JP6745677B2 - 車両用シート部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シート部材及びその製造方法に関する。
自動車等の車両用シートの芯材として、フレーム材が発泡樹脂成形体に一体成形されている車両用シート部材が知られている(特許文献1、2等)。
特許文献3では、車両への固定のための掛け止め具とそれを連結する連結部材(フレーム材)を、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体内に埋め込み一体成形する車両用座席シート芯材およびその製造方法が開示されている。この技術では、連結部材は、シート芯材の長手方向に沿って発泡樹脂成形体の前方側に埋設されている。
特開2001−161508号公報 国際公開WO2015/159691号公報 国際公開WO2016/042759号公報
上記の通り、特許文献1〜3に記載される形態の車両用シートは、車両用シート部材を構成する発泡樹脂成形体の内部にフレーム材が一体成形されている。フレーム材の材料と、発泡樹脂成形体の材料は、異種材料であるため、個々の熱膨張係数は異なる。
発泡樹脂成形体を構成する発泡樹脂は、例えば、成形後の発泡樹脂成形体の脱型時の放熱、または車両用シート部材への入熱などにより、伸び量または縮み量の差が大きいため、発泡樹脂成形体と共にフレーム材が変形し易い。
特許文献3では、座席シートを車両に固定するための掛け止め具がシート芯材前側両端にあり、その掛け止め具がシート長手方向に沿って成形体内に埋設されている連結部材により連結されている場合には、シート芯材のシート長手方向への収縮が大きいため、掛け止め具の寸法誤差が大きいという課題が記載されている。この課題を解決するための手段として、特許文献3では、シート芯材前側両端に配置された一対の掛け止め具を連結部材により連結しつつ、発泡樹脂成形体のうち、掛け止め具の柱部の長手方向外方に位置する部分に空間又は切れ込みを形成することにより、発泡樹脂成形体とフレーム材との収縮量の差を吸収することが提案されている。しかしながら掛け止め具の柱部の近傍に空間を設けるだけでは、発泡樹脂成形体とフレーム材との収縮量の差を十分に吸収することはできない。また、掛け止め具を連結する連結部材が変形する可能性がある。
前記課題を解決すべく本明細書で開示する本発明は、
フレーム材と、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体と、を備えた車両用シート部材の製造方法であって、
前記車両用シート部材の平面視において、前記車両用シート部材の輪郭に沿って前記フレーム材が配置されるように、前記フレーム材を成形型内に配置する配置工程と、
成形型内において、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体を成形する成形工程と、を含み、
前記フレーム材として、
前記輪郭に沿って配置される線状の骨組み部、並びに、前記骨組み部が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具及び第2掛け止め具を有し、
前記骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つが、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離しており、
前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている部分と、前記発泡樹脂成形体から外方に突出している部分とを含む
フレーム材を用いることを特徴とする車両用シート部材の製造方法を提供する。
車両用シート部材の素材となる、発泡樹脂成形体の発泡樹脂と、発泡樹脂成形体に埋設されたフレーム材の材料とは、熱膨張係数が異なるため、この熱膨張係数の相違が、成形工程後の冷却時に、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差として現れやすい。特に、一部が発泡樹脂成形体の外部に突出し車両への固定に用いられる複数の掛け止め具が線状の骨組み部に固定されているフレーム材が発泡樹脂成形体に埋設されている車両用シート部材では、フレーム材のうち一対の前記掛け止め具とそれに挟まれた前記骨組み部の区間の構造が複雑であるために、それを埋設する発泡樹脂成形体では熱収縮又は熱膨張が均一に起こらない。このため、前記フレーム材のうち一対の前記掛け止め具とそれに挟まれた前記骨組み部の区間及び/又はそれを埋設する前記発泡樹脂成形体の変形が特に顕著である。
そこで、本発明では、フレーム材における線状の骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つを、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離する。前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とは連結されていない。この構成のフレーム材を使用することで、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差を、第1部分の前記他端の側と第2部分の前記他端の側との間で吸収することができる。この結果、発泡樹脂成形体の成形時の熱を放熱する際、熱収縮が起因となるフレーム材及び/又は発泡樹脂成形体の変形を抑えることができ、車両用シート部材の全体の形状を、所定の形状に保持することができる。
本発明の方法のより好ましい態様では、
前記フレーム材として、
前記延在方向において、前記第1部分の前記他端が、前記第2部分の前記他端よりも、前記第1掛け止め具に近い位置にある
フレーム材を用いる。
この態様で用いるフレーム材では、前記骨組み部のうち前記第1部分の前記他端と、前記第2部分の前記他端とが、前記延在方向に離間している。このため本発明の方法のこの態様では、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差を、第1部分の前記他端と第2部分の前記他端との間の離間部分で吸収することができる。
本発明の方法のより好ましい態様では、
前記フレーム材として、
前記延在方向において、前記第1部分の前記他端が、前記第2部分の前記他端よりも、前記第2掛け止め具に近い位置にあり、
前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とが、前記延在方向に対して垂直な方向に並ぶように配置されている
フレーム材を用いる。
この態様で用いるフレーム材では、前記骨組み部のうち、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とが、前記延在方向に垂直な方向で並んで配置されていることにより、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具の間には、前記延在方向に途切れずに、前記第1部分と前記第2部分とが配置されるため、このフレーム材を発泡樹脂成形体に埋設した車両用シート部材では、発泡樹脂成形体の、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具の間の部分に、機械的な強度が付与される。しかも、前記骨組み部は、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とに挟まれた区間の少なくとも1つが、前記第1部分と前記第2部分とに分離されている。このため、発明の方法のこの態様では、製造される車両用シート部材の強度を保持しつつ、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差を、前記第1部分の前記他端の側と前記第2部分の前記他端の側の間で吸収することが可能である。
本発明の方法のより好ましい態様では、
前記フレーム材として、
前記第1部分が、前記第1部分の前記他端の側に、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第1空間を内側に形成するように湾曲した第1湾曲部を備え、
前記第2部分が、前記第2部分の前記他端の側に、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第2空間を内側に形成するように湾曲した第2湾曲部を備え、
前記第1湾曲部が、前記第2湾曲部が形成する前記第2空間を通り、且つ、前記第2湾曲部が、前記第1湾曲部が形成する前記第1空間を通るように、前記第1部分と前記第2部分とが配置されている
フレーム材を用いる。
この態様で用いるフレーム材では、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具の間には、前記延在方向に途切れずに、前記第1部分と前記第2部分とが配置されるため、このフレーム材を発泡樹脂成形体に埋設した車両用シート部材では、発泡樹脂成形体の、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具の間の部分に、機械的な強度が付与される。しかも、前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1湾曲部が、前記第2湾曲部が形成する前記第2空間を通り、且つ、前記第2湾曲部が、前記第1湾曲部が形成する前記第1空間を通るように組み合わされて配置されているが、連結はされておらず、前記骨組み部は、依然として、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とに挟まれた区間の少なくとも1つが、前記第1部分と前記第2部分とに分離されている。このため、発明の方法のこの態様では、製造される車両用シート部材の強度を保持しつつ、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差を、前記第1部分の前記第1湾曲部と前記第2部分の前記第2湾曲部との間で吸収することが可能である。
本発明の方法のより好ましい態様では、
前記配置工程において、前記フレーム材とともに、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とを、一体に、空隙を介して被覆する被覆部材を前記成形型内に配置する。
本発明のこの態様では、前記被覆部材を用いることにより、成形工程において、前記第1部分の前記他端の側、及び、前記第2部分の前記他端の側の周囲に発泡樹脂成形体が成形されることを回避することができる。これによって、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側との相対的な動きが発泡樹脂成形体により阻害されることを回避することができる。また、前記被覆部材は、前記第1部分の前記他端の側、及び、前記第2部分の前記他端の側を空隙を介して被覆するため、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側との相対的な動きを阻止しない。
本発明の方法のより好ましい態様では、
前記平面視における前記車両用シート部材の輪郭は、短手方向と長手方向を有した形状であり、
前記配置工程において、前記骨組み部の少なくとも一部分が、前記長手方向に沿うように、前記フレーム材を前記成形型内に配置し、
前記フレーム材として、
前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、前記骨組み部のうち前記長手方向に沿う部分である長手部分の、前記長手方向の異なる位置に固定されており、
前記長手部分が、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に、前記第1部分と前記第2部分とを含む
フレーム材を用いる。
ここで、車両用シート部材の長手方向に沿った骨組み部の長手部分に第1掛け止め具と第2掛け止め具が固定されている構造のフレーム材を発泡樹脂成形体に埋設する場合、長手方向での発泡樹脂成形体の熱収縮量が特に大きいため、第1掛け止め具と第2掛け止め具とを近づける方向に発泡樹脂成形体が熱収縮し易く、第1掛け止め具と第2掛け止め具とに挟まれた骨組み部の区間は座屈するような変形がし易い。しかし本発明の方法のこの態様によれば、骨組み部の長手部分のうち第1掛け止め具と第2掛け止め具との間を第1部分と第2部分とに分割して構成することで、長手方向における、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差を、第1部分の前記他端の側と第2部分の前記他端の側との間で吸収することができる。
上記の、車両用シート部材の長手方向に沿った骨組み部の長手部分に第1掛け止め具と第2掛け止め具が固定されている構造のフレーム材を用いる、本発明の方法のより好ましい態様では、更に、
前記フレーム材として、
前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている台座部と、前記台座部と連結し、前記発泡樹脂成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて前記発泡樹脂成形体から外方に突出した掛け止め部とを含む
フレーム材を用い、
前記成形工程における成形時又は前記成形工程の後に、前記第1掛け止め具の前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置、及び、前記第2掛け止め具の前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置に、それぞれ、空間、又は、長手方向に沿う切り込みを形成することを含むことが好ましい。
この好ましい態様では、前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具のそれぞれにおいて前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置に、空間、又は、長手方向に沿う切り込みを形成することにより、成形後に発泡樹脂成形体が長手方向に熱収縮した場合でも、発泡樹脂成形体とフレーム材との収縮量の差が、前記空間又は切れ込みにより吸収されるため、発泡樹脂成形体及びフレーム材の変形を効果的に抑制することができる。
本発明の方法のこの好ましい態様の、更に好ましい態様では、
前記フレーム材として、
前記骨組み部のうち、前記第1部分の前記一端の側に第1板状部材が固定されており、前記第2部分の前記一端の側に第2板状部材が固定されており、
前記第1板状部材に前記第1掛け止め具の前記台座部が固定されており、前記第2板状部材に前記第2掛け止め具の前記台座部が固定されている
フレーム材を用い、
前記成形工程における成形時又は前記成形工程の後に、前記第1板状部材と前記第1掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記第1掛け止め具の前記台座部の前記長手方向の外側の部分、及び、前記第2板状部材と前記第2掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記第2掛け止め具の前記台座部の前記長手方向の外側の部分に、それぞれ、前記長手方向と交差する方向へ、空間又は切り込みを形成することを含む。
本発明の上記の更に好ましい態様では、前記第1板状部材と前記第1掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記台座部の前記長手方向の外側の部分、並びに、前記第2板状部材と前記第2掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記台座部の前記長手方向の外側の部分に、前記長手方向と交差する方向へ、空間又は切り込みを形成することにより、成形後に発泡樹脂成形体が長手方向に熱収縮した場合でも、発泡樹脂成形体の台座部の外側から内側に向けての収縮が吸収されるため、発泡樹脂成形体及びフレーム材の変形を更に効果的に抑制することができる。
本発明の方法のより好ましい態様では、
前記配置工程において、前記フレーム材を、車両用シート部材の輪郭に沿って周回させる。
本発明のこの態様によれば、フレーム材が車両用シート部材の輪郭に沿って周回するので、車両用シート部材の強度を高めることができる。ここで、フレーム材を車両用シート部材の輪郭に沿って周回させると、発泡樹脂成形体にフレーム材が拘束されるため、発泡樹脂成形体の熱収縮により変形し易い。そこで、本発明のこの態様では、線状の骨組み部のうち、第1掛け止め具と第2掛け止め具との間の区間の少なくとも1つを、前記第1部分と前記第2部分とに分割して構成することで、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差を、第1部分の前記他端の側と第2部分の前記他端の側との間で吸収し、発泡樹脂成形体及びフレーム材の変形を抑えることができる。
本明細書では、本発明として、車両用シート部材をさらに開示する。
本発明に係る車両用シート部材は、
フレーム材と、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体と、を備え、
前記フレーム材は、前記車両用シート部材の平面視において、前記車両用シート部材の輪郭に沿って配置されており、
前記フレーム材は、
前記輪郭に沿って配置される線状の骨組み部、並びに、前記骨組み部が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具及び第2掛け止め具を有し、
前記骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つが、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離しており、
前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている部分と、前記発泡樹脂成形体から外方に突出している部分とを含むことを特徴とする。
車両用シート部材に入熱された時(または入熱された熱が放熱する時)、車両用シート部材の素材となる、発泡樹脂成形体の発泡樹脂と、発泡樹脂成形体に埋設されたフレーム材の材料とは、熱膨張係数が異なるため、この熱膨張係数の相違が、発泡樹脂成形体(枠状部)とフレーム材との伸び量または縮み量の差として現れやすい。特に、車両への固定に用いられる複数の掛け止め具が線状の骨組み部に固定されている部分を含むフレーム材が発泡樹脂成形体に埋設されている車両用シート部材では、フレーム材のうち一対の前記掛け止め具とそれに挟まれた前記骨組み部の部分の構造が複雑であるために、それを埋設する周囲の発泡樹脂成形体は、熱収縮又は熱膨張が均一に起こらない。このため、前記フレーム材のうち一対の前記掛け止め具とそれに挟まれた前記骨組み部の部分及び/又はその周囲での前記発泡樹脂成形体の変形が特に顕著である。
そこで、本発明では、フレーム材における線状の骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つを、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離する。前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とは連結されていない。この結果、熱収縮又は熱膨張が起因となるフレーム材及び/又は発泡樹脂成形体の変形を抑えることができ、車両用シート部材の全体の形状を、所定の形状に保持することができる。
本発明の車両用シート部材のより好ましい態様では、
前記延在方向において、前記第1部分の前記他端が、前記第2部分の前記他端よりも、前記第1掛け止め具に近い位置にある。
この態様では、前記骨組み部のうち前記第1部分の前記他端と、前記第2部分の前記他端とが、前記延在方向に離間しているため、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差を、第1部分の前記他端と第2部分の前記他端との間の離間部分で吸収することができる。
本発明の車両用シート部材のより好ましい態様では、
前記延在方向において、前記第1部分の前記他端が、前記第2部分の前記他端よりも、前記第2掛け止め具に近い位置にあり、
前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とが、前記延在方向に対して垂直な方向に並ぶように配置されている。
この態様では、前記骨組み部のうち、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とが、前記延在方向に垂直な方向で並んで配置されていることにより、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具の間には、前記延在方向に途切れずに、前記第1部分と前記第2部分とが配置されるため、このフレーム材を発泡樹脂成形体に埋設した車両用シート部材では、発泡樹脂成形体の、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具の間の部分に、機械的な強度が付与される。しかも、前記骨組み部は、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とに挟まれた区間の少なくとも1つが、前記第1部分と前記第2部分とに分離されている。このため、この態様では、製造される車両用シート部材の強度を保持しつつ、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量又は伸び量の差を、前記第1部分の前記他端の側と前記第2部分の前記他端の側の間で吸収することが可能である。
本発明の車両用シート部材のより好ましい態様では、
前記第1部分が、前記第1部分の前記他端の側に、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第1空間を内側に形成するように湾曲した第1湾曲部を備え、
前記第2部分が、前記第2部分の前記他端の側に、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第2空間を内側に形成するように湾曲した第2湾曲部を備え、
前記第1湾曲部が、前記第2湾曲部が形成する前記第2空間を通り、且つ、前記第2湾曲部が、前記第1湾曲部が形成する前記第1空間を通るように、前記第1部分と前記第2部分とが配置されている。
この態様では、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具の間には、前記延在方向に途切れずに、前記第1部分と前記第2部分とが配置されるため、このフレーム材を発泡樹脂成形体に埋設した車両用シート部材では、発泡樹脂成形体の、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具の間の部分に、機械的な強度が付与される。しかも、前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1湾曲部が、前記第2湾曲部が形成する前記第2空間を通り、且つ、前記第2湾曲部が、前記第1湾曲部が形成する前記第1空間を通るように組み合わされて配置されているが、連結はされておらず、前記骨組み部は、依然として、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とに挟まれた区間の少なくとも1つが、前記第1部分と前記第2部分とに分離されている。このため、この態様では、製造される車両用シート部材の強度を保持しつつ、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量又は伸び量の差を、前記第1部分の前記第1湾曲部と前記第2部分の前記第2湾曲部との間で吸収することが可能である。
本発明の車両用シート部材のより好ましい態様では、
発泡樹脂成形体内に、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とを、一体に、空隙を介して被覆する被覆部材が埋設されている。
本発明のこの態様では、前記被覆部材を用いることにより、前記第1部分の前記他端の側、及び、前記第2部分の前記他端の側の周囲に発泡樹脂成形体が成形されることを回避することができる。これによって、前記第1部分の前記他端の側の、前記第2部分の前記他端の側に対する動きが発泡樹脂成形体により阻害されることを回避することができる。また、前記被覆部材は、前記第1部分の前記他端の側、及び、前記第2部分の前記他端の側を空隙を介して被覆するため、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側との相対的な動きを阻止しない。
本発明の車両用シート部材のより好ましい態様では、
前記平面視における前記車両用シート部材の輪郭は、短手方向と長手方向を有した形状であり、
前記骨組み部の少なくとも一部分が、前記長手方向に沿うように配置されており、
前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、前記骨組み部のうち前記長手方向に沿う部分である長手部分の、前記長手方向の異なる位置に固定されており、
前記長手部分が、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に、前記第1部分と前記第2部分とを含む。
ここで、車両用シート部材の長手方向に沿った骨組み部の長手部分に第1掛け止め具と第2掛け止め具が固定されている構造のフレーム材が発泡樹脂成形体に埋設されている場合、長手方向での発泡樹脂成形体の熱収縮量が特に大きいため、第1掛け止め具と第2掛け止め具とを近づける方向に発泡樹脂成形体が熱収縮し易く、第1掛け止め具と第2掛け止め具とに挟まれた骨組み部の区間は座屈するような変形がし易い。しかし、本発明のこの態様によれば、骨組み部の長手部分のうち第1掛け止め具と第2掛け止め具との間が第1部分と第2部分とに分割して構成されていることにより、長手方向における、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量又は伸び量の差を、第1部分の前記他端の側と第2部分の前記他端の側との間で吸収することができる。このため本態様の車両用シート部材は全体としての寸法安定性が高い。
上記の、車両用シート部材の長手方向に沿った骨組み部の長手部分に第1掛け止め具と第2掛け止め具が固定されている構造のフレーム材を備える、本発明の車両用シート部材のより好ましい態様では、更に、
前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている台座部と、前記台座部と連結し、前記発泡樹脂成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて前記発泡樹脂成形体から外方に突出した掛け止め部とを含み、
前記第1掛け止め具の前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置、及び、前記第2掛け止め具の前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置に、それぞれ、空間、又は、長手方向に沿う切り込みが形成されている。
本発明の車両用シートのこの好ましい態様では、前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具のそれぞれにおいて前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置に、空間、又は、長手方向に沿う切り込みを形成することにより、発泡樹脂成形体が長手方向に熱収縮した場合でも、発泡樹脂成形体とフレーム材との収縮量の差が、前記空間又は切れ込みにより吸収されるため、発泡樹脂成形体及びフレーム材の変形を効果的に抑制することができる。
本発明の車両用シート部材のこの好ましい態様の、更に好ましい態様では、
前記骨組み部のうち、前記第1部分の前記一端の側に第1板状部材が固定されており、前記第2部分の前記一端の側に第2板状部材が固定されており、
前記第1板状部材に前記第1掛け止め具の前記台座部が固定されており、前記第2板状部材に前記第2掛け止め具の前記台座部が固定されており、
前記第1板状部材と前記第1掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記第1掛け止め具の前記台座部の前記長手方向の外側の部分、及び、前記第2板状部材と前記第2掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記第2掛け止め具の前記台座部の前記長手方向の外側の部分に、それぞれ、前記長手方向と交差する方向へ、空間又は切り込みが形成されている。
本発明の車両用シート部材の上記の更に好ましい態様では、前記第1板状部材と前記第1掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記台座部の前記長手方向の外側の部分、並びに、前記第2板状部材と前記第2掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記台座部の前記長手方向の外側の部分に、前記長手方向と交差する方向へ、空間又は切り込みを形成することにより、発泡樹脂成形体が長手方向に熱収縮した場合でも、発泡樹脂成形体部の、台座部の外側から内側に向けての収縮が吸収されるため、発泡樹脂成形体及びフレーム材の変形を更に効果的に抑制することができる。
本発明の車両用シート部材のより好ましい態様では、
前記フレーム材が、車両用シート部材の輪郭に沿って周回している。
本発明のこの態様によれば、フレーム材が車両用シート部材の輪郭に沿って周回するので、車両用シート部材の強度を高めることができる。ここで、フレーム材を車両用シート部材の輪郭に沿って周回させると、発泡樹脂成形体にフレーム材が拘束されるため、発泡樹脂成形体の熱収縮により変形し易い。そこで、本発明のこの態様では、線状の骨組み部のうち、第1掛け止め具と第2掛け止め具との間の区間の少なくとも1つを、前記第1部分と、前記第2部分とにより構成することで、発泡樹脂成形体とフレーム材との縮み量の差を、第1部分の前記他端の側と第2部分の前記他端の側との間で吸収し、発泡樹脂成形体及びフレーム材の変形を抑えることができる。
本発明に係る車両用シート部材の製造方法によれば、寸法精度の高い車両用シート部材を得ることができる。また、本発明に係る車両用シート部材によれば、車両用シート部材に入熱された時または入熱された熱が放熱する時であっても、これらに起因した変形を抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用シート部材を下方側から視た模式的斜視図である。 図1に示す車両用シート部材のフレーム材の配置状態を示した模式的斜視図である。 図1に示す車両用シート部材の左側面図である。 図1に示す車両用シート部材を底面から見た図である。 図4に示すI−I線矢視断面に対応した位置における模式的断面図である。(a)は、成形型内に予備発泡樹脂粒子を充填した状態の断面図であり、(b)は、(a)に示す状態から、予備発泡樹脂粒子を発泡させて、発泡樹脂成形体を成形した状態の断面図であり、(c)は、(b)に示す状態から、発泡樹脂成形体を成形型から脱型した状態を示した図である。 比較例となる車両用シート部材の製造方法を説明するための図であり、(a)は、予備発泡樹脂粒子を発泡させて、発泡樹脂成形体を成形した状態の断面図であり、(b)は、(a)に示す状態から、発泡樹脂成形体を成形型から脱型した状態を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用シート部材のフレーム材の配置状態を示した模式的斜視図である。 図5(c)に相当する、第2実施形態に係る第1部材の他端側及び第2部材の他端側の近傍を説明するための模式的概念図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用シート部材のフレーム材の配置状態を示した模式的斜視図である。 図5(c)に相当する、第3実施形態に係る第1部材の他端側及び第2部材の他端側の近傍を説明するための模式的概念図である。 本発明の第4実施形態に係る車両用シート部材のフレーム材の配置状態を示した模式的斜視図である。 図5(c)に相当する、第4実施形態に係る第1部材の他端側、第2部材の他端側及び被覆部材の近傍を説明するための模式的概念図である。 本発明の第5実施形態に係る車両用シート部材のフレーム材の配置状態を示した模式的斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る車両用シート部材における、掛け止め具及び板状部材を埋設する発泡樹脂成形体の部分の構造を示した模式的斜視図である。
以下、本発明による車両用シート部材および車両用シートのいくつかの実施形態を、図面を参照しながら説明する。しかし、本発明の範囲は個別の実施形態には限定されない。
<第1実施形態>
1−1.車両用シート部材10について
図1〜5に基づいて車両用シート部材及びその製造方法の第1実施形態を説明する。
図1および図2に示すように、車両用シート部材10は、基本構成として、フレーム材20と、フレーム材20の少なくとも一部を埋設する発泡樹脂成形体30と、を備えている。
車両用シート部材10の全体形状に特に制限はないが、図4に示すように、平面視で矩形である形状が一般的である。本明細書において矩形とは長方形、正方形等の四角形を指し、長方形及び正方形に限らず、台形や、平行四辺形の形状であってもよい。本明細書において矩形は概略矩形である場合も含み、例えば、隅部が丸みを帯びていてもよいし、矩形を構成する辺の一部又は全部が曲がった辺であってもよい。
本実施形態では、図4に示すように、車両用シート部材10の平面視における輪郭Sは、短辺および長辺を有した矩形であり、短手方向と長手方向とを有した形状である。輪郭Sは、4つの辺として、短辺を構成する右方縁部sRおよび左方縁部sLと、長辺を構成する前方縁部sFおよび後方縁部sBと、4隅を構成する隅部sCと、を含んでいる。なお、本実施形態でいう、前後左右とは、車両内に搭乗者が着座した状態で、車両から車両の進行(前方)方向を見たときの方向のことをいう。
本実施形態の車両用シート部材10は、例えば、図3に示すように、車両用シート部材10の上面11、すなわち発泡樹脂成形体30の上面31の側から適宜クッション材等の上部シート部材50を積層配置して、車両用シート1とすることができる。また、適当な外装材により、車両用シート部材10をクッション材等とともに被覆して車両用シート1としてもよい。
1−2.フレーム材20について
図1および図2に示すように、フレーム材20は、発泡樹脂成形体30に所要の保形性と強度を付与するために埋め込まれるものである。フレーム材20は、発泡樹脂成形体30を成形する条件下において発泡樹脂成形体30と比較して寸法が実質的に変化しない材料、例えば鋼またはアルミニウム等の金属材料、により構成することが通常である。
フレーム材20は、平面視における車両用シート部材10の輪郭Sに沿って、発泡樹脂成形体30の内部に延在した線状の骨組み部22と、骨組み部22が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具24Aと、第2掛け止め具24Bと、第3掛け止め具24Cと、第1掛け止め具24Aと骨組み部22とを接続する第1板状部材23Aと、第2掛け止め具24Bと骨組み部22とを接続する第2板状部材23Bとを備える。
骨組み部22は、第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとで挟まれた区間として、輪郭Sの前方縁部sFに沿って延在する骨組み部第1区間22−1と、輪郭Sの、右方縁部sR、後方縁部sB及び左方縁部sLに沿って延在する骨組み部第2区間22−2とを含む。
骨組み部22のうち骨組み部第1区間22−1は、一端201aの側に第1掛け止め具24Aが固定され、他端201bが、第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとの間に位置するように延在する第1部分201と、一端202aの側に第2掛け止め具24Bが固定され、他端202bが第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとの間に位置するように第2部分202とに分離されている。骨組み部22のうち骨組み部第1区間22−1の第2部分201の他端201bの側と、第2部分202の他端202bの側とは連結されていない。骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202とは、ともに、第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとを繋ぐ方向に延在しており、本発明ではこの方向を「延在方向」と呼ぶことがある。
本実施形態では、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201の他端201bが、第2部分202の他端202bよりも、第1掛け止め具24Aに近い位置にある。すなわち、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201の他端201bと、第2部分202の他端202bとの間には間隙203が形成されており、延在方向において、第1部分201は間隙203よりも第1掛け止め具24Aの側にあり、第2部分202は間隙203よりも第2掛け止め具24Bの側にある。
骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201及び第2部分202は、前方縁部sFの中央の一部に沿ってその近傍に配置されており、前方縁部sFを形成する発泡樹脂成形体30の外周面33の部分から少し内側に入った個所に埋設されている。
骨組み部22の骨組み部第1区間22−1は、車両用シート部材10の輪郭Sの長手方向に沿う部分であり、本発明では骨組み部22の「長手部分」と呼ぶことがある。
骨組み部22のうち骨組み部第2区間22−2は、輪郭Sの、右方縁部sR、後方縁部sB及び左方縁部sLに沿って、その近傍に配置されており、右方縁部sR、後方縁部sB及び左方縁部sLを形成する発泡樹脂成形体30の外周面33の部分から少し内側に入った個所に埋設されている。
骨組み部22のうち骨組み部第2区間22−2は、一端22−2aの側に第1掛け止め具24Aが固定され、他端22−2bの側に第2掛け止め具24Bが固定されている。骨組み部第2区間22−2は、枠状部35の内側の空間を挟んで対向する対向部分22−2c,22−2c同士が、接続部分22−2dを介して接続された構造である。
本実施形態では、第1掛け止め部24Aと第2掛け止め部24Bとは、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1においては連結されていないが、他の区間(骨組み部第2区間22−2)を介して連結されていることで、フレーム材20は全体として一体に成形されている。一体に成形されたフレーム材20は成形型へ配置する際の操作が容易となるため好ましい。
骨組み部22と、第1掛け止め具24Aとは、第1板状部材23Aを介して接続されている。具体的には、骨組み部22のうち骨組み部第1区間22−1の第1部分201の一端201aの側と、骨組み部第2区間22−2の一端22−2aの側に、第1板状部材23Aが固定されている。そして、第1掛け止め具24Aが、第1板状部材23Aに固定されている。
骨組み部22と、第2掛け止め具24Bとは、第2板状部材23Bを介して接続されている。具体的には、骨組み部22のうち骨組み部第1区間22−1の第2部分202の一端202aの側と、骨組み部第2区間22−2の他端22−2bの側に、第2板状部材23Bが固定されている。そして、第2掛け止め具24Bが、第2板状部材23Bに固定されている。
このようにして、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1及び骨組み部第2区間22−2、並びに、およびこれらを連結する第1板状部材23A及び第2板状部材23Bにより、フレーム材20は、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202との間を除いて、車両用シート部材10の輪郭Sに沿ってその全体を周回している。なお、本実施形態では、フレーム材20は、車両用シート部材10の輪郭Sに沿って全体を周回しているが、例えば、フレーム材20が、車両用シート部材10の輪郭Sに沿って断続的に周回していてもよい。すなわち、この形態には限らず、輪郭Sに沿う一部の部分のみに骨組み部が配置されていてもよい。例えば、後述する第5実施形態のように、骨組み部22が、前方縁部sFのみに沿って配置されてもよい。
第1掛け止め具24A、第2掛け止め具24B及び第3掛け止め具24Cは、車両用シート部材10を車両に係止する部分である。第1掛け止め具24A及び第2掛け止め具24Bは、車両用シート部材10の前方縁部sFの両端の近傍に配置され、車両用シート部材10の下方において、その一部が発泡樹脂成形体30の外に突出している。第1掛け止め具24Aは、発泡樹脂成形体30内に埋設され第1板状部材23Aに固定される台座部241Aと、台座部241Aと連結し、発泡樹脂成形体30の外方に向かって延びる柱部242Aと、柱部242Aから延設されて発泡樹脂成形体30の外方に突出した掛け止め部243Aとを含む。同様に、第2掛け止め具24Bは、発泡樹脂成形体30内に埋設され第2板状部材23Bに固定される台座部241Bと、台座部241Bと連結し、発泡樹脂成形体30の外方に向かって延びる柱部242Bと、柱部242Bから延設されて発泡樹脂成形体30の外方に突出した掛け止め部243Bとを含む。掛け止め部243A,243Bは、略U字状の湾曲しており、発泡樹脂成形体30から露出している。
さらに、第3掛け止め具24Cは、第2骨組み部22の骨組み部第2区間22−2のうち、後方縁部sBに沿った接続部分22−2dの中央に直接固定され、後方に突出している。第3掛け止め具24Cの台座部241Cは発泡樹脂成形体30に埋設され、接続部分22−2dに固定されている。先端の掛け止め部242Cは、略U字状の湾曲しており、発泡樹脂成形体30から露出し、車両への係合に用いられる。
本実施形態では、第1掛け止め具24Aの掛け止め部243A、第2掛け止め具24Bの掛け止め部243B、及び、第3掛け止め具24Cの掛け止め部242Cは、それぞれ線材を略U字状に曲げて形成しているが、この構造には限定されず、車両側の構造に応じて係止が可能な構造とすればよい。
本実施形態では、第1掛け止め具24A及び第2掛け止め具24Bは、それぞれ第1板状部材23A及び第2板状部材23Bを介して、骨組み部22に固定されているが、この形態には限定されず、第3掛け止め具24Cのように、板状部材を介さず直接に骨組み部22に固定されていてもよい。また、掛け止め具の数は3には限定されない。
本実施形態では、骨組み部22の上記の各部分、並びに、第1掛け止め具24A、第2掛け止め具24B及び第3掛け止め具24Cは、例えば直径が3〜6mm程度の鋼またはアルミニウム製の線材(ワイヤー)等により構成することができる。また、骨組み部22の上記の各部分、並びに、第1掛け止め具24A、第2掛け止め具24B及び第3掛け止め具24Cは、例えば金属製の帯状または管状の鋼材であってもよい。さらに、フレーム材20の全体を、鋼板から打ち抜き成形およびプレス成形により、製造してもよい。なお、本発明において、骨組み部が、「線状」とは、ワイヤーなどの線材に限定されるものではなく、例えば、上述した帯状、管状等であってもよく、概ね1つの線上に沿って延在しているものであれば、特に限定されるものではない。
1−3.発泡樹脂成形体30について
図1および図2に示すように、発泡樹脂成形体30は、発泡樹脂の型内発泡樹脂成形体である。発泡樹脂としては、特に限定されないが、通常は、発泡された熱可塑性樹脂が用いられ、例えば、発泡ポリスチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを含む発泡複合樹脂、発泡ポリオレフィン系樹脂等が好適に用いられる。発泡倍率は、発泡樹脂の種類に応じて適宜調整することができるが、一般的には10〜50倍程度、典型的には20〜40倍程度である。
発泡樹脂成形体30には、車両の搭乗者が座る側となる上面31と、車両に締結される側となる底面32が形成されている。発泡樹脂成形体30は、フレーム材20を埋設するとともに、車両用シート部材10の平面視において、車両用シート部材10の輪郭Sを形成する枠状部35を備えている。枠状部35は、車両用シート部材10を取り付けた状態で、座席の前方に位置する前方部分35aと、前方部分35aと一体的に形成され、後方に向かって傾斜した後方部分35bと、から構成されている。車両用シート部材10が車両に組み込まれたとき、発泡樹脂成形体30の前方部分35aは搭乗者の上腿部を支持し、後方部分35bは搭乗者の臀部を支持する。
具体的には、図3に示すように、発泡樹脂成形体30の上面31は、図示する実施形態では、前方部分35aの後方端の近傍が最深部となるように下方に窪んだ曲面であることで、上部シート部材50を介し、搭乗者の上腿部及び臀部を保持するよう形成されている。ただし、発泡樹脂成形体30の形状および厚みは、車両用シート部材10が取り付けられる車両本体側の形状によって種々変化し得るものであり、図示する実施形態には限定されない。例えば発泡樹脂成形体30の上面31は概ね平坦な形状であってもよい。
発泡樹脂成形体30は、枠状部35の内側において枠状部35をわたすように枠状部35からその内側に延在する延在部36を備えている。より具体的には、延在部36は、長手方向に延在する第1延在部分36Aと、短手方向に延在する2つの第2延在部分36Bとを有している。本実施形態では、第1延在部分36Aは、骨組み部22の骨組み部第2区間22−2の対向部分22−2c,22−2cの間に亘って延在するように形成されている。第1延在部分36Aと第2延在部分36Bとは、連結部36Cにより連結されている。このように、相互に交差する第1延在部分36Aと第2延在部分36Bとを、枠状部35の内側に設けることにより、車両用シート部材10の補強を行うことができる。
また、枠状部35の内側に空間に延在部36を形成することにより、発泡樹脂成形体30の前方部分35a及び後方部分35bにはそれぞれ肉抜き部38a、38bが形成される。肉抜き部38a、38bは発泡樹脂成形体30を軽量化することや、車両用シートを構成する他の部材(例えば、発泡樹脂成形体30よりも弾性変形しやすいクッション材、コンソールボックスの部材等)を収容することを目的として設けられる。
ただし、本発明において発泡樹脂成形体は、肉抜き部が形成され枠状部と延在部とを備える図示する形態には限定されない。例えば、肉抜き部が形成されていない発泡樹脂成形体であってもよい。
上述した車両用シート部材10に入熱された時(または入熱された熱が放熱する時)、車両用シート部材10の素材となる、発泡樹脂成形体30の発泡樹脂と、発泡樹脂成形体30に埋設されたフレーム材20の材料とは、熱膨張係数が異なるため、この熱膨張係数の相違が、発泡樹脂成形体30(の枠状部35)とフレーム材20との伸び量または縮み量の差として現れやすい。
特に、第1掛け止め具24Aと、第2掛け止め具24Bと、これらの間に挟まれた骨組み部22の骨組み部第1区間22−1は、複数の方向に延在する部分を含むため、フレーム材20のこれらの部分が埋設された発泡樹脂成形体30では、熱収縮又は熱膨張が均一に起こらない。このため、第1掛け止め具24Aと、第2掛け止め具24Bと、これらの間に挟まれた骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の近傍では、フレーム材20及び/又は発泡樹脂成形体30が特に変形し易い。特に、長手方向に延在する、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の近傍では、このような現象が顕著である。
そこで、本発明では、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1を、第1部分201と、第2部分202とに分離する。この構成により、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1において、第1部分201と第2部分202とが相対的に移動することができる。特に、本実施形態のように、第1掛け止め部24Aと第2掛け止め部24Bとが、骨組み部22の他の区間(骨組み部第2区間22−2)を介して連結されている場合には、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202とは弾性変形することができる。このため、発泡樹脂成形体30とフレーム材20とで縮み量に差が生じる条件下では、発泡樹脂成形体30とフレーム材20との縮み量の差を、第1部分201の他端201bの側と第2部分202の他端202bの側との間で吸収することができる。このような結果、フレーム材20が埋設された枠状部35の変形を抑えることができる。
特に、フレーム材20が配置されておらず、発泡樹脂のみからなる延在部36(特に、第1延在部分36A)は、その中央から湾曲するように変形し易い。しかしながら、このような場合であっても、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1を、第1部分201と、第2部分202とに分離することで、車両用シート部材10の全体の形状を、所定の形状に保持することができる。
また、本実施形態では、第1骨組み部21の延在方向(長手方向)骨組み部22の長手方向に延びる骨組み部第1区間22−1を、第1部分201と、第2部分202とに分離しているため、フレーム材20と発泡樹脂成形体30との間の長手方向での縮み量の大きな差を吸収することができる。
2.車両用シート部材10の製造方法について
以下に図5及び図6を参照しながら車両用シート部材10の製造方法について説明する。なお、本実施形態の車両用シート部材10の製造する際には、フレーム材20を準備する。次に、樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂粒子を予備発泡させた予備発泡樹脂粒子30Aを充填した後、成形型7内に蒸気を供給することにより予備発泡樹脂粒子30Aを発泡させ、発泡樹脂成形体30を成形する。その後、フレーム材20と共に発泡樹脂成形体30を成形型7から脱型し、放冷等で冷却する。
ところで、発泡樹脂成形体30は、通常、成形後、発泡成形時の残熱が放熱する際に、わずかに収縮する性質を有する。一方、金属等の材料により構成されたフレーム材20は、発泡樹脂成形体30の成形の前後で、発泡樹脂成形体30に比べてほとんど収縮しない。実したがって、図6(a)に示すように、発泡樹脂成形体30を、第1型71および第2型72からなる成形型7で成形し、成形直後から成形型7から発泡樹脂成形体30を脱型して発泡樹脂成形体30が放熱するまでの間、発泡樹脂成形体30は熱収縮する。
この結果、図6(b)に示すように、骨組み部22のうち第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとに挟まれた骨組み部第1区間22−1が埋設された枠状部35が変形することがある。また、図示しないが、フレーム材20が存在しない延在部36の両側は、フレーム材20が存在する枠状部35で拘束されているため、延在部36には熱応力として圧縮応力および引張応力が不均一に作用し、延在部36は中央から上側に湾曲するように変形し易い。そして、成形直後の発泡樹脂成形体30の変形状態は、放熱後にも保持されてしまう。
このような点を鑑みて、本実施形態では、以下のようにして、車両用シート部材10を製造する。まず、上述した構造のフレーム材20を準備する。具体的には、輪郭Sに沿って配置される線状の骨組み部22、並びに、骨組み部22の延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具24A及び第2掛け止め具24Bを有し、骨組み部22のうち、第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとで挟まれた区間の1つである第1区間22−1が、第1部位201と第2部位202とに分離されたフレーム材20を準備する。
次に、車両用シート部材10の平面視において、車両用シート部材10の輪郭Sに沿ってフレーム材20が配置されるように、フレーム材20を成形型7内に配置する(配置工程)。この配置工程では、骨組み部第1区間22−1は、車両用シート部材10の輪郭Sの長手方向に沿って配置される。
図5(a)に示すように、成形型7は、第1型71および第2型72からなり、第1型71および第2型72を型締めした際に、成形型7内に、発泡樹脂成形体30に応じたキャビティ73が形成される。
次に、図5(a)に示すように、フレーム材20が内部に配置された第1型71および第2型72を仮型締め(クラッキング)した後に、樹脂と発泡剤とを含む発泡性樹脂粒子を予備発泡させた予備発泡樹脂粒子30Aを充填し、型締めする。
次に、図5(b)に示すように、蒸気等で成形型7のキャビティ73内を加熱して予備発泡樹脂粒子30Aを二次発泡させ、予備発泡樹脂粒子30A間の空隙を埋めるとともに、予備発泡樹脂粒子30Aを相互に融着させることにより一体化し、発泡樹脂成形体30を成形する(成形工程)。
このようにして、成形型7内において、枠状部35と、延在部36とを含む発泡樹脂成形体30を成形することができる。成形された枠状部35は、フレーム材20を埋設するとともに車両用シート部材10の輪郭Sを形成する。さらに、成形された延在部36は、枠状部35の内側において枠状部35をわたすように枠状部35から内側に延在する。
次に、図5(c)に示すように、発泡樹脂成形体30を成形型7から脱型し、成形時の熱により発熱した発泡樹脂成形体30を冷却する(冷却工程)。ここで、例えば、これまでは、図6(b)に示すように、発泡樹脂成形体30の枠状部35及びそこに埋設されたフレーム材20の骨組み部第1区間22−1は、熱収縮により上側に湾曲するように変形し、同様に延在部36も変形することがあった。
しかしながら、本実施形態では、図5(c)に示すように、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1を、第1部分201と、第2部分202とに分離することで、発泡樹脂成形体30とフレーム材20との縮み量の差を、第1部分201の他端201bの側と第2部分202の他端202bの側との間で吸収することができる。このような結果、発泡樹脂成形体30の成形時の熱を放熱する際、熱収縮が起因となったフレーム材20、枠状部35、および延在部36の変形を抑えることができ、車両用シート部材10の全体の形状を、所定の形状に保持することができる。このような結果、寸法精度の高い車両用シート部材10を製造することができる。
特に、フレーム材20を、車両用シート部材10の輪郭Sに沿って連続して周回させている場合、このような変形は生じ易いが、本実施形態では、このような場合であっても、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1を第1部分201と第2部分202とに分離することで、変形を抑えることができる。
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態に係る車両用シート部材10及びその製造方法を、図7及び8を参照しながら説明する。第2実施形態に係る車両用シート部材10が、第1実施形態のものと相違する点は、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202の構造である。したがって、第1実施形態と同じ構成は、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図7及び8に示すように、フレーム材20の骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の延在方向において、第1部分201の他端201bが、第2部分202の他端202bよりも第2掛け止め具24Bに近い位置にあり、且つ、第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとが、前記延在方向に対して垂直な方向に並ぶように配置されている。
この構成によれば、第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bの間には、前記延在方向に途切れずに、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202とが配置されるため、このフレーム材20を発泡樹脂成形体30に埋設した車両用シート部材10では、発泡樹脂成形体30の、第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとの間の部分に十分な機械的強度が付与される。
また、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202とは、第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとが並んで配置されているものの互いに連結されていないため、第1部分201と第2部分202とは相対的に移動することが可能である。
このため、第2実施形態によれば、製造される車両用シート部材10の強度を保持しつつ、発泡樹脂成形体30とフレーム材20との縮み量の差を、第1部分201の他端201bの側201cと第2部分202の他端202bの側202cとの間で吸収することが可能である。
なお、第2実施形態において、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の、第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとは、図示するように互いに接している必要はなく、離間していてもよい。また、離間している場合は、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の、第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとの間に、発泡樹脂成形体30の一部が存在してもよい。
<第3実施形態>
以下に、本発明の第3実施形態に係る車両用シート部材10及びその製造方法を、図9及び10を参照しながら説明する。第3実施形態に係る車両用シート部材10が、第1実施形態のものと相違する点は、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202の構造である。したがって、第1実施形態と同じ構成は、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図9及び10に示すように、フレーム材20の骨組み部22の骨組み部第1区間22−1において、
第1部分201が、第1部分201の他端201bの側201cに、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第1空間211を内側に形成するように湾曲した第1湾曲部201dを備え、
第2部分202が、第2部分202の他端202bの側202cに、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第2空間212を内側に形成するように湾曲した第2湾曲部202dを備え、
第1湾曲部201dが、第2湾曲部202dが形成する第2空間212を通り、且つ、第2湾曲部202dが、第1湾曲部201dが形成する第1空間211を通るように、第1部分201と第2部分202とが配置されている。
ここで、第1湾曲部201dが形成する第1空間211は、第2湾曲部202dを非接触状態で通すことができる寸法に形成されており、第2湾曲部202dが形成する第2空間212は、第1湾曲部201dを非接触状態で通すことができる寸法に形成されている。
この構成によれば、第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bの間には、前記延在方向に途切れずに、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202とが配置されるため、このフレーム材20を発泡樹脂成形体30に埋設した車両用シート部材10では、発泡樹脂成形体30の、第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとの間の部分に十分な機械的強度が付与される。
また、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201と第2部分202とは、第1湾曲部201dが、第2湾曲部202dが形成する第2空間212を通り、且つ、第2湾曲部202dが、第1湾曲部201dが形成する第1空間211を通るように組み合わされて配置されているが、互いに連結はされていないため、第1部分201と第2部分202とは相対的に移動することが可能である。
このため、第3実施形態によれば、製造される車両用シート部材10の強度を保持しつつ、発泡樹脂成形体30とフレーム材20との縮み量の差を、第1部分201の第1湾曲部201dと第2部分202の第2湾曲部202dとの間で吸収することが可能である。
なお、第3実施形態において、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の、第1部分201の第1湾曲部201dの内周面と、第2部分202の第2湾曲部202dの内周面とは、図示するように互いに接している必要はなく、離間していてもよい。また、離間している場合は、それらの間に、発泡樹脂成形体30の一部が存在してもよい。
<第4実施形態>
以下に、本発明の第4実施形態に係る車両用シート部材10及びその製造方法を、図11及び12を参照しながら説明する。第4実施形態に係る車両用シート部材10が、第1実施形態のものと相違する点は、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとを、一体に被覆する被覆部材40を用いる点である。したがって、第1実施形態と同じ構成は、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図11及び12に示すように、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとが、一体に、空隙Pを介して被覆部材40により被覆される。被覆部材40は、具体的には、円筒状の部材であり、空隙Pを介して、骨組み部22の骨組み部第1区間22−1の第1部分201の他端201bの側201c、及び、第2部分202の他端202bの側202cを、一体に、内部に収容している。この実施形態によれば、第1部分201の他端201bの側201c、及び、第2部分202の他端202bの側202cの周囲に発泡樹脂成形体30が成形されない。これによって、第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとの、相対的な動きが発泡樹脂成形体30により阻害されることを回避できる。また、被覆部材40は第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとを、空隙Pを介して被覆するため、それらの相対的な動きを妨げない。
更に、第4実施形態の車両用シート部材10を製造する際には、配置工程において、フレーム材20とともに、第1部分201の他端201bの側201cと、第2部分202の他端202bの側202cとを内部に一体に被覆するように被覆部材40を、上述した成形型7内に配置する。被覆部材40によって、充填時の予備発泡樹脂粒子30A及び成形される発泡樹脂成形体30の一部が、第1部分201の他端201bの側201c、及び、第2部分202の他端202bの側202cの周囲の部分に入り込むことを防ぐことができる。ここで、上記の空隙Pを、予備発泡樹脂粒子30Aが入り込まない寸法の空隙とすることで、充填時の予備発泡樹脂粒子30A及び成形される発泡樹脂成形体30の一部が前記部分に入り込むことを阻止することができる。
<第5実施形態>
以下に、本発明の第5実施形態に係る車両用シート部材10及びその製造方法を、図13及び14を参照しながら説明する。第5実施形態に係る車両用シート部材10が、第1実施形態のものと相違する点は、フレーム材20の構造と、第1掛け止め具24Aの柱部242Aと、第2掛け止め具24Bの柱部242Bの周囲の発泡樹脂成形体30の部分に後述する空間を形成する点である。したがって、第1実施形態と同じ構成は、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態において、フレーム材20は、骨組み部22として、前方縁部sFに沿ってその近傍に配置され、両端にそれぞれ第1掛け止め具24Aと第2掛け止め具24Bとが固定された、骨組み部第1区間22−1のみを備え、第1実施形態における骨組み部第2区間22−2を備えない。本実施形態は、骨組み部22が、輪郭Sに沿う一部の部分のみに配置された例である。骨組み部第1区間22−1の第1部分201及び第2部分202、第1掛け止め具24A、第2掛け止め具24B、第1板状部材23A、並びに、第2板状部材23Bの構造と機能は実施形態1と同様である。
本実施形態の車両用シート部材10では、更に、第1掛け止め具24Aの柱部242Aが埋設されている発泡樹脂成形体30の部分の長手方向外方位置、及び、第2掛け止め具24Bの柱部242Bが埋設されている発泡樹脂成形体30の部分の長手方向外方位置に、それぞれ、空間50が形成される。
空間50は、図示するように、第1掛け止め具24Aの柱部242A、及び、第2掛け止め具24Bの柱部242Bが、それぞれ2本存在する場合には、それぞれの長手方向外方位置に形成されていることが好ましい。図14には、空間50及び後述する空間60が形成された、車両用シート部材10の第1掛け止め具24Aの近傍の構造を模式的に示す。第1掛け止め具24Aの柱部242Aのうち長手方向内方に位置する柱部242A−1が埋設されている発泡樹脂成形体30の部分の長手方向外方位置に空間51が形成されており、長手方向外方に位置する柱部242A−2が埋設されている発泡樹脂成形体30の部分の長手方向外方位置に空間52が形成されており、空間51と空間52とは連続して空間50を形成している。図示しないが、発泡樹脂成形体30の、第2掛け止め具24Bの柱部242Bの長手方向外方位置にも同様に空間51及び52が連続した50が形成されている。
空間50は次の作用を奏する。発泡樹脂成形体30は、その成形時又は成形後、或いは、成形後の発泡樹脂成形体30を備える車両用シート部材10に入熱された時または入熱された熱が放熱する時に、図14に矢印で示すように、長手方向に収縮する傾向がある。発泡樹脂成形体30が長手方向に収縮すると、第1掛け止め具24A及び第2掛け止め具24Bに対して、発泡樹脂成形体30が、図14の矢印で示す長手方向内方に移動する。第1掛け止め具24A及び第2掛け止め具24Bの柱部242A,242Bを埋設する発泡樹脂成形体30の長手方向外方位置に空間50を形成すると、発泡樹脂成形体30が長手方向内方に移動しても、空間50が逃げ道となって、柱部242A,242Bと突き当たることがなくなる。この結果、発泡樹脂成形体30の柱部242A,242Bの周辺の部分が他の部分と同様に均一に収縮することができ、発泡樹脂成形体30及びフレーム材20の変形を効果的に抑制することができる。
空間50に代えて、発泡樹脂成形体30の上記位置に、長手方向に沿う切り込みが形成されてもよい。
空間50又は前記切り込みが形成された本実施形態の車両用シート部材10は、第1実施形態で説明した成形工程において、発泡樹脂成形体30を成形する成形時または成形後に、発泡樹脂成形体30の前記位置に空間50又は前記切り込みを形成することにより製造することができる。成形時に形成する場合には、成形型として、空間50又は前記切り込みに対応するキャビィ形状を有する成形型を用いればよい。成形後に形成する場合は、成形後の発泡樹脂成形体30の前記位置に刃物や熱線により空間50又は前記切り込みを形成すればよい。
本実施形態の車両用シート部材10では、更に、第1板状部材23Aと第1掛け止め具24Aの台座部241Aとが埋設されている発泡樹脂成形体30の部分のうち、第1掛け止め具24Aの台座部241Aの長手方向の外側の部分、及び、第2板状部材23Bと第2掛け止め具24Bの台座部241Bとが埋設されている発泡樹脂成形体30の部分のうち、第2掛け止め具24Bの台座部241Bの長手方向の外側の部分に、それぞれ、長手方向と交差する方向へ、空間60が形成されている。図14には、空間60及び上記の空間50が形成された、車両用シート部材10の第1掛け止め具24Aの近傍の構造を模式的に示す。図示しないが、第2掛け止め具24Bの近傍も同様の構造の空間60が形成されている。
空間60は次の作用を奏する。空間50に関して上記の通り、発泡樹脂成形体30が長手方向に収縮すると、第1掛け止め具24Aに対して、発泡樹脂成形体30が、図14の矢印で示す長手方向内方に移動する。発泡樹脂成形体30の、第1掛け止め具24Aの台座部241Aの長手方向の外側の部分に、長手方向に交差する方向の空間60を形成すると、発泡樹脂成形体30が長手方向内方に移動しても、空間60よりも長手方向外方の発泡樹脂成形体30の収縮は空間60により吸収されるため、空間60よりも長手方向内方にある第1掛け止め具24Aに対する影響は小さくなり、発泡樹脂成形体30及びフレーム材20の変形を効果的に抑制することができる。第2掛け止め具24Bの近傍に形成される空間60も同様の作用を奏する。
図示するように空間60は空間50と連続するように発泡樹脂成形体30に形成することができる。
空間60に代えて、発泡樹脂成形体30の上記位置に、長手方向と交差する方向に延びる切り込みが形成されてもよい。
空間60又は前記切り込みが形成された本実施形態の車両用シート部材10は、第1実施形態で説明した成形工程において、発泡樹脂成形体30を成形する成形時または成形後に、発泡樹脂成形体30の前記位置に空間60又は前記切り込みを形成することにより製造することができる。成形時に形成する場合には、成形型として、空間60又は前記切り込みに対応するキャビィ形状を有する成形型を用いればよい。成形後に形成する場合は、成形後の発泡樹脂成形体30の前記位置に刃物や熱線により空間60又は前記切り込みを形成すればよい。
以上、本発明のいくつか実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1:車両用シート、7:成形型、10:車両用シート部材、20:フレーム材、22:骨組み部、22−1:骨組み部第1区間、201:第1部分、202:第2部分、201a:第1部分の一端、202a:第2部分の一端、201b:第1部分の他端、202b:第2部分の他端、201c:第1部分の他端の側、202c:第2部分の他端の側、201d;第1湾曲部、202d:第2湾曲部、211:第1空間、212:第2空間、23A:第1板状部材、23B:第2板状部材、24A:第1掛け止め具、24B:第2掛け止め具、241A,241B:台座部、242A,242B:柱部、243A,243B:掛け止め部、30:発泡樹脂成形体、35:枠状部、36:延在部、40:被覆部材、P:空隙

Claims (14)

  1. フレーム材と、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体と、を備えた車両用シート部材の製造方法であって、
    前記車両用シート部材の平面視において、前記車両用シート部材の輪郭に沿って前記フレーム材が配置されるように、前記フレーム材を成形型内に配置する配置工程と、
    成形型内において、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体を成形する成形工程と、を含み、
    前記フレーム材として、
    前記輪郭に沿って配置される線状の骨組み部、並びに、前記骨組み部が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具及び第2掛け止め具を有し、
    前記骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つが、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離しており、
    前記延在方向において、前記第1部分の前記他端が、前記第2部分の前記他端よりも、前記第2掛け止め具に近い位置にあり、
    前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とが、前記延在方向に対して垂直な方向に並ぶように配置されており、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている部分と、前記発泡樹脂成形体から外方に突出している部分とを含む
    フレーム材を用いることを特徴とする車両用シート部材の製造方法。
  2. フレーム材と、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体と、を備えた車両用シート部材の製造方法であって、
    前記車両用シート部材の平面視において、前記車両用シート部材の輪郭に沿って前記フレーム材が配置されるように、前記フレーム材を成形型内に配置する配置工程と、
    成形型内において、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体を成形する成形工程と、を含み、
    前記フレーム材として、
    前記輪郭に沿って配置される線状の骨組み部、並びに、前記骨組み部が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具及び第2掛け止め具を有し、
    前記骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つが、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離しており、
    前記第1部分が、前記第1部分の前記他端の側に、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第1空間を内側に形成するように湾曲した第1湾曲部を備え、
    前記第2部分が、前記第2部分の前記他端の側に、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第2空間を内側に形成するように湾曲した第2湾曲部を備え、
    前記第1湾曲部が、前記第2湾曲部が形成する前記第2空間を通り、且つ、前記第2湾曲部が、前記第1湾曲部が形成する前記第1空間を通るように、前記第1部分と前記第2部分とが配置されており、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている部分と、前記発泡樹脂成形体から外方に突出している部分とを含む
    フレーム材を用いることを特徴とする車両用シート部材の製造方法。
  3. フレーム材と、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体と、を備えた車両用シート部材の製造方法であって、
    前記車両用シート部材の平面視において、前記車両用シート部材の輪郭に沿って前記フレーム材が配置されるように、前記フレーム材を成形型内に配置する配置工程と、
    成形型内において、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体を成形する成形工程と、を含み、
    前記フレーム材として、
    前記輪郭に沿って配置される線状の骨組み部、並びに、前記骨組み部が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具及び第2掛け止め具を有し、
    前記骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つが、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離しており、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている部分と、前記発泡樹脂成形体から外方に突出している部分とを含む
    フレーム材を用いること、
    並びに、
    前記配置工程において、前記フレーム材とともに、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とを、一体に、空隙を介して被覆する被覆部材を前記成形型内に配置すること、
    を特徴とする車両用シート部材の製造方法。
  4. 前記平面視における前記車両用シート部材の輪郭は、短手方向と長手方向を有した形状であり、
    前記配置工程において、前記骨組み部の少なくとも一部分が、前記長手方向に沿うように、前記フレーム材を前記成形型内に配置し、
    前記フレーム材として、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、前記骨組み部のうち前記長手方向に沿う部分である長手部分の、前記長手方向の異なる位置に固定されており、
    前記長手部分が、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に、前記第1部分と前記第2部分とを含む
    フレーム材を用いる、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用シート部材の製造方法。
  5. 前記フレーム材として、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている台座部と、前記台座部と連結し、前記発泡樹脂成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて前記発泡樹脂成形体から外方に突出した掛け止め部とを含む
    フレーム材を用い、
    前記成形工程における成形時又は前記成形工程の後に、前記第1掛け止め具の前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置、及び、前記第2掛け止め具の前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置に、それぞれ、空間、又は、長手方向に沿う切り込みを形成することを含む、
    請求項に記載の車両用シート部材の製造方法。
  6. 前記フレーム材として、
    前記骨組み部のうち、前記第1部分の前記一端の側に第1板状部材が固定されており、前記第2部分の前記一端の側に第2板状部材が固定されており、
    前記第1板状部材に前記第1掛け止め具の前記台座部が固定されており、前記第2板状部材に前記第2掛け止め具の前記台座部が固定されている
    フレーム材を用い、
    前記成形工程における成形時又は前記成形工程の後に、前記第1板状部材と前記第1掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記第1掛け止め具の前記台座部の前記長手方向の外側の部分、及び、前記第2板状部材と前記第2掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記第2掛け止め具の前記台座部の前記長手方向の外側の部分に、それぞれ、前記長手方向と交差する方向へ、空間又は切り込みを形成することを含む、
    請求項に記載の車両用シート部材の製造方法。
  7. 前記配置工程において、前記フレーム材を、車両用シート部材の輪郭に沿って周回させる、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用シート部材の製造方法。
  8. フレーム材と、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体と、を備えた車両用シート部材であって、
    前記フレーム材は、前記車両用シート部材の平面視において、前記車両用シート部材の輪郭に沿って配置されており、
    前記フレーム材は、
    前記輪郭に沿って配置される線状の骨組み部、並びに、前記骨組み部が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具及び第2掛け止め具を有し、
    前記骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つが、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離しており、
    前記延在方向において、前記第1部分の前記他端が、前記第2部分の前記他端よりも、前記第2掛け止め具に近い位置にあり、
    前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とが、前記延在方向に対して垂直な方向に並ぶように配置されており、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている部分と、前記発泡樹脂成形体から外方に突出している部分とを含むことを特徴とする車両用シート部材。
  9. フレーム材と、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体と、を備えた車両用シート部材であって、
    前記フレーム材は、前記車両用シート部材の平面視において、前記車両用シート部材の輪郭に沿って配置されており、
    前記フレーム材は、
    前記輪郭に沿って配置される線状の骨組み部、並びに、前記骨組み部が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具及び第2掛け止め具を有し、
    前記骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つが、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離しており、
    前記第1部分が、前記第1部分の前記他端の側に、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第1空間を内側に形成するように湾曲した第1湾曲部を備え、
    前記第2部分が、前記第2部分の前記他端の側に、前記延在方向に垂直な方向に貫通する第2空間を内側に形成するように湾曲した第2湾曲部を備え、
    前記第1湾曲部が、前記第2湾曲部が形成する前記第2空間を通り、且つ、前記第2湾曲部が、前記第1湾曲部が形成する前記第1空間を通るように、前記第1部分と前記第2部分とが配置されており、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている部分と、前記発泡樹脂成形体から外方に突出している部分とを含むことを特徴とする車両用シート部材。
  10. フレーム材と、前記フレーム材を埋設する発泡樹脂成形体と、を備えた車両用シート部材であって、
    前記フレーム材は、前記車両用シート部材の平面視において、前記車両用シート部材の輪郭に沿って配置されており、
    前記フレーム材は、
    前記輪郭に沿って配置される線状の骨組み部、並びに、前記骨組み部が延在する延在方向の異なる位置に固定された第1掛け止め具及び第2掛け止め具を有し、
    前記骨組み部のうち、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具とで挟まれた区間の少なくとも1つが、一端の側に前記第1掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第1部分と、一端の側に前記第2掛け止め具が固定され、他端が前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に位置するように延在する第2部分とに分離しており、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている部分と、前記発泡樹脂成形体から外方に突出している部分とを含み、
    発泡樹脂成形体内に、前記第1部分の前記他端の側と、前記第2部分の前記他端の側とを、一体に、空隙を介して被覆する被覆部材が埋設されていることを特徴とする車両用シート部材。
  11. 前記平面視における前記車両用シート部材の輪郭は、短手方向と長手方向を有した形状であり、
    前記骨組み部の少なくとも一部分が、前記長手方向に沿うように配置されており、
    前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、前記骨組み部のうち前記長手方向に沿う部分である長手部分の、前記長手方向の異なる位置に固定されており、
    前記長手部分が、前記第1掛け止め具と前記第2掛け止め具との間に、前記第1部分と前記第2部分とを含む、請求項10のいずれか1項に記載の車両用シート部材。
  12. 前記第1掛け止め具及び前記第2掛け止め具が、それぞれ、前記発泡樹脂成形体内に埋設されている台座部と、前記台座部と連結し、前記発泡樹脂成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて前記発泡樹脂成形体から外方に突出した掛け止め部とを含み、
    前記第1掛け止め具の前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置、及び、前記第2掛け止め具の前記柱部が埋設されている発泡樹脂成形体部分の長手方向外方位置に、それぞれ、空間、又は、長手方向に沿う切り込みが形成されている、請求項11に記載の車両用シート部材。
  13. 前記骨組み部のうち、前記第1部分の前記一端の側に第1板状部材が固定されており、前記第2部分の前記一端の側に第2板状部材が固定されており、
    前記第1板状部材に前記第1掛け止め具の前記台座部が固定されており、前記第2板状部材に前記第2掛け止め具の前記台座部が固定されており、
    前記第1板状部材と前記第1掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記第1掛け止め具の前記台座部の前記長手方向の外側の部分、及び、前記第2板状部材と前記第2掛け止め具の前記台座部とが埋設されている発泡樹脂成形体部分のうち、前記第2掛け止め具の前記台座部の前記長手方向の外側の部分に、それぞれ、前記長手方向と交差する方向へ、空間又は切り込みが形成されている、請求項12に記載の車両用シート部材。
  14. 前記フレーム材が、車両用シート部材の輪郭に沿って周回している、請求項13のいずれか1項に記載の車両用シート部材。
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