JP6732235B2 - 集光鏡方式加熱炉 - Google Patents
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Description
このような集光鏡方式加熱炉は、垂直方向に移動するステージ上に酸化アルミニウム等の焼結体と種結晶を設置し、その種結晶を水平方向に取り囲む位置に回転楕円面からなる反射鏡を設置し、その回転楕円面の一方の焦点にハロゲンランプ等の光源を設置し、回転楕円面の他方の焦点に焼結体と種結晶を位置させる。
そして、光源から放射される赤外線を直接あるいは反射鏡の反射面を介して、該焼結体と種結晶に対して焦点を当てるようにして集光し加熱を行い、また、加熱時には該ステージを下げることにより単結晶を成長させる集光鏡加熱炉である。
さらに特許文献5に記載されているように、半導体の製造に使用する加熱炉として、シリコンウエハを石英ボードに載せ、これを石英ボードから加熱する抵抗加熱型の炉が知られている。しかしながら、熱源を赤外線とした場合であっても、炉内に石英ボードが挿入されるので、その炉内の大きさはウエハ以上の大きさのものを加熱できる大きさであり、抵抗加熱には昇温までに長時間を要するため、一つの加熱工程が短時間の操作で行い得ない。
さらに、ウエハ表面を加熱する際に、ウエハの口径を十分にカバーできる範囲を赤外線照射する目的で、載置したウエハ表面に対向するウエハの垂直上方位置に赤外線ランプを複数設置してなる面を、ウエハ表面と平行になるようにして設け、そのような装置によりウエハ表面を加熱する加熱処理装置も知られていた。
また特許文献9には、フラッシュランプを配置した領域である有効発光領域の大きさをウエハより大とした光加熱装置が記載されている。
また特許文献1〜3に記載された発明のように、切断された回転楕円面の一方の焦点に光源を設け、他方の焦点に被加熱物を設置する構造にすると、共通の焦点である被加熱物を中心として、その周囲に一方の焦点から形成される円が形成される。
このような構造の場合、平面形状の被加熱物に対して専ら横方向の360°から加熱されるので、該被加熱物を水平に設置すると、該被加熱物の周面に赤外線が照射されるものの、平面に対しては吸収される熱量が低下する。また、仮に被加熱物を垂直あるいは斜めに設置しても、該被加熱物の両面が専ら加熱されて、特定の片面を高い効率にて加熱することができない。
さらに、回転楕円面鏡に挟まれた場所に被加熱物を設置する構造では、上記の冷却に要する大きな設備に加えて、被加熱物の大きさに対して相当大きな回転楕円面鏡を使用することになるので、装置の小型化には限界があった。
また、均一に加熱するために、被加熱物よりも赤外線ランプの設置面を大きくする必要があった。このため、特に加熱装置の周縁部に設置された赤外線ランプから放射されたエネルギーの大部分は被加熱物に照射されず、被加熱物の周辺の部材をも加熱することになる。そして、被加熱物の加熱には、赤外線ランプからの放射だけでなく、加熱された周辺部材からの伝導による加熱も無視できない程度に影響してしまい、その結果、被加熱物の加熱温度の制御が困難になる。さらに制御をより正確に行うためには、加熱炉の内部空間を大きくする必要があり結果的に加熱炉全体が必要以上に大型化する。
さらに、赤外線ランプと反射鏡からなるユニットと被加熱物とを連通する1つの空間に設けると、該被加熱物はより大空間に設置されることになり、それだけ空間内の微細粒子などにより汚染される可能性があると共に、特定の雰囲気下にて加熱する必要があるときには、そのためのガスを多量に要する結果となる。加えて、該ユニットを冷却させる必要があり、逆に被加熱物は速やかに加熱される必要があるので、該ユニットと被加熱物とは矛盾する温度制御が必要とされることがあった。
反射鏡を小さくするには、反射鏡をより曲率が小さいものとしたり、赤外線ランプを反射鏡表面のすぐ近くに配置することが求められる場合があった。
また、発光領域をウエハより大きくする手段では、確かに発光領域を大きくすればするほど、かつ発光領域をウエハより離せば離すほど、ウエハを均一に加熱することができると考えられるが、装置が大型化し、必要な電力、冷却能力等も増大するため、効率良い加熱を行うことはできなかった。
該光源及び該反射鏡と被加熱物は赤外線透過性の窓部材を有する壁により区別された独立した別の室に位置し、
被加熱物表面に照射される光は、赤外線透過性の該窓部材を透過して該被加熱物に照射される集光鏡方式加熱炉。
2.該反射鏡は凹面鏡であり、その開口部の直径に対して、加熱時に被加熱物を収納する空間の該反射鏡に対向する面の径が大である1に記載の集光鏡方式加熱炉。
3.反射鏡の光源取り付け部付近に孔を設け、その孔から冷却用空気を反射鏡内に供給する1又は2に記載の集光鏡方式加熱炉。
4.被加熱物から最も遠い反射鏡の底部に孔を設け、かつ反射鏡を囲むフードを設け、フードに排気装置を設けて、反射鏡及び光源を冷却する1〜3のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
5.赤外線透過性の該窓部材は凹レンズ又は凸レンズとしての機能を有する1〜4のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
6.被加熱物表面には反射してなる赤外線の焦点が位置しない1〜5のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
7.上記反射鏡に対して被加熱物を挟んで、別の反射鏡を設ける1〜6のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
8.反射鏡はガラス材料を基板とし、その内面に赤外線反射層を設けてなる1〜7のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
9.反射鏡の開口部に赤外線透過性材料からなるレンズを設けてなる1〜8のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
10.被加熱物表面が特定の雰囲気下となるように、該被加熱物表面に対向して気体噴出口を設けた1〜9のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
11.光源及び反射鏡を、反射鏡の開口部に面する窓が赤外線透過性である室内に設け、かつ、被加熱物を、光源及び反射鏡側の面が赤外線透過性の窓部材からなる室内に設けてなる1〜10のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
12.光源及び反射鏡を設けた室の窓と、被加熱物を設けた室の窓との間に、2枚の赤外線透過性の窓部材の間に気体の流通経路を設け、これらの窓部材のうち被加熱物が設けられた室内側の窓部材に、該気体の流通経路に連通する気体噴出口が設けられてなる11に記載の集光鏡方式加熱炉。
13.被加熱物が設けられた室は、その全面が石英から構成される1〜12のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
14.直径が50mm以下の被加熱物用である1〜13のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
このとき、光源と反射鏡を設けた室、及び被加熱物を配置した室は、それぞれが独立し、互いに連通しない別の室である。そのため、被加熱物を集光鏡方式加熱炉から出し入れする際に、光源や反射鏡までが外気等に触れることがない。また、被加熱物はまた光源や集光鏡が位置する室に対して隔てられるので、より清浄な環境下にて加熱処理を行うことができ、さらに特定の雰囲気下にて加熱する際には、その光源や反射鏡までその雰囲気下に置く必要がなく、より少量のガスによりその雰囲気を実現できる。
また、加熱時には、被加熱物のみならず集光鏡も加熱されるが、この集光鏡を冷却するために冷却用気体を流通させた場合には、同時に被加熱物に対してその冷却用気体が流通することがない。そのため、真空下を含む任意の雰囲気下にて被加熱物を加熱することができる。
そして、被加熱物表面の特に必要とする箇所を、均一に加熱することが可能であるし、また、被加熱物表面に対して光の焦点を合わせない状態でより均一に照射することもできる。
この加熱炉は、被加熱物の上方に加熱のための光源が位置し、上方より被加熱物表面を加熱するので、被加熱物の側方に大きく空間を形成することができる。このため、側方に温度等の測定手段や制御手段を設けることや冷却用の気体を流すことが可能である。又、側方に設けられた空間に、被加熱物を移送する手段を設置する等して、被加熱物周囲の空間を有効に活用することが可能となり、被加熱物を装置内に導入する段階から、装置外に取り出す段階に至る一連の動作をより効率良く行うことができる。
例えば、CVD炉とする際には、CVDにより処理される被加熱物表面の側面からガスを流して当てることができ、加熱された被加熱物上にCVDによる良質な薄膜を成膜させることができる。
焦点が結ばれていない、いわゆるデフォーカスされた状態で光が照射される場合には、該フィラメントの像が被加熱物上に結ばれることがない。そうすると、被加熱物上にてフィラメントの形状を反映させたような光の照射むらを生じることがなく、この点においても、被加熱物表面をより均一に加熱することが可能となる。
例えば、回転楕円体を反射鏡とし、その一方の焦点の位置に光源を置いた場合、もう一方の焦点には、光源から発生した赤外線が焦点を結ぶが、被加熱物はそのもう一方の焦点の位置に置くことなく、あえて焦点をはずした別の位置に置く。これにより、被加熱物の表面にはより均一に赤外線が照射されることになり、結果的に均一に加熱される。
また、反射鏡と被加熱物の間に凹レンズ、又は凸レンズの機能を備えた部材を設置して、赤外線の焦点の位置を調整したり、あるいは焦点を結ばないようにすることによっても、上記と同様に被加熱物表面により均一に赤外線を照射させることができる。
被加熱物の物性や材料によっては、赤外線以外の光によっても加熱され得るものがあるので、この場合において本発明にて使用される光は赤外線以外の光を包含する。
本発明の集光鏡方式加熱炉は、赤外線等の加熱のためのエネルギーを放射する光源と、光源から放射された赤外線を反射させて、被加熱物に向けて赤外線を照射するための反射鏡、及び被加熱物を、該反射鏡及び光源に対して隔離して、互いに連通させないようにし、かつ赤外線を透過させるための赤外線透過性の窓部材を備える装置である。
本発明の集光鏡方式加熱炉により加熱される被加熱物としては、ガラス、半導体材料、金属、セラミック、樹脂等通常加熱により加工される物であれば対象となる。LSI、MEMS等の製造工程の一部等にも使用することが可能である。
具体的には蒸着装置、CVD炉、単結晶製造装置等の加熱を伴う装置として使用することができる。
本発明において使用される光源としては、加熱に供することが可能な程度に赤外線を発生できることが必要であり、被加熱物や反射鏡の大きさ、目的とする加熱温度に応じて、公知の光源の中から適宜光源のタイプを決定することができる。ランプとしては赤外線ランプが一般的であるが、それに限定されず、光により加熱を行う加熱炉にて使用することができる光源を任意に使用することができる。
本発明にて使用される反射鏡は公知の材料から成るものでよく、金属基材そのもの、あるいは金属基材内面に反射面として別の金属層を設けたもの等、公知の反射性を占める構造を採用することができる。また、ガラス性の反射鏡基板に公知の赤外線反射性の反射膜を形成することにより反射鏡を得ることもできる。
また、金属などのブロックから削り出し等の製造方法で製造してもよいが、複数のブロックに分け、このブロック毎に製造して、これらのブロックを組み立てることにより製造してもよい。
反射鏡は凹面の反射鏡であって、その内面形状としては回転楕円体形状で、かつその一方の焦点に光源を配置することができるが、回転放物面や球面等の回転楕円体形状以外の形状でもよく、光源の配置についても任意に決定できる。
例えば球面鏡とした場合には、光源をどの位置においても、光源とは別の位置に設けた被加熱物の表面に対して、焦点を結ぶことがないので、焦点があった場合よりもより均一に被加熱物を加熱することができる。
この反射鏡の大きさは被加熱物の大きさによって選択されるが、被加熱物をステージ上に載置した状態で加熱を行うこと、及び被加熱物を収納した室にて十分な量の気体の雰囲気下にて加熱されることが必要であることから、被加熱物を収納した室の反射鏡側の面は凹面の反射鏡の開口部よりも大であることが好ましい。
本発明における集光鏡方式加熱炉にて処理される被加熱物は、半導体素子、ウエハ等の加熱工程を必要とする物である。
これらはその用途によって被加熱物の大きさがある程度決定するが、本発明では任意の大きさの被加熱物を処理することが可能である。ただし、好ましくは直径が50mm以下、更に好ましくは30mm以下、特に好ましくは15mm以下が適切である。
そして、被加熱物の形状としては、光が照射される面が平面であればよく、また、本発明の目的を逸脱しない範囲において平面でない面でも良い。
本発明の集光鏡方式加熱炉によれば、加熱開始から数秒後には被加熱物表面の温度を1300℃以上に加熱することができ、被加熱物を加熱処理する速度を向上させることができる。
被加熱物を配置する室は、その反射鏡側の面が赤外線透過性の材料から形成されることが必要である。赤外線透過性の材料により形成することによって、その材料が窓部となって反射鏡から照射される赤外線を透過して、被加熱物に対して赤外線を照射できる。
さらに、被加熱物表面を特定の雰囲気下にて処理することを考慮すると、その雰囲気が特に反応性が強い等の性質を有するときに、例えば該赤外線透過性の材料以外の材料を被加熱物を配置する室の一部にでも使用すると、その材料が腐食等を起こす可能性がある。このときには、室内を構成する材料は全て耐熱性及び耐腐食性を備えることが必要であり、好ましくは石英を用いて室を構成する。なお石英等を用いるときには、石英等は接着、溶着等により接合することが困難であるため、石英からなる部材どうしを例えばOリング等の密封部材によって、接合部分を気密にしながら接合することができる。さらに、Oリングを用いる際にはこのOリング自体に赤外線が当たって変質することがないように、Oリングを用いる箇所を赤外線の光路から十分に離すことが必要である。
図1Aは本発明の集光鏡方式加熱炉の主要部を示しており、光源1から放射された赤外線をその周囲の反射鏡2により反射させて、その下に位置する被加熱物4に向けて照射する。
ここで、該光源1と反射鏡2を含むユニットが設置された室である空間3と、被加熱物4が設置されている空間5は、これらの空間が壁6により仕切られることによって、互いに連通せず、それぞれ独立した室を形成する。
被加熱物はステージ8上に載置されて、加熱するための予定された位置に正確に配置され、少なくとも加熱中はその位置に置かれる。
そのステージ8は支持体9によって支持され、加熱炉の外部から導入された被加熱物は、加熱炉外部に対して密閉された空間内にて、別に設けたアームなどの移送手段によって、場合によりチャンバーを開閉することにより通過し、加熱炉内部にてステージ上に載置される。
さらに必要であれば支持体9により上下、左右等の方向に位置決めされる。
また赤外線ランプと反射鏡を一体として上下に移動させることによって、被加熱物への赤外線の照射強度等を調整することができる。
冷却方法としては空気等の気体による空冷と、水等の液体による水冷との2通り、若しくはこれらを併用する手段を採用することができる。
例えば、空冷としては、ノズルNの1つ以上から光源や反射鏡に対して空気を噴射させる手段、水冷としては、図示しないが、反射鏡の反射面ではない裏側に水等を循環するジャケットや流路等を設けて、集光鏡の裏側から冷却させる手段を採用することができる。
さらに反射鏡の底部、つまり、被加熱物と光源を結ぶ延長線が反射鏡に交差する箇所に孔を設け、反射鏡の外側に設けたファン等の排気装置により発生した気体流を反射鏡の開口部から該孔に向けて形成させることによって、反射鏡の内外面及び光源を冷却させることもできる。
そしてこれらの手段のなかで、集光鏡方式加熱炉による加熱温度、運転間隔等を考慮して合理的な手段及び冷却条件を採用することができる。
被加熱物の被加熱面側から処理用等の気体を被加熱面に向けて流すときには、その気体の流路を構成する部材や、被加熱面に向けた気体を流すための開口部を構成する部材はすべて赤外線透過性の部材により構成される必要がある。
また、光源と反射鏡を有する室の雰囲気と被加熱物を有する雰囲気とは完全に独立しており、それらの空間は連通しないので、例えば、被加熱物側の室を真空や特定のガス雰囲気下とした場合であっても、後ろ側や反射鏡側の室にて冷却のために空気を吹き付ける等、両方の室を全く異なる雰囲気にて運転させることができる。
加熱のための光源や反射鏡と、被加熱物とを一つの室内に設置すると、被加熱物を出し入れするときや、供給するガスの種類を変更するとき、室内を真空とするとき等に、条件を変更すべき空間、つまり室の大きさが大きいので、その条件の変更に要する時間が長く、真空ポンプ、使用する雰囲気ガスの量など、あらゆる点において装置を必要以上に大型化させる必要が生じる。
ところが本発明によれば、これらの点を解消でき、より効率よく加熱工程を進めることが可能となる。
この場合には、反射鏡内に導入された空気が効率よく反射鏡を冷却するので、空気の吸引に要する力を最小限に留めることが可能となる。
これに関して、本発明の集光鏡方式加熱炉により被加熱物に赤外線を照射する際には、例えば反射鏡を回転楕円体からなるものとし、光源を一方の焦点におき、他方の焦点に被加熱物を設けることによって、被加熱物表面に焦点を合わせることが可能である。
また、赤外線ランプと反射鏡の位置関係によっては、上記の凸レンズに代えて凹レンズを反射鏡の開口部10に設けることができる。
また、被加熱物表面に焦点が位置しないようにすれば、より均一に加熱することができる。
図1Cの例においては、反射鏡の開口部にレンズを設けるために、図1Bにて示すような空気にて冷却するための構造を備えることが、場合によっては必要である。
この図1Dは被加熱物を収納する室に設けた窓部材を凹レンズとした例であるが、これも図1Cと同様に凸レンズとしても良く、また球面レンズでも非球面レンズでも良い。
図2のAは反射鏡2を覆うようなフード21を設け、その上面に設けた開口部に排気装置としてフィンを設置して、これを回転することにより、フード21内の空気等を上方に排出するようにする。その結果、反射鏡2の凹面の底部、つまり、被加熱物と光源を結ぶ延長線が反射鏡が交差する箇所であり該フィンFに最も近い箇所に設けた孔を通じ、また反射鏡2とフード21の間に設けられた隙間を通じて、反射鏡2及びフード21の外部から、空気等が吸引される。
そうすると、反射鏡2の内面と外面に沿って流通する流れと、光源1の周囲を流通する流れがそれぞれ発生する。このような流れによって、反射鏡2や光源1が冷却されることになる。
また、被加熱物4を特定の雰囲気下とするために、空間5に該特定の気体を流通させる場合には、例えば被加熱物4の上面を流通するように、空間5を区切る壁に気体の流入孔及び流出孔を設けて気体gを供給、排出することができる。
被加熱物4を載せるステージ8は支持体9ごと上下に移動する構造になっており、ステージ8が下に移動した状態で、ステージ8上に被加熱物4が載置される。その後ステージ8が上昇し、所定の位置にて固定された状態にて加熱処理される。
加熱処理が終了した後には、再びステージ8が下降し、加熱処理済みの被加熱物が取り出されて、装置外に搬送されることになる。
装置を使用するにつれて、加熱されたステージ8から放出された輻射熱も同様に反射鏡22に反射されて、再びステージ8を加熱するためのエネルギーとして活用することも可能となる。
また、このような反射鏡22を採用し、かつステージ8を上下動させる必要がある場合には、図に記載されているように、反射鏡22を分離線Lで分離できるように別の部材により構成し、内側の反射鏡部分は支持体9に固定することによって、ステージ8と一体となった状態で上下に移動させることができる。
このように図1及び2に記載の各図に示す構造を単独で、又は複数組み合わせて、本発明の加熱炉とすることが可能である。
図3に被加熱物を導入する前の加熱炉を示す。この図において、赤外線を発生する光源1を反射鏡2内に設け、該反射鏡2の上部にフード21を設置する。該光源の根元の周囲には、該反射鏡2と光源1との間に気流が通過できる隙間を設ける。また反射鏡2を囲む部分にも隙間を設けておき、この隙間から気流をフード21内に導入できるようにする。さらに反射鏡2の下部には、反射鏡の外縁部とそれに対向する石英板等の赤外線を透過する部材との間に隙間に隙間を設けて、気流が通過できるようにしておく。
このような構成において、本発明の加熱炉を運転すると、フード21内に設けたフィンにより、図3に示した矢印に向けて気流を発生させることによって、上記の各隙間から各気流が導入されて、その気流によって反射鏡2の内外面や光源1が空冷される。
図3において支持体9の上部に設けられたステージは、外部から被加熱物を導入するためのポートPと同一の高さに位置されている。
この状態において、図示はしないが外部からの移送手段によって、ウエハ等の被加熱物がポートPを通過してステージ8の上に載置される。
ステージ8上では図示しない手段によって、被加熱物が移動ステージ上を移動しないように固定されることになる。
このときの被加熱物表面の性状を任意の箇所に設置した各種温度計で計測したり、カメラCにより反射鏡2に設けた孔を通じて、層の形成状況を監視・計測するようにしても良い。
また、効率のよい加熱及び装置の小型化のための赤外線ランプ1と被加熱物中心の最短の直線距離は70〜200mmであり、好ましくは80〜150mmである。
この距離が大きくなると効率のよい加熱及び小型化が困難になり、小さい場合には、装置の運転、均一な加熱が困難になる可能性がある。
さらにこれらの図に示した構造を個別に採用したり、組み合わせて採用することもできる。
被加熱物4に対向する窓部材7に気体gの噴出口23を設けてなる装置である。このとき、窓部材7は間隔を設けて設置した2枚の赤外線透過性の部材から構成され、気体gはこの2枚の赤外線透過性部材の間に設けた流通経路を流通する。
その流通する気体gが被加熱物4表面に対向した噴出口から被加熱物表面に直接噴射されることによって、被加熱物表面により均一に気体gが噴射されて均一な雰囲気下になるので、例えば気体gが加熱条件下にて被加熱物4の表面と反応して反応膜を形成する際にも、より均一な反応膜を形成することができる。
なお、噴出口23は細かい穴を多く設けてなるほうが、より均一な処理を行う点から好ましい。
さらに、フレームカバーに覗き窓を設けると被加熱物を装置外より観察することができる。
本発明の集光鏡方式加熱炉を収納した該フレームカバーは、架台上に設置され得る。架台には加熱炉の電源やコントローラー、ラジエーター、冷却水の循環装置、冷却用空気の供給装置、被加熱物の移動装置等、加熱炉を運転するための各種装置を設置しても良い。
2・・・反射鏡
3・・・空間
4・・・被加熱物
5・・・空間
6・・・壁
7・・・窓部材
8・・・ステージ
9・・・支持体
10・・開口部
11・・孔
21・・フード
22・・反射鏡
23・・噴出口
N・・・ノズル
F・・・フィン
g・・・気体
L・・・分離線
C・・・カメラ
P・・・ポート
Claims (10)
- 光源から放射された光を凹面の反射鏡により反射させて被加熱物に照射させ、被加熱物を加熱するための集光鏡方式加熱炉であって、
該光源及び該反射鏡と被加熱物は赤外線透過性の窓部材を有する壁により区別された独立した別の室に位置し、
被加熱物表面に照射される光は、赤外線透過性の該窓部材を透過して該被加熱物に照射し、
反射鏡の被加熱物から最も遠い箇所に孔を設け、かつ反射鏡を囲むフードを設け、フードと反射鏡の間に外気に連通する隙間を設け、かつ、フードに外部への排気装置を設けて、反射鏡及び光源を冷却できるようにし、
被加熱物は上下移動できるステージ上に載置され、該光源及び該反射鏡が位置する室とは別の室内の被加熱物が加熱される位置において、被加熱物の下部周囲に反射鏡が設けられており、
該光源が位置する室内に設けた該反射鏡の開口部の直径に対して、加熱時に被加熱物を収納する空間の、該反射鏡に対向する面の径が大である
集光鏡方式加熱炉。 - 赤外線透過性の該窓部材は凹レンズ又は凸レンズとしての機能を有する請求項1に記載の集光鏡方式加熱炉。
- 被加熱物表面には反射してなる赤外線の焦点が位置しない請求項1又は2に記載の集光鏡方式加熱炉。
- 両室内に位置する反射鏡はガラス材料を基板とし、その内面に赤外線反射層を設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
- 前記光源が位置する室内に設けた反射鏡の開口部に赤外線透過性材料からなるレンズを設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
- 被加熱物表面が特定の雰囲気下となるように、該被加熱物表面に対向して気体噴出口を設けた請求項1〜5のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
- 光源及び反射鏡を、反射鏡の開口部に面する窓が赤外線透過性である一方の室内に設け、かつ、被加熱物を、反射鏡側の面が赤外線透過性の窓部材からなる他方の室内に設けてなる請求項1〜6のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
- 光源及び反射鏡を設けた一方の室の赤外線透過性の窓部材による窓と、被加熱物を設けた室の赤外線透過性の窓部材による窓との間に、2枚の赤外線透過性の窓部材の間により形成された気体の流通経路を設け、これらの窓部材のうち被加熱物を設けた室の窓に、該気体の流通経路に連通する気体噴出口が設けられてなる構造を有する請求項7に記載の集光鏡方式加熱炉。
- 被加熱物が設けられた室は、その全面が石英から構成される請求項1〜8のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
- 直径が50mm以下の被加熱物用である請求項1〜9のいずれかに記載の集光鏡方式加熱炉。
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