JP6741081B2 - 移動計画装置、移動計画方法、およびプログラム - Google Patents

移動計画装置、移動計画方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本開示は、物事を効率化するための計画に関する。
特定の利益に関わるシステムにおいて、生み出される利益を最大にする問題は最適化問題や数理計画問題等と呼ばれ、その問題に対する計算手法は広く応用されている。
例えば、作業員が複数のプロセスを分担して製品を生産するシステムにおいて、生産の効率、すなわち製品の生産量を最大化するために、各プロセスにおける作業員の最適な割り振りを導出する計算処理は、数理計画問題の一つである。上記計算処理は、特に、生産計画または人員配置計画と呼ばれる。生産計画に関連する文献として、特許文献1は、物流倉庫における荷作業に携わる作業員に対して作業の割り当てを行う装置を開示している。特許文献2は、作業員の作業量を平準化する方法について記載している。
一方、数理計画問題の一つとして、物体の移動と効率の最適化とを扱う問題である、輸送問題が知られている。輸送問題(または「輸送計画問題」)は、例えば、物品の需要者がいる複数の供給先にそれぞれ物品を運ぶシステムにおいて、物品を運ぶコストを最小化する輸送プランを見つける問題である。例えば、非特許文献1および非特許文献2には、輸送問題の解法に関する記載がある。
特開2002−312445号公報 特開平3−217967号公報
F. L. Hitchcock, "The distribution of a product from several sources to numerous localities", Journal of Mathematics and Physics, vol.20, pp.224-230, 1941. Rubner, Yossi et al., "The earth mover's distance as a metric for image retrieval", International journal of computer vision vol.40, no.2, pp.99-121, 2000.
人員配置計画により、最適な人員配置は決定されうるが、その最適な人員配置が達成されるために、どの人員がどのように移動すべきかを決定する問題は、別の問題である。すなわち、所望される人員配置を実現するための人員の移動方法(移動プラン、移動手順)の検討も重要である。
輸送計画は、物の移動に関する問題を扱うが、一般的に、移動それ自体にかかるコストを最小化することを目的とする。したがって、輸送計画で扱われる解法は、必ずしもシステム全体の効率が最適となる解の解法ではない。たとえば、一般的な輸送計画は、物品を供給先に早く届けるほど供給先における効用が大きくなるようなケースにおいて、各供給先における効用の総和を大きくするという観点では計算されない。あるいは、たとえば、輸送計画は、作業員が移動することによって生じる、移動そのものにかかるコスト以外の損失について考慮しない。
すなわち、一般的に知られる輸送計画では、移動する資源(物や人)が及ぼす、移動時間に応じて変化する効用が考慮されないため、全体として達成される効用の総合的な効率の観点での最適な解は提供されない。いずれの関連文献にも、資源の配置を変更するために移動する資源の移動時間が、資源から効用を受けるシステム(系)の利益や効率に影響する場合について、十分な検討がされた内容の開示はない。
本開示は、資源の配置を変更するために移動する資源の、より効率的な移動のプランを導き出す装置、方法およびプログラム等を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様に係る移動計画装置は、複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出する候補導出手段と、導出された前記候補に対する評価を、前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算する計算手段と、前記評価に基づく情報を出力する出力手段と、を備える。
本発明の一態様に係る移動計画方法は、複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出し、導出された前記候補に対する評価を、前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算し、前記評価に基づく情報を出力する。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出する候補導出処理と、導出された前記候補に対する評価を、前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算する計算処理と、前記評価に基づく情報を出力する出力処理と、を実行させる。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶される。
本発明の一態様に係る移動計画装置は、複数の資源のそれぞれが置かれている状況の組み合わせを、第1の組み合わせから第2の組み合わせに変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移行対象者の状況の移行手順の候補を導出する候補導出手段と、導出された前記候補に対する評価を、前記移行対象者のそれぞれの状況の移行先への移行にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算する計算手段と、前記評価に基づく情報を出力する出力手段と、を備える。
本発明によれば、資源の配置を変更するために移動する資源の、より効率的な移動のプランを導き出すことができる。
第1の実施形態に係る移動計画装置の構成を示すブロック図である。 第1ケースの作業システムの構成の例を示す模式図である。 区画と作業フローの関係性を示す模式図である。 効率情報を例示する図である。 区画間の移動時間を例示する模式図である。 移動時間情報を例示する図である。 過不足情報を例示する図である。 計算部による計算の概念を例示する図である。 移動方法の表示の例を示す図である。 候補導出部により導出される経路を表すツリー構造のデータの例である。 図10に示されるようなツリー構造のデータを生成する手順の例を示すフローチャートである。 第2ケースの区画間の移動時間を例示する模式図である。 第2ケースの効率情報を示す図である。 第2ケースにおける計算部による計算の概念を例示する図である。 第3ケースにおける、区画間の移動時間と、工程の作業効率の変化が次工程に影響するまでの時間とを例示する模式図である。 第3ケースにおける計算部の計算の一例を示す図である。 第3ケースにおける計算部の計算の一例を示す図である。 第3ケースにおける計算部の計算の一例を示す図である。 第4ケースの効率情報を示す図である。 第4ケースにおける計算部の計算の一例を示す図である。 第4ケースにおける計算部の計算の結果を例示する図である。 第2の実施形態に係る移動計画装置の適用環境の例の構成を示す模式図である。 第5ケースの各救助隊の各被災場所への移動時間を示す図である。 第5ケースの各被災場所における単位時間あたりの損失を示す図である。 第3の実施形態に係る移動計画装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る移動計画装置の動作の流れを示すフローチャートである。 変形例に係る移動計画装置の構成を示すブロック図である。 各実施形態の各部を構成するハードウェアの例を示すブロック図である。
本開示では、資源の配置が目的の配置になるように資源が移動する移動方法(移動プラン、移動手順)を導出することを、「移動計画」と呼ぶ。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<<第1の実施形態>>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、工場や倉庫内で作業員による作業が行われるシステムを含む環境における、作業員の移動に関して、移動計画を行う移動計画装置11が想定される。なお、[[補足]]にて後述するが、想定される環境は一例であり、移動計画装置11が本実施形態で説明される環境以外の環境に対して適用される実施形態もありうる。
移動計画装置11は、作業員の移動方法、すなわち、どの作業員がどこへ移動するかというプランを、導出する。特に、以下で説明される例では、移動計画装置11は、作業員の移動の影響が及ぶ系全体の効率の観点で、より良いと期待される移動方法を、導出する。
図1は、移動計画装置11の構成を示すブロック図である。移動計画装置11は、条件取得部110、候補導出部111、計算部112、および出力部113を備える。
条件取得部110は、移動計画を実行するための情報を取得する。以下、移動計画を実行するための情報を、「条件」とも称する。
候補導出部111は、条件取得部110が取得した情報に基づき、作業員の移動方法の候補を導出する。
計算部112は、候補導出部111が導出した候補ごとの評価を計算する。評価は、その候補が採用されることの妥当性の指標である。すなわち、評価が高い候補ほど、その候補は採用される移動方法として適当であることが期待される。例えば、評価は、その候補に基づき移動手順が実行された場合の、作業工程全体において得られる利益の効率(生産性等)の指標である。
出力部113は、計算部112による計算の結果に基づく情報を出力する。
以下、移動計画装置11による移動計画の対象となり得る具体的なケースを例に、移動計画装置11の各部の処理の具体例を説明する。以下で説明されるケースは理解を促すための一例であり、必ずしも移動計画装置11がこれらのケースにのみ適用されることを示すものではない。同様の効果が奏される限り、諸々の条件や前提は異なっていてもよい。
[第1ケース]
第1ケースでは、倉庫での出庫作業におけるピッキング作業が行われる作業環境E1が例示される。図2は、作業環境E1の構成の例を示す模式図である。
第1ケースに係る作業環境E1では、コンベヤ3によって運ばれるコンテナ4に対して、ピッキングと呼ばれる作業が行われる。4か所の区画5A、5B、5C、5Dがあり、それぞれの区画に作業員2が割り当てられている。作業員2は、人でもよいし、移動可能なロボットでもよい。
コンベヤ3は、主ラインと引き込みラインとに分かれている。主ラインは、コンテナ4を区画から区画へと輸送する。引き込みラインは、各々の区画に対応して設けられ、コンテナ4をそれぞれの区画に流入させる役割を担う。コンテナ4は、すべての区画を経由して、下流の工程へと受け渡される。
各区画にコンテナ4が到着すると、作業員2は、コンテナ4に投入すべき(指定された)アイテムを、例えば区画内に存在する棚からピッキングし、検品した上で、コンテナ4に投入する。このピッキング作業は、いわゆる、摘み取り型のピッキング作業である。アイテムの投入後、作業員2は、コンテナ4をコンベヤ3の主ラインに戻す。アイテムが投入されたコンテナ4は、主ラインによって次の区画へと移動する。
図3は、作業環境E1における、区画と作業フローの関係性を示した模式図である。図3に示す通り、作業環境E1では、区画5A→区画5B→区画5C→区画5Dの順で、各区画においてコンテナ4に対する作業が行われる。第1ケースでは、各区画における工程は、その前の区画における工程に影響される。すなわち、各工程では、作業員2は、その前の工程における作業効率を超える効率で作業を行うことはできないとする。
なお、第1ケースでは、各工程における作業の効率は、即時に次の工程へ反映されるとする。
図4は、各区画における、作業員の数が十分である場合の作業効率と、作業員の数が不十分である場合の作業効率とを示す表を示す図である。以下、図4に示されるような、各区画の作業員の数と効率との関係を示す情報を、「効率情報」と称する。第1ケースでは、いずれの区画においても、作業員の数が十分である場合は、上流工程の作業効率が「5」以上である限り、作業効率が「5」であり、作業員の数が不十分である場合は作業効率が「3」であるとする。なお、作業効率は、たとえば、単位時間あたりに処理できるコンテナ4の数である。作業効率には他の指標が用いられてもよい。ただし、以下の説明では、作業効率を示す値が大きいほど、作業効率はよいとする。
第1ケースにおいて、作業員が区画から別の区画へと移動する場合、移動には区画間の関係に応じた時間がかかる。図5は、各区画間の移動にかかる時間を例示する図である。図5において、区画間を結ぶ線に添えられた数字が、区画間の移動にかかる時間(以下、「移動時間」)(単位は「分」)を示す。たとえば、図5によれば、区画5Aと区画5Bとの間の移動時間は、3分である。区画5Bと区画5Cとの間の移動時間、および区画5Cと区画5Dとの間の移動時間も、3分である。区画5Aと区画5Cとの間の移動時間、および区画5Bと区画5Dとの間の移動時間は、5分である。区画5Aと区画5Dとの間の移動時間は7分である。このような、各区画間の移動にかかる時間に関する情報を、移動時間情報と称す。移動時間情報は、移動距離等、移動時間を間接的に示す情報であってもよい。
なお、本実施形態における移動時間とは、作業員が、移動する、すなわち、作業を行う区画を変えて作業する、ためにかかる時間である。つまり、移動時間は、移動のために作業を中止する時間や、移動先で作業の準備をする時間も含んでよい。
また、本実施形態では、区画間の移動時間は方向に関わらず一定であることが想定されるが、区画間の移動時間は、方向によって異なってもよい。
図6は、上記で説明された移動時間の関係を表で表したものである。図6の表において、移動元の区画(たとえば「5C」)と、移動先の区画(たとえば「5D」)とに対応するセルが、その移動元からその移動先への移動にかかる時間(たとえば「3」)を示している。なお、移動時間の単位は「分」である。
さて、今、作業員が過剰な区画と、作業員が不足している区画が生じているとする。図7に、各区画における作業員の数の過不足を示す情報(以下、「過不足情報」)の一例を示す。図7の例では、過剰の場合はプラス、不足の場合はマイナスの符号とともに、過剰または不足の作業員の数が示される。図7の例によれば、区画5Aにおいて作業員が1名不足しており、一方で、区画5Dにおいて作業員は1名過剰である。また、区画5B、5Cにおいては、作業員の過不足はない。
なお、過不足とは、目的の作業員数に対するずれである。目的の作業員数は、たとえば、最も効率的な作業員の配置における各区画の作業員数である。第1ケースにおける目的の作業員数とは、どの区画においても、作業効率が「5」になる作業員数である。すなわち、作業員が1名不足している状態とは、作業員が1名増えれば作業効率が「5」になる状態である。作業員が1名過剰である状態とは、作業員が1名減っても作業効率を「5」に維持できる状態である。
図7に示すような過不足が生じている場合、区画5Aでは作業効率が「3」である。また、区画5Aの後工程である区画5B、5C、5Dにおいても、区画5Aの作業効率が影響し、作業効率は「3」である。工程全体の効率をより良くするためには、区画5Dにいる作業員の1名を、区画5Aに移動させることが望まれる。
以上に説明された情報が、第1ケースに適用される移動計画装置11が移動計画に用いる情報である。
条件取得部110は、上記で説明した諸々の情報を、条件として取得する。すなわち、条件取得部110は、図3に例示された作業フローの情報、図5に例示された効率情報、図6に例示された移動時間情報、および、図7に例示された過不足情報を取得する。以上の情報は、予め条件取得部110に入力されていてもよいし、条件取得部110が導出してもよい。
たとえば、条件取得部110は、作業環境E1を監視している管理システムから条件を取得してもよい。管理システムは、たとえば、作業員の配置、コンテナ4の流れ、コンテナ4に投入されるアイテムの在庫状況等を、監視カメラやコンピュータ等により監視するシステムである。作業員の状況を監視し、作業員に対して作業に関する指示を行う管理者がいてもよい。移動計画装置11が使用する情報の一部または全部は、この管理者によって入力されてもよい。
また、たとえば、条件取得部110は、作業員が過剰な区画と不足している区画とを、取得した情報に基づいて特定してもよい。作業員が過剰な区画と不足している区画とを条件取得部110が特定するために、条件取得部110には、目的の配置と、現在の配置とが入力されてもよい。条件取得部110は、目的の配置を導出してもよい。条件取得部110は、作業環境E1内の全作業員の数と効率情報とを基に、最も効率的な作業員の配置を目的の配置として特定してもよい。なお、最も効率的な作業員の配置は、たとえば、既知の生産計画の手法によって特定可能である。
情報が揃ったら、候補導出部111が、取得された情報に基づき、作業員の移動方法の候補を導出する。
==候補の導出==
候補導出部111が導出する作業員の移動方法は、次の要件を満たす移動方法である。
・すべての区画において作業員数が、目的の作業員数になる移動方法であること。
・区画から移動する作業員の数がそれぞれ、その区画の移動可能な作業員数を上回らないこと。
目的の作業員数は、すなわち、過不足が「±0」になる作業員数である。第1ケースの例に基づけば、候補導出部111は、区画5Dから作業員が1名減り、区画5Aの作業員が1名増えるように、作業員が移動する方法を導出する。候補導出部111は、作業員数が増えるべき区画と減るべき区画とを、過不足情報に基づいて特定してもよいし、現在の配置と効率情報とに基づいて特定してもよい。
候補導出部111による移動方法の導出にあたっては、区画から移動する作業員の数がそれぞれ、その区画の移動可能な作業員数を上回らない、という制限が設けられる。それぞれの区画の移動可能な作業員数は、次のような方法で決定される。
現在、区画5Aの作業員が不足しているため、区画5Aの作業が律速となっている。区画5Aは、いわゆる、工程全体の効率のボトルネックになっている。すなわち、区画5Aの作業効率が、区画5B、5C、5Dにも影響している。区画5B、5C、5Dにおける作業員の過不足は、図7より、それぞれ、±0名、±0名、+1名であるが、ボトルネックである区画5Aの作業員が充足されるまでは、実質的にさらに1名過剰である。よって、区画5B、5C、5Dの移動可能な作業員数は、それぞれ、1名、1名、2名となる。言い換えれば、区画5B、5Cから1名が離脱したとしても、作業効率は変化しないため、区画5B、5Cから1名が移動することは許容される。区画5Dから2名が離脱したとしても、作業効率は変化しないため、区画5Dから2名移動することは許容される。
すなわち、第1ケースにおける移動可能な作業員数は、たとえば、その区画の過不足数に、作業員数が不足している区画の不足している作業員数の絶対値を足した数として求められる。
このように、候補導出部111は、配置の変更の実行前と実行後とで作業員の数の変化がない位置にいる作業員を、移動する可能性がある作業員として算入する。
ただし、算出された移動可能な作業員数が、その区画に現にいる作業員数を超える場合は、移動可能な作業員数はその区画に現にいる作業員数である。第1ケースでは、上記のように算出された各区画の移動可能な作業員数は、その区画に現にいる作業員数を超えていないとする。
以上の条件のもとで、候補導出部111は、たとえば、次のような手順で、区画5Dから作業員が1名減り区画5Aの作業員が1名増えるような、作業員の移動方法の候補を導出する。
(1)作業員が過剰な区画である区画5Dと不足している区画である区画5Aとをつなぐ経路を導出する。ただし、移動可能な作業員が0名である区画を経由してはならない。また、同じ区画を2度以上経由してはならない。
上記のルールのもとで導出される経路は、「5D→5A」、「5D→5B→5A」、「5D→5B→5C→5A」、「5D→5C→5A」、および「5D→5C→5B→5A」である。
(2)導出した経路の終点以外の区画から、1名の作業員がそれぞれ経路の次の区画へ移動する、という移動方法を導出する。
すなわち、
・「5D→5A」という経路に基づけば、区画5Dから1名が区画5Aに移動する、という移動方法(I)が導き出される。
・「5D→5B→5A」という経路に基づけば、区画5Dから1名が区画5Bに移動し、区画5Bから1名が区画5Aに移動する、という移動方法(II)が導き出される。
・「5D→5B→5C→5A」という経路に基づけば、区画5D、5B、5Cから、1名ずつが、それぞれ、区画5B、区画5C、区画5Aに移動する、という移動方法(III)が導き出される。
・「5D→5C→5A」という経路に基づけば、区画5Dから1名が区画5Cに移動し、区画5Cから1名が区画5Aに移動する、という移動方法(IV)が導き出される。
・「5D→5C→5B→5A」という経路に基づけば、区画5D、5C、5Bから、1名ずつが、それぞれ、区画5C、区画5B、区画5Aに移動する、という移動方法(V)が導き出される。
なお、各移動方法における作業員の移動は、同時に行われることが想定される。ケースによっては、候補導出部111は、作業員がタイミングをずらして移動する移動方法をも、別の候補として導出してもよい。第1ケースでは、作業員がタイミングをずらして移動することは意味がないため、候補導出部111はそのような移動を含む移動方法を導出しなくてよい。
候補導出部111は、導出した移動方法のうち、明らかに非効率である移動方法を、候補から除外してもよい。第1ケースでは、移動方法(III)は明らかに非効率である。なぜなら、区画5Cから1名が区画5Aに移動する時間内に、区画5Bから区画5Aへ1名の作業員が移動することができるからである。たとえば、区画5Bから区画5Cへ1名の作業員が移動する手順を手順a1、区画5Cから区画5Aへ1名の作業員が移動する手順を手順a2、区画5Bから区画5Aへ1名の作業員が移動する手順を手順bとする。このとき、手順a1と手順a2とが同時に行われる手順を手順aとして、手順aと手順bとを比較すると、手順a2にかかる時間が手順bにかかる時間と比較して同等かより長い場合、手順aは手順bよりも非効率な手順となる。その理由は、次の前提に基づいて説明できる。
前提:ある決まった移動先へ移動する1名の作業員だけに着目した場合、その作業員が移動先に到着する時間は、早い方が、その作業員が移動先でもたらす利益は大きい(少なくとも、遅い場合より悪くない)。つまり、1名の作業員による、移動元と移動先とが決まっている移動では、移動時間は短いほどよい。
この前提に基づけば、手順a1は、「区画5Bから区画5Cへ0秒で移動する」という架空の手順a3よりも非効率である。したがって、手順aは、手順a2と架空の手順a3とが同時に行われる手順よりも非効率である。そして、この架空の手順a3と手順a2とが同時に行われる手順は、すなわち、1名の作業員が区画5Bから区画5Cへ0秒で移動したあと、区画5Cから区画5Aへ移動する、という架空の手順cと同等である。この架空の手順cは、手順bよりも非効率である。なぜなら、区画5Cから区画5Aへの移動時間は、区画5Bから区画5Aへの移動時間よりも短くないからである。
以上の通り、第2の区画から第1の区画への移動時間が、第3の区画から第1の区画への移動時間よりも長くない場合に、「第2の区画から第3の区画へ1名の作業員が移動し、第3の区画から第1の区画へ1名の作業員が移動する」という移動手順を含む移動方法は、明らかに非効率である(すなわち、評価が最高の候補でないことが自明である)移動方法である。したがって、候補導出部111は、このような移動方法を、候補から除外してもよい。第1ケースの例では、候補導出部111は、移動方法(III)を候補から除外してもよい。
候補導出部111は、経路を導出する段階で、自明に非効率である移動方法が導き出される経路を計算から除外してもよい。つまり、経路に含まれるある区画に到達する直前の区画からの移動時間が、その直前の区画以前の区画からそのある区画へ直接移動する時間よりも長いか同じである場合は、そのような経路からは移動方法を導出しなくてもよい。候補導出部111は、そのような経路自体を導出しなくてよい。
なお、自明に非効率な経路を除外しながら経路を導出する具体的な方法の例は、[[補足]]の[5]にて後述する。
以上にしたがって、候補導出部111が候補として導出する移動方法は、移動方法(I)、(II)、(IV)および(V)である。
==評価の計算==
計算部112は、導出された候補ごとに、その候補の評価を計算する。計算部112は、たとえば、評価として、移動開始から移動完了までの時間を含む任意の時間の、工程全体の効率を計算する。計算部112は、効率の計算に際し、過不足情報、移動時間情報、および、図4に例示される効率情報を用いる。
図8は、計算部112が計算する内容の概念を例示する図である。図8に例示するように、計算部112は、それぞれの候補につき、その候補が採用された場合の、工程全体の効率の経時変化を導出する。
図8の表の「候補」の欄には、候補導出部111が導出した4つの候補が記載されている。図8の表の「作業効率」の欄には、それぞれの候補を採用した場合の、作業員の移動開始からの経過時間ごとの、工程全体の作業効率が記載されている。
候補(1)は、区画5Dから区画5Aへ1名の作業員が移動する移動方法である。候補(1)の移動方法が実行された場合、ボトルネックである区画5Aの作業員数が充足されるのは、作業員の移動開始から7分後である。このため、0〜7分における作業効率は「3」である。7分経過の時点で区画5Aの作業員数が充足され、移動が完了することから、作業効率は「5」に改善される。
候補(2)は、区画5Dから1名が区画5Bに移動し、区画5Bから1名が区画5Aに移動する移動方法である。候補(2)の移動方法では、ボトルネックである区画5Aの作業員数が充足されるのは、作業員の移動開始から3分後である。このため、0〜3分における作業効率は「3」である。3分経過時点で区画5Aの作業員数は充足されるが、区画5Bの作業員数は一時的に1名不足の状態となる。このため、区画5Bがボトルネックになり、区画5Bの作業員数が充足されるまで作業効率は「3」のままとなる。区画5Bの作業員数を充足するための移動は、区画5Dから区画5Bへの作業員の移動であり、この移動が完了するのは、移動開始から5分後である。よって、3〜5分における作業効率が「3」であり、5分後以降の作業効率が「5」となる。
候補(3)は、区画5Dから1名が区画5Cに移動し、区画5Cから1名が区画5Aに移動する移動方法である。候補(3)の移動方法では、ボトルネックである区画5Aの作業員数が充足されるのは、作業員の移動開始から5分後である。このため、0〜5分における作業効率は「3」である。なお、この間、区画5Dから区画5Cへの移動が同時に行われているが、ボトルネックである区画5Aに変化がないため、この移動は作業効率に影響しない。5分経過時点で移動が完了する(区画5Dから区画5Cへの移動も完了している)ことから、以降の作業効率は「5」に改善される。
候補(4)は、区画5D、5C、5Bから、1名ずつが、それぞれ、区画5C、区画5B、区画5Aに移動する移動方法である。候補(4)の移動方法では、ボトルネックである区画5Aの作業員数が充足されるのは、作業員の移動開始から3分後である。このため、0〜3分における作業効率は「3」である。また、この間、区画5Dから区画5Cへの移動と、区画5Cから区画5Bへの移動とが同時に行われているが、ボトルネックである区画5Aに変化がないため、この移動は作業効率に影響しない。3分経過時点で移動が完了する(区画5Dから区画5Cへの移動も区画5Cから区画5Bへの移動も完了する)ことから、以降の作業効率は「5」に改善される。
以上のように、計算部112は、それぞれの候補につき、少なくとも移動開始から7分後までの作業効率を計算する。なお、7分後以降の作業効率は、いずれの候補においても同じである。
計算部112は、それぞれの候補につき、移動開始から7分間の作業効率の平均を求めてもよい。上記の例について平均を求めると、候補(1)から(4)の効率は、それぞれ、3.00、3.57、3.57、4.14である。この、7分間の作業効率の平均が、各候補の評価の一例である。
==結果の出力==
出力部113は、移動計画装置11による計算処理の結果として、計算部112が計算した評価に基づく情報を出力する。
たとえば、出力部113は、導出された候補と、その候補それぞれの評価とのリストを出力してもよい。出力される評価は、計算部112により算出された第1の評価に基づいて生成された、第2の評価でもよい。たとえば、第2の評価は、各候補の第1の評価の値に基づく、それぞれの候補の偏差値でもよい。第2の評価は、「S」、「A」のような、第1の評価の高さに応じて定められた記号でもよい。
たとえば、出力部113は、導出された候補のうち、評価がもっとも高い候補を、「実行されるべき移動方法」として明示する情報を出力してもよい。第1ケースでは、候補(4)の効率が最も高いので、出力部113は、候補(4)の移動方法を、「実行されるべき移動方法」として明示する情報を出力する。たとえば、出力部113は、候補(4)の移動方法を、画面を介して表示する。これにより、たとえば、作業環境E1を管理する管理者が、その画面を見て、移動計画装置11によって導出された移動方法を認識する。
図9は、出力部113による、移動方法の表示の例である。移動方法は、たとえば、図9に例示されるように、移動元の区画と、移動先の区画と、移動する作業員数との組のリストで表される。図9の例では、区画5Dから区画5Cへ1名が移動すべきであること、区画5Cから区画5Bへ1名が移動すべきであること、および、区画5Bから区画5Aへ1名が移動すべきであること、が示されている。図9の例において、区画5B、5C、5Dにおけるそれぞれ1名の作業員は、いわば、「移動対象者」である。
出力部113は、移動方法を指示のように表示してもよい。たとえば、出力部113は、「区画5Dから区画5Cへ1名移動せよ」のようなテキストを表示してもよい。
出力部113による情報の出力は、画面による表示の他、紙への印刷や、音声による方法や、ライトの点滅による方法によってもよい。
出力を受け取った者(たとえば管理者)は、出力された情報に基づき、各区画の移動すべき作業員を決定し、決定された作業員に移動の指示を出すことができる。
出力部113は、移動する作業員数の代わりに、作業員の識別子(名前、識別番号等)を出力してもよい。すなわち、出力部113は、移動対象者を指定してもよい。たとえば、出力部113は、区画5Bにいる作業員のうち1名を導出して、その作業員の識別子を、区画5Cの表示に対応付けて表示してもよい。移動させる作業員を出力部113が決定することにより、管理者が、どの作業員を移動させるべきかを選択する負担を軽減することができる。
出力部113は、導出した移動計画の通りに作業員が移動するよう、作業員に対して指示を直接出力してもよい。たとえば、出力部113は、区画5Dにいる作業員のうち1名に対して、区画5Cに移動するように指示してもよい。指示の方法は、区画に設置されたモニタへの識別子の表示、音声による指示、作業員が個別に有する機器への情報の出力等、様々な形態が採用され得る。出力部113が作業員に直接指示を出すことにより、どの作業員を移動させるべきかを管理者が選択する必要がなくなる。
<効果>
移動計画装置11により、工程全体の効率の観点で最適な移動方法を導出することができる。
通常、移動に伴い作業員が区画から離脱すると、その区画の作業効率が低下する。しかし、ボトルネックが存在する場合、作業員が離脱しても一時的な作業効率は変化しない場合がある。第1ケースにおける移動計画装置11は、作業員が過剰でない区画であっても、その区画から作業員を一時的に減らすことによる工程全体への影響がないと判断されれば、その区画を移動可能な作業員が存在する区画であるとして抽出する。具体的には、たとえば、移動計画装置11は、作業員数が不足していない区画における移動可能な作業員の数を、不足している区画の不足数に基づいて決定する。そうすることで、移動計画装置11は、作業員の不足を解消するための作業員の移動方法をより多様に導出することができる。
そして、移動計画装置11は、移動方法の実行中の状態、いわゆる過渡状態、における作業効率を踏まえて最適な移動方法を立案することができる。その理由は、計算部112が、導出された候補ごとに、効率情報に基づき、移動方法の実行中の作業効率を計算し、評価を算出するからである。出力部113が、評価に基づき移動方法を出力することで、作業員は、最も効率的な移動方法によって移動を行うことができる。
特に、連続的に作業が行われる環境のもとでは、移動方法を導出することに時間を長く費やすほど、作業効率が悪い状況が長く続く。移動計画装置11は、このような状況において、十分な短時間で適当な移動方法を導出できることが期待される。すなわち、移動計画装置11によれば、特に作業が進行中の工程に対して、リアルタイムに作業員の移動を適切に制御することができるという、際立った効果を奏し得る。
[[補足]]
[1]計算対象の態様
第1ケースでは、作業環境E1の例として摘み取り型ピッキングが行われるシステムを含む環境が挙げられたが、移動計画装置11が移動計画の対象とする環境は、摘み取り型ピッキングが行われるシステムを含む環境に限られない。
たとえば、リレー式ピッキングが行われるシステムや、カート式ピッキングが行われるシステムにおいても、作業員の移動方法の違いによって工程全体の効率は変化する。したがって、そのようなシステムを含む環境に対しても、移動計画装置11の適用によって、作業員の再配置にあたって、工程全体の作業効率がより適切になる移動方法を提供することができる。
また、倉庫における入庫作業や、工場における生産工程や組立工程、プラントにおける生産工程、港湾における積荷の上げ下ろし、およびトラックの入出庫を含めたサプライチェーン管理など、複数の工程を含む様々な環境に対し、移動計画装置11は適用されることが可能である。
すなわち、移動計画装置11は、本開示で説明されるケースに類似するあらゆるケースに適用されてよい。
[2]評価
計算部112が計算する評価は、作業効率を直接示す数値に限られない。たとえば、計算部112は、7分間において各区画の作業が完遂されるコンテナ4の数を、評価として計算してもよい。
また、第1ケースにおいては、上流の工程の作業効率が下流の工程に即時に反映されることを前提としているため、作業効率が高いことと、すべての区画の作業員数が目的の配置になる時間が早いこととは、本質的には同値である。したがって、計算部112は、評価として、たとえば、すべての区画の作業員数が目的の作業員数になるのにかかる時間の逆数を求めてもよい。この場合も、評価が高いほど、すなわち、上記の時間が短いほど、効率が良いといえる。
[3]2名以上の過不足がある場合
第1ケースでは、過剰な作業員の数および不足の作業員の数がそれぞれ1名ずつである場合が例示されている。過剰な作業員の数および不足の作業員の数がそれぞれ2名以上いる場合の、候補導出部111による候補の導出方法の例について説明する。
たとえば、候補導出部111は、過不足を解消する問題を、2以上の、過不足を解消する問題の組み合わせ、とみなせばよい。具体的には、以下の通りである。
例として、作業環境E1において、区画5Aおよび区画5Bにおいて作業員が1名ずつ不足しており、区画5Cおよび区画5Dにおいて作業員が1名ずつ過剰であるとする。このような過不足の状況を表す情報を元の過不足情報とする。
この場合において、候補導出部111は、元の過不足情報を、分割する。すなわち、候補導出部111は、たとえば、元の過不足情報を、「区画5Aにおいて作業員が1名不足であり、区画5Cにおいて1名過剰である」という過不足情報と、「区画5Bにおいて作業員が1名不足であり、区画5Dにおいて1名過剰である」という過不足情報とに分ける。候補導出部111は、さらに、元の過不足情報を、「区画5Aにおいて作業員が1名不足であり、区画5Dにおいて1名過剰である」という過不足情報と、「区画5Bにおいて作業員が1名不足であり、区画5Cにおいて1名過剰である」という過不足情報とにわける。
候補導出部111は、分けられた過不足情報のそれぞれに基づき、移動方法を導出する。分けられた過不足情報に対する移動方法の導出には、既に述べた導出方法が適用可能である。その後、候補導出部111は、導出されたそれぞれの移動方法を組み合わせることによって、移動方法の候補を作成する。具体的には、次の通りである。
「区画5Aにおいて作業員が1名不足であり、区画5Cにおいて1名過剰である」という過不足情報からは、移動方法(1)5C→5A、および(2)5C→5B,5B→5Aが導出される。「区画5Bにおいて作業員が1名不足であり、区画5Dにおいて1名過剰である」という過不足情報からは、移動方法(1)5D→5B、(2)5D→5A,5A→5B、(3)5D→5C,5C→5B、および(4)5D→5C,5C→5A,5A→5Bが導出される。なお、上記の経路の導出において、自明に非効率な経路は除外されている。
導出された移動方法を組み合わせると、次の候補(C1)〜(C8)が得られる。
(C1)5C→5A,5D→5B
(C2)5C→5A,5D→5A,5A→5B
(C3)5C→5A,5D→5C,5C→5B
(C4)5C→5A,5D→5C,5C→5A,5A→5B
(C5)5C→5B,5B→5A,5D→5B
(C6)5C→5B,5B→5A,5D→5A,5A→5B
(C7)5C→5B,5B→5A,5D→5C,5C→5B
(C8)5C→5B,5B→5A,5D→5C,5C→5A,5A→5B
ただし、候補(C6)および(C8)は、「5B→5A」と「5A→5B」とを同時に含んでおり、この移動方法の実行は無意味である。したがって、候補導出部111は、候補(C6)と(C8)とを候補から除外してもよい。
一方、「区画5Aにおいて作業員が1名不足であり、区画5Dにおいて1名過剰である」という過不足情報からは、移動方法(1)5D→5A、(2)5D→5B,5B→5A、(3)5D→5C,5C→5A、および(4)5D→5C,5C→5B,5B→5Aが導出される。「区画5Bにおいて作業員が1名不足であり、区画5Cにおいて1名過剰である」という過不足情報からは、移動方法(1)5C→5Bが導出される。
導出された移動方法を組み合わせると、次の候補(C9)〜(C12)が得られる。
(C9)5D→5A,5C→5B
(C10)5D→5B,5B→5A,5C→5B
(C11)5D→5C,5C→5A,5C→5B
(C12)5D→5C,5C→5B,5B→5A,5C→5B
ただし、候補(C10)は候補(C5)と同一であり、候補(C11)は候補(C3)と同一であり、候補(C12)は候補(C7)と同一である。したがって、候補導出部111は、候補(C10)から(C12)を候補から除外してもよい。以上より、導出される候補は、(C1)〜(C5)、(C7)、(C9)の7つとなる。
[4]導出する候補について
候補導出部111は、必ずしも、最も評価が高い可能性がある移動方法をすべて導出しなくてもよい。特に候補の数が膨大となるケースの場合は、各部の処理にかかる時間を抑えるため、候補導出部111が導出する移動方法の数に上限が設けられてもよい。すなわち、たとえば、候補導出部111は、所定の数の移動方法を導出してもよい。
候補導出部111が、最も評価が高い可能性がある移動方法をすべて導出する場合は、移動計画装置11は、最も評価が高い移動方法を導出できる。評価が効率の良さの指標である場合は、移動計画装置11は、最も効率が良い移動方法を導出できる。
一方、候補導出部111が、移動方法を所定の数だけ導出する場合は、導出された候補の中で最も評価が高い候補に基づく配置変更の効率は、最良であるとは限らないが、ある程度良いことが期待される。なぜならば、少なくとも、その候補よりも評価が低い候補が所定の数より1少ない数存在することがいえるからである。すなわち、この場合でも、移動計画装置11が、進行中の作業体制を連続的に制御するのに十分な短時間で、ある程度効率の良い移動方法を得る、という効果を奏することを、十分に期待することができる。
[5]経路の導出方法
既に述べたように、候補導出部111は、候補の導出において、作業員が過剰な区画(以下、「過剰区画」)と不足している区画(以下、「不足区画」)とをつなぐ経路を導出し、その経路に基づいて移動方法を導出してもよい。その経路の導出方法について、以下詳細な例を説明する。
候補導出部111が導出する経路は、一例として、図10に示されるようなツリー構造のデータで表すことができる。図10に示されるデータは、不足区画が根ノードであり、すべての葉ノードが過剰区画であり、不足区画でも過剰区画でもないノードが、根ノードと葉ノードとをつなぐノードであるようなツリー構造を持つ。図10に示されるデータは、第1ケースの例において候補導出部111により導出された4つの経路を表している。たとえば、図10に示されるようなツリー構造のデータにおいて、任意の葉ノードから根ノードまでの経路が、導出された1つの経路を意味する。たとえば、最も左側の「5D」の葉ノードから根ノードである「5A」までたどることにより、「5D→5C→5B→5A」という経路が特定される。つまり、このようなツリー構造において、親ノードは次の移動先を意味し、子ノードは親ノードへ移動する作業員の移動元を意味している。なお、異なる葉ノードから始まる経路はすべて異なる経路である。
候補導出部111は、自明に非効率な経路を除くすべての経路を導出してもよい。以下、そのような導出方法を説明する。なお、以下では、図10に示されるようなツリー構造のデータを生成する手順になぞらえて、経路の導出方法が例示的に説明されるが、候補導出部111は、コンセプトが異ならなければ、ツリー構造のデータを生成しない他のアルゴリズムによって経路を導出してもよい。
図11は、図10に示されるようなツリー構造のデータを生成する手順の例を示すフローチャートである。なお、この開示において説明される手順は、一例に過ぎず、適宜変更されてもよい。
候補導出部111は、まず、過剰区画と不足区画とを特定する(ステップS111)。過剰不足と不足区画とは、例えば、過不足情報から特定可能である。第1ケースの例に基づけば、過剰区画は区画5D、不足区画は区画5Aである。
次に、候補導出部111は、移動可能な作業員数が1名以上である区画を特定する(ステップS112)。以降の処理において、根ノード以外のノードになりうる「区画」は、このステップS112の処理で特定された区画である。すなわち、ここで特定される区画が、抽出される経路に含まれる可能性がある区画である。
次に、候補導出部111は、ステップS111で特定された不足区画を、根ノードとして設定する(ステップS113)。
そして、候補導出部111は、不足区画の近接区画と、過剰区画とを、根ノードの子ノードとして生成する(ステップS114)。この処理は、根ノード(不足区画)に向かって移動する作業員の移動元を特定する処理である。本説明において、「区画Xの近接区画」とは、区画Xにとって過剰区画よりも近い区画、すなわち、区画Xまでの移動時間が過剰区画から区画Xまでの移動時間よりも短い区画、である。第1ケースの例に基づけば、区画5Bから不足区画5Aまでの移動時間は、過剰区画5Dから不足区画5Aまでの移動時間よりも短い。したがって、区画5Bは、不足区画5Aの近接区画である。区画5Cも、不足区画5Aの近接区画である。したがって、第1ケースの例では、候補導出部111は、不足区画の近接区画である区画5B、5Cと、過剰区画である区画5Dとを、根ノードの子ノードとして生成する。すなわち、この処理によって、区画5Aに移動する作業員の候補は、区画5B,5C,または5Dにいる作業員であると特定される。
次に、候補導出部111は、過剰区画以外の生成した子ノードのそれぞれに、空の除外リストを生成する(ステップS115)。除外リストは、過剰区画以外のノードにそれぞれ関連づけられる、区画の識別子のリストである。除外リストは、後述のステップS118からステップS120の処理で用いられる。除外リストは、その除外リストを持つ区画の子ノードにならない区画の識別子のリストである。
次に、候補導出部111は、全ての葉ノードが過剰区画であるかを判定する(ステップS116)。全ての葉ノードが過剰区画である場合(ステップS116においてYES)は、ツリー構造は完成している(すべての経路の導出が完了している)ため、候補導出部111は、ツリー構造の生成処理を終了する。過剰区画でない葉ノードがあれば(ステップS116においてNO)、処理はステップS117へ進む。すなわち、候補導出部111は、過剰区画でない葉ノードがある限り、ステップS117以降の処理を行う。なお、第1ケースの例では、この時点で過剰区画でない葉ノードは、根ノードの子ノードである「5B」と「5C」である。
ステップS117では、候補導出部111は、過剰区画でない葉ノードを選択する。過剰区画でない葉ノードが複数ある場合、候補導出部111は、その複数の葉ノードうちいずれか1つの葉ノードを選択する。選択する方法は、例えば乱数に基づく選択方法や、ノードの深さや親ノードとの間の移動時間等に基づいて選択する方法等、任意のアルゴリズムに基づく方法でよい。例えば、候補導出部111は、過剰区画でない葉ノードのうち、深さが最も深く、親ノードとの間の移動時間が最も長い葉ノードを選択してもよい。例として、候補導出部111は、根ノードの子ノードである「5C」を選択したとする。
そして、候補導出部111は、選択されたノードの近接区画のうち、選択されたノードよりも親ノードの区画に近い区画の識別子と、選択されたノードの識別子とを、選択されたノードの除外リストに加える(ステップS118)。本説明例では、選択されたノードが示す区画「5C」の近接区画は「5B」であり、区画5Bは区画5Cよりも親ノード(区画5A)よりも近い。したがって、候補導出部111は、区画5Bの識別子を、選択されたノードの除外リストに加える。また、候補導出部111は、選択されたノードが示す区画(区画5C)の識別子をも、選択されたノードの除外リストに加える。
そして、候補導出部111は、選択されたノードの除外リストに識別子がない、選択されたノードの近接区画(存在すれば)と、過剰区画とを、選択されたノードの子ノードとして、生成する(ステップS119)。本説明例では、選択されたノードの近接区画は区画5Bであるが、選択されたノードの除外リストには区画5Bおよび区画5Cの識別子が記載されているので、区画5Bは子ノードとして生成されない。候補導出部111は、選択されたノードの子ノードとして、過剰区画5Dのみを生成する。
そして、候補導出部111は、過剰区画以外の生成した子ノードのそれぞれに、選択されたノードの除外リストと同じ内容の除外リストを生成する(ステップS120)。ただし、過剰区画以外の生成した子ノードがなければ、この処理は省略されてよい。
その後、処理はステップS116へと戻る。
このようにして、候補導出部111は、すべての葉ノードが過剰区画になるまで、ステップS116からステップS120の処理を繰り返す。
これにより、図10に示されるようなツリー構造のデータが生成される。このデータ構造は、候補導出部111が導出した経路を表す。このツリー構造のデータが表す経路には、自明に非効率な経路(たとえば、第1のケースにおいて「5D→5B→5C→5A」など)は含まれない。その理由は、ステップS118において、選択されたノードの近接区画のうち、選択されたノードよりも親ノードの区画に近い区画の識別子が、除外リストに加えられるからである。この処理により、第2の区画から第1の区画への移動時間が、第3の区画から第1の区画への移動時間よりも長くない場合に、第2の区画から第3の区画を通り第1の区画へ移動する経路は、導出されない。なお、このような経路が自明に非効率である理由は、「==候補の導出==」の説明で既に述べた通りである。
なお、逆に言えば、このツリー構造のデータが表す経路はすべて、自明に非効率でない経路である。すなわち、このツリー構造のデータが表す経路は、経路に含まれる任意の区画の直前の区画からの移動時間が、その直前の区画以前の区画からその任意の区画へ直接移動する時間よりも必ず短いような経路である。
自明に非効率な経路が導出されないことにより、導出される経路および候補を削減できるため、処理時間が短くなる。
なお、図11に例示された処理では、ステップS116の判定により、候補導出部111は、自明に非効率でないすべての経路を導出することができる。変形例として、候補導出部111は、所定の数だけ経路を導出してもよい。すなわち、ステップS116の判定が、「所定数の葉ノードが過剰区画であるか」という判定に変更されてもよい。この場合であっても、自明に非効率な経路が導出されないことにより、より評価が高いと期待される候補に対して計算リソースを充てることができる。
以上のような経路の探索により、候補導出部111は、評価が最も高い可能性のある候補を、無駄な処理を省きつつ導出できる。候補導出部111が全ての経路を導出しない場合でも、より評価が高いと期待される候補を導出できる。
[6]変形例
移動計画装置11は、移動方法を受け付ける移動方法受付部を備えていてもよい。
移動方法受付部は、たとえば、作業環境の管理者から、移動方法の入力を受け付ける。入力される移動方法は、たとえば、作業環境の管理者が計画した移動方法である。
この場合、計算部112は、受け付けた移動方法の評価を計算する。移動方法受付部が複数の移動方法を受け付けた場合は、それぞれの移動方法の評価を計算する。出力部113は、受け付けた移動方法の評価を出力する。複数の移動方法の評価が計算された場合は、出力部113は、それぞれの評価を出力してもよいし、評価が最も高い移動方法を明示する情報を出力してもよい。
このような構成により、移動計画装置11に移動方法を入力した者は、入力した移動方法の評価を知ることができる。複数の移動方法を入力した場合は、その中で最も評価が高い移動方法を知ることができる。
候補導出部111は、受け付けられた移動方法と同様の移動結果を与える、他の移動方法を1つ以上導出してもよい。たとえば、受け付けられた移動方法が区画5Dから1名が区画5Bへ移動する、という移動方法であった場合、区画5Dの作業員数が1名減り、区画5Bの作業員数が1名増えるような、別の移動方法を導出してもよい。そして、計算部112は、候補導出部111が導出した移動方法の評価を計算してもよい。出力部113は、導出された移動方法の評価が、受け付けられた移動方法の評価よりも高い場合、その導出された移動方法を示す情報を出力してもよい。
このような構成により、移動計画装置11に移動方法を入力した者は、入力した移動方法よりも評価が高い、すなわち、より効率の良い、移動方法を知ることができる。
候補導出部111が導出した複数の移動方法の評価がいずれも、受け付けられた移動方法の評価よりも同じか低い場合、出力部113は、導出された移動方法の数と、それらの移動方法の評価が受け付けられた移動方法の評価を超えなかったこととを示す情報を出力してもよい。出力部113は、受け付けられた移動方法の評価の偏差値を示す情報を出力してもよい。この場合、移動計画装置11に移動方法を入力した者は、入力した移動方法がある程度効率の良い移動方法であることを知ることができる。
[第2ケース]
第1ケースで示された例では、作業効率の値が最も高い候補は、言い換えれば、過不足が解消するまでの時間が最も短い候補といえる。しかし、作業員が不足の時の作業効率が区画ごとに異なる場合は、必ずしも、作業効率の値が最も高い候補と、過不足が解消するまでの時間が最も短い候補とは、同一ではない。
第2ケースでは、区画ごとに作業効率が異なる場合を想定する。なお、第2ケースにかかる作業環境E2の構成は、作業環境E1の構成と同じでよい。すなわち、作業内容や作業フロー等の条件は、第1ケースの条件と同じでよい。ただし、第2ケースでは、移動時間情報および効率情報が、第1ケースの移動時間情報および効率情報と異なる。
図12は、第2ケースにおける、各区画間の移動時間を示す模式図である。図12によれば、たとえば、区画5Dと区画5Bとの間の移動時間は6分、区画5Cと区画5Aとの間の移動時間は4分である。
図13は、第2ケースにおける、各区画における効率情報を示す図である。第2ケースでは、図13の通り、区画5Aにおいて作業員数が不足する場合の作業効率が「3」である一方で、区画5B、5C、5Dにおいて作業員数が不足する場合の作業効率は「4」である。
以上のような例における、移動計画装置11の処理の例を以下、説明する。
まず、条件取得部110は、移動計画に必要な情報を取得する。すなわち、第2ケースでは、条件取得部110は、図3に例示されるフロー情報、図7に例示される過不足情報、図12に例示される移動時間の情報、図13に例示される効率情報を取得する。
候補導出部111は、取得された情報に基づき、工程全体の効率を改善する(すなわち、過不足を解消する)移動方法の候補を導出する。候補の導出方法は、たとえば、第1ケースで説明された導出方法と同様でよい。第1ケースで説明された導出方法に従えば、候補導出部111は、次の4つの候補を導出する。
候補(1):区画5Dから区画5Aへ1名の作業員が移動する。
候補(2):区画5Dから1名が区画5Bに移動し、区画5Bから1名が区画5Aに移動する。
候補(3):区画5Dから1名が区画5Cに移動し、区画5Cから1名が区画5Aに移動する。
候補(4):区画5D、5C、5Bから、1名ずつが、それぞれ、区画5C、区画5B、区画5Aに移動する。
候補が導出されたら、計算部112は、候補ごとの評価を計算する。
図14は、計算部112が行う計算の例を示す図である。図14の表の一番左の欄には、候補導出部111が導出した4つの候補が示される。計算部112は、図14の表の「作業効率」の欄に示されるように、候補ごとの、作業効率の経時変化を導出する。
候補(1)の場合、区画5Dからの1名の作業員が区画5Aへ到達するまで、区画5Aにおける作業がボトルネックである。したがって、移動開始から5分までの間の作業効率は「3」であり、5分後からの作業効率が「5」である。
候補(2)の場合、区画5Aの作業効率は、区画5Bからの作業員の移動によって2分後に改善される。しかし、区画5Bにおいては作業員が1名不足するため、2分後から6分後までの間は、作業効率は「4」である。移動開始から6分後に、区画5Dからの1名の作業員が区画5Bに到達するため、6分後から作業効率が「5」となる。
候補(3)の場合、区画5Aの作業効率は、区画5Cからの作業員の移動によって4分後に改善される。この時点で、区画5Dから区画5Cへの作業員の移動はすでに完了しているため、4分後から作業効率が「5」となる。
候補(4)の場合、区画5Aの作業効率は、区画5Bからの作業員の移動によって2分後に改善される。しかし、区画5Bにおいては作業員が1名不足するため、2分後から5分後までの間は、作業効率は「4」である。移動開始から5分後に、区画5Cからの1名の作業員が区画5Bに到達するため、区画5Bがボトルネックである状態は解消する。この時点で、区画5Dから区画5Cへの作業員の移動はすでに完了しているため、5分後から作業効率が「5」となる。
以上より、いずれの候補も、6分後には工程全体の効率が最適の効率になる。したがって、計算部112は、たとえば、移動開始から6分後までの、作業効率の平均を求める。図14の表に示す通り、候補(1)〜(4)の作業効率の平均はそれぞれ、3.33、3.67、3.67、そして3.83である。したがって、最も効率がよい移動方法は、候補(4)の移動方法であることがわかる。
出力部113は、第1ケースと同様に、計算部112の計算結果に基づく情報を出力する。たとえば、出力部113は、最も効率がよい移動方法である候補(4)の移動方法を、「実行されるべき移動方法」として抽出してもよい。
これにより、作業環境E2における作業員は、最も効率のよい移動方法で、過不足を解消するための移動をすることができる。
ちなみに、第2ケースにおいて最も効率がよい移動方法として特定された候補(4)は、過不足が最も早く解消する移動方法でもなく、作業員の移動時間の総和が最も小さい移動方法でもない。第2ケースにおいて、過不足が最も早く解消する移動方法は、候補(3)である。このように、最も効率がよい移動方法と過不足が最も早く解消する移動方法とは必ずしも一致しないことがある。移動計画装置11は、このような場合でも、最も効率がよい移動方法を導出することができる。
[[補足]]
図3に例示される作業フローには、並列工程が含まれていてもよい。並列工程とは、互いに依存関係のない複数の工程である。たとえば、区画5Aにおける作業工程の直後の工程と、区画5Bにおける作業工程の直後の工程とが、いずれも区画5Cにおける作業工程である場合、区画5Aにおける作業工程と区画5Bにおける作業工程とは並列工程である。この場合、区画5Aにおける作業効率が「5」であっても、区画5Bにおける作業効率が「4」であった場合は、区画5Cにおける作業効率は「4」となる。言い換えれば、並列工程の下流の工程の作業効率は、並列工程のうちもっとも作業効率が低い工程の作業効率に依存する。移動計画装置11は、このようなルールを有する工程を含むフロー作業情報を基にしても、上述した処理と同様に処理をすることが可能である。
[第3ケース]
上述のケースでは、各区画における作業効率の変化が即時に次の工程に反映されるという前提が設定されている。第3ケースでは、各区画における作業効率の変化は、所定の時間後に、次の工程に反映される場合を想定する。
第3ケースに係る作業環境E3の構成は、作業環境E1の構成と同じでよい。すなわち、第3ケースにおける作業フロー、効率情報等の条件は、第1ケースにおける条件と同じでよい。
第3ケースでは、区画間の移動時間の条件が、第1ケースの条件と異なる。また、第3ケースは、作業効率が変化した場合に後工程に影響を与えるまでの時間の情報が、移動計画の条件に含まれる点で、第1ケースと異なる。
図15は、各区画間の移動時間と、各区画における工程の作業効率の変化が次工程に影響するまでの時間とを例示する模式図である。図15において、区画間を結ぶ曲線に添えられた数字が、区画間の移動にかかる時間(単位は「分」)を示す。また、区画から区画へ向かう矢印に重畳して書かれた数字は、矢印の始点の区画における作業効率の変化が矢印の終点の区画における作業効率に影響するまでの時間を示す。たとえば、図15によれば、区画5Aにおける作業効率の変化が区画5Bにおける作業効率に影響するまでの時間は、1分である。
さて、今、区画5Aにおいて1名の作業員が不足しており、区画5Dにおいて1名の作業員が過剰であるとする。この場合に、移動計画装置11が過不足を解消する移動計画を行う具体的な手順を説明する。
条件取得部110は、移動計画に必要な情報を取得する。
候補導出部111は、取得された情報に基づき、移動方法の候補を導出する。移動方法の導出の方法は、第1ケースの説明で説明された方法と同様でよい。候補導出部111は、移動方法の候補として、4つの移動方法(第1ケースの候補と同じである)を導出する。
計算部112は、導出された候補ごとに、評価を計算する。評価は、たとえば、移動開始から10分間の作業効率の平均である。このとき、計算部112は、作業効率が次工程に影響するまでの時間も計算に用いる。具体的には、計算部112は、以下の要領で計算を行う。
候補(1)を例に、計算部112による計算の方法を例示する。図16は、候補(1)に対する、効率の計算の概念を例示する図である。計算部112は、例えば、図16のように、1分ごとの生産効率を計算する。
表の一番上の欄の数字は、移動開始からの経過時間を示す。なお、以下、説明の便宜のため、「t」を、経過時間を表す変数として定義する。計算部112は、1分ごとの生産効率を計算するため、1分ごとの、各エリアにおける作業員の「過不足数」および「ボトルネック」を特定する。なお、図16の表の一番下の欄には、参考として、移動中の作業員の情報が示されている。
図16の表を参照しながら、計算の概要を説明する。候補(1)が採用される場合、区画5Dから1名の作業員が区画5Aへ移動する。移動中の作業員が区画5Aに到達するのは7分後であるため、移動の開始から7分後(t=0〜7)までは、区画5Aの過不足数は「−1」で変化しない。この間、ボトルネックは、区画5Aであり、したがって作業効率は「3」である。7分後には、区画5Aの過不足数が「±0」に変化する。しかし、区画5Aで改善された作業効率が区画5Bに反映されるまでに1分がかかるため、工程全体の作業効率(いわば、区画5Dにおける作業効率)は変化しない。「ボトルネック」の欄には、区画5Aの作業効率が改善されたものの、区画5Aの作業効率が5Bに反映される前であることを表す、「5A→5B」が書かれている。t=7からt=9の間は、作業員の移動は完了しているものの、作業効率の変化が区画5Dにまで影響していないため、作業効率は「3」のままである。そして、t=10でようやく、区画5Aの作業効率の変化が区画5Dに反映され、ボトルネックは完全に解消される。すなわち、t=「10〜」の欄の、「ボトルネック」に対応するセルには「なし」と書かれ、作業効率は「5」となる。
図17は、候補(2)に対する、効率の計算の概念を例示する図である。候補(2)が採用される場合、区画5Bから1名の作業員が区画5Aに3分かけて移動し、区画5Dから1名の作業員が5分かけて区画5Bに移動する。よって、移動開始から3分後までは、区画5Aと区画5Bとが1名不足であり、ボトルネックは区画5Aである。3分後は、区画5Aの作業員数が充足される。よって、ボトルネックは「5A→5B」となる。t=4〜5では、まだ区画5Bの作業員数が不足しているため、区画5Bがボトルネックとなる。t=5で、区画5Dから区画5Bへの作業員の移動が完了し、区画5Bはボトルネックでなくなる。その後、区画5Bにおける作業効率の変化が2分かけて区画5Dに反映され、t=7でボトルネックが完全に解消される。すなわち、t=7から作業効率が「5」となる。
図18は、候補(4)に対する、効率の計算の概念を例示する図である。候補(4)が採用される場合、区画5Dから区画5Cへの移動が7分かかるため、t=6までは、区画5Aおよび5Bの作業効率が改善されても区画5Cがボトルネックとなる。t=7で区画5Cの作業効率が改善し、t=8でその改善された作業効率が区画5Dに反映される。したがって、作業効率は、t=8から「5」となる。
なお、同様に、候補(3)の場合も、作業効率は、t=7までが「3」、t=8から「5」である。
以上の計算によれば、目的の配置になるまでにかかる時間は、長くとも10分である。計算部112は、例えば、各候補の評価として、移動開始から10分間の効率の平均を計算する。すると、候補(1)から(4)の評価は、それぞれ、3.0、3.6、3.4、そして3.4と算出される。
よって、第3ケースでは、最も効率が良い移動方法は、候補(2)の移動方法であることがわかる。
出力部113は、第1ケースと同様に、評価に基づく情報を出力する。たとえば、出力部113は、候補(2)の移動方法を出力する。
なお、出力される移動方法に含まれる、移動元の区画と、移動先の区画と、移動する作業員数との組(以下、「移動単位」と称す)の、出力される順番は、適宜アレンジされてもよい。たとえば、出力部113は、複数の移動単位のうち、作業効率の改善のために喫緊である移動単位を優先的に早く出力してもよい。第3ケースでは、区画5Bから区画5Aへの移動は、仮に1分遅れたとしても総合的な作業効率に影響しないが、区画5Dから区画5Bへの移動は、移動の遅れが総合的な作業効率に直接影響する。したがって、出力部113は、区画5Dから区画5Bへの移動を表す移動単位を、区画5Bから区画5Aへの移動を表す移動単位よりも優先して出力してもよい。
そうすることで、特に、移動指示が同時には行われない場合など、各移動指示にラグが生じる場合等には、喫緊の移動単位がいち早く実行されることができ、期待される効率を達成できる。管理者が移動指示を行う場合は、管理者が移動指示の順番を考える必要がないため、管理者の負担が軽減される。
さらに、出力部113は、喫緊である移動単位の出力を、他の移動単位の出力の態様とは異なる態様で行ってもよい。異なる態様の一例としては、移動単位の表示の色やサイズを変える、音声によるアナウンスを加える、などが挙げられるが、態様はこれらに限定されない。このような構成により、作業員あるいは管理者は、喫緊の移動単位を認知しやすくなる。これにより、たとえば、作業員は、自身の移動が喫緊の行動であることが理解できる。よって、より効率の高い移動が達成されやすくなる。
以上のような処理によって、移動計画装置11は、上流工程における作業効率の変化が下流工程における作業効率に影響するのに時間がかかる場合にも、工程全体の効率を最適化する移動方法を提供できる。
ちなみに、第3ケースにおいて、最も効率が良い移動方法は、作業効率の変化の反映時間の条件によって変化しうる。たとえば、図15に例示する例において、仮に区画5Bから区画5Cへの作業効率の変化の反映時間が4分であったとすると、最も効率が良い移動方法として導出されるのは、候補(4)である。
このように、より複雑なケースに対しても、移動計画装置11は、十分な短時間で、最適解、すなわち、効率が最も良い移動方法を導き出すことができることが期待される。
[第4ケース]
上述のケースは、上流の生産効率が下流の生産効率に影響するケースである。第4ケースでは、上流の生産効率が下流の生産効率に影響しない場合が想定される。第4ケースでは、各区画での作業は、他の区画での作業の効率とは無関係に行われる。各区画での作業に上流・下流の関係があってもよいが、上流の生産効率が下流の生産効率に影響しないとする。つまり、各区画において、作業の対象は無尽蔵に存在するものとし、作業効率は上流からの流量には影響されないとする。たとえば、作業環境E1の各区画において未処理のコンテナ4が十分な量存在する場合が、本ケースに当てはまる。
第4ケースに当てはまる作業環境の一例として、以下、作業環境E4を想定する。作業環境E4は、作業環境E1と同様、4つの区画5A、5B、5C、および5Dを含むとする。各区画間の移動時間は、第1ケースの移動時間と同じとする。
各区画には作業員が配置され、生産作業を行う。生産作業は、たとえば、物品の組み立てでもよいし、物品の成型や加工でもよい。各区画における作業は、同一でもよいし、異なってよい。ただし、生産作業の成果の指標として、統一的な指標が定義される。例として、各区画の生産作業の成果の指標として、単位時間あたりの、生産量、すなわち作業が遂行された製品の数、が定義される。
第4ケースでは、作業員数に応じて作業効率がより細かく変化することが想定される。第4ケースの各区画における、作業員数と単位時間(たとえば1分)あたりの生産量および生産効率との関係を、図19の表に示す。図19に示されるように、一般的に、生産量は作業員数に必ずしも比例しない。作業には、最も適した作業員数、すなわち、作業効率が最も良い作業員数が存在する。図19の表の例を参照すると、たとえば、作業員数が6名である場合は生産量が14個、効率(作業員1名あたりの生産量)は2.33であり、作業員数が5名である場合は生産量が12個、効率は2.4である。しかし、作業員数が4名であれば、生産量は10個、効率は2.5であり、作業員数が5名以上である場合よりも効率がよい。作業員数が3名以下であると、効率は2.33(3名の場合)または1.5(2名の場合)であり、効率は下がる。すなわち、本事例では、各区画において作業を行う作業員数として最適な数はそれぞれ4名であることが想定されている。
なお、上記のような効率情報は、実際の生産状況に基づいて設定されてもよい。たとえば、条件取得部110は、作業環境E4を管理している管理システムにより取得される作業実績ログや、作業管理ログをもとに集計・算出された作業実績に関する情報に基づいて、効率情報を生成してもよい。このような構成により、条件取得部110は、各区画の作業実績に基づき、作業員の数の変化の作業効率への影響をより精度高く算出することができる。よって、より高い精度で移動計画を行うことができる。
さて、今、区画5Aの作業員数が2名、区画5Bの作業員数が4名、区画5Cの作業員数が4名、区画5Dの作業員数が6名であるとする。各区画の作業員数が4名である配置が目的の配置であるとすると、現在、区画5Aの作業員数が2名不足であり、区画5Dの作業員数が2名過剰である。
この場合、移動計画装置11は、各区画の作業員数が4名になるように作業員が移動する方法を計画する。
条件取得部110は、上述した諸々の情報を取得する。
候補導出部111は、取得された情報に基づいて、過不足が解消される候補を導出する。
候補導出部111は、まず、移動可能な作業員の数を特定する。作業員数に応じて生産量が変化する第4ケースのようなケースにおいては、各区画の移動可能な作業員の数は、たとえば、次のように算出される。
・移動可能な作業員の数は、次のような条件を満たす、離脱可能な作業員の数の、上限である。
条件:その区画における、当該数の作業員が離脱した場合の効率と、目的の作業員数である場合の効率との差が、不足区画における、現在の効率と目的の作業員数である場合の効率との差よりも、小さい。
第4ケースの場合、不足区画5Aの、現在の効率と目的の作業員数である場合の効率との差は、2.5−1.5=1である。よって、各区画の作業員は、効率が、各区画の目的の作業員数である場合の効率である「2.5」より1小さい値の「1.5」以下にならない範囲で、離脱可能である。すなわち、区画5B、5C、5Dにおける移動可能な作業員数は、それぞれ、1名、1名、および3名である。
なお、不足区画が複数ある場合は、上記条件における「現在の効率と目的の作業員数である場合の効率との差」は、不足区画の各々の、現在の効率と目的の作業員数である場合の効率との差の、総和、と読み替えてもよい。
そして、候補導出部111は、移動方法の候補を導出する。
たとえば、本開示の[2名以上の過不足がある場合]の欄で説明した、経路の導出方法に基づけば、最終的に次の候補が導出される。
候補(C1):5D→5A,5D→5A
候補(C2):5D→5A,5D→5B,5B→5A
候補(C3):5D→5A,5D→5C,5C→5A
候補(C4):5D→5A,5D→5C,5C→5B,5B→5A
候補(C5):5D→5B,5D→5B,5B→5A,5B→5A
候補(C6):5D→5B,5B→5A,5D→5C,5C→5A
候補(C7):5D→5B,5B→5A,5D→5C,5C→5B,5B→5A
候補(C8):5D→5C,5D→5C,5C→5A,5C→5A
候補(C9):5D→5C,5C→5A,5D→5C,5C→5B,5B→5A
候補(C10):5D→5C,5D→5C,5C→5B,5C→5B,5B→5A,5B→5A
これらの候補のうち、候補(C5)および(C7)〜(C10)は、区画から移動する作業員の数がその区画の移動可能な作業員数を上回らない、という条件を満たさない。したがって、これらの候補は候補から除外されてよい。
計算部112は、導出された候補ごとに、評価を算出する。第4ケースにおいて、計算部112は、たとえば、評価として、その候補が実行された場合の、移動開始から7分間の総生産量を計算する。
総生産量の計算の対象の時間が7分間である理由は、作業員数が最適になるまでの時間が最長でも7分であるからである。すなわち、7分間が候補の比較のために十分な時間であるといえる。しかし、計算部112は、7分以上の時間の総生産量を計算してもよい。また、計算部112は、7分間の生産効率を計算してもよい。
候補(C2)を例に、計算部112が行う計算処理の例を説明する。図20は、計算部112が行う計算処理の概念を例示する図である。
候補(C2)は、区画5Dの1名の作業員が区画5Aへ、別の1名の作業員が区画5Bへ移動し、区画5Bの作業員が区画5Aへ移動する移動方法である。候補(C2)が採用された場合、生産量の経時変化は次のようになる。
・作業員の移動開始から3分後までは、区画5Aでの生産量は「3」、区画5Bでの生産量は「7」、区画5Cでの生産量は「10」、区画5Dでの生産量は「10」である。よって、生産量は毎分「30」である。
・3分後に1名の作業員が区画5Aに到達するため、開始3分後から5分後までは、区画5Aでの生産量が「7」で、生産量は毎分「34」となる。
・5分後に1名の作業員が区画5Bに到達するため、開始5分後から7分後までは、区画5Bでの生産量が「10」で、生産量は毎分「37」となる。
・7分後に1名の作業員が区画5Aに到達するため、生産量は最適の「40」となる。
よって、候補(C2)の場合の、7分間の総生産量は、30×3+34×2+37×2=232である。また、生産効率は33.1である。
計算部112は、他の候補の評価を、同様に計算すればよい。
なお、生産量が細かく変動したり、連続的に変化したりする場合は、計算部112は、0分から7分までの生産量の積分値を、評価として計算してもよい。
図21は、各候補(C1)〜(C4),(C6)の生産量の経時変化と、総生産量および平均生産量の計算結果をまとめた表を示す図である。「0〜7分(総計)」の欄に、それぞれの候補に対応する総生産量が記載される。
出力部113は、計算部112による計算結果に基づく情報を出力する。たとえば、出力部113は、最も評価(たとえば、総生産量の値)が高い候補を明示する情報を出力してもよい。出力の内容および方法等は、第1ケースで説明される内容および方法と同様でよい。
図21によれば、最も評価が高い候補は、候補(C2)である。出力部113が最も評価が高い候補を出力することにより、作業員が、その移動方法を実行できる。すなわち、作業員は、作業環境全体の効率を最大にする移動方法で、目的の配置になるように移動することができる。
なお、最も評価が高い候補が複数あった場合は、出力部113は、いずれか1つの候補を「実行されるべき移動方法」として選択してもよい。この選択は、アトランダムに選択する方法に基づいてもよいし、予め設定された事項に基づいてもよい。たとえば、出力部113は、最も生産効率がよい移動候補のうち、移動者の移動時間の総和が最も小さい(または大きい)候補を選択してもよい。移動者の移動時間の総和が小さい候補を採用すれば、移動にかかるコスト(乗り物の電力消費等)を抑えることができる。移動者の移動時間の総和が大きい候補を採用すれば、各作業員に与えられる、生産作業を行う時間以外の時間を増やすことができる。特に第4ケースでは、移動中でない全ての作業員が常に作業することが想定されているため、移動時間を多く与えることが作業員にとって有意義となる場合がある。
第4ケースにおいて、移動計画装置11は、効率の最も良い移動方法を提供することができる。
なお、候補導出部111が、各区画の移動可能な作業員数を決定することで、候補を絞り込むことができる。これにより、計算部112による計算の量を減らし、移動計画装置11はより早く最適な移動方法を導出することができる。
[[補足]]
効率情報は、区画ごとに異なっていてもよい。ちなみに、第4ケースにおいて、仮に、区画5Bにおける作業員数が3名の時の効率が「5」であるとすると、最も効率の良い移動方法として抽出される候補は候補(C1)である。この上さらに、仮に、各区画における作業員数が2名の時の効率がそれぞれ「2」であるとすると、最も効率の良い移動方法として抽出される候補は候補(C3)である。このように、条件の変化によって、最適な移動方法は変化しうる。
<<第2の実施形態>>
第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、移動計画装置12が、第1の実施形態とは異なる環境に適用されることが想定される。たとえば、移動計画装置12は、人や物の移動により生み出される効用や利益の尺度が設定されたシステムにおいて、その効用や利益を最大化する、人や物の移動方法の計画を行ってもよい。
図22は、第2の実施形態に係る移動計画装置12が適用される環境の例である適用環境E5の構成を示す模式図である。適用環境E5は、移動計画装置12と、移動計画装置12を使用するユーザ9と、移動可能体7と、エリア8とを含む。
適用環境E5では、移動計画装置12は、それぞれの移動可能体7がエリア8に移動する移動方法を立案する。
移動可能体7は、エリア8に移動することによって、適用環境E5に対し、特定の利益を与える。
ユーザ9は、移動計画に用いる情報を移動計画装置12に入力する。移動計画装置12は、移動計画の結果を出力する。ユーザ9は、移動計画装置12が出力する結果に基づいて、複数の移動可能体7に対し移動指示を出す。移動指示は、移動可能体7が、それぞれ、予め決められた複数のエリア8のうちどのエリア8に移動すべきかという情報を含む指示である。
移動計画装置12は、条件取得部120、候補導出部121、計算部122、および出力部123を備える。
条件取得部120は、移動計画を立案するための情報、すなわち、条件を取得する。
候補導出部121は、条件取得部120が取得した情報に基づき、移動可能体7の移動方法の候補を導出する。
計算部122は、候補導出部121が導出した候補の評価を、その候補に基づく配置変更によって生じる利益の経時変化に基づいて計算する。
出力部123は、評価に基づく情報を出力する。
以下、移動計画装置12による移動計画の対象となり得る具体的なケースを例に、移動計画装置11の各部の処理の具体例を説明する。
[第5ケース]
ある災害を被っている被災場所が3つあり、その災害に対処することが可能な救助隊が3隊いるとする。この状況下で、3つの救助隊は、これからそれぞれ別々の被災場所に移動し、災害に対処するとする。このケースでは、救助隊は移動可能体7に相当し、被災場所はエリア8に相当する。
第5ケースでは、救助隊が各場所に移動するのにかかる時間は、救助隊により異なる。たとえば、救助隊が別々の基地にいることが想定されてもよい。救助隊が用いる移動手段が異なることが想定されてもよい。
本説明では、説明の便宜のため、3隊のうちの2隊は、各被災場所への移動時間が同一であるとする。すなわち、3隊のうちの2隊は、同じ基地におり、移動手段が同じであるとする。3隊のうちの1隊は、別の基地にいるとする。
図23は、第5ケースにおける、各救助隊の各被災場所への移動時間を示す表を示す図である。表の一方向に、3つの被災場所の識別子である「8A」、「8B」および「8C」が、「移動先」として書き並べられる。表の一方向に、各救助隊の識別子である「7A」、「7B」および「7C」が「移動者」として書き並べられる。各移動者と各移動先に対応するセルに、移動時間が数値で示される。移動時間の単位は「分」である。図23の表によれば、例えば、救助隊7Aによる被災場所8Bへの移動時間は、6分である。
第5ケースでは、救助隊が、担当場所に移動するまで、各場所ではそれぞれ単位時間あたり一定の損失を被る。単位時間あたりの損失の大きさは、予めわかっているとする。図24は、それぞれの場所の、救助隊が到着するまでの単位時間あたりの損失を示す表を示すである。たとえば、被災場所8Aにおいて、救助隊が到着するまでの単位時間あたりの損失は、「−3」である。損失を示す値は、たとえば、図24の表のように、負の数で表されてもよい。損失を示す値は、どのような指標に基づく値であってもよい。ただし、値が小さいほど、すなわち、絶対値が大きいほど、大きな損失を表すとする。
救助隊が被災場所に移動することにより、損失がなくなる(すなわち、0になる)。いわば、救助隊は、その場所において、その場所の損失の絶対値分の利益をもたらす。
このような条件の下で、移動計画装置12は、全体として最も損失が少なくなる救助隊の移動方法、すなわち、各救助隊の移動先の組み合わせを立案する。
条件取得部120は、上記の諸々の情報を取得する。
候補導出部121は、取得された情報に基づき、移動方法の候補を導出する。この例においては、次の3つの候補が導出される。
候補(1):救助隊7Aが被災場所8Aに移動し、救助隊7Bおよび7Cが、被災場所8Bおよび8Cにそれぞれ移動する。
候補(2):救助隊7Aが被災場所8Bに移動し、救助隊7Bおよび7Cが、被災場所8Aおよび8Cにそれぞれ移動する。
候補(3):救助隊7Aが被災場所8Cに移動し、救助隊7Bおよび7Cが、被災場所8Aおよび8Bにそれぞれ移動する。
なお、本説明例の条件では救助隊7Bおよび救助隊7Cに本質的な差異はないため、区別されない。
上述の候補を導出するためには、候補導出部121は、救助隊および被災場所のそれぞれの組み合わせを導出すればよい。
計算部122は、導出された候補ごとに、評価を計算する。評価は、たとえば、その候補が採用された場合の効用の効率である。第5ケースにおける評価は、たとえば、各被災場所において発生する損失の大きさである。すなわち、計算部122は、たとえば、各被災場所の損失の経時変化(いつ損失がなくなるか)に基づき、各被災場所の損失の大きさの総和を計算する。各被災場所の損失の大きさの総和は、総合的な利益の効率を表す尺度の1つである。
本説明で示される条件のもとでは、各被災場所の損失は、救助隊が到着するまでの時間と1分あたりの損失との積である。
候補(1)の場合、被災場所8Aにおける損失は(−3)×2=−6、被災場所8Bにおける損失は(−8)×7=−56、被災場所8Cにおける損失は(−5)×9=−45であるから、損失の総和は「−107」である。
候補(2)の場合、被災場所8Aにおける損失は(−3)×4=−12、被災場所8Bにおける損失は(−8)×6=−48、被災場所8Cにおける損失は(−5)×9=−45であるから、損失の総和は「−105」である。
候補(3)の場合、被災場所8Aにおける損失は(−3)×4=−12、被災場所8Bにおける損失は(−8)×7=−56、被災場所8Cにおける損失は(−5)×8=−40であるから、損失の総和は「−108」である。
出力部123は、評価に基づく情報を出力する。たとえば、出力部123は、各候補の損失の総和を評価として表示する。評価の値が大きいほど、すなわち、損失の総和の値の絶対値が小さいほど、被害が小さいことを意味する。すなわち、評価の値が大きい候補は、全体の利益が大きい、総合的に効率のよい、移動方法である。
出力部123による出力の内容および方法は、第1の実施形態で説明される内容および方法と同様でよい。
出力部123は、損失の総和の絶対値が最も少ない候補を、「実行されるべき移動方法」として明示する情報を出力してもよい。上記の例の場合、損失の絶対値の総和が最も少ない候補は、候補(2)である。
移動計画装置12が第5ケースに適用されることにより、各々の被災場所において生じる損失の総和の絶対値が最小限に抑えられるように、救助隊が移動することができる。
ちなみに、候補(2)は、移動時間をコストと見なした場合に移動コストが最も少ない候補でもなければ、各移動可能体の移動が最も早く完了する候補でもない。移動時間をコストと見なした場合に移動コストが最も少ない移動方法を導出する手法では、候補(1)が導出される。各移動可能体の移動が最も早く完了する移動方法を導出する手法では、候補(3)が導出される。
なお、第1の実施形態に関する説明でなされた様々な事項が、本実施形態にも可能な限り当てはめられて解釈されてよい。たとえば、移動計画装置12の候補導出部121は、全ての候補を導出しなくてもよい。この場合、「実行されるべき移動方法」として出力される移動方法は、必ずしも最適解ではない可能性があるが、十分な候補の内から導出された移動方法であれば、ある程度効率的な移動方法であることが期待される。
<<第3の実施形態>>
本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、移動計画装置10が移動計画を行う。
移動計画装置10は、複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順を計画する。
なお、本開示における「資源」とは、与えられた環境に応じて利益を生み出しもしくは獲得し、または特定の利益の大きさを変動させる、主体である。たとえば、資源は、人でもよいし、ロボットでもよい。
本開示における「利益」とは、金銭的な儲けに限定されない。利益とは、たとえば、物の生産量、損失の低減量、人の満足度、幸福度、特定の事象の発生頻度や発生確率、あるいは、特定の値の変動率、などでもよい。利益は、定義された尺度に基づいて数値化された、何らかの価値のある物事に関するパラメータであればよい。
移動手順の計画に必要な情報は、例えば、移動計画装置10の内部のユニット(不図示)または移動計画装置10の外部の装置もしくはユーザから、取得されればよい。
図25は、移動計画装置10の構成を示すブロック図である。移動計画装置10は、候補導出部101と、計算部102と、出力部103とを備える。
候補導出部101は、移動手順の候補を導出する。なお、候補導出部101の一例は、候補導出部111および候補導出部121である。
計算部102は、導出された候補に対する評価を、当該候補が実行された場合の、複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて計算する。利益の経時変化は、移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間と、移動対象者の移動の効果に基づき特定される。移動にかかる時間とは、移動のための時間である。すなわち、移動にかかる時間とは、移動対象者が現に置かれている状況から、移動先において利益を変化させるまでの時間である。移動対象者の移動の効果とは、たとえば、当該移動対象者の移動が完了することによる利益の変化の大きさである。計算部102の一例は、計算部112および計算部122である。
出力部103は、前記評価に基づく情報を出力する。出力部103の一例は、出力部113および出力部123である。
次に、図26のフローチャートを参照しながら、移動計画装置10の各部の動作の流れを説明する。
まず、候補導出部101は、移動手順の候補を導出する(ステップS261)。次に、計算部102は、導出された候補に対する評価を、当該候補が実行された場合の、複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて計算する(ステップS262)。そして、出力部103は、前記評価に基づく情報を出力する(ステップS263)。
第3の実施形態に係る移動計画装置10によれば、資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する資源の移動手順に関する情報が出力される。出力部103は、評価に基づく情報として、導出された候補のうち評価が最も高い候補を明示する情報を出力してもよい。評価は利益の経時変化に基づいて計算されるため、評価がより高い候補は、利益の大きさがより大きい移動手順でありうる。この場合、資源は、利益の大きさがより大きい移動手順を実行することができる。
候補導出部101が、評価が最も高い可能性がある移動手順をすべて導出した場合は、出力部103は、利益の大きさが最大である移動手順を出力することができる。したがって、この場合、資源は、利益が最大となる手順で、第1の配置から第2の配置に配置を変更することができる。
<変形例>
移動計画装置10に、更に受付部104が備わる装置である、移動計画装置13について、以下説明する。図27は、移動計画装置13の構成を示すブロック図である。移動計画装置13は、受付部104と、候補導出部101と、計算部102と、出力部103とを備える。
受付部104は、移動手順の入力を受け付ける。なお、受付部104の一例は、第1の実施形態の[[補足]]の[6]で説明された、移動方法受付部である。
候補導出部101は、受け付けられた移動手順が実行された場合の実行後の配置を第2の配置とする、移動手順の候補を導出する。
計算部102は、受け付けられた移動手順の評価と、導出された候補の評価とを計算する。
出力部103は、受け付けられた移動手順の評価と導出された候補の評価との比較に基づく情報を出力する。比較に基づく情報の一例は、第1の実施形態の[[補足]]の[6]で説明された情報である。
このような構成により、移動計画装置13の受付部104に入力された移動手順の代わりとなりうる移動手順に関する情報が提供される。たとえば、出力部103が、受け付けられた移動手順の評価よりも高い評価の候補を出力すれば、資源は、受け付けられた移動手順よりも効率の良い移動手順で配置を変更できる。
[[補足]]
以上で説明された「移動」の概念は、「移行」の概念へと発展して解釈されてもよい。すなわち、移動計画装置11が扱う移動計画問題は、必ずしも、「空間的な位置の変更」に関する問題でなくともよい。たとえば、第1の実施形態において、「作業員の配置をある配置から別の配置に変更するにあたり,作業員が区画5Aから区画5Bへと移動する」という概念は、「作業員と作業内容との組み合わせをある組み合わせから別の組み合わせに変更するにあたり,作業員が特定の作業Aから特定の作業Bに移行する」という概念に読み替えられてもよい。すなわち、特定の作業Aと特定の作業Bとが、空間的には同じ位置で実行可能な作業であっても、その作業間の移行に時間がかかる場合は、移動計画装置11は、適切な移行の方法を導出する問題を、移動計画と同一の問題として処理可能である。したがって、本開示の「移動」の概念は、「空間的な位置の変更」の意のみならず、「作業内容の変更」や、「資源(作業員等)が置かれている状況の変更」、「利益を供与する対象の変更」の意を含みうる。すなわち、本開示において使用される「移動」とは、「移行」の意を含むと解釈されてもよい。
(実施形態の各部を実現するハードウェアの構成)
以上、説明した本発明の各実施形態において、各装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。
各構成要素の処理は、たとえば、コンピュータシステムが、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体により記憶された、その処理をコンピュータシステムに実行させるプログラムを、読み込み、実行することによって、実現されてもよい。「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、たとえば、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、および不揮発性半導体メモリ等の可搬媒体、ならびに、コンピュータシステムに内蔵されるROM(Read Only Memory)およびハードディスク等の記憶装置である。「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントにあたるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、プログラムを一時的に保持しているものも含む。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した機能をコンピュータシステムにすでに記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
「コンピュータシステム」とは、一例として、図28に示されるようなコンピュータ900を含むシステムである。コンピュータ900は、以下のような構成を含む。
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903へロードされるプログラム904Aおよび記憶情報904B
・プログラム904Aおよび記憶情報904Bを格納する記憶装置905
・記憶媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
たとえば、各実施形態における各装置の各構成要素は、その構成要素の機能を実現するプログラム904AをCPU901がRAM903にロードして実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム904Aは、例えば、予め、記憶装置905やROM902に格納される。そして、必要に応じてCPU901がプログラム904Aを読み出す。記憶装置905は、たとえば、ハードディスクである。プログラム904Aは、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記憶媒体906に格納されており、ドライブ装置907に読み出され、CPU901に供給されてもよい。なお、記憶媒体906は、たとえば、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、および不揮発性半導体メモリ等の、可搬媒体である。
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ別個のコンピュータ900とプログラムとの可能な組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータ900とプログラムとの可能な組み合わせにより実現されてもよい。
また、各装置の各構成要素の一部または全部は、その他の汎用または専用の回路、コンピュータ等やこれらの組み合わせによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。
各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合には、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、コンピュータや回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記]
[付記1]
複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出する候補導出手段と、
導出された前記候補に対する評価を、前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算する計算手段と、
前記評価に基づく情報を出力する出力手段と、
を備える移動計画装置。
[付記2]
前記評価は、前記移動先の各々において前記資源により生み出される利益に依存する値であり、
前記計算手段は、少なくとも1つの前記移動先における前記利益の大きさが、前記複数の資源が配置される位置のいずれか少なくとも1つにおいて生み出される前記利益の大きさから影響を受ける場合に、前記評価の計算に際し、前記影響の有無に基づく前記利益の大きさに基づいて前記経時変化を特定する、
付記1に記載の移動計画装置。
[付記3]
前記候補導出手段は、前記第1の配置において前記複数の資源が配置される位置の少なくとも1つについて、前記第1の配置において当該位置における前記資源が減少したとしても当該位置における利益が低下しない場合は、当該位置における前記資源を前記移動対象者になりうる前記資源として算入する、
付記1または2に記載の移動計画装置。
[付記4]
前記候補導出手段は、前記第1の配置において前記複数の資源が配置される位置の少なくとも1つについて、当該位置における前記資源が減少した場合の前記資源1つあたりの利益の大きさと前記第2の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさとの差が、前記第1の配置と前記第2の配置との間で前記資源の数が増加する位置の各々における、前記第1の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさと前記第2の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさとの差の総和よりも小さい場合は、当該位置における前記資源を前記移動対象者になりうる前記資源として算入する、
付記1から3のいずれか一つに記載の移動計画装置。
[付記5]
前記評価に基づく情報は、導出された前記候補のうち前記評価が最も高い前記候補を示す情報を含む、
付記1から4のいずれか一つに記載の移動計画装置。
[付記6]
前記出力手段は、導出された前記候補のうち前記評価が最も高い前記候補が示す手順に従って前記移動対象者が前記移動先へ移動するための移動指示を出力する、
付記1から5のいずれか一つに記載の移動計画装置。
[付記7]
前記候補導出手段は、前記移動先の候補と、前記移動対象者の候補と、を抽出し、前記移動対象者の候補と前記移動先の候補との組み合わせにより前記移動手順を生成し、前記組み合わせにより生成しうる前記移動手順のうち、前記評価が最高でないことが自明である前記移動手順を、前記移動対象者の候補のそれぞれの前記移動先の候補への移動にかかる時間に基づいて除外しつつ、前記組み合わせにより生成しうる前記移動手順を前記移動手順の候補として導出する、
付記1から6のいずれか一つに記載の移動計画装置。
[付記8]
前記候補導出手段は、第1の前記資源が第1の前記移動先へ移動する手順と、第2の前記資源が前記第1の前記移動先から第2の前記移動先へ移動する手順と、を含む前記移動手順のうち、前記第2の前記資源による前記第2の前記移動先への移動にかかる時間が、前記第1の前記資源による前記第2の前記移動先への移動にかかる時間よりも長い前記移動手順を、前記計算手段により前記評価が計算される前記候補として導出しない、
付記1から7のいずれか一つに記載の移動計画装置。
[付記9]
前記移動手順の入力を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記候補導出手段は、受け付けられた前記移動手順が実行された場合の実行後の配置を前記第2の配置とする、前記移動手順の候補を導出し、
前記出力手段は、受け付けられた前記移動手順の前記評価と導出された前記候補の前記評価との比較に基づく情報を出力する、
付記1から8のいずれか一つに記載の移動計画装置。
[付記10]
前記資源の数と前記利益の大きさとの関係を表す効率情報と、前記資源が前記第2の配置において前記複数の資源が配置される位置のそれぞれに移動するのにかかる時間を表す時間情報と、前記第1の配置と前記第2の配置とを特定可能な情報と、を取得する条件取得手段をさらに備える、付記1から9のいずれか一つに記載の移動計画装置。
[付記11]
複数の資源のそれぞれが置かれている状況の組み合わせを、第1の組み合わせから第2の組み合わせに変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移行対象者の状況の移行手順の候補を導出する候補導出手段と、
導出された前記候補に対する評価を、前記移行対象者のそれぞれの状況の移行先への移行にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算する計算手段と、
前記評価に基づく情報を出力する出力手段と、
を備える移動計画装置。
[付記12]
複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出し、
導出された前記候補に対する評価を、前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算し、
前記評価に基づく情報を出力する、
移動計画方法。
[付記13]
前記評価は、前記移動先の各々において前記資源により生み出される利益に依存する値であり、
少なくとも1つの前記移動先における前記利益の大きさが、前記複数の資源が配置される位置のいずれか少なくとも1つにおいて生み出される前記利益の大きさから影響を受ける場合に、前記評価の計算に際し、前記影響の有無に基づく前記利益の大きさに基づいて前記経時変化を特定する、
付記12に記載の移動計画方法。
[付記14]
前記候補の導出において、前記第1の配置において前記複数の資源が配置される位置の少なくとも1つについて、前記第1の配置において当該位置における前記資源が減少したとしても当該位置における利益が低下しない場合は、当該位置における前記資源を前記移動対象者になりうる前記資源として算入する、
付記12または13に記載の移動計画方法。
[付記15]
前記候補の導出において、前記第1の配置において前記複数の資源が配置される位置の少なくとも1つについて、当該位置における前記資源が減少した場合の前記資源1つあたりの利益の大きさと前記第2の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさとの差が、前記第1の配置と前記第2の配置との間で前記資源の数が増加する位置の各々における、前記第1の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさと前記第2の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさとの差の総和よりも小さい場合は、当該位置における前記資源を前記移動対象者になりうる前記資源として算入する、
付記12から14のいずれか一つに記載の移動計画方法。
[付記16]
前記評価に基づく情報は、導出された前記候補のうち前記評価が最も高い前記候補を示す情報を含む、
付記12から15のいずれか一つに記載の移動計画方法。
[付記17]
導出された前記候補のうち前記評価が最も高い前記候補が示す手順に従って前記移動対象者が前記移動先へ移動するための移動指示を出力する、
付記12から16のいずれか一つに記載の移動計画方法。
[付記18]
前記候補の導出において、前記移動先の候補と、前記移動対象者の候補と、を抽出し、前記移動対象者の候補と前記移動先の候補との組み合わせにより前記移動手順を生成し、前記組み合わせにより生成しうる前記移動手順のうち、前記評価が最高でないことが自明である前記移動手順を、前記移動対象者の候補のそれぞれの前記移動先の候補への移動にかかる時間に基づいて除外しつつ、前記組み合わせにより生成しうる前記移動手順を前記移動手順の候補として導出する、
付記12から17のいずれか一つに記載の移動計画方法。
[付記19]
前記候補の導出において、第1の前記資源が第1の前記移動先へ移動する手順と、第2の前記資源が前記第1の前記移動先から第2の前記移動先へ移動する手順と、を含む前記移動手順のうち、前記第2の前記資源による前記第2の前記移動先への移動にかかる時間が、前記第1の前記資源による前記第2の前記移動先への移動にかかる時間よりも長い前記移動手順を、前記評価が計算される前記候補として導出しない、
付記12から18のいずれか一つに記載の移動計画方法。
[付記20]
前記移動手順の入力を受け付け、
受け付けられた前記移動手順が実行された場合の実行後の配置を前記第2の配置とする、前記移動手順の候補を導出し、
受け付けられた前記移動手順の前記評価と導出された前記候補の前記評価とを計算し、
受け付けられた前記移動手順の前記評価と導出された前記候補の前記評価との比較に基づく情報を出力する、
付記12から19のいずれか一つに記載の移動計画方法。
[付記21]
前記資源の数と前記利益の大きさとの関係を表す効率情報と、前記資源が前記第2の配置において前記複数の資源が配置される位置のそれぞれに移動するのにかかる時間を表す時間情報と、前記第1の配置と前記第2の配置とを特定可能な情報と、を取得する、付記12から20のいずれか一つに記載の移動計画方法。
[付記22]
複数の資源のそれぞれが置かれている状況の組み合わせを、第1の組み合わせから第2の組み合わせに変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移行対象者の状況の移行手順の候補を導出し、
導出された前記候補に対する評価を、前記移行対象者のそれぞれの状況の移行先への移行にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算し、
前記評価に基づく情報を出力する、
移動計画方法。
[付記23]
コンピュータに、
複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出する候補導出処理と、
導出された前記候補に対する評価を、前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算する計算処理と、
前記評価に基づく情報を出力する出力処理と、
を実行させるプログラム。
[付記24]
前記評価は、前記移動先の各々において前記資源により生み出される利益に依存する値であり、
前記計算処理は、少なくとも1つの前記移動先における前記利益の大きさが、前記複数の資源が配置される位置のいずれか少なくとも1つにおいて生み出される前記利益の大きさから影響を受ける場合に、前記評価の計算に際し、前記影響の有無に基づく前記利益の大きさに基づいて前記経時変化を特定する、
付記23に記載のプログラム。
[付記25]
前記候補導出処理は、前記第1の配置において前記複数の資源が配置される位置の少なくとも1つについて、前記第1の配置において当該位置における前記資源が減少したとしても当該位置における利益が低下しない場合は、当該位置における前記資源を前記移動対象者になりうる前記資源として算入する、
付記23または24に記載のプログラム。
[付記26]
前記候補導出処理は、前記第1の配置において前記複数の資源が配置される位置の少なくとも1つについて、当該位置における前記資源が減少した場合の前記資源1つあたりの利益の大きさと前記第2の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさとの差が、前記第1の配置と前記第2の配置との間で前記資源の数が増加する位置の各々における、前記第1の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさと前記第2の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさとの差の総和よりも小さい場合は、当該位置における前記資源を前記移動対象者になりうる前記資源として算入する、
付記23から25のいずれか一つに記載のプログラム。
[付記27]
前記評価に基づく情報は、導出された前記候補のうち前記評価が最も高い前記候補を示す情報を含む、
付記23から26のいずれか一つに記載のプログラム。
[付記28]
前記出力処理は、導出された前記候補のうち前記評価が最も高い前記候補が示す手順に従って前記移動対象者が前記移動先へ移動するための移動指示を出力する、
付記23から27のいずれか一つに記載のプログラム。
[付記29]
前記候補導出処理は、前記移動先の候補と、前記移動対象者の候補と、を抽出し、前記移動対象者の候補と前記移動先の候補との組み合わせにより前記移動手順を生成し、前記組み合わせにより生成しうる前記移動手順のうち、前記評価が最高でないことが自明である前記移動手順を、前記移動対象者の候補のそれぞれの前記移動先の候補への移動にかかる時間に基づいて除外しつつ、前記組み合わせにより生成しうる前記移動手順を前記移動手順の候補として導出する、
付記23から28のいずれか一つに記載のプログラム。
[付記30]
前記候補導出処理は、第1の前記資源が第1の前記移動先へ移動する手順と、第2の前記資源が前記第1の前記移動先から第2の前記移動先へ移動する手順と、を含む前記移動手順のうち、前記第2の前記資源による前記第2の前記移動先への移動にかかる時間が、前記第1の前記資源による前記第2の前記移動先への移動にかかる時間よりも長い前記移動手順を、前記計算処理により前記評価が計算される前記候補として導出しない、
付記23から29のいずれか一つに記載のプログラム。
[付記31]
コンピュータに、前記移動手順の入力を受け付ける受付処理をさらに実行させ、
前記候補導出処理は、受け付けられた前記移動手順が実行された場合の実行後の配置を前記第2の配置とする、前記移動手順の候補を導出し、
前記出力処理は、受け付けられた前記移動手順の前記評価と導出された前記候補の前記評価との比較に基づく情報を出力する、
付記23から30のいずれか一つに記載のプログラム。
[付記32]
コンピュータに、前記資源の数と前記利益の大きさとの関係を表す効率情報と、前記資源が前記第2の配置において前記複数の資源が配置される位置のそれぞれに移動するのにかかる時間を表す時間情報と、前記第1の配置と前記第2の配置とを特定可能な情報と、を取得する条件取得処理をさらに実行させる、付記23から31のいずれか一つに記載のプログラム。
[付記33]
コンピュータに、
複数の資源のそれぞれが置かれている状況の組み合わせを、第1の組み合わせから第2の組み合わせに変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移行対象者の状況の移行手順の候補を導出する候補導出処理と、
導出された前記候補に対する評価を、前記移行対象者のそれぞれの状況の移行先への移行にかかる時間に基づき特定される、当該候補が実行された場合の前記複数の資源により生み出される利益の経時変化に基づいて、計算する計算処理と、
前記評価に基づく情報を出力する出力処理と、
を実行させるプログラム。
[付記34]
付記23から33のいずれか一つに記載のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
E1 作業環境
E5 適用環境
2 作業員
3 コンベヤ
4 コンテナ
5A、5B、5C、5D 区画
7 移動可能体
8 エリア
9 ユーザ
10〜13 移動計画装置
110、120 条件取得部
101、111、121 候補導出部
102、112、122 計算部
103、113、123 出力部
104 受付部
900 コンピュータ
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904A プログラム
904B 記憶情報
905 記憶装置
906 記憶媒体
907 ドライブ装置
908 通信インタフェース
909 通信ネットワーク
910 入出力インタフェース
911 バス

Claims (8)

  1. 複数の位置の各々における資源の数の過不足を示す過不足情報に基づき、前記複数の位置の各々における資源の数の過不足がなくなるように、複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出する候補導出手段と、
    前記複数の位置間の移動時間を示す移動時間情報により示される前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間、前記複数の位置の各々において配置される資源が十分である場合の利益と不十分である場合の利益を示す情報、及び、前記過不足情報に基づき、前記導出した候補の実行により前記移動対象者がそれぞれの移動先へ移動した場合の、前記複数の位置のそれぞれの利益の合計値の経時変化を算出し、当該算出した経時変化に基づいて、当該候補に対する評価を計算する計算手段と、
    前記評価に基づく情報を出力する出力手段と、
    を備える移動計画装置。
  2. 前記計算手段は,前記複数の位置の各々において資源により生み出される利益が,前記複数の位置のうちの他の位置における前記利益による影響にさらに基づいて,当該候補に対する評価を計算する、
    請求項1に記載の移動計画装置。
  3. 記計算手段は、前記他の位置における利益による影響において、少なくとも1つの前記移動先における前記利益の大きさが、前記複数の資源が配置される位置のいずれか少なくとも1つにおいて生み出される前記利益の大きさから影響を受ける場合に、前記評価の計算に際し、前記影響の有無に基づく前記利益の大きさに基づいて前記経時変化を特定する、
    請求項2に記載の移動計画装置。
  4. 前記候補導出手段は、前記第1の配置において前記複数の資源が配置される位置の少なくとも1つについて、前記第1の配置において当該位置における前記資源が減少したとしても当該位置における利益が低下しない場合は、当該位置における前記資源を前記移動対象者になりうる前記資源として算入する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の移動計画装置。
  5. 前記候補導出手段は、前記第1の配置において前記複数の資源が配置される位置の少なくとも1つについて、当該位置における前記資源が減少した場合の前記資源1つあたりの利益の大きさと前記第2の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさとの差が、前記第1の配置と前記第2の配置との間で前記資源の数が増加する位置の各々における、前記第1の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさと前記第2の配置における前記資源1つあたりの利益の大きさとの差の総和よりも小さい場合は、当該位置における前記資源を前記移動対象者になりうる前記資源として算入する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の移動計画装置。
  6. 前記評価に基づく情報は、導出された前記候補のうち前記評価が最も高い前記候補を示す情報を含む、
    請求項1からのいずれか一項に記載の移動計画装置。
  7. コンピュータが、
    複数の位置の各々における資源の数の過不足を示す過不足情報に基づき、前記複数の位置の各々における資源の数の過不足がなくなるように、複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出し、
    前記複数の位置間の移動時間を示す移動時間情報により示される前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間、前記複数の位置の各々において配置される資源が十分である場合の利益と不十分である場合の利益を示す情報、及び、前記過不足情報に基づき、前記導出した候補の実行により前記移動対象者がそれぞれの移動先へ移動した場合の、前記複数の位置のそれぞれの利益の合計値の経時変化を算出し、当該算出した経時変化に基づいて、当該候補に対する評価を計算し、
    前記評価に基づく情報を出力する、
    移動計画方法。
  8. コンピュータに、
    複数の位置の各々における資源の数の過不足を示す過不足情報に基づき、前記複数の位置の各々における資源の数の過不足がなくなるように、複数の資源の配置を第1の配置から第2の配置に変更する手順である、前記複数の資源の一部または全員である移動対象者の移動手順の候補を導出する候補導出処理と、
    前記複数の位置間の移動時間を示す移動時間情報により示される前記移動対象者のそれぞれの移動先への移動にかかる時間、前記複数の位置の各々において配置される資源が十分である場合の利益と不十分である場合の利益を示す情報、及び、前記過不足情報に基づき、前記導出した候補の実行により前記移動対象者がそれぞれの移動先へ移動した場合の、前記複数の位置のそれぞれの利益の合計値の経時変化を算出し、当該算出した経時変化に基づいて、当該候補に対する評価を計算する計算処理と、
    前記評価に基づく情報を出力する出力処理と、
    を実行させるプログラム。
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