JP6738670B2 - 内接歯車ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、オイルを潤滑させるためなどに用いられる内接歯車ポンプに関する。具体的には、アウターロータとインナーロータによって形成される複数のポンプ室の容積変化によってポンプ動作を行う内接歯車ポンプについての技術分野に関する。
エンジンやトランスミッションなどの動力機構においては、円滑な動作を行うことや保護のためにオイルなどを潤滑させることが一般的である。このような動力機構は、各部にオイルを供給するためのオイルポンプを備えている。
オイルポンプには様々あり、その中には内接歯車ポンプがある。内接歯車ポンプは、外歯を有するインナーロータと内歯を有するアウターロータを偏芯配置することにより形成される複数の空間(ポンプ室)の容積変化によってポンプ動作を行うものである。
内接歯車ポンプでは、ポンプ室の圧縮過程においてポンプ室の圧力が上昇することによりポンプの駆動トルクが増加するという問題がある。
特許文献1では、圧力上昇の低減や吐出脈動の抑制のために吐出口(吐出ポート)の始端から吸入口(吸入ポート)側に延びる溝をポンプハウジング(ケーシング)に設ける構成が開示されている。
特開2003−214356号公報
ところが、ポンプハウジングに溝を形成することによって圧力上昇の低減や吐出脈動の抑制の効果を十分に得るためには、溝を長くすることが必要となる可能性がある。吸入口と吐出口の間の限られたスペースにおいて長い溝を形成することは設計上困難である。
そこで、本発明は、上記の状況に鑑み、設計の容易化を図りつつ圧力上昇の低減や吐出脈動の抑制の効果を得ることができる内接歯車ポンプを提案することを目的とする。
本発明に係る第1の内接歯車ポンプは、内歯を有するアウターロータと、前記内歯と係合し前記内歯よりも歯の数が一つ少ない外歯を有し、前記アウターロータの内側に回転自在に配設され、前記アウターロータとの間に膨張と収縮を繰り返す複数のポンプ室を形成するインナーロータと、前記アウターロータが回転自在に保持される保持凹部が形成されたケース部と前記保持凹部の開口を閉塞するカバー部とで形成され、前記ポンプ室に流体を吸入する吸入口と前記ポンプ室から流体を吐出する吐出口が設けられたポンプハウジングと、を備え、前記ポンプハウジングには、前記ポンプ室の容積の圧縮過程における前記ポンプ室内の圧力上昇に応じて容積が増加し該流体の一部が流入し、吐出過程における前記ポンプ室の圧力降下に応じて容積が減少し流入した流体を前記ポンプ室に流出させる拡張室が設けられ、前記ケース部及び前記カバー部にそれぞれ前記拡張室が設けられているものである。
これにより、ポンプ室の圧力変化に応じて拡張室の容積が増減する。そして、拡張室の容積がより増加する。
また、本発明に係る第2の内接歯車ポンプは、内歯を有するアウターロータと、前記内歯と係合し前記内歯よりも歯の数が一つ少ない外歯を有し、前記アウターロータの内側に回転自在に配設され、前記アウターロータとの間に膨張と収縮を繰り返す複数のポンプ室を形成するインナーロータと、前記アウターロータが回転自在に保持される保持凹部が形成されたケース部と前記保持凹部の開口を閉塞するカバー部とで形成され、前記ポンプ室に流体を吸入する吸入口と前記ポンプ室から流体を吐出する吐出口が設けられたポンプハウジングと、を備え、前記ポンプハウジングには、前記ポンプ室の容積の圧縮過程における前記ポンプ室内の圧力上昇に応じて容積が増加し該流体の一部が流入し、吐出過程における前記ポンプ室の圧力降下に応じて容積が減少し流入した流体を前記ポンプ室に流出させる拡張室が設けられ、前記拡張室の開口形状は、前記アウターロータの半径方向における幅が該半径方向に直交する方向の幅よりも長い形状とされているものである。
これにより、ポンプ室の圧力変化に応じて拡張室の容積が増減する。そして、拡張室の開口形状においてアウターロータの半径方向に直交する方向の幅を一定とした場合には、円形状とするよりも吸入口の開口面積と拡張室の容積が増加する。
上記した内接歯車ポンプにおいては、前記拡張室を構成する壁部の一部は弾性体によって移動可能な可動壁とされていてもよい。
これにより、簡易な構造によって拡張室の容積を可変とすることができる。
上記した内接歯車ポンプにおける前記拡張室の開口形状は楕円形状とされていてもよい。
これにより、拡張室の開口形状においてアウターロータの半径方向に直交する方向の幅を一定とした場合には、円形状とするよりも吸入口の開口面積と拡張室の容積が増加する。
上記した内接歯車ポンプにおいては、前記ケース部及び前記カバー部にそれぞれ前記吸入口及び前記吐出口が設けられていてもよい。
これにより、ポンプ室に対する吸入及び吐出が円滑になされる。
本発明によれば、設計上の容易化を図りつつ圧力上昇の低減や吐出脈動の抑制の効果を得ることができる内接歯車ポンプを提案することができる。
本発明の実施の形態のトロコイド式ポンプの分解斜視図である。 ロータユニットの斜視図である。 ケース部の一部を断面で示す斜視図である。 ケース部にロータユニットが配置された状態を示す平面図である。 着目した一つのポンプ室が移動する様子を説明するための平面図である。 着目した一つのポンプ室が移動する様子を説明するための平面図である。 着目した一つのポンプ室が移動する様子を説明するための平面図である。 ポンプ室と拡張室の位置関係を模式的に示す断面図である。 着目した一つのポンプ室が移動する様子を説明するための平面図である。 ポンプ室と拡張室の位置関係を模式的に示す断面図である。 着目した一つのポンプ室が移動する様子を説明するための平面図である。 ポンプ室と拡張室の位置関係を模式的に示す断面図である。 着目した一つのポンプ室が移動する様子を説明するための平面図である。 ポンプ室と拡張室の位置関係を模式的に示す断面図である。 ポンプ室の位置を説明するための図である。 ポンプ室の位置とポンプ室内の流体の圧力の関係を示すグラフである。 第2例におけるトロコイド式ポンプを説明するための断面図である。 第3例におけるトロコイド式ポンプを説明するための平面図である。 第3例におけるトロコイド式ポンプを説明するための平面図である。
以下に、本発明の内接歯車ポンプを実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。
尚、内接歯車ポンプの一例としてトロコイド歯型をもつトロコイド式ポンプを挙げる。
<1.トロコイド式ポンプの構成>
第1の実施の形態における内接歯車ポンプの一例としてのトロコイド式ポンプの構成について説明する。
尚、以下の説明において記載する上下方向などは、使用する際の上下方向や取り付ける際の上下方向を意図したものではなく、説明の便宜上のものである。
図1は、トロコイド式ポンプ1の分解斜視図である。
トロコイド式ポンプ1は、アウターロータ2とインナーロータ3とポンプハウジング4とインナーロータ3を回転させるためのポンプシャフト5とを備えている。
アウターロータ2は、中央に貫通孔2aを持つ円筒形状とされる。貫通孔2aを形成する面には複数の内歯2bが形成されている。
本構成例では、アウターロータ2には9個の内歯2bが形成されている。
インナーロータ3には、ポンプシャフト5を挿通させるための軸孔3aが中央部に形成され、外周面には複数の外歯3bが周方向に連続して形成されている。インナーロータ3の外歯3bはアウターロータ2の内歯2bの数よりも1個少なくされており、本構成例では外歯3bの数は8個とされる。
尚、インナーロータ3の軸孔3aの周面に凹部や凸部を設け、当該凹部や凸部に係合する凸部や凹部をポンプシャフト5の周面に設けることにより、ポンプシャフト5が軸孔3a内で空転してしまうことを防止してもよい。
インナーロータ3はアウターロータ2に対して偏芯されて貫通孔2aに配置される。アウターロータ2とインナーロータ3は組み合わされることによりロータユニット6を構成する。
図2は、アウターロータ2とインナーロータ3を組み合わせたロータユニット6を示す図である。図2に示すように、ロータユニット6には、アウターロータ2とインナーロータ3の間に複数のポンプ室7が形成される。
複数のポンプ室7は、アウターロータ2の内歯2bとインナーロータ3の外歯3bによって周方向に離隔されており、それぞれ独立した部屋とされている。
ポンプハウジング4は、ケース部8とカバー部9から成る(図1参照)。
ケース部8には、ロータユニット6を保持するロータユニット6と略同じ大きさの円筒形の保持凹部10と、流体を吸入するための第1吸入回路11と、吸入した流体を吐出するための第1吐出回路12と、ポンプハウジング4を他の部材に取り付けるための複数の取付孔13と、カバー部9に対する位置決めをするための複数の位置決め孔14と、が形成されている。
保持凹部10の底面部15には、ポンプシャフト5が挿通される第1挿通孔15aが形成されている。また、保持凹部10の底面部15には、第1吸入回路11からポンプ室7へ流体を吸入するための吸入口15bと、ポンプ室7から第1吐出回路12へ流体を吐出するための吐出口15cが形成されている。
吸入口15bは、第1挿通孔15aの略半周に亘って該第1挿通孔15aに沿うように形成されている。
吐出口15cは、吸入口15bよりも小さい開口とされ、吸入口15bに対して第1挿通孔15aの略反対側に形成されている。
更に、保持凹部10の底面部15には、拡張室15dが設けられている。拡張室15dについては、後述する。
カバー部9には、ケース部8に組み付けたときに第1挿通孔15aと対向する位置にポンプシャフト5が挿通される第2挿通孔16と、ケース部8の第1吸入回路11へ続く回路とされた第2吸入回路17と、ケース部8の第1吐出回路12から続く回路とされた第2吐出回路18と、他の部材にポンプハウジング4を取り付けるための複数の取付孔19と、ケース部8に組み付けたときに位置決め孔14に対応する位置に位置決め孔14に挿入される略円柱形の位置決め凸部20が形成されている。
また、カバー部9をケース部8に組み付けたときに保持凹部10の底面部15と対向するカバー部9の面は天井面21とされる。
ポンプ室7は、アウターロータ2とインナーロータ3とケース部8の底面部15とカバー部の天井面21によって囲まれた空間とされる。
ケース部8の位置決め孔14にカバー部9の位置決め凸部20が挿入されることにより、ケース部8に対するカバー部9の位置決めがなされる。尚、ケース部8に位置決めのための凸部が形成され、カバー部9に位置決めのための孔が形成されてもよい。
図3を参照して拡張室15dを説明する。
図3は、保持凹部10の底面部15に設けられた吸入口15b、吐出口15c及び拡張室15dを断面で示す図である。
図3に示す拡張室15dは、容積が可変とされた円柱形の孔とされている。拡張室15dの内壁は壁部22とされ、壁部22の一部である拡張室15dの底部分は、弾性体によって拡張室15dの開口方向に向けて付勢された可動壁23とされている。
可動壁23において拡張室15dの内壁の一部を構成する面は、拡張室15dに流入した流体を開口方向へ押圧する押圧面23aとされる。
尚、弾性体としては様々なものが考え得る。本例における弾性体は、その一例としてコイルバネ24とされている。
コイルバネ24が自由長とされた状態において、可動壁23の押圧面23aは保持凹部10の底面部15の表面と同一平面上に位置する。尚、押圧面23aと底面部15の表面を同一平面上とするための別の手段として、コイルバネ24の自由長を拡張室15dの深さよりも長くし、且つ、押圧面23aが底面部15の表面よりも天井面21側へ移動しないように可動壁23をロータユニット6や他の部材などによって規制してもよい。
尚、上述したように、底面部15や天井面21などの名称は説明の都合上付したものであり、トロコイド式ポンプ1を使用する際の上下方向や取り付ける際の上下方向を意図したものではない。
例えば、トロコイド式ポンプ1の使用状態において、天井面21が上方を向く面とされていてもよいし、側方を向く面とされていてもよい。換言すれば、ケース部8がカバー部9の上方に位置するように組み合わされて使用されてもよいし、ケース部8の保持凹部10が側方に開放されるようにして使用されてもよい。
<2.トロコイド式ポンプの動作>
図4乃至図14を参照して本例におけるトロコイド式ポンプの動作を説明する。
アウターロータ2とインナーロータ3とポンプシャフト5とケース部8を保持凹部10の開口方向から見た状態を図4に示す。
図示するように、アウターロータ2とインナーロータ3の間には、複数のポンプ室7が形成されている。
ポンプシャフト5を回転方向Rに回転させると、インナーロータ3が同方向に回転する。インナーロータ3が回転すると、内歯2bと外歯3bの一部が係合していることによってアウターロータ2に回転力が付与されてアウターロータ2も同方向に回転する。
ポンプシャフト5とインナーロータ3とアウターロータ2の回転に伴い、ポンプ室7が拡張及び収縮を繰り返しながらアウターロータ2の内周縁に沿って移動する。その際には、各ポンプ室7がケース部8の吸入口15bや吐出口15cや拡張室15dと適宜連通することにより、ポンプ動作が行われる。
具体的に、複数設けられるポンプ室7のうちの一つのポンプ室7Aに着目することによってポンプ室7の拡張及び収縮の状態を説明する(図5乃至図14)。
尚、図5乃至図14の各図においては、アウターロータ2やインナーロータ3(またはロータユニット6)、ポンプ室7A、及び、ケース部8の吸入口15b、吐出口15c、拡張室15dのうちの一部について適宜図示している。
各図においては、着目するポンプ室7Aを斜線領域で示す。
また、図中においてロータユニット6として示した部分は、アウターロータ2及びインナーロータ3の何れかの部材であることを示している。
図5は、アウターロータ2とインナーロータ3、そしてケース部8の保持凹部10を示した図である。図5に示すポンプ室7Aは、最も容積が少なくなった状態から容積が膨張し始めると共に、吸入口15bと連通し始めた状態とされている。
図5の状態からインナーロータ3が回動されると、図6に示す状態となる。
図6に示す状態は、図5に示す状態よりも更にポンプ室7Aの容積が膨張し、ポンプ室7Aに吸入口15bから流体が吸入された状態とされる。
図6の状態からインナーロータ3が回動されると、図7に示す状態となる。図8は、図7に示す状態におけるポンプ室7A及び拡張室15dの関係を断面図で模式的に示した図である。
図7及び図8に示す状態は、図6に示す状態よりも更にポンプ室7Aの容積が膨張しポンプ室7Aの容積が略最大となった状態である。この状態は、吸入口15bとの連通状態が解除される直前の状態とされる。また、可動壁23の押圧面23aがポンプ室7Aに吸入された流体と接触する前の状態とされている。
図7,図8に示す状態からインナーロータ3が回動されると、図9及び図10に示す状態となる。図10は図9に示す状態の一部を断面図で模式的に示した図である。
図9及び図10に示す状態は、ポンプ室7Aと吸入口15bの連通が解消され、ポンプ室7Aが略密閉状態とさている。また、図7及び図8に示す状態と比べてポンプ室7Aの容積が減少し始めた状態とされている。
ポンプ室7Aに流入した流体の一部は可動壁23の押圧面23aと接触した状態とされているが、ポンプ室7A内の流体の圧力が可動壁23を介してコイルバネ24を弾性変形させるまで高まっていないため可動壁23の押圧面23aは底面部15の表面と同一面を形成している。
図9及び図10に示す状態から更にインナーロータ3が回動されると、ポンプ室7A内の流体の圧力が増し、可動壁23の押圧面23aが拡張室15dの開口方向と逆方向に押圧される。
具体的に図11及び図12を参照して説明する。図示する状態は、ポンプ室7Aが吐出口15cと連通する直前の状態とされている。この状態では、ポンプ室7Aは密閉状態とされている。
図12に示すように、ポンプ室7Aの容積の減少に基づくポンプ室7A内の流体の圧力上昇によって、押圧面23aがコイルバネ24側に押圧されて拡張室15dの容積が増加する。これにより、ポンプ室7A内の流体の圧力が減少する。
図11及び図12に示す状態からインナーロータ3が回動されると、図13及び図14に示すように、ポンプ室7Aと吐出口15cが連通された状態となる。この状態においては、ポンプ室7A内の流体が吐出口15cから第1吐出回路12へ吐出されるため、ポンプ室7A内の流体の圧力が減少する。これにより、コイルバネ24が弾性復帰されて可動壁23がカバー部9の天井面21側に移動し、拡張室15dの容積が0となる。
図5乃至図14の各図で説明したように、ポンプ室7が拡張室15dの上部を通過するたびに拡張室15dの容積が増減される。
そして、ポンプ室7内の流体の圧力に応じて拡張室15dの容積が増減することにより、ポンプ室7内の流体の圧力が高まりすぎてしまうことが防止される。
ポンプ室7内の流体の圧力が低減される過程について、具体的に図15,図16を参照して説明する。
先ず、図15を参照して、ポンプ室7の位置の表現について説明する。
ポンプ室7は、アウターロータ2の内周に沿って、即ちインナーロータ3の外周に沿って移動する。そこで、ポンプ室7の略中心部がアウターロータ2の回転中心に対して何れの位置にいるかについて角度を用いて表す。
例えば、図15は、着目しているポンプ室7Aがアウターロータ2の回転中心に対して45°に位置している状態を示している。
続いて、アウターロータ2の回転中心に対するポンプ室7Aの位置とポンプ室7A内の流体の圧力の関係を図16に示す。
図16においては、拡張室15dを設けたトロコイド式ポンプ1についての圧力変化を実線で示し、拡張室15dを設けないトロコイド式ポンプについての圧力変化を破線で示している。
図示するように、拡張室15dが設けられていないトロコイド式ポンプよりも拡張室15dが設けられているトロコイド式ポンプ1の方が、ポンプ室7内の流体の圧力のピークが低減されていることが分かる。
<3.第2例>
第2例としてのトロコイド式ポンプ1Aについて、図17を参照して説明する。
トロコイド式ポンプ1Aには、ケース部8の配置凹部10の底面部15に吸入口15b、吐出口15c、拡張室15dが設けられているだけでなく、カバー部9の天井面21に開口部を有する吸入口21a、吐出口21b、拡張室21cが設けられている。
カバー部9の吸入口21a、吐出口21b、拡張室21cの開口形状は、ケース部8の吸入口15b、吐出口15c、拡張室15dとそれぞれ同一形状とされる。拡張室21cの開口は拡張室15dの開口と対向して設けられている。
図示は省略したが、拡張室21cには拡張室15dと同様に可動壁23及びコイルバネ24が設けられている。
図17の矢印で示すように、吸入口21aは第2吸入回路17と連通している。また、吐出口21bは第2吐出回路18と連通している。
従って、ポンプ室7に流体が吸入される際には、第2吸入回路17から吸入口21aを介して流体が流入されると共に、第1吸入回路11を介して吸入口15bから流体が流入される。ポンプ室7内の流体の圧力が高まった場合には、二つの拡張室15d、21cに流体の一部が流入する。ポンプ室7から流体が吐出される際には、吐出口21bから第2吐出回路18へ流体が吐出されると共に、吐出口15cから第1吐出回路12へ流体が吐出される。このとき、二つの拡張室15d、21cに流入した流体も吐出孔15c、21bから吐出される。これにより、例えばオイルなどの流体が必要各部に供給される。
ポンプ室7に対する流体を吸入するための開口の面積が大きくなることにより、円滑な吸入動作が行われる。また、ポンプ室7から流体を吐出するための開口の面積が大きくなることにより、円滑な吐出動作が行われる。
ポンプ室7内の流体の圧力を低減させるためには、拡張室15dの容積は大きい方が望ましい。
しかし、拡張室15dの開口面積(特に開口部におけるアウターロータ2の半径方向に直交する方向の幅)は所定以上大きくすることはできない。なぜなら、拡張室15dを介して吸入口15bと吐出口15cが連通してしまう虞があるためである。そこで、拡張室15dの容積を大きくするためには、拡張室15dの深さを深くすることが考えられるが、深さを深くしてしまうとケース部8の大型化を来してしまう虞がある。
第2例におけるトロコイド式ポンプ1Aでは、ケース部8だけでなくカバー部9にも拡張室21cが設けられているため、ケース部8やカバー部9の大型化を来すことなくポンプ室7内の流体の圧力低減効果を高めることができる。
<4.第3例>
第3例としてのトロコイド式ポンプ1Bについて、図18を参照して説明する。
トロコイド式ポンプ1Bは、前述したトロコイド式ポンプ1,1Aと比べて拡張室15dの開口形状が異なる。
具体的には、図19に示すように、拡張室15dの開口形状は楕円形状とされており、楕円形状におけるアウターロータ2の半径方向における幅W1は、幅W1に直交する方向における幅W2よりも長くされている。
例えば、拡張室15dの開口形状とされた楕円形状の長軸の延長線上にアウターロータ2の回転中心が位置するように構成されている。
尚、図示していないが、可動壁23の押圧面23aの形状も同じ楕円形状とされている。
第3例のトロコイド式ポンプ1Bは、拡張室15dの開口形状とされた楕円形状における幅W2の長さ及び拡張室15dの深さを上述した他のトロコイド式ポンプ1,1Aと同程度とした場合に、拡張室15dの容積を増加させることができる。
即ち、ポンプ室7内の流体の圧力の低減効果をより高めることができる。
尚、拡張室15dの代わりに拡張室21cが設けられているトロコイド式ポンプ1Bや、拡張室15d、21cの双方が設けられているトロコイド式ポンプ1Bであっても、同様の効果を得ることができる。
尚、幅W2よりも幅W1の方が長くなる拡張室15dの開口形状としては、楕円以外であってもよく、例えば、楕円形状以外のオーバル形状や長方形状であってもよい。
<5.まとめ>
各例で示したように、実施の形態のトロコイド式ポンプ1(1A,1B)には、内歯2bを有するアウターロータ2と、内歯2bと係合し内歯2bよりも歯の数が一つ少ない外歯3bを有し、アウターロータ2の内側に回転自在に配設され、アウターロータ2との間に膨張と収縮を繰り返す複数のポンプ室7(7A)を形成するインナーロータ3と、アウターロータ2が回転自在に保持される保持凹部10が形成されたケース部8と保持凹部10の開口を閉塞するカバー部9とで形成され、ポンプ室7に流体を吸入する吸入口15b(21a)とポンプ室7から流体を吐出する吐出口が設けられたポンプハウジングと、を備え、ポンプハウジング6には、ポンプ室7の容積の圧縮過程におけるポンプ室7内の圧力上昇に応じて容積が増加し該流体の一部が流入し、吐出過程におけるポンプ室7の圧力降下に応じて容積が減少し流入した流体をポンプ室7に流出させる拡張室15d(21c)が設けられている。
これにより、ポンプ室7の圧力変化に応じて拡張室15dの容積が増減する。
従って、ポンプ室7の容積の圧縮過程における圧力上昇を低減させることができるため、ポンプの駆動トルクの低減や吐出脈動の低減を図ることができる。
また、圧縮過程における圧力上昇の低減によりキャビテーションの発生を抑制すると共に吐出脈動を低減させることができるため、ポンプ音の低減を図ることができる。
更に、圧縮過程における圧力上昇が低減されることにより、圧縮過程において部品間の間隙を介してロータユニット6とポンプハウジング4の間に流体がリークしてしまうことによる吐出量の低下を抑制することができる。
実施の形態のトロコイド式ポンプ1によれば、圧力上昇を低減させるためにポンプハウジング4(ケース部8やカバー部9)に長い溝などを設ける必要がないため、設計の容易化及び加工工数の削減が図られる。
また、トロコイド式ポンプ1の構成において説明したように、拡張室15d(21c)を構成する壁部22の一部は弾性体(例えばコイルバネ24)によって移動可能な可動壁23とされていてもよい。
これにより、簡易な構造によって拡張室の容積を可変とすることができる。
更に、第2例で説明したように、ケース部8及びカバー部9にそれぞれ拡張室15d(21c)が設けられていてもよい。
これにより、拡張室15dの容積がより増加する。
従って、ポンプ室7(7A)や拡張室15d内の圧力上昇をより低減させることができる。
更にまた、第3例で説明したように、拡張室15dの開口形状は、アウターロータ2の半径方向における幅W1が該半径方向に直交する方向の幅W2のよりも長い形状とされていてもよい。
これにより、拡張室の開口形状においてアウターロータの半径方向に直交する方向の幅を一定とした場合には、円形状とするよりも吸入口15b(21a)の開口面積と拡張室15dの容積が増加する。
従って、ポンプ室7や拡張室15d内の圧力上昇を低減させることができる。
加えて、第3例で説明したように、拡張室15d(21c)の開口形状は楕円形状とされていてもよい。
これにより、拡張室の開口形状においてアウターロータの半径方向に直交する方向の幅を一定とした場合には、円形状とするよりも吸入口15b(21a)の開口面積と拡張室15dの容積が増加する。
従って、ポンプ室7(7A)や拡張室15d内の圧力上昇を低減させることができる。
そして、第2例で説明したように、ケース部8及びカバー部9にそれぞれ吸入口15b(21a)及び吐出口15c(21b)が設けられていてもよい。
これにより、ポンプ室7(7A)に対する流体の吸入及び吐出が円滑になされる。
従って、ポンプ音の更なる低減を図ることができる。
尚、可動壁23がコイルバネ24などのような弾性体によって可動される構成は一例であり、他の手段を利用して可動壁23を移動させるように構成されていてもよい。例えば、アクチュエータによって可動壁23を移動させてもよい。
尚、ポンプ室7内の流体の圧力が増加する過程においては、可動壁23の押圧面23aの中心が該流体と接触した状態とすることが望ましい。これにより、可動壁23がコイルバネ24側に移動する際に押圧面23aの中心が押圧されることとなり、可動壁23の円滑な移動がされやすいため、ポンプ室7内の流体の圧力を低減させる効果を発揮させやすい。
1,1A,1B…トロコイド式ポンプ、2…アウターロータ、2b…内歯、3…インナーロータ、3b…外歯、4…ポンプハウジング、7,7A…ポンプ室、8…ケース部、9…カバー部、10…保持凹部、15b…吸入口、15c…吐出口、15d…拡張室、21a…吸入口、21b…吐出口、21c…拡張室、22…壁部、23…可動壁、24…コイルバネ

Claims (5)

  1. 内歯を有するアウターロータと、
    前記内歯と係合し前記内歯よりも歯の数が一つ少ない外歯を有し、前記アウターロータの内側に回転自在に配設され、前記アウターロータとの間に膨張と収縮を繰り返す複数のポンプ室を形成するインナーロータと、
    前記アウターロータが回転自在に保持される保持凹部が形成されたケース部と前記保持凹部の開口を閉塞するカバー部とで形成され、前記ポンプ室に流体を吸入する吸入口と前記ポンプ室から流体を吐出する吐出口が設けられたポンプハウジングと、を備え、
    前記ポンプハウジングには、前記ポンプ室の容積の圧縮過程における前記ポンプ室内の圧力上昇に応じて容積が増加し該流体の一部が流入し、吐出過程における前記ポンプ室の圧力降下に応じて容積が減少し流入した流体を前記ポンプ室に流出させる拡張室が設けられ
    前記ケース部及び前記カバー部にそれぞれ前記拡張室が設けられた
    内接歯車ポンプ。
  2. 内歯を有するアウターロータと、
    前記内歯と係合し前記内歯よりも歯の数が一つ少ない外歯を有し、前記アウターロータの内側に回転自在に配設され、前記アウターロータとの間に膨張と収縮を繰り返す複数のポンプ室を形成するインナーロータと、
    前記アウターロータが回転自在に保持される保持凹部が形成されたケース部と前記保持凹部の開口を閉塞するカバー部とで形成され、前記ポンプ室に流体を吸入する吸入口と前記ポンプ室から流体を吐出する吐出口が設けられたポンプハウジングと、を備え、
    前記ポンプハウジングには、前記ポンプ室の容積の圧縮過程における前記ポンプ室内の圧力上昇に応じて容積が増加し該流体の一部が流入し、吐出過程における前記ポンプ室の圧力降下に応じて容積が減少し流入した流体を前記ポンプ室に流出させる拡張室が設けられ
    前記拡張室の開口形状は、前記アウターロータの半径方向における幅が該半径方向に直交する方向の幅よりも長い形状とされた
    内接歯車ポンプ。
  3. 前記拡張室を構成する壁部の一部は弾性体によって移動可能な可動壁とされた
    請求項1または請求項2に記載の内接歯車ポンプ。
  4. 前記拡張室の開口形状は楕円形状とされた
    請求項2に記載の内接歯車ポンプ。
  5. 前記ケース部及び前記カバー部にそれぞれ前記吸入口及び前記吐出口が設けられた
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の内接歯車ポンプ。
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