以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つが得られうる。
また、以下に開示される複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、以下の各図では、便宜上、方向が規定されている。X方向は、サブアセンブリ10の厚さ方向であり、Y方向は、サブアセンブリ10の長手方向であり、Z方向は、サブアセンブリ10の短手方向である。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交している。X方向は、第一の方向の一例であり、Y方向は、第二の方向の一例であり、Z方向は、第三の方向の一例である。
<第1実施形態>
図1に示されるように、組電池1は、例えば、複数のサブアセンブリ10と、カバー4と、結合部材5と、導電部材8と、を備える。サブアセンブリ10は、X方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。カバー4は、複数のサブアセンブリ10のX方向(図1では右下方向)の端部を覆っている。結合部材5は、複数のサブアセンブリ10およびカバー4がX方向に重ねて並べられた状態で、複数のサブアセンブリ10を一体化する。導電部材8は、複数のサブアセンブリ10に含まれる電池セル2(図2参照)と、電気的に接続され、組電池1の外部接続端子として機能する。
組電池1は、種々の装置や、機械、設備等に設置され、それら種々の装置や、機械、設備の電源として使用される。例えば、組電池1は、自動車や自転車(移動体)等の電源等、移動型の電源としても使用される他、例えば、POS(Point Of Sales)システム用の電源等、定置型の電源としても使用されうる。また、種々の装置等には、複数の、本実施形態で示される組電池1を、直列あるいは並列に接続したセットとして搭載することもできる。よって、組電池1は、電池モジュールや電池ユニット等とも称されうる。なお、組電池1に含まれるサブアセンブリ10の数や配置等は、本実施形態で開示されるものには限定されない。また、組電池1には、電池セル2の電圧や温度を監視するための配線や、監視基板、電池制御のための制御基板等が含まれうる。
図3に示されるように、複数のサブアセンブリ10に含まれるケース3は、X方向(図3では上方向)の端部が開放された直方体状の箱型に構成されている。ケース3は、複数の壁部3a〜3eを有する。図1,2に示されるように、複数のサブアセンブリ10は、例えば、ケース3の壁部3a,3cが平面に沿った姿勢で、設置されうる。
また、図2に示されるように、複数(例えば、六個)のサブアセンブリ10は、X方向に沿って一列に並んでいる。本実施形態では、各サブアセンブリ10のケース3には、それぞれ一つの電池セル2が収容されている。
図3に示されるように、複数のサブアセンブリ10は、それぞれ、電池セル2や、ケース3、導電部9等を有する。電池セル2は、ケース3に収容されるとともに覆われている。電池セル2とケース3とは、導電部9の第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bを介して一体化されている。すなわち、電池セル2は、第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bを介してケース3に支持されている。導電部9は、電池セル2および導電部材8(図1参照)と電気的に接続される。
図4に示されるように、電池セル2は、筐体20と、一対の電極部25と、を有する。電極部25のうち一方は正極部25Aであり、他方は負極部25Bである。図3にも示されるように、本実施形態では、電極部25は、例えば、溶接等によって第二の導電部材9Bと結合される。
導電部9は、例えば、第一の導電部材9Aと、第二の導電部材9Bと、を有する。第一の導電部材9Aには、導電部材8(図1参照)と接続可能な接続部9aが設けられ、第二の導電部材9Bには、電極部25と接続される接続部9bが設けられている。本実施形態では、一対の第一の導電部材9Aのうち一方の接続部9aは正極端子23として機能し、他方の接続部9aは負極端子24として機能する。接続部9aは、第一の接続部の一例であり、接続部9bは、第二の接続部の一例である。接続部9aは、端子部等とも称されうる。
また、図1に示されるように、正極端子23および負極端子24は、例えば、溶接等によって導電部材8と結合される。組電池1では、例えば、X方向に隣接する二つのサブアセンブリ10の正極端子23と負極端子24とが導電部材8を介して電気的に接続されるとともに、X方向の両端部に設けられた一対の出力端子部8gを介して電力が取り出される。本実施形態では、導電部材8は、外部導体の一例である。また、導電部材8、第一の導電部材9A、および第二の導電部材9Bは、バスバーと称されうる。また、導電部材8は、メインバスバーや、アウターバスバー等とも称され、第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bは、サブバスバーや、中継バスバー、中間バスバー、インナーバスバー等とも称されうる。
図1,2に示されるように、カバー4は、X方向と直交する方向、すなわちY方向およびZ方向に沿って広がった壁部4aを有する。壁部4aは、例えば、Y方向に横長の長方形状の板状に構成されている。壁部4aは、絶縁部の一例である。カバー4は、例えば、合成樹脂材料等によって構成されうる。
また、図2〜4に示されるように、ケース3の壁部3eは、例えば、壁部4aに沿った長方形状の板状に構成されている。壁部3eは、X方向の視線では、四つの辺部3h〜3k(端部、縁部)を有している。壁部3eは、底壁部や、下壁部、隔壁部等とも称されうる。また、壁部3eは、絶縁部の一例である。図4に示されるように、本実施形態では、壁部3a〜3dは、壁部3eの周縁部からX方向(図4では上方向)に向けて突出している。これにより、壁部3eと壁部3a〜3dとの間に、電池セル2を収容する収容部3rが設けられている。図2に示されるように、組電池1では、電池セル2と壁部3e,4aとが交互にX方向に積み重ねられている。ケース3のそれぞれの収容部3rは、X方向(図2では右方向)に位置される壁部3e,4aによって塞がれる。壁部3a〜3dは、角部(境界部)を介して互いに接続されており、それぞれが、別の方向を向いた面(外面、平面)を有している。本実施形態では、壁部3eは、第一の壁部の一例であり、壁部3a〜3dは、第二の壁部の一例である。
また、図4に示されるように、壁部3aおよび壁部3cは、いずれも、Z方向と直交する方向、すなわちX方向およびY方向に沿っており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。また、壁部3bおよび壁部3dは、いずれも、Y方向と直交する方向、すなわちX方向およびZ方向に沿っており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。図3にも示されるように、壁部3b,3dは、壁部3a〜3dのうち電池セル2の電極部25と対向または近接しており、壁部3a,3cは、壁部3a〜3dのうち電極部25から離間している。壁部3a〜3dは、側壁部等とも称されうる。また、壁部3a,3c(辺部3h,3j)は、側壁部のうちの長辺部の一例であり、壁部3b,3d(辺部3i,3k)は、側壁部のうちの短辺部の一例である。
また、図4に示されるように、壁部3eのY方向およびY方向の反対方向のそれぞれの端部には、X方向(図4では上方向)に向けて突出した壁部3fが設けられている。壁部3fは、いずれも、壁部3bと壁部3dとの間に位置され、壁部3aと壁部3cとの間に亘っている。そして、本実施形態では、Y方向に互いに離間したこれら二つの壁部3fの間に、電池セル2を収容する収容部3rが設けられている。図3にも示されるように、二つの壁部3fの間隔、すなわち収容部3rのY方向の長さは、電池セル2のY方向の長さと略同じかあるいは僅かに大きく設定されている。また、壁部3fのX方向の長さは、壁部3a〜3dのX方向の長さよりも短く設定されている。壁部3fは、仕切壁や、分離壁、リブ等と称されうる。壁部3fは、第二の壁部の一例である。また、壁部3fは、位置決め部の一例である。すなわち、壁部3fと電池セル2との当接によって、電池セル2のY方向に沿った移動が制限されうる。
また、図5に示されるように、壁部3eの収容部3rと面する位置には、それぞれ、X方向(図5では上方向)に向けて突出した突出部3gが設けられている。突出部3gは、例えば、電池セル2の開口部20r(図4参照)に沿った円柱状に構成されている。開口部20rの縁部と突出部3gとの当接によって、電池セル2の壁部3eに沿った移動が制限される。本実施形態では、突出部3gは、第一の位置決め部の一例であり、開口部20rは、第二の位置決め部の一例である。
また、図5に示されるように、壁部3b,3dには、それぞれ、開口部3mが設けられている。開口部3mは、例えば、壁部3b,3dをY方向に貫通するとともにZ方向に沿って延びた切欠部である。本実施形態では、開口部3mのZ方向に沿った長さは、壁部3fのZ方向に沿った長さよりも僅かに小さく設定されている。すなわち、開口部3mは、ケース3の辺部3i,3kの略全域に亘って設けられている。
また、開口部3mの縁部には、Z方向の中央側に向けて開放された凹部3n(溝部、図9参照)が設けられている。本実施形態では、凹部3nのX方向(図5,9では上方向)の端部は開放され、X方向の反対方向の端部は壁部3eによって塞がれている。この凹部3nには、図4に示される第一の導電部材9Aの接続部9aが挿入される。凹部3nの縁部(内面)と接続部9aとの当接によって、接続部9aひいては第一の導電部材9Aの壁部3eに沿った移動が制限される。なお、壁部3b,3dと第一の導電部材9Aとは、例えば、インサート成形等によって一体に構成されてもよい。
また、図5に示されるように、壁部3eの壁部3fと近接した位置には、それぞれ、X方向(図5では上方向)に向けて突出したボス部3pが設けられている。ボス部3pの筒内には、図4に示されるねじ等の結合具12の雄ネジ部12bが噛み合う雌ネジ部が設けられうる。ボス部3pのX方向の長さ、すなわち突出量は、壁部3fのX方向の長さと略同じである。また、ボス部3pは、壁部3fの収容部3rとは反対側に位置されている。
図1,2に示されるように、複数のケース3は、それぞれの壁部3eが同じ方向、すなわちX方向の反対方向(図1,2では左上方向)を向いた姿勢で、X方向に沿って並べられている。また、複数のケース3は、例えば、X方向に沿う方向において、壁部3bに露出した正極端子23と壁部3dに露出した負極端子24とが交互に配置されるように並べられている。ケース3は、例えば、合成樹脂材料等によって構成されうる。ケース3は、サブケースや、ユニットケース、分割ケース等とも称されうる。本実施形態では、図1に示されるように、複数のサブアセンブリ10が組み立てられた状態で、各サブアセンブリ10が有する複数のケース3が、組電池1のケースを構成している。
図4に示されるように、第一の導電部材9Aは、例えば、接続部9aと、突出部9cと、を有する。接続部9aは、壁部3b,3dの開口部3mに沿って延びた長方形状の板状に構成されている。接続部9aは、開口部3mの縁部に設けられた凹部3n(図5参照)に挿入される。本実施形態では、接続部9aは、壁部3b,3dの開口部3mから露出し、当該開口部3mが設けられた部分において壁部3b,3dを構成している。
また、図4に示されるように、突出部9cは、接続部9aのZ方向の略中央部から、ボス部3p(接続部9b側)に向かって突出している。突出部9cは、例えば、壁部9c1や、壁部9c2、壁部9c3等を有する。壁部9c1,9c3は、それぞれ、壁部3eに沿った板状に構成され、X方向に互いに離間して位置されている。壁部9c3は、壁部9c1よりもX方向の反対方向に位置され、ボス部3pのX方向(図4,5では上方向)を向いた面に支持される。また、壁部9c3には、ボス部3pの筒内(雌ネジ部)と面する開口部9eが設けられている。また、壁部9c2は、壁部3b,3dおよび壁部3fに沿った板状に構成され、壁部9c1と壁部9c3とを接続している。本実施形態では、突出部9cのXY平面に沿った断面は、略Z字状に構成されている。すなわち、突出部9cには、これら壁部9c1〜9c3によって、ボス部3p側に向けて凹んだ段差が設けられている。本実施形態では、突出部9cは、第一の突出部の一例である。また、壁部9c1,9c3は、横壁部等とも称され、壁部9c2は、縦壁部や立壁部等とも称されうる。
また、第二の導電部材9Bは、例えば、接続部9bと、突出部9dと、を有する。接続部9bは、壁部3eに沿った板状に構成され、電極部25のX方向を向いた第一の面25a1(図6参照)と面する。図3に示されるように、本実施形態では、例えば、接続部9bと第一の面25a1とが、レーザ溶接等によって互いに結合される。これにより、電極部25と第二の導電部材9Bとが、機械的に接続されるとともに、電気的に接続される。
また、図4に示されるように、突出部9dは、接続部9bから、ボス部3p(接続部9a側)に向かって突出している。突出部9dは、例えば、壁部9d1や、壁部9d2等を有する。壁部9d1は、壁部3eに沿った板状に構成され、接続部9bよりもX方向の反対方向に位置されている。壁部9d1は、第一の導電部材9Aの壁部9c3と面し、当該壁部9c3のX方向(図4では上方向)を向いた面に支持される。また、壁部9d1には、壁部9c3の開口部9eおよびボス部3pの筒内(雌ネジ部)と面する開口部9fが設けられている。図3,4に示されるように、本実施形態では、例えば、開口部9e,9fを貫通した結合具12の雄ネジ部12bがボス部3pの筒内の雌ネジ部と噛み合うことにより、第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bがケース3と結合される。そして、第一の導電部材9Aと第二の導電部材9Bとが、機械的に接続されるとともに、電気的に接続される。また、第二の導電部材9Bは、電池セル2の電極部25と結合されているため、結合具12をボス部3pに取り付けることにより、電池セル2をケース3に取り付けることができる。
また、図4に示されるように、壁部9d2は、壁部3b,3dおよび壁部3fに沿った板状に構成され、壁部9d1と接続部9bとを接続している。本実施形態では、第二の導電部材9BのXY平面に沿った断面は、略Z字状に構成されている。すなわち、第二の導電部材9Bには、これら接続部9bおよび突出部9dによって、ボス部3p側に向けて凹んだ段差が設けられている。図3に示されるように、本実施形態では、第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bが結合具12によってケース3と結合された状態では、結合具12の頭部12aがこれら二つの導電部材9A,9Bの段差によって形成された凹部9gに収容される。これにより、頭部12aが第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9B、ひいては電池セル2の壁部20eよりもX方向に突出するのが抑制されている。本実施形態では、突出部9dは、第二の突出部の一例である。また、壁部9c1は、横壁部等とも称され、壁部9c2は、縦壁部や立壁部等とも称されうる。
また、第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bがケース3と結合された状態では、図1に示されるように、接続部9aが壁部3b,3dの開口部3mから露出し、導電部材8との接続が可能となる。ここで、本実施形態では、接続部9aのZ方向に沿った第一の幅W1(図2,3参照)が、接続部9bのZ方向に沿った第二の幅W2(図2,3参照)よりも大きく設定されている。これにより、例えば、接続部9aの第一の幅W1と接続部9bの第二の幅W2とが同じである構成と比べて、接続部9aへの導電部材8(図1参照)の取付位置や、導電部材8の配置や形状の自由度が高まりやすくなる。よって、例えば、溶接等による導電部材8の接続部9aへの取付作業がより容易に、より円滑に、あるいはより迅速に行われやすくなり、ひいては組電池1の製造に要する手間が減りやすい場合がある。
図1に示されるように、導電部材8は、例えば、複数の接続部8a,8bと、ブリッジ部8cと、を有する。導電部材8は、例えば、一枚の板状の部材が四箇所(ブリッジ部8c)で屈曲されて構成されている。図1にも示されるように、接続部8a,8bは、接続部9aに沿った四角形状の板状に構成され、X方向に互いに離間して位置されている。接続部8a,8bは、接続部9aの電池セル2とは反対側、すなわちケース3の外側から接続部9aと重ねられる。接続部8a,8bは、端子部等とも称されうる。
また、ブリッジ部8cは、接続部8aと接続部8bとの間に渡って設けられている。ブリッジ部8cは、Z方向の視線で、接続部8a,8bからケース3の外側に向けて凸の状態で屈曲している。すなわち、ブリッジ部8cのXY平面に沿った断面は、ケース3の内側に向けて開放された略U字状に構成されている。本実施形態によれば、導電部材8にブリッジ部8cが設けられているため、例えば、組電池1にX方向に沿った衝撃や振動等の外力が入力された場合、あるいは導電部材8がX方向に沿って熱変形した場合等に、ブリッジ部8cによって応力を緩和することができる。ブリッジ部8cは、屈曲部や、突出部、接続部等とも称されうる。
図3に示される電池セル2は、例えば、リチウムイオン二次電池等で構成されている。なお、電池セル2は、ニッケル水素電池や、ニッケルカドミウム電池等、他の二次電池であってもよい。リチウムイオン二次電池は、非水電解質二次電池の一種であり、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う。正極材料としては、例えば、リチウムマンガン複合酸化物や、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物等が用いられ、負極材料としては、例えば、チタン酸リチウム(LTO)等の酸化物系材料や、ニオブ複合酸化物等の酸化物材料等が用いられる。また、電解質(例えば、電解液)としては、フッ素系錯塩(例えばLiBF4、LiPF6)等のリチウム塩が配合された、例えば、炭酸エチレンや、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジメチル等の有機溶媒等が単独であるいは複数混合されて用いられる。電池セル2は、単電池等とも称されうる。
図4に示されるように、電池セル2の筐体20は、X方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。また、筐体20は、複数の壁部20a〜20fを有する。壁部20eおよび壁部20fは、いずれも、X方向と直交する方向、すなわちY方向およびZ方向に沿っており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。壁部20e,20fのうち一方は、底壁部や下壁部等と称され、他方は、天壁部や上壁部等と称されうる。図3にも示されるように、壁部20fは、ケース3の壁部3eと面し、当該壁部3eに支持される。また、壁部20a〜20dは、壁部20eの周縁部に位置され、当該壁部20eと壁部20fとの間に亘っている。本実施形態では、壁部20fは、第三の壁部の一例であり、壁部20eは、第四の壁部の一例であり、壁部20a〜20dは、第五の壁部の一例である。
また、壁部20aおよび壁部20cは、いずれも、Z方向と直交する方向、すなわちX方向およびY方向に沿っており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。また、壁部20bおよび壁部20dは、いずれも、Y方向と交差する方向、すなわちX方向およびZ方向に略沿っており、Y方向に互いに間隔をあけて設けられている。壁部20a〜20dは、側壁部等とも称されうる。また、壁部20a,20cは、側壁部のうちの長辺部の一例であり、壁部20b,20dは、側壁部のうちの短辺部の一例である。
また、図4に示されるように、壁部20b,20dは、例えば、X方向の視線では、Y方向またはY方向の反対方向に凸の状態で突出した略台形状に構成されている。本実施形態では、壁部20b,20dは、傾斜部20b1,20d1と、接続部20b2,20d2と、を有している。傾斜部20b1,20d1は、壁部20eのY方向またはY方向の反対方向の端部のそれぞれから、ケース3の外側に向けて突出している。そして、図6にも示されるように、傾斜部20b1,20d1は、壁部20e,20fおよびX方向に対して交差している。具体的には、傾斜部20b1,20d1は、壁部20e側の端部から壁部20eとは反対側の端部に向かって徐々に壁部20fと近づくように傾斜している。図6の視線で、壁部20e,20fと傾斜部20b1,20d1との交わる角度、およびX方向と傾斜部20b1,20d1との交わる角度は、それぞれ1°以上90°未満の鋭角である。
また、接続部20b2,20d2は、傾斜部20b1,20d1の壁部20eとは反対側の端部と壁部20fとを接続している。接続部20b2,20d2は、壁部20e,20fと略垂直である。また、図4に示されるように、接続部20b2,20d2のX方向に沿った厚さは、Z方向およびZ方向の反対方向のそれぞれの端部側から中央部側に向かって徐々に小さくなっている。すなわち、傾斜部20b1,20d1の面積は、Z方向およびZ方向の反対方向のそれぞれの端部側から中央部側に向かって徐々に大きくなっている。本実施形態では、電極部25は、傾斜部20b1,20d1のZ方向の略中央部、すなわち傾斜部20b1,20d1のうち最も面積の大きな部分に設けられている。
また、壁部20fは、例えば、ベース部20f1(図6参照)と、フランジ部20f2(図4参照)と、を有している。ベース部20f1は、図4に示される壁部20a〜20dに沿った長方形状の板状に構成され、壁部20a〜20dの壁部20eとは反対側の開放部分を覆っている。また、フランジ部20f2は、ベース部20f1から壁部3eに沿って筐体20の外側に張り出している。フランジ部20f2には、上述したケース3側の突出部3gと位置決めされる複数の開口部20rが設けられている。フランジ部20f2は、突出部や、張出部等とも称されうる。
また、壁部20a〜20dの壁部20eとは反対側、すなわち壁部20f側の端部には、壁部20fに沿って筐体20の外側に張り出したフランジ部20pが設けられている。図6にも示されるように、本実施形態では、フランジ部20pと壁部20fとは、例えば、抵抗シーム溶接等によって互いに結合される。抵抗シーム溶接は、レーザ溶接と比べて、気密性や耐熱性等が高くなりやすく、かつ低コストであるという利点がある。フランジ部20pは、突出部や、張出部等とも称されうる。
また、筐体20は、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されている。具体的には、筐体20は、例えば、第一筐体部材21(ケース、第一のケース)と、第二筐体部材22(蓋、カバー、第二のケース)と、を有する。図4に示されるように、第一筐体部材21は、少なくとも、壁部20a〜20eと、フランジ部20pと、を有する。また、第二筐体部材22は、少なくとも、壁部20fを有する。第一筐体部材21は、一端側が開放された直方体状の箱型に構成されている。第二筐体部材22は、Y方向に横長の略長方形状の板状に構成されている。第二筐体部材22は、第一筐体部材21の開放された部分を塞ぎ、抵抗シーム溶接等によって第一筐体部材21と一体化される。第一筐体部材21および第二筐体部材22は、例えば、ステンレス鋼によって構成されている。
また、図6に示されるように、電極部25は、例えば、頭部25aや、軸部25b等を有している。頭部25aは、図6の視線では、傾斜部20b1,20d1の厚さ方向の外側に凸の状態で突出した略台形状に構成されている。具体的に、頭部25aは、壁部20e,20fに沿った第一の面25a1と、接続部20b2,20d2に沿った第二の面25a2と、傾斜部20b1,20d1に沿った第三の面25a3,25a4と、を有している。第三の面25a3は、第一の面25a1の傾斜部20b1,20d1とは反対側の端部と、第二の面25a2の傾斜部20b1,20d1とは反対側の端部とを接続し、第三の面25a4よりも傾斜部20b1,20d1に沿った幅が狭い。また、第一の面25a1は、図3に示される第二の導電部材9Bの接続部9bと面している。第一の面25a1と接続部9bとは、例えば、レーザ溶接等によって互いに結合される。
また、図6に示されるように、軸部25bは、傾斜部20b1,20d1の厚さ方向に沿って延びた円柱状に構成されている。軸部25bは、傾斜部20b1,20d1に設けられた開口部20sを貫通している。電極部25は、例えば、軸部25bの頭部25aとは反対側の端部がカシメ固定されること等によって、筐体20と結合される。電極部25は、例えば、アルミニウム等の導電性材料によって構成されうる。
また、電極部25と開口部20sの縁部との間には、シール部材18が設けられている。シール部材18は、例えば、合成樹脂材料やガラス等の絶縁体によって構成されている。シール部材18は、電極部25と開口部20sの縁部との間を気密および液密にシールするとともに電気的に絶縁している。シール部材18は、ガスケットや、パッキン等とも称されうる。
また、筐体20の内部には、例えば、電極体26や、電解液等が収容されている。電極体26は、例えば、正極シートと、負極シートと、絶縁層(セパレータ)と、を有する。電極体26は、正極シート、負極シート、および絶縁層が巻回されて、扁平形状に構成されうる。電極体26は、電極群であって発電要素として機能する。また、電極部25の負極部25Bは、複数の導電部材27〜29を介して、電極体26の負極シートと電気的に接続され、正極部25Aは、複数の導電部材27〜29を介して、電極体26の正極シートと電気的に接続される。導電部材27は、負極バックアップリードや、正極バックアップリード等とも称されうる。また、導電部材28は、第一の負極リードや、第一の正極リード等とも称され、導電部材29は、第二の負極リードや、第二の正極リード等とも称されうる。
ここで、本実施形態では、各サブアセンブリ10における収容部3r(図4参照)のX方向の深さは、筐体20のX方向の厚さよりも短く設定されている。よって、図1に示されるように、筐体20がそれぞれの収容部3rに収容された状態で、結合部材5の弾性力によって各ケース3の壁部3a〜3dおよびカバー4がX方向に突き合わされることにより、筐体20の壁部20e,20f(図6参照)が互いに近づく方向に弾性変形する。本実施形態では、この壁部20e,20fの弾性変形に伴う力(弾性力)を利用して、電極体26をX方向に支持している。すなわち、壁部20e,20fの弾性変形に伴う力によって、電極体26のX方向への膨らみが抑制されている。よって、本実施形態によれば、例えば、電極体26が初期状態よりもX方向に膨らむのが抑制されやすくなり、ひいては電極体26の膨らみによって生じる電池セル2の性能の低下等が抑制されうる。また、本実施形態では、筐体20がステンレス鋼によって構成されているため、例えば、金属缶タイプの電池セルと比べて筐体20が弾性変形しやすくなり、ひいては電池セル2のX方向への圧縮状態が比較的容易に得られうる。
また、図1に示されるように、結合部材5は、例えば、第一の部材51と、第二の部材52と、を有する。第一の部材51および第二の部材52のXZ平面に沿った断面は、それぞれ、サブアセンブリ10側に向けて開放された略U字状に構成されている。第一の部材51および第二の部材52は、それぞれ、第一の支持部51a,52aと、第二の支持部51b,52bと、第三の支持部51c,52cと、を有する。
第一の支持部51a,52aは、X方向に並んだ六つの壁部3a,3cと面する長方形状の板状に構成されている。第一の支持部51a,52aは、壁部3a,3cの電池セル2とは反対側から壁部3a,3cを支持する。また、第二の支持部51b,52bは、第一の支持部51a,52aのX方向(図1では右下方向)の端部からZ方向の中央部側に突出している。第二の支持部51b,52bは、カバー4の壁部4aの一部と面する長方形状の板状に構成され、壁部4aの電池セル2とは反対側から壁部4aを支持する。また、第三の支持部51c,52cは、第一の支持部51a,52aのX方向の反対方向(図1では左上方向)の端部からZ方向の中央部側に突出している。第三の支持部51c,52cは、ケース3の壁部3eの一部と面する長方形状の板状に構成され、壁部3eの電池セル2とは反対側から壁部3eを支持する。第一の部材51および第二の部材52は、例えば、バネ鋼や、ステンレス鋼等によって構成されうる。第二の支持部51b,52bおよび第三の支持部51c,52cは、板バネ部の一例である。
本実施形態では、各サブアセンブリ10およびカバー4が結合部材5によって一体化された状態では、第二の支持部51b,52bおよび第三の支持部51c,52cの弾性変形に伴う力によって、壁部4aがX方向の反対方向(図1では左上方向)に押し付けられるとともに、壁部3eがX方向(図1では右下方向)に押し付けられる。弾性変形は、曲げ変形等とも称されうる。すなわち、結合部材5は、第二の支持部51b,52bが自由長の状態よりもX方向へ曲げられるとともに第三の支持部51c,52cが自由長の状態よりもX方向の反対方向へ曲げられた状態で、各サブアセンブリ10およびカバー4を支持している。これにより、アッセンブリされた状態で、第二の支持部51b,52bおよび第三の支持部51c,52cは、弾性変形を伴って、すなわち弾性的に、壁部4aをX方向の反対方向へ押し付けるとともに、壁部3eをX方向へ押し付ける。このように、本実施形態では、組電池1が結合部材5を備えるため、例えば、結合部材5の第一の部材51と第二の部材52とによって、複数のサブアセンブリ10が比較的簡素な構成で一体化されうる。なお、組電池1は、結合部材5に加えて、カバー4の開口部4bおよびケース3の壁部3eをX方向に貫通し、カバー4および複数のサブアセンブリ10を一体化する結合部材(例えば、ボルトとナット等)をさらに備えてもよい。この場合、第一の部材51および第二の部材52の弾性力によって、カバー4と複数のサブアセンブリ10とがよりしっかりと一体化され、ひいては電池セル2のX方向への圧縮状態がより確実に得られうる。
以上のように、本実施形態では、例えば、組電池1は、壁部3e(第一の壁部)と、壁部3eから当該壁部3eと交差するX方向(第一の方向)に沿って延びた壁部3a〜3d(第二の壁部)と、を有したケース3と、ケース3に収容され、電極部25を有した電池セル2と、導電部材8(外部導体)と接続可能な接続部9a(第一の接続部)と、電極部25と接続された接続部9b(第二の接続部)と、を有した導電部9と、を備え、接続部9aは、接続部9bに対して、X方向と交差したY方向(第二の方向)に位置され、接続部9aの、X方向およびY方向と交差したZ方向(第三の方向)に沿った第一の幅W1が、接続部9bのZ方向に沿った第二の幅W2よりも大きい。よって、本実施形態によれば、例えば、導電部9によって、電池セル2がケース3に収容された構成において、ケース3外の導電部材8と接続可能な接続部9aを有した組電池1が実現されうる。また、接続部9aの第一の幅W1が接続部9bの第二の幅W2よりも大きいため、例えば、接続部9aの第一の幅W1と接続部9bの第二の幅W2とが同じである構成と比べて、接続部9aへの導電部材8の取付位置や、導電部材8の配置や形状の自由度が高まりやすくなる。よって、例えば、溶接等による導電部材8の接続部9aへの取付作業がより容易に、より円滑に、あるいはより迅速に行われやすくなり、ひいては組電池1の製造に要する手間が減りやすい場合がある。また、電池セル2がケース3に収容されているため、例えば、ケース3によってサブアセンブリ10、ひいては組電池1の剛性や強度等が確保されやすくなる。よって、例えば、従来の金属缶タイプの電池セルと比べて、電池セル2の筐体20をより軟らかい材料で構成できたり、筐体20の壁部20a〜20fの厚さをより薄く構成できたりしうる。よって、例えば、電池セル2がより軽量に構成されやすくなり、ひいては電池セル2とケース3とを含むサブアセンブリ10(組電池1)がより軽量に構成されうる。なお、本実施形態では、電池セル2およびケース3が、直方体状に構成された場合が例示されたが、これに限定されず、例えば、X方向に扁平な円柱状に構成されてもよい。
また、本実施形態では、例えば、壁部3eは、Z方向(第三の方向)に延びた辺部3i,3kを有し、接続部9aは、辺部3i,3kに沿って延びている。よって、本実施形態によれば、例えば、辺部3i,3kに沿って延びた接続部9aによって、接続部9aの第一の幅W1が確保されやすい。よって、例えば、接続部9aへの導電部材8の取付位置や、導電部材8の配置や形状の自由度がより高まりやすい。
また、本実施形態では、例えば、電池セル2は、電極部25として正極部25Aと負極部25Bとを含み、壁部3eは、互いに対向し、それぞれZ方向(第三の方向)に延びた二つの辺部3i,3kを有し、正極部25Aと接続された接続部9bを有した導電部9の接続部9aが、二つの辺部3i,3kのうち一つに沿って設けられ、負極部25Bと接続された接続部9bを有した導電部9の接続部9aが、二つの辺部3i,3kのうち別の一つに沿って設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、二つの辺部3i,3kのうち一方に二つの接続部9aが設けられた場合と比べて、接続部9aのそれぞれの第一の幅W1がより長く構成されやすい。よって、例えば、接続部9aへの導電部材8の取付位置や、導電部材8の配置や形状の自由度がより一層高まりやすい。
また、本実施形態では、例えば、接続部9aが、壁部3b,3dを構成している。よって、本実施形態によれば、例えば、接続部9aによって、ケース3の所要の剛性を確保しながら、導電部材8と接続部9aとが接続されやすい構成を得ることができる。
また、本実施形態では、例えば、導電部9は、接続部9a(第一の接続部)と、接続部9aから接続部9b側に突出した突出部9c(第一の突出部)と、を有した第一の導電部材9Aと、接続部9b(第二の接続部)と、接続部9bから接続部9a側に突出し突出部9cとX方向に重ねられた突出部9dと、を有した第二の導電部材9Bと、を有する。よって、本実施形態によれば、例えば、導電部9が一つの部材で構成された場合と比べて、電池セル2とケース3とが第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bを介して、より容易に、より円滑に、あるいはより精度よく一体化されうる。
また、本実施形態では、例えば、第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bとケース3とが互いに結合された状態では、結合具12の頭部12aが第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bの凹部9gに収容されている。よって、本実施形態によれば、例えば、結合具12の頭部12aが第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9BよりもX方向に突出するのが抑制され、ひいては電池セル2のX方向への圧縮状態がより確実に得られやすい。
また、本実施形態では、例えば、電池セル2は、壁部3eに沿い当該壁部3eに支持された壁部20f(第三の壁部)と、壁部20fとX方向に離間して位置され壁部20fに沿って延びた壁部20e(第四の壁部)と、壁部20fおよびX方向に対して交差した傾斜部20b1,20d1を有し壁部20fと壁部20eとの間に位置された壁部20a〜20d(第五の壁部)と、を有し、電極部25は、傾斜部20b1,20d1に設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、電極部25が壁部20fと垂直な壁部に設けられた構成と比べて、電極部25の設置面積が増えやすい。よって、例えば、傾斜部20b1,20d1の開口部20sを貫通する軸部25bをより太く構成することができるようになり、ひいては電極部25により大きな電流(ハイレート電流)を流すことができる。また、例えば、電極部25が上壁部に設けられた従来の金属缶タイプの電池セルと比べて、電極部25と電極体26の集電タブ(導電部材27)との間の距離が短くなりやすくなり、ひいては電極部25と電極体26とを電気的に接続する部品点数が減ったり、電気抵抗が減ったりしうる。
また、本実施形態では、例えば、組電池1は、それぞれがケース3、電池セル2、および導電部9を有し、X方向に並んだ複数のサブアセンブリ10と、X方向に隣接した二つのサブアセンブリ10の一方の接続部9aと他方の接続部9aとを接続した導電部材8(外部導体)と、を備える。よって、本実施形態によれば、例えば、X方向に沿って並んだ複数のサブアセンブリ10が、導電部材8を介して比較的簡単に接続され、複数の電池セル2の直列回路が、比較的容易に構成されうる。
また、本実施形態では、例えば、壁部3e(第一の壁部)にはX方向に沿って延びた突出部3g(第一の位置決め部)が設けられ、壁部20f(第三の壁部)には突出部3gとの当接によって電池セル2の壁部3eに沿った移動を制限する開口部20r(第二の位置決め部)が設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、突出部3gと開口部20rとの位置決めによって、電池セル2とケース3とが一体化されたサブアセンブリ10が、より容易に、より円滑に、あるいはより迅速に得られうる。なお、本実施形態では、壁部3eに突出部3gが設けられ、壁部20fに開口部20rが設けられたが、壁部3eに開口部20rが設けられ、壁部20fに突出部3gが設けられてもよい。また、第二の位置決め部は開口部20rには限定されず、例えば、段差部や、切欠部等であってもよい。
また、本実施形態では、例えば、組電池1は、それぞれがケース3と電池セル2とを有し、X方向に並んだ複数のサブアセンブリ10と、複数のサブアセンブリ10を一体化する結合部材5と、を備える。よって、本実施形態によれば、例えば、結合部材5の第一の部材51と第二の部材52とによって、複数のサブアセンブリ10が比較的簡素な構成で一体化されうる。
<第2実施形態>
図7〜9に示される実施形態の組電池1Aは、上記第1実施形態の組電池1と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の構成に基づく同様の結果(効果)が得られる。
ただし、本実施形態では、例えば、図7,8に示されるように、各サブアセンブリ10Aの壁部3eと電池セル2の壁部20eとが互いに向き合っている点が、上記実施形態と相違している。すなわち、本実施形態では、電池セル2は、壁部20eが壁部3eと面した姿勢で、収容部3rに収容されている。また、図7に示されるように、壁部3fのZ方向の略中央部には、開口部3f1が設けられている。開口部3f1は、例えば、壁部3fのX方向(図7では上方向)に向けて開放された切欠部である。図8にも示されるように、本実施形態では、この開口部3f1によって、第一の導電部材9Aの突出部9cと第二の導電部材9Bの突出部9dとの重なりが許容されている。また、図7に示されるように、開口部3f1のZ方向に沿った幅は、突出部9dのZ方向に沿った幅と略同じかあるいは僅かに大きく設定されている。よって、本実施形態によれば、例えば、突出部9dと開口部3f1のZ方向およびZ方向の反対方向のそれぞれの縁部との当接によって、第二の導電部材9Bひいては電池セル2のZ方向に沿った移動が制限される。また、壁部3fと電池セル2との当接によって、電池セル2のY方向に沿った移動が制限されうる。このように、本実施形態によれば、壁部3fに開口部3f1が設けられているため、例えば、上記実施形態の位置決め部、すなわち突出部3gおよび開口部20r(図4参照)を不要とすることができ、ひいては電池セル2とケース3との位置決め作業が、より容易に、より円滑に、あるいはより迅速に行われやすい場合がある。
また、図9に示されるように、本実施形態では、第一の導電部材9Aの突出部9c、および第二の導電部材9Bの接続部9bおよび突出部9dは、それぞれ、壁部3eに沿った板状に構成されている。突出部9cは、壁部3eのX方向(図9では上方向)を向いた面に支持され、突出部9dは、突出部9cのX方向を向いた面に支持される。また、突出部9cおよび突出部9dには、壁部3eに設けられた開口部3e1と面する開口部9e,9fが設けられている。これら三つの開口部3e1,9e,9fは、X方向の視線で、電池セル2から離れて位置されている。そして、本実施形態では、例えば、これら三つの開口部3e1,9e,9fを貫通する結合部材13のボルト13aにナット13bが噛み合うことによって、第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bがケース3と結合される。これにより、第一の導電部材9Aと第二の導電部材9Bとが、機械的に接続されるとともに、電気的に接続される。また、図9に示されるように、本実施形態では、上述した開口部3e1,9e,9fおよび結合部材13の配置によって、複数のサブアセンブリ10AがX方向に積層された状態では、各サブアセンブリ10Aのボルト13aの頭部がX方向に隣接した他のサブアセンブリ10Aのケース3(収容部3r)に収容される。なお、複数のサブアセンブリ10AのうちX方向の反対方向の端部に位置されたサブアセンブリ10Aのボルト13aの頭部は、ケース3の外側に突出する。
以上のように、本実施形態では、例えば、サブアセンブリ10Aは、それぞれ、X方向(第一の方向)の視線で電池セル2から離れて位置され、導電部9の第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bと壁部3e(第一の壁部)とをX方向(第一の方向)に沿って貫通した結合部材13(第一の結合部材)、を有する。よって、本実施形態によれば、例えば、結合部材13と電池セル2とがX方向に互いに干渉するのを抑制でき、ひいては電池セル2のX方向への圧縮状態がより確実に得られたり、組電池1AがX方向により小型に構成されたりしうる。また、結合部材13の一部であるボルト13aの頭部をケース3の外側に突出させることができるため、例えば、第一の導電部材9Aおよび第二の導電部材9Bがより簡素な形状で構成されやすい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。本発明は、上記実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成(技術的特徴)によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。