JP6745452B2 - オレフィンの酸化反応生成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オレフィンの酸化反応生成物の製造方法に関する。
オレフィンの1,2-ジオールへの酸化は、ファインケミカル又はスペシャリティケミカルにおいて、樹脂、医薬品、医薬品、染料、殺虫剤や香料組成物等の種々の化学物質の前駆体を製造するための重要な工業プロセスである。オレフィンを酸化して対応するエポキシドおよびアルコールに変換するためのいくつかの方法が、これまでに、無機金属オキソ錯体及び重原子の金属酸化物を使用して報告されている。高原子価のOsVIIIO4は、オレフィンを1,2-ジオールに変換するための酸化の、効果的かつ選択的な試薬である(非特許文献1〜8)。しかし、オスミウム化合物の毒性及び昇華性とその廃棄物は深刻な問題の原因となる。
一方、ラジカルは、反応性に富むことから、広く利用されている重要な化学種である。例えば、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)は、非毒性かつ安価な酸化試薬であり、ラジカル二酸化塩素(ClO2 )の前駆体として使用されてきた(非特許文献9〜12)。
M. Schroeder, Chem. Rev., 1980, 80, 187-213. (a) E. N. Jacobsen, I. Marko, W. S. Mungall, G. Schroeder and K. B.Sharpless, J. Am. Chem. Soc., 1988, 110, 1968-1970; (b) S. G.Hentges and K. B. Sharpless, J. Am. Chem. Soc., 1980, 102, 4263-4265. W. Yu, Y. Mei, Y. Kang, Z. Hua and Z. Jin, Org. Lett., 2004, 6,3217-3219. (a) A. J. DelMonte, J. Haller, K. N. Houk, K. B. Sharpless, D. A.Singleton, T. Strassner, and A. A. Thomas, J. Am. Chem. Soc., 1997,119, 9907-9908. (b) J. S. M. Wai, I. Marko, J. S. Svendsen, M. G.Finn, E. N. Jacobsen and K. B. Sharpless, J. Am. Chem. Soc., 1989,111, 1123-1125. (a) S. Kobayashi, M. Endo and S. Nagayama, J. Am. Chem. Soc.,1999, 121, 11229-11230; (b) S. Kobayashi, T. Ishida and R. Akiyama,Org. Lett., 2001, 3, 2649-2652. H. C. Kolb, P. G. Andersson and K. B. Sharpless, J. Am. Chem. Soc.,1994, 116, 1278-1291. E. J. Corey and M. C. Noe, J. Am. Chem. Soc., 1996, 118, 11038-11053. S. Y. Jonsson, K. Faernegrdh and J.-E. Baeckvall, J. Am. Chem. Soc.,2001,123, 1365-1371. H. Dodgen and H. Taube, J. Am. Chem. Soc., 1949, 71, 2501-2504. J. K. Leigh, J. Rajput, and D. E. Richardson, Inorg. Chem., 2014, 53,6715-6727. C. L. Latshaw, Tappi, 1994, 163−166. (a) J. J. Leddy, in Riegel’s Handbook of Industrial Chemistry, 8th edn. Ed., J. A. Kent, Van Nostrand Reinhold Co. Inc, New York, 1983, pp. 212-235; (b) I. Fabian, Coord. Chem. Rev., 2001, 216-217, 449-472.
しかしながら、一般に、ラジカルを発生させるためには、大きいエネルギーが必要である。このため、高温にするための加熱等が必要であり、コストや反応制御上の問題がある。そこで、本発明は、温和な条件下で反応を行うことができるオレフィンの酸化反応生成物の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法は、ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ラジカル発生源と、を作用させてラジカルを発生させるラジカル発生工程と、前記ラジカルを酸化剤としてオレフィンを酸化する酸化反応工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法は、温和な条件下で反応を行うことができるため、低コストで、反応の制御が容易である。
図1は、298Kの水溶液中でSc(OTf)3(10mM)と混合した後、0、4および16時間で採取されたNaClO2(5.0mM)の紫外線+可視吸収スペクトルである。 図2(a)は、298Kの水溶液(0.20M酢酸緩衝液pH2.9)中のSc(OTf)3(10mM)とNaClO2(5.0mM)の反応によるSc3+(ClO2 )の形成の、358nmでのUV-Vis吸収の時間プロファイルである。(b)は、二次プロットである。 図3(a)は、298KのMeCN/H2O(1:1v/v)溶液中におけるスチレン(30〜90mM)存在下でのSc3+(ClO2 )の消費における、358nmでのUV-Vis吸収の時間プロファイルである。(b)は、擬一次速度定数対スチレン濃度のプロットである。 図4は、MeCN溶液の298Kで測定したEPRスペクトルである。(a)は、NaClO2(0.10mM)含有MeCN溶液の353Kにおける1時間還流後のスペクトルである。(b)は、NaClO2(0.10mM)およびCF3COOH(10mM)含有MeCN溶液のスペクトルである。(c)は、NaClO2(0.10mM)およびSc(OTf)3(10mM)含有MeCN溶液のスペクトルである。 図5は、CAM‐B3LYP/6‐311+G(d,p)レベルの理論計算による、DFT最適化構造の結合長(Å)である。(a)はClO2 、(b)はH+ClO2 、(c)はSc3+ClO2 である。 図6は、室温(25℃)で水性のMeCN溶液(MeCN/H2O 1:1v/v)中NaClO2(20mM)によるスチレン(2.0mM)の反応を1HNMRで追跡した結果を示すスペクトル図である。 図7は、スチレン(66mM)およびNaClO2(200mM)を含むCD3CN/D2O(4:1 v/v)の混合後60℃(333K)で0時間および25時間後の1HNMRスペクトルを示す。*印は、スチレンオキシド由来のピークである。 図8は、スチレン(2.0mM)、NaClO2(20mM)およびSc(OTf)3(30mM)を含むCD3CN/D2O(1:1 v/v)の混合後、25℃で0.6時間後および17時間後の1HNMRスペクトルを示す。*印および†印は、それぞれ、1-フェニルエタン-1,2-ジオール、および2-クロロ-1-フェニルエタノールに由来するピークである。 図9は、スチレン(2.0mM)、NaClO2(20mM)およびCF3COOD(30mM)を含むCD3CN/D2O(1:1 v/v)の混合後、0.5時間後および17時間後の1HNMRスペクトルを示す。*印および†印は、それぞれ、1-フェニルエタン-1,2-ジオール、および2-クロロ-1-フェニルエタノールに由来するピークである。 図10は、(a)H+ClO2 および(b)Sc3+ClO2 の、CAM-B3LYP/6-311+G(d,p)レベルの理論計算による、スピン分布を示す図である。 図11は、298Kの水溶液中でSc(OTf)3(40mM)と混合した後、採取されたNaClO2(20mM)の紫外線+可視吸収スペクトルである。 図12(a)は、NaClO2およびスカンジウムトリフレートを用いたトリフェニルフォスフィンの酸化反応を追跡した紫外可視吸収スペクトルである。図12(b)は、図12(a)の反応におけるPh3Pの初期濃度と生成したPh3P=Oの濃度との関係を示すグラフである。 図13は、スチレン(2.0mM)、NaClO2(6.0mM)およびSc(OTf)3(5.6mM)を含むCD3CN/D2O(1:1 v/v)の混合後、Ar雰囲気中、25℃で0時間後および45時間後の1HNMRスペクトルを示す。 図14(a)の紫外可視吸収スペクトルは、経時変化によりトリフェニルフォスフィンがトリフェニルフォスフィンオキシドに変換される様子を示す。図14(b)のグラフは、Sc(OTf)3(Sc3+)の存在下および非存在下でのトリフェニルフォスフィン(Ph3P)濃度の経時変化を表す。
以下、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
[1.ラジカル発生工程等]
本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法は、例えば、ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ラジカル発生源と、を混合する混合工程を含む。前記混合工程において、さらに、ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ラジカル発生源と、以外の任意の物質を混合しても良いし、混合しなくても良い。すなわち、前記混合工程により得られる混合物は、ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ラジカル発生源と、以外の任意の物質を、さらに含んでも良いし、含まなくても良い。例えば、前記混合工程において、さらに溶媒を混合することが、反応性等の観点から好ましい。なお、本発明において、「溶媒」は、ルイス酸、ブレーンステッド酸、ラジカル発生源等を溶解しても良いが、溶解しなくても良い。例えば、前記混合工程後において、前記ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ラジカル発生源とは、それぞれ、前記溶媒中に溶解した状態でも良いが、前記溶媒中に分散したり沈殿したりした状態でも良い。また、本発明において、「ルイス酸」は、例えば、前記ラジカル発生源に対してルイス酸として働く物質をいう。
本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法は、前述のとおり、前記ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、前記ラジカル発生源と、を作用させてラジカルを発生させるラジカル発生工程を含む。前記ラジカル発生工程は、例えば、前記混合工程後に、得られた混合物中での反応によりラジカルを発生させる(製造する)。前記混合物は、前述のとおり、例えば、溶液状態でも良いし、懸濁液状態、コロイド状態等でも良い。反応性の観点からは、前記混合物が、例えば、溶液状態またはコロイド状態であることが好ましい。前記ラジカル製造工程においては、例えば、前記混合物を、単に室温で静置しても良いし、必要に応じ、前記混合物に対し、加熱、光照射等をしても良い。前記ラジカル製造工程における反応温度および反応時間は、特に限定されず、例えば、反応物(原料)および目的生成物の種類等に応じて適宜設定することができる光照射する場合、照射光の波長は、特に限定されず、例えば、反応物(原料)の吸収帯等に応じて適宜設定することができる。なお、反応時間および反応温度については、例えば、前記混合物中における、ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ラジカル発生源と、の濃度によって調整することもできる。例えば、前記濃度を高くすることにより反応時間を短縮することができるが、本発明は、この説明により限定されない。
前記ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方の濃度は、特に限定されず、例えば、反応物(原料)および目的生成物の種類等に応じて適宜設定することができる。また、前記溶媒は、特に限定されないが、例えば、水でも有機溶媒でも良く、溶質の種類等に応じて適宜選択することができる。有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化溶媒、アセトン等のケトン、アセトニトリル等のニトリル溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒、酢酸溶媒、硫酸溶媒等が挙げられ、これら溶媒は単独で使用しても二種類以上併用しても良い。前記酢酸溶媒および硫酸溶媒は、例えば、酢酸または硫酸を水に溶かしたものでも良く、これらは、例えば、溶媒であると同時にルイス酸またはブレーンステッド酸として機能する。前記溶媒の種類は、例えば、溶質(例えば、前記ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方、前記ラジカル発生源等)の溶解性等に応じて使い分けても良い。
本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法においては、前述のとおり、加熱により反応させても良いが、加熱をせずに光照射するのみで、または、加熱も光照射もせず単に室温で静置するのみで反応させてラジカルを製造することもできる。なお、「室温」の定義は、特に限定されないが、例えば、5〜35℃である。加熱が不要であることにより、例えば、電気炉等による加熱のコストがかからず、ラジカルの製造コストを大幅に削減できる。また、加熱が不要であることにより、例えば、ラジカル連鎖による予期せぬ暴走反応、および、過酸化物の蓄積等が抑えられるので、反応の安全性が格段に向上し、さらにコストを下げることが出来る。ただし、これらの説明は例示であって、本発明をなんら限定しない。
本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法は、例えば、さらに、前記混合工程により得られた混合物に光照射する光照射工程を含んでいても良い。そして、前述のとおり、前記光照射により起こる反応でラジカルを製造しても良い。照射光の波長については、例えば、前述のとおりである。光源は特に限定されないが、例えば、太陽光等の自然光に含まれる可視光を利用すれば、簡便に励起可能である。また、例えば、前記自然光に代えて、またはこれに加え、キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、水銀ランプ等の光源を適宜用いても良いし、用いなくても良い。さらに、必要波長以外の波長をカットするフィルターを適宜用いても良いし、用いなくても良い。
本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法において、前記ルイス酸のルイス酸性度は、例えば、0.4eV以上である。前記ルイス酸性度の上限値は、特に限定されないが、例えば、20eV以下である。なお、前記ルイス酸性度は、例えば、Ohkubo, K.; Fukuzumi, S. Chem. Eur. J., 2000, 6, 4532、J. AM. CHEM. SOC. 2002, 124, 10270-10271、またはJ. Org. Chem. 2003, 68, 4720-4726に記載の方法により測定することができ、具体的には、下記の方法により測定することができる。
(ルイス酸性度の測定方法)
下記化学反応式(1a)中のコバルトテトラフェニルポルフィリン、飽和Oおよびルイス酸性度の測定対象物(例えば金属等のカチオンであり、下記化学反応式(1a)ではMn+で表される)を含むアセトニトリル(MeCN)を、室温において紫外可視吸収スペクトル変化の測定をする。得られた反応速度定数(kcat)からルイス酸性度の指標であるΔE値(eV)を算出することができる。kcatの値は大きいほど強いルイス酸性度を示す。
また、本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法において、前記ルイス酸は、例えば、金属イオンおよび非金属イオンの一方または両方を含んでいても良い。前記金属イオンは、典型金属イオンおよび遷移金属イオンの一方または両方を含んでいても良い。前記無機物質は、例えば、アルカリ土類金属イオン(例えばCa2+等)、希土類イオン、Mg2+、Sc3+、Li、Fe2+、Fe3+、Al3+、ケイ酸イオン、およびホウ酸イオンからなる群から選択される少なくとも一つであっても良い。アルカリ土類金属イオンとしては、例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、またはラジウムのイオンが挙げられ、より具体的には、例えば、Ca2+、Sr2+、Ba2+、およびRa2+が挙げられる。また、「希土類」は、スカンジウム21Sc、イットリウム39Yの2元素と、ランタン57Laからルテチウム71Luまでの15元素(ランタノイド)の計17元素の総称である。希土類イオンとしては、例えば、前記17元素のそれぞれに対する3価の陽イオンが挙げられる。
また、前記ルイス酸(カウンターイオンも含む)は、例えば、AlCl、AlMeCl、AlMeCl、BF、BPh、BMe、TiCl、SiF、およびSiClからなる群から選択される少なくとも一つであっても良い。ただし、「Ph」はフェニル基を表し、「Me」はメチル基を表す。
本発明のラジカルの製造方法において、前記ブレーンステッド酸の酸解離定数pKは、例えば5以上である。前記pKの上限値は、特に限定されないが、例えば、50以下である。
本発明のラジカルの製造方法において、前記ラジカル発生源は、例えば、ハロゲンイオン、次亜ハロゲン酸イオン、亜ハロゲン酸イオン、ハロゲン酸イオン、および過ハロゲン酸イオンからなる群から選択される少なくとも一つを含んでいても良い。前記ラジカル発生源は、例えば、亜塩素酸イオンを含むことが特に好ましい。前記ラジカル発生源は、例えば、オキソ酸またはその塩(例えば、ハロゲンオキソ酸またはその塩)を含んでいても良い。前記オキソ酸としては、例えば、ホウ酸、炭酸、オルト炭酸、カルボン酸、ケイ酸、亜硝酸、硝酸、亜リン酸、リン酸、ヒ素、亜硫酸、硫酸、スルホン酸、スルフィン酸、クロム酸、ニクロム酸、及び過マンガン酸などが挙げられる。ハロゲンオキソ酸は、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、及び過塩素酸などの塩素オキソ酸;次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、及び過臭素酸などの臭素オキソ酸;及び次亜ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、ヨウ素酸、及び過ヨウ素酸などのヨウ素オキソ酸が挙げられる。前記ラジカル発生源は、例えば、用途に応じて、ラジカル種の反応性の強さ等を考慮し、適宜選択しても良い。例えば、反応性が強い次亜塩素酸と、次亜塩素酸よりも反応性がやや穏やかで反応の制御がしやすい亜塩素酸とを、目的に応じて使い分けても良い。
また、本発明において、化合物(例えば、被酸化物であるオレフィン等)に互変異性体または立体異性体(例:幾何異性体、配座異性体および光学異性体)等の異性体が存在する場合は、特に断らない限り、いずれの異性体も本発明に用いることができる。また、化合物(例えば、前記オレフィン等)が塩を形成し得る場合は、特に断らない限り、前記塩も本発明に用いることができる。前記塩は、酸付加塩でも良いが、塩基付加塩でも良い。さらに、前記酸付加塩を形成する酸は無機酸でも有機酸でも良く、前記塩基付加塩を形成する塩基は無機塩基でも有機塩基でも良い。前記無機酸としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、次亜フッ素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、亜フッ素酸、亜塩素酸、亜臭素酸、亜ヨウ素酸、フッ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過フッ素酸、過塩素酸、過臭素酸、および過ヨウ素酸等があげられる。前記有機酸も特に限定されないが、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモベンゼンスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸および酢酸等があげられる。前記無機塩基としては、特に限定されないが、例えば、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩等があげられ、より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウム等があげられる。前記有機塩基も特に限定されないが、例えば、エタノールアミン、トリエチルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等があげられる。これらの塩の製造方法も特に限定されず、例えば、前記化合物に、前記のような酸や塩基を公知の方法により適宜付加させる等の方法で製造することができる。
また、本発明において、鎖状置換基(例えば、アルキル基、不飽和脂肪族炭化水素基等の炭化水素基)は、特に断らない限り、直鎖状でも分枝状でも良く、その炭素数は、特に限定されないが、例えば、1〜40、1〜32、1〜24、1〜18、1〜12、1〜6、または1〜2(不飽和炭化水素基の場合は2以上)であっても良い。また、本発明において、環状の基(例えば、アリール基、ヘテロアリール基等)の環員数(環を構成する原子の数)は、特に限定されないが、例えば、5〜32、5〜24、6〜18、6〜12、または6〜10であっても良い。また、置換基等に異性体が存在する場合は、特に断らない限り、どの異性体でも良く、例えば、単に「ナフチル基」という場合は、1−ナフチル基でも2−ナフチル基でも良い。
[2.酸化反応工程等]
本発明の酸化反応生成物の製造方法は、前述のとおり、前記ラジカルを酸化剤としてオレフィンを酸化する酸化反応工程を含む。
本発明の酸化反応生成物の製造方法を行う方法は、特に限定されないが、例えば、前記混合工程において、ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ラジカル発生源と、に加え、さらに前記オレフィンを混合しても良い。このとき、前述のとおり、さらに溶媒を混合することが好ましい。そして、前記ラジカル発生工程において、発生したラジカルと前記オレフィンとを反応させて前記酸化反応生成物を生成させても良い。すなわち、前記酸化反応工程は、前記ラジカル発生工程と平衡して、同一の反応系中で同時に行っても良い。この場合、前記オレフィンと、前記ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ラジカル発生源との濃度は、特に限定されないが、前記溶媒に対し、例えば、反応mol/Lは、特に限定されず、それぞれ適宜設定可能である。また、例えば、前記被酸化物(オレフィン)の濃度は、高い方が反応速度を早くするためになるべく高くすることが好ましく、前記酸化剤(ラジカル発生源)の濃度は、反応を進行しやすくするために高すぎないことが好ましい。ただし、この説明は例示であり、本発明をなんら限定しない。
本発明の酸化反応生成物の製造方法の前記酸化反応工程においては、前述のとおり、前記ラジカルを酸化剤としてオレフィンを酸化する。例えば、前記ラジカル発生源が、オキソ酸であり、前記オキソ酸から発生したラジカルが酸化剤であっても良い。一例として、前記ラジカル発生剤が、亜塩素酸イオンClO2 -であり、亜塩素酸イオンClO2 -から発生したラジカルClO2 を酸化剤として、前記被酸化物を酸化して前記酸化反応生成物を製造しても良い。
本発明の酸化反応生成物の製造方法において、被酸化物である前記オレフィンは、特に限定されず、例えば、芳香族オレフィンでも良いし、脂肪族オレフィンでも良い。前記オレフィンは、例えば、下記化学式(A1)で表されるオレフィンでも良い。また、前記オレフィンの酸化反応生成物は、特に限定されないが、例えば、下記スキームAのように、エポキシドおよびジオールの少なくとも一方を含んでいても良い。下記化学式(A1)、(A2)および(A3)中、Rは、それぞれ、水素原子または任意の置換基であり、各Rは、互いに同一でも異なっていても良い。前記任意の置換基は、例えば、アルキル基、不飽和脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、ヒドロキシ基(−OH)、メルカプト基(−SH)、またはアルキルチオ基(−SR、Rはアルキル基)であり、さらなる置換基で置換されていても良いし、置換されていなくても良い。前記アルキル基は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アルキル基であることがより好ましい。また、被酸化物である前記オレフィンは、オレフィン結合(炭素−炭素二重結合)を1つのみ含むオレフィンでも良いが、オレフィン結合を複数(2つ以上)含むオレフィンであっても良い。
前記オレフィンは、例えば、芳香族オレフィンであっても良い。すなわち、例えば前記化学式(A1)によいて、Rの少なくとも一つが、芳香環(アリール基またはヘテロアリール基)であっても良い。本発明において、前記芳香族オレフィンは特に制限されないが、前記芳香族オレフィンの芳香環に電子供与基が結合していると、例えば、前記原料芳香族化合物の酸化反応(酸化的置換反応を含む)が進行しやすいため好ましい。前記電子供与基は、1つでも複数でも良く、電子供与性の強いものが好ましい。より具体的には、前記原料芳香族化合物は、芳香環に、−OR100、−NR200 、およびAr100からなる群から選択される少なくとも一つの置換基が共有結合していることがより好ましい。前記R100は、水素原子または任意の置換基であり、R100が複数の場合は、各R100は同一でも異なっていてもよい。前記R200は、水素原子または任意の置換基であり、各R200は同一でも異なっていてもよい。前記Ar100は、アリール基であり、Ar100が複数の場合は、各Ar100は同一でも異なっていてもよい。
前記Ar100は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピリジン環、チオフェン環、ピレン環等の任意の芳香環から誘導される基であって良い。前記芳香環は環上にさらに1または複数の置換基を有していても良く、前記置換基は、複数の場合は同一でも異なっていても良い。前記Ar100は、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、前記R100は、水素原子、アルキル基、アリール基、およびアシル基からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。前記アルキル基は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分子アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。前記アシル基は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分子アシル基が好ましい。前記アリール基は、例えば、前記Ar100と同様であり、例えばフェニル基である。
また、前記R200は、水素原子、アルキル基、アリール基、およびアシル基からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。前記アルキル基は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分子アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。前記アシル基は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分子アシル基が好ましい。前記アリール基は、例えば、前記Ar100と同様であり、例えばフェニル基である。前記−NR200 としては、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等、電子供与製置換基で置換されたアミノ基が、特に電子供与性が高いため好ましい。
本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法において、前記オレフィンが、エチレン、プロピレン、スチレン、およびブタジエンからなる群から選択される少なくとも一つであっても良い。また、前記酸化反応生成物は、例えば、前述のように、エポキシドおよびジオールの少なくとも一方であっても良い。下記スキームA1〜A3に、その例を示す。ただし、下記スキームA1〜A3は例示であって、本発明において、エチレン、プロピレンおよびスチレンの酸化反応は、これに限定されない。
オレフィン(例えば、前記スキームAのオレフィン(A1))の酸化において、例えば、前記ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、前記ラジカル発生源と、前記酸化剤と、のうち少なくとも一つの濃度を調整することで、生成する酸化反応生成物を作り分けることが可能である。これらの濃度が、例えば、前記被酸化物に対し低濃度であると、エポキシドが得られやすく、高濃度であるとジオールが得られやすい傾向があるが、これには限定されない。また、例えば、前記濃度に代えて、前記ラジカル発生源から発生するラジカル種の反応性の強さによっても、生成する酸化反応生成物を作り分けることが可能である。例えば、反応性が弱いラジカル種ではエポキシドが得られやすく、反応性が強いラジカル種ではジオールが得られやすい傾向があるが、これには限定されない。なお、前記酸化反応生成物の用途は特に限定されないが、例えば、前記被酸化物(原料芳香族化合物)がスチレンの場合、スチレンオキシドは接着剤、ジオールは香料などとして利用できる。このように、前記エポキシドと前記ジオールとは、それぞれ異なった用途への需要があるため、反応条件のコントロールにより作り分けができれば、本発明を、さらに広い用途に適用可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例には限定されない。
[実施例1]
本実施例では、スカンジウムトリフラートと亜塩素酸ナトリウムにより、スチレンの効率的なジヒドロキシル化ができることを確認した。具体的には、常温常圧下で、スカンジウムトリフラートと亜塩素酸イオン(ClO2 -)によるスチレンのジヒドロキシル化により、1-フェニルエタン-1,2-ジオールを効率的に製造することができた。スカンジウムトリフレートは、強ルイス酸として作用し、亜塩素酸イオン(ClO2 -)から二酸化塩素ラジカル(ClO2 )を生成させるとともに、二酸化塩素ラジカル(ClO2 )の反応性を向上させることが確認された。
オレフィンの1,2-ジオールへの酸化は、ファインケミカル又はスペシャリティケミカルにおいて、樹脂、医薬品、医薬品、染料、殺虫剤や香料組成物等の種々の化学物質の前駆体を製造するための重要な工業プロセスである。オレフィンを酸化して対応するエポキシドおよびアルコールに変換するためのいくつかの方法が、これまでに、無機金属オキソ錯体及び重原子の金属酸化物を使用して報告されている。高原子価のOsVIIIO4は、オレフィンを1,2-ジオールに変換するための酸化の、効果的かつ選択的な試薬である(参考文献等1〜8[非特許文献1〜8と同一])。しかし、オスミウム化合物の毒性及び昇華性とその廃棄物は深刻な問題の原因となる。亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)は、非毒性かつ安価な酸化試薬であり、二酸化塩素ラジカル(ClO2 )の前駆体として使用されてきた(参考文献等9〜12[非特許文献9〜12と同一])。ClO2 は、反応性で、かつ安定なラジカルであることが知られている。しかし、ClO2 は、室温で黄色の爆発性ガスである。ClO2 は、実験的に、NaClO2のCl2による酸化、および、塩素酸カリウム(KClO3)とシュウ酸との反応により調製することができる(参考文献等13)。これらの方法は、また、Cl2の毒性およびClO3 -の爆発性等の深刻な問題を引き起こす。ClO2 の前駆体としてNaClO2を用いたオレフィンのエポキシ化が試みられている。しかしながら、ClO2 の酸化能力は、酸の非存在下でオレフィンをジオールに酸化するのに十分強力ではないので、1,2-ジオール生成物が得られなかった(参考文献等14〜17)。ClO2 のCl=O二重結合の活性化は、オレフィンを1ステップで選択的にジヒドロキシル化するためのキーである。
本実施例では、スカンジウムトリフレート[Sc(OTf)3]をルイス酸として(参考文献等18)ClO2 を活性化することによる、常温常圧下でのスチレンのジヒドロキシル化物の効率的な合成法について報告する。ジヒドロキシル化機構は、EPRおよびUV-Vis吸収分光法によるラジカル中間体の検出に基づいて明らかにした。
室温(25℃)で水性のMeCN溶液(MeCN/H2O 1:1v/v)中NaClO2(20mM)によるスチレン(2.0mM)の反応では、スチレンのジヒドロキシル化は起こらなかった(図6参照)。なお、図6は、MeCN/H2Oとして1HNMRスペクトル測定用溶媒CD3CN/D2O(1:1 v/v)を用いて上記の反応を行い、1HNMRで反応を追跡した結果であり、反応開始後0.3時間後および17時間後の1HNMRスペクトルを示す。温度が333Kに増加した場合には、ジヒドロキシル化生成物の形成が起こらず、エポキシ化が起こった(図7)(参考文献等14、19)。なお、図7は、スチレン(66mM)およびNaClO2(200mM)を含むCD3CN/D2O(4:1 v/v)の混合後60℃(333K)で0時間および25時間後の1HNMRスペクトルを示す。*印は、スチレンオキシド由来のピークである。対照的に、ブレンステッド酸としてのCF3COOH(30mM)を添加剤として添加した場合は、17時間混合後にエポキシドが全く形成されず、それに代えて1-フェニルエタン-1,2ジオール(1)及び2-クロロ-1-フェニルエタノール(2)が、それぞれ15%および69%の収率で生産された[反応式(1)]。それらは、1HNMRスペクトルで測定した(図8)(参考文献等20)。なお、図8は、スチレン(2.0mM)、NaClO2(20mM)およびSc(OTf)3(30mM)を含むCD3CN/D2O(1:1 v/v)の混合後、25℃で0.6時間後および17時間後の1HNMRスペクトルを示す。*印および†印は、それぞれ、1-フェニルエタン-1,2-ジオール、および2-クロロ-1-フェニルエタノールに由来するピークである。CF3COOHに代えて強力なルイス酸であるSc(OTf)3(30mM)を用いた場合、ジオール(1)の収率が51%と顕著に増加した[反応式(1)の表参照](図9)(参考文献等21)。なお、図9は、スチレン(2.0mM)、NaClO2(20mM)およびCF3COOD(30mM)を含むCD3CN/D2O(1:1 v/v)の混合後、0.5時間後および17時間後の1HNMRスペクトルを示す。*印および†印は、それぞれ、1-フェニルエタン-1,2-ジオール、および2-クロロ-1-フェニルエタノールに由来するピークである。
UV-Vis吸収分光法を、反応機構と反応性中間体の検出を明確にするために採用した。図1に示すとおり、NaClO2は、水溶液中において260nmに吸収帯を示した。その吸収帯は、Sc(OTf)3(10mM)を加えると消失し、それに伴い、新たな吸収帯が358nmにおいて増大し、この吸収帯はClO2 に基づくと同定(アサイン)された(参考文献等22、23)。CF3COOH存在下においても、同様の吸収スペクトルの変化が観測された(参考文献等24)。358nmでの吸収帯の出現の経時変化を図1に示す。図1は、298Kの水溶液中でSc(OTf)3(10mM)と混合した後、0、4および16時間で採取されたNaClO2(5.0mM)の紫外線+可視吸収スペクトルである。同図において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は吸光度である。また、図2(a)は、図1と同じ反応(298Kの水溶液(0.20M酢酸緩衝液pH2.9)中のSc(OTf)3(10mM)とNaClO2(5.0mM)の反応によるSc3+(ClO2 )の形成)の、358nmでのUV-Vis吸収の時間プロファイルである。同図において、横軸は、時間(秒)、縦軸は358nmでの吸光度である。図2(b)は、図2(a)の測定結果の二次プロットである。時間プロファイル(図2(a))は、二次プロット(図2(b))によく合致する。そのように、Sc(OTf)3を用いたClO2 の生成は、二分子のClO2 -が律速段階に関係する(下記参照)。二分子の速度定数は、直線の傾きから0.16M-1s-1であると決定された。
基質の非存在下、298KでのMeCN中では、Sc(OTf)3を用いてNaClO2から生成されたClO2 に基づく358nmの吸光度のいかなる減衰も観察されなかった。図3(a)は、298KのMeCN/H2O(1:1v/v)溶液中におけるスチレン(30〜90mM)存在下でのSc3+(ClO2 )の消費における、358nmでのUV-Vis吸収の時間プロファイルである。同図において、横軸は、時間(秒)、縦軸はClO2 濃度である。(b)は、擬一次速度定数対スチレン濃度のプロットである。過剰量のスチレンの存在下では、減衰率は擬一次に従った(図3(a))。ジヒドロキシル増加について観察された擬一次速度定数(kobs)は、スチレン濃度増加とともに直線的に増加した(図3(b))。ClO2 およびスチレンの消費の二分子速度定数は、1.9×10-2M-1s-1と決定した(参考文献等25)。ラジカル構造を明確にするためにEPR(electronic paramagnetic resonance電子常磁性共鳴)測定を実施した。純粋なClO2 を、NaClO2を含むMeCN溶液を353Kで1時間還流することによって作製した。298Kに冷却後にEPRスペクトルを測定したところ、特徴的な等方性の信号を、g=2.0151(±0.0002)において、Cl原子核の不対電子に由来する4本の超微細線とともに確認した(35Clおよび37ClにおいてI=3/2、それぞれ0.821および0.683の同様の磁気モーメントを有する(図4(a))(参考文献等26)。G値は、CF3COOH(g=2.0106)およびSc(OTf)3(g=2.0103)の添加によって顕著に変化した(図4(b)および4(c))。ClO2 の超微細結合定数は、(a(Cl)=16.26G)CF3COOH(15.78G)およびSc(OTf)3(15.56G)の存在下、低下した(参考文献等27)。これは、プロトン及びSc3+が、強くスチレンのジヒドロキシル化するための反応中間体として、H+ClO2 およびSc3+ClO2 を形成するために、ClO2 と結合することを示す(参考文献等28)。
図5に示すとおり、ClO2 、H+ClO2 およびSc3+ClO2 の密度汎関数理論(DFT)計算を行い、ジヒドロキシル化のための反応機構を予測した。構造最適化は、理論計算のDFT CAM-B3LYP/6-311+G(d,p)レベルで行った。図5は、CAM‐B3LYP/6‐311+G(d,p)レベルの理論計算による、DFT最適化構造の結合長(Å)である。(a)はClO2 、(b)はH+ClO2 、(c)はSc3+ClO2 である。ClO2 のCl-O二重結合の結合長は1.502Åと計算された(図5(a))。H+ClO2 では、Cl-O二重結合の結合長は1.643Åと計算された(図5(b))。図5(c)は、ClO2 と比較すると、Sc3+ClO2 もまた結合強度が顕著に弱まっている(Cl-O:1.818Å)ことを示す。Cl-O結合の切断は、基質の存在下で強力な酸化剤としてのClOを生成するために有利な可能性がある。なお、図10は、(a)H+ClO2 および(b)Sc3+ClO2 の、CAM-B3LYP/6-311+G(d,p)レベルの理論計算による、スピン分布を示す図である。
上記の結果に基づいて、ClO2 によるスチレンのジヒドロキシル化機構を、反応式(2)〜(5)およびスキーム1に示した。NaClO2の不均化反応は、H+またはSc3+の存在下で起こり、ClO-とClO3 -を形成する[反応式(2)](参考文献等29)。ClO-はClO2 -およびプロトンと容易に反応し、Cl2O2を生成する[反応式(3)]。つぎに、Cl2O2はClO2 -により還元され、反応種であるClO2 を生成する[反応式(4)]。全体的な化学量論は、反応式(5)で与えられる。ClO2 は、H+およびSc3+等の酸と結合することで活性化される。H+の場合は、DFT計算(上記参照)に基づけば、Cl-O結合の切断は発生しない。H+によるスチレンの酸化は、スチレン二重結合に対するClO2 の付加により進行する。これとは対照的に、Sc3+によるスチレンのジヒドロキシル化は、スキーム1に示すように、Sc3+ClO2 錯体のホモリティックSc3+Cl-O結合切断によって生成したClOおよびSc3+Oの、スチレン二重結合に対する付加により起こる。次に、スカンジウム錯体は、最終生成物のジオールとSc3+ClOを得るために加水分解される(スキーム1)。Sc3+ClOは、大過剰のClO2 -による酸化でSc3+ClO2 を形成させて再利用することができる。ClO-もまた、反応式(2)に示すように、ClO2 -により再生することができる。Sc3+ClO2 のCl-O結合の切断によって形成されるClOの、スチレンのβ炭素に対する付加は、二つの異性体を与えた。β炭素-ClOの結合形成が生成した場合、スキーム1に示すように、最終マイナー生成物として塩素化合物が得られた。
以上、示したとおり、本実施例によれば、ClO2 は、Sc3+の存在下でのルイス酸として、スチレンのための効果的なジヒドロキシル化試薬であることが確認された。本発明によれば、重金属などの有害廃棄物のないオレフィンのユニークなジヒドロキシル化経路を提供することができる。
[参考文献等]
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17 B. O. Lindgren, T. Nilsson, Acta Chem. Scand. B, 1974, 28, 847-852.
18 (a) S. Fukuzumi and K. Ohkubo, J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 10270-10271; (b) S. Fukuzumi and K. Ohkubo, Chem.-Eur. J., 2000, 6, 4532-4535.
19 スチレン(66mM)のNaClO2(200mM)によるエポキシ化をMeCN/H2O(4:1 v/v)混合溶液中333Kで調べた(参考文献等14)。スチレンオキシドの収率は44%であり、スチレンの転化率は61%であった。
20 E. V. Bakhmutova-Albert, D. W. Margerum, J. G. Auer and B. M. Applegate, Inorg. Chem., 2008, 47, 2205-2211.
21 1H NMRで確認したところ、CF3COOHまたはSc(OTf)3による反応中、中間体としてのスチレンエポキシドは観測されなかった。
22 C. Rav-Acha, E. Choushen (Goldstein) and S. Sarel, Helv. Chim. Acta, 1986, 69, 1728-1733.
23 ClO2 水溶液中、無水酢酸とNaClO2から生成された(参考文献等22)。ClO2 は、プロトン化形態(H+ClO2 )である可能性がある。
24 W. Masschelein, Ind. Eng. Chem. Prod. Res. Devel., 1967, 6, 137-142.
25 この数値は、ClO2 によるスチレンのエポキシドへの変換(1.17×10-2M-1s-1)(参考文献等10)よりも若干大きい。
26 (a) T. Ozawa and T. Kwan, Chem. Pharm. Bull., 1983, 31, 2864-2867; (b) T. Ozawa, T. Trends Org. Chem., 1991, 2, 51-58.
27 Sc3+ClO2 とH+ClO2 のスピン分布の計算値を図5に示した。それによれば、ScおよびH核はスピン密度を示さない。このことは、EPRスペクトルが、Sc(I=7/2)またはH(I=1/2)に由来する超微細分裂を示さないことを意味する。
28 Sc3+と金属オキソ錯体のオキソ基との結合については、下記を参照のこと:
(a) J. Chen, X. Wu, K. M. Davis, Y.-M. Lee, M. S. Seo, K.-B. Cho, H. Yoon, Y. J. Park, S. Fukuzumi, Y. N. Pushkar and W. Nam, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 6388-6391; (b) H. Yoon, Y.-M. Lee, X. Wu, K.-B. Cho, Y. N. Pushkar, W. Nam and S. Fukuzumi, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 9186-9194; (c) S. Fukuzumi, K. Ohkubo, Y.-M. Lee and W. Nam, Chem.-Eur. J., 2015, 21, 17548-17559.
29 Sc3+による中性ラジカルの不均化については、I. Nakanishi, T. Kawashima, K. Ohkubo, T. Waki, Y. Uto, T. Kamada, T. Ozawa, K. Matsumoto and S. Fukuzumi, S. Chem. Commun., 2014, 50, 814-816.を参照のこと。
[実施例2]
本実施例では、ルイス酸によるNaClO2の不均化反応の加速効果について確認した。
実施例1でも確認したとおり、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)は中性水溶液/アセトニトリル混合溶液中では、非常に安定であるために全く分解は観測されない。この20mM溶液に、Sc(OTf)3(40mM)を添加するとNaClO2の吸収帯の減衰に伴い、即座に358nmにClO2ラジカル(ClO2 )に特徴的な吸収帯の増大が観測された(図11)。同図において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は吸光度である。この吸収帯の増大は、実施例1(図1)で確認したとおり、Sc(OTf)3の濃度を小さくすると経時変化として観測することができた。スカンジウムイオンよりもルイス酸性度の低いマグネシウムイオンおよびリチウムイオンなどでも同様の検討を行い、それぞれ反応速度定数を決定した。ルイス酸はこれまでに種々の不均化反応を触媒することが知られており、本反応においても同様の機構により、実施例1の反応式(2)に従って、ClO2-がClO-とClO3 -に不均化されたものと考えられる。その後、生成したClO-は大過剰に存在するClO2-と酸存在下反応し、Cl2O2を与えると考えられる(実施例1の反応式(3))。その後、Cl2O2はさらにClO2 -と反応し活性ラジカル種であるClO2ラジカルを与えると考えられる(実施例1の反応式(4))。
[実施例3]
本実施例では、ルイス酸を用いたNaClO2による基質の酸素化反応を、トリフェニルフォスフィンからトリフェニルフォスフィンオキシドへの酸素化反応に用い、有用であることを確認した。より具体的には、NaClO2によるトリフェニルフォスフィンからトリフェニルフォスフィンオキシドへの酸素化反応を、ルイス酸であるスカンジウムトリフレートSc(OTf)3の存在下および非存在下で行い、ルイス酸が反応を促進することを確認した。
まず、下記条件により、Sc(OTf)3の存在下または非存在下、常温常圧(光照射なし)で反応を行い、紫外可視吸収スペクトルにより反応を追跡した。図14(a)の紫外可視吸収スペクトルは、経時変化によりトリフェニルフォスフィンがトリフェニルフォスフィンオキシドに変換される様子を示す。同図において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は吸光度である。また、図14(b)のグラフは、Sc(OTf)3(Sc3+)の存在下および非存在下でのトリフェニルフォスフィン(Ph3P)濃度の経時変化を表す。横軸は時間(秒)であり、縦軸はトリフェニルフォスフィン(Ph3P)濃度(mM)である。図示のとおり、この曲線から算出された反応速度定数kは、Sc3+の非存在下では9.8×10-4S-1であったのに対し、Sc3+の存在下では1.7×10-3S-1と増大していたことから、Sc3+(ルイス酸)が反応を促進したことが確認された。

[Ph3P]=0.4mM
[NaClO2]=0.4mM
Sc(OTf)3=0または10mM
0.12M 酢酸緩衝液 pH5.3
MeCN/H2O(4:6)
また、脱酸素アセトニトリルMeCN/H2O(0.9ml/0.1ml)中、トリフェニルフォスフィンとNaClO2(4.0mM)を混合しても反応は全く進行しなかった。ここにスカンジウムトリフレートSc(OTf)3(30mM)を添加すると効率よく酸素化生成物を与えた。前記反応は、トリフェニルフォスフィンの初期濃度を1.0mM、2.0mM、4.0mMおよび8.0mMに変化させて、それぞれ25℃で15分間行った。反応の追跡は紫外可視吸収スペクトルのスペクトル変化により行った(図12(a))。図12(a)において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は吸光度である。これは、スカンジウムイオンSc3+によって活性ラジカル種であるClO2ラジカルが発生し、Ph3PがPh3P=Oへ酸素化されたものであると考えられる。量論は下記反応式(6)の通りであり、ほぼ定量的に反応は進行することが確認された(図12(b))。図12(b)において、横軸はPh3Pの初期濃度であり、縦軸は生成したPh3P=Oの濃度である。

2Ph3P+NaClO2 --> 2Ph3P=O+NaCl (6)
以上、説明したとおり、本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法によれば、温和な条件下で反応を行うことができる。本発明の本発明のオレフィンの酸化反応生成物の製造方法は、温和な条件下で反応を行うことができるため、低コストで、反応の制御が容易であり、広範な用途に利用可能である。

Claims (10)

  1. ルイス酸およびブレーンステッド酸の少なくとも一方と、ハロゲンオキソ酸またはその塩と、を作用させてラジカルを発生させるラジカル発生工程と、
    前記ラジカルを酸化剤としてオレフィンを酸化する酸化反応工程と、
    を含み、
    前記ルイス酸のルイス酸性度が、0.4eV以上であり、
    前記ルイス酸が、金属イオンを含むルイス酸、AlCl 、AlMeCl 、AlMe Cl、およびTiCl からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする、前記オレフィンの酸化反応生成物の製造方法。
  2. 前記金属イオンが、アルカリ土類金属イオン、希土類イオン、Mg2+、Sc3+、Li、Fe2+、Fe3+およびAl3+からなる群から選択される少なくとも一つである請求項記載の製造方法。
  3. 前記ハロゲンオキソ酸が、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、次亜ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、ヨウ素酸、および過ヨウ素酸からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記ハロゲンオキソ酸またはその塩、次亜ハロゲン酸イオン、亜ハロゲン酸イオン、ハロゲン酸イオン、および過ハロゲン酸イオンからなる群から選択される少なくとも一つを含む請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記ハロゲンオキソ酸が、塩素オキソ酸である請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記ハロゲンオキソ酸が、亜塩素酸イオンを含む請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記オレフィンが、芳香族オレフィンである請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記芳香族オレフィンが、スチレンである請求項記載の製造方法。
  9. 前記オレフィンが、エチレン、プロピレン、スチレン、およびブタジエンからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記酸化反応生成物が、エポキシドおよびジオールの少なくとも一方である請求項1からのいずれか一項に記載の製造方法。
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