JP6731869B2 - 検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面にある複数の開口部のうち、他材料が充填されている充填開口部と、他材料が充填されていない欠陥開口部とがある基材に対して、欠陥開口部を検出する検査方法に関し、特に、開口部が並進対称性を有さない配置でも欠陥開口部を検出する検査方法に関する。
絶縁性基材に設けられた複数の微細孔に金属が充填されてなる金属充填微細構造体は、近年ナノテクノロジーでも注目されている分野のひとつであり、例えば、異方導電性部材としての用途が期待されている。
金属充填微細構造体は、例えば、陽極酸化膜の微細孔に銅を充填して構成されており、微細孔に充填された銅が、導通路として機能する。金属充填微細構造体を異方導電性部材として用いた場合、微細孔への銅の充填について全面検査が必要である。すなわち、導通路が全て形成されているかを検査する必要がある。このような複数の微細孔を検査する方法としては、以下に示すように種々のものが提案されている。
特許文献1の基板検査方法は、板状材に複数の孔が形成されてなる基板に対して検査を行うものである。特許文献1は、基板の一面側から当該基板に形成された複数の孔を撮像して各孔についての孔画像を得る画像取得工程と、複数の孔についての基準孔画像を特定する基準特定工程と、各孔画像の基準孔画像に対する類似度をパターンマッチング処理により求めて数値化する数値化工程と、各孔画像についての数値化結果を指標として用いて複数の孔のそれぞれについての孔形状の良否を判定する形状検査工程とを備える。
特許文献2には、予めパッド良否判定の基準情報を手動設定しなくても、パッドの外観検査を精度良く行うことができるパッドの外観検査方法が記載されている。
特許文献2では、同じ列に並ぶ2つのパッドの撮像情報を比較して両者が一致するか否かを判定し、一致すれば、そのうちの一方のパッドの撮像情報を同じ列の他のパッドの撮像情報と比較して両者が一致するか否かを判定する。この際、両者が一致するか否かは実質的に判定し、両者の差が許容誤差の範囲内であれば一致と見なす。このような比較処理を繰り返して、所定数以上のパッドの撮像情報が一致した時にパッドの撮像情報を基準情報として設定する。この後、基準情報を設定し終えた列の各パッドの良否を基準情報を用いて判定する。以後、各列毎に上述した基準情報設定処理と良否判定処理とを繰り返し、セラミック基板の全ての列のパッドの良否判定を行う。
特許文献3に、設計データ上のバンプ位置またはバンプ全体の個数を予め登録することなしに、欠陥の検出を高精度に行なうことができる欠陥検出装置が記載されている。
特許文献3は、複数の画像測定手段を用いて測定を行うことにより検査対象の欠陥位置を検出する欠陥検出装置において、複数の画像測定手段はそれぞれ、少なくとも一方向に対して所定の規則で配列された複数の検査対象について、各検査対象の検査をする検査手段と、検査がなされた各検査対象の状態と、各検査対象の位置を表わすID情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、を具備し、複数の画像測定手段のそれぞれの検査結果を、各検査対象の位置を表わすID情報に基づいて対応させ、総合的に欠陥を判定する判定手段を有する。
特許文献4には、シリコン貫通ビアの非破壊検査をインラインで行うことが可能なシリコン貫通ビア形成生産システムが記載されている。特許文献4のシリコン貫通ビア形成生産システムは、シリコン基板に形成されたシリコン貫通ビアの形状およびシリコン貫通ビア内のめっき膜の状態を示す画像を取得するX線検査装置と、取得した画像からめっき膜内のボイド欠陥の有無を判定し、ボイド欠陥を検出したときには、ボイド欠陥を所定の複数の欠陥パターンに分類する欠陥パターン判定手段と、分類された所定の欠陥パターンに応じて、ボイド欠陥の原因となっている不良処理を特定する不良処理特定手段と、不良処理を是正するための変更処理を、不良処理を行っている処理装置に指示する制御手段とを有する。
特許文献5には、半導体ウエハに形成されたシリコン貫通電極の内部欠陥をX線透過像で検査する際、隣接するシリコン貫通電極の透過像の重なりを発生させず、内部欠陥を高精度に検出するX線検査方法が記載されている。
特許文献5では、X線源から発射したX線を試料に照射して検出しX線透過像を処理して試料に形成されたシリコン貫通電極の内部の欠陥を検出する方法において、試料を透過したX線をX線検出器で検出することを、試料に形成された構造物の配列間隔、深さ、および平面形状の情報に基づいてX線検出器で検出する試料を透過したX線の試料に対する検出方位角およびX線源に対する検出仰角を決定し、決定した検出方位角に応じて試料を載置する回転ステージの回転角度を調整し、決定した検出仰角に検出器の位置を設定した状態で試料を透過したX線を検出する。
また、特許文献6には、検査対象のX線画像を取得するX線画像取得ステップと、検査対象の形状が異なる複数のシミュレーションX線画像から、検査対象の形状が最も近いシミュレーションX線画像を取得するシミュレーションX線画像取得ステップと、X線画像とX線画像取得ステップにより取得されたシミュレーションX線画像との差分に基づき、検査対象の欠陥を検出する欠陥検出ステップとを有するX線検査方法が記載されている。具体例として、シリコンウェハに形成されているCuが充填されたシリコン貫通電極の欠陥を検出する方法が示されている。
特開2015−025759号公報 特開平11−044519号公報 特開2000−227319号公報 国際公開第2016/158576号 特開2016−118445号公報 特開2014−16239号公報
上述の金属充填微細構造体は、微細孔は規則的に配置される場合もあるが、規則的に配置されない場合もある。しかも、複数の微細孔について、微細孔の位置、微細孔の形状および微細孔の大きさは同じではなく変動することもある。この場合、上述の特許文献1の基板検査方法のようなパターンマッチング処理では、微細孔の測定が困難である。
上述のように、微細孔の位置、微細孔の形状および微細孔の大きさは同じではなく変動する複数の微細孔に対して、特許文献2および特許文献3の画像解析を用いるものでも微細孔の測定が困難である。
また、特許文献4、特許文献5および特許文献6に記載されているシリコン貫通電極の欠陥検出査方法では、多方向からX線透過画像を得る必要があったり、シリコン貫通電極の欠陥を検出するために傾斜させてX線透過画像を取得したり、シミュレーションX線画像を形成したりする必要がある。このため、特許文献4、特許文献5および特許文献6に記載されているシリコン貫通電極の欠陥検出査方法では、微細孔の数が多い場合、欠陥検出作業が多くなり、欠陥検出が困難になる。
本発明の目的は、前述の従来技術に基づく問題点を解消し、複数の開口部のうち、他材料が充填されている充填開口部と、他材料が充填されていない欠陥開口部とがある基材に対して、開口部が並進対称性を有さない配置でも欠陥開口部を検出する検査方法を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、表面に複数の開口部があり、各開口部のうち、他材料が充填されている充填開口部と、他材料が充填されていない欠陥開口部とがある基材に対して、欠陥開口部を検出する検査方法であって、複数の開口部の配置は並進対称性を有さず、複数の充填開口部の位置情報を取得し、充填開口部の重心位置を取得する工程と、1つの充填開口部に対する走査設定範囲を設定し、走査設定範囲に含まれる重心位置の設定数を定める工程と、表面の端部を含まない、表面の検査領域にある充填開口部に対して、充填開口部毎に走査設定範囲を当てはめ、充填開口部毎に、走査設定範囲を当てはめた検査範囲における重心位置の数を求める工程と、検査範囲に含まれる重心位置の数と、走査設定範囲の重心位置の設定数との差分を求める工程と、差分に基づいて、欠陥開口部の数を求める工程とを有し、欠陥開口部の数を求める工程は、検査範囲のうち差分が0以上である検査範囲に対して、各検査範囲の差分の総和を求め、重複分を差分の総和から減算することで欠陥開口部の数を求める工程である検査方法を提供するものである。
複数の充填開口部のうち、表面の端部にある充填開口部について、隣接する2つの充填開口部の重心位置を結んだ線分を得る工程と、線分に対して予め線分閾値を定めておき、線分閾値よりも長い線分には欠陥開口部が含まれるとし、かつ線分閾値よりも長い線分の長さに応じて欠陥開口部が含まれる数を予め定めておき、線分閾値よりも長い線分の長さから、含まれる欠陥開口部の数を求める工程とを有することが好ましい。
充填開口部は、電子線、レーザーまたはX線を用いて特定されることが好ましい。
また、基材の厚さは500μm以下であることが好ましい。
また、開口部は円形状であり、かつ開口部の配置が六方配列を含むことが好ましい。走査設定範囲は、開口部の配置のピッチの0.5〜1.5倍であることが好ましい。走査設定範囲に含まれる重心位置の設定数は、7であることが好ましい。
基材は異方導電材料であることが好ましい。
本発明によれば、他材料が充填されている充填開口部と、他材料が充填されていない欠陥開口部とがある基材に対して、開口部が並進対称性を有さない配置でも欠陥開口部を検出することができる。
本発明の実施形態の検査方法に用いられる検査装置の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態の検査方法の検査対象である異方導電性部材の構成の一例を示す平面図である。 本発明の実施形態の検査方法の検査対象である異方導電性部材の構成の一例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態の検査方法の一例を説明するための模式的平面図である。 本発明の実施形態の検査方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の検査方法の一工程の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の検査方法を説明するための模式的平面図である。 本発明の実施形態の検査方法を説明するための模式的平面図である。 本発明の実施形態の検査方法を説明するための模式的平面図である。 本発明の実施形態の検査方法の他の例を説明するための模式的平面図である。 本発明の実施形態の検査方法に用いられる検査装置の他の例を示す模式図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の検査方法を詳細に説明する。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
「垂直」および「直交」等の角度は、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。また、「同一」および「全面」等は該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
図1は本発明の実施形態の検査方法に用いられる検査装置の一例を示す模式図である。
検査方法には、例えば、図1に検査装置10が用いられる。図1に示す検査装置10は、電子線を用いたものであり、SEM(Scanning Electron Microscope)と呼ばれるものである。
図1に示す検査装置10は、ステージ12と、コントローラー13と、線源部14と、検出器16と、解析部17と、制御部18とを有する。
ステージ12と、線源部14と、検出器16とが容器11内に設けられている。容器11内は、図示しないポンプ等により、予め定められた圧力にされる。例えば、容器11内は検査時に予め定められた真空度に保持される。
ステージ12は、検査対象物が載置されるものである。ステージ12により検査対象物が線源部14に対して移動することができる。例えば、ステージ12は、検査対象物を直交する3方向に移動させることができるものである。ステージ12にはコントローラー13が設けられており、コントローラー13によりステージ12が駆動される。
検査方法において、検査対象物は、表面にある複数の開口部のうち、他材料が充填されている充填開口部と、他材料が充填されていない欠陥開口部とがある基材を有するものであれば、特に限定されるものではない。検査対象物としては、例えば、異方導電性部材20が例示される。
異方導電性部材20は、後に詳細に説明するが、表面にある複数の開口部のうち、他材料が充填されている充填開口部と、他材料が充填されていない欠陥開口部とがある基材を有するものであり、異方導電材料である。上述の基材は、異方導電性部材20の後述する絶縁性基材40に相当する。なお、開口部の径は、10nm〜500nmが好ましい。
線源部14は、電子線をステージ12に向けて照射するものである。
検出器16は、異方導電性部材20の表面20aに照射された電子線が反射した反射電子、または電子線が異方導電性部材20の表面20aに照射されて異方導電性部材20から放出された二次電子を検出するものである。線源部14および検出器16は、SEMに用いられるものを適宜利用可能である。
解析部17は、検出器16で検出された反射電子または二次電子を用いて画像を得るものである。解析部17は反射電子または二次電子を用いて画像を得ることができれば、SEMに用いられるものを適宜利用可能である。また、解析部17は、得た画像を用いて、異方導電性部材20の欠陥開口部を検出するものでもある。
コントローラー13と、線源部14と、検出器16と、解析部17とは制御部18に接続されており、これらは制御部18により動作が制御される。
次に、異方導電性部材20について説明する。
図2は本発明の実施形態の検査方法の検査対象である異方導電性部材の構成の一例を示す平面図であり、図3は本発明の実施形態の検査方法の検査対象である異方導電性部材の構成の一例を示す模式的断面図である。図3は図2の切断面線IB−IB断面図である。
図2および図3に示すように異方導電性部材20は、無機材料からなる絶縁性基材40と、絶縁性基材40の表面40aに設けられ、厚み方向Z(図3参照)に貫通する複数の開口部41と、開口部41に他材料として導電材が充填された複数の導通路42とを備える部材である。複数の導通路42は、互いに電気的に絶縁された状態で設けられている。
複数の開口部41の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状である。
複数の開口部41の配置は並進対称性を有さない。しかも、開口部41の位置、開口部41の形状および開口部41の大きさは同じではなく変動している場合もある。
並進対称性を有さずに配置される複数の開口部41は、不規則的な配置であり、複数の開口部41は特定のパターンの繰り返しで表すことができない配置状態にある。
絶縁性基材40は、例えば、アルミニウムの陽極酸化膜により構成される。導通路42は、絶縁性基材40の厚み方向に貫通した開口部41の内部に金属を充填したものである。例えば、アルミニウムの陽極酸化膜に形成されたマイクロポアの内部に金属が充填されて導通路42が構成される。
ここで、「互いに電気的に絶縁された状態」とは、絶縁性基材の内部に存在している各導通路が絶縁性基材の内部において互いに各導通路間の導通性が十分に低い状態であることを意味する。
異方導電性部材20は、導通路42が互いに電気的に絶縁されており、絶縁性基材40の厚み方向Z(図3参照)と直交する方向xには導電性が十分に低く、厚み方向Zに導電性を有する。このように異方導電性部材20は異方導電性を示す部材である。
導通路42は、図2および図3に示すように、互いに電気的に絶縁された状態で絶縁性基材40を厚み方向Zに貫通して設けられている。なお、符号Z1は図2の裏面から正面の方向を示し、符号Z2は図2の正面から裏面の方向を示す。
導通路42は、図3に示すように、絶縁性基材40の表面40aおよび裏面40bから突出した突出部分42aおよび突出部分42bを有してもよい。異方導電性部材20は、さらに、絶縁性基材40の表面40aおよび裏面40bに設けられた樹脂層44を具備してもよい。この場合、各突出部分42aおよび突出部分42bの端部が樹脂層44に埋設していてもよい。
樹脂層44は、粘着性を備え、接合性を付与するものでもある。突出部分42aおよび突出部分42bの長さは、6nm以上であることが好ましく、より好ましくは30nm〜500nmである。
また、図2および図3においては、絶縁性基材40の表面40aおよび裏面40bに樹脂層44を有するものを示しているが、これに限定されるものではなく、絶縁性基材40の少なくとも一方の表面に、樹脂層44を有する構成でもよい。
図2および図3の導通路42は両端に突出部分42aおよび突出部分42bがある構成を例示しているが、これに限定されるものではなく、絶縁性基材40の少なくとも樹脂層44を有する側の表面に突出部分を有する構成でもよい。
異方導電性部材20では、複数の開口部41のうち、全てに導電材が充填されて導通路42が形成されていることが理想的であるが、開口部41への導通材が充填されず導通路42が形成されない場合がある。導通路42が形成されている開口部41を充填開口部52(図4参照)という。開口部41に導通材が充填されておらず導通路42が形成されていない開口部41のことを欠陥開口部54(図4参照)という。欠陥開口部54には、開口部41に導通材が全く充填されていないものが含まれ、また、導通材の充填が不十分で導通路42が形成されないものも欠陥開口部54に含まれる。導通材の充填が不十分とは、導通材が絶縁性基材40の表面40aおよび裏面40bのうち、少なくとも一方に達していない状態のことをいう。
異方導電性部材20の検査は、例えば、樹脂層44がない状態で実施される。
図3に示す異方導電性部材20の絶縁性基材40の厚みhtは、例えば、500μm以下である。
また、異方導電性部材20の厚みhは550μm以下であることが好ましく、異方導電性部材20は、TTV(Total Thickness Variation)が10μm以下であることが好ましい。
ここで、異方導電性部材20の厚みhおよび絶縁性基材40の厚みhtは、異方導電性部材20を、電解放出形走査型電子顕微鏡により20万倍の倍率で観察し、異方導電性部材20の輪郭形状を取得し、厚みhに相当する領域について10点測定した平均値のことである。
また、異方導電性部材20のTTV(Total Thickness Variation)は、異方導電性部材20をダイシングで切断し、異方導電性部材20の断面形状を観察して求めた値である。
次に、本発明の実施形態の検査方法について説明する。
図4は本発明の実施形態の検査方法の一例を説明するための模式的平面図であり、図5は本発明の実施形態の検査方法の一例を示すフローチャートである。図6は本発明の実施形態の検査方法の一工程の一例を示すフローチャートである。
図1に示す検査装置10を用いて、ステージ12上に異方導電性部材20を載置し、容器11内を、予め定められた圧力にする。この状態で、線源部14から電子線を異方導電性部材20に照射し、検出器16で、例えば、二次電子を検出し、解析部17で二次電子に基づいて、図4に示すような異方導電性部材20の画像50を得る。図4に示す画像50を例にして検査方法について説明する。なお、検査方法は、解析部17で実施される。解析部17では、検査方法を実行するプログラムが記憶されており、プログラムを実行することにより検査方法が実施される。
検査方法では、まず、図4に示す画像50に対して、複数の充填開口部52の位置情報を取得し、充填開口部52の重心位置cを取得する(ステップS10)。なお、図4に示す画像50は、図2に示す異方導電性部材20の表面20aの検査領域Rsの一部を示している。ここで、異方導電性部材20の表面20aの検査領域Rsは、異方導電性部材20の表面20aの端部Rcを含まない領域である。
ステップS10では、画像50に対して、充填開口部52の輪郭を抽出し、充填開口部52を特定し、画像50における充填開口部52の位置情報を特定する。充填開口部52の輪郭により充填開口部52の形状が特定される。充填開口部52は、例えば、円形状である。また、充填開口部52は、例えば、1つの充填開口部52に対して周囲に6つの充填開口部52が六角形状に配置されている。すなわち、充填開口部52の配置は六方配列である。充填開口部52を含む開口部41の配置は六方配列を含む。
充填開口部52の輪郭が特定されているため、輪郭を用いて充填開口部52の重心位置cを求めることがきる。全ての充填開口部52の重心位置cを取得する。これにより、画像50における、全ての充填開口部52の重心位置cの位置情報を得ることができる。
重心位置cとは、充填開口部52の画像50の表面における中心位置のことである。重心位置cは異方導電性部材20の絶縁性基材40の表面40aにおける開口部41の中心位置に相当する。
検査方法では、1つの充填開口部52毎に周囲に欠陥開口部54がないかを検査するが、画像50の端部50cと、画像50の端部50cではないところとでは、検査方法が異なる。このため、充填開口部52が端部50cにあるか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12では、画像50での充填開口部52の位置情報は既に取得されている。検査対象として選択した充填開口部52の位置情報により、画像50での位置が特定される。なお、画像50の端部50cは、異方導電性部材20の表面20aの端部Rcに相当するものである。しかし、画像50が異方導電性部材20の端部を含まない場合には、画像50として取得された異方導電性部材20の範囲における端部が、画像50の端部50cとなる。
ステップS12において、画像50の端部50cでない場合、1つの充填開口部52に対する走査設定範囲56を設定する(ステップS14)。そして、走査設定範囲56に含まれる重心位置cの設定数を定める。
図5に示す画像50では、上述のように充填開口部52の配置が六方配列である場合、例えば、1つの充填開口部52に対して外形が六角形の走査設定範囲56を設定する。走査設定範囲56は、1つの充填開口部52を中心にして最近傍にある充填開口部52を含むような範囲である。走査設定範囲56は、1つの充填開口部52に対して周囲に6つの充填開口部52が配置可能なものであり、内部に7つの充填開口部52が配置される。この場合、走査設定範囲56に含まれる重心位置cの設定数は7である。なお、走査設定範囲56は上述の外形が六角形の構成に特に限定されるものではない。
また、走査設定範囲56は、開口部41の配置のピッチの0.5〜1.5倍であることが好ましい。このため、充填開口部52の配置が六方配列である場合、走査設定範囲56は、充填開口部52の配置のピッチの0.5〜1.5倍に設定することが好ましい。配置のピッチの0.5〜1.5倍であれば、走査設定範囲56に近接する充填開口部52の重心位置cが含まれる。
次に、異方導電性部材20の表面20aの検査領域Rsにある充填開口部52に対して、1つの充填開口部52毎に走査設定範囲56を当てはめる(ステップS16)。そして、充填開口部52毎に、走査設定範囲56を当てはめた検査範囲57における重心位置cの数を求める。ステップS16では、走査方向D1に走査して、走査設定範囲56の当てはめを実施する。
次に、検査範囲57における重心位置cの数と走査設定範囲56の重心位置cの設定数とを比較して、検査範囲57における重心位置cの数と走査設定範囲56の重心位置cの設定数との差分を求める(ステップS18)。
次に、差分に基づいて、欠陥開口部54の数を求める(ステップS20)。
欠陥開口部54の数を求めるステップS20は、以下に示すステップS22およびステップS24(図6参照)の工程を含む。
ステップS20では、図6に示すように、検査範囲57のうち差分が0以上である検査範囲57に対して、各検査範囲57の差分の総和を求める(ステップS22)。
次に、重複分を、ステップS22で求めた差分の総和から減算する(ステップS24)。差分の総和から重複分を減産した値が欠陥開口部54の数となる。このようにして、欠陥開口部54の数を求める(ステップS20)。
なお、欠陥開口部54が周囲の充填開口部52の数だけ重複カウントされてしまうが、ステップS22とステップS24により、重複カウントされた欠陥開口部54を1個とカウントすることができる。
なお、ステップS20では、検査範囲57に含まれる重心位置cの数が走査設定範囲56の重心位置cの設定数とが同じである場合、欠陥開口部54の数をゼロとする。すなわち、検査範囲57に欠陥開口部54がないとする。
例えば、走査設定範囲56に対して、検査範囲57では重心位置の数が7である。この場合、検査範囲57に欠陥開口部54はない。
一方、検査範囲57aでは重心位置の数が6であり、欠陥開口部54の数は1である。検査範囲57bでは重心位置の数が5であり、欠陥開口部54の数は2である。
欠陥開口部54の数を求めるための走査は、走査方向D1に限定されるものではなく、画像50と同一面内において、走査方向D1と直交する方向でもよい。
一方、上述のステップS12で端部50cであった場合、隣接する2つの充填開口部の重心位置を結んだ線分を得る(ステップS30)。
線分に対して予め線分閾値を定めておき、線分閾値よりも長い線分には欠陥開口部54が含まれるとし、かつ線分閾値よりも長い線分の長さに応じて欠陥開口部54が含まれる数を予め定めておき、線分閾値よりも長い線分の長さから、含まれる欠陥開口部54の数を求める(ステップS32)。
具体的には、図7に示す端部50cの場合では、隣接する2つの充填開口部52の重心位置cを結んだ線分60と線分60aが得られる。線分60aは線分60に比して長い。線分60の長さは欠陥開口部54が含まれない長さであり、線分閾値に相当する。上述のように線分閾値よりも長い線分に対しては、長さに応じて欠陥開口部54が含まれる数が予め定められている。このため、線分閾値に基づき線分60aに含まれる欠陥開口部54の数が特定される。線分60aには、3つの欠陥開口部54が含まれる。
図8に示す端部50cの場合では、隣接する2つの充填開口部52の重心位置cを結んだ線分60bが得られる。線分60bは線分60に比して長い。線分閾値に基づき線分60bに含まれる欠陥開口部54の数が特定される。線分60bには、1つの欠陥開口部54が含まれる。
図9に示す端部50cの場合では、隣接する2つの充填開口部52の重心位置cを結んだ線分60bと60cが得られる。線分60bおよび線分60cは線分60に比して長い。線分閾値に基づき線分60bおよび線分60cに含まれる欠陥開口部54の数が特定される。線分60bには、1つの欠陥開口部54が含まれ、線分60cには、2つの欠陥開口部54が含まれる。
このようにして、画像50の端部50cにある欠陥開口部54の数を求めることができる。
上述の検出方法では、1つ充填開口部52に対して周囲の欠陥開口部54の有無を検査しており、パターンマッチングとは異なる。このため、開口部が並進対称性を有さない配置でも欠陥開口部54を検出することができ、欠陥開口部54の数を得ることができる。
また、欠陥開口部54を検出することにより、異方導電性部材20の品質管理が可能となる。例えば、欠陥開口部54の大きさを把握することにより、使用可能であるかの可否だけではなく、適用できる配線電極のサイズを判断することができる。また、適用できる配線電極のサイズに応じて、等級分けして出荷することにより、歩留まりを改善することもできる。
欠陥開口部54の大きさと、適用できる配線電極のサイズとの関係は、例えば、欠陥開口部54の大きさが5μmの場合、配線電極のサイズは25μmである。欠陥開口部54の大きさが0.5μmの場合、配線電極のサイズは3μmである。
なお、図4に示す画像50の構成の異方導電性部材20に限定されるものではない。例えば、図10に示す画像50の構成の異方導電性部材20についても欠陥開口部54の数を求めることができる。
図10に示す画像50は、図4に示す画像50に比して、導通路42の配置が異なる以外は、図4に示す画像50と同じである。このため、図10に示す画像50に関し、その詳細な説明は省略する。
図10に示す画像50は、導通路42の配置が長周期では配列が規則性を有さないものであり、準結晶の格子の2次元配置と同じである。
図10に示す画像50においても、上述のように、走査設定範囲56を設定する(ステップS14)。次に、異方導電性部材20の表面20aの検査領域Rsにある、1つの充填開口部52毎に走査設定範囲56を当てはめる(ステップS16)。そして、上述のように検査範囲57における重心位置cの数と走査設定範囲56の重心位置cの設定数との差分を求める(ステップS18)。ステップS18の差分に基づいて欠陥開口部54の数を求める(ステップS20)。
図10に示す画像50では、例えば、外形が平行四辺形の走査設定範囲56を設定する。この場合、走査設定範囲56に含まれる重心位置cの設定数は4である。
次に、検査装置10の他の構成例について説明する。
検査装置10は、図1に示す構成に限定されるものではない。検査装置10には、レーザーを用いたレーザー顕微鏡を用いることができる。これ以外に、例えば、図11に示す検査装置10のように、ステージ12と異方導電性部材20との間に、検出部19を設ける構成でもよい。この場合、線源部14は異方導電性部材20にX線を照射するものである。
検出部19はX線を検出でき、かつ異方導電性部材20の開口部41のサイズに応じた分解能を有するものであれば特に限定されるものではなく、公知のものが適宜利用可能である。
検出部19は解析部17に接続されている。線源部14からX線が異方導電性部材20の表面20aに対して垂直に照射される。異方導電性部材20を透過したX線が、検出部19で検出される。この場合、異方導電性部材20の絶縁性基材40と導通路42とではX線の透過率が異なる。すなわち、充填開口部52と欠陥開口部54とではX線の透過率が異なる。これにより、充填開口部52の位置情報を得ることができる。
また、線源部14を電子線を照射するものとし、検出部19を電流を検出することができるものとすることもできる。異方導電性部材20の絶縁性基材40は導通せず、導通路42は導通するため、導通路42、すなわち、充填開口部52を検出することができる。これにより、充填開口部52の位置情報を得ることができる。
なお、異方導電性部材20がアルミニウム基板上に形成されている場合には、検出部19にアルミニウム基板を用いることができる。
次に、検査方法に適した検査方式について説明する。
下記表1に示す種々の検査方式1〜検査方式6にて欠陥開口部の検出を試みた。検出結果も合わせて下記表1に示す。欠陥開口部の検出を試みた検査対象物は、10mm×10mmの異方導電性部材を用いた。
下記表1の評価の欄のAは200nm未満のものを検出できたことを示す。Bは200nm以上5μm未満のものを検出できたことを示す。Cは5μm以上のものを検出できたことを示す。
検出エラーの欄のAは、検出の割合が80%以上である。Bは検出の割合が80%未満である。Cは検出できないことを示す。
検査方式1は倍率が10000倍であり、検査方式2は倍率が3000倍である。検査方式3では、異方導電性部材20の表面20aに対して垂直にX線を照射している。
検査方式4は、欠陥開口部54は導通せずに、充填開口部52は導通することを利用して検出する。
検査方式5は、パターンマッチングを用いている。検査方式6は、可視光を用いた光学顕微鏡による観察である。
検査方式1および検査方式5には、日立ハイテクノロジーズ社製のS4800(商品名)の走査電子顕微鏡を用いた。なお、加速電圧は5kVとした。
検査方式1〜検査方式4に示すように、本発明の検査方法を用いることにより、欠陥開口部を検出することができる。パターンマッチングを用いた検査方式5では欠陥開口部を検出できない。光学顕微鏡を用いた検査方式6では充填開口部を検出できない。
以下、異方導電性部材20についてより具体的に説明する。
(絶縁性基材)
絶縁性基材は、無機材料からなり、従来公知の異方導電性フィルム等を構成する絶縁性基材と同程度の電気抵抗率(1014Ωcm程度)を有するものであれば特に限定されない。
なお、「無機材料からなり」とは、後述する樹脂層を構成する高分子材料と区別するための規定であり、無機材料のみから構成された絶縁性基材に限定する規定ではなく、無機材料を主成分(50質量%以上)とする規定である。
絶縁性基材としては、例えば、金属酸化物基材、金属窒化物基材、ガラス基材、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド等のセラミックス基材、ダイヤモンドライクカーボン等のカーボン基材、ポリイミド基材、これらの複合材料等が挙げられる。絶縁性基材としては、これ以外に、例えば、開口部として貫通孔を有する有機素材上に、セラミックス材料またはカーボン材料を50質量%以上含む無機材料で成膜したものであってもよい。
絶縁性基材としては、所望の平均開口径を有するマイクロポアが貫通孔として形成され、後述する導通路を形成しやすいという理由から、金属酸化物基材であることが好ましく、バルブ金属の陽極酸化膜であることがより好ましい。
ここで、バルブ金属としては、具体的には、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。これらのうち、寸法安定性がよく、比較的安価であることからアルミニウムの陽極酸化膜(基材)であることが好ましい。
絶縁性基材における各導通路の間隔は、5nm〜800nmであることが好ましく、10nm〜200nmであることがより好ましく、20nm〜60nmであることがさらに好ましい。絶縁性基材における各導通路の間隔がこの範囲であると、絶縁性基材が絶縁性の隔壁として十分に機能する。
ここで、各導通路の間隔とは、隣接する導通路間の幅wをいい、異方導電性部材の断面を電解放出形走査型電子顕微鏡により20万倍の倍率で観察し、隣接する導通路間の幅を10点で測定した平均値をいう。
(導通路)
複数の導通路は、絶縁性基材の厚み方向に貫通し、互いに電気的に絶縁された状態で設けられた、導電材からなる。
導通路は、絶縁性基材の表面から突出した突出部分を有する構成でもよく、また、各導通路の突出部分の端部が後述する樹脂層に埋設されていてもよい。
<導電材>
導通路を構成する導電材は、電気抵抗率が103Ωcm以下の材料であれば特に限定されず、その具体例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、インジウムがドープされたスズ酸化物(ITO)等が好適に例示される。
中でも、電気伝導性の観点から、銅、金、アルミニウム、およびニッケルが好ましく、銅および金がより好ましい。
<突出部分>
導通路の突出部分は、導通路が絶縁性基材の表面から突出した部分である。突出部分の端部は樹脂層に埋設されてもよい。
異方導電性部材と電極とを圧着等の手法により電気的接続、または物理的に接合する際に、突出部分が潰れた場合の面方向の絶縁性を十分に確保できる理由から、導通路の突出部分のアスペクト比(突出部分の高さ/突出部分の直径)が0.1以上50未満であることが好ましく、0.5〜20であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。
また、接続対象の半導体チップまたは半導体ウエハの表面形状に追従する観点から、導通路の突出部分の高さは、上述のように20nm以上であることが好ましく、より好ましくは100nm〜500nmである。
導通路の突出部分の高さは、異方導電性部材の断面を電解放出形走査型電子顕微鏡により2万倍の倍率で観察し、導通路の突出部分の高さを10点で測定した平均値をいう。
導通路の突出部分の直径は、異方導電性部材の断面を電解放出形走査型電子顕微鏡により観察し、導通路の突出部分の直径を10点で測定した平均値をいう。
<他の形状>
導通路は柱状であり、導通路の直径dは、突出部分の直径と同様、5nm超10μm以下であることが好ましく、20nm〜1000nmであることがより好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましくは、100nm以下であることが特に好ましい。
また、導通路は絶縁性基材によって互いに電気的に絶縁された状態で存在するものであるが、その密度は、2万個/mm2以上であることが好ましく、200万個/mm2以上であることがより好ましく、1000万個/mm2以上であることがさらに好ましく、5000万個/mm2以上であることが特に好ましく、1億個/mm2以上であることが最も好ましい。
さらに、隣接する各導通路の中心間距離pは、20nm〜500nmであることが好ましく、40nm〜200nmであることがより好ましく、50nm〜140nmであることがさらに好ましい。
(樹脂層)
樹脂層は、絶縁性基材の表面に設けられ、上述の導通路を埋設するものである。すなわち、樹脂層は、絶縁性基材の表面、および絶縁性基材から突出した導通路の端部を被覆するものである。
樹脂層は、接続対象に対して接合性を付与するものである。樹脂層は、例えば、50℃〜200℃の温度範囲では25℃時に対して粘度が低下し、200℃以上で硬化反応が開始するものであることが好ましい。
以下、樹脂層の組成について説明する。樹脂層は、高分子材料を含有するものである。樹脂層は酸化防止材料を含有してもよい。
<高分子材料>
樹脂層に含まれる高分子材料としては特に限定されないが、半導体チップまたは半導体ウエハと異方導電性部材との隙間を効率よく埋めることができ、半導体チップまたは半導体ウエハとの密着性がより高くなる理由から、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系樹脂等が挙げられる。
なかでも、電気絶縁性に関する絶縁信頼性がより向上し、耐薬品性に優れる理由から、ポリイミド樹脂および/またはエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
<酸化防止材料>
樹脂層に含まれる酸化防止材料としては、具体的には、例えば、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1H−テトラゾール−5−酢酸、1H−テトラゾール−5−コハク酸、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、4−カルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジカルボキシ−1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール−4−酢酸、4−カルボキシ−5−カルボキシメチル−1H−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−カルボキシ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジカルボキシ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−酢酸、1H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、ベンゾフロキサン、2,1,3−ベンゾチアゾール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、カテコール、o−アミノフェノール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、メラミン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
これらのうち、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体が好ましい。
ベンゾトリアゾール誘導体としては、ベンゾトリアゾールのベンゼン環に、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アミノ基、ニトロ基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等を有する置換ベンゾトリアゾールが挙げられる。また、ナフタレントリアゾール、ナフタレンビストリアゾール、と同様に置換された置換ナフタレントリアゾール、置換ナフタレンビストリアゾール等も挙げることができる。
また、樹脂層に含まれる酸化防止材料の他の例としては、一般的な酸化防止剤である、高級脂肪酸、高級脂肪酸銅、フェノール化合物、アルカノールアミン、ハイドロキノン類、銅キレート剤、有機アミン、有機アンモニウム塩等が挙げられる。
樹脂層に含まれる酸化防止材料の含有量は特に限定されないが、防食効果の観点から、樹脂層の全質量に対して0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましい。また、本接合プロセスにおいて適切な電気抵抗を得る理由から、5.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましい。
<マイグレーション防止材料>
樹脂層は、樹脂層に含有し得る金属イオン、ハロゲンイオン、ならびに半導体チップおよび半導体ウエハに由来する金属イオンをトラップすることによって絶縁信頼性がより向上する理由から、マイグレーション防止材料を含有しているのが好ましい。
マイグレーション防止材料としては、例えば、イオン交換体、具体的には、陽イオン交換体と陰イオン交換体との混合物、または、陽イオン交換体のみを使用することができる。
ここで、陽イオン交換体および陰イオン交換体は、それぞれ、例えば、後述する無機イオン交換体および有機イオン交換体の中から適宜選択することができる。
(無機イオン交換体)
無機イオン交換体としては、例えば、含水酸化ジルコニウムに代表される金属の含水酸化物が挙げられる。
金属の種類としては、例えば、ジルコニウムのほか、鉄、アルミニウム、錫、チタン、アンチモン、マグネシウム、ベリリウム、インジウム、クロム、ビスマス等が知られている。
これらの中でジルコニウム系のものは、陽イオンのCu2+、Al3+について交換能を有している。また、鉄系のものについても、Ag+、Cu2+について交換能を有している。同様に、錫系、チタン系、アンチモン系のものは、陽イオン交換体である。
一方、ビスマス系のものは、陰イオンのCl-について交換能を有している。
また、ジルコニウム系のものは条件に製造条件によっては陰イオンの交換能を示す。アルミニウム系、錫系のものも同様である。
これら以外の無機イオン交換体としては、リン酸ジルコニウムに代表される多価金属の酸性塩、モリブドリン酸アンモニウムに代表されるヘテロポリ酸塩、不溶性フェロシアン化物等の合成物が知られている。
これらの無機イオン交換体の一部は既に市販されており、例えば、東亜合成株式会社の商品名イグゼ「IXE」における各種のグレードが知られている。
なお、合成品のほか、天然物のゼオライト、またはモンモリロン石のような無機イオン交換体の粉末も使用可能である。
(有機イオン交換体)
有機イオン交換体には、陽イオン交換体としてスルホン酸基を有する架橋ポリスチレンが挙げられ、そのほかカルボン酸基、ホスホン酸基またはホスフィン酸基を有するものも挙げられる。
また、陰イオン交換体として四級アンモニウム基、四級ホスホニウム基または三級スルホニウム基を有する架橋ポリスチレンが挙げられる。
これらの無機イオン交換体および有機イオン交換体は、捕捉したい陽イオン、陰イオンの種類、そのイオンについての交換容量を考慮して適宜選択すればよい。勿論、無機イオン交換体と有機イオン交換体とを混合して使用してもよいことはいうまでもない。
電子素子の製造工程では加熱するプロセスを含むため、無機イオン交換体が好ましい。
また、マイグレーション防止材料と上述した高分子材料との混合比は、例えば、機械的強度の観点から、マイグレーション防止材料を10質量%以下とすることが好ましく、マイグレーション防止材料を5質量%以下とすることがより好ましく、さらにマイグレーション防止材料を2.5質量%以下とすることがさらに好ましい。また、半導体チップまたは半導体ウエハと異方導電性部材とを接合した際のマイグレーションを抑制する観点から、マイグレーション防止材料を0.01質量%以上とすることが好ましい。
<無機充填剤>
樹脂層は、無機充填剤を含有していてもよい。
無機充填剤としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
導通路間に無機充填剤が入ることを防ぎ、導通信頼性がより向上する理由から、無機充填剤の平均粒子径が、各導通路の間隔よりも大きいことが好ましい。
無機充填剤の平均粒子径は、30nm〜10μmであることが好ましく、80nm〜1μmであることがより好ましい。
ここで、平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒子径測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3300)で測定される、一次粒子径を平均粒子径とする。
<硬化剤>
樹脂層は、硬化剤を含有していてもよい。
硬化剤を含有する場合、接続対象の半導体チップまたは半導体ウエハの表面形状との接合不良を抑制する観点から、常温で固体の硬化剤を用いず、常温で液体の硬化剤を含有しているのがより好ましい。
ここで、「常温で固体」とは、25℃で固体であることをいい、例えば、融点が25℃より高い温度である物質をいう。
硬化剤としては、具体的には、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等のカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン等が挙げられ、これらの硬化剤から、25℃で液体のものを適宜選択して用いることができる。なお、硬化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂層には、その特性を損なわない範囲内で、広く一般に半導体パッケージの樹脂絶縁膜に添加されている分散剤、緩衝剤、粘度調整剤等の種々の添加剤を含有させてもよい。
<形状>
異方導電性部材の導通路を保護する理由から、樹脂層の厚みは、導通路の突出部分の高さより大きく、1μm〜5μmであることが好ましい。
<透明絶縁体>
透明絶縁体は、上述の〔樹脂層〕に挙げている材料から構成されるもののうち、可視光透過率が80%以上であるもので構成される。このため、各材料に関し、詳細な説明は省略する。
透明絶縁体において、主成分(高分子材料)が上述の〔樹脂層〕と同じである場合、透明絶縁体と樹脂層との間の密着性が良好となるため好ましい。
透明絶縁体は、電極等がない部分に形成するため、上述の〔樹脂層〕の<酸化防止材料>および上述の〔樹脂層〕の<マイグレーション防止材料>を含まないことが好ましい。
透明絶縁体はCTE(線膨張係数)がシリコン等の支持体に近い方が、異方導電材の反りが減るため、上述の〔樹脂層〕の<無機充填剤>を含むことが好ましい。
透明絶縁体において、高分子材料と硬化剤が、上述の〔樹脂層〕と同じである場合、温度および時間等の硬化条件が同じになるため好ましい。
なお、可視光透過率が80%以上とは、光透過率が波長400〜800nmの可視光波長域において、80%以上のことをいう。光透過率は、JIS(日本工業規格) K 7375:2008に規定される「プラスチック--全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
[異方導電性部材の製造方法]
異方導電性部材の製造方法は特に限定されないが、例えば、絶縁性基材に開口部として設けられた貫通孔に導電性材料を存在させて導通路を形成する導通路形成工程と、導通路形成工程の後に絶縁性基材の表面のみを一部除去し、導通路を突出させるトリミング工程と、トリミング工程の後に絶縁性基材の表面および導通路の突出部分に樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有する製造方法等が挙げられる。
〔絶縁性基材の作製〕
絶縁性基材は、例えば、貫通孔を有するガラス基板(Through Glass Via:TGV)をそのまま用いることができるが、導通路の開口径、および突出部分のアスペクト比を上述の範囲とする観点から、バルブ金属に対して陽極酸化処理を施して形成した基板が好ましい。
陽極酸化処理としては、例えば、絶縁性基材がアルミニウムの陽極酸化皮膜である場合は、アルミニウム基板を陽極酸化する陽極酸化処理、および陽極酸化処理の後に、陽極酸化により生じたマイクロポアによる孔を貫通化する貫通化処理をこの順に施すことにより作製することができる。
絶縁性基材の作製に用いられるアルミニウム基板ならびにアルミニウム基板に施す各処理工程については、特開2008−270158号公報の[0041]〜[0121]段落に記載したものと同様のものを採用することができる。
〔陽極酸化処理工程〕
陽極酸化工程は、アルミニウム基板の片面に陽極酸化処理を施すことにより、アルミニウム基板の片面に、厚み方向に存在するマイクロポアとマイクロポアの底部に存在するバリア層とを有する陽極酸化膜を形成する工程である。
陽極酸化処理は、従来公知の方法を用いることができるが、マイクロポア配列の規則性を高くし、異方導電性を担保する観点から、自己規則化法または定電圧処理を用いるのが好ましい。
ここで、陽極酸化処理の自己規則化法または定電圧処理については、特開2008−270158号公報の[0056]〜[0108]段落および[図3]に記載された各処理と同様の処理を施すことができる。
〔バリア層除去工程〕
バリア層除去工程は、陽極酸化処理工程の後に、陽極酸化膜のバリア層を除去する工程である。バリア層を除去することにより、マイクロポアを介してアルミニウム基板の一部が露出することになる。
バリア層を除去する方法は特に限定されず、例えば、陽極酸化処理工程の陽極酸化処理における電位よりも低い電位でバリア層を電気化学的に溶解する方法(以下、「電解除去処理」ともいう。);エッチングによりバリア層を除去する方法(以下、「エッチング除去処理」ともいう。);これらを組み合わせた方法(特に、電解除去処理を施した後に、残存するバリア層をエッチング除去処理で除去する方法);等が挙げられる。
〈電解除去処理〉
電解除去処理は、陽極酸化処理工程の陽極酸化処理における電位(電解電位)よりも低い電位で施す電解処理であれば特に限定されない。
電解溶解処理は、例えば、陽極酸化処理工程の終了時に電解電位を降下させることにより、陽極酸化処理と連続して施すことができる。
電解除去処理は、電解電位以外の条件については、上述した従来公知の陽極酸化処理と同様の電解液および処理条件を採用することができる。
特に、上述したように電解除去処理と陽極酸化処理とを連続して施す場合は、同様の電解液を用いて処理するのが好ましい。
(電解電位)
電解除去処理における電解電位は、陽極酸化処理における電解電位よりも低い電位に、連続的または段階的(ステップ状)に降下させるのが好ましい。
ここで、電解電位を段階的に降下させる際の下げ幅(ステップ幅)は、バリア層の耐電圧の観点から、10V以下であることが好ましく、5V以下であることがより好ましく、2V以下であることがさらに好ましい。
また、電解電位を連続的または段階的に降下させる際の電圧降下速度は、生産性等の観点から、いずれも1V/秒以下が好ましく、0.5V/秒以下がより好ましく、0.2V/秒以下がさらに好ましい。
〈エッチング除去処理〉
エッチング除去処理は特に限定されないが、酸水溶液またはアルカリ水溶液を用いて溶解する化学的エッチング処理であってもよく、ドライエッチング処理であってもよい。
(化学エッチング処理)
化学エッチング処理によるバリア層の除去は、例えば、陽極酸化処理工程後の構造物を酸水溶液またはアルカリ水溶液に浸漬させ、マイクロポアの内部に酸水溶液またはアルカリ水溶液を充填させた後に、陽極酸化膜のマイクロポアの開口部側の表面にpH緩衝液に接触させる方法等であり、バリア層のみを選択的に溶解させることができる。
ここで、酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。また、酸水溶液の濃度は1質量%〜10質量%であることが好ましい。酸水溶液の温度は、15℃〜80℃が好ましく、さらに20℃〜60℃が好ましく、さらに30℃〜50℃が好ましい。
一方、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。また、アルカリ水溶液の濃度は0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、10℃〜60℃が好ましく、さらに15℃〜45℃が好ましく、さらに20℃〜35℃であることが好ましい。なお、アルカリ水溶液には、亜鉛および他の金属を含有していてもよい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液等が好適に用いられる。
なお、pH緩衝液としては、上述した酸水溶液またはアルカリ水溶液に対応した緩衝液を適宜使用することができる。
また、酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8分〜120分であることが好ましく、10分〜90分であることがより好ましく、15分〜60分であることがさらに好ましい。
(ドライエッチング処理)
ドライエッチング処理は、例えば、Cl2/Ar混合ガス等のガス種を用いることが好ましい。
〔導通路形成工程〕
導通路形成工程は、絶縁性基材に設けられた貫通孔に導電性材料を存在させる工程である。
ここで、貫通孔に金属を存在させる方法としては、例えば、特開2008−270158号公報の[0123]〜[0126]段落および[図4]に記載された各方法(電解めっき法または無電解めっき法)と同様の方法が挙げられる。
また、電解めっき法または無電解めっき法においては、金、ニッケル、銅等による電極層を予め設けることが好ましい。この電極層の形成方法としては、例えば、スパッタ等の気相処理、無電解めっき等の液層処理、およびこれらを組合せた処理等が挙げられる。
導通路形成工程により導通路の突出部分が形成される前の異方導電性部材が得られる。
導通路形成工程は、特開2008−270158号公報に記載された方法に代えて、例えば、アルミニウム基板の片側の表面(以下、「片面」ともいう。)に陽極酸化処理を施し、アルミニウム基板の片面に、厚み方向に存在するマイクロポアとマイクロポアの底部に存在するバリア層とを有する陽極酸化膜を形成する陽極酸化処理工程と、陽極酸化処理工程の後に陽極酸化膜のバリア層を除去するバリア層除去工程と、バリア層除去工程の後に電解めっき処理を施してマイクロポアの内部に金属を充填する金属充填工程と、金属充填工程の後にアルミニウム基板を除去し、金属充填微細構造体を得る基板除去工程とを有する工程を有する方法であってもよい。
〔基板除去工程〕
基板除去工程は、導通路形成工程の後にアルミニウム基板を除去し、金属充填微細構造体を得る工程である。
アルミニウム基板を除去する方法としては、例えば、処理液を用いて、金属充填工程においてマイクロポアの内部に充填した金属および絶縁性基材としての陽極酸化膜を溶解せずに、アルミニウム基板のみを溶解させる方法等が挙げられる。
処理液としては、例えば、塩化水銀、臭素/メタノール混合物、臭素/エタノール混合物、王水、塩酸/塩化銅混合物等の水溶液等が挙げられ、中でも、塩酸/塩化銅混合物であることが好ましい。
また、処理液の濃度としては、0.01mol/L〜10mol/Lが好ましく、0.05mol/L〜5mol/Lがより好ましい。
また、処理温度としては、−10℃〜80℃が好ましく、0℃〜60℃が好ましい。
〔トリミング工程〕
トリミング工程は、導通路形成工程後の異方導電性部材表面の絶縁性基材のみを一部除去し、導通路を突出させる工程である。
ここで、トリミング処理は、導通路を構成する金属を溶解しない条件であれば特に限定されず、例えば、酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。中でも、クロム酸を含有しない水溶液が安全性に優れる点で好ましい。酸水溶液の濃度は1質量%〜10質量%であることが好ましい。酸水溶液の温度は、25℃〜60℃であることが好ましい。
一方、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1質量%〜5質量%であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20℃〜50℃であることが好ましい。
具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸漬時間は、8分〜120分であることが好ましく、10分〜90分であることがより好ましく、15分〜60分であることがさらに好ましい。ここで、浸漬時間は、短時間の浸漬処理(トリミング処理)を繰り返した場合には、各浸漬時間の合計をいう。なお、各浸漬処理の間には、洗浄処理を施してもよい。
トリミング工程において導通路の突出部分の高さを厳密に制御する場合は、導通路形成工程後に絶縁性基材と導通路の端部とを同一平面状になるように加工した後、絶縁性基材を選択的に除去(トリミング)することが好ましい。
ここで、同一平面状に加工する方法としては、例えば、物理的研磨(例えば、遊離砥粒研磨、バックグラインド、サーフェスプレーナー等)、電気化学的研磨、これらを組み合わせた研磨等が挙げられる。
また、上述した導通路形成工程またはトリミング工程の後に、金属の充填に伴い発生した導通路内の歪を軽減する目的で、加熱処理を施すことができる。
加熱処理は、金属の酸化を抑制する観点から還元性雰囲気で施すことが好ましく、具体的には、酸素濃度が20Pa以下で行うことが好ましく、真空下で行うことがより好ましい。ここで、真空とは、大気よりも気体密度または気圧の低い空間の状態をいう。
また、加熱処理は、矯正の目的で、材料を雰囲気以外の応力を加えながら行うことが好ましい。
〔樹脂層形成工程〕
樹脂層形成工程は、トリミング工程後に絶縁性基材の表面および導通路の突出部分に樹脂層を形成する工程である。
ここで、樹脂層を形成する方法としては、例えば、上述した酸化防止材料、高分子材料、溶媒(例えば、メチルエチルケトン等)等を含有する樹脂組成物を絶縁性基材の表面および導通路の突出部分に塗布し、乾燥させ、必要に応じて焼成する方法等が挙げられる。
樹脂組成物の塗布方法は特に限定されず、例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、エアナイフコート法、スクリーンコート法、バーコート法、カーテンコート法等、従来公知のコーティング方法が使用できる。
また、塗布後の乾燥方法は特に限定されず、例えば、大気下において0℃〜100℃の温度で、数秒〜数十分間、加熱する処理、減圧下において0℃〜80℃の温度で、十数分〜数時間、加熱する処理等が挙げられる。
また、乾燥後の焼成方法は、使用する高分子材料により異なるため特に限定されないが、ポリイミド樹脂を用いる場合には、例えば、160℃〜240℃の温度で2分間〜60分間加熱する処理等が挙げられ、エポキシ樹脂を用いる場合には、例えば、30℃〜80℃の温度で2分間〜60分間加熱する処理等が挙げられる。
製造方法においては、上述した各工程は、各工程を枚葉で行うことも可能であるし、アルミニウムのコイルを原反としてウェブで連続処理することもできる。また、連続処理する場合には各工程間に適切な洗浄工程、乾燥工程を設置することが好ましい。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の検査方法について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 検査装置
11 容器
12 ステージ
13 コントローラー
14 線源部
16 検出器
17 解析部
18 制御部
19 検出部
20 異方導電性部材
20a、40a 表面
40 絶縁性基材
40b 裏面
41 開口部
42 導通路
42a、42b 突出部分
44 樹脂層
50 画像
50c 端部
52 充填開口部
54 欠陥開口部
56 走査設定範囲
57、57a、57b 検査範囲
60、60a、60b、60c 線分
D1 走査方向
S10、S12、S14、S16、S18、S20、S22、S24、S30、S32 ステップ
Z 厚み方向
c 重心位置
h 厚み
ht 厚み
Rc 端部
Rs 検査領域
p 中心間距離
x 方向

Claims (6)

  1. 表面に複数の開口部があり、各開口部のうち、他材料が充填されている充填開口部と、前記他材料が充填されていない欠陥開口部とがある基材に対して、前記欠陥開口部を検出する検査方法であって、
    前記複数の前記開口部の配置は並進対称性を有さず、
    前記複数の充填開口部の位置情報を取得し、前記充填開口部の重心位置を取得する工程と、
    1つの充填開口部に対する走査設定範囲を設定し、前記走査設定範囲に含まれる前記重心位置の設定数を定める工程と、
    前記表面の端部を含まない、前記表面の検査領域にある前記充填開口部に対して、前記充填開口部毎に前記走査設定範囲を当てはめ、前記充填開口部毎に、前記走査設定範囲を当てはめた検査範囲における重心位置の数を求める工程と、
    前記検査範囲に含まれる前記重心位置の数と、前記走査設定範囲の重心位置の設定数との差分を求める工程と、
    前記差分に基づいて、前記欠陥開口部の数を求める工程とを有し、
    前記欠陥開口部の数を求める工程は、
    前記検査範囲のうち前記差分が0以上である検査範囲に対して、各検査範囲の差分の総和を求め、重複分を前記差分の総和から減算することで前記欠陥開口部の数を求める工程である検査方法。
  2. 前記充填開口部は、電子線、レーザーまたはX線を用いて特定される請求項または2に記載の検査方法。
  3. 前記基材の厚さは500μm以下である請求項1または2に記載の検査方法。
  4. 前記開口部は円形状であり、かつ前記開口部の配置が六方配列を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の検査方法。
  5. 前記走査設定範囲に含まれる前記重心位置の前記設定数は、7である請求項1〜のいずれか1項に記載の検査方法。
  6. 前記基材は異方導電材料である請求項1〜のいずれか1項に記載の検査方法。
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