JP6738431B2 - フィルタリングおよび標識付けによるユーザ定義の規模調整質量欠損プロット - Google Patents

フィルタリングおよび標識付けによるユーザ定義の規模調整質量欠損プロット Download PDF

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Description

[0001] 本開示は、ユーザ定義の質量規模調整(scaling)、フィルタリング、および標識付けによる質量欠損プロット(mass defect plot)の生成に関する。
[0002] 質量分析法(MS)は、イオンの質量を判定するために使用することができる分析技法であり、小さな代謝物およびその他の化合物を含む、分子の化学構造を明瞭にするというように、化合物(compound)についての情報を解釈するために使用することもできる。一般に、質量分析法は、化合物をイオン化して荷電分子または分子フラグメントを生成し、次いでこれらの質量電荷比を測定することを含む。典型的なMS手順では、質量分析器に装填されたサンプルは、気化を受け、サンプルの成分がイオン化されて荷電粒子(イオン)を形成する。これらのイオンは、通例、イオンが電磁場を通過する際のイオンの運動の詳細に基づいて、粒子の質量電荷比(m/z)を計算するために、電界によって加速される。イオンは、それらの質量電荷比(m/z)にしたがって質量分析器によって分類および検出され、指示量(indicator quantity)の値を測定し、存在する各イオンの存在度を計算するためのデータを提供することができる。計算された各イオンの質量は、種々の要因によって質量分析器の動作中に変化するまたはドリフトする可能性がある。
[0003] あらゆる同位体は、炭素−12に対するその相対的な核結合エネルギに応じて定められた質量欠損を有する。各核種は、異なる質量欠損を有し、特定の元素組成(specific elemental composition)のあらゆる分子は、その元素組成を一意に特徴付ける質量を有する。質量欠損は、当該同位体の正確な質量と、当該同位体の通常の整数質量(normal integer mass)との間の差によって判定される。特定の質量欠損は、正確な化学式を識別するときに補助するために使用することができる。本願は、高精度な質量判定に基づく質量欠損によって、特定の同位体および化合物をフィルタリングおよび標識付けする方法を提唱する。
[0004] 本開示の一態様は、質量分析器から取得した高精度な質量データに基づいて、フィルタリングを行って質量欠損プロット(filtered mass defect plot)を構築する方法を提供する。実施態様では、フィルタリングによる質量欠損プロットはハロゲンをフィルタリングした質量欠損プロット(halogen filtered mass defect plot)でもよい。この方法は、質量分析器から得られたデータから質量欠損プロットを生成するステップと、この質量欠損プロットにおいて関連する確証的同位体置換体(associated confirmatory isotopologue)(例えば、M+2またはM−2イオン)を有さない全てのイオンをフィルタリングする(filter)ステップと、未確認イオンを選択するステップと、この未確認イオンの同位体パターンを判定するステップとを含む。更に、この方法は、未確認イオンによって示される1つ以上の元素を同定するステップと、同位体パターンによって示される1つ以上の元素を含む化学式(formulas)を検索して未確認イオンを求めるステップと、未確認イオンの化学式を判定するステップと、画面上に未確認イオンの化学式を表示するステップとを含む。
[0005] 本開示の実施態様は、以下の随意的な特徴の内1つ以上を含んでもよい。ある実施態様では、本方法は、イオンのユーザ選択を受けるステップと、選択されたイオンを抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差として表示するステップと、抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差に対応する1つ以上のクロマトグラフ・ピークを識別するステップとを含む。また、本方法は、未確認イオンに関係がある同族列およびRDBE関連種(RDBE related species)を同定するステップも含んでもよい。同族列は、更に、塩素および/または臭素を含むのでもよい。RDBE関連種は、重水素および/または水素を含むのでもよい。
[0006] ある例では、データは質量分析器からの生データである。このデータは、質量分析器からのデコンボリューション・データ(deconvoluted data)であってもよい。また、本方法は、画面上において未確認イオンの化学式に標識を付けるステップを含んでもよい。更に、本方法は、画面上において、未確認イオンに色を割り当てるステップを含んでもよい。
[0007] ある実施態様では、質量欠損プロットは、水素置換塩素(chlorine substituted for hydrogen)(Cl−H)質量欠損プロットである。また、質量欠損プロットは、水素置換臭素(Br−H)質量欠陥プロットでもよい。質量欠損プロットにおいて関連する確証的同位体置換体(例えば、M+2またはM−2)イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップは、更に、特定許容度(specific tolerance)および相対存在度を有する質量欠損をフィルタリングするステップを含んでもよい。また、質量欠損プロットにおいて関連するM+2またはM−2イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップは、Br同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングするステップも含んでもよく、ここで、xは1から15までの間の整数である。また、質量欠損プロットにおいて関連するM+2またはM−2イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップは、Cl同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングするステップを含んでもよく、ここでyは1から15までの間の整数である。ある例では、質量欠損プロットにおいて関連するM+2またはM−2イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップは、BrCl同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングするステップを含む。更に、質量欠損プロットにおいて関連する確証的同位体置換体(confirmatory isotopologue)を有さない全てのイオンをフィルタリングするステップは、間隔許容度(spacing tolerance)を判定することによってフィルタリングするステップを含んでもよい。
[0008] 間隔許容度は、第1シグナルと第2シグナルとの間の静止m/z距離に基づいてもよい。間隔許容度は、第1シグナルにおけるイオン数および第2シグナルにおけるイオン数から判定される統計的m/z信頼区間に基づいてもよい。間隔許容度は、統計的m/z信頼区間に基づいてもよく、約2.8としてもよい。間隔許容度は、ユーザ入力によって制限されてもよい。
[0009] ある例では、質量欠損プロットにおいて関連する確証的同位体置換体を有さない全てのイオンをフィルタリングするステップは、相対存在度によってフィルタリングするステップを含む。相対存在度は、M+1シグナルに対して判定してもよい。M+1シグナルに対して相対存在度を判定するステップは、更に、推定上のM+1シグナルの強度、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、およびM+1元素の陸域天然存在度に基づいて、M+1元素の最大予測カウントを判定するステップを含んでもよい。M+1元素は、炭素、窒素、ケイ素、または自然に発生するM+1同位体を有する任意の他の元素でもよい。
[0010] M+2シグナルに対して相対存在度を判定するステップは、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+2シグナルの強度、およびM+2元素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップを含んでもよい。ある例では、M+2シグナルに対して相対存在度を判定するステップは、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+2シグナルの強度、推定上のM+4シグナルの強度、およびM+2元素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップを含む。また、M+2シグナルに対して相対存在度を判定するステップが、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+4シグナルの強度、推定上のM+6シグナルの強度、およびM+2元素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップを含んでもよい。更に、M+2シグナルに対して相対存在度を判定するステップは、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+6シグナルの強度、推定上のM+8シグナルの強度、およびM+2元素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップを含んでもよい。ある実施態様では、M+2シグナルに対して相対存在度を判定するステップは、1つ以上の分析物が塩素および臭素の双方を含有するか否か判定するステップと、1つ以上の分析物が塩素および臭素の双方を含有する場合、37塩素の陸域天然存在度、81臭素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップとを含む。
[0011] 本開示の他の態様は、質量分析器から取得された高精度質量データに基づいて、フィルタリングを行って質量欠損プロットを構築する方法を提供する。このデバイスは、ディスプレイと、ディスプレイと通信するデータ処理ハードウェアと、データ処理ハードウェアと通信するメモリ・ハードウェアとを含む。メモリ・ハードウェアは、命令を格納し、命令がデータ処理ハードウェア上で実行されると、動作をデータ処理ハードウェアに実行させる。これらの動作は、質量分析器から得られたデータから質量欠損プロットを生成する動作と、質量欠損プロットにおいて関連する確証的同位体置換体を有さない全てのイオンをフィルタリングする動作と、未確認イオンを選択する動作と、未確認イオンの同位体クラスタに対して同位体パターンを判定する動作とを含む。また、これらの動作は、同位体パターン内に含まれる1つ以上の元素を同定して、未確認イオンを求める動作と、同位体パターンによって示される1つ以上の元素を含む化学式を検索して、未確認イオンを求める動作と、未確認イオンに関係する同位体クラスタの化学式を決定する動作と、未確認イオンの化学式をディスプレイ上に表示する動作とを含む。
[0012] この態様は、以下の随意的な特徴の内1つ以上を含んでもよい。前述の動作は、ユーザのイオン選択を受ける動作と、選択されたイオンを、抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差として表示する動作と、抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差に対応する1つ以上のクロマトグラフ・ピーク(1つまたは複数)を識別する動作とを含んでもよい。更に、前述の動作は、未確認イオンに関係する同族列およびRDBE関連種を同定する動作を含んでもよい。同族列は、塩素および/または臭素を含んでもよい。RDBE関連種は、重水素および/または水素を含んでもよい。
[0013] ある例では、データは質量分析器からの生データである。データは、質量分析器からのデコンボリューション・データであってもよい。前述の動作は、未確認イオンの化学式に、ディスプレイ上において標識を付ける動作を含んでもよい。また、前述の動作は未確認イオンに対して、ディスプレイ上において色を割り当てる動作を含んでもよい。
[0014] ある実施態様では、質量欠損プロットは、水素質量欠損プロットと置換された塩素(Cl−H)である。また、質量欠損プロットは、水素質量欠損プロットと置換される臭素(Br−H)であってもよい。質量欠損プロットにおいて関連する確証的同位体置換体(例えば、M+2またはM−2)イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作は、更に、特定許容度および相対存在度を有する質量欠損をフィルタリングする動作を含んでもよい。また、質量欠損プロットにおいて関連するM+2またはM−2イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作が、Br同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングする動作を含んでもよく、ここで、xは1から15までを含む整数の内1つである。また、質量欠損プロットにおいて関連するM+2またはM−2イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作は、Cl同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングする動作も含んでもよく、ここで、yは1から15までを含む整数の内1つである。ある例では、質量欠損プロットにおいて関連するM+2またはM−2イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作は、BrCl同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングする動作を含む。更に、質量欠損プロットにおいて関連する確証的同位体置換体を有さない全てのイオンをフィルタリングする動作は、間隔許容度を決定することによってフィルタリングする動作を含んでもよい。
[0015] 間隔許容度は、第1シグナルと第2シグナルとの間における静止m/z距離に基づいてもよい。間隔許容度は、第1シグナルにおけるイオン数、および第2シグナルにおけるイオン数から決定される統計的m/z信頼区間に基づくのでもよい。間隔許容度は、統計的m/z信頼区間に基づいてもよく、約2.8としてもよい。間隔許容度は、ユーザ入力によって制限されてもよい。
[0016] ある例では、質量欠損プロットにおいて関連する確証的同位体置換体を有さない全てのイオンをフィルタリングする動作は、相対存在度によってフィルタリングする動作を含む。相対存在度は、M+1シグナルに対して判定されてもよい。更に、M+1シグナルに対して相対存在度を判定する動作は、推定上のM+1シグナルの強度、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、およびM+1元素の陸域天然存在度に基づいて、M+1元素の最大予測カウントを判定する動作を含んでもよい。M+1元素は、炭素、窒素、ケイ素、または自然に発生するM+1同位体を有する任意の他元素であってもよい。
[0017] また、相対存在度はM+2シグナルに対して判定されてもよい。M+2シグナルに対して相対存在度を判定する動作は、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+2シグナルの強度、およびM+2元素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作を含んでもよい。また、M+2シグナルに対して相対存在度を判定する動作は、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+2シグナルの強度、推定上のM+4シグナルの強度、およびM+2元素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作を含んでもよい。更に、M+2シグナルに対して相対存在度を判定する動作は、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+4シグナルの強度、推定上のM+6シグナルの強度、およびM+2元素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作を含んでもよい。ある例では、M+2シグナルに対して相対存在度を判定する動作は、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+6シグナルの強度、推定上のM+8シグナルの強度、およびM+2元素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作を含む。更に、M+2シグナルに対して相対存在度を判定する動作は、1つ以上の分析物が塩素および臭素の双方を含有するか否か判定する動作と、分析物が塩素および臭素の双方を含有する場合、37塩素の陸域天然存在度、および81臭素の陸域天然存在度に基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作とを含んでもよい。
[0018] 以下に、本開示の1つ以上の実施態様の詳細について、添付図面および説明において明記する。その他の態様、特徴、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、例示的な飛行時間質量分析(TOF−MS)質量分析器の模式図である。 図2は、TOF−MSおよびサンプル導入ガス・クロマトグラフ・システムの模式図である。 図3は、質量欠損プロット(MDP)にハロゲン・フィルタリングによって標識を付ける動作の例示的な順序(arrangement)を示す(provide)。 図4は、間隔シグナルおよび相対同位体存在度を判定する方法例400を示す。 図5は、CBrS(公称m/zは400)の分子イオンの複数のスペクトル間におけるBr同位体置換体のm/x間隔分布(m/z spacing distribution)を示す。 図6は、TOF−MSからのデータに基づく抽出イオン・クロマトグラムおよび全イオン・クロマトグラム(total ion chromatogram)の例を示す。 図7は、いくつかの元素に対する質量欠損のグラフ例を示す。 図8は、質量欠損プロットの例を、対象領域と共に示す。 図9は、y軸上に質量欠損(IUPAC)、x軸上にm/zを表す、Cl−H質量欠損プロットの例を示す。 図10は、以上の動作および方法にしたがって標識付けした結果得られた、標識付き質量欠損プロットを示す。 図11は、本文書において説明するシステムおよび方法を実現するために使用することができるコンピューティング・デバイスの一例の模式図である。
[0030] 種々の図面における同様の参照符号は、同様のエレメントを示すこととする。
[0031] 図1を参照すると、飛行時間(TOF)質量分析計(MS)100において、イオン(1つまたは複数)10を飛行経路に沿って加速させ(例えば、電界を使用する)、イオン(1つまたは複数)10の飛行時間Tを測定し、飛行時間Tの関係を質量Mの関数として使用する(例えば、質量較正式)ことによってイオン(1つまたは複数)10の質量Mを判定することにより、イオン10の質量Mを判定することができる。例えば、各イオン10の飛行時間Tは、以下の式を使用して判定することができる。
Figure 0006738431
ここで、dはイオン10の飛行経路長であり、Mはイオン10の質量であり、zはイオン10の電荷であり、Uはイオン10を加速させるために使用された電位差(電圧)である。既知の電界強度Uでイオン10を加速すると、その結果、各イオン10は、同じ電荷zを有するあらゆる他のイオン10と同じ力学エネルギを有することになる。イオン10の速度はその質量対電荷比(m/z)に依存するので、その後にイオン10が飛行経路に沿って移動し検出器130に到達するのに要する時間(即ち、飛行時間T)を測定することができる。イオン10が重い程、軽いイオン10よりも相対的に遅く移動し、相対的に飛行時間Tが長くなる。検出器130によって判定された測定値は、データ140(図2参照)として、処理のためにコンピュータ・システム1100に戻される(図2参照)。
[0032] 図1は、例示的な飛行時間質量分析(TOF−MS)システム100の模式図を示す。システム100は、TOF分析器120(例えば、平面多重反射TOF(M−TOF)分析器)および検出器130と通信するイオン源アセンブリ110(例えば、転送イオン光学素子および直交加速器を有する蓄積イオン源)を含む。イオン源アセンブリ110は、イオン10(例えば、イオンのパケット)を、飛行経路および対応する飛行経路長dを有するTOF分析器120を介して加速させ、検出器130に入射させる。
[0033] 図2は、TOF−MS100およびガス・クロマトグラフ・システム200の模式図を示す。ガス・クロマトグラフ200は、所与の寸法および位相プロパティを有するキャピラリ・コラム、複数のキャピラリ・コラム、またはコラム集合を利用する。ある例では、ガス・クロマトグラフ200は、液体クロマトグラフでもよい。サンプルをコラム内に導入し、混合物における分子の化学プロパティの相違、およびコラム内に静止状体で留まる分子の親和性に応じて、コラムは分子の分離を促進する。サンプルは、直接挿入プローブまたは熱分解によって導入することができる。ある例では、サンプルはクロマトグラフィを用いずに導入される。保持時間に基づいて、分子は異なる時点においてコラムから溶出する(elute)。TOF−MS100は、イオン化された分子がガス・クロマトグラフ200から放出されるに連れて、イオン化された分子を別個に捕獲し、イオン化し、加速し、回折し(deflect)、収斂し、検出する。例示およびコンテキストのためにTOF−MS100およびガス・クロマトグラフ・システム200を取り上げたが、イオンの正確な質量を判定することができるシステムまたは質量分析器であれば、いずれでも適しているとして差し支えなく、クロマトグラフの不採用または直接サンプル導入を許容するシステムを含むことは理解されてしかるべきである。
[0034] 図3は、ハロゲン・フィルタリング(halogen filtering)によって質量欠損プロット(MDP)900に標識を付ける動作300の例示的な順序を示す。ここではハロゲン・フィルタリングについて例示的に説明するが、これは一実施形態に過ぎず、他の元素または元素の組み合わせを利用してもよいことは認められてしかるべきである。ブロック302において、動作300は、生データまたはデコンボリューション・データ(deconvoluted data)の総和質量スペクトル(summed mass spectra)(個々のピーク質量スペクトルの総和)から、Cl−HまたはBr−H質量欠損プロットを生成するステップを含む。データ140は、TOM−MS100によって供給され、原子質量欠損(IUPAC)の目盛またはその他の適した目盛上にプロットされたデータ140から決定することができる。ブロック304において、動作300は、MDP900において関連するM+2またはM−2イオンを有さない全てのイオン10(塩素に対して1.997050Daの質量差、または臭素に対して1.997953Daの質量差)を、指定された許容度以内で、規模調整された質量欠損(scaled mass defect)によってフィルタリングするステップを含む。本発明の少なくとも1つの実施形態では、許容度の一例は、0.0007Daであり、更に理論的なBr、Cl、またはBrCl(ここで、xは1から15までの整数としてもよく、yは1から15までの整数としてもよい)同位体パターン150と一致しない相対存在度±15%としてもよい。あるいは、許容度は、図4および図5に関して以下で説明するように計算されてもよい。
[0035] ブロック306において、動作300は最も豊富な未確認イオン10を選択し、同位体クラスタ152に対して同位体パターン150を判定する、即ち、BrまたはBrCl等を判定する動作を含む。ブロック308において、動作300は、例えば、標準的な組み合わせ手法を使用する他の共通元素に加えて、同位体パターン150によって同定された元素を含有する化学式(formula)を求めて、式検索する動作を含む。他の共通元素には、炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、および/または燐等が含まれるが、これらに限定されるのではない。ブロック308において、動作300は、決定された化学式で同位体クラスタ152に標識を付ける動作を含む。ある実施形態では、動作300は一意の色、シンボル、または識別子を同位体クラスタ152に割り当てる動作を含む。ブロック310において、動作は、ブロック308において決定された化学式で同位体クラスタ152に標識を付ける動作を含む。ブロック312において、動作は、同族列(±Clまたは±Br)およびRDBE関連種(±Hまたは±2H)を検索し、ブロック310において同定および着色された同位体クラスタ152と同じ色で標識を付ける。ある実施形態では、ブロック314において、動作は、選択したイオン10を、抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差(即ち、207.1547±5ppmまたは±0.001Da)として示し、抽出イオン・クロマトグラムに対応するクロマトグラフ・ピーク(1つまたは複数)を識別する動作を含む。ある実施形態では、MDP900における全てのイオンが同定されるまで、動作ブロック306から314までを繰り返す。
[0036] 図4は、間隔シグナル(spacing signal)および相対同位体存在度を判定する方法例400を示す。ブロック402において、間隔許容度Tを決定する。同様のm/zの2つの記録されたスペクトル・シグナルの重心間の差に対する信頼区間、またはm/z許容度(T)は、式2によって与えられる。
=(±K)(0.42466)(m)(RFWHM−1[(n−1+(n−11/2 (2)
ここで、Kはm/z信頼間隔の幅をσで除算した値であり、0.42466は、σを半値全幅(FWHM: Full Width at Half-Maximum height)で除算した値であり、mはスペクトル・シグナル2のm/z重心にほぼ等しいスペクトル・シグナル1のm/z重心であり、RFWHMはシグナルの半値全幅(half-maximum height)における予測解像力であり、nはスペクトル・シグナル1(密度が濃い方のシグナル)におけるイオン10の数であり、nはスペクトル・シグナル2(密度が薄い法のシグナル)におけるイオン10の数である。
[0037] 実施を簡略化し、自動脱同位体化速度(automated deisotoping speed)を高めるために、簡略近似によってパラメータを消去してもよい。nまたはnを消去することによって、比較される1対のスティック毎に異なるTを使用するのではなく、各スティックに1つのTを使用することが可能になる。定義として、nはn以上になり、つまり、nはnよりもTに寄与せず、nを消去する方が、nを消去するよりも賢明である。nがnとほぼ等しいと仮定し、式2においてnをnで置換すると、式3が得られる。
=(±K)(0.42466)(m)(RFWHM−1(2)1/2+(n1/2 (3)
[0038] イオンの数(n)は、式4におけるように、シグナル2のスペクトル・エリアに関係する。
=(a)(i) (4)
ここで、aはシグナル2のスペクトル・エリアであり、iはシグナル2の質量において予測されるエリア毎のイオン10である。
[0039] 検出器をチューニングする(tuning)とき、エリア当たりのイオン10を同調質量(tune mass)に対して推測する。検出器の中には、重くしたがって遅いイオン10程弱いシグナルを登録し、軽いしたがって速いイオン10程強いシグナルを登録するものもあることが予測される。このような検出器について、検出器応答がイオン10の速度に直接比例し、エリア当たりのイオンが1つの同調質量について推測される場合、シグナル2の質量において予測されるエリア当たりのイオン10(i)は、式5によって、同調質量におけるエリア当たりのイオン10に関係付けられる。
=(itune)(m/mtune1/2 (5)
ここで、ituneは、検出器同調または測定による同調質量に対するエリア毎のイオン10であり、mtuneは検出器同調または検出器測定によって使用される同調質量のm/zである。
[0040] 式5を式4に代入し、その結果を式3に代入し、部分的に簡略化すると式6が得られる。
= (±K)(2) 1/2 (0.42466)(m)(RFWHM) -1 [(a)(itune)(m/mtune) 1/2 ] -1/2 (6)
[0041] 更に簡略化すると、m/z許容度(T)が、観察されるm/z(m)の3/4のパワーで変動することが予測されることが示される。つまり、同調質量よりも重い質量については、式6によって予測されるTは、検出器応答がイオン質量とは無関係であると仮定することによって予測されるTよりも狭い。同様に、同調質量よりも軽い質量については、式6によって予測されるTは、検出器応答がイオン質量とは無関係であると仮定することによって予測されるTよりも広い。尚、全ての検出器が、重いしたがって遅いイオン10程弱いシグナルを登録し、軽いしたがって速いイオン10程強いシグナルを登録するのではないこと、つまり、検出器によっては、m/z許容度が、観察されるm/zと共に線形に変動する場合もあり、またはm/z許容度がm/zの異なる関数として変動する場合もあることを注記しておく。
[0042] Kに対する実用的な値は、約99.5パーセントの信頼度に対応する、約2.8である。2.8に2の平方根を乗算すると、約4という便利な値が得られる。したがって、応答がイオン速度に直接比例する検出器に推奨される間隔許容度が式7によって与えられる。
= (±4)(0.42466)(m)(RFWHM)-1[(a)(itune)(m/mtune)1/2]-1/2 (7)
[0043] 他のピーク高さにおける解(resolution)の式7への安直な代入を許容するために、RFWHMをσ(0.42466)に変換する定数を、信頼間隔係数(±4)と組み合わせない。
[0044] 式7によって予測される間隔許容度の経験的検証を図5に示す。テトラブロモベンゾチオフェン(tetrabromobenzothiophene)の反復注入を記録し、全ての注入の全てのスペクトルにおける分子イオンの全ての臭素同位体置換体の間隔を計算し、低存在比同位体置換体(minor isotopologue)におけるイオン10の推定数を、間隔と対比してプロットした。式7によって予測される間隔許容度を曲線502によって示す。比較のために、m線形モデル(linear-with-m model)(即ち、検出器応答がm/zとは無関係であると仮定したモデル)を使用して予測された間隔許容度を曲線504によって示す。1230個の個々の臭素同位体置換体対506の全てをプロット内に示す。図5は、CBrS(公称m/zは400)の分子イオンに対するBr同位体置換体の間隔を示す。エリア毎のイオン10は、公称m/zの219において測定した。m/zが400であるときの予測RFWHMは35,000である。
[0045] 統計に基づく許容度が、非常に大きなnまたは小さなm/zにおいて狭くなり過ぎることを回避するために、更に非常に小さなnおよび大きなm/zにおいて、許容度が広くなり過ぎることを回避するために、間隔許容度に対して追加の調節を実施することもできる。後者の場合を回避するために、合理的な精度で定量化することができるイオン10の数に対応する幅に、許容度の幅を制限することができる。25個のイオン10のエリアに対して予測されるCVは約20%であり、許容度の幅に対応する上限が式8において表現される(capture)。
m = (±4)(0.42466)(m)(RFWHM) -1 {MAX[(25),(a2)(itune)(m/mtune) 1/2 ]} -1/2 (8)
[0046] 25個のイオン10に対して予測される幅で許容度の幅を抑える(capping) と、図5においてプロットされた1230の同位体対の内2つが拒絶される(reject)。拒絶される双方の対において、低存在比同位体は合計で16未満のイオンを有する。
[0047] 非常に大きなnまたは小さなm/zにおいて、同位体シグナル間隔に対する非統計的寄与が、統計的寄与を支配する可能性がある。最終的な調節は、式9におけるように、式8によって予測されたTを無視し、ユーザ指定の最小許容度を使用することにすればよい。
T=MAX[Tuser,T] (9)
[0048] Tuserに対する合理的なデフォルト(reasonable default)は、1.5mDaである。
[0049] ブロック404において、方法400は、M+1シグナルに対する相対存在度許容度を判定するステップを含む。直前の間隔許容度内で推定上の同位体置換体の対を発見した後、推定上の同位体置換体の対によって予測される元素カウント(element counts)を考慮することによって、合理的な相対存在度許容度(abundance tolerance)を確定することができる。
[0050] 石油、生体、食品、または環境サンプルにおいて通例見られるGC適格分析物(GC-amenable analytes)に対して、M+1相対存在度全体に対する主な寄与は、13C、15N、29Si、および33Sであり、17OおよびHからの些細な寄与がある。先のサンプル種別では臭素含有分析物または金属含有分析物が見られるのは希であるので、このような分析物は、以下の論述では考慮しない。
[0051] 可能性があるM+1誘因(contributor)の内、29Siは単位質量当たり最も大きな相対存在度に寄与すると考えられる。つまり、スペクトルにおける任意の推定上の同位体クラスタに対して、最も許容度が高いと想定される可能性がある元素組成は、純粋な陸域ケイ素(terrestrial silicon)である。したがって、推定上のM+1シグナルの相対存在度から、ケイ素カウントを予測する。真のM+1シグナルに対して、適正な許容度を含む予測ケイ素カウントは、測定されたモノアイソトピック質量(monoisotopic mass)を28で除算した値を超過することはできない。
[0052] M+1相対存在度からのケイ素カウントの予測を式10に示し、式11において任意の「M+1」元素に一般化する。
=[M+1][M]−1[0.0508]−1 (10)
ここで、Siは化学式(formula)における予測最大ケイ素カウントであり、[M+1]は推定上のM+1シグナルの強度であり、[M]は推定上のモノアイソトピック・シグナル(putative monoisotopic signal)の強度であり、0.0508は29Siの陸域天然存在度(terrestrial natural abundance)である。
M+1=[M+1][M]−1[A]−1 (11)
ここで、CM+1は「M+1」元素(主にC、N、Si)の予測最大カウントであり、[M+1]は推定上のM+1シグナルの強度であり、[M]は推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度であり、Aは元素の陸域天然存在度である。
[0053] イオン統計は、基本的に、式11によって与えられる予測元素カウントの確信度を限定する。予測元素カウント(C)についての信頼区間、または元素数許容度(element count tolerance)(Tc)は、式12によって与えられる。
=(±K)(C)(n−1/2[2+(AC)+(AC)−11/2 (12)
ここで、Cは元素の予測カウントであり、Kは元素カウント信頼区間/σであり、その合理的な値は約99.5%信頼度に対応する2.8であり、nは推定上の同位体置換体シグナルの対におけるイオン10の総数である。尚、nの代わりにnまたはnM+1を使用する、式12の等価表現(equivalent rendition)を、n+nM+1=nおよびnM+1/n=ACという関係を使用して導き出せることを注記しておく。
[0054] つまり、m/z間隔によって発見された、仮割り当てのM+1シグナルは、予測最大ケイ素カウント(式10から)から元素カウント許容度(式12からのT)を減算した値が、測定されたモノアイソトピック質量を28で除算した値よりも大きい場合、偽りのM+1割り当てとして拒絶される可能性がある。ケイ素含有化合物(compound)が特定の分析における対象の分析物でない場合、M+1相対存在度の閾値は、純粋な陸域炭素(terrestrial carbon)に基づくことができる。この場合、予測炭素カウントは式11によって与えられ、A=0.0108となる。この予測炭素カウントから、式12からの炭素カウント許容度を減算した値が、測定されたモノアイソトピック質量を12で除算した値を超過してはならない。
[0055] ブロック406において、方法400は、M+2シグナルに対する相対存在度許容度を判定するステップを含む。推定上の34Sシグナルを検査することは、推定上のM+1シグナルを検査することと同様であるはずであり(should)、予測硫黄カウントから、式12からの硫黄カウント許容度を減算した値は、測定されたモノアイソトピック質量を32で除算した値を超過してはならない。
[0056] 塩素化および臭素化分析物は、強い特徴的同位体パターンを呈し、列(M、M+2、M+4、M+6、...)内に複数の検出可能な同位体置換体を含む。37Clおよび81Br、または混合ハロゲン同位体置換体の有効な列内には、常に、37Clの陸域天然存在度以上の相対存在度差(relative abundance difference)の少なくとも1つの隣接ハロゲン同位体置換体対があり、統計的に有効な相対存在度許容度の影響を受ける。つまり、一連の推定上のハロゲン同位体置換体は、隣接する部材の全ての対が、1から式12によって与えられる許容度を減算した値よりも小さい予測塩素カウントを生ずる(yield)場合、拒絶されなければならない。あるいは、推定上のハロゲン・パターンを検査する更に綿密な手法も可能であるが、計算上厄介な場合もある。その詳細の一部について以下で論ずる。
[0057] ブロック408において、方法400は、塩素化または臭素化同位体パターンに対する代替相対存在度許容度(alternative relative abundance tolerances)を判定する。塩素化分析物および臭素化分析物は、強い同位体クラスタを呈することができ、複数の偶数(M、M+2、M+4等)同位体置換体は際だった存在度を有する(最も豊富な同位体置換体に対して10%超)。このような強い同位体クラスタの推定上の部材は、推定上の同位体置換体の隣接対に対して、予測元素カウントが一致する(agree)ことを要求することによって、確認または拒絶することができる。塩素または臭素を含有するが双方の元素は含有しない典型的な有機化合物に対して、式13から16におけるように、式11をもっと高い同位体置換体対に広げることができ、更に望ましければ一般化することもできる。
M+2=[M+2][M]−1[A]−1 (13)
M+2=1+(2)[M+4][M+2]−1[A]−1 (14)
M+2=2+(3)[M+6][M+4]−1[A]−1 (15)
M+2=3+(4)[M+8][M+6]−1[A]−1 (16)
ここで、CM+2は「M+2」元素(主に、Cl、Br)の予測最大カウントであり、[M]は推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度であり、[M+2]は推定上のM+2シグナルの強度であり、[M+4]は推定上のM+4シグナルの強度であり、[M+6]は推定上のM+6シグナルの強度であり、[M+8]は推定上のM+6シグナルの強度であり、Aは陸域天然同位体存在度(主に、37Cl、81Br)である。
[0058] 式12からの許容度は、推定上のM+2/M対についての式13に有効に適用することができるが、同位体置換体対が多くなる程(for higher isotopologue pairs) 相対存在度の不確実性を過小評価する可能性がある。同位体置換体対が多くなるに連れて式12の有効な一般化は、計算的に厄介になる場合がある。もっと実用的な手法は、隣接する推定上のM+2同位体置換体の対毎に塩素または臭素カウント(CM+2)を予測し、予測された塩素カウントまたは臭素カウントが全ての隣接する同位体置換体対に対して一貫する場合、推定上の同位体クラスタを受け入れることである。緩い許容度を適用すべきであり、予測元素カウントが2倍以内で一致することを要求するのは合理的である。以上のことは、関連するM+2またはM−2イオンを有さないMDP900を判定するために使用することができる。
[0059] ブロック410において、本方法は、仮想モノアイソトピック臭素を使用する臭素化分析物に対する最小モノアイソトピック質量を判定するステップを含む。高度に臭素化された分析物は、最も豊富な同位体置換体よりも際だって弱いモノアイソトピック・シグナルを呈する可能性がある。高度に臭素化された分析物については、定量可能な最も豊富な同位体置換体が検出不可能なモノアイソトピック・シグナルに属する可能性が高いこと(likelihood)が、仮想臭素同位体置換体を考慮することを許容する正当な理由になる。追加すべき仮想臭素同位体置換体の合理的な最大数は、検出された臭素同位体置換体の数の合計の2倍から2を減算した値である。つまり、3つの臭素同位体置換体が検出可能である場合、検出された同位体置換体の内質量が最も小さいものを、M(仮想臭素同位体置換体がない場合)、またはM+2(検出された同位体クラスタの各側に1つずつ、2つの仮想臭素同位体置換体がある場合)として検査することができる。4つの臭素同位体置換体が検出可能である場合、検出された同位体置換体の内質量が最も小さいものを、M(仮想臭素同位体置換体がない場合)、M+2(検出された同位体クラスタの各側に1つずつ、2つの仮想臭素同位体置換体がある場合)、またはM+4(検出された同位体クラスタの各側に2つずつ、4つの仮想臭素同位体置換体がある場合)として検査することができる。
[0060] モノアイソトピック質量は、同位体クラスタによって予測された臭素の数に、2を超える追加の臭素を支持するために必要とされる炭素の数を加算したものを支持するのに十分でなければならない。臭素化分析物に対する最小モノアイソトピック質量は、式17、式18、および式19によって与えられる。
Massmin=(79)(CBr)+(12)(CCmin) (17)
ここで、Massminは、臭素化分析物に対する最小モノアイソトピック質量であり、CBrは、Br同位体置換体の数(式18)によって予測されるBrカウントであり、Ccminは、Brカウント(式19)を支持するために必要とされる最小のCのカウントである。
Br=(検出された臭素同位体置換体および仮想臭素同位体置換体の和)−1 (18)
Cmin=(CBr−2)(2)−1 (19)
[0061] 式19におけるCcminのあらゆる端数値は、常に大きい方の整数に丸められる。結果的に得られたモノアイソトピック質量が式17からのMassminよりも小さい場合、仮想臭素同位体置換体を追加することはできない。
[0062] ブロック412において、方法400は、混合ハロゲン・パターンについて、M強度に対する相対的なM+2強度を判定するステップを含む。ClおよびBrの双方を含有する分析物は、式12から式16の型式を使用して、一貫した予測元素カウントを生成しない同位体パターンを呈する。このような混合ハロゲンでは、M強度に対する総M+2強度は、式20によって与えられる。
[M+2][M]−1=AClCl+ABrBr (20)
ここで、AC137Clの陸域天然存在度であり、CC1は化学式における塩素カウントであり、ABrは、81Brの陸域天然存在度であり、CBrは化学式における臭素カウントである。M強度に対する全M+4強度は、式21によって与えられる。
[M+4][M] -1 = 1/2ACl 2 (CCl 2 − CCl) + AClClBrBr + 1/2ABr 2 (CBr 2 − CBr) (21)
[0063] CC1またはCBrのいずれかがゼロの場合、式21を式20で除算し、その結果を再編成して式13を得ることができる。[M]、[M+2]、および[M+4]から、式20および21のシステムは、CC1およびCBrに対して現実のそしてもっともらしい解を生成するはずである。
[0064] 図6は、TOF−MS100からのデータ140に基づく、抽出イオン・クロマトグラムおよび全イオン抽出イオン・クロマトグラム600の例を示す。抽出イオン・クロマトグラムおよび全イオン抽出イオン・クロマトグラム600は、時間を表すx軸、およびシグナル強度を表すy軸を含む。検出器130によるイオン10の個々の検出に関係する抽出イオン・クロマトグラムおよび全イオン抽出イオン・クロマトグラム600には、個々のピーク610が示されている。データ140は、これらのイオンの質量欠損を判定するために使用することができる。更に、抽出イオン・クロマトグラム600は、ユーザに対象領域を選択させ、一層高精度の結果を得るために、質量フィルタリング(mass filtering)および質量欠損分析を制限させることができる。
[0065] 図7は、質量欠損についてのグラフ例を示す。質量欠損は、式22によって判定することができる。
質量欠損 = 正確な質量 − 公称質量 (22)
[0066] 例えば、質量欠損は、IUPACによれば、12.0000の原子量を有する炭素を中心に展開される。Cについて検討すると、Cは、44.06205の正確な質量、および44.00000の公称質量を有し、その結果質量欠損は0.06205となる。比較すると、CClは、281.81257の正確な質量、および282.00000の公称質量を有し、その結果、質量欠損は−0.18743となる。ここのグラフは、いくつかの共通同位体に対する原子質量欠損を示す。例えば、1Hは0.01未満の質量欠損を有し、2Hは約0.015の質量欠損を有し、これらを容易に区別することが可能である。同様の原子質量を有する同位体であっても、質量欠損を使用して差別化することができ、実質的に異なる質量欠損値を有する。例えば、15.00001および15.99491の原子質量をそれぞれ有する15Nおよび16Oは、それぞれ、質量欠損において、約0.0001および0.005という大きな差を有する。
[0067] 図8は、対象領域810を含む質量欠損プロット800の一例を示す。データ140から質量欠損を計算し、炭素12をゼロ質量欠損として質量欠損を表すy軸、およびx軸上のm/zに基づいてプロットすると、複数の対象領域が現れる。アルカンはアルカン領域810aに全体的に現れ、シロキサンはシロキサン領域810bに全体的に現れ、ハロゲン化化合物はハロゲン化化合物領域810c全体に現れる。これは有用であり、特定のイオン10および/または化合物の化学式を判定するために処理しなければならないデータ140の量に限定される特定の対象化合物を、ユーザが同定することを可能にする。
[0068] 図9は、Cl−H質量欠損プロット900の一例を示し、y軸上に質量欠損(IUPAC)、x軸上にm/zを示す。ケンドリック質量欠損プロットを生成するために、代替計算(alternative computation)を適用することができる。ケンドリック質量欠損プロットでは、CHは、CHに対するIUPAC質量の代わりに、正確に14Daであると考えられ、IUPAC質量は14.01565であると考えられる。ケンドリック質量を式23において定義する。
ケンドリック質量 = IUPAC質量 × (14.00000/14.01565) (23)
[0069] 式24の規模調整質量(scaled mass)を最初に解くことによって、規模調整質量欠損を判定することができる。
規模調整質量 = IUPAC質量 × 倍率 (24)
[0070] Cl−Hを表すグラフに対する特定の倍率は、34/33.96048である。規模調整質量欠損は、式25によって判定することができる。
規模調整質量欠損 = 規模調整質量 − 公称規模調整質量 (25)
[0071] 図6に見られるように、Cl−H上の各点910は、抽出イオン・クロマトグラム上のピークに対応する。個々の点910は、図3および図4にしたがって動作300および方法400を使用してコンピュータ・システムによって同定される化合物および/またはイオン10を表す。
[0072] 図10は、図3および図4における動作および方法400にしたがって標識を付けることができる、最終的な標識付き質量欠損プロット1100を示す。ブロック308において化学式検索が実行され、イオン10元素が同定された後、個々の化合物を示す質量欠損プロットに標識を付ける。各ドット910には、対応する化合物を同定するために、シンボルまたは色を与えることができる。また、各ドット910または化合物は、同定をし易くするために標識1010を含むこともできる。標識1010は複数のドット910に対応してもよい。キーまたはインデックス1020をコンピュータ1100によって表示することができ、または適正に関連化合物を判定するために表示することができる。
[0073] 少なくとも1つの例において、ユーザはTOF−MS100またはその他の適した質量分析システムを使用してサンプルを分析する。サンプルからのイオン10は検出器130に衝突し、その結果、TOF−MS100に取り付けられているコンピューティング・デバイス100にデータ140を送達することができる。検出器130に衝突したイオン10の時刻およびエネルギは、データ140に基づいて、イオン・クロマトグラム600としてグラフ型式で表示することができ、x軸は時間を表し、y軸はシグナル強度を表す。イオン・クロマトグラム600は、ディスプレイ1180によってユーザに提示することができ、ユーザは、ユーザが関心を示すデータの選択に関するユーザ選択を得ることができる。ユーザ選択は、クリック、タッチ・ジェスチャ、カリパス選択(caliper selection)、またはユーザに関心があるかもしれない生データまたは処理済みデータを選択するための任意の適した形態であればよい。ユーザは、質量欠損プロットの生成を選択し、データ源、モード、フィルタ、参照化学式、欠損極性、欠損調節、および/または自動更新を含む追加属性を入力することができる。少なくとも1つの例において、データ・ソースはカリパスであり、モードは規模調整質量欠損であり、存在度フィルタ(abundance filter)は最小であり0.1の値を有し、参照化学式はCHであり、欠損極性は正であり、欠損調節は0であり、自動更新は有効化される。コンピュータ・システム1100は、データ源に基づいて、質量欠損プロット800、900を生成することができる。質量欠損は、先の式22を使用して判定することができる。少なくとも1つの実施形態において、質量欠損プロット800、900は、指定されたDa値および相対存在度を使用してフィルタリングすることができる。少なくとも1つの実施形態において、統計的に信頼できる間隔および相対存在度許容度を決定する。例えば、約2.8のK値を使用してもよく、式7を使用して、スペクトル・シグナル1および/または2のm/z重心、シグナルの半値全幅における予測解像力(expected resolving power)、シグナル2のスペクトル・エリア、検出器同調または測定による同調質量に対するエリア当たりのイオン、および/または検出器同調または検出器測定によって使用される同調質量のm/zに基づいて、T(信頼区間、またはm/z許容度)を決定することができる。非常に大きなnまたは小さなm/z値において、統計的に基づく許容度が狭くなり過ぎるのを回避するため、または非常に小さいnおよび大きなm/z値において許容度が広くなり過ぎるのを回避するために、Tを拡大または縮小することができる。ある例では、T値はユーザ入力によって限定される。次に、M+1の相対存在度を、通常は式10を使用して、判定することができ、式12を使用して信頼区間を判定することができる。M+1カウントに対する主要な誘因(contributor)は、13C、15N、29Si、および33Sであり、17OおよびHからの些細な寄与もある。ある例では、ケイ素式10を使用してもよい。式10および11は、推定上のM+1シグナルの強度、モノアイソトピック・シグナルの強度、および当該元素の陸域天然存在度に基づいて決定することができる。また、式12は、元素の予測カウント、元素カウント信頼区間をσで除算した値、推定上の同位体置換体シグナルの対におけるイオンの総数も含む。次に、M+2シグナルを判定することができる。ある例では、塩素化または臭素化同位体パターンにおいて別個に、式13〜式16を使用して、「M+2」元素(主にCl、Br)の予測最大カウント、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度、推定上のM+2シグナルの強度、推定上のM+4シグナルの強度、推定上のM+6シグナルの強度、推定上のM+8シグナルの強度に基づいて、相対存在度許容度を判定し、Aは陸域天然同位体存在度(主に、37Cl、81Br)である。大量の臭素化分析物がある他の例では、式17〜式19を使用して、Br同位体置換体の数によって予測されるBrカウント、およびBrカウントを支持するために必要とされる最小カウントに基づいて、臭素化分析物の最小モノアイソトピック質量を判定することができる。ClおよびBrのような混合ハロゲン・パターンがある例では、式20および式21を使用して、37Clの陸域天然存在度、化学式における塩素カウント、81Brの陸域天然存在度、および化学式における臭素カウントに基づいて、M+2およびM+4強度を判定することができる。結果的に得られた値は、データ140をフィルタリングして同位体パターン150および同位体クラスタ152を得るために使用することができる。コンピューティング・デバイス1100は、選択されたデータにおいて、最も豊富な未確認イオン10を選択し、同位体クラスタ152に対して同位体パターン150を判定することができる。同位体パターン150によって同定された元素を判定するために、化学式検索を実行することができる。例えば、塩素に対する同位体パターンでは、塩素を含む化学式を検索する。ある例では、炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、および/または燐のような共通元素も検索して、化学式がこれらの元素を含むか否か判断し、未確認元素が化学式の質量欠損(formula mass defect)と一致するか否か判定する。未確認イオンに対する化学式を判定した後、コンピュータ・システム1100は、標識付き質量欠損プロット1000上において、未確認イオン10に標識を付けることができ、コンピュータ・システムは、標識付き質量欠損プロット1000上で、表示されたイオン10に着色する、および/または印を付けることができる。イオン10を同定した後、コンピュータ・システム1000は同族列(±Clまたは±Br)およびRDBE関連種(±Hまたは±2H)を検索し、同位体クラスタ152と同じ色または識別子で標識を付ける。ある例では、ユーザがイオン10を選択してもよく、またはコンピュータ・システムがイオン10を選択し、抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差を、同定されたイオン毎のピーク610と共に、ユーザに表示してもよい。
[0074] 図11は、本文書において説明したシステムおよび方法を実現するために使用することができるコンピューティング・デバイスの一例1100の模式図である。コンピューティング・デバイス1100は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、パーソナル・ディジタル・アシスタント、サーバ、ブレード・サーバ、メインフレーム、およびその他の該当するコンピュータ等、種々の形態のディジタル・コンピュータを表すことを意図している。ここで示すコンポーネント、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、例示に過ぎないことを意図するのであって、本文書において説明および/または特許請求する発明の実施態様を限定することを意図するのではない。
[0075] コンピューティング・デバイス1100は、プロセッサ1110、メモリ1120、記憶デバイス1130、メモリ1120および高速拡張ポート1150に接続する高速インターフェース/コントローラ1140、ならびに低速バス1170および記憶デバイス1130に接続する低速インターフェース/コントローラ1160を含む。コンポーネント1110、1120、1130、1140、1150、および1160の各々は、種々のバスを使用して相互接続され、共通マザーボード上にまたは適宜他の方法で実装することができる。プロセッサ1110は、メモリ1120または記憶デバイス1130に格納されている命令を含む、コンピューティング・デバイス1100内における実行のための命令を処理して、高速インターフェース1140に結合されているディスプレイ1180のような、外部入力/出力デバイス上において、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)用のグラフィカル情報を表示することができる。他の実施態様では、複数のメモリおよび複数種のメモリと共に、複数のプロセッサおよび/または複数のバスも適宜使用することもできる。また、複数のコンピューティング・デバイス1100を接続し、各デバイスが必要な動作の一部を提供することもできる(例えば、サーバ・バンク、ブレード・サーバの一群、またはマルチプロセッサ・システムのように)。
[0076] メモリ1120は、コンピューティング・デバイス1100内部に情報を非一時的に格納する。メモリ1120は、コンピュータ読み取り可能媒体、揮発性メモリ・ユニット(1つまたは複数)、または不揮発性メモリ・ユニット(1つまたは複数)であってもよい。非一時的メモリ1120は、プログラム(例えば、命令のシーケンス)またはデータ(プログラム状態情報)を、コンピューティング・デバイス1100による使用のために一時的または永続的に格納するために使用される物理デバイスとして差し支えない。不揮発性メモリの例には、フラッシュ・メモリおよびリード・オンリ・メモリ(ROM)/プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(PROM)/消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROM)/電子的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EEPROM)(例えば、ブート・プログラムのように、ファームウェアのために通例使用される)が含まれるが、これらに限定されるのではない。揮発性メモリの例には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、位相変化メモリ(PCM)、更にはディスクまたはテープも含まれるが、これらに限定されるのではない。
[0077] 記憶デバイス1130は、コンピューティング・デバイス1100のために大容量の記憶空間(storage)を提供することができる。ある実施態様では、記憶デバイス1130はコンピュータ読み取り可能媒体である。種々の異なる実施態様では、記憶デバイス1130は、フロッピ・ディスク・デバイス、ハード・ディスク・デバイス、光ディスク・デバイス、あるいはテープ・デバイス、フラッシュ・メモリまたは他の同様のソリッド・ステート・メモリ、デバイス、もしくはストレージ・エリア・ネットワークまたはその他の構成におけるデバイスを含む、デバイスのアレイであってもよい。更に他の実施態様では、コンピュータ・プログラム製品が情報担体に有形に具体化される。コンピュータ・プログラム製品は、命令を含み、これらの命令が実行されると、以上で説明したような、1つ以上の方法を実行する。情報担体とは、メモリ1120、記憶デバイス1130、またはプロセッサ1110上のメモリのような、コンピュータまたは機械読み取り可能媒体である。
[0078] 高速コントローラ1140は、コンピューティング・デバイス1100のために帯域幅集約的動作を管理し、一方低速コントローラ1160はそれよりも低い帯域幅集約的動作を管理する。このような作業(duties)の割り当ては例示に過ぎない。ある実施態様では、高速コントローラ1140がメモリ1120、ディスプレイ1180(例えば、グラフィクス・プロセッサまたはアクセレレータを介して)、および高速拡張ポート1150と結合される。高速拡張ポート1150は、種々の拡張カード(図示せず)を受け入れることができる。ある実施態様では、低速コントローラ1160が記憶デバイス1130および低速拡張ポート1170に結合される。低速拡張ポート1170は、種々の通信ポート(例えば、USB、Bluetooth(登録商標)、Ethernet、ワイヤレスEthernet)を含むことができ、キーボード、ポインティング・デバイス、スキャナのような1つ以上の入力/出力デバイス、あるいはスイッチまたはルータのようなネットワーキング・デバイスに、例えば、ネットワーク・アダプタを介して結合することができる。
[0079] コンピューティング・デバイス1100は、図に示すように、多数の異なる形態で実現することができる。例えば、標準的なサーバ1100aとして、または多くの場合(multiple times)このようなサーバ1100aの一群において、ラップトップ・コンピュータ1100bとして、あるいはラック・サーバ・システム1100cの一部として実現することもできる。
[0080] 本明細書において説明したシステムおよび技法の種々の実施態様は、ディジタル電子および/または光回路、集積回路、特殊設計ASIC(特定用途集積回路)、コンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組み合わせで実現することができる。これらの種々の実施態様は、少なくとも1つのプログラマブル・プロセッサを含むプログラマブル・システム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータ・プログラムにおける実装(implementation)を含むことができる。プログラマブル・プロセッサは、特殊目的用または汎用でもよく、記憶システム、少なくとも1つのデバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受け取るため、そしてデータおよび命令を送信するために結合することができる。
[0081] これらのコンピュータ・プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェア・アプリケーション、またはコードとしても知られている)は、プログラマブル・プロセッサ用の機械命令を含み、高度手続き型および/またはオブジェクト指向プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械語で実装することができる。本明細書において使用する場合、「機械読み取り可能媒体」および「コンピュータ読み取り可能媒体」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブル・プロセッサに供給するために使用される、任意のコンピュータ・プログラム製品、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体、装置、および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD))を指し、機械命令を機械読み取り可能信号として受け取る機械読み取り可能媒体を含む。「機械読み取り可能信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブル・プロセッサに供給するために使用される任意の信号を指す。
[0082] 本明細書において説明した主題および機能的動作の実施態様は、ディジタル電子回路において、あるいはコンピュータ・ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアにおいて実現することができ、本明細書において開示した構造、それらの構造的同等物、またはこれらの1つ以上の組み合わせを含む。更に、本明細書において説明した主題は、1つ以上のコンピュータ・プログラム製品として、即ち、データ処理装置による実行のためまたはその動作を制御するために、コンピュータ読み取り可能媒体上にエンコードされたコンピュータ・プログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装することができる。コンピュータ読み取り可能媒体は、機械読み取り可能記憶デバイス、機械読み取り可能ストレージ基板(machine-readable storage substrate)、メモリ・デバイス、機械読み取り可能伝搬信号に作用する(effecting)複合物体(composition of matter)、あるいはこれらの1つ以上の組み合わせとすることができる。「データ処理装置」、「コンピューティング・デバイス」、および「コンピューティング・プロセッサ」という用語は、一例として、プログラマブル・プロセッサ、コンピュータ、あるいは複数のプロセッサまたはコンピュータを含む、データを処理するための装置、デバイス、および機械の全てを包含する。装置は、ハードウェアに加えて、当のコンピュータ・プログラムのために実行環境を形成するコード、例えば、プロセッサ・ファームウェア、プロトコル・スタック、データベース管理システム、オペレーティング・システム、またはこれらの内の1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝搬信号とは、人工的に生成された信号であり、例えば、機械生成電器、光、または電磁信号であり、この信号は、適した受信装置への送信に合わせて情報をエンコードするために生成される。
[0083] コンピュータ・プログラム(アプリケーション、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェア・アプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)は、コンパイル型またはインタプリタ型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、単体コンピュータとしてあるいはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境における使用に適したその他のユニットとしての形態を含む、任意の形態でデプロイすることができる。コンピュータ・プログラムは、必ずしも、ファイル・システムにおけるファイルに対応するのではない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納されている1つ以上のスクリプト)、当のプログラムに専用に作られた1つのファイル、または複数の組織的ファイル(coordinated files)(1つ以上のモジュール、サブ・プログラム、またはコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータ・プログラムは、1つのコンピュータまたは複数のコンピュータ上で実行するようにデプロイすることができる。複数のコンピュータは、1つの場所に位置するか、または複数の場所にまたがって分散され通信ネットワークによって相互接続される。
[0084] 本明細書において説明したプロセスおよび論理フローは、入力データに動作して出力を生成することによって機能を実行するための1つ以上のコンピュータ・プログラムを実行する1つ以上のプログラマブル・プロセッサによって実行することができる。また、プロセスおよび論理フローは、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)またはASIC(特定用途集積回路)によって実行することもでき、装置は特殊目的論理回路として実現することもできる。
[0085] コンピュータ・プログラムの実行に適したプロセッサには、一例として、汎用および特殊目的双方のマイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のディジタル・コンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが含まれる。一般に、プロセッサは命令およびデータをリード・オンリ・メモリまたはランダム・アクセス・メモリ、あるいは双方から受け取る。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを格納するための1つ以上のメモリ・デバイスである。一般に、コンピュータは、データを格納するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクも含むか、あるいは1つ以上の大容量記憶デバイスからデータを受信するまたは1つ以上の大容量記憶デバイスにデータを転送するため、あるいは双方のために、動作可能に結合されている。しかしながら、コンピュータはこのようなデバイスを有する必要はない。更に、いくつかの例をあげると、コンピュータは、他のデバイス、例えば、移動体電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、移動体オーディオ・プレーヤ、汎地球測位システム(GPS)受信機に埋め込むことができる。コンピュータ・プログラム命令およびデータを格納するのに適したコンピュータ読み取り可能媒体は、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリ・デバイスを含み、一例として、半導体メモリ・デバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュ・メモリ・デバイス、磁気ディスク、例えば、内部ハード・ディスクまたはリムーバブル・ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD ROMおよびDVD−ROMディスクが含まれる。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって増補することができ、または特殊目的論理回路内に組み込むことができる。
[0086] ユーザとの対話処理に備えるために、本開示の1つ以上の態様をコンピュータ上に実装することができる。コンピュータは、ディスプレイ・デバイス、例えば、CRT(陰極線管)、LCD(液晶ディスプレイ)モニタ、またはユーザに情報を表示するタッチ・スクリーンと、必要に応じて、ユーザが入力をコンピュータに供給することができるキーボードおよびポインティング・デバイス、例えば、マウスまたはトラックボールとを有する。ユーザとの対話処理に備えるためには、他の種類のデバイスも使用することができる。例えば、ユーザに供給されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックとすることができ、更にユーザからの入力は、音響、音声、または接触入力を含む任意の形態で受け取ることができる。加えて、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスに文書を送り、このデバイスから文書を受け取ることによって、例えば、ユーザのクライアント・デバイス上のウェブ・ブラウザに、このウェブ・ブラウザから受信した要求に応答してウェブ・ページを送ることによって、ユーザと対話処理することができる。
[0087] 本開示の1つ以上の態様は、バックエンド・コンポーネント、例えば、データ・サーバを含むコンピューティング・システム、またはミドルウェア・コンポーネント、例えば、アプリケーション・サーバを含むコンピューティング・システム、またはフロントエンド・コンポーネント、例えば、クライアント・コンピュータを含むコンピューティング・システムにおいて実現することができる。クライアント・コンピュータは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースまたはウェブ・ブラウザを有し、これらを通じてユーザは本明細書において説明した主題の実施態様と対話処理することができる。あるいは、1つ以上のこのようなバックエンド・コンポーネント、ミドルウェア・コンポーネント、またはフロントエンド・コンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティング・システムにおいて実現することができる。本システムのコンポーネントは、ディジタル・データ通信の任意の形態または媒体によって、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)およびワイド・エリア・ネットワーク(「WAN」)、インター・ネットワーク(例えば、インターネット)、ならびにピア・ツー・ピア・ネットワーク(例えば、アドホック・ピア・ツー・ピア・ネットワーク)が含まれる。
[0088] コンピューティング・システムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、通常、互いから離れており、通例では通信ネットワークを通じて相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行し互いにクライアント−サーバ関係を有するコンピュータ・プログラムによって(by virtue of)発生する。ある実施態様では、サーバがデータ(例えば、HTMLページ)をクライアント・デバイスに送信する(例えば、クライアント・デバイスと対話処理するユーザにデータを表示し、このユーザからユーザ入力を受信する目的で)。クライアント・デバイスにおいて生成されたデータ(例えば、ユーザの対話処理の結果)をサーバにおいてクライアント・デバイスから受信することができる。
[0089] 本明細書は多くの具体的事項を含むが、これらは、本開示の範囲に対する限定とも、特許請求できるものの範囲に対する限定とも解釈してはならず、逆に本開示の特定的な実施形態に特有の特徴の説明であると解釈してしかるべきである。別々の実施態様のコンテキストで本明細書において説明された特定の機能(feature)は、組み合わせてもまたは1つの実施態様でも実現することができる。逆に、1つの実施態様のコンテキストで説明した種々の特徴は、複数の実施態様において別々に、または任意の適したサブコンビネーションにおいて実現することもできる。更に、以上では特徴は特定の組み合わせで作用するというように説明され、当初はそのように特許請求されることがあっても、特許請求する組み合わせからの1つ以上の特徴を、場合によっては、その組み合わせから切除して(excise)もよく、特許請求するコンビネーションがサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形を対象としてもよい。
[0090] 同様に、図面において動作は特定の順序で描かれているが、これを、このような動作が図示する特定の順序でまたは連続する順序で実行されなければならないとも、所望の結果を達成するためには、図示する全ての動作を実行されなければならないとも解釈してはならない。特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利なこともある。更に、以上で説明した実施形態における種々のシステム・コンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離を必要とすると解釈してはならず、説明したプログラム・コンポーネントおよびシステムは、全体的に、1つのソフトウェア製品に一緒に統合できること、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化できることは理解されてしかるべきである。
[0091] 以上、多くの実施態様について説明した。しかしながら、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更も行えることは理解されよう。したがって、他の実施態様も以下の請求項の範囲内に入るものとする。例えば、請求項において記載されるアクションは、異なる順序で実行することができ、それでもなお所望の結果を達成することができる。

Claims (58)

  1. 質量分析器から取得された質量データに基づいて、フィルタリングされた質量欠損プロットを構築する方法であって、
    前記質量分析器から得られたデータから質量欠損プロットを生成するステップと、
    前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップと、
    未確認イオンを選択するステップと、
    前記未確認イオンの同位体パターンを判定するステップと、
    前記未確認イオンの同位体パターンによって示された1つ以上の元素を同定するステップと、
    前記未確認イオンの同位体パターンによって示される1つ以上の元素を含む化学式を検索するステップと、
    前記未確認イオンの化学式を決定するステップと、
    前記未確認イオンの化学式を画面上に表示するステップと、
    を含む、方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記未確認イオンを選択するステップが、前記未確認イオンのユーザ選択を受けるステップを含み、当該方法が更に、
    前記ユーザ選択による未確認イオンを、抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差として表示するステップと、
    前記抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差に対応する1つ以上のピークを識別するステップと、
    を含む、方法。
  3. 請求項1または2記載の方法において、前記データが前記質量分析器からの生データである、方法。
  4. 請求項1または2記載の方法において、前記データが前記質量分析器からのデコンボリューション・データである、方法。
  5. 請求項1からの何れか一項記載の方法であって、更に、前記未確認イオンの化学式に、前記画面上において標識を付けるステップを含む、方法。
  6. 請求項1からの何れか一項記載の方法であって、更に、前記未確認イオンに対して、前記画面上において色または識別子を割り当てるステップを含む、方法。
  7. 請求項1からの何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットが、化学式の反復加算である、方法。
  8. 請求項記載の方法において、前記質量欠損プロットが、CH質量欠損プロットである、方法。
  9. 請求項1からの何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットが、水素置換塩素(Cl−H)質量欠損プロットである、方法。
  10. 請求項1からの何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットが、水素置換臭素(Br−H)質量欠損プロットである、方法。
  11. 請求項1から10の何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップが、更に、特定の相対存在度許容度を有する質量欠損をフィルタリングするステップを含む、方法。
  12. 請求項1から10の何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップが、更に、Br同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングするステップを含み、xは1から15までを含む整数の内1つである、方法。
  13. 請求項1から10の何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップが、更に、Cl同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングするステップを含み、yは1から15までを含む整数の内1つである、方法。
  14. 請求項1から10の何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップが、更に、BrCl同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングするステップを含み、xは1から15までを含む整数の内1つであり、yは1から15までを含む整数の内1つである、方法。
  15. 請求項1から10の何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップが、更に、間隔許容度を決定することによってフィルタリングするステップを含む、方法。
  16. 請求項15記載の方法において、前記間隔許容度が、第1シグナルと第2シグナルとの間における静止m/z距離に基づく、方法。
  17. 請求項16記載の方法において、m/z空間許容度が、統計的信頼区間に基づく、方法。
  18. 請求項16記載の方法において、前記間隔許容度が、更に、前記第1シグナルにおけるイオン数と、前記第2シグナルにおけるイオン数とに基づく、方法。
  19. 請求項15から18に何れか一項記載の方法において、前記間隔許容度がユーザ入力によって制限される、方法。
  20. 請求項15から19の何れか一項記載の方法において、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングするステップが、更に、相対存在度を判定することによってフィルタリングするステップを含む、方法。
  21. 請求項20記載の方法において、前記相対存在度がM+1シグナルに対して判定される、方法。
  22. 請求項21記載の方法において、M+1シグナルに対して前記相対存在度を判定するステップが、更に、推定上のM+1シグナルの強度と、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、M+1元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+1元素の最大予測カウントを判定するステップを含む、方法。
  23. 請求項22記載の方法において、前記M+1元素が、炭素、窒素、またはケイ素である、方法。
  24. 請求項20記載の方法において、前記相対存在度がM+2シグナルに対して判定される、方法。
  25. 請求項24記載の方法において、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定するステップが、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、推定上のM+2シグナルの強度と、M+2元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップを含む、方法。
  26. 請求項24記載の方法において、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定するステップが、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、推定上のM+2シグナルの強度と、推定上のM+4シグナルの強度と、M+2元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップを含む、方法。
  27. 請求項24記載の方法において、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定するステップが、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、推定上のM+4シグナルの強度と、推定上のM+6シグナルの強度と、M+2元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップを含む、方法。
  28. 請求項24記載の方法において、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定するステップが、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、推定上のM+6シグナルの強度と、推定上のM+8シグナルの強度と、M+2元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップを含む、方法。
  29. 請求項24記載の方法において、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定するステップが、更に、
    1つ以上の分析物が塩素および臭素の双方を含有するか否か判定するステップと、
    前記1つ以上の分析物が塩素および臭素の双方を含有する場合、37塩素の陸域天然存在度と、81臭素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定するステップと、
    を含む、方法。
  30. 請求項1からの何れか一項記載の方法において、前記フィルタリングによる質量欠損プロットが、ハロゲンをフィルタリングした質量欠損プロットである、方法。
  31. デバイスであって、
    ディスプレイと、
    前記ディスプレイと通信するデータ処理ハードウェアと、
    前記データ処理ハードウェアと通信するメモリ・ハードウェアと、
    を含み、
    前記メモリ・ハードウェアが命令を格納し、前記命令が前記データ処理ハードウェア上で実行されると、
    質量分析器から得られたデータから質量欠損プロットを生成する動作と、
    質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体を有さない全てのイオンをフィルタリングする動作と、
    未確認イオンを選択する動作と、
    前記未確認イオンの同位体パターンを判定する動作と、
    前記未確認イオンの同位体パターンによって示された1つ以上の元素を同定する動作と、
    前記未確認イオンの同位体パターンによって示される1つ以上の元素を含む化学式を検索する動作と、
    前記未確認イオンに関係する化学式を決定する動作と、
    前記未確認イオンの化学式をディスプレイ上に表示する動作と、
    を含む動作を前記データ処理ハードウェアに実行させる、デバイス。
  32. 請求項31記載のデバイスにおいて、
    前記未確認イオンを選択する動作が、前記未確認イオンのユーザ選択を受ける動作を含み、前記動作が、更に、
    前記ユーザ選択による未確認イオンを、抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差として表示する動作と、
    前記抽出イオン・クロマトグラム±質量許容差に対応する1つ以上のピークを識別する動作と、
    を含む、デバイス。
  33. 請求項31または32記載のデバイスにおいて、前記データが質量分析器からの生データである、デバイス。
  34. 請求項31または32記載のデバイスにおいて、前記データが質量分析器からのデコンボリューション・データである、デバイス。
  35. 請求項31から34の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記動作が、更に、前記未確認イオンの化学式に、前記ディスプレイ上において標識を付ける動作を含む、デバイス。
  36. 請求項31から35の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記動作が、更に、前記未確認イオンに対して、前記ディスプレイ上において色を割り当てる動作を含む、デバイス。
  37. 請求項31から36の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットが、CH質量欠損プロットを含む化学式の反復加算である、デバイス。
  38. 請求項31から36の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットが、水素置換塩素(Cl−H)質量欠損プロットである、デバイス。
  39. 請求項31から36の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットが、水素置換臭素(Br−H)質量欠損プロットである、デバイス。
  40. 請求項31から39の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作が、更に、特定の相対存在度許容度を有する質量欠損をフィルタリングする動作を含む、デバイス。
  41. 請求項31から39の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作が、更に、Br同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングする動作を含み、xは1から15までを含む整数の内1つである、デバイス。
  42. 請求項31から39の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作が、更に、Cl同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングする動作を含み、yは1から15までを含む整数の内1つである、デバイス。
  43. 請求項31から39の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作が、更に、BrCl同位体パターンと一致しない全てのイオンをフィルタリングする動作を含み、xは1から15までを含む整数の内1つであり、yは1から15までを含む整数の内1つである、デバイス。
  44. 請求項31から39の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作が、更に、間隔許容度を決定することによってフィルタリングする動作を含む、デバイス。
  45. 請求項44記載のデバイスにおいて、前記間隔許容度が、統計的m/z信頼区間、第1シグナル、および第2シグナルに基づく、デバイス。
  46. 請求項45記載のデバイスにおいて、m/z間隔許容度が、統計的信頼区間に基づく、デバイス。
  47. 請求項45記載のデバイスにおいて、前記間隔許容度が、更に、前記第1シグナルにおけるイオン数と、前記第2シグナルにおけるイオン数とに基づく、デバイス。
  48. 請求項44記載のデバイスにおいて、前記間隔許容度がユーザ入力によって制限される、デバイス。
  49. 請求項44から48の何れか一項記載のデバイスにおいて、前記質量欠損プロットにおいて関連する同位体置換体イオンを有さない全てのイオンをフィルタリングする動作が、更に、相対存在度を判定することによってフィルタリングする動作を含む、デバイス。
  50. 請求項49記載のデバイスにおいて、前記相対存在度がM+1シグナルに対して判定される、デバイス。
  51. 請求項50記載のデバイスにおいて、M+1シグナルに対して前記相対存在度を判定する動作が、更に、推定上のM+1シグナルの強度と、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、M+1元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+1元素の最大予測カウントを判定する動作を含む、デバイス。
  52. 請求項51記載のデバイスにおいて、前記M+1元素が、炭素、窒素、またはケイ素である、デバイス。
  53. 請求項49記載のデバイスにおいて、前記相対存在度がM+2シグナルに対して判定される、デバイス。
  54. 請求項53記載のデバイスにおいて、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定する動作が、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、推定上のM+2シグナルの強度と、M+2元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作を含む、デバイス。
  55. 請求項53記載のデバイスにおいて、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定する動作が、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、推定上のM+2シグナルの強度と、推定上のM+4シグナルの強度と、M+2元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作を含む、デバイス。
  56. 請求項53記載のデバイスにおいて、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定する動作が、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、推定上のM+4シグナルの強度と、推定上のM+6シグナルの強度と、M+2元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作を含む、デバイス。
  57. 請求項53記載のデバイスにおいて、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定する動作が、更に、推定上のモノアイソトピック・シグナルの強度と、推定上のM+6シグナルの強度と、推定上のM+8シグナルの強度と、M+2元素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作を含む、デバイス。
  58. 請求項53記載のデバイスにおいて、M+2シグナルに対して前記相対存在度を判定する動作が、更に、
    1つ以上の分析物が塩素および臭素の双方を含有するか否か判定する動作と、
    前記分析物が塩素および臭素の双方を含有する場合、37塩素の陸域天然存在度と、81臭素の陸域天然存在度とに基づいて、M+2元素の最大予測カウントを判定する動作と、
    を含む、デバイス。
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