以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態に係る入室管理システムを示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る入室管理システム1は、管理敷地100内に設けられた管理設備110への作業者Aの入退室を管理するシステムである。管理敷地100は、柵や壁などで周囲が囲われており、管理敷地扉102以外からの内部への進入が防止されている。管理敷地扉102は、施錠されており、鍵を用いて開錠しない限り開かないようになっている。管理敷地100内に設けられた管理設備110は、内部に作業対象装置111が設けられた建物である。作業対象装置111は、作業者Aが作業を行う対象の装置である。管理設備110は、扉112を有しており、電子錠である電子ロック114により錠の開閉が管理されている。電子ロック114が閉じている場合、扉112は開くことができず、電子ロック114が開いている場合、扉112は開くことができる。また、管理設備110内には、警報装置116が設けられている。警報装置116は、扉が開かれた際に警報を通知する装置である。警報は、扉が開かれたことを通知するものであれば特に限定されず、音を発するなどの聴覚的情報を通知するものであってもよいし、ランプが点灯するなどの視覚的情報を通知するものであってもよい。警報装置116は、スイッチにより、警報通知モードと警報解除モードとに切り替えられる。警報装置116は、警報通知モードである場合、扉112が開かれた際に警報を通知する。警報装置116は、警報解除モードである場合、扉112が開かれても警報を通知しない。
本実施形態においては、管理設備110は、電気所である。また、作業対象装置111は、電気所内に設けられる装置であり、例えば変圧器や遮断器などである。ただし、管理設備110は、扉112を有しており、扉112が施錠管理される設備であれば、電気所に限られない。例えば、管理設備110は、倉庫や車庫であってもよく、ボイラー室、機械室、エレベータ室などの建物における部屋などであってもよい。また、管理設備110は、施錠管理される屋上であってもよい。また、管理設備110は、施錠管理されている管理敷地100内に設けられるが、管理敷地100内に設けられることに限られない。
図1に示すように、入室管理システム1は、携帯端末10と制御装置20とを有する。携帯端末10は、作業者Aが携帯する端末であり、作業者Aが現在位置している現在位置情報を検出することができる。また、携帯端末10は、検出した現在位置情報を制御装置20に無線で送信することができる。現在位置情報は、作業者Aの現在位置の経度及び緯度の情報である。携帯端末10は、制御装置20と無線でデータを通信できるものであり、例えばGPS機能付のスマートフォンである。
図2は、携帯端末の構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯端末10は、入退室希望情報取得部11と、現在情報取得部12と、入室許可コード取得部14と、情報通信部16とを有する。入退室希望情報取得部11は、作業者によって入力された入室希望情報又は退室希望情報を取得するものである。現在情報取得部12は、例えばGPS機能により、現在位置情報を取得するものである。入室許可コード取得部14は、入室許可コードを取得ものである。情報通信部16は、制御装置20と情報通信を行うものである。携帯端末10の各部の機能については後述する。
図1に示すように、制御装置20は、管理設備110から離れた位置にある制御設備120内に設けられる。制御装置20は、複数の管理設備110に対する作業者Aの入退室管理を、管理設備110から離れた位置から行う制御装置である。制御装置20は、入力部22と表示部24と制御部26とを有する装置であり、本実施形態ではコンピュータである。入力部22は、制御装置20を操作する操作者Bの操作が入力されるものであり、本実施形態ではマウスやキーボードである。表示部24は、制御部26からの情報が表示されるものであり、本実施形態では表示画面である。制御部26は、複数の管理設備110に対する作業者Aの入退室管理に関する制御を行う。ただし、制御装置20は、一つの管理設備110に対する入退室管理を行うものであってもよい。
本実施形態では、制御装置20は、携帯端末10と情報通信を行い、電子ロック114の開閉を制御し、警報装置116のスイッチを制御して警報通知モードと警報解除モードとを切り替える。制御装置20は、携帯端末10と無線で通信を行うものであるが、電子ロック114と警報装置116とは、有線を介して接続されており、有線を介して電子ロック114と警報装置116とを制御する。例えば、制御装置20は、有線を介して電子ロック114及び警報装置116に設けられたリレーを開閉して、電子ロック114と警報装置116とを制御する。ただし、制御装置20は、電子ロック114の開閉を制御し、警報装置116のモード切替を行うものであれば、その制御方法は上記に限られず、例えば無線通信で制御を行ってもよい。
次に、制御装置20による管理設備110の入退室管理を詳細に説明する。制御装置20は、管理設備110の入退室管理を行うに当たって、事前処理と、入室処理と、退室処理とを行う。事前処理は、作業者Aの事前の申請により、作業者Aによって作業される予定の管理設備110の情報を登録する処理である。入室処理は、作業者Aの管理設備110への入室を管理する処理である。退室処理は、作業者Aの管理設備110からの退室を管理する処理である。
(事前処理)
最初に、事前処理について説明する。図3は、本実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。図4は、事前処理を説明するフローチャートである。図3に示すように、制御装置20の有する制御部26は、事前処理部30と対応記憶部36と位置情報記憶部38と入退室処理部40とを有する。入退室処理部40は、入室処理と退室処理とを行うものであるが、説明は後述する。事前処理部30は、事前処理を行うものであり、キーコード作成部32と入室許可コード送付部34とを有する。
以下、図4のフローチャートを用いて事前処理について説明する。図4に示すように、事前処理を行う場合、最初に、作業者が、管理設備110において行うことを予定している作業を申請する(ステップS10)。この作業申請は、作業者Aが管理設備110で作業を行う旨の事前に行われる申請である。本実施形態においては、作業申請は、作業者が管理敷地100(管理設備110)に行く前に事前に行われる。ただし、例えば緊急の作業の場合などは、作業申請は、作業者が管理敷地100(管理設備110)に行ってから行われてもよい。すなわち、作業申請は、作業者Aが管理設備110に入室許可を得ようとする前(入室希望情報を入力する前)に行われる申請である。
作業申請に含まれる情報である作業情報は、これから作業者Aが行う予定としている作業の情報であり、少なくとも、作業を行うことを予定している管理設備110である予定管理設備の情報を有している。予定管理設備の情報とは、その予定管理設備の名称など、予定管理設備を他の管理設備から特定することが可能な情報であり、その情報に基づき、予定管理設備の位置(経度及び緯度)を特定して、他の管理設備110と区別することができる情報である。本実施形態における作業情報は、予定管理設備の情報の他に、作業内容(どのような作業を行うのかという情報)、作業者Aの情報(作業者Aの氏名や社員コードなど)、作業者Aの連絡先(作業者Aの有する携帯端末10の電話番号やメールアドレスなど)、入室予定日時、退室予定日時などを含む。ただし、作業情報は、少なくとも予定管理設備の情報を有していればよい。なお、作業申請は、例えば紙面に作業情報を記入して、それを操作者Bに提出して行われるが、申請方法はこれに限られず、作業情報を電子データとして操作者Bに送付してもよいし、作業情報を制御装置20に直接送信してもよい。
作業申請が行われた後、操作者Bは、その作業申請に含まれていた作業情報を、入力部22で入力する(ステップS12)。制御装置20は、キーコード作成部32が、キーコードを作成(取得)し(ステップS13)、対応記憶部36が、予定作業情報を記憶する(ステップS14)。キーコードとは、キーコード作成部32により発番されるコードである。対応記憶部36は、作業情報とこのキーコードとを関連付けて、予定作業情報として記憶する。すなわち、予定作業情報とは、予定管理設備の情報(ここでは作業情報)とそれに関連付けたキーコードとを含む情報である。言い換えれば、対応記憶部36は、作業者Aが管理設備110で作業を行う旨の事前の申請(作業申請)に基づき、予定管理設備の情報(ここでは作業情報)とキーコードとを関連付けて、予定作業情報として記憶する。キーコード自体は、発番された任意のコードであるため、キーコードを入力して制御装置20に記憶された予定作業情報を読み出さない限り、キーコードのみでは、予定管理設備の情報などの作業情報を読み出すことはできない。すなわち、キーコードは、制御装置20が予定管理設備の情報に関連付けたコード(情報)である。なお、作業情報は、操作者Bによって入力されなくてもよく、例えば作業者Aが作業情報を制御装置20に直接送信した場合は、対応記憶部36が、その作業情報を読み取って、予定作業情報を作成してもよい。
また、位置情報記憶部38は、予定管理設備の情報と、その予定管理設備の位置情報(例えば経度及び緯度)とを関連付けて記憶している。
キーコードを作成し、予定作業情報を記憶した後、制御装置20は、入室許可コード送付部34が、キーコードを含む情報を入室許可コードとして、作業者Aに送付し(ステップS16)、作業者Aは、その入室許可コードを取得する(ステップS18)。入室許可コード送付部34は、キーコードに基づき入室許可コードを生成する。入室許可コードは、キーコードを含む情報であり、例えばキーコードを暗号化した情報である。入室許可コードは、本実施形態では、二次元コードであるが、例えばバーコードであってもよく、キーコードを含む情報であれば、その形態は任意である。本実施形態では、入室許可コードは、キーコードの情報のみを有するが、それ以外の予定作業情報に含まれる情報(例えば予定管理設備の情報など)を有していてもよい。
入室許可コード送付部34は、その入室許可コードを作業者Aに送付する。入室許可コード送付部34は、入室許可コードが記入された書面の電子データを作業者Aに送付する。作業者Aは、その入室許可コードが記入された書面を印刷して、予定管理設備に持参する。ただし、入室許可コード送付部34は、その入室許可コードを作業者Aに送付するものであれば、入室許可コードが記入された書面の電子データを作業者Aに送付しなくてもよく、例えば、作業者Aの携帯端末10に入室許可コードを送信してもよい。
作業者Aが入室許可コードを取得したら、この事前処理は終了する。このように、事前処理は、作業者Aに、管理設備110の入室前に入室許可コードを取得させるために行うものである。
(入室処理)
次に、入室処理について説明する。入室処理は、上述の事前処理の後に行われるものであり、作業者Aの管理設備110への入室を管理するための処理である。入室処理は、制御装置20の入退室処理部40によって実行される。図3に示すように、入退室処理部40は、情報取得部42と、現在管理設備検出部44と、情報読出部46と、情報通知部47と、一致判断部48と、許可情報取得部50と、情報送信部52と、警報通知制御部54と、開閉制御部56とを有する。
図5は、入室処理を説明するフローチャートである。以下、図5のフローチャートを用いて入室処理について説明する。入室処理を行う際、最初に、作業者Aが、作業を行う管理設備110が設けられる管理敷地100に向かう。作業者Aは、持参していた鍵で管理敷地扉102を開錠し、管理敷地100内に進入する。
作業者Aは、図1に示すように管理設備110の扉112の前で、持参していた携帯端末10に、その管理設備110に入室を希望する旨の情報である入室希望情報を入力する。携帯端末10は、入退室希望情報取得部11により、作業者Aが入力した入室希望情報を取得する(ステップS20)。ただし、作業者Aは、扉112の前でなくても、管理設備110の周辺で入室希望情報を入力すればよい。管理設備110の周辺とは、その位置で検出された現在位置情報で、他の管理設備110と区別できる程度の距離である。すなわち、作業者Aは、その位置で検出された現在位置情報に基づき、その管理設備110がどの管理設備であるかを特定できる位置で、入室希望情報を入力すればよい。
入室希望情報を取得したら、携帯端末10は、入室希望処理を実行する。具体的には、携帯端末10は、入室希望情報を取得したら、現在情報取得部12により作業者Aの現在位置情報を取得し、入室許可コード取得部14により入室許可コードを取得する(ステップS22)。以下、現在位置情報をα1とし、入室許可コードをα2とする。現在情報取得部12は、作業者Aの現在位置情報α1に加え、現在時刻の情報も取得する。入室許可コード取得部14は、作業者Aが持参していた入室許可コードα2が記入された書面から入室許可コードα2を読み出して、入室許可コードα2を取得する。例えば、作業者Aは、書面に記入された入室許可コードα2を携帯端末10のカメラで撮影することで、入室許可コード取得部14に入室許可コードα2を読み出させる。ただし、入室許可コード取得部14は、入室希望情報を取得した後に入室許可コードα2を取得すればよく、その取得方法は任意である。
現在位置情報α1及び入室許可コードα2を取得した後、携帯端末10は、情報通信部16により、入室情報α3を制御装置20に送信する(ステップS24)。入室情報α3は、入退室希望情報取得部11が取得した入室希望情報と、現在情報取得部12が検出した現在位置情報α1と、入室許可コード取得部14が取得した入室許可コードα2とを含む情報である。本実施形態では、入室情報α3は、入室希望情報と現在位置情報α1と入室許可コードα2とに加え、現在情報取得部12が検出した現在時刻の情報と、携帯端末10の通信用の端末番号(例えば電話番号)とを含む。
制御装置20は、情報取得部42により、携帯端末10から送信された入室情報α3を取得する(ステップS26)。入室情報α3を取得した後、制御装置20は、情報読出部46が、入室情報α3から予定作業情報を読み出し、情報通知部47が、その読み出された予定作業情報を通知する(ステップS28)。具体的には、情報読出部46は、情報取得部42から、入室情報α3に含まれていた入室許可コードα2を取得する。情報読出部46は、入室許可コードα2から、キーコードを抽出する。情報読出部46は、対応記憶部36から、そのキーコードに関連付けられた予定作業情報を読み出す。そして、情報読出し部46は、位置情報記憶部38から、その予定作業情報に含まれる予定管理設備の情報に関連付けられた予定管理設備の位置情報を読み出す。以下、読み出した予定作業情報と位置情報とを含む情報を、予定作業総合情報α4とする。
情報読出部46は、読み出した予定作業総合情報α4を情報通知部47に送信する。情報通知部47は、予定作業総合情報α4を、操作者Bに通知する。具体的には、情報通知部47は、予定作業総合情報α4を、表示部24に表示させることにより、予定作業総合情報α4を操作者Bに通知する。
図6は、表示部による予定作業情報の表示画面の一例を示している。図6に示すように、表示部24が表示する予定作業総合情報α4は、予定管理設備の情報α4aと、作業内容α4bと、キーコードα4cと、作業者Aの情報α4dと、作業者Aの連絡先α4eと、入室予定時刻α4fと、退室予定時刻α4gとを有する。図6の例では、予定管理設備の情報α4aは、予定管理設備の名称である。作業内容α4bは、作業の内容である。作業者Aの情報α4dは、複数の作業者で作業を行う場合は、その代表者の氏名である。作業者Aの連絡先α4eは、代表者の携帯端末10の電話番号である。入室予定時刻α4fは、入室する予定の時刻であるが、さらに、携帯端末10から送信された現在時刻が、実際の入室時刻としても表示される。退室予定時刻α4gは、作業を終えて退室する予定の時刻であるが、退室後は、携帯端末10から送信される退室処理時の現在時刻が、実際の退室時刻としても表示される。情報読出部46は、このような予定作業総合情報α4を表示部24に表示させることで、予定作業総合情報α4を操作者Bに通知する。
図5に戻り、予定作業総合情報α4を表示した後、制御装置20は、現在管理設備検出部44により、現在管理設備を検出する(ステップS30)。具体的には、現在管理設備検出部44は、情報取得部42から、入室情報α3に含まれていた現在位置情報α1を取得する。現在管理設備検出部44は、入室希望情報が取得された場合、現在位置情報α1から、作業者Aが現在位置しており入室を希望する管理設備110を、現在管理設備として検出する。制御装置20は、位置情報記憶部38が、管理している複数の管理設備110の位置情報(経度及び緯度)を、それぞれの管理設備110の情報(名称など)に関連付けて、位置データとして記憶している。現在管理設備検出部44は、その位置データを読み出して、管理している複数の管理設備110のうち、現在位置情報α1と一致、又は近い位置情報を有する管理設備110を、現在管理設備として検出する。
現在管理設備を検出した後、制御装置20は、一致判断部48により、設備が一致しているかを判断して、情報通知部47により、その判断結果を通知する(ステップS32)。具体的には、一致判断部48は、情報読出部46から予定作業総合情報α4中の予定管理設備の情報α4aを取得する。また、一致判断部48は、現在管理設備検出部44が検出した現在管理設備の情報(名称など)を取得する。一致判断部48は、予定管理設備の情報α4aと現在管理設備の情報とを対照して、予定管理設備と現在管理設備とが、一致しているかを判断する。言い換えれば、一致判断部48は、情報取得部42が取得した入室許可コードα2から読み出した予定管理設備と、現在管理設備とが一致しているかを判断する。以下、予定管理設備と現在管理設備とが一致しているかの判断結果を、判断結果α5とする。なお、制御装置20は、予定管理設備の位置情報と現在管理設備との位置情報とを照合して、予定管理設備と現在管理設備とが一致しているかを判断してもよい。
一致判断部48は、判断結果α5を情報通知部47に送信する。情報通知部47は、判断結果α5を、操作者Bに通知する。具体的には、情報通知部47は、判断結果α5を、表示部24に表示させることにより、判断結果α5を操作者Bに通知する。例えば、情報通知部47は、予定管理設備と現在管理設備とが一致していないという判断結果α5である場合、図6に示した予定作業総合情報α4を例えば赤色でハイライトする。ただし、情報通知部47による判断結果α5の通知方法はこれに限られず任意であり、例えば、一致していないという判断結果α5である場合、制御装置20に警報を鳴らさせてもよい。
操作者Bは、この通知された判断結果α5に基づき、入力部22に入室許可情報α6を入力する。この入室許可情報α6は、制御装置20の許可情報取得部50によって取得される。入室許可情報α6は、現在管理設備への作業者Aの入室を許可する情報である。具体的には、操作者Bは、判断結果α5が、予定管理設備と現在管理設備とが一致しているものである場合、入室許可情報α6を入力する。操作者Bは、判断結果α5が、予定管理設備と現在管理設備とが一致していない場合、入室許可情報α6を入力しない。予定管理設備と現在管理設備とが一致していない場合、操作者Bは、例えば、表示されている作業者Aの連絡先α4eを参照して、作業者Aに連絡する。
判断結果α5において設備が一致しており(ステップS34;Yes)、すなわち、一致判断部48が、予定管理設備と現在管理設備とが一致しているかと判断し、かつ、許可情報取得部50が入室許可情報α6を取得している場合(ステップS36;Yes)、制御装置20は、情報送信部52により、携帯端末10に、入室を許可する旨を通知する(ステップS38)。作業者Aは、携帯端末10への入室を許可する旨の通知を確認して、入室が許可された旨を認識する。
入室を許可する旨を通知した後、制御装置20は、この作業者Aの入室が、最初の入室であるかを確認する(ステップS40)。最初の入室とは、これ以前で最後に退室処理がなされた後に、他の入室処理がなされていない場合をいう。制御装置20は、電子ロック114が開錠されているかを確認して、開錠されていない場合は、最初の入室であると判断し、開錠されている場合は、最初の入室でないと判断する。ただし、最初の入室であるかの判断方法は、これに限られず、例えば、他の予定作業総合情報α4を読み出すことにより、最初の入室であるかを確認してもよい。
最初の入室である場合(ステップS40;Yes)、制御装置20は、警報通知制御部54により、警報装置116を警報解除モードとし、電子ロック114を操作して扉112のロックを解除する(ステップS42)。最初の入室の前は、警報装置116は警報通知モードであり、電子ロック114により扉112がロックされている。制御装置20は、最初の入室である場合、警報通知制御部54により、警報装置116を警報通知モードから警報解除モードに切り替え、開閉制御部56により、扉112をロックされた状態からロックを解除する状態に切り替える。扉112のロックが解除されたことにより、作業者Aは、管理設備110内に入ることが可能となる。また、警報装置116が警報解除モードであるため、作業者Aが入室しても、警報が通知されない。警報通知制御部54は、警報解除モードに切り替えたら、その警報解除モードの状態を維持する。また、開閉制御部56は、扉112のロックを解除したら、その解除した状態を維持する。
また、ステップS34において設備が一致していない場合(ステップS34;No)、すなわち、一致判断部48が、予定管理設備と現在管理設備とが一致していないと判断した場合、制御装置20は、警報装置116のモードと扉112のロックとを、そのままの状態に維持する(ステップS44)。すなわち、予定管理設備と現在管理設備とが一致していない場合、作業者Aは、現在管理設備で作業を行う旨の登録がされておらず、言い換えれば、現在管理設備への入室が事前に許可されていない。従って、制御装置20は、警報装置116を警報通知モードのまま維持し、扉112をロックされた状態のまま維持する。作業者Aは、この現在管理設備に入室することができず、もし入室しても、警報装置116により警報が通知される。
また、ステップS36において入室許可情報α6を取得しなかった場合(ステップS36;No)、すなわち操作者Bが入室を許可しなかった場合も、制御装置20は、警報装置116のモードと扉112のロックとを、そのままの状態に維持する(ステップS44)。すなわち、例え一致判断部48が一致すると判断しても、操作者Bが入室を許可しない場合は、警報装置116を警報通知モードのまま維持し、扉112をロックされた状態のまま維持する。作業者Aは、この現在管理設備に入室することができず、もし入室しても、警報装置116により警報が通知される。なお、設備が一致していない場合(ステップS34;No)、及び入室許可情報α6を取得しなかった場合(ステップS36;No)は、制御装置20は、情報送信部52により、携帯端末10に、入室を許可しない旨を通知してもよい。
また、ステップS40において、最初の入室でない場合(ステップS40;No)、制御装置20は、警報装置116のモードと扉112のロックとを、そのままの状態に維持する(ステップS44)。最初の入室でない場合は、すでに他の作業者が入室している状態である。この場合、警報装置116は警報解除モードとなっており、扉112のロックは解除されている。従って、制御装置20は、警報装置116を警報解除モードのまま維持し、扉112をロックが解除された状態のまま維持して、この作業者Aが入室可能の状態を維持する。
ステップS42又はステップS44が実行されたら、入室処理は終了する。このように、制御装置20は、入室処理時において、一致判断部48が、予定管理設備と現在管理設備とが一致すると判断し、かつ、入室許可情報α6を取得した場合(操作者Bが入室許可を行った場合)に、警報装置116を警報通知モードから警報解除モードに切り替え、扉112をロックされた状態からロックを解除する状態に切り替える。このように制御装置20の判断と操作者の判断とにより、入室許可を行うため、入室の管理精度が高くなる。ただし、制御装置20は、入室許可情報α6を取得した場合、又は一致判断部48が予定管理設備と現在管理設備とが一致すると判断した場合のいずれか一方の場合に、警報装置116を警報通知モードから警報解除モードに切り替え、扉112をロックされた状態からロックを解除する状態に切り替えてもよい。このような場合でも、判断結果α5に基づき入室許可の判断がなされているため、入室の管理精度は高くなる。
制御装置20は、複数の管理設備110の入退室管理を行う場合、各管理設備110に現在作業者Aが入室しているか退室しているか入退室情報を、表示部24で表示可能にしている。図7は、表示部による入退室情報の表示画面の一例を示している。図7の例では、表示部24は、3つの管理設備110の入退室情報α7a、α7b、α7cを表示している。入退室情報α7a、α7b、α7cは、それぞれの管理設備110の名称を表示し、その表示にハイライトを付けることで、各管理設備110に現在作業者Aが入室しているか退室しているかを通知している。
(退室処理)
次に、退室処理について説明する。退室処理は、上述の入室処理の後に行われるものであり、作業者Aの管理設備110からの退室を管理するための処理である。
図8は、退室処理を説明するフローチャートである。以下、図8のフローチャートを用いて退室処理について説明する。管理設備110内での作業が終了したら、作業者Aは、管理設備110から退室する。そして、作業者Aは、入室処理時と同様に、管理設備110の扉112の前、又は管理設備110の周辺で、持参していた携帯端末10に、その管理設備110からの退室を希望する旨の情報である退室希望情報を入力する。携帯端末10は、入退室希望情報取得部11により、作業者Aが入力した退室希望情報を取得する(ステップS50)。
退室希望情報を取得したら、携帯端末10は、退室希望処理を実行する。具体的には、携帯端末10は、退室希望情報を取得したら、現在情報取得部12により作業者Aの現在位置情報α1を取得し、入室許可コード取得部14により入室許可コードα2を取得する(ステップS52)。現在情報取得部12は、作業者Aの現在位置情報α1に加え、現在時刻の情報も取得する。この現在位置情報α1及び入室許可コードα2の取得方法は、入室処理時と同様である。
現在位置情報α1及び入室許可コードα2を取得した後、携帯端末10は、情報通信部16により、退室情報α3’を制御装置20に送信する(ステップS54)。退室情報α3’は、入退室希望情報取得部11が取得した退室希望情報と、現在情報取得部12が検出した現在位置情報α1と、入室許可コード取得部14が取得した入室許可コードα2とを含む情報である。本実施形態では、退室情報α3’は、退室希望情報と現在位置情報α1と入室許可コードα2とに加え、現在情報取得部12が検出した現在時刻の情報と、携帯端末10の通信用の端末番号(例えば電話番号)とを含む。
制御装置20は、情報取得部42により、携帯端末10から送信された退室情報α3’を取得する(ステップS56)。退室情報α3’を取得した後、制御装置20は、情報読出部46が、退室情報α3’から予定作業総合情報α4を読み出し、情報通知部47が、その読み出された予定作業総合情報α4を通知する(ステップS58)。具体的には、情報読出部46は、情報取得部42から、退室情報α3’に含まれていた入室許可コードα2を取得する。情報読出部46は、退室情報α3’から、キーコードを抽出し、そのキーコードから、対応記憶部36及び位置情報記憶部38に予め記憶されていた予定作業総合情報α4を読み出す。
情報読出部46は、読み出した予定作業総合情報α4を情報通知部47に送信する。情報通知部47は、予定作業総合情報α4を、操作者Bに通知する。具体的には、情報通知部47は、予定作業総合情報α4を、表示部24に表示させることにより、予定作業総合情報α4を操作者Bに通知する。予定作業総合情報α4の通知方法は、入室処理時と同様である。
予定作業総合情報α4を表示した後、制御装置20は、現在管理設備検出部44により、現在管理設備を検出する(ステップS60)。具体的には、現在管理設備検出部44は、退室希望情報が取得された場合、情報取得部42から、退室情報α3’に含まれていた現在位置情報α1を取得する。現在管理設備検出部44は、現在位置情報α1から、作業者Aが現在位置しており、退室を希望する管理設備110を、現在管理設備として検出する。現在管理設備の検出方法は、入室処理時と同様である。
現在管理設備を検出した後、制御装置20は、一致判断部48により、設備が一致しているかを判断して、情報通知部47により、その判断結果α5を通知する(ステップS62)。一致判断部48は、予定管理設備の情報α4aと現在管理設備の情報とを対照して、予定管理設備と現在管理設備とが、一致しているかを判断する。一致判断部48による判断方法は、入室処理時と同様である。
一致判断部48は、判断結果α5を情報通知部47に送信する。情報通知部47は、判断結果α5を、操作者Bに通知する。具体的には、情報通知部47は、判断結果α5を、表示部24に表示させることにより、判断結果α5を操作者Bに通知する。判断結果α5の通知方法は、入室処理時と同様である。
操作者Bは、この通知された判断結果α5に基づき、入力部22に退室許可情報α6’を入力する。この退室許可情報α6’は、制御装置20の許可情報取得部50によって取得される。退室許可情報α6’は、現在管理設備からの作業者Aの退室を許可する情報である。具体的は、操作者Bは、判断結果α5が、予定管理設備と現在管理設備とが一致しているものである場合、退室許可情報α6’を入力する。操作者Bは、判断結果α5が、予定管理設備と現在管理設備とが一致していない場合、退室許可情報α6’を入力しない。予定管理設備と現在管理設備とが一致していない場合、操作者Bは、例えば、表示されている作業者Aの連絡先α4eを参照して、作業者Aに連絡する。
判断結果α5において設備が一致しており(ステップS64;Yes)、すなわち、一致判断部48が、予定管理設備と現在管理設備とが一致しているかと判断し、かつ、許可情報取得部50が退室許可情報α6’を取得している場合(ステップS66;Yes)、制御装置20は、情報送信部52により、携帯端末10に、退室を許可する旨を通知する(ステップS68)。作業者Aは、携帯端末10への退室を許可する旨の通知を確認して、退室が許可された旨を認識する。
退室を許可する旨を通知した後、制御装置20は、この作業者Aの退室が、最後の退室であるかを確認する(ステップS70)。最後の退室とは、この次に入室処理が行われるまでの間に、他の退室処理が行われる予定がない場合をいう。制御装置20は、他の予定作業総合情報α4を読み出し、他に退室処理の予定がない場合、又は、他の退室処理が全て終了している場合に、最後の退室であると判断する。
最後の退室である場合(ステップS70;Yes)、制御装置20は、警報通知制御部54により、警報装置116を警報通知モードとし、電子ロック114を操作して扉112をロックする(ステップS72)。最後の退室の前は、警報装置116は警報解除モードであり、電子ロック114により扉112のロックが解除されている。制御装置20は、最後の退室である場合、警報通知制御部54により、警報装置116を警報解除モードから警報通知モードに切り替え、開閉制御部56により、扉112のロックが解除された状態からロックされた状態に切り替える。扉112がロックされたことにより、以後、管理設備110内に立ち入ることはできなくなる。また、警報装置116が警報通知モードであるため、何者かが入室した場合、警報が通知される。警報通知制御部54は、警報通知モードに切り替えたら、その警報通知モードの状態を維持する。また、開閉制御部56は、扉112をロックしたら、そのロックした状態を維持する。
また、ステップS64において設備が一致していない場合(ステップS64;No)、すなわち、一致判断部48が、予定管理設備と現在管理設備とが一致していないと判断した場合、制御装置20は、警報装置116のモードと扉112のロックとを、そのままの状態に維持する(ステップS74)。また、ステップS66において退室許可情報α6’を取得しなかった場合(ステップS66;No)、すなわち操作者Bが退室を許可しなかった場合も、制御装置20は、警報装置116のモードと扉112のロックとを、そのままの状態に維持する(ステップS74)。なお、設備が一致していない場合(ステップS64;No)、及び退室許可情報α6’を取得しなかった場合(ステップS66;No)は、制御装置20は、情報送信部52により、携帯端末10に、退室を許可しない旨を通知してもよい。なお、制御装置20は、ステップS74においてそのままの状態に維持している場合であって、退室許可情報α6’を取得していない場合であっても、例えば作業者Aから最後の退室をした旨の通知(退所処理漏れ通知)を受けた場合は、警報装置116を警報通知モードとし、電子ロック114を操作して扉112をロックしてもよい。これにより、作業者Aが、例えば退室情報を送信することを忘れたまま退室してしまった場合に、開錠され続けることを防止することができる。なお、退所処理漏れ通知は、例えば、退室処理を忘れてしまった場合に備えて予め設定された信号形式であって、その信号形式は任意であり、例えば電子メールや電話連絡であってもよい。これにより、作業者Aが管理設備に戻ることなく、閉錠することが可能となる。
また、ステップS70において、最後の退室でない場合(ステップS70;No)、制御装置20は、警報装置116のモードと扉112のロックとを、そのままの状態に維持する(ステップS74)。最後の退室でない場合は、他の作業者が入室している可能性がある。この場合に、警報装置116は警報解除モードのまま維持し、扉112のロックを解除したまま維持することで、他の作業者が入室していても、警報が作動せず、また、退室することが可能となる。
ステップS72又はステップS74が実行されたら、退室処理は終了する。このように、制御装置20は、退室処理時において、一致判断部48が、予定管理設備と現在管理設備とが一致すると判断し、かつ、退室許可情報α6’を取得した場合(操作者Bが退室許可を行った場合)に、警報装置116を警報解除モードから警報通知モードに切り替え、扉112をロックが解除された状態からロックされた状態に切り替える。このように制御装置20の判断と操作者の判断とにより、退室許可を行うため、退室の管理精度が高くなる。ただし、制御装置20は、一致判断部48が予定管理設備と現在管理設備とが一致すると判断した場合、及び退室許可情報α6’を取得した場合のいずれか一方の場合に、警報装置116を警報解除モードから警報通知モードに切り替え、扉112をロックが解除された状態からロックされた状態に切り替えてもよい。このような場合でも、判断結果α5に基づき退室許可の判断がなされているため、退室の管理精度は高くなる。
上述のように、警報通知制御部54は、警報解除モードに切り替えたらその警報解除モードの状態を維持し、警報通知モードに切り替えたらその警報通知モードの状態を維持する。言い換えれば、警報通知制御部54は、警報装置116が警報解除モードである場合、次に退室希望情報が取得されて、一致判断部48が一致していると判断して警報通知モードに切り替えるまでは、警報解除モードを維持する。また、警報通知制御部54は、警報装置116が警報通知モードである場合、次に入室希望情報が取得されて、一致判断部48が一致していると判断して警報解除モードに切り替えるまでは、警報通知モードを維持する。
また、上述のように、開閉制御部56は、扉112のロックを解除したら、その解除した状態を維持し、ロックしたら、そのロックした状態を維持する。言い換えれば、開閉制御部56は、扉112のロックを解除している場合、次に退室希望情報が取得されて、一致判断部48が一致していると判断してロック状態に切り替えるまでは、扉112が閉じられている場合でも、扉112のロックを解除し続ける。開閉制御部56は、扉112をロックしている場合、次に入室希望情報が取得されて、一致判断部48が一致していると判断してロック解除状態に切り替えるまでは、扉112をロックし続ける。
また、作業者Aは、複数の作業者と一緒に作業を行ってもよい。この場合、事前処理で作業申請を行い、入室処理及び退室処理で携帯端末10を操作する作業者は、一人でよい。入室処理及び退室処理において、警報装置116のモード及び扉112のロックは、切り替えたらそのまま維持されるため、一人の作業者Aが入室処理及び退室処理を行ったら、他の作業者Aも同様に入室及び退室することができる。また、事前処理、入室処理、及び退室処理において、操作者Bが制御装置20を制御していたが、各処理における操作者Bは、別の人間であってもよい。操作者Bは、作業者Aと別の人間であり、制御設備120内で制御装置20を制御する者であればよい。
また、制御装置20は、操作者Bが行う操作を、自身で、自動で行ってもよい。例えば、制御装置20は、操作者Bは、入力部22に入室許可情報α6を入力せず、制御装置20が、判断結果α5に基づき、入室許可情報α6や退室許可情報α6’を作成してもよい。なお、この場合であっても、制御装置20は、操作者Bに判断結果α5の通知を行う。これにより、制御装置20の判断に誤りがあった場合でも、操作者Bによってその誤りの修正が可能となる。
以上説明したように、入室管理システム1は、警報装置116が設けられた管理設備110から離れた位置に設けられ、離れた位置から警報装置116を制御する制御装置20と、作業者Aが携帯して作業者Aの現在位置情報α1を検出し、現在位置情報α1を制御装置20に送信可能な携帯端末10と、を有する。制御装置20は、キーコード作成部32と、入室許可コード送付部34と、対応記憶部36と、情報取得部42と、現在管理設備検出部44と、一致判断部48と、情報通知部47と、許可情報取得部50と、警報通知制御部54とを有する。キーコード作成部32は、キーコードを取得する。対応記憶部36は、作業者Aが管理設備110で作業を行う旨の事前の申請に基づき、作業者Aが作業を行う予定としている予定管理設備の情報とキーコードとを関連付けて記憶する。入室許可コード送付部34は、キーコードを含む情報を入室許可コードα2として、事前に作業者Aに送付する。情報取得部42は、作業者Aが管理設備110への入室を希望する旨の入室希望情報と、作業者Aの現在位置情報α1と、入室許可コードα2とを携帯端末10から取得する。現在管理設備検出部44は、入室希望情報が取得された場合、情報取得部42が取得した現在位置情報α1に基づき、現在管理設備を検出する。一致判断部48は、情報取得部42が取得した入室許可コードα2から読み出した予定管理設備と、現在管理設備とが一致しているかを判断する。情報通知部47は、一致判断部48の判断結果α5を、作業者Aとは異なる操作者Bに通知する。許可情報取得部50は、操作者Bによって入力される情報であって、現在管理設備への入室を許可する情報である入室許可情報α6を取得する。警報通知制御部54は、一致判断部48が一致していると判断した場合、及び許可情報取得部50が入室許可情報α6を取得した場合の少なくともいずれか一方の場合に、警報装置116を、扉112が開かれた際にも警報通知しない警報解除モードとする。
作業を予定する管理設備110から遠く離れた位置に作業者がいる場合に入室許可を行うと、その管理設備110に作業者以外の者が入室してしまうおそれがある。従って、管理設備110の入室管理を行う場合、作業者がどの設備に入室しようとしているかを適切に認識する必要がある。作業者がどの設備に入室しようとしているかを適切に認識することにより、管理設備110への入室管理を適切に行うことが可能となる。本実施形態に係る入室管理システム1は、作業者Aの現在位置情報α1から入室しようとする現在管理設備を検出し、作業を予定する予定管理設備と一致しているかを判断する。そして、入室管理システム1は、一致している場合に、警報を解除する。この入室管理システム1は、実際に作業者Aがいる位置が、作業を予定している管理設備110周辺であることを認識して、その場合に警報を解除する。そのため、この入室管理システム1は、作業者Aがどの設備に入室しようとしているかを適切に認識して、管理設備110への入室管理を適切に行うことができる。
また、警報通知制御部54は、一致判断部48が一致していると判断し、かつ、許可情報取得部50が入室許可情報α6を取得した場合に、警報解除モードとする。この入室管理システム1は、予定管理設備と現在管理設備とが一致すると判断し、かつ、入室許可情報α6を取得した場合、すなわち操作者Bが入室許可を行った場合に、警報装置116を警報解除モードにする。入室管理システム1は、このように制御装置20の判断と操作者の判断とにより、入室許可を行うため、入室の管理精度が高くなる。
また、情報取得部42は、作業者Aが管理設備110からの退室を希望する旨の退室希望情報と、作業者Aの現在位置情報α1と、入室許可コードα2とを携帯端末10から取得する。現在管理設備検出部44は、退室希望情報が取得された場合、情報取得部42が取得した現在位置情報α1に基づき、現在管理設備を検出する。許可情報取得部50は、操作者Bによって入力される情報であって、現在管理設備からの退室を許可する情報である退室許可情報α6’を取得する。警報通知制御部54は、一致判断部48が一致していると判断した場合、及び許可情報取得部50が退室許可情報α6’を取得した場合の少なくともいずれか一方の場合に、警報装置116を警報通知モードとする。この入室管理システム1は、入室時と同様の処理によって退室管理を行う。従って、この入室管理システム1は、作業者Aがどの設備から退室しようとしているかを適切に認識して、管理設備110への入退室管理を適切に行うことができる。
また、警報通知制御部54は、警報解除モードである場合、次に退室希望情報が取得されて、一致判断部48が一致していると判断するまでは、警報解除モードを維持し、警報通知モードである場合、次に入室希望情報が取得されて、一致判断部48が一致していると判断するまでは、警報通知モードを維持する。この警報通知制御部54は、一度警報を解除した場合、次に退室が許可されるまでは、警報を解除し続ける。従って、作業者Aは、例えば作業中に管理設備110から一時退室しても、再度の入室処理が不要になり、複数人のグループで作業する際も一度の入室処理で済むため、より柔軟に作業を行うことができる。
また、制御装置20は、管理設備110の扉112のロックを開閉制御する開閉制御部56を更に有している。開閉制御部56は、入室希望情報が取得されて一致判断部48が一致していると判断した場合、及び許可情報取得部50が入室許可情報α6を取得した場合の少なくともいずれか一方の場合に、扉112のロックを解除する。そして、開閉制御部56は、退室希望情報が取得されて一致判断部48が一致していると判断した場合、及び許可情報取得部50が退室許可情報α6’を取得した場合の少なくともいずれか一方の場合に、扉112をロックする。この制御装置20は、遠隔で扉112のロックを制御する。この制御装置20は、作業者Aの現在位置情報α1から入室しようとする現在管理設備を検出し、作業を予定する予定管理設備と一致しているかを判断する。そして、入室管理システム1は、一致している場合に、扉112のロックを解除する。入室管理システム1は、退室時も、同様に処理する。そのため、この入室管理システム1は、作業者Aがどの設備に入室又は退室しようとしているかを適切に認識して、管理設備110への入退室管理を適切に行うことができる。
なお、本実施形態では、管理設備110は、扉112が電子ロック114を有する電子扉であって、警報装置116を有するものであり、制御装置20は、警報通知制御部54と開閉制御部56とを両方有している。ただし、管理設備110は、電子ロック114、又は警報装置116の少なくともいずれか一方を有していればよい。管理設備110が電子ロック114のみを有している場合、制御装置20は、開閉制御部56のみを有し、電子ロック114を操作して扉112のロックの開閉を制御する。管理設備110が警報装置116のみを有している場合、制御装置20は、警報通知制御部54のみを有し、警報装置116のモード切替を制御する。管理設備110が電子ロック114を有していない場合、作業者Aは、持参した鍵で扉112を開錠する。
また、本実施形態では、管理敷地扉102は、電子ロックを有していなかったが、電子ロックを有していてもよい。この場合、作業者は、管理敷地扉102から管理敷地100に入る前に、同様に入室処理を行う。入室処理により、制御装置20は、管理敷地扉102のロックを解除する。また、作業者Aは、管理敷地扉102から管理敷地100を出た後に、同様に退室処理を行う。退室処理により、制御装置20は、管理敷地扉102をロックする。この場合、管理設備110の扉112の開閉制御は、管理敷地扉102に連動して行われる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態の内容によりこの発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。