[第1実施形態]
(第1実施形態の概要)
ところで、LTEシステムにおいて、基地局は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を介してユーザ端末に制御信号を送信する。制御信号は、分散した無線リソースに配置されるため、PDCCH区間に配置される制御信号が疎になり得る。この場合、PDCCH区間の全体的な電力が低くなる。
よって、基地局がアンライセンスドバンドの周波数チャネルにおいて制御信号を送信していても、他の基地局又は他のシステムは、上述したLBT手順により、当該周波数チャネルを空きチャネルと判断する虞がある。従って、アンライセンスドバンドにおいてLTE通信を適切に行うことが難しい。
そこで、第1実施形態は、アンライセンスドバンドにおいてLTE通信を適切に行うことを可能とする基地局を提供することを目的とする。
第1実施形態に係る基地局は、移動通信システムにおいて用いられる。前記基地局は、アンライセンスドバンドにおいて、下りリンクサブフレームを使用して制御信号及びデータを送信する送信部と、前記送信部による送信を制御する制御部と、を備える。前記下りリンクサブフレームは、前記制御信号が配置されるPDCCH区間と前記データが配置されるPDSCH区間とを含む。前記PDCCH区間において、前記制御信号が配置されない空き領域が存在する場合、前記制御部は、前記空き領域にダミー信号を配置する。
第1実施形態において、前記ダミー信号は、下りリンク同期信号である。
或いは、第1実施形態において、前記ダミー信号は、自基地局配下のユーザ端末に未割り当てのRNTIが適用された制御信号である。
以下において、LTEシステムに本発明を適用する場合の実施形態を説明する。
(LTEシステムの概要)
先ず、LTEシステムのシステム構成について説明する。図1は、LTEシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。
図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図3に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより1つのリソースエレメント(RE)が構成される。また、UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。PDCCHの詳細については後述する。また、各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。また、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS:Cell specific Reference Signal)などの下りリンク参照信号が配置される。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に上りリンク制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主に上りリンクデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。また、各サブフレームには、サウンディング参照信号(SRS)などの上りリンク参照信号が配置される。
(UE100の構成)
以下において、UE100(ユーザ端末)の構成について説明する。図4は、UE100の構成を示すブロック図である。図4に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。受信部110は、ライセンスドバンドにおいて無線信号を受信する第1の受信機と、アンライセンスドバンドにおいて無線信号を受信する第2の受信機と、を含んでもよい。
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。送信部120は、ライセンスドバンドにおいて無線信号を送信する第1の送信機と、アンライセンスドバンドにおいて無線信号を送信する第2の送信機と、を含んでもよい。
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
UE100は、ユーザインターフェイス及びバッテリを備えてもよい。ユーザインターフェイスは、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタン等を含む。ユーザインターフェイスは、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号を制御部130に出力する。バッテリは、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
(eNB200の構成)
以下において、eNB200(基地局)の構成について説明する。図5は、eNB200のブロック図である。図5に示すように、eNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。送信部210は、ライセンスドバンドにおいて無線信号を送信する第1の送信機と、アンライセンスドバンドにおいて無線信号を送信する第2の送信機と、を含んでもよい。
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。受信部220は、ライセンスドバンドにおいて無線信号を受信する第1の受信機と、アンライセンスドバンドにおいて無線信号を受信する第2の受信機と、を含んでもよい。
制御部230は、eNB200における各種の制御を行う。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
バックホール通信部240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。バックホール通信部240は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信等に使用される。
(LAA)
第1実施形態に係るLTEシステムは、オペレータに免許が付与されたライセンスドバンドだけではなく、免許が不要なアンライセンスドバンドもLTE通信に使用する。具体的には、ライセンスドバンドの補助によりアンライセンスドバンドにアクセス可能とする。このような仕組みは、licensed−assisted access(LAA)と称される。
図6は、LAAを説明するための図である。図6に示すように、eNB200は、ライセンスドバンドで運用されるセル#1と、アンライセンスドバンドで運用されるセル#2と、を管理している。図6において、セル#1がマクロセルであり、セル#2が小セルである一例を図示しているが、セルサイズはこれに限定されない。
UE100は、セル#1及びセル#2の重複エリアに位置する。UE100は、セル#1をプライマリセル(PCell)として設定しつつ、セル#2をセカンダリセル(SCell)として設定し、キャリアアグリゲーション(CA)による通信を行う。
図6の例では、UE100は、上りリンク通信及び下りリンク通信をセル#1と行い、下りリンク通信をセル#2と行う。このようなキャリアアグリゲーションにより、UE100には、ライセンスドバンドの無線リソースに加えて、アンライセンスドバンドの無線リソースが提供されるため、下りリンクのスループットを向上させることができる。
アンライセンスドバンドにおいては、LTEシステムとは異なるシステム(無線LAN等)又は他のオペレータのLTEシステムとの干渉を回避するために、listen−before−talk(LBT)手順が要求される。LBT手順は、周波数チャネルが空いているか否かを受信電力に基づいて確認し、空きチャネル(clear channel)であることが確認された場合に限り当該周波数チャネルを使用する手順である。
このため、eNB200は、LBT手順により、セル#2(アンライセンスドバンド)において空きチャネルを検索し、空きチャネルに含まれる無線リソースをUE100に割り当てる(スケジューリング)。
第1実施形態において、eNB200は、セル#2のPDCCHを介して、セル#2におけるスケジューリングを行う。なお、セル#1のPDCCHを介して、セル#2におけるスケジューリングを行う場合(すなわち、クロスキャリアスケジューリング)については、第3実施形態において説明する。
(下りリンクサブフレーム、PDCCH)
図7は、下りリンクサブフレームを示す図である。図7に示すように、下りリンクサブフレームは、制御信号(下りリンク制御信号)が配置されるPDCCH区間とデータ(下りリンクデータ)が配置されるPDSCH区間とを含む。図7において、PDCCH区間が2シンボル分のシンボル長である一例を図示しているが、PDCCH区間は1乃至3シンボル長の範囲内で変更可能である。
制御信号は、下りリンク及び上りリンクのリソース割当結果を通知するためのスケジューリング情報(L1/L2制御情報)を含む。eNB200は、制御信号の送信先のUE100を識別するために、送信先のUE100の識別子(RNTI:Radio Network Temporary ID)でスクランブリングしたCRCビットを制御信号に含める。UE100は、自UE宛ての可能性がある制御信号について、自UEのRNTIでCRCビットをデスクランブリングすることにより、PDCCHをブラインド復号して、自UE宛の制御信号を検出する。
制御信号は、分散した無線リソース(リソースエレメント)に配置される。図7の例では、PDCCH区間の全リソースエレメント中、制御信号が配置されたリソースエレメントは略半分程度であり、残りのリソースエレメントには制御信号が配置されない。制御信号が配置されないリソースエレメントからなる領域を「空き領域」と称する。このように、PDCCH区間に配置される制御信号が疎になる結果、PDCCH区間の全体的な電力が低くなり得る。
図6に示した動作環境において、eNB200が、セル#2(アンライセンスドバンド)の周波数チャネルにおいて、図7に示す下りリンクサブフレームを使用して制御信号及びデータを送信する場合を想定する。
この場合、PDCCH区間の電力が低いため、他のeNB又は他のシステムは、LBT手順により、eNB200が使用している周波数チャネルを空きチャネルと判断する虞がある。その結果、当該周波数チャネルにおいて干渉が発生するため、eNB200がLTE通信を適切に行うことができない。
ここで、このような課題を解決するために、以下のような動作が考えられる。
送信部210は、アンライセンスドバンドにおいて、下りリンクサブフレームを使用して制御信号及びデータを送信する。図6の例では、eNB200は、セル#2(アンライセンスドバンド)の周波数チャネル上で、制御信号及びデータをUE100に送信する。上述したように、下りリンクサブフレームは、制御信号が配置されるPDCCH区間とデータが配置されるPDSCH区間とを含む。
eNB200の制御部230は、PDCCH区間において、制御信号が配置されない空き領域(図7参照)が存在する場合、制御信号の送信電力を上昇させる。図7の例では、PDCCH区間において制御信号が配置されたリソースエレメントそれぞれの送信電力を上昇させる。ここで、「制御信号の送信電力を上昇させる」とは、少なくとも、通常の制御信号の送信電力よりも高い電力で制御信号を送信することをいう。eNB200の制御部230は、PDCCH区間に空き領域が存在する場合、空き領域が存在しない場合におけるPDCCH区間全体の送信電力に近づくように、制御信号の送信電力を上昇させる。
しかしながら、制御信号の送信電力を上昇(ブースト)させる方法は、法令により禁止される国がある。
そこで、第1実施形態において、eNB200は、空き領域(図7参照)にダミー信号を配置することにより、制御信号の送信電力を上昇させることなく、PDCCH区間の電力を高くする。
(第1実施形態に係る動作)
以下において、アンライセンスドバンドにおいてLTE通信を適切に行うためのeNB200の動作について説明する。
第1実施形態に係るeNB200の送信部210は、アンライセンスドバンドにおいて、下りリンクサブフレームを使用して制御信号及びデータを送信する。上述したように、下りリンクサブフレームは、制御信号が配置されるPDCCH区間とデータが配置されるPDSCH区間とを含む。
PDCCH区間において、制御信号が配置されない空き領域(図7参照)が存在する場合、eNB200の制御部230は、空き領域にダミー信号を配置する。図7の例では、PDCCH区間において制御信号が配置されない全てのリソースエレメントにダミー信号を配置する。但し、制御信号が配置されない全てのリソースエレメントにダミー信号を配置する場合に限定されない。制御信号が配置されない一部のリソースエレメントにのみダミー信号を配置してもよい。
このように、PDCCH区間の空き領域にダミー信号を配置することにより、PDCCH区間の電力を高くすることができる。
ここで、ダミー信号は、下りリンク同期信号であってもよい。下りリンク同期信号とは、例えば、プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)である。アンライセンスドバンドには、ライセンスドバンドで使用されるキャリア構造とは異なる新たなキャリア構造が適用されることが想定される。新たなキャリア構造とは、例えば下りリンク同期信号の密度が低いキャリア構造である。そのような新たなキャリア構造を使用する場合、ライセンスドバンドに比べて、下りリンクの同期の確立が難しくなる。そこで、PDCCH区間の空き領域に下りリンク同期信号を配置することにより、下りリンクの同期の確立を円滑化することができる。具体的には、UE100の受信部110は、PDCCH区間の同期信号に基づき同期をとるとともに、PDCCH区間の制御信号を復号する。
或いは、ダミー信号は、RNTIが適用されない特定の下りリンク無線信号であてもよい。通常、PDCCH上で送信される制御信号にはRNTI(C−RNTI)が適用されているため、RNTIが適用されない信号(特定の下りリンク無線信号)をPDCCH上で送信しても、当該信号はUE100において復号されないため、UE100に悪影響を与えることはない。特定の下りリンク無線信号は、後述するヘッダ信号又は下りリンクブロードキャスト信号であってもよい。
或いは、ダミー信号は、UE100に未割り当てのRNTIが適用された制御信号であってもよい。未割り当てのRNTIとは、アンライセンスドバンドのセル#2(図6参照)内の各UE100に割り当てられていないRNTIである。そのようなRNTIが適用された制御信号をPDCCH上で送信しても、当該制御信号はUE100において復号されない、UE100に悪影響を与えることはない。
(第1実施形態のまとめ)
第1実施形態において、eNB200は、アンライセンスドバンドの周波数チャネルにおいて使用する下りリンクサブフレームのPDCCH区間に空き領域が存在する場合、当該空き領域にダミー信号を配置する。これにより、制御信号をブーストすることなく、PDCCH区間の電力を高くすることができるため、他のeNB又は他のシステムは、LBT手順により、eNB200が使用している周波数チャネルを空きチャネルと判断しない。その結果、eNB200が当該周波数チャネルの使用を継続することが可能になり、LTE通信を適切に行うことができる。
[第2実施形態]
(第2実施形態の概要)
第2実施形態に係る基地局は、制御信号が配置されるPDCCH区間とデータが配置されるPDSCH区間とを含む下りリンクサブフレームが規定された移動通信システムにおいて用いられる。前記基地局は、ライセンスドバンドにおいて、前記制御信号を送信する第1の送信部と、アンライセンスドバンドにおいて、特別な下りリンクサブフレームを使用して、少なくとも前記データを送信する第2の送信部と、を備える。前記特別な下りリンクサブフレームは、前記PDCCH区間に相当する特定区間を含む。前記特定区間は、前記制御信号及び前記データの何れも配置されない区間である。
第2実施形態において、前記特定区間には、前記制御信号とは異なる特定の下りリンク無線信号が配置される。
第2実施形態において、前記特定の下りリンク無線信号は、下りリンク同期信号、下りリンクブロードキャスト信号、及びヘッダ信号のうち少なくとも1つである。前記ヘッダ信号は、前記制御信号に相当するスケジューリング情報を含む信号である。
以下において、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。第2実施形態においては、クロスキャリアスケジューリングによりアンライセンスドバンドにおけるスケジューリングを行う。
(クロスキャリアスケジューリング)
以下において、クロスキャリアスケジューリングについて説明する。図8は、クロスキャリアスケジューリングを説明するための図である。
図8に示すように、クロスキャリアスケジューリングは、一のキャリア(一の周波数)において、他のキャリア(他の周波数)のスケジューリング情報を送信するスケジューリング手法である。
図6の例では、eNB200は、セル#1(ライセンスドバンド)を介して、セル#2(アンライセンスドバンド)における制御信号をUE100に送信する。制御信号は、セル#2(アンライセンスドバンド)におけるスケジューリング情報を含む。UE100は、セル#1を介して受信した制御信号に従ってセル#2からデータを受信する。
このようなクロスキャリアスケジューリングを使用する場合、セル#2(アンライセンスドバンド)における制御信号の送信を不要とすることができる。
(第2実施形態に係る動作)
以下において、アンライセンスドバンドにおいてLTE通信を適切に行うためのeNB200の動作について説明する。
第2実施形態に係るeNB200は、制御信号が配置されるPDCCH区間とデータが配置されるPDSCH区間とを含む下りリンクサブフレームが規定されたLTEシステムにおいて用いられる。
eNB200は、ライセンスドバンドにおいて制御信号を送信する第1の送信部(送信部210の送信機#1)と、アンライセンスドバンドにおいて、特別な下りリンクサブフレームを使用して、少なくともデータを送信する第2の送信部(送信部210の送信機#2)と、を備える。特別な下りリンクサブフレームは、PDCCH区間に相当する特定区間を含む。特定区間は、制御信号及びデータの何れも配置されない区間である。このように、クロスキャリアスケジューリングを使用する場合であっても、PDCCH区間に相当する区間(特定区間)を敢えて設けている。これにより、PDCCH区間のフォーマットが維持されるため、UE100のPDSCH受信動作を変更するインパクトを最小限にすることができる。
また、特定区間には、制御信号とは異なる特定の下りリンク無線信号がPDCCH区間に配置される。これにより、特定区間を有効活用することができる。
図9は、アンライセンスドバンドにおいて使用される特別な下りリンクサブフレームの構成例1を示す図である。図10は、アンライセンスドバンドにおいて使用される特別な下りリンクサブフレームの構成例2を示す図である。特定区間が2シンボル分のシンボル長である一例を図示しているが、特定区間は、PDCCH区間と同様に、1乃至3シンボル長の範囲内で変更可能である。
図9に示すように、構成例1において、特別な下りリンクサブフレームは、制御信号とは異なる下りリンク同期信号(特定の下りリンク無線信号)が特定区間に配置されている。下りリンク同期信号は、例えば、プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)である。一般的な下りリンク同期信号は下りリンク帯域幅の中央部分にのみ配置されるが、図9に示す下りリンク同期信号は下りリンク帯域幅の全体に亘って配置されている。よって、このようなプライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)をエンハンストプライマリ同期信号(ePSS)及びエンハンストセカンダリ同期信号(eSSS)と称してもよい。具体的には、特定区間の第1シンボル(先頭シンボル)にePSSが配置されており、特定区間の第2シンボルにeSSSが配置されている。
このような特別な下りリンクサブフレームの構成例1によれば、下りリンクの同期の確立を円滑化することができる。
図10に示すように、構成例2において、特別な下りリンクサブフレームは、下りリンク同期信号及びヘッダ信号が特定区間の全体(全帯域)に亘って配置されている。具体的には、特定区間の第1シンボル(先頭シンボル)にエンハンストプライマリ同期信号(ePSS)が配置されており、特定区間の第2シンボルにヘッダ信号が配置されている。ヘッダ信号は、制御信号に相当するスケジューリング情報を含む。また、ヘッダ信号は、割り当てMCSや、割り当てUE数、割り当て期間、送信電力情報等の情報を含んでもよい。
このような特別な下りリンクサブフレームの構成例2によれば、下りリンクの同期の確立を円滑化することができるとともに、下りリンクのデータ伝送を円滑化することができる。具体的には、UE100の受信部110は、特定区間のePSSに基づき同期をとるとともに、特定区間のヘッダ信号を復号することにより、データの割り当てを知ることができる。
或いは、下りリンク同期信号及びヘッダ信号に代えて、下りリンクブロードキャスト信号を配置してもよい。下りリンクブロードキャスト信号は、例えばシステム情報ブロック(SIB)である。
図9及び図10の何れにおいても、PDSCH区間の構造(フォーマット)が通常のサブフレームのPDSCH区間の構造と同じであることに留意すべきである。これにより、既存のPDSCH構造を維持しながら、特定区間を有効活用することができる。
(第2実施形態のまとめ)
第2実施形態において、eNB200は、アンライセンスドバンドにおいて特別な下りリンクサブフレームを使用する。特別な下りリンクサブフレームは、制御信号とは異なる特定の下りリンク無線信号が特定区間に配置されたサブフレームである。これにより、特定区間の電力が高くなるため、他のeNB又は他のシステムは、LBT手順により、eNB200が使用している周波数チャネルを空きチャネルと判断しない。その結果、eNB200が当該周波数チャネルの使用を継続することが可能になり、LTE通信を適切に行うことができる。また、既存のPDSCH構造を維持しながら、特定区間を有効活用することができる。
[第3実施形態]
(第3実施形態の概要)
第3実施形態に係る基地局は、制御信号が配置されるPDCCH区間とデータが配置されるPDSCH区間とを含む下りリンクサブフレームが規定された移動通信システムにおいて用いられる。前記基地局は、アンライセンスドバンドにおいて、特別な下りリンクサブフレームを使用して、少なくとも前記制御信号及び前記データを送信する送信部を備える。前記特別な下りリンクサブフレームは、前記制御信号及び特定の下りリンク無線信号が前記PDCCH区間において共存するサブフレームである。前記特定の下りリンク無線信号は、下りリンク同期信号、下りリンクブロードキャスト信号、及びヘッダ信号のうち少なくとも1つである。
第3実施形態において、前記ヘッダ信号は、前記制御信号に相当するスケジューリング情報を含む信号である。
第3実施形態において、前記特別な下りリンクサブフレームの前記PDCCH区間のうち一部のシンボル区間に、前記特定の下りリンク無線信号が配置される。前記特定の下りリンク無線信号は、前記一部のシンボル区間の全周波数帯域に亘って配置される。
第3実施形態において、前記特別な下りリンクサブフレームの前記PDCCH区間のうち少なくとも一部のシンボル区間に、前記特定の下りリンク無線信号が配置される。前記少なくとも一部のシンボル区間において、前記制御信号及び前記特定の下りリンク無線信号が周波数分割で配置される。
第3実施形態において、前記少なくとも一部のシンボル区間において、前記特定の下りリンク無線信号は、前記制御信号が配置されない空き領域に配置される。
第3実施形態において、前記少なくとも一部のシンボル区間において、前記特定の下りリンク無線信号が配置される周波数帯域が規定されており、前記制御信号は、前記特定の下りリンク無線信号が配置されない空き領域に配置される。
第3実施形態において、前記特別な下りリンクサブフレームの前記PDCCH区間において、前記制御信号に代えて、前記制御信号に相当するスケジューリング情報を含むヘッダ信号が配置される。
以下において、第3実施形態について、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。第3実施形態は、アンライセンスドバンドにおいて特別な下りリンクサブフレームを使用する点で上述した実施形態と同様である。しかしながら、第3実施形態は、クロスキャリアスケジューリングを前提としない点で上述した実施形態とは異なる。
(第3実施形態に係る動作)
以下において、アンライセンスドバンドにおいてLTE通信を適切に行うためのeNB200の動作について説明する。
第3実施形態に係るeNB200は、制御信号が配置されるPDCCH区間とデータが配置されるPDSCH区間とを含む下りリンクサブフレームが規定されたLTEシステムにおいて用いられる。
eNB200の送信部210は、アンライセンスドバンドにおいて、特別な下りリンクサブフレームを使用して、少なくとも制御信号及びデータを送信する。特別な下りリンクサブフレームは、制御信号及び特定の下りリンク無線信号がPDCCH区間において共存するサブフレームである。特定の下りリンク無線信号は、制御信号とは異なる信号である。特定の下りリンク無線信号は、下りリンク同期信号、下りリンクブロードキャスト信号、ヘッダ信号のうち少なくとも1つである。
図11は、第3実施形態に係る特別な下りリンクサブフレームの構成例1を示す図である。図12は、第3実施形態に係る特別な下りリンクサブフレームの構成例2を示す図である。図13は、第3実施形態に係る特別な下りリンクサブフレームの構成例3を示す図である。図14は、第3実施形態に係る特別な下りリンクサブフレームの構成例4を示す図である。PDCCH区間が2シンボル分のシンボル長である一例を図示しているが、PDCCH区間は1乃至3シンボル長の範囲内で変更可能である。
図11に示すように、構成例1において、特別な下りリンクサブフレームのPDCCH区間のうち一部のシンボル区間に、ePSS(特定の下りリンク無線信号)が配置される。ePSSは、当該一部のシンボル区間の全周波数帯域に亘って配置される。具体的には、PDCCH区間の第1シンボル(先頭シンボル)にePSS(下りリンク同期信号)が配置されており、PDCCH区間の第2シンボルに制御信号が配置されている。制御信号は周波数方向に分散したリソースエレメントに配置されるため、第2シンボルの区間に空き領域が生じている。この空き領域には、第2実施形態で説明したダミー信号を配置してもよい。
図12に示すように、構成例2において、特別な下りリンクサブフレームのPDCCH区間のうち一部のシンボル区間に、ePSS(特定の下りリンク無線信号)が配置される。具体的には、PDCCH区間の第1シンボル(先頭シンボル)において、制御信号が配置されていない空き領域にePSSが配置される。PDCCH区間の第2シンボルには制御信号のみが配置されている。制御信号は周波数方向に分散したリソースエレメントに配置されるため、第2シンボルの区間に空き領域が生じている。この空き領域には、第2実施形態で説明したダミー信号を配置してもよい。
図13に示すように、構成例3において、特別な下りリンクサブフレームのPDCCH区間のうち一部のシンボル区間(第1シンボルの区間)に、SS(特定の下りリンク無線信号)が配置される。SSとは、例えばプライマリ同期信号である。当該一部のシンボル区間(第1シンボルの区間)において、制御信号及びSSが周波数分割で配置されている。また、当該一部のシンボル区間(第1シンボルの区間)において、SSが配置される周波数帯域が規定されている。例えば、SSは、PDCCH区間の第1シンボル(先頭シンボル)において、周波数方向の中央部分に配置される。制御信号は、SSが配置されない空き領域に配置される。SS(SYNC)を割り当てていない部分だけをPDCCHの割り当て候補位置としてもよいし、SYNCを考慮せずにPDCCH割り当てをした後にSYNCで上書きしてもよい。制御信号は周波数方向に分散したリソースエレメントに配置されるため、第1及び第2シンボルの区間に空き領域が生じている。この空き領域には、第2実施形態で説明したダミー信号を配置してもよい。
図14に示すように、構成例4において、特別な下りリンクサブフレームのPDCCH区間のうち一部のシンボル区間(第1シンボルの区間)において、制御信号及び特定の下りリンク無線信号(SS、ブロードキャスト信号)が周波数分割で配置されている。具体的には、SSは、PDCCH区間の第1シンボル(先頭シンボル)において、周波数方向の中央部分に配置される。ブロードキャスト信号は、周波数方向においてSSの外側に配置される。制御信号は、周波数方向においてブロードキャスト信号の外側に配置される。PDCCH区間のうち第2シンボルの区間には、ヘッダ信号が全周波数帯域に亘って配置される。
特別な下りリンクサブフレームの構成例1乃至3によれば、下りリンクの同期の確立を円滑化することができるとともに、下りリンクのデータ伝送を円滑化することができる。具体的には、UE100の受信部110は、PDCCH区間の下りリンク同期信号に基づき同期をとるとともに、PDCCH区間の制御信号(及びヘッダ信号)を復号することにより、データの割り当てを知ることができる。
(第3実施形態のまとめ)
第3実施形態において、eNB200は、アンライセンスドバンドにおいて特別な下りリンクサブフレームを使用する。特別な下りリンクサブフレームは、制御信号及び特定の下りリンク無線信号がPDCCH区間において共存するサブフレームである。特定の下りリンク無線信号は、下りリンク同期信号を含む。特定の下りリンク無線信号をPDCCH区間に配置することにより、PDCCH区間の電力が高くなるため、他のeNB又は他のシステムは、LBT手順により、eNB200が使用している周波数チャネルを空きチャネルと判断しない。その結果、eNB200が当該周波数チャネルの使用を継続することが可能になり、LTE通信を適切に行うことができる。また、下りリンクの同期の確立を円滑化することができるとともに、下りリンクのデータ伝送を円滑化することができる。
(第3実施形態の変更例)
図15は、第3実施形態の変更例に係る特別な下りリンクサブフレームの構成例を示す図である。図15に示すように、特別な下りリンクサブフレームのPDCCH区間において、制御信号に代えて、制御信号に相当するスケジューリング情報を含むヘッダ信号を配置してもよい。本構成例において、特別な下りリンクサブフレームのPDCCH区間のうち第1シンボルの区間において、周波数方向の中央部分にSSが配置される。ブロードキャスト信号は、周波数方向においてSSの外側に配置される。PDCCH区間のうち第2シンボルの区間には、ヘッダ信号が全周波数帯域に亘って配置される。
[第4実施形態]
(第4実施形態の概要)
第4実施形態に係る基地局は、下り同期信号に、オペレータ情報を含めて送信する処理を行う制御部を備える。
(第4実施形態に係る動作)
eNB200は、下り同期信号(PSS(プライマリ同期信号)又はSSS(セカンダリ同期信号))に、オペレータ情報(オペレータID等)を含めて送信する。なお、オペレータ情報は、一例として、eNB200を管理するオペレータであってもよい。
具体的には、eNB200は、既存の下り同期信号のパターン数を維持しつつ、セルの識別情報(セルID)のパターン数を既存のセル識別情報より小さくすることによって空いた下り同期信号のエリアに、オペレータ情報を含めてもよい。なお、eNB200は、下り同期信号の系列のパターンによって、情報(例えばセルID)を送信してもよい。例えば、eNB200は、PSSの3パターン、SSSの168パターンを掛け合わせて504パターンのセルIDを送信することができてもよい。また、eNB200は、PSSをオペレータ情報として利用するか若しくはSSSの一部をオペレータ情報として利用することとしてもよい。または、eNB200は、下り同期信号のパターン数を既存のパターン数から変更する(具体的には、オペレータ情報の分だけ下り同期信号のパターン数を大きくする)ことによって、追加されたエリアにオペレータ情報を含めてもよい。
また、eNB200が管理する一のセルは、自セル向けのデータ並びに他セル向けのデータ及び/又は対象を限定しないデータをビット単位で多重化して送信してもよい。ここで、自セル向けのデータは、自セル(又は自セル内に位置するUE100)が復号することが可能なデータであってもよく、言い換えれば、他セル(又は他セル内に位置するUE100)が復号することが可能なデータであってもよい。なお、自セル向けのデータは、一例として、自セルが送信するePDCCHの位置(スロット及び/又はサブフレームの位置等)を示す情報及び/又はサブフレーム番号(0〜39)を含んでもよい。また、他セル向けのデータは、自セルの負荷情報(ロード情報)であってもよい。
eNB200は、DRSとHeaderの送信タイミングが重なった場合には、いずれか1つ(DRS又はHeader)を送信してもよい。これは、[付記3]で説明するように、DRSとHeaderの構成を同一にした場合に適用してもよい。
なお、第4実施形態は、他の実施形態にも適用してもよい。
[第5実施形態]
(第5実施形態の概要)
第5実施形態に係る基地局は、下りリンクの一のサブフレームにおいて、DRS(Discovery Referencesignal:ディスカバリー参照信号)を複数回送信する制御部を備える。
第5実施形態において、前記制御部は、前記一のサブフレームにおける複数のスロットの各スロットで一つのDRSを送信する。
第5実施形態において、前記各スロットにより送信されたDRSに含まれるSSS(セカンダリ同期信号)の系列は、いずれのスロットにより送信されたDRSかをユーザ端末が識別可能に構成される。
第5実施形態において、前記制御部は、前記一のサブフレーム内において、前記DRSを繰り返し送信した回数が所定回数以上になると、送信するDRSがいずれのシンボルによる送信であるかを示す情報を送信する。
第5実施形態において、前記送信するDRSがいずれのシンボルによる送信であるかを示す情報は、前記繰り返し送信した回数に関する情報、シンボル番号及びSFN(System Frame Number)のうち少なくともいずれか一つを含む。
(第5実施形態に係る動作)
図16は、第5実施形態に係るeNB200が送信するDRSを示す図である。なお、一例として、1サブフレーム(Subframe)は2スロット(slot0及びslot1)からなり、1スロットは、6シンボル(OFDM symbol)からなる。
eNB200は、下りリンクのサブフレームを使用して、DRSを送信する。一例として、eNB200は、一サブフレーム(Subframe1)において、DRSを複数回(例えば、二回)送信する。一例として、eNB200は、一サブフレーム内のスロット(slot0及びslot1)ごとに一つのDRSを送信する。なお、一例として、DRSは、アンライセンスドバンドにおいて、無線リソース管理(RRM)測定に用いるための参照信号である。また、一例として、DRSは、4シンボルからなり、各スロットの0〜3シンボルに含めて送信される。なお、DRSは、各スロットの0〜3シンボル以外のシンボルに含めて送信されてもよい。また、1スロットにおいて、DRSが含まれたシンボル以外のシンボルには、PBCH及び/又はPDSCHが含められてもよい。
また、DRSは、4シンボル未満であってもよく、この場合、eNB200は、1つのスロットに、2つ以上のDRSを含めて送信してもよい。
UE100は、eNB200からスロットごとに送信されるDRSに含まれるSSS(セカンダリ同期信号)の系列によって、どのスロット(slot0又はslot1)によって送信されたDRSかを判別してもよい。
eNB200は、一サブフレーム内において、DRS(同一のDRS)を繰り返し送信した回数(繰り返し回数)が3回以上になった場合、送信するDRSがいずれのシンボルによる送信であるかを示す情報を、UE100へ送信してもよい。ここで、eNB200は、送信するDRSがいずれのシンボルによる送信であるかを示す情報を、RRCメッセージのDMTC(Discovery signals Measurement timing Configuration)を拡張したメッセージに含めて送信してもよい。なお、送信するDRSがいずれのシンボルによる送信であるかを示す情報は、繰り返し回数、シンボル番号(DRSが送信されるシンボルの番号であって、例えば、0〜3シンボル等)及びDRSが送信されるシステムフレーム番号(SFN:System Frame Number)のうち少なくともいずれか一つを含む。繰り返し回数は、一のサブフレーム内においてDRSを繰り返し送信した回数であって、他のサブフレームにおいて送信した回数は含まれなくてもよい。
第5実施形態によって、UE100がLBT(Listen Before Talk)をする機会が増加し、eNB200とUE100との同期精度を高めることができる。
[第6実施形態]
(第6実施形態の概要)
第6の特徴に係る基地局は、アンライセンスドバンドにおいてセルフスケジューリングを行う制御部を備える。前記制御部は、ePDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel)を用いてスケジューリング情報をユーザ端末に送信する。
第6実施形態に係る基地局は、複数のePDCCH(enhanced PDCCH)の位置を示すヘッダを送信し、当該複数のePDCCHの位置に沿って前記複数のePDCCHを送信する処理を行う制御部を備える。
第6実施形態に係る基地局は、一のePDCCHの位置を示すヘッダを送信し、当該一のePDDCHの位置に沿って前記一のePDDCHを送信した後、その後に続く他のePDCCHを所定の規則性に沿って送信する処理を行う制御部を備える。
(第6実施形態に係る動作)
図17は、第6実施形態に係るeNB200によるePDCCHの送信を示す図である。
なお、ePDCCHとは、一例として、LAAにおけるスケジューリングに用いられるものである。なお、eNB200は、図17に示すePDCCH50まで送信することに限られる訳ではなく、ePDCCH50に引き続いてさらに送信してもよい。
eNB200は、まず、所定のサブフレームにおいて、Header(又はInitial Signal)10を送信する。
このHeader(又はInitial Signal)10は、一例として、eNB200とUE100とが同期を取るためのものであって、ePDCCHがどこまで続けて送信されるかを示す情報、セル番号(セルID)及び/又はオペレータ番号(オペレータID)を含むものであってもよい。
このHeader(Initial Signal)10は、eNB200がHeader10に続いて送信するePDCCH20の位置を示す情報を含んでもよい。ここで、送信するePDCCH20の位置を示す情報とは、例えば、サブフレームの位置及び/又はリソースブロックの位置等である。eNB200は、Header10に含まれるePDCCH20の位置に沿ってePDCCH20を送信した後、ePDCCH30、40及び50を、所定の規則性により送信してもよい。
図17は、その規則性に沿ってePDCCH20に引き続き送信されたePDCCH30、40及び50の一例を示す。
ここで、所定の規則性とは、例えば、eNB200が、ePDDCH20を送信後、所定のリソースブロック(RB)分だけずらして、次のePDCCH30を送信することであってもよい。また、所定の規則性とは、所定の計算式で求められるものであってもよい。なお、この規則性は、UE100及びeNB200で予め設定されていてもよいし、eNB200が設定したものをUE100に通知してもよい。
一方で、Header(Initial Signal)10は、最初のePDCCH20だけでなく、その後のePDCCH30、40及び50の位置を示す情報が含まれていてもよい。この場合には、eNB200は、Header(Initial Signal)10に含まれるePDCCH30、40及び50の位置に沿って、ePDCCHを送信する。従って、所定の規則性に沿ってePDCCHを送信しなくてもよい。
なお、DRSとInitial Signalとが同じ構成を有する場合、eNB及び/又はUEがInitial Signalを送信する場合において、DRSを送信する場合と同様の効果を奏する。例えば、UEは、Initial Signalによって、RRM測定を実現する。
[第7実施形態]
(第7実施形態の概要)
第7実施形態に係る基地局は、複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する特定周波数帯においてユーザ端末との無線通信を行う。前記基地局は、前記ユーザ端末に対する下りリンク送信の開始タイミングにおいて第1の同期信号を送信し、前記開始タイミングとは異なるタイミングにおいて第2の同期信号を送信する処理を行う制御部を備える。前記制御部は、前記第1の同期信号に関連する信号構成を前記第2の同期信号に関連する信号構成と異ならせる。
第7実施形態において、前記制御部は、前記第1の同期信号の信号系列を前記第2の同期信号の信号系列と異ならせてもよい。
第7実施形態において、前記第1の同期信号は、第1のセカンダリ同期信号を含み、前記第2の同期信号は、第2のセカンダリ同期信号を含む。前記制御部は、前記第1のセカンダリ同期信号の信号系列を前記第2のセカンダリ同期信号の信号系列と異ならせてもよい。
第7実施形態において、前記制御部は、前記第1の同期信号のリソース配置パターンを前記第2の同期信号のリソース配置パターンと異ならせてもよい。
第7実施形態において、前記制御部は、周波数方向における前記第2の同期信号の数を一定数に設定し、前記周波数方向における前記第1の同期信号の数を送信帯域幅に応じた数に設定してもよい。
第7実施形態において、前記制御部は、前記第1の同期信号に付随する第1の参照信号を送信し、前記第2の同期信号に付随する第2の参照信号を送信する処理を行う。前記制御部は、前記第1の参照信号のリソース配置パターン又は信号系列を前記第2の参照信号とは異ならせてもよい。
第7実施形態に係るユーザ端末は、複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する特定周波数帯において基地局との無線通信を行う。前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末に対する下りリンク送信の開始タイミングにおいて第1の同期信号を前記基地局から受信し、前記開始タイミングとは異なるタイミングにおいて第2の同期信号を前記基地局から受信する処理を行う制御部を備える。前記第1の同期信号に関連する信号構成は、前記第2の同期信号に関連する信号構成と異なる。前記制御部は、前記信号構成の相違に基づいて前記第1の同期信号及び前記第2の同期信号を区別する。
以下において、第7実施形態について、第1実施形態乃至第6実施形態との相違点を主として説明する。
第7実施形態に係るeNB200は、複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する特定周波数帯においてUE100との無線通信を行う。第7実施形態において、特定周波数帯は、アンライセンスドバンドである。但し、特定周波数帯は、免許が必要な周波数帯(ライセンスドバンド)であって複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する周波数帯であってもよい。
eNB200は、UE100に対する下りリンク送信の開始タイミングにおいて第1の同期信号を送信し、当該開始タイミングとは異なるタイミングにおいて第2の同期信号を送信する。第7実施形態において、第1の同期信号は、後述する初期信号(Initial Signal)に含まれる同期信号である。第2の同期信号は、DRS(Discovery Reference Signal)に含まれる同期信号である。eNB200は、第1の同期信号に関連する信号構成を第2の同期信号に関連する信号構成と異ならせる。
第7実施形態に係るUE100は、自UE100に対する下りリンク送信の開始タイミングにおいて第1の同期信号をeNB200から受信し、当該開始タイミングとは異なるタイミングにおいて第2の同期信号をeNB200から受信する。第1の同期信号に関連する信号構成は、第2の同期信号に関連する信号構成と異なる。UE100は、そのような信号構成の相違に基づいて第1の同期信号及び第2の同期信号を区別する。
(第7実施形態に係る下りリンク送信動作)
第7実施形態は、主としてLBE(Load Based Equipment)方式のLBTを想定した実施形態である。LBTには、FBE(Frame Based Equipment)方式及びLBE(Load Based Equipment)方式の2つの方式がある。FBE方式は、タイミングが固定された方式である。これに対し、LBE方式は、タイミングが固定されていない。
図18は、LBE方式のLBTの一例を示すフロー図である。
図18に示すように、eNB200は、アンライセンスドバンド内の対象チャネルを監視し、受信信号強度(干渉電力)に基づいて対象チャネルが空きであるか否かを判定する(ステップS1)。このような判定は、CCA(Clear Channel Assessment)と称される。具体的には、eNB200は、検知した電力が閾値よりも大きい状態が一定期間(例えば20μs以上)持続する場合、対象チャネルが使用中(Busy)であると判定する。そうでない場合、eNB200は、対象チャネルが空き(Idle)であると判定し、送信を開始する(ステップS2)。
eNB200は、このような初期CCAの結果、対象チャネルが使用中(Busy)であると判定した場合、ECCA(Extended Clear Channel Assessment)処理に移行する。ECCA処理において、eNB200は、初期値がNであるカウンタ(N)を設定する(ステップS3)。Nは、4から32までの間の乱数である。UE100は、CCAが成功するごとにNをデクリメント(すなわち、1を減算)する(ステップS5、S6)。eNB200は、Nが0に達すると(ステップS4:No)、対象チャネルが空き(Idle)であると判定し、送信を開始する(ステップS2)。
このようなLBE方式のLBTの場合、eNB200は、サブフレーム先頭から送信を開始する場合に限らず、サブフレーム途中のシンボル区間から送信を開始し得る。
図19は、第7実施形態に係る下りリンク送信動作を説明するための図である。
図19に示すように、eNB200は、LBTに成功した後、下りリンク送信を開始する。図19において、eNB200が、サブフレーム#nの先頭シンボル区間#1の途中でLBTに成功した一例を示している。この場合、eNB200は、予約信号(Reservation Signal)、初期信号(Initial Signal)、制御信号(PDCCH)、及びデータ(PDSCH)の順に送信を行う。
予約信号(Reservation Signal)は、LBTの最後のCCA完了がシンボル区間の途中である場合に、対象チャネルに他装置が割り込まないように、次のシンボル区間の開始時点まで対象チャネルを占有するための信号である。予約信号は、例えば初期信号のサイクリックプリフィックス(CP)として使用されてもよい。
初期信号(Initial Signal)は、UE100への下りリンク送信開始タイミングを通知するための信号である。図19において、初期信号が2つのシンボル区間の時間長を有する一例を示している。但し、初期信号は、1つのシンボル区間の時間長であってもよい。初期信号は、第1の同期信号を含む。第1の同期信号は、プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)を含む。eNB200は、UE100に対する下りリンク送信の開始タイミング(シンボル区間#2及び#3)において第1の同期信号を送信する。
一方で、eNB200は、上述したようなDRSを送信する。DRSは、同期の確立及び下りリンク測定に用いられる信号である。DRSは、UE100が下りリンクの同期の確立に用いる第2の同期信号を含む。第2の同期信号は、PSS及びSSSを含む。また、DRSは、UE100が下りリンク測定に用いるセル固有参照信号(CRS)を含む。第2の同期信号には、一般的な同期信号が適用されてもよい。具体的には、第2の同期信号は、下りリンク送信周波数帯の中央部分に位置するリソースブロックに配置される。また、第2の同期信号は、予め規定されたサブフレームに配置される。或いは、第2の同期信号は、任意のサブフレームに配置されてもよい。この場合、DRSは、第2の同期信号が配置されるサブフレーム番号の情報を含んでもよい。
(初期信号とDRSとを区別する方法)
上述したように、初期信号及びDRSは何れも同期信号(PSS/SSS)を含む。しかしながら、初期信号に含まれる第1の同期信号とDRSに含まれる第2の同期信号とで信号構成が同じである場合、同期信号を受信したUE100は、当該同期信号が初期信号及びDRSの何れに該当するのか区別することができない。UE100が初期信号を認識することができない場合、UE100は、自身への下りリンク送信タイミングを適切に認識することができない。
そこで、第7実施形態に係るeNB200は、初期信号に含まれる第1の同期信号に関連する信号構成を、DRSに含まれる第2の同期信号に関連する信号構成と異ならせる。UE100は、そのような信号構成の相違に基づいて第1の同期信号及び第2の同期信号を区別する。これにより、UE100は、自身への下りリンク送信タイミングを適切に認識することができる。
(1)第1の方法
先ず、初期信号(第1の同期信号)とDRS(第2の同期信号)とを区別するための第1の方法について説明する。
第1の方法において、eNB200は、第1の同期信号の信号系列を第2の同期信号の信号系列と異ならせる。例えば、eNB200は、第1の同期信号に含まれるSSS(第1のSSS)の信号系列を、第2の同期信号に含まれるSSS(第2のSSS)の信号系列と異ならせる。第1のSSSとして用いることができる信号系列と第2のSSSとして用いることができる信号系列とが予め規定されていてもよい。UE100は、SSSを受信すると、受信したSSSの信号系列に基づいて、当該SSSを含む信号が初期信号及びDRSの何れに該当するか区別する。
(2)第2の方法
次に、初期信号(第1の同期信号)とDRS(第2の同期信号)とを区別するための第2の方法について説明する。
第2の方法において、eNB200は、第1の同期信号のリソース配置パターンを第2の同期信号のリソース配置パターンと異ならせる。図20は、第2の方法を説明するための図である。図20に示すように、DRS(第2の同期信号)は、PSSのシンボル区間の後にSSSのシンボル区間が設けられる。これに対し、初期信号(第1の同期信号)は、SSSのシンボル区間の後にPSSのシンボル区間が設けられる。これとは逆に、DRS(第2の同期信号)はSSSのシンボル区間の後にPSSのシンボル区間が設けられ、初期信号(第1の同期信号)はPSSのシンボル区間の後にSSSのシンボル区間が設けられるとしてもよい。UE100は、PSS及びSSSを受信すると、時間方向におけるPSS及びSSSの位置関係に基づいて、受信したPSS及びSSSを含む信号が初期信号及びDRSの何れに該当するか区別する。
また、第1の同期信号及び第2の同期信号について時間方向のリソース配置パターンを異ならせることに代えて、周波数方向のリソース配置パターンを異ならせてもよい。例えば、第1の同期信号及び第2の同期信号について周波数軸上の位置(配置)を異ならせる。
(3)第3の方法
次に、初期信号(第1の同期信号)とDRS(第2の同期信号)とを区別するための第3の方法について説明する。
第3の方法において、eNB200は、第1の同期信号に付随する第1の参照信号を送信し、第2の同期信号に付随する第2の参照信号を送信する。eNB200は、第1の参照信号のリソース配置パターンを第2の参照信号のリソース配置パターンと異ならせる。或いは、eNB200は、第1の参照信号の信号系列を第2の参照信号の信号系列と異ならせてもよい。第1の参照信号は、初期信号に含まれる参照信号であり、例えばPDSCHの復調のためのCRS又はDMRSである。これに対し、第2の参照信号は、DRSに含まれる参照信号であり、例えば下りリンク測定(RRM measurement)のためのCRSである。UE100は、同期信号及びそれに付随する参照信号を受信すると、参照信号のリソース配置(リソースマッピング)パターン又は信号系列に基づいて、受信した同期信号を含む信号が初期信号及びDRSの何れに該当するか区別する。
(同期信号と送信帯域幅との関係)
以下において、同期信号と送信帯域幅との関係について説明する。
DRSについては、eNB200は、周波数方向における第2の同期信号の数を一定数に設定する。図21は、第2の同期信号の一例を示す図である。図21に示すように、eNB200は、第2の同期信号(PSS/SSS)を、下りリンク送信周波数帯の中央部分にのみ配置する。
これに対し、初期信号については、eNB200は、周波数方向における第1の同期信号の数を下りリンク送信周波数帯の帯域幅(下りリンク送信帯域幅)に応じた数に設定する。具体的には、eNB200は、下りリンク送信帯域幅が広いほど、周波数方向における第1の同期信号の数を増やす。これにより、下りリンク送信周波数帯を全体的に初期信号(第1の同期信号)が占有可能となる。よって、初期信号の期間において、下りリンク送信周波数帯の一部に他装置が割り込むことを回避することができる。なお、UE100は、周波数方向に複数配置された同期信号を受信した場合、これらの同期信号を含む信号が初期信号に該当すると認識してもよい。
図22は、第1の同期信号の一例を示す図である。図22に示すように、eNB200は、下りリンク送信帯域幅が広いほど、周波数方向における第1の同期信号の数を増やす。例えば、eNB200は、下りリンク送信帯域幅が1.4MHzである場合、周波数方向に1個の同期信号(PSS/SSS)を配置する。eNB200は、下りリンク送信帯域幅が3.0MHzである場合、周波数方向に2個の同期信号(PSS/SSS)を配置する。eNB200は、下りリンク送信帯域幅が5.0MHzである場合、周波数方向に3個の同期信号(PSS/SSS)を配置する。eNB200は、下りリンク送信帯域幅が10MHzである場合、周波数方向に8個の同期信号(PSS/SSS)を配置する。eNB200は、下りリンク送信帯域幅が20MHzである場合、周波数方向に16個の同期信号(PSS/SSS)を配置する。
なお、eNB200は、下りリンク送信帯域幅のうち第1の同期信号が配置されない空きリソース(空きリソースエレメント)が生じた場合、空きリソースに制御情報を配置してもよいし、空きリソースに何も配置しない(ブランク)としてもよい。
(第7実施形態の変更例)
第7実施形態において、LBE方式のLBTについて説明したが、FBE方式のLBTであってもよい。
また、第7実施形態において、初期信号とデータとが同じサブフレームにおいて送信される一例を説明した。しかしながら、図23に示すように、初期信号は、データ(PDSCH)が送信されるサブフレームとは異なるサブフレームにおいて送信されてもよい。
[第8実施形態]
(第8実施形態の概要)
第8実施形態に係る無線通信装置は、複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する特定周波数帯において無線通信を行う。前記無線通信装置は、複数のサブフレームにわたって前記無線通信を行う場合、前記複数のサブフレームのうちの対象サブフレームにおいてサブフレーム数情報を送信する処理を行う制御部を備える。前記サブフレーム数情報は、前記複数のサブフレームのうち前記対象サブフレーム以降のサブフレームの数に関する情報である。
第8実施形態において、前記制御部は、連続する複数のサブフレームからなる送信期間にわたって送信を行う場合、前記連続する複数のサブフレームのうち前記対象サブフレームにおいて前記サブフレーム数情報を送信する処理を行う。
第8実施形態において、前記サブフレーム数情報は、残りの送信期間に相当するサブフレームの数を示す。
第8実施形態において、前記制御部は、前記連続する複数のサブフレームからなる前記送信期間にわたって送信を行った後、少なくとも1つのサブフレームからなる受信期間にわたって受信を行う場合、前記連続する複数のサブフレームのうちの前記対象サブフレームにおいて前記サブフレーム数情報を送信する処理を行う。
第8実施形態において、前記サブフレーム数情報は、前記受信期間が開始するまでのサブフレームの数を示す。
第8実施形態において、前記サブフレーム数情報は、前記受信期間が終了するまでのサブフレームの数を示す。
第8実施形態において、前記制御部は、前記送信期間と前記受信期間との間に時間間隔が存在する場合、前記時間間隔を示す情報をさらに送信する処理を行う。
第8実施形態において、前記対象サブフレームは、前記連続する複数のサブフレームのうち最初のサブフレームを含む。
第8実施形態において、前記対象サブフレームは、前記連続する複数のサブフレームのうち最初のサブフレーム以外のサブフレームを含む。
第8実施形態に係る無線通信装置は、複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する特定周波数帯において無線通信を行う。前記無線通信装置は、複数のサブフレームにわたって他の無線通信装置が前記特定周波数帯において無線通信を行う場合、前記複数のサブフレームのうちの対象サブフレームにおいて前記他の無線通信装置からサブフレーム数情報を受信する処理を行う制御部を備える。前記サブフレーム数情報は、前記複数のサブフレームのうち前記対象サブフレーム以降のサブフレームの数に関する情報である。前記制御部は、前記サブフレーム数情報に基づいて、前記特定周波数帯を監視する動作を停止する。
以下において、第8実施形態について、第1実施形態乃至第7実施形態との相違点を主として説明する。
(第8実施形態に係る動作)
図24は、第8実施形態に係る動作を説明するための図である。
図24(a)に示すように、第8実施形態に係るeNB200は、複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する特定周波数帯において無線通信を行う。図24(a)において、eNB200がUE100との下りリンク通信(DL通信)を行う一例を示している。第8実施形態において、特定周波数帯は、アンライセンスドバンドである。但し、特定周波数帯は、免許が必要な周波数帯(ライセンスドバンド)であって複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する周波数帯であってもよい。
第8実施形態に係るeNB200は、複数のサブフレームにわたって無線通信を行う場合、複数のサブフレームのうちの対象サブフレームにおいてサブフレーム数情報を送信する。サブフレーム数情報は、複数のサブフレームのうち対象サブフレーム以降のサブフレームの数に関する情報である。
図24(b)に示すように、eNB200は、連続する複数のサブフレーム(サブフレーム#1乃至#3)からなる送信期間にわたって送信を行う場合、連続する複数のサブフレームのうち対象サブフレームにおいてサブフレーム数情報を送信する処理を行う。サブフレーム数情報は、残りの送信期間に相当するサブフレームの数を示す。但し、サブフレーム数情報は、少なくとも送信を継続するサブフレーム数を示す情報であってもよい。後述するようなPCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)を用いてサブフレーム情報を送信する場合、送信可能なビット数が少ない(例えば2ビット)。このため、多数のサブフレームにわたって送信を継続する場合、残りの送信期間に相当する全てのサブフレームの数を表すことができない。具体的には、PCFICHに2ビットのサブフレーム情報を含めると仮定する場合、サブフレーム情報で通知可能なサブフレーム数は最大で3サブフレームである。よって、送信期間が残り2サブフレームとなるまでは、サブフレーム情報により「少なくとも3サブフレームは送信を継続する」旨を通知してもよい。
第8実施形態において、対象サブフレームは、連続する複数のサブフレームのうち最初のサブフレームを含む。また、対象サブフレームは、連続する複数のサブフレームのうち最初のサブフレーム以外のサブフレームを含む。
図24(b)に示す例において、eNB200は、最初のサブフレーム#1において、残りの送信期間に相当するサブフレームの数「3」を示すサブフレーム情報を送信する。また、eNB200は、2番目のサブフレーム#2において、残りの送信期間に相当するサブフレームの数「2」を示すサブフレーム情報を送信する。さらに、eNB200は、3番目のサブフレーム#3において、残りの送信期間に相当するサブフレームの数「1」を示すサブフレーム情報を送信する。なお、上記の例では、サブフレーム情報に含まれるサブフレーム数は、送信中のサブフレームもその数に含めて算出されているが、これに限られず、送信中のサブフレームをその数に含めずに算出してもよい。
第8実施形態において、eNB200は、連続するサブフレーム#1乃至#3のそれぞれにおいて、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)にサブフレーム情報を含めて送信する。PCFICHは、下りリンクのサブフレームの先頭シンボル区間に設けられる。一般的なPCFICHは、PDCCH区間を構成するシンボル数を示す情報を運搬する。第8実施形態において、PCFICHは、PDCCH区間を構成するシンボル数の情報に代えて、サブフレーム情報を運搬する。この場合、PDCCH区間を構成するシンボル数の情報を不要とするために、PDCCH区間のシンボル数を1〜3の何れかに固定する。これにより、PCFICHがサブフレーム情報を運搬可能となる。
或いは、PCFICHは、PDCCH区間を構成するシンボル数の情報に加えて、サブフレーム情報を運搬してもよい。この場合、両方の情報を含めることができるように、既存のPCFICHよりも多くの情報量を持つ新たなPCFICHを規定してもよい。
eNB200は、PDCCH(制御信号)にサブフレーム情報を含めて送信してもよい。PDCCH領域に複数のDCIを含めることが可能であるため、UE100用のPDCCH(DCI)と他装置用のPDCCH(DCI)を切り分ければ、UE100及び他装置がサブフレーム情報を受信可能である。このような個別のDCIを用いることに代えて、UE100を含む複数の装置に共通のRNTI(例えば、SI−RNTI:共通情報用RNTI)を用いることにより、1つのDCIを複数の装置に送信してもよい。
或いは、PDCCHに代えて、enhanced PDCCH(ePDCCH)を使用してもよい。或いは、eNB200は、ヘッダ信号にサブフレーム情報を含めて送信してもよい。eNB200は、下りリンクブロードキャスト信号にサブフレーム情報を含めて送信してもよい。
UE100は、連続するサブフレーム#1乃至#3のそれぞれにおいてeNB200が送信するサブフレーム情報を受信し、サブフレーム情報に基づいてeNB200の残りの送信期間を把握することができる。
また、eNB200との下りリンク通信を行うUE100以外の装置もサブフレーム情報を受信する。図24(a)において、アンライセンスドバンドにおいて無線通信を行う他の無線通信装置として、他装置#1及び#2を示している。他装置#1及び#2は、eNB200及びUE100と同じオペレータの無線通信装置である。但し、他装置#1及び#2は、eNB200及びUE100とは異なるオペレータの無線通信装置であってもよい。他装置#1及び#2のそれぞれは、eNBであってもよいし、UEであってもよい。
他装置#1及び#2のそれぞれは、eNB200からサブフレーム情報を受信し、サブフレーム数情報に基づいて、eNB200の残りの送信期間(すなわち、チャネル占有期間)を把握する。そして、他装置#1及び#2のそれぞれは、eNB200の残りの送信期間において、アンライセンスドバンドを監視する動作(すなわち、LBT)を停止する。このように、eNB200及びUE100が下りリンク通信を継続する間は他装置#1及び#2がLBT(CCA)を休止することにより、他装置#1及び#2の処理負荷及び消費電力を削減することができる。
特に、eNB200は、連続する複数のサブフレーム#1乃至#3のうち最初のサブフレーム#1以外のサブフレーム(サブフレーム#2及び#3)においてもサブフレーム情報を送信する。これにより、他装置#1及び#2は、最初のサブフレーム#1においてサブフレーム情報の受信に失敗した場合でも、サブフレーム#2及び#3の何れか1つにおいてサブフレーム情報を受信することができる。よって、サブフレーム#1乃至#3のどのサブフレームのサブフレーム情報を受信しても後何サブフレーム後に解放されるかを把握することができる。なお、他装置(UE/eNB)は、eNB200からサブフレーム情報を受信した後に、さらにサブフレーム情報を受信した場合には、直近で受信したサブフレーム情報に基づいて、監視期間を決定(変更)してもよい。
図25は、第8実施形態に係る動作の一例を示すシーケンス図である。ここでは、eNB200の送信期間(チャネル占有期間)が3サブフレームである一例を説明する。
図25に示すように、eNB200は、LBTに成功し(S101)、サブフレーム#1においてUE100に対する送信(PDSCH送信を含む)を開始する(S102)。ここで、eNB200は、残りの送信期間に相当するサブフレームの数「3」を示すサブフレーム情報を送信する。UE100は、サブフレーム#1においてeNB200から制御信号及びデータを受信する。UE100は、サブフレーム#1においてeNB200からサブフレーム情報を受信してもよい。また、他装置#1は、サブフレーム#1においてサブフレーム情報を受信する。他装置#1は、サブフレーム情報に基づいてLBTを停止する(S103)。
次に、eNB200は、サブフレーム#2においてUE100に対する送信(PDSCH送信を含む)を行う(S104)。ここで、eNB200は、残りの送信期間に相当するサブフレームの数「2」を示すサブフレーム情報を送信する。UE100は、サブフレーム#2においてeNB200から制御信号及びデータを受信する。UE100は、サブフレーム#2においてeNB200からサブフレーム情報を受信してもよい。また、他装置#2は、サブフレーム#2においてサブフレーム情報を受信する。他装置#2は、サブフレーム情報に基づいてLBTを停止する(S105)。
次に、eNB200は、サブフレーム#3においてUE100に対する送信(PDSCH送信を含む)を行う(S106)。ここで、eNB200は、残りの送信期間に相当するサブフレームの数「1」を示すサブフレーム情報を送信する。UE100は、サブフレーム#3においてeNB200から制御信号及びデータを受信する。UE100は、サブフレーム#3においてeNB200からサブフレーム情報を受信してもよい。
そして、他装置#1及び#2のそれぞれは、サブフレーム情報に基づいて、サブフレーム#3の経過後にLBTを再開する(S107、S108)。
なお、本シーケンスにおいて、eNB200の送信期間(チャネル占有期間)が3サブフレームである一例を説明した。しかしながら、eNB200は、送信を開始した後、送信期間を変更してもよい。例えば、eNB200は、S102の後に送信期間を4サブフレーム又は2サブフレームに変更してもよい。この場合、S104及びS106において、eNB200は、変更後の送信期間に基づいてサブフレーム情報を送信する。
(第8実施形態の変更例)
第8実施形態の変更例1及び2において、eNB200は、連続する複数のサブフレームからなる送信期間(DL期間)にわたって送信を行った後、少なくとも1つのサブフレームからなる受信期間(UL期間)にわたって受信を行う。eNB200は、送信期間のうちの対象サブフレームにおいてサブフレーム数情報を送信する。
第8実施形態の変更例1について説明する。第8実施形態の変更例1において、サブフレーム数情報は、受信期間(UL期間)が開始するまでのサブフレームの数を示す。図26は、第8実施形態の変更例1に係る動作を説明するための図である。図26に示すように、eNB200は、連続する複数のサブフレーム#1乃至#3からなる送信期間(DL期間)にわたってUE100に対する送信を行った後、サブフレーム#4からなる受信期間(UL期間)にわたってUE100からの受信を行う。eNB200は、サブフレーム#1乃至#3のそれぞれにおいて、受信期間(UL期間)が開始するまでのサブフレームの数を示すサブフレーム数情報を送信する。
図26に示す例において、eNB200は、最初のサブフレーム#1において、受信期間(UL期間)が開始するまでのサブフレームの数「3」を示すサブフレーム情報を送信する。また、eNB200は、2番目のサブフレーム#2において、受信期間(UL期間)が開始するまでのサブフレームの数「2」を示すサブフレーム情報を送信する。さらに、eNB200は、3番目のサブフレーム#3において、受信期間(UL期間)が開始するまでのサブフレームの数「1」を示すサブフレーム情報を送信する。
次に、第8実施形態の変更例2について説明する。第8実施形態の変更例2において、サブフレーム数情報は、送信期間(DL期間)及び受信期間(UL期間)が終了するまでのサブフレームの数を示す。
図27は、第8実施形態の変更例2に係る動作を説明するための図である。図27に示すように、eNB200は、連続する複数のサブフレーム#1乃至#3からなる送信期間(DL期間)にわたってUE100に対する送信を行った後、サブフレーム#4からなる受信期間(UL期間)にわたってUE100からの受信を行う。eNB200は、サブフレーム#1乃至#3のそれぞれにおいて、受信期間(UL期間)が終了するまでのサブフレームの数(すなわち、送信期間及び受信期間の全期間)を示すサブフレーム数情報を送信する。
図27に示す例において、eNB200は、最初のサブフレーム#1において、受信期間(UL期間)が終了するまでのサブフレームの数「4」を示すサブフレーム情報を送信する。また、eNB200は、2番目のサブフレーム#2において、受信期間(UL期間)が終了するまでのサブフレームの数「3」を示すサブフレーム情報を送信する。さらに、eNB200は、3番目のサブフレーム#3において、受信期間(UL期間)が終了するまでのサブフレームの数「2」を示すサブフレーム情報を送信する。そして、UE100は、4番目のサブフレーム#4において、受信期間(UL期間)が終了するまでのサブフレームの数「1」を示すサブフレーム情報を送信する(eNB200は、4番目のサブフレーム#4において、受信期間(UL期間)が終了するまでのサブフレームの数「1」を示すサブフレーム情報を受信する)。なお、UE100は、例えば、PUCCH又はPUSCHによりサブフレーム情報を送信してもよい。UE100が送信したサブフレーム情報を他装置(♯1及び♯2)が受信してもよい。但し、4番目のサブフレーム#4において、eNB200が、受信期間(UL期間)が終了するまでのサブフレームの数「1」を示すサブフレーム情報を送信してもよい。
なお、図26及び図27において、送信期間(DL期間)及び受信期間(UL期間)が連続する一例を示している。しかしながら、送信期間及び受信期間が不連続であってもよい。eNB200は、送信期間と受信期間との間に時間間隔が存在する場合、時間間隔を示す情報をサブフレーム情報と共に送信してもよい。時間間隔は、例えばサブフレームの数で表現される。
[第9実施形態]
(第9実施形態の概要)
第9実施形態に係る無線通信装置は、複数のオペレータ及び/又は複数の通信システムが共用する特定周波数帯において無線通信を行う。前記無線通信装置は、複数のシンボル区間からなるサブフレームのうち対象シンボル区間から送信を開始する場合、前記対象シンボル区間においてシンボル数情報を送信する処理を行う制御部を備える。前記シンボル数情報は、前記複数のシンボル区間のうち前記対象シンボル区間以降のシンボル区間の数に関する情報である。
第9実施形態において、前記制御部は、他の無線通信装置に対する送信の開始を示す初期信号に前記シンボル数情報を含めて送信する処理を行う。前記シンボル数情報は、前記複数のシンボル区間のうちデータ送信用のシンボル区間の数に関する情報である。
第9実施形態において、前記対象シンボル区間は、前記複数のシンボル区間のうち最初のシンボル区間以外のシンボル区間を含む。
以下において、第9実施形態について、第1実施形態乃至第8実施形態との相違点を主として説明する。第9実施形態は、主としてLBE(Load Based Equipment)方式のLBTを想定した実施形態である。
(第9実施形態に係る動作)
LBTには、FBE(Frame Based Equipment)方式及びLBE(Load Based Equipment)方式の2つの方式がある。FBE方式は、タイミングが固定された方式である。これに対し、LBE方式は、タイミングが固定されていない。
図28は、LBE方式のLBTの一例を示すフロー図である。UE100及びeNB200は、アンライセンスドバンド内の対象チャネルについて本フローを実行する。ここでは、eNB200が本フローを実行する一例を説明する。
図28に示すように、eNB200は、対象チャネルを監視し、受信信号強度(干渉電力)に基づいて対象チャネルが空きであるか否かを判定する(ステップS1)。このような判定は、CCA(Clear Channel Assessment)と称される。具体的には、eNB200は、検知した電力が閾値よりも大きい状態が一定期間(例えば20μs以上)持続する場合、対象チャネルが使用中(Busy)であると判定する。そうでない場合、eNB200は、対象チャネルが空き(Idle)であると判定し、対象チャネルを用いてUE100に下りリンクデータを送信する(ステップS2)。
eNB200は、このような初期CCAの結果、対象チャネルが使用中(Busy)であると判定した場合、ECCA(Extended Clear Channel Assessment)処理に移行する。ECCA処理において、eNB200は、初期値がNであるカウンタ(N)を設定する(ステップS3)。Nは、4から32までの間の乱数である。UE100は、CCAが成功するごとにNをデクリメント(すなわち、1を減算)する(ステップS5、S6)。eNB200は、Nが0に達すると(ステップS4:No)、対象チャネルが空き(Idle)であると判定し、対象チャネルを用いて無線信号を送信する(ステップS2)。
このようなLBE方式のLBTの場合、eNB200は、サブフレーム先頭から送信を開始する場合に限らず、サブフレーム途中のシンボル区間から送信を開始し得る。図29は、第9実施形態に係るDL送信動作を説明するための図である。
図29に示すように、eNB200は、LBTに成功した後、DL送信を開始する。図29において、eNB200が、サブフレーム#nの先頭シンボル区間#1の途中でLBTに成功した一例を示している。eNB200は、予約信号(Reservation Signal)、初期信号(Initial Signal)、制御信号(PDCCH)、及びデータ(PDSCH)の順に送信を行う。
予約信号(Reservation Signal)は、LBTの最後のCCA完了がシンボル区間の途中である場合に、対象チャネルに他装置が割り込まないように、次のシンボル区間の開始時点まで対象チャネルを占有するための信号である。予約信号は、例えば初期信号のサイクリックプリフィックス(CP)として使用されてもよい。
初期信号(Initial Signal)は、UE100へのデータ送信開始タイミングを通知するための信号である。第9実施形態において、初期信号(Initial Signal)は、所定の制御情報及び同期信号(PSS/SSS)を含む。第9実施形態において、所定の制御情報は、シンボル数情報を含む。所定の制御情報は、第8実施形態で説明したサブフレーム情報を含んでもよい。
第9実施形態に係るeNB200は、複数のシンボル区間(シンボル区間#1乃至#14)からなるサブフレームのうち対象シンボル区間(シンボル区間#2及び#3)からUE100に対する送信を開始する(すなわち、初期信号を送信する)。この場合、当該対象シンボル区間においてシンボル数情報を含む初期信号を送信する。シンボル数情報は、複数のシンボル区間(シンボル区間#1乃至#14)のうち対象シンボル区間(シンボル区間#2及び#3)以降のシンボル区間の数に関する情報である。
これにより、最初のシンボル区間以外のシンボル区間においてUE100が初期信号を受信した場合でも、UE100は、シンボル数情報に基づいて当該サブフレームにおける残りのシンボル区間の数を把握することができる。よって、UE100が適切なデータ受信を行うことができる。
シンボル数情報は、データ送信用区間(PDSCH区間)に相当するシンボル区間の数を示す情報であってもよい。図29の例において、eNB200は、PDSCH区間(シンボル区間#6乃至#14)に相当するシンボル区間の数「9」を示すシンボル数情報を初期信号に含めてUE100に送信する。
或いは、シンボル数情報は、PDCCH区間及びPDSCH区間の合計に相当するシンボル区間の数を示す情報であってもよい。図29の例において、eNB200は、PDCCH区間及びPDSCH区間の合計(シンボル区間#4乃至#14)に相当するシンボル区間の数「11」を示すシンボル数情報を初期信号に含めてUE100に送信する。
或いは、シンボル数情報は、初期信号が送信される対象シンボル区間(シンボル区間#2及び#3)を識別する情報であってもよい。図29の例において、eNB200は、初期信号が送信される対象シンボル区間(シンボル区間#2及び#3)のシンボル番号を初期信号に含めてUE100に送信する。
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態乃至第9実施形態は、別個独立して実施される場合に限定されない。第1実施形態乃至第9実施形態のうち2以上の実施形態を組み合わせて実施してもよい。
上述した第1実施形態乃至第9実施形態において、上りリンクの通信について特に触れなかった。しかしながら、第1実施形態乃至第9実施形態(特に、第8実施形態及び第9実施形態)に係る動作は、上りリンク通信にも適用可能である。例えば、第8実施形態及び第9実施形態において、eNB200をUE100と読み替え、UE100をeNB200と読み替えてもよい。
上述した第1実施形態乃至第9実施形態において、セル#1(ライセンスドバンド)及びセル#2(アンライセンスドバンド)を同一のeNB200が管理している一例を説明した。しかしながら、セル#1(ライセンスドバンド)及びセル#2(アンライセンスドバンド)を異なるeNB200が管理する場合にも本発明を適用可能である。
上述した第1実施形態乃至第9実施形態において、移動通信システムとしてLTEシステムを例示した。しかしながら、本発明はLTEシステムに限定されない。LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
以下において、第1実施形態乃至第9実施形態の補足事項について説明する。
[付記1]
(はじめに)
本付記では、LAA RRM測定用の参照信号の設計を説明する。また、参照信号に対する我々のアプローチを考慮して他の機能に関しても説明する。
(RRM測定用の参照信号の設計)
Rel-12のDRSはアンライセンスドバンドでのRRM測定に使用される参照信号の設計のための出発点であることが合意された。Rel-12のDRS設計に基づいて、eNBは、例外なく、一定の間隔でPSS / SSS / CRS(及びCSI-RS)を送信することが要求される。eNBは、DRSを送信するために割り当てられたライセンスドバンドのリソースを使用するので、それは問題なく達成することができる。しかし、ライセンスドバンドとは対照的に、複数の無線システム/ノードは、アンライセンスドバンドを共有することができる。アンライセンスドバンドを共有することに加えて、各システムは、衝突を回避するために一部の国/地域で必要とされるLBT (listen before talk)を使用する。DRSがアンライセンスドバンドで送信される場合、我々の見解ではLBTが必要である。
1つの設計の側面は、LBTを必須の機能とすべきか否かを検討することである。LBTは、EU及び日本では必須の機能であるが、EUの規制は、信号の存在を確認するための周波数のセンシングなしでの管理及びフレーム制御フレームの送信、すなわち、Short Control Signaling Transmissionが認められている。EUの規制によると、適応型機器のShort Control Signalling Transmissionsの送信は50ミリ秒の観察期間内に最大10%のデューティサイクルを有する。DRS送信の条件を満足する場合は、上記の要件に基づいて、LTE eNBはLBTを実行せずにアンライセンスドバンドでDRSを送信することができる。しかし、他のシステムとの公正な共存を実現し、衝突を回避するのに役立つので、LBTが必須とされるべきであると考える。LBTの義務付けは、シンプルな設計と見ることができ、かつ、LAAが展開されると予想されるすべての地域のための1つの汎用ソリューションを提供することができる。
提案1:RAN1は、LAAのRel-12 DRSベースのDRS送信にLBT機能を適用することに同意するべきである。
提案1が合意として認められる場合、ビジーチャネルが検出された場合、LBT機能によって、eNBはアンライセンスドバンドでDRSを送信することができない(図30を参照)。その結果、eNBがDRSの送信機会でDRSを送信しない場合、測定の精度要件が満たされないかもしれない。RSRP測定値の現在の定義によれば、UEは、ディスカバリー信号の機会として設定されたサブフレーム内のRSRPを測定しなければならない。これは、DRSが実際に送信されているか否かにかかわらず、UEが設定された無線リソースを監視しなければならず、それらのリソースの結果を最終的な測定結果に含め得ることを意味する。
また、RSRPを判定するためにUEによって使用される測定周波数帯域内及び測定期間内のリソースエレメントの個数は、対応する測定精度の要件が満たされなければならない制約下でのUEの実装依存に任されている。よって、UEの実装ベースのRSRP測定とeNBのLBT機能によりDRS送信の一部が利用できないこととの組み合わせは、UEがeNBに対して正確なアンライセンスドバンドの無線環境情報を提供することができない問題を引き起こす。
我々は、上記の問題はRAN4で対処しなければならないと考えている。1つのアプローチは、現在の測定精度要件が既存の仕様によって満たされるかどうかを確認する研究を行うようにRAN1が要求LSをRAN4に送ることである。現在の仕様では精度要件を満足さないケースでは、新たな解決策を検討することができる。以下に、候補の選択肢をいくつか挙げる。
選択肢1:eNBによるライセンスドバンドのDRS計測インディケーションのブロードキャスト/ユニキャスト。
この選択肢では、eNBは、ライセンスバンドを介して、どのサブフレームのRSRPが計算されるべきかの条件についてUEを通知する。RSRPの計算中に、UEは、eNBによって提供された、アンライセンスドバンドについてのRSRP測定条件情報に応じて、DRS測定を採用及び修正することが期待される。いつ及びどのようにeNBがUEにこの情報を提供することができるかについては更なる検討が必要である。
選択肢2:LAAのための(DRSに含まれる)CRSベースのRSRP測定を定義する。
この選択肢では、UEがRSRPを決定するためにDRS測定を実行する方法にいくつかの制限が適用される。例えば、UEは、1つのDRSバーストごとに測定結果を送信すべきである(図31を参照)。eNBは、アンライセンスドバンドでどのDRSが送信されたかを認識しているので、特定のUEから受信した測定レポートの信頼性があるかどうかをeNBが判断することができる。
提案2:提案1が合意として認められる場合、測定精度要件が既存の仕様によって満たされるかどうかを要求するLSをRAN1がRAN4に送るべきである。
(LAAのための機能の分析)
RRM測定とは異なり、他の機能をサポートするための参照信号は前回会合で扱われていない。提案1が合意として認められる場合、LBTを伴うRel-12のDRSは、同様に他の機能のための出発点であるべきである。我々は、AGC設定、粗い同期(coarse synchronization)及びCSIの測定は、LAAのために上記のDRSを使用して行うことができると考える。これは、ベースラインソリューションである可能性がある。しかし、DRSの送信機会のいくつかでeNBがDRSを送信しない場合のための更なる検討が必要とされる。説明したように、この状況はRRM測定と同様である。
一方、現在仕様化された最大DRS間隔を超えてeNBがDRSを送信できない場合、少なくとも復調用の良好な周波数/時間推定が実現されないかもしれない。既存仕様は、160ミリ秒よりも長いDRS間隔を保証するものではない。次の章でこの問題をさらに議論する。
提案3:LBTを伴うRel-12のDRSに基づくLAA DRSは、AGC設定、粗い同期及びCSIの測定に使用されるべきである。
(同期信号の設計)
既に述べたように、様々な国/地域ではアンライセンスドバンドでLBTベースの送信が必要とされる。よって、同じ帯域を共有する隣接ノードによる他の送信の存在によりeNBが長期間アンライセンスドバンドでDRSを送信することができないおそれがある。1つのアプローチは、2つのDRS送信の間の期間に対する固定の最大制限(例えば160ミリ秒)を設定することである。eNBがDRSを上限よりも長い時間送信できない場合は、良好な周波数/時間推定が保証されないと想定されるべきである。しかし、干渉によりUEがDRS送信のいくつかを正確に検出/復号できない可能性がある。この状況は、DRS送信に加えて、データ送信の中で別の同期信号を提供することの検討を必要とする。1つの解決策は、eNBが、データ領域の前に位置するシンボル(例えば、サブフレームの最初のシンボル)で同期信号(LAA sync)を送信することである。このアプローチは、D2D同期信号の設計に非常に似ている。その場合には、UEは、DRSを使用して粗い同期を達成し、上記LAA syncを使用して微細な周波数/時間推定を実現する。この解決策が適用される場合、LAA syncがUEで受信された最初のサブフレーム内の次のデータ領域に配置されているので、AGC設定は、DRSに代えてLAA syncに基づいて行われる。
図32は、既存のチャネルマッピング(左)/提案チャネルマッピング(右)の例を示す図である。
我々は、現在の物理制御チャネル領域がLAA syncによって置換されるべきであることを提案する。物理制御チャネルを送信するために使用されるリソースエレメントの数は、例えば、サブフレームにスケジュールされたUEの数に応じて変更される。低トラフィック状況の場合には、完全に物理制御チャネル領域が占有されないことで低いリソースエレメント密度をもたらし、OFDMシンボルにわたる低い送信電力により隣接ノードによる高い誤検出をもたらす。隣接ノードはそれぞれの送信のためにチャネルが利用可能であると想定し得るので、衝突が生じる。衝突を回避するために、我々は、物理制御チャネルがアンライセンスドバンド送信から除去され、代わりにLAA syncが送信されるべきであることを提案する。LAA syncをどのようにデータ領域の直前にマッピングするかについては更なる検討が必要である。
提案4:現在の物理制御チャネル領域はLAA syncに置き換えられるべきである。
[付記2]
(はじめに)
同じチャネルを共有するアクセスポイントが多いほど、システムのスループット性能が低下することがよく知られている。Wi-Fi及びLAAサービス間の公正な共存のためには、Listen-before-talk(クリアチャネルアセスメント)や制限された送信期間によるキャリア上での不連続送信などの無線LANと同様の仕組みをLAAオペレーションのために導入すべきであることが提案される。よって、LAAセルがアクセスポイントと同じバンドを共有する限りは、スループット性能の低下は避けられないと想定される。
一方、異なるオペレータのLAAサービス間の協調メカニズムを研究する価値がある。協調メカニズムは、複数のオペレータのLAAサービス間のチャネル選択及びチャネル共有からなる。この協調は、より良い干渉管理につながる可能性がある。本付記では、複数のLAAサービス間の緊密な協調メカニズム、特に、LTEビーコン、LTEヘッダ、及び新しいUE測定報告を提示する。
(LTEビーコンの可能な機能)
LAAセルは、動作のために最も負荷の低いチャネルを(再)選択することが好ましい。この目的を達成するためには、LAAセルがアンライセンスドバンドの無線環境を認識しているべきである。アンライセンスドスペクトルの使用情報は、この情報をブロードキャストすることにより隣接するノードと共有されることを提案する。このブロードキャスト情報は、「LTEビーコン」により配信される。隣接するLAAサービスは、隣接LTEビーコンを検出し、その情報を使用してチャネルを選択し、自身のLAAパラメータを適切に設定することができる。上記の情報を受信した後、隣接eNBも同様に、自身のビーコンをブロードキャストすることができる。LTEビーコンの候補の内容の1つは、アンライセンスドスペクトルのトラフィック負荷情報、LBT失敗の数、又は使用チャネル数である。
また、LTEビーコンは、1つのアンライセンスドスペクトルのCCを複数のLAAサービスにより共有するためにも使用することができる。異なるオペレータのLAAセルが時分割で同じチャネルを共有すると仮定することができる。アンライセンスドスペクトルの同期信号及び/又は参照信号の構成は、提案するLTEビーコンに設けられ、これにより密接な協調がもたらされる。LTEビーコンの送信タイミングの検討が必要とされる。我々の見解では、同期信号が送信されるのと同じサブフレームで送信されるべきである。これは、PSS/SSSと共に同じサブフレームに配置されているブロードキャストチャネル(PBCH)の概念に非常に似ている。LTEビーコンの例が図33に示されている。全ての同期信号の送信と共にLTEビーコンが送信されるべきかについては更なる検討が必要である。
提案1:アンライセンスドスペクトル使用情報は、LTEビーコンにより他のオペレータにブロードキャストされるべきである。
(LTEヘッダの可能な機能)
この章では、LAAセルのリソース割り当て情報の共有がアンライセンスドスペクトルの更なる効率的な利用をもたらすことを検討する。例えば、LAAセルが他のLAAセルのデータ送信期間を認識している場合、そのeNBは、その期間中にLBTを中断することができる。よって、アンライセンスドスペクトルについてのある程度のリソース割り当て情報も同様にブロードキャストすべきかRAN1で検討すべきであることを提案する。この情報は、「LTEヘッダ」で搬送され、データバーストの先頭にあるヘッダにおいて送信されるべきである。これは、LTEヘッダが現在のRel-8のPDCCHと同様の機能を有すると仮定するものである。このヘッダは、送信するeNBによるリソース使用情報を取得するために、隣接するLAAセルによって読み取ることができる。どのようにLAAヘッダが配置されるかの例を図34に示す。また、図34は、提案するLAA syncも示している。LAAヘッダの位置については更なる検討が必要である。
提案2:アンライセンスドスペクトルのある程度のリソース割り当て情報がヘッダ信号中でブロードキャストされるべきかをRAN1は検討すべきである。
(UE測定の強化)
チャネル選択手順/スキームを設計する際に、隠れ端末問題を考慮しなければならないかをRAN1は検討すべきである。隠れ端末問題に対処するために、新たなUE測定報告メカニズムを導入することを提案する。測定報告において、UEは、現在のRRM測定結果に加えて、アンライセンスドバンドでの検出セルID及び信号電力を報告する。我々の見解では、UEは、(他のオペレータのLAAを含む)非サービングセルのDRSを検出し、それ自体でDRS RSRPを計算することができる。UEからこの報告を受けたeNBは、隠れ端末問題を軽減するために必要な適切な行動を取ることができる。
提案3:新しいUE測定報告メカニズムは、UEが検出した非サービングLAAセルの情報を報告することを可能に導入されるべきである。
加えて、同一のPCIが複数のオペレータによって使用される場合に潜在的な問題がある。同じPCIが、隣接するセルに割り当てられるべきではない。1つのオペレータのネットワーク内では、セル計画やSON機能によってそれを達成することができる。同じPCIが第1のオペレータの近傍に位置する他のオペレータによって使用されている場合、問題が残る。我々の見解では、UE支援又はeNBベースのアンライセンスドスペクトルでのPCI衝突回避メカニズムが導入されるべきである。
提案4:アンライセンスドスペクトル内のPCI衝突回避メカニズムが導入されるべきである。
[付記3]
本付記では、不連続LAA DL送信の初めにサポートされるべき機能について検討する。
(DL送信の開始に関する考察)
提案1:粗い同期がLAA DRSによってサポートされるべきである。LAA syncが提供する細かい時間/周波数チューニングはデータバーストの初めにサポートされるべきである。
提案2:現在の物理制御チャネル領域はLAA syncに置き換えられるべきである。
(リソース割当情報のためのブロードキャストチャネル)
LAAセルが他のLAAセルのデータ送信期間を認識している場合、eNBは、その期間中にLBTを一時停止することができる。よって、アンライセンスドスペクトル上のある程度のリソース割り当て情報がブロードキャストされるべきかどうかを検討すべきことを提案する。この情報は、データバーストの先頭にある初期信号(initial signal)を介して搬送されるべきである。この信号は、送信側eNBのリソース使用状況情の報を取得するために隣接LAAセルによって読み取られる。
提案3:アンライセンスドスペクトル上のある程度のリソース割り当て情報が初期チャネル(initial channel)でブロードキャストするべきかどうかを検討すべきである。
データバーストの先頭に次の機能をサポートしている。
提案4:次の機能がデータバーストの先頭に配置されるべきである。
1)AGC設定
2)時間・周波数同期
3)LAA送信の検出
4)セルID/オペレータIDの情報及びデータ送信のリソース情報
(初期信号のための物理チャネル設計)
図35は、初期信号の設計の例を示す図である。我々の見解では、DRS及び初期信号は、同期及びブロードキャスト制御情報などの同様な要件を持っている。そこで、初期信号のために使用される同一のDRSの設計を提案する。なお、初期信号は予約信号を含まないと解釈する。初期信号及びDRSの違いは非常に少なくあるべきであり、例えば、それら2つのチャネルの違いを示すために1ビットのフラグを使用することができる。DRSタイミング及び初期信号タイミングが衝突した場合、図36に示すように、DRS及び初期信号は、制御情報を利用して多重化することができる。
提案5:初期信号及びDRSのために同一の設計構造が使用される。
提案6:初期信号及びDRSの間の差を制御情報の一部にするべきである。
[付記4]
(はじめに)
本付記では、DRSの設計を検討する。
(DRS送信及びLBT方式)
前回会合では、RAN1はDRS送信を議論し、LBTを適用した場合のためにALT1及びALT2に合意した。この章では、これら2つの選択肢及びDRS送信のためのLBT方法について検討する。
ALT1の場合、UEは単にDMTCに従うことができるので、仕様及びUEの受信機の複雑さへの影響は無視できる。しかし、LBTが長期間成功しない場合、適切な同期精度が得られない、及び/又は必要なRRM測定値が利用可能とならないかもしれない。これは、データ受信及び/又はRRM機能に深刻な影響が発生する。
一方、ALT2の場合、固定サブフレーム内でLBTが成功しない場合でも、enhanced DMTCにより設定された複数のサブフレームを探索する複雑性という犠牲を払って、他のサブフレームで送信されるDRSにより同期精度及びRRM測定の可用性を維持することができる。さらに、UEは、RRM測定のためのDRSサブフレームを認識するべきであるかもしれない(例えば、サブフレーム/スロット番号に基づくレプリカ系列生成、次のDRS機会の推定など)。
上記の検討は、表1に要約されている。我々の意見では、ALT1は、同期精度とRRM測定要件が任意の拡張機能あり又はなしで満たされる場合、UEの複雑さの増大を回避するために好ましい。RAN1は、同期及びRRM測定についてのALT1の影響を評価するべきである。
提案1:RAN1は、同期及びRRM測定についてALT1の影響を評価し、必要に応じて対応する要件についてRAN4に依頼するべきである。RAN1は、合意された選択肢に可能な強化を検討すべきである。
前回RAN1会合では、DRS設計は、LBT対象のLAA Scell上でDRS送信を可能にするべきであることが提案された。LBT方式は、主にFBE及びLBEに分かれている。DRSは、常にすべてのサービングUEによって受信されるブロードキャスト信号/情報として使用され、送信の一定のタイミングはUEの複雑さの観点から有益であるため、我々の見解では、FBEは、DRS送信のケースに好適である。LBEが適用される場合、UEは、すべての送信のためのDRSタイミングを探索する必要があるため、高いバッテリ消費をもたらす。
提案2:LBTベースのFBEがDRS送信のために適用されるべきである。
(LLA DRSの物理設計)
我々の見解では、以下の情報がLAA SCellsによってLAA DRSで送信されるべきである。
・PSS / SSS / CRS /(CSI-RS)
・制御情報
・ビーコン
RAN1の合意によると、LAA DRSは、少なくともRRM測定をサポートするべきである。よって、LAA DRSは、この要件を満たすために、PSS / SSS / CRSを含める必要がある。
アンライセンスドバンドについては、占有チャネル帯域幅について、欧州の規制がある。システム帯域幅が40MHz以下である場合、規制によると、1OFDMシンボル内の80%以上が信号によって満たされるべきである。DRSは、システム帯域幅の中心で1.4MHz(6RB)のみを占有する同期信号(PSS / SSS)を含み、その他のリソースで送信される信号は明示的に仕様化されていない。そのため、規制によって許可されていない、より広いシステム帯域幅の展開においてシステム帯域幅の多くの無駄があるかもしれない。可能な解決策の1つは、周波数ドメインにおいて同期信号を(例えばシステム帯域幅に相当)に拡大することである。しかし、この解決策は、著しく仕様に影響を与え、かつUEの複雑性を増大させる(例えば、様々な同期信号サイズの検出など)。我々の見解では、RAN1は、図37に示すように、未使用のリソースを特定の信号で埋めるなど、他の方法を検討するべきである。特定の信号は、OFDMシンボル内の低い電力密度に起因する他の装置(例えばWiFi)のCCAの潜在的な誤検出を回避するために、OFDMシンボル内のほぼすべての残りの帯域幅を一定の密度で覆うように配置されるべきである。
提案3:RAN1は、LAA DRSのために現在の同期信号を再利用し、空白のリソース(blank resources)を埋めるための特定の信号を検討するべきである。
制御情報は、少なくとも、リソースマッピング情報とPLMN IDとを含むLAAセル情報を提供する。また、現在のサブフレーム番号及びSFNのサブセットを確認するために、サブフレーム数及びSFNのサブセットが少なくともALT2 DRS送信のために使用される。現在のサブフレーム番号及びSFNのサブセットがサービングセルによりDMTCを介して設定される固定サブフレームに対応する場合、UEは、受信されたDRSが固定サブフレームで送信されたと意識することができる。ALT1のケースでは、サブフレーム番号及びSFNのサブセットが必要とされない場合がある。
DRS送信がPDSCHの送信と同時に発生した場合に、制御情報で提供されるリソースマッピング情報は、PDSCHリソース割り当て情報を示す。我々の見解では、PDSCHの送信がDRSの機会と同じサブフレームにスケジューリングされる場合、セルはPDSCH及びDRSを同時に送信するべきである。
提案4:LAA DRSサブフレームは、LAAセル情報を提供する制御情報を含むべきである。
ビーコンは、スペクトル使用に関連する情報を含み、隣接セルにより使用される。隣接LAAセルがビーコンを検出し、この情報を考慮して自LAAセルで使用する適切なチャネルを選択することができる。ビーコンの内容は、アンライセンスドスペクトルのトラフィック負荷、LBT失敗の数及び/又は使用キャリアの数に関連することができる。
提案5:LAA DRSサブフレームは、スペクトル使用に関連し且つ隣接セルで使用される情報を含むビーコンを含むべきである。
[付記5]
(はじめに)
本付記では、アンライセンスドバンドにおけるLAAスケジューリングのためのLAA制御チャネルの必要性及びLAAスケジューリングを仕様化する方法を検討する。
(セルフスケジューリングの必要性)
LAAのスケジューリングに関して、セルフスケジューリング及びクロスキャリアスケジューリングを考慮することができる。アンライセンスドバンドでは、複数のコンポーネントキャリア(CC)のサポートが考慮されるべきであり、これらのCCの各々は、スケジューリングのための制御チャネルを必要とする。ライセンスドキャリア上の制御チャネルへの影響を考えると、我々はアンライセンスドバンドにおけるセルフスケジューリングをサポートするべきであると考える。現在の仕様によれば、セルフスケジューリングのための2つの制御チャネル、PDCCH及びEPDCCHがある。オリジナルのPDCCHは規制の問題のために再利用することはできないと考えられる。よって、我々はLAAスケジューリングのEPDCCHの再利用をサポートする。また、PDCCHを、初期信号と称する新しいチャネルに置き換えることができる。図38は、LAA DL送信のためのチャネル割当ての一例を示す図である。
提案1:アンライセンスドバンドにおけるセルフスケジューリングがサポートされるべきである。
提案2:LAAのためにEPDDCHベースのセルフスケジューリングのみがサポートされるべきである。
(スケジューリングアルゴリズムの検討)
Wi-Fiでは、全体の帯域幅が1ユーザによって占有される。我々は、スケジューリングによってWi-Fiの緩和を考慮することができると考える。LTEは、図39に示すように、Wi-FiからのLAAの影響を低減するために、周波数ドメイン拡張スケジューリングよりも時間ドメイン拡張割り当てを使用するべきである。各UEに対する複数サブフレーム割り当てについては、TTIバンドリング又は時間連続RBでのチャネル符号化により仕様化することができる。さらに、複数サブフレームスケジューリングは、制御チャネルのオーバーヘッドを低減する。
提案3:1つのDCIによる複数サブフレームスケジューリングがLAAのために検討されるである。
[付記6]
付記6に係る基地局は、アンライセンスドバンドにおいて下りリンクデータを送信する制御部を備える。前記制御部は、サブフレーム内の予め規定されたタイミングである開始タイミング候補の中から、前記下りリンクデータの送信を開始する開始タイミングを決定する。
(はじめに)
3GPPは、ライセンスドスペクトルとの組み合わせでアンライセンスドスペクトルの使用を検討し、結果を報告している。これらの結果を考慮して、RAN#68で、DL送信のみのLAA SCellオペレーションを仕様化する新たなWI「Licensed-Assisted Access using LTE」を承認した。本付記では、DL送信設計の見解を示す。
(DL送信設計)
報告された結果によると、カテゴリ4 LBTメカニズムは少なくともPDSCHを含むLAA DL送信バーストのためのベースラインである。カテゴリ4 LBTメカニズムがPDSCH送信に適用される場合、DL送信タイミング、チャネルを予約する予約信号、UEにDL送信の開始タイミングを示す初期信号(initial signal)を検討する必要がある。我々のDL送信設計の概要を図29に示す。この章では、DL送信タイミング及び信号設計の詳細を検討する。本付記では、初期信号、PDCCH、及びPDSCHからなる部分をDLデータ送信と称する。
DLデータ送信タイミング
カテゴリ4 LBTメカニズムが適用される場合、CCAは、サブフレーム境界にかかわらず終了する。CCA終了後の予約信号の送信後、DLデータ送信開始タイミングについて、DLデータ送信が常に次のサブフレームの境界を待って開始するかどうかの2つの選択肢がある。
周波数利用効率を考慮すると、DLデータ送信は、特に最大DL送信バースト期間が短い場合(例えば日本の規制で最大4msバースト)、次のサブフレームの境界まで待たずに開始することができるべきである。例えば、予約信号が部分的サブフレームの全ての間で送信される場合、予約信号は、4msのバースト送信の場合のDLバースト送信の最大25%を占める。しかし、開始タイミング候補として全てのOFDMシンボルをサポートすることは、eNBとUEの両方で計算が複雑になる。例えば、eNBはCCAプロセスを試す前にCCA終点を知ることができないで、eNBはPDSCHのために異なるTBSで複数のパケットを準備しなければならない。また、eNBがDLデータ送信をいつ開始するかUEが分からないので、UEは、DLデータ送信の全ての可能な開始タイミングを検索する必要がある。これは、従来の方法よりもUEがより複雑で計算集中になる。一つの解決策は、OFDMシンボルの開始タイミングを制限することである。加えて、限られた開始タイミングは、サブフレーム内の特定のOFDMシンボルx(図40)よりも前に配置する必要があると想定する。開始タイミングがサブフレーム内の特定のOFDMシンボルxよりも後に配置される場合、PDSCHの符号化レートが高すぎて復号できず、UEが再送なしで正しくPDSCHを復号することができなくなる。xの値については更なる検討が必要である。
提案1:DLデータ送信の開始タイミングを制限することは、eNB及びUEの計算負荷及び複雑性の観点から好ましい。さらに、限られた開始タイミングの候補は、サブフレーム内の特定のOFDMシンボルxよりも前に配置されるべきである。
予約信号
CCA終了とDLデータ送信の開始タイミングとの間の時間ギャップがある。eNBがこの時間ギャップの間に何も送信しない場合、他の装置(例えば、アクセスポイント又は他のオペレータのeNB)は、任意の信号を送信することができる。従って、eNBは予約信号を送信すべきである。
提案2:予約信号は、他の装置による中断を防ぐために使用されるべきである。
予約信号は、予約の長さがOFDMシンボルよりも短いか否かに応じて2つのパターンに分けられる。予約信号の時間長が1つのOFDMシンボルよりも短い場合、そのギャップは任意のデータを送信するのに十分な長さではない。しかし、eNBはこのギャップ隙間で次のOFDMシンボルのCP(サイクリックプレフィックス)拡張を送信することができる(図41(a)参照)。CP拡張の送信は、初期信号の検出性能を向上させる。しかし、CP拡張部分と次のOFDMシンボルのCPとを含む予約信号の合計時間が1有効OFDMシンボルの長さよりも長い場合、UEがデュアルピーク検出によりシンボルタイミングを判断することができないかもしれない(例えば、予約信号= 60us、CP = 16.7us)(図41(b)参照)。
提案3:予約信号が1OFDMシンボルよりも短い場合、予約信号の少なくとも一部は、CPの拡張として使用されるべきである。しかし、CP拡張と次のOFDMシンボルのCPとの合計持続時間は、有効OFDMシンボルの長さよりも短くあるべきである。
一方、予約信号の時間長が1OFDMシンボルよりも長い場合、eNBは、DLデータ送信をサポートするために使用することができる冗長データを送信し得る。しかし、予約信号は、UEが受信しなければならない重要なデータを含めるべきではない。1つのオプションは、DLデータ送信の開始タイミングの直前にCP拡張として使用することである。
提案4:予約信号が1OFDMシンボルよりも長い場合、UEの複雑さを回避するために、予約信号はUEが受信しなければならない重要なデータを含めるべきではない。
初期信号
UEは、DLデータ送信の開始タイミングを認識する必要がある。UEは、全ての候補タイミングでDLデータ送信の開始タイミングを検出するためのブラインド復号を行うことになる。しかし、ブラインド復号は、UEの計算集中が必要である。DLデータ送信の開始タイミングを通知する初期信号を定義することが好ましい。1つの候補信号は、検出することが容易である1又は2つのOFDMシンボル内のPSS/SSSである。しかし、レガシーPSS/SSSは、システム帯域幅(図42)の中央に配置される。これは、部分的帯域幅の重複ケースにおいて動作する装置に対してチャネルを予約することができない。1つの解決策は、図43で示した帯域幅内に複数のPSS/SSSを配置することである。
提案5:初期信号は、DLデータ送信の開始タイミングを示すために使用され、1つ又は2つのOFDMシンボル内の複数のPSS/SSSに配置される。
一方、UEは、同一の物理設計が使用される場合、その信号を初期信号又はDRSであるか理解することができない。1つのシンプルな解決策は、DRSと初期信号とでSSSの異なるシーケンスを使用することである。
PDCCH/PDSCH
基本的に、CCAがいつ終了するかをeNBが事前に認識していないので、PDCCH及びPDSCHフォーマットは、PDSCHのために異なるTBSで複数のDCI及びパケットを準備することを除いて変更されないことを想定する。さらに、部分的なサブフレームを採用するために新たなTBSを定義する必要がある。1つのアプローチは、PDSCHに利用可能なOFDMシンボルの数に比例してTBSを変更することである。例えば、利用可能なOFDMシンボルが通常のCPで5である場合、送信TBSは、floor (5/14 * TBS / 8) * 8である。
eNBがPDSCHのために異なるTBSで複数のパケットを準備することをサポートしない場合、この問題を解決する別の方法は、eNBが、利用可能なOFDMシンボルのワーストケースの数のための最小パケットを送信することである。高い部分的サブフレーム送信の非効率性と引き換えに低い複雑性を有する。
提案6:RAN1は異なる送信期間を取り扱うために異なるTBSのサイズを検討すべきである。
[相互参照]
米国仮出願第62/110139号(2015年1月30日出願)、米国仮出願第62/145863号(2015年4月10日出願)、米国仮出願第62/203592号(2015年8月11日出願)、日本国特許出願第2015−159049号(2015年8月11日出願)の全内容が、参照により本願明細書に組み込まれている。