JP6739966B2 - 加圧試験方法 - Google Patents

加圧試験方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6739966B2
JP6739966B2 JP2016071598A JP2016071598A JP6739966B2 JP 6739966 B2 JP6739966 B2 JP 6739966B2 JP 2016071598 A JP2016071598 A JP 2016071598A JP 2016071598 A JP2016071598 A JP 2016071598A JP 6739966 B2 JP6739966 B2 JP 6739966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
temperature
compartment
test gas
volume
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016071598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017181394A (ja
Inventor
康文 ▲高▼橋
康文 ▲高▼橋
俊之 山路
俊之 山路
中村 真司
真司 中村
林原 浩文
浩文 林原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2016071598A priority Critical patent/JP6739966B2/ja
Publication of JP2017181394A publication Critical patent/JP2017181394A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6739966B2 publication Critical patent/JP6739966B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本開示は、一定体積を有する区画に対して試験ガスを加圧供給することにより区画の気密性を評価するための加圧試験方法に関する。
例えば原子力発電プラントのような設備では、緊急時に周辺環境の影響に関わらず機能を維持すべき区画(対策所や制御室等)は、高い気密性を有することにより外部から隔離された区画に配置される。このような区画の気密性は、例えばトレーサガスを用いた濃度減衰法で確認したり、又は当該区画への空気流入出をセンサで検知したり、互いに隣接する区画間における差圧を測定することにより評価される。
例えば特許文献1には、測定対象がハウジング内に収容されたフィルタである点で異なるが、ハウジング内の仕切られた区画間に埋め込まれたセンサによって、区画間の差圧を測定することにより、気密性を評価する技術が開示されている。
特開2013−139036号公報
上記特許文献1のように、従来の気密性評価試験では、圧力の実測値自体を評価指標として採用することが典型的である。しかしながら、例えば区画内の温度が変化した場合には、これに比例して(ボイル・シャルルの法則によって)区画内の圧力もまた変化してしまう。このように温度変化等の外乱が存在する場合、特に精度のよい測定が求められる高気密区画では、その影響によって評価結果に誤差が生じてしまい、十分な精度が得られない場合がある。
本発明の少なくとも1実施形態は上述の事情に鑑みてなされたものであり、温度変化等のような外乱の影響を加味した精度のよい気密性評価が可能な加圧試験方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも1実施形態に係る加圧試験方法は上記課題を解決するために、一定体積を有する区画に対して試験ガスを加圧供給することにより前記区画の気密性を評価するための加圧試験方法であって、前記区画の目標圧力に対応する一定流量で前記試験ガスを供給し、前記区画が目標圧力に到達した後、所定期間に亘って前記区画の圧力及び温度、並びに前記試験ガスの供給体積を測定し、前記測定された温度及び圧力、並びに前記試験ガスの供給体積に基づいて状態方程式を解くことにより、前記所定期間に前記区画から漏洩する前記試験ガスの積算漏洩体積を算出することで前記気密性を評価する。
上記(1)の方法によれば、試験対象となる区画に対して一定流量で試験ガスを加圧供給することにより、区画内の圧力は目標圧力に到達する。その後、所定期間に亘って温度及び圧力、並びに試験ガスの供給量を測定し、その測定結果に基づいて状態方程式を解くことにより、試験ガスの積算漏洩体積が求められる。このような気密性評価は、圧力及び温度等をパラメータとして含む状態方程式に基づいて求められるため、温度変化等の外乱の影響が加味されており、信頼性に優れた試験結果が得られる。
尚、上記(1)の方法で算出された積算漏洩体積は、気密性評価に直接用いられてもよいし、例えば所定期間で割り算することにより単位時間当たりの漏洩量に換算して気密性評価に用いてよいし、更に区画体積で割り算することにより単位時間当たりの漏洩率に換算して気密性評価に用いてもよい。
(2)幾つかの実施形態では上記(1)の方法において、前記積算漏洩体積Vは、前記一定体積V、前記所定期間における前記試験ガスの積算供給体積Vsupply、前記所定期間における開始時圧力Pstart及び終了時圧力Pend、前記所定期間における開始時温度Tstart及び終了時温度Tend、並びに、基準圧力P及び基準温度Tを用いて、次式
Figure 0006739966
により算出される。
上記(2)の方法によれば、圧力及び温度を変数パラメータとして含む状態方程式に基づいて導かれる定式に基づいて、所定期間における試験ガスの積算漏洩体積を演算的に求めることができる。
(3)幾つかの実施形態では上記(1)又は(2)の方法において、前記区画に温度調整装置を設置し、前記測定された温度に基づいて前記区画の温度が一定になるように前記温度調整装置を制御する。
上記(3)の方法によれば、試験対象となる区画に温度調整装置を設置し、これを制御することにより区画の温度を一定に維持できる。これにより、外乱要因である温度変化がフィードフォワード的に抑制されるため、精度のよい気密性評価が可能となる。また状態方程式を解く際にも、状態方程式に含まれる変数パラメータの一つである温度を実質的に定数化できるため、より簡潔な演算で積算漏洩体積の算出が可能となる。
尚、上記方法のように区画に対して試験ガスを加圧供給する場合には、区画内の圧力が適正な試験が可能となる目標圧力になるように流量が設定されるが、温度変化等の外乱があると、区画内の圧力が目標圧力を下回ってしまい正当な評価が困難になってしまう場合が考えられる。しかしながら、上記(3)の方法のように温度調整装置によって温度を安定化することで、このような試験自体が不成立になってしまう事態も、効果的に回避することができる。
(4)本発明の少なくとも1実施形態に係る加圧試験は上記課題を解決するために、一定体積を有する区画に対して試験ガスを供給して気密性を評価するための加圧試験方法であって、前記区画内の圧力が目標圧力に近づくように、前記区画への前記試験ガスの流量を前記区画内の圧力に基づいてフィードバック制御し、所定期間における前記区画の圧力変化及び前記試験ガスの流量に基づいて状態方程式を解くことにより、前記所定期間に前記区画から漏洩する前記試験ガスの積算漏洩体積を算出することで前記気密性を評価する。
上記(4)の方法によれば、試験対象となる区画内の圧力が目標圧力になるように、試験ガスの供給流量が調整される。試験ガスの供給流量は、区画内の圧力を例えばセンサ等によって検知した結果に基づいてフィードバック制御される。これにより、供給ガスの流量を一定に維持している場合には区間内の温度変化等の外乱の影響によって圧力変動が生じ、試験の許容圧力範囲を下回ることによって適正な試験評価が困難になってしまう事態を効果的に回避することができる。
尚、上記(4)の方法においても、上述の(1)の方法と同様に、状態方程式を解くことにより積算漏洩量を算出することにより、温度変化等の外乱の影響が加味された良好な試験結果が得られる。
(5)幾つかの実施形態では上記(4)の方法において、前記積算漏洩体積Vは、前記一定体積V、前記所定期間における前記試験ガスの積算供給体積Vsupply、前記所定期間における開始時圧力Pstart及び終了時圧力Pend、前記所定期間における開始時温度Tstart及び終了時温度Tend、並びに、基準圧力P及び基準温度Tを用いて、次式

Figure 0006739966

により算出される。
上記(5)の方法によれば、圧力及び温度を変数パラメータとして含む状態方程式に基づいて導かれる定式に基づいて、所定期間における試験ガスの積算漏洩体積を演算的に求めることができる。
(6)幾つかの実施形態では上記(4)又は(5)の方法において、前記圧力を前記区画内の複数箇所でそれぞれ測定し、前記測定された複数の測定値の平均値に基づいて前記圧力変化を求める。
上記(6)の方法によれば、区画内の複数箇所で測定された圧力測定値の平均値に基づいて積算漏洩体積の算出を行うことにより、例えば区画内に圧力勾配が存在するような場合であっても、信頼性のある評価が効果的に得られる。
(7)幾つかの実施形態では上記(6)の方法において、前記試験ガスの流量は、前記複数箇所でそれぞれ測定された圧力のうち最大値及び最小値が、予め規定された許容圧力範囲の上限値及び下限値を逸脱しないように制御される。
上記(7)の方法によれば、区画内の圧力が、加圧試験が適切に実施できる許容圧力範囲に収まるようにフィードバック制御されるため、適正な評価を確実に行うことができる。
(8)幾つかの実施形態では上記(4)から(7)のいずれかの方法において、前記区画に温度調整装置を設置し、前記測定された温度に基づいて前記区画の温度が一定になるように前記温度調整装置を制御する。
上記(8)の方法によれば、試験対象となる区画に温度調整装置を設置し、これを制御することにより区画の温度を一定に維持できる。これにより、外乱要因である温度変化が防止されるため、精度のよい気密性評価が可能となる。また状態方程式を解く際にも、状態方程式に含まれる変数パラメータの一つである温度を実質的に定数化できるため、より簡潔な演算で積算漏洩体積の算出が可能となる。
本発明の少なくとも1実施形態によれば、温度変化等のような外乱の影響を加味した精度のよい気密性評価が可能な加圧試験方法を提供できる。
第1実施形態に係る加圧試験システムの全体構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る加圧試験方法を工程ごとに示すフローチャートである。 図3は第1実施形態の変形例に係る加圧試験システムの全体構成を示す模式図である。 図3の加圧試験システムの制御方法を工程毎にしめすフローチャートである。 第2実施形態に係る加圧試験方法を工程毎に示すフローチャートである。 図5のステップS32における区画内の圧力と試験ガスの積算供給量の経時変化を示すグラフである。 第2実施形態の変形例に係る加圧試験システムの全体構成を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(第1実施形態)
まず本発明の第1実施形態に係る加圧試験方法を実施するために用いられる加圧試験システムの構成について説明する。図1は第1実施形態に係る加圧試験システム1の全体構成を示す模式図である。
加圧試験システム1の試験対象である区画2は、図1に示されるように、周囲を隔壁で囲まれた一室であり、一定体積Vを有するように構成されている。このような区画2は、例えば原子力発電プラント建屋に設けられた、緊急時対策所、緊急時制御室或いは中央制御室のような、緊急時に周辺環境の影響に関わらず機能を維持すべき区画(対策所や制御室等)であり、高気密性が要求される対象である。
加圧試験システム1は、試験ガス(例えば空気等)を高圧状態で貯留する貯留部4(例えばボンベ等)と、貯留部4を区画2に接続することで貯留部4から試験ガスを供給可能に構成された供給ライン6と、供給ライン6上のうち区画2の外側及び内側にそれぞれ設けられた流量調整弁8及び9と、を備える。流量調整弁8及び9は、それぞれ開度が後述する制御装置14からの制御信号に基づいて制御可能に構成されているが、本実施形態では説明を簡潔にするために流量調整弁8のみの開度を制御する場合について説明する(無論、流量調整弁9のみの開度を制御してもよいし、流量調整弁8及び9の双方の開度を制御してもよい)。これにより、流量調整弁8の開度に応じて貯留部4から区画2に所定の供給量で試験ガスが供給され、区画2の内部空間は大気圧以上に加圧される。
尚、本実施形態で実施される加圧試験では、このように大気圧以上に加圧された区画2から試験ガスの漏洩度合いに基づいて気密性を評価するため、適正な評価が可能な許容圧力範囲が予め規定されている。許容圧力範囲は、下限圧力値Plower(大気圧より高い)及び上限圧力値Pupperを含み、且つ、後述する目標圧力Prefが含まれるように規定されるが、具体的には、試験対象の仕様に応じて適切な評価ができるか否かを、例えば実験的、理論的又はシミュレーション的に設定されてもよい。
区画2の内部空間には、区画2内の圧力及び温度を計測するための圧力センサ10及び温度センサ12が設置されている。圧力センサ10は、区画2内の圧力値に対応する電気信号を出力可能な計測デバイスであり、抵抗線式、拡散式、成膜式、静電容量式又は機械式のような各種方式を採用可能である。温度センサ12は、区画2内の温度に応じた電気信号を出力可能なセンサデバイスであり、抵抗温度センサ、サーミスタ素子、熱電対のような各種方式を採用可能である。圧力センサ10及び温度センサ12における測定結果は電気信号として後述の制御装置14に送られ、各種制御に用いられる。
また供給ライン6の下流側には、供給ライン6を介して区画2に供給される試験ガスの流量を検知するための流量センサ13が設けられている。
制御装置14は加圧試験システム1のコントロールユニットであり、例えばコンピュータのような電子演算装置によって構成される。図1では、制御装置14の内部構成がブロック構成として機能的に示されており、加圧試験システム1の各構成部位の制御を実施する制御部16と、試験で得られた各種データを解析することにより気密性の評価を行う解析部18と、を備えている。
続いて上記構成を有する加圧試験システム1によって実施される加圧試験方法について、具体的に説明する。図2は、第1実施形態に係る加圧試験方法を工程ごとに示すフローチャートである。
まず制御装置14は、予め設定された目標圧力Prefに対応する一定流量で試験ガスが区画2に供給されるように、流量調整弁8の開度を制御する(ステップS10)。ここで設定される一定流量は、供給ライン6から区画2に試験ガスを供給した場合に、区画2内の圧力が目標圧力Prefに到達し、その後維持されるような値として選定される。
続いて制御装置14は、試験ガスを一定流量で区画2に供給しながら圧力センサ10の測定結果を参照することにより、区画2内の圧力が目標圧力Prefに到達したか否かを判定する(ステップS11)。区画2内の圧力が目標圧力Prefに到達すると(ステップS11:YES)、制御装置14は所定期間tに亘って区画2の圧力及び温度、並びに試験ガスの供給体積を測定する(ステップS12)。
尚、試験ガスの供給体積は、流量センサ13の計測値に基づいて算出される。
そして制御装置14(解析部18)は、所定期間tにわたる測定結果から開始時圧力Pstart及び終了時圧力Pend、前記所定期間における開始時温度Tstart及び終了時温度Tendを取得し(ステップS13)、所定期間tに区画2から漏洩する試験ガスの積算漏洩体積Vを次式

Figure 0006739966
により算出する(ステップS14)。ここで、Vは区画2の体積、Vsupplyは所定期間tに供給ライン6を介して区画2に供給される試験ガスの積算体積(積算供給体積)、並びに、P及びTは圧力及び温度をそれぞれ規格化するための基準圧力(1atm)及び基準温度(0℃)である。
ここで、(1)式の導出方法について、簡潔に説明する。ボイル・シャルルの法則に基づいて、まず次式

Figure 0006739966
が得られる。積算漏洩体積Vは、次式

Figure 0006739966
であることから、これに代入することにより(1)式が得られる。
続いて解析部18は、ステップS14で算出した積算漏洩体積V、区画2の体積V、所定期間tを用いて、単位時間当たりの漏洩率GDを次式
GD=(V/V)/t (2)
により算出し(ステップS15)、漏洩率GDに基づいて区画2の気密性を評価する(ステップS16)。
尚、上記ステップS16では漏洩率GDに基づいて気密性を評価する場合を例示しているが、ステップS14で算出された積算漏洩体積Vを直接用いて気密性の評価を行ってもよいし、積算漏洩体積Vを体積Vで割り算することにより単位時間当たりの漏洩率に換算して気密性評価に用いてもよい。
このように第1実施形態では、試験対象となる区画2に対して一定流量で試験ガスを加圧供給することにより、区画2内の圧力Pは目標圧力Prefに到達する。その後、所定期間tに亘って温度及び圧力、並びに試験ガスの供給量を測定し、その測定結果に基づいて状態方程式を解くことにより、試験ガスの積算漏洩体積が求められる。このような気密性評価は、圧力及び温度等をパラメータとして含む状態方程式に基づいて求められるため、温度変化等の外乱の影響が加味されており、信頼性に優れた試験結果が得られる。
ここで図3は第1実施形態の変形例に係る加圧試験システムの全体構成を示す模式図である。この変形例は、区画2の内部空間に設置された温度調整装置20を更に備える点で、上記実施形態と構造的に相違している。温度調整装置20は、例えば不図示の電源によって動作可能な加熱器又は冷熱器であり、温度センサ12の測定結果に基づいて制御装置14により制御可能に構成されている。
図4は図3の加圧試験システムの制御方法を工程毎にしめすフローチャートである。
まず制御装置14は、上記ステップS10と同様に、予め設定された目標圧力Prefに対応する一定流量で試験ガスが区画2に供給されるように、流量調整弁8の開度を制御する(ステップS20)。
続いて制御装置14は、温度センサ12の測定結果に基づいて、区画2の温度が一定になるように温度調整装置20を制御する(ステップS21)。ステップS21における制御内容を詳しく説明すると、本変形例では試験中の区画2内の温度について目標温度、及び、許容温度範囲を予め設定しておく。許容温度範囲は目標温度を中心とした下限温度値及び上限温度値によって規定される。温度センサ12の測定結果が温度下限値より低い場合、制御装置14は区画2内の雰囲気が加熱されるように温度調整装置20を制御することで、目標温度に近づくように区画2内を昇温する。一方、温度センサ12の測定結果が温度上限値より高い場合、制御装置14は区画2内の雰囲気が冷却されるように温度調整装置20を制御することで、目標温度に近づくように区画2内を冷却する。このように温度調整装置20を温度センサ12の測定結果に基づいてフィードバック的に制御することより、区画2の温度が目標温度を中心とした許容温度範囲内に収束され、安定化する。
続いて制御装置14は、試験ガスを一定流量で区画2に供給しながら圧力センサ10の測定結果を参照することにより、区画2内の圧力が目標圧力Prefに到達したか否かを判定し(ステップS22)、区画2内の圧力が目標圧力Prefに到達すると(ステップS11:YES)、以下、上記ステップS12以降と同様の制御を行う(ステップS23−S27)。
このように本変形例によれば、試験対象となる区画2に温度調整装置20を設置し、これを制御することにより区画2の温度を一定に維持できる。これにより、外乱要因である温度変化がフィードフォワード的に抑制されるため、精度のよい気密性評価が可能となる。また状態方程式を解く際にも、状態方程式に含まれる変数パラメータの一つである温度を実質的に定数化できるため、より簡潔な演算で積算漏洩体積の算出が可能となる。
(第2実施形態)
続いて第2実施形態に係る加圧試験システムについて説明する。第2実施形態に係る加圧試験システムは、上述の第1実施形態と構造的に同様の構成(図1)を有する一方で、以下説明するように、その制御内容に相違点を有する。
尚、以下の説明では上述の実施形態と対応する構成については共通の符号を付すこととし、特段の記載がない限りにおいて、重複する説明は適宜省略することとする。
図5は第2実施形態に係る加圧試験方法を工程ごとに示すフローチャートである。
まず制御装置14は、上述のステップS10及びS11と同様に、予め設定された目標圧力Prefに対応する一定流量で試験ガスが区画2に供給されるように、流量調整弁8の開度を制御し(ステップS30)、試験ガスを一定流量で区画2に供給しながら圧力センサ10の測定結果を参照することにより、区画2内の圧力が目標圧力Prefに到達したか否かを判定する(ステップS31)。
区画2内の圧力が目標圧力Prefに到達すると(ステップS31:YES)、制御装置14は、圧力センサ10の測定結果に基づいて、区画2内の圧力が目標圧力に近づくように、区画2への試験ガスの流量のフィードバック制御を開始する(ステップS32)。このフィードバック制御の内容を具体的に説明すると、制御装置14は、目標圧力Prefを中心とした許容圧力範囲を規定する圧力下限値P1及び圧力上限値P2を設定し(P1<Pref<P2)、圧力Pが圧力下限値P1より低くなった場合、流量調整弁8の開度を大きくすることにより供給ガス流量を徐々に増加させ、その後、目標圧力Prefに達した状態の供給ガス量で固定する。一方、圧力Pが圧力上限値P2より高くなった場合、流量調整弁8の開度を少なくすることにより供給ガス流量を徐々に減少させ、その後、目標圧力Prefに達した状態の供給ガス量で開度を固定する。
ここで図6は図5のステップS32における区画2内の圧力と試験ガスの積算供給量の経時変化を示すグラフである。図6に示されるように、フィードバック制御によって流量調整弁8の開度が制御されることにより、試験ガスの単位時間あたりの流量は可変となり(仮に第1実施形態のように流量が一定に固定される場合、試験ガスの積算供給量の特性は完全なリニア関数となる)、その結果、区画2内の圧力は一定に維持されている。
そしてステップS33以降の処理では、制御装置14は所定期間tに亘って区画2の圧力及び温度、並びに試験ガスの供給体積を測定し、上記ステップS12以降と同様の制御を行う(ステップS33−S37)。これにより本実施形態においても、上述の第1実施形態と同様に、状態方程式を解くことにより積算漏洩量を算出することにより、温度変化等の外乱の影響が加味された良好な試験結果が得られる。そして特に本実施形態では、試験対象となる区画2内の圧力が目標圧力になるように、試験ガスの供給流量がフィードバック的に制御されることにより、第1実施形態のように試験ガスの流量を一定に固定している場合のように、区間2内の温度変化等の外乱の影響によって圧力変動が生じ、試験の許容圧力範囲を下回ることによって適正な試験評価が困難になってしまう事態を、効果的に回避することができる。
また第2実施形態においても、上記第1実施形態の変形例(図3を参照)のように、区画2内に温度調整装置20を設置し、温度センサ12の測定結果に基づいて区画2の温度が一定になるように温度調整装置20を制御してもよい。この場合、外乱要因である温度変化が防止されるため、より精度のよい気密性評価が可能となる。また状態方程式を解く際にも、状態方程式に含まれる変数パラメータの一つである温度を実質的に定数化できるため、より簡潔な演算で積算漏洩体積の算出が可能となる。
ここで図7は第2実施形態の変形例に係る加圧試験システムの全体構成を示す模式図である。この変形例では、加圧試験システム1は区画2の内部空間に複数の圧力センサ10を備える点で異なっている。
尚、以下の説明では上述の実施形態と対応する構成については共通の符号を付すこととし、特段の記載がない限りにおいて、重複する説明は適宜省略することとする。
複数の圧力センサ10はそれぞれ制御装置14に電気的に接続されており、制御装置14は各センサの測定値を取得することにより、各種制御に利用可能に構成されている。ここでn個(nは2以上の自然数)の圧力センサ10があるとすると、制御装置14はステップS34で開始時圧力Pstart及び終了時圧力Pendを取得する際に、各圧力センサ10の測定値P1、P2、・・・、Pnを用いて、次式

Figure 0006739966
により求められる平均値で代用する。すなわち、ステップS35における積算漏洩体積は次式

Figure 0006739966
より求められることとなる。
このように本変形例では、区画2内の複数箇所で測定された圧力測定値の平均値に基づいて積算漏洩体積の算出を行うことにより、例えば区画2内に圧力勾配が存在するような場合であっても、信頼性のある評価が効果的に得られる。
尚、複数の圧力センサ10の区画2内における配置は任意であってよいが、例えば区画2の内部空間に広く分布するように配置されることで、区画2内に圧力勾配がある場合であっても信頼性のある気密評価ができるようにしてもよい。また区画2内のうち圧力勾配が生じやすい箇所が予め判明している場合には、当該箇所に圧力センサ10が配置されるようにレイアウトを構成してもよい。
また本変形例ではステップS32のフィードバック制御において、制御装置14は区画2内の複数箇所に設置された圧力センサ10でそれぞれ測定された圧力から、最大圧力値及び最小圧力値を特定し、最大圧力値及び最小圧力値が、予め規定された許容圧力範囲の上限値及び下限値を逸脱しないように制御してもよい。この場合、区画2内の圧力が、加圧試験が適切に実施できる許容圧力範囲に収まるようにフィードバック制御されるため、適正な評価を確実に行うことができる。
また上述したように複数の圧力センサ10が設けられている場合に倣って、温度センサ12もまた区画2内に複数設けてもよい。この場合も同様に、複数の温度センサ12から取得した計測値を平均化したものに基づいて積算漏洩体積の算出を行うことで、例えば区画2内に温度勾配が存在するような場合であっても、信頼性のある評価が効果的に得られる。
以上説明したように本発明の幾つかの実施形態によれば、温度変化等のような外乱の影響を加味した精度のよい気密性評価が可能な加圧試験方法を提供できる。
1 加圧試験システム
2 区画
4 貯留部
6 供給ライン
8,9 流量調整弁
10 圧力センサ
12 温度センサ
14 制御装置
16 制御部
18 解析部
20 温度調整装置

Claims (6)

  1. 一定体積を有する区画に対して試験ガスを加圧供給することにより前記区画の気密性を評価するための加圧試験方法であって、
    前記区画の目標圧力に対応する一定流量で前記試験ガスを供給し、
    前記区画が目標圧力に到達した後、所定期間に亘って前記区画の圧力及び温度、並びに前記試験ガスの供給体積を測定し、
    前記測定された温度及び圧力、並びに前記試験ガスの供給体積に基づいて状態方程式を解くことにより、前記所定期間に前記区画から漏洩する前記試験ガスの積算漏洩体積を算出することで前記気密性を評価し、
    前記積算漏洩体積V は、前記一定体積V 、前記所定期間における前記試験ガスの積算供給体積V supply 、前記所定期間における開始時圧力P start 及び終了時圧力P end 、前記所定期間における開始時温度T start 及び終了時温度T end 、並びに、基準圧力P 及び基準温度T を用いて、次式
    Figure 0006739966
    により算出されることを特徴とする加圧試験方法。
  2. 前記区画に温度調整装置を設置し、
    前記測定された温度に基づいて前記区画の温度が一定になるように前記温度調整装置を制御することを特徴とする請求項に記載の加圧試験方法。
  3. 一定体積を有する区画に対して試験ガスを供給して気密性を評価するための加圧試験方法であって、
    前記区画内の圧力が目標圧力に近づくように、前記区画への前記試験ガスの流量を前記区画内の圧力に基づいてフィードバック制御し、
    所定期間における前記区画の圧力変化及び前記試験ガスの流量に基づいて状態方程式を解くことにより、前記所定期間に前記区画から漏洩する前記試験ガスの積算漏洩体積を算出することで前記気密性を評価し、
    前記積算漏洩体積V は、前記一定体積V 、前記所定期間における前記試験ガスの積算供給体積V supply 、前記所定期間における開始時圧力P start 及び終了時圧力P end 、前記所定期間における開始時温度T start 及び終了時温度T end 、並びに、基準圧力P 及び基準温度T を用いて、次式
    Figure 0006739966
    により算出されることを特徴とする加圧試験方法。
  4. 前記圧力を前記区画内の複数箇所でそれぞれ測定し、前記測定された複数の測定値の平均値に基づいて前記圧力変化を求めることを特徴とする請求項に記載の加圧試験方法。
  5. 前記試験ガスの流量は、前記複数箇所でそれぞれ測定された圧力のうち最大値及び最小値が、予め規定された許容圧力範囲の上限値及び下限値を逸脱しないように制御されることを特徴とする請求項に記載の加圧試験方法。
  6. 前記区画に温度調整装置を設置し、
    前記測定された温度に基づいて前記区画の温度が一定になるように前記温度調整装置を制御することを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の加圧試験方法。
JP2016071598A 2016-03-31 2016-03-31 加圧試験方法 Active JP6739966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016071598A JP6739966B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 加圧試験方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016071598A JP6739966B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 加圧試験方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017181394A JP2017181394A (ja) 2017-10-05
JP6739966B2 true JP6739966B2 (ja) 2020-08-12

Family

ID=60007015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016071598A Active JP6739966B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 加圧試験方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6739966B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115841737B (zh) * 2023-02-24 2023-06-06 山东拙诚智能科技有限公司 一种构建在燃气切断装置上的燃气安全监测方法及其装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6444824A (en) * 1987-08-14 1989-02-17 Kanto Jidosha Kogyo Kk Air leakage measuring apparatus
JPH0251037A (ja) * 1988-08-12 1990-02-21 Japan Steel & Tube Constr Co Ltd 気密試験装置
JPH0510845A (ja) * 1991-06-28 1993-01-19 Nippon Enjiniyaa Service Kk 移動貯蔵タンクの漏洩検査装置
US7168297B2 (en) * 2003-10-28 2007-01-30 Environmental Systems Products Holdings Inc. System and method for testing fuel tank integrity
JP4956906B2 (ja) * 2005-03-29 2012-06-20 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムおよび水素漏れ検出方法
JP4684135B2 (ja) * 2006-03-03 2011-05-18 株式会社フジキン 配管路の漏洩検査方法及び漏洩検査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017181394A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102093571B1 (ko) 누설 검사 장치 및 방법
US10876870B2 (en) Method of determining flow rate of a gas in a substrate processing system
CN102640070B (zh) 压力式流量控制装置
US10663337B2 (en) Apparatus for controlling flow and method of calibrating same
US10401202B2 (en) Method and apparatus for gas flow control
US9422869B2 (en) Systems and methods for gas turbine tuning and control
US9279596B2 (en) Systems and methods for damper performance diagnostics
US10048105B2 (en) System and method for providing a self validating mass flow controller and mass flow meter
US8851744B1 (en) Calibration apparatus and method for heat transfer measurement
CN107831753B (zh) 气体供给系统的检查方法、二次基准器的校正方法
US20120107753A1 (en) Burner control systems and methods of operating a burner
KR20140083905A (ko) 유량 연산 장치 및 유량 제어 장치
CN107939957B (zh) 湿式双离合器自动变速器的冷却流量补偿方法
KR102187959B1 (ko) 과도 가스 흐름의 계측 방법
CN111022752A (zh) 使用真空压力控制阀的预测诊断系统和方法
JP6739966B2 (ja) 加圧試験方法
US20240018911A1 (en) High accuracy fuel system
KR20230104199A (ko) 슬립링 씰 어셈블리의 모니터링 방법 및 슬립링 씰 어셈블리
CN107976317B (zh) 用于控制传感器超控的检测的方法和系统
CN108344471B (zh) 一种燃气表检测的方法及装置
US20160131146A1 (en) Pressure sensor system for calculating compressor mass flow rate using sensors at plenum and compressor entrance plane
US7753066B2 (en) Single system for low or high pressure gases control and high or low pressure gases control valve
JP2015224997A (ja) 圧力計の検査システム及びそれに用いた圧力計の検査方法
US20150051871A1 (en) Evaluation device, semiconductor manufacturing apparatus, control device, and recording medium
KR20150093127A (ko) 동적 연료 소비율 측정을 위한 장치의 기능 시험 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6739966

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150