja) 2017-09-14
JP6746973B2 true JP6746973B2 (ja) 2020-08-26

Family

ID=59853765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016048048A Active JP6746973B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 プリフォーム用基材、強化繊維プリフォーム、繊維強化樹脂成形体および繊維強化樹脂成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6746973B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11529773B2 (en) 2017-03-17 2022-12-20 Subaru Corporation Fiber-material molding machine and fiber-material molding method

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003262050B2 (en) * 2002-11-14 2009-07-02 Toray Industries, Inc. Reinforcing fiber substrate, composite material and method for producing the same
JP4525176B2 (ja) * 2004-05-24 2010-08-18 東レ株式会社 繊維強化プラスチック、および、その製造方法
JP4558398B2 (ja) * 2004-07-16 2010-10-06 東邦テナックス株式会社 平滑な表面を有する複合材料
JP2006138031A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Toray Ind Inc 強化繊維基材、プリフォームおよびそれらの製造方法
JP4867259B2 (ja) * 2005-09-29 2012-02-01 東レ株式会社 プリフォームおよびプリフォームの製造方法
JP2008132705A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Toray Ind Inc 炭素繊維積層体およびそれを用いた炭素繊維強化樹脂
WO2011074437A1 (ja) * 2009-12-17 2011-06-23 東レ株式会社 炭素繊維積層体及びプリフォーム、並びにそれらの製造方法
JP5896048B2 (ja) * 2015-01-30 2016-03-30 東レ株式会社 熱可塑性基材およびそれを用いた繊維強化成形体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017160572A (ja) 2017-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5497786B2 (ja) 複合材料
JP5882240B2 (ja) ポリマー不織布を有する多軸積層体
JP2018080442A (ja) 平面状複合材料
KR20130121858A (ko) 강화용 섬유 번들들로부터 제조되고 단일방향 섬유 테이프들을 포함하는 섬유 예비성형체, 및 복합재 부재
US7930907B2 (en) Crimp-free infusible reinforcement fabric and composite reinforced material therefrom
MX2012003670A (es) Preformacion tejida, material compuesto y metodo de elaboracion de los mismos.
KR20150093745A (ko) 비-꼬임 섬유를 포함하는 물품 및 물품 사용 방법
KR102307989B1 (ko) 중공단면을 가진 섬유강화복합재료 및 이의 제조방법
JP2018531307A6 (ja) 強化繊維製のテキスタイル基材
JP2018531307A (ja) 強化繊維製のテキスタイル基材
JP2007182065A (ja) 多軸成形材料、プリフォーム、frpおよびその製造方法
US20090162604A1 (en) Knitted Infusion Fabric
JP4613298B2 (ja) 複合シートとそれを用いた平滑な表面を有する複合材料
JP6746973B2 (ja) プリフォーム用基材、強化繊維プリフォーム、繊維強化樹脂成形体および繊維強化樹脂成形体の製造方法
CA2537941C (en) Crimp-free infusible reinforcement fabric and composite reinforced material therefrom
JP5547412B2 (ja) 面状複合体
JP2012096475A (ja) 強化繊維基材、強化繊維複合材のプリフォームおよび強化繊維複合材
JP2023134509A (ja) ポリマー材料の調製のための方法
TWI751321B (zh) 用於製造紡織單向織物的方法及用於製造複合材料構件的纖維型坯
JP2012241183A (ja) 繊維複合材料およびそれを用いたサンドイッチ材
JP7083281B2 (ja) 樹脂注入成形品およびその製造方法
JP4558398B2 (ja) 平滑な表面を有する複合材料
KR20170140587A (ko) 보강 섬유가 스티칭된 다층 복합재 및 그 제조방법
KR102482719B1 (ko) 자동차 내장재용 부직포 복합체
JP2020157625A (ja) 繊維強化複合材の成形方法及び繊維プリフォームの成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200720

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6746973

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151