JP6735108B2 - X線コンピュータ断層撮影装置及びx線検出器 - Google Patents

X線コンピュータ断層撮影装置及びx線検出器 Download PDF

Info

Publication number
JP6735108B2
JP6735108B2 JP2016019209A JP2016019209A JP6735108B2 JP 6735108 B2 JP6735108 B2 JP 6735108B2 JP 2016019209 A JP2016019209 A JP 2016019209A JP 2016019209 A JP2016019209 A JP 2016019209A JP 6735108 B2 JP6735108 B2 JP 6735108B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detector
groups
cells
substrate
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016019209A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016154847A (ja
Inventor
敬之 山崎
敬之 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Canon Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Medical Systems Corp filed Critical Canon Medical Systems Corp
Priority to US15/047,782 priority Critical patent/US9907517B2/en
Publication of JP2016154847A publication Critical patent/JP2016154847A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6735108B2 publication Critical patent/JP6735108B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

本発明の実施形態は、X線コンピュータ断層撮影装置及びX線検出器に関する。
X線コンピュータ断層撮影装置はX線を検出するX線検出器を装備している。X線検出器は、X線を検出する複数の検出器セルと各検出器セルからの電気信号を信号処理する複数のDAS(Data Acquisition System)素子とを有している。具体的には、DAS素子は、検出器セルから電気信号を読み出し、読み出した電気信号を積分し、積分信号をデジタルデータに変換している。
高精細な解像度でのデータ収集のため、標準的なサイズよりも小さいサイズの複数の検出器セルが配列された高精細検出器も開発されている。検出器セルからの電気信号の読み出し方式としては同時読み出し方式と逐次読み出し方式とが知られている。同時読み出し方式において複数の検出器セルは複数のDAS素子と一対一で接続されている。同時読み出し方式は、検出器セル間での積分時間の同時性と電気信号の読み出しの高速性とを達成できるが、高精細検出器においては検出器セルとDAS素子との間の信号配線が高密度になり、技術的に実装が困難である。また、同時読み出し方式において検出器セルとDAS素子とは直接的に貫通電極を介して接続されているが、当該貫通電極の検出器セルに対する接触面積がセル面積に対して大きな面積を占めてしまう。そのため、セルサイズの微小化が困難である。逐次読み出し方式において複数の検出器セルは共通の信号配線を介してDAS素子に接続されている。そのため、逐次読み出し方式は、同時読み出し方式に比してセルサイズを容易に小さくすることができる。また、逐次読み出し方式は、上記の配線方式のため、高精細検出器を用いた場合であっても検出器セルとDAS素子との間の信号配線が高密度にならないが、検出器セル間での積分時間の同時性が崩れてしまう。
特許第4825443号明細書 特許第5135423号明細書 特許第5135424号明細書 特許第5135425号明細書
実施形態の目的は、標準的な解像度でのデータ収集と高精細な解像度でのデータ収集とを両立可能なX線コンピュータ断層撮影装置及びX線検出器を提供することにある。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線を発生するX線管と、基板に設けられ、前記X線を検出し、複数のグループに区分された複数の検出器セルと、前記複数の検出器セルにそれぞれ接続された複数の切替器と、前記複数のグループにそれぞれ接続され、前記グループ各々に属する複数の検出器セルからの電気信号を積分する複数のデータ収集器と、前記グループ各々に属する複数の検出器セルから略同時に電気信号の読み出しを行うための第1の接続と前記グループ各々に属する複数の検出器セルから異なるタイミングで電気信号の読み出しを行うための第2の接続との間で切り替えるように前記複数の切替器を前記グループ単位で制御する制御回路と、前記複数のデータ収集器からの出力に基づいて画像を再構成する再構成回路と、を具備する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図 図1のX線検出器の構成を模式的に示す図 図2の検出器セル群の構造を模式的に示す図 本実施形態に係る検出器セルチップ上に実装された複数の検出器セルの模式的な平面図 図1のX線検出器の詳細な構成を示す図 本実施形態に係る標準セルモードでの電気信号読み出しを説明するための回路図 本実施形態に係る高精細セルモードでの電気信号読み出しを説明するための回路図 本実施形態に係るX線検出器の切替器の制御系統を示す図 本実施形態に係るフロントイルミネート方式のフォトダイオードを使用したX線検出器の詳細な部分構成を示す図 本実施形態に係るバックイルミネート方式のフォトダイオードを使用したX線検出器の詳細な部分構成を示す図 本実施形態に係るセルグループの他の例を示す図 本実施形態に係るセルグループの他の例を示す図 従来例に係るX線検出器(同時読み出し方式且つ標準セル)の構造を模式的に示す平面図 従来例に係るX線検出器(同時読み出し方式且つ高精細セル)の構造を模式的に示す平面図 従来例に係るX線検出器(逐次読み出し方式且つ高精細セル)の構造を模式的に示す平面図
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置及びX線検出器を説明する。
図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成を示す図である。図1に示すように、X線コンピュータ断層撮影装置1は、架台10とコンソール30とを備えている。
架台10は、円筒形状を有する回転フレーム11を回転軸Z回りに回転可能に支持している。回転フレーム11には、回転軸Zを挟んで対向するようにX線管13とX線検出器15とが取り付けられている。回転フレーム11の開口(bore)にはFOV(field of view)が設定される。回転フレーム11の開口内には寝台17が挿入される。寝台17には被検体Sが載置される。回転フレーム11は、回転駆動装置19からの動力を受けて回転軸Z回りに一定の角速度で回転する。回転駆動装置19は、架台制御回路21からの制御信号に従って、回転フレーム11を回転するための動力を発生するモータにより実現されている。回転駆動装置19にはトリガ信号発生器23が取り付けられている。トリガ信号発生器23は、例えば、寝台駆動装置25であるモータの駆動軸に接続されたロータリーエンコーダを含む。トリガ信号発生器23は、回転フレーム11が既定角度回転する毎に電気パルス信号(以下、ビュートリガ信号と呼ぶ)を繰り返し発生する。ビュートリガ信号は、架台制御回路21に供給される。ビュートリガ信号間の単位時間はビューと呼ばれている。
寝台17は、被検体Sが載置される天板171と天板171を移動自在に支持する天板支持台173とを有する。例えば、天板支持台173は、天板171を回転軸Z方向、鉛直方向、及び水平方向に移動可能に支持する。天板支持台173は、寝台駆動装置25からの動力を受けて天板171を任意の方向に移動する。寝台駆動装置25は、架台制御回路21からの制御に従って天板171を任意の方向に移動するモータにより実現される。
寝台駆動装置25は、例えば、天板支持台173に収容される。
X線管13は、高電圧発生器27からの高電圧の印加とフィラメント電流の供給とを受けてX線を発生する。高電圧発生器27は、架台制御回路21からの制御信号に従い高電圧をX線管13に印加し、フィラメント電流をX線管13に供給する。
X線検出器15は、X線管13から発生されたX線を検出し、検出されたX線の強度に応じたデジタル値を有するデジタル信号(以下、生データと呼ぶ)を発生する。
図2は、X線検出器15の主たる構成を模式的に示す図である。図2に示すように、X線検出器15は、一方方向に積層された蛍光体51、セル群53、及び信号処理回路55を有している。以下、蛍光体51、検出器セル群53、及び信号処理回路55の積層方向を垂直方向と呼び、垂直方向に直交する方向を平行方向と呼ぶことにする。蛍光体51は、X線検出器15の表面に配置される。蛍光体51は、X線を吸収し、吸収されたX線の強度に応じた光量を有する蛍光を発する発光物質(シンチレータ)である。蛍光体51の背面には検出器セル群53が設けられている。
図3は、検出器セル群53の構造を模式的に示す図である。図3に示すように、セル群53は、2次元状に配列された複数の検出器セル61を有している。以下、検出器セル61の配列面を規定する2方向のうち、回転軸Zに平行する方向を列方向と呼び、列方向に直交する方向をチャンネル方向と呼ぶことにする。複数の検出器セル61は半導体基板60の表面又は背面に形成される。各検出器セル61は、蛍光体51から伝播された蛍光を受光し、受光された蛍光の光量に応じた波高値を有する電気信号に変換する。すなわち、各検出器セル61は、光に変換されたX線を間接的に検出する。具体的には、検出器セル61は、半導体の両端に電極が取り付けられてなるフォトダイオードを含む。半導体に入射したX線は、電子・正孔対に変換される。電子と正孔とは半導体の両端に形成された一対の陽極と陰極とに互いに引き寄せられ、電子・正孔対の電荷に応じた波高値を有する電気パルスが発生される。一の電気パルスは、入射X線の強度に応じた波高値を有する。
図2に示すように、セル群53の背面には信号処理回路55が設けられる。信号処理回路55は、複数の検出器セル61からの電気信号を信号処理するための複数の集積回路(以下、DAS素子と呼ぶ)を含む。各DAS素子は複数の検出器セル61に信号配線を介して接続されている。各DAS素子は、例えば、接続元の検出器セル61からの電気信号を読み出し、読み出された電気信号の積分信号を生成し、積分信号の波高値に対応するデジタル値を有する生データに変換する。生データは、非接触データ伝送装置等によりコンソール30に伝送される。
なお、上記の説明においてX線検出器15は、X線を光に変換することによりX線を間接的に検出する間接検出型であるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、X線検出器15は、X線を直接的に検出する直接検出器型であっても良い。
この場合、この場合、セル群53の前面に蛍光体51が設けられず、各検出器セル61は、直接的にX線を検出することとなる。
図1に示すように、架台制御回路21は、架台10に搭載された各種機器の制御を統括する。架台制御回路21は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の演算装置(プロセッサ)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置(メモリ)とを有する。架台制御回路21は、架台10内に収容される。架台制御回路21は、具体的には、X線検出器15、回転駆動装置19、及び高電圧発生器27を同期的に制御する。具体的には、架台制御回路21は、所定の角速度で回転フレーム11が回転するように回転駆動装置19を制御する。架台制御回路21は、トリガ信号発生器23からのビュートリガ信号の供給に同期してDAS153と高電圧発生器27とを同期的に制御する。高電圧発生器27は、架台制御回路21による制御に従いX線管13からX線を発生させる。DAS153は、架台制御回路21による制御に従いX線検出器15を介して生データを収集する。また、架台制御回路21は、後述の入力回路41を介したユーザからの入力に従って天板171を移動するように寝台駆動装置25を制御する。例えば、架台制御回路21による寝台駆動装置25に対する制御により、被検体Sの撮像部位がFOV内に含まれるように天板171が位置決めされる。なお、高電圧発生器27は、データ収集期間中において、X線を連続して発生させても良い。
コンソール30は、前処理回路31、再構成回路33、画像処理回路35、I/F回路37、主記憶回路39、入力回路41、表示回路43、及びシステム制御回路45を有している。
前処理回路31は、ハードウェア資源として、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置とROMやRAM等の記憶装置とを有する。前処理回路31は、架台10から伝送された生データに対数変換等の前処理を施す。前処理後の生データは投影データとも呼ばれている。前処理としては、対数変換やX線強度補正、オフセット補正等の各種の補正処理を含む。
再構成回路33は、ハードウェア資源として、CPUあるいはMPU、GPU等の演算装置とROMやRAM等の記憶装置とを有する。再構成回路33は、前処理後の生データに基づいて被検体Sに関するCT値の空間分布を表現するCT画像を発生する。画像再構成アルゴリズムとしては、FBP(filtered back projection)法やCBP(convolution back projection)法等の解析学的画像再構成法や、ML−EM(maximum likelihood expectation maximization)法やOS−EM(ordered subset expectation maximization)法等の統計学的画像再構成法等の既存の画像再構成アルゴリズムが用いられれば良い。
なお、前処理回路31と再構成回路33とは単一のハードウェア資源に組み込まれても良い。
画像処理回路35は、ハードウェア資源として、CPUあるいはMPU、GPU等の演算装置とROMやRAM等の記憶装置とを有する。画像処理回路35は、再構成回路33により再構成されたCT画像に種々の画像処理を施す。例えば、画像処理回路35は、当該CT画像にボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の3次元画像処理を施して表示画像を発生する。
I/F回路37は、コンソール30と架台10との間の通信のためのインタフェースである。例えば、I/F回路37は、予め設定された撮影条件を架台10に送信する。
主記憶回路39は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置である。例えば、主記憶回路39は、CT画像や表示画像のデータを記憶する。また、主記憶回路39は、本実施形態に係る制御プログラム等を記憶する。
入力部41は、入力機器によるユーザからの各種指令や情報入力を受け付ける。入力機器としては、キーボードやマウス、各種スイッチ等が利用可能である。
表示回路43は、CT画像やスキャン計画の設定画面等を表示機器に表示する。表示機器としては、例えばCRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等が適宜利用可能である。
システム制御回路45は、ハードウェア資源として、CPUあるいはMPUの演算装置とROMやRAM等の記憶装置とを有する。システム制御回路45は、X線コンピュータ断層撮影装置1の中枢として機能する。具体的には、システム制御部45は、主記憶回路39に記憶されている制御プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線コンピュータ断層撮影装置の各部を制御する。
次に、本実施形態に係るX線検出器及びX線コンピュータ断層撮影装置の詳細について説明する。
まずは、従来例に係るX線検出器の構造及び動作について説明する。図13は、従来例に係るX線検出器の構造を模式的に示す平面図である。図13に示すX線検出器は、標準的なセルサイズの検出器セルを有し、同時読み出し方式を採用している。複数の検出器セルが半導体基板に2次元状に配列されている。標準的なセルサイズの検出器セルを標準セルと呼ぶこともある。各検出器セルの背面には貫通電極が設けられている。半導体基板の背面において貫通電極はDAS素子(図示せず)に接続されている。このように標準セルとDAS素子とは貫通電極を介して一対一で接続されている。複数の標準セルからビュー毎に略同時に電気信号が読み出されることにより同時読み出しが行われる。このように標準セルとDAS素子とは貫通電極を介して一対一で接続される場合、貫通電極の標準セルに対する接触面積は標準セルのセルサイズの大部分を占めることはないので、有効なセル面積を確保することができる。しかしながら、当該X線検出器は、標準セルにより形成されているので、高解像度でのデータ収集をすることはできない。
図14は、従来例に係る他のX線検出器の構造を模式的に示す平面図である。図14に示すX線検出器は、高精細なセルサイズの検出器セルを有し、同時読み出し方式を採用している。以下、高精細なセルサイズの検出器セルを高精細セルと呼ぶこともある。図14に示すように、標準セルと同様に、高精細セルをDAS素子と貫通電極を介して一対一で接続する場合、貫通電極の高精細セルに対する接触面積は高精細セルのセルサイズの大部分を占めるため、有効なセル面積を確保することができない。また、高精細セルとDAS素子とを一対一で接続する場合、信号配線が高密度になり、実装が技術的に困難である。また、DAS素子を高精細セルと同様なサイズで構成することも困難である。
図15は、従来例に係る他のX線検出器の構造を模式的に示す平面図である。図15に示すX線検出器は、高精細セルを有し、逐次読み出し方式を採用している。図15に示すように、逐次読み出し方式を採用する場合、半導体基板上の複数の高精細セルの実装範囲の周囲に貫通電極またはボンディングパッドが設けられる。各高精細セルには切替器が接続される。複数の高精細セルは列単位で貫通電極またはボンディングパッドを共有し、当該貫通電極またはボンディングパッドに信号配線を介して接続される。逐次読み出し方式においては高精細セルの背面が貫通電極に接続されていないので、高精細セルの有効なセル面積を確保することができる。高精細セルからビュー毎に異なるタイミングで電気信号が読み出されることにより逐次読み出しが行われる。しかしながら、共通の信号配線に接続された複数の高精細セル同士の積分時間の同時性が崩れてしまう。
本実施形態に係るX線検出器15は、標準的な解像度でのデータ収集と高精細な解像度でのデータ収集とを両立可能な構成を有する。以下、本実施形態に係るX線検出器15について詳細に説明する。
上記の通り、X線検出器15は、蛍光体51、複数の検出器セル61を有するセル群53、及び複数のDAS素子を有する信号処理回路55を有している。セル群53は、複数の検出器セル61が半導体プロセスにより形成された複数の半導体チップ(以下、検出器セルチップと呼ぶ)を有している。信号処理回路55は、複数のDAS素子が半導体プロセスにより形成された複数の半導体チップ(以下、DASチップと呼ぶ)を有している。
複数の検出器セルチップと複数のDASチップとは、プリント基板等の絶縁性を有する基板(図示せず)において列方向及びチャンネル方向に関して2次元状に配列されている。
図4は、本実施形態に係る検出器セルチップ531上に実装された複数の検出器セル61の模式的な平面図である。図4は、セル群53をX線管13側から見た図を示している。図4に示すように、複数の検出器セル61は半導体基板601に2次元状に配列されている。半導体基板601は検出器セルチップ531の半導体基板であっても良いし、DASチップの半導体基板であっても良い。本実施形態に係る検出器セル61は、高精細セルと標準セルとの何れが用いられても良い。しかしながら、本実施形態に係るX線検出器15の有用性を高めるため、検出器セル61は高精細セルであるものとして説明する。また、列方向に関するセル数とチャンネル方向に関するセル数とは、図4においては4セルであるが、これに限定されず、セル数は如何なる数であっても良い。また、列方向に関するセル数とチャンネル方向に関するセル数とが同一の場合に限定されず、異なるセル数であっても良い。
図4に示すように、複数の検出器セル61の間には複数の貫通電極63が形成されている。貫通電極63は、半導体基板601に形成された貫通孔(スルーホール)の内周面に金属膜が形成されて成る。X線検出器15に含まれる貫通電極63の個数は検出器セル61のセル数に比して少ない。このように、本実施形態に係るX線検出器15において貫通電極63は、図14に示すように、高精細セル61の背面でもなく、図15に示すように、高精細セル61の実装範囲外でもない位置に設けられている。各検出器セル61には当該検出器セル61に蓄えられた電気信号の読み出しのONとOFFとを切り替える切替器65が設けられる。各切替器65は、後述の制御回路からの制御信号に同期して作動する。各検出器セル61と貫通電極63とは切替器65を介して信号配線67を介して接続されている。信号配線67はアルミや銅等の導電体により形成される。なお、切替器65と当該切替器65を制御する制御回路とを接続する信号配線は、検出器セル61と貫通電極63とを接続する信号配線67とは別に設けられるが、簡単のため省略する。
図4に示すように、複数の検出器セル61は、検出器セル61のセル数に比して少ない複数のグループ71に区分される。このグループをセルグループ71と呼ぶことにする。
例えば、図4においては、互いに隣接する4セルが1のセルグループ71を形成する。セルグループ71に含まれる検出器セル61の個数、チャンネル方向に関するセル数、列方向に関するセル数は、任意に設定可能である。例えば、図4においては、列方向に関する2セルとチャンネル方向に関する2セルとが1のセルグループ71を形成する。各セルグループ71には1の貫通電極63が割り当てられる。当該貫通電極63には当該セルグループ71に属する複数の検出器セル61、より詳細には、複数の切替器65に信号配線67を介して接続される。換言すれば、複数の検出器セル61が束ねられ1のセルグループ71を形成する。貫通電極63は、半導体基板601のうちの、セルグループ71に属する4つの検出器セル61が形成されていない部分(格子状部分)のうちの任意の部分に形成される。例えば、各セルグループ71に属する4つの検出器セル61の略中心(格子状部分の中心)に貫通電極63が形成される。これにより、貫通電極63と各検出器セル61との間の距離を等しくすることができる。これにより積分時間の同時性を高めることができる。
本実施形態に係るX線検出器15においては、標準的な解像度でのデータ収集を行う場合、セルグループ71を標準セルと見做し、当該セルグループ71に属する複数の高精細セル61から略同時に電気信号が読み出され、高精細な解像度でのデータ収集を行う場合、セルグループ71を読み出し単位と見做し、セルグループ71に属する複数の高精細セル61から異なるタイミングで電気信号を読み出す。以下、標準的な解像度でのデータ収集を行う制御モードを標準セルモードと呼び、高精細な解像度でのデータ収集を行う制御モードを高精細セルモードと呼ぶことにする。
以下、本実施形態に係るX線検出器15の詳細な構成及び動作について説明する。
図5は、本実施形態に係るX線検出器15の詳細な構成を示す図である。図5に示すように、本実施形態に係るX線検出器15は、複数のセルグループ71と信号処理回路55とを装備している。信号処理回路55は、複数のDAS素子551とA/D変換器556とを有している。
図5に示すように、複数のセルグループ71各々にDAS素子551が接続されている。各セルグループ71は、複数の検出器セル61を有している。複数の検出器セル61各々に切替器65が接続されている。各セルグループ71に属する複数の切替器65は、共通の信号線を介してDAS素子551に接続されている。
各DAS素子551は、例えば、積分回路552と個別制御回路554とを有している。積分回路552は、接続元のセルグループ71に属する複数の検出器セル61から複数の切替器65を介して電気信号を読み出し、読み出した電気信号を所定の期間に亘り積分する。当該所定の期間は、1ビューの期間に応じて設定される。個別制御回路554は、接続元のセルグループ71に属する複数の切替器65の接続と遮断とを制御する。具体的には、接続元のセルグループ71に属する複数の切替器65と積分回路552との間の接続を、個別制御回路554は、標準セルモードのための接続と高精細モードのための接続との間で切り替えるために当該複数の切替器65を個別に制御する。標準セルモードの場合、個別制御回路554は、接続元のセルグループ71に属する複数の切替器65の全てを略同時に開閉することにより、接続元のセルグループ71に属する複数の検出器セル61から略同時に電気信号を読み出す。高精細セルモードの場合、個別制御回路554は、接続元のセルグループ71に属する複数の切替器65を異なるタイミングで開閉することにより、接続元のセルグループ71に属する複数の検出器セル61から異なるタイミングで電気信号を読み出す。
図5に示すように、A/D変換器556は、複数のDAS素子551に接続され、複数のDAS素子551からの積分信号をA/D変換し、生データを生成する。A/D変換器556に接続されるDAS素子551の個数は幾つでも構わない。典型的には、所定数のDAS素子551について一個のA/D変換器556が接続されている。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。一個のDAS素子551について一個のA/D変換器556が接続されても良い。この場合、各DAS素子551にA/D変換器556が設けられることとなる。
図6は、標準セルモードでの電気信号読み出しを説明するための回路図である。図6においては1のセルグループ71の回路のみを示している。図6に示すように、各検出器セル61には切替器65が接続され、セルグループ71に属する複数の切替器65がDAS素子(より詳細には、積分回路)552の−極に並列的に接続されている。積分回路552の+極にはグランド(GND)73が切替器75を介して、グランド77に接続されたバイアス電源78が切替器79を介して接続されている。標準セルモードにおいては切替器79が開くことにより積分回路552とバイアス電源78との接続は遮断され、切替器75が閉じることにより積分回路552とグランド73とが接続され、各検出器セルは無バイアス状態となる。同時読み出しにおいては、積分回路552とグランド73との接続が維持された状態において、セルグループ71に属する全ての切替器65は常に接続が閉じられている。これにより同時読み出しが行われる。
図7は、高精細セルモードでの電気信号読み出しを説明するための回路図である。図7も図6と同様、1のセルグループ71の回路のみを示している。高精細セルモードにおいては、切替器79が閉じることにより積分回路552とバイアス電源78とが接続され、各検出器セル61にバイアス電圧が印加される。切替器75が開くことにより積分回路552とグランド73との接続は遮断される。切替器65がOFFの状態の検出器セルは、入力に応じた電荷が蓄積される。積分回路552とバイアス電源78との接続が維持された状態において複数の切替器65が順次ONになることにより、蓄積された電荷が積分回路552に読み出される。これにより逐次読み出しが行われる。
次に、本実施形態に係るX線検出器15の切替器65の制御系統について説明する。
図8は、本実施形態に係るX線検出器15の切替器65の制御系統を示す図である。図8に示すように、複数の検出器セル61が半導体基板601に配列され、各検出器セルには切替器が接続されている。複数の切替器65には制御回路90が接続されている。制御回路90は、例えば、半導体基板601に設けられている。制御回路90は、複数の切替器65を制御する。具体的には、制御回路90は、標準セルモードと高精細セルモードとに応じて複数の切替器65の制御方式を切り替える。標準セルモードにおいて制御回路90は、複数のビューに亘り、図6に示すように、各セルグループ71に属する複数の検出器セル61から同時に電気信号の読み出しを行うように複数の切替器65を制御する。高精細セルモードにおいて制御回路90は、複数のビューの各々において、図7に示すように、各セルグループ71に属する複数の検出器セル61から異なるタイミングで電気信号の読み出しを行うように複数の切替器65を制御する。このように制御回路90は、セルグループ71各々に属する複数の検出器セル61から略同時に電気信号の読み出しを行うための標準セルモードとセルグループ71各々に属する複数の検出器セル61から異なるタイミングで電気信号の読み出しを行うための高精細モードとの間で切り替えるように、複数の切替器65をセルグループ71単位で制御する。
制御モードはX線検出器15に実装される複数のセルグループ71の全てについて一律に設定される。制御モードを標準セルモードとするか高精細セルモードとするかは、例えば、入力部41を介して任意に設定可能である。
図8に示すように、具体的には、制御回路90は、複数の個別制御回路554と統括制御回路558とを有している。複数の個別制御回路554は、セルグループ71を構成する複数の検出器セル61のセル数と同数だけ設けられる。例えば、図8に示すように、セルグループ71が4つの検出器セルP1、P2、P3、P4を含むものとする。この場合、4つの個別制御回路554−1、554−2、554−3、554−4が設けられる。各個別制御回路554は、複数のセルグループ71各々に含まれる複数の検出器セル61のうちの特定の単一の検出器セルに対応する切替器65を制御する。例えば、個別制御回路554−1は、各セルグループの検出器セルP1を制御し、個別制御回路554−2は、各セルグループの検出器セルP2を制御し、個別制御回路554−3は、各セルグループ71の検出器セルP3を制御し、個別制御回路554−4は、各セルグループ71の検出器セルP4を制御する。各個別制御回路554は接続先の複数のセルグループ71の切替器65−4に略同一のタイミングで切替信号を供給する。
統括制御回路558は、複数のセルグループ71各々に属する複数の検出器セルP1、P2、P3、P4から所定のタイミングで電気信号の読み出しを行うように複数の個別制御回路554を制御する。統括制御回路558は、標準セルモードと高精細セルモードとに応じて複数の個別制御回路554−1、554−2、554−3、554−4の制御モードを切り替える。制御モードは予め設定されている。
標準セルモードにおいて統括制御回路558は、複数のビューに亘り複数のセルグループ71の各々に属する複数の検出器セルP1、P2、P3、P4から略同時に電気信号の読み出しを行うように複数の個別制御回路554−1、554−2、554−3、554−4を制御する。すなわち、複数の個別制御回路554−1、554−2、554−3、554−4は、標準セルモードに設定された場合、ON信号を接続先の複数の切替器65−1、65−2、65−3、65−4に略同時に供給する。ON信号が供給された場合、切替器65−1、65−2、65−3、65−4は接続を閉じる。接続が閉じられると検出器セルP1、P2、P3、P4から電気信号が略同時に読み出され、後続の信号処理回路55に電気信号が供給される。標準セルモードにおいて切替器65−1、65−2、65−3、65−4の接続の遮断は行われない。すなわち、標準セルモードにおいては複数のビューに亘り検出器セルP1、P2、P3、P4と切替器65−1、65−2、65−3、65−4とが常に接続されている。これにより各セルグループ71を標準セルと見做した電気信号の同時読み出しが実現される。
高精細セルモードにおいて統括制御回路558は、複数のビューの各々において、複数のセルグループ71の各々に属する複数の検出器セルP1、P2、P3、P4から異なるタイミングで電気信号の読み出しを行うように複数の個別制御回路554を制御する。具体的には、統括制御回路558は、複数のビューの各々において、略異なるタイミングで複数の個別制御回路554にON信号又はOFF信号を個別に供給する。各個別制御回路554は、制御信号が供給されたことを契機として接続先の切替器65に切替信号を供給する。具体的には、各個別制御回路554−1、554−2、554−3、554−4は、複数のビューの各々において、電気信号の読み出し開始指示が統括制御回路558からなされた場合、ON信号を接続先の切替器65−1、65−2、65−3、65−4に個別に供給し、電気信号の読み出し終了指示が統括制御回路558からなされた場合、OFF信号を接続先の切替器65−1、65−2、65−3、65−4に個別に供給する。ON信号が供給された場合、接続先の切替器65−1、65−2、65−3、65−4は接続を閉じる。接続が閉じられると接続先の検出器セルP1、P2、P3、P4から電気信号が個別に読み出され、後続のDAS素子551に電気信号が供給される。OFF信号が供給された場合、接続先の切替器65−1、65−2、65−3、65−4は接続を遮断する。接続が遮断されると当該検出器セルP1、P2、P3、P4は電気信号の蓄電を行う。これにより各セルグループ71単位での検出器セルP1、P2、P3、P4からの電気信号の逐次読み出しが実現される。
なお、上記の構成においては、統括制御回路558が個別制御回路554を介して各セルグループ71に属する複数の切替器65を制御するものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、統括制御回路558が複数の切替器65を直接的に制御しても良い。すなわち、統括制御回路558が個別制御回路554を介さずに複数の切替器65に直接的に接続されても良い。この場合、統括制御回路558は、セルグループ71各々に属する複数の検出器セル61から略同時に電気信号の読み出しを行うための標準セルモードとセルグループ71各々に属する複数の検出器セル61から異なるタイミングで電気信号の読み出しを行うための高精細モードとの間で切り替えるように、複数の切替器65をセルグループ71単位で制御する。
なお、上記の説明においては、X線検出器15に含まれる全ての検出器セルについて1つの制御回路90が設けられると見做して説明した。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、複数の検出器セルチップに複数の制御回路90が分散して設けられても良い。この場合、各制御回路90の個別制御回路554は、その近傍に配置されたセルグループ71に属する検出器セルを制御する。これにより検出器セルチップの独立性を高めることが可能となる。
なお、上記の説明において、制御モードは複数のセルグループ71について一律に予め設定されているものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、制御回路90は、CT撮像中(すなわち、回転フレーム11の回転中)において標準セルモードと高精細セルモードとを、複数のセルグループ71について一律に切り替えても良い。例えば、ヘリカルスキャンが行われる場合、肺等の高分解能が必要な部位をスキャンしている間は、高精細セルモードに設定され、腹部等の高分解能が必要ない部位をスキャンしている間は、標準セルモードに設定されると良い。また、心電同期スキャンが行われる場合、高分解能が必要な期間においては高精細セルモードに設定され、低線量が必要な期間においては標準セルモードに設定されると良い。
また、制御回路90は、X線検出器15での場所に応じて各セルグループ71の制御モードを標準セルモード又は高精細セルモードに設定しても良い。例えば、X線検出器15のチャンネル方向に関する端部に位置する検出器セル61からの生データは、中央部に位置する検出器セル61からの生データに比して画像に寄与しない。よって、制御回路90は、チャンネル方向に関する端部に位置するセルグループ71に標準セルモードを設定し、チャンネル方向に関する中央部に位置するセルグループ71に高精細セルモードを設定すると良い。これにより、比較的に画像に寄与する中央部については高精細セルモードでデータ収集を行い、比較的に画像に寄与しない端部については標準セルモードでデータ収集を行うことができるので、全て高精細セルモードの場合に比して、解像度を維持しつつデータ量を削減することができ、全て標準セルモードの場合に比して、解像度を向上することができる。また、チャンネル方向に関する端部に位置するセルグループ71については標準セルモードに最適な回路設計、すなわち、同時読み出し方式の回路設計がなされ、中央部に位置するセルグループ71については高精細セルモードに最適な回路設計、すなわち、逐次読み出し方式の回路設計がなされても良い。換言すれば、チャンネル方向に関する中央部に位置する複数の検出器セルのみが、図4に示すような本実施形態に特有の回路設計、すなわち、複数のセルグループ71に区分されても良い。これにより、チャンネル方向に関する端部の回路設計を簡易にすることができる。なお、同時読み出し方式のセルグループ71に属する複数の検出器セル61にはアナログ束ねが行われても良い。すなわち、当該複数の検出器セル61と単一の切替器65とが共通の信号配線を介して接続されても良い。これにより切替器65の個数を減らすことにより、製造コストを低減したり、切替器65の制御を簡易に行うことができる。
次に、本実施形態に係るX線検出器15の構造の詳細について説明する。以下、説明を具体的に行うため、検出器セル61はフォトダイオードであるとして説明する。本実施形態に係るX線検出器15の構造としてはフロントイルミネート方式のフォトダイオードを使用するタイプとバックイルミネート方式のフォトダイオードを使用するタイプとに大別される。
図9は、本実施形態に係るフロントイルミネート方式のフォトダイオードを使用したX線検出器15の詳細な部分構成を示す図である。図9は、X線検出器15に含まれる検出器セルチップ531とDASチップ550との断面図である。図9に示すように、フロントイルミネート方式の検出器セルチップ531は半導体基板601を有している。半導体基板601の表面には複数のフォトダイオードの陽極611が形成されている。半導体基板601における複数の陽極611の間に第1の貫通電極631が形成されている。第1の貫通電極631は、前述の貫通電極63の一部である。第1の貫通電極631は、半導体基板601に形成された貫通孔の内周面に金属膜が形成されて成る。前述のように、セルグループを構成する複数の検出器セルの陽極611の略中心部に形成される。陽極611と第1の貫通電極631との間には切替器65が設けられ、陽極611と切替器65と第1の貫通電極631とは信号配線67を介して接続されている。検出器セルチップ531の背面にはDASチップ551が設けられる。DASチップ550は半導体基板602を有している。半導体基板602の背面には複数のDAS素子551が設けられている。
DAS素子551はASIC等の半導体技術により形成された集積回路である。また、半導体基板602における複数のDAS素子551の間には第2の貫通電極632が形成されている。第2の貫通電極632とDAS素子551とは図示しない信号配線を介して接続されている。第2の貫通電極632は、半導体基板602に形成された貫通孔の内周面に金属膜が形成されて成る。第1の貫通電極631と第2の貫通電極632とは前述の貫通電極63を構成する。第1の貫通電極631と第2の貫通電極632とはバンプ633を介して一対一で接続されている。このよう陽極611とDAS素子551とは信号配線67、切替器65、第1の貫通電極631、バンプ633、及び第2の貫通電極632を介して接続される。なお第1の貫通電極631と第2の貫通電極632とはバンプ633を介して接続されるとしたが、これに限定されず、如何なる方法により接続されても良い。DAS素子551は1つのセルグループについて1つ設けられる。
図10は、本実施形態に係るバックイルミネート方式のフォトダイオードを使用したX線検出器15の詳細な部分構成を示す図である。図10に示すように、バックイルミネート方式の検出器セルチップ531の半導体基板601には背面に複数の電極611が形成されている。半導体基板601における複数の電極611の間に導電体634が形成されている。電極611と導電体634との間には切替器65が設けられ、電極611と切替器65と導電体634とは信号配線67を介して接続されている。検出器セルチップ531の背面にはDASチップ550が設けられている。導電体634と第2の貫通電極632とはバンプ633を介して接続されている。このように電極611とDAS素子550とは信号配線67、切替器65、導電体634、バンプ633、及び第2の貫通電極632を介して接続される。なお導電体634と第2の貫通電極632とはバンプ633を介して接続されるとしたが、これに限定されず、如何なる方法により接続されても良い。
以上によりX線検出器15の構造の詳細についての説明を終了する。
なお、上記においてセルグループ71に含まれる列方向に関するセル数とチャンネル方向に関するセル数とは同一であるとした。このような正方形状のセルグループを採用することにより、高精細セルモードと標準セルモードとのセルの縦横比を統一することができる。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。具体的には、図11に示すように、列方向に関するセル数がチャンネル方向に関するセル数に比して多くても良い。例えば、列方向に関するセル数が4に設定されチャンネル方向に関するセル数が2に設定されたり、列方向に関するセル数が2に設定されチャンネル方向に関するセル数が1に設定されたりしても良い。また、図12に示すように、列方向に関するセル数がチャンネル方向に関するセル数に比して多くても良い。例えば、列方向に関するセル数が2に設定されチャンネル方向に関するセル数が4に設定されたり、列方向に関するセル数が1に設定されチャンネル方向に関するセル数が2に設定されたりしても良い。
上記の説明の通り、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線管13、複数の検出器セル61、複数の切替器65、複数のDAS素子551、制御回路90及び再構成回路33を有する。X線管13は、X線を発生する。複数の検出器セル61は、半導体基板60に設けられ、X線を検出し、複数のセルグループ71に区分されている。複数の切替器65は、複数の検出器セル61にそれぞれ接続されている。複数のDAS素子551は、複数のセルグループ71にそれぞれ接続され、セルグループ71各々に属する複数の検出器セル61からの電気信号を積分する。制御回路90は、セルグループ71各々に属する複数の検出器セル61から略同時に電気信号の読み出しを行うための第1の接続とセルグループ71各々に属する複数の検出器セル61から異なるタイミングで電気信号の読み出しを行うための第2の接続との間で切り替えるように、複数の切替器65をセルグループ71単位で制御する。再構成回路33は、複数のDAS素子551からの出力に基づいて画像を再構成する。
他の観点から、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、X線検出器15を有している。X線検出器15は、半導体基板60、複数の検出器セル61、複数の貫通電極63、及び信号処理回路55を有している。複数の検出器セル61は、半導体基板60に設けられX線を検出する。複数の検出器セル61は、セル数に比して少ない複数のセルグループ71に区分される。複数の貫通電極63は、半導体基板60において複数の検出器セル61の間に設けられ、検出器セル61のセル数に比して少ない。貫通電極63各々は、複数の検出器セル61のうちのセルグループ各々に属する複数の検出器セル61に信号配線67を介して接続される。信号処理回路55は、複数の検出器セル61から複数の貫通電極63を介して供給された電気信号を信号処理する。
上記の構成により、本実施形態に係るX線検出器15は、標準セルと見做す単位で複数の検出器セル61をセルグループ71に束ねることにより、標準的な解像度でのデータ収集を行う標準セルモードと高精細な解像度でのデータ収集を行う高精細セルモードとを両立可能な回路構成を装備する。標準セルモードの場合、セルグループ71を標準セルと見做し、同時読み出し方式でのデータ収集を行う。すなわち、標準セルモードの場合、X線検出器15は、当該セルグループ71に属する複数の検出器セル61から略同時に電気信号を読み出す。従来とは異なり、貫通電極63が検出器セル61間に設けられているので、同時読み出しを行う標準セルモードにおいても有効セル面積を確保することができる。
それに加え、セルグループ71単位で信号配線67を束ねているので、信号配線67を高密度にすることなく同時読み出しを実現することができる。また、X線検出器15は、高精細セルモードの場合、高精細セルである検出器セル61単位で逐次読み出し方式でのデータ収集を行う。すなわち、高精細セルモードの場合、X線検出器15は、セルグループ71に属する複数の検出器セル61から異なるタイミングで電気信号を読み出す。セルグループ71を逐次読み出しの1単位とすることで、列単位を逐次読み出しの1単位とする従来に比して、積分時間の同時性の崩れを少なくすることができる。
かくして、標準的な解像度でのデータ収集と高精細な解像度でのデータ収集とを両立可能なX線検出器及びX線コンピュータ断層撮影装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…架台、11…回転フレーム、13…X線管、15…X線検出器、17…寝台、19…回転駆動装置、21…架台制御回路、23…トリガ信号発生器、25…寝台駆動装置、27…高電圧発生器、30…コンソール、31…前処理回路、33…再構成回路、35…画像処理回路、37…I/F回路、39…主記憶回路、41…入力回路、43…表示回路、45…システム制御回路、51…蛍光体、53…検出器セル群、55…信号処理回路、60…基板、61…検出器セル、63…貫通電極、65…切替器、67…信号配線、71…セルグループ、90…切替制御回路、551…DAS素子、552…積分回路、554…個別制御回路、558…統括制御回路、171…天板、173…天板支持台。

Claims (13)

  1. X線を発生するX線管と、
    基板に設けられ、前記X線を検出し、複数のグループに区分された複数の検出器セルと、
    前記複数の検出器セルにそれぞれ接続された複数の切替器と、
    前記複数のグループにそれぞれ接続され、前記グループ各々に属する複数の検出器セルからの電気信号を積分する複数のデータ収集器と、
    前記グループ各々に属する複数の検出器セルから略同時に電気信号の読み出しを行うための第1の接続と前記グループ各々に属する複数の検出器セルから異なるタイミングで電気信号の読み出しを行うための第2の接続との間で切り替えるように前記複数の切替器を前記グループ単位で制御する制御部と、
    前記複数のデータ収集器からの出力に基づいて画像を再構成する再構成部と、
    を具備するX線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記基板において前記複数の検出器セルの間に設けられ、前記複数の検出器セルのセル数に比して少ない複数の貫通電極を更に備え、
    前記貫通電極各々は、前記グループ各々に属する複数の検出器セルに配線を介して接続される、
    請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記基板は第1の基板と前記第1の基板の背面側に設けられた第2の基板とを有し、
    前記複数の貫通電極の各々は前記第1の基板に設けられた第1の貫通電極と前記第2の基板に設けられた第2の貫通電極とを有し、
    前記第1の基板の表面には前記複数の検出器セルが設けられ、
    前記第2の基板の背面には前記複数のデータ収集器が設けられ、
    前記第1の貫通電極と前記第2の貫通電極とはバンプを介して接続される、
    請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記基板は第1の基板と前記第1の基板の背面側に設けられた第2の基板とを有し、
    前記複数の貫通電極は前記第2の基板に設けられ、
    前記第1の基板の背面には前記複数の検出器セルが設けられ、
    前記グループ各々に属する複数の検出器セルの間に導電体が設けられ、
    前記第2の基板の背面には前記複数のデータ収集器が設けられ、
    前記導電体と前記貫通電極とはバンプを介して接続される、
    請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  5. 前記貫通電極各々は、前記基板における前記グループ各々に属する複数の検出器セルの略中心に設けられる、請求項2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  6. 前記グループ各々の列方向に関するセル数とチャンネル方向に関するセル数とは等しい、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  7. 前記グループ各々の列方向に関するセル数はチャンネル方向に関するセル数に比して多い、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  8. 前記グループ各々の列方向に関するセル数はチャンネル方向に関するセル数に比して少ない、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  9. 前記複数のグループのうちの前記第1の接続が行われる第1のグループは、チャンネル方向に関する端部に設けられ、前記複数のグループのうちの前記第2の接続が行われる第2のグループは、前記チャンネル方向に関する中央部に設けられ
    前記制御部は、前記切替器を制御して前記第1のグループに属する複数の検出器セルから略同時に電気信号を読み出し、前記切替器を制御して前記第2のグループに属する複数の検出器セルから異なるタイミングで電気信号を読み出す、
    請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  10. 前記第1のグループに属する複数の検出器セルは共通の配線を介して単一の前記切替器に接続される、請求項9記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  11. 前記制御部は、前記複数のグループの各々について前記第1の接続と前記第2の接続とをCT撮像中に切り替える、請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  12. 前記制御部は、前記グループ各々が有するセル数に応じた複数の個別制御回路と前記複数の個別制御回路を制御する統括制御回路とを有し、
    前記個別制御回路各々は、前記グループ各々に属する複数の切替器のうちの制御対象の切替器のONとOFFとを制御し、
    前記統括制御回路は、前記グループ各々に属する複数の検出器セルから所定のタイミングで電気信号の読み出しを行うように前記複数の個別制御回路を制御する、
    請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  13. 基板に設けられ、X線を検出し、複数のグループに区分された複数の検出器セルと、
    前記複数の検出器セルにそれぞれ接続された複数の切替器と、
    前記複数のグループにそれぞれ接続され、前記グループ各々に属する複数の検出器セルからの電気信号を積分する複数のデータ収集器と、
    前記グループ各々に属する複数の検出器セルから略同時に電気信号の読み出しを行うための第1の接続と前記グループ各々に属する複数の検出器セルから異なるタイミングで電気信号の読み出しを行うための第2の接続との間で切り替えるように前記複数の切替器を前記グループ単位で制御する制御部と、
    を具備するX線検出器。
JP2016019209A 2015-02-20 2016-02-03 X線コンピュータ断層撮影装置及びx線検出器 Active JP6735108B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/047,782 US9907517B2 (en) 2015-02-20 2016-02-19 X-ray computed tomography apparatus and X-ray detector

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015032144 2015-02-20
JP2015032144 2015-02-20

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016154847A JP2016154847A (ja) 2016-09-01
JP6735108B2 true JP6735108B2 (ja) 2020-08-05

Family

ID=56824394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016019209A Active JP6735108B2 (ja) 2015-02-20 2016-02-03 X線コンピュータ断層撮影装置及びx線検出器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6735108B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7177613B2 (ja) * 2018-07-04 2022-11-24 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線ct装置
JP7341721B2 (ja) * 2019-05-21 2023-09-11 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 放射線検出器、及びx線ct装置
CN110833429B (zh) * 2019-12-03 2024-03-26 上海联影医疗科技股份有限公司 计算机断层扫描成像方法、装置、设备及存储介质

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5430784A (en) * 1994-02-28 1995-07-04 General Electric Company Computerized tomography imaging using multi-slice detector with selectable slice thickness
JP4112058B2 (ja) * 1998-01-21 2008-07-02 株式会社東芝 マルチスライスx線ct装置
GB2441814B (en) * 2006-09-07 2012-04-11 Detection Technology Oy Photodiode array output signal multiplexing
JP5784339B2 (ja) * 2011-03-28 2015-09-24 株式会社東芝 X線コンピュータ断層撮影装置とその制御方法
JP5832852B2 (ja) * 2011-10-21 2015-12-16 浜松ホトニクス株式会社 光検出装置
WO2013191001A1 (ja) * 2012-06-20 2013-12-27 株式会社日立メディコ X線ct装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016154847A (ja) 2016-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008286800A (ja) 放射線検出器、放射線検出システム及び放射線検出器を備えたx線ct装置
JP2007130464A5 (ja)
JPH10164437A (ja) 放射線撮像装置及び放射線撮像素子の駆動方法
US7119341B2 (en) Split scan line and combined data line x-ray detectors
JP2013150304A (ja) 放射線画像検出器、放射線画像撮像装置、及び放射線画像撮像システム
EP3622705B1 (en) Active pixel sensor computed tomography (ct) detector and method of readout
JP2003066149A (ja) 放射線検出器、放射線検出システム、x線ct装置
JP6735108B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置及びx線検出器
CN1879559A (zh) 放射线成像装置、其控制方法和放射线成像系统
JP2004057816A (ja) 交互配置型走査線を備えた固体検出器を用いて一連の画像を取得する方法及び装置
JP6870920B2 (ja) X線ct装置及びx線検出装置
US9907517B2 (en) X-ray computed tomography apparatus and X-ray detector
JP2022013031A (ja) 放射線検出器および放射線診断装置
US9547090B2 (en) X-ray computed tomography apparatus and X-ray detector
JP6104337B2 (ja) 放射線画像撮影システム
JP5981273B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
JP7118798B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
JP2020005795A (ja) 医用画像処理装置及びx線ct装置
US20230106633A1 (en) Detector module, x-ray computed tomography apparatus and x-ray detection device
JP7199920B2 (ja) X線コンピュータ断層撮影装置
US11650337B2 (en) Converter array, detector, and photodiode array
JP2007298530A (ja) 放射線検出器、放射線検出システム、x線コンピュータトモグラフィ装置
JP2004181017A (ja) X線ct装置
JP2017086474A (ja) X線検出器およびx線コンピュータ断層撮影装置
JP2005312912A (ja) X線ct装置および投影データ収集装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160222

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160512

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190924

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200616

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6735108

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150