JP6745681B2 - 誘導加熱コイルユニット及び誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱対象物の被加熱面に異なる大きさの被加熱面が混在する場合であっても、被加熱面全体の温度差を小さくして短時間で加熱することができる誘導加熱コイルユニット及び誘導加熱装置に関する。
従来から、加熱対象物の被加熱面を非接触で加熱する方法として、高温の気体を吹き付けて被加熱面の熱伝達を使って加熱する方法、電熱線ヒータ等の高温の発熱体を加熱対象物の被加熱面に接近させ、発熱体からの輻射熱で加熱する方法、ランプヒータ等の赤外線を被加熱面に当て、赤外線による輻射熱で加熱する方法、電磁誘導コイルを用いて被加熱面に誘導電流を誘起させ、加熱対象物の材質による抵抗熱で被加熱面を加熱する方法などがある。
ここで、誘導加熱コイルを用いて被加熱面を加熱する場合、誘導加熱コイルを移動して被加熱面を満遍なく撫でるように加熱している。この誘導加熱コイルを移動させる方法としては、ロボットアーム先端の手首部に誘導加熱コイルを装着し、ロボットのプログラムに従って誘導加熱コイルを被加熱面の形状に合わせて移動している。
なお、特許文献1には、誘導加熱コイルを用いて薄板状の被加熱対象物を加熱する際、被加熱対象物の幅に応じて、2つの略V字形状コイルを合成して形成される合成コイル形状を可変にし、被加熱対象物のエッジ部での過剰加熱を小さくするものが記載されている。
また、特許文献2には、金属シート等の導電性板材を幅方向全体に亘って均一に加熱できる誘導加熱装置が記載されている。この誘導加熱装置は、搬送方向に直交する幅方向に少なくとも1つの平板状コイルが配置されたコイルユニットを搬送方向に沿って多段に配置し、搬送方向に隣接する2つのコイルユニットを構成する平板状要素コイルが幅方向に互いにずれて配置されている。
特開2010−245029号公報 特開2014−26884号公報
ところで、樹脂に炭素繊維などの導電性繊維が編み込まれた複合材料で形成された加熱対象物、例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)板材も誘導加熱コイルを用いた加熱が可能である。ここで、CFRP板材の成形加工品で部分的に強度を必要とする場合、部分強度を上げるため、その強度を補強部分に必要な大きさの補強用のCFRP板材を重ねて配置して成形するようにしている。
この場合、この成形加工の前工程として、成形本体用のCFRP板材に、補強用のCFRP板材を重ねた状態で、誘導加熱コイルを移動させて成形本体用のCFRP板材と補強用のCFRP板材と同時に加熱し、成形本体用のCFRP板材と補強用のCFRP板材とを樹脂の軟化点温度まで昇温することが生産性向上のため好ましい。
この成形本体用のCFRP板材と補強用のCFRP板材とを重ねた状態で同時に加熱できるのは、金属板材に比して、CFRP板材は、樹脂が主材質となっているため、磁力線が透過しやすいからである。
ここで、成形本体用のCFRP板材と補強用のCFRP板材とを重ねて加熱する場合、補強用のCFRP板材の被加熱面の大きさが誘導加熱コイルの直径よりも小さい場合、補強用のCFRP板材には誘導電流が流れにくく、加熱しにくいことになる。一方、補強用のCFRP板材の被加熱面の大きさが誘導加熱コイルの直径と同等寸法あるいは誘導加熱コイルの直径よりも大きい場合、1つの誘導加熱コイルを用いて加熱対象物全体を加熱する場合、加熱対象物全体の加熱時間が長くなる。
この場合、独立して移動できる複数の誘導加熱コイルを用いて加熱対象物全体を加熱することができるが、各誘導加熱コイルの移動制御が複雑になるとともに、装置が大型化、かつ、複雑化する。
なお、被加熱面の大きさが異なるCFRP板材が重ねられた状態は大きさが異なる被加熱面が混在する状態であり、被加熱面上に配置された複数の小さな被加熱面をもつ加熱対象物が同一平面上に配置され、誘導加熱コイルで各加熱対象物を同時に加熱する場合も同様に、小さな被加熱面と、小さな被加熱面が集合した大きな被加熱面とが混在した状態となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加熱対象物の被加熱面に異なる大きさの被加熱面が混在する場合であっても、被加熱面全体の温度差を小さくして短時間で加熱することができる誘導加熱コイルユニット及び誘導加熱装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる誘導加熱コイルユニットは、被加熱面を有する加熱対象物と前記被加熱面に比して小さい加熱面を有し、中央部分に穴が形成された平板状の誘導加熱コイルとを非接触で相対的に移動させて前記加熱対象物を加熱する誘導加熱装置に用いられる誘導加熱コイルユニットであって、同一平面上に複数の前記誘導加熱コイルが配置され、前記誘導加熱コイルの数は、nを1以上の自然数として、2×nであることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱コイルユニットは、上記の発明において、各誘導加熱コイルの移動方向は、第1の移動方向と該第1の移動方向に直交する第2の移動方向であり、各誘導加熱コイルは、前記第1の移動方向と前記第2の移動方向を2分する斜め方向に配列されることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱コイルユニットは、上記の発明において、各誘導加熱コイルの中心点間距離ΔCは、コイル外径をDとし、前記穴の径をdとすると、ΔC=(D+d)/2(1/2)であることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱コイルユニットは、上記の発明において、各誘導加熱コイルのコイル外径に対する前記穴の径の比である内径比は、0.4以上であることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱コイルユニットは、上記の発明において、隣接する誘導加熱コイルの最外周の電流の向きは同一方向であることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱装置は、上記の発明のいずれか一つに記載された誘導加熱コイルユニットを備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱装置は、上記の発明において、前記加熱対象物は、成形本体用のCFRP板材上に該成形本体用のCFRP板材の被加熱面よりも小さい被加熱面を有する補強用のCFRP板材を重ねたものであり、各誘導加熱コイルのコイル外径は、前記補強用のCFRP板材の被加熱面の最大幅以下であることを特徴とする。
本発明によれば、同一平面上に被加熱面に比して小さい加熱面を有した複数の誘導加熱コイルが配置され、誘導加熱コイルの数を、nを1以上の自然数として、2×nであるようにしている。これにより、加熱対象物の被加熱面に異なる大きさの被加熱面が混在する場合であっても、被加熱面全体の温度差を小さくして短時間で加熱することができる。
図1は、本発明の実施の形態である誘導加熱コイルユニットを含む誘導加熱装置の全体構成を示す模式図である。 図2は、誘導加熱コイルユニットの構成を示す平面図である。 図3は、誘導加熱コイル単体の温度分布プロファイルを示す図である。 図4は、図2に示した誘導加熱コイルユニットによって形成される温度分布プロファイルを示す図である。 図5は、8つの誘導加熱コイルが配置された誘導加熱コイルユニットの構成を示す平面図である。 図6は、図5に示した誘導加熱コイルユニットによって形成される温度分布プロファイルを示す図である。 図7は、成形本体用のCFRP板材上に該成形本体用のCFRP板材の被加熱面よりも小さい被加熱面を有する補強用のCFRP板材が重ねられた加熱対象物の一例を示す図である。 図8は、図2に示した誘導加熱コイルユニットの2回目の移動経路を、1回目の移動経路に対して垂直な方向に所定距離シフトした移動経路とした場合における1回目の温度分布プロファイルと2回目の温度分布プロファイルとを示す図である。 図9は、図2に示した誘導加熱コイルユニットを用い、2回目の移動経路を、1回目の移動経路に対して垂直な方向に所定距離シフトした移動経路とした場合の合成温度分布プロファイルを示す図である。 図10は、図5に示した誘導加熱コイルユニットを用い、2回目の移動経路を、1回目の移動経路に対して垂直な方向に所定距離シフトした移動経路とした場合の合成温度分布プロファイルを示す図である。 図11は、隣接する誘導加熱コイルの電流の向きを示す図である。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態である誘導加熱コイルユニット2を含む誘導加熱装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、誘導加熱装置は、先端の手首部に誘導加熱コイルユニット2が取り付けられたロボットアーム3、制御部5、表示部6、操作部7、及び、記憶部8を有する。
誘導加熱コイルユニット2には、複数の誘導加熱コイル21,22が同一平面上に配置される。誘導加熱コイル21,22は、例えば、渦巻状円板コイルである。コイルは撚線であってもよいし、導電性パイプで筒内に冷却水が流入するものであってもよい。誘導加熱コイルユニット2は、ロボットアーム3によって位置及び姿勢を変えることができる。この誘導加熱コイルユニット2の位置及び姿勢を含む移動経路、移動速度、及び出力は、制御部5のもとに制御される。誘導加熱コイルユニット2の誘導加熱コイル21,22は、加熱対象物1の上面1uに接近させて移動しつつ、加熱対象物1を加熱する。
誘導加熱コイル21,22は、図示しない電源から供給される高周波電流によって磁界を発生し、加熱対象物1に渦電流を発生させ、その抵抗熱によって加熱対象物1を加熱する。上面1uは、誘導加熱コイル21,22の寸法よりも大きいため、誘導加熱コイル21,22を同時に移動させ、上面1uを満遍なく撫でるように加熱する。なお、本実施の形態では、誘導加熱コイル21,22を上面1uに対して移動させるようにしているが、加熱対象物1とともに上面1uを誘導加熱コイル21,22に対して移動させるようにしてもよい。さらに、誘導加熱コイル21,22及び加熱対象物1の双方を移動させてもよい。すなわち、上面1uと誘導加熱コイル21,22との位置関係が相対的に移動できる機構であればよい。
表示部6は、上面1u、誘導加熱コイル21,22の移動経路及び移動状態、図示しない赤外線サーモグラフィーなどによって温度検出された加熱対象物1の温度分布状態などの各種情報を表示出力する。
操作部7は、制御部5に対する制御指示を行う。操作部7は、キーボードやポインティングデバイスによって実現される。
(誘導加熱コイルユニット)
図2は、誘導加熱コイルユニット2の構成を示す平面図である。図2に示すように、誘導加熱コイルユニット2は、略正方形の支持板に2つの同一の誘導加熱コイル21,22が同一平面上に配置される。誘導加熱コイルユニット2は、正方形の一辺に垂直な第1の移動方向A1と、第1の移動方向A1に垂直な第2の移動方向A2との2方向に移動する。誘導加熱コイル21,22は、第1の移動方向A1と第2の移動方向A2とを2分する斜め方向A10(第1の移動方向A1を基準に反時計回りに45度傾いた方向)に配置される。各誘導加熱コイル21,22は、それぞれ同一内径の穴2aが円中心に形成されている。穴2aは、コイルを渦巻き状に巻回する構成のために形成される。
ここで、誘導加熱コイル21,22は、誘導加熱コイルユニット2が第1の移動方向A1または第2の移動方向A2に移動した際、例えば第2の移動方向A2に移動した際、図2の斜線で示した領域のように、誘導加熱コイル21,22の加熱面が重なるようにしている。この加熱面の重なりを形成するのは、誘導加熱コイル21,22の加熱によって形成される、移動方向に垂直な方向における加熱対象物1の温度分布プロファイルをできる限り平坦化して温度差を小さくするためである。この温度差を小さくすることによって、加熱対象物1に対する加熱制御が容易となり、加熱対象物1に対する均一な昇温が容易となる。
図3に示すように、各誘導加熱コイル21,22の温度分布プロファイルは、釣鐘状である。温度分布プロファイルの中央部分は、穴2aの影響で温度が低くなり、中央部分の周囲の温度は高くなる。なお、中央部分の温度が高くなる部分の径間隔Wは、穴2aの内径dにほぼ等しい。
図2に示すように、各誘導加熱コイル21,22の重なり量ΔWは、誘導加熱コイル21,22のコイル外径をDとし、穴2aの内径をdとすると、次式(1)で示す値とすることによって、温度分布プロファイルにおける凹凸(温度差)を低下させることができる。
ΔW=D/2−d/2
=(D−d)/2 …(1)
また、第2の移動方向A2方向からみた誘導加熱コイル21,22の中心間距離ΔC2は、次式(2)となる。
ΔC2=D/2+D/2−ΔW
=D−(D−d)/2
=(D+d)/2 …(2)
したがって、誘導加熱コイル21,22の中心点間距離ΔCは、次式(3)となる。なお、記号√は括弧内の値の平方根を意味する。
ΔC=√(2)×ΔC2
=√(2)×(D+d)/2
=(D+d)/√(2) …(3)
ここで、誘導加熱コイル21,22は配置上、重ならないので、中心点間距離ΔCの最小値は、コイル外径Dとなるため、次式(4)が成り立つ。
D<(D+d)/√(2) …(4)
式(4)を変形すると、式(5)が得られる。
d>(√(2)−1)D
d/D>0.414…≒0.4 …(5)
すなわち、コイル外径Dに対する穴2aの内径dの比(内径比)が約0.4を超える値であることが好ましいと言える。換言すれば、内径dは、コイル外径Dの約0.4倍を超える値が好ましいと言える。
一方、誘導加熱コイル21,22間の最小隙間ΔDは、次式(6)となる。
ΔD=ΔC−D
=((D+d)/√(2))−D
=(d−(√(2)−1)×D)/√(2) …(6)
(誘導加熱コイルユニットの温度分布プロファイル)
図3は、誘導加熱コイル21,22のコイル外径Dが200.0mm、穴径dが82.8mmのときに誘導加熱コイル21,22を単体で移動させた場合の温度分布プロファイルを示している。この温度分布プロファイルは、上述したように釣鐘状となっている。
ここで、誘導加熱コイル21,22の重なり量ΔWは、式(1)から、(200−82.8)/2=58.6(mm)となる。最小隙間ΔDは、式(6)から、(82.8−0.4×200)/√(2)でほぼ0mmとなる。このときの合成温度プロファイルは、図4に示したように、移動方向に垂直な方向に広がり、中央部分の温度差は、33%で単体の誘導加熱コイル21,22の温度分布プロファイルの中央部分の温度差と同じである。したがって、単体の誘導加熱コイル21,22の中央部分の温度差を維持しつつ、移動方向に垂直な方向に広がって加熱することができる。すなわち、加熱時間を短縮することができる。
なお、第1の移動方向A1の移動時も第2の移動方向A2の移動時と同じ温度分布プロファイルを得ることができる。
(誘導加熱コイルユニットの拡張)
上述した実施の形態における誘導加熱コイルユニット2の誘導加熱コイル数は、2つであったが、誘導加熱コイル数は、nを1以上の自然数として、2×nであればよい。例えば、図5に示すように、n=2とした場合で8つの誘導加熱コイル21〜28を同一平面上に配置している。
図5に示すように、8つの誘導加熱コイル21〜28の配置は、誘導加熱コイル21,22が第1の移動方向A1に対して反時計回りに45度の斜め方向A11の軸方向に最小隙間ΔDで配置される。また、誘導加熱コイル23,24,25,26が第1の移動方向A1に対して反時計回りに45度の斜め方向A10の軸方向に最小隙間ΔDで配置される。さらに、誘導加熱コイル27,28が第1の移動方向A1に対して反時計回りに45度の斜め方向A12の軸方向に最小隙間ΔDで配置される。
また、誘導加熱コイル21,24,27は、第1の移動方向A1に対して反時計回りに135度の斜め方向A21の軸方向に最小隙間ΔDで配置される。また、誘導加熱コイル22,25,28は、第1の移動方向A1に対して反時計回りに135度の斜め方向A22の軸方向に最小隙間ΔDで配置される。なお、誘導加熱コイル21〜28は、誘導加熱コイル21,22と同一形状である。
ここで、図6は、図5に示した8つの誘導加熱コイル21〜28が配置された誘導加熱コイルユニット2の合成温度分布プロファイルを示している。この場合、縦軸の温度は、単体の誘導加熱コイルの温度の2倍となっている。また、移動方向に垂直な方向への広がりは約4倍となっている。これは、第1の移動方向A1及び第2の移動方向A2のそれぞれに対して、4つの誘導加熱コイルが移動方向に垂直な方向に広がって移動し、2つの誘導加熱コイルが移動方向に対して連続して移動するからである。
なお、誘導加熱コイルの数が2×nであるとは、具体的に、n=1のとき、誘導加熱コイル数は2であり、n=2のとき、誘導加熱コイル数は8であり、n=3のとき、誘導加熱コイル数は18であり、n=4のとき、誘導加熱コイル数は32となる。このように誘導加熱コイルの数を2×nとし、移動方向に対して反時計回りに45度の斜め方向の軸方向に配置することより、第1の移動方向A1及び第2の移動方向A2のそれぞれに対して誘導加熱コイル数が同数となるので、第1の移動方向A1及び第2の移動方向A2のいずれの方向に移動する場合でも加熱量が同じとなり、安定的な加熱が可能になる。
(被加熱対象物)
図7に示すように、被加熱対象物1は、上述したように、成形本体用のCFRP板材11に、補強用のCFRP板材12aを重ねた状態で、誘導加熱コイルユニット2を移動させて成形本体用のCFRP板材11と補強用のCFRP板材12aと同時に加熱し、成形本体のCFRP板材11と補強用のCFRP板材12aとを樹脂の軟化点温度まで昇温することが生産性向上のため好ましい。
この場合、各誘導加熱コイル21〜28のコイル外径Dは、補強用のCFRP板材12aの被加熱面の最大幅以下である。これにより、個々の補強用のCFRP板材12aに対する加熱を成形本体用のCFRP板材11の加熱と同様に行うことができるとともに、補強用のCFRP板材12aを含めた成形本体用のCFRP板材11の被加熱面の全域にわたる加熱を短時間で行うことができる。
(移動経路のシフトによる平坦化された温度分布プロファイルの形成)
ここで、図8に示すように、例えば2つの誘導加熱コイル21,22による合成温度分布プロファイルではピークが4つ形成されるが、このピーク間の幅は、単体の誘導加熱コイルの中央部分の温度が高くなる部分の径間隔Wと同じであり、穴径dとほぼ同じ値となる。そこで、図8の破線で示すように、1回目の誘導加熱コイル21,22の移動経路を経た加熱後、2回目の加熱を行う場合、1回目の移動経路に垂直な方向に所定距離Δd分、シフトした移動経路に沿って加熱すると、さらに平坦な合成温度分布プロファイルを形成することができる。この場合、所定距離Δdは、穴径dの1/2であるd/2であることが好ましい。1回目の加熱によって生じたピーク間の凹部を、2回目の加熱によって生じたピークによって平坦化することができるからである。
図9は、図8に示した1回目の温度分布プロファイル(実線)と2回目の温度分布プロファイル(破線)とを合成した合成温度分布プロファイルを示している。この合成温度分布プロファイルは、1回目の温度分布プロファイルに対して、温度比が1.65倍になるが、温度差は7%に低減される。
なお、図10は、図5に示した誘導加熱コイルユニットを用いる場合、2回目の移動経路を穴径dの1/2シフトしたときの合成温度分布プロファイルを示している。この場合も、この合成温度分布プロファイルは、1回目の温度分布プロファイルに対して、温度比が1.65倍になるが、温度差は7%に低減される。
(誘導加熱コイルの電流の向き)
図11は、隣接する誘導加熱コイル21,22の電流の向きを示す図である。図11に示すように、誘導加熱コイル21の導線31には、時計回り方向の電流Icwを流し、誘導加熱コイル22の導線32には、反時計回り方向の電流Iccwを流す。この結果、隣接する誘導加熱コイル21,22の最外周の電流の向きは同一方向となる。これにより、誘導加熱コイル21,22のそれぞれに発生する磁力線の向きが一致するため、誘導加熱を効率的に行うことができる。
なお、上述した実施の形態では、誘導加熱コイルを上述した配置とすることによって、第1の移動方向A1に対する温度分布及び加熱量と第2の移動方向A2に対する温度分布及び加熱量とが変わらないため、安定した加熱が可能となり、加熱対象物1の均温化が容易になる。
また、上述した実施の形態では、被加熱面の大きさが異なるCFRP板材が重ねられた状態であって、大きさが異なる被加熱面が混在する状態を一例にとって説明したが、上述したように、被加熱面上に配置された複数の小さな被加熱面をもつ加熱対象物が同一平面上に配置され、誘導加熱コイルで各加熱対象物を同時に加熱する場合も同様に適用することができる。この場合、小さな被加熱面と、小さな被加熱面が集合した大きな被加熱面とが混在した状態となる。
なお、上述した実施の形態では、加熱対象物1、具体的には成形本体用のCFRP板材11及び補強用のCFRP板材12aが矩形であったが、これに限らず、円形や楕円形などの各種形状であってもよい。
1 加熱対象物
1u 上面
2 誘導加熱コイルユニット
2a 穴
3 ロボットアーム
5 制御部
6 表示部
7 操作部
8 記憶部
11 成形本体用のCFRP板材
12a 補強用のCFRP板材
21〜28 誘導加熱コイル
31,32 導線
A1 第1の移動方向
A2 第2の移動方向
A10,A11,A12,A21,A22 斜め方向
D コイル外径
d 穴の内径
Icw,Iccw 電流
ΔC 中心点間距離
Δd 所定距離
ΔD 最小隙間
ΔW 重なり量

Claims (6)

  1. 被加熱面を有する加熱対象物と前記被加熱面に比して小さい加熱面を有し、中央部分に穴が形成された平板状の誘導加熱コイルとを非接触で相対的に移動させて前記加熱対象物を加熱する誘導加熱装置に用いられる誘導加熱コイルユニットであって、
    同一平面上に複数の前記誘導加熱コイルが配置され、前記誘導加熱コイルの数は、nを1以上の自然数として、2×nであり、
    各誘導加熱コイルの移動方向は、第1の移動方向と該第1の移動方向に直交する第2の移動方向であり、各誘導加熱コイルは、前記第1の移動方向と前記第2の移動方向を2分する斜め方向に配列されることを特徴とする誘導加熱コイルユニット。
  2. 各誘導加熱コイルの中心点間距離ΔCは、コイル外径をDとし、前記穴の径をdとすると、ΔC=(D+d)/2(1/2)であることを特徴とする請求項に記載の誘導加熱コイルユニット。
  3. 各誘導加熱コイルのコイル外径に対する前記穴の径の比である内径比は、0.4以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱コイルユニット。
  4. 隣接する誘導加熱コイルの最外周の電流の向きは同一方向であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の誘導加熱コイルユニット。
  5. 請求項1〜のいずれか一つに記載の誘導加熱コイルユニットを備えたことを特徴とする誘導加熱装置。
  6. 前記加熱対象物は、成形本体用のCFRP板材上に該成形本体用のCFRP板材の被加熱面よりも小さい被加熱面を有する補強用のCFRP板材を重ねたものであり、各誘導加熱コイルのコイル外径は、前記補強用のCFRP板材の被加熱面の最大幅以下であることを特徴とする請求項に記載の誘導加熱装置。
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