JP6744060B1 - 回転電機の固定子及び回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】少量の含浸材の塗布で、容易に導体セグメント全体へ浸透させることができ、固定子鉄心の共振振動を防止することができる。【解決手段】周方向に配列された複数のスロットを有する円筒状の固定子鉄心と、スロットに挿入され、固定子鉄心の両端面から固定子鉄心の軸方向に延びる突出部を有し、固定子鉄心の径方向に配列された複数の導体セグメントと、を備え、導体セグメントの突出部に塗布された含浸材により、スロットに挿入された複数の導体セグメントが固定されている回転電機の固定子であって、導体セグメントは、固定子鉄心の一端側から他端側へ向かうにつれて連続的に断面積が変化する傾斜部を有することを特徴とする回転電機の固定子。【選択図】 図10

Description

本願は、回転電機の固定子及びこの固定子を備えた回転電機に関するものである。
車両用交流発電機等の回転電機に用いられる固定子は、円筒状の固定子鉄心の周方向に配列された複数のスロットに、巻装された複数の導体セグメントが挿入された構造をしている。
この固定子は、回転電機の駆動時において、固定子鉄心の共振振動を誘発する場合があり、スロット内にワニス等の含浸材を注入し、固定子鉄心と導体セグメントとを固定している。
固定子鉄心のスロット内への含浸材の注入方法としては、回転電機の固定子を含浸材槽へ浸漬する方法(特許文献1)、固定子鉄心の内周側から含浸材を塗布し、スロット内に浸透させる方法(特許文献2)、固定子を水平方向に回転させながら含浸材を塗布し、その後固定子を縦置きとして縦回転させながら乾燥硬化させる方法(特許文献3)が知られている。
特開2006−262541号公報 特開2012−39719号公報 特開2011−62036号公報
従来の回転電機の固定子では、含浸のために、大量の含浸材を必要であり(特許文献1)、含浸材が不要な部分及び塗布してはいけない部分にも付着し(特許文献2)、塗布量の制御及び含浸材の付着量管理が困難である(特許文献3)という問題があった。
本願は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、少量の含浸材の滴下により、固定子鉄心のスロットと導体セグメントとを確実に固定し、共振振動を防止する固定子を得ることを目的とする。
本願の回転電機の固定子は、周方向に配列された複数のスロットを有する円筒状の固定子鉄心と、スロットに挿入され、固定子鉄心の両端面から固定子鉄心の軸方向へ延びる突出部を有し、固定子鉄心の径方向に配列された複数の導体セグメントと、を備え、導体セグメントの突出部に塗布された含浸材により、スロットに挿入された複数の導体セグメントが固定されている回転電機の固定子であって、導体セグメントは、固定子鉄心の一端側から他端側へ向かうにつれて連続的に断面積が変化する傾斜部を有することを特徴とするものである。
本願の回転電機の固定子は、固定子鉄心のスロット内への含浸材の浸透性が高く、固定子鉄心と導体セグメントとを確実に固定することができ、共振振動を防止することができる。
実施の形態1に係る車両用交流発電機の断面図である。 実施の形態1に係る固定子の部分斜視図である。 実施の形態1に係る固定子の部分断面図である。 実施の形態1に係る固定子の製造フロー図である。 実施の形態1に係る導体セグメント製造装置の構成図である。 実施の形態1に係る導電材の断面図である。 実施の形態1に係る導電材の平角成形部の概略図である。 実施の形態1に係る導体セグメントを示す図である。 実施の形態1に係る導体セグメントの加工工程を示す図である。 実施の形態1に係る固定子の含浸材塗布状態を示す断面模式図である。 実施の形態2に係る固定子の含浸材塗布状態を示す断面模式図である。 実施の形態3に係る固定子の含浸材塗布状態を示す断面模式図である。
実施の形態の説明及び各図において、同一の符号を付した部分は、同一又は相当する部分を示すものである。
実施の形態1.
本実施の形態について、図1〜図10を用いて説明する。
まず、図1〜図3を用いて、固定子9の構造を説明する。
図1は、本実施の形態に係る固定子9を適用した車両用交流発電機100の構造を示す断面図で、図2は固定子9に導体セグメント20が挿入された状態を示す部分斜視図である。図3は、導体セグメント20を挿入する固定子鉄心10のスロット11を示す部分断面図である。
<車両用交流発電機の構造>
図1は回転電機の一つの例である車両用交流発電機100の構造を示す断面図である。車両用交流発電機100は、フロントブラケット1とリアブラケット2で構成されたケース3の中に、回転シャフト4に取付けられた回転子5が配置され、その外周側を覆うように固定子9が取り付けられた構造をしている。
回転子5は、鉄製の一対のポールコア6、7と、これに巻き付けられた回転子コイル8で構成され、回転子コイル8に電流を流して磁束を発生し、発生した磁束によってポールコア6、7で磁極が形成される。
固定子9は、円筒状の積層鉄心からなる固定子鉄心10と、固定子鉄心10に巻装された固定子巻線とからなり、固定子巻線の両端部には、フロント側のコイルエンド部13及びリア側のコイルエンド部14が形成されている。
図2、図3は、固定子9の構造を説明するもので、図2は固定子9の一部を示し、図3は、固定子鉄心10の一部の断面構造を示している。
図2の部分斜視図に示すように、固定子鉄心10の端面には、他方の端面まで貫通するスロット11が複数形成されており、それぞれのスロット11には、複数の導体セグメント20が挿入されている。固定子鉄心10に覆われないコイルエンド部13でそれぞれの導体セグメント20は捻り、接合されている。
図3は固定子鉄心10の断面図の一部であり、図の下部分は、回転子5に対向して配置される。固定子鉄心10には破線で囲んだスロット11が複数形成されている。それぞれのスロット11の中には、複数の導体セグメント20が集合体として挿入されている。また、スロット11と導体セグメント20の間には、双方を電気的に絶縁する紙製のインシュレータ21が備えられている。なお、本実施の形態においては、紙製のインシュレータ21を用いたが、これに限定されるものではなく、後述する含浸材73が浸透することができるものであれば用いることができる。
本実施の形態においては、スロット11に挿入された導体セグメント20は固定子巻線を構成する最小単位であり、コイルエンド部13、14で、導体セグメント20を相互に捻り、接合し、形成されたコイル全体を、固定子巻線と呼ぶ。また、同じスロット11に挿入された複数の導体セグメント20の集合体をまとめて導体セグメント集合体と呼ぶ場合がある。
<固定子の製造工程フロー>
図4に沿って、固定子9の製造工程フローの概要を説明する。
ステップS001
導体セグメント製造工程である。
ボビンに巻かれた銅製の導電材50を用いる。断面形状が丸い導電材50の断面を平板状に潰し、端部の絶縁被覆を剥離する。また、この工程では、溶接による接合が容易な形状とする塑性加工を端部に施す。
この工程は本願の重要な工程であるので、製造工程フローの説明とは別に、次節で図5等を用いて、詳細に説明する。
ステップS002
導体セグメント挿入工程である。
前工程で製造した導体セグメント20をスロット11へ挿入する準備段階として導体セグメント保持冶具に差し込む。導体セグメント保持冶具に導体セグメント20を差し込む際に、事前にスロット11に入れる決められた数の導体セグメント20を束ねた後、端から順に差し込んでいく。なお、導体セグメント保持冶具には切り欠き部が形成されており、インシュレータ21に挿入するときのガイドとなり、スムーズに行うことができる。
導体セグメント保持冶具の両端面から軸方向に突出する導体セグメント20の長さを、捻りを行わない他端側の方が長くなるように、導体セグメント20の突出量を調整する。
ステップS003
導体セグメント捻り工程(一端側)である。
導体セグメント保持冶具の導体セグメントを下方から平板で支えて導体セグメント20の突出量を調整し、上方の先端部分を捻る。隣接する導体セグメント20同士で、仮に接触した場合にも、表面にエナメルの絶縁被覆が施されているので、短絡することはない。しかし、信頼性を向上させるために、相互に接触しないよう配置することが好ましい。従って、同じスロット11内において隣り合う導体セグメント20同士を離れるように捻っておくことで、相互に接触することを避けることができる。また、隣接する導体セグメント20同士は、同じ方向に捻る場合でも、高さを変えることで間隙を生じ、接触を回避することができる。
次に導体セグメント捻り工程(一端側)の動作を説明する。
スロット11内に導体セグメント20が挿入された導体セグメント保持冶具は、導体セグメント保持冶具受けにセットされる。導体セグメント保持冶具の外周部はクランパによって固定され、導体セグメント保持冶具押さえで、導体セグメント保持冶具の上部を抑え、導体セグメント保持冶具の上下運動は抑制される。
クランパ及び導体セグメント保持冶具押さえにより、導体セグメント保持冶具が固定され、捻り成形部である円環冶具が下降し、この円環冶具に形成された導体セグメント挿入部に導体セグメント20の端部が挿入される。なお、導体セグメント挿入部には、導体セグメント20の先端部分のうち、接合部となる部分のみが挿入可能である。また、導体セグメント20の端部にはテーパが形成されており、導体セグメント挿入部への挿入を容易とする。一方、リードタイプ導体セグメントが配置される導体セグメントの捻り成形部に、導体セグメント20より長い部材を収納可能な導体セグメント挿入部が形成されている。
導体セグメント挿入部に導体セグメント20の端部が挿入された捻り成形部である円環冶具は、回転駆動及び下降駆動がなされる。なお、捻り成形は、導体セグメント20の全てに対して同時に行われる。また、捻り成形部の回転は、隣接する円環冶具同士で異なる方向となるように、あらかじめ定めされた角度だけ回転させる。
ステップS004
インシュレータ挿入工程である。
導体セグメント20を挿入する側のインシュレータ21の端部はラッパ状に成形されており、導体セグメント20の挿入を容易としている。一方、他端は平坦な形状となっている。
インシュレータ21と導体セグメント20の挿入方向は同じであるので、導体セグメント20の挿入時において、固定子鉄心10の軸方向に大きな力が加わった場合でも、固定子鉄心10の端面で止められ、インシュレータ21と導体セグメント20の位置ずれが生じることはない。
ステップS005
一端側を捻り、一体とした一端成形導体セグメント挿入工程である。
一端を成形した導体セグメント20を導体セグメント保持冶具から抜いて、別に作成した配線部分を有するリードタイプ導体セグメントを混ぜ、固定子鉄心10のスロット11へ差し込む。すべてのスロット11に差し込んだ後、次の工程に進む。
また導体セグメント保持冶具からの抜き取り工程と、固定子鉄心10への導体セグメント20の挿入工程は一つの設備で一連の作業として行うことが好ましい。一例として、スロット11の間隔と同じ間隔で規制片が円周状に配置された規制治具を用い、円環状に配置された各導体セグメント20の直線部分の間に配置する。この状態で、固定子鉄心10と規制治具とを軸方向に移動させることで、円環状に配置した導体セグメント20を固定子鉄心10のスロット11に挿入することができる。
ステップS006
導体セグメント捻り工程(他端側)である。
他端側の捻り動作は、ステップS003での導体セグメント20の捻り動作と同様の動作である。
反転機によって反転させた導体セグメント20が配置された固定子鉄心10は、固定子鉄心受けに他端側が上方となるようにセットされる。固定子鉄心10の下方は、捻り工程が完了している一端側の導体セグメント20の形状に合わせた冶具で支え、すべての導体セグメント20の他端部の先端を同じ高さに保持する。
固定子鉄心10の外周部がクランパによって固定され、固定子鉄心押さえによって固定子鉄心10の上部を押さえて、固定子鉄心10の上下方向の動きを抑制する。
クランパ及び固定子鉄心押さえにより、固定子鉄心10が固定された後、捻り成形部である円環冶具が下降し、円環冶具に形成された導体セグメント挿入部に導体セグメント20の他端部の先端部分が挿入される。
なお、導体セグメント挿入部には、導体セグメント20の端部で、接合部となる先端部分のみが挿入可能である。また、導体セグメント20の端部には、テーパが形成されており、導体セグメント導入部への挿入を容易とする。
導体セグメント挿入部に導体セグメント20の端部が挿入された捻り成形部である円環冶具は、回転駆動及び下降駆動がなされる。なお、捻り成形は、導体セグメント20の全てに対して同時に行われる。また、捻り成形部の回転は、隣接する円環冶具同士で異なる方向となるように、あらかじめ定めされた角度だけ回転させる。
ステップS007
溶接工程である。
前工程までに捻った部分をレーザ溶接機で溶接により接合する。
導体セグメント20同士の接合工程について述べる。なお、この方法は複数個の導体セグメント20を用いて、回転コイルを形成するために、異なる導体セグメント20の端部同士を接合するものであり、導体セグメント20の形状及び巻線方法等によって異なる方法を用いる場合もある。
ここでの接合工程は2つの工程に分けて説明する。
第一の工程は、端部位置揃え工程である。
接合対象である2つの導体セグメント20が、導体セグメント20の隣り合う端部の側面同士が接するように保持される。導体セグメント20の端部位置揃え工程では、両端の捻りが完了した固定子9をセットし、円錐状のテーパーピンを用いてスロット11内の導体セグメント20を周方向に移動させることにより導体セグメント20の端部を保持する。なお、接合対象の導体セグメント20は、先端部分からあらかじめ定められた領域の絶縁被覆が除去されている。
第二の工程は、あらかじめ定められた角度に傾斜した傾斜角度で、2つの隣接した端部にレーザ光を照射して、導体セグメント20の端部同士を溶接接合するレーザ光照射工程である。ここでは、2つの隣り合う端部の一方を狙ってレーザ光を照射し、その後に、レーザ光をもう片方に移動させる。
このレーザ光照射により、まず2つの隣り合う端部のうち、レーザ光が照射された一方の一部が溶融する。2つの隣り合う端部の間隙は微細であるため、一方の端面の溶融した導体が、他方の端部との間隙を埋めた後、レーザ光を動かす。これにより、レーザ光が照射された一方の端部から、他方の端部にレーザ光が移り、他方の隣り合う端部も溶融する。これにより、導体セグメント20の端部同士を溶接することができる。
ステップS008
ステップS005で混ぜたリードタイプ導体セグメントの配線及び結線工程である。
導体セグメント20の端子間の溶接後、リード導体セグメントとの端部を、固定子9からの出力線と、Y結線の中性点又はデルタ結線の相間接続点の所定の位置に配置されるよう成形を行い、複数のリードタイプ導体セグメントを溶接等により接続することで導体セグメント集合体を構成する。
ステップS009
中性点接合工程である。
ステップS008のリード導体セグメント成形工程で中性点として接合できるように成形されたリードタイプ導体セグメントの端部をレーザー溶接機を用いて接合する。
ステップS010
粉体塗装工程である。
溶接部分の絶縁処理のため、粉体塗装を実施する。
前ステップにおいて溶接した導体セグメント20の端部は導体が露出しており、この工程において、絶縁部材による絶縁処理を併せて行う。
ステップS011
導体セグメント20への含浸材塗布工程である。
導体セグメント20の耐振動性向上、スロット11内の導体セグメント20の放熱性改善、導体セグメント20間の絶縁性向上のために含浸材73を塗布する。
この工程も本願の重要な工程であるので、製造工程フローとは別に、図9等を用いて詳細に説明する。
<ステップS001導体セグメント製造工程>
本願の重要な工程である、ステップS001の導体セグメント製造工程について説明する。
本工程は、導体セグメント20に用いる銅製の導電材50に、形状、太さ等の加工を行うもので、導体セグメント20に用いる断面丸形状の導電材50を、プレスにより角Rを有する平角状又は角が直角の平角状とし、同時に、太さにも変化を与えるものである。さらに、絶縁被覆の剥離及び切断加工等も同一工程で行う。
図5は、導体セグメント20の加工に用いる導体セグメント製造装置101の構成図である。また、図6は、この導体セグメント製造装置101に供給される銅製の導電材50の断面形状を示しており、図に示すように、断面丸形状で、外側に絶縁被覆52、内側に導電部51を備えている。
導体セグメント用の導電材50は、図5の左側から供給され、まず、導体セグメント製造装置101の矯正部53において、導電材50をまっすぐに伸ばし、加工に適した形状とする。
次に、平角成形部54において、丸形状の導電材50は平角状に加工される。
図7に平角成形部54の概略図を示す。供給された導電材50は、紙面の奥側から手前側に向けて送られており、送り経路に対して、矢印58で示したように、上下方向、左右方向から圧力が印加され、丸形状の導電材50を平角状とする。
図7では、角Rを有する平角状とした例で示しているが、角部は直角としても同様の効果を得ることができる。
平角状となった導電材50は、導電材送り部55を経て、被覆剥離部56へ送られ、個々の導体セグメント20に切り出された場合に双方の末端部となる位置の絶縁被覆を剥離する。
最後に導電材切断部57において、決められた切断位置で切断し、導体セグメント製造工程を終了する。
図8に、ステップS001の導体セグメント製造工程を経て製造した導体セグメント20を示している。図8では、図5に示した導体セグメント製造装置101で加工した時の導体セグメント20の配置を、側面から観察した状態を示している。
図8に示すように、本実施の形態で得た導体セグメント20は、両端で厚みが大きく、その結果、両端の断面積が大きく、中央部の断面積が小さくなっている。導体セグメント20の長さは、導体セグメント20のコイルエンド部13、14と固定子鉄心10の長さを合わせた長さとしている。
導体セグメント20の加工において、導電材50を押圧して導体セグメント20を成形する場合、細く加工する部分では、余剰となった銅材を金型から外側へ押し出すことが必要である。
仮に、図8に示した、中央部分が細くなった導体セグメント20の全体を1回の金型の使用で成形する場合、中央部分が細くなった金型を用いた。しかし、余剰の銅材を中央部分から金型の外側まで完全に押し出すことは困難であり、中央部分が設計値と比較して膨らんだ形状となり、良好な導体セグメント20を形成することができない場合がある。
そこで、図9に示すように、平角成形部54で成形を行い、導電材50を送り方向28の方向へ移動させて加工を行う場合に、左右に並んだ2つの導体セグメント20のうち、右側に位置する導体セグメント20の左半分と、左側に位置する導体セグメント20の右半分とを一つの金型26で一体として成形する。
この時、導体セグメント20の細く加工する部分は、金型26の両方の端部とすることができ、加工による余剰の銅材をスムーズに金型26の外側へ移動させることができる。以上のように加工し、最後に切断部27で切断することで良好な導体セグメント20を得ることができる。
ただし、図9に示した導体セグメント20の加工において、余剰の銅材の動きに起因する加工模様25が形成される。加工模様25は、他の部分と比較して強度及び信頼性が低くなる場合があるため、導体セグメント20として用いる場合、固定子鉄心10のスロット11内に加工模様25が配置されるようにすることで、良好な特性を得ることができる。
<ステップS011含浸材塗布工程>
次に図10を用いて、ステップS011の含浸材塗布工程を詳細に説明する。
図10は車両用交流発電機100の固定子9の断面模式図を示しており、固定子鉄心10のスロット11内に挿入された複数の導体セグメント20の配列状態がわかるように、スロット11部分を径方向に切断した断面を示している。
固定子鉄心10のスロット11内には、インシュレータ21が配置され、その中に複数の導体セグメント20が径方向に重なって配置されている。
本実施の形態においては、導体セグメント20は、中央で断面積が小さくなるように加工されており、スロット11内に配置した状態で、導体セグメント20の右側の端部から中央にかけて、断面積が小さくなる第一の傾斜部63と、左の端部から中央にかけて断面積が小さくなる第二の傾斜部64を備えている。
導体セグメント20は、固定子鉄心10のスロット11部分から軸方向へ突出し、破線で各々囲んで示したコイルエンド部13、14を形成している。このコイルエンド部13、14に、固定子鉄心10の両端面から外側に配置した2つのノズル70の含浸材吐出口71から含浸材73を滴下する。
実際の塗布工程においては、スロット11に複数の導体セグメント20を挿入した円筒状の固定子鉄心10を、その軸を中心として周方向に回転させながら、コイルエンド部13、14に含浸材73を連続して滴下することができる。
スロット11に挿入され、固定子鉄心10の径方向に重なって配置された複数の導体セグメント20は、上記のようにスロット11の両端から中心に向かって、第一の傾斜部63と第二の傾斜部64とを有し、中央部で断面積が小さくなるため、それぞれのコイルエンド部13、14に滴下された含浸材73は、浸透方向を示す矢印72の方向へ効率よくスロット11内の全体に浸透し、紙製のインシュレータに浸透する。その結果、少量の含浸材73により導体セグメント20全体に含浸材73を浸透させることができ、確実に導体セグメント20と固定子鉄心10とを固定することができる。
また、本実施の形態においては、スロット11内にインシュレータ21を配置し、導体セグメント20を覆っているので、固定子鉄心10を、その軸を中心として回転させながら含浸材73を滴下した場合でも、インシュレータ21は紙製で、浸透はするものの、周囲に含浸材73がこぼれることがなく、固定子鉄心10の周囲に含浸材73が付着することを防止することができる。
以上のように、スロット11内の導体セグメント20相互間に含浸材73を浸透させたことによって、導体セグメント20間の絶縁性を高め、共振振動を抑制することができる。さらに、導体セグメント20から固定子鉄心10への熱伝導性も向上し、導体セグメント20での温度上昇を低減することもできる。
実施の形態2.
本実施の形態の回転電機の固定子9は、実施の形態1と比較して、導体セグメント20の製造工程、捻り工程、接合工程等は基本的に同じであるが、導体セグメント20を固定子鉄心10のスロット11に配置した場合に、傾斜部の配置が異なっている。
図11は車両用交流発電機100の固定子9の一部の断面模式図を示しており、円筒状の固定子9を、その軸を垂直方向へ向けて配置し、径方向にスロット11部分を切断した時の断面の状態を示している。固定子鉄心10のスロット11内には、インシュレータ21が配置され、その中に複数の導体セグメント20が、径方向に重なって配置されている。
本実施の形態で用いる導体セグメント20は、実施の形態1とは傾斜部の配置が異なり、本実施の形態の導体セグメント20では、中央での断面積が両端部の断面積より大きく加工されている。スロット内に配置した状態では、スロット11の上側の一端部から中央にかけて、断面積が大きくなる第三の傾斜部65と、下側の他端部から中央にかけて、断面積が大きくなる第四の傾斜部66を備えている。
導体セグメント20は、固定子鉄心10のスロット11部分から軸方向に突出し、破線で囲んだコイルエンド部13、14を形成している点では、実施の形態1と同様である。本実施の形態では、このコイルエンド部13の上部に、図10に示したように、ノズル70を設置し、含浸材吐出口71から含浸材73を滴下する。
スロット11に挿入され、径方向に重なって配置された複数の導体セグメント20は、両端部から中心に向かって断面積が大きくなる、第三の傾斜部65と、第四の傾斜部66とを有するため、滴下した含浸材73は、矢印72で示した方向に効率よくスロット11内に浸透し、少量の滴下で導体セグメント20全体に含浸材73を浸透させることができる。
また、中央部分に導体セグメント20の断面積が大きい部分を有するため、中央部分で含浸材73を保持することができ、含浸材73が下へ流れる量を抑制することができるため、含浸材73が反対方向へ漏れることを防止することができる。
以上のように、スロット11内の導体セグメント20相互間に含浸材73を浸透させたことによって、導体セグメント20間の絶縁性を高め、共振振動を防止することができ、導体セグメント20から固定子鉄心10への熱伝導性も向上し、導体セグメント20での温度上昇を低減することもできる。
実施の形態3.
本実施の形態の回転電機の固定子9は、実施の形態1及び実施の形態2と比較して、導体セグメント20の製造工程、捻り工程、接合工程等は基本的に同じであるが、導体セグメント20を固定子鉄心10のスロット11に配置した場合に、傾斜部の形態が異なっている。
図12は車両用交流発電機100の固定子9の断面模式図を示しており、図11と同様に、円筒状の固定子9を、その軸を垂直方向へ向けて配置し、径方向にスロット11部分を切断した時の断面の状態を示している。固定子鉄心10のスロット11内には、インシュレータ21が配置され、その中に複数の導体セグメント20が、径方向に重なって配置されている。
本実施の形態で用いる導体セグメント20は、実施の形態1及び実施の形態2とは異なり、スロット11の上側の一端部から、下側の他端部に向けて断面積が大きくなる第五の傾斜部67を備えている。
導体セグメント20は、固定子鉄心10のスロット11部分から軸方向に突出し、コイルエンド部13、14を形成している。このコイルエンド部13の上部に、図12に示したように、ノズル70を設置し、含浸材吐出口71から含浸材73を滴下する。
スロット11に挿入され、径方向に重なって配置された導体セグメント20は、上側の一端部から下側の他端部に向かって断面積が大きくなる第五の傾斜部67を有するため、滴下した含浸材73は、矢印72で示した方向に効率よくスロット11内に浸透し、少量の滴下で導体セグメント20全体に含浸材73を浸透させることができる。
また、下側に、導体セグメント20の断面積が大きな部分を有するため、含浸材73を保持することができ、含浸材73の漏れを防止することができる。
以上のように、スロット11内の導体セグメント20相互間に含浸材73を浸透させたことによって、導体セグメント20間の絶縁性を高め、共振振動を防止することができ、導体セグメント20から固定子鉄心10への熱伝導性も向上し、導体セグメント20での温度上昇を低減することもできる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つまたは複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 フロントブラケット、2 リアブラケット、3 ケース、4 回転シャフト、5 回転子、6 ポールコア、7 ポールコア、8 回転子コイル、9 固定子、10 固定子鉄心、11 スロット、13 コイルエンド部、14 コイルエンド部、20 導体セグメント、21 インシュレータ、25 加工模様、26 金型、27 切断部、28 送り方向、50 導電材、51 導電部、52 絶縁被覆、53 矯正部、54 平角成形部、55 導電材送り部、56 被覆剥離部、57 導電材切断部、58 矢印、63 第一の傾斜部、64 第二の傾斜部、65 第三の傾斜部、66 第四の傾斜部、67 第五の傾斜部、70 ノズル、71 含浸材吐出口、72 矢印、73 含浸材、100 車両用交流発電機、101 導体セグメント製造装置。

Claims (11)

  1. 周方向に配列された複数のスロットを有する円筒状の固定子鉄心と、
    前記スロットに挿入され、前記固定子鉄心の両端面から前記固定子鉄心の軸方向に延びる突出部を有し、前記固定子鉄心の径方向に配列された複数の導体セグメントと、を備え、
    前記導体セグメントの前記突出部に塗布された含浸材により、前記スロットに挿入された前記複数の導体セグメントが固定されている回転電機の固定子であって、
    前記導体セグメントは、
    前記固定子鉄心の一端側から他端側へ向かうにつれて連続的に断面積が変化する傾斜部を有することを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記導体セグメントは、
    前記固定子鉄心の一端側から中央部へ向かうにつれて連続的に断面積が減少する第一の傾斜部と、
    前記固定子鉄心の他端側から中央部へ向かうにつれて連続的に断面積が減少する第二の傾斜部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記導体セグメントの前記第一の傾斜部と前記第二の傾斜部との間に、前記導体セグメントの成形に起因する加工模様を有することを特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記第一の傾斜部と前記第二の傾斜部の断面積の減少は、前記固定子鉄心の径方向についての前記導体セグメントの大きさの減少であることを特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記導体セグメントは、
    前記固定子鉄心の一端側から中央部へ向かうにつれて連続的に断面積が増加する第三の傾斜部と、
    前記固定子鉄心の他端側から中央部へ向かうにつれて連続的に断面積が増加する第四の傾斜部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  6. 前記第三の傾斜部と前記第四の傾斜部の断面積の増加は、前記固定子鉄心の径方向についての前記導体セグメントの大きさの増加であることを特徴とする請求項5に記載の回転電機の固定子。
  7. 前記導体セグメントは、
    前記固定子鉄心の一端側から他端側へ向かうにつれて連続的に断面積が増加する第五の傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  8. 前記第五の傾斜部の断面積の増加は、前記固定子鉄心の径方向についての前記導体セグメントの大きさの増加であることを特徴とする請求項7に記載の回転電機の固定子。
  9. 前記導体セグメントの断面形状が矩形状であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  10. 前記導体セグメントと前記スロットとの間に、インシュレータを備えたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の回転電機の固定子と、
    回転シャフトに回転自在に取り付けられ、前記固定子の内径側に配設された回転子と、を備えたことを特徴とする回転電機。
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