JP6739089B1 - 偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物の製造方法 - Google Patents

偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】用紙において、目視上無彩色となる面から、有彩色の潜像又は背景を複写物上に表す機能を有すると共に、複写機によるカラーコピーで再現することができず、更に、色数を増やすことなく、用紙の識別が可能である偽造防止印刷物を提供する。【解決手段】偽造防止印刷物1は、複写対象部4と複写不可部5とが、有彩色の第1インキで表された偽造防止印刷と、識別コード8が、有彩色かつ赤外線吸収特性を有する第2インキで表された刷り合わせ印刷とが刷り重なった無彩色の用紙であり、その複写物は、偽造防止印刷の潜像部6であった複写対象部4に相当する箇所のみが第1インキの有彩色で現れ、また、赤外線読み取り装置によって、識別コード8から所定の情報が読み取られる。【選択図】図1

Description

本発明は、原本か否かを識別することができる偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物の製造方法に関するものである。
従来、複写機による偽造防止対策として複写物上に潜像が現れる技術が用いられてきたが、カラーコピー機の普及に応じて、例えば、下記特許文献1では、補色の関係にある2色のインキの刷り重ねで、目視上、無彩色とした面から、カラーコピーした際に、有彩色の潜像が複写物上に現れる偽造防止印刷物が提案されている。また、下記特許文献2に記載されたセキュリティシステムは、非カーボンインクで施された印刷面上に、目視不可能なドットパターンが、赤外線を吸収する特性を有するカーボンインクで印刷されている。
特開2005−88276号公報 特開2006−338690号公報
上記した偽造防止印刷物は、カラーコピーに対応した有効な発明ながら、例えば、用紙の種類や製造時期等、用紙を識別するための手段がない。仮に、この偽造防止印刷物に、上記したセキュリティシステムにあるような、赤外吸収性を有するインキで、ドットパターンが目視不能に刷り重ねられた場合、ドットパターンを印刷するためのインキが1色増えることから、濃度が濃くなり、複写した際の潜像と背景とのコントラスト差が現れ難くなるため、偽造防止効果が低下する。また、1色増えることによる工程上のコストアップは避けられない。特に、ドットパターンがブラックであれば、複写機に備わったカーボンブラックのトナーによって、ドットパターンも赤外吸収性も再現されるため、事実上、ドットパターンの機能が複写機で再現されてしまう。
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、用紙において、目視上無彩色となる面から、有彩色の潜像を複写物上に表す機能を有すると共に、複写機によるカラーコピーで再現することができず、更に、色数を増やすことなく、用紙の識別が可能である偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物の製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る偽造防止印刷物は、補色関係にある有彩色の第1のインキと第2のインキを用いて、第1のインキでは複写物上に潜像が現れる偽造防止印刷を、第2のインキでは複写機で再現されない小さい点で構成された識別コードを、目視上、略均一状の無彩色の面を成す様に刷り重ねることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る偽造防止印刷物は、複写機で再現可能な大きい点の集合体もしくは線群と、複写再現能力に満たない小さな点の集合体もしくは線群とが組み合わさって構成された潜像及びその背景が、有彩色かつ赤外線を吸収しない第1のインキで表された偽造防止印刷と、複写再現能力に満たない小さな点で構成されて、目視上、前記小さな点の配列が略均一状の面を形成してなる識別コードが、前記第1のインキと合成すると無彩色になる有彩色かつ赤外線を吸収する第2のインキで表された刷り合わせ印刷と、が刷り重なり、目視上、前記第1のインキの色と前記第2のインキの色とが合成された合成色としての無彩色となる略均一状の面を形成してなる偽造防止印刷物であって、当該偽造防止印刷物における前記略均一状の面からは、赤外光で前記識別コードを読み取る光学装置で前記識別コードが読み取れ、かつ、その複写物上には、当該偽造防止印刷物における前記略均一状の面を形成している無彩色と異なる有彩色の前記第1のインキの色により、前記潜像又は前記背景が目視できる状態で現れる、ことを特徴とする。
本発明に係る偽造防止印刷物の製造方法は、複写機で再現可能な大きい点の集合体もしくは線群と、複写再現能力に満たない小さな点の集合体もしくは線群とを組み合わせ、潜像及びその背景を構成した偽造防止印刷を、有彩色かつ赤外線を吸収しない第1のインキで印刷する偽造防止印刷工程と、複写再現能力に満たない小さな点で構成されて、目視上、前記小さな点の配列が略均一状の面を形成してなる識別コードを有する刷り合わせ印刷を、前記第1のインキと合成すると無彩色になる有彩色かつ赤外線を吸収する第2のインキで印刷する刷り合わせ印刷工程と、を有し、前記偽造防止印刷工程と前記刷り合わせ印刷工程とを経て前記偽造防止印刷と前記刷り合わせ印刷とを刷り重ねることによって、目視上、前記第1のインキの色と前記第2のインキの色とを合成した合成色としての無彩色となる略均一状の面を形成し、当該略均一状の面からは、赤外光で前記識別コードを読み取る光学装置で前記識別コードが読み取れ、かつ、その複写物上には前記略均一状の面を形成している無彩色と異なる有彩色の前記第1のインキの色により、前記潜像又は前記背景が目視できる状態で現れる、ことを特徴とする
本発明に係る偽造防止印刷物は、前記複写再現能力に満たない小さな点の一群によって、前記識別コードが構成され、前記一群における前記小さな点の面積率が、5から25パーセントであることが好ましい。
本発明に係る偽造防止印刷物の製造方法は、前記刷り合わせ印刷工程において、前記複写再現能力に満たない小さな点の一群によって、前記識別コードを構成し、前記一群における前記小さな点の面積率を、5から25パーセントとすることが好ましい。
本発明に係る偽造防止印刷物は、前記第2のインキが、分光波長890ナノメートルの反射率が60パーセント以下となる濃度で印刷されているものであることが好ましい。
本発明に係る偽造防止印刷物の製造方法は、前記刷り合わせ印刷工程において、前記第2のインキを、分光波長890ナノメートルの反射率が60パーセント以下となる濃度で印刷するものであることが好ましい。
本発明に係る偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物の製造方法によれば、赤外線を吸収する第2のインキで識別コードが表されているため、光学装置によって、識別コードから所定の情報が読み取られる。光学装置が音声を発する機能を有していれば、読み取った所定の情報に応じて、例えば、「A社発行」という音声が発せられる。したがって、用紙の識別が可能となる。
識別コードは、複写再現能力に満たない小さな点であるため、本来、複写機による複製はできないが、仮に、スキャナー等で精密に複製された場合であっても、一般的に、レーザープリンターのトナーやインクジェットプリンターのインクは、ブラック以外の色では赤外線を吸収しないため、赤外光で識別コードを読み取る光学装置では、複製物の識別コードから所定の情報を読み取ることができない。また、仮に、モノクロ出力で複製したとしても、識別コードは第1のインキで表された偽造防止印刷に刷り重なった状態で複製されるため、識別コードを単独で表すことができず、やはり所定の情報を読み取ることはできない。
偽造防止印刷物は、有彩色の第1のインキで表された偽造防止印刷と、有彩色の第2のインキで表された刷り合わせ印刷とが刷り重なった無彩色であり、その複写物上に、有彩色の潜像や背景を現すことができる。
また、識別コードは、有彩色の偽造防止印刷を、目視上、無彩色とするための刷り合わせ印刷に施されていることから、第2のインキで表された刷り合わせ印刷は、偽造防止印刷物を無彩色に表現するための補色としての役割と、識別コードとしての役割とを担っている。
したがって、複写物上に有彩色の潜像や背景を現す偽造防止印刷物に、色数を増やすことなく、識別コードを施すことができる。
本発明に係る偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物の製造方法によれば、複写再現能力に満たない小さな点の一群によって、識別コードが構成され、一群における小さな点の面積率が、5から25パーセントである。すなわち、小さな点の面積率を5から25パーセントで構成することにより、第1のインキで印刷された偽造防止印刷と刷り重ねて無彩色になるように印刷することができ、かつ、複写で再現されない点の大きさを保ちつつ、光学装置で識別コードから所定の情報が確実に読み取れる機能を有することができる。
本発明に係る偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物の製造方法によれば、第2のインキが、第1のインキで印刷される偽造防止印刷と刷り重ねて目視上無彩色となるように、かつ、890ナノメートルの波長の反射率が60パーセント以下となる濃度で印刷されている。この構成により、第2のインキで表された識別コードは、個々の点の890ナノメートルの波長の反射率が60パーセント以下となっていることにより、確実に赤外線を吸収し、輪郭が顕著となる。したがって、確実に識別コードから所定の情報を読み取ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る偽造防止印刷物の概略図である。 図2は、本発明の実施形態に係る偽造防止印刷物を構成する偽造防止印刷の概略図である。 図3は、本発明の実施形態に係る偽造防止印刷物を構成する刷り合わせ印刷の概略図である。 図4は、本発明の実施形態に係る偽造防止印刷物の複写物の概略図である。
以下、本発明の実施形態に係る偽造防止印刷物を図面に基づいて説明する。図1は、偽造防止印刷物1が示され、図2は、偽造防止印刷物1を構成する偽造防止印刷2が示され、図3は、偽造防止印刷物1を構成する刷り合わせ印刷3が示されている。図4は、偽造防止印刷物1の複写物10が示されている。
図1における偽造防止印刷物1は、図2に示された偽造防止印刷2に、図3に示された刷り合わせ印刷3が刷り重ねられたものであり、肉眼では視認し辛いが複写機(図示省略。)による複写が可能な複写対象部4と、複写機による複写の度合いが複写対象部4よりも劣る複写不可部5とを有している。複写対象部4は、視認し辛い潜像であり、一方で、複写不可部5は、背景である。したがって、偽造防止印刷物1が複写されると、図4に示されているとおり、複写物10には、潜像である複写対象部4に相当する複写部11のみが現れ、背景である複写不可部5は、印刷されない。なお、「複写機による複写の度合いが複写対象部4よりも劣る」とは、例えば、複写機による複写が不可能であって完全に複写されない場合や、複写機による複写が可能であるが肉眼では視認し得ない程度の場合や、肉眼で視認し得るが僅かである場合や、肉眼で視認し得るが複写対象部4よりも明瞭ではない場合が含まれる。
偽造防止印刷物1は、目視上、無彩色であって略均一状の面を有している。すなわち、各部4,7は、目視上、微細な点又は線群が規則的な配列を成し、錯覚による凹凸がなく平坦に表れ、色斑もない。したがって、偽造防止印刷物1は、目視上、無彩色であり、全面が一様な用紙である。偽造防止印刷物1は、目視上、例えば、灰色等である。この無彩色は、偽造防止印刷2に刷り合わせ印刷3が刷り重ねられ、偽造防止印刷2における第1のインキの色と、刷り合わせ印刷における第2のインキの色とが(以下、第1のインキを「第1インキ」と記し、第2のインキを「第2インキ」と記す。)、合成されたことで実現された合成色であるため、各インキは、互いに補色の関係にある有彩色である。例えば、合成色が、灰色であれば、第1インキは、赤色や青色であり、補色となる第2インキは、緑色や橙色である。カラーコピーによって複写物10に現れる潜像が、赤色や青色であれば、色目が灰色より鮮烈となり、偽造防止効果が良好であるため好ましい。
例えば、第1インキの色、第1インキの色、両版による合成色の組み合わせは、以下のとおりである。なお、各インキの色は、任意であるが、合成色は、体裁上、無彩色であることが好ましい。
第1インキ + 第2インキ = 合成色
赤 + 緑 = 灰
青 + 橙 = 灰
紫 + 黄 = 灰
第1インキは、有彩色であることに加えて、赤外線を吸収しない、又は殆ど吸収しない性質を有している。一方で、第2インキは、有彩色であることに加えて、赤外線を吸収する性質を有している。
図2において、偽造防止印刷2は、有彩色の第1インキによって表され、上記のとおり、例えば赤色等である。偽造防止印刷2は、複写機で再現可能な線群である潜像部6と、複写再現能力に満たない小さな点の集合体である背景部7とが、組み合わさって表されている。詳説すれば、潜像部6は、万線によって表され、30〜70線/インチの線群で構成されている。一方で、背景部7は、平網によって表され、100〜300線/インチの網点で構成されている。両者の面積率は、5〜25パーセント(%)である。これらの線数及び面積率によれば、背景部7は、視認が可能であっても、複写機によって複写できず、潜像部6は、視認が可能であるが視認し辛く、複写機によって複写できる。なお、潜像部6は、複写機で再現可能な大きい点の集合体であってもよく、また、背景部7は、複写再現能力に満たない線群であってもよい。この場合の線群は、潜像部6に用いられた万線よりも細い線で構成されるか、潜像部6で用いられた万線とは異なる角度で構成される。
なお、線数とは、1インチ中に存在する線の本数をいい、同じ面積率の場合、線数が大きい(多い)ほど、形成される点(網点)は小さくなり、線(万線)は細くなる。線数の差が大きいほど、境界が目立つ傾向がある。また、面積率は、単位面積中の網点や万線の面積の割合をいう。したがって、例えば、150線15パーセントの平網と、42線15パーセントの万線に基づいて作製された網点万線の偽造防止印刷2は、平網の部分で、背景部7が実現し、万線の部分で、潜像部6が実現する。
図3において、刷り合わせ印刷3は、偽造防止印刷2と補色の関係となる有彩色の第2インキによって表され、上記の構成により第1インキが赤色であれば、第2インキは緑色である。また、第2インキは、赤外線を吸収する性質を有している。
刷り合わせ印刷3は、複写再現能力に満たない小さな点の一群によって構成された識別コード8を有している。この識別コード8は、目視上、小さな点の配列が略均一状の面を形成している。詳説すれば、識別コード8は、平網と同様に略均一状の面に見えるものであり、100〜300線/インチの平網相当の小さな点の集合体で構成されている。したがって、識別コード8は、小さい点の一群によって構成され、この識別コード8が無数に整列して刷り合わせ印刷3が形成されている。一群単位でみた場合の単一の識別コード8は、例えば、6×6のマトリックス中において任意に配置された複数の小さい点(以下、識別コードを構成する小さい点の一群を「ドットコード」と記す。)9から構成されている。識別コード8におけるドットコード9の面積率は、5から25パーセントである。例えば、マトリックス中において、ドットコード9が「1」、空欄が「0」と定義されれば、識別コード8は、ビットで表され、後述する赤外線読み取り装置によって読み取られる。なお、刷り合わせ印刷3において、すべての識別コード8が同種のものであってもよいし、異なる複数種類の識別コード8が存在してもよい。また、識別コード8におけるマトリックスのマス目の数は任意である。
識別コード8は、例えば、音声や光等の所定の情報と関連付けられている。音声は、例えば、「原本です」「○○社製です」などであり、任意である。
ドットコード9の一点は、偽造防止印刷物1において、第2インキが、分光波長890ナノメートル(nm)である赤外線の反射率が60パーセント以下となる濃度で、印刷されている。ドットコード9の一点のみについていえば、このドットコード9の面積に相当する紙面に対する、ドットコード9の一点を構成する第2インキの割合は、100パーセントであることから、ドットコード9の一点は、ベタで印刷したものといえる。このように、ドットコード9の一点をベタで印刷したとした場合、当該ドットコード9の一点は、分光波長890ナノメートルである赤外線の反射率が60パーセント以下となる濃度である。換言すれば、ドットコード9一点における第2インキは、分光波長890ナノメートルである赤外線の反射率が60パーセント以下となるベタ濃度で印刷されている。
なお、偽造防止印刷物1は、イラスト版や地紋版が印刷されていてもよい。地紋版(白抜き地紋も含まれる)は、複写前の印刷物において、合成色における色の偏りを緩和する役目を果たし、さらに、潜像を見え辛くするカムフラージュの役目も果たす。この場合、イラスト版や地紋版の指定色を利用し、色数を減らすようにしてもよい。例えば、原稿に赤や青の原色、及び/又は、緑色や橙色(地紋も含む)が組み込まれている場合、その色を偽造防止印刷2や刷り合わせ印刷3と共通の版にして、色数を減らすことが可能となる。その際、イラスト等の印刷色が薄い場合には、同色で濃度の高いインキに変更し、イラスト等に適正な網をかけて濃度を調整することが望ましい。インキの濃度はプロセス色に準じた設定で変更する。また、この色が他の色と掛け合わせになる場合はモアレが発生しない角度で使用することが望ましい。また、例えば、刷り合わせ印刷3に地紋を組み込む場合、その色が緑色、橙色なら20パーセント程度、また黄色等の目立たない場合は、50パーセント程度の網をかけて対応することが望ましい。
次に、偽造防止印刷物1の作製手順を説明する。本実施形態では、偽造防止印刷工程と刷り合わせ印刷工程とを経る。なお、偽造防止印刷工程の後に刷り合わせ印刷工程を経てもよいし、刷り合わせ印刷工程の後に偽造防止印刷工程を経てもよい。また、刷版は、常法に準じた手法による。
偽造防止印刷2は、偽造防止印刷工程を経て作製される。偽造防止印刷工程は、潜像部6(複写機で再現可能な大きい点の集合体もしくは線群)と、背景部7(複写再現能力に満たない小さな点の集合体もしくは線群)とを組み合わせて構成した偽造防止印刷2を、第1インキで印刷するものである。
刷り合わせ印刷3は、刷り合わせ印刷工程を経て作製される。刷り合わせ印刷工程では、はじめに、任意の識別コード8が生成され、この識別コード8が、複写再現能力に満たない小さな点の一群によって構成され、目視上、小さな点の配列が略均一状の面を成すように、第2インキで印刷される。その際、偽造防止印刷物1において、第2インキが、分光波長890ナノメートル(nm)である赤外線の反射率がベタで60パーセント以下となる濃度で、刷り合わせ印刷3を印刷する。さらに、識別コード8におけるドットコード9の面積率を、5から25パーセントとする。その他の作製手順は、偽造防止印刷2と同じである。
識別コード8は、所定の情報に関連付けられ、識別コード8を読み取る光学装置としての赤外線読み取り装置(図示省略。)に記憶される。赤外線読み取り装置は、所定の情報を記憶する記憶装置と、赤外線を放射する赤外線光源と、CCDイメージセンサやCMOSセンサなどの画像読み取り装置と、読み取られた画像に応じて所定の情報を抽出する画像処理装置と、抽出された所定の情報を出力するスピーカーや発光部などの出力装置とを有している。
偽造防止印刷工程において、偽造防止印刷2は、赤外線を吸収しない性質を有する第1インキで印刷され、刷り合わせ印刷工程において、偽造防止印刷2と、赤外線を吸収する性質を有する第2インキで刷り合わせ印刷3が刷り重ねられ、例えば、オフセット印刷によって作製される。偽造防止印刷2の潜像部6及び背景部7と、刷り合わせ印刷3の識別コード8とが重なり、複写対象部4及び複写不可部5を有する偽造防止印刷物1が作製される。
なお、印刷用基材は、所定サイズに予め断裁されたシートでも、ロール巻きで供給される長尺材でもよく、例えば、後者の場合には、印刷工程の後、断裁用基準線を目安に、任意のサイズにて断裁処理を行えばよい。また、基材の種類についても特に限定するものではない。例えば、表面の反射濃度が低いフルカラー対応コピー用紙や乳白PETでは、色の変化がより強調されるが、一般的なNIP(NonImpact Printer)用紙でも、実用充分な偽造防止効果を得ることができる。
作製された偽造防止印刷物1は、目視上、第1インキと第2インキとが合成された合成色である無彩色であって、略均一状の面を有している。すなわち、各部6,7,8が刷り重なった状態においても、複写対象部4及び複写不可部5としては、目視上、網点又は万線が規則的な配列を成し、錯覚による凹凸がなく平坦に表れ、色斑もない。
偽造防止印刷物1に対し、赤外線読み取り装置によって赤外線が照射されると、赤外線は、第2インキにおいて吸収される。識別コード8は、第2インキで印刷されたものであるため、赤外線を吸収することで輪郭が顕著となり、赤外線読み取り装置によって画像として読み取られる。赤外線読み取り装置は、識別コード8に応じた所定の情報を抽出して出力する。
偽造防止印刷物1が複写機によって複写された複写物10は、偽造防止印刷物1において表れた略均一状の面における無彩色とは異なり、第1インキの有彩色によって、潜像部6であった複写対象部4に相当する複写部11のみが目視できる状態で現れる。
以上のとおり、偽造防止印刷物1が構成されている。
次に、実施例を説明する。
実施例では、識別コード8におけるドットコード9の面積率が、下表1であった場合における、赤外線読み取り装置による読み取りの程度を評価した。面積率毎の評価を下表1にまとめる。なお、面積率が5パーセント未満の場合や25パーセントよりも高い場合、読み取り不可となり、また偽造防止印刷2と刷り重ねても色のバランスが取れず、無彩色とならない。
また、実施例では、第2インキを、分光波長890ナノメートル(nm)である赤外線の反射率が下表2であった場合の濃度で、ベタで印刷した場合において(点同士間に隙間が無く、紙に対する点の割合が100パーセントである場合において)、赤外線読み取り装置による読み取りの程度を評価した。反射率毎の評価を下表2にまとめる。なお、刷り合わせ印刷3における単一の点(識別コード8における単一のドットコード9)も、その単一の点の面積に対しては、ベタで印刷されたものであるが、測定が困難であるため、実際には、測定可能な面積を実施例とした。可視域において同色で視認でき、かつ、赤外線の吸収量が異なる有彩色のインキを、RIテスタにおける2分割ロールの片側に0.15ccのインキ量でそれぞれNIP用紙に展色したときの反射率を下表2にまとめる。赤外線読み取り装置は、sonix社製の音声ペンである。
次に、偽造防止印刷物1の効果を説明する。
上記したとおり、本実施形態によれば、赤外線を吸収する性質を有する第2インキで識別コード8が表されているため、赤外線読み取り装置によって、識別コード8から所定の情報が読み取られる。したがって、用紙の識別が可能である。
識別コード8は、複写再現能力に満たない小さな点であるため、本来、複写は不可能であるが、仮に、複写された場合であっても、一般的に、カラーコピー機のブラック以外のトナーは赤外線を吸収しないため、複写物10の識別コードは、通常のトナーで出力される。このトナーで表された識別コードに照射された赤外線は、反射し、識別コードから音声等を読み取ることはできない。したがって、識別コード8を、複写機で再現することはできない。
偽造防止印刷物1は、有彩色の第1インキで表された偽造防止印刷2と、有彩色の第2インキで表された刷り合わせ印刷3とが刷り重なった無彩色であり、その複写物10は、第1インキの有彩色による潜像部6であった複写対象部4に相当する複写部11のみが現れることから、目視上は無彩色である偽造防止印刷物1から、有彩色の複写部11が現れた複写物10を複写することができる。また、識別コード8は、有彩色の偽造防止印刷2から目視上無彩色の偽造防止印刷物1を作製するための刷り合わせ印刷3に、施されていることから、刷り合わせ印刷3における第2インキは、無彩色を再現するための補色の役割と識別コード8を表す役割とを担っている。したがって、色数を増やすことなく、識別コード8を施すことができる。
本実施形態によれば、識別コード8におけるドットコード9の面積率が、5から25パーセントである。すなわち、適切な面積率により、識別コード8を認識するうえで、識別コード8における第2インキの膜厚と面積率、濃度が適切となり、確実に識別コード8から所定の情報を読み取ることができる。また、適切な範囲を占める識別コード8が、偽造防止印刷2の潜像部6及び背景部7と刷り重なることにより、偽造防止印刷2の有彩色を、偽造防止印刷物1において適切に無彩色とすることができる。
本実施形態によれば、第2インキが、分光波長890ナノメートル(nm)である赤外線の反射率がベタで60パーセント以下となる濃度で、刷り合わせ印刷3が印刷されている。この構成により、第2のインキで表された識別コード8は、反射率がベタで60パーセント以下となっていることにより、確実に赤外線を吸収し、輪郭が顕著となる。したがって、確実に識別コード8から所定の情報を読み取ることができる。
なお、本発明の他の実施形態では、偽造防止印刷の潜像部が平網であり、背景部が万線である。また、他の実施形態では、刷り合わせ印刷工程の後に、偽造防止印刷工程を経る。すなわち、他の実施形態では、刷り合わせ印刷に、偽造防止印刷が刷り重ねられている。また、他の実施形態では、偽造防止印刷において、複写機で再現可能な大きい点の集合体もしくは線群で背景が表され、複写再現能力に満たない小さな点の集合体で潜像が表される。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
1 偽造防止印刷物
2 偽造防止印刷
3 刷り合わせ印刷
4 複写対象部
5 複写不可部
6 潜像部
7 背景部
8 識別コード
9 ドットコード
10 複写物
11 複写部

Claims (6)

  1. 複写機で再現可能な大きい点の集合体もしくは線群と、複写再現能力に満たない小さな点の集合体もしくは線群とが組み合わさって構成された潜像及びその背景が、有彩色かつ赤外線を吸収しない第1のインキで表された偽造防止印刷と、
    複写再現能力に満たない小さな点で構成されて、目視上、前記小さな点の配列が略均一状の面を形成してなる識別コードが、前記第1のインキと合成すると無彩色になる有彩色かつ赤外線を吸収する第2のインキで表された刷り合わせ印刷と、が刷り重なり、
    目視上、前記第1のインキの色と前記第2のインキの色とが合成された合成色としての無彩色となる略均一状の面を形成してなる偽造防止印刷物であって、
    当該偽造防止印刷物における前記略均一状の面からは、赤外光で前記識別コードを読み取る光学装置で前記識別コードが読み取れ、かつ、その複写物上には、当該偽造防止印刷物における前記略均一状の面を形成している無彩色と異なる有彩色の前記第1のインキの色により、前記潜像又は前記背景が目視できる状態で現れる、
    ことを特徴とする偽造防止印刷物。
  2. 複写機で再現可能な大きい点の集合体もしくは線群と、複写再現能力に満たない小さな点の集合体もしくは線群とを組み合わせ、潜像及びその背景を構成した偽造防止印刷を、有彩色かつ赤外線を吸収しない第1のインキで印刷する偽造防止印刷工程と、
    複写再現能力に満たない小さな点で構成されて、目視上、前記小さな点の配列が略均一状の面を形成してなる識別コードを有する刷り合わせ印刷を、前記第1のインキと合成すると無彩色になる有彩色かつ赤外線を吸収する第2のインキで印刷する刷り合わせ印刷工程と、を有し、
    前記偽造防止印刷工程と前記刷り合わせ印刷工程とを経て前記偽造防止印刷と前記刷り合わせ印刷とを刷り重ねることによって、目視上、前記第1のインキの色と前記第2のインキの色とを合成した合成色としての無彩色となる略均一状の面を形成し、当該略均一状の面からは、赤外光で前記識別コードを読み取る光学装置で前記識別コードが読み取れ、かつ、その複写物上には前記略均一状の面を形成している無彩色と異なる有彩色の前記第1のインキの色により、前記潜像又は前記背景が目視できる状態で現れる、
    ことを特徴とする偽造防止印刷物の製造方法。
  3. 前記複写再現能力に満たない小さな点の一群によって、前記識別コードが構成され、前記一群における前記小さな点の面積率が、5から25パーセントである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止印刷物。
  4. 前記刷り合わせ印刷工程において、前記複写再現能力に満たない小さな点の一群によって、前記識別コードを構成し、前記一群における前記小さな点の面積率を、5から25パーセントとする、
    ことを特徴とする請求項2に記載の偽造防止印刷物の製造方法。
  5. 前記第2のインキが、分光波長890ナノメートルの反射率が60パーセント以下となる濃度で印刷されている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の偽造防止印刷物。
  6. 前記刷り合わせ印刷工程において、前記第2のインキを、分光波長890ナノメートルの反射率が60パーセント以下となる濃度で印刷する、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の偽造防止印刷物の製造方法。
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