JP6740416B2 - 電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部材 - Google Patents
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Description
さらに、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層は、光学部材の他に、電気部材、及び電子回路部材などを貼合わせる電気絶縁材料として使用できる。又、本発明に係わる電気絶縁用粘着フィルムは、電気絶縁性を有したタッチパネル用フィルム、電子ペーパー用フィル、及びディスプレイ用フィルムとして使用できる。
特許文献1には、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂フィルムに微細空洞を含有させた電気絶縁材料の、一方の面に発砲型粘着剤層が積層された電気絶縁部材が記載されている。
また、特許文献2には、絶縁材料の誘電率が2.5以下となるように、ガラス、シリカなどの微小空球体(マイクロバルーン)を含有させた粘着剤を使用した粘着テープが記載されている。
また、特許文献3には、ポリオレフィン系樹脂に、シリカを含有させて無機質含有微多孔膜からなる電線用絶縁フィルムが記載されている。
また、低誘電率の絶縁用粘着テープとして、基材に、低誘電率の液晶ポリマーを使用することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、特許文献5には、周波数100kHzにおける比誘電率が3.5以下の粘着剤層を得るため、炭素数10〜18のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを30〜99.5重量%および環状窒素含有モノマーを0.5〜50重量%を含むモノマー成分を重合することにより得られた(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤層とすることが提案されている。
しかし、静電容量式のタッチパネルは、電磁界の変化を感知するセンサであることからノイズの影響を受け易く、接触した位置の誤認識を防ぐために、その積層構造の中に低誘電率膜を積層することや、静電容量センサの配線ラインに低誘電率の部材を設けることが提案されている(例えば、特許文献5,6参照)。
また、特許文献5に係わる粘着剤は、比誘電率が3.5以下の優れた絶縁性を有するが、高温・高湿での白濁防止性能を有する粘着剤層であるかどうかが不明である。
また、特許文献6、7には、静電容量式のタッチパネルの誤認識を防ぐ為に、その積層構造の中に低誘電率膜を積層することや、静電容量センサの配線ラインに低誘電率の部材を設けることが記載されているが、使用する低誘電率の部材の製造方法は、具体的に示されていない。
これらの要求事項および問題を克服した電気絶縁用粘着剤層、電気絶縁用粘着フィルム、及びそれが貼合された光学部材など、が必要とされている。
本発明の電気絶縁用粘着剤層は、ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するアクリル系共重合体を架橋させてなることを特徴とする。
また、本発明の電気絶縁用粘着剤層は、全モノマーの合計を100重量部として、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上のポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニルモノマー(A)の合計を4〜60重量部と、
アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(B)の合計を95.5〜25重量部と、
ヒドロキシル基、及びカルボキシル基のうち、いずれか1つ以上の官能基を有する共重合性ビニルモノマーの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(C)の合計を0.5〜15重量部と、を共重合させたアクリル系共重合体と、
架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋させてなることを特徴とする。
(1)本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層は、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートを含有したアクリル系共重合体を架橋したものである。このアクリル系共重合体は、側鎖として、多数のポリアルキレンオキサイド鎖(ここでは、「ひげ」と略称する)が長く伸びている。このため、アクリル系共重合体(ポリマー)は、長さ方向にのみに長く伸びているのではなくて、長さ方向と直交する横幅方向にも長く伸びている「ひげ」の効果で、太さのある形状となっている。いわば、高周波の電荷が印加されても分極し難い団子状の構造をしていることが、誘電率を低減させる。
(2)また、アクリル系共重合体(ポリマー)の側鎖として伸びている、多数の「ひげ」が干渉し合うことによって、アクリル系共重合体(ポリマー)の骨格部がお互いに接近するのを妨げ、アクリル系共重合体を架橋させた電気絶縁用粘着剤層に、多数の空気層からなる微細な空隙を発生させて、誘電率を低減させる。
アルキレンオキサイド鎖の一つの末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖などがランダムもしくはブロックで結合した、アルキレンオキサイド鎖の一つの末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、アルキレンオキサイド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、ブチレンオキサイド鎖などがランダムもしくはブロックで結合した、アルキレンオキサイド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物のいずれでもよい。
前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが、エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖、又はブチレンオキサイド鎖を持ち、その繰り返し数が2から30である(メタ)アクリレートのモノマーであることが好ましい。
さらに好ましくは、ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数が、5から25のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートである。ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数が、2未満のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートでは、周波数1MHzにおける比誘電率を、3.5以下にすることが困難である。また、ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数が、30を越えるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートにおいては、その繰り返し数が30未満の化合物と比べて、周波数1MHzにおける比誘電率が、ほとんど減少しないからである。
ポリプロピレンオキサイド鎖を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのモノマーとしては、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を挙げられる。
ポリブチレンオキサイド鎖を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのモノマーとしては、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、ポリエチレンオキサイド鎖と、ポリプロピレンオキサイド鎖の両方を有するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのモノマーとしては、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
例えば、新中村化学工業株式会社の商品名としては、NKエステルAM30G(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリアルキレンオキサイド鎖の繰り返し数:n=3)、NKエステルM40G(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=4)、NKエステルAM90G(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=9)、NKエステルM90G(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=9)、NKエステルAM130G(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=13)、NKエステルAM230G(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=23)などが挙げられる。
また、共栄社化学株式会社の商品名としては、ライトアクリレートMTG−A(メトキシトリエチレングリコールアクリレート,n=3)、ライトアクリレート130A(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=9)などが挙げられる。
また、日油株式会社の商品名としては、ブレンマーAE−200(ポリエチレングリコールアクリレート、n=4.5)、ブレンマーAE−350(ポリエチレングリコールアクリレート、n=8)、ブレンマーAE−400(ポリエチレングリコールアクリレート、n=10)、ブレンマーPE−200(ポリエチレングリコールメタクリレート、n=4.5)、ブレンマーPE−350(ポリエチレングリコールメタクリレート、n=8)、ブレンマーAP400(ポリプロピレングリコールアクリレート、n=6)、ブレンマーAP550(ポリプロピレングリコールアクリレート、n=9)、ブレンマーPP−500(ポリプロピレングリコールメタクリレート、n=9)、ブレンマーPP−800(ポリプロピレングリコールメタクリレート、n=13)、ブレンマーPP−1000(ポリプロピレングリコールメタクリレート、n=16)、ブレンマーAME−400(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=9)、ブレンマーPME−200(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=4)、ブレンマーPME−400(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=9)、ブレンマーPME−1000(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、n=23)などが挙げられる。
また、大阪有機化学工業株式会社の商品名としては、MPE400A(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=約7)、MPE550A(メトキシポリエチレングリコールアクリレート、n=約9)などが挙げられる。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させる、アルキル基の炭素数がC1〜C14のアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、アクリル系モノマーの合計100重量部に対して、95.5〜25重量部であることが好ましい。
なかでも、粘着剤の凝集力を調整するために、必要に応じて、活性水素を有しないアミド基を有するビニルモノマーや、活性水素を有しないアミノ基を有するビニルモノマー等の含窒素モノマーを含有することができる。ここで、「活性水素」とは、炭素以外の、例えば酸素や窒素などの原子に結合している水素原子を意味する。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させるアミド基を有するビニルモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタムなどが特に好適に使用される。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させるヒドロキシル基含有モノマーは、得られる粘着剤層が透明導電性フィルムのITO表面などの腐食し易い被着体に対する腐食性に影響を与えるとされる、カルボキシル基含有モノマーの含有量を減らすための共重合性モノマーとして使用できる。そのため、ヒドロキシル基含有モノマーは、粘着剤層の粘着力を向上させ、且つ、腐食性を低減させることに役立てることができる。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層において、粘着剤組成物に含有させるカルボキシル基含有モノマーは、電気絶縁用粘着剤層に対して必要な凝集力を付与させることができる。このため、粘着剤層が、被着体との大きな粘着力を求められている用途に対しては、カルボキシル基含有モノマーの含有割合を加減することによって、粘着力を調整できる。
前記官能基含有共重合性モノマーは、アクリル系モノマー成分の合計100重量部に対して、接着力および凝集力の維持の点から0.5重量%以上であるのが好ましい。一方、前記官能基含有共重合性モノマーが多くなりすぎると、粘着剤が固くなり、接着力が低下する場合があり、また、粘着剤組成物の粘度が高くなりすぎたり、ゲル化する場合があることから、前記官能基含有共重合性モノマーは、アクリル系モノマー成分の合計100重量部に対して、15重量%以下であるのが好ましい。
前記アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーや(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド類などのアクリル系モノマーを50〜100重量%含むことが好ましい。
架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート類のビュレット変性体やイソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパンや、グリセリン等の3価以上のポリオールとのアダクト体などのポリイソシアネート化合物、金属系キレート化合物、エポキシ化合物などの少なくとも1種以上が挙げられる。また、紫外線など光架橋により粘着剤を架橋しても良い。
架橋剤を用いてアクリル系共重合体を架橋する場合、アクリル系共重合体が、架橋剤と架橋反応可能な官能基(架橋剤の種類にもよるが、ヒドロキシル基やカルボキシル基など)を有することが好ましく、また、これらの官能基を側鎖に有するモノマーを含有することが好ましい。また、粘着剤組成物が、アクリル系モノマーの合計100重量部に対して、架橋剤を0.01〜5重量部を、含有することが好ましい。
本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層を、電子・電気機器の高周波化に対応した、低誘電率の電気絶縁材料として使用する場合、前記電気絶縁用粘着剤層の、周波数1MHzにおける比誘電率が、3.5以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。
また、誤動作防止を重視する場合には、従来の粘着剤層を本発明の電気絶縁用粘着剤層に置き換えることにより、タッチパネルの応答速度や感度向上が期待できる。
また、本発明に係わる電気絶縁用粘着剤層の粘着力は、被着体に貼り合わせる目的に応じて、粘着剤の組成を調製することにより粘着力を加減調整できるが、一般的には、0.1〜20N/25mm程度である。
電気絶縁用粘着剤層の形成に用いる基材フィルムや、粘着面を保護する離型フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離型剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
1つの電気絶縁用粘着剤層の両面に、それぞれ離型フィルムの離型処理が施された面を合わせることで、「離型フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」の構成とすることもできる。この場合、両側の離型フィルムを、順次、あるいは同時に剥離して粘着面を表出することにより、光学フィルム等の光学部材と貼合可能になる。光学フィルムとしては、カバーガラス、ITOガラス、ITOフィルム、導電性高分子による透明導電性フィルム、ナノ銀ワイヤーによる透明導電性フィルム、カーボンナノチューブによる透明導電性フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、紫外線吸収フィルム、光学補償フィルム、等が挙げられる。
また、本発明の電気絶縁用粘着フィルムは、タッチパネル用の各種光学フィルム、偏光板を主とする液晶表示装置の周辺部材用の各種光学フィルム、電子ペーパー用の各種光学フィルム、有機EL用の各種光学フィルム等の貼り合せに用いることができる。
また、これらの光学フィルムの少なくとも一方の面に、前記電気絶縁用粘着剤層が積層されてなる電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルムとすることができる。具体的には、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層」、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム」、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」、「離型フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」等の構成が挙げられる。
例えば、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルム」のように、離型フィルムで保護された電気絶縁用粘着剤層を有する場合、離型フィルムを剥がして、「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層」のように電気絶縁用粘着剤層を表出させ、他の光学フィルムと貼合することにより、電気絶縁用粘着剤層が層間の貼合に用いられた「光学フィルム/電気絶縁用粘着剤層/光学フィルム」のような構成が得られる。
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置に、2−エチルヘキシルアクリレート76.2重量部、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(EO≒9)19.0重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート4.8重量部とともに溶剤(酢酸エチル)を60重量部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で6時間反応させ、重量平均分子量50万の、実施例1に用いるアクリル系共重合体溶液を得た。
[実施例2〜9及び比較例1〜7]
モノマーの組成を各々、表1及び表2のモノマーの記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル系共重合体溶液と同様にして、実施例2〜9及び比較例1〜7に用いるアクリル系共重合体溶液を得た。なお、特に測定結果を示さないが、実施例2〜9及び比較例1〜7のアクリル系共重合体溶液に含まれるアクリル系共重合体の重量平均分子量は、20万〜200万の範囲内である。
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル系共重合体溶液に対して、架橋剤を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物をシリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる離型フィルムの上に、乾燥後の厚さが50μmとなるように塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去した後、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングすることにより、粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、離型フィルムの片面上に有する、実施例1の電気絶縁用粘着フィルムを得た。
[実施例2〜9及び比較例1〜7]
添加剤の組成を各々、表1及び表2の架橋剤の記載のようにする以外は、上記の実施例1の電気絶縁用粘着フィルムと同様にして、実施例2〜9及び比較例1〜7の電気絶縁用粘着フィルムを得た。なお、架橋剤のコロネート(登録商標)L45(日本ポリウレタン工業株式会社製)、デュラネート(登録商標)P301−75E(旭化成ケミカルズ株式会社製)は、ポリイソシアネート系架橋剤の商品名である。
また、表1及び表2に用いた各成分の略記号の化合物名を、表3に示す。
実施例1〜9及び比較例1〜7における電気絶縁用粘着フィルムから、離型フィルム(シリコーン樹脂コートされたPETフィルム)を剥がして、電気絶縁用粘着剤層を表出させ、PETフィルムの片面に電気絶縁用粘着剤層を転写した。
誘電率測定装置(ヒューレットパッカード社製、LCRメーター、型式:4284A)を用いて、粘着剤層の比誘電率を測定した。
片面粘着テープ(日東電工製・製品名:NO.31B)の粘着面に、電気絶縁用粘着剤層を転写して、試料となる電気絶縁用粘着フィルム(電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルム)を得た。
電気絶縁用粘着フィルムをソーダライムガラスのアセトンで洗浄した非錫面に圧着ロールで貼り合わせ、40℃、0.5MPa×20分間の条件でオートクレーブ処理した後、23℃×50%RHの雰囲気下に戻し、1時間経過後の電気絶縁用粘着フィルムの剥離強度を引張試験機によって、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して測定し、180°方向に300mm/minの速度で剥離した時の剥離強度を、電気絶縁用粘着フィルムの粘着剤層の粘着力とした。
厚さ100μmのポリエステルテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社製、製品名:A4100)の易接着処理面に電気絶縁用粘着剤層を転写して作製した、電気絶縁用粘着フィルム(電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルム)の電気絶縁用粘着剤層を、ソーダライムガラス板に貼り合わせて試験片を作製した。この試験片を、温度85℃×湿度85%RHの高温高湿度の環境下へ投入し、50時間後に取り出した。取り出してから、5分後に目視にて試験片を確認し、発泡が見られないものを(○)、発泡が見られるものを(×)と評価した。
厚さ100μmのポリエステルテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社製、製品名:A4100)の易接着処理面に電気絶縁用粘着剤層を転写して作製した、電気絶縁用粘着フィルム(電気絶縁用粘着剤層付き光学フィルム)の電気絶縁用粘着剤層を、ソーダライムガラス板に貼り合わせて試験片を作製した。ヘイズメータ(製造者:日本電色株式会社、型式:Haze Meter、NDH4000)を用いて、電気絶縁用粘着剤層のヘイズ値を測定した。
比較例1〜7の電気絶縁用粘着フィルムは、低誘電率による優れた絶縁性能と、高温・高湿での白濁防止性能とを併せて有していなかった。
このように、比較例1〜7の電気絶縁用粘着フィルムでは、従来の要求事項および問題を克服することができなかった。
Claims (4)
- アクリル系共重合体と、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋させてなる電気絶縁用粘着剤層であって、
前記アクリル系共重合体が、全モノマーの合計を100重量部として、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上のポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニルモノマー(A)の合計を4〜60重量部と、
アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル(メタ)アクリレートの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(B)の合計を95.5〜25重量部と、
ヒドロキシル基を有しており、かつ、ポリアルキレンオキサイド鎖を有していない共重合性ビニルモノマーの化合物群から選択された1種又は2種以上の共重合性ビニルモノマー(C)の合計を0.5〜15重量部と、
をカルボキシル基含有モノマーを含有せずに共重合させてなる、ポリアルキレンオキサイド鎖を側鎖に有するアクリル系共重合体であり、
前記電気絶縁用粘着剤層は、周波数1MHzにおける比誘電率が3.5以下であり、ヘイズ値が0.5%以下であることを特徴とする電気絶縁用粘着剤層。 - 請求項1に記載の電気絶縁用粘着剤層が、離型フィルムの片面上に形成されてなり、離型フィルム/電気絶縁用粘着剤層/離型フィルムの構成であることを特徴とする電気絶縁用粘着フィルム。
- 基材の片面上に、請求項1に記載の電気絶縁用粘着剤層が積層されたことを特徴とする電気絶縁用粘着フィルム。
- 請求項2又は3に記載の電気絶縁用粘着フィルムが貼り合わされた光学部材。
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