JP2017040832A - 電気光学変調装置 - Google Patents

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村田 博司
Hiroshi Murata
博司 村田
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】無線信号を光信号に変換する際の変換効率を向上させることのできる電気光学変調装置を提供する。【解決手段】無線信号を光信号に変換する電気光学変調装置1であって、電気光学結晶からなる第1の結晶基板11と、無線信号により印加された電界に応じて屈折率が変化する光導波路12であって、第1の結晶基板11内に設けられ、光信号を第1の結晶基板11の主面に沿って伝送する光導波路12と、第1の結晶基板11の主面11a側に設けられ、無線信号を受信する第1のパッチアンテナ13であって、光導波路12に沿ってギャップGが形成された第1のパッチアンテナ13と、第1のパッチアンテナ13に対向して設けられたグランド電極15と、第1のパッチアンテナ13に対向し、グランド電極15が設けられた側とは反対側に設けられた第2のパッチアンテナ23とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、無線信号を光信号に変換する電気光学変調装置に関する。
近年の無線通信技術の社会への浸透には目を見張るものがある。携帯電話はもちろん、ETC(Electric Toll Collection)やRFID(Radio
Frequency Identification)タグも現在では身近なものとなりつつある。今後も、多種多様な無線通信サービスの展開が計画されている。
特に、次世代無線通信の本命と考えられているミリ波は、周波数が高く大容量無線通信が可能である。しかし、ミリ波は電気ケーブルおよび自由空間中における伝搬損失が大きい。そこで、ミリ波無線通信のエリア(セル)を小さくして、セル間を光ファイバーで結ぶ無線・光融合通信方式が有効である。ミリ波無線・光融合通信実現のためには、小型で簡便に無線信号を光信号に変換できるデバイスが重要である。
このようなデバイスの一例として、特許文献1には、アンテナと光変調器を融合させた無線−光信号変調装置が開示されている。この装置では、分極反転構造を有する電気光学結晶基板に、複数の光導波路と、複数の半波長ダイポールアンテナと変調電極(ストリップ線)を設けることで、無線信号を光信号に変換して分離している。
また、非特許文献1には、電気光学結晶基板に光導波路とパッチアンテナとグランド電極とを設けた電気光学変調装置が開示されている。
また、非特許文献2には、電気光学結晶基板に光導波路とパッチアンテナを設け、この結晶基板に、グランド電極が設けられた支持基板を接合した電気光学変調装置が開示されている。
そして、これら電気光学変調装置をそれぞれ用い、無線信号を光信号に変換している。
特開2009−60183号公報
村田、他2名、「微小なギャップを付けたパッチアンテナを用いた電気光学変調器」、信学技報、一般社団法人電子情報通信学会第7回光応用電磁界計測研究会、平成25年12月、第7号、p. 6−11 Wijayanto、他2名、「Electrooptic Millimeter-Wave-LightwaveSignal Converters Suspended to Gap-Embedded Patch Antennas on Low-k Dielectric Materials」、IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, VOL. 19, NO. 6, NOVEMBER/DECEMBER 2013
前述した電気光学変調装置を用いることで、無線信号を光信号に変換することは可能であるが、次世代ネットワークの実現に向けた研究開発では、さらなる変換効率の向上が求められている。
そこで、本発明は、無線信号を光信号に変換する際の変換効率が高い電気光学変調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電気光学変調装置は、電気光学結晶からなる第1の結晶基板と、前記無線信号により印加された電界に応じて屈折率が変化する光導波路であって、前記第1の結晶基板内に設けられ、前記光信号を前記第1の結晶基板の主面に沿って伝送する光導波路と、前記第1の結晶基板の主面側に設けられ、前記無線信号を受信する第1のパッチアンテナであって、前記光導波路に沿ってギャップが形成された第1のパッチアンテナと、前記第1のパッチアンテナに対向して設けられたグランド電極と、前記第1のパッチアンテナに対向し、前記グランド電極が設けられた側とは反対側に設けられた第2のパッチアンテナとを備える。
これによれば、第1の結晶基板の主面側に設けられた第1のパッチアンテナに対向して第2のパッチアンテナが設けられるので、第1のパッチアンテナで受信する無線信号の電界強度(受信利得)を増大させることができる。そのため、無線信号に対する光信号への変換効率が高まり、光導波路から大きな出力信号を得ることができる。
電気光学変調装置は、さらに、前記第1の結晶基板と前記グランド電極の間に設けられた第1の支持基板と、前記第1の結晶基板と前記第2のパッチアンテナの間に設けられた第2の支持基板とを備えていてもよい。
上記のように、第1の支持基板と第2の支持基板を設けることで、電気光学変調装置の機械的強度を向上させることができる。
さらに、電気光学結晶からなる第2の結晶基板であって、前記第2の支持基板の、前記第1の結晶基板が設けられた側とは反対側に設けられた第2の結晶基板を備え、前記第2のパッチアンテナが前記第2の結晶基板の主面側に設けられていてもよい。
上記のようにすることで、1段目のアンテナ構造体(第1の結晶基板、第1のパッチアンテナ、および、第1の支持基板を有する構造体)と、2段目のアンテナ構造体(第2の結晶基板、第2のパッチアンテナ、および、第2の支持基板を有する構造体)における、それぞれの構成要素の積層順序が同じになり、1段目と2段目のアンテナ構造体の実効的な誘電率を近づけることができる。そのため、無線信号の電界強度をさらに増大させることができ、無線信号に対する光信号への変換効率を高めることができる。
また、前記第1のパッチアンテナは、前記第1の支持基板と前記第1の結晶基板とに挟まれ、前記第2のパッチアンテナは、前記第2の支持基板と前記第2の結晶基板とに挟まれていてもよい。
上記のようにすることで、結晶基板を形成する場合に、結晶基板を容易に薄層化することができる。
本発明の電気光学変調装置によれば、無線信号を光信号に変換する際の変換効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る電気光学変調装置の斜視図である。 図1に示す電気光学変調装置のY1−Y1断面図である。 図1に示す電気光学変調装置に60GHzの無線信号を照射した場合の電界分布を示す図であり、(a)は第1のパッチアンテナと接する第1の結晶基板の表面、(b)は第2のパッチアンテナと接する第2の結晶基板の表面での電界分布を示す。 図3の(a)のラインl−l’ における電界強度最大値の周波数特性を示す図である。 比較例に係る電気光学変調装置の斜視図である。 実施の形態1の変形例に係る電気光学変調装置の断面図である。 本発明の実施の形態2に係る電気光学変調装置の断面図である。 本発明の実施の形態3に係る電気光学変調装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における電気光学変調装置は、アンテナで受信した無線信号を光信号に変換するものであり、アンテナとして複数のパッチアンテナ(平面型アンテナ)を用い、これらを上下に離して配置した構造をしている。本実施の形態における無線信号は、例えば、マイクロ波またはミリ波帯域の無線信号である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気光学変調装置1の斜視図であり、図2は、図1に示す電気光学変調装置1のY1−Y1断面図である。
この電気光学変調装置1は、1段目のアンテナ構造体10と2段目のアンテナ構造体20とを積層した構造を有する。1段目のアンテナ構造体10は、第1の結晶基板11と、光導波路12と、第1のパッチアンテナ13と、第1の支持基板14と、グランド電極15とを備えている。2段目のアンテナ構造体20は、第2の結晶基板21と、第2のパッチアンテナ23と、第2の支持基板24とを備え、1段目のアンテナ構造体10の上側(z方向)に接合されている。
まず、1段目のアンテナ構造体10について説明する。
第1の結晶基板11は、光学的異方性をもつ強誘電体の電気光学結晶からなる。電気光学結晶は、印加された電界に応じて屈折率が変化する性質を有している。第1の結晶基板11の材料は、例えば、z−cut LiNbO3であり、比誘電率εrは、xyz座標におけるそれぞれの方向において、εrx=43、εry=43、εrz=28である。なお、第1の結晶基板11の材料としては、LiNbO3だけでなく、例えば、LiTaO3やKTP(KTiOPO4)等であってもよい。第1の結晶基板11の厚みは、例えば、50μmである。
光導波路12は、第1の結晶基板11内に設けられ、光信号を第1の結晶基板11の主面11aに沿って伝送する線路である。この光導波路12は、無線信号により印加された電界に応じて屈折率が変化する。図1に示すように、光導波路12は、y方向と平行となるように形成されている。光導波路12は、例えば、LiNbO3からなる第1の結晶基板11を加熱融解した安息香酸(C65COOH)中に浸漬させ、結晶基板中のリチウムイオンと水素イオンを交換するプロトン交換法で形成される。光導波路12の断面の寸法は、例えば、幅4μm、高さ2μmである。
光導波路12には、光ファイバ(図示せず)を介してレーザ光が入射される。レーザ光は、光変調を行う際のキャリアとなる光波であり、例えば、波長1.55μmや波長1.3μmのレーザが用いられる。
第1のパッチアンテナ13は、第1の結晶基板11の主面11a側にバッファ層16を介して設けられる。第1のパッチアンテナ13には、光導波路12に沿って溝状のギャップGが形成されている。具体的には、第1のパッチアンテナ13は、x方向に隣り合う2つの平面電極13a、13bにより構成され、この2つの平面電極13a、13bの間(第1のパッチアンテナ13の中央)にギャップGが形成されている。平面電極13a、13bは、ともに四角形状であり、ギャップGを挟んで対称となるように配置されている。また、平面電極13a、13bは、平面電極13a、13bの対向する辺13cの一方が、前述した光導波路12に近接するように設けられている。ギャップGの距離は、例えば、5μmである。このギャップGの距離が短いほど、平面電極13a、13bの対向する辺13cの近傍における電界を強めることができる。
第1のパッチアンテナ13のx方向の長さ(ギャップGを含めた寸法)L1、および、y方向の長さL2は、ともに無線信号の半波長となるように設計されている。y方向の長さL2は、半波長以上1波長以下とすることもできる。
なお、本実施の形態における第1のパッチアンテナ13の長さL1は、0.63mmである。無線信号は、例えば、周波数60GHzで、x方向の偏波を有し、第1のパッチアンテナ13に対して垂直に照射される。
バッファ層16は、平面電極13a、13bと第1の結晶基板11との密着性を向上させるための下地層である。バッファ層16の材料は、例えば、SiO2であり、その厚みは、0.2μmである。この電気光学変調装置1では、第1の結晶基板11と第1のパッチアンテナ13との間にバッファ層16を設けているが、バッファ層16を設けずに、第1の結晶基板11の主面11aに接するように第1のパッチアンテナ13を形成してもよい。
グランド電極15は、第1のパッチアンテナ13に対向し、第1の結晶基板11から距離をあけて設けられる。グランド電極15は、第1のパッチアンテナ13に対して平行であり、アンテナ構造体における反射器として機能する。
第1の支持基板14は、第1の結晶基板11を支持する基板であり、第1の結晶基板11とグランド電極15の間に設けられる。具体的には、第1の結晶基板11の主面11a側に第1の支持基板14が接合され、第1の支持基板14の、第1の結晶基板11に接合した面と反対の面にグランド電極15が形成されている。
本実施の形態では、第1の結晶基板11の主面11a側に第1のパッチアンテナ13が形成されているので、第1のパッチアンテナ13は、第1の支持基板14と第1の結晶基板11とに挟まれている。第1の支持基板14と第1の結晶基板11とは、光学用接着剤などにより接合される。
第1の支持基板14の材料としては、第1の結晶基板11よりも比誘電率の低い材料が用いられる。第1の支持基板14は、例えば、SiO2などのガラスであり、比誘電率εrは、εr=4である。なお、第1の支持基板14は、ガラスに限られず、比誘電率が低い樹脂でもよい。第1の支持基板14の厚みは、例えば、250μmである。
次に2段目のアンテナ構造体20について説明する。
第2の結晶基板21は、第1の結晶基板11に対して平行で、グランド電極15が設けられた側とは反対の位置に、所定の距離をあけて設けられる。第2の結晶基板21も、第1の結晶基板11と同じ材料の電気光学結晶からなる。また、第2の結晶基板21の厚みは、第1の結晶基板11と同じ厚みである。
第2のパッチアンテナ23は、第2の結晶基板21の主面21a側にバッファ層26を介して設けられる。第2のパッチアンテナ23は、第1のパッチアンテナ13に対向し、グランド電極15が設けられた側とは反対側に、第1の結晶基板11から距離をあけて設けられている。これにより、第2のパッチアンテナ23は、第1のパッチアンテナ13に対して平行となるように配置される。第2のパッチアンテナ23を設けることで、第1のパッチアンテナ13で受信する無線信号の電界強度(受信利得)を増大させることができる。
第2のパッチアンテナ23は、四角形状の1つの平面電極23aからなり、平面視して、第1のパッチアンテナ13の最外の外形に沿って第1のパッチアンテナ13を覆うように構成されている。本実施の形態では、第2のパッチアンテナ23の外形を、第1のパッチアンテナ13の最外の外形と一致させている。
第2のパッチアンテナ23の材料は、第1のパッチアンテナ13と同じ材料からなる。また、第2のパッチアンテナ23の厚みは、第1のパッチアンテナ13の厚みと同じである。
なお、バッファ層26の材料と厚みは、1段目のアンテナ構造体10のバッファ層16と同様である。1段目のアンテナ構造体10にバッファ層16を設けない場合は、2段目のアンテナ構造体20にもバッファ層26を設けない。
第2の支持基板24は、第1の結晶基板11と第2のパッチアンテナ23との間に設けられる。具体的には、第2の支持基板24は、第1の結晶基板11の主面11aと反対の面側に接合され、その接合した面とは反対の面に、第2の結晶基板21の主面21a側が接合されている。
本実施の形態では、第2の結晶基板21の主面21a側に第2のパッチアンテナ23が形成されているので、第2のパッチアンテナ23は、第2の支持基板24と第2の結晶基板21とに挟まれている。第2の支持基板24と第2の結晶基板21とは、光学用接着剤などにより接合される。
第2の支持基板24の材料としては、第2の結晶基板21よりも比誘電率の低い材料が用いられる。本実施の形態では、第2の支持基板24の材料は、第1の支持基板24と同じ材料からなる。また、第2の支持基板24の厚みは、第1の支持基板14の厚みと同じである。
1段目のアンテナ構造体10と2段目のアンテナ構造体20において、支持基板14、24と結晶基板11、21とアンテナ13、23の積層順序を同じにし、また、支持基板14、24および結晶基板11、21のそれぞれの材料と厚みを同じにすることで、各段のアンテナ構造体10、20の実効的な誘電率が同じになるように構成している。
次に、電気光学変調装置1に起きる無線−光信号変調作用について説明する。電気光学変調装置1にx偏波の平面波無線信号が照射された場合、第1のパッチアンテナ13を構成する平面電極13a、13bのx方向に電流が流れ、その電流の連続性からギャップGに変位電流が生じる。そのため、ギャップGの両端(平面電極13a、13bの対向する辺13cの近傍)に強い電界が生じる。そして、発生したこの電界により、光導波路12を進むレーザ光が変調される。このレーザ光を取り出して検出すると、キャリア周波数の高域側および低域側の両側に、無線信号の周波数ぶんずれた側波帯成分が現れる。すなわち、この電気光学変調装置1を用いることで、無線信号を光信号に変換して取り出すことができる。
ここで、ギャップGの両端に生じる電界について、電磁界解析シミュレーターを用いた解析結果を説明する。
図3は、電気光学変調装置1に60GHzの無線信号が照射された場合の電界分布を示す図であり、(a)は第1のパッチアンテナ13と接する第1の結晶基板11の表面、(b)は第2のパッチアンテナ23と接する第2の結晶基板21の表面での電界分布を示す。
図3の(a)および(b)において、正方形状の枠として見えるのが、第1のパッチアンテナ13の外形、および、第2のパッチアンテナ23の外形である。図3の(a)において、正方形状の枠の中央がギャップGである。図3の(a)に示すように、平面電極13a、13bの対向する辺13cの近傍において、黒色(正電界)と白色(負電界)が強調されており、それぞれの箇所において電界強度(Ez/E0)が大きくなっている。
この電界強度の大きい箇所(平面電極13a、13bの対向する辺13c)に近接して光導波路を配置することで、無線信号から光信号への変換効率を高めることができる。
図4は、図3の(a)のラインl−l’における電界強度最大値の周波数特性を示すものであり、実線は本実施の形態、破線は比較例である。
なお、比較例は、本実施の形態のうちの1段目のアンテナ構造体10のみを用いた。比較例の電気光学変調装置101は、図5に示すように、第1の結晶基板11と、光導波路12と、第1のパッチアンテナ13と、第1の支持基板14と、グランド電極15とを備えている。
本実施の形態のようにアンテナ構造を2段とすることで、ギャップGに生じる電界強度が、比較例に対して約1.5倍に増強していることがわかる。
また、本実施の形態は、その共振周波数が10%程度、高周波側にシフトしている。これは、アンテナ構造を2段にすることで、同じ動作周波数の1段のアンテナ構造と比べて、パッチアンテナの面積を大きく設計できることを意味している。アンテナの面積を大きくすると受信利得を大きくでき、また、アンテナの長さL2を大きくすると相互作用長を増大できる。
さらに、本実施の形態に係る電気光学変調装置1の製造方法について説明する。
1段目のアンテナ構造体10は、非特許文献2のFig.6(The fabrication process of the designed MMW-LW signal converter)の記載を参考に作製することができる。すなわち、第1の結晶基板11の主面11aに光導波路12を形成した後、バッファ層16を設け、さらに、第1のパッチアンテナ13を形成する。一方で、第1の支持基板14の一方の面にグランド電極15を形成する。そして、第1の結晶基板11の主面11a側を第1の支持基板14の他方の面に接合する。その後、第1の結晶基板11の裏面(主面11aと反対の面)を削ることで1段目のアンテナ構造体10を得る。
2段目のアンテナ構造体20も、非特許文献2のFig.6の記載のうちの、光導波路とグランド電極を除いて作製することができる。すなわち、第2の結晶基板21の主面21a側にバッファ層26を設け、さらに第2のパッチアンテナ23を形成し、第2の結晶基板21の主面21a側を第2の支持基板24に接合する。その後、第2の結晶基板21の裏面(主面21aと反対の面)を削ることで2段目のアンテナ構造体20を得る。
そして、1段目のアンテナ構造体10の第1の結晶基板11と、2段目のアンテナ構造体20の第2の支持基板24とを接合することで、本実施の形態に係る電気光学変調装置1を作製することができる。この製造方法によれば、支持基板に結晶基板を接合した後、その裏面を削っているので、薄層化した結晶基板を支持基板上に容易に形成できる。
本実施の形態に係る電気光学変調装置1は、1段目のアンテナ構造体10と2段目のアンテナ構造体20とを積層した構造をしている。これによれば、第1の結晶基板11の主面11a側に設けられた第1のパッチアンテナ13に対向して第2のパッチアンテナ23が設けられるので、第1のパッチアンテナ13で受信する無線信号の電界強度(受信利得)を増大させることができる。そのため、無線信号に対する光信号への変換効率が高まり、光導波路から大きな出力信号を得ることができる。
また、第1のパッチアンテナ13とグランド電極15との間隔、および、第1のパッチアンテナ13と第2のパッチアンテナ23との間隔を、それぞれ適切な間隔に設定した場合には、アンテナ全体の受信利得をさらに向上させることができる。また、アンテナの指向性を向上させることもできる。
また、電気光学変調装置1に、さらに、第1の支持基板14と第2の支持基板24を設けることで、電気光学変調装置の機械的強度を向上させることができる。
さらに、1段目のアンテナ構造体10と2段目のアンテナ構造体20における、それぞれの構成要素の積層順序を同じにすることで、1段目と2段目のアンテナ構造体10、20の実効的な誘電率を近づけることができる。そのため、無線信号の電界強度をさらに増大させることができ、無線信号に対する光信号への変換効率を高めることができる。
また、第1のパッチアンテナ13は、第1の支持基板14と第1の結晶基板11とに挟まれ、第2のパッチアンテナ23は、第2の支持基板24と第2の結晶基板21とに挟まれるように構成することで、結晶基板11、21を形成する場合に、結晶基板11、21を容易に薄層化することができる。
また、第1の支持基板14と第2の支持基板24、第1の結晶基板11と第2の結晶基板21の材料、厚みをそれぞれ同じにすることで、1段目のアンテナ構造体10と2段目のアンテナ構造体20の実効的な誘電率をほぼ同じにすることができる。そのため、無線信号の電界強度を確実に増大させることができ、無線信号に対する光信号への変換効率を高めることができる。
また、第1のパッチアンテナ13は、ギャップGを挟んで位置する2つの平面電極13a、13bにより構成され、第2のパッチアンテナ23は、平面視して、第1のパッチアンテナ13の最外の外形に沿って第1のパッチアンテナ13を覆う1つの平面電極23aにより構成してもよい。このように、第1のパッチアンテナ13と第2のパッチアンテナ23の外形をほぼ同じとすることで、1段目のアンテナ構造体10と2段目のアンテナ構造体20のアンテナ特性をほぼ同じにすることができる。そのため、無線信号の電界強度を確実に増大させることができ、無線信号に対する光信号への変換効率を高めることができる。
また、第1のパッチアンテナ13の2つの平面電極13a、13bは、ともに四角形状で、ギャップGを挟んで対称となるように配置されており、光導波路12は、2つの平面電極13a、13bの対向する辺13cの一方に近接して設けられていてもよい。
上記のように、光導波路12が、2つの平面電極13a、13bの対向する辺13cの一方に近接して設けられていることで、電界強度の大きい箇所である平面電極の辺13cにおける無線信号を光信号に変換することができる。そのため、無線信号に対する光信号への変換効率を高めることができる。
(変形例)
ここで図6を参照して、実施の形態1の変形例について説明する。
なお、以下の図において、前述した図1に示す電気光学変調装置1と同じ構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する。
変形例にかかる電気光学変調装置1Aは、2つのアンテナ構造体10A、20Aを積層している点で実施の形態1と同じであるが、パッチアンテナ13、23が形成された結晶基板11、21の上下の向きが異なる。
電気光学変調装置1Aは、第1の結晶基板11の主面11aと反対の面側(第1のパッチアンテナ13と光導波路12が形成されていない面側)と、第1の支持基板14とが接合している。また、第2の結晶基板21の主面21aと反対の面側(第2にパッチアンテナ23が形成されていない面側)と、第2の支持基板24とが接合している。
上記構造をした電気光学変調装置1Aであっても、前述した図1、図2に示す電気光学変調装置1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る電気光学変調装置について説明する。
図7は、実施の形態2に係る電気光学変調装置2の断面図である。この断面図は、光導波路12に垂直な面で切った場合の断面を示している。
電気光学変調装置2は、1段目のアンテナ構造体10Bは実施の形態1と同じであるが、2段目のアンテナ構造体20Bにおいて第2の結晶基板が存在せず、第2の支持基板24と第2のパッチアンテナ23のみで構成されている。
電気光学変調装置2は、第2のパッチアンテナ23が第2の支持基板24に接して形成されている。また、第2の支持基板24の、第2のパッチアンテナ23が形成されていない面を、第1の結晶基板11に接合させている。
上記構造をした電気光学変調装置2であっても、支持基板等の比誘電率を適切に設定することで、比較例よりも変換効率を向上させることが可能である。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る電気光学変調装置について説明する。
図8は、実施の形態3に係る電気光学変調装置3の断面図である。この断面図も、光導波路12に垂直な面で切った場合の断面を示している。
電気光学変調装置3は、3段のアンテナ構造となっている。すなわち1段目と2段目のアンテナ構造体10、20は、前述した実施の形態1と同じで、さらに3段目のアンテナ構造体30が、2段目のアンテナ構造体20の上側に接合されている。3段目のアンテナ構造体30は、2段目のアンテナ構造体20と同様の積層構造で、第3の結晶基板31と、第3の支持基板34と、第3のパッチアンテナ33とを備えている。
第3の結晶基板31は、第2の結晶基板21に対して平行で、第2のパッチアンテナ23が設けられた側とは反対の位置に、所定の距離をあけて設けられる。第3の結晶基板31も電気光学結晶基板であり、第1の結晶基板11と同じ材料からなる。また、第3の結晶基板31の厚みは、第1の結晶基板11と同じ厚みである。
第3のパッチアンテナ33は、第3の結晶基板31の主面31a側にバッファ層36を介して設けられる。第3のパッチアンテナ33は、第2のパッチアンテナ23に対向し、第2のパッチアンテナ23が設けられた側とは反対側に、第2の結晶基板21から距離をあけて設けられている。これにより、第3のパッチアンテナ33は、第1のパッチアンテナ13と第2のパッチアンテナ23に対して平行となるように配置される。第3のパッチアンテナ33を設けることで、無線信号の受信利得をさらに増大させることができる。
第3のパッチアンテナ33も、四角形状の1つの平面電極33aからなり、平面視して、第1のパッチアンテナ13の最外の外形に沿って第1のパッチアンテナ13を覆うように構成されている。
なお、バッファ層36の材料と厚みは、1段目のアンテナ構造体10のバッファ層16と同様である。
第3の支持基板34は、第2の結晶基板21と第3のパッチアンテナ33の間に設けられる。具体的には、第3の支持基板34は、第2の結晶基板21の主面21aと反対の面側に接合され、その接合した面とは反対の面に、第3の結晶基板31の主面31a側が接合されている。
本実施の形態では、第3の結晶基板31の主面31a側に第3のパッチアンテナ33が形成されているので、第3のパッチアンテナ33は、第3の支持基板34と第3の結晶基板31とに挟まれている。第3の支持基板34と第3の結晶基板31とは、光学用接着剤などにより接合される。
第3の支持基板34の材料としては、第3の結晶基板31よりも比誘電率の低い材料が用いられる。本実施の形態では、第3の支持基板34の材料は、第1の支持基板14と同じ材料からなる。また、第3の支持基板34の厚みは、第1の支持基板14の厚みと同じである。
3段に積層されたアンテナ構造において、支持基板14、24、34と結晶基板11、21、31とアンテナ13、23、33のそれぞれの積層順序を同じにし、また、支持基板14、24、34および結晶基板11、21、31のそれぞれの材料と厚みを同じにすることで、各段のアンテナ構造体10、20、30の実効的な誘電率が同じになるように構成している。
上記構造をした電気光学変調装置3では、実施の形態1に示す電気光学変調装置1よりもさらに変換効率を向上させることができる。また、段数を増やせば、さらに変換効率を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る電気光学変調装置について説明したが、本発明は、個々の実施の形態及びその変形例には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態及びその変形例に施したものや、異なる実施の形態及びその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、結晶基板と支持基板の間、支持基板と電極(グランド電極や平面電極)の間、結晶基板と平面電極の間に、別の中間層や空気層があってもよい。また、光導波路を2本にし、平面電極の対向する辺の両方に近接してそれぞれ設けてもよい。また、複数の電気光学変調装置をy方向につなげてアレイ化してもよい。
本発明の電気光学変調装置は、携帯電話、ETC、RFIDタグなどを用いた無線通信サービスに広く利用できる。
1、1A、2、3 電気光学変調装置
10、10A 1段目のアンテナ構造体
11 第1の結晶基板
11a 第1の結晶基板の主面
12 光導波路
13 第1のパッチアンテナ
13a、13b 平面電極
13c 平面電極の対向する辺
14 第1の支持基板
15 グランド電極
16 バッファ層
20、20A 2段目のアンテナ構造体
21 第2の結晶基板
21a 第2の結晶基板の主面
23 第2のパッチアンテナ
23a 第2のパッチアンテナの平面電極
24 第2の支持基板
26 バッファ層
G ギャップ
L1、L2 アンテナの長さ

Claims (4)

  1. 無線信号を光信号に変換する電気光学変調装置であって、
    電気光学結晶からなる第1の結晶基板と、
    前記無線信号により印加された電界に応じて屈折率が変化する光導波路であって、前記第1の結晶基板内に設けられ、前記光信号を前記第1の結晶基板の主面に沿って伝送する光導波路と、
    前記第1の結晶基板の主面側に設けられ、前記無線信号を受信する第1のパッチアンテナであって、前記光導波路に沿ってギャップが形成された第1のパッチアンテナと、
    前記第1のパッチアンテナに対向して設けられたグランド電極と、
    前記第1のパッチアンテナに対向し、前記グランド電極が設けられた側とは反対側に設けられた第2のパッチアンテナと
    を備える
    電気光学変調装置。
  2. さらに、
    前記第1の結晶基板と前記グランド電極の間に設けられた第1の支持基板と、
    前記第1の結晶基板と前記第2のパッチアンテナの間に設けられた第2の支持基板と
    を備える
    請求項1に記載の電気光学変調装置。
  3. さらに、
    電気光学結晶からなる第2の結晶基板であって、前記第2の支持基板の、前記第1の結晶基板が設けられた側とは反対側に設けられた第2の結晶基板
    を備え、
    前記第2のパッチアンテナが前記第2の結晶基板の主面側に設けられている
    請求項2に記載の電気光学変調装置。
  4. 前記第1のパッチアンテナは、前記第1の支持基板と前記第1の結晶基板とに挟まれ、
    前記第2のパッチアンテナは、前記第2の支持基板と前記第2の結晶基板とに挟まれる
    請求項3に記載の電気光学変調装置。
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