JP6739808B2 - 光ssb変調器 - Google Patents

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Description

本発明は、光波を無線信号で変調することによりSSB(Single Side Band)変調された光信号を出力する光SSB変調器に関する。
ミリ波は、次世代無線の有力候補である。特に、60GHz帯は、各種規格も定めらており、Gbps伝送(つまり、大容量通信)が容易である。ミリ波無線では、セルサイズが小さくなるために、無線信号を光信号に変換して光ファイバーで伝送するRadio−over−Fiber(RoF)方式が有効である。RoFミリ波無線システムを構築するためには、ミリ波無線信号を光信号に変換する光強度変調器が重要である。
光強度変調器は、両側波帯(Double Side Band;DSB)変調器であるが、光DSB変調器で変調された信号を光ファイバーで伝送すると、光ファイバーの波長分散により強度変調信号が位相変調信号に変換される状況が生じ得る。それゆえ、信号をフォトダイオード等で検波・復調することが困難になる。また、DSB信号には冗長性があり、情報伝送のためには、SSB信号で十分である。光SSB信号では波長分散による問題も生じない。
そこで、従来、ミリ波帯無線信号から光SSB変調信号を生成する光SSB変調器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の技術によれば、マッハツェンダー型光導波路が形成された電気光学結晶基板に分極反転構造を設けることで、低電力で駆動可能であり、小型の構成であっても、10GHz以上の高周波域で高効率に動作する光SSB変調器が実現される。
特開2007−333753号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、低電力ではあるものの、駆動のために最低限の電力が必要とされ、電源を必要とするという問題がある。さらに、特許文献1の技術では、光SSB変調信号が出力されるものの、その光SSB変調信号には不要な側波帯が残留している(つまり、不要な側波帯の抑圧度が十分ではない)という問題もある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電源を必要とすることなく、かつ、不要な側波帯が従来よりも抑圧された光SSB変調信号を生成する光SSB変調器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る光SSB変調器は、光波を無線信号で変調することによりSSB(Single Side Band)変調された光信号を出力する光SSB変調器であって、誘電性材料からなる電気光学結晶基板と、前記電気光学結晶基板に形成され、第1光導波路及び第2光導波路を有するマッハツェンダー型光導波路と、前記無線信号を受信するアンテナと、前記アンテナに接続され、前記第1光導波路及び前記第2光導波路のそれぞれに沿って設けられた第1共振型電極及び第2共振型電極とを備え、前記電気光学結晶基板には、前記第1光導波路を進行する光波に対してcos変調を与えるように前記第1共振型電極に対向する領域の一部に分極反転構造が形成され、かつ、前記第2光導波路を進行する光波に対してsin変調を与えるように前記第2共振型電極に対向する領域の一部に分極反転構造が形成され、前記第1光導波路及び前記第2光導波路の一方の光路は、他方の光路よりも、前記光波におけるπ/2の位相差に相当する長さだけ長い。
これにより、第1共振型電極及び第2共振型電極には、アンテナで受信された無線信号が供給されるので、特許文献1の技術で必要とされた、第1共振型電極及び第2共振型電極に無線信号を供給するための変調信号源及び可変直流電圧源等の電源が不要となる。さらに、本発明の光SSB変調器では、第1光導波路及び第2光導波路にπ/2の位相差に相当する光路差(光バイアス)を与えるために、これらの光路長に差を設けているので、光波にバイアス電圧を印加する方法と異なり、電源を必要としない。よって、本発明の光SSB変調器は、電源を必要とすることなく、無線信号から光SSB変調信号が生成される。
さらに、本発明の光SSB変調器によれば、アンテナによって受信された無線信号が第1共振型電極及び第2共振型電極に供給される。より具体的には、前記第1光導波路及び前記第2光導波路は、互いに並行して延在するように前記電気光学結晶基板上に形成され、前記第1共振型電極及び前記第2共振型電極は、それぞれ前記第1光導波路及び前記第2光導波路に沿って、互いに並行して延在するように前記電気光学結晶基板上に設けられ、前記アンテナは、前記電気光学結晶基板上に設けられ、前記第1共振型電極に直交するように接続される第1アンテナ素子、及び、前記第2共振型電極に直交するように接続される第2アンテナ素子を有し、前記第1アンテナ素子と前記第2アンテナ素子とは、前記電気光学結晶基板上において、前記第1共振型電極及び前記第2共振型電極に対して、対称の位置に設けられてもよい。
これにより、第1共振型電極及び第2共振型電極の一方だけに対して変調信号を供給する特許文献1の技術と異なり、第1共振型電極及び第2共振型電極の両方に対して変調信号が供給されて第1共振型電極及び第2共振型電極において強くて歪の少ない変調電界が発生するので、第1光導波路及び第2光導波路を進行する光波に対して歪の少ないcos変調及びsin変調が施され、特許文献1の技術よりも不要な側波帯が抑圧された光SSB変調信号が生成される。
また、前記第1アンテナ素子が前記第1共振型電極と接続される接続点は、前記第1共振型電極における、前記第1アンテナ素子と前記第1共振型電極とがインピーダンス整合する複数の接続点のうち、前記第1共振型電極の端部に最も近い接続点であり、前記第2アンテナ素子が前記第2共振型電極と接続される接続点は、前記第2共振型電極における、前記第2アンテナ素子と前記第2共振型電極とがインピーダンス整合する複数の接続点のうち、前記第2共振型電極の端部に最も近い接続点であってもよい。
これにより、第1アンテナ素子及び第2アンテナ素子はそれぞれ第1共振型電極及び第2共振型電極とインピーダンス整合する複数の接続点のうち第1共振型電極及び第2共振型電極の端部に最も近い接続点で接続されて整合されるので、第1共振型電極及び第2共振型電極で不要な共振が生じることが抑制されるともに第1共振型電極及び第2共振型電極で強い変調電界が生じ、出力される光SSB変調信号に不要な側波帯が残留してしまうことが抑制される。
また、前記アンテナ、前記第1共振型電極、前記第2共振型電極及び前記分極反転構造を一組の変調部とした場合に、前記第1光導波路及び前記第2光導波路に沿う複数の箇所のそれぞれに、前記変調部が設けられてもよい。より具体的には、前記変調部は、前記光波が進行する方向に沿って並ぶ第1変調部、第2変調部、第3変調部及び第4変調部を、この並び順で、含み、前記第1変調部及び前記第3変調部を構成する前記分極反転構造は、同一の第1分極反転構造を有し、前記第2変調部及び前記第4変調部を構成する前記分極反転構造は、前記第1分極反転構造とは異なる、同一の第2分極反転構造を有してもよい。
これにより、第1光導波路及び第2光導波路を進行する光波は、複数の箇所に設けられた変調部によって変調を受けるので、一つの変調部によって変調を受ける場合に比べ、それぞれ、より歪みの少ないcos変調及びsin変調を受けて合波され、不要な側波帯がより抑圧された光SSB変調信号が生成される。また、複数の変調部において同一の方向から入射する無線信号に対して最も強い光SSB変調信号が生成されるので、無線信号の入射方向についての指向性が強くなる。
本発明により、電源を必要とすることなく、かつ、不要な側波帯が従来よりも抑圧された光SSB変調信号を生成する光SSB変調器が提供される。
よって、本発明に係る光SSB変調器は、小型で、かつ、無給電で動作する無線−光信号変換デバイスであり、ミリ波帯による次世代無線通信システムの構築が期待される今日において、実用的価値は極めて高い。
図1は、実施の形態における光SSB変調器の構成を示す外観図である。 図2は、実施の形態における光SSB変調器のアンテナ及び共振型電極の大きさ及びレイアウトの一例を示す図である。 図3は、実施の形態における光SSB変調器の動作原理を説明する図である。 図4は、実施の形態における光SSB変調器のアンテナ電極の動作を示す図である。 図5Aは、時刻t=t0において、光SSB変調器の第1変調部の第1共振型電極の中心に位置する光波が第1共振型電極上に立つ2波長分の定在波による変調電界を見る電界分布を説明する図である。 図5Bは、時刻t=t0+T/4において、光SSB変調器の第1変調部の第2共振型電極の中心に位置する光波が第2共振型電極上に立つ2波長分の定在波による変調電界を見る電界分布を説明する図である。 図5Cは、時刻t=t0において、光SSB変調器の第2変調部の第1共振型電極の中心に位置する光波が第1共振型電極上に立つ2波長分の定在波による変調電界を見る電界分布を説明する図である。 図5Dは、時刻t=t0+T/4において、光SSB変調器の第2変調部の第2共振型電極の中心に位置する光波が第2共振型電極上に立つ2波長分の定在波による変調電界を見る電界分布を説明する図である。 図6は、実施の形態における光SSB変調器のアンテナの共振特性を示す図である。 図7は、実施の形態における光SSB変調器の共振型電極の給電位置を変化させたときの給電点での反射係数を説明する図である。 図8は、実施の形態における光SSB変調器のアンテナ電極の電界についての解析結果を示す図である。 図9は、実施の形態における光SSB変調器の動作を確認するための実験装置の構成を示すブロック図である。 図10は、図9に示される実験装置による実験結果を示す図である。 図11は、図10におけるUSBを復調して得られた無線信号の周波数依存性(実験結果)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
図1は、実施の形態における光SSB変調器10の構成を示す外観図である。ここでは、光SSB変調器10の上方斜めから見た透視的な外観図(図1の(a))と、図1の(a)における破線枠で囲まれた面で切断して得られる断面図(図1の(b)とが図示されている。また、本図には、説明の便宜のために、互いに直交するx軸、y軸及びz軸も示されている。
光SSB変調器10は、光波をミリ波等の無線信号5で変調することによりSSB変調された光信号(光SSB変調信号)を出力する電気光学変調器であり、図1の(a)に示されるように、主要な構成要素として、誘電性材料からなる電気光学結晶基板12と、電気光学結晶基板12に形成され第1光導波路31及び第2光導波路32を有するマッハツェンダー型光導波路30と、無線信号5を受信するアンテナ21と、アンテナ21に接続され第1光導波路31及び第2光導波路32のそれぞれに沿って設けられた第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bとを備える。なお、第1共振型電極22aと第2共振型電極22bとを合わせて、共振型電極22と呼ぶ。
電気光学結晶基板12には、第1光導波路31を進行する光波に対してcos変調を与えるように第1共振型電極22aに対向する領域の一部に分極反転構造23が形成され、かつ、第2光導波路32を進行する光波に対してsin変調を与えるように第2共振型電極22bに対向する領域の一部にも分極反転構造23が形成されている。なお、「分極反転構造」とは、自発分極の向きが周りと異なる(例えば、分極反転構造が施された箇所の自発分極の向きがz軸の正方向で、周りがz軸の負方向となる)構造をいう。また、「第1光導波路31を進行する光波に対してcos変調を与え、かつ、第2光導波路32を進行する光波に対してsin変調を与える」とは、第1光導波路31を進行する光波と第2光導波路32を進行する光波とに対して、位相がπ/2(つまりT/4)ずれたタイミングで位相変化量が最大となるように変調を施すことをいう。Tは、無線信号5の周波数(対象周波数)に対応する周期である。
また、光SSB変調信号を生成するために、第1光導波路31及び第2光導波路32には、光波におけるπ/2の位相差(1/4波長分の長さ)に相当する光路差(光バイアス)が与えられている。つまり、第1光導波路31及び第2光導波路32の一方(本実施の形態では、第1光導波路31)の光路が、他方(本実施の形態では、第2光導波路32)の光路よりも、光波におけるπ/2の位相差に相当する長さだけ長くなるように、第1光導波路31の一部に湾曲部31aが形成されている。
なお、マッハツェンダー型光導波路30は、図面に向かって左端部(y軸の負方向の端部)に光波が入力又は出力される第1ポート30aを有し、右端部(y軸の正方向の端部)に光SSB変調信号が出力又は入力される第2ポート30bを有する(本実施の形態では、第1ポート30aを入力ポートとし、第2ポート30bを出力ポートとして使用している)。また、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bは、定在波共振型電極であり、分極反転構造23によって変調位相を制御しやすいように、対象周波数における2波長分の長さを有し、互いに両端が短絡されている。
ここで、第1光導波路31及び第2光導波路32は、互いに並行(ここでは、y軸方向に並行)して延在するように電気光学結晶基板12に形成されている。また、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bは、それぞれ第1光導波路31及び第2光導波路32に沿って、互いに並行して(ここでは、y軸方向に並行して)電気光学結晶基板12上(ここでは、下面)に延在するように設けられている。そして、アンテナ21は、電気光学結晶基板12上(ここでは、下面)に設けられ、平面視において、第1共振型電極22aに直交する(ここでは、y軸方向に延びる)ように接続される第1アンテナ素子21a、及び、第2共振型電極22bに直交するように接続される第2アンテナ素子21bを有する。第1アンテナ素子21aと第2アンテナ素子21bとは、電気光学結晶基板12上(ここでは、下面)において、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bに対して、対称(線対称)の位置に設けられている。
より具体的には、第1アンテナ素子21aが第1共振型電極22aと接続される接続点は、第1共振型電極22aにおける、第1アンテナ素子21aと第1共振型電極22aとがインピーダンス整合する複数の接続点のうち、第1共振型電極22aの端部(ここでは、第1ポート30aに近い端部)に最も近い接続点である。同様に、第2アンテナ素子21bが第2共振型電極22bと接続される接続点は、第2共振型電極22bにおける、第2アンテナ素子21bと第2共振型電極22bとがインピーダンス整合する複数の接続点のうち、第2共振型電極22bの端部(ここでは、第1ポート30aに近い端部)に最も近い接続点である。
なお、本実施の形態では、アンテナ21、第1共振型電極22a、第2共振型電極22b及び分極反転構造23を一組の変調部とした場合に、第1光導波路31及び第2光導波路32に沿う複数の箇所のそれぞれに、4つの変調部(第1変調部20a、第2変調部20b、第3変調部20c及び第4変調部20d)が、この並び順で、設けられている。ここで、第1変調部20a及び第3変調部20cを構成する分極反転構造23は、同一の第1分極反転構造を有し、一方、第2変調部20b及び第4変調部20dを構成する分極反転構造23は、第1分極反転構造とは異なる、同一の第2分極反転構造を有する。
このような複数の変調部(アレイアンテナ電極と分極反転構造)により、第1光導波路31及び第2光導波路32を進行する光波は、複数の箇所に設けられた変調部によって変調を受けるので、一つの変調部によって変調を受ける場合に比べ、それぞれ、より歪みの少ないcos変調及びsin変調を受けて合波され、不要な側波帯がより抑圧された光SSB変調信号が生成される。また、複数の変調部において同一の方向から入射する無線信号5に対して最も強い光SSB変調信号が生成されるので、無線信号5の入射方向についての指向性が強くなる。
また、光SSB変調器10は、図1の(b)に示されるように、最上層から、電気光学結晶基板12、バッファ層14、接着剤16及びベース基板18で構成される積層構造を有する。
電気光学結晶基板12は、強誘電性の材料(例えば、z−cut LiNbO又はz−cut LiTaO)からなる厚さ約50μmの平板状の基板である。電気光学結晶基板12の下面に、第1光導波路31及び第2光導波路32を有するマッハツェンダー型光導波路30が形成されている。また、電気光学結晶基板12には、第1共振型電極22aに対向する領域の一部に分極反転構造23が形成され、第2共振型電極22bに対向する領域の一部にも分極反転構造23が形成されている。
バッファ層14は、電気光学結晶基板12の下面を覆う絶縁層であり、例えば、厚さ0.2μmのSiOからなる薄膜である。バッファ層14の下面には、アンテナ21、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bが設けられている。第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bは、それぞれ、第1光導波路31及び第2光導波路32の直下に設けられる。本実施の形態では、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bは、それぞれ、断面視における端部の直上に第1光導波路31及び第2光導波路32が位置するように、バッファ層14の下面に設けられている。
接着剤16は、アンテナ21、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bが設けられたバッファ層14とベース基板18とを接着する部材であり、例えば、紫外線硬化型樹脂からなる接着剤である。
ベース基板18は、光SSB変調器10の実効誘電率を減少させてアンテナ21及び共振型電極22の性能を向上させるため、並びに、アンテナ21、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bが設けられたバッファ層14が形成された電気光学結晶基板12に外力が加わったときに割れてしまうことを防止するために補強する基板であり、例えば、底面にグランドパターンが施された、厚さ約250μmのSiOからなる基板である。
以上のように構成された本実施の形態における光SSB変調器10は、次の工程で、製造される。つまり、図1の(b)に示される断面図を上下反転した状態で、下層(つまり、電気光学結晶基板12)から上層に向けて、製造していく。
まず、電気光学結晶基板12を準備し、電気光学結晶基板12上の所望の部分にパルス電圧を選択的に印加することにより、分極反転構造23を形成する。次に、分極反転構造23を施した電気光学結晶基板12の表面に、安息香酸プロトン交換法によりマッハツェンダー型光導波路30を形成する。第1光導波路31及び第2光導波路32は、例えば、幅約4μm、深さ約1.5μmである。
次に、電気光学結晶基板12の表面全域にSiOからなるバッファ層14を形成し、バッファ層14の上に、フォトリソグラフィ技術によって、第1光導波路31及び第2光導波路32の直上の位置にそれぞれアルミニウム製の第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bを作製するとともに、アルミニウム製のアンテナ21を作成する。アンテナ21及び共振型電極22の大きさ及びレイアウト例は、図2に示される通りであり、本実施の形態では、59GHz(ミリ波)の無線信号5を対象周波数として共振する値に設計されている。つまり、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bは、内側間の距離が30μm、外側間の距離が90μmとなるように、間隔をおいて互いに並行して延在する長さが2.460mm(電気長が2波長分)の直線部で構成される。第1アンテナ素子21a及び第2アンテナ素子21bは、長さが546μm(電気長が半波長)の辺で囲まれた正方形の放射板と、幅が50μmの配線パターンとで構成されるパッチアンテナとして形成され、それぞれ、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bの長手方向(y軸方向)の中心から1.10mmずれた位置で第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bに接続される。また、4つの変調部(第1変調部20a、第2変調部20b、第3変調部20c及び第4変調部20d)は、3.50mm間隔で配置される。なお、これらのアンテナ21及び共振型電極22の大きさ及びレイアウト、並びに、4つの変調部の間隔は、下層(バッファ層14、電気光学結晶基板12及びベース基板18)の誘電率等から定まる実効誘電率を考慮し、59GHzの無線信号5に共振する値になっている。共振の詳細は、図5A〜図8を用いて後述する。
最後に、アンテナ21、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bが形成されたバッファ層の表面に接着剤16を塗布し、そこに、底面にグランドパターンが施されたベース基板18を、グランドパターンが施されていない面が接着されるように、貼り合わせる。
このようにして、本実施の形態における光SSB変調器10が製造される。
次に、以上のようにして製造された本実施の形態における光SSB変調器10の動作原理及び特徴的な構成について説明する。
図3は、本実施の形態における光SSB変調器10の動作原理を説明する図である。本図には、マッハツェンダー型光導波路30を進行する光波のスペクトル41〜44も併せて図示されている。なお、スペクトル41〜44を表す軸において、Reが付された軸は実数成分を示し、Imが付された軸は虚数成分を示し、fが付された軸は周波数を示す。
マッハツェンダー型光導波路30の第1ポート30aから入射された光波は、分波されて第1光導波路31及び第2光導波路32のそれぞれを進行する。
第1光導波路31及び第2光導波路32のそれぞれを進行する光波は、第1変調部20a〜第4変調部20dにおいて、互いに位相がπ/2ずれたタイミングで位相変化量が最大となるように変調を受ける。つまり、第1光導波路31を進行する光波は、第1変調部20a〜第4変調部20dにおいて、上方から入射した無線信号5がアンテナ21で受信されて第1共振型電極22aで生じた定在波による変調電界及び第1共振型電極22aに対向して設けられた分極反転構造23により、cos変調を受け、スペクトル41で示される信号成分をもつ光波となった後、湾曲部31aでπ/2の位相分だけ遅延され、その結果、スペクトル42で示される信号成分をもつ光波となる。一方、第2光導波路32を進行する光波は、第1変調部20a〜第4変調部20dにおいて、上方から入射した無線信号5がアンテナ21で受信されて第2共振型電極22bで生じた定在波による変調電界及び第2共振型電極22bに対向して設けられた分極反転構造23により、sin変調を受け、スペクトル43で示される信号成分をもつ光波となる。
その後、第1光導波路31を進行してきた、スペクトル42で示される信号成分をもつ光波と、第2光導波路32を進行してきた、スペクトル43で示される信号成分をもつ光波とは、第1光導波路31及び第2光導波路32の合流箇所で合成され、その結果、片側の側波帯がキャンセルされ、スペクトル44で示される信号成分をもつ光SSB変調信号となって、第2ポート30bから出力される。
図4は、本実施の形態における光SSB変調器10の第1変調部20a〜第4変調部20dのそれぞれを構成するアンテナ電極(アンテナ21と共振型電極22とを合わせたもの)の動作を示す図である。ここでは、4つの変調部(第1変調部20a〜第4変調部20d)のうちの一つの変調部を構成するアンテナ電極の動作が示されている。また、無線信号5は、上方から(Z軸の負方向に進行して)光SSB変調器10に入射している。
この場合、第1アンテナ素子21a及び第2アンテナ素子21bには、図4において、横軸をx軸、縦軸を電圧(V)とするグラフに示されるように、同相の電圧が誘起され、その結果、第1アンテナ素子21aから第2アンテナ素子21bに向かう矢印で示されるように、同一方向(x軸方向)に電流が流れる。これにより、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bに対して、奇対称に給電が行われ、奇モードで選択的に励起される。
図5A〜図5Dは、本実施の形態における光SSB変調器10の変調部(第1変調部20a〜第4変調部20d)を構成する分極反転構造23によるcos変調及びsin変調の原理を説明するための図である。
図5Aは、時刻t=t0において、第1変調部20aの第1共振型電極22aの中心(y軸方向の中心)に位置する光波が第1共振型電極22a上に立つ2波長分の定在波による変調電界を見る電界分布を説明する図である。図5Aの(a)は、電気光学結晶基板12に分極反転構造23が設けられていない場合に、時刻t=t0において第1変調部20aの第1共振型電極22aの中心に位置する光波が見る変調電界の分布を示す。本実施の形態では、図5Aの(b)に示されるように、第1変調部20aの第1共振型電極22a上に立つ2波長分の定在波のうちの先の一波長分(y軸上の負の領域)に対向する電気光学結晶基板12中の領域に分極反転構造23が設けられている。よって、第1共振型電極22a上に立つ2波長分の定在波のうちの先の一波長分の位相が反転され、時刻t=t0において第1変調部20aの第1共振型電極22aの中心に位置する光波が見る変調電界は、図5Aの(c)に示されるように、変調の極性が揃った分布となる。これによって、第1光導波路31を進行する光波が進行する際に逆の符号をもつ変調電界中を進行することによって累積的な変調成分がキャンセルされてしまう走行時間効果が補償され、第1光導波路31を進行する光波は、累積的な変調作用を受ける。
図5Bは、時刻t=t0+T/4において、第1変調部20aの第2共振型電極22bの中心(y軸方向の中心)に位置する光波が第2共振型電極22b上に立つ2波長分の定在波による変調電界を見る電界分布を説明する図である。図5Bの(a)は、電気光学結晶基板12に分極反転構造23が設けられていない場合に、時刻t=t0+T/4において第1変調部20aの第2共振型電極22bの中心に位置する光波が見る変調電界の分布を示す。本実施の形態では、図5Bの(b)に示されるように、第1変調部20aの第2共振型電極22b上に立つ2波長分の定在波のうちの最初の1/4波長及び最後の1/4波長に対向する電気光学結晶基板12中の領域に分極反転構造23が設けられている。よって、第2共振型電極22b上に立つ2波長分の定在波のうちの最初の1/4波長及び最後の1/4波長の位相が反転され、時刻t0+T/4において第1変調部20aの第2共振型電極22bの中心に位置する光波が見る変調電界は、図5Bの(c)に示されるように、変調の極性が揃った分布となる。これによって、第2光導波路32を進行する光波は、走行時間効果が補償され、累積的な変調作用を受ける。
図5Cは、時刻t=t0において、第2変調部20bの第1共振型電極22aの中心(y軸方向の中心)に位置する光波が第1共振型電極22a上に立つ2波長分の定在波による変調電界を見る電界分布を説明する図である。図5Cの(a)は、電気光学結晶基板12に分極反転構造23が設けられていない場合に、時刻t=t0において第2変調部20bの第1共振型電極22aの中心に位置する光波が見る変調電界の分布を示す。本実施の形態では、図5Cの(b)に示されるように、第2変調部20bの第1共振型電極22a上に立つ2波長分の定在波のうちの後の一波長分(y軸上の正の領域)に対向する電気光学結晶基板12中の領域に分極反転構造23が設けられている。よって、第1共振型電極22a上に立つ2波長分の定在波のうちの後の一波長分の位相が反転され、時刻t=t0において第2変調部20bの第1共振型電極22aの中心に位置する光波が見る変調電界は、図5Cの(c)に示されるように、変調の極性が揃った分布となる。これによって、第1光導波路31を進行する光波は、走行時間効果が補償され、累積的な変調作用を受ける。
図5Dは、時刻t=t0+T/4において、第2変調部20bの第2共振型電極22bの中心(y軸方向の中心)に位置する光波が第2共振型電極22b上に立つ2波長分の定在波による変調電界を見る電界分布を説明する図である。図5Dの(a)は、電気光学結晶基板12に分極反転構造23が設けられていない場合に、時刻t=t0+T/4において第2変調部20bの第2共振型電極22bの中心に位置する光波が見る変調電界の分布を示す。本実施の形態では、図5Dの(b)に示されるように、第2変調部20bの第2共振型電極22b上に立つ2波長分の定在波のうちの2つ目の1/4波長及び3つ目の1/4波長に対向する電気光学結晶基板12中の領域に分極反転構造23が設けられている。よって、第2共振型電極22b上に立つ2波長分の定在波のうちの2つ目の1/4波長及び3つ目の1/4波長の位相が反転され、時刻t0+T/4において第2変調部20bの第2共振型電極22bの中心に位置する光波が見る変調電界は、図5Dの(c)に示されるように、変調の極性が揃った分布となる。これによって、第2光導波路32を進行する光波は、走行時間効果が補償され、累積的な変調作用を受ける。
なお、第3変調部20cの分極反転構造23は、第1変調部20aの分極反転構造23と同じ構造であり、第4変調部20dの分極反転構造23は、第2変調部20bの分極反転構造23と同じ構造である。
このように、本実施の形態における光SSB変調器10の4つの変調部(第1変調部20a〜第4変調部20d)では、1/4周期ずれたタイミングで位相変化量が最大となるように、第1光導波路31及び第2光導波路32に対して分極反転が施されているので、第1光導波路31及び第2光導波路32を進行する光波に対して、それぞれ、cos変調及びsin変調が等価的に与えられる。
図6は、本実施の形態における光SSB変調器10のアンテナ21の共振特性を示す図である。ここでは、電磁界シミュレータ(HFSS(Ansoft Corporationの登録商標))を用いて、上述したサイズのアンテナ21の片側の素子(第1アンテナ素子21a又は第2アンテナ素子21b)を対象とした共振特性(反射係数)を解析した結果が示されている。横軸は周波数であり、縦軸は解析で得られた反射係数S11である。本図から分かるように、上述したサイズのアンテナ21は、59GHzで共振する。
図7は、本実施の形態における光SSB変調器10の共振型電極22の給電位置を変化させたときの給電点での反射係数を説明する図である。図7の(a)は、給電位置を説明する図である。図7の(b)は、上記電磁界シミュレータを用いて、給電位置を変えたときの給電点における反射係数を解析した結果を示す図である。横軸は周波数であり、縦軸は解析で得られた反射係数S11である。
本解析では、図7の(a)に示されるように、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bの給電位置として、長手方向(y軸方向)の中心から左側(y軸の負方向)にずれた距離Δyを変えている。図7の(b)に示されるように、Δy=1.10mmのときに、反射係数S11が最小となった。このΔy=1.10mmで示される給電点は、アンテナ21と共振型電極22とがインピーダンス整合する(本実施の形態では、共振型電極22の入力インピーダンスが50Ωとなる)複数の接続点のうち、共振型電極22の左側の端部(第1ポート30aに近い端部)に最も近い接続点である。なお、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bの給電位置として、長手方向の中心から右側(y軸の正方向)にずれた距離(−Δy)を変えた場合についても、同様の結果が得られる。つまり、上記複数の接続点のうち、共振型電極22の右側の端部(第2ポート30bに近い端部)に最も近い接続点を給電位置とした場合にも、反射係数S11が最小となる。
この解析結果から、第1アンテナ素子21a及び第2アンテナ素子21bはそれぞれ第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bとインピーダンス整合する複数の接続点のうち第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bの端部に最も近い接続点で接続されて整合されるので、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bで不要な共振が生じることが抑制されるともに第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bで強い変調電界が生じ、出力される光SSB変調信号に不要な側波帯が残留してしまうことが抑制される。
図8は、本実施の形態における光SSB変調器10のアンテナ電極(アンテナ21と共振型電極22とを合わせたもの)の電界についての解析結果を示す図である。横軸は共振型電極22における位置を示し、縦軸は、その位置における共振型電極22での電界の増倍率、つまり、アンテナ21に誘起されたx軸方向における入射電界Eに対する共振型電極22で生じた定在波によるz軸方向の電界Eの比(E/E)を示している。
本図から分かるように、入射電界の約130倍もの極めて強い電界で、かつ、cos波形及びsin波形に近い歪の少ない電界が共振型電極22で生じている。このように、本実施の形態における光SSB変調器10のアンテナ電極の構造により、第1共振型電極及び第2共振型電極の一方だけに対して変調信号を供給する従来技術と異なり、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bの両方に対して変調信号が供給されて第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bにおいて定在波共振が生じ、極めて強くて、かつ、歪の少ない変調電界が発生するので、第1光導波路31及び第2光導波路32を進行する光波に対して歪の少ないcos変調及びsin変調が施され、従来技術よりも不要な側波帯が抑圧された光SSB変調信号が生成される。
図9は、本実施の形態における光SSB変調器10の動作を確認するための実験装置の構成を示すブロック図である。
光SSB変調器10の第1ポート30aには、搬送波として、レーザー素子50から出射された1.5〜1.6μmの波長のレーザーが、レンズ51で集光された後に、入射される。
また、光SSB変調器10のアンテナに向けて、変調信号として、発振器60から出力された約60GHzの無線信号が増幅器61で増幅された後に、ホーンアンテナ62を介して、供給される。
光SSB変調器10の第2ポート30bから出力される光波(光SSB変調信号)は、レンズ52で集光された後に、光ファイバー53を介して光スペクトラムアナライザ55に入力され、周波数分析される。
図10は、図9に示される実験装置による実験結果を示す図である。ここでは、図9における光スペクトラムアナライザ55で得られたスペクトラムの例を示す図である。
図10の(a)は、光波(つまり、搬送波)として1534nmの波長のレーザーを用いてLSB(下側側波帯)を抑圧した光SSB変調信号を生成した場合におけるスペクトルが示されている。USB(上側側波帯)については、搬送波のピークよりも49.28dB低い値でピークが観測され、一方、LSB(下側側波帯)については、ほとんど観測されておらず、強く抑圧されていることが分かる。
図10の(b)は、光波(つまり、搬送波)として1565.5nmの波長のレーザーが用いてUSB(上側側波帯)を抑圧した光SSB変調信号を生成した場合におけるスペクトルが示されている。LSB(下側側波帯)については、搬送波のピークよりも49.50dB低い値でピークが観測され、一方、USB(上側側波帯)については、ほとんど観測されておらず、強く抑圧されていることが分かる。
図11は、図10におけるUSB(上側側波帯)を復調して得られた実験結果としての無線信号の周波数依存性(丸印のプロット)を示す図である。
以上の実験結果から分かるように、本実施の形態における光SSB変調器10によれば、無線信号によって光波が変調され、不要な側波帯が抑圧された光SSB変調信号が生成される。
以上、本発明の光SSB変調器について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、光SSB変調器10に、4つの変調部(第1変調部20a、第2変調部20b、第3変調部20c及び第4変調部20d)が設けられたが、1つの変調部だけが設けられてもよい。1つの変調部だけが設けられる場合であっても、上述した特徴的な構造を有するアンテナ電極によって、第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bの両方に対して変調信号が供給されて第1共振型電極22a及び第2共振型電極22bにおいて定在波共振が生じ、極めて強くて、かつ、歪の少ない変調電界が発生するので、第1光導波路31及び第2光導波路32を進行する光波に対して歪の少ないcos変調及びsin変調が施され、従来技術よりも不要な側波帯が抑圧された光SSB変調信号が生成される。そして、1つの変調部だけが設けられた光SSB変調器は、複数の変調部が設けられた光SSB変調器に比べ、無線信号の入射方向についての指向性が緩和される。
また、上記実施の形態では、光SSB変調器10のアンテナ21は、パッチアンテナであったが、これに限られず、他のタイプの平面アンテナ、例えば、ダイポールアンテナ等であってもよい。
また、上記実施の形態では、光SSB変調器10のアンテナ21及び共振型電極22は、59GHzの無線信号5を対象とするサイズ及びレイアウト例が示されたが、本形態における光SSB変調器10は、少なくとも10GHz〜60GHzで動作することが確認されている。原理的には、上記実施の形態における光SSB変調器10は、300MHz〜300GHzの無線信号を対象とした場合であっても動作し、上記実施の形態と同様の効果を発揮し得る。
また、上記実施の形態では、第1光導波路31及び第2光導波路32にπ/2の位相差に相当する光路差(光バイアス)を与えるために、第1光導波路31に湾曲部31aが設けられたが、これに代えて、第2光導波路32に同様の湾曲部が設けられてもよい。
本発明に係る光SSB変調器は、小型で、かつ、無給電で動作する無線−光信号変換デバイスとして、例えば、ミリ波無線を光信号に変換して伝送するRoF方式の伝送システムにおける変調器として、利用できる。
5 無線信号
10 光SSB変調器
12 電気光学結晶基板
14 バッファ層
16 接着剤
18 ベース基板
20a〜20d 変調部
21 アンテナ
21a 第1アンテナ素子
21b 第2アンテナ素子
22 共振型電極
22a 第1共振型電極
22b 第2共振型電極
23 分極反転構造
30 マッハツェンダー型光導波路
30a 第1ポート
30b 第2ポート
31 第1光導波路
31a 湾曲部
32 第2光導波路
50 レーザー素子
51、52 レンズ
53 光ファイバー
55 光スペクトラムアナライザ
60 発振器
61 増幅器
62 ホーンアンテナ

Claims (5)

  1. 光波を無線信号で変調することによりSSB(Single Side Band)変調された光信号を出力する光SSB変調器であって、
    誘電性材料からなる電気光学結晶基板と、
    前記電気光学結晶基板に形成され、第1光導波路及び第2光導波路を有するマッハツェンダー型光導波路と、
    前記無線信号を受信するアンテナと、
    前記アンテナに接続され、前記第1光導波路及び前記第2光導波路のそれぞれに沿って設けられた第1共振型電極及び第2共振型電極とを備え、
    前記電気光学結晶基板には、前記第1光導波路を進行する光波に対してcos変調を与えるように前記第1共振型電極に対向する領域の一部に分極反転構造が形成され、かつ、前記第2光導波路を進行する光波に対してsin変調を与えるように前記第2共振型電極に対向する領域の一部に分極反転構造が形成され、
    前記第1光導波路及び前記第2光導波路の一方の光路は、他方の光路よりも、前記光波におけるπ/2の位相差に相当する長さだけ長い
    光SSB変調器。
  2. 前記第1光導波路及び前記第2光導波路は、互いに並行して延在するように前記電気光学結晶基板上に形成され、
    前記第1共振型電極及び前記第2共振型電極は、それぞれ前記第1光導波路及び前記第2光導波路に沿って、互いに並行して延在するように前記電気光学結晶基板上に設けられ、
    前記アンテナは、前記電気光学結晶基板上に設けられ、前記第1共振型電極に直交するように接続される第1アンテナ素子、及び、前記第2共振型電極に直交するように接続される第2アンテナ素子を有し、
    前記第1アンテナ素子と前記第2アンテナ素子とは、前記電気光学結晶基板上において、前記第1共振型電極及び前記第2共振型電極に対して、対称の位置に設けられている
    請求項1記載の光SSB変調器。
  3. 前記第1アンテナ素子が前記第1共振型電極と接続される接続点は、前記第1共振型電極における、前記第1アンテナ素子と前記第1共振型電極とがインピーダンス整合する複数の接続点のうち、前記第1共振型電極の端部に最も近い接続点であり、
    前記第2アンテナ素子が前記第2共振型電極と接続される接続点は、前記第2共振型電極における、前記第2アンテナ素子と前記第2共振型電極とがインピーダンス整合する複数の接続点のうち、前記第2共振型電極の端部に最も近い接続点である
    請求項2記載の光SSB変調器。
  4. 前記アンテナ、前記第1共振型電極、前記第2共振型電極及び前記分極反転構造を一組の変調部とした場合に、前記第1光導波路及び前記第2光導波路に沿う複数の箇所のそれぞれに、前記変調部が設けられている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光SSB変調器。
  5. 前記変調部は、前記光波が進行する方向に沿って並ぶ第1変調部、第2変調部、第3変調部及び第4変調部を、この並び順で、含み、
    前記第1変調部及び前記第3変調部を構成する前記分極反転構造は、同一の第1分極反転構造を有し、
    前記第2変調部及び前記第4変調部を構成する前記分極反転構造は、前記第1分極反転構造とは異なる、同一の第2分極反転構造を有する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光SSB変調器。
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