JP6735765B2 - 位置に依存するコンテンツを表示するためのシステムおよび方法 - Google Patents

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Description

関連する件の申し立て
本件は、参照により本明細書に組み込まれる、2015年3月3日に出願した米国特許出願第62/127,434号の優先権を主張するものである。
本開示は、マルチビューディスプレイおよびそのそれらの使用に関する。
標識およびディスプレイは、距離、角度、および状況の限られた範囲の外側にいる視認者には理解できないかまたは無関係であることが多い。ディスプレイに関連する視認者の位置に応じて、表示されるコンテンツは、小さすぎるか、歪んでいるか、部分的に遮断されるか、または有用でないか、有意義でないか、もしくはさらには関心の対象とならない可能性がある。場合によっては、ディスプレイのサイズが許すよりも多くのコンテンツをそのディスプレイ上に含める必要がある可能性がある。または、複数の視認者がそれぞれが見たい特定のコンテンツに同時にアクセスすることを可能にしたいという望みがある可能性がある。場合によっては、同じディスプレイ上に、同時に見られた場合に相容れない、気を散らす、または詰め込みすぎた様々なメディアを見せることが望ましい可能性がある。さらなる場合には、情報が特定の順序でまたは特定の時間にのみ表示されることを保証する必要がある可能性がある。
多くの要因が、標識およびディスプレイの有効性に影響を与える。1つの要因は、視認位置である。たとえば、遠くからディスプレイを見る者は、小さすぎるかまたはいっぱいになって見える可能性があるそのディスプレイのコンテンツを見分けることができない可能性がある。極端な角度でディスプレイを見ることは、コンテンツが歪んでいるように見せる可能性がある。また、周囲の環境によっては、表示されるコンテンツが部分的に遮られる可能性がある。
別の要因は、ディスプレイのサイズに対するコンテンツの相対的な量である。ときには、いかなる視認距離からも容易に理解され得る縮尺ですべての所望のコンテンツを含めることができない可能性がある。第3の要因は、表示されるコンテンツの点で、複数の視認者または複数のスポンサーの側に利害の対立がある可能性があることである。
さらに別の要因は、コンテンツ自体の性質に関する。たとえば、ディスプレイが(近くとは対照的に)遠くからまたは異なる状況で見ている人に関連性のあるコンテンツを有さない場合がある可能性がある。さらに、一部の見ている人からコンテンツを隠すことが望ましい事例がある可能性がある。場合によっては、特定の順序で見るように意図された情報が、狂った順序で見られる。または、ディスプレイは、同時に見られる場合に相容れない様々なコンテンツを提示する可能性がある。これらのおよびその他の状況は、標識およびディスプレイの有効性を減少させる。
これらの問題に対する1つの解決策は、当然ながら、複数のディスプレイを設定することである。そのようなマルチディスプレイシステムにおいては、すべての所望の位置のために適切に順序付けられたすべての適切なメッセージを表示するディスプレイが、許容可能な視認角度で、視界を遮られず、読むことが可能な距離にあり、位置に関連する情報を提供することを保証する可能性がある。任意の1つのディスプレイ上の余りにも多くのコンテンツがある場合、またはそうではなくてそのようなコンテンツがその他のコンテンツと競合する場合、そのコンテンツは、複数のディスプレイに分散され得る。この解決策の欠点は、ディスプレイによって空間がいっぱいになること、複数のディスプレイを購入し、設置し、保守しなければならないこと、および関連するコンテンツを探してディスプレイの間を歩き回る可能性がある視聴者を混乱させる可能性があることを含む。さらに、多くの場合、単一のディスプレイのためのゆとりしかない可能性がある。
上述の問題の少なくとも一部に対処する別の解決策は、同じディスプレイ上で時間の経過とともに異なるコンテンツを循環させて表示することである。これは、特定の距離、角度、状況、視線、およびメッセージの順序で視認者のためのコンテンツを最適化することを可能にする。余りにも多くのコンテンツがあるとき、またはそれらのコンテンツが別々に見られるべきである状況では、コンテンツは、経時的に表示され、提示される。この解決策の欠点は、視認者の位置および関心を対象とするコンテンツを待つまたは認識しようとする視認者によって経験される退屈、混乱、および苛立ちである。潜在的な視認者は、悪いタイミングでディスプレイの位置を通りかかり、それらの視認者を対象とするメッセージを見逃し、それらの視認者のニーズに的を絞ったコンテンツがやがて示されることに気がつかない可能性がある。さらに、それぞれの位置によって最適化された視認者に固有のメッセージは、その他のメッセージと時間を分け合うことになるので、ディスプレイ上の時間が減ることになる。
本発明は、単一のディスプレイ上で、同時に、視認者に対する別々の/異なる視覚メディアをディスプレイの視認領域の異なるゾーン内に提示するための方法を提供する。
本発明者らは、背景技術のセクションで検討される問題および既存の解決策の限界が生じる原因は、大半の標識およびディスプレイがすべての視認者のためにいつも同じコンテンツを提示するためであることを認識した。それは、視認者の位置に無関係に、コンテンツが識別可能であることを保証する縮尺で(かなりの量の)コンテンツを提示するという課題に無関係に、およびすべてのコンテンツを同じディスプレイ上に同時に示すことが適切であるかどうかに無関係に、該当する。したがって、標識およびディスプレイが異なる視認者に異なるコンテンツを同時に提示し、視認者の距離、視認者の関心、コンテンツの量、視認角度、障害物、位置に基づく関連性、順番付け、相互の適切性、およびその他の要因のうちの1つまたは複数を保証するためにそのコンテンツを調整することを可能にする解決策は、多くの標識およびディスプレイをより用途が広く、効果的で、効率的にする。
出願人は、同時係属中の出願においてマルチビューディスプレイシステムの実装を開示した。すべてのそのようなシステムは、異なる視認者に対して異なるコンテンツを表示するために異なる輝度および色の光を異なる角度の方向に制御可能なように照射することができる。出願人は、ほとんどの標識、信号、およびディスプレイがすべての視認者のために同じコンテンツを提示するという事実に対処するための基礎をマルチビューディスプレイが提供することを認識した。しかし、下記でより明確になる理由で、出願人によって既に開示されたマルチビューディスプレイシステムの実装は、背景技術のセクションにおいて検討されるすべての欠点に対処するわけではない。既に開示された出願人のマルチビューディスプレイテクノロジーの検討は、本発明の実施形態によってなされる改善を理解するのに役立つと考えられる。
出願人のマルチビューディスプレイにおいて、画像は、マルチビューピクセルの集合として形成される。マルチビューピクセルは、輝度だけではなく、放たれる光の空間的分布も制御することができる。特に、マルチビューピクセルは、たとえば、限定することなく、特定の方向に光を放ち、その他の方向に光を放たないように命じられる可能性がある。または、マルチビューピクセルは、異なる方向に発せられる光の輝度を独立して調整するように命じられる可能性がある。発せられる光のその他のパラメータも、発光の異なる方向に関して独立して調整される可能性がある。
マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルは、「ビームレット(beamlet)」(この語は標準的な辞書には見られない)を発する。ビームレットは、個々に制御され得る発せられる光の要素である。特に、ビームレットは、マルチビューピクセルによって発せられる/投射される光であり、複数のビームレットが、各マルチビューピクセルからある範囲の方向に発せられる/投射される可能性がある(それらの用語は、以降、交換可能に使用される)。各ビームレットは、同じマルチビューピクセルから発せられたそれぞれのその他のビームレットとは独立して制御される可能性があり、ビームレットの間の角度分解能は、非常に高い可能性がある。
個々のビームレットが発せられる厳密な方向は、マルチビューピクセルの位置および向きによって決まる。視認空間内のビームレットの経路を定義するために、較正が実行されることが有利である。較正は、互いに対するおよびマルチビューディスプレイの本体に対するマルチビューピクセルの位置および向きならびに視認環境に対するマルチビューディスプレイの向きを考慮に入れる。一部の実施形態において、較正は、マルチビューディスプレイの視認領域内の位置とビームレットとの間の関係のテーブルを生成するプロセスである。マルチビューディスプレイの運用者が特定の位置にいる視認者に特定の画像を見せたいとき、テーブルは、どのビームレットが使用されるべきであるかを示す。較正の手順は、参照により本明細書に組み込まれる、2016年1月20日に出願した、発明の名称を「Method for Calibrating a Multi-view Display」とする米国特許出願第15/002,014号において検討されている。
マルチビューピクセルの機能は、おそらく、その機能を通常のディスプレイの通常のピクセルの機能と比較することによって最も良く理解される。通常のピクセルは、単に、特定の種類の光をすべての発光方向に発する光源である。たとえば、通常のテレビにおいて、ピクセルは、概して、電気的に励起されるときに輝く材料を用いて実装される。輝きは、通例、3原色のうちの1つの色である。輝く材料は、色の付いた光をすべての方向に一様に発する。
通常のピクセルとは対照的に、マルチビューピクセルは、異なる方向に異なる光を放つことができる。各方向に、特定の種類の光が、細いビーム、すなわち上述のビームレットとして発せられる。
マルチビューディスプレイシステムは、通常のディスプレイと比較して極めて用途が広いが、異なる方向に異なるコンテンツを示すことに(各ピクセルに関して)限定される。本発明の実施形態はそのように限定されない。
例示的な実施形態によるディスプレイシステムは、マルチビューディスプレイ(MVD)、コンピュータ、および感知システムを含む。
本発明の一部の実施形態によれば、異なるコンテンツが、MVDから異なる「深度」に置かれた空間的に異なるゾーン内にある異なる視認位置に対して表示される。たとえば、一部のそのような実施形態において、MVDの視認領域は、MVDからの空間的に異なるゾーンの距離に基づいて異なる複数の空間的に異なるゾーンに分離される。異なるコンテンツが、(必ずそうとは限らないが)概して、ゾーンとのコンテンツの何らかの状況によって決まる関連性(contextual relevance)に基づいて各ゾーン内に表示される。コンテンツとゾーン/視認位置との間の状況によって決まる関連性は、とりわけ、以下の非限定的な状況で生じる可能性がある。
・コンテンツが、ゾーン/視認位置の近くの環境に依存する。
・コンテンツが、ゾーン/視認位置に関連する視覚的な損失を克服するために選択的に修正される。
・コンテンツが、ゾーン/視認位置の指定された経路に沿ってディスプレイに対して相対的に移動する視認者にコンテンツのシーケンスを提供するように設計される。
・特定のコンテンツへのアクセスが、特定のゾーン/視認位置からディスプレイを見ることによって達成される。
深度に基づく空間的に異なるゾーンにおいては、所与のゾーンがMVDに対して別のゾーンのすぐ「後ろ」または「前」にある可能性がある(たとえば、図4Aなどを参照)ために、そのようなゾーン内の多くの視認位置は、同じ視認角度を共有する。
問題は、空間的に異なるゾーン内の複数の潜在的な視認位置がMVDの1つまたは複数のマルチビューピクセルに対して同じ視認角度を共有するときに生じる。既に示されたように、MVDは、視認角度によって、異なるコンテンツを表示するそのMVDの能力の点で根本的に制限される。つまり、ただ1つの画像などが、MVDに対して所与の角度で見るために表示される可能性がある。さらに、ゾーンの上述の深度に基づく配列においては、遮蔽の可能性が生じる。特に、異なるゾーン内で共有される視認角度が原因で、第1のゾーン内の第1の視認者のMVDの特定のピクセルへの視線が、第2のゾーン内の別の視認者の存在によって遮蔽される可能性がある。共有された視線に沿ってどのコンテンツを示すべきかの競合は、障害物の知識なしには解決され得ない。
共有された視認角度の潜在的な問題に対処するために、本発明の一部の実施形態においては、感知システムが、視認領域の空間的に異なるゾーン内の「障害物」の存在および位置に関するリアルタイムの情報を取得する。(ビームレットの伝搬に対する)障害物は、床、視認者、(柱などの)無生物、または視認領域の空間的に異なるゾーン内の任意のその他の存在である可能性がある。一部の実施形態において、情報は、深度を認識するカメラ(たとえば、ステレオカメラ、飛行時間カメラなど)によって取得され得るような深度マップの形態である。より広く視認領域の3D幾何学配置と考えられ得る視認領域のそのような評価は、視認領域内の物体/障害物の存在および位置を示す。ディスプレイ自体に関する較正情報(つまり、MVDの各マルチビューピクセルから投射される各ビームレットの経路およびMVDの空間内の位置を提供する数学的記述)と併せてこの情報を使用して、システムは、ビームレットの着地点を推定することができる。推定された着地点を用いて、コンテンツ部分が、視認領域の特定の空間的に異なるゾーン内の着地点の存在に応じて各着地点に割り振られ得る。
一部の実施形態においては、差異化されたコンテンツが互いに異なる複数のコンテンツ部分を含む、差異化されたコンテンツを同時に表示するためのシステムが、複数のマルチビューピクセルを含むマルチビューディスプレイと、マルチビューディスプレイの視認領域の3次元の幾何学配置の特徴付けを取得する感知システムと、
特徴付けを使用して、
(a)マルチビューピクセルによって発せられた少なくともいくつかのビームレットに関して視認領域内の着地点(landing spot)の位置を推定すること、
(b)着地点の少なくともいくつかにコンテンツ部分を割り振ることであって、コンテンツ部分のいくつかが互いに異なる、割り振ること、および
(c)コンテンツの割り振りに基づいて、特定の空間的に異なるゾーン内の位置に応じて前記いくつかの着地点に関連するビームレットの色および強度を設定することを行うコントローラとを含む。
一部の実施形態においては、差異化されたコンテンツをマルチビューディスプレイによって同時に表示するための方法が、
マルチビューディスプレイの視認領域内に複数の空間的に異なるゾーンを定義するステップと、
複数の空間的に異なるゾーンに差異化されたコンテンツを関連付けるステップであって、差異化されたコンテンツが、互いに異なる複数のコンテンツ部分を含み、さらに、空間的に異なるゾーンのそれぞれの空間的に異なるゾーンに関連付けられたコンテンツ部分の少なくともいくつかが互いに異なる、ステップと、
マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルによって投射されたビームレットの複数の着地点のうちの少なくともいくつかに関して位置を推定するステップと、
前記いくつかの着地点の各々がどの空間的に異なるゾーン内にあるかを判定するステップと、
特定の空間的に異なるゾーン内の位置に応じて、前記いくつかの着地点に関連するビームレットを駆動して、前記いくつかの着地点において適切なコンテンツ部分が見えるようにするステップとを含む。
本発明の例示的な実施形態による、空間的に異なるゾーンに差異化されたコンテンツを同時に表示するためのマルチビューディスプレイ(MVD)システムを示す図である。 図1のMVDシステムで使用するためのシステムコントローラの実施形態を示す図である。 図1のMVDシステムで使用するためのコンテンツサーバの実施形態を示す図である。 空間的に異なるゾーンに分離されたマルチビューディスプレイの視認領域を示し、いくつかの遮蔽の事例を示す図である。 空間的に異なるゾーンに分離されたマルチビューディスプレイの視認領域を示し、いくつかの遮蔽の事例を示す図である。 空間的に異なるゾーンに分離されたマルチビューディスプレイの視認領域を示し、いくつかの遮蔽の事例を示す図である。 空間的に異なるゾーンに分離されたマルチビューディスプレイの視認領域を示し、いくつかの遮蔽の事例を示す図である。 空間的に異なるゾーンに分離されたマルチビューディスプレイの視認領域を示し、いくつかの遮蔽の事例を示す図である。 空間的に異なるゾーンに分離されたマルチビューディスプレイの視認領域を示し、いくつかの遮蔽の事例を示す図である。 図1のシステム、および差異化されたコンテンツを見るための空間的に異なるゾーンの第1の配列へと分離された関連する視認領域を示す図である。 様々な実施形態に関して、図5の様々な空間的に異なるゾーンのうちの1つの中の視認者の位置に基づいて3人の視認者に対して表示される3つの異なるコンテンツ部分を示す図である。 様々な実施形態に関して、図5の様々な空間的に異なるゾーンのうちの1つの中の視認者の位置に基づいて3人の視認者に対して表示される3つの異なるコンテンツ部分を示す図である。 様々な実施形態に関して、図5の様々な空間的に異なるゾーンのうちの1つの中の視認者の位置に基づいて3人の視認者に対して表示される3つの異なるコンテンツ部分を示す図である。 図1のシステム、および差異化されたコンテンツを見るための空間的に異なるゾーンの第2の配列へと分離された関連する視認領域を示す図である。 図1のシステム、および差異化されたコンテンツを見るための空間的に異なるゾーンの第3の配列へと分離された関連する視認領域を示す図である。 図1のシステム、および差異化されたコンテンツを見るための空間的に異なるゾーンの第4の配列へと分離された関連する視認領域を示す図である。 図1のシステム、および差異化されたコンテンツを見るための空間的に異なるゾーンの第5の配列へと分離された関連する視認領域を示す図であり、コンテンツは、特定の空間的に異なるゾーン内の視認者の存在に応じて順序付けられる。 図1のシステム、および部分的に遮蔽された視認位置に差異化されたコンテンツを提示する方法を示す図である。 図1のシステム、および極端な視認角度が原因で生じる歪みを補償する、差異化されたコンテンツを提示する方法を示す図である。 本発明の例示的な実施形態による差異化されたコンテンツをマルチビューディスプレイによって同時に表示するための方法を示す図である。
下記に表れる用語およびそれらの用語の変化形が、本開示および添付の請求項において使用するために以下の通り定義される。
・「関連付ける」は、コンテンツと位置との間の関係の文脈で使用されるとき、コンテンツが位置(視認者の特定の位置かまたは複数の視認者を収容するのに十分に大きいゾーンかのどちらかである可能性がある)に向けて表示されるように意図されることを意味する。
・「コンテンツ」は、光、色、および複合メディアを限定なしに含む、MVDによって視認者に届けられるあらゆるものを意味する。例として、いくつかの状況では、光、色、またはメディアがないことが、コンテンツと考えられる可能性がある。
・「コンテンツ部分」は、所与の空間的に異なるゾーンに対して表示されるコンテンツである。
・「差異化されたコンテンツ」は、互いに異なる複数のコンテンツ部分を意味する。
・「ビームレット」は、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルによって発せられた光の基本的実体(elemental entity)である。この語は、標準的な辞書には見られない。この語は、本開示および関連する検討の目的で本明細書において作り出された。マルチビューピクセルの一部の実装において、マルチビューピクセルは、通常の画像プロジェクタに似ている。通常の画像プロジェクタは、複数の細い光のビームを投射スクリーンに投射する。それぞれの光のビームは、サーチライトまたは灯台によって発せられた光のビームに似ている。通常のプロジェクタによれば、それぞれの投射されるピクセルに1つのそのようなビームが存在する。そのようなビームの数の多さおよび概して小さなサイズのために、語「ビームレット」が、それらのビームのうちの1つを指すために作り出された。マルチビューピクセルは、いくつかのビームレットを発するという点で画像プロジェクタに似ているが、ビームレットは、スクリーン上に画像を形成するように意図されていない。むしろ、ビームレットは、視認者の目に入るように意図されている。概して、意図される視認者は人であるが、カメラなどの光学デバイスもマルチビューディスプレイとともに使用される可能性があり、意図される視認者が動物、カメラ、またはその他の撮像の主体などの人ではない視認者である可能性があるマルチビューディスプレイの応用を考えることが可能である。
マルチビューピクセルにおいて、各ビームレットの光は、その他のビームレットの光とは独立して制御され得る。たとえば、限定することなく、個々のビームレットの光の強度および/または色は、その他のビームレットの光の強度および/または色とは独立して制御可能である可能性がある。ビームレットの光のその他のパラメータも、制御される可能性があり、そのようなその他のパラメータは、たとえば、ほんのいくつか例を挙げるとすれば、分光組成、偏光、ビームレットの形状、ビームレットのプロファイル、その他のビームレットとの重なり、焦点、空間的コヒーレンス、時間的コヒーレンスなどを含む。
マルチビューピクセルを見る視認者は、1つまたは複数のビームレットの光を見、特に、視認者は、マルチビューピクセルによって発せられ、視認者の瞳に入るビームレットの光を見る。視認者は、マルチビューピクセルを、それらのビームレットの組み合わされた光によって輝くものとして知覚する。通常のピクセルと同様に、マルチビューピクセルは、マルチビューピクセルを見る視認者によって知覚される様々な形状を有する可能性がある。
ビームレットは、懐中電灯のビームのようにある範囲の角度に広がるという点で光線(ray)とは異なる。しかし、ほとんどの実装において、ビームレットは極めて細い。説明の便宜上、ビームレットは、はっきりと定義された方向および照らされる面と単一の交点を有する光線として近似され得る。
・「マルチビューディスプレイ」は、異なる視認者に異なる画像を示すことができるディスプレイである。マルチビューディスプレイに対して相対的な視認者の位置に基づいて、個々の視認者は、同じマルチビューディスプレイを同時に見ながら、互いに異なる画像を見る可能性がある。これは、視認者がディスプレイに対してどこに位置するかにかかわらずすべての視認者に同じ画像を示す通常のディスプレイとは対照的である。マルチビューディスプレイにおいて、画像は、マルチビューピクセルを含むピクセルの集合として形成される。
・「マルチビューピクセル」は、マルチビューディスプレイの最も小さな画像形成単位である。マルチビューピクセルは、通常のディスプレイ(非マルチビューディスプレイ)において使用される種類のピクセルのより柔軟なバージョンである。典型的な通常のディスプレイにおいて、ピクセルは、電気的励起に応じて光を発し、ピクセルの輝度は、励起の程度に応じて決まる。それぞれの通常のピクセルは、すべての視認者が視認者の位置にかかわらず同じようにピクセルを知覚するように、すべての方向に光を発する。
マルチビューピクセルは、その代わりに、輝度だけではなく、放たれる光の空間的分布も制御することができる。特に、マルチビューピクセルは、たとえば、特定の方向に光を放ち、その他の方向に光を放たないように命じられる可能性があり、または異なる方向に発せられる光の輝度を独立して調整するように命じられる可能性がある。発せられる光のその他のパラメータも、発光の異なる方向に関して独立して調整される可能性がある。
・マルチビューディスプレイの「視認領域」は、マルチビューディスプレイの視認者がマルチビューディスプレイの機能を体験し得る可能な位置の範囲を意味する。特に、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルは、可能な方向の範囲内でビームレットを発することができる。視認者は、少なくとも1つのビームレットを見るためにその範囲内にいなくてはならず、そうでない場合、マルチビューピクセルは、画像の形成のために使用可能でない。視認者がマルチビューディスプレイの表示面全体を覆う画像を見るために、視認者は、すべてのマルチビューピクセルのビームレットの範囲内にいなくてはならない。視認空間は、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルの少なくとも1つのビームレットが観察され得る任意の空間である。
ディスプレイの設計者は、概して、視認者がディスプレイを見るための可能な位置の目標範囲を与えられる。マルチビューディスプレイにおいては、すべてのビームレットの範囲がすべてのそれらの視認者の位置で重なるように互いに対してマルチビューピクセルを配向することが有利である。概して、これは表示面の異なる部分のマルチビューピクセルの異なる配向をもたらす可能性が高く、すべてのマルチビューピクセルの相対的な配向を事前に知ることは難しい。同時係属中の米国特許出願第15/002,014号において検討されているような較正が、必要な配向情報を提供し、したがって、ディスプレイの設計者に必要に応じてマルチビューピクセルを配向する自由を与え得る。
・「空間的に異なるゾーン」は、視認領域内の1つまたは複数の定義された区画である。所与の空間的に異なるゾーン内で、MVDは、そのゾーン内のどこでも視認者に対して同じコンテンツを表示することによるなどして共通の体験を提供する。特定の空間的に異なるゾーンに割り振られるコンテンツは、場合によっては、コンテンツとゾーンの間の状況によって決まる関係の存在に基づいて割り振られる。そのような状況によって決まる関係の非限定的な例は、第1の空間的に異なるゾーンが第2の空間的に異なるゾーンよりもMVDに近い場合に、第1の空間的に異なるゾーンに対して提示されるコンテンツが、第2の空間的に異なるゾーンに対して提示されるコンテンツより多くのテキスト、より小さなテキスト、またはより詳細な画像などを含む可能性があることである。第1のおよび第2の空間的に異なるゾーンに対して表示されるコンテンツは、例と同様に、上記の定義の通りに個々に「コンテンツ部分」と呼ばれる。第1のおよび第2の空間的に異なるゾーンに対して表示されるコンテンツ部分が互いに異なる限り、それらのコンテンツ部分は、集合的に、「差異化されたコンテンツ」と呼ばれる。(よくあるように)視認領域内に複数の空間的に異なるゾーンが存在する実施形態において、そのようなゾーンは、連続しているとは限らない。該当する場合、それぞれの空間的に異なるゾーンは、3次元空間(つまり、面積および高さ)と考えられるか、または単に面積と考えられる可能性がある。
・「視認位置」は、単一の視認者がディスプレイを観察し得る特定の位置である。必ずそうとは限らないが、概して、空間的に異なるゾーン内または視認領域内に複数の視認位置が存在する。
さらなる定義が、状況に応じて本開示の至る所に現れる。
図1は、位置に依存するコンテンツを表示するためのシステム100を示す。システム100は、マルチビューディスプレイ(MVD) 102、システムコントローラ104、感知システム106、およびコンテンツサーバ108を含む。
MVD 102は、視認位置の違いに基づいて異なる視認者に対して異なる画像を表示することができる。MVDの動作の原理は当業者に知られており、したがって、ごく簡単に検討される。一方のLCD、LED、プラズマ、または投写型ディスプレイなどの従来型のディスプレイと他方のマルチビューディスプレイとの間の顕著な違いは、前者がすべての視認者に同じ画像を表示する一方で、後者は異なる視認者に異なる画像を同時に表示することができることである。
既に検討されたように、MVD 102は、異なる角度で異なる色および輝度の光を発する1つまたは複数の投射要素または「マルチビューピクセル」103を含む。一部の実施形態において、各投射要素は、光源、撮像装置、およびレンズを含む。好適な撮像装置の例は、デジタルマイクロミラーデバイス、液晶、発光ダイオード、および/または液晶オンシリコン(LCOS: liquid crystal on silicon)を限定なしに含む。各投射要素は、ディスプレイの単一のピクセルである、したがって、別名「マルチビューピクセル」であると考えられ得る。フルグラフィックマルチビューディスプレイが、そのような投射要素のアレーから形成される。一部の実施形態において、各マルチビューピクセルは、独自のプロセッサによって制御される。一部のその他の実施形態において、プロセッサは、複数のマルチビューピクセル、ただし、MVDを構成するマルチビューピクセルのすべてではなく一部を制御する。一部の実施形態において、MVD内のそのようなプロセッサのすべてが、ネットワーク(たとえば、イーサネット(登録商標)、InfiniBand、I2C、SPI、Wi-Fiなど)またはより広く通信チャネル(たとえば、HDMI(登録商標)など)を介して接続される。
光源は、撮像装置を照らし、撮像装置は、レンズを通して光をフィルタリングするかまたは導く。レンズは、撮像装置の異なる位置から受光された光を異なる方向に導くことができる。たとえば、1920×1080の解像度のマルチビューピクセルは、光(本明細書においては「ビームレット」と呼ばれるそれぞれの制御可能なビーム)を2百万の方向に制御可能なように導くことができる。異なるビームレットに対応する異なる方向の色および輝度は、異なる可能性がある。視認者の観点からすると、各要素は、たとえ投射が暗すぎていかなる画像も近くの面上で見えないとしても、視認者に投射される光(ビームレット)の色および輝度の光源であるように見える。結果として、視認者の観点から見た各マルチビューピクセルの見え方は、視認者がそのマルチビューピクセルを見る角度に依存する。
MVD 102の動作は、図2にさらに詳細に示されるシステムコントローラ104などのシステムコントローラによって管理される。システムコントローラは、マルチビューディスプレイの動作を指示する。たとえば、一部の実施形態において、システムコントローラ104は、コンテンツサーバ108からコンテンツをフェッチし、それから、MVD 102の動作を指示し、MVDに視認領域内の特定の位置に対して特定のコンテンツを表示させる。
図2に示されるように、システムコントローラ104は、プロセッサ210、プロセッサがアクセス可能なストレージ212、およびトランシーバ214を含む。
プロセッサ210は、タスクの中でもとりわけ、オペレーティングシステムを実行することができ、デバイスドライバを実行することができ、本発明の実施形態に関連して使用される特別なアプリケーションソフトウェアを実行することができる汎用プロセッサである。プロセッサ210は、プロセッサがアクセス可能なデータストレージ212にデータを投入し、更新し、使用し、管理することもできる。本発明のいくつかの代替的な実施形態において、プロセッサ210は、専用プロセッサである。プロセッサ210を作成し、使用する方法は、当業者に明らかになるであろう。
プロセッサがアクセス可能なデータストレージ212は、情報の中でもとりわけ、データ、(たとえば、MVD 102を制御するなどのための)デバイスドライバ、および実行されたときに、MVD 102の視認領域の様々な空間的に異なるゾーン内の視認者による視認のために差異化されたコンテンツを提示するようにプロセッサ210がMVD 102に指示することを可能にする特別なアプリケーションソフトウェアを記憶する不揮発性の非一時的メモリテクノロジー(たとえば、ROM、EPROM、EEPROM、ハードドライブ、フラッシュドライブ、またはその他のソリッドステートメモリテクノロジー、CD-ROM、DVDなど)である。プロセッサがアクセス可能なデータストレージ212を作成し、使用する方法は、当業者に明らかになるであろう。
トランシーバ214は、有線および/または無線を含む任意の適切なメディアを介した、任意の適切なプロトコル(たとえば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、セルラー、光、超音波など)によるコンテンツサーバ108ならびにその他のデバイスおよびシステムとの通信を可能にする。用語「トランシーバ」は、任意の通信手段と、適宜、通信ポート、アンテナなどの様々な支援機器とを含む。トランシーバ214を作成し、使用する方法は、本明細書を読んだ後、当業者に明らかになるであろう。
例示的な実施形態は単一のコントローラ104を示すが、一部の実施形態において、コントローラ104の機能は、コントローラとして特徴付けられるのが適切である可能性があるまたは適切でない可能性があるいくつかのデバイスに分散される。
当業者によって理解されるように、以上は、マルチビューディスプレイの様々な異なる実装のうちの1つの説明を与える。当業者に知られているMVDの任意の実装が、好適に使用され得る。
図3にさらに詳細に示されるコンテンツサーバ108は、プロセッサ310、プロセッサがアクセス可能なストレージ312、およびトランシーバ314を含む。コンテンツサーバ108は、特定の用途に適した記憶されたコンテンツを含む。
プロセッサ310は、タスクの中でもとりわけ、オペレーティングシステムを実行することができ、本発明の実施形態に関連して使用される特別なアプリケーションソフトウェアを実行することができる汎用プロセッサである。プロセッサ310は、プロセッサがアクセス可能なデータストレージ312にデータを投入し、更新し、使用し、管理することもできる。本発明のいくつかの代替的な実施形態において、プロセッサ310は、専用プロセッサである。プロセッサ310を作成し、使用する方法は、当業者に明らかになるであろう。
プロセッサがアクセス可能なデータストレージ312は、情報の中でもとりわけ、(コンテンツなどの)データ、および実行されたときに、プロセッサ310がMVD 102によって表示するためにコンテンツを生成/選択することを可能にする特別なアプリケーションソフトウェアを記憶する不揮発性の非一時的メモリテクノロジー(たとえば、ROM、EPROM、EEPROM、ハードドライブ、フラッシュドライブ、またはその他のソリッドステートメモリテクノロジー、CD-ROM、DVDなど)である。プロセッサがアクセス可能なデータストレージ312を作成し、使用する方法は、当業者に明らかになるであろう。
トランシーバ314は、たとえば、限定なしに、適宜、有線および/または無線を含む任意の適切なメディアを介して、任意の適切なプロトコル(たとえば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、セルラー、光、超音波など)によってシステムコントローラ104と通信することおよびウェブサイトにアクセスするなどのためにインターネットと通信することを可能にする。用語「トランシーバ」は、任意の通信手段と、適宜、通信ポート、アンテナなどの様々な支援機器とを含むように意図される。トランシーバ314を作成し、使用する方法は、本明細書を読んだ後、当業者に明らかになるであろう。
例示的な実施形態は単一のコンテンツサーバ108を示すが、一部の実施形態において、システムは、複数のコンテンツサーバを含む。さらに、一部の実施形態において、コンテンツサーバ108の機能は、システムコントローラ104などのシステム100のその他の要素に分散される。
感知システム106が、図4Aから図4Fに関連して検討される。既に示されたように、感知システムは、複数の潜在的な視認位置が1つまたは複数のマルチビューピクセルの同じ視認角度を共有する任意の状況で必要とされる。本開示の中で後でより詳細に検討されるように、一部の実施形態において、MVD 102の視認領域は、複数の「深度に関連する」空間的に異なるゾーンに分離される。この状況で、語句「深度に関連する」は、ゾーンが(MVDの表示面に対して垂直に測定される)MVD 102までのそれらのゾーンの距離に基づいて空間的に異なることを意味する。
図4Aは、2つの深度に関連する空間的に異なるゾーン、すなわち、AおよびBを有する(MVD 102の)視認領域420を示す。空間的に異なるゾーンBは、MVD 102のすぐ「後ろ」にあり、空間的に異なるゾーンAよりもMVD 102から遠くにある。図4Aに示されるように、ビームレット422の経路を妨げるいかなる物体もない場合、MVD 102の中心のマルチビューピクセル103から0度の角度に投射されるビームレット422は、両方の視認ゾーンを通り抜ける。
本発明の一部の実施形態によれば、差異化されたコンテンツが、異なる空間的に異なるゾーン内の視認者に対して表示され、この差異化されたコンテンツは、複数のコンテンツ部分であり、それぞれのそのような部分のコンテンツは異なる。結果として、最も前のゾーン(すなわち、空間的に異なるゾーンA)内に立っている視認者は、その人が最も後ろのゾーン(すなわち、空間的に異なるゾーンB)内に立っていた場合とは異なるコンテンツを見るはずである。しかし、2つの視認ゾーンが同じ角度を共有するので、コンテンツは、マルチビューディスプレイテクノロジーを強化することなく差異化され得る。
例示的な実施形態によれば、感知システム106は、視認領域のリアルタイムの評価を得る。この評価は、視認領域内の物体の存在およびそれらの物体の位置、つまり、視認領域の3D幾何学配置に関する情報を提供する。想定される事例の多くにおいては、様々な位置からMVD 102までの視線が遮蔽された状態と遮蔽されていない状態との間で規則的に(ただし、必ずしも予測可能でなく)変化することになるように、位置を変える幾人かの視認者が存在する可能性が高い。そのため、視認領域の評価は、感知システム106によって規則的に更新されなければならない。
一部の実施形態において、感知システム106は、限定なしに、深度センサー、構造化された光センサー、2Dカメラのアレー、または深度を認識するカメラ(たとえば、ステレオカメラ、飛行時間カメラなど)として実装される。一部の実施形態において、視認領域の深度マップが得られる。
各「フレーム」(すなわち、感知システム106によって得られた視認領域のそれぞれの新しい「スナップショット」)に関して、視認領域の深度マップまたはその他の幾何学的なレンダリングは、最終的に、MVD 102のマルチビューピクセルから投射された各ビームレットに関してどの色/輝度を示すべきかを決定するために処理される。いくつかの代替的な実施形態においては、レイテンシーの問題を回避するかまたは少なくとも改善するために、システムは、次のフレームが示されるときに視認領域の幾何学配置がどうなるのかを予測することができる。したがって、視認領域の幾何学配置の任意の推定は、現在のセンサーデータおよび履歴的なセンサーデータを使用することができる。
一部の実施形態においては、視認領域内の個々の物体の位置が確定されるが、その他の実施形態においては、動作(たとえば、識別、認識、位置特定など)は物体毎に実行されない。むしろ、一部の実施形態において、感知システムは、単に、視認領域内にあるあらゆるものの3D幾何学配置(たとえば、深度マップ)を推定する。当業者に知られているように、深度マップによって得られたデータなどを表す様々な方法が存在する。たとえば、深度マップが、点群に変換される可能性があり、または点郡内の点が、点の間の間隙を埋める目的で三角形メッシュなどのメッシュを形成するように接続される可能性がある。
位置情報が、視認領域内のビームレットの「着地点」の位置を推定するために較正情報(各マルチビューピクセルから投射された各ビームレットの経路)と併せて使用される。特定の空間的に異なるゾーン内の着地点の位置に基づいて、コンテンツは、着地点に割り振られる。それぞれのそのような着地点に関して、マルチビューピクセルは、MVD 102によって視認者に関連するコンテンツを提示するために着地点に適切な色および輝度のビームレットを投射するように(システムコントローラ104によって)制御される。このプロセスは、本明細書において後でさらに詳細に説明される。
ここで図4Bを参照すると、視認者1が、空間的に異なるゾーンA内にいる。ゾーンA内で見るように(たとえば、MVDシステムの運用者、コンテンツのスポンサーなどによって)意図されるコンテンツに基づいて、視認者1はMVD 102の中央のマルチビューピクセル103からの「緑」(色)を見ることになっていると仮定する。たとえば、深度を認識するカメラ406として実装された感知システム106が、視認領域420の3D幾何学配置を取得し、空間的に異なるゾーンA内の視認者1の存在を感知する。上述のように適切に処理した後、システムコントローラ(図示せず)は、中央のマルチビューピクセル103に空間的に異なるゾーンA内の視認者1に向けて緑のビームレット422Gを送信させる。
ここで図4Cを参照すると、視認者2が、空間的に異なるゾーンB内にいる。ゾーンB内で見るように意図されるコンテンツに基づいて、視認者2は、MVD 102の中央のマルチビューピクセル103からの「赤」を見ることになっていると仮定する。たとえば、深度を認識するカメラ406として実装された感知システム106が、視認領域420の3D幾何学配置を取得し、今度は、空間的に異なるゾーンB内の視認者2を感知する。適切に処理した後、システムコントローラ(図示せず)は、中央のマルチビューピクセル103に空間的に異なるゾーンB内の視認者2に向けて赤いビームレット422Rを送信させる。
図4Dを参照すると、視認者1が、空間的に異なるゾーンA内におり、視認者2が、空間的に異なるゾーンB内にいる。今度も、ゾーンA内の視認者は、中央のピクセル103からの緑を見るように意図されており、ゾーンB内の視認者は、中央のピクセルからの赤を見るように意図される。(中央に位置付けられた感知システムに関して)視認者1は視認者2を遮蔽するので、深度を認識するカメラ406は、視認者1のみを検出する。結果として、中央のマルチビューピクセル103は、視認者1の方向に緑のビームレット422Gを送信するように制御される。視認者2が視認者1の存在のために中央のマルチビューピクセル103を見ることができないので、理想的にはこれは正しい。
図4Dの検討は、深度を認識するカメラ406が、中央のマルチビューピクセルと同じ場所に配置されると考える。概して、感知システムはいかなる特定のマルチビューピクセルとも同じ視点を持たず、したがって、感知システムが視認者2の存在を感知する可能性が高い。しかし、着地点を予測するための既に検討された方法に基づいて、コントローラ104は、遮蔽を認識し、(中央のマルチビューピクセルから赤いビームレットを送信しないことによるなどして)それに応じて働く。
一部の実施形態において、この処理は、MVD 102のすべてのマルチビューピクセルに関して適切なコンテンツがすべての方向に送信されるように、所与の深度の評価のすべての点に関して同時に実行される。したがって、いかなる視認者/物体の認識またはその他の複雑なアルゴリズムも、必要とされない。
図13は、例示的な実施形態による方法1300を示す。方法のタスク1301によれば、複数の空間的に異なるゾーンが、マルチビューディスプレイの視認領域内に定義される。視認領域内の空間的に異なるゾーンの数学的な記述が、コントローラ104によるなどして作成されるか、またはそうでなければアプリケーションの仕様に基づいて提供される。ゾーンは、3次元で記述される。コンテンツサーバ106に記憶されるようなコンテンツが、ゾーンとコンテンツとの間の何らかの状況によって決まる関係または関連性に基づいて様々な空間的に異なるゾーンに割り振られる。そのような関係の例は、本明細書において後で説明される。
タスク1302によって、差異化されたコンテンツが、複数の空間的に異なるゾーンに割り振られる。割り振りは、アプリケーションの仕様に基づき、システムコントローラによって実行される。
タスク1303によれば、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルによって投射されたビームレットの複数の着地点のうちの少なくともいくつかの着地点に関して、位置が推定される。これは、感知システムによって得られた視認領域の3D幾何学配置およびMVD自体の仕様を使用して実行される。特に、各MVDに付属する仕様書が、各マルチビューピクセルの各ビームレットに関して、空間を通り抜けるビームレットの経路を規定する1組のパラメータを提供する。そのような情報は、それ自体では特に有用ではなく、実際の視認環境と関係づけられなければならない。したがって、MVD 102が使用するために設置されるときに、ビームレットに関する仕様が、実際の視認環境にマッピングされなければならない。このマッピングは、既に参考文献として挙げた第15/002,014号に記載されている較正手順の一部として実行される。
空間を通り抜ける各マルチビューピクセルから投射された各ビームレットの経路を知ると、システムは、空間的に異なるゾーン内の任意の「点」に関して、どのビームレットがその点と交差するのかを判定することができる。
情報(たとえば、色および強度など)を運ぶために必要とされる可能性があるビームレットは、視認領域の空間的に異なるゾーンのうちの1つの中に「着地点」を有するビームレットだけである。つまり、ビームレットは、地面、人、無生物などの「障害物」と交差するまで空間を通り抜けて伝播する。そのような着地点の位置を推定するために、視認領域の3D幾何学配置の記述が必要とされる。既に検討されたように、感知システム106が、この情報を提供する。すべてのマルチビューピクセルからのすべてのビームレットの経路を知り、視認領域の幾何学配置の推定値を持っていると、システムは、ビームレットと視認領域内の障害物との間の任意の交点、すなわち着地点を推定することができる。視認者は実質的に規則的に視認領域に出入りしている可能性があるので、視認領域の幾何学的な「スナップショット」が、規則的に取得されるか、またはそうでなければ(たとえば、履歴的なデータなどに基づいて)推定されなければならない。
タスク1304において、コントローラが、どの空間的に異なるゾーンに少なくともいくつかの着地点があるのかを判定する。これは、着地点の位置の推定値およびゾーンの数学的な記述から容易に判定される。
タスク1305によって、前記いくつかの着地点に関連するビームレットは、特定の空間的に異なるゾーン内の位置に応じて、適切なコンテンツ部分が前記いくつかの着地点において見えるようにするためにコントローラによって駆動される。これは、各着地点に関連するビームレットの色および強度を設定することを伴う。
以上は、適切な空間的に異なるゾーン内の視認者に差異化されたコンテンツを提供する非最適な簡単な方法である。上述の手法は、高度に並列化された計算を用いたとしても低速であるので非最適である。たとえば、グラフィカル処理ユニットは、個々の点ではなく三角形/多角形を効率よくレンダリングするように設計される。また、深度マップが、たとえば、連続した面ではなく離散的な点の集合からなる場合、見逃される点の間の穴が存在する。結果として、それぞれの多角形が複数の点からなるようにして、深度マップをレンダリングすべき多角形の集合へと変形することが、概してより最適である。当業者に理解されるように、深度マップを多角形へと変形する際に使用するための多くの画像処理技術が存在する。
1つの例示的な技術は、視認環境を長方形セグメントの3次元グリッドへと量子化することである。セグメントは、一連の2D平面グリッドとして表され、各グリッドは、異なる深度にある。各フレームにおいて、深度マップの各点は、最も近いセグメントに量子化される。すべての点が量子化されると、量子化されたセグメントはポリゴンであり、それらのポリゴンに向かってMVDがコンテンツを駆動する。
深度情報を処理するために好適に使用され得る多くの画像処理技術が存在する。いくつかの非限定的な例は、以下を含む。
・空間的に異なるゾーンのいずれからも外れているすべての深度の点を削除する
・標準的な三角形メッシュ生成技術
・近接した多角形をより大きな多角形へと合併する
・バックグラウンドを差し引く、ならびに
・視認者、顔、体、頭、および/または物体の検出。
大きなMVDの場合、または深度センサーがMVDから実質的にオフセットされている場合、視認者は、ディスプレイの少なくとも一部から見えたままで深度センサーから遮蔽される可能性がある。そのような状況では、視認者は、深度センサーに見えないので、その視認者の位置に存在しないと考えられる可能性があり、したがって、実際には視認者の後ろにある視認位置を対象とする画像のすべてまたは一部を示される可能性がある。図4Eは、深度を認識するカメラ406がMVD 102のマルチビューピクセル103からオフセットされるそのような事例を示す。3人の視認者、すなわち視認者1、視認者2、および視認者3は、それぞれが、空間的に異なるゾーンA、B、およびC内の別々の視認位置にそれぞれ立っており、MVDは、各ゾーンがMVD 102によって異なるコンテンツを提示されるように制御される。
視認者1および視認者3は、深度を認識するカメラ406の視界の中にあり、一方、視認者2は、視認者1によって遮蔽され、したがって存在しないと考えられる。しかし、視認者2は、上述のように深度を認識するカメラ406に見える視認者3と同じマルチビューピクセル103の視認角度にいる。結果として、マルチビューピクセル103は、視認者3を対象とするコンテンツを視認者2に誤って導く。一部の実施形態においては、視認環境内の遮蔽の量を減らすために複数の深度センサーが使用される。
図4Fは、視認者がMVD 102の少なくとも一部から遮蔽されるが、深度センサーにはまだ見えたままである事例を示す。特に、視認者1は、マルチビューピクセル103から視認者2を遮蔽するが、両方の視認者が、深度を認識するカメラ406に見える。この事例においては、両方の視認者が、ピクセル103の同じ視認角度に対応し、その視認角度でどのコンテンツを表示すべきかを決定するための調停メカニズムを必要とする。一部の実施形態において、ディスプレイまでの距離が、調停の判断基準として使用される。つまり、MVD 102からより遠い視認者が遮蔽されており、MVD 102を見ることができない可能性があると仮定して、MVD 102により近い視認者(図4Fの視認者1)が適切なコンテンツを示される。
図5は、感知システムが深度を認識するカメラ406として具現化される、既に参照されたシステム100を示す。この実施形態において、システムコントローラ104は、視認領域520を複数の空間的に異なるゾーンAA、BB、CCへと「分離する」。このプロセスは視認領域520の物理的な分離をもたらさないことを理解されたい。むしろ、視認領域520の定義を与える座標、距離などが、システムコントローラ104によって生成され、たとえば、プロセッサがアクセス可能なストレージ212に記憶される。以上のことにもかかわらず、一部の実施形態(これらの実施形態の一部は本明細書において後で説明される)において、システムの運用者は、適宜、視認者の便宜のために領域を視覚的に区分することを選択する可能性がある。
図5に示される実施形態において、ゾーンへの分離は、深度に基づく。つまり、各ゾーンは、MVD 102からの距離の特定の範囲内に存在する。この実施形態において、距離は、MVD 102から垂直な方向に測定される。任意の特定のゾーンを定義する距離の範囲は、主に、(MVD 102のサイズを決定づける)特定の用途に依存する。たとえば、MVD 102は、屋外に置かれ、行楽地への来客を歓迎し、その他の情報を提供するように意図される場合、広告板のサイズである可能性が高い。また、関連する空間的に異なるゾーンは、比較的大きく、MVDから比較的遠くに広がる可能性が高い。一方、MVD 102が玄関先の屋内に置かれる場合、MVD 102は「TVサイズの」モニタ(およそ、36〜55インチ)である可能性が高く、関連する空間的に異なるゾーンは比較的狭く、MVDから遠くに広がらない。
ゾーンAA、BB、およびCCの深度に基づく配列は、上述のように、共有された視認角度の問題を引き起こす可能性が高い。結果として、深度センサー406は、領域520を定期的に評価してその領域520の3D幾何学配置を提供しなければならない。
引き続き図5を参照すると、視認者1は、空間的に異なるゾーンAA内におり、視認者2は、空間的に異なるゾーンBB内におり、視認者3は、空間的に異なるゾーンCC内にいる。上述のように、深度を認識するカメラ406からの情報、MVD 102内のマルチビューピクセルに関する予め獲得された較正情報、およびコンテンツサーバ108に記憶されたコンテンツのおかげで、コントローラ104は(それ自体でかまたはシステム100内のその他のプロセッサと連携してかのどちらかで)、特定の空間的に異なるゾーン内のそれぞれの着地点の位置に応じてその着地点に関連するビームレットの色および強度を設定することができる。結果として、視認者1は、コンテンツ部分1を受け取り、視認者2は、コンテンツ部分2を受け取り、視認者3は、コンテンツ部分3を受け取る。ほとんどの実施形態において、これらのコンテンツ部分は互いに異なり、したがって、差異化されたコンテンツを集合的に定義する。
図6A〜図6Cは、システム100および空間的に異なるゾーンが編成される方法の事例、応用、および用途を示す。
図6Aは、遠く離れて立っている視認者が近くにいる人によって容易に見られるコンテンツを読むことが難しい状況で3つのコンテンツ部分がMVD 102のために生成される状況を示す。たとえば、コンテンツ部分1が、MVD 102の10フィート以内に立っているゾーンAA内の視認者に対して表示される。コンテンツ部分2が、MVD 102から10フィートよりも遠く、20フィートよりも近くに立っているゾーンBB内の視認者に対して表示される。最後に、コンテンツ部分3が、MVD 102から20フィートよりも遠くにいるゾーンCC内の視認者に対して表示される。コンテンツ部分1は豊富なコンテンツを提供し、フォントおよび写真は小さく、込み入ったフォントスタイルが使用される可能性があり、微妙な低コントラストの色が使用される可能性があり、画像は非常に詳細である可能性があり、設計のスタイルの設定およびテーマの設定はより繊細である可能性があり、組立が複雑である可能性がある。MVD 102から順次遠くなる視認者に示されるコンテンツ部分2および3はより少ないコンテンツを示し、より大きなフォントおよび画像を使用し、フォントのスタイルは比較的くっきりしていて、太い傾向があり、概して明るい高コントラストの色が選択され、スタイルの設定および組立は単純である、等である。この例において、3つすべてのバージョンがMVD 102上で同時に示されるが、視認者は、MVD 102からのそれらの視認者の距離のために設計され、最適化されたバージョンのみを見ることができる。
ここで図6Bを参照すると、MVD 102から最も遠い視認者3は、おそらくは視認者を行楽地に迎え入れる歓迎のメッセージを見る。ゾーンBB内におり、視認者3よりもMVD 102の近くにいる視認者2は、行楽地のロゴを見る。ゾーンAA内におり、MVD 102に最も近い視認者1は、ディスプレイに最も近い人にのみ判読可能である、行楽地内の様々な呼び物または設備への案内などのより小さなコンテンツを見る。
ここで図6Cを参照すると、MVD 102は、どの距離でも視認者にとって同じサイズであるように同時に見える画像を表示する。ゾーンAA内の視認者1は、表示領域の小さな割合を占める画像を見、ゾーンBB内の視認者2は、表示領域のより大きな割合を占める画像を見る。視認者1はMVD 102に比較的近くにおり、視認者2はMVD 102から比較的遠くにいるので、それらの視認者は、両方とも、同じサイズであるものとして画像を知覚する。ゾーンCC内にさらに離れて立っている視認者3は、ディスプレイの全体を占める画像を見る。3人すべての視認者は、ディスプレイから異なる距離に立っているが、同じサイズであるものとして画像を同時に知覚する。この例においては、所定の空間的に異なるゾーンが使用される。一部のその他の実施形態においては、ゾーンが指定されず、むしろ、感知システムが、視認位置の距離を推定し、それぞれのそのような視認位置のために適切なサイズのグラフィックスを生成する。
別の例においては、図示されていないが、マルチビューディスプレイに基づく小売店のひさし(marquee)が、ロゴ、商号、および営業時間を含む。すべて同時に示されるコンテンツの3つのバージョンがディスプレイ上に存在するが、各バージョンは、ゾーンのうちの1つに割り振られ、適切なゾーン内の視認者にのみ見える。ごく近くにいる視認者は、すべて、すなわちロゴ、名前、および情報を見る一方、中間的な距離にいる視認者は、視認性を良くするために拡大されたロゴおよび商号のみを見る。さらに遠い距離にいる視認者は、最大限の拡大および最適な視認性のために表示領域全体を覆う可能性があるロゴのみを見る。
同様の例においては、図示されていないが、道端のディスプレイが、半マイル離れた運転者に巨大なグラフィックのロゴを提示する。運転者は、4分の1マイル以内に近づくと、中間サイズのロゴおよび商号を示される。最後に、運転者は、MVDのごく近くを通り過ぎるとき、小さなサイズのロゴ、商号、および会社のキャッチフレーズを示される。コンテンツの3つのバージョンが同時に示されるが、3つのバージョンの各々は指定された範囲の距離の運転者にのみ見える。したがって、ディスプレイの縮尺およびコンテンツは、これら3つの範囲の距離の各々の運転者のために特に最適化され得る。もちろん、距離の範囲の数は、コンテンツの種類およびその他のことが変わり得るのと同じように変わり得る。
別の例は、図示されていないが、映画館のひさしとして具現化されたマルチビューディスプレイである。通りから見られるとき、映画館の名前だけが示され、ディスプレイ全体を埋める。映画館の駐車場に入るなどより近くに移動すると、映画館の名前が、映画館で上映されるそれぞれの映画の題名と一緒により小さな縮尺で示される。チケットを購入するために列に並ぶなどさらに近寄ると、映画館の名前、映画の題名、上映時間、および価格がすべて示される。今度も、それぞれが別々のゾーンから同時に見え、それぞれがディスプレイ/ひさしからのゾーンの距離に応じて見るのを容易にするために拡大縮小される3つの異なるコンテンツ部分(すなわち、差異化されたコンテンツ)が存在する。
上述の例においては、重なり合わない視認ゾーンが、MVD 102の視線内に確定され得る。最も読みやすく、識別しやすくするために、MVD 102からのこれらのゾーンの距離を補償するコンテンツが生成される。これは、これらのゾーンのいずれかまたはすべての中の視認者が、ディスプレイからのそれらの視認者の距離のためにカスタマイズされた差異化されたコンテンツをMVD上で同時に見る可能性があることを意味する。
図7は、MVDシステムによって提供される対象にアクセスするための指示を視認者に与える方法を示す。特に、対象を示す印が床の上に置かれる。そのとき、視認者は、示されたコンテンツを見るために印(たとえば、写真、単語など)の上または近くに立つ。たとえば、バス停728の乗客1が、MVD 102上のニュージャージー行きのバスのスケジュールにアクセスするために文字「NJ」の上に立つ。乗客2は、ニューヨーク行きのバスのスケジュールにアクセスするために文字「NY」の上に立ち、乗客3は、ペンシルベニア行きのバスのスケジュールにアクセスするために文字「PA」の上に立つ。これは、床の上の異なる指示の上に立っているそれぞれの人がMVD 102上の異なるコンテンツ部分を同時に見ることを可能にする。
この例に対する変更は、空港の乗客を、それらの乗客の選択した航空会社に固有の情報を見るためにその航空会社のロゴの上に立たせるか、またはMVD上で特定の時間の出発便を見るために時計の文字盤の上に立たせることを含む。
別の例においては、街の観光案内所内のMVDを考える。床の上の地図上の強調された観光名所の上に立つことによって、観光客が、それぞれの特定の観光名所の営業時間、入場料、車椅子で利用可能かどうか、距離、およびその他の情報を見ることができる。
マルチビューディスプレイ上の特定の情報にアクセスするためにどこに立つべきかに関して人を教示するための多くの代替的な方法が存在する。教示は、天井またはのぼり旗など、頭上に与えられる可能性がある。一部のさらなる実施形態において、教示は、天井に、床に、または物体もしくは特徴の近くに投射される。一部のさらなる実施形態においては、触れるとアクティブ化されるもしくは近づくとアクティブ化される教示または手掛かりが、床に埋め込まれる。一部の実施形態において、教示は、図式的であるか、描写的であるか、文字によるか、色分けされているかなどにかかわらず、対話型であり、したがって、場合によってはモーション検出機またはその他のデバイスと連携して、視認者自身によって制御され得る可能性がある。
マルチビューディスプレイは、ディスプレイ上で利用可能なコンテンツの量を増やすため、同じディスプレイ上に示されるべきコンテンツを分けるため、またはディスプレイ上の異なるコンテンツにアクセスする際に視認者に制御を渡すために、コンテンツの設計および視認エリアのレイアウトの設計と関連して使用される可能性がある。
一部の実施形態においては、視認距離に関連してフォントおよび画像のサイズを変更する必要性とは無関係にコンテンツの多くのバージョン(たとえば、ページ、スクリーン、タブ)を示すことが望ましい。これを達成するために、一部の実施形態においては、一連の視認位置が、それぞれの視認位置がコンテンツの異なるバージョンに対応するようにして確定される。視認者は、異なるコンテンツにアクセスするために位置を変える。一連の位置は、視認者がMVD上で利用可能な様々なコンテンツ部分を見るために後ろ、前、左右、上下、または斜めに位置を変える可能性がある不可視のグリッドの形態または配列である可能性がある。異なる視認者は、異なるゾーン内に立っているとき、異なるコンテンツ部分を同時に見る可能性があり、または同じゾーン内に立っているとき、同じコンテンツ部分を見る可能性がある。
上で検討したことの例が、図8に示される。この実施形態において、MVD 102は、それぞれの空間的に異なるゾーンDD、EE、およびFFにおいて3つの異なるコンテンツ部分、すなわち、コンテンツ部分1、コンテンツ部分2、およびコンテンツ部分3を同時に示す。異なるコンテンツ部分にアクセスするために、人は、ある空間的に異なるゾーンから別の空間的に異なるゾーンに(左または右に)移動する可能性がある。
それぞれの視認者が別の視認者の私的スペースに侵入することなくコンテンツを制御することを可能にするために、複数のコンテンツ部分が、規則的な間隔で繰り返される可能性がある。たとえば、図8のゾーンは、それぞれ、3つのサブゾーンに区分けされる可能性がある。これは、それぞれの視認者が、それらの視認者の位置の周りで位置をわずかに変えることによって、互いの妨げになることなく、MVD 102上のコンテンツ部分1、コンテンツ部分2、およびコンテンツ部分3にアクセスすることを可能にする。
視認者がコンテンツの異なるサブセットにアクセスするために位置を変える状況で、視認者の左目および右目が異なるコンテンツを同時に見る領域が存在し、吐き気を催させるかまたはそれ以外の不快な感覚を引き起こす可能性がある。そのようなことが起こる可能性を減らすために、遷移をよりなだらかにするために、隣接するコンテンツの間のより滑らかな遷移が適用され得る。たとえば、適用され得るよくある映画の遷移技術は、クロスフェード、黒へのフェード、および/または白へのフェードを含むがこれらに限定されない。そのような遷移は、視認者がある視認位置から別の視認位置に移動するときに遷移を経験するように空間的に適用され得る。これを実施するために、1つまたは複数の変わり目の視認位置が、隣接する視認位置の間で確定される可能性があり、そこに遷移シーケンスのコンテンツが向けられる。代替的な技術は、柱、植木、像、および/またはその他の構造物などの周囲の物体を遷移の境界として利用することである。このようにして、視認者の左目および右目は、ディスプレイの同じ部分を同時に見ることを防止され得る。
コンテンツを細分することによって、MVD 102は、大量の様々な言い回し、情報、画像、およびメディアを示すことができ、コンテンツのすべての利用可能なバージョンを一巡りするために視認者が位置を変えることだけを要求する。
一部のその他の実施形態においては、グリッド以外の配列が、視認位置のレイアウトのために使用される可能性があり、これらの配列は、周期的にまたは継続的に変更される可能性がある。変更は、たとえば、限定なしに、視認者の数もしくは間隔、視認者の振る舞い、コンテンツのバージョンの数、コンテンツの種類、または視認環境の変化に応じて引き起こされる可能性がある。一部の実施形態において、視認位置の配列は、監視テクノロジー、自動化されたシステム、タイマー、または事前にかもしくはリアルタイムでかのどちらかで動作させられる制御機器にリンクされる。これらは、すべて、例として、MVD上で利用可能なコンテンツの量およびアクセスのしやすさを高めるために視認ゾーンがコンテンツの対応するバージョンに関連付けられ得る範囲および多用途性を表すためのものである。
例として、買い物客が情報または案内を探すエリア内にマルチビューディスプレイを有するショッピングモールを考える。さらに、モール内には多数のレストランがあり、それらのレストランの各々がそれらのレストランのメニューをMVD上で示したいが、モールの買い物客が同じディスプレイ上ですべてのメニューを同時に見ることを可能にするのに十分なスペースはないと仮定する。
一部の実施形態において、各レストランのメニューが、MVD全体を満たすように構成される。それから、各メニューが、MVDの視線内で異なる空間的に異なるゾーン(または適宜、1つの視認位置もしくは複数の視認位置)に割り振られる。MVDに対する位置を変えることによって、買い物客は、一度に1つずつ、すべての異なるメニューを見ることができる。すべてのメニューが、同時に見られる可能性があるが、ただし、異なるゾーン(または適宜、視認位置)を占める異なる買い物客によってのみそのように同時に見られ得る。たとえば、横に並んで立っている夫婦は、異なるメニューを同時に読む可能性がある。
上述の実施形態に対する変更として、メニューが、任意の1つのゾーンのために連続的にローテーションされる可能性もあり、したがって、買い物客は、1つの場所に立って、最終的にすべてのメニューを見るか、または異なる速度、もしくは順序、もしくは場所で順番に循環するメニューを見るために位置を変えることができる。
一部の実施形態においては、ディスプレイ上に様々なコンテンツを示すことが望ましく、一部のコンテンツは混在し得ない。1つのそのような例は、自身の選挙運動のメッセージを同じディスプレイ上に掲載させることを要求する対立する選挙立候補者、または競合製品もしくはサービスを有する会社などの例である。MVDを使用すると、コンテンツは、それぞれが1つの別個のゾーンまたは複数の別個のゾーンに同時に示されるように分けられる可能性があり、一緒に見られない。一部の実施形態において、空間的に異なるゾーンは、ディスプレイの側を移動するすべての人がコンテンツのすべてのバージョンを、ただし、どの1人の視認者に関しても互いに同時に並置されない状態で見る機会を持つように設計される。多くの場合、この手法は、視認者が単純に所定の位置に立つことによってそれらの視認者が関心のあるコンテンツのところに何もせずに留まることを選択する可能性があるので、時間によって循環するコンテンツにとって好ましい。そのようなシステムは、視認者のための暗黙的な制御メカニズムを提供する。
別の例においては、広告板サイズのMVDが、幹線道路および近くの小学校から見えるところにある。幹線道路上で、自動車は、学校の生徒には不適切な品物の広告を見る。同時に、学校の近くでは、子供達はMVD上に何も見ないか、または代替的にそれらの子供達に適するメッセージを見る。
視認ゾーンおよびコンテンツの設計およびマッチングの多くの可能な変更が存在する。視認位置と様々なコンテンツ部分との間の相関は、静的であるか、動的であるか、またはこれら両方の組合せである可能性がある。異なるコンテンツ部分にアクセスする能力は、小さな動き(およそ、横方向の動きの事実上の最小値としての眼球内距離(intraocular distance))、またはもちろんより大きな増加量もしくは距離の任意の組合せに基づく可能性がある。異なるコンテンツ部分にアクセスするための動きは、垂直であるか、水平であるか、または任意の方向もしくは方向の組合せである可能性がある。
視認ゾーンのレイアウトおよびコンテンツとの相関は、視認者の動きおよび振る舞いを個々におよび全体として予期するか、または視認者の動きおよび振る舞いに個々におよび全体として対応する可能性がある。これらの設計の形成は、コンテンツのアクセスが自然であるか、直感的であるか、組織化されているか、慎重に計画されているか、プログラミングされているか、または制御されているように見えることを可能にする。
MVD上のコンテンツへのアクセスは、視認者の高さによって駆動される可能性がある。たとえば、トイレへの案内を提供するMVDは、高さに基づいて、車椅子の視認者とその他の立っている視認者を区別する可能性がある。高い方の空間的に異なるゾーン内に目があるように立っている人は、車椅子でない人が入ることができるトイレへの案内を見る一方、目の高さが低い方の空間的に異なるゾーン内にあるような車椅子の人は、車椅子の人が入ることができるトイレへの案内を見る。
通常の標識およびディスプレイ上のコンテンツは、そのコンテンツが無関係であるか、誤解を招くか、または十分に利用されないエリアから見える可能性がある。多くの場合、コンテンツは、ディスプレイの視線内の別々のゾーンまたは視認位置のために特に設計されていたとすれば、より効果的でより効率的である。これは、マルチビューディスプレイがディスプレイに対する視認者に位置に基づいて異なる視認者に異なるコンテンツを同時に示すことができるので、マルチビューディスプレイによって達成され得る。
たとえば、ファーストフードレストランのメニューボードとして働くMVDは、レストラン全体から見える可能性があるが、示されるメニューの選択肢は、注文をする人にだけ関連性がある可能性がある。一部の実施形態においては、これらの教示によれば、MVDは、(1)レストランに人を迎え入れる、(2)注文の品が受け取り可能な状態であることを告げる、(3)食事をする人にデザートを購入させる、(4)食事をする人および注文を待っている人にエンターテインメントを提供する、(5)利用可能な座席を特定する、および(6)おすすめ商品をプロモーションする、異なるコンテンツ部分を示す。メニューを含むすべてのコンテンツ部分がディスプレイ上に同時に示されるが、常に誰によっても単一のコンテンツ部分のみが見られる可能性があり、その1つのコンテンツ部分は人の位置に基づいて選択される。これは、コンテンツが複数の位置を標的とし、複数の位置に関連性があることを可能にする。
たとえば、MVDのすぐ前の位置のために、品物を注文するべきメニュー(第1のコンテンツ部分)を表示するMVDのすぐ前に立っている人を考える。MVDからもっと遠くのテーブルに座っている人は、たとえば、テーブルの注文が受け取り可能な状態にあるという指示(第2のコンテンツ部分)を見る。
図9は、高速道路の隣にある建物の上に位置付けられる広告板サイズのMVD 102を示す。MVD 102は、コンテンツ部分1、コンテンツ部分2、コンテンツ部分3、およびコンテンツ部分4として示される差異化されたコンテンツを表示する。
建物から約半マイルの距離にある空間的に異なるゾーンGG内で見えるコンテンツ部分1は、建物内の会社のロゴである。建物から約4分の1マイル離れている空間的に異なるゾーンHH内で見えるコンテンツ部分2は、会社の名前およびロゴである。建物のごく近くにある空間的に異なるゾーンII内で見えるコンテンツ部分3は、会社を訪れたい運転者に案内を提供する。会社の駐車場である空間的に異なるゾーンJJ内で見えるコンテンツ部分4は、人に特別なプロモーションおよび営業時間を示す。
このようにして、ディスプレイは、ディスプレイからの視聴者の距離に基づいてそれらの視聴者の必要および関心に合わせて仕立てられたある範囲の機能を同時に実行している。遠くから通り過ぎる数千人の運転者は、ブランディングメッセージを与えられる一方、自身の目的地として現地を探し出した視認者は、それらの視認者が出口のランプをナビゲートし、駐車場を見つけ、正面玄関または搬入口に到達し、扉がいつ開くのかを知り、セールおよびおすすめ商品によって得をするために必要とする可能性がある情報を提供される。
別の実施形態においては、図示されていないが、小売りの場のMVDが、視認者を店の中へと誘い入れ、店の中を移動させ、それから、ディスプレイの視界の中の各売り場に固有の製品情報、セール、およびおすすめ商品を提案する。視認者が様々な売り場を通ってMVDに近づくとき、ディスプレイは、各売り場に固有のセール品をプロモーションする。加えて、買い物客は、たとえば、商品ディスプレイの近くなど、店内のそれらの買い物客の個々の位置に合わせて特に仕立てられたコンテンツ部分を見る。それぞれの位置に固有のコンテンツ部分は、同じMVD上に同時に示され、各人は、その人の位置に的を絞ったコンテンツのみを見る。
さらなる例においては、ショッピングモール内に置かれるMVDが、モール内のいくつかの店およびレストランの近くから見える。人が様々な店/レストランの近くを通り過ぎるとき、その特定の店舗に固有の情報が表示される。より詳細には、複数の人が、同じMVD上で、それらの人の特定の周辺環境にのみ関連する差異化されたコンテンツを同時に見る。
一部のさらなる実施形態においては、視認者と1つまたは複数のMVDとの間に相対的な動きがあるときに連続したコンテンツを示すことが望ましい。たとえば、視認者は、歩行者として、または自転車、車、トラック、バス、電車、路面電車、地下鉄、歩道、ボート、ライドビークル(ride vehicle)などの乗り物でディスプレイを通り過ぎて移動している可能性がある。または、MVD自体が、これらのもしくはその他の乗り物のいずれかで、またはさらにはおそらく、パレード用の山車もしくはスタジアムビークル上で視認者に対して相対的に移動している可能性がある。
これらの場合、最も遠い距離から見られるときに最初のコンテンツが見え、視認者とディスプレイとの間の距離が短くされるにつれてコンテンツのそれぞれの後続のバージョンがそのコンテンツの指定された順序で表れるように、各ディスプレイ上に複数のコンテンツ部分を同時に示すことが可能である。同じことは、距離が長くなるにつれてシーケンスを進行することが要求である場合に、または視認者とディスプレイとの間の相対的な位置が変化するレートで変わる複雑な変化パターン(dynamic)である場合でさえも、達成され得る。これらの例においては、異なるコンテンツ部分が、ディスプレイ上に同時に示されるが、いずれかの人に見られる部分は、任意の所与の時間のその人とディスプレイとの間の空間的な関係に固有である。
例として、パレード用の山車が、その山車がパレードのルートを移動するときにいずれの1つのゾーンまたはグループに対してもそのメッセージを繰り返さないマルチビューディスプレイを特色とする。その代わりに、はっきりと異なるメディア(コンテンツ部分)が、山車が近づき、到着し、離れるときに、山車からの視聴者の距離に応じて視聴者に同時に見える。山車がルートの各セグメントの横に到着するときにその山車が特別なメッセージまたは驚かせる内容を有する場合、メッセージは、驚かせる内容を台無しにしないように、望まれるよりも遠くでは視聴者に示されない。
視聴者の各セクションを通り過ぎて運動場を走り回る車両が、同様の効果を上げることができる。たとえば、視聴者を走って通り過ぎる、屋根にMVDを搭載した車両を考える。ディスプレイは、3つの異なるコンテンツ部分を示す。車両の前の視聴者のメンバーは、それらのメンバーが「応援する」準備をするように促すメッセージを見、一方、現在車両の横にいる視聴者のメンバーは、「今、応援しよう」という合図を見る。既に応援し終えた車両の後ろの視聴者のメンバーは、応援を「感謝される」。車両がスタンドの側を走るとき、視聴者の各メンバーは、3つのコンテンツ部分を順に見るが、車両は、その車両が視聴者の横に並ぶまで合図のメッセージを見ることができない視聴者からの自然な反応の合図を出すことができる。
別の例は、人がディスプレイに対して相対的に移動するときに単一のディスプレイが連続したメッセージおよび画像を与える歴史に残る「Burma-Shave」の看板のMVDバージョンである。これの例は、視認者がディスプレイに近づくにつれて各節が見えるようになる韻を踏んだマーケティングメッセージである。すべての節が、ディスプレイ上で同時に利用可能であるが、それぞれの個々の節は、適切な順序で現れ、そして読まれるように人の動きを予期するかまたは追跡する指定されたゾーンからのみ見られ得る。
コンテンツは、視認者とマルチビューディスプレイとの間の距離に基づいて厳密に順番に並べられなくてもよい。ディスプレイに対する視認者のおおよその経路が予期され得る限り、コンテンツは、視認ゾーンによって順番に並べられ得る。
テーマパークのアトラクションの列を含む上述の事例の例が、図10に示される。迷路のような列になって待っている客は、すべて、同じMVD 102を見るが、客1032、1034、および1036がアトラクションに近づくにつれて、ディスプレイ上で見える連続した話が、それぞれの個々の客1032、1034、および1036のためにその話の正しい順序で進む。たとえば、空間的に異なるゾーンKK内の客1032が話の第1章(コンテンツ部分1)を見る一方、空間的に異なるゾーンMM内の客1034は話の第2章(コンテンツ部分2)を見る。同時に、空間的に異なるゾーンOO内の客1036は、話の第3のおよび最後の章(コンテンツ部分3)を見る。この場合、列は、行ったり来たり折れ曲がる可能性があり、客は、ディスプレイからの各自の距離を一貫して短くしない可能性がある。しかし、メッセージは、ディスプレイからの距離によってではなく、ゾーンによって順に見えるように設計され、したがって、引き続きその適切な順序で見られる。
別の例において、乗り物から30〜40分の客は、話の初めを見、待ち時間が20〜30分の客は、話の真ん中を見、乗り物に乗るまで20分以内の客は、物語の終わりを見る。すべての客は、その他の客がそれらの客のそれぞれの部分を見ているのと同時にディスプレイ上で物語のそれらのすべての客の部分を見る。
連続したコンテンツを提示する最後の例として、コンテンツは、視認者がMVDに対して相対的に移動するときにアニメーションされるまたは動いているように見えるように、慎重に計算された増加量ずつ変化するように設計される可能性がある。例において、複数の静止画は、見るために同時に利用可能であり、各画像は、ディスプレイに対して相対的な1つの指定されたゾーンまたは複数の指定されたゾーンからのみ見える。ディスプレイに対して位置を変えることによって、一定のレートで、視認者は、画像を映画のフレームとして見、それによって、アニメーションされた動きの見え方を作り出す。たとえば、第1の空間的に異なるゾーン内の第1の車両は、アニメーションの第1のフレームを見る一方、第2の空間的に異なるゾーン内の第2の車両は、アニメーションの第2のフレームを見る。同様に、それぞれの第3のおよび第4のゾーン内の第3のおよび第4の車両は、アニメーションの第3のおよび第4のフレームを同時に見る。それぞれの車両は、その車両がすべての視認ゾーンを横断して走るときに完全なアニメーションを見る。それぞれの視認者の動きのレートおよび経路は、予期される可能性があり、画像および視認ゾーンは、画像の正しい順番および適切に時間を決められた漸進的な動きを実現するためにマッチングされる可能性がある。
看板およびディスプレイは、建築、構造上の要素、家具、景観整備、またはその他の視線の問題によって引き起こされるような部分的な遮断または見えない場所を有するいくつかの位置から見える可能性がある。そのような場合、遮断を補償するコンテンツが、設計される可能性があり、遮断を調整されたコンテンツは、影響を受けるエリアからマルチビューディスプレイを見る者にのみ示される。
これらの場合、コンテンツは、見えるMVDの部分のみを占めるように再構成および/またはサイズ変更される可能性がある。別の技術は、ある時間の期間に、最終的には、ディスプレイの遮断されていない部分内にすべてのコンテンツが見えるようにコンテンツの要素をアニメーションすることである。さらに別の手法は、優先される要素が削減された表示スペース内で見られる可能性があり、遮断されるエリア内にはコンテンツがないようにコンテンツの量を減らすことである。
いくつかの遮断の事例が図11に示され、3人の視認者1138、1140、および1142がMVD 102を同時に見ている。人1138の視界は、高い垂直の柱1144によって部分的に覆い隠され、人1140の視界は、遮られておらず、人1142の視界は、水平の障害物1146によって部分的に覆い隠される。妨げを補償するために、人1138のためのコンテンツ部分1は、この実施形態においては、柱によって遮られていないMVD 102の部分内に垂直に配置される。人1142のためのコンテンツ部分3は、障害物によって遮られていないMVD 102の部分内に水平に配置される。人1140のためのコンテンツ部分2は、遮られていないのでディスプレイ全体を満たすように拡大され得る。当業者によく知られている標準的な画像リターゲティング(image retargeting)技術が使用され得る。
それぞれがコンテンツの特定の再レイアウトまたはその他の調整を必要とする、所与のMVDに関する様々な視線の問題が存在する可能性がある。コンテンツのそれぞれの再設計されたバージョンが、そのコンテンツの対応するゾーンまたは視認位置にマッピングされ、その結果、コンテンツのそれぞれの再設計されたバージョンは、そこから見る者にのみ示される。
たとえば、屋内のショッピングセンター内のMVDとして実装された店のひさしを考える。ひさしの側を通り過ぎる買い物客は、それらの買い物客の視界を柱によって部分的に遮られる可能性がある。それらのエリア内では、遮断に適合される異なるコンテンツ部分が、示される。
看板およびディスプレイが、下、上、右、または左など、極端な角度から見られるとき、それらの看板およびディスプレイのコンテンツは、歪んで見える可能性がある。マルチビューディスプレイは、ある角度から見られるときにコンテンツが錯覚により真っ直ぐ見られているかのように見えるように、そのコンテンツを伸ばすか、短縮するか、曲げるか、またはその他の方法で操作することによってトロンプルイユの様式で歪みを補償するコンテンツを設計する機会を与える。
図12は、それぞれがMVD 102を同時に凝視する3人の視認者1250、1252、および1254を示す。それらの視認者は異なる角度からディスプレイを見ているが、それぞれの視認者は、まるで真っ直ぐ見られているかのように歪んでいないように見えるように、コンテンツ部分1、コンテンツ部分2、およびコンテンツ部分3として特定されるディスプレイ上のグラフィックを同時に見る。
これは、MVD 102の視認角度をビン(bin)に区分けすることによって達成され得る。それぞれの視認角度のビンに関して、対応する視認角度からおおよそ歪んでいないように見えるように画像を変更する1組の変換パラメータが計算される。それから、変換パラメータが、それぞれの視認角度のビンのために表示される画像に適用される。そして、それぞれの変更された画像が、その視認角度のビンのためにMVD 102上に同時に示される。
本開示が例示的な実施形態の単なる一例を教示し、本発明の多くの変更が本開示を読んだ後の当業者によって容易に想到される可能性があり、本発明の範囲が添付の請求項によって決定されるべきであることを理解されたい。
100 システム
102 MVD
103 マルチビューピクセル
104 システムコントローラ
106 感知システム
108 コンテンツサーバ
210 プロセッサ
212 プロセッサがアクセス可能なストレージ
214 トランシーバ
310 プロセッサ
312 プロセッサがアクセス可能なストレージ
314 トランシーバ
406 深度を認識するカメラ
420 視認領域
422 ビームレット
422G 緑のビームレット
422R 赤いビームレット
520 視認領域
728 バス停
1032 客
1034 客
1036 客
1138 視認者
1140 視認者
1142 視認者
1144 柱
1146 障害物
1250 視認者
1252 視認者
1254 視認者

Claims (20)

  1. 差異化されたコンテンツをマルチビューディスプレイによって同時に表示するための方法であって、
    前記マルチビューディスプレイの視認領域内に複数の空間的に異なるゾーンを定義するステップと、
    前記複数の空間的に異なるゾーンに前記差異化されたコンテンツを割り振るステップであって、前記差異化されたコンテンツが、互いに異なる複数のコンテンツ部分を含む、ステップと、
    前記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルのそれぞれによって投射されたビームレットの複数の着地点のうちの少なくともいくつかに関して前記視認領域内の位置を推定するステップと、
    前記空間的に異なるゾーンのそれぞれのどこに前記いくつかの位置があるかを判定するステップと、
    前記着地点に関連付けられたビームレットを駆動して、前記割り振りに基づいて、前記位置のそれぞれにおいて適切なコンテンツ部分が見えるようにするステップであって、前記駆動されたビームレットのみが前記視認領域内に着地点を有するビームレットである、ステップとを含む、方法。
  2. (a)前記着地点の少なくともいくつかが、前記マルチビューピクセルのそれぞれに対して互いに同じ視認角度を共有し、
    (b)前記いくつかの着地点の第1の部分が、前記マルチビューピクセルのそれぞれから第1の距離にあり、
    (c)前記いくつかの着地点の第2の部分が、視認者とのビームレットの交点を表し、前記マルチビューピクセルのそれぞれから第2の距離にあり、
    (d)前記第2の距離が前記第1の距離より大きく、前記マルチビューディスプレイの前記視認者のビューが部分的に閉塞され、
    着地点の前記第2の部分に関連付けられたビームレットを駆動することが、前記視認者の部分的に閉塞されたビューにかかわらず、前記適切なコンテンツ部分が前記視認者に見えるようにする、請求項1に記載の方法。
  3. 位置を推定するステップが、前記視認領域の3次元の幾何学的な特徴付けを取得することをさらに含む請求項1に記載の方法。
  4. 位置を推定するステップが、前記ビームレットと前記視認領域内の面との間の交点を推定することをさらに含む請求項1に記載の方法。
  5. それぞれの空間的に異なるゾーンにそれぞれのコンテンツ部分を割り振ることが、前記コンテンツ部分との状況によって決まる適切性に基づき、
    状況によって決まる適切性が、前記空間的に異なるゾーンの特徴と前記コンテンツ部分の対象の特徴との間の関係を指す請求項1に記載の方法。
  6. 状況によって決まる適切性が、前記マルチビューディスプレイまでの空間的に異なるゾーンの距離、提示される情報の量、前記マルチビューディスプレイの視界が覆い隠される程度、およびコンテンツ部分の順番付けからなる群から選択された1つまたは複数の状況の考慮を含む請求項5に記載の方法。
  7. それぞれの空間的に異なるゾーンにそれぞれのコンテンツ部分を割り振ることが、前記ディスプレイに対する視認角度に基づく請求項1に記載の方法。
  8. それぞれの空間的に異なるゾーンに、関連付けられた空間的に異なるゾーン内で見える前記コンテンツ部分に関連付けられた対象を視認者に示す印を関連付けるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  9. 前記印が、前記関連付けられた空間的に異なるゾーン内で前記コンテンツ部分を見るべき位置をさらに示す請求項8に記載の方法。
  10. 前記複数のコンテンツ部分が見るために利用可能であることの教示を視認者に視覚的に伝達し、前記複数のコンテンツ部分の対象の指示を伝達するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  11. さらに、前記教示が、対話型であり、前記視認者によって制御可能である請求項10に記載の方法。
  12. 前記着地点の少なくともいくつかに関して、前記ビームレットによって運ばれているコンテンツ部分を構成する画像が視認角度の結果として歪められるかどうかを判定するステップと、
    前記視認角度から見られるときに、前記コンテンツ部分が、同じコンテンツ部分が真っ直ぐに見られて歪んでいないように見えるように、前記判定に基づいて前記コンテンツ部分を修正するステップと、
    前記修正されたコンテンツ部分を前記マルチビューディスプレイによって表示するステップとをさらに含む請求項2に記載の方法。
  13. ビームレットによって運ばれているコンテンツ部分を構成する画像に関して、前記方法は、
    前記マルチビューディスプレイからの前記画像の距離を判定するステップと、
    前記マルチビューディスプレイからのそれぞれの距離に応じて前記画像の1つまたは複数の特徴を変更するステップであって、変更される特徴が、画像のサイズ、コントラスト、フォント、スタイル、および色からなる群から選択される、ステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  14. ビームレットによって運ばれているコンテンツ部分を構成する画像に関して、前記方法は、
    前記マルチビューディスプレイからの前記画像の距離を判定するステップと、
    前記マルチビューディスプレイからのそれぞれの距離に応じて前記画像によって運ばれる情報の量を変更するステップであって、前記運ばれる情報の変更される量が、距離が長くなるにつれて減る、ステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  15. 前記着地点の少なくともいくつかに関して、前記ビームレットによって運ばれているコンテンツ部分を構成する画像への視認者の視線が部分的に遮られるかどうかを判定するステップと、
    前記コンテンツ部分をリターゲティングすることによって部分的な遮りを補償するために、前記判定に基づいて前記コンテンツ部分を修正するステップと、
    前記マルチビューディスプレイによって前記リターゲティングされたコンテンツ部分を表示するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
  16. 前記コンテンツ部分をリターゲティングすることが、前記画像のサイズまたは向きのうちの少なくとも一方を変更することをさらに含む請求項15に記載の方法。
  17. 前記空間的に異なるゾーンの少なくともいくつかに対して、前記空間的に異なるゾーンの少なくともいくつかに関連付けられた前記コンテンツ部分を表示することが、前記コンテンツ部分を順番に表示することをさらに含み、前記順番が、前記空間的に異なるゾーンの配列によって定義される請求項1に記載の方法。
  18. 複数の空間的に異なるゾーンを定義するステップが、垂直に、前記マルチビューディスプレイからの距離に基づいて、および前記マルチビューディスプレイの表示面に垂直な軸に対する角度の向きに基づいて、からなる群から選択されたやり方で前記視認領域を分離することをさらに含む請求項1に記載の方法。
  19. 前記ディスプレイを動作させて適切なコンテンツ部分が見えるようにするステップは、特定の空間的に異なるゾーン内の位置に応じて、必要に応じて調停によって、前記いくつかの着地点に関連付けられた前記ビームレットを駆動して、前記いくつかの着地点において適切なコンテンツ部分が見えるようにするステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  20. 差異化されたコンテンツを同時に表示するためのシステムであって、前記差異化されたコンテンツは互いに異なる複数のコンテンツ部分を含み、前記システムは、
    複数のマルチビューピクセル(103)を含むマルチビューディスプレイ(102)と、
    前記マルチビューディスプレイの視認領域(420)の3次元の幾何学配置の特徴付けを取得する感知システム(106)と、
    前記特徴付けを使用して、
    (a)前記マルチビューピクセルによって発せられた少なくともいくつかのビームレット(422)に関して前記視認領域内の着地点の位置を推定すること、
    (b)前記着地点のうちの少なくともいくつかの着地点にコンテンツ部分を割り振ることであって、前記コンテンツ部分のいくつかが互いに異なる、前記割り振ること、および
    (c)コンテンツの割り振りに基づいて、特定の空間的に異なるゾーン内の位置に応じて前記いくつかの着地点に関連付けられたビームレットの色および強度を設定することを行うコントローラ(104)とを含む、システム。
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