JP6741621B2 - めっきシステム、およびめっき方法 - Google Patents

めっきシステム、およびめっき方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウェーハなどの基板をめっき槽でめっきするためのめっきシステムおよびめっき方法に関する。特に、本発明は電解めっきシステムおよび電解めっき方法に関する。
電子機器の小型化、高速化、及び低消費電力化の進行に伴い、半導体装置内の配線パターンの微細化が進行しており、この配線パターンの微細化に伴って、配線に用いられる材料は従来のアルミニウム及びアルミニウム合金から銅及び銅合金へと移り変わってきている。銅の抵抗率は、1.67μΩcmとアルミニウム(2.65μΩcm)よりも約37%低い。このため、銅配線は、アルミニウム配線に比べて、電力の消費を抑えることが可能であるのみならず、同等の配線抵抗でもより微細化が可能である。さらに銅配線は、低抵抗化により信号遅延も抑えることができる。
銅のトレンチ内への埋込みは、PVDやCVD等に比べて高速で成膜できる電解めっきで行うのが一般的である。この電解めっきでは、めっき液の存在下で基板とアノードとの間に電圧を印加することによって、基板に予め形成された抵抗の低いシード層(給電層)上に銅膜を堆積させる。シード層は、PVD等によって形成された銅薄膜(銅シード層)からなるのが一般的であるが、配線の微細化に伴い、より薄いシード層が求められている。このため、一般に50nm程度であったシード層の膜厚は、今後10〜20nm以下になることが予想される。
出願人は、アノードとして、複数に分割した分割アノードを使用し、これらの各分割アノードに個別にめっき電源を接続しためっき装置を提案している(特許文献1参照)。このめっき装置によれば、基板に初期めっき膜を形成する一定期間だけ、中央側に位置する分割アノードの電流密度を外周側よりも高め、基板の外周部にめっき電流が集中することを防止して基板の中央側にもめっき電流が流れるようにすることで、シート抵抗が高い場合であっても、均一な膜厚のめっき膜を形成することが可能となる。更に、出願人は、アノードとして、不溶解アノードを使用しためっき技術(特許文献2、3参照)を提案した。この不溶解アノードを保持するアノードホルダーには、アノード室内のめっき液を吸引して排出するめっき液排出部が設けられるとともに、めっき液供給装置から延びるめっき液供給管に接続されためっき液注入部が設けられている。
さらに、近時、半導体を用いた回路システムへの小型化の要求を満たすため、半導体回路がそのチップサイズに近いパッケージに実装されることが出てきた。こうしたパッケージへの実装を実現する方法の一つとして、ウェーハレベルパッケージ(WLP、あるいはWL−CSP)と呼ばれるパッケージ手法が提案されてきている。また、一般にこのウェーハレベルパッケージには、ファン・イン技術(WLCSP(Wafer Level Chip Scale Package)ともいう)とファン・アウト技術がある。ファン・インWLPは、チップサイズと同等な領域において、外部電極(外部端子)を設ける技術である。他方、ファン・アウトWLP(FOWLP、Fan Out Wafer-Level-Packaging)においては、例えば、複数のチップが埋め込まれた絶縁樹脂で形成された基板上において、再配線及び外部電極を形成するなど、チップサイズよりも大きな領域において、外部端子を設ける技術である。こうした、ウェーハ上の再配線及び絶縁層等の形成にあたっては、電解めっき技術が使用されることがあり、上記のファン・アウトWLPにも電解めっき技術を適用することが想定されている。こうした、微細化の要求が高いファン・アウトWLP技術等に電解めっき技術を適用するためには、めっき液の管理等の面で、より高度な技術が要求されることになる。
出願人は、いわゆるボトムアップめっきを行うため、ボトムアップめっきを阻害する電解液成分の生成を防ぎつつウェーハなどの基板にめっきを行う方法を提案した(特許文献4参照)。この方法は、添加剤を含む硫酸銅めっき液に不溶解アノードおよび基板を接触させ、基板と不溶解アノードとの間にめっき電源によって所定のめっき電圧を印加して基板をめっきする技術である。
他方で、上記のように、不溶解性アノードを用いためっき装置では、目的の金属イオンの補充は、粉体状の金属塩を循環槽内に投入するか、または別槽で金属片を溶解させて補充するといった方法を採用することが想定される。ここで、粉体状の金属塩をめっき液中に補充すると、めっき液中に微粒子が増加し、この増加した微粒子がめっき処理後の基板の表面に欠陥を生じさせる原因となることが懸念されることから、出願人は、不溶解アノードを用いためっき装置において、めっき液の各成分の濃度を長時間に亘って一定に保つ技術を提案している(特許文献5)。この技術によれば、めっき液を回収しながら循環させて再使用することで、めっき液の使用量を極力少なく抑えることができる。また、不溶解性アノードを使用することで、アノードの交換を不要となして、アノードの保守・管理を容易とすることができる。さらには、めっき液を循環させて再使用することに伴って変化するめっき液成分の濃度を、めっき液に含まれる成分をめっき液よりも高い濃度で含む補給液をめっき液に補給して一定範囲内に維持することができる。
特開2002−129383号公報 特開2005−213610号公報 特開2008−150631号公報 特開2016−074975号公報 特開2007−051362号公報
不溶解アノードを用いて基板を銅などの金属でめっきすると、めっき液中の金属イオンが減少する。したがって、めっき液供給装置には、めっき液中の金属イオンの濃度を調整することが必要とされる。めっき液に金属を補給する1つの方法として挙げられるのは、金属粉体を直接めっき液に添加することである。しかしながら、この方法には次のような問題がある。
第1に、金属粉体をめっき液に投入するときに、金属粉体が半導体製造工場内に飛散し、クリーンルーム内の汚染を引き起こすことがある。さらには、飛散した金属粉体が作業員の健康を損ねるおそれがある。
第2に、金属粉体の量に基づいて、めっき液中の金属イオンの濃度を制御することは難しい。つまり、金属粉体の量は、金属イオンの濃度とは物理量として異なるため、必ずしにも必要な金属イオンの濃度が得られないことがある。
第3に、金属粉体がめっき液中に十分に溶解されないことがある。通常、めっき液は、基板のめっきプロセスに基づいて定められた温度範囲内に維持される。しかしながら、この温度範囲は、通常、金属を十分に溶解させることができる温度よりも低い。その結果、金属粉体がめっき液中に十分に溶解せず、必要な金属イオンの濃度が得られないことがある。
そこで、本発明は、金属粉体をクリーンルーム内に飛散させることなく、めっき液中の金属イオンを所望の濃度に維持しながら、基板をめっきすることができるめっきシステムおよびめっき方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、基板をめっきするためのめっき槽と、めっき液を内部に保持できるように構成された主タンクと、前記主タンクから前記めっき槽に延びるめっき液供給ラインと、前記めっき液供給ラインを流れるめっき液の温度を所定のめっき温度範囲内に調節する第1温度調節器と、金属を少なくとも含む粉体をめっき液に溶解させて補充めっき液を生成する混合タンクと、前記補充めっき液の温度を前記めっき温度範囲よりも高い温度に調節する第2温度調節器と、前記混合タンクを前記主タンクまたは前記めっき液供給ラインに連結するめっき液補充ラインを備えたことを特徴とするめっきシステムである。
本発明の好ましい態様は、前記第2温度調節器は前記めっき液補充ラインに取り付けられていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記めっき液補充ラインから分岐する混合循環ラインをさらに備え、前記混合循環ラインの端部は前記混合タンクに接続されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記めっき液供給ラインに取り付けられたミキサをさらに備え、前記めっき液補充ラインは前記めっき液供給ラインに接続されており、前記ミキサは、前記めっき液補充ラインの下流に位置していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記めっき液供給ラインに取り付けられた第1流量コントローラと、前記めっき液補充ラインに取り付けられた第2流量コントローラをさらに備え、前記第1流量コントローラおよび前記第2流量コントローラは前記ミキサの上流に位置していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1温度調節器は、前記ミキサの下流に位置していることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記混合タンクと前記主タンクとの間に配置された補充タンクをさらに備え、前記めっき液補充ラインは、前記混合タンクを前記補充タンクに連結する第1補充ラインと、前記補充タンクを前記主タンクに連結する第2補充ラインを備えることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記混合タンク内に前記粉体を供給する金属粉体供給ユニットをさらに備えたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記金属粉体供給ユニットは、前記混合タンクに接続された粉体移送管と、前記粉体移送管に取り付けられたエジェクタと、前記粉体移送管の粉体入口が内部に配置された密閉チャンバーを備えることを特徴とする。
本発明の一態様は、めっき液を所定のめっき温度範囲よりも高い温度に維持しながら、少なくとも金属を含む粉体を混合タンク内の前記めっき液に溶解させて補充めっき液を生成し、前記めっき温度範囲内に温度が調節されためっき液をめっき槽と主タンクとの間で循環させながら、基板を前記めっき槽内のめっき液に浸漬させて該基板をめっきし、前記補充めっき液を、前記めっき槽と前記主タンクとの間を循環するめっき液に混合させる工程を含み、前記補充めっき液中の金属イオンの濃度は、前記主タンク内のめっき液中の金属イオンの濃度よりも高いことを特徴とするめっき方法である。
本発明の好ましい態様は、前記補充めっき液を、前記めっき槽と前記主タンクとの間を循環するめっき液に混合させる工程は、前記補充めっき液を、前記主タンク内のめっき液に供給する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記補充めっき液を、前記めっき槽と前記主タンクとの間を循環するめっき液に混合させる工程は、前記補充めっき液を、前記主タンクから前記めっき槽に延びるめっき液供給ライン内に供給する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記補充めっき液を前記めっき液供給ライン内に供給した後であって、かつ前記補充めっき液が前記めっき槽に到達する前に、前記補充めっき液と前記主タンクからのめっき液とを混合する工程をさらに含むことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記補充めっき液を、前記めっき槽と前記主タンクとの間を循環するめっき液に混合させる工程は、前記補充めっき液を補充タンクに供給し、さらに前記補充めっき液を前記補充タンクから前記主タンク内のめっき液に供給する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記混合タンクに接続された粉体移送管内に圧縮空気を注入することで、前記粉体を前記混合タンクに移送する工程をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、金属を少なくとも含む粉体の飛散を防止しつつ、めっき液中の金属イオンの濃度を最適に維持することができる。さらに、本発明によれば、金属イオンの濃度が最適化されためっき液を用いて、より質の高い金属膜(例えば銅膜)を基板に形成することができる。
基板にめっきする金属が銅である場合は、金属を少なくとも含む粉体の例としては、酸化銅粉体が挙げられる。基板にめっきする金属種を銅ではなく、例えばインジウムや、ニッケル、コバルト、ルテニウムといった別の金属とした場合についても、上記めっきシステムおよびめっき方法を用いることができる。この場合の粉体の例としては、例えば、硫酸インジウム、硫酸ニッケル、硫酸コバルト等の硫酸塩、スルファミン酸ニッケル、スルファミン酸コバルト等のスルファミン酸塩、臭化ニッケル、塩化ニッケル、塩化コバルト等のハロゲン化物、酸化インジウム、といった粉体が挙げられる。
一実施形態に係るめっきシステムの全体を示す模式図である。 図1に示すめっき槽の詳細を示す図である。 めっきシステムの動作を示すフローチャートである。 めっきシステムの他の実施形態を示す模式図である。 めっきシステムの動作を示すフローチャートである。 めっきシステムの他の実施形態を示す模式図である。 めっきシステムの動作を示すフローチャートである。 金属粉体供給ユニットの一実施形態を示す模式図である。 金属粉体を内部に保持することができる粉体容器を示す側面図である。 キャップが外され、第1容器弁が開かれた状態の粉体容器を示す図である。 密閉チャンバーの斜視図である。 密閉チャンバーの内部を示す図である。 粉体容器の導管の先端と、粉体移送管の粉体入口を示す図である。 粉体容器の導管の先端が粉体移送管の粉体入口に接続された状態を示す図である。 混合タンクの模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、一実施形態に係るめっきシステムの全体を示す模式図である。めっきシステムは、クリーンルーム内に設置されためっき装置1と、階下室に設置されためっき液供給装置20とを備えている。本実施形態では、めっき装置1は、ウェーハなどの基板に金属(例えば銅)を電解めっきするための電解めっきユニットであり、めっき液供給装置20は、めっき液中の金属イオンの濃度を調整し、その調整された濃度のめっき液をめっき装置1に供給するためのめっき液供給ユニットである。
基板にめっきする金属の例としては、銅、インジウム、ニッケル、コバルト、ルテニウムが挙げられる。めっき液供給装置20のうち、混合タンク側のめっき液(補充めっき液)の循環ライン(後述する、混合タンク19、めっき液補充ライン68の一部、混合循環ライン77を補充めっき液が循環するようにされたライン)は、めっき液を所定のめっき温度範囲よりも高い温度に維持しながら、少なくとも金属を含む粉体をめっき液に溶解させる。この構成により、めっき装置1内のめっき液中の金属イオンよりも濃度の高い補充めっき液を生成し、補充めっき液をめっき装置1内のめっき液に必要な場合に混合させることにより、めっき液中の金属イオンの濃度を調整することができる。粉体の例としては、酸化銅粉体、硫酸インジウム、硫酸ニッケル、硫酸コバルト等の硫酸塩、スルファミン酸ニッケル、スルファミン酸コバルト等のスルファミン酸塩、臭化ニッケル、塩化ニッケル、塩化コバルト等のハロゲン化物、酸化インジウムが挙げられる。
本実施形態における、少なくとも金属を含む粉体の平均粒径は、10マイクロメートルから200マイクロメートルの範囲であり、より好ましくは15マイクロメートルから50マイクロメートルの範囲とする。平均粒径を小さくしすぎると、粉じんとなって飛散しやすくなるおそれがある。逆に、平均粒径を大きくしすぎると、めっき液とする際の溶液への溶解性が悪くなるおそれもある。
めっき装置1は、基板をめっきするための複数のめっき槽2を有している。各めっき槽2は、内槽5と外槽6を備えている。めっき液は内槽5を満たし、内槽5の側壁から溢流して外槽6内に流入する。めっきされる基板(図1には図示せず)は、内槽5のめっき液中に浸漬される。一実施形態では、めっき装置1は、1つのめっき槽2を備えてもよい。
図2は、図1に示すめっき槽2の詳細を示す図である。図2に示すように、内槽5内には、アノードホルダー9に保持された不溶解アノード8が配置されている。さらに、めっき槽2の中において、不溶解アノード8の周囲には、中性膜(不図示)が配置されている。内槽5はめっき液で満たされており、めっき液は内槽5を越流して外槽6に流れ込むようになっている。なお、内槽5には、例えばPVC、PPまたはPTFEなどの樹脂、またはSUSやチタンをフッ素樹脂などで被覆され、かつ、板厚が3mm〜5mmの一定の厚みを有する矩形板状部材から構成された攪拌パドル(図示せず)が設けられている。この攪拌パドルは、基板Wと平行に往復運動してめっき液を攪拌するものであり、これにより、十分な金属イオンおよび添加剤を基板Wの表面に均一に供給することができる。
ウェーハなどの基板Wは、基板ホルダー11に保持され、基板ホルダー11とともにめっき槽2の内槽5内のめっき液中に浸漬される。被めっき対象物である基板Wとしては、半導体基板、プリント配線板等を用いることができる。
不溶解アノード8はアノードホルダー9を介してめっき電源15の正極に電気的に接続され、基板ホルダー11に保持された基板Wは、基板ホルダー11を介してめっき電源15の負極に電気的に接続される。めっき液に浸漬された不溶解アノード8と基板Wとの間に、めっき電源15によって電圧を印加すると、めっき槽2内に収容されためっき液中で電気化学的な反応が起こり、基板Wの表面上に金属(例えば銅)が析出する。このようにして、基板Wの表面が金属でめっきされる。
図1に戻り、めっき液供給装置20は、めっき液を内部に保持することができるように構成された主タンク18と、少なくとも金属(例えば、銅)を含む粉体(以下、単に金属粉体という)をめっき液に混合および溶解させて高濃度の補充めっき液を生成する混合タンク19を備えている。
めっき装置1のめっき槽2と主タンク18は、めっき液供給ライン21およびめっき液戻りライン24で接続されている。めっき液供給ライン21は主タンク18からめっき槽2まで延びており、めっき液戻りライン24はめっき槽2から主タンク18まで延びている。より具体的には、めっき液供給ライン21の一端は、主タンク18の底部に接続され、めっき液供給ライン21の他端は、複数のめっき槽2のそれぞれの内槽5の底部に接続されている。めっき液戻りライン24の一端は、複数のめっき槽2のそれぞれの外槽6の底部に接続され、めっき液戻りライン24の他端は、主タンク18の上部に接続されている。基板のめっき中は、めっき液は、めっき槽2と主タンク18との間を循環する。
めっき液供給ライン21の一部は、複数の供給分岐ライン21aから構成されており、これら供給分岐ライン21aはめっき槽2の内槽5の底部にそれぞれ接続されている。供給分岐ライン21aには流量調節弁26がそれぞれ取り付けられている。主タンク18からのめっき液の流量は、流量調節弁26によって調節され、調節された流量のめっき液がめっき槽2に流入する。めっき液戻りライン24の一部は、同様に、複数の戻り分岐ライン24aから構成されており、これら戻り分岐ライン24aはめっき槽2の外槽6の底部にそれぞれ接続されている。戻り分岐ライン24aには開閉弁27がそれぞれ取り付けられている。
めっき液供給装置20は、主タンク18内のめっき液の温度を測定する第1温度センサ30、主タンク18内のめっき液の液面レベルを測定する第1液面レベル検出器31、主タンク18内のめっき液を攪拌する第1攪拌機33、および主タンク18内のめっき液に添加剤を投入する添加剤投入口34をさらに備えている。第1温度センサ30、第1液面レベル検出器31、第1攪拌機33、および添加剤投入口34は主タンク18の上部に取り付けられている。第1攪拌機33は、主タンク18内に配置された攪拌羽根33aを有する。
めっき液供給装置20は、めっき液供給ライン21に取り付けられた循環ポンプ38、第1温度調節器39、開閉弁41、流量計42、およびフィルタ44をさらに備えている。循環ポンプ38を運転すると、主タンク18内のめっき液は、めっき液供給ライン21を通ってめっき槽2の内槽5に供給され、内槽5の側壁を溢流して外槽6に流入し、さらにめっき液戻りライン24を通って主タンク18に戻される。このようにして、循環ポンプ38の運転に伴って、めっき液はめっき槽2と主タンク18との間を循環する。
めっき液供給ライン21を流れるめっき液の温度は、第1温度調節器39によって所定のめっき温度範囲内に調節される。より具体的には、第1温度調節器39はめっき液供給ライン21を流れるめっき液の温度を測定し、温度の測定値が所定のめっき温度範囲内に収まるように、めっき液の温度を調節する。めっき温度範囲は、めっき槽2での基板のめっきプロセスに基づいて予め決定される。一例では、めっき温度範囲は、25℃〜45℃である。温度が調節されためっき液は、流量計42、フィルタ44、および流量調節弁26を通って、めっき槽2のそれぞれの内槽5に供給される。めっき液供給ライン21を通るめっき液の流量は、流量計42によって測定される。
めっき液供給ライン21から圧力解放ライン48が分岐しており、圧力解放ライン48の先端は主タンク18の上部に接続されている。この圧力解放ライン48には圧力センサ49と圧力リリーフ弁50が取り付けられている。圧力センサ49は、めっき液供給ライン21内の圧力を測定する。フィルタ44の詰まりなどの原因などによりめっき液供給ライン21内の圧力がある設定値を超えたときは、圧力リリーフ弁50が開き、めっき液供給ライン21を通るめっき液の一部は圧力解放ライン48を通って主タンク18に戻される。
めっき液戻りライン24には、めっき液中の金属イオン(例えば、銅めっきの場合は銅イオン)の濃度を測定する第1濃度測定器54が取り付けられている。第1濃度測定器54は、動作制御部57に接続されており、金属イオンの濃度の測定値は第1濃度測定器54から動作制御部57に送信されるようになっている。動作制御部57は、めっき装置1およびめっき液供給装置20の動作を制御する。動作制御部57は、専用または汎用のコンピュータから構成されてもよい。
めっき液供給装置20は、混合タンク19内の補充めっき液の温度を測定する第2温度センサ60、混合タンク19内の補充めっき液の液面レベルを測定する第2液面レベル検出器61、混合タンク19内の補充めっき液を攪拌する第2攪拌機64、および混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオン濃度を測定する第2濃度測定器66を備えている。第2温度センサ60、第2液面レベル検出器61、第2攪拌機64、および第2濃度測定器66は混合タンク19の上部に取り付けられている。第2攪拌機64は、混合タンク19内に配置された攪拌羽根64aを有する。
めっき液供給装置20は、混合タンク19を主タンク18に連結するめっき液補充ライン68をさらに備えている。めっき液補充ライン68には、混合ポンプ71、第2温度調節器73、補充弁74、および流量計75が取り付けられている。補充弁74は、通常は閉じられている。混合ポンプ71を運転させた状態で補充弁74を開くと、混合タンク19で生成された高濃度の補充めっき液は、めっき液補充ライン68を通って主タンク18内に保持されためっき液に注入される。補充めっき液は、主タンク18内のめっき液中の金属イオンの濃度よりも高い金属イオンの濃度を有している。
めっき液供給装置20は、めっき液補充ライン68から分岐する混合循環ライン77をさらに備えている。混合循環ライン77の一端はめっき液補充ライン68に接続されており、混合循環ライン77の他端は混合タンク19に接続されている。混合循環ライン77には混合循環弁78が取り付けられている。混合循環弁78は、通常は開かれている。補充弁74が閉じた状態で混合ポンプ71を運転すると、補充めっき液は混合タンク19、めっき液補充ライン68の一部、および混合循環ライン77を通って循環する。
混合ポンプ71および第2温度調節器73は、混合循環ライン77よりも上流に位置している。補充めっき液は、混合タンク19、めっき液補充ライン68の一部、および混合循環ライン77を通って循環しながら、補充めっき液の温度は第2温度調節器73によって調節される。より具体的には、第2温度調節器73は、めっき液補充ライン68を流れる補充めっき液の温度を測定し、温度の測定値が予め設定された目標温度に維持されるように、補充めっき液の温度を調節する。この目標温度は、上述しためっき温度範囲よりも高い温度である。第2温度調節器73の設置位置は、補充めっき液に接触することができる限りにおいて、特に限定されない。例えば、第2温度調節器73は混合タンク19内に設置されてもよいし、または混合循環ライン77に取り付けられてもよい。
めっきシステムは、銅などの金属を少なくとも含む金属粉体を混合タンク19に供給する金属粉体供給ユニット80をさらに備えている。金属粉体供給ユニット80は、階下室に配置されており、クリーンルームからは隔離されている。この金属粉体供給ユニット80は、混合タンク19に接続されており、ある設定された量の金属粉体を混合タンク19内に投入するように構成されている。金属粉体を含んだめっき液は、混合タンク19内で第2攪拌機64により攪拌されながら、混合タンク19、めっき液補充ライン68の一部、第2温度調節器73、および混合循環ライン77を通って循環し、これによって金属粉体はめっき液中に溶解され、高濃度の補充めっき液が生成される。
第2温度調節器73は、混合タンク19内の補充めっき液を、めっき槽2内のめっき液の温度よりも高い温度に調節する。めっき槽2内のめっき液の温度は、上述した第1温度調節器39によって所定のめっき温度範囲内に調節される。第2温度調節器73は、補充めっき液の温度を上記めっき温度範囲よりも高い温度に調節する。例えば、第2温度調節器73に設定される目標温度は、80℃である。この目標温度は、金属粉体の溶解度に基づいて第2温度調節器73に予め設定される。補充めっき液は、その温度が第2温度調節器73によって予め設定された目標温度に維持されながら、かつ第2攪拌機64によって撹拌されながら、混合タンク19と第2温度調節器73との間を循環する。このように補充めっき液の温度をめっき温度範囲よりも高くすることで、金属粉体を補充めっき液に十分にかつ速やかに溶解させることができる。
混合タンク19は、密閉されたタンクである。混合タンク19の上部には排気ライン82が接続されている。この排気ライン82の一端は混合タンク19に連通しており、排気ライン82の他端は図示しない真空ポンプに接続されている。排気ライン82には、排気フィルタ83が取り付けられている。上述したように、混合タンク19内の補充めっき液は、第2温度調節器73によってある程度の高温に維持されているため、補充めっき液から蒸気が発生する。この蒸気は排気ライン82内に流入し、排気フィルタ83によって捕捉される。さらに、排気フィルタ83は、金属粉体供給ユニット80から混合タンク19に供給された金属粉体の一部を捕捉することができる。排気フィルタ83には、めっき液に対する耐性を有するポリプロピレンなどの樹脂から構成された不織布を用いることができる。
めっきシステムは、めっき液供給ライン21から分岐する引き抜きライン86と、引き抜きライン86に取り付けられた流量計87および引き抜き弁88をさらに備えている。引き抜きライン86の一端はめっき液供給ライン21に接続され、引き抜きライン86の他端は混合タンク19に接続されている。流量計87は引き抜きライン86を通るめっき液の流量を測定するように構成されている。引き抜き弁88は、通常は閉じられている。
めっき槽2内のめっき液中の金属イオンの濃度が適切な範囲内にある(例えば、予め設定されたしきい値よりも高い)ときは、混合循環弁78は開かれた状態にあり、補充弁74は閉じられた状態にある。めっき槽2内のめっき液中の金属イオンの濃度がしきい値よりも低いとき、混合循環弁78は閉じられ、補充弁74が開かれる。この操作により、高濃度の補充めっき液が、混合タンク19からめっき液補充ライン68を通って主タンク18に供給される。補充めっき液は、主タンク18内のめっき液と混合される。
めっき槽2内のめっき液中の金属イオンの濃度がしきい値よりも低いときに主タンク18に供給すべき補充めっき液の量(以下、目標補充量VSという)は、動作制御部57によって次のように算定される。全めっき槽2、主タンク18、めっき液供給ライン21、およびめっき液戻りライン24内に存在するめっき液の総量をV、めっき液中の金属イオンの現在の濃度をCL、金属イオンの目標濃度をCT、混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオンの濃度をCHとすると、動作制御部57は、その内部に予め格納されている次の計算式(1)を用いて、補充めっき液の目標補充量VSを算定する。
VS=V×(CT−CL)/(CH−CT) (1)
上述の計算式(1)において、めっき液の総量Vは、計算または実測により予め取得することができる。めっき液中の金属イオンの現在の濃度CLは、第1濃度測定器54によって測定することができる。金属イオンの目標濃度CTは、めっき槽2内のめっき液に含まれる金属イオンの設定濃度であり、めっき槽2でのめっきプロセスに基づいて予め決定される。混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオンの濃度CHは、第2濃度測定器66によって測定することができる。濃度CHの設定値は、めっき槽2内のめっき液に含まれる金属イオンの設定濃度である目標濃度CTよりも高い。すなわち、混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオンの濃度CHは、主タンク18内のめっき液中の金属イオンの濃度よりも高い。
流量計75は、めっき液補充ライン68を流れる流量を測定し、流量の測定値を動作制御部57に送る。動作制御部57は、流量の測定値を時間に関して積算することにより、混合タンク19から主タンク18に供給された補充めっき液の量を算出する。そして、供給された補充めっき液の量が目標補充量VSに達した後に、動作制御部57は、混合循環弁78を開き、補充弁74を閉じる。
次に、上述のように構成されためっきシステムの動作について図3に示すフローチャートを参照して説明する。動作制御部57は、混合ポンプ71および第2攪拌機64を作動させながら、金属粉体供給ユニット80に指令を発して、金属粉体を混合タンク19内に供給させる。補充弁74は閉じられており、混合循環弁78は開かれている。めっき液は、混合タンク19と第2温度調節器73を通って循環しながら、めっき液の温度は第2温度調節器73によって予め設定された目標温度に維持される。金属粉体はめっき液中に溶解し、混合タンク19内で高濃度の補充めっき液が生成される(ステップ1)。
動作制御部57は、循環ポンプ38を作動させ、めっき液を主タンク18とめっき槽2との間で循環させる(ステップ2)。めっき液は主タンク18とめっき槽2を通って循環しながら、めっき液の温度は第1温度調節器39により所定のめっき温度範囲内に維持される。基板はめっき槽2の内槽5内のめっき液に浸漬され、基板のめっきが行われる(ステップ3)。
基板のめっきに伴ってめっき液中の金属イオン(例えば銅イオン)の濃度は徐々に低下する。第1濃度測定器54によって測定されためっき液中の金属イオンの濃度が予め設定したしきい値よりも低いとき、動作制御部57は、補充めっき液の目標補充量VSを上記計算式(1)を用いて算定する(ステップ4)。さらに、動作制御部57は、混合循環弁78を閉じ、補充弁74を開く(ステップ5)。混合タンク19内の高濃度の補充めっき液は、めっき液補充ライン68を通って主タンク18内に注入される。動作制御部57は第1攪拌機33の動作を開始させる(ステップ6)。主タンク18内の低濃度のめっき液と高濃度の補充めっき液は、第1攪拌機33によって攪拌および混合され、濃度が調整されためっき液を形成する。
動作制御部57は、混合タンク19から主タンク18に供給された補充めっき液の量が、上記目標補充量VSに到達した後に、補充弁74を閉じ、混合循環弁78を開く(ステップ7)。その後、動作制御部57は、第1攪拌機33の動作を停止させる(ステップ8)。第1攪拌機33の動作停止から設定時間が経過した後、動作制御部57は、引き抜き弁88を開き、めっき液供給ライン21を流れるめっき液の一部を引き抜きライン86を通じて混合タンク19に戻す(ステップ9)。引き抜きライン86を通じて混合タンク19に戻されるめっき液の量は、上記目標補充量VSに等しい。さらに、動作制御部57は、混合ポンプ71および第2攪拌機64を作動させながら、金属粉体供給ユニット80に指令を発して、混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオンの濃度が設定値に達するまで金属粉体を混合タンク19内に補充させる(ステップ10)。
本実施形態によれば、めっきプロセスで必要な温度よりも高い温度に混合タンク19内のめっき液を維持しながら、金属粉体は混合タンク19内のめっき液に投入される。結果として、金属粉体は、高温のめっき液中に十分にかつ速やかに溶解することができる。さらに、既に金属粉体が溶解された高濃度の補充めっき液が主タンク18に供給されるので、基板のめっきに使用されるめっき液中の金属イオンの濃度を目標濃度まで正確かつ速やかに上昇させることができる。加えて、金属粉体のクリーンルーム内への飛散を防止することができる。
次に、めっきシステムの他の実施形態について図4を参照して説明する。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図1乃至図3を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態では、めっき液補充ライン68は主タンク18には接続されていなく、めっき液供給ライン21に接続されている。めっき液供給ライン21にはミキサ90および第1流量コントローラ91が取り付けられている。より具体的には、めっき液供給ライン21の一部を構成する複数の供給分岐ライン21aは、それぞれめっき槽2の内槽5の底部に連結されている。これら複数の供給分岐ライン21aにミキサ90、第1流量コントローラ91、および第1温度調節器39がそれぞれ取り付けられている。第1流量コントローラ91はミキサ90の上流に位置しており、第1温度調節器39はミキサ90の下流に位置している。よって、主タンク18内のめっき液は、フィルタ44、第1流量コントローラ91、ミキサ90、および第1温度調節器39の順に流れて、各めっき槽2に到達する。
めっき液補充ライン68の一端は混合タンク19の底部に接続されており、めっき液補充ライン68の他端は、めっき液供給ライン21に接続されている。より具体的には、めっき液補充ライン68の一部は、複数の補充分岐ライン68aから構成されており、これら補充分岐ライン68aはめっき液供給ライン21の供給分岐ライン21aにそれぞれ接続されている。ミキサ90は、めっき液補充ライン68の補充分岐ライン68aの下流に位置している。
めっき液補充ライン68の補充分岐ライン68aがめっき液供給ライン21の供給分岐ライン21aに接続される箇所は、ミキサ90と第1流量コントローラ91との間に位置している。複数の補充分岐ライン68aには複数の第2流量コントローラ92がそれぞれ取り付けられている。第2温度調節器73と第2流量コントローラ92との間にはフィルタ94が設けられている。第2流量コントローラ92は、補充弁74の下流に位置している。第2流量コントローラ92はミキサ90の上流に位置している。混合タンク19内の補充めっき液は、第2温度調節器73、フィルタ94、補充弁74、第2流量コントローラ92、ミキサ90、および第1温度調節器39の順に流れて各めっき槽2に到達する。ミキサ90は、ミキシングポンプ、スタティックミキサ、バッフルプレートミキサなどから構成することができる。
本実施形態では、めっき液供給ライン21およびめっき液補充ライン68の両方は、ミキサ90に接続されている。したがって、主タンク18からの低濃度のめっき液と、混合タンク19からの高濃度の補充めっき液は、ミキサ90によって混合され、これによりめっき槽2で使用されるめっき液中の金属イオンの濃度がミキサ90内で調整される。主タンク18からのめっき液と混合タンク19からの補充めっき液との混合比は、第1流量コントローラ91および第2流量コントローラ92によって制御される。すなわち、主タンク18からのめっき液は、その流量が第1流量コントローラ91によって調節された後にミキサ90に流入する。同様に、混合タンク19からの補充めっき液は、その流量が第2流量コントローラ92によって調節された後にミキサ90に流入する。
ミキサ90を通過しためっき液は、めっき液供給ライン21を通って第1温度調節器39に流入する。ミキサ90を通過しためっき液の温度は、第1温度調節器39によって所定のめっき温度範囲内に調節される。より具体的には、第1温度調節器39は、ミキサ90を通過しためっき液の温度を測定し、温度の測定値が所定のめっき温度範囲内に収まるように、めっき液の温度を調節する。先に述べた実施形態と同様に、めっき温度範囲は、めっき槽2での基板のめっきプロセスに基づいて予め決定されている。一例では、めっき温度範囲は、25℃〜45℃である。温度が調節されためっき液は、めっき槽2のそれぞれの内槽5に供給される。
めっき槽2内のめっき液中の金属イオンの濃度が適切な範囲内にある(例えば、予め設定されたしきい値よりも高い)ときは、混合循環弁78は開かれた状態にあり、補充弁74は閉じられた状態にある。めっき槽2内のめっき液中の金属イオンの濃度がしきい値よりも低いとき、動作制御部57は、後述するように、第1流量コントローラ91および第2流量コントローラ92の設定流量を算定する。さらに、動作制御部57は、混合循環弁78を閉じ、補充弁74を開く。これにより、高濃度の補充めっき液が、混合タンク19からめっき液補充ライン68を通ってミキサ90に供給される。主タンク18からのめっき液および混合タンク19からの補充めっき液は、算定されたそれぞれの設定流量で第1流量コントローラ91および第2流量コントローラ92を通過し、ミキサ90によって混合される。
動作制御部57は、第1流量コントローラ91および第2流量コントローラ92の設定流量を次のようにして算定する。金属イオンの目標濃度をC、めっき液の目標流量をF、主タンク18内のめっき液中の金属イオンの濃度をC1、混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオンの濃度をC2、主タンク18からのめっき液の供給流量(すなわち第1流量コントローラ91の設定流量)をF1、混合タンク19からの補充めっき液の供給流量(すなわち第2流量コントローラ92の設定流量)をF2とすると、次の連立方程式(2),(3)を解くことによってF1およびF2を求めることができる
F1+F2=F (2)
F1×C1+F2×C2=F×C (3)
目標濃度Cは、ミキサ90で混合された後のめっき液、すなわちめっき槽2内のめっき液中の金属イオンの設定濃度であり、めっき槽2でのめっきプロセスに基づいて予め決定される。目標流量Fは、ミキサ90で混合された後のめっき液の設定流量である。本実施形態では、混合タンク19内の補充めっき液に含まれる金属イオンの濃度の設定値は、めっき槽2内のめっき液に含まれる金属イオンの設定濃度である目標濃度Cよりも高い。すなわち、混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオンの濃度C2は、目標濃度Cよりも高い。
動作制御部57は、算定された設定流量F1,F2を示す指令信号を第1流量コントローラ91および第2流量コントローラ92に送信し、第1流量コントローラ91および第2流量コントローラ92はめっき液および補充めっき液の流量を設定流量F1,F2に調節する。したがって、主タンク18からのめっき液が設定流量F1でミキサ90に流入するとともに、混合タンク19からの補充めっき液が設定流量F2でミキサ90に流入する。めっき槽2内のめっき液に含まれる金属イオンの濃度は、第1濃度測定器54によって測定される。この濃度の測定値が目標濃度Cに達した後に、動作制御部57は、混合循環弁78を開き、補充弁74を閉じる。
次に、上述のように構成されためっきシステムの動作について図5に示すフローチャートを参照して説明する。動作制御部57は、混合ポンプ71および第2攪拌機64を作動させながら、金属粉体供給ユニット80に指令を発して、金属粉体を混合タンク19内に供給させる。補充弁74は閉じられており、混合循環弁78は開かれている。めっき液は、混合タンク19と第2温度調節器73を通って循環しながら、めっき液の温度は第2温度調節器73によって予め設定された目標温度に維持される。金属粉体はめっき液中に溶解し、混合タンク19内で高濃度の補充めっき液が生成される(ステップ1)。
動作制御部57は、循環ポンプ38を作動させ、めっき液を主タンク18とめっき槽2との間で循環させる(ステップ2)。めっき液は主タンク18とめっき槽2を通って循環しながら、めっき液の温度は第1温度調節器39により所定のめっき温度範囲内に維持される。基板はめっき槽2の内槽5内のめっき液に浸漬され、基板のめっきが行われる(ステップ3)。
基板のめっきに伴ってめっき液中の金属イオン(例えば銅イオン)の濃度は徐々に低下する。第1濃度測定器54によって測定されためっき液中の金属イオンの濃度が予め設定したしきい値よりも低いとき、動作制御部57は、上記連立方程式(2),(3)を解いて第1流量コントローラ91および第2流量コントローラ92の設定流量F1,F2を算定し、算定された設定流量F1,F2を第1流量コントローラ91および第2流量コントローラ92に入力する(ステップ4)。さらに、動作制御部57は、混合循環弁78を閉じ、補充弁74を開く(ステップ5)。
主タンク18内のめっき液は、めっき液供給ライン21および第1流量コントローラ91を通ってミキサ90に流量F1で流入する。混合タンク19内の高濃度の補充めっき液は、めっき液補充ライン68および第2流量コントローラ92を通ってミキサ90に流量F2で流入する。混合タンク19からの補充めっき液は、主タンク18からのめっき液と混合され、これによって金属イオンの濃度が調整される。ミキサ90で混合されためっき液は、第1温度調節器39で温度調節され、めっき槽2に供給される。
めっき槽2内のめっき液に含まれる金属イオンの濃度が目標濃度Cに達した後に、動作制御部57は、混合循環弁78を開き、補充弁74を閉じる(ステップ6)。さらに、動作制御部57は第2流量コントローラ92の動作を停止させる(ステップ7)。主タンク18内のめっき液の液面レベルが設定値よりも高くなった場合は、動作制御部57は、引き抜き弁88を開き、めっき液供給ライン21を流れるめっき液の一部を引き抜きライン86を通じて混合タンク19に戻す(ステップ8)。主タンク18内のめっき液の液面レベルが上記設定値にまで下がった後、動作制御部57は、引き抜き弁88を閉じる(ステップ9)。さらに、動作制御部57は、混合ポンプ71および第2攪拌機64を作動させながら、金属粉体供給ユニット80に指令を発して、混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオンの濃度が設定値に達するまで金属粉体を混合タンク19内に補充させる(ステップ10)。
本実施形態によれば、高濃度の補充めっき液がめっき槽2のすぐ上流でめっき液に混合されるので、基板のめっきに使用されるめっき液中の金属イオンの濃度を目標濃度まで正確かつ速やかに上昇させることができる。さらに、めっき槽2内の濃度変化のサイクルを短くできる。
次に、めっきシステムの他の実施形態について図6を参照して説明する。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図1乃至図3を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態では、めっき液供給装置20は、混合タンク19と主タンク18との間に配置された補充タンク100をさらに備えている。めっき液補充ライン68は、混合タンク19を補充タンク100に連結する第1補充ライン68bと、補充タンク100を主タンク18に連結する第2補充ライン68cを備える。第1補充ライン68bの一端は、混合タンク19の底部に連結されており、第1補充ライン68bの他端は、補充タンク100の上部に連結されている。第2補充ライン68cの一端は、補充タンク100の底部に連結されており、第2補充ライン68cの他端は、主タンク18の上部に連結されている。混合ポンプ71、第2温度調節器73、および移送弁101は、第1補充ライン68bに取り付けられている。上述した混合循環ライン77は第1補充ライン68bに接続されている。
第2補充ライン68cには、補充ポンプ105と補充弁74が取り付けられている。補充弁74は通常は閉じられている。補充循環ライン107は、第2補充ライン68cから分岐している。補充循環ライン107の一端は第2補充ライン68cに接続されており、補充循環ライン107の他端は補充タンク100の上部に接続されている。補充循環ライン107には補充循環弁110が取り付けられている。この補充循環弁110は、通常は開かれている。めっき液供給装置20は、補充タンク100内の補充めっき液の温度を測定する第3温度センサ112、および補充タンク100内の補充めっき液の液面レベルを測定する第3液面レベル検出器114を備えている。
混合循環弁78を閉じ、移送弁101を開くと、混合タンク19内で生成された補充めっき液は、第1補充ライン68bを通って補充タンク100に供給される。補充ポンプ105の運転中は、補充めっき液は、補充タンク100、第2補充ライン68c、および補充循環ライン107を通って循環している。めっき槽2のめっき液中に含まれる金属イオンの濃度が低下すると、動作制御部57は、補充循環弁110を閉じ、補充弁74を開く。この操作により、高濃度の補充めっき液は、補充タンク100から主タンク18に供給される。
補充タンク100内の補充めっき液の液面レベルが設定値よりも低いときは、動作制御部57は、混合循環弁78を閉じ、移送弁101を開いて、混合タンク19内の補充めっき液を第1補充ライン68bを通じて補充タンク100に供給する。補充タンク100内の補充めっき液の液面レベルが上記設定値を超えた後、動作制御部57は混合循環弁78を開き、移送弁101を閉じる。本実施形態では、混合タンク19は、金属粉体を溶解させるためだけに使用される。
次に、上述のように構成されためっきシステムの動作について図7に示すフローチャートを参照して説明する。動作制御部57は、混合ポンプ71および第2攪拌機64を作動させながら、金属粉体供給ユニット80に指令を発して、金属粉体を混合タンク19内に供給させる。移送弁101および補充弁74は閉じられており、混合循環弁78および補充循環弁110は開かれている。めっき液は、混合タンク19と第2温度調節器73を通って循環しながら、めっき液の温度は第2温度調節器73によって予め設定された目標温度に維持される。金属粉体はめっき液中に溶解し、混合タンク19内で高濃度の補充めっき液が生成される(ステップ1)。
動作制御部57は、混合循環弁78を閉じ、移送弁101を開いて、混合タンク19内の補充めっき液を第1補充ライン68bを通じて補充タンク100に移送する(ステップ2)。補充めっき液は、補充タンク100の液面レベルが上記設定値に達するまで補充タンク100に移送される。動作制御部57は、補充ポンプ105を作動させ、補充めっき液を補充タンク100、第2補充ライン68c、および補充循環ライン107を通って循環させる(ステップ3)。動作制御部57は、循環ポンプ38を作動させ、めっき液を主タンク18とめっき槽2との間で循環させる(ステップ4)。めっき液は主タンク18とめっき槽2を通って循環しながら、めっき液の温度は第1温度調節器39により所定のめっき温度範囲内に維持される。基板はめっき槽2の内槽5内のめっき液に浸漬され、基板のめっきが行われる(ステップ5)。
基板のめっきに伴ってめっき液中の金属イオン(例えば銅イオン)の濃度は徐々に低下する。第1濃度測定器54によって測定されためっき液中の金属イオンの濃度が予め設定したしきい値よりも低いとき、動作制御部57は、補充めっき液の目標補充量VSを上記計算式(1)を用いて算定する(ステップ6)。さらに、動作制御部57は、補充循環弁110を閉じ、補充弁74を開く(ステップ7)。補充タンク100内の補充めっき液は、第2補充ライン68cを通って主タンク18内に注入される。動作制御部57は第1攪拌機33の動作を開始させる(ステップ8)。主タンク18内の低濃度のめっき液と高濃度の補充めっき液は、第1攪拌機33によって攪拌および混合され、濃度が調整されためっき液を形成する。
動作制御部57は、補充タンク100から主タンク18に供給された補充めっき液の量が、上記目標補充量VSに到達した後に、補充弁74を閉じ、補充循環弁110を開く(ステップ9)。その後、動作制御部57は、第1攪拌機33の動作を停止させる(ステップ10)。第1攪拌機33の動作停止から設定時間が経過した後、動作制御部57は、引き抜き弁88を開き、めっき液供給ライン21を流れるめっき液の一部を引き抜きライン86を通じて混合タンク19に戻す(ステップ11)。引き抜きライン86を通じて混合タンク19に戻されるめっき液の量は、上記目標補充量VSに等しい。さらに、動作制御部57は、混合ポンプ71および第2攪拌機64を作動させながら、金属粉体供給ユニット80に指令を発して、混合タンク19内の補充めっき液中の金属イオンの濃度が設定値に達するまで金属粉体を混合タンク19内に補充させる(ステップ12)。
次に、金属粉体供給ユニット80の一実施形態について図8を参照して説明する。図8に示すように、金属粉体供給ユニット80は、扉120aを有する密閉チャンバー120と、密閉チャンバー120から混合タンク19まで延びる粉体移送管122と、粉体移送管122に取り付けられたエジェクタ125とを備えている。金属粉体は、粉体容器130内に収容され、粉体容器130とともに密閉チャンバー120内に搬入される。粉体容器130は、密閉チャンバー120内に位置する粉体移送管122の粉体入口122aに接続される。密閉チャンバー120内には、鉛直方向に配列された複数の粉体センサ133を備えている。これら粉体センサ133は、粉体容器130内に存在する金属粉体を検出することが可能である。粉体センサ133の例としては、マイクロウェーブ式レベルスイッチ(レベルセンサ)が挙げられる。
動作制御部57は、粉体センサ133から送られてくる金属粉体の検出信号に基づいて、粉体容器130内に存在する金属粉体の量を判定することができる。さらに、動作制御部57は、粉体センサ133から送られてくる金属粉体の検出信号に基づいて、エジェクタ125の動作を停止させるタイミングを決定する。
エジェクタ125は、圧縮空気ライン136に接続されている。フィルタ137および圧縮空気弁138が圧縮空気ライン136に取り付けられている。圧縮空気弁138を開くと、作動流体である圧縮空気はフィルタ137および圧縮空気ライン136を通ってエジェクタ125に供給される。エジェクタ125は圧縮空気を粉体移送管122内に注入し、エジェクタ125の上流側に負圧を形成する。この負圧は粉体移送管122を通じて粉体容器130に作用し、粉体容器130内の金属粉体は粉体移送管122を通って混合タンク19まで移送される。
密閉チャンバー120は、その内部空間を負圧源に連通させるための排気ポート158を備える。密閉チャンバー120の内部には、排気ポート158を通じて負圧が形成され、金属粉体の飛散が防止されている。密閉チャンバー120にはエアブローノズル131が配置されている。このエアブローノズル131は、密閉チャンバー120内の粉体容器130を向いて配置されている。空になった粉体容器130を密閉チャンバー120から取り出す前に、エアブローノズル131から空気の噴流を粉体容器130の外面に当てることで、粉体容器130の外面から金属粉体を除去することができる。結果として、密閉チャンバー120の外での金属粉体の飛散を防止することができる。
図9は、金属粉体を内部に保持することができる粉体容器130を示す側面図である。図9に示すように、粉体容器130は、内部に金属粉体を収容することができる容器本体145と、容器本体145に接続された導管146と、導管146に取り付けられた第1容器弁148と、容器本体145の底部に接続された逆止弁151および第2容器弁152を備えている。容器本体145は、ポリエチレンなどの合成樹脂から構成されている。容器本体145には取っ手149が形成されており、作業員が取っ手149を掴んで粉体容器130を持ち運ぶことができるようになっている。粉体容器130の容量は特に限定されないが、金属粉体が充填された粉体容器130を作業員が持ち運びできる程度の容量である。一例では、粉体容器130の容量は4Lである。
導管146は、例えば溶接といった接合手段により容器本体145に接合されている。導管146は金属粉体の通過を許容する配管から構成されている。この導管146は、鉛直方向に対して約30度の角度で傾斜している。導管146に取り付けられた第1容器弁148を開くと、金属粉体は導管146を通過することができ、第1容器弁148を閉じると、金属粉体は導管146を通過することができない。図9は、第1容器弁148が閉じた状態を示している。導管146の先端146aには、キャップ(すなわち蓋)150が取り付けられている。
逆止弁151および第2容器弁152は直列に接続されている。逆止弁151は、容器本体145内の金属粉体の外部への排出を許容せず、第2容器弁152が開いているときにのみ、周囲の空気の容器本体145内への流入を許容する。
図10は、キャップ150が外され、第1容器弁148が開かれた状態の粉体容器130を示す図である。第2容器弁152は閉じられた状態である。金属粉体は、図10に示す状態にある粉体容器130に導管146を通じて投入される。金属粉体の投入が終わると、第1容器弁148が閉じられ、キャップ150が導管146の先端に取り付けられる(図9参照)。金属粉体が充填された粉体容器130は、第1容器弁148および第2容器弁152が閉じられた状態で、図8に示す密閉チャンバー120内に搬入される。
図11は、密閉チャンバー120の斜視図である。本実施形態では、密閉チャンバー120は、その内部に密閉された空間を形成することができる矩形状の箱である。密閉チャンバー120は、その内部空間に上記粉体容器130を搬入可能とする扉120aと、密閉チャンバー120の壁の一部を構成する2つの手袋156とを備えている。扉120aは、密閉チャンバー120内が密閉されるよう、扉120aが取り付けられる取り付け枠はシール機能を有するゴム等の部材で構成される。手袋156は、作業員の手の形に沿って変形可能な柔軟な素材(例えば、塩化ビニール等の合成ゴム)からなる膜によって構成されており、密閉チャンバー120内部で作業員が作業できるように密閉チャンバー120内に手袋156が突出するように構成されている。これら2つの手袋156は、扉120aの両側に配置されている。密閉チャンバー120は、その内部空間を負圧源に連通させるための排気ポート158を備える。負圧源は、例えば真空ポンプである。密閉チャンバー120の内部には、排気ポート158を通じて負圧が形成される。
図12は、密閉チャンバー120の内部を示す図である。密閉チャンバー120内には、粉体容器130を真空吸引により保持する真空クランプ161と、粉体容器130を振動させる振動装置165と、粉体容器130を支持する台座166が配置されている。粉体容器130は、導管146が下方を向いた状態で真空クランプ161および台座166に設置される。真空クランプ161はフレーム168に固定され、振動装置165は真空クランプ161に固定されている。真空クランプ161は、粉体容器130に接する防振ゴム161aを有している。この防振ゴム161aには真空が内部に形成される通孔(図示せず)が形成されている。振動装置165および真空クランプ161の動作は、動作制御部57によって制御される。
真空クランプ161は、真空発生装置であるエジェクタ170に接続されている。エジェクタ170および振動装置165は、圧縮空気供給管172に接続されている。圧縮空気供給管172は2つに分岐しており、一方はエジェクタ170に、他方は振動装置165に接続されている。圧縮空気がエジェクタ170に送られると、エジェクタ170は真空クランプ161内に真空を形成し、粉体容器130は真空吸引によって真空クランプ161の防振ゴム161aに保持される。振動装置165は、圧縮空気によって作動する構造を有している。振動装置165は、真空クランプ161を通じて粉体容器130に振動を伝え、真空クランプ161に保持されている粉体容器130を振動させる。振動装置165は、粉体容器130の側面に直接接触してもよい。一実施形態では、振動装置165は、電動式振動装置であってもよい。
密閉チャンバー120内には、粉体容器130に連結可能な粉体移送管122の粉体入口122aが配置されている。粉体容器130の導管146の先端146a(図11参照)は、粉体移送管122の粉体入口122aに挿入され(図13および図14参照)、これによって、粉体容器130の導管146の先端146aが、粉体移送管122の粉体入口122aに連結される。導管146と粉体入口122aとが連結された状態で第1容器弁148および第2容器弁152が開かれる。
図13は、粉体容器130の導管146の先端146aと、粉体移送管122の粉体入口122aを示す図である。導管146の先端146aは、円錐台形状を有している。粉体移送管122の粉体入口122aは、導管146の先端146aの形状に対応した形状を有している。より具体的には、粉体移送管122の粉体入口122aは、その先端(上端)からの距離が大きくなるにつれて口径が徐々に小さくなる接続シール171を有している。この接続シール171は、ゴムなどの弾性材から構成されている。図14に示すように、導管146の先端146aを粉体移送管122の粉体入口122aに挿入すると、導管146の先端146aは粉体入口122aの接続シール171に密着し、接続シール171によって導管146の先端146aと粉体移送管122の粉体入口122aとの間の隙間が封止される。したがって、金属粉体の飛散が防止される。
図15は、混合タンク19の模式図である。図15に示すように、混合タンク19は、密閉された箱型のタンクである。混合タンク19の内部には複数のバッフル板180が配列されており、これらのバッフル板180により混合タンク19の内部には蛇行流路181が形成される。第2攪拌機64は、攪拌羽根64aと、この攪拌羽根64aを駆動する電動機64bを有している。電動機64b、第2温度センサ60、第2液面レベル検出器61、および第2濃度測定器66は混合タンク19の上部に取り付けられている。
第2攪拌機64は、混合タンク19の一方側に位置し、第2温度センサ60および第2濃度測定器66は、バッフル板180を挟んで混合タンク19の反対側に位置している。粉体移送管122は、第2攪拌機64の攪拌羽根64aが収容されている混合室182に接続されている。金属粉体は、混合室182内に投入され、攪拌羽根64aの回転によって攪拌される。めっき液はバッフル板180によって形成された蛇行流路181を流れ、その間に金属粉体のめっき液への溶解が進行する。このようにして、混合タンク19内で高濃度の補充めっき液が生成される。
また、さらに別の実施形態としては、上述したいずれかの実施形態において、イオン透過性を有する膜(メンブレン)を少なくとも一部に有する隔壁(図示せず)でめっき槽2のアノードホルダー9と基板ホルダー11とを仕切り、このように隔壁で仕切られたアノードホルダー側のめっき液と基板ホルダー側のめっき液の間をイオンが通るようにする。この隔膜(メンブレン)は、脱着可能にあるいは固定してめっき槽2に取り付けられていてもよい。
この隔膜は、中性隔膜を用いることができる。この中性隔膜は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜タイプやPSU膜タイプのフィルタ(0.1μm以上の大きさの固形物の捕集率99.99%)のものと同様の最大孔径0.1μmの膜、又はPP繊維、PVDF繊維などの耐酸性樹脂とPET樹脂等からなる基材で形成された最大孔径0.8μm以下の膜、例えば株式会社ユアサメンブレンシステム社製のめっき用電解隔膜などの公知の膜を用いることができる。
そして、めっき槽2内の基板ホルダー側にあるめっき液(カソード液)が収容される空間に、必要に応じて補充めっき液が補充されるようにされた混合タンク19から補充めっき液が供給されるとともに、めっき槽2のアノードホルダー側のめっき液(アノード液)が収容される部分からめっき液が排出されるとともに、アノード液とカソード液とが不図示のオーバーフロー槽で混合されて、混合後のめっき液が混合タンク19に移動するようにし、さらに混合タンク19のめっき液がめっき槽2に再び返送されるようにすることで、めっき液が循環するようにする。そして、金属粉体供給ユニット80と上記混合タンク19とをバルブを設けた配管で連通させるとともに、この配管上に、第1温度調節器39とミキサ90とを、第1温度調節器39の下流にミキサ90が位置するように、それぞれ設置することができる。
あるいは、上記オーバーフロー槽を設けてアノード液とカソード液とをめっき液として混合させることなく、アノード液だけを液管理するための循環経路、カソード液だけを液管理するための循環経路をそれぞれ独立して設けてもよい。すなわち、めっき槽2内の基板ホルダー側にあるめっき液(カソード液)が収容される空間に、必要に応じて補充めっき液が補充されるようにされた混合タンク19から補充めっき液が供給されるようにするとともに、混合後のめっき液が混合タンク19に移動するようにし、さらに混合タンク19のめっき液がめっき槽2に再び返送されるようにする。金属粉体供給ユニット80と上記混合タンク19とをバルブを設けた配管で連通させるとともに、この配管上に、第1温度調節器39とミキサ90とを、第1温度調節器39の下流にミキサ90が位置するように、それぞれ設置することができる。他方、めっき槽2のアノードホルダー9側のめっき液(アノード液)については、めっき槽2外に設けたアノード管理槽との間でのみ液循環させるようにする。そして、隔膜として陽イオン交換膜を用いることができる。この陽イオン交換膜は、膜内に負に帯電した官能基(−SO3−、−COO、−PO 2−、−PO、およびC)を表面に備えているため、電気的に負に帯電したイオンや部分的に負に帯電した極性物質の通過を防ぐようにされている。さらに、電気的に正に帯電したイオン(例えば、金属イオン)については通過できるように構成されている。この膜としては、例えば、アストム社によって製造されているNeosepta(登録商標)膜(イオン性)や、Dupont社により製造されているNafion(登録商標)膜等を用いることができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 めっき装置
2 めっき槽
5 内槽
6 外槽
8 不溶解アノード
9 アノードホルダー
11 基板ホルダー
15 めっき電源
18 主タンク
19 混合タンク
20 めっき液供給装置
21 めっき液供給ライン
21a 供給分岐ライン
24 めっき液戻りライン
24a 戻り分岐ライン
26 流量調節弁
27 開閉弁
30 第1温度センサ
31 第1液面レベル検出器
33 第1攪拌機
33a 攪拌羽根
34 添加剤投入口
38 循環ポンプ
39 第1温度調節器
41 開閉弁
42 流量計
44 フィルタ
48 圧力解放ライン
49 圧力センサ
50 圧力リリーフ弁
54 第1濃度測定器
57 動作制御部
60 第2温度センサ
61 第2液面レベル検出器
64 第2攪拌機
64a 攪拌羽根
66 第2濃度測定器
68 めっき液補充ライン
68a 補充分岐ライン
68b 第1補充ライン
68c 第2補充ライン
71 混合ポンプ
73 第2温度調節器
74 補充弁
75 流量計
77 混合循環ライン
78 混合循環弁
80 金属粉体供給ユニット
82 排気ライン
83 排気フィルタ
86 引き抜きライン
87 流量計
88 引き抜き弁
90 ミキサ
91 第1流量コントローラ
92 第2流量コントローラ
94 フィルタ
100 補充タンク
101 移送弁
107 補充循環ライン
110 補充循環弁
112 第3温度センサ
114 第3液面レベル検出器
120 密閉チャンバー
120a 扉
122 粉体移送管
122a 粉体入口
125 エジェクタ
130 粉体容器
131 エアブローノズル
133 粉体センサ
136 圧縮空気ライン
137 フィルタ
138 圧縮空気弁
145 容器本体
146 導管
148 第1容器弁
149 取っ手
150 キャップ
151 逆止弁
152 第2容器弁
156 手袋
158 排気ポート
161 真空クランプ
165 振動装置
166 台座
168 フレーム
170 エジェクタ
171 接続シール
172 圧縮空気供給管
180 バッフル板
181 蛇行流路
182 混合室

Claims (15)

  1. 基板をめっきするためのめっき槽と、
    めっき液を内部に保持できるように構成された主タンクと、
    前記主タンクから前記めっき槽に延びるめっき液供給ラインと、
    前記めっき液供給ラインを流れるめっき液の温度を所定のめっき温度範囲内に調節する第1温度調節器と、
    金属を少なくとも含む粉体をめっき液に溶解させて補充めっき液を生成する混合タンクと、
    前記補充めっき液の温度を前記めっき温度範囲よりも高い温度に調節する第2温度調節器と、
    前記混合タンクを前記主タンクまたは前記めっき液供給ラインに連結するめっき液補充ラインを備えたことを特徴とするめっきシステム。
  2. 前記第2温度調節器は前記めっき液補充ラインに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のめっきシステム。
  3. 前記めっき液補充ラインから分岐する混合循環ラインをさらに備え、前記混合循環ラインの端部は前記混合タンクに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のめっきシステム。
  4. 前記めっき液供給ラインに取り付けられたミキサをさらに備え、
    前記めっき液補充ラインは前記めっき液供給ラインに接続されており、
    前記ミキサは、前記めっき液補充ラインの下流に位置していることを特徴とする請求項1に記載のめっきシステム。
  5. 前記めっき液供給ラインに取り付けられた第1流量コントローラと、
    前記めっき液補充ラインに取り付けられた第2流量コントローラをさらに備え、
    前記第1流量コントローラおよび前記第2流量コントローラは前記ミキサの上流に位置していることを特徴とする請求項4に記載のめっきシステム。
  6. 前記第1温度調節器は、前記ミキサの下流に位置していることを特徴とする請求項4に記載のめっきシステム。
  7. 前記混合タンクと前記主タンクとの間に配置された補充タンクをさらに備え、
    前記めっき液補充ラインは、前記混合タンクを前記補充タンクに連結する第1補充ラインと、前記補充タンクを前記主タンクに連結する第2補充ラインを備えることを特徴とする請求項1に記載のめっきシステム。
  8. 前記混合タンク内に前記粉体を供給する金属粉体供給ユニットをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のめっきシステム。
  9. 前記金属粉体供給ユニットは、
    前記混合タンクに接続された粉体移送管と、
    前記粉体移送管に取り付けられたエジェクタと、
    前記粉体移送管の粉体入口が内部に配置された密閉チャンバーを備えることを特徴とする請求項8に記載のめっきシステム。
  10. めっき液を所定のめっき温度範囲よりも高い温度に維持しながら、少なくとも金属を含む粉体を混合タンク内の前記めっき液に溶解させて補充めっき液を生成し、
    前記めっき温度範囲内に温度が調節されためっき液をめっき槽と主タンクとの間で循環させながら、基板を前記めっき槽内のめっき液に浸漬させて該基板をめっきし、
    前記補充めっき液を、前記めっき槽と前記主タンクとの間を循環するめっき液に混合させる工程を含み、
    前記補充めっき液中の金属イオンの濃度は、前記主タンク内のめっき液中の金属イオンの濃度よりも高いことを特徴とするめっき方法。
  11. 前記補充めっき液を、前記めっき槽と前記主タンクとの間を循環するめっき液に混合させる工程は、前記補充めっき液を、前記主タンク内のめっき液に供給する工程であることを特徴とする請求項10に記載のめっき方法。
  12. 前記補充めっき液を、前記めっき槽と前記主タンクとの間を循環するめっき液に混合させる工程は、前記補充めっき液を、前記主タンクから前記めっき槽に延びるめっき液供給ライン内に供給する工程であることを特徴とする請求項10に記載のめっき方法。
  13. 前記補充めっき液を前記めっき液供給ライン内に供給した後であって、かつ前記補充めっき液が前記めっき槽に到達する前に、前記補充めっき液と前記主タンクからのめっき液とを混合する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のめっき方法。
  14. 前記補充めっき液を、前記めっき槽と前記主タンクとの間を循環するめっき液に混合させる工程は、前記補充めっき液を補充タンクに供給し、さらに前記補充めっき液を前記補充タンクから前記主タンク内のめっき液に供給する工程であることを特徴とする請求項10に記載のめっき方法。
  15. 前記混合タンクに接続された粉体移送管内に圧縮空気を注入することで、前記粉体を前記混合タンクに移送する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のめっき方法。
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