JP6740590B2 - 光合成微生物の培養装置及び培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は光合成微生物の培養装置及び培養方法に関する。
光合成微生物を屋外の槽で培養する場合、光合成微生物を捕食する捕食生物が槽内に侵入することがある。特許文献1記載の技術は、光合成微生物を含む懸濁液を、昼間は平面池で保持し、夜間は外部に対し閉じた格納槽に移送する。特許文献1記載の技術は、格納槽内を酸欠状態にすることで捕食生物を死滅させる。
特開平6−90735号公報
特許文献1記載の技術は、平面池と格納槽とを備えた複雑な培養装置を必要とする。また、特許文献1記載の技術は、平面池と格納槽との間での懸濁液の移送を必要とする。
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、必ずしも複雑な構造を必要とせず、容易に培養を行うことができる光合成微生物の培養装置及び培養方法を提供することを目的としている。
本発明の光合成微生物の培養装置は、屋外に設置された培養槽中の培養液を攪拌する攪拌ユニットと、培養液における溶存酸素濃度を検出する酸素濃度検出ユニットと、培養液の温度を検出する温度検出ユニットと、温度検出ユニットにより検出した温度での培養液における酸素の飽和濃度を算出する飽和濃度算出ユニットと、酸素濃度検出ユニットにより検出した溶存酸素濃度が、飽和濃度算出ユニットにより算出した飽和濃度以下である期間のうち、少なくとも一部の停止期間において攪拌ユニットによる攪拌を停止する攪拌制御ユニットとを備える。
本発明の光合成微生物の培養装置は、培養液における溶存酸素濃度が飽和濃度以下である期間の少なくとも一部を停止期間とする。本発明の光合成微生物の培養装置は、停止期間において培養液の攪拌を停止する。そのことにより、夜間における培養液中の溶存酸素濃度が低下する。その結果、培養液における捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。
また、本発明の光合成微生物の培養装置は、必ずしも複数の槽を備えなくても、培養液における捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。また、本発明の光合成微生物の培養装置は、必ずしも、別の槽に培養液を移送しなくても、培養液における捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。
本発明の光合成微生物の培養方法は、屋外に設置された培養槽中の培養液を攪拌する光合成微生物の培養方法であって、培養液における溶存酸素濃度が飽和濃度以下である期間のうち、少なくとも一部の停止期間において培養液の攪拌を停止する。
本発明の光合成微生物の培養方法では、培養液における溶存酸素濃度が飽和濃度以下である期間の少なくとも一部を停止期間とする。本発明の光合成微生物の培養方法では、停止期間においては培養液の攪拌を停止する。そのことにより、夜間における培養液中の溶存酸素濃度が低下する。その結果、培養液における捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。
また、本発明の光合成微生物の培養方法では、必ずしも複数の槽を備えなくても、培養液における捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。また、本発明の光合成微生物の培養方法では、必ずしも、別の槽に培養液を移送しなくても、培養液における捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。
培養装置1の構成を表す説明図である。 培養槽3、水温計9、及び溶存酸素濃度センサ11の構成を表す側面図である。 制御部15の機能的構成を表すブロック図である。 制御部15が実行する処理を表すフローチャートである。 培養装置1における動作状態及びDOの推移を表すグラフである。 DOの推移を表すグラフである。 制御部15が実行する処理を表すフローチャートである。 培養装置1における動作状態及びDOの推移を表すグラフである。 制御部15が実行する処理を表すフローチャートである。 細胞濃度OD720を0.8とした場合におけるDOの推移を表すグラフである。
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
<第1実施形態>
1.培養装置1の構成
培養装置1の構成を図1〜図3に基づき説明する。培養装置1は、光合成微生物の培養を用途とする装置である。光合成微生物とは、光エネルギーと二酸化炭素とから油や炭化水素等の物質生産を行う微生物を意味する。光合成微生物は、光合成細菌も含む。培養装置1は、図1に示すように、培養槽3、攪拌パドル5、駆動モータ7、水温計9、溶存酸素濃度センサ11、光量子計13、及び制御部15を備える。
培養槽3は屋外に設置されたレースウェイ型の槽である。培養槽3はその中に培養液17を収容する。培養槽3の上方は開放されており、培養液17は外気と接する。天候が晴天であれば培養液17に太陽光が入射する。培養液17には光合成微生物が含まれる。
攪拌パドル5は培養槽3に、回転可能に取り付けられる。攪拌パドル5の一部は培養液17中に浸漬されている。攪拌パドル5は駆動モータ7により駆動され、回転する。攪拌パドル5の回転により、培養液17が攪拌される。また、攪拌パドル5の回転により、培養液17に、培養槽3内を周回する流れが生じる。また、攪拌パドル5の回転により、培養液17中に酸素が取り込まれる。
水温計9は培養槽3に取り付けられる。水温計9は培養液17の温度を検出し、検出信号を制御部15に送る。水温計9における検知部9Aは、図2に示すように、培養槽3における底面19付近に位置する。そのため、水温計9は、培養液17のうち、底面19付近の部分の温度を検出する。培養液17中に後述する堆積層29が形成されたとき、水温計9は、堆積層29中の温度を検出する。
溶存酸素濃度センサ11は培養槽3に取り付けられる。溶存酸素濃度センサ11は培養液17中の溶存酸素濃度(以下、DOとする)を検出し、検出信号を制御部15に送る。溶存酸素濃度センサ11における検知部11Aは、図2に示すように、底面19付近に位置する。そのため、溶存酸素濃度センサ11は、培養液17のうち、底面19付近の部分におけるDOを検出する。培養液17中に後述する堆積層29が形成されたとき、溶存酸素濃度センサ11は、堆積層29中のDOを検出する。
光量子計13は培養槽3の近傍に設置される。光量子計13はその位置における明るさを検出し、その検出信号を制御部15に送る。
制御部15は、CPU21と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ23とする)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。
制御部15の各種機能は、CPU21が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ23が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、制御部15を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
制御部15は、CPU21がプログラムを実行することで実現される機能の構成として、図3に示すように、飽和濃度算出ユニット25と、攪拌制御ユニット27とを備える。制御部15を構成するこれらの要素を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素を、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いて実現してもよい。
なお、攪拌パドル5及び駆動モータ7は攪拌ユニットに対応する。溶存酸素濃度センサ11は酸素濃度検出ユニットに対応する。水温計9は温度検出ユニットに対応する。光量子計13は日の入り検出ユニット及び日の出検出ユニットに対応する。
2.培養装置1が実行する培養方法
培養装置1が実行する培養方法を図4〜図6に基づき説明する。培養方法を実施するとき、培養槽3に培養液17を収容する。培養液17には、光合成微生物が含まれる。光合成微生物は、トレボウキシア藻綱のシュードココミクサ(Pseudococcomyxa)sp. KJである。
シュードココミクサ sp. KJは、2013年6月4日付で独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE−IPOD)(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 120号室)に受託番号FERM P−22254として寄託されている。その後、2015年6月2日に、国際寄託へ移管されている。国際受託番号は、FERM BP−22254である。
培養液17中には、培養装置1の使用者の意図によらず、捕食生物が含まれることがある。捕食生物としては、例えば、繊毛虫、鞭毛虫、アメーバ等が挙げられる。光合成微生物の細胞濃度OD720は、後述する停止期間のとき、1.0である。
以下で説明する培養方法は、制御部15により制御される。制御部15は、図4に示す処理を所定時間ごとに繰り返し行う。
ステップ1では、現時点が停止期間中であるか否かを攪拌制御ユニット27が判断する。停止期間とは、攪拌パドル5が停止し、培養液17が攪拌されていない期間を意味する。停止期間は、後述するステップ8で開始され、後述するステップ12で終了する。なお、制御部15は、停止期間以外では、攪拌パドル5を回転させる。
現時点が停止期間中ではない場合はステップ2に進み、現時点が停止期間中である場合はステップ9に進む。
ステップ2では、現時点が夜間であるか否かを攪拌制御ユニット27が判断する。夜間とは、日の入りから日の出までの期間を意味する。攪拌制御ユニット27は、光量子計13を用いて検出した明るさが予め設定された閾値以下である場合、現時点が夜間であると判断し、それ以外の場合、現時点は夜間ではないと判断する。現時点が夜間であると判断した場合はステップ3に進み、現時点が夜間ではないと判断した場合は本処理を終了する。
ステップ3では、攪拌制御ユニット27が、溶存酸素濃度センサ11を用いて、培養液17における溶存酸素濃度(以下、DOとする)を取得する。
ステップ4では、攪拌制御ユニット27が、直前の前記ステップ3で取得したDOと、その1回前の前記ステップ3で取得したDOとを対比する。前者の方が後者より低い場合はステップ5に進み、前者が後者以上である場合は本処理を終了する。なお、直前の前記ステップ10で取得したDOの方が、その1回前の前記ステップ10で取得したDOより低い場合とは、DOが時間の経過とともに下降している状態に対応する。
ステップ5では、攪拌制御ユニット27が、水温計9を用いて培養液17の温度を取得する。
ステップ6では、飽和濃度算出ユニット25が、前記ステップ5で取得した温度での培養液17における酸素の飽和濃度(以下、飽和DOとする)を算出する。飽和濃度算出ユニット25は、予め、培養液17の温度と飽和DOとを関連付けたマップを備えており、そのマップに前記ステップ5で取得した温度を入力することで、飽和DOを算出する。
ステップ7では、前記ステップ3で取得したDOが、前記ステップ6で算出した飽和DOと一致するか否かを攪拌制御ユニット27が判断する。ここで、一致するとは、DOと飽和DOとが完全に一致する場合だけではなく、両者の差が予め設定された閾値以下である場合も含む。DOが飽和DOと一致する場合はステップ8に進み、DOが飽和DOと一致しない場合は本処理を終了する。
ステップ8では、攪拌制御ユニット27が停止期間を開始する。すなわち、それまで回転していた攪拌パドル5を停止する。停止期間は、後述するステップ12を実行するまで継続する。
一方、前記ステップ1で否定判断した場合はステップ9に進む。ステップ9では、現時点が日の出の後であるか否かを攪拌制御ユニット27が判断する。攪拌制御ユニット27は、光量子計13を用いて検出した明るさが予め設定された閾値以上である場合、現時点が日の出の後であると判断し、それ以外の場合は、現時点が未だ日の出の前であると判断する。現時点が日の出の後であると判断した場合はステップ10に進み、現時点が未だ日の出の前と判断した場合は本処理を終了する。
ステップ10では、攪拌制御ユニット27が、溶存酸素濃度センサ11を用いてDOを取得する。
ステップ11では、攪拌制御ユニット27が、直前の前記ステップ10で取得したDOと、その1回前の前記ステップ10で取得したDOとを対比する。前者の方が後者より高い場合はステップ12に進み、前者が後者以下である場合は本処理を終了する。なお、直前の前記ステップ10で取得したDOの方が、その1回前の前記ステップ10で取得したDOより高い場合とは、DOが時間の経過とともに上昇している状態に対応する。
ステップ12では、攪拌制御ユニット27が、それまで継続していた停止期間を終了する。この時点以降、攪拌パドル5は回転する。
3.培養装置1における動作状態及びDOの推移
上述した培養方法を実施したときの培養装置1における動作状態の推移とDOの推移とを図5に示す。日の入りの前において、攪拌パドル5は回転している。日の入りの前において、DOは飽和DOより高い。これは、光合成微生物が光合成により培養液17中で酸素を生成することに加えて、攪拌パドル5の回転により酸素が培養液17中に取り込まれるためである。攪拌パドル5が回転しているとき、後述する堆積層29は形成されない。
日の入りの後、DOは下降する。これは、光合成微生物による光合成が停止し、光合成微生物及び捕食生物が呼吸するためである。
日の入りの後、DOが下降してゆき、飽和DOに一致すると、停止期間が開始される。図5においてtは停止期間の開始時刻を表す。停止期間の開始後、DOは一層急激に下降する。これは、攪拌パドル5の回転による酸素の取り込みがなくなるためである。また、攪拌パドル5の回転が停止するため、図2に示すように、光合成微生物及び捕食生物を含む堆積層29が底面19上に形成される。堆積層29中では、高密度に存在する光合成微生物及び捕食生物が呼吸するため、DOが一層低い。
夜間を通して、DOは低いまま維持される。日の出の後、DOが上昇する。これは、光合成微生物が光合成により培養液17中で酸素を生成し始めるためである。日の出の後、DOが上昇すると、停止期間が終了する。図5においてtは停止期間の終了時刻を表す。停止期間の終了後、攪拌パドル5の回転により酸素が培養液17中に取り込まれるため、DOは一層急激に上昇し、飽和DOを超える。停止期間の終了後、光合成微生物及び捕食生物は培養液17中に均一に分散し、堆積層29は消滅する。
図6に、本実施形態の培養方法を実施したときのDOの推移を示す。また、図6に、比較例として、昼夜を問わず連続して攪拌パドル5を回転させ続けた場合のDOの推移を示す。図6において「停止期間あり」は、本実施形態の培養方法に対応し、「連続攪拌」は、昼夜を問わず連続して攪拌パドル5を回転させ続けた場合に対応する。本実施形態の培養方法を実施した場合、比較例よりも、夜間におけるDOを一層低下させることができた。
4.培養装置1及び培養方法が奏する効果
(1A)培養装置1は、DOが飽和DO以下である期間の一部を停止期間とする。培養装置1は、停止期間中は、攪拌パドル5による攪拌を停止する。そのことにより、夜間におけるDOが、常時攪拌を行う場合に比べて一層低下する。その結果、捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。
(1B)培養装置1は、必ずしも複数の槽を備えなくても、捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。また、培養装置1は、必ずしも、別の槽に培養液17を移送しなくても、捕食生物の増殖を抑制するか、捕食生物を死滅させることができる。
(1C)培養装置1は、DOが飽和DO以上の値から飽和DOまで低下したとき、停止期間を開始する。そのことにより、夜間におけるDOが一層低下する。その結果、捕食生物の増殖を一層抑制するか、捕食生物を一層早期に死滅させることができる。
(1D)培養装置1は、DOが上昇を始めた時点で、停止期間を終了する。そのことにより、光合成微生物の増殖を促進することができる。
(1E)培養装置1は、光量子計13を用いて、現時点が日の入りの後であることを検出する。そして、日の入りの後であることを検出してから、停止期間を開始する。そのことにより、日の入りの前に誤って停止期間を開始することを抑制できる。
(1F)培養装置1は、光量子計13を用いて、現時点が日の出の後であることを検出する。そして、日の出の後であることを検出してから、停止期間を終了する。そのことにより、日の出の前に誤って停止期間を終了することを抑制できる。
(1G)本実施形態の培養方法において、培養液17における細胞濃度OD720は1.0である。そのことにより、夜間におけるDOが一層低下する。その結果、捕食生物の増殖を一層抑制するか、捕食生物を一層早期に死滅させることができる。
(1H)本実施形態の培養方法では、停止期間中に生じる堆積層29中でDO及び温度を測定する。そのことにより、捕食生物の多くが存在する場所でのDO及び温度を測定することができる。
<第2実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第2実施形態における培養方法を行うとき、制御部15は、図7に示す処理を所定時間ごとに繰り返し行う。図7のステップ21〜31は、第1実施形態におけるステップ1〜11と同様である。
ステップ32では、攪拌制御ユニット27が、前記ステップ30で取得したDOが、予め設定された閾値T以上であるか否かを判断する。閾値Tは、0より大きく、飽和DOより小さい値である。DOが閾値T以上である場合はステップ33に進み、閾値T未満である場合は本処理を終了する。
2.培養装置1における状態及びDOの推移
本実施形態の培養方法を実施したときの培養装置1における動作状態の推移とDOの推移とを図8に示す。日の入りの前から日の出までの状態は、第1実施形態と同様である。
日の出の後、DOが上昇する。これは、光合成微生物が光合成により培養液17中で酸素を生成し始めるためである。日の出の後、DOが上昇し、閾値T以上になると、停止期間が終了する。図8においてtは停止期間の終了時刻を表す。停止期間の終了後、攪拌パドル5の回転により酸素が培養液17中に取り込まれるため、DOは一層急激に上昇し、飽和DOを超える。停止期間の終了後、光合成微生物及び捕食生物は培養液17中に均一に分散し、堆積層29は消滅する。
3.培養装置1及び培養方法が奏する効果
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果に加え、以下の効果が得られる。
(2A)培養装置1は、DOが上昇中であるとともに、DOが閾値T以上となった時刻tに、停止期間を終了する。ここで、閾値Tは、飽和DOより小さい値であるから、時刻tは、DOが飽和DOに達する時点よりも前の時点である。よって、培養装置1は、DOが上昇を始めた時点から、DOが飽和DOに達する時点までの間に、停止期間を終了する。そのことにより、光合成微生物の増殖を促進することができる。また、停止期間を過度に早く終了させてしまうことを抑制できる。
<第3実施形態>
1.第1実施形態との相違点
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第3実施形態における培養方法を行うとき、制御部15は、図9に示す処理を所定時間ごとに繰り返し行う。図9のステップ41〜44は、第1実施形態におけるステップ1、3、5、6と同様である。
ステップ45では、飽和濃度算出ユニット25が、開始閾値を設定する。開始閾値は、前記ステップ44で算出した飽和DOと同じ値である。なお、開始閾値を、飽和DOより大きい値としてもよいし、飽和DOより小さい値としてもよい。
ステップ46では、前記ステップ42で取得したDOが前記ステップ45で設定した開始閾値以下であるか否かを攪拌制御ユニット27が判断する。DOが開始閾値以下である場合はステップ47に進み、DOが開始閾値より大きい場合は本処理を終了する。
ステップ47では、攪拌制御ユニット27が停止期間を開始する。
一方、前記ステップ41で否定判断した場合はステップ48に進む。ステップ48〜50は、前記ステップ42〜44と同様である。
ステップ51では、飽和濃度算出ユニット25が、終了閾値を設定する。終了閾値は、前記ステップ50で算出した飽和DOと同じ値である。なお、終了閾値を、飽和DOより大きい値としてもよいし、飽和DOより小さい値としてもよい。
ステップ52では、前記ステップ48で取得したDOが前記ステップ51で設定した終了閾値以上であるか否かを攪拌制御ユニット27が判断する。DOが終了閾値以上である場合はステップ53に進み、DOが終了閾値未満である場合は本処理を終了する。
ステップ53では、攪拌制御ユニット27が停止期間を終了する。
3.培養装置1及び培養方法が奏する効果
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)、(1B)、(1G)、(1H)に加え、さらに以下の効果が得られる。
(3A)本実施形態の培養方法では、日の出及び日の入りを検出する必要が無いので、培養装置1の構成及び培養方法を簡略化できる。
(3B)本実施形態の培養方法では、DOが下降中であるか否かと、DOが上昇中であるか否かとを判断する必要が無い。そのため、培養方法を簡略化できる。
<その他の実施形態>
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)停止期間中の培養液17における細胞濃度OD720は適宜設定できる。図10に、停止期間中の培養液17における細胞濃度OD720を0.8とした場合の、DOの推移を表す。この場合も、夜間のDOは十分に低くなる。
(2)停止期間を開始する条件は他のものであってもよい。例えば、日の入りを検出したときに、停止期間を開始してもよい。また、DOが予め設定された開始閾値以下となったときに停止期間を開始してもよい。上記の開始閾値は、飽和DOより低くてもよいし、飽和DOと等しくてもよいし、飽和DOより高くてもよい。また、予め設定された開始時刻となったときに停止期間を開始してもよい。
(3)停止期間を終了する条件は他のものであってもよい。例えば、日の出を検出したときに停止期間を終了してもよい。また、予め設定された終了時刻となったときに停止期間を終了してもよい。
(4)培養装置1は、攪拌パドル5以外の攪拌ユニットを備えていてもよい。例えば、培養槽3を振動させる等の方法で培養液17を攪拌してもよい。
(5)培養槽3はレースウェイ以外の形式の槽であってもよい。
(6)培養装置1は培養槽を備えなくてもよい。この場合、培養装置1とは別体の槽に対し、培養装置1を組み付けることができる。
(7)光合成微生物は、トレボウキシア藻綱以外のものであってもよい。例えば、緑藻綱、紅藻綱に属する光合成微生物を適宜選択して用いることができる。
(8)培養装置1は、光量子計13以外の手段により、日の出、日の入りを検出してもよい。例えば、培養装置1は時計を用いて時刻と日付とを取得し、それらに基づき、現時点が日の出の前であるか否か、及び日の入りの前であるか否かを判断してもよい。
(9)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
(10)上述した培養装置の他、当該培養装置を構成要素とするシステム、当該培養装置の制御部としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等、種々の形態で本発明を実現することもできる。
1…培養装置、3…培養槽、5…攪拌パドル、7…駆動モータ、9…水温計、9A…検知部、11…溶存酸素濃度センサ、11A…検知部、13…光量子計、15…制御部、17…培養液、19…底面、21…CPU、23…メモリ、25…飽和濃度算出ユニット、27…攪拌制御ユニット、29…堆積層

Claims (10)

  1. 屋外に設置された培養槽中の培養液を攪拌する攪拌ユニットと、
    前記培養液における溶存酸素濃度を検出する酸素濃度検出ユニットと、
    前記培養液の温度を検出する温度検出ユニットと、
    前記温度検出ユニットにより検出した温度での前記培養液における酸素の飽和濃度を算出する飽和濃度算出ユニットと、
    前記酸素濃度検出ユニットにより検出した前記溶存酸素濃度が、前記飽和濃度算出ユニットにより算出した前記飽和濃度以下である期間のうち、少なくとも一部の停止期間において前記攪拌ユニットによる攪拌を停止する攪拌制御ユニットと、
    を備える光合成微生物の培養装置。
  2. 請求項1に記載の光合成微生物の培養装置であって、
    前記攪拌制御ユニットは、前記酸素濃度検出ユニットにより検出した前記溶存酸素濃度が、前記飽和濃度以上の値から前記飽和濃度にまで低下したとき、前記停止期間を開始する光合成微生物の培養装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光合成微生物の培養装置であって、
    前記攪拌制御ユニットは、前記停止期間の開始後、前記酸素濃度検出ユニットにより検出した前記溶存酸素濃度が上昇を始めた時点から、前記溶存酸素濃度が前記飽和濃度に達する時点までの間に、前記停止期間を終了する光合成微生物の培養装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光合成微生物の培養装置であって、
    日の入りを検出する日の入り検出ユニットを備え、
    前記攪拌制御ユニットは、前記日の入り検出ユニットが日の入りを検出した後に、前記停止期間を開始する光合成微生物の培養装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光合成微生物の培養装置であって、
    日の出を検出する日の出検出ユニットを備え、
    前記攪拌制御ユニットは、前記日の出検出ユニットが日の出を検出した後に、前記停止期間を終了する光合成微生物の培養装置。
  6. 屋外に設置された培養槽中の培養液を攪拌する光合成微生物の培養方法であって、
    前記培養液における溶存酸素濃度が飽和濃度以下である期間のうち、少なくとも一部の停止期間において前記培養液の攪拌を停止し、
    前記溶存酸素濃度が、前記飽和濃度以上の値から前記飽和濃度にまで低下したとき、前記停止期間を開始し、
    前記停止期間のときに生じる前記光合成微生物を含む堆積層中で前記溶存酸素濃度及び前記培養液の温度を測定し、
    前記温度に基づき前記飽和濃度を算出する光合成微生物の培養方法。
  7. 請求項6に記載の光合成微生物の培養方法であって、
    日の入りの後に、前記停止期間を開始する光合成微生物の培養方法。
  8. 請求項6又は7に記載の光合成微生物の培養方法であって、
    日の出の後に、前記停止期間を終了する光合成微生物の培養方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の光合成微生物の培養方法であって、
    前記停止期間のとき、前記培養液における細胞濃度OD720が1.0以上である光合成微生物の培養方法。
  10. 請求項6〜のいずれか1項に記載の光合成微生物の培養方法であって、
    前記光合成微生物が緑藻綱又はトレボウキシア藻綱である光合成微生物の培養方法。
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