JP6740952B2 - 防舷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、接岸時に船舶を保護するための防舷装置に関する。
岸壁や桟橋等の接舷面には、当該接舷面に船舶が接岸する際の衝撃を緩和すべく、防舷装置が設置されることがある。防舷装置には様々なタイプが存在し、その1つに、中心軸が接舷面の法線方向に沿うように設置される筒型の緩衝部材を備えるタイプがある(特許文献1,2参照)。典型的には、緩衝部材は、ゴム等の弾性材料からなり、船舶に押されたときに中心軸方向に圧縮変形することで衝撃のエネルギーを吸収する。これにより、船舶及び接舷面が損傷することを回避することができる。
図1に、以上のタイプの緩衝部材が圧縮されるときの圧縮率と反力との関係を表す特性曲線を示す。同図に示すとおり、この種の緩衝部材では、緩衝部材が船舶に押されて圧縮が進行するにつれて、圧縮されていない状態に対応する原点Oから徐々に反力が上昇し、ある点(極大点P1)に達すると緩衝部材が座屈する。その後、座屈により反力は徐々に低下するが、ある点(極小点P2)に達すると緩衝部材が1つのゴムの塊として挙動し始める。そのため、点P2で再び反力が上昇に転じ、点P1と反力が同じ点P3を通過し、さらにその後も反力が上昇し続ける。
一般に、以上のような緩衝部材において、防舷の目的を果たすことができる圧縮率の範囲は、点P3に対応する圧縮率(以下、限界圧縮率という)Cに達するまでの範囲とされる。これは、点P3以降では反力が高くなり過ぎて、船体を損傷する等の問題が生じる虞があるからである。そして、緩衝部材が圧縮率の範囲0〜Cにおいて吸収することができるエネルギー量は、特性曲線と、原点Oを通る横軸と、点P3を通る縦軸とにより囲まれる領域の面積Bに相当する。よって、防舷装置においては、面積Bを大きくすることが重要である。
この点、特許文献1は、中空円錐台形状の緩衝部材の内面において、周方向に沿って凸部を設けた防舷装置を開示している。特許文献1では、この凸部の存在により、凸部の両側の内面どうしが接触するタイミングが遅れる。これにより、緩衝部材が限界圧縮率に達するまでに吸収することができるエネルギー量、すなわち面積Bを増大させている。
特開2001−172940号公報 特開2016−148240号公報
しかしながら、近年、環境問題に注目が集まる中、同じ大きさであればよりエネルギー吸収量が大きく、同じエネルギー吸収量であればより小型の防舷装置が望まれており、緩衝性能のより高い防舷装置の需要が高まっている。
本発明は、防舷装置の緩衝性能を向上させることを目的とする。
本発明の第1観点に係る防舷装置は、船舶が接岸する接舷面に取り付けられる防舷装置であって、筒型の緩衝部材を備える。緩衝部材は、弾性材料からなり、接舷面の法線方向に延びる中心軸を有し、中心軸の方向に圧縮され、圧縮の過程において座屈する。緩衝部材は、内面を有し、非圧縮時において内面に周方向に沿って形成される第1凸部と、非圧縮時において内面の第1凸部の近傍に周方向に沿って形成される第2凸部と含む。内面は、第1周ラインと、第2周ラインとを含む。第1周ラインは、第1凸部の境界であって第2凸部と反対側の境界を画定する。第2周ラインは、第1凸部の境界であって第2凸部側の境界を画定する。緩衝部材は、座屈時に、第1周ライン及び第2周ラインに沿って折れ曲がる。
本発明の第2観点に係る防舷装置は、第1観点に係る防舷装置であって、第1凸部は、緩衝部材において緩衝部材の座屈時に外側へ突出するように屈曲する部分の内側に配置される。
本発明の第3観点に係る防舷装置は、第1観点又は第2観点に係る防舷装置であって、第2凸部は、第2周ラインにより第1凸部側の境界が画定される。
本発明の第4観点に係る防舷装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る防舷装置であって、緩衝部材の座屈時に、第2凸部に含まれる第1凸部側の部位が第1凸部に含まれる第2凸部側の部位に周方向に沿って面接触する。
本発明の第5観点に係る防舷装置は、第1観点から第4観点のいずれかに係る防舷装置であって、緩衝部材は、概ね中空円錐台形状であり、接舷面の法線方向に沿って第1端面と、第1端面よりも径の大きい第2端面とを有する。
本発明の第6観点に係る防舷装置は、第5観点に係る防舷装置であって、第2凸部は、第1凸部の第2端面側に配置される。
本発明の第7観点に係る防舷装置は、第5観点又は第6観点に係る防舷装置であって、緩衝部材の50%の圧縮時において、第1周ラインは、第2周ラインよりも第1端面側に位置する。
本発明の第8観点に係る防舷装置は、第5観点から第7観点のいずれかに係る防舷装置であって、緩衝部材の70%の圧縮時において、第1周ラインは、第2周ラインよりも第1端面側に位置する。
本発明の第9観点に係る防舷装置は、第5観点から第8観点のいずれかに係る防舷装置であって、緩衝部材の限界圧縮率での圧縮時において、第1周ラインは、第2周ラインよりも第1端面側に位置する。
本発明の第10観点に係る防舷装置は、第1観点から第9観点のいずれかに係る防舷装置であって、第1凸部は、全周に亘って連続的に形成されている。
本発明の第11観点に係る防舷装置は、第1観点から第10観点のいずれかに係る防舷装置であって、第2凸部は、全周に亘って連続的に形成されている。
本発明の第12観点に係る防舷装置は、第1観点から第11観点のいずれかに係る防舷装置であって、緩衝部材の船舶側に配置され、船舶に接触する受衝部材をさらに備える。
本発明に係る防舷装置に含まれる筒形の緩衝部材は、弾性材料からなり、接舷面の法線方向に延びる中心軸を有し、中心軸の方向に圧縮され、圧縮の過程において座屈する。緩衝部材の内面には、非圧縮時において周方向に沿って延びる第1及び第2凸部が形成されており、第2凸部は、第1凸部の近傍に配置される。緩衝部材は、座屈時に第1凸部の両側の第1及び第2周ラインに沿って折れ曲がるように構成されている。その結果、緩衝部材は、第1凸部の存在により圧縮され難くなり、ひいては限界圧縮率が大きくなる。また、第2凸部が圧縮時に第1凸部を支えるため、第1凸部が倒れ難くなり、ひいてはさらに緩衝部材が圧縮され難くなり、限界圧縮率がさらに大きくなる。これにより、防舷装置の緩衝性能が向上する。
緩衝部材が圧縮されるときの圧縮率と反力との関係を表す特性曲線を示す図。 本発明の一実施形態に係る防舷装置が接舷面に設置された様子を示す横断面図(非圧縮時)。 緩衝部材の斜視図。 図2の防舷装置の圧縮時の様子を示す横断面図。 実施例及び比較例に係る緩衝部材の様々な圧縮率での横断面図。 実施例及び比較例に係る緩衝部材が圧縮されるときの特性曲線を示す図。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る防舷装置について説明する。
<1.防舷装置の全体構成>
図2に、本実施形態に係る防舷装置1の横断面図を示す。防舷装置1は、岸壁や桟橋等の船舶が接岸する接舷面5に取り付けられ、当該接舷面5に船舶が接岸する際の衝撃を緩和する。防舷装置1は、船舶の側面等に直接接触する受衝部材10を備え、さらに受衝部材10と接舷面5との間に弾性変形可能な緩衝部材20を備える。そして、船舶の接岸時には、緩衝部材20が受衝部材10と接舷面5との間で圧縮変形することで、船舶との衝突により受衝部材10が受け取ったエネルギーを吸収し、それにより船舶及び接舷面5の双方を保護する。図2は、受衝部材10に外力が加えられていない通常の状態、すなわち、緩衝部材20の非圧縮時の防舷装置1を示している。
受衝部材10は、接舷面5の法線方向(以下、A1方向という)に沿って緩衝部材20の船舶側に配置される。受衝部材10は、鋼材からなる受衝板11を有する。受衝板11の船舶側の外面11aには、船舶の損傷を防止すべく、より剛性の低い材質からなる表面部材12が固定されている。典型的には、表面部材12は、ゴムや樹脂製である。受衝板11は、緩衝部材20の非圧縮時において、接舷面5に平行又は略平行に設置される。なお、受衝部材10は、受衝板11の部分のみならず全体としても板状であるが、船舶の側面等を適切に受け取ることができる限り、形状は問わない。また、受衝板11の材質は、鋼材に限られず、受衝板としての機能に適した剛性を確保することができる限り、他の金属製であってもよいし、樹脂やセラミック製とすることもできる。なお、表面部材12は、省略することもできる。
A1方向に沿って受衝板11の接舷面5側には、緩衝部材20が配置される。より具体的には、緩衝部材20は、スペーサ30を挟んで受衝板11の裏面11b側に取り付けられる。スペーサ30は、緩衝部材20の非圧縮時において、A1方向に沿って受衝板11と緩衝部材20との間に配置される。スペーサ30は、円柱状の部材であり、その中心軸は、A1方向に平行又は略平行に延びている。なお、スペーサ30の形状はこの例に限定されず、例えば、リング状や角柱状とすることもできる。
スペーサ30は、受衝板11の裏面11bに直接連結される。連結の態様は、適宜選択することができるが、典型的には、溶接により、及び/又はボルト等の締結具を用いて連結することができる。なお、他の実施形態では、スペーサ30を省略し、受衝板11と緩衝部材20とを直接連結することもできる。ただし、スペーサ30は、緩衝部材20の限界圧縮率C、ひいては緩衝部材20が吸収することができるエネルギー量を増大させる機能を有しており、その点では、スペーサ30を設けることが好ましい。スペーサ30の材質は特に限定されず、本実施形態では鋼材からなるが、以上の機能を確保することができる限り、他の金属製であってもよいし、樹脂やセラミック製とすることもできる。
緩衝部材20は、スペーサ30の接舷面5側に直接連結される。連結の態様は、適宜選択することができるが、典型的には、ボルト等の締結具を用いて連結することができる。例えば、スペーサ30のネジのないボルト穴にボルトを挿入し、これを緩衝部材20の内部に埋め込まれた袋ナットで固定することで、連結することができる。
図3は、緩衝部材20の斜視図である。図2及び図3に示すように、緩衝部材20は、A1方向に平行又は略平行に延びる中心軸を有する概ね円錐台形の外形を有しており、内部空間S1を形成する中空構造に構成されている。内部空間S1は、緩衝部材20が接舷面5に取り付けられたとき、接舷面5及びスペーサ30により概ね閉鎖される。緩衝部材20は、A1方向に沿って第1端面21a及び第2端面22aを有し、第2端面22aの方が第1端面21aよりも径が大きい。言い換えると、緩衝部材20は、A1方向に沿って第1端面21a側から第2端面22a側に向かうにつれて徐々に拡径する筒型の部材である。ただし、図2及び図3に示すように、第1端面21a側の端部21は、A1方向に沿って拡径しておらず、円筒状であり、第1端面21aにおいてスペーサ30に直接連結される。一方、第2端面22a側の端部22は、緩衝部材20の本体部26に対しフランジ状である。従って、以下では、端部22をフランジ部22と呼ぶことがある。
フランジ部22は、A1方向に沿って概ね一定の径を有する厚みの薄いリング状である。本実施形態では、端部21と本体部26とフランジ部22とは、A1方向を中心軸として同軸に配置され、A1方向に沿って受衝板11側から接舷面5側に向かってこの順に連続している。言い換えると、第1端面21aが、受衝板11側に配置され、第2端面22aが、接舷面5側に配置される。以上より、より正確には、緩衝部材20ではなく、本体部26が、概ね円錐台形の外形を有する筒型に構成されており、A1方向に沿って徐々に拡径している。
本体部26は、図2に示すように、後述する第1凸部71及び第2凸部72の部分を除き、概ね一定の厚みを有している。端部21,22は、本体部26よりも径方向に幅広である(厚みが大きい)。これは、端部21,22は取付け部であり、十分な剛性が必要なためであり、後述する鋼板41,42の埋め込み及び接舷面5への取り付けを容易にすることができる。なお、特に断らない限り、「径方向」及び「周方向」とは、緩衝部材20の中心軸を基準とするものとする。
フランジ部22は、第2端面22aにおいて接舷面5に直接連結される。接舷面5は、一般的にはコンクリートで構成されている。そのため、フランジ部22には、周方向に沿って複数箇所にA1方向に平行又は略平行に延びる貫通孔24が形成されており、この貫通孔24を介して接舷面5にボルト等の締結具が挿入される。これにより、防舷装置1がしっかりと接舷面5に固定される。このように貫通孔24は、防舷装置1と接舷面5とを固定する役割を果たすため、防舷装置1に加わる外力が均等に分散されるように、周方向に一定の間隔で配置されることが好ましい。また、緩衝部材20の本体部26の外面のうち、A1方向に沿ってフランジ部22の近傍の部分には、径方向外方に突出する複数の凸部23が周方向に沿って形成されている。凸部23と貫通孔24とは、周方向に沿って交互に配置される。
緩衝部材20は、弾性材料からなり、船舶との衝突のエネルギーを受け取ってA1方向に圧縮変形可能である。すなわち、緩衝部材20は、船舶から接舷面5側に向かう方向に外力が加えられたときに、径方向外方に突出するように湾曲することにより、A1方向に圧縮変形される(図4参照)。このとき、緩衝部材20は、圧縮の過程において座屈する。また、緩衝部材20は、外力が除去されたときに、元の形状に復元する。緩衝部材20は、緩衝部材としての機能に適した弾性を確保することができる限り材質は問われないが、典型的にはエラストマー又はゴム製であり、様々な組成のエラストマー又はゴムを使用することができる。図4は、図2の通常の状態での受衝板11にA1方向の外力が加えられ、それにより緩衝部材20がA1方向に圧縮変形した状態の防舷装置1を示している。上述の凸部23は、緩衝部材20にA1方向の圧縮力が加わったときに、緩衝部材20を一定の形状に圧縮変形させるのに役立ち、圧縮変形によるエネルギー吸収量を安定化させることができる。凸部23も、周方向に一定の間隔で配置されることが好ましい。
図2及び図4に示すように、緩衝部材20の端部21,22には、それぞれリング状の鋼板(鉄板)41,42が埋め込まれている。鋼板41,42は、A1方向に一定の厚みを有しており、それぞれ緩衝部材20の端部21,22の強度を向上させる役割を果たしている。また、鋼板41,42は、それぞれ端部21,22と、スペーサ30及び接舷面5との連結強度を向上させる役割も果たしており、上述した連結のためのボルト等の締結具は、鋼板41,42を貫通するように取り付けられる。
なお、上記では、緩衝部材20が径方向外方に突出するように湾曲することにより、A1方向に圧縮変形されると述べたが、このような態様で圧縮変形するのは、緩衝部材20のうち主として本体部26である。端部21,22は、本体部26とは異なり、船舶から接舷面5側に向かう方向に外力が加えられたとしても、径方向外方に突出するように湾曲することはなく、A1方向に殆ど圧縮変形されない。
<2.緩衝部材の内面の構成>
以下に、緩衝部材20の内面20aの構成について詳細に説明する。緩衝部材20では、その内面20aが以下のとおりに構成されていることにより、緩衝部材20が限界圧縮率C(図1の点P3に対応する圧縮率)に達するまでのエネルギー吸収量、すなわち面積Bが増大する。なお、圧縮率とは、外力が加えられておらず、緩衝部材20が全く圧縮されていないときの緩衝部材20のA1方向の長さをQ1とし、緩衝部材20の圧縮時の長さをQ2とするとき、(Q1−Q2)×100/Q1(%)で与えられる。すなわち、緩衝部材20の第1端面21aのA1方向の変位量をd1とするとき、圧縮率は、d1×100/Q1(%)で与えられる。
図2に示すように、緩衝部材20の非圧縮時において、緩衝部材20の本体部26の内面20aには、第1凸部71及び第2凸部72が形成されている。第2凸部72は、第1凸部71の近傍に配置され、本実施形態では、A1方向に沿って第1凸部71の第2端面22a側に(すなわち、接舷面5側に)に配置される。第1凸部71及び第2凸部72は、各々、周方向に沿って形成されており、本実施形態では、全周に亘って断絶することなく連続的に形成されている。
第1凸部71の境界であって第2凸部72と反対側の境界は、周方向に沿って延びる第1周ラインL1により画定される。第1凸部71の境界であって第2凸部72側の境界は、周方向に沿って延びる第2周ラインL2により画定される。また、本実施形態では、第1凸部71と第2凸部72とは、隣接している。そのため、第2凸部72の境界であって第1凸部71側の境界は、第2周ラインL2により画定される。第2凸部72の境界であって第1凸部71と反対側の境界は、第3周ラインL3により画定される。
緩衝部材20の非圧縮時において緩衝部材20の横断面上では、緩衝部材20の内面20aは、第1凸部71及び第2凸部72の部分を除き、第1端面21aの近傍から第2端面22aまで直線状に延びる。この直線は、図2にM1で示される。第1凸部71及び第2凸部72は、この直線M1上に形成される。すなわち、第1凸部71は、周ラインL1,L2を緩衝部材20の横断面上において直線的に結ぶ面(図2において点線で示される)よりも、径方向内側に突出している部位である。同様に、第2凸部72は、周ラインL2,L3を緩衝部材20の横断面上において直線的に結ぶ面(図2において点線で示される)よりも、径方向内側に突出している部位である。
本実施形態では、緩衝部材20の横断面上において内面20aを表す線は、緩衝部材20の非圧縮時において周ラインL1を表す点の位置で滑らかに連続していない(周ラインL1を表す点の位置で微分可能でない)。また、同線は、周ラインL2を表す点の位置でも滑らかに連続していない(周ラインL2を表す点の位置で微分可能でない)。一方、本実施形態では、緩衝部材20の横断面上において内面20aを表す線は、緩衝部材20の非圧縮時において周ラインL3を表す点の前後で滑らかに連続している(周ラインL3を表す点の位置で微分可能である)。
<3.緩衝部材の圧縮時の挙動>
次に、緩衝部材20の圧縮時の挙動について説明する。以下では、上述した緩衝部材20(実施例)に対して本発明者らが実際に行ったシミュレーションの結果に基づいて、説明を行う。なお、シミュレーションは、実施例に係る緩衝部材20に対してのみでなく、比較例に係る緩衝部材に対しても行った。図5の左側に、実施例に係る緩衝部材20の様々な圧縮率での横断面図が示され、図5の右側に、比較例に係る緩衝部材の様々な圧縮率での横断面図が示される。同図に示すとおり、比較例に係る緩衝部材は、実施例に係る緩衝部材20から第2凸部72を省略したものであり、その他の点については緩衝部材20と同じ構成を有する。
圧縮率0%のときの実施例に係る緩衝部材20の構造は、上述したとおりである。すなわち、圧縮率0%では、本体部26が概ね中空円錐台形であり、その内面20aに第1及び第2凸部71,72の存在を確認することができる。図6に、実施例及び比較例に係る緩衝部材の圧縮率と反力との関係を表す特性曲線を示す。同図に示すように、実施例に係る緩衝部材20は、圧縮率約35%で反力が極大値に達し(点P1に相当)、座屈を開始した。このとき、緩衝部材20は、第1周ラインL1及び第2周ラインL2に沿って折れ曲がり、第1凸部71が第2凸部72とその反対側の部位73との間で圧縮された。これ以降、圧縮が進行するにつれて、第1凸部71は、徐々により急峻なカーブを描く山の形状となった。これに伴い、座屈時には、第2凸部72に含まれる第1凸部71側の部位が、第1凸部71に含まれる第2凸部72側の部位に周方向に沿って面接触した。同様に、座屈時には、部位73に含まれる第1凸部71側の部位も、第1凸部71に含まれる部位73側の部位に周方向に沿って面接触した。また、緩衝部材20のA1方向の中央部25は、圧縮が進行するにつれて、全周方向に亘って外側に突出するよう湾曲した。このとき、第1凸部71は、中央部25の最も外側へ突出した部分と対向する位置に配置された。すなわち、第1凸部71は、緩衝部材20において緩衝部材20の座屈時に外側へ突出するように屈曲する部分の内側に配置された。
ここで、比較例に係る緩衝部材を参照する。図6に示すとおり、比較例に係る緩衝部材も、圧縮率約35%で反力が極大値に達し(点P1に相当)、座屈を開始した。これ以降、圧縮が進行するにつれて、第1凸部71は内部空間S1側に向かって倒れはじめ、図5に示すとおり、圧縮率50%を過ぎると、第1周ラインL1が第2周ラインL2よりもA1方向に沿って第2端面22a側(接舷面側)の位置に達した。これに対し、実施例に係る緩衝部材20では、座屈の開始後、第1凸部71は第2凸部72に支えられた結果、圧縮率50%でも、第1周ラインL1は第2周ラインL2よりもA1方向に沿って第1端面21a側(船舶側)の位置を維持した。その後も、第1周ラインL1は第2周ラインL2よりもA1方向に沿って第1端面21a側(船舶側)の位置を維持し、圧縮率70%でも第1端面21a側(船舶側)に位置し、最大圧縮時(限界圧縮率での圧縮時)においても第1端面21a側(船舶側)に位置した。
図6に示すとおり、第2凸部72が省略されている比較例に係る緩衝部材では、限界圧縮率が70%であったのに対し、実施例に係る緩衝部材20の限界圧縮率は77%であった。すなわち、第2凸部72の存在により、限界圧縮率が7%増大した。なお、実施例に係る緩衝部材20では、限界圧縮率に達したときに、第1凸部71の山の形が残存し、山の上に小さな隙間S2が形成された。一方で、比較例に係る緩衝部材では、第1凸部71の山がつぶれ、第1凸部71はほぼ平面状となった。
<4.変形例>
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<4−1>
上記実施形態では、緩衝部材20は概ね中空円錐台形であったが、この形状に限定されず、例えば、円筒型であってもよい。
<4−2>
上記実施形態では、緩衝部材20は、より径の大きい第2端面22a側において接舷面5に取り付けられたが、より径の小さい第1端面21a側において接舷面5に取り付けられてもよい。
<4−3>
第1凸部71と第2凸部72とは、隣接していなくてもよい。すなわち、第1凸部71の境界であって第2凸部72側の境界と、第2凸部72の境界であって第1凸部71側の境界とは異なる周ラインにより画定されていてもよい。また、座屈時に突出する第1凸部71を支える第2凸部72を、第1凸部71よりもA1方向に沿って船舶側又はより径の小さい第1端面21a側に配置してもよい。
1 防舷装置
5 接舷面
10 受衝部材
20 緩衝部材
20a 内面
21a 第1端面
22a 第2端面
25 中央部(座屈時に外側へ突出するように屈曲する部分)
71 第1凸部
72 第2凸部
A1 接舷面の法線方向
L1 第1周ライン
L2 第2周ライン
L3 第3周ライン

Claims (12)

  1. 船舶が接岸する接舷面に取り付けられる防舷装置であって、
    弾性材料からなり、前記接舷面の法線方向に延びる中心軸を有し、前記中心軸の方向に圧縮され、圧縮の過程において座屈する筒型の緩衝部材
    を備え、
    前記緩衝部材は、内面を有し、非圧縮時において前記内面に周方向に沿って形成される第1凸部と、非圧縮時において前記内面の前記第1凸部の近傍に周方向に沿って形成される第2凸部と含み、
    前記内面は、前記第1凸部の境界であって前記第2凸部と反対側の境界を画定する第1周ラインと、前記第1凸部の境界であって前記第2凸部側の境界を画定する第2周ラインとを含み、
    前記緩衝部材は、座屈時に、前記第1周ライン及び前記第2周ラインに沿って折れ曲がる、
    防舷装置。
  2. 前記第1凸部は、前記緩衝部材において前記緩衝部材の座屈時に外側へ突出するように屈曲する部分の内側に配置される、
    請求項1に記載の防舷装置。
  3. 前記第2凸部は、前記第2周ラインにより前記第1凸部側の境界が画定される、
    請求項1又は2に記載の防舷装置。
  4. 前記緩衝部材の座屈時に、前記第2凸部に含まれる前記第1凸部側の部位が前記第1凸部に含まれる前記第2凸部側の部位に周方向に沿って面接触する、
    請求項1から3のいずれかに記載の防舷装置。
  5. 前記緩衝部材は、概ね中空円錐台形状であり、前記接舷面の法線方向に沿って第1端面と、前記第1端面よりも径の大きい第2端面とを有する、
    請求項1から4に記載の防舷装置。
  6. 前記第2凸部は、前記第1凸部の前記第2端面側に配置される、
    請求項5に記載の防舷装置。
  7. 前記緩衝部材の50%の圧縮時において、前記第1周ラインは、前記第2周ラインよりも前記第1端面側に位置する、
    請求項5又は6に記載の防舷装置。
  8. 前記緩衝部材の70%の圧縮時において、前記第1周ラインは、前記第2周ラインよりも前記第1端面側に位置する、
    請求項5から7のいずれかに記載の防舷装置。
  9. 前記緩衝部材の限界圧縮率での圧縮時において、前記第1周ラインは、前記第2周ラインよりも前記第1端面側に位置する、
    請求項5から8のいずれかに記載の防舷装置。
  10. 前記第1凸部は、全周に亘って連続的に形成されている、
    請求項1から9のいずれかに記載の防舷装置。
  11. 前記第2凸部は、全周に亘って連続的に形成されている、
    請求項1から10のいずれかに記載の防舷装置。
  12. 前記緩衝部材の前記船舶側に配置され、前記船舶に接触する受衝部材
    をさらに備える、
    請求項1から11のいずれかに記載の防舷装置。
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