JP6740416B2 - 電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部材 - Google Patents

電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部材 Download PDF

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Description

本発明は、光学部材の層間の貼合などに用いられる電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部品に関する。さらに詳細には、主成分として、一般的な構造を有するアクリル系モノマーのみを含有した粘着剤組成物であるにも拘わらず、低誘電率であって優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有する電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部材に関する。
さらに、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層は、光学部材の他に、電気部材、及び電子回路部材などを貼合わせる電気絶縁材料として使用できる。又、本発明に係わる電気絶縁用粘着フィルムは、電気絶縁性を有したタッチパネル用フィルム、電子ペーパー用フィル、及びディスプレイ用フィルムとして使用できる。
近年においては、光ファイバー通信回線、無線通信回線を経由しての、動画の配信が普及したことに代表されるように、取り扱う情報通信量が急激に増大している。それに伴い、電子・電気機器の小型化、高周波化、及び高速化が求められると共に、安全性、信頼性の向上が求められている。そのため、電子・電気機器の高周波化に対応して、低誘電率の電気絶縁材料を使用することが必要とされている。
従来から、低誘電率の電気絶縁材料を得るために、電気絶縁材料に中空構造を形成することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂フィルムに微細空洞を含有させた電気絶縁材料の、一方の面に発砲型粘着剤層が積層された電気絶縁部材が記載されている。
また、特許文献2には、絶縁材料の誘電率が2.5以下となるように、ガラス、シリカなどの微小空球体(マイクロバルーン)を含有させた粘着剤を使用した粘着テープが記載されている。
また、特許文献3には、ポリオレフィン系樹脂に、シリカを含有させて無機質含有微多孔膜からなる電線用絶縁フィルムが記載されている。
また、低誘電率の絶縁用粘着テープとして、基材に、低誘電率の液晶ポリマーを使用することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、特許文献5には、周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下の粘着剤層を得るため、炭素数10〜18のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを30〜99.5重量%および環状窒素含有モノマーを0.5〜50重量%を含むモノマー成分を重合することにより得られた(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤層とすることが提案されている。
また、最近では、電子機器の操作性を向上させることを目的として、静電容量式のタッチパネルを組み込んだスマートフォン(携帯電話と携帯情報端末の機能を融合した多機能な携帯電話)、タブレット、タッチパネル搭載ノートパソコンなどが、急激に普及して来ている。
しかし、静電容量式のタッチパネルは、電磁界の変化を感知するセンサであることからノイズの影響を受け易く、接触した位置の誤認識を防ぐために、その積層構造の中に低誘電率膜を積層することや、静電容量センサの配線ラインに低誘電率の部材を設けることが提案されている(例えば、特許文献5,6参照)。
特開平11−025757号公報 特開平11−288621号公報 特開2006−024473号公報 特開2003−321659号公報 特開2013−082880号公報 特開2012−094017号公報 特開2013−003758号公報
ところで、PDP、液晶パネル、有機ELパネルなどの、各種の画像表示用ディスプレイなどに使用される光学フィルム、あるいは光学用粘着フィルムでは、視認性を向上させるために高透明性が必要とされている。しかし、特許文献3に開示されているような、合成樹脂や粘着剤層に中空構造を形成させるためにシリカ微粒体を混ぜる方法では、シリカ微粒体の粒子径を可視光線の赤色光の波長である500nm(0.5μm)以下にしないと、光散乱による全光線透過率の低下が生じる。しかし、粒子径が0.5μm以下のシリカ微粉体は、製造が難しいことから高価格であって、安価であることが必要な汎用の絶縁体の製造には利用できないという問題があった。
また、近年、車載用の画像表示用ディスプレイでは、出荷前に行なわれるディスプレイの性能試験において、オーブンを使用して行われる高温・高湿度での環境条件下における耐久試験に合格する必要がある。しかし、高温・高湿での白濁防止性能を有する粘着剤層を用いない場合、オーブンから取り出した後、粘着剤層が白濁してしまい、画像表示用ディスプレイの商品価値を損なうという問題があった。そのため、画像表示用ディスプレイに組み込まれる光学フィルムを貼り合わせるための粘着フィルムは、高温・高湿での白濁防止性能を有する粘着剤層とすることが必要である。
また、特許文献4に記載の発明は、優れた耐熱性、耐湿性、誘電特性を保持した、より安価な電気・電子絶縁用粘着テープを提供することを目的としている。このために、特許文献4の発明に係わる粘着テープは、基材に低誘電率の液晶ポリマーを使用しているが、粘着剤層には、一般的なシリコーン粘着剤を使用していることから、粘着テープの誘電率をさらに低減して絶縁性を高めることができない。
また、特許文献5に係わる粘着剤は、比誘電率が3.5以下の優れた絶縁性を有するが、高温・高湿での白濁防止性能を有する粘着剤層であるかどうかが不明である。
また、特許文献6、7には、静電容量式のタッチパネルの誤認識を防ぐ為に、その積層構造の中に低誘電率膜を積層することや、静電容量センサの配線ラインに低誘電率の部材を設けることが記載されているが、使用する低誘電率の部材の製造方法は、具体的に示されていない。
このように、従来技術においては、光学部材の貼り合わせにも使用可能であり、低誘電率によって優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有する電気絶縁用粘着剤層、及び電気絶縁用粘着フィルムは、知られていなかった。
これらの要求事項および問題を克服した電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部材など、が必要とされている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、主成分として、一般的な構造を有するアクリル系モノマーのみを含有した粘着剤組成物であるにも拘わらず、低誘電率であって優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有する電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部材を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、主成分として、一般的な構造を有するアクリル系モノマーのみを含有した粘着剤組成物であるにも拘わらず、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを含有させることにより、低誘電率による優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有する電気絶縁用粘着剤層にすることを技術思想としている。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、アクリル系共重合体と、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋させてなる電気絶縁用粘着剤層であって、前記アクリル系共重合体が、全モノマーの合計を100重量部として、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上のポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニルモノマー(A)の合計を4〜60重量部と、アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(B)の合計を95.5〜25重量部と、ヒドロキシル基を有しており、かつ、ポリアルキレンオキサイド鎖を有していない共重合性ビニルモノマーの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(C)の合計を0.5〜15重量部と、をカルボキシル基含有モノマーを含有せずに共重合させてなる、ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するアクリル系共重合体であり、前記電気絶縁用粘着剤層は、周波数1MHzにおける比誘電率が3.5以下であり、ヘイズ値が0.5%以下であることを特徴とする電気絶縁用粘着剤層を提供する。
また、本発明の電気絶縁用粘着剤層は、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのモノマーと、ビニル基を有する共重合性ビニルモノマーとを共重合させた前記アクリル系共重合体と、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋させてなることが好ましい。
また、前記粘着剤組成物が、全モノマーの合計を100重量部として、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上のポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニルモノマーの合計を4〜60重量部と、前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外の、ビニル基を有する共重合性ビニルモノマーの合計を96〜40重量部と、を共重合させた前記アクリル系共重合体と、架橋剤と、を含むことが好ましい。
また、前記粘着剤組成物が、全モノマーの合計を100重量部として、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上のポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニルモノマー(A)の合計を4〜60重量部と、アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(B)の合計を95.5〜25重量部と、ヒドロキシル基、及びカルボキシル基のうち、いずれか1つ以上の官能基を有する共重合性ビニルモノマーの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(C)の合計を0.5〜15重量部と、を共重合させた前記アクリル系共重合体と、架橋剤と、を含むことが好ましい。
また、前記電気絶縁用粘着剤層は、周波数1MHzにおける比誘電率が3.5以下であることが好ましい。
また、前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖からなるアルキレンオキサイド鎖群の中から選択された1つ以上であって、その繰り返し数が2から30であるポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニルモノマーであることが好ましい。
また、本発明は、上記の電気絶縁用粘着剤層が、離型フィルムの片面上に形成されてなり、離型フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルムの構成であることを特徴とする電気絶縁用粘着フィルムを提供する。
また、本発明は、基材の片面上に、上記の電気絶縁用粘着剤層が積層されたことを特徴とする電気絶縁用粘着フィルムを提供する。
また、本発明は、光学フィルムの少なくとも一方の面に、上記の電気絶縁用粘着剤層が積層されている電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の電気絶縁用粘着フィルムが貼り合わされた光学部材を提供する。
また、本発明は、上記の電気絶縁用粘着フィルムが貼り合わされた電気部材を提供する。
また、本発明は、上記の電気絶縁用粘着フィルムが貼り合わされた電子回路部材を提供する。
また、本発明は、上記の光学部材を用いたタッチパネルを提供する。
また、本発明は、上記の電気絶縁用粘着フィルムが用いられた、タッチパネル用フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の電気絶縁用粘着フィルムが用いられた、電子ペーパー用フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の電気絶縁用粘着フィルムが用いられた、ディスプレイ用フィルムを提供する。
本発明によれば、従来の要求事項および問題を克服して、一般的な構造を有するアクリル系モノマーのみを含有した粘着剤組成物であるにも拘わらず、低誘電率による優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有する電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部材を提供することができる。
以下、好適な実施の形態に基づいて本発明を説明する。
本発明の電気絶縁用粘着剤層は、ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するアクリル系共重合体を架橋させてなることを特徴とする。
また、本発明の電気絶縁用粘着剤層は、全モノマーの合計を100重量部として、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上のポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニルモノマー(A)の合計を4〜60重量部と、
アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(B)の合計を95.5〜25重量部と、
ヒドロキシル基、及びカルボキシル基のうち、いずれか1つ以上の官能基を有する共重合性ビニルモノマーの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(C)の合計を0.5〜15重量部と、を共重合させたアクリル系共重合体と、
架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋させてなることを特徴とする。
本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層の原料として使用される、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートは、誘電率を著しく低減する機能を有する。アクリル系共重合体に、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを含有させると、誘電率が著しく低減する理由は明確ではないが、次のようなことが、その理由の1つではないかと考えられる。
(1)本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層は、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを含有したアクリル系共重合体を架橋したものである。このアクリル系共重合体は、側鎖として、多数のポリアルキレンオキサイド鎖(ここでは、「ひげ」と略称する)が長く伸びている。このため、アクリル系共重合体(ポリマー)は、長さ方向にのみに長く伸びているのではなくて、長さ方向と直交する横幅方向にも長く伸びている「ひげ」の効果で、太さのある形状となっている。いわば、高周波の電荷が印加されても分極し難い団子状の構造をしていることが、誘電率を低減させる。
(2)また、アクリル系共重合体(ポリマー)の側鎖として伸びている、多数の「ひげ」が干渉し合うことによって、アクリル系共重合体(ポリマー)の骨格部がお互いに接近するのを妨げ、アクリル系共重合体を架橋させた電気絶縁用粘着剤層に、多数の空気層からなる微細な空隙を発生させて、誘電率を低減させる。
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖などの、ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し構造を、1種類又は2種類以上有する化合物が挙げられる。
アルキレンオキサイド鎖の一つの末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖などがランダムもしくはブロックで結合した、アルキレンオキサイド鎖の一つの末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、アルキレンオキサイド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖などがランダムもしくはブロックで結合した、アルキレンオキサイド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物のいずれでもよい。
前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、又はブチレンオキサイド鎖を持ち、その繰り返し数が2から30である(メタ)アクリレートのモノマーであることが好ましい。
さらに好ましくは、ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数が、5から25のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートである。ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数が、2未満のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートでは、周波数1MHzにおける比誘電率を、3.5以下にすることが困難である。また、ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数が、30を越えるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートにおいては、その繰り返し数が30未満の化合物と比べて、周波数1MHzにおける比誘電率が、ほとんど減少しないからである。
ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのモノマーとしては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリプロピレンオキサイド鎖を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのモノマーとしては、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を挙げられる。
ポリブチレンオキサイド鎖を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのモノマーとしては、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、ポリエチレンオキサイド鎖と、ポリプロピレンオキサイド鎖の両方を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのモノマーとしては、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
一般的に入手が可能な、市販のポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、具体的には、次のようなものが挙げられる。
例えば、新中村化学工業株式会社の商品名としては、NKエステルAM30G(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数:n=3)、NKエステルM40G(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=4)、NKエステルAM90G(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=9)、NKエステルM90G(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=9)、NKエステルAM130G(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=13)、NKエステルAM230G(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=23)などが挙げられる。
また、共栄社化学株式会社の商品名としては、ライトアクリレートMTG−A(メトキシトリエチレングリコールアクリレート,n=3)、ライトアクリレート130A(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=9)などが挙げられる。
また、日油株式会社の商品名としては、ブレンマーAE−200(ポリエチレングリコールアクリレート、n=4.5)、ブレンマーAE−350(ポリエチレングリコールアクリレート、n=8)、ブレンマーAE−400(ポリエチレングリコールアクリレート、n=10)、ブレンマーPE−200(ポリエチレングリコールメタクリレート、n=4.5)、ブレンマーPE−350(ポリエチレングリコールメタクリレート、n=8)、ブレンマーAP400(ポリプロピレングリコールアクリレート、n=6)、ブレンマーAP550(ポリプロピレングリコールアクリレート、n=9)、ブレンマーPP−500(ポリプロピレングリコールメタクリレート、n=9)、ブレンマーPP−800(ポリプロピレングリコールメタクリレート、n=13)、ブレンマーPP−1000(ポリプロピレングリコールメタクリレート、n=16)、ブレンマーAME−400(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=9)、ブレンマーPME−200(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=4)、ブレンマーPME−400(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=9)、ブレンマーPME−1000(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=23)などが挙げられる。
また、大阪有機化学工業株式会社の商品名としては、MPE400A(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=約7)、MPE550A(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=約9)などが挙げられる。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物のアクリル系モノマーの全体(これを100重量部とする)に占める、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの含有割合は、4〜60重量部の範囲が好ましい。さらに好ましくは、4〜50重量部である。ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの含有割合が、4重量部未満では、電気絶縁用粘着剤層の誘電率を低減する効果が少なく、電気絶縁用粘着剤層の比誘電率を3.5以下にすることが難しい。また、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの含有割合が、60重量部を越えると、粘着剤組成物の粘度が高くなり過ぎて、共重合反応が困難となり好ましくない。
アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの少なくとも1種以上が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートモノマーのアルキル基は、直鎖、分枝状、環状のいずれでもよい。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させる、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、アクリル系モノマーの合計100重量部に対して、95.5〜25重量部であることが好ましい。
他の共重合モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドンなどのビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマー;アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン等の含窒素モノマー;ビニルエーテルモノマーなども使用することができる。
なかでも、粘着剤の凝集力を調整するために、必要に応じて、活性水素を有しないアミド基を有するビニルモノマーや、活性水素を有しないアミノ基を有するビニルモノマー等の含窒素モノマーを含有することができる。ここで、「活性水素」とは、炭素以外の、例えば酸素や窒素などの原子に結合している水素原子を意味する。
活性水素を有しない含窒素モノマーとしては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリンなどの環状窒素ビニル化合物、N−エチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−イソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノ(メタ)アクリレート、N−エチル−N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−プロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキル置換アミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどの少なくとも1種以上が挙げられる。
前記含窒素モノマーとしては、後述のヒドロキシル基を有するビニルモノマーと区別可能とするため、活性水素を含有しないものが好ましく、ヒドロキシル基およびカルボキシル基を含有しないものがより好ましい。このようなモノマーとしては、上に例示したモノマー、例えば、N,N−ジアルキル置換アミノ基やN,N−ジアルキル置換アミド基を含有するアクリル系モノマー;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどのN−ビニル置換ラクタム類;N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどのN−(メタ)アクリロイル置換環状アミン類が好ましい。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させるアミド基を有するビニルモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタムなどが特に好適に使用される。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させる活性水素を有しない含窒素モノマーは、粘着剤層に対して必要な粘着力及び耐久性を付与させることができる。このため、粘着剤層が、被着体との大きな粘着力を求められている用途に対しては、カルボキシル基含有モノマーと同様に、活性水素を有しない含窒素モノマーの含有割合を加減することによって、粘着力を調整できる。さらに、カルボキシル基含有モノマーを含有させることが好ましくない用途、例えば、被着体がITOの透明導電膜であると、腐食性を有するカルボキシル基含有モノマーに替えて、活性水素を有しない含窒素モノマーを使用して、粘着力を調整できる。
ヒドロキシル基を含有する共重合性ビニルモノマー(ヒドロキシル基含有モノマー)としては、例えば、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類や、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアミド類などの少なくとも1種以上が挙げられる。本発明では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させるヒドロキシル基含有モノマーは、得られる粘着剤層が透明導電性フィルムのITO表面などの腐食し易い被着体に対する腐食性に影響を与えるとされる、カルボキシル基含有モノマーの含有量を減らすための共重合性モノマーとして使用できる。そのため、ヒドロキシル基含有モノマーは、粘着剤層の粘着力を向上させ、且つ、腐食性を低減させることに役立てることができる。
カルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマー(カルボキシル基含有モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸などの少なくとも1種以上が挙げられる。本発明では、(メタ)アクリル酸が好ましい。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させるカルボキシル基含有モノマーは、電気絶縁用粘着剤層に対して必要な凝集力を付与させることができる。このため、粘着剤層が、被着体との大きな粘着力を求められている用途に対しては、カルボキシル基含有モノマーの含有割合を加減することによって、粘着力を調整できる。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層においては、ヒドロキシル基、及びカルボキシル基のうち、いずれか1つ以上の官能基を有する共重合性ビニルモノマーの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(官能基含有共重合性モノマー)の合計が、アクリル系モノマーの合計100重量部に対して、0.5〜15重量部であることが好ましい。
前記官能基含有共重合性モノマーは、アクリル系モノマー成分の合計100重量部に対して、接着力および凝集力の維持の点から0.5重量%以上であるのが好ましい。一方、前記官能基含有共重合性モノマーが多くなりすぎると、粘着剤が固くなり、接着力が低下する場合があり、また、粘着剤組成物の粘度が高くなりすぎたり、ゲル化する場合があることから、前記官能基含有共重合性モノマーは、アクリル系モノマー成分の合計100重量部に対して、15重量%以下であるのが好ましい。
アクリル系共重合体の重合方法は、特に限定されるものではなく、溶液重合法、乳化重合法等、適宜、公知の重合方法が使用可能である。アクリル系共重合体の重量平均分子量は、20万〜200万であることが好ましい。
前記アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーや(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド類などのアクリル系モノマーを50〜100重量%含むことが好ましい。
前記粘着剤組成物は、上記のアクリル系共重合体に、架橋剤や、適宜任意の添加剤を配合することで、必要とされる物性値などの特性を調整することができる。
架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート類のビュレット変性体やイソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパンや、グリセリン等の3価以上のポリオールとのアダクト体などのポリイソシアネート化合物、金属系キレート化合物、エポキシ化合物などの少なくとも1種以上が挙げられる。また、紫外線など光架橋により粘着剤を架橋しても良い。
架橋剤を用いてアクリル系共重合体を架橋する場合、アクリル系共重合体が、架橋剤と架橋反応可能な官能基(架橋剤の種類にもよるが、ヒドロキシル基やカルボキシル基など)を有することが好ましく、また、これらの官能基を側鎖に有するモノマーを含有することが好ましい。また、粘着剤組成物が、アクリル系モノマーの合計100重量部に対して、架橋剤を0.01〜5重量部を、含有することが好ましい。
その他の任意の成分として、シランカップリング剤、酸化防止剤、界面活性剤、硬化促進剤、可塑剤、充填剤、架橋触媒、架橋遅延剤、硬化遅延剤、加工助剤、老化防止剤などの公知の添加剤を適宜に配合することができる。これらは、単独で、もしくは2種以上併せて用いてもよい。電気絶縁の用途においては、粘着剤が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、4級オニウム塩などのイオン性化合物や、金属、カーボンなどの導電体、帯電防止剤などを含まないことが好ましい。
本発明の電気絶縁用粘着剤層は、前記粘着剤組成物を基材や離型フィルムに塗布した後、粘着剤組成物を架橋することで得ることができる。
本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層を、電子・電気機器の高周波化に対応した、低誘電率の電気絶縁材料として使用する場合、前記電気絶縁用粘着剤層の、周波数1MHzにおける比誘電率が、3.5以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。
本発明の電気絶縁用粘着剤層の厚さは特に制限されず、5〜400μm程度である。例えば、静電容量式タッチパネルに本発明の電子絶縁用粘着剤層を用いる場合には、下記式のように粘着剤層の比誘電率εと粘着剤層の厚さ(粘着厚さ)dにより、静電容量式タッチパネルのセンサー応答性が変わるために、搭載される電子機器の設計に応じた比誘電率と粘着厚さのコントロールが必要となる。近年の要求として、電子機器、タッチパネルの薄型化が求められており、構成部材である粘着剤層も薄膜化の要求が強まっている。本発明の電気絶縁用粘着剤層を用いることにより、従来の粘着剤層を用いた場合と同等の感度を薄い粘着厚さで実現できる。
また、誤動作防止を重視する場合には、従来の粘着剤層を本発明の電気絶縁用粘着剤層に置き換えることにより、タッチパネルの応答速度や感度向上が期待できる。
式:C=ε・ε・A/d
C:静電容量、ε:粘着剤層の比誘電率、ε:空間(真空)の誘電率、A:面積、d:粘着剤層の厚さ。
本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層を、光学部材の層間の貼合などに用いる場合、電気絶縁用粘着剤層と光学部材との界面での光線の反射を低減させるため、屈折率の差がなるべく小さいことが望ましい。このため、前記電気絶縁用粘着剤層の屈折率が1.47〜1.50であることが好ましい。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層の粘着力は、被着体に貼り合わせる目的に応じて、粘着剤の組成を調製することにより粘着力を加減調整できるが、一般的には、0.1〜20N/25mm程度である。
本発明の電気絶縁用粘着フィルムは、本発明の電気絶縁用粘着剤層を、基材又は離型フィルムの片面上に形成することで製造することができる。
電気絶縁用粘着剤層の形成に用いる基材フィルムや、粘着面を保護する離型フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
離型フィルムには、電気絶縁用粘着剤層の粘着面と合わされる側の面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤などにより離型処理が施される。
1つの電気絶縁用粘着剤層の両面に、それぞれ離型フィルムの離型処理が施された面を合わせることで、「離型フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」の構成とすることもできる。この場合、両側の離型フィルムを、順次、あるいは同時に剥離して粘着面を表出することにより、光学フィルム等の光学部材と貼合可能になる。光学フィルムとしては、カバーガラス、ITOガラス、ITOフィルム、導電性高分子による透明導電性フィルム、ナノ銀ワイヤーによる透明導電性フィルム、カーボンナノチューブによる透明導電性フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、紫外線吸収フィルム、光学補償フィルム、等が挙げられる。
本発明の電気絶縁用粘着フィルムは、タッチパネルとディスプレイパネルの貼り合せに用いることができる。ディスプレイパネルとしては液晶表示装置や有機EL等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、電気部材、及び電子回路部材などを貼合わせる電気絶縁材料として使用できる。
また、本発明の電気絶縁用粘着フィルムは、タッチパネル用の各種光学フィルム、偏光板を主とする液晶表示装置の周辺部材用の各種光学フィルム、電子ペーパー用の各種光学フィルム、有機EL用の各種光学フィルム等の貼り合せに用いることができる。
また、これらの光学フィルムの少なくとも一方の面に、前記電気絶縁用粘着剤層が積層されてなる電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルムとすることができる。具体的には、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層」、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」、「離型フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」等の構成が挙げられる。
例えば、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」のように、離型フィルムで保護された電気絶縁用粘着剤層を有する場合、離型フィルムを剥がして、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層」のように電気絶縁用粘着剤層を表出させ、他の光学フィルムと貼合することにより、電気絶縁用粘着剤層が層間の貼合に用いられた「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム」のような構成が得られる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
<アクリル系共重合体の製造>
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置に、2−エチルヘキシルアクリレート76.2重量部、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(EO≒9)19.0重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート4.8重量部とともに溶剤(酢酸エチル)を60重量部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、重量平均分子量50万の、実施例1に用いるアクリル系共重合体溶液を得た。
[実施例2〜9及び比較例1〜7]
モノマーの組成を各々、表1及び表2のモノマーの記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル系共重合体溶液と同様にして、実施例2〜9及び比較例1〜7に用いるアクリル系共重合体溶液を得た。なお、特に測定結果を示さないが、実施例2〜9及び比較例1〜7のアクリル系共重合体溶液に含まれるアクリル系共重合体の重量平均分子量は、20万〜200万の範囲内である。
<粘着剤組成物、粘着剤層及び電気絶縁用粘着フィルムの製造>
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル系共重合体溶液に対して、架橋剤を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物をシリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる離型フィルムの上に、乾燥後の厚さが50μmとなるように塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去した後、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングすることにより、粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、離型フィルムの片面上に有する、実施例1の電気絶縁用粘着フィルムを得た。
[実施例2〜9及び比較例1〜7]
添加剤の組成を各々、表1及び表2の架橋剤の記載のようにする以外は、上記の実施例1の電気絶縁用粘着フィルムと同様にして、実施例2〜9及び比較例1〜7の電気絶縁用粘着フィルムを得た。なお、架橋剤のコロネート(登録商標)L45(日本ポリウレタン工業株式会社製)、デュラネート(登録商標)P301−75E(旭化成ケミカルズ株式会社製)は、ポリイソシアネート系架橋剤の商品名である。
Figure 0006740416
Figure 0006740416
表1及び表2では、全モノマーの合計を100重量部として求めた、重量部の数値を示す。ただし、丸め誤差のため、全モノマーの合計に±0.1重量部程度の誤差を生じる場合がある。
また、表1及び表2に用いた各成分の略記号の化合物名を、表3に示す。
Figure 0006740416
<試験方法及び評価>
実施例1〜9及び比較例1〜7における電気絶縁用粘着フィルムから、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、電気絶縁用粘着剤層を表出させ、PETフィルムの片面に電気絶縁用粘着剤層を転写した。
<比誘電率の測定方法>
誘電率測定装置(ヒューレットパッカード社製、LCRメーター、型式:4284A)を用いて、粘着剤層の比誘電率を測定した。
<粘着力の測定方法>
片面粘着テープ(日東電工製・製品名:NO.31B)の粘着面に、電気絶縁用粘着剤層を転写して、試料となる電気絶縁用粘着フィルム(電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルム)を得た。
電気絶縁用粘着フィルムをソーダライムガラスのアセトンで洗浄した非錫面に圧着ロールで貼り合わせ、40℃、0.5MPa×20分間の条件でオートクレーブ処理した後、23℃×50%RHの雰囲気下に戻し、1時間経過後の電気絶縁用粘着フィルムの剥離強度を引張試験機によって、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に300mm/minの速度で剥離した時の剥離強度を、電気絶縁用粘着フィルムの粘着剤層の粘着力とした。
<発泡の試験方法>
厚さ100μmのポリエステルテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社製、製品名:A4100)の易接着処理面に電気絶縁用粘着剤層を転写して作製した、電気絶縁用粘着フィルム(電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルム)の電気絶縁用粘着剤層を、ソーダライムガラス板に貼り合わせて試験片を作製した。この試験片を、温度85℃×湿度85%RHの高温高湿度の環境下へ投入し、50時間後に取り出した。取り出してから、5分後に目視にて試験片を確認し、発泡が見られないものを(○)、発泡が見られるものを(×)と評価した。
<ヘイズの試験方法>
厚さ100μmのポリエステルテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社製、製品名:A4100)の易接着処理面に電気絶縁用粘着剤層を転写して作製した、電気絶縁用粘着フィルム(電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルム)の電気絶縁用粘着剤層を、ソーダライムガラス板に貼り合わせて試験片を作製した。ヘイズメータ(製造者:日本電色株式会社、型式:Haze Meter、NDH4000)を用いて、電気絶縁用粘着剤層のヘイズ値を測定した。
表1及び表2に、評価結果を示す。
実施例1〜9の電気絶縁用粘着フィルムは、低誘電率による優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有していた。すなわち、実施例1〜9の電気絶縁用粘着フィルムでは、要求事項および問題を克服することができた。
比較例1〜7の電気絶縁用粘着フィルムは、低誘電率による優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有していなかった。
このように、比較例1〜7の電気絶縁用粘着フィルムでは、従来の要求事項および問題を克服することができなかった。
本願発明に係わる電気絶縁用粘着剤層は、一般的な構造を有するアクリル系モノマーのみを含有した粘着剤組成物を使用しているにも拘わらず、低誘電率による優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有することから、光学部材、電気部材、電子回路部材などの貼り合わせ用として利用できる。また、本願発明に係わる電気絶縁用粘着フィルムは、タッチパネル用フィルム、電子ペーパー用フィルムディスプレイ用フィルムとして利用できるため、産業上の利用価値が大である。

Claims (4)

  1. アクリル系共重合体と、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋させてなる電気絶縁用粘着剤層であって、
    前記アクリル系共重合体が、全モノマーの合計を100重量部として、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上のポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニルモノマー(A)の合計を4〜60重量部と、
    アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(B)の合計を95.5〜25重量部と、
    ヒドロキシル基を有しており、かつ、ポリアルキレンオキサイド鎖を有していない共重合性ビニルモノマーの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(C)の合計を0.5〜15重量部と、
    をカルボキシル基含有モノマーを含有せずに共重合させてなる、ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するアクリル系共重合体であり、
    前記電気絶縁用粘着剤層は、周波数1MHzにおける比誘電率が3.5以下であり、ヘイズ値が0.5%以下であることを特徴とする電気絶縁用粘着剤層。
  2. 請求項1に記載の電気絶縁用粘着剤層が、離型フィルムの片面上に形成されてなり、離型フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルムの構成であることを特徴とする電気絶縁用粘着フィルム。
  3. 基材の片面上に、請求項1に記載の電気絶縁用粘着剤層が積層されたことを特徴とする電気絶縁用粘着フィルム。
  4. 請求項2又は3に記載の電気絶縁用粘着フィルムが貼り合わされた光学部材。
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