JP6732493B2 - 天板昇降式什器システム - Google Patents
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Description
天板付什器においては、使用者の姿勢、体格、性別、好み等によって、作業のしやすい天板の高さは個々に異なる。このため、天板の高さを上下に変更可能とした天板昇降式什器が使用されている。天板昇降式什器においては、使用者の要望に応じた天板高さの作業エリアを提供することができ、作業効率を向上させることができるとともに、使用者の体への負荷を軽減することができる。
この種の天板昇降式什器の天板の昇降機構としては、ガススプリングやギアを用いるもの、電動式駆動ユニットを用いるもの等が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
天板昇降式什器は、例えば、ワゴンなどの他の什器と組み合わされたり、複数の天板昇降式什器が組み合わされたりすることで、天板昇降式什器システムとして用いられることがある。
天板昇降式什器システムでは、天板が昇降しても、配線ケーブル同士あるいは配線ケーブルと他の什器との干渉や絡み合いなどを防止することが強く求められている。
本発明の天板昇降式什器システムは、天板と、前記天板を昇降可能に支持する支持脚と、前記天板から垂下された配線ケーブルとを有する天板昇降式什器と、前記天板昇降式什器と独立に設けられ、前記配線ケーブルを上方から挿通する開口部が上端部に形成されており、前記開口部の下方に前記配線ケーブルを収容する配線収容什器と、を備え、前記配線収容什器は、前記天板昇降式什器の前記天板の下方において、鉛直方向から見て、前記開口部が、前記天板昇降式什器における前記配線ケーブルと前記天板との固定部、および前記天板と重なる位置関係に配置されており、前記天板昇降式什器は、前記天板が水平面における第1の方向に延びており、前記支持脚が前記天板の下方において前記第1の方向に対向して配置された一対からなり、前記配線ケーブルが前記一対の支持脚の前記第1の方向における内側の側面より外側に位置する前記天板の端部から垂下されており、前記配線収容什器の前記開口部は、前記第1の方向と直交する第2の方向に延びている。
線ケーブルと天板との固定部および天板と重なる位置関係に設けられた、配線収容什器の
開口部に上方から挿入される。このため、天板が昇降して配線ケーブルが移動しても、天
板の下方における開口部の範囲で移動するため、配線ケーブルの安定的な移動が可能とな
る。
また、第1の方向に対向して配置された支持脚の内側の側面よりも外側に垂下される配線ケーブルを、第2の方向に延びる配線収容什器の開口部内に収容することができる。このため、第1の方向における支持脚の内側における天板の下のスペースを有効利用することができる。
このように構成することで、天板昇降式什器の支持脚の配置位置と、配線収容什器の配置位置とを重ねることができるため、天板昇降式什器システムの設置面積の省スペース化が可能である。
このように構成することで、位置規制部によって、天板昇降式什器と配線収容什器との互いの位置関係を容易に合わせることができる。
このように構成することで、複数の天板昇降式什器の天板を横断するように設けられた1つの配線収容什器に、複数の天板からの配線ケーブルをまとめて収容することができる。このような配線収容什器においては、各天板の配線ケーブルと接続する配線を収容することで、各天板の配線ケーブルとの接続が容易になり、配線レイアウトを簡素化することができる。
本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器システムについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器システムの構成例を示す模式的な斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態の天板昇降式什器システムの主要部の構成例を示す模式的な分解斜視図である。図3は、図2におけるA部の拡大図である。図4は、図3におけるB視の平面図である。図5は、図4におけるC−C断面図である。図6は、図4におけるD−D断面図である。
デスク装置110Aとデスク装置110Dとは、それらの間に配線収容ユニット120を挟んで、水平面におけるX方向(第1の方向)に対向して配置されている。配線収容ユニット120は、水平面においてX方向と直交するY方向(第2の方向)に延びて配置されている。
デスク装置110A、110B、110Cは、配線収容ユニット120に対して、X方向の同方向側となる領域に、Y方向に互いに離間して配列されている。
デスク装置110A、110B、110Cは、いずれも同一の構成を有し、配置位置のみが異なる。以下では、デスク装置110A、110B、110Cの構成の説明など、互いを区別する必要のない説明では、デスク装置110と称する場合がある。
図2に示すように、デスク装置110は、天板1と、天板1を昇降可能に支持する支持脚2L、2Rとを備える。
図1に描かれた各天板1の高さは一例であり、操作者が適宜変更することができる。図1では、天板1Aがデスク装置110による最上位置に位置し、天板1Cがデスク装置110による最下位置に位置する場合の例が描かれている。
天板1の平面視の外形は、矩形状の長辺を構成する正面外縁1fおよび背面外縁1bと、矩形状の短辺を構成する左側外縁1hおよび右側外縁1mとを有する。
正面外縁1fは、デスク装置110の標準的な使用状態において天板1の周りで使用者が立ったり座ったりする場合に、使用者が正対する外縁である。左側外縁1h(右側外縁1m)は、正面外縁1fから背面外縁1bに向かって左側(右側)の外縁である。
デスク装置システム100において、各天板1は、天板1の長手方向がX方向、短手方向がY方向となり、右側外縁1mが、配線収容ユニット120上に位置する向きに配置さている。
本実施形態では、天板1の支持ブラケット3は、天板1の左側外縁1h、右側外縁1mの近傍において、それぞれ左側外縁1h、右側外縁1mに沿う方向に延びて設けられている。支持ブラケット3は、天板1の長手方向において左側外縁1h(右側外縁1m)との間に天板下面が露出するように固定されていてもよい。ただし、本実施形態では、後述する支持脚2L、2Rの間における天板1下のスペースを広くするため、各支持ブラケット3の側面が、それぞれ左側外縁1h、右側外縁1mと略並ぶ位置において天板1と固定されている。
使用者が操作部7に対して所定の操作を入力すると、操作部7から電気配線を通して、制御ユニットに操作信号が送信される。制御ユニットは、操作部7から操作信号を受信すると、受信した信号に基づいて、天板1を支持する後述の昇降脚部材2Aに昇降動作を実行させる指令信号を出力する。後述の昇降脚部材2Aは、指令信号を受信すると、その指令信号に応じて伸縮駆動される。これによって、天板1の高さの調整がなされる。
本実施形態では、各天板1は、2つの昇降脚部材2Aによって支持されている。このため、操作信号を受信した天板1の制御ユニットは、2つの昇降脚部材2Aを同期して駆動する。これにより、天板1が水平を保って昇降移動される。
配線ケーブル8は、電源用、通信用等の配線を備える。配線ケーブル8内の配線は、少なくとも、制御ユニット、および後述する昇降脚部材2Aの伸縮駆動装置への電源配線を含む。配線ケーブル8の配線は、例えば、電気配線でもよいし、光ファイバなどの光配線でもよい。
配線ケーブル8は、単数または複数の配線自体でもよい。複数の配線の場合、束ねられていれもよいし、束ねられていなくてもよい。
ケーブル保護チェーン8dから延出されたケーブル本体8aの電源配線の先端にはプラグ8bが設けられている。
支持脚2Lの上端部は、天板1の長手方向(X方向)において、左側外縁1h寄りの天板端部に設けられた支持ブラケット3に固定されている。
支持脚2Rの上端部は、天板1の長手方向において右側外縁1m寄りの天板端部に設けられた支持ブラケット3に固定されている。
以下、支持脚2L、2Rの構成について、支持脚2Lの例で説明する。
ベース部材2Bは、天板端部の下方において天板1の短手方向(Y方向)に延びて配置される。ベース部材2Bの長さは、天板1を安定して支持できる長さであれば特に限定されないが、本実施形態では、一例として、天板1の短手方向の幅(背面外縁1bと正面外縁1fとの間の距離)と略等しい。
ベース部材2Bの短手方向(天板1の長手方向)におけるベース部材2Bの幅は、後述する昇降脚部材2Aが固定可能な幅であればよい。
ベース部材2Bの下面には、複数の接地部材2dが突出されている。ベース部材2Bは、複数の接地部材2dを介して床面F上に配置される。接地部材2dは、ベース部材2Bの配置高さおよび水平レベルを調整できるようになっている。
接地部材2dの個数は2以上であれば、特に限定されない。本実施形態では、一例として、ベース部材2Bの長手方向における両端部と中央部とにそれぞれ1つずつ設けられている。
第1筒部2a、第2筒部2b、および第3筒部2cは、それぞれ角筒状をなしている。
昇降脚部材2Aは、伸縮駆動装置(不図示。以下同じ。)を内蔵している。昇降脚部材2Aは、伸縮駆動装置が駆動源(不図示。以下同じ。)によって駆動されることによって、第1筒部2aに対し、第2筒部2b、第3筒部2cが鉛直方向に沿って出没することできる。これにより、昇降脚部材2Aは、昇降脚部材2A全体としての鉛直方向の長さが調整可能(伸縮可能)となっている。
昇降脚部材2Aの第3筒部2cの上端は、支持ブラケット3と、例えば、ビス止めなどによって固定されている。
天板1Dは、天板1において左側外縁1hと正面外縁1fとのなす角部を平面視略矩形状に切り欠いて構成された平面視L字状の外形を有する。このため天板1Dにおいて、左側外縁1hは、右側外縁1mよりも短くなっている。
天板1Dは、左側外縁1h側の天板端部においてデスク装置110と同様に、ベース部材2Bと昇降脚部材2Aとからなる支持脚2Lによって支持される。
天板1Dは、右側外縁1m側の天板端部においては、ベース部材2Bと、ベース部材2Bの長手方向の両端部に立設された2つの昇降脚部材2Aとからなる支持脚2RDによって支持される。支持脚2RDの各昇降脚部材2Aの上端は、支持ブラケット3を介して天板1Dに固定されている。
第1収容部6A、第2収容部6B、および第3収容部6Cは、いずれもそれぞれの長手方向(Y方向)に延びる鉛直面に関して面対称な形状を有する。
第1収容部6Aは、デスク装置110A、110Dの間に配置されている。第1収容部6Aの内部には、天板1A、1Dから垂下された各配線ケーブル8(天板1Dから垂下された配線ケーブル8は不図示)の下端部が収容されている。
第2収容部6B(第3収容部6C)は、デスク装置110B(110C)の右側外縁1m側に配置されている。第2収容部6B(第3収容部6C)の内部には、天板1B(1C)から垂下された配線ケーブル8の下端部が収容されている。
さらに、第1収容部6A、第2収容部6B、および第3収容部6Cの内部には、これらの長手方向(Y方向)にまたがる電源用、通信用などの配線を含むケーブルが挿通および収容可能である。
側板部6cは、各ベース部材6aの中央部において、それぞれ立設されている。
側板部6cのX方向の中心部には、鉛直方向に長いスリット状の水平方向開口部6dが厚さ方向(Y方向)に貫通している。
上面部6eは、Y方向に互いに対向する各側板部6cの上端部において、各側板部6cのX方向の中心部に固定されている。上面部6eは、Y方向に長く延ばされており、各側板部6cのY方向のスパンを決めている。上面部6eのX方向の幅は、側板部6cのX方向の幅よりも狭い。
各側板6gは、Y方向の両端部に係止部6uが設けられている。各係止部6uは、側板部6cに設けられた係止金具に係止され、側板部6cのX方向の端面と略同位置に係止される。
側板6gを係止する係止金具は係止専用の部材を用いてもよい。ただし、本実施形態では、後述する配線ガイド6qが係止金具を兼ねている。
各側板部6cに係止された側板6gの内面と、上面部6eのX方向の側面6fとの間には、Y方向に延びる平面視矩形状の開口部6vが形成されている。
開口部6vのX方向の幅は、X方向における第1筒部2aの幅よりも広い。
図3、図4に示すように、切欠き部6mは、昇降脚部材2Aの第1筒部2aが挿通可能な大きさに形成されている。
切欠き部6mは、挿通された第1筒部2aのX方向およびY方向の位置を規制可能な位置規制部を構成している。切欠き部6mによる位置規制の範囲は、Y方向においては、切欠き部6mのY方向の幅と、第1筒部2aのY方向の幅との差によって決まる。
第2配線ダクト部6nは、鉛直方向においては、第1配線ダクト部6hと上面部6eとの間に配置されている。第2配線ダクト部6nは、平面視では上面部6eに覆われる位置に配置されている。
平面視にて、側面部6rと第2配線ダクト部6nの側面との間には、昇降脚部材2Aと昇降脚部材2Aが支持する天板1から垂下された配線ケーブル8とを収容可能な隙間が形成されている。
図3に示すように、側面部6rには、側板6gの係止部6u(図2参照)を着脱可能に係止する係止孔6tが形成されている。
昇降脚部材2Aの第1筒部2aは、切欠き部6mによって、X方向およびY方向の位置が規制された状態で、切欠き部6m内に配置されている。
図6に示すように、支持脚2Rのベース部材2Bは、第1配線ダクト部6hの底面部6iの下方においてY方向に延ばされて配置されている。
このため、平面視では、図4に示すように、天板1Bの右側外縁1mがY方向に平行に配置される。右側外縁1mの近傍の天板端部1aは、開口部6v上にあって、第1配線ダクト部6hの側面部6jと第2配線ダクト部6nの側面との間の隙間に重なるように配置されている。天板端部1aの下面において配線ケーブル8を固定する連結金具8c(固定部。図4では図示略。図5参照)の位置も同様である。
図6に示すように、配線ケーブル8の端部は、連結金具8cを介して、配線ガイド6qの上端部に固定されている。本実施形態では、配線ケーブル8がケーブル保護チェーン8dを備えるため、配線ケーブル8は、Y方向に沿う鉛直面内で湾曲することが可能である。
配線ケーブル8は、天板1Bが最下位置(図示実線参照))にあるとき、X方向から見てJ字状に垂下している。このとき、第2収容部6B内の配線ケーブル8は、X方向から見てU字状に湾曲しており、連結金具8cの近傍の配線ケーブル8は、配線ガイド6qに沿って下方に垂れている。配線ケーブル8の下側の湾曲部は、側面部6jに接触している。
第2収容部6B内の配線ケーブル8は、天板1Bが最上位置(図示二点鎖線参照))にあるときには、上方に引き上げられて側面部6jからは浮いている。
テーブルタップ9のケーブル9aは、孔部6kに挿通され、第2収容部6Bの下方に延出されている。ケーブル9aの端部は、例えば、床面Fの下に設けられた図示略の商用電源等に接続される。
図5に示すように、仕切り板10は、X方向から見て矩形板状の仕切り板本体10aと、仕切り板本体10aの下端から下方に延出された取付部10bとを有する。
取付部10bは、例えば、軸状部材などからなり、各仕切り板本体10aに複数設けられている。取付部10bは、上面部6eの図示略の孔部に挿通されて、第2配線ダクト部6nにおいて支持されている。
図1では、各仕切り板10が同形状の場合の例が示されているが、各仕切り板10の外形や高さなどは互いに異なっていてもよい。さらに、デスク装置110等のレイアウトによって不要となる仕切り板10は、適宜取り外すことが可能である。
上述したように、配線収容ユニット120は、各デスク装置110、110Dの昇降脚部材2Aを切欠き部6mに挿通して、支持脚2L、2Rのいずれか一方を、第1収容部6A、第2収容部6B、および第3収容部6Cのいずれかの内部に配置することができる。
このとき、各天板1(1D)の右側外縁1m(左側外縁1h)の近傍の天板端部1aが、平面視にて、第1収容部6A、第2収容部6B、および第3収容部6Cにおける開口部6vとそれぞれ重なる位置関係に配置される。さらに、天板端部1aの下面における配線ケーブル8の固定部も開口部6vと重なるため、配線ケーブル8の下端部が、開口部6vに進退可能な状態で、第1収容部6A、第2収容部6B、および第3収容部6Cのいずれかの内部に収容される。
第1収容部6A、第2収容部6B、および第3収容部6Cの内部では、底面部6i上において、配線ケーブル8と干渉しない位置に、テーブルタップ9およびケーブル9aが配置されている。これにより、各天板1(1D)が昇降しても、各天板1(1D)から垂下する配線ケーブル8が、テーブルタップ9およびケーブル9aと干渉することなく円滑に移動することができる。このため、配線ケーブル8の安定的な移動が可能である。
さらに、各デスク装置110(110D)の支持脚2R(2L)を、平面視にて開口部6vと重なる範囲に配置するため、デスク装置システム100の設置面積を低減することができる。
さらに、各デスク装置110(110D)において配線ケーブル8が、支持脚2R、2L(2L、2RD)の内側の側面よりも外側に位置するため、支持脚2R、2L(2L、2RD)間の各天板1(1D)の下方のスペースを有効利用することができる。
さらに、例えば、デスク装置110Aの支持脚2Lを、第1収容部6Aにおいて、第2収容部6B寄りの切欠き部6mに配置することによって、デスク装置110A、110Bが、互いの背面外縁1bが対向し合うように配置することもできる。
このように、デスク装置システム100では、デスク装置110等のレイアウトを種々変更することができる。いずれのレイアウトでも、各配線ケーブル8の安定的な移動が可能であり、各配線ケーブル8をコンパクトに収容することができる。
本発明の第2の実施形態の天板昇降式什器システムについて説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態の天板昇降式什器システムの構成例を示す模式的な斜視図である。図8は、図7におけるE視の斜視図である。図9は、図8におけるF視の平面図である。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
天板11は、天板1と同様の正面外縁1f、右側外縁1m、および左側外縁1hを備え、天板1の背面外縁1bに代えて、背面外縁11bを備える。上記第1の実施形態と同様に、水平面において、正面外縁1fが延びる方向をX方向、水平面においてX方向と直交する方向(左側外縁1h、右側外縁1mが延びる方向)をY方向と言う。
背面外縁11bは、平面視において、左側外縁1h、右側外縁1mの間で正面外縁1fから遠ざかる方向に張り出す折れ線状または曲線状に形成されている。
ただし、上記第1の実施形態とは異なり、少なくとも支持脚2Lの固定位置は、平面視にて左側外縁1hから支持脚2Lまでの間の範囲に、後述するワゴン140が配置できる程度に、左側外縁1hから離されている。図7、図8では、一例として、支持脚2Rも右側外縁1mから支持脚2Lと同様の距離だけ内側に入った位置で固定されている例が図示されている。
支持脚2Lが固定された支持ブラケット3と左側外縁1hとの間における天板11の下面には、連結金具8cを介して配線ケーブル8の上端部が固定されている。
ただし、本実施形態では、配線ケーブル8は、X方向に延びる鉛直面内で、湾曲自在となる向きに固定されている。
以下、ワゴン140において、各ドローアーが引き出される側をワゴン140の前側、その反対側をワゴン140の後側と言う。ワゴン140の左右方向に関しては、前側から後側を見たときの左右で表す。
図8に示すように、ワゴン140の後側には、上面部20aの後側の短辺に沿って、各側板部20bの間に渡された背板部20cが配置されている。
ワゴン140の上面部20aの後側の端部には、背板部20cの近傍に、ワゴン140の左右に延びる平面視矩形状の開口部20dが形成されている。
開口部20dの短手方向(上面部20aの長辺方向)の幅は、配線ケーブル8のY方向の幅よりも広い。
図9に示すように、平面視において、ワゴン140に収容されたドローアー21a、21b、21cの後側の端部と、開口部20dとの間には、ワゴン140の内部空間を前後に仕切る隔壁部20eが配置されている。
底板部20fには、厚さ方向に貫通する挿通孔部20gが形成されている。
ただし、デスク装置システム101では、ワゴン140は配線収容什器としても機能する。
このため、図9に示すように、ワゴン140は、開口部20dがX方向に延ばされ、天板11から垂下される配線ケーブル8が上方から開口部20dに挿通される位置関係に配置される。このとき、ワゴン140の右側(図9では左側)の側板部20bは、Y方向において支持脚2Lの外側に隣り合って配置される。
ワゴン140のY方向の位置は、配線ケーブル8が、開口部20dの短手方向の略中央部に挿通する位置である。
ワゴン140は、支持脚2Lが固定された支持ブラケット3と左側外縁1hとの間の天板端部11aの下方に配置されている。
底板部20f上には、テーブルタップ9が配置されており、配線ケーブル8から延出されたケーブル本体8aのプラグ8bはテーブルタップ9に挿入されている。
テーブルタップ9のケーブル9aは、挿通孔部20gに挿通され、底板部20fの下方に延出されている。ケーブル9aの端部は、例えば、床面Fの下に設けられた図示略の商用電源等に接続される。
したがって、天板11が昇降しても、天板11から垂下する配線ケーブル8の安定的な移動が可能となる。
本実施形態では、ワゴン140の一部が配線収容什器の機能を有するため、配線収容什器をワゴンなどの執務に必要な什器と別に設ける場合に比べて、省スペース化を実現できる。
本実施形態のデスク装置システム101は、単一のデスク装置130と、配線ケーブルとしてはデスク装置130の配線ケーブル8のみを収容するワゴン140と、からなる場合の構成例になっている。
本発明の第3の実施形態の天板昇降式什器システムについて説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態の天板昇降式什器システムの構成例を示す模式的な正面図である。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
天板端部31aの下面において、X方向の中間部には、連結金具8cを介して、配線ケーブル8が垂下されている。配線ケーブル8は、上記第1の実施形態と同様、X方向に延びる鉛直面内で湾曲自在になっている。
配線収容ユニット160は、Y方向から見ると、上面部36a(上端部)と、上面部36aのX方向の両端部から下方に延ばされた側板部36bと、側板部36bの下端部の間に水平方向に渡された底板部36fとで囲まれた矩形状に形成されている。
底板部36fの下面には、上記第1の実施形態と同様、複数の接地部材6bが突出されている。底板部36fは、複数の接地部材6bを介して床面F上に配置される。
配線収容ユニット160のY方向の両端部は、図10に一端部を示すように、端部カバー36sによって塞がれている。
配線収容ユニット160の内部には、テーブルタップ9(不図示。以下同じ。)が配置され、図示略の挿通孔などから、ケーブル9a(不図示。以下同じ。)が延出可能である。テーブルタップ9およびケーブル9aは、底板部36fと絡まないように配置されている。
配線収容ユニット160の内部には、収容される配線ケーブル8とケーブル9a等のケーブルとの絡み合いを防止する部材が配置されていてもよい。例えば、配線収容ユニット160の内部には、上記第1の実施形態と同様に、チャンネル部材や板部材を配置するなどして、配線ケーブル8とケーブル9a等のケーブルとが上下に分けて収容されてもよい。
配線収容ユニット160の内部において、複数の配線類が同一面上にY方向に並走される場合には、配線ケーブル8とケーブル9a等のケーブルとの配置位置をX方向において分ける配線ガイド板などが設けられてもよい。
天板1が昇降すると、配線ケーブル8は、開口部36e内で移動して、底板部36fの上側に収容される。底板部36f上に配線ケーブル8が接触する際には、配線ケーブル8と底板部36f上のケーブル9a等のケーブルとが絡み合わないようになっている。
したがって、天板1が昇降しても、天板1から垂下する配線ケーブル8の安定的な移動が可能となる。
このように構成することで、底板部36f上に、配線ケーブル8の下端部を固定できる場所を多数用意しておくことにより、デスク装置150のY方向における配置の変更が容易になる。このため、デスク装置150のレイアウト変更を行う作業が容易になる。
本発明の第4の実施形態の天板昇降式什器システムについて説明する。
図11は、本発明の第4の実施形態の天板昇降式什器システムの構成例を示す模式的な平面図である。図12は、図11におけるH−H断面図である。
以下、上記第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
各デスク装置170は、いずれも同一の構成を有し、上記第1の実施形態のデスク装置110において、配線ケーブル8の固定位置を変えて構成される。
デスク装置170では、配線ケーブル8は、その上端部が支持脚2L、2Rの間であって背面外縁1b寄りの天板端部41aの下面に連結金具8cを介して固定された状態で、下方に垂下されている。本実施形態では、配線ケーブル8は、天板1の背面外縁1bに平行な鉛直面内で湾曲自在になっている。
開口部46eは、開口部36eと同様、上面部36aに貫通されている。ただし、開口部46eは、各デスク装置170から垂下される配線ケーブル8のそれぞれの配置位置に合わせた位置に開口している点が上記第3の実施形態と異なる。
平面視において配線収容ユニット180の長手方向をY方向とすると、本実施形態では、各デスク装置170は、背面外縁1bがY方向に延び、天板端部41aが配線収容ユニット180を上方から覆う位置に配置される。このため、開口部46eは、支持脚2L、2R間の中央部において、配線ケーブル8の上端の固定部である連結金具8cおよび配線ケーブル8と重なるように、Y方向に延びて形成されている。
このため、各デスク装置170のベース部材2Bの背面外縁1b側の端部は、床面Fと底板部36fの下面との間の空間に挿入されている。図11に示すように、平面視では、各デスク装置170のベース部材2Bの背面外縁1b側の端部は、天板端部41aの下方において、配線収容ユニット180と重なる範囲に延ばされている。
図11に示すように、配線ケーブル8の下端部の近傍には、テーブルタップ9が配置され、配線ケーブル8から延出したケーブル本体8aのプラグ8bがテーブルタップ9に挿入されている。
天板1が昇降すると、配線ケーブル8は、開口部46e内で移動して、底板部36fの上側に収容される。上記第3の実施形態と同様、底板部36f上に配線ケーブル8が接触する際には、配線ケーブル8と底板部36f上のケーブル9a等のケーブルとが絡み合わないようになっている。
したがって、天板1が昇降しても、天板1から垂下する配線ケーブル8の安定的な移動が可能となる。
このように構成されても、ベース部材2Bの一部が、配線収容ユニット180の下方に重なるため、デスク装置システム103の接地面積の省スペース化が可能である。
さらに、底板部36fの下面と床面Fとは、接地部材46bが設けられた位置を除いて、ベース部材2Bを挿入可能な隙間が設けられているため、開口部46eを十分長く開口させることによって、デスク装置170のY方向の配置位置の変更がしやすくなる。
ただし、位置規制部の構成は、天板昇降式什器および配線収容什器の独立を保って、相対位置の位置規制が可能であって、位置規制部と規制対象との間に隙間を有している構成であれば、位置規制部の一部が規制対象に当接していてもよい。
例えば、位置規制部として、昇降脚部材2AをX方向およびY方向において所定範囲に囲む構成が用いられてもよい。
さらに、位置規制部は、天板昇降式什器および配線収容什器の少なくとも一方に備えられていればよい。
さらに、支持脚2L、2Rの対向間隔が十分広い場合には、配線ケーブル8の上端の固定位置を変更することによって、ワゴン140が支持脚2L、2Rの間に配置される構成としてもよい。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1a,11a、31a、41a 天板端部
1b、11b 背面外縁
1f 正面外縁
1h 左側外縁
1m 右側外縁
2A 昇降脚部材
2B ベース部材
2d、6b、46b 接地部材
2L、2R、2RD 支持脚
6A 第1収容部
6B 第2収容部
6C 第3収容部
6d 水平方向開口部
6e、20a、36a 上面部(上端部)
6f 側面
6g 側板
6h 第1配線ダクト部
6i 底面部
6k 孔部
6m 切欠き部(位置規制部)
6n 第2配線ダクト部
6q 配線ガイド
6v、20d、36e、46e 開口部
8 配線ケーブル
8a ケーブル本体
8c 連結金具(固定部)
8d ケーブル保護チェーン
9 テーブルタップ
9a、18 ケーブル
20f、36f 底板部
100、101、102、103 デスク装置システム(天板昇降式什器システム)
110、110A、110B、110C、110D、130、150、170、170A、170B デスク装置(天板昇降式什器)
120、160、180 配線収容ユニット(配線収容什器)
140 ワゴン(配線収容什器)
F 床面
Claims (4)
- 天板と、前記天板を昇降可能に支持する支持脚と、前記天板から垂下された配線ケーブルとを有する天板昇降式什器と、
前記天板昇降式什器と独立に設けられ、前記配線ケーブルを上方から挿通する開口部が上端部に形成されており、前記開口部の下方に前記配線ケーブルを収容する配線収容什器と、
を備え、
前記配線収容什器は、
前記天板昇降式什器の前記天板の下方において、
鉛直方向から見て、前記開口部が、前記天板昇降式什器における前記配線ケーブルと前記天板との固定部、および前記天板と重なる位置関係に配置されており、
前記天板昇降式什器は、
前記天板が水平面における第1の方向に延びており、
前記支持脚が前記天板の下方において前記第1の方向に対向して配置された一対からなり、
前記配線ケーブルが前記一対の支持脚の前記第1の方向における内側の側面より外側に位置する前記天板の端部から垂下されており、
前記配線収容什器の前記開口部は、
前記第1の方向と直交する第2の方向に延びている、
天板昇降式什器システム。 - 前記天板昇降式什器の前記配線ケーブルの上端部は、
前記支持脚の上端部の近傍における前記天板に固定され、
前記支持脚は、
前記配線収容什器の内部を鉛直方向に貫通している、
請求項1に記載の天板昇降式什器システム。 - 前記天板昇降式什器および前記配線収容什器の一方は、
前記天板昇降式什器および前記配線収容什器の他方との間に隙間を有して配されておりかつ前記天板昇降式什器および前記配線収容什器の他方との水平面における相対位置を規制可能な位置規制部を備える、
請求項1または2に記載の天板昇降式什器システム。 - 前記天板昇降式什器は、
複数個が互い離間して配置され、
前記配線収容什器は、
鉛直方向から見て、複数個の前記天板昇降式什器におけるそれぞれの前記天板を横断する位置関係に配置されている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の天板昇降式什器システム。
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