JP6732464B2 - 情報処理装置および情報処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
従来、頭部伝達関数(Head Related Transfer Function:HRTF)を用いて立体音響を再現する技術において、HRTFの個人化が課題となっている。ここで、HRTFは、音源から視聴者の耳までの伝達特性を表す関数である。HRTFという言葉は、1方向の音源に対する伝達関数にも、複数方向の音源それぞれに対する伝達関数のデータセットにも使われる。本明細書では、以降の説明において、後者の複数方向の音源それぞれに対する伝達関数のデータセットを、「頭部伝達関数セット(HRTFセット)」と呼ぶ。
HRTFセットの個人化の一手法として、非特許文献1には、複数のHRTFセットを接合してユーザにとって定位感が得られやすい1つのHRTFセットを生成する方法が開示されている。この方法では、頭部伝達関数セット同士(HRTFセット同士)を滑らかに接合するために、接合境界の±20度の範囲において、接合する2つのHRTFセットをそれぞれ重み付け加算している。
森勢将雅、外5名、「視覚・聴覚を併用した複合現実感システムのための頭部伝達関数の個人化」、電気学会論文誌C、2010年8月、Vol.130、No.8、pp.1466−1467
しかしながら、上記非特許文献1に記載の技術では、接合するHRTFセットの特性にかかわらず、HRTFセットの境界を固定としている。そのため、接合するHRTFセットの特性によっては境界部分が不自然に接合され、境界部分が不連続に感じられてしまう場合がある。
そこで、本発明は、複数のHRTFセットを方向に応じて切り替える際の、HRTFセットの境界部分での違和感を低減することを目的としている。
本発明に係る情報処理装置の一態様は、第1の範囲に含まれる複数の源方それぞれに応じた音の伝達特性を表す第1頭部伝達関数セットを取得する第1取得手段と、前記第1の範囲と一部が重なる第2の範囲に含まれる複数の音源方向それぞれに応じた音の伝達特性を表す第2頭部伝達関数セットを取得する第2取得手段と、音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数セットの決定に関わる基準方向であって、前記第1の範囲と前記第2の範囲とが重なる重複範囲に含まれる基準方向を、前記第1取得手段により取得された前記第1頭部伝達関数セットと前記第2取得手段により取得された前記第2頭部伝達関数セットの特性に基づいて設定する設定手段と、前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットとのうち、前記重複範囲に含まれる特定の音源方向に対応する音を再生するための音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数セットを、前記設定手段により設定された前記基準方向と前記特定の音源方向との関係に基づいて決定する決定手段と、を有する。
本発明によれば、複数のHRTFセットを方向に応じて切り替える際の、HRTFセットの境界部分での違和感を低減することができる。
HRTFセット接合装置の構成を示すブロック図である。 音源定位評価テストに関する方向の説明図である。 重複領域を示す図である。 HRTFセット接合装置のハードウェア構成図である。 第一の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。 立体音響再生装置の構成を示すブロック図である。 第二の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。 境界設定処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態におけるHRTFセット接合装置100の構成を示すブロック図である。HRTFセット接合装置100は、頭部伝達関数セット(HRTFセット)を個人化するための装置であり、情報処理装置として動作する。ここで、HRTFセットとは、複数方向夫々に対応する頭部伝達関数(HRTF)のデータセットである。
本実施形態では、HRTFセット接合装置100は、データベースに蓄積された複数のHRTFセットからユーザに良好な定位を与えるHRTFセットを複数方向について選択し、選択された複数のHRTFセットから1つのHRTFセットを生成する。このとき、HRTFセット接合装置100は、選択された複数のHRTFセットの特性に応じて、HRTFセットを切り替える境界を設定し、設定された境界において複数のHRTFセットを接合する。つまり、上記境界は可変である。
HRTFセット接合装置100は、HRTFデータベース(HRTF−DB)110と、境界変更部120と、HRTF接合部130と、出力部140とを備える。境界変更部120は、HRTF選択部121と、重複領域検出部122と、境界設定部123とを備える。
HRTF−DB110は、予め複数のHRTFセットが記録されたデータベースである。HRTFセットは、個人の測定データや、ダミーヘッドを用いて測定したデータ、シミュレーションにより作成したデータを含む。HRTF選択部121は、HRTF−DB110からHRTFセットの読み出しが可能であり、出力部140は、HRTF−DB110へのHRTFセットの書き込みが可能である。
HRTF選択部121は、HRTF−DB110に記録された複数のHRTFセットから、ユーザに適したHRTFセットを方向ごとに選択する。本実施形態では、HRTF選択部121は、ユーザによる音源定位評価テストの結果に応じて、ユーザに適したHRTFセットを方向ごとに選択する。
具体的には、HRTF選択部121は、複数のHRTFセットに対して、予め設定された指定方向ごとに音源定位精度を評価し、指定方向ごとに最も評価の高いHRTFセットを選択する。本実施形態では、図2に示す8方向(D1からD8)を上記指定方向とする。HRTF選択部121は、複数のHRTFセットから指定方向に対応するHRTFをそれぞれ抽出し、抽出したHRTFを用いて生成した音源を、ユーザに1回ずつ提示する。HRTF選択部121は、上記の音源の提示を、方向D1から方向D8のそれぞれについて実施する。
このときユーザは、提示された音源を聴き、音がどちらの方向から聴こえるかをその都度回答する。ここで、回答は自由回答形式とし、任意の方向を回答できるものとする。HRTF選択部121は、ユーザの回答を入力し、指定方向(提示方向)と回答方向との差が最も小さいHRTFを、音源定位精度が最も高いHRTFとして選択する。HRTF選択部121は、上記の音源定位評価テストを方向D1から方向D8のそれぞれについて実施し、方向ごとに音源定位精度が最も高いHRTFを含むHRTFセットを選択する。このようにして、HRTF選択部121は、指定方向の音源に対応するHRTFを含むHRTFセットのうち、ユーザに適したHRTFセットを選択する。HRTF選択部121は、選択したHRTFセットを重複領域検出部122へ出力する。
重複領域検出部122は、HRTF選択部121により選択されたHRTFセットにそれぞれ対応する領域が重複する重複領域を検出する。図3は、HRTFセットの重複領域を示す図である。この図3(a)に示すように、方向D1に対して選択されたHRTFセットがカバーしている領域が領域Aであり、図3(b)に示すように、方向D2に対して選択されたHRTFセットがカバーしている範囲が領域Bであるとする。この場合、重複領域検出部122は、図3(c)に示すように、領域A∧領域Bの範囲である領域Cを重複領域として検出する。また、重複領域検出部122は、領域が重複するHRTFセット(接合するHRTFセット)のレベルを、重複領域C内の任意の方向のHRTFを用いてそれぞれ正規化し、正規化したHRTFセットと重複領域Cとを境界設定部123へ出力する。
境界設定部123は、接合するHRTFセットの特性に基づいて、重複領域検出部122により検出された重複領域C内で、HRTFセットを切り替える境界を可変に設定する。本実施形態では、境界設定部123は、接合する2つのHRTFセット同士の両耳間レベル差(Interaural Level Difference:ILD)の差分値が、最小あるいは所定の閾値以下となる方向を境界の方向とする。なお、ILDの差分値が最小あるいは所定の閾値以下となる方向が複数存在し、境界の候補が複数存在する場合、後述する他の評価値を複合的に用いてもよい。また、境界の候補が複数存在する場合、音源定位評価テストを行った方向D1と方向D2との中間により近い方向を選択するようにしてもよい。つまり、指定方向から離れる方向であるほど、境界の方向として選択されやすくしてもよい。
領域Aに対応するHRTFセットをHRTF_A、領域Bに対応するHRTFセットをHRTF_Bとすると、境界設定部123は、はじめにHRTF_AのILDとHRTF_BのILDとを算出する。次に、境界設定部123は、HRTF_AのILDとHRTF_BのILDとの差Diff_ILDを算出する。HRTF_AのILDをILD_A、HRTF_BのILDをILD_Bとすると、ILDの差Diff_ILDは、次式により表すことができる。
Diff_ILD(az)=Σev(ILD_A(ev,az)−ILD_B(ev,az)) ………(1)
ここで、evはHRTFの仰角、azはHRTFの水平角である。
本実施形態では、境界は天頂から真下を結ぶ経線とする。したがって、境界設定部123は、経線方向(仰角ev)についてILD(ev,az)の差の和をとることで、各水平方向におけるILDの差Diff_ILD(az)を算出する。そして、境界設定部123は、Diff_ILDが最小となる水平角azを境界方向として設定し、設定した境界方向をHRTF接合部130へ出力する。
HRTF接合部130は、境界設定部123によって設定された境界で、領域が重複するHRTFセットを切り替えて接合することで、1つのHRTFセットを生成する。具体的には、HRTF接合部130は、境界方向におけるHRTFセットのレベル差および境界方向におけるHRTFセットの遅延時間差が最小となるように、HRTFセットのレベル調整および遅延時間の調整を行い、HRTF同士を接合する。本実施形態では、HRTF接合部130は、境界上において、隣接するデータとの差異がより小さい側のHRTFデータを選択するようにする。つまり、境界方向をaz_bとした場合、HRTF接合部130は、境界方向az_b上では、HRTF_A(ev,az_b−1)とHRTF_B(ev,az_b+1)との平均値により近いHRTF(HRTF_AまたはHRTF_B)のデータを採用する。HRTF接合部130は、このようにして接合したHRTFセットを出力部140へ出力する。
出力部140は、接合されたHRTFセットに対してユーザ情報を関連付け、HRTF−DB110へ新たなHRTFセットとして記録する。なお、出力部140は、新たなHRTFセットを、HRTF−DB110以外の装置へ出力してもよい。
図4は、HRTFセット接合装置100のハードウェア構成を示す図である。HRTFセット接合装置100は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、外部メモリ14と、入力部15と、通信I/F16と、システムバス17とを備える。CPU11は、HRTFセット接合装置100における動作を統括的に制御するものであり、システムバス17を介して、各構成部(12〜16)を制御する。ROM12は、CPU11が処理を実行するために必要なプログラムを記憶する不揮発性メモリである。なお、当該プログラムは、外部メモリ14や着脱可能な記憶媒体(不図示)に記憶されていてもよい。RAM13は、CPU11の主メモリ、ワークエリアとして機能する。つまり、CPU11は、処理の実行に際してROM12から必要なプログラムをRAM13にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種の機能動作を実現する。
外部メモリ14は、CPU11がプログラムを用いた処理を行う際に必要な各種データや各種情報を記憶している。例えば、外部メモリ14は、図1のHRTF−DB110である。また、外部メモリ14には、CPU11がプログラムを用いた処理を行うことにより得られる各種データや各種情報が記憶されてもよい。入力部15は、キーボードや操作ボタンなどにより構成され、ユーザは入力部15を操作して上記音源定位評価テストの回答を入力できるようになっている。通信I/F16は、外部装置と通信するためのインターフェースである。システムバス17は、CPU11、ROM12、RAM13、外部メモリ14、入力部15および通信I/F16を通信可能に接続する。
図1に示すHRTFセット接合装置100の各部の機能は、CPU11がプログラムを実行することで実現することができる。ただし、図1に示すHRTFセット接合装置100の各部のうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作するようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、CPU11の制御に基づいて動作する。
次に、HRTFセット接合装置100の動作について、図5を参照しながら説明する。この図5の処理は、CPU11がプログラムを実行することによって実現することができる。ただし、図1で示す各要素のうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作することで、図5の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、CPU11の制御に基づいて動作する。
まずS1において、HRTF選択部121は、ユーザに適したHRTFセットを選択するための音源定位評価テスト用の音源を生成する。S2では、HRTF選択部121は、S1において生成した音源を、ユーザが装着するヘッドフォンやイヤーフォンへ出力することでユーザに提示する。S3では、HRTF選択部121は、ユーザが音源の提示を受けて回答した音源の定位方向を入力する。そしてS4では、HRTF選択部121は、HRTFセットの選択に必要なテストが終了したか否かを判定し、テストが終了していないと判定した場合にはS1に戻り、テストが終了したと判定した場合にはS5に移行する。
S5では、HRTF選択部121は、S3において入力したユーザの回答(評価結果)に基づいて、方向ごとに(例えば、図2の方向D1〜方向D8のそれぞれについて)、ユーザに適したHRTFセットを選択する。次にS6では、重複領域検出部122は、S5において選択されたHRTFセットのうち、隣接するHRTFセット同士について重複領域を検出する。また、このS6では、重複領域検出部122は、検出した重複領域内の任意の方向のHRTFを用いて、接合するHRTFセットのレベルをそれぞれ正規化する。次にS7では、境界設定部123は、HRTFセットの接合のための境界を設定する。
S8では、境界設定部123は、隣接するすべてのHRTFセット同士について境界を設定したか否かを判定する。そして、境界設定部123は、すべての境界が設定されていないと判定するとS6に戻り、すべての境界が設定されたと判定するとS9に移行する。S9では、HRTF接合部130は、S5において選択されたHRTFセットをS7において設定された境界方向に基づき接合する。最後にS10では、出力部140は、S9において接合されたHRTFセットをユーザと関連付けてHRTF−DB110に記録する(書き出す)。
以上のように、HRTFセット接合装置100は、複数方向の音源にそれぞれ対応する頭部伝達関数(HRTF)のデータセットであるHRTFセットを複数選択し、選択された複数のHRTFセットにそれぞれ対応する領域が重複する重複領域を検出する。また、HRTFセット接合装置100は、上記領域が重複するHRTFセットの特性に基づいて、重複領域内で、HRTFセットを切り替える境界を可変に設定する。そして、HRTF接合装置100は、設定された境界で、上記領域が重複するHRTFセットを切り替えて接合することで、1つのHRTFセットを生成する。
つまり、HRTFセット接合装置100は、複数のHRTFセットを接合して1つのHRTFセットを生成する際、それぞれのHRTFセットの特性に応じて境界を変化させることができる。従来装置のように境界を固定とした場合、境界位置がHRTFセット間のギャップが大きい位置に設定される場合がある。この場合、たとえ重み付き加算を行ってHRTFセット同士を滑らかに接合しようとしたとしても、接合部分のデータが不連続となり接合部分において違和感を与えてしまう。
これに対して、本実施形態におけるHRTFセット接合装置100は、境界を可変とするので、上記ギャップが大きい位置で無理やりHRTFセット同士を接合することを回避することができる。そのため、HRTF接合装置100は、境界部分での音の変化による違和感を低減し、各方向(角度)において良好な定位を与えることができるHRTFセットを生成することができる。
具体的には、HRTFセット接合装置100は、上記領域が重複するHRTFセット同士の両耳間レベル差(ILD)の差分値が最小または所定の閾値以下となる方向を、境界の方向として設定する。このように、HRTFセット接合装置100は、ILDの差が小さい場所でHRTFセットを接合するので、適切に音の変化を知覚しにくくすることができる。
また、HRTF接合装置100は、接合するHRTFセットのレベルを、重複領域内の任意のHRTFを用いてそれぞれ正規化し接合するので、HRTFセット間のレベル合わせをすることができ、接合部分での違和感を与えにくくすることができる。
さらに、HRTF接合装置100は、境界設定部123によって設定された境界で、接合するHRTFセットのレベル差や遅延時間差が最小となるようにレベル調整を行い、HRTFセットを接合する。このように、境界上では、隣接するHRTFデータとの差異がより小さくなるようにHRTFデータを選択することができる。したがって、接合部分での違和感をより適切に低減することができる。なお、本実施形態においては、HRTF接合部130は、HRTFセットのレベル調整と遅延時間の調整とを両方実施し、HRTF同士を接合する場合について説明したが、いずれか一方のみを実施するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、音源定位評価テストを行ってユーザに適したHRTFセットをHRTF−DB110から選択する場合について説明したが、音源定位評価テストの方法は上述した方法に限定されない。上述した例では、各音源を1回ずつユーザに提示し、ユーザの回答を受け付けるようにしたが、各音源を複数回ずつユーザに提示し、回答の平均値を最終的なユーザの回答として採用してもよい。また、方向D1の評価であれば、D1周辺の複数方向について評価を行い、その評価結果の合計評価値を採用してもよい。
さらに、本実施形態においては、評価テストとして音源定位評価テストを行う場合について説明したが、その他の評価項目を用いてもよい。例えば、頭内定位のしにくさといった評価項目を持っていてもよい。
また、本実施形態においては、HRTF選択部121は、音源定位評価テストの評価結果に基づいてユーザに適したHRTFセットを選択したが、HRTFセットの選択方法は上記に限定されない。例えば、HRTF選択部121は、ユーザの頭部や耳部の形状などの特徴量をもとに、方向ごとにユーザに適したHRTFセットを選択してもよい。
さらに、本実施形態において、音源定位評価テストの音源はヘッドフォンまたはイヤーフォンから再生するものとしたが、トランスオーラル再生を用いてもよい。
また、本実施形態においては、図3に示すように、HRTF選択部121により選択されたHRTFセットによってカバーされる領域が、一部のみ重なっている場合について説明した。しかしながら、HRTF選択部121により選択されたHRTFセットによってカバーする領域がそれぞれ全周囲に亘る場合、重複領域検出部122は、すべての領域を重複領域Cとして検出してもよい。
さらに、本実施形態においては、境界設定部123は、接合するHRTFセット同士のILDを用いて境界設定を行ったが、その他の評価値を用いてもよい。例えば、接合するHRTFセット同士のレベル差が最小となる方向であれば、HRTFセットの切替わりによる音の変化を知覚しにくいと考えられるため、その方向を境界の方向として設定してもよい。また、接合するHRTFセットのレベル変化量がそれぞれ所定値よりも大きい方向についても、同様に音の変化を知覚しにくいと考えられるため、その方向を境界の方向として設定してもよい。さらに、他の方向に比べてレベルが低い領域は、音量が小さく音の変化を知覚しにくいと考えられるため、その領域内で境界を設定してもよい。例えば、接合するHRTFセットのレベルがそれぞれ重複領域内における他の方向と比較して低い方向を、境界の方向として設定してもよい。上記の場合にも、音の変化を知覚しにくい位置に境界を設定することができるので、適切に接合部分での違和感を抑制することができる。
また、接合するHRTFセット同士のレベル差、レベル変化量、レベルによって境界を設定する場合、両耳のHRTFセットに基づいて境界を設定してもよいし、片耳のHRTFセットだけで境界を設定してもよい。例えばILDの絶対値の大きな方向では、レベルの大きな方向の耳のHRTFセットだけを用いて境界を設定するようにしてもよい。レベルの大きさは音の知覚のしやすさに比例する。そのため、レベルの大きな方向の耳のHRTFセットをもとに音の変化を知覚しにくいと考えられる方向を検出し、その方向を境界の方向として設定すれば、違和感を発生させない適切な境界を設定することができる。
また、境界設定部123は、接合するHRTFセットの計測に用いた人物の頭部あるいはダミーヘッドの形状データの差に基づいて、境界を設定するようにしてもよい。頭部の大きさ(耳間の距離)が大きく異なるほど、角度が正面に対して±90度(耳介方向)に近づくにつれてILDの差は大きくなる。そのため、頭部の大きさが大きく異なる人物あるいはダミーヘッドにより計測されたHRTFセット同士を耳介方向において接合すると、ギャップが大きくなってしまう。したがって、上記形状データの差が大きいほど、重複領域内で、ユーザの正面方向に近い方向を境界の方向として設定することが好ましい。これにより、できるだけギャップが小さい位置でHRTFセットを接合することができ、適切に接合部分での違和感を抑制することができる。
さらに、境界設定部123は、ILDを用いる代わりに、接合するHRTFセット同士の両耳間時間差(Interaural Time Difference:ITD)の差分値を用いて境界を設定してもよい。この場合、境界設定部123は、ITDの差分値が、最小あるいは所定の閾値以下となる方向を境界の方向として設定してもよい。また、境界設定部123は、ILDとITDとを複合的に用いて境界を設定してもよい。この場合にも、ILDを単体で用いた場合と同様に、違和感を発生させない適切な境界を設定することができる。
また、本実施形態においては、境界設定部123は、全周波数について同じ境界を設定したが、HRTFは周波数ごとに特性が異なるため、周波数帯域ごとに異なる境界を設定してもよい。つまり、HRTF接合部130は、周波数帯域ごとに異なる境界でHRTFセットを接合し、周波数帯域ごとのHRTFセットを生成してもよい。これにより、HRTFの特性に応じた、より適切な境界を設定することができる。
さらにまた、本実施形態においては、境界は経線、つまり、天頂方向と真下方向を結ぶ球面上の最短ルート(直線)としたが、境界は曲線であってもよい。
また、本実施形態においては、重複領域Cの中からILDの差が最小となる方向を境界として設定したが、境界は、音源定位評価テストを行った方向付近以外で設定することが好ましい。そこで、境界設定部123は、上記の境界設定基準に加え、指定方向(音源定位評価テストを行った方向)から角度が離れる方向であるほど、境界の方向として設定されやすくなるような重み関数を用いるようにしてもよい。あるいは、重複領域検出部122が、音源定位評価テストを行った方向から所定の角度以内を重複領域から除外して出力するようにしてもよい。これにより、音源定位精度が良好な方向が境界の方向として設定されるのを抑制することができる。
さらに、本実施形態においては、HRTF接合部130は、境界上(経線上)においてHRTFセットを接合する場合について説明したが、境界を含む所定領域内で接合を行ってもよい。例えば、HRTF接合部130は、境界設定部123において設定された境界方向に対して一定の角度幅を持った境界の周辺の領域(境界領域)を設定し、その境界領域内においてHRTFセット同士を混合するようにしてもよい。その際、HRTF接合部130は、上記境界領域のHRTFセットを重み付け加算してもよい。
また、本実施形態においては、境界上において、HRTFセットのレベル調整や遅延時間の調整を行う場合について説明したが、上記調整は行わなくてもよい。境界設定部123は、音の変化が知覚しにくい方向に境界を設定するため、上記調整を行わずに、単純にHRTFセットを境界で切り替えて接合しても、境界部分での違和感は抑制することができる。
また、本実施形態においては、HRTF接合部130は、接合したHRTFセットにおいて、HRTFデータの無い方向が存在する場合、接合後のHRTFセットに対してHRTFの補間を行ってもよい。さらに、HRTF接合部130は、HRTF選択部121によって選択されたHRTFセットにおいて、HRTFデータの無い方向が存在する場合、接合前のHRTFセットに対してHRTFの補間を行ってもよい。例えばデータ間隔の異なるHRTFセットを接合する場合、一方のHRTFセットを補間することにより2つのHRTFセットのデータ間隔をそろえてからHRTFの接合処理を行うようになっていてもよい。ここで補間は方向空間のリサンプルも含む。
さらにまた、本実施形態においては、HRTF選択部121により選択されたHRTFセットに対して境界設定部123において境界を設定した。しかしながら、ある方向のHRTFセットの候補が複数ある場合、境界設定部123の結果に応じて接合に用いるHRTFセットを絞り込むような構成であってもよい。
また、本実施形態においては、HRTF選択部121は、既存のHRTFセットに対して音源定位評価テストを行い、音源定位精度が所定値よりも低い方向については、ユーザ自身のHRTFを測定して接合するようにしてもよい。具体的には、HRTF選択部121は、音源定位精度が所定値よりも低い方向から角度範囲を広げ、境界のレベル差やILDなどの上述した評価値が所定の範囲内に収まるところまで測定を行うようにしてもよい。
さらに、本実施形態においては、境界設定部123は、2つの領域に対応するHRTFセット(HRTF_AとHRTF_B)を接合するための境界を設定した。しかしながら、境界での2つのHRTFセットの差異が大きい場合、HRTFセット同士をより滑らかに接合するために、さらに別のHRTFセットを用いて接合するようにしてもよい。例えば、別のHRTFセットをHRTF_Cとすると、HRTF_AとHRTF_C、HRTF_BとHRTF_Cをそれぞれ接合するようにしてもよい。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
上述した第一の実施形態では、複数のHRTFセットを接合し、新しいHRTFセットを生成するHRTFセット接合装置について説明した。第二の実施形態では、HRTFセットを用いて立体音響信号を生成し再生することで、立体音響を再現する立体音響再生装置について説明する。
図6は、第二の実施形態における立体音響再生装置の構成を示すブロック図である。本実施形態における立体音響再生装置は、立体音響生成装置200と出力装置300とを備える。立体音響生成装置200は、HRTF−DB110と、境界変更部120aと、音響信号入力部210と、音源情報取得部220と、HRTF抽出部230と、フィルタ演算部240と、音響信号出力部250とを備える。境界変更部120aは、HRTF選択部121と、重複領域検出部122と、境界設定部124とを備える。なお、HRTF−DB110、HRTF選択部121および重複領域検出部122については、上述した第一の実施形態と同様であるため説明を省略する。
音響信号入力部210は、音源ごとに入力音響信号(音声信号)および音源の軌跡に関する軌跡情報を入力する。音響信号入力部210は、入力音響信号および軌跡情報を音源情報取得部220およびフィルタ演算部240へ出力する。
音源情報取得部220は、音量取得部221と、帯域取得部222と、軌跡取得部223とを備え、入力音響信号の音源の特性を示す音源情報を取得する。音量取得部221は、音響信号入力部210から入力された入力音響信号をもとに、音源情報として、時間ごとの音量に関する音量情報を取得する。帯域取得部222は、音響信号入力部210から入力された入力音響信号をもとに、時間ごとの主要成分の周波数帯域を取得する。軌跡取得部223は、音響信号入力部210から入力された軌跡情報をHRTFセットの座標系に合わせて変換し、音源情報として取得する。例えば、軌跡取得部223は、HRTFセットの座標系が球座標系であり音源の軌跡情報が直交座標系で入力された場合、軌跡情報を直交座標系から球座標系に変換する。音源情報取得部220は、音量取得部221において取得された音量情報と、帯域取得部222において取得された周波数帯域と、軌跡取得部223において取得された軌跡情報とを境界設定部124へ出力する。
境界設定部124は、音源情報取得部220から入力された音源情報と、重複領域検出部122から入力された重複領域とに基づいて、境界を設定する。境界設定の手順については後述する。
HRTF抽出部230は、境界設定部124において設定された境界に基づいて、HRTF選択部121によって選択された複数のHRTFセットを接合して生成される1つのHRTFセットの中から、音源方向に対応する1つのHRTFを抽出する。HRTF抽出部230は、抽出したHRTFをフィルタ演算部240へ出力する。フィルタ演算部240は、音響信号入力部210から入力された入力音響信号に、HRTF抽出部230から入力されたHRTFを畳み込んで出力音響信号を音響信号出力部250へ出力する。
音響信号出力部250は、フィルタ演算部240から入力された音源ごとにフィルタリングされた出力音響信号をチャンネルごとに加算し、D/A変換を行い、出力装置300に出力する。ここで、出力装置300は、例えばヘッドフォンやイヤーフォンである。出力装置300がヘッドフォンである場合、音響信号出力部250は、音源ごとにHRTFを畳み込んだLch信号とRch信号とをそれぞれミキシングして2チャンネルの信号とし、ヘッドフォンに出力する。
立体音響生成装置200は、図4に示すHRTFセット接合装置100と同様のハードウェア構成を有する。図6に示す各部の機能は、立体音響生成装置200のCPUがプログラムを実行することで実現することができる。ただし、図6に示す立体音響生成装置200の各部のうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作するようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、上記CPUの制御に基づいて動作する。
次に、立体音響生成装置200の動作について、図7を参照しながら説明する。
この図7の処理は、CPUがプログラムを実行することによって実現することができる。ただし、図6で示す各要素のうち少なくとも一部が専用のハードウェアとして動作することで、図7の処理が実現されるようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、CPUの制御に基づいて動作する。なお、図7のS1からS6については、上述した第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
S11では、音響信号入力部210は、入力音響信号(音声信号)とその軌跡情報とを入力する。S12では、軌跡取得部223は、S11において入力された軌跡情報をHRTFセットの座標系に変換した軌跡情報を取得する。S13では、音量取得部221は、音源の音量情報を取得する。S14では、帯域取得部222は、入力音響信号の主要成分の周波数帯域を取得する。
次にS15において、境界設定部124は、S6において検出された重複領域と、S12〜S14において取得された音源情報とに基づき、境界を設定する。このS15では、境界設定部124は、図8に示す境界設定処理を実行する。
S151では、境界設定部124は、重複領域と軌跡情報とに基づいて、音源の軌跡が重複領域を通過するか否かを判定する。そして、境界設定部124は、軌跡が重複領域を通過しないと判定した場合には、HRTFセットの切り替え位置(境界位置)を考慮する必要がないと判断してそのまま図8の処理を終了する。つまり、境界設定部124は、境界を予め定めた所定位置に設定する。一方、境界設定部124は、軌跡が重複領域を通過すると判定するとS152に移行する。
S152では、境界設定部124は、音量情報に基づき、重複領域内に無音区間があるか否かを判定する。ここで、無音区間とは、音量が所定期間以上所定レベル以下である区間である。そして、境界設定部124は、重複領域内に無音区間が存在すると判定した場合には、S153に移行し、無音区間に対応する音源の方向を境界の方向として設定する。このように、無音区間においてHRTFセットを切り替えるようにすることで、接合部分での違和感を確実に低減することができる。
一方、境界設定部124は、重複領域内に無音区間がないと判定すると、S154に移行する。S154では、境界設定部124は、時間ごとの音源の主要成分の周波数帯域の情報に基づいて、HRTFセット切替方向(境界の方向)を設定する。例えば、境界設定部124は、軌跡上において、第一の実施形態と同様に、接合するHRTFセット同士のレベル差が最小となるような方向を境界の方向として設定する。なお、境界の設定方法は、上述した第一の実施形態と同様の方法であれば、適宜設定可能である。また、HRTFセットの接合方法についても、上述した第一の実施形態と同様の方法を採用することができる。
図7に戻って、S16では、HRTF抽出部230は、S15において設定された境界情報に基づき、複数のHRTFセットから1つのHRTFセットを選択し、音源軌跡をもとに音源方向に対応するHRTFを抽出する。S17では、フィルタ演算部240は、音響信号入力部210から入力された入力音響信号に対して音源ごとにHRTF抽出部230から入力されたHRTFを用いてフィルタリングを行う。最後にS18では、音響信号出力部250は、音源ごとにフィルタリングされた信号をチャンネルごとにミキシングし、D/A変換したのち出力装置300へ出力する。
以上のように、本実施形態において、立体音響再生装置は、複数のHRTFセットを接合して生成された1つのHRTFセットを用いて立体音響を再現する。ここで、立体音響生成装置200は、入力音響信号を取得し、上記の生成された1つのHRTFセットから、入力音響信号の音源方向に対応するHRTFを抽出する。そして、立体音響生成装置200は、入力音響信号に抽出されたHRTFを畳み込み、出力音響信号を出力装置300へ出力し、出力装置300は、その出力された出力音響信号を再生する。
このとき、立体音響生成装置200は、入力音響信号の音源情報(音源の特性)を取得し、取得された音源情報とHRTFセットの特性とに基づいて境界を設定する。具体的には、立体音響生成装置200は、音源情報として、音源の周波数帯域、音源の軌跡、および音源の音量の少なくとも1つを取得する。そして、立体音響生成装置200は、音源の軌跡情報と音量情報とに基づいて、重複領域内に音量が所定期間以上所定レベル以下となる無音区間が存在すると判断した場合、無音区間に対応する音源の方向を境界の方向として設定する。一方、立体音響生成装置200は、重複領域内に無音区間が存在しないと判断した場合、接合するHRTFセットの特性に応じて境界を設定する。その際、立体音響生成装置200は、音源の主要成分の周波数帯域を考慮しつつ、音の変化を知覚しにくい場所に境界を設定する。
このように、本実施形態における立体音響再生装置は、再生する音源の特性に応じてHRTFセットの境界を変更する。したがって、本実施形態における立体音響再生装置は、複数のHRTFセットを接合して生成された1つのHRTFセットを用いて立体音響を再現した際の、HRTFセットの境界部分での切り替わりによる違和感を低減することができる。
なお、本実施形態においては、音響信号出力部250は、D/A変換した信号を出力装置300に出力する場合について説明したが、出力音響信号をD/A変換せずに記録装置などに出力するような構成であってもよい。
また、本実施形態においては、境界設定部124は、接合するHRTFセットの特性と音源情報とを用いて境界を設定する場合について説明したが、接合するHRTFセットの特性のみを用いて境界を設定してもよい。つまり、上述した第一の実施形態のHRTFセット接合装置100によって生成されたHRTFセットを用いて立体音響を再現する立体音響再生装置としてもよい。この場合にも、接合部分における違和感が抑制された立体音響の再現が可能である。
さらに、本実施形態においては、境界設定部124は、接合するHRTFセットの特性と音源情報とを用いて境界を設定する場合について説明したが、音源情報のみを用いて境界を設定してもよい。例えば、境界設定部124は、音源情報(軌跡情報、音量情報)に基づいて重複領域内に無音区間が存在すると判定した場合には、上述したように無音区間に対応する方向を境界の方向として設定する。そして、境界設定部124は、無音区間が存在しないと判定した場合には、境界を音源情報(周波数帯域)に応じて予め設定された固定値としてもよい。この場合にも、接合部分における違和感が抑制された立体音響の再現が可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100…HRTFセット接合装置、121…HRTF選択部、122…重複領域検出部、123…境界設定部、124…境界設定部、130…HRTF接合部、200…立体音響生成装置、220…音源情報取得部、230…HRTF抽出部

Claims (20)

  1. 第1の範囲に含まれる複数の源方それぞれに応じた音の伝達特性を表す第1頭部伝達関数セットを取得する第1取得手段と、
    前記第1の範囲と一部が重なる第2の範囲に含まれる複数の音源方向それぞれに応じた音の伝達特性を表す第2頭部伝達関数セットを取得する第2取得手段と、
    音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数セットの決定に関わる基準方向であって、前記第1の範囲と前記第2の範囲とが重なる重複範囲に含まれる基準方向を、前記第1取得手段により取得された前記第1頭部伝達関数セットと前記第2取得手段により取得された前記第2頭部伝達関数セットの特性に基づいて設定する設定手段と、
    前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットとのうち、前記重複範囲に含まれる特定の音源方向に対応する音を再生するための音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数セットを、前記設定手段により設定された前記基準方向と前記特定の音源方向との関係に基づいて決定する決定手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記決定手段は、前記設定手段により設定された前記基準方向から所定の範囲内に前記特定の音源方向が含まれる場合に、前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットの両方を、前記特定の音源方向に対応する音を再生するための音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数セットとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記設定手段は、前記第1頭部伝達関数セットが表す前記重複範囲内の所定の音源方向に応じた音の伝達特性と、前記第2頭部伝達関数セットが表す前記所定の音源方向に応じた音の伝達特性とに基づいて前記基準方向を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 前記設定手段は、
    前記所定の音源方向に対応する前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットのレベル差に基づいて、前記基準方向を設定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記設定手段は、
    前記第1頭部伝達関数セットおよび前記第2頭部伝達関数セットのレベル変化量がそれぞれ所定値よりも大きい方向を、前記基準方向として設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  6. 前記設定手段は、
    前記第1頭部伝達関数セットおよび前記第2頭部伝達関数セットのレベルが他の方向と比較して低い方向を、前記基準方向として設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  7. 前記設定手段は、
    前記第1頭部伝達関数セットおよび前記第2頭部伝達関数セットの両耳間レベル差の差分値が最小または所定の閾値以下となる方向を、前記基準方向として設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  8. 前記設定手段は、
    前記第1頭部伝達関数セットおよび前記第2頭部伝達関数セットの両耳間時間差の差分値が最小または所定の閾値以下となる方向を、前記基準方向として設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  9. 前記設定手段は、
    複数の周波数帯域に対して異なる基準方向を設定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
  10. 前記特定の音源方向に対応する音を再生するための音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数セットとして前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットの両方が前記決定手段により決定された場合に、前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットを正規化する正規化手段を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理装置。
  11. 前記設定手段により設定された前記基準方向において、前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットのレベル差が最小となるように、頭部伝達関数セットに係るレベル調整を行うレベル調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の情報処理装置。
  12. 前記設定手段により設定された前記基準方向において、前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットの遅延時間差が最小となるように、頭部伝達関数セットに係る遅延時間の調整を行う遅延調整手段を有することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の情報処理装置。
  13. 前記決定手段により決定された頭部伝達関数セットを用いて入力音響信号を処理することにより出力音響信号を生成する生成手段を有することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
  14. 前記設定手段は、前記入力音響信号に関する音源の特性を示す音源情報に基づいて、前記基準方向を設定することを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
  15. 前記音源情報は、周波数帯域、音源の軌跡、および音量の少なくとも1つを示す情報であることを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
  16. 前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットを、前記決定手段による決定の結果に基づいて合成する合成手段を有することを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の情報処理装置。
  17. 前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットはそれぞれ、複数の音源向に応じた音の伝達特性を表す複数の頭部伝達関数を含
    記決定手段は、前記特定の音源方向に対応する音を再生するための音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数を、前記第1頭部伝達関数セットに含まれる前記特定の音源方向に対応する頭部伝達関数と前記第2頭部伝達関数セットに含まれる前記特定の音源方向に対応する頭部伝達関数とのうちから、前記基準方向と前記特定の音源方向とに基づいて決定することを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載の情報処理装置。
  18. 第1の範囲に含まれる複数の源方それぞれに応じた音の伝達特性を表す第1頭部伝達関数セットを取得する第1取得工程と、
    前記第1の範囲と一部が重なる第2の範囲に含まれる複数の音源方向それぞれに応じた音の伝達特性を表す第2頭部伝達関数セットを取得する第2取得工程と、
    音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数セットの決定に関わる基準方向であって、前記第1の範囲と前記第2の範囲とが重なる重複範囲に含まれる基準方向を、前記第1取得工程において取得された前記第1頭部伝達関数セットと前記第2取得工程において取得された前記第2頭部伝達関数セットの特性に基づいて設定する設定工程と、
    前記第1頭部伝達関数セットと前記第2頭部伝達関数セットとのうち、前記重複範囲に含まれる特定の音源方向に対応する音を再生するための音響信号の生成に用いるべき頭部伝達関数セットを、前記設定工程において設定された前記基準方向と前記特定の音源方向との関係に基づいて決定する決定工程と、を有することを特徴とする情報処理方法。
  19. 前記設定工程は、前記第1頭部伝達関数セットが表す前記重複範囲内の所定の音源方向に応じた音の伝達特性と、前記第2頭部伝達関数セットが表す前記所定の音源方向に応じた音の伝達特性とに基づいて前記基準方向を設定することを特徴とする請求項18に記載の情報処理方法。
  20. コンピュータを、請求項1乃至17の何れか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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