以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。また、実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施形態)
(構成)
以下、第1の実施形態の構成について説明する。第1の実施形態の運転訓練シミュレータシステムは、例えば、水力発電所等の発電所(以下、プラントともいう)の監視制御の訓練に用いることができる。図1は、第1の実施形態による運転訓練シミュレータシステム1を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1は、運転訓練センター100の施設内に設置されている。図1に示すように、運転訓練シミュレータシステム1は、運転訓練シミュレータ装置2と、後述するプラント模擬画面SC1を表示する第1プラント模擬画面表示装置31と、後述する制御所模擬画面SC2を表示する第1制御所模擬画面表示装置41と、第1シミュレータ操作装置51とを備える。運転訓練シミュレータ装置2は、プラントシミュレータ装置6と、遠方監視制御シミュレータ装置7とを有する。
プラントシミュレータ装置6は、通信ケーブルの一例であるHDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブル8を介して第1プラント模擬画面表示装置31に接続されている。また、遠方監視制御シミュレータ装置7は、HDMIケーブル8を介して第1制御所模擬画面表示装置41に接続されている。また、プラントシミュレータ装置6および遠方監視制御シミュレータ装置7は、LAN(Local Area Network)9およびイーサーネット10を介して第1シミュレータ操作装置51に接続されている。
プラントシミュレータ装置6は、現地でのプラントの監視制御を模擬するプラント模擬画面SC1を生成する。プラントシミュレータ装置6は、生成されたプラント模擬画面SC1をHDMIケーブル8経由で第1プラント模擬画面表示装置31に出力する。
また、プラントシミュレータ装置6は、シミュレーションの対象であるプラントのモデルデータを保有している。プラントのモデルデータは、プラントの運転状態を示すプラントモデルデータと、プラントモデルデータが示す運転状態を監視および制御する監視制御モデルデータとを含む。水力発電所の場合、プラントモデルデータは、水車や発電機などの水力発電所の機器の物理モデルを示すデータであり、監視制御モデルデータは、水力発電所の配電盤の監視制御モデルを示すデータである。
プラントシミュレータ装置6は、プラントのモデルデータに基づいて、プラント模擬画面SC1の操作に応じたプラントの運転状態の変化をプラント模擬画面SC1に反映させることができる。
遠方監視制御シミュレータ装置7は、制御所における遠方からのプラントの監視制御を模擬する制御所模擬画面SC2を生成する。遠方監視制御シミュレータ装置7は、生成された制御所模擬画面SC2をHDMIケーブル8経由で第1制御所模擬画面表示装置41に出力する。
また、遠方監視制御シミュレータ装置7は、プラントモデルデータが示す運転状態を制御する制御所のモデルデータを保有している。遠方監視制御シミュレータ装置7は、制御所のモデルデータに基づいて、制御所模擬画面SC2の操作に応じた制御所の監視制御状態の変化を制御所模擬画面SC2に反映させることができる。
第1プラント模擬画面表示装置31は、運転訓練センター100のプラント模擬エリア101に設置されている。第1プラント模擬画面表示装置31は、プラントの配電盤に応じたサイズを有する。例えば、第1プラント模擬画面表示装置31のサイズは、プラントの配電盤のサイズと同一である。第1プラント模擬画面表示装置31のサイズは、プランの配電盤のサイズと僅かに異なってもよい。
第1プラント模擬画面表示装置31は、プラントシミュレータ装置6から出力されたプラント模擬画面SC1を表示する。第1の実施形態において、第1プラント模擬画面表示装置31は、タッチパネル方式の表示装置である。したがって、プラント模擬画面SC1は、タッチ操作できる。
プラント模擬画面SC1は、プラントの配電盤の監視制御情報を含む。図1の例において、監視制御情報は、盤外形全体を示す配電盤画面SC11と、状態表示を示す情報表示モデルSC12と、盤正面に取付けられているフラットディスプレイ装置のHMIパネルモデルSC13と、プラントの故障表示状態を示すANN画面モデルSC14と、機器の系統状態を見るMIMICパネルモデルSC15と、電気メータSC19とを含む。また、監視制御情報は、配電盤の操作機器を模擬した操作可能な操作機器画像として、各種の運転操作を行う制御スイッチモデルSC16と、コントロール操作ハンドルモデルSC17と、制御切換ダイヤルモデルSC18とを含む。
第1制御所模擬画面表示装置41は、運転訓練センター100の制御所模擬エリア102に設置されている。第1制御所模擬画面表示装置41は、制御所の操作卓に応じたサイズを有する。例えば、第1制御所模擬画面表示装置41のサイズは、制御所の操作卓のサイズと同一である。第1制御所模擬画面表示装置41のサイズは、制御所の操作卓のサイズと僅かに異なってもよい。
第1制御所模擬画面表示装置41は、遠方監視制御シミュレータ装置7から出力された制御所模擬画面SC2を表示する。第1の実施形態において、第1制御所模擬画面表示装置41は、タッチパネル方式の表示装置である。したがって、制御所模擬画面SC2は、タッチ操作できる。
制御所模擬画面SC2は、制御所の操作卓の画面を模擬した操作可能な画面であり、操作卓の遠方監視情報を含む。図1の例において、遠方監視情報は、操作卓の画面を映し出す遠方監視操作画面SC21と、各プラントへの指令を出力する制御所操作スイッチSC22と、制御所が管轄する各プラントの故障状態を示すANN表示SC23とを含む。また、遠方監視情報は、制御所が管轄する各プラントの発電出力状態を示すプラント出力表示SC24と、系統とプラント内系統の状態を示すプラント状態表示SC25とを含む。
(作用)
次に、第1の実施形態の作用について説明する。図2は、第1の実施形態による運転訓練シミュレータシステムの動作例を示すフローチャートである。
先ず、プラント運転訓練開始の準備として、第1シミュレータ操作装置51の画面上で、運転訓練シミュレータ装置2と、第1プラント模擬画面表示装置31と、第1制御所模擬画面表示装置41との3つの装置を選択する。そして、LAN9経由で第1シミュレータ操作装置51から運転訓練シミュレータ装置2に起動指令を出力することで、運転訓練シミュレータ装置2を起動する(ステップS1)。また、LAN9およびHDMIケーブル8経由で第1シミュレータ操作装置51から第1プラント模擬画面表示装置31および第1制御所模擬画面表示装置41に起動指令を出力することで、第1プラント模擬画面表示装置31および第1制御所模擬画面表示装置41を起動する(ステップS1)。
運転訓練シミュレータ装置2、第1プラント模擬画面表示装置31および第1制御所模擬画面表示装置41が起動された後、プラントシミュレータ装置6は、プラント模擬画面SC1を生成する。そして、プラントシミュレータ装置6は、生成されたプラント模擬画面SC1をHDMIケーブル8経由で第1プラント模擬画面表示装置31に出力する。そして、第1プラント模擬画面表示装置31は、プラントシミュレータ装置6から出力されたプラント模擬画面SC1を表示する(ステップS2)。また、遠方監視制御シミュレータ装置7は、制御所模擬画面SC2を生成し、生成された制御所模擬画面SC2をHDMIケーブル8経由で第1制御所模擬画面表示装置41に出力する。そして、第1制御所模擬画面表示装置41は、遠方監視制御シミュレータ装置7から出力された制御所模擬画面SC2を表示する(ステップS2)。
プラント模擬画面SC1および制御所模擬画面SC2が表示された後、訓練者は、プラント模擬画面SC1を操作することで、現地でのプラントの監視制御を模擬する直接監視制御および遠方からのプラントの監視制御を模擬する遠方監視制御のいずれかを選択することができる。
遠方監視制御を選択する場合、訓練者は、プラント模擬画面SC1のコントロール操作ハンドルモデルSC17を確認し、コントロール操作ハンドルモデルSC17を構成するハンドル画像の左右に記載された“直接”、“遠方”の文字のうち、“遠方”の文字を指でタッチする。なお、図1では、便宜上、複数のコントロール操作ハンドルモデルSC17のうち1つのコントロール操作ハンドルモデルSC17のみについて、ハンドル画像の左右に“直接”、“遠方”の文字を図示している。“遠方”の文字をタッチ操作することで、ハンドル画像が左方向D1に傾き、HDMIケーブル8を介して第1プラント模擬画面表示装置31からプラントシミュレータ装置6に遠方操作許可信号が送信される。そして、プラントシミュレータ装置6が遠方操作許可信号を受信することで遠方操作許可条件が成立する。このようにして、遠方監視制御の選択が完了する。
遠方監視制御が選択された後(ステップS3:遠方)、第1制御所模擬画面表示装置41は、制御所模擬画面SC2の制御所操作スイッチSC22がオンされた場合(ステップS4:Yes)に、HDMIケーブル8を介して遠方監視制御シミュレータ装置7にプラントの自動運転発電を指令する発電指令信号を出力する(ステップS5)。
第1制御所模擬画面表示装置41から遠方監視制御シミュレータ装置7に出力された発電指令信号は、イーサーネット10とLAN9を介して遠方監視制御シミュレータ装置7からプラントシミュレータ装置6に出力される。発電指令信号が出力されることで、プラントシミュレータ装置6においては、監視制御モデルデータがプラントモデルデータに発電状態への移行指令を出力することで、プラントモデルデータすなわちプラントが発電状態になる(ステップS6)。
そして、プラントシミュレータ装置6は、HDMIケーブル8を介して第1プラント模擬画面表示装置31にプラントの発電状態を示す発電状態情報を送信する。また、プラントシミュレータ装置6は、イーサーネット10およびLAN9を介して遠方監視制御シミュレータ装置7に発電状態情報を送信する。遠方監視制御シミュレータ装置7は、プラントシミュレータ装置6から送信された発電状態情報をHDMIケーブル8経由で第1制御所模擬画面表示装置41に送信する。
第1プラント模擬画面表示装置31は、プラントシミュレータ装置6から送信された発電状態情報をプラント模擬画面SC1に表示する。また、第1制御所模擬画面表示装置41は、遠方監視制御シミュレータ装置7から送信された発電状態情報を制御所模擬画面SC2に表示する(ステップS7)。
一方、直接監視制御を選択する場合、訓練者は、プラント模擬画面SC1のコントロール操作ハンドルモデルSC17を確認し、ハンドル画像の左右に記載された“直接”、“遠方”の文字のうち、“直接”の文字を指でタッチする。このタッチ操作により、ハンドル画像が右方向D2に傾き、HDMIケーブル8を介して第1プラント模擬画面表示装置31からプラントシミュレータ装置6に直接操作許可信号が送信される。そして、プラントシミュレータ装置6が直接操作許可信号を受信することで直接操作許可条件が成立する。このようにして、直接監視制御の選択が完了する。
直接監視制御が選択された後(ステップS3:直接)、プラント模擬画面SC1のHMIパネルモデルSC13に含まれる自動運転発電指令のプッシュボタンがオンされた場合に(ステップS8:Yes)、プラントシミュレータ装置6内の監視制御モデルデータは、プラントシミュレータ装置6内のプラントモデルデータに発電状態への移行を指令する。これにより、プラントシミュレータ装置6は、発電状態になる(ステップS9)。
そして、プラントシミュレータ装置6は、HDMIケーブル8を介して第1プラント模擬画面表示装置31にプラントの発電状態を示す発電状態情報を送信する。また、プラントシミュレータ装置6は、イーサーネット10とLAN9を介して遠方監視制御シミュレータ装置7に発電状態情報を送信する。遠方監視制御シミュレータ装置7は、プラントシミュレータ装置6から送信された発電状態情報をHDMIケーブル8経由で第1制御所模擬画面表示装置41に送信する。
第1プラント模擬画面表示装置31は、プラントシミュレータ装置6から送信された発電状態情報をプラント模擬画面SC1に表示する。また、第1制御所模擬画面表示装置41は、遠方監視制御シミュレータ装置7から送信された発電状態情報を制御所模擬画面SC2に表示する(ステップS10)。
以上述べたように、第1の実施形態によれば、直接監視制御の訓練が可能なプラントシミュレータ装置6に加えて、遠方監視制御の訓練が可能な遠方監視制御シミュレータ装置7を設けることで、訓練の態様を増やすことができる。また、プラントの配電盤に応じたサイズを有する第1プラント模擬画面表示装置31にプラント模擬画面SC1を表示し、制御所の操作卓に応じたサイズを有する第1制御所模擬画面表示装置41に制御所模擬画面SC2を表示することで、現地と異なる場所において実機に近い感覚で訓練を受けることができる。また、タッチ操作でプラント模擬画面SC1および制御所模擬画面SC2を操作できることで、マウス操作と比べて実機に近い操作感で監視制御の訓練を受けることができる。実機に近い感覚で訓練を受けることができるので、訓練の経験を活かして簡便、効率的かつ適切に実機の監視制御を行うことができる。
また、新しい監視制御の提案に応じてプラントおよび制御所のモデルデータを変更することで、新しい監視制御の提案を実機へのインストール前に評価することができる。
(第2の実施形態)
次に、プラント模擬画面SC1を遠隔操作する第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態による運転訓練シミュレータシステム1を示す図である。
図3に示すように、第2の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、模擬画面操作器12と、モーションカメラ13と、受信器14とを備える。模擬画面操作器12は、モーションセンサ121と、決定ボタン122と、送信器123とを有する。図3の例において、模擬画面操作器12は、棒形状もしくは柱形状を有している。
モーションセンサ121は、模擬画面操作器12の三次元の座標位置に相関するセンサ検出信号を出力する。モーションセンサ121は、例えば、センサ検出信号として模擬画面操作器12の加速度を示す信号を出力する加速度センサ等で構成してもよい。
決定ボタン122は、プラント模擬画面SC1に含まれる操作機器画像の選択を決定するためのボタンである。送信器123は、決定ボタン122が押されているとき、操作機器画像の選択信号と、モーションセンサ121の検出信号とを無線で送信する。送信器123は、例えば、Bluetooth方式で選択信号と検出信号とを送信してもよい。
モーションカメラ13は、第1プラント模擬画面表示装置31上に配置されている。モーションカメラ13は、プラント模擬画面SC1上のコントロール操作ハンドルモデルSC17に模擬画面操作器12をタッチさせることで、模擬画面操作器12の撮像画像を生成する。モーションカメラ13は、生成された撮像画像を、プラント模擬画面SC1の操作機器と照合させ、プラントシミュレータ装置6に送信する。モーションカメラ13は、例えば、USBケーブル等の通信ケーブル11を介してプラントシミュレータ装置6に撮像画像を送信してもよい。
受信器14は、第1プラント模擬画面表示装置31上に配置されている。受信器14は、送信器123から送信された選択信号およびセンサ検出信号を受信する。受信器14は、受信された選択信号およびセンサ検出信号を、プラント模擬画面SC1の操作信号としてプラントシミュレータ装置6に送信する。受信器14は、例えば、USBケーブル等の通信ケーブル11を介してプラントシミュレータ装置6に選択信号およびセンサ検出信号を送信してもよい。
プラントシミュレータ装置6は、受信器14から送信されたセンサ検出信号に基づいて模擬画面操作器12の三次元の座標位置を算出する。算出された座標位置がプラント模擬画面SC1の操作機器画像の座標位置に合致し、かつ、選択信号が受信されている場合に、プラントシミュレータ装置6は、操作機器画像の操作を受け付ける。
また、プラントシミュレータ装置6は、モーションカメラ13から送信された撮像画像に基づいて模擬画面操作器12の三次元の座標位置を算出する。操作機器画像の操作が受け付けられた状態で、プラントシミュレータ装置6は、撮像画像に基づいて算出された座標位置に応じて、選択信号で選択された操作機器画像を操作する。
なお、模擬画面操作器12の座標位置は、モーションカメラ13自体が算出してもよい。また、モーションカメラ13の撮像画像のみに基づいて模擬画面操作器12の座標位置を把握できるのであれば、モーションセンサ121は省略してもよい。
また、第1プラント模擬画面表示装置31は、模擬画面操作器12でのプラント模擬画面SC1の操作位置を目視できるように、撮像画像や検出信号から取得された座標位置に対応するプラント模擬画面SC1上の位置に、カーソルやポインタなどの操作位置情報を表示してもよい。
第1の実施形態では、遠方監視制御および直接監視制御のいずれか一方を選択するときに、コントロール操作ハンドルモデルSC17のハンドル画像の左右に記載された“直接”、“遠方”の文字をタッチパネル操作でタッチする。
これに対して、第2の実施形態のプラントシミュレータ装置6は、センサ検出信号または撮像画像に基づいて取得された座標位置が、コントロール操作ハンドルモデルSC17のハンドル画像の座標位置に合致する場合に、ハンドル画像を選択状態にする。
ハンドル画像の選択状態において、訓練者が模擬画面操作器12を右側に傾けると、模擬画面操作器12の座標位置が変化する。プラントシミュレータ装置6は、この座標位置の変化を撮像画像に基づいて検知して、“遠方”を指定する左方向D1にハンドル画像を傾ける。ハンドル画像が左方向D1に傾いた状態で訓練者が決定ボタン122を離すと、送信器123から受信器14への選択信号の送信が中止される。受信器14は、ハンドル画像が左方向D1(すなわち、“遠方”側)に傾いた状態での選択信号の送信中止を契機として、プラントシミュレータ装置6に遠方操作許可信号を送信する。これにより、遠方操作許可条件が成立し、遠方監視制御の選択が完了する。
一方、ハンドル画像の選択状態において、訓練者が模擬画面操作器12を左側に傾けることで模擬画面操作器12の座標位置が変化すると、プラントシミュレータ装置6は、この座標位置の変化を撮像画像に基づいて検知して、“直接”を指定する右方向D2にハンドル画像を傾ける。ハンドル画像が右方向D2に傾いた状態で訓練者が決定ボタン122を離すと、送信器123から受信器14への選択信号の送信が中止される。受信器14は、ハンドル画像が右方向D2(すなわち、“直接”側)に傾いた状態での選択信号の送信中止を契機として、プラントシミュレータ装置6に直接操作許可信号を送信する。これにより、直接操作許可条件が成立し、直接監視制御の選択が完了する。
実機の配電盤に設けられた制御切換ダイヤルやコントロール操作ハンドルなどは、実際の操作では、ハンドルを握りながら操作方向にハンドルを傾ける回転操作をともなう。この回転操作は、ハンドルを手前に引く動作もともなう。第2の実施形態では、模擬画面操作器12を用いることで、実機と同様の回転操作の感覚でプラント模擬画面SC1を操作できるので、より実機に近い感覚で訓練を受けることができる。
(第3の実施形態)
次に、事業者制御所での訓練が可能な第3の実施形態について説明する。図4は、第3の実施形態による運転訓練シミュレータシステム1を示す図である。
図4に示すように、第3の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1は、第2の実施形態の構成に加えて、更に、第2プラント模擬画面表示装置32と、第2制御所模擬画面表示装置42と、第1スイッチの一例である第1表示装置選択スイッチ61と、第2スイッチの一例である第2表示装置選択スイッチ71と、第2シミュレータ操作装置52とを備える。また、第3の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1は、第2プラント模擬画面表示装置32に対応する模擬画面操作器12、モーションカメラ13、および受信器14を備える。
第2プラント模擬画面表示装置32は、運転訓練センター100から遠隔の事業者制御所200の施設内に設置されている。第2プラント模擬画面表示装置32は、広域ネットワークの一例であるWAN(Wide Area Network)15を有する遠距離イントラネット16を介してプラントシミュレータ装置6に接続されている。遠距離イントラネット16は、WAN15の他にも、ネットワークセキュリティ装置17を有する。図4の例において、ネットワークセキュリティ装置17は、第2プラント模擬画面表示装置32とWAN15との間およびWAN15とLAN9との間にそれぞれ配置されている。
第2プラント模擬画面表示装置32は、第1プラント模擬画面表示装置31と同様に、プラントの配電盤に応じたサイズを有する。第2プラント模擬画面表示装置32は、プラントシミュレータ装置6で生成されたプラント模擬画面SC1を表示する。
第2制御所模擬画面表示装置42は、事業者制御所200の施設内に設置されている。第2制御所模擬画面表示装置42は、WAN15を有する遠距離イントラネット16を介して遠方監視制御シミュレータ装置7に接続されている。図4の例において、第2制御所模擬画面表示装置42とWAN15との間には、ネットワークセキュリティ装置17が配置されている。
第2制御所模擬画面表示装置42は、第1制御所模擬画面表示装置41と同様に、制御所の操作卓に応じたサイズを有する。第2制御所模擬画面表示装置42は、遠方監視制御シミュレータ装置7で生成された制御所模擬画面SC2を表示する。
第1表示装置選択スイッチ61は、プラントシミュレータ装置6の内部に設けられている。第1表示装置選択スイッチ61は、第1プラント模擬画面表示装置31および第2プラント模擬画面表示装置32のいずれか一方を選択してプラントシミュレータ装置6に接続することで、選択された表示装置31、32によるプラント模擬画面SC1の表示を許容する。
第2表示装置選択スイッチ71は、遠方監視制御シミュレータ装置7の内部に設けられている。第2表示装置選択スイッチ71は、第1制御所模擬画面表示装置41および第2制御所模擬画面表示装置42のいずれか一方を選択して遠方監視制御シミュレータ装置7に接続することで、選択された表示装置41、42による制御所模擬画面SC2の表示を許容する。
このような構成を有する第3の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1によれば、訓練者は、運転訓練センター100から遠隔の事業者制御所200内において、運転訓練センター100内の運転訓練シミュレータ装置2を用いた訓練を受けることができる。
具体的には、訓練者は、第2シミュレータ操作装置52の画面上で、制御所が運用管理する複数のプラントモデルメニューの中からプラントモデルを1つ選択する。選択されたプラントモデルの情報は、ネットワークセキュリティ装置17とWAN15を介して運転訓練シミュレータ装置2に送信される。また、第2シミュレータ操作装置52は、訓練場所を選択する訓練場所選択情報として、事業者制御所200を選択する訓練場所選択情報を運転訓練シミュレータ装置2に送信する。
運転訓練シミュレータ装置2は、第2シミュレータ操作装置52から送信されたプラントモデルの情報に合致するプラントのモデルデータを、プラントシミュレータ装置6が保有する複数のモデルデータの中から選択する。また、運転訓練シミュレータ装置2は、第2シミュレータ操作装置52から送信されたプラントモデルの情報に対応する制御所のモデルデータを、遠方監視制御シミュレータ装置7が保有する複数のモデルデータの中から選択する。そして、選択されたモデルデータに基づいて運転訓練シミュレータ装置2が起動される。
運転訓練シミュレータ装置2が起動されると、プラントシミュレータ装置6は、プラント模擬画面SC1を生成する。また、第2シミュレータ操作装置52から事業者制御所200を選択する訓練場所選択情報が送信されたことで、プラントシミュレータ装置6の第1表示装置選択スイッチ61は、第1プラント模擬画面表示装置31に対してオフし、第2プラント模擬画面表示装置32に対してオンする。
これにより、プラントシミュレータ装置6で生成されたプラント模擬画面SC1は、ネットワークセキュリティ装置17とWAN15を介して第2プラント模擬画面表示装置32に表示される。このとき、第1表示装置選択スイッチ61は、第1プラント模擬画面表示装置31に対してオフしているので、プラント模擬画面SC1は、第1プラント模擬画面表示装置31には表示されない。また、第1プラント模擬画面表示装置31に対応するモーションカメラ13、模擬画面操作器12および受信器14も動作しない。
また、運転訓練シミュレータ装置2が起動されると、遠方監視制御シミュレータ装置7は、制御所模擬画面SC2を生成する。また、第2シミュレータ操作装置52から事業者制御所200を選択する訓練場所選択情報が送信されたことで、遠方監視制御シミュレータ装置7の第2表示装置選択スイッチ71は、第1制御所模擬画面表示装置41に対してオフし、第2制御所模擬画面表示装置42に対してオンする。
これにより、遠方監視制御シミュレータ装置7で生成された制御所模擬画面SC2は、ネットワークセキュリティ装置17とWAN15を介して第2制御所模擬画面表示装置42に表示される。このとき、第2表示装置選択スイッチ71は、第1制御所模擬画面表示装置41に対してオフしているので、制御所模擬画面SC2は、第1制御所模擬画面表示装置41には表示されない。
第2プラント模擬画面表示装置32にプラント模擬画面SC1が表示されることで、事業者制御所200内の訓練者は、プラント模擬画面SC1に対して、模擬画面操作器12の操作によって遠方監視制御および直接監視制御のいずれかを選択できる。また、第2制御所模擬画面表示装置42に制御所模擬画面SC2が表示されることで、事業者制御所200内の訓練者は、遠方監視制御を行う場合に、制御所模擬画面SC2を操作して自動運転発電を指令することができる。
第2プラント模擬画面表示装置32および第2制御所模擬画面表示装置42を用いた遠方監視制御および直接監視制御は、遠距離イントラネット16経由で運転訓練シミュレータ装置2との間でデータや信号を送受信すること以外は、第1プラント模擬画面表示装置31および第1制御所模擬画面表示装置41を用いた遠隔監視制御および直接監視制御と同様である。
また、第3の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1によれば、訓練者は、運転訓練センター100内においても、運転訓練シミュレータ装置2を用いた訓練を受けることができる。運転訓練センター100内における訓練のための具体的な操作方法は第2の実施形態と同様である。
なお、運転訓練センター100内において訓練を開始するとき、第1シミュレータ操作装置51は、運転訓練シミュレータ装置2に運転訓練センター100を選択する訓練場所選択情報を送信する。運転訓練センター100を選択する訓練場所選択情報の送信に応じて、第1表示装置選択スイッチ61は、第1プラント模擬画面表示装置31に対してオンし、第2プラント模擬画面表示装置32に対してオフする。また、第2表示装置選択スイッチ71は、第1制御所模擬画面表示装置41に対してオンし、第2制御所模擬画面表示装置42に対してオフする。これにより、第1プラント模擬画面表示装置31によるプラント模擬画面SC1の表示および第1制御所模擬画面表示装置41による制御所模擬画面SC2の表示が許容される。
従来、電力会社の制御所に駐在するプラントの訓練者は、自事業者や自社がプラント運転訓練装置を所有している場合に限り、運転訓練センターに行って予め指定された時間帯で訓練を受けることができるといった制約環境にあった。また、運転訓練センターと制御所は離れていることが多く、制御所が管轄するプラントも多くあったため、訓練者は時間に融通が利く訓練することが困難であった。
これに対して、第3の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1によれば、WAN15を有する遠距離イントラネット16を介して、運転訓練センター100から離れた場所にある事業者制御所200内の表示装置32、42を運転訓練シミュレータ装置2に接続することができる。これにより、事業者制御所200内の訓練者は、運転訓練センターに移動することなく自制御所の施設内で訓練を受けることができる。
したがって、第3の実施形態によれば、訓練の場所的な制約および時間的な制約を緩和することができる。また、遠距離イントラネット16を用いることで、セキュリティ性を確保することができる。
(第4の実施形態)
次に、事業者管理施設および電力会社制御所での訓練が可能な第4の実施形態について説明する。図5は、第4の実施形態による運転訓練シミュレータシステム1を示す図である。
図5に示すように、第4の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1は、第3の実施形態の構成に加えて、更に、第3プラント模擬画面表示装置33と、第3制御所模擬画面表示装置43と、第3シミュレータ操作装置53とを備える。また、第3の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1は、第3プラント模擬画面表示装置33に対応する模擬画面操作器12、モーションカメラ13、および受信器14を備える。これらの構成部33、43、53、12〜14は、事業者管理施設300および電力会社制御所400のそれぞれに備えられている。なお、図5の例では、第3プラント模擬画面表示装置33および第3制御所模擬画面表示装置43を訓練所300、400に合わせて2組としているが、訓練所の数が3箇所以上である場合には、これに応じて第3プラント模擬画面表示装置33および第3制御所模擬画面表示装置43を3組以上配置してよい。
第3プラント模擬画面表示装置33は、ファイアウォール装置18を備えたインターネット19を介してプラントシミュレータ装置6に接続されている。図5の例において、第3プラント模擬画面表示装置33は、インターネット19、イントラネット16およびLAN9を介してプラントシミュレータ装置6に接続されている。
第3プラント模擬画面表示装置33は、第1プラント模擬画面表示装置31と同様に、プラントの制御盤に応じたサイズを有する。第3プラント模擬画面表示装置33は、プラントシミュレータ装置6で生成されたプラント模擬画面SC1を、インターネット19経由で受信して表示する。
第3制御所模擬画面表示装置43は、ファイアウォール装置18を備えたインターネット19を介して遠方監視制御シミュレータ装置7に接続されている。図5の例において、第3制御所模擬画面表示装置43は、インターネット19、イントラネット16およびLAN9を介して遠方監視制御シミュレータ装置7に接続されている。
第3制御所模擬画面表示装置43は、第1制御所模擬画面表示装置41と同様に、制御所の操作卓に応じたサイズを有する。第3制御所模擬画面表示装置43は、遠方監視制御シミュレータ装置7で生成された制御所模擬画面SC2を、インターネット19経由で受信して表示する。
このような構成を有する第4の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1によれば、訓練者は、運転訓練センター100から遠隔の事業者管理施設300内および電力会社制御所400内において、運転訓練センター100内の運転訓練シミュレータ装置2を用いた訓練を受けることができる。
具体的には、事業者管理施設300内または電力会社制御所400内の訓練者は、第3シミュレータ操作装置53の画面上で、制御所が運用管理している複数のプラントモデルメニューの中からプラントモデルを1つ選択する。このプラントモデルは、遠隔の事業者や電力会社が所有する制御所内の遠方監視制御装置やプラント内の配電盤のエミュレータモデルであってもよい。訓練者が選択したプラントモデルの情報は、ファイアウォール装置18、インターネット19、イントラネット16およびLAN9を介して運転訓練シミュレータ装置2に送信される。また、第3シミュレータ操作装置53は、訓練者が所在する事業者管理施設300または電力会社制御所400を選択する訓練場所選択情報を運転訓練シミュレータ装置2に送信する。
運転訓練シミュレータ装置2は、第3シミュレータ操作装置53から送信されたプラントモデルの情報と合致するプラントのモデルデータを、プラントシミュレータ装置6が保有する複数のモデルデータから選択する。また、運転訓練シミュレータ装置2は、第3シミュレータ操作装置53から送信されたプラントモデルの情報に対応する制御所のモデルデータを、遠方監視制御シミュレータ装置7が保有する複数のモデルデータの中から選択する。そして、選択されたモデルデータに基づいて運転訓練シミュレータ装置2が起動される。
運転訓練シミュレータ装置2が起動されると、プラントシミュレータ装置6は、プラント模擬画面SC1を生成する。また、第3シミュレータ操作装置53から事業者管理施設300または電力会社制御所400を選択する訓練場所選択情報が送信されたことで、プラントシミュレータ装置6の第1表示装置選択スイッチ61は、第1プラント模擬画面表示装置31に対してオフし、第3プラント模擬画面表示装置33に対してオンする。
これにより、プラントシミュレータ装置6で生成されたプラント模擬画面SC1は、LAN9、イントラネット16およびインターネット19を介して第3プラント模擬画面表示装置33に表示される。このとき、第1表示装置選択スイッチ61は、第1プラント模擬画面表示装置31に対してオフしているので、プラント模擬画面SC1は、第1プラント模擬画面表示装置31には表示されない。また、第1プラント模擬画面表示装置31に対応するモーションカメラ13、模擬画面操作器12および受信器14も動作しない。
また、運転訓練シミュレータ装置2が起動されると、遠方監視制御シミュレータ装置7は、制御所模擬画面SC2を生成する。また、第3シミュレータ操作装置53から事業者管理施設300または電力会社制御所400を選択する訓練場所選択情報が送信されたことで、遠方監視制御シミュレータ装置7の第2表示装置選択スイッチ71は、第1制御所模擬画面表示装置41に対してオフし、第3制御所模擬画面表示装置43に対してオンする。
これにより、遠方監視制御シミュレータ装置7で生成された制御所模擬画面SC2は、LAN9、イントラネット16およびインターネット19を介して第3制御所模擬画面表示装置43に表示される。このとき、第2表示装置選択スイッチ71は、第1制御所模擬画面表示装置41に対してオフしているので、制御所模擬画面SC2は、第1制御所模擬画面表示装置41には表示されない。
第3プラント模擬画面表示装置33にプラント模擬画面SC1が表示されることで、事業者管理施設300内または電力会社制御所400内の訓練者は、プラント模擬画面SC1に対して、模擬画面操作器12の操作によって遠方監視制御および直接監視制御のいずれかを選択できる。また、第3制御所模擬画面表示装置43に制御所模擬画面SC2が表示されることで、事業者管理施設300内または電力会社制御所400内の訓練者は、遠方監視制御を行う場合に、制御所模擬画面SC2を操作して自動運転発電を指令することができる。
第3プラント模擬画面表示装置33および第3制御所模擬画面表示装置43を用いた遠方監視制御および直接監視制御は、インターネット19経由で運転訓練シミュレータ装置2との間でデータや信号を送受信すること以外は、第1プラント模擬画面表示装置31および第1制御所模擬画面表示装置41を用いた遠隔監視制御および直接監視制御と同様である。
また、第4の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1によれば、訓練者は、第3の実施形態と同様に、運転訓練センター100内または事業者制御所200内においても、運転訓練シミュレータ装置2を用いた訓練を行うことができる。
第4の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1によれば、セキュリティを強化したネットワーク18、19を備えることで、運転訓練シミュレータシステム1を提供するプラントメーカと契約した各社が、ネットワーク18、19を介して自制御所の施設内で訓練者に訓練を受けさせることができる。
また、第4の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1によれば、事業者や電力会社が所有する制御所内の遠方監視制御装置や発電所内の配電盤をエミュレータモデルとして所有することで、事業者や電力会社の従業員が、インターネット19を通じて自社の実機に近い感覚で訓練を受けることができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態として、複数のプラントの監視制御の訓練を行うことができる運転訓練シミュレータシステム1の具体例について説明する。図6は、第5の実施形態による運転訓練シミュレータシステム1を示す図である。
(構成)
(プラントシミュレータ装置6)
図6に示すように、第5の実施形態のプラントシミュレータ装置6は、記録部として、プラント模擬画面記録部62と、プラントモデル記録部63と、プラント演算記録部64とを有する。また、プラントシミュレータ装置6は、処理部として、プラント模擬画面処理部65と、プラントモデル処理部66と、プラント演算記録処理部67と、プラント演算処理部68と、プラント模擬画面加算処理部69と、映像処理部610と、プラント伝送処理部611とを有する。また、プラントシミュレータ装置6は、機能部として、プラントシミュレータ操作機能部612を有する。また、プラントシミュレータ装置6は、スイッチとして、既述した第1表示装置選択スイッチ61と、プラント模擬画面選択スイッチ614と、プラントモデル選択スイッチ615と、プラント演算選択スイッチ616とを有する。
プラント模擬画面記録部62は、複数配置されている。各プラント模擬画面記録部62には、複数のプラントのそれぞれのプラント模擬画面SC1が記録されている。各プラント模擬画面記録部62は、プラント模擬画面選択スイッチ614によって選択的にプラント模擬画面処理部65に接続可能となっている。
プラント模擬画面選択スイッチ614は、プラントシミュレータ操作機能部612に接続されている。プラント模擬画面選択スイッチ614は、プラントシミュレータ操作機能部612から、シミュレータ操作装置51、52で選択されたプラントに応じたスイッチ制御信号を受信する。スイッチ制御信号を受信することで、プラント模擬画面選択スイッチ614は、選択されたプラントに対応するプラント模擬画面記録部62をプラント模擬画面処理部65に接続する。プラント模擬画面処理部65は、プラント模擬画面選択スイッチ614によって接続されたプラント模擬画面記録部62から、プラント模擬画面SC1を読み出す。
プラント模擬画面処理部65は、プラント模擬画面加算処理部69に接続されている。プラント模擬画面加算処理部69は、第1表示装置選択スイッチ61に接続されている。第1表示装置選択スイッチ61は、プラントシミュレータ操作機能部612に接続されている。
第1表示装置選択スイッチ61は、第1シミュレータ操作装置51の操作によってプラントシミュレータ操作機能部612を介して切替わる。具体的には、第1表示装置選択スイッチ61は、プラントシミュレータ操作機能部612が事業者制御所200を選択する訓練場所選択情報を受信した場合、プラントシミュレータ操作機能部612からのスイッチ制御信号にしたがってプラント伝送処理部611側にオンする。一方、第1表示装置選択スイッチ61は、プラントシミュレータ操作機能部612が運転訓練センター100を選択する訓練場所選択情報を受信した場合、プラントシミュレータ操作機能部612からのスイッチ制御信号にしたがって第1プラント模擬画面表示装置31側にオンする。
第1表示装置選択スイッチ61がプラント伝送処理部611側にオンした場合、プラント模擬画面処理部65は、プラント模擬画面記録部62から読み出されたプラント模擬画面SC1を、プラント伝送処理部611、LAN9および遠距離イントラネット16を介して第2プラント模擬画面表示装置32に表示する。一方、第1表示装置選択スイッチ61が第1プラント模擬画面表示装置31側にオンした場合、プラント模擬画面処理部65は、プラント模擬画面記録部62から読み出されたプラント模擬画面SC1を第1プラント模擬画面表示装置31に表示する。
プラントモデル記録部63は、複数配置されている。各プラントモデル記録部63には、複数のプラントのそれぞれのモデルデータが記録されている。各プラントモデル記録部63は、プラントモデル選択スイッチ615によって選択的にプラントモデル処理部66に接続可能となっている。
プラントモデル選択スイッチ615は、プラントシミュレータ操作機能部612に接続されている。プラントモデル選択スイッチ615は、プラントシミュレータ操作機能部612からシミュレータ操作装置51、52で選択されたプラントに応じたスイッチ制御信号を受信することで、選択されたプラントに対応するプラントモデル記録部63をプラントモデル処理部66に接続する。
プラントモデル処理部66は、プラント演算処理部68に接続されている。プラントモデル処理部66は、プラントモデル選択スイッチ615によって接続されたプラントモデル記録部63から、プラントモデルデータを読み出し、読み出されたプラントモデルデータをプラント演算処理部68に出力する。
プラント演算記録部64は、複数配置されている。各プラント演算記録部64には、複数のプラントのそれぞれの運転状態を模擬した演算結果が記録されている。各プラント演算記録部64は、プラント演算選択スイッチ616によって選択的にプラント演算記録処理部67に接続可能となっている。
プラント演算選択スイッチ616は、プラントシミュレータ操作機能部612に接続されている。プラント演算選択スイッチ616は、プラントシミュレータ操作機能部612からシミュレータ操作装置51、52で選択されたプラントに応じたスイッチ制御信号を受信することで、選択されたプラントに対応するプラント演算記録部64をプラント演算記録処理部67に接続する。
プラント演算記録処理部67は、プラント演算処理部68に接続されている。プラント演算記録処理部67は、プラント演算選択スイッチ616によって接続されたプラント演算記録部64から演算結果を読み出し、読み出された演算結果をプラント演算処理部68に出力する。プラント演算処理部68は、プラント演算記録処理部67から出力された演算結果を、選択されたプラントの運転状態の初期値(すなわち、イニシャライズ時の運転状態)として取得する。
映像処理部610は、運転訓練センター100内のモーションカメラ13に接続されている。また、映像処理部610は、プラント伝送処理部611、LAN9および遠距離イントラネット16を介して事業者制御所200内のモーションカメラ13に接続されている。また、映像処理部610は、プラント演算処理部68に接続されている。
映像処理部610は、第1プラント模擬画面表示装置31に表示されたプラント模擬画面SC1を操作するため、運転訓練センター100内のモーションカメラ13から、運転訓練センター100内の模擬画面操作器12の撮像画像を受信可能である。また、映像処理部610は、第2プラント模擬画面表示装置32に表示されたプラント模擬画面SC1を操作するため、事業者制御所200内のモーションカメラ13から、事業者制御所200内の模擬画面操作器12の撮像画像を受信可能である。映像処理部610は、受信された撮像画像に基づいて、模擬画面操作器12の三次元の座標位置を算出する。映像処理部610は、算出された座標位置をプラント演算処理部68に出力する。
プラント演算処理部68は、運転訓練センター100内の送信器14に接続されている。また、プラント演算処理部68は、プラント伝送処理部611、LAN9および遠距離イントラネット16を介して事業者制御所200内の送信器14に接続されている。また、プラント演算処理部68は、プラント伝送処理部611およびLAN9を介して遠方監視制御シミュレータ装置7に接続されている。また、プラント演算処理部68は、プラント模擬画面加算処理部69に接続されている。
プラント演算処理部68は、第1プラント模擬画面表示装置31に表示されたプラント模擬画面SC1を操作するため、運転訓練センター100内の送信器14から、モーションセンサ121の検出信号と決定ボタン122の選択信号とを受信可能である。また、プラント演算処理部68は、第2プラント模擬画面表示装置32に表示されたプラント模擬画面SC1を操作するため、事業者制御所200内の送信器14から、モーションセンサ121の検出信号と決定ボタン122の選択信号とを受信可能である。また、既述したように、プラント演算処理部68には、映像処理部610から撮像画像に基づいて取得された座標位置情報が入力される。また、プラント演算処理部68は、遠方監視制御シミュレータ装置7から制御所模擬画面SC2の操作による自動運転発電指令を受信可能である。
プラント演算処理部68は、プラントモデル記録部63から取得されたプラントモデルデータと、プラント演算記録処理部67から取得された運転状態の初期値と、映像処理部610から入力された模擬画面操作器12の座標位置と、受信されたモーションセンサ121の検出信号および決定ボタン122の選択信号とに基づいて、プラント模擬画面SC1の操作に応じた初期値からの運転状態の変化を示す運転データを演算する。そして、プラント演算処理部68は、演算された運転データをプラント模擬画面加算処理部69と、プラント演算記録処理部67に出力する。ここで、プラント演算処理部68は、運転訓練を始めるために運転状態の初期値が必要となる。このため、プラント演算処理部68は、プラント演算記録処理部67からイニシャライズ値を取得する。そして、運転訓練の開始後、プラント演算処理部68は、運転訓練の進行に応じて演算された運転データを、プラント模擬画面加算処理部69を介してディスプレイ出力させるとともに、プラント演算記録処理部67に出力(格納)する。プラント演算記録処理部67に出力された運転データは、新たなイニシャライズ値として用いることができる。したがって、プラント演算処理部68は、いつでも、どの運転状態からも、何度でも運転訓練を開始することができるように、プラント演算記録処理部67からイニシャライズ値を取り出すことができるようになっている。
プラント模擬画面加算処理部69は、プラント演算処理部68から出力された運転データとプラント模擬画面処理部65から出力されたプラント模擬画面SC1のデータとを加算することで、プラント模擬画面SC1に運転状態の変化を反映させる。運転状態の変化が反映されたプラント模擬画面SC1は、第1表示装置選択スイッチ61の接続状態に応じて第1プラント模擬画面表示装置31または第2プラント模擬画面表示装置32に表示される。
(遠方監視制御シミュレータ装置7)
図6に示すように、第5の実施形態の遠方監視制御シミュレータ装置7は、記録部として、制御所模擬画面記録部72と、制御所モデル記録部73と、制御所演算記録部74とを有する。また、遠方監視制御シミュレータ装置7は、処理部として、制御所模擬画面処理部75と、制御所モデル処理部76と、制御所演算記録処理部77と、制御所演算処理部78と、制御所模擬画面加算処理部79と、制御所伝送処理部711とを有する。また、遠方監視制御シミュレータ装置7は、機能部として、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712を有する。また、遠方監視制御シミュレータ装置7は、スイッチとして、既述した第2表示装置選択スイッチ71と、制御所模擬画面選択スイッチ714と、制御所モデル選択スイッチ715と、制御所演算選択スイッチ716とを有する。
制御所模擬画面記録部72は、複数配置されている。各制御所模擬画面記録部72には、複数の制御所のそれぞれの制御所模擬画面SC2が記録されている。各制御所模擬画面記録部72は、制御所模擬画面選択スイッチ714によって選択的に制御所模擬画面処理部75に接続可能となっている。
制御所模擬画面選択スイッチ714は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712に接続されている。制御所模擬画面選択スイッチ714は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712からシミュレータ操作装置51、52で選択されたプラントに応じたスイッチ制御信号を受信することで、選択されたプラントに応じた制御所模擬画面記録部72を制御所模擬画面処理部75に接続する。制御所模擬画面処理部75は、制御所模擬画面選択スイッチ714によって接続された制御所模擬画面記録部72から、制御所模擬画面SC2を読み出す。
制御所模擬画面処理部75は、制御所模擬画面加算処理部79に接続されている。制御所模擬画面加算処理部79は、第2表示装置選択スイッチ71に接続されている。第2表示装置選択スイッチ71は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712に接続されている。
第2表示装置選択スイッチ71は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712が事業者制御所200を選択する訓練場所選択情報を受信した場合、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712からのスイッチ制御信号にしたがって制御所伝送処理部711側にオンする。一方、第2表示装置選択スイッチ71は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712が運転訓練センター100を選択する訓練場所選択情報を受信した場合、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712からのスイッチ制御信号にしたがって第1制御所模擬画面表示装置41側にオンする。
第2表示装置選択スイッチ71が制御所伝送処理部711側にオンした場合、制御所模擬画面処理部75は、制御所模擬画面記録部72から読み出された制御所模擬画面SC2を、制御所伝送処理部711および遠距離イントラネット16を介して第2制御所模擬画面表示装置42に表示する。一方、第2表示装置選択スイッチ71が第1制御所模擬画面表示装置41側にオンした場合、制御所模擬画面処理部75は、制御所模擬画面記録部72から読み出された制御所模擬画面SC2を第1制御所模擬画面表示装置41に表示する。
制御所モデル記録部73は、複数配置されている。各制御所モデル記録部73には、複数の制御所のそれぞれのモデルデータが記録されている。各制御所モデル記録部73は、制御所モデル選択スイッチ715によって選択的に制御所モデル処理部76に接続可能となっている。
制御所モデル処理部76は、制御所演算処理部78に接続されている。制御所モデル選択スイッチ715は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712に接続されている。制御所モデル選択スイッチ715は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712からシミュレータ操作装置51、52で選択されたプラントに応じたスイッチ制御信号を受信することで、選択されたプラントに対応する制御所モデル記録部73を制御所モデル処理部76に接続する。制御所モデル処理部76は、制御所モデル選択スイッチ715によって接続された制御所モデル記録部73から制御所モデルデータを読み出し、読み出された制御所モデルデータを制御所演算処理部78に出力する。
制御所演算記録部74は、複数配置されている。各制御所演算記録部74には、複数の制御所のそれぞれの監視制御状態を模擬した演算結果が記録されている。各制御所演算記録部74は、制御所演算選択スイッチ716によって選択的に制御所演算記録処理部77に接続可能となっている。
制御所演算選択スイッチ716は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712に接続されている。制御所演算選択スイッチ716は、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712からシミュレータ操作装置51、52で選択されたプラントに応じたスイッチ制御信号を受信することで、選択されたプラントに対応する制御所演算記録部74を制御所演算記録処理部77に接続する。
制御所演算記録処理部77は、制御所演算処理部78に接続されている。制御所演算記録処理部77は、制御所演算選択スイッチ716によって接続された制御所演算記録部74から演算結果を読み出し、読み出された演算結果を制御所演算処理部78に出力する。制御所演算処理部78は、制御所演算記録部74から出力された演算結果を、選択された制御所の監視制御状態の初期値(すなわち、イニシャライズ時の監視制御状態)として取得する。
制御所演算処理部78は、第1制御所模擬画面表示装置41に接続されている。また、制御所演算処理部78は、制御所伝送処理部711、LAN9および遠距離イントラネット16を介して第2制御所模擬画面表示装置42に接続されている。また、制御所演算処理部78は、制御所模擬画面加算処理部79に接続されている。
制御所演算処理部78は、第1制御所模擬画面表示装置41のタッチパネルから、第1制御所模擬画面表示装置41に表示された制御所模擬画面SC2に対する操作信号を受信可能である。また、第2制御所模擬画面表示装置42のタッチパネルから、第2制御所模擬画面表示装置42に表示された制御所模擬画面SC2の操作信号を受信可能である。
制御所演算処理部78は、制御所モデル記録部73から取得された制御所モデルデータと、制御所演算記録部74から取得された監視制御状態の初期値と、受信された制御所模擬画面SC2の操作信号とに基づいて、制御所模擬画面SC2の操作に応じた初期値からの監視制御状態の変化を示す監視制御データを演算する。そして、制御所演算処理部78は、演算された監視制御データを制御所模擬画面加算処理部79と、制御所演算記録処理部77に出力する。ここで、制御所演算処理部78は、遠方監視制御の訓練を始めるために監視制御状態の初期値が必要となる。このため、制御所演算処理部78は、制御所演算記録処理部77からイニシャライズ値を取得する。そして、遠方監視制御の訓練の開始後、制御所演算処理部78は、訓練の進行に応じて演算された監視制御データを、制御所模擬画面加算処理部79を介してディスプレイ出力させるとともに、制御所演算記録処理部77に出力(格納)する。制御所演算記録処理部77に出力された監視制御データは、新たなイニシャライズ値として用いることができる。したがって、制御所演算処理部78は、いつでも、どの監視制御状態からも、何度でも訓練を開始することができるように、制御所演算記録処理部77からイニシャライズ値を取り出すことができるようになっている。なお、監視制御データは、既述した運転データと時間軸で連動している。
制御所模擬画面加算処理部79は、制御所演算処理部78から出力された監視制御データと制御所模擬画面処理部75から出力された制御所模擬画面SC2のデータとを加算することで、制御所模擬画面SC2に監視制御状態の変化を反映させる。監視制御状態の変化が反映された制御所模擬画面SC2は、第2表示装置選択スイッチ71の接続状態に応じて第1制御所模擬画面表示装置41または第2制御所模擬画面表示装置42に表示される。
なお、図6の運転訓練シミュレータ装置2は、は、第3の実施形態で説明したように、運転訓練センター100内での遠方監視制御および直接監視制御の訓練と、事業者制御所200内での遠方監視制御および直接監視制御の訓練とを可能にする構成である。図6の運転訓練シミュレータ装置2は、第4の実施形態で説明したように、インターネット19を介した事業者管理施設300内および電力会社制御所400内での遠方監視制御および直接監視制御の訓練にも適用可能である。
(作用)
訓練者は、訓練の準備段階として、第1シミュレータ操作装置51によって運転訓練の対象とするプラントを選択する。第1シミュレータ操作装置51によるプラントの選択情報は、LAN9を経由し、プラント伝送処理部611および制御所伝送処理部711を通って、プラントシミュレータ操作機能部612および遠方監視制御シミュレータ操作機能部712に入力される。
プラントシミュレータ操作機能部612は、入力された選択情報を、予め登録されているプラントの情報と照合する。また、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712は、入力された選択情報を、予め登録されている制御所の情報と照合する。
プラントシミュレータ操作機能部612は、選択情報とプラントの情報とを照合した後、照合すなわち選択されたプラントに応じたスイッチ制御信号を、プラント模擬画面選択スイッチ614、プラントモデル選択スイッチ615およびプラント演算選択スイッチ616のそれぞれに出力する。また、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712は、選択情報と制御所の情報とを照合した後、選択された制御所に応じたスイッチ制御信号を、制御所模擬画面選択スイッチ714、制御所モデル選択スイッチ715および制御所演算選択スイッチ716のそれぞれに出力する。
プラントシミュレータ操作機能部612からのスイッチ制御信号により、プラント模擬画面選択スイッチ614は、選択されたプラントに対応するプラント模擬画面記録部62をプラント模擬画面処理部65に接続する。また、プラントモデル選択スイッチ615は、選択されたプラントに対応するプラントモデル記録部63をプラントモデル処理部66に接続する。また、プラント演算選択スイッチ616は、選択されたプラントに対応するプラント演算記録部64をプラント演算記録処理部67に接続する。
遠方監視制御シミュレータ操作機能部712からのスイッチ制御信号により、制御所模擬画面選択スイッチ714は、選択された制御所に対応する制御所模擬画面記録部72を制御所模擬画面処理部75に接続する。また、制御所モデル選択スイッチ715は、選択された制御所に対応する制御所モデル記録部73を制御所モデル処理部76に接続する。また、制御所演算選択スイッチ716は、選択された制御所に対応する制御所演算記録部74を制御所演算記録処理部77に接続する。
次に、訓練者は、第1シミュレータ操作装置51によって、訓練する場所として運転訓練センター100および事業者制御所200のいずれかを選択する。以下では、運転訓練センター100を選択した場合の例について説明する。
運転訓練センター100を選択した場合には、運転訓練センター100を選択する訓練場所選択情報が、LAN9を経由し、各シミュレータ装置6、7の伝送処理部611、711を通って、シミュレータ操作機能部612、712に入力される。この訓練場所選択情報の入力に応じて、プラントシミュレータ操作機能部612は、第1プラント模擬画面表示装置31側へのオンを指示するスイッチ制御信号を第1表示装置選択スイッチ61に出力する。また、遠方監視制御シミュレータ操作機能部712は、第1制御所模擬画面表示装置41側へのオンを指示するスイッチ制御信号を第2表示装置選択スイッチ71に出力する。
これにより、第1表示装置選択スイッチ61が第1プラント模擬画面表示装置31側にオンし、第1プラント模擬画面表示装置31にプラント模擬画面SC1が表示される。また、第2表示装置選択スイッチ71が第1制御所模擬画面表示装置41側にオンし、第1制御所模擬画面表示装置41に制御所模擬画面SC2が表示される。また、模擬画面操作器12、モーションカメラ13および受信器14が、映像処理部610およびプラント演算処理部68へのアクセスを開始する準備が整う。このようにして、プラントシミュレータ装置6と遠方監視制御シミュレータ装置7との双方の訓練の前準備が整う。
訓練の準備が整った後、訓練者は、第1シミュレータ操作装置51を用いてプラント運転の指令を出力すると、シミュレータ操作機能部612、712は、演算処理部68、78に演算開始指令を送信する。
演算開始指令の送信に応じて、プラント演算処理部68は、プラントモデル処理部66に接続されているプラントモデル記録部63にアクセスを開始し、その直後に、プラント演算記録処理部67に接続されているプラント演算記録部64から、演算結果をイニシャライズ時の運転データとして読み込む。また、演算開始指令の送信に応じて、制御所演算処理部78は、制御所モデル処理部76に接続されている制御所モデル記録部73にアクセスを開始し、その直後に、制御所演算記録処理部77に接続されている制御所演算記録部74から、演算結果をイニシャライズ時の監視制御データとして読み込む。
そして、プラント演算処理部68は、プラントモデル記録部63へのアクセスによって取得したプラントモデルデータに基づいて、プラント模擬画面SC1の操作に応じたイニシャライズ時からの運転状態の変化を示す運転データを演算する。プラント演算処理部68は、演算された運転データをプラント模擬画面加算処理部69とプラント演算記録処理部67に出力する。また、制御所演算処理部78は、制御所モデル記録部73へのアクセスによって取得した制御所モデルデータに基づいて、制御所模擬画面SC2の操作に応じたイニシャライズ時からの監視制御状態の変化を示す監視制御データを演算する。制御所演算処理部78は、演算された監視制御データを制御所模擬画面加算処理部79と制御所演算記録処理部77に出力する。
プラント模擬画面加算処理部69は、プラント演算処理部68から出力された運転データをプラント模擬画面記録部62から読み込まれたプラント模擬画面SC1に加算することで、運転状態の変化を反映したプラント模擬画面SC1を生成する。そして、プラント模擬画面加算処理部69は、生成されたプラント模擬画面SC1を第1プラント模擬画面表示装置31に表示する。また、制御所模擬画面加算処理部79は、制御所演算処理部78から出力された監視制御データを制御所模擬画面記録部72から読み込まれた制御所模擬画面SC2に加算することで、監視制御状態の変化を反映した制御所模擬画面SC2を生成する。そして、制御所模擬画面加算処理部79は、生成された制御所模擬画面SC2を第1制御所模擬画面表示装置41に表示する。
また、プラント演算記録処理部67に演算された運転データを出力することで、プラント演算処理部68は、いつでも、どの運転状態からも、何度でもプラント演算記録処理部67からイニシャライズ値を取り出して運転訓練を開始することができる。また、制御所演算記録処理部77に演算された監視制御データを出力することで、制御所演算処理部78は、いつでも、どの監視制御状態からも、何度でも制御所演算記録処理部77からイニシャライズ値を取り出して訓練を開始することができる。
第5の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1によれば、事業者や電力会社が所有するプラント毎に異なる発電機、水車、監視制御のモデルとデータを保有し、かつ、制御所毎に異なる遠方監視制御のモデルとデータを保有することで、訓練の内容に合わせてモデルとデータを切替えることができる。これにより、多くのプラントの運転訓練を、実機に近い感覚で行うことができる。また、一箇所のプラントのモデルとデータしか保有しない従来の運転訓練シミュレータシステムと比べ、第5の実施形態の運転訓練シミュレータシステム1は、多くのプラントの訓練ができるため、シミュレータ装置の稼働率を向上することができる。また、より多くの運転データの記録が残ることで、実機への運転手順の改善やトラブル解析に役立てることができる。さらに、訓練者一人で、多くの発電所タイプの運転訓練が可能となるため、実機のトラブル時の即時対応や操作ミスの軽減が期待できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。