JP6743372B2 - 光広角照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、計測用の光を広角度で照射するための光広角照射装置に関する。
近年、半導体レーザ等のコヒーレント性を有する光を出射する光源を使用した種々の計測装置、監視装置が開発されている。例えば、静脈認証や、自動車の前方監視、位置検出用として、赤外レーザ光を所望の角度に拡散させて前方、あるいは、周囲に照射することが行われている。
コヒーレント性を有するレーザ光を広角度に拡散させる方法としては、例えば、回折光学素子(DOE(Diffractive Optical Element))としてホログラフィック拡散板を使用して拡散する方法(特許文献1等)、レーザ光源の操作と反射光学系を組み合わせて拡散する方法(特許文献2等)が提案されている。
特開2010−39137号公報 特開2010−151958号公報
しかし、回折光学素子では、回折角が約30°において回折効率の落ち込みが存在し、±30°を超える広角度の拡散では、高効率で均一な拡散光が得られないという問題があった。
また、反射光学系を使用して拡散する方法では、光軸合わせが必要であり、機構が複雑となって装置コストが高いものとなり、また、小型化に限界があるという問題があった。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、光源から照射された光を均一に広角度で照射可能であり、かつ、光の利用効率が高く、構造が簡易である光広角照射装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、光源と、前記光源から出射された光を受光するマイクロレンズアレイを備え、前記マイクロレンズアレイは一平面に配列している複数の凸形状のシリンドリカルレンズを有し、前記複数のシリンドリカルレンズは、当該シリンドリカルレンズの軸方向を同一とし並行して配列されており、前記シリンドリカルレンズの前記軸方向に垂直な断面の外郭線は、二次曲線であり、前記マイクロレンズアレイは、焦点距離が異なる2種以上の前記シリンドリカルレンズで構成され、前記シリンドリカルレンズの軸方向に沿って並ぶ複数の区画を有し、隣接する区画では、2種以上の前記シリンドリカルレンズの配列が異なるような構成とした。
本発明の他の態様として、2種以上の前記シリンドリカルレンズの配列には規則性が存在するような構成とした。
本発明の他の態様として、2種以上の前記シリンドリカルレンズの配列には規則性が存在しないような構成とした。
本発明の他の態様として、前記光源と前記マイクロレンズアレイとの間に回折光学素子が位置するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記光源と前記マイクロレンズアレイとの間にランダム位相板が位置するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記回折光学素子と前記マイクロレンズアレイとの間にランダム位相板が位置するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記マイクロレンズアレイを介して前記光源と反対側に拡散シートが位置するような構成とした。
本発明は、光源から照射された光を均一に広角度で、例えば、±70°の角度範囲で照射可能であり、また、光源から照射された光の利用効率が高く、更に、構造が簡易であるため、小型化が可能であるとともに、製造コストの点でも有利である。
図1は、本発明の光広角照射装置の一実施形態を示す構成図である。 図2は、本発明の光広角照射装置を構成するマイクロレンズアレイの一例を示す平面図である。 図3は、図2に示されるマイクロレンズアレイの部分拡大斜視図である。 図4は、図2におけるI−I線でのレンズ要素の断面図である。 図5は、マイクロレンズアレイの他の例を示す平面図である。 図6は、図5におけるII−II線でのレンズ要素の断面図である。 図7は、マイクロレンズアレイの他の例を示す図6相当のレンズ要素の断面図である 図8は、マイクロレンズアレイの他の例を示す平面図である。 図9は、マイクロレンズアレイの他の例を示す平面図である。 図10は、マイクロレンズアレイの他の例を示す平面図である。 図11は、図10におけるIII−III線での断面図である。 図12は、本発明の光広角照射装置の他の実施形態を示す構成図である。 図13は、本発明の光広角照射装置の他の実施形態を示す構成図である。 図14は、本発明の光広角照射装置の他の実施形態を示す構成図である。 図15は、実施例における試料3−1のマイクロレンズアレイを構成するシリンドリカルレンズの断面の外郭線を示す図である。 図16は、実施例における試料4−1のマイクロレンズアレイを構成するシリンドリカルレンズの断面の外郭線を示す図である。 図17は、実施例における試料5−1のマイクロレンズアレイを構成するシリンドリカルレンズの断面の外郭線を示す図である。 図18は、実施例における試料6−1のマイクロレンズアレイを構成するシリンドリカルレンズの断面の外郭線を示す図である。 図19は、実施例における光広角照射装置と、光強度分布の測定位置を説明するための図である。 図20は、実施例における試料1のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図21は、実施例における試料2のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図22は、実施例における試料3−1のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図23は、実施例における試料3−2のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図24は、実施例における試料4−1のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図25は、実施例における試料4−2のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図26は、実施例における試料5−1のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図27は、実施例における試料5−2のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図28は、実施例における試料6−1のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図29は、実施例における試料6−2のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図30は、実施例における比較試料の単レンズを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を示す図である。 図31は、マイクロレンズアレイを用いた光広角照射装置における光の利用効率の算出を説明するための図である。 図32は、実施例における試料3−1のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を平面で示す図である。 図33は、実施例における試料5−1のマイクロレンズアレイを備える光広角照射装置において、シミュレーションにより求めた光強度分布を平面で示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
図1は、本発明の光広角照射装置の一実施形態を示す構成図である。図1において、本発明の光広角照射装置11は、光源12と、この光源から出射された光を受光するマイクロレンズアレイ14とを備えている。
光源12は、半導体レーザ等のコヒーレント性を有する光を出射する光源、例えば、赤外レーザ光や可視領域のレーザ光を発生する半導体レーザ等であってよく、光広角照射装置の使用目的に応じて適宜決定することができる。
また、マイクロレンズアレイ14は、光の屈折現象を利用して光の進行方向を変える光学素子であり、光源12から出射された光との光軸合わせが不要であり、入射した光を広角に拡散させることができる。例えば、図1に示されるθを70°程度とすることができる。
図2は、光広角照射装置11を構成するマイクロレンズアレイ14の一例を示す平面図であり、図3は、図2に示されるマイクロレンズアレイ14の部分拡大斜視図である。マイクロレンズアレイ14は一平面を構成している基部15上に複数のレンズ要素16が配列している。図示例では、レンズ要素16は、凸形状のシリンドリカルレンズであり、このようなレンズ要素16がシリンドリカルレンズの軸方向Yを同一とし並行して基部15上に配列している。ここで、凸形状のシリンドリカルレンズとは、一方向(X軸方向)に屈折力をもって入射光を発散させ、この方向に直交する他の方向(Y軸方向)では屈折力をもたないレンズである。したがって、一方向(X軸方向)に沿ったレンズ断面の外郭線は後述するように曲率をもって変化するが、この方向と直交する他の方向(Y軸方向)に沿ったレンズ断面の外郭線は直線となっている。
図4は、レンズ要素16の軸方向Yに垂直な断面(図2におけるI−I線断面であり、X軸方向に沿った断面)を示しており、レンズ要素16の断面形状の外郭線16aは、二次曲線であり、この例では外郭線16aは放物線である。レンズ要素16の断面形状の外郭線16aがとりえる放物線以外の二次曲線としては、楕円の一部、半円、円弧等の円の一部等を挙げることができる。このレンズ要素16の断面形状の外郭線16aとしては二次曲線以外の曲線でもよく、例えば、円弧の周辺部分を円に接する直線で置き換えた形状を挙げることができる。図4に示される例では、レンズ要素16の断面形状の外郭線16aは、放物線 Z= - 0.3X2 + 7.5 を0.5倍(X軸方向、Z軸方向で等倍)した放物線である。このようなレンズ要素16の断面形状におけるZ軸方向の高さHは0.9〜7.5μmの範囲で、X軸方向の幅Wは1.2〜10.0μmの範囲で、所望の焦点距離fとなるように適宜設定することができる。
このようなマイクロレンズアレイ14を構成する基部15、複数のレンズ要素16の材質は、ガラス、樹脂等であってよく、屈折率は、例えば、1.4〜1.8の範囲で適宜設定することができる。
上記の図2〜図4に示される例では、マイクロレンズアレイ14を構成する複数のレンズ要素16であるシリンドリカルレンズの焦点距離fが同一であるが、本発明では、マイクロレンズアレイ14は、焦点距離fが異なる2種以上のレンズ要素16で構成されるものであってもよい。図5は、このようなマイクロレンズアレイ14の例を示す平面図であり、図6は、図5に示されるマイクロレンズアレイ14のレンズ要素16の軸方向Yに垂直な断面(図5におけるII−II線断面であり、X軸方向に沿った断面)を示している。図5、図6に示される例では、レンズ要素16は、断面形状の外郭線16aが基本となる放物線の縮小倍率を変えた3種の放物線である3種のレンズ要素16A,16B,16Cを有している。そして、図5に示す例では、3種のレンズ要素16A,16B,16Cの配列は、X軸方向に沿って16A→16B→16Cの繰り返し単位からなっている。
この例では、基本となる放物線がZ= - 0.3X2 + 7.5 であり、レンズ要素16Aの断面形状の外郭線16aは、基本となる放物線を0.5倍(X軸方向、Z軸方向で等倍)したものであり、レンズ要素16Bの断面形状の外郭線16aは、基本となる放物線を0.4倍(X軸方向、Z軸方向で等倍)したものであり、レンズ要素16Cの断面形状の外郭線16aは、基本となる放物線を0.3倍(X軸方向、Z軸方向で等倍)したものである。したがって、3種のレンズ要素16A,16B,16Cの断面形状は相似形となっている。図6では、便宜的にレンズ要素16Aの断面形状の外郭線16aを示す放物線をXZ座標軸で示している。
図6に示される例では、3種のレンズ要素16A,16B,16Cにおける断面形状の外郭線16aは、基本となる放物線をX軸方向、Z軸方向で等倍に縮小したものとなっているが、X軸方向、Z軸方向で縮小拡大の倍率が異なるものであってもよい。図7は、このような例を示す図6相当のレンズ要素16の軸方向Yに垂直な断面図である。図7に示される例では、レンズ要素16Aの断面形状の外郭線16aは、基本となる放物線(Z= - 0.3X2 + 7.5)をX軸方向、Z軸方向で0.5倍したものであり、レンズ要素16Bの断面形状の外郭線16aは、基本となる放物線をX軸方向で0.5倍、Z軸方向で0.4倍したものであり、レンズ要素16Cの断面形状の外郭線16aは、基本となる放物線をX軸方向で0.5倍、Z軸方向で0.3倍したものである。図7では、便宜的にレンズ要素16Aの断面形状の外郭線16aを示す放物線をXZ座標軸で示している。
このように、マイクロレンズアレイ14が、焦点距離fの異なる2種以上のレンズ要素16で構成される場合、レンズ要素16の種類の数は特に制限がない。また、2種以上のレンズ要素の配列は、規則性が存在するもの、規則性が存在しないもの、いずれであってもよい。複数種のレンズ要素16の設計では、光源12から照射される光の波長域を考慮してレンズ要素16の幅Wの変化の程度を決定することができる。
例えば、レンズ要素の幅Wは、レンズとして機能するためには、使用する光源の波長λ以上の幅が必要であり、光源の波長が1μmであればレンズ要素の幅Wは1μm以上となる。一方、マイクロレンズアレイとして機能するには光源の幅(例えば半導体レーザのビーム径)に対しレンズ要素が少なくとも10個以上含まれる必要があり、ビーム径が1mmであればレンズ要素の幅Wは100μm以下となる。すなわちレンズ要素の幅Wの値は1μm〜100μmの範囲であれば使用可能ある。一方、1つのマイクロレンズアレイに含まれるレンズ要素の焦点距離fの変化の程度は、光の強度分布を均一にするために焦点距離fに変化を与えるという目的を考慮すると、10倍以内が適当である。
上記の光広角照射装置11では、マイクロレンズアレイ14の基部15側が光源12側に位置しているが、レンズ要素16が光源12方向を向くようにマイクロレンズアレイ14が配設されたものであってもよい。
上記のように、マイクロレンズアレイ14が焦点距離fの異なる2種以上のレンズ要素16で構成される場合、マイクロレンズアレイ14の透過光における干渉縞の発生が抑制さ、照射光の強度の均一性がより優れたものとなるとともに、広角拡散、例えば、±70°の広角拡散が可能となる。
尚、レンズ要素の焦点距離fは、レンズ要素16の断面形状の外郭線16aのレンズの中心部での曲率半径をrとし、レンズの材質の屈折率をnとすれば、f=r/(n−1)で求まる。たとえばレンズ要素16の断面形状の外郭線16aを0.5倍(X軸方向、Z軸方向で等倍)とすると、曲率半径rも0.5倍となり、レンズ要素16の焦点距離fも0.5倍となる。すなわち、レンズの形状を変更したレンズ要素16を並べることは、焦点距離fの異なる複数のレンズ要素16を並べてマイクロレンズアレイ14を構成することと言える。
上述の例において、レンズ要素16の断面形状の外郭線16aを放物線として説明したが、例えば、外郭線16aを円の一部、楕円の一部、円弧の周辺部分(すなわちレンズの周辺部分)を円に接する直線で置き換えた形状としても同様の効果が得られる。
ここで、レンズ要素の2次曲線以外の形状の可能性について補足する。本発明のレンズ要素は集光を目的としており、結像を目的としたレンズ要素のように収差を考慮する必要がなく、このため種々の異なる設計が可能となる。例えば、断面形状の外郭線が放物線のレンズ要素と同等の集光性能を有する形状として、レンズ要素の中心付近は、放物線と同じ焦点距離を有する円形の一部を用い、レンズ要素の周辺部は、放物線のレンズ周辺部における傾きと平均的に同等の傾きを有する直線を、上記の放物線と同じ焦点距離を有する円形の接線方向となるように配置した断面形状を有するレンズ要素が設計可能である。このような円形と直線を組み合わせた断面形状を有するレンズ要素は、半円形のみで断面形状を構成したレンズ要素より断面の外郭線が放物線のレンズ要素に近い集光特性を示し、広角照射特性を向上できると考えられる。
また、マイクロレンズアレイ14が焦点距離の異なる2種以上のレンズ要素16で構成される場合、マイクロレンズアレイ14は、レンズ要素16の軸方向Yに沿って複数の区画を有し、隣接する区画では、2種以上のレンズ要素16の配列が異なるものであってもよい。図8および図9に示す例では、マイクロレンズアレイ14がレンズ要素16の軸方向Yに沿って隣接するレンズ要素の配列が異なる2つの区画14A、14Bを有している。図示例では、隣接する区画14Aと区画14Bの境界を鎖線で示している。図8に示す例では、上記の図6に示される3種のレンズ要素16A,16B,16CのX軸方向の配列が、区画14Aと区画14Bで逆になっている。つまり、区画14Bにおける3種のレンズ要素16A,16B,16Cの繰り返し配列は、区画14Aにおける3種のレンズ要素16A,16B,16Cの繰り返し配列を180°回転させたものとなっている。また、図9に示す例では、区画14Aにおける3種のレンズ要素16A,16B,16Cが、X軸方向に沿って16A→16B→16Cの繰り返しとなっており、区画14Bにおいては、X軸方向に沿って16A→16B→16C→16C→16B→16Aの繰り返しとなっている。このように、マイクロレンズアレイ14がレンズ要素16の軸方向Yに沿って複数の区画を有し、隣接する区画では、2種以上のレンズ要素16の配列が異なることにより、各区画で広角拡散された光の平均化が進み、マイクロレンズアレイ14で広角拡散された光の均一性がより優れたものとなる。
図10は、光広角照射装置11を構成するマイクロレンズアレイ14の他の例を示す平面図であり、図11は、図10に示されるマイクロレンズアレイ14のIII−III線における断面図である。図10、図11に示されるマイクロレンズアレイ14は、一平面を構成している基部15上に複数のレンズ要素16′が配列している。このマイクロレンズアレイ14を構成するレンズ要素16′は、平面視形状が矩形であり、この平面視形状の中央部あるいは中央部近傍において厚みが最も大きい凸レンズである。図示例では、このような複数のレンズ要素16′が隙間なくマトリックス状に配列している。このようなマイクロレンズアレイ14を構成する基部15、レンズ要素16′の材質は、ガラス、樹脂等であってよく、屈折率は、例えば、1.4〜1.8の範囲で適宜設定することができる。レンズ要素16′は、光源12から照射される光の波長域を考慮して凸レンズの表面形状、高さh、幅w、凸レンズの最大厚みの位置、焦点距離等を決定するができる。例えば、レンズ要素16′の高さhは0.9〜7.5μmの範囲で、幅wは1.2〜10.0μmの範囲で、所望の焦点距離となるように適宜設定することができる。また、広角拡散された光の均一性がより優れたものとなるように、マイクロレンズアレイ14におけるレンズ要素16′の配設位置に応じて、凸レンズの最大厚みの位置を、レンズ要素16′の平面視形状の中央部から外れて周縁部に近い箇所に設定することができる。
上記のようなマイクロレンズアレイ14は、例えば、特開2007−155927号公報に例示された回折光学素子の製造方法を適用して製造することができる。この回折光学素子の製造方法によれば、石英ガラス基板(加工用基板)の一面上に感光性レジスト層を設け、露光する際の透過光量を露光装置の解像度より微細なドットパターンの分布状態(密度)により制御するマスクを用いて、感光性レジストを露光現像する。このようなマスクを用いて露光現像することで、感光性レジストはマスクの微細なドットパターンの分布状態に対応した凹凸パターンの膜厚を有するレジスト層となる。このように形成したレジスト層の凹凸パターンは、異方性のドライエッチングにより石英ガラス基板の表面に凹凸パターンとして転写される。すなわち、微細なドットパターンの分布状態に対応した凹凸パターンの膜厚を有するレジスト層が積層された石英ガラス基板を、レジスト層の表面から異方性のドライエッチング(例えば反応性イオンエッチング)で加工することにより、レジスト層の膜厚の薄い部分の石英ガラス基板は深くエッチングされ、レジスト層の膜厚が厚い部分の石英ガラス基板は浅くエッチングされる。これにより、レジスト層の凹凸パターンが石英ガラス基板の表面の凹凸パターンとして転写され、所望の形状を有するマイクロレンズアレイが得られる。
本発明の光広角照射装置11は、図12に示すように、光源12とマイクロレンズアレイ14との間に回折光学素子17を備えるものであってもよい。回折光学素子17は、光の回折現象を利用して光の進行方向を変える光学素子であり、光源12から出射された光との光軸合わせが不要であり、光源12から出射された光がコヒーレント性を有するレーザ光である場合、レーザ光のスペックル(分布)を弱め、より均一な光とすることができる。この回折光学素子17の出射光による照射面は点集合であるが、この回折光学素子17の出射光はマイクロレンズアレイ14により拡散されるため、均一な分布となる。
このような回折光学素子17としては、例えば、溝の形状を三角形状にして、特定の次数の光の回折効率をあげたブレーズド型の回折光学素子、計算ホログラムにより作製される位相型の体積ホログラム素子等を挙げることができる。回折光学素子17は、回折効率が高い範囲で使用することが好適であり、例えば、拡散角20°以下、好ましくは10°以下で使用することが好適である。尚、回折光学素子17は、図13に示すように、マイクロレンズアレイ14と一体となっていてもよい。
また、本発明の光広角照射装置11は、光源12とマイクロレンズアレイ14との間にランダム位相板18を備えるものであってもよい。ランダム位相板18とともに、回折光学素子17を備える場合には、図14に示すように、ランダム位相板18は、回折光学素子17とマイクロレンズアレイ14との間に配設する。ランダム位相板18は、光源12から出射された光との光軸合わせが不要であり、ランダムに位相を変調することにより強度分布を均一にすることができる。
上述の光広角照射装置の実施形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明の光広角照射装置は、マイクロレンズアレイを介して光源と反対側に拡散シートを備えるものであってもよい。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
光源とマイクロレンズアレイを備えた光広角照射装置において拡散して照射される光の強度分布をシミュレーションにより求めた。シミュレーションは、波動光学に基づく波動解析によるシミュレーションであり、例えば、「導波光学」(共立出版、左貝潤一著)に記載のビーム伝播法(Beam Probagation Method)に基づいて行った。使用した光の波長は1064nmとした。
ここで、マイクロレンズアレイは、構成するレンズ要素が凸形状のシリンドリカルレンズであり、複数のレンズ要素が軸方向を同一とし並行して配列しているものとした。そして、レンズ要素であるシリンドリカルレンズの軸方向に垂直な断面の外郭線を半円、あるいは、放物線とし、下記のような試料1〜試料6−2の10種のマイクロレンズアレイを設定した。
<試料1>
断面の外郭線が半径5μmの半円形であり、同じ断面形状のシリンドリカルレンズ11個を配列してマイクロレンズアレイを構成した。
<試料2>
図4に示されるように、断面の外郭線が、放物線(Z= - 0.4325X2 + 5.0)であり、このシリンドリカルレンズの高さを5.0μm、幅を6.8μmとし、断面形状の外郭線が同じ放物線であるシリンドリカルレンズ11個を配列してマイクロレンズアレイを構成した。
<試料3−1>
断面の外郭線を、半径1μm〜6μmの範囲で1μmステップで相違する6種の半円形とし、この焦点位置が異なる6種のシリンドリカルレンズを、図15に示すように、5μm→6μm→5μm→4μm→3μm→2μm→1μm→2μm→3μm→4μmとなる繰り返しで配列してマイクロレンズアレイを構成した。尚、図15では、Z軸に対してX軸を80%縮尺しているため、外郭線は見かけ上、半円形となっていない。
<試料3−2>
マイクロレンズアレイを、図8に示すように、レンズ要素であるシリンドリカルレンズの軸方向に沿って等分の区画に分割し、一方の区画では、試料3−1と同様に、断面形状の外郭線が相違する6種の半円であるシリンドリカルレンズの配列とし、他方の区画では、隣接する区画における高さ6μmのシリンドリカルレンズの位置に、高さ1μmのシリンドリカルレンズが位置するように、繰り返し単位を半分ずらしてシリンドリカルレンズを配列した。
<試料4−1>
断面の外郭線が放物線であり、この放物線は、基本の放物線 Z= - 0.3X2 + 7.5を、1.2倍、1.0倍、0.8倍、0.6倍、0.4倍、0.2倍(X軸方向、Z軸方向で等倍)した6種の放物線とし、この6種のシリンドリカルレンズの高さを、9μm、7.5μm、6μm、4.5μm、3μm、1.5μmとして、焦点位置が異なるものとした。そして、図16に示すように、シリンドリカルレンズの高さが7.5μm→9μm→7.5μm→6μm→4.5μm→3μm→1.5μm→3μm→4.5μm→6μmとなる繰り返しでシリンドリカルレンズを配列してマイクロレンズアレイを構成した。尚、図16では、Z軸に対してX軸を62%縮尺しているため、外郭線は見かけ上、実際の放物線とは異なっている。
<試料4−2>
マイクロレンズアレイを、図8に示すように、レンズ要素であるシリンドリカルレンズの軸方向に沿って等分の区画に分割し、一方の区画では、試料4−1と同様に、断面形状の外郭線が異なる6種の放物線であるシリンドリカルレンズの配列とし、他方の区画では、隣接する区画における高さ9μmのシリンドリカルレンズの位置に、高さ1.5μmのシリンドリカルレンズが位置するように、繰り返し単位を半分ずらしてシリンドリカルレンズを配列した。
<試料5−1>
断面の外郭線が放物線であり、この放物線は、基本の放物線 Z= - 0.25X2 + 6.25を、1.2倍、1.0倍、0.8倍、0.6倍、0.4倍、0.2倍(X軸方向、Z軸方向で等倍)した6種の放物線とし、この6種のシリンドリカルレンズの高さを、7.5μm、6.25μm、5μm、3.75μm、2.5μm、1.25μmとして、焦点位置が異なるものとした。そして、図17に示すように、シリンドリカルレンズの高さが6.25μm→7.5μm→6.25μm→5μm→3.75μm→2.5μm→1.25μm→2.5μm→3.75μm→5μmとなる繰り返しでシリンドリカルレンズを配列してマイクロレンズアレイを構成した。尚、図17では、Z軸に対してX軸を45%縮尺しているため、外郭線は見かけ上、実際の放物線とは異なっている。
<試料5−2>
マイクロレンズアレイを、図8に示すように、レンズ要素であるシリンドリカルレンズの軸方向に沿って等分の区画に分割し、一方の区画では、試料5−1と同様に、断面形状の外郭線が異なる6種の放物線であるシリンドリカルレンズの配列とし、他方の区画では、隣接する区画における高さ7.5μmのシリンドリカルレンズの位置に、高さ1.25μmのシリンドリカルレンズが位置するように、繰り返し単位を半分ずらしてシリンドリカルレンズを配列した。
<試料6−1>
断面の外郭線が放物線であり、この放物線は、基本の放物線 Z= - 0.35X2 + 8.75を、1.2倍、1.0倍、0.8倍、0.6倍、0.4倍、0.2倍(X軸方向、Z軸方向で等倍)した6種の放物線とし、この6種のシリンドリカルレンズの高さを、10.5μm、8.75μm、7μm、5.25μm、3.5μm、1.75μmとして、焦点位置が異なるものとした。そして、図18に示すように、シリンドリカルレンズの高さが8.75μm→10.5μm→8.75μm→7μm→5.25μm→3.5μm→1.75μm→3.5μm→5.25μm→7μmとなる繰り返しでシリンドリカルレンズを配列してマイクロレンズアレイを構成した。尚、図18では、Z軸に対してX軸を90%縮尺しているため、外郭線は見かけ上、実際の放物線とは異なっている。
<試料6−2>
マイクロレンズアレイを、図8に示すように、レンズ要素であるシリンドリカルレンズの軸方向に沿って等分の区画に分割し、一方の区画では、試料6−1と同様に、断面形状の外郭線が異なる6種の放物線であるシリンドリカルレンズの配列とし、他方の区画では、隣接する区画における高さ10.5μmのシリンドリカルレンズの位置に、高さ1.75μmのシリンドリカルレンズが位置するように、繰り返し単位を半分ずらしてシリンドリカルレンズを配列した。
上記のような試料1〜試料6−2のマイクロレンズアレイを用いた光広角照射装置における拡散照射光の強度分布を求めるシミュレーションでは、図19に示されるように、光源(図示せず)とマイクロレンズアレイ14との間に回折光学素子17を備え、この回折光学素子17における拡散角が±10°、回折光学素子17の回折効率が70%、マイクロレンズアレイ14における拡散角が±70°であるとの条件設定を行った。したがって、光源から出射された光の強度を1としたときに、拡散角±10°でマイクロレンズアレイ14に入射する光の強度は0.7となる。
そして、上記のような試料1、試料2の2種のマイクロレンズアレイを用いた光広角照射装置において、図19(A)に示すように、マイクロレンズアレイからX軸方向に±500μm、Z軸方向に500μm離間した長方形状の領域(図19(A)に鎖線で囲み示している領域)におけるマイクロレンズアレイから照射された光の強度分布をシミュレーションにより求め、図20(A)、図21(A)に平面分布をリニアスケール値で示した。この図20(A)、図21(A)では、白く見える部位が光強度の高い部位となっている。また、図19(A)に示すように、マイクロレンズアレイからX軸方向に±500μmの範囲において、Z軸方向に350μm離間した位置(図19(A)に一点鎖線で示す位置)で、マイクロレンズアレイから照射された光の照射角度に対する光強度分布をシミュレーションにより求め、図20(B)、図21(B)にリニアスケール値で示した。図20(B)、図21(B)において、横軸はマイクロレンズアレイからの距離、縦軸は光強度を示している。
また、上記のような試料3−1〜試料6−2の8種のマイクロレンズアレイを用いた光広角照射装置において、図19(B)に示すように、マイクロレンズアレイからZ軸方向に50μm離間した位置、200μm離間した位置、450μm離間した位置で、マイクロレンズアレイから照射された光の照射角度に対する光強度分布をシミュレーションにより求め、図22〜図29に対数スケール値(log(光強度))で示した。図22〜図29において、横軸は照射角度(度)、縦軸は光強度分布(log(光強度))を示している。
尚、X軸方向において光強度分布を求める範囲は、図19(B)に二点鎖線で示される範囲であり、したがって、マイクロレンズアレイから450μm離間した位置では、照射角度が約±50°の範囲における光強度分布が求められた。また、図20〜図29において、Z=50μm、Z=200μm、Z=450μmは、それぞれマイクロレンズアレイからZ軸方向に50μm離間した位置、200μm離間した位置、450μm離間した位置での光強度分布であることを示している。
また、比較として、マイクロレンズアレイに替えて単レンズ(比較試料)を配設した光広角照射装置において、単レンズからX軸方向に±50μm、Z軸方向に100μm離間した正方形状の領域における単レンズから照射された光の光強度分布をシミュレーションにより求め、図30(A)に平面分布をリニアスケール値で示した。この図30(A)では、白く見える部位が光強度の高い部位となっている。また、単レンズからX軸方向に±50μmの範囲において、Z軸方向に25μm離間した位置で、単レンズから照射された光の照射角度に対する光強度分布をシミュレーションにより求め、図30(B)にリニアスケール値で示した。この場合、単レンズは、一方が平面で他方が凸のレンズであり、凸形状は幅10μm、高さ5μmであり、断面形状は半円であった。
さらに、上記の試料3−1、試料5−1の2種のマイクロレンズアレイを用いた光広角照射装置において、図19(A)に示すように、マイクロレンズアレイからX軸方向に±500μm、Z軸方向に500μm離間した長方形状の領域(図19(A)に鎖線で囲み示している領域)における、マイクロレンズアレイから照射された光の強度分布をシミュレーションにより求め、図32(A)、図33(A)に平面分布をリニアスケール値で示した。また、光強度の詳細が分かるように、マイクロレンズアレイから照射された光の強度分布について、図32(B)、図33(B)に平面分布を対数スケール値(log(光強度))で示した。この図32、図33では、白く見える部位が光強度の高い部位となっている。
ここで、図20〜図33と、試料1〜試料6−2の10種のマイクロレンズアレイ、比較試料の単レンズとの対応は下記の通りとした。
図20 : 試料1
図21 : 試料2
図22、図32 : 試料3−1
図23 : 試料3−2
図24 : 試料4−1
図25 : 試料4−2
図26、図33 : 試料5−1
図27 : 試料5−2
図28 : 試料6−1
図29 : 試料6−2
図30 : 比較試料
図20(B)に示した、各レンズ要素の断面形状の外郭線が半円形であるマイクロレンズアレイの拡散照射光の強度分布を見ると、光強度の積算値が63%を超える光拡散範囲は約±32°であり、図30の半円形の単レンズの光拡散範囲(約±22°)より広い角度であり、広角照射特性が改善されていることがわかる。
一方、図21(B)に示した各レンズ要素の断面形状の外郭線が放物線であるマイクロレンズアレイの拡散照射光の強度分布を見ると、光強度の積算値が63%を超える光拡散範囲は約±39°であり、図20の半円形の断面形状を有するマイクロレンズアレイの光拡散範囲(約±32°)より広い角度であり、広角照射特性がさらに改善されていることがわかる。この光拡散範囲の改善はレンズ要素の断面形状の輪郭線形状を半円形から放物線としたことにより得られた特性である。すなわち、断面形状の外郭線が半円形の場合、レンズ要素の外周付近はレンズの面と光軸の成す角度がほぼ平行となりレンズとして機能しないのに対し、断面形状の外郭線が放物線の場合、レンズ要素の外周付近のレンズの面と光軸の成す角度は比較的自由に選択できるため、レンズ要素の外周付近を光拡散に寄与するように設計できるためと考えられる。
ただし、図21(A)、図21(B)を見ると、拡散照射光の光拡散範囲は広くなったが、干渉縞のような線状の明暗を持った光強度分布のバラツキが顕著に認められる。
また、図22〜図29に示されるように、試料3−1〜試料6−2のマイクロレンズアレイを備える場合、マイクロレンズアレイから照射される光は±70°まで拡散することが確認された。これに対して、図30に示されるように、比較試料の断面形状が半円形である単レンズを用いた場合、0°近傍の光強度が強く、光強度の積算値が63%を超える光拡散範囲は約±22°までで、広角照射にはならないことが確認された。
ここで、本願で用いられるレンズアレイと、光源から射出された光との光軸合わせについて簡単に説明する。まず、比較試料のような単レンズに対し、単レンズと同じ幅の平行光を光源として光軸合わせをする場合について考える。この場合において、単レンズの光軸と光源の光軸の位置が一致した位置から、光源の光軸がレンズの幅に相当する距離だけ位置がズレしたとすると、光源からの光は単レンズに照射されなくなり、光の拡散効果は全てなくなる。次に、試料1に示した11個のレンズ要素からなるレンズアレイに対し、レンズアレイと同じ幅の平行光を光源として光軸合わせをする場合について考える。この場合において、レンズアレイと光軸が一致した位置から光源の光軸が、レンズ要素1つ分の幅に相当する距離だけ位置がズレたとすると、光源からの光はレンズ要素1個に照射されなくなる。しかし、残りの10個のレンズ要素には照射されるので、光の拡散効果は11分の10に低減するが、光源の光軸が位置ズレすることによる影響は、比較試料の単レンズの場合より大幅に軽減される。
次に、図20(B)、図21(B)と、図22〜図29とを対比すると、焦点位置の異なる複数種のシリンドリカルレンズ(レンズ要素)でマイクロレンズアレイが構成されている場合(図22〜図29)、干渉縞のような光強度分布のバラツキが低減することが確認された。また、図32は、試料3−1の拡散照射光の強度分布をシミュレーションにより得た結果を図示しており、図33は試料5−1の拡散照射光の強度分布をシミュレーションにより得た結果を図示している。図32(B)、図33(B)は光強度の詳細が分かるよう光強度を対数で示しているが、光の拡散範囲が±70まで達し、干渉縞のような線状の明暗を持った光強度分布のバラツキが軽減されているのが認められる。この図32、図33と上記の図20(A)、図21(A)との対比からも、焦点位置の異なる複数種のシリンドリカルレンズ(レンズ要素)でマイクロレンズアレイが構成されている場合(図32、図33)、干渉縞のような光強度分布のバラツキが低減されているのが認められた。
さらに、図22、図24、図26、図28と、図23、図25、図27、図29とを対比すると、マイクロレンズアレイを2つの区画に分割し、隣接する区画間で、シリンドリカルレンズの繰り返し単位を半分ずらした場合(図23、図25、図27、図29)、干渉縞のような光強度分布のバラツキが更に低減することが確認された。
次に、上記のような試料3−1〜試料6−2の8種のマイクロレンズアレイを用いた光広角照射装置において、光の利用効率を求めた。すなわち、まず、マイクロレンズアレイからZ軸方向に150μm離間した位置で、マイクロレンズアレイから照射された光の照射角度に対する光強度分布をシミュレーションにより求めた。そして、例えば、図31に示すような光強度分布曲線が得られると、この光強度分布曲線から角度積分での平均値(図31に鎖線で示す)を求め、この平均値より光強度が小さい領域の積分値の割合を利用効率として求め、下記の表1に結果を示した。この利用効率は、光強度分布曲線の上記の平均値を基準とした振幅(即ちバラツキ)の幅が小さいほど大きな値となる指標である。
Figure 0006743372
この表1に示される結果からも、焦点位置の異なる複数種のシリンドリカルレンズ(レンズ要素)でマイクロレンズアレイが構成されている場合(試料3−1〜試料6−2)は、干渉縞のような光強度分布のバラツキが低減すること、マイクロレンズアレイを2つの区画に分割し、隣接する区画間で、シリンドリカルレンズの繰り返し単位を半分ずらした場合(試料4−2、試料5−2、試料6−2)、干渉縞のような光強度分布のバラツキが更に低減することが確認された。
光源からの光を拡散して照射することにより利用する種々の用途において有用である。
11…光広角照射装置
12…光源
14…マイクロレンズアレイ
15…基部
16,16A,16B,16C…レンズ要素
16′…レンズ要素

Claims (7)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光を受光するマイクロレンズアレイ
    を備え、
    前記マイクロレンズアレイは一平面に配列している複数の凸形状のシリンドリカルレンズを有し、
    前記複数のシリンドリカルレンズは、当該シリンドリカルレンズの軸方向を同一とし並行して配列されており、
    前記シリンドリカルレンズの前記軸方向に垂直な断面の外郭線は、二次曲線であり、
    前記マイクロレンズアレイは、焦点距離が異なる2種以上の前記シリンドリカルレンズで構成され、前記シリンドリカルレンズの軸方向に沿って並ぶ複数の区画を有し、隣接する区画では、2種以上の前記シリンドリカルレンズの配列が異なることを特徴とする光広角照射装置。
  2. 2種以上の前記シリンドリカルレンズの配列には規則性が存在することを特徴とする請求項に記載の光広角照射装置。
  3. 2種以上の前記シリンドリカルレンズの配列には規則性が存在しないことを特徴とする請求項に記載の光広角照射装置。
  4. 前記光源と前記マイクロレンズアレイとの間に回折光学素子が位置することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の光広角照射装置。
  5. 前記光源と前記マイクロレンズアレイとの間にランダム位相板が位置することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の光広角照射装置。
  6. 記回折光学素子と前記マイクロレンズアレイとの間にランダム位相板が位置することを特徴とする請求項に記載の光広角照射装置。
  7. 前記マイクロレンズアレイを介して前記光源と反対側に拡散シートが位置することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の光広角照射装置。
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