JP6735795B2 - 通信中継装置、通信システム、ドップラーシフト補正方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、通信中継装置、通信システム、ドップラーシフト補正方法及びプログラムに関するものである。
移動通信システムの中継通信局(基地局)のアンテナに対して端末装置(移動局)が相対移動しながら無線信号を送信したり受信したりすると、受信信号の周波数にドップラー現象による周波数シフト(以下「ドップラーシフト」という。)が発生する。このドップラーシフトに伴う受信信号の周波数誤差は通信品質に影響を与えるおそれがある。特許文献1には、基地局からのパイロット信号(参照信号)等の既知信号を用いてドップラーシフトを推定し、その推定結果に基づいて受信信号の周波数を補正するユーザ端末(端末装置)が開示されている。
特表2008−537388号公報
しかしながら、中継通信局が航空機に組み込まれている場合のように通信中継装置に組み込まれた中継通信局がフィーダリンクの中継局(「フィーダ局」、「ゲートウェイ局」ともいう。)に対して高速で相対移動する場合がある。この場合、中継通信局とフィーダリンクの中継局との間の相対速度が大きくなり、ドップラーシフトのシフト量が上記従来の端末装置で補正可能な量よりも大きくなり、フィーダリンクの通信エラーが発生するおそれがある。
本発明の一態様に係る通信システムは、フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置を備えた通信システムであって、所定のサンプリング時間間隔で前記通信中継装置の複数の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記通信中継装置の複数の位置情報と前記サンプリング時間間隔とに基づいて、前記通信中継装置の速度(ベクトル)を推定し、前記速度(ベクトル)の推定結果と前記通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する推定部と、前記推定部のドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する補正部と、を備える。
本発明の他の態様に係る通信システムは、フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置を備えた通信システムであって、前記通信中継装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記通信中継装置の速度(ベクトル)を測定する速度測定部と、前記通信中継装置の位置情報と前記通信中継装置の速度(ベクトル)の測定結果とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する推定部と、前記推定部のドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する補正部と、を備える。
また、前記通信システムにおいて、前記推定部は、前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定し、前記補正部は、前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正してもよい。
また、前記通信システムにおいて、前記補正部は、前記ドップラーシフトの推定結果が所定の閾値よりも大きいか否か又は前記閾値以上か否かを判断し、前記判断が肯定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行い、前記判断が否定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行わないようにしてもよい。
本発明の他の態様に係る通信中継装置は、フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置であって、所定のサンプリング時間間隔で前記通信中継装置の複数の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記通信中継装置の複数の位置情報と前記サンプリング時間間隔とに基づいて、前記通信中継装置の速度(ベクトル)を推定し、前記速度(ベクトル)の推定結果と前記通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する推定部と、前記推定部のドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する補正部と、を備える。
本発明の更に他の態様に係る通信中継装置は、フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置であって、前記通信中継装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記通信中継装置の速度(ベクトル)を測定する速度測定部と、前記通信中継装置の位置情報と前記通信中継装置の速度(ベクトル)の測定結果とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する推定部と、前記推定部のドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する補正部と、を備える。
前記通信中継装置において、前記推定部は、前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定し、前記補正部は、前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正してもよい。
また、前記通信中継装置において、前記補正部は、前記ドップラーシフトの推定結果が所定の閾値よりも大きいか否か又は前記閾値以上か否かを判断し、前記判断が肯定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行い、前記判断が否定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行わないようにしてもよい。
また、前記通信中継装置は、上空を飛行して移動可能な通信中継装置であってもよいし、地上又は海上を移動可能に設けられた通信中継装置であってもよい。
また、前記通信中継装置の中継通信局は、移動通信の基地局に接続されたリピーター親機との間で無線通信を行うリピーター子機であってもよいし、移動通信の基地局(例えば、eNodeB、gNodeBなど)であってもよい。
本発明の更に他の態様に係るドップラーシフト補正方法は、フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置におけるフィーダリンクのドップラーシフト補正方法であって、所定のサンプリング時間間隔で前記通信中継装置の複数の位置情報を取得することと、前記通信中継装置の複数の位置情報と前記サンプリング時間間隔とに基づいて、前記通信中継装置の速度(ベクトル)を推定することと、前記速度(ベクトル)の推定結果と前記通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定することと、前記ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正することと、を含む。
本発明の更に他の態様に係るドップラーシフト補正方法は、フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置におけるドップラーシフト補正方法であって、前記通信中継装置の位置情報を取得することと、前記通信中継装置の速度(ベクトル)を測定することと、前記通信中継装置の位置情報と前記通信中継装置の速度(ベクトル)の測定結果とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定することと、前記ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正することと、を含む。
前記ドップラーシフト補正方法において、前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定することと、前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正することと、を含んでもよい。
また、前記ドップラーシフト補正方法において、前記ドップラーシフトの推定結果が所定の閾値よりも大きいか否か又は前記閾値以上か否かを判断することと、前記判断が肯定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行うことと、前記判断が否定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行わないことと、を含んでもよい。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置におけるフィーダリンクのドップラーシフト補正をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、所定のサンプリング時間間隔で取得した前記通信中継装置の複数の位置情報と、前記サンプリング時間間隔とに基づいて、前記通信中継装置の速度(ベクトル)を推定する工程と、前記速度(ベクトル)の推定結果と前記通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する工程とを、前記コンピュータに実行させる。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置におけるフィーダリンクのドップラーシフト補正をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記通信中継装置の位置情報と前記通信中継装置の速度(ベクトル)の測定結果とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する工程とを、前記コンピュータに実行させる。
前記プログラムにおいて、前記ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する工程を、前記コンピュータに更に実行させてもよい。
また、前記プログラムにおいて、前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定する工程と、前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正する工程とを、前記コンピュータに更に実行させてもよい。
また、前記プログラムにおいて、前記ドップラーシフトの推定結果が所定の閾値よりも大きいか否か又は前記閾値以上か否かを判断する工程と、前記判断が肯定のときにフィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行い、前記判断が否定のときにフィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行わない工程とを、前記コンピュータに更に実行させてもよい。
本発明によれば、移動型の通信中継装置がフィーダリンクの中継局に対して高速で相対移動する場合でも、フィーダリンクにおけるドップラーシフトを精度よく補正してフィーダリンクの通信エラーの発生を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る3次元化ネットワークを実現する通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図。 (a)及び(b)はそれぞれ、飛行中の通信中継装置(飛行体)の中継通信局(リピーター子機)とフィーダ局(リピーター親機)との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトの一例を示す説明図。 本実施形態に係るドップラーシフト補正制御を行う中継通信局の要部構成の一例を示すブロック図。 本実施形態の中継通信局におけるドップラーシフト補正制御部の構成の一例を示すブロック図。 本実施形態の中継通信局におけるドップラーシフトの推定方法の一例を示す説明図。 図4のドップラーシフト補正制御部におけるドップラーシフト補正制御の一例を示すフローチャート。 図4のドップラーシフト補正制御部におけるドップラーシフト補正制御の他の例を示すフローチャート。 図4のドップラーシフト補正制御部におけるドップラーシフト補正制御の更に他の例を示すフローチャート。 本実施形態の中継通信局におけるドップラーシフト補正制御部の構成の他の例を示すブロック図。 図9のドップラーシフト補正制御部におけるドップラーシフト補正制御の一例を示すフローチャート。 図9のドップラーシフト補正制御部におけるドップラーシフト補正制御の他の例を示すフローチャート。 図9のドップラーシフト補正制御部におけるドップラーシフト補正制御の更に他の例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る通信システムは、中継通信局150が搭載され上空を移動可能な移動型の通信中継装置15を介して、移動通信網80側のフィーダリンクFLの無線通信と端末装置61側のサービスリンクSLの無線通信とを中継することができる。特に、本実施形態に係る通信システムは、多数の端末装置への同時接続や低遅延化などに対応する第5世代以降の移動通信の3次元化ネットワークの実現に適する。
なお、図1では、通信中継装置15が上空を移動可能な飛行体としての航空機である例を示しているが、通信中継装置は、上空を移動するように飛行可能なドローン、ソーラープレーン、飛行船などの他の飛行体であってもよい。飛行体は、自律制御又は外部から制御により、地面、海面、又は川若しくは湖などの水面から100[km]以下の高高度の空域を飛行して位置するように制御されてもよい。また、飛行体の飛行空域は、高度が11[km]以上及び50[km]以下の成層圏の空域であってもよい。更に、飛行体の飛行空域は、気象条件が比較的安定している高度15[km]以上25[km]以下の空域であってもよく、特に高度がほぼ20[km]の空域であってもよい。また、通信中継装置は、地上を移動可能な各種車両であってもよいし、海上を移動可能な各種船舶であってもよい。
通信中継装置15に搭載された中継通信局150は、移動局である端末装置61と無線通信するためのサービスリンクSLのビームを地上に向けて形成し、上空に3次元的なセルを形成し、地上又は海上に2次元的なセル100Aを形成する。端末装置61は、地上又は海上においてユーザが使用するユーザ装置であってもよいし、遠隔操縦可能な小型のヘリコプター等の航空機であるドローンに組み込まれた通信端末モジュールでもよいし、他の飛行機の中でユーザが使用するユーザ装置であってもよい。
本実施形態の中継通信局150は、地上(又は海上)側の移動通信網80の基地局90に接続されたフィーダ局(リピーター親機)70と無線通信するリピーター子機である。中継通信局150は、地上又は海上に設置されたフィーダ局70を介して、移動通信網80のコアネットワークに接続される。中継通信局150とフィーダ局70との間の通信は、マイクロ波などの電波による無線通信で行ってもよいし、レーザ光などを用いた光通信で行ってもよい。また、中継通信局は、地上(又は海上)側のコアネットワークに接続された中継局としてのフィーダ局(ゲートウェイ)70と無線通信する基地局(例えば、eNodeB、gNodeB)であってもよい。
中継通信局150は、内部に組み込まれたコンピュータ等で構成された制御部(コントローラ)が制御プログラムを実行することにより、中継通信局での無線通信の信号処理や制御処理を自律的に制御することができる。中継通信局150での処理は、移動通信網80の通信センター等に設けられた管理装置としての遠隔制御装置85によって制御できるようにしてもよい。この場合、通信中継装置15は、遠隔制御装置85からの制御情報を受信したり遠隔制御装置85に各種情報を送信したりできるように制御用通信端末装置(例えば、移動通信モジュール)が組み込まれ、遠隔制御装置85から識別できるように端末識別情報(例えば、IPアドレス、電話番号など)が割り当てられるようにしてもよい。制御用通信端末装置の識別には通信インターフェースのMACアドレスを用いてもよい。また、通信中継装置15は、自身又は周辺の通信中継装置の上空移動(飛行)や中継通信局での処理に関する情報や各種センサなどで取得した観測データなどの情報を、遠隔制御装置85等の所定の送信先に送信するようにしてもよい。
中継通信局150を介した端末装置61との間のサービスリンクSLの無線通信の上りリンク及び下りリンクの複信方式は、特定の方式に限定されず、例えば、時分割複信(Time Division Duplex:TDD)方式でもよいし、周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)方式でもよい。また、中継通信局150を介した端末装置61との無線通信のアクセス方式は、特定の方式に限定されず、例えば、FDMA(Frequency Division Multiple Access)方式、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、又は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)であってもよい。また、前記無線通信には、ダイバーシティ・コーディング、送信ビームフォーミング、空間分割多重化(SDM:Spatial Division Multiplexing)等の機能を有し、送受信両方で複数のアンテナを同時に利用することにより、単位周波数当たりの伝送容量を増やすことができるMIMO(多入力多出力:Multi−Input and Multi−Output)技術を用いてもよい。また、前記MIMO技術は、1つの基地局が1つの端末装置と同一時刻・同一周波数で複数の信号を送信するSU−MIMO(Single−User MIMO)技術でもよいし、1つの基地局が複数の異なる端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信又は複数の異なる基地局が1つの端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信するMU−MIMO(Multi−User MIMO)技術であってもよい。
本実施形態では、中継通信局150においてサービスリンクの信号とフィーダリンクの信号が互いに干渉しないように、サービスリンクSLの送受信信号の周波数fSL(fSLu、fSLd)とフィーダリンクFLの送受信信号の周波数ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正するとの間に周波数差を設けている。
また、本実施形態の通信中継装置(飛行体)15は、位置情報取得部として、複数のGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星75からの電波(GNSS信号)を受信して通信中継装置15の位置情報としてGNSS位置情報(緯度、経度、高度)を出力する位置情報取得部を備えている。また、本実施形態の通信中継装置(飛行体)15の一例では、速度測定部として、飛行中の通信中継装置15の移動方向の速度(大きさと方向)を測定して出力するジャイロセンサ(「ジャイロスコープ」ともいう。)を備えている。速度測定部はイナーシャセンサであってもよい。
図1において、通信中継装置(飛行体)15は、フィーダ局(リピーター親機)70と間でフィーダリンクFLの無線通信を行うとともにサービスリンクのセル100Aを形成しながら、フィーダ局(リピーター親機)70に近づくように図中の左方向Fに飛行している。セル100Aに在圏する端末装置61は、サービスリンクSL、通信中継装置15の中継通信局150、フィーダリンクFL及びフィーダ局(リピーター親機)70を介して、基地局(eNodeB)90と通信することができる。
図2(a)及び(b)はそれぞれ、飛行中の通信中継装置(飛行体)15の中継通信局(リピーター子機)150とフィーダ局(リピーター親機)70との間のフィーダリンクFLの無線通信におけるドップラーシフトの一例を示す説明図である。図2(a)は通信中継装置15がフィーダ局70に近づく方向に飛行しているときの例(図1参照)であり、図2(b)は通信中継装置15がフィーダ局70から遠ざかる方向に飛行しているときの例である。
図2(a)において、フィーダ局70から通信中継装置15の中継通信局150に周波数fFLd1の送信信号911を送信するフィーダリンクFLの下りリンクの無線通信では、ドップラー現象により、中継通信局150で受信される受信信号911’の周波数が高周波側にドップラーシフトfだけシフトして周波数f’FLd1(=fFLd1+f)になる。一方、通信中継装置15の中継通信局150からフィーダ局70へのフィーダリンクFLの上りリンクの無線通信では、下りリンクの受信信号911’の周波数f’FLd1(=fFLd1+f)を基準にして周波数f’FLu1(=fFLd1+f)の送信信号912が送信される。そして、ドップラー現象により、フィーダ局70で受信される受信信号912’の周波数が高周波側にドップラーシフトfだけシフトして周波数f’FLu1(=fFLu1+f)になる。その結果、下りリンクの2倍近い周波数シフトがフィーダ局70で発生しうる。
また、図2(b)において、フィーダ局70から通信中継装置15の中継通信局150に周波数fFLd2の送信信号921を送信するフィーダリンクFLの下りリンクの無線通信では、ドップラー現象により、中継通信局150で受信される受信信号921’の周波数が低周波側にドップラーシフトfだけシフトして周波数f’FLd2(=fFLd2−f)になる。一方、通信中継装置15の中継通信局150からフィーダ局70へのフィーダリンクFLの上りリンクの無線通信では、下りリンクの受信信号921’の周波数f’FLd2(=fFLd2−f)を基準にして周波数f’FLu2(=fFLd2−f)の送信信号922が送信される。そして、ドップラー現象により、フィーダ局70で受信される受信信号922’の周波数が低周波側にドップラーシフトfだけシフトして周波数f’FLu2(=fFLu2−f)になる。その結果、下りリンクの2倍近い周波数シフトがフィーダ局70で発生しうる。
このようにフィーダ局70に対する通信中継装置(飛行体)15の相対移動に起因した受信信号のドップラーシフトにより、通信中継装置15の中継通信局150とフィーダ局70との間のフィーダリンクFLの無線通信において受信側で正しく信号を復調できず、通信品質の低下が発生するおそれがある。特に、フィーダリンクは高周波数帯の使用が前提なので、ドップラーシフトの影響が大きく、補正が必要である。
上記ドップラーシフトに対して、移動通信の既知信号(参照信号又は同期信号)に基づいて、フィーダリンクの無線通信の周波数のドップラーシフトを推定し、その推定結果に基づいて受信信号のドップラーシフトを補正する補正機構がある。しかしながら、通信中継装置15が例えば航空機の場合のようにフィーダ局70に対して大きな相対移動速度で移動し、高周波数帯を使用する場合、ドップラーシフトのシフト量が補正可能な上限よりも大きくなり、上記従来の補正機構でドップラーシフトを補正しきれないおそれがある。
そこで、以下に示す一実施形態では、所定のサンプリング時間間隔Δtで通信中継装置15の複数の位置情報を取得し、通信中継装置15の複数の位置情報とサンプリング時間間隔Δtとに基づいて通信中継装置15の速度ベクトルvを推定し、速度ベクトルvの推定結果と通信中継装置15の位置情報とに基づいて通信中継装置15とフィーダ局70との間のフィーダリンクFLの無線通信におけるドップラーシフトfdを推定している。このドップラーシフトfdの推定結果に基づいてフィーダリンクFLの無線通信の周波数を補正することにより、フィーダ局70に対する通信中継装置15の相対移動に起因した受信信号のドップラーシフトによる通信品質の低下を抑制できる。
また、以下に示す他の実施形態では、通信中継装置15の位置情報を取得するとともに通信中継装置15の速度ベクトルvを測定し、通信中継装置15の位置情報と通信中継装置15の速度ベクトルvの測定結果とに基づいて、通信中継装置15とフィーダ局70との間のフィーダリンクFLの無線通信におけるドップラーシフトfdを推定している。このドップラーシフトfdの推定結果に基づいてフィーダリンクFLの無線通信の周波数を補正することにより、通信中継装置15がフィーダ局70に対して高速で相対移動し、高周波数帯を使用する場合でも、フィーダ局70に対する通信中継装置15の相対移動に起因した受信信号のドップラーシフトによる通信品質の低下を抑制できる。
以下、本実施形態において、ドップラーシフトを推定し、その推定結果に基づいて、ドップラーシフトによる通信品質の低下を抑制するようにフィーダリンクFLの無線通信の周波数を補正する制御を、「ドップラーシフト補正制御」ともいう。
図3は、本実施形態に係るドップラーシフト補正制御を行う通信中継装置15の要部構成の一例を示すブロック図である。
図3において、中継通信局150は、下りリンク入力部151と、周波数変換部152と、下りリンク出力部153と、上りリンク入力部154と、周波数変換部155と、上りリンク出力部156と、各部を制御する制御部(コントローラ)157とを備える。下りリンク入力部151、周波数変換部152及び下りリンク出力部153は、LTEや第5世代以降の通信方式に準拠した下りリンク信号を中継し、上りリンク入力部154、周波数変換部155及び上りリンク出力部156は、LTEや第5世代以降の通信方式に準拠した上りリンク信号を中継する。周波数変換部152及び周波数変換部155は、サービスリンクSLの送受信信号の周波数fSL(fSLu、fSLd)とフィーダリンクFLの送受信信号の周波数fFL(fFLu、fFLd)との間の周波数変換を行う。
更に、中継通信局150は、ドップラーシフトを推定し、その推定結果に基づいて、ドップラーシフトによる通信品質の低下を抑制するようにフィーダリンクFLの無線通信の周波数fFL(fFLu、fFLd)を補正するドップラーシフト補正制御部16を備える。ドップラーシフト補正制御部16は、制御部(コントローラ)157と一体的に構成してもよい。
下りリンク入力部151、下りリンク出力部153、上りリンク入力部154及び上りリンク出力部156はそれぞれ、所定周波数の中継対象信号を所定のレベルまで増幅するアンプ機能を有する。フィーダリンク側の下りリンク入力部151及び上りリンク出力部156は、アンテナ共用器(DUP)を介してフィーダリンク用アンテナ158に接続されている。サービスリンク側の下りリンク出力部153及び上りリンク入力部154は、アンテナ共用器(DUP)を介してサービスリンク用アンテナ159に接続されている。
図4は、本実施形態の通信中継装置15におけるドップラーシフト補正制御部16の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、ドップラーシフト補正制御部16は、位置情報取得部としてのGNSS受信部161と、ドップラーシフト推定部162と、ドップラーシフト補正部163とを有する。GNSS受信部161は、複数のGNSS衛星75(図1参照)からの電波(GNSS信号)を受信し、現在時刻情報とともに、通信中継装置15の位置情報としてGNSS位置情報(緯度、経度、高度)を、所定のサンプリング時間間隔Δtで出力する。
ドップラーシフトの推定精度は、サンプリング時間間隔Δtが短いほど高くなるが、サンプリング時間間隔Δtが短くなるとドップラーシフト補正制御部16における処理の負荷が高くなる。サンプリング時間間隔Δtは、例えば、0.1[sec]〜10[sec]の範囲で、通信中継装置(飛行体)15の速度や飛行軌跡の形状などに基づいて決定してもよい。
ドップラーシフト推定部162は、例えば、CPUやメモリーなどを有するコンピュータで構成され、所定のプログラムが読み込まれて実行されることにより、通信中継装置15の複数の位置情報(例えば2つの飛行地点)とサンプリング時間間隔Δtとに基づいて、通信中継装置の速度v(大きさと方向)を推定し、その速度vの推定結果と通信中継装置15の現在位置情報(時刻t0における位置情報)とに基づいて、通信中継装置15とフィーダ局70との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトfd(シフト方向(マイナスの低周波方向又はプラスの高周波方向)とシフト量Δf(t0))を推定する。
ドップラーシフト補正部163は、ドップラーシフトfdの推定結果に基づいて、フィーダリンクFLの無線通信の周波数ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する。図4のドップラーシフト補正部163の構成例は、補正電圧発生器1631と、ドップラー補正周波数発生器1632と、フィーダリンクFLの下り及び上りそれぞれについて設けられたミキサー1633d,1633uとを有する。ミキサー1633dは、下りリンク入力部151の受信回路151aと周波数変換部152との間の信号経路に設けられ、ミキサー1633uは、上りリンク出力部156の送信回路156aと周波数変換部155との間の信号経路に設けられている。
補正電圧発生器1631は、ドップラーシフト推定部162で推定されたドップラーシフトfdの推定結果に応じて補正電圧に変換し、その補正電圧をドップラー補正周波数発生器1632に入力する。なお、補正電圧発生器1631は、フィーダリンクFLの下り及び上りそれぞれについて個別に設けてもよい。
ドップラー補正周波数発生器1632は、補正電圧発生器1631から入力された補正電圧に応じてドップラーシフトfdを補正するための補正周波数fdaの信号を発生する。
ミキサー1633dは、受信回路151aで受信されたフィーダリンクFLの下りの周波数f’FLdの受信信号S’FLdと、ドップラー補正周波数発生器1632で発生した補正周波数fdaの信号とを合成し、ドップラーシフトfdをキャンセルするように補正した周波数fFLd(=f’FLd−fd又はf’FLd+fd)の受信信号SFLdを、周波数変換部152側に流す。
ミキサー1633uは、周波数変換部155から出力されたフィーダリンクFLの上りの周波数fFLuの送信信号SFLuと、ドップラー補正周波数発生器1632で発生した補正周波数fdaの信号とを合成し、フィーダ局70で受信されるときにドップラーシフトfdがキャンセルされるように補正した周波数f’FLu(=fFLu−fd又はfFLu+fd)の受信信号S’FLuを、送信回路156a側に流す。
図5は、本実施形態の通信中継装置15のドップラーシフトfdの推定方法の一例を示す説明図である。本例は、飛行軌跡15rで飛行している通信中継装置(飛行体)15の二点のGNSS位置情報のみからドップラーシフトfdを推定する方法の例である。図5における直交座標系の原点はフィーダ局70の位置である。任意のサンプリング時間t0における通信中継装置(飛行体)15の位置ベクトルrは、時間t0に取得したGNSS位置情報(緯度、経度、高度)から計算することができる。
図5において、任意のサンプリング時間t0における通信中継装置15の速度ベクトルvを、時間t0の位置情報と一つ前のサンプリング時間(t0−△t)の位置情報から求め、ドップラーシフト(周波数)fdを推定する。時刻t0における速度ベクトルv(t0)は、次式(1)のように近似できる。但し、サンプリング時間間隔△tは微小時間とした。
Figure 0006735795
時間t0においてドップラー効果に寄与する速度ベクトルv(t0)の正射影である速度ノルムv(t0)は、時間t0における速度ベクトルv(t0)と位置ベクトルr(t0)とを用いて次式(2)で計算して推定できる。すなわち、位置ベクトルr(t0)の絶対値|r(t0)|を求め、その値で位置ベクトルr(t0)を割って単位ベクトルを得る。図中の角度θを有する速度ベクトルv(t0)と上記単位ベクトルとの内積をとれば、時間t0においてドップラー効果に寄与する速度ベクトルv(t0)の正射影である速度ノルムv(t0)が求まる。
Figure 0006735795
上記速度ノルムv(t0)を用いることにより、時間t0における離散的なドップラーシフトfd=Δf(t0)は次式(3)で計算して推定できる。ここで、式中のcは光速[m/s]であり、fcはドップラーシフトが発生する前の周波数である。
Figure 0006735795
図6は、図4のドップラーシフト補正制御部16におけるドップラーシフト補正制御の一例を示すフローチャートである。
図6において、通信中継装置15のドップラーシフト補正制御部16は、GNSS受信部161により、所定のサンプリング時間間隔Δtで通信中継装置15のGNSS位置情報を取得する(S101)。
次に、ドップラーシフト補正制御部16は、ドップラーシフト推定部162により、任意のサンプリング時間t0に取得したGNSS位置情報と、一つ前のサンプリング時間t0−Δtに取得したGNSS位置情報とに基づいて、時間t0における通信中継装置15の速度ベクトルv(t0)を推定する(S102)。
次に、ドップラーシフト補正制御部16は、ドップラーシフト推定部162により、通信中継装置15の速度ベクトルv(t0)の推定結果と、通信中継装置15のGNSS位置情報とに基づいて、ドップラーシフトfd=Δf(t0)を推定する(S103)。
次に、ドップラーシフト補正制御部16は、ドップラーシフト補正部163により、ドップラーシフトfd=Δf(t0)の推定結果に基づいて、フィーダリンクFLの下り及び上りの少なくとも一方の周波数を補正する(S104)。
以上、図6のドップラーシフト補正制御によれば、通信中継装置(飛行体)15がフィーダ局70に対して高速で相対移動して移動通信の既知信号(参照信号又は同期信号)を用いたドップラーシフト補正制御方法では補正が難しい場合でも、フィーダリンクFLにおけるドップラーシフトを精度よく補正してフィーダリンクFLの通信エラーの発生を防止することができる。
図7は、図4のドップラーシフト補正制御部16におけるドップラーシフト補正制御の他の例を示すフローチャートである。図7の例は、通信中継装置15のGNSS位置情報から推定したドップラーシフトに基づく第1の補正に加えて、通信中継装置15で中継される移動通信の既知信号(参照信号又は同期信号)から推定したドップラーシフトに基づく第2の補正を更に実行する例である。なお、図7における処理ステップS201〜S204は、前述の図6の処理ステップS101〜S104と同様な処理ステップであるので、それらの説明は省略する。
図7において、通信中継装置15のGNSS位置情報から推定したドップラーシフトに基づく第1の補正(S201〜S204)の後、ドップラーシフト補正制御部16は、例えば3GPPのLTE(Long Term Evolution)、LTE−Advanced又は第5世代以降の規格に準拠した既知信号(参照信号又は同期信号)に基づいて、上記第1の補正で補正しきれずに残留している残留ドップラーシフトfd'を推定する(S205)。この残留ドップラーシフトfd'は、例えば、サンプリング時間間隔Δtの時間誤差、GNSS位置情報の位置誤差、位置情報取得タイミングからドップラーシフト補正タイミングまでの遅延時間などに起因して発生するおそれがある。
第2の補正に用いる既知信号としては、例えば、中継通信局150で中継される無線信号の無線フレームの所定時間スロット及びサブキャリアのリソースブロックに配置される既知信号である参照信号又は同期信号(PSS、SSS)を用いることができる。例えば、同期信号(PSS)は、既知の所定のアルゴリズムであるZadoff−Chu系列によって生成され、中継通信局150によって中継される。中継通信局150のドップラーシフト補正制御部16は、フィーダリンクFLで中継される同期信号(PSS)のドップラーシフト前の元信号と、フィーダリンクFLでドップラーシフトした同期信号(PSS)の受信信号とを比較することにより、残留ドップラーシフトfd’を推定することができる。
次に、ドップラーシフト補正制御部16は、残留ドップラーシフトfd’の推定結果に基づいて、フィーダリンクFLの下り及び上りの少なくとも一方の周波数を更に補正する(S206)。
以上、図7のドップラーシフト補正制御によれば、上記第1の補正においてサンプリング時間間隔Δtの時間誤差、GNSS位置情報の位置誤差、位置情報取得タイミングからドップラーシフト補正タイミングまでの遅延時間などに起因して補正しきれずに残留ドップラーシフトfd’が発生する場合でも、その残留ドップラーシフトfd’を補正することができ、フィーダリンクFLの通信エラーの発生を更に精度よく確実に防止することができる。
図8は、図4のドップラーシフト補正制御部16におけるドップラーシフト補正制御の更に他の例を示すフローチャートである。図8の例は、通信中継装置15のGNSS位置情報から推定したドップラーシフトが所定の閾値fthよりも大きい場合のみ上記第1の補正を実行している例である。なお、図8における処理ステップS301〜S303、S305は、前述の図6の処理ステップS101〜S103、S104と同様な処理ステップであるので、それらの説明は省略する。また、図8における処理ステップS306、S307は、前述の図7の処理ステップS205、S206と同様な処理ステップであるので、それらの説明は省略する。
図8において、通信中継装置15のGNSS位置情報からドップラーシフトfdを推定した後、ドップラーシフト補正制御部16は、ドップラーシフトfdの大きさが所定の閾値fthよりも大きいか又は閾値fth以上か否かを判断する(S304)。閾値fthは、例えば通信中継装置15で中継される移動通信の既知信号(参照信号又は同期信号)から推定したドップラーシフトに基づく第2の補正で補正可能なドップラーシフトのシフト量(例えば、300Hz〜500Hz)に設定される。
上記判断が肯定のとき(S304でYES)は、上記通信中継装置15のGNSS位置情報から推定したドップラーシフトに基づく第1の補正を実行し(S305)、その後、上記既知信号(参照信号又は同期信号)から推定したドップラーシフトに基づく第2の補正を実行する(S306、S307)。一方、上記判断が否定のとき(S304でN0)は、上記通信中継装置15のGNSS位置情報から推定したドップラーシフトに基づく第1の補正を実行せずに、上記既知
信号(参照信号又は同期信号)から推定したドップラーシフトに基づく第2の補正のみを実行する(S306、S307)。
特に、図8のドップラーシフト補正制御によれば、通信中継装置(飛行体)15の速度が低速度である場合などドップラーシフトfdが小さい場合、ドップラーシフトを精度よく補正できるとともに、上記通信中継装置15のGNSS位置情報から推定したドップラーシフトに基づく第1の補正を実行しないので中継通信局150における処理の負荷を低減することができる。
図9は、本実施形態の通信中継装置15におけるドップラーシフト補正制御部16の構成の他の例を示すブロック図である。図9の例は、通信中継装置15の位置情報を取得するとともに通信中継装置15の速度ベクトルvを測定し、通信中継装置15の位置情報と通信中継装置15の速度ベクトルの測定結果とに基づいて、通信中継装置15とフィーダ局70との間のフィーダリンクFLの無線通信におけるドップラーシフトfdを推定する例である。なお、図9のドップラーシフト補正制御部16において、GNSS受信部161及びドップラーシフト補正部163の構成は、前述の図4と同様であるので、説明を省略する。
図9において、ドップラーシフト補正制御部16は、速度測定部として、飛行中の通信中継装置15の移動方向の速度ベクトルv(大きさと方向)を測定して出力するジャイロセンサ(「ジャイロスコープ」ともいう。)164を備えている。速度測定部はイナーシャセンサを用いてもよい。であってもよい。
ドップラーシフト推定部162は、任意の時間t0に取得された通信中継装置15のGNSS位置情報と、時間t0に測定された通信中継装置15の速度ベクトルvの測定結果とに基づいて、時間t0における通信中継装置15とフィーダ局70との間のフィーダリンクFLの無線通信におけるドップラーシフトfdを推定する。
時間t0においてドップラー効果に寄与する速度ノルムv(t0)は、通信中継装置15の時間t0における速度ベクトルv(t0)と位置ベクトルr(t0)とを用いて、前述の式(2)で計算して推定できる。また、上記速度ノルムv(t0)を用いることにより、時間t0における離散的なドップラーシフトfd=Δf(t0)は前述の式(3)で計算して推定できる。
図10は、図9のドップラーシフト補正制御部16におけるドップラーシフト補正制御の一例を示すフローチャートである。
図10において、通信中継装置15のドップラーシフト補正制御部16は、任意のサンプリング時間t0に、GNSS受信部161により通信中継装置15のGNSS位置情報を取得するとともに、ジャイロセンサ164により通信中継装置15の速度ベクトルvを測定する(S401)。
次に、ドップラーシフト補正制御部16は、ドップラーシフト推定部162により、サンプリング時間t0におけるGNSS位置情報と速度ベクトルv(t0)とに基づいて、時間t0における通信中継装置15のドップラーシフトfd=Δf(t0)を推定する(S402)。
次に、ドップラーシフト補正制御部16は、ドップラーシフト補正部163により、ドップラーシフトfd=Δf(t0)の推定結果に基づいて、フィーダリンクFLの下り及び上りの少なくとも一方の周波数を補正する(S403)。
以上、図10のドップラーシフト補正制御によれば、通信中継装置(飛行体)15がフィーダ局70に対して高速で相対移動して移動通信の既知信号(参照信号又は同期信号)を用いたドップラーシフト補正制御方法では補正が難しい場合でも、フィーダリンクFLにおけるドップラーシフトを精度よく補正してフィーダリンクFLの通信エラーの発生を防止することができる。
特に、図10のドップラーシフト補正制御によれば、時間t0における速度ベクトルvを直接測定しているので、時間t0における速度ベクトルvの精度を高めることができるとともに、通信中継装置15の複数のGNSS位置情報(例えば2つの飛行地点)とサンプリング時間間隔Δtとに基づいて速度ベクトルvを計算する必要がないためドップラーシフト推定部162における処理の負荷を低減することができる。
図11は、図9のドップラーシフト補正制御部16におけるドップラーシフト補正制御の他の例を示すフローチャートである。図11の例は、通信中継装置15のGNSS位置情報及び速度ベクトルから推定したドップラーシフトに基づく第1の補正に加えて、通信中継装置15で中継される移動通信の既知信号(参照信号又は同期信号)から推定したドップラーシフトに基づく第2の補正を更に実行する例である。なお、図11における処理ステップS501〜S503は前述の図10の処理ステップS401〜S403と同様な処理ステップである。また、図11における処理ステップS504、S505は前述の図7の処理ステップS205、S206と同様な処理ステップである。
以上、図11のドップラーシフト補正制御によれば、上記第1の補正においてGNSS位置情報の位置誤差、速度ベクトルの測定誤差、位置情報取得・速度ベクトル測定のタイミングからドップラーシフト補正タイミングまでの遅延時間などに起因して補正しきれずに残留ドップラーシフトfd’が発生する場合でも、その残留ドップラーシフトfd’を補正することができ、フィーダリンクFLの通信エラーの発生を更に精度よく確実に防止することができる。
図12は、図9のドップラーシフト補正制御部16におけるドップラーシフト補正制御の更に他の例を示すフローチャートである。図12の例は、通信中継装置15のGNSS位置情報及び速度ベクトルから推定したドップラーシフトが所定の閾値fthよりも大きい場合のみ上記第1の補正を実行している例である。なお、図12における処理ステップS601、S602は、前述の図10の処理ステップS401、S402と同様な処理ステップである。また、図12における処理ステップS603〜S606は、前述の図8の処理ステップS304〜S307と同様な処理ステップである。
特に、図12のドップラーシフト補正制御によれば、通信中継装置(飛行体)15の速度が低速度である場合などドップラーシフトfdが小さい場合、ドップラーシフトを精度よく補正できるとともに、上記通信中継装置15のGNSS位置情報及び速度ベクトル測定結果から推定したドップラーシフトに基づく第1の補正を実行しないので中継通信局150における処理の負荷を低減することができる。
なお、上記実施形態では、フィーダリンクFLにおけるドップラーシフトの推定及び補正を上空を飛行している通信中継装置(飛行体)15で行っているが、フィーダリンクFLにおけるドップラーシフトの推定及び補正の少なくとも一方をフィーダ局70で行ってもよい。
例えば、ドップラーシフトの推定処理を通信中継装置(飛行体)15で行い、ドップラーシフトの補正処理をフィーダ局70で行う場合、通信中継装置(飛行体)15がフィーダリンクのドップラーシフト(シフト方向及びシフト量)の推定結果に基づいて、フィーダリンクの下りリンク信号及び上りリンク信号の少なくとも一方に適用する周波数オフセット(オフセットの方向及び大きさ)を決定し、その周波数オフセットを含む補正情報を、フィーダ局(リピーター親機)70に通知するように制御してもよい。補正情報の周波数オフセットは、フィーダリンクで送受信される下りリンク信号及び上りリンク信号それぞれの周波数を、推定したドップラーシフトとは逆方向にシフトさせる補正を行うための情報である。
通信中継装置15の中継通信局150は、補正報情を、上りリンク信号としてフィーダリンク経由でフィーダ局(リピーター親機)70へ通知してもよいし、専用の別回線(別リンク)を使用して通知してもよい。フィーダ局(リピーター親機)70は、中継通信局150から受信した補正情報に基づいて、フィーダリンクの下りリンク信号の周波数に上記周波数オフセットを適用して補正することができる。また、フィーダ局(リピーター親機)70は、中継通信局150から受信した補正情報に基づいて、フィーダリンクの上りリンク信号の周波数に上記周波数オフセットを適用して補正することができる。
また、上記実施形態では、フィーダリンクFLにおけるドップラーシフトの推定及び補正を行っているが、サービスリンクSLにおけるドップラーシフトの推定及び補正を更に行ってもよい。例えば、通信中継装置15の複数の位置情報とサンプリング時間間隔Δtとに基づいて、通信中継装置15の中継通信局150が形成するセル100Aの中心点を基準にした通信中継装置15の速度ベクトルvを推定し、速度ベクトルvの推定結果と通信中継装置15の位置情報とに基づいて、通信中継装置15とセル100Aとの間のサービスリンクSLの無線通信におけるドップラーシフトfdを推定する。そして、このドップラーシフトfdの推定結果に基づいてサービスリンクSLの無線通信の周波数を補正することにより、セル100Aに対する通信中継装置15の相対移動に起因した受信信号のドップラーシフトによるサービスリンクの通信品質の低下を抑制できる。
また、通信中継装置15の位置情報と通信中継装置15の速度ベクトルvの測定結果とに基づいて、通信中継装置15とセル100Aとの間のサービスリンクSLの無線通信におけるドップラーシフトfdを推定する。そして、このドップラーシフトfdの推定結果に基づいてサービスリンクSLの無線通信の周波数を補正することにより、セル100Aに対する通信中継装置15の相対移動に起因した受信信号のドップラーシフトによるサービスリンクの通信品質の低下を抑制できる。
また、上記実施形態では、上空の通信中継装置15に設けた中継通信局がリピーター子機である場合について説明したが、上空の通信中継装置15に設けた中継通信局は移動通信システムの基地局(例えば、3GPPのLTE等に準拠したeNodeB、3GPPの第5世代の移動通信規格に準拠したgNodeBなど)であってもよい。また、通信中継装置15に設けた中継通信局は、Wi−Fi等の無線LANのアクセスポイント(AP)装置であってもよい。
なお、本明細書で説明された処理工程並びに飛行体などの通信中継装置15の中継通信局、フィーダ局、遠隔制御装置、サーバ、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)及び基地局における基地局装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、中継通信局、フィーダ局、基地局装置、中継通信局装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、遠隔制御装置、サーバ、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
15 :通信中継装置(飛行体)
61 :端末装置
70 :フィーダ局(リピーター親機)
75 :GNSS衛星
80 :移動通信網
85 :遠隔制御装置(管制センター)
90 :基地局(eNodeB)
100A :セル
150 :中継通信局(リピーター子機)
161 :GNSS受信部
162 :ドップラーシフト推定部
163 :ドップラーシフト補正部
164 :ジャイロセンサ
1631 :補正電圧発生器
1632 :ドップラー補正周波数発生器
1633d :ミキサー
1633u :ミキサー

Claims (15)

  1. フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置を備えた通信システムであって、
    所定のサンプリング時間間隔で前記通信中継装置の複数の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記通信中継装置の複数の位置情報と前記サンプリング時間間隔とに基づいて、前記通信中継装置の速度を推定し、前記速度の推定結果と前記通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する推定部と、
    前記推定部のドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する補正部と、を備え
    前記推定部は、前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定し、
    前記補正部は、前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正する、ことを特徴とする通信システム。
  2. フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置を備えた通信システムであって、
    前記通信中継装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記通信中継装置の速度を測定する速度測定部と、
    前記通信中継装置の位置情報と前記通信中継装置の速度の測定結果とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する推定部と、
    前記推定部のドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する補正部と、を備え
    前記推定部は、前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定し、
    前記補正部は、前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正する、ことを特徴とする通信システム
  3. 求項1又は2の通信システムにおいて、
    前記補正部は、前記ドップラーシフトの推定結果が所定の閾値よりも大きいか否か又は前記閾値以上か否かを判断し、前記判断が肯定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行い、前記判断が否定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行わないことを特徴とする通信システム。
  4. フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置であって、
    所定のサンプリング時間間隔で前記通信中継装置の複数の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記通信中継装置の複数の位置情報と前記サンプリング時間間隔とに基づいて、前記通信中継装置の速度を推定し、前記速度の推定結果と前記通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する推定部と、
    前記推定部のドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する補正部と、を備え
    前記推定部は、前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定し、
    前記補正部は、前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正する、ことを特徴とする通信中継装置。
  5. フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置であって、
    前記通信中継装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記通信中継装置の速度を測定する速度測定部と、
    前記通信中継装置の位置情報と前記通信中継装置の速度の測定結果とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する推定部と、
    前記推定部のドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する補正部と、を備え
    前記推定部は、前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定し、
    前記補正部は、前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正する、ことを特徴とする通信中継装置
  6. 求項4又は5の通信中継装置において、
    前記補正部は、前記ドップラーシフトの推定結果が所定の閾値よりも大きいか否か又は前記閾値以上か否かを判断し、前記判断が肯定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行い、前記判断が否定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行わないことを特徴とする通信中継装置。
  7. 請求項乃至のいずれかの通信中継装置において、
    上空を飛行して移動可能であることを特徴とする通信中継装置。
  8. 請求項1乃至のいずれかの通信中継装置において、
    前記中継通信局は、移動通信の基地局に接続されたリピーター親機との間で無線通信を行うリピーター子機であることを特徴とする通信中継装置。
  9. 請求項1乃至のいずれかの通信中継装置において、
    前記中継通信局は、移動通信の基地局であることを特徴とする通信中継装置。
  10. フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置におけるフィーダリンクのドップラーシフト補正方法であって、
    所定のサンプリング時間間隔で前記通信中継装置の複数の位置情報を取得することと、
    前記通信中継装置の複数の位置情報と前記サンプリング時間間隔とに基づいて、前記通信中継装置の速度を推定することと、
    前記速度の推定結果と前記通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定することと、
    前記ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正することと、
    前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定することと、
    前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正することと、を含むことを特徴とするドップラーシフト補正方法。
  11. フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置におけるドップラーシフト補正方法であって、
    前記通信中継装置の位置情報を取得することと、
    前記通信中継装置の速度を測定することと、
    前記通信中継装置の位置情報と前記通信中継装置の速度の測定結果とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定することと、
    前記ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正することと、
    前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定することと、
    前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正することと、を含むことを特徴とするドップラーシフト補正方法
  12. 請求項10又は11のドップラーシフト補正方法において、
    前記ドップラーシフトの推定結果が所定の閾値よりも大きいか否か又は前記閾値以上か否かを判断することと、
    前記判断が肯定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行うことと、
    前記判断が否定のときに前記フィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行わないことと、を含むことを特徴とするドップラーシフト補正方法。
  13. フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置におけるフィーダリンクのドップラーシフト補正をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    所定のサンプリング時間間隔で取得した前記通信中継装置の複数の位置情報と、前記サンプリング時間間隔とに基づいて、前記通信中継装置の速度を推定する工程と、
    前記速度の推定結果と前記通信中継装置の位置情報とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する工程と、
    前記ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する工程と、
    前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定する工程と、
    前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正する工程とを、前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  14. フィーダリンクの無線通信とサービスリンクの無線通信とを中継する中継通信局を有する移動型の通信中継装置におけるフィーダリンクのドップラーシフト補正をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記通信中継装置の位置情報と前記通信中継装置の速度の測定結果とに基づいて、前記通信中継装置の中継通信局とフィーダリンクの中継局との間のフィーダリンクの無線通信におけるドップラーシフトを推定する工程と、
    前記ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記フィーダリンクの無線通信の周波数を補正する工程と、
    前記中継通信局で中継される移動通信の既知信号に基づいて、前記補正後の周波数に残留している残留ドップラーシフトを推定する工程と、
    前記残留ドップラーシフトの推定結果に基づいて、前記補正後の周波数を更に補正する工程とを、前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  15. 請求項13又は14のプログラムにおいて、
    前記ドップラーシフトの推定結果が所定の閾値よりも大きいか否か又は前記閾値以上か否かを判断する工程と、
    前記判断が肯定のときにフィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行い、前記判断が否定のときにフィーダリンクの無線通信の周波数の補正を行わない工程とを、前記コンピュータに更に実行させることを特徴とするプログラム。
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