まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の回路構成例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。尚、本実施例では、「左」の演出図柄表示エリア5L、「右」の演出図柄表示エリア5R、「中」の演出図柄表示エリア5Cの順に演出図柄が停止するが、本発明はこれに限定されるものではなく、各演出図柄表示エリアにおける演出図柄は、「左」の演出図柄表示エリア5L、「右」の演出図柄表示エリア5R、「中」の演出図柄表示エリア5C以外の順番で演出図柄が停止しても良いし、各演出図柄表示エリアの演出図画が同時に停止しても良い。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部箇所には、保留記憶表示エリア5Dが設定されている。保留記憶表示エリア5Dでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。また、演出表示装置5の表示領域における保留記憶表示エリア5Dの左方には、実行中の変動表示に対応する保留表示をアクティブ表示(変動表示対応表示)として表示するアクティブ表示エリア5Uが設けられている。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、保留記憶表示エリア5Dを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
保留記憶表示エリア5Dにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリア5Dとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄及び普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、前述の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが設けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニット35Aは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの配置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、保留記憶表示エリア5Dにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、保留記憶表示エリア5Dにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、スーパーリーチγ…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβ、スーパーリーチγに加えてスーパーリーチδ…といった4以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチγのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンが最も特図変動時間が長く設定されており、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンが最も特図変動時間が短く設定されている。尚、スーパーリーチγのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンは、該リーチ演出が実行されるよりも前に演出図柄が所定回数仮停止と再変動を行う擬似連演出を実行する変動パターンでもある。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチγ、スーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図7(A)示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、前述したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)、スーパーリーチγ大当りの変動パターン(PB1−4)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)、スーパーリーチγはずれの変動パターン(PA2−4)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)、スーパーリーチγはずれの変動パターン(PA2−4)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)、スーパーリーチγはずれの変動パターン(PA2−4)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)、スーパーリーチγはずれの変動パターン(PA2−4)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図5に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、更に、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
特図保留記憶部は、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データ、始動入賞した始動入賞口を示す始動口バッファ値などを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「8」)に達するまで記憶する。こうして特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲーム及び第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、異なる保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1保留情報にもとづく変動表示と第2保留情報にもとづく変動表示のいずれか一方を他方よりも優先して実行しても良い。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図8(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図8(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、演出制御バッファ設定部194には、図8(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶及び第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。また、図8(C)に示すように、演出制御バッファ設定部194には、アクティブ表示に対応する1個の格納領域が設けられ、実行中の変動表示の入賞時の状況と特定可能なアクティブ表示バッファ194Bを構成するデータが記憶されている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194A及びアクティブ表示バッファ194Bにおける特図保留記憶に格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていく。
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、後述する先読み予告演出決定処理(図16)において先読み予告演出の実行の有無の決定に伴う表示パターンの決定が未決定であるか否か、つまり、新たな始動入賞の発生によって、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドが新たに格納されたことにより表示パターンの決定が未決定である旨を示す表示未決定フラグと、先読み予告演出決定処理において先読み予告演出の実行が決定された場合の保留記憶表示の最終表示パターン(最終態様)に応じた値がセットされる最終態様フラグと、先読み予告演出決定処理において先読み予告演出の実行が決定された場合の保留記憶表示の経由表示パターン(経由態様)に応じた値がセットされる経由態様フラグと、保留記憶表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる保留表示フラグと、を第1特図保留記憶及び第2特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて格納できるように記憶領域が、各格納領域(エントリ)毎に確保されている。
尚、最終態様フラグ、経由態様フラグ及び保留表示フラグには、後述する先読み予告演出決定処理において、先読み予告演出の実行が決定されなかった場合には、通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、白抜き○)の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示され、先読み予告演出の実行が決定された場合には、通常の表示態様とは異なる特別態様(例えば、三角形(△)や四角形(◇)、星(☆))の保留記憶表示の表示パターンに対応する「1」(三角形(△))や「2」(四角形(◇))、「3」(星(☆))がセットされることで、通常の表示態様とは異なる特別態様の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示されて、該保留記憶表示に対応する変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性が高いことが予告されるようになっている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。従って、コマンド受信が行われれば、特図保留記憶に対応するバッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。本実施例では、演出図柄の変動表示が開始される際に、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」のエントリの内容がアクティブ表示バッファ194Bのエントリにコピーされるとともに、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」のエントリの記憶内容が削除される。そして、バッファ番号「2」以降のエントリの記憶内容が1つ上位のエントリにシフトされるようになっている。本実施例では、後述する保留表示更新処理を実行することで、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示とアクティブ表示エリア5Uにおけるアクティブ表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194A及びアクティブ表示バッファ194Bの各エントリに記憶されている保留表示フラグにもとづく表示態様にて表示可能となっている。尚、アクティブ表示バッファ194Bに格納されているデータは、演出図柄の変動表示が終了する毎に削除される。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とする一方、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。即ち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図5に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチγが出現した場合は変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が最も高く、スーパーリーチαが出現した場合は変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が最も低い(大当り期待度:スーパーリーチγ>スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチγ>スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図5参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、前述した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図9のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図9に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に配置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図10は、特別図柄プロセス処理として、図9に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞処理を実行する(S21)。該始動入賞処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、図11に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、始動口バッファ値とともに保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、更には変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図9に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図9に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図12(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図11のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図10のS22、図13)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図10のS23)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、先読み予告演出が実行されるようになる。
図12(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図11のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、変動表示結果が「はずれ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S124)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S125)。時短フラグがセットされていない場合は(S125;N)、はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし、時短フラグがセットされている場合は(S125;Y)、はずれ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S127)。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。
尚、本実施例では、これらのはずれ用変動パターン判定テーブルAやはずれ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、これらはずれ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、はずれ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aまでの値が割り当てられており、はずれ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aを超える値が割り当てられている。一方、はずれ用変動パターン判定テーブルA〜Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうちB〜997までの値が割り当てられている。
このため、S126においてはずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、はずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
図12(A)に示すように、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S130)。
S126,S127,S130の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127,S130の処理にて設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(S131)。本実施例では、図12(B)に示すように、少なくとも変動表示結果が「はずれ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
その後、S131の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図15は、特別図柄通常処理として、図10のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
また保留番号「1」に対応して記憶されている保留記憶が第1始動入賞口への入賞により生じた保留記憶であるか否かを判定する(S144)。具体的には、特図保留記憶部の保留番号「1」のエントリに対応して記憶されている始動口バッファ値が「1」と「2」のいずれであるかを判定すれば良い。保留番号「1」に対応して記憶されている保留記憶が第1始動入賞口への入賞により生じた保留記憶でない場合は(S144;N)、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新し(S145)、保留番号「1」に対応して記憶されている保留記憶が第1始動入賞口への入賞により生じた保留記憶である場合は(S144;Y)、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(S146)。
そして、合計特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、合計特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
S147の実行後、S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と決定し、該当しなければ「はずれ」と決定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と決定し、該当しなければ「はずれ」と決定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図7(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S141にて合計保留記憶数が「0」である場合には(S141;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図14は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図15は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、先読み予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する先読み予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示を始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理(S72a)と、アクティブ表示エリア5Uにおけるアクティブ表示をアクティブ表示バッファ194Bの記憶内容に応じた表示に更新するアクティブ表示更新処理(S72b)とを実行する。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図16は、先読み予告演出決定処理として、図15のS71にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし(S241)、保留表示フラグがセットされていないエントリが有るか否かを判定する(S242)。
保留表示フラグがセットされていないエントリが無い場合は(S242;N)、先読み予告演出決定処理を終了し、保留表示フラグがセットされていないエントリが有る場合は(S242;Y)、最終態様フラグに「0」以外の値がセットされているエントリが有るか否か、つまり、既に先読み予告演出の対象となっている保留記憶が有るか否かを判定する(S242a)。最終態様フラグに「0」以外の値がセットされているエントリが有る場合は(S242a;Y)、S255に進み、最終態様フラグに「0」以外の値がセットされているエントリが無い場合は(S242a;N)、S242bに進む。
S242bにおいて、演出制御用CPU120は、保留表示フラグがセットされていないエントリよりも前に大当りを示す図柄指定コマンドを格納しているエントリが有るか否かを判定する(S242b)。保留表示フラグがセットされていないエントリよりも前に大当りを示す図柄指定コマンドを格納しているエントリが有る場合は(S242b;Y)、S255に進み、保留表示フラグがセットされていないエントリよりも前に大当りを示す図柄指定コマンドを格納しているエントリが無い場合は(S242b;N)、S243に進む。そして、演出制御用CPU120は、S243において、該エントリに格納されている図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドと、図示しない先読み予告演出実行決定テーブルにもとづいて、先読み予告演出の実行・非実行を決定する。
尚、S243においては、図17(A)に示すように、該エントリに格納されている図柄指定コマンドと変動カテゴリが非リーチはずれを示す場合は、0%の割合で先読み予告演出の実行を決定し、100%の割合で先読み予告演出の非実行を決定する。また、該エントリに格納されている図柄指定コマンドと変動カテゴリがスーパーリーチはずれを示す場合は、70%の割合で先読み予告演出の実行を決定し、30%の割合で先読み予告演出の非実行を決定する。また、該エントリに格納されている図柄指定コマンドと変動カテゴリがその他はずれ(ノーマルリーチはずれ)を示す場合は、20%の割合で先読み予告演出の実行を決定し、80%の割合で先読み予告演出の非実行を決定する。また、該エントリに格納されている図柄指定コマンドと変動カテゴリが大当りを示す場合は、90%の割合で先読み予告演出の実行を決定し、10%の割合で先読み予告演出の非実行を決定する。つまり、本実施例では、図柄指定コマンドと変動カテゴリが大当りを示す場合が最も先読み演出の実行割合が高く、次いで、図柄指定コマンドと変動カテゴリがスーパーリーチはずれを示す場合、図柄指定コマンドと変動カテゴリがその他はずれ(ノーマルリーチはずれ)を示す場合、図柄指定コマンドと変動カテゴリが非リーチはずれを示す場合の順に先読み予告演出の実行割合が高くなっている。
本実施例では、図柄指定コマンドと変動カテゴリが大当りを示す場合は90%の割合で先読み予告演出を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図柄指定コマンドと変動カテゴリが大当りを示す場合は、必ず(100%の割合)で先読み予告演出を実行してもよい。
また、本実施例では、図柄指定コマンドと変動カテゴリが非リーチはずれを示す場合は先読み予告演出を実行しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図柄指定コマンドと変動カテゴリが非リーチはずれを示す場合は、図柄指定コマンドと変動カテゴリがその他はずれやスーパーリーチはずれの場合よりも低い割合で先読み予告演出を実行しても良い。
S243の実行後、演出制御用CPU120は、S243において先読み予告演出の実行を決定したか否かを判定する(S244)。S243において先読み予告演出の実行を決定した場合はS245に進み、S243において先読み予告演出の非実行を決定した場合はS255に進む。
S245において演出制御用CPU120は、該エントリに格納されている図柄指定コマンドと変動カテゴリ及び図示しない最終態様決定テーブルにもとづいて、該エントリに対応する保留記憶表示の最終態様を決定するとともに、該エントリの最終態様フラグに決定した最終態様に応じた値をセットする。尚、S245においては、図17(B)に示すように、図柄指定コマンドと変動カテゴリがスーパーリーチはずれを示す場合は、保留記憶表示の表示態様を60%の割合で表示パターンα(三角形(△))に決定し、30%の割合で表示パターンβ(四角形(◇))に決定し、10%の割合で表示パターンγ(星(☆))に決定する。図柄指定コマンドと変動カテゴリがその他はずれ(ノーマルリーチはずれ)を示す場合は、保留記憶表示の表示態様を80%の割合で表示パターンα(三角形(△))に決定し、20%の割合で表示パターンβ(四角形(◇))に決定し、0%の割合で表示パターンγ(星(☆))に決定する。そして、図柄指定コマンドと変動カテゴリが大当りを示す場合は、保留記憶表示の表示態様を10%の割合で表示パターンα(三角形(△))に決定し、30%の割合で表示パターンβ(四角形(◇))に決定し、60%の割合で表示パターンγ(星(☆))に決定する。
このような設定により、本実施例では、保留記憶表示が星型である表示パターンγにて表示された場合は、保留記憶表示が三角である表示パターンαや四角である表示パターンβにて表示された場合よりも対応する変動表示の変動表示結果が大当りとなる割合が高くなっている。また、保留記憶表示が三角である表示パターンαにて表示された場合は、保留記憶表示が四角である表示パターンβや星型である表示パターンγにて表示された場合よりも対応する変動表示の変動表示結果が大当りとなる割合が低くなっている。つまり、先読み予告演出が実行される場合は、保留記憶表示が表示パターンγで表示される場合が最も大当り期待度が高く、表示記憶表示が表示パターンαで表示される場合が最も大当り期待度が低く設定されている(先読み予告演出における大当り期待度:表示パターンγ>表示パターンβ>表示パターンα)。尚、先読み予告演出が実行されない場合を含めると、先読み予告演出が実行される場合は、先読み予告演出が実行されない場合、つまり、保留記憶表示が通常態様である「○」で表示される場合よりも大当り期待度が高く設定されている。
尚、S245では、保留記憶表示の最終態様として表示パターンαを決定した場合は、該エントリの最終態様フラグに「1」をセットし、保留記憶表示の最終態様として表示パターンβを決定した場合は、該エントリの最終態様フラグに「2」をセットし、保留記憶表示の最終態様として表示パターンγを決定した場合は、該エントリの最終態様フラグに「3」をセットする。
S245の実行後、演出制御用CPU120は、合計保留記憶数とS245にて決定した保留記憶表示の最終態様及び図示しない態様変化回数決定テーブルにもとづいて、保留記憶表示の態様変化回数を決定する(S246)。具体的には、図17(C)に示すように、合計保留記憶数が1である場合は、保留記憶表示の最終態様がいずれの表示パターンであっても態様変化回数を100%の割合で0回に決定する。図17(D)に示すように、合計保留記憶数が2である場合は、保留記憶表示の最終態様が表示パターンαであれば、50%の割合で態様変化回数を0回に決定し、50%の割合で態様変化回数を1回に決定し、0%の割合で態様変化回数を2回に決定する。また、保留記憶表示の最終態様が表示パターンβであれば、25%の割合で態様変化回数を0回に決定し、75%の割合で態様変化回数を1回に決定し、0%の割合で態様変化回数を2回に決定する。また、保留記憶表示の最終態様が表示パターンγであれば、10%の割合で態様変化回数を0回に決定し、90%の割合で態様変化回数を1回に決定し、0%の割合で態様変化回数を2回に決定する。つまり、本実施例では、合計保留記憶数が2の場合は、保留記憶表示の最終態様が表示パターンγである場合が最も高い割合で態様変化回数が1回に決定されるようになっており、保留記憶表示の最終態様が表示パターンαである場合が最も低い割合で態様変化回数が1回に決定されるようになっている。
そして、図17(E)に示すように、合計保留記憶数が3以上である場合は、保留記憶表示の最終態様が表示パターンαであれば、5%の割合で態様変化回数を0回に決定し、95%の割合で態様変化回数を1回に決定し、0%の割合で態様変化回数を2回に決定する。また、保留記憶表示の最終態様が表示パターンβであれば、3%の割合で態様変化回数を0回に決定し、47%の割合で態様変化回数を1回に決定し、50%の割合で態様変化回数を2回に決定する。また、保留記憶表示の最終態様が表示パターンγであれば、1%の割合で態様変化回数を0回に決定し、29%の割合で態様変化回数を1回に決定し、70%の割合で態様変化回数を2回に決定する。つまり、本実施例では、合計保留記憶数が3以上の場合は、保留記憶表示の最終態様が表示パターンγである場合が最も高い割合(70%)で態様変化回数が2回に決定されるようになっており、保留記憶表示の最終態様が表示パターンαである場合が最も低い割合(0%)で態様変化回数が2回に決定されるようになっている。
そして、演出制御用CPU120は、S246において保留記憶表示の態様変化回数が0回に決定されたか否かを判定する(S247)。S246において保留記憶表示の態様変化回数が0回に決定されている場合は(S247;Y)、該エントリの保留表示フラグにS245において決定した最終態様に応じた値、つまり、該エントリの最終態様フラグにセットされている値と同値をセットして先読み予告演出決定処理を終了する(S248)。また、S246において保留記憶表示の態様変化回数が1回または2回に決定されている場合は(S247;N)、S250に進む。
S250において演出制御用CPU120は、S246において保留記憶表示の態様変化回数が1回に決定されたか否かを判定する。S246において保留記憶表示の態様変化回数が1回に決定されている場合は(S250;Y)、S252に進み、S246において保留記憶表示の態様変化回数が2回に決定されている場合は(S250;N)、S245において決定した保留記憶表示の最終態様及び図示しない経由態様決定テーブルにもとづいて、保留記憶表示の経由態様を決定し、該エントリの経由態様フラグに決定した経由態様に応じた値をセットする(S251)。
S251においては、図17(F)に示すように、S245において決定した保留記憶表示の最終態様が表示パターンβである場合は、保留記憶表示の経由態様を100%の割合で表示パターンαに決定し、0%の割合で表示パターンβに決定する。つまり、S245において決定した保留記憶表示の最終態様が表示パターンβである場合は、保留記憶表示の経由態様を一義的に表示パターンαに決定する。また、S245において決定した保留記憶表示の最終態様が表示パターンγである場合は、保留記憶表示の経由態様を40%の割合で表示パターンαに決定し、60%の割合で表示パターンβに決定する。このように保留記憶表示の経由態様を決定することで、保留記憶表示が表示パターンβにて表示された場合は、保留記憶表示が表示パターンαにて表示された場合よりも高い割合で表示パターンγに変化するようになっている(保留記憶表示の表示パターンγへの変化割合:表示パターンβ>表示パターンα)。
また、S245では、保留記憶表示の経由態様として表示パターンαを決定した場合は、該エントリの経由態様フラグに「1」をセットし、保留記憶表示の経由態様として表示パターンβを決定した場合は、該エントリの経由態様フラグに「2」をセットする。
次いで、S252において演出制御用CPU120は、合計保留記憶数と保留記憶表示の態様変化回数、図柄指定コマンド及び図示しない変化タイミング決定テーブルにもとづいて、保留記憶表示の最終態様への変化タイミング(本実施例では保留記憶表示のシフト回数)を決定する。
保留記憶表示の態様変化回数が1回であり、且つ図柄指定コマンドが大当りを示す場合は、図18(A)に示すように、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミング(シフト回数)を1〜7のいずれかに決定する。具体的には、合計保留記憶数が2であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを100%の割合で1に決定する。また、合計保留記憶数が3であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを30%の割合で1に決定し、70%の割合で2に決定する。また、合計保留記憶数が4であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを25%の割合で1に決定し、30%の割合で2に決定し、45%の割合で3に決定する。また、合計保留記憶数が5であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを20%の割合で1に決定し、23%の割合で2に決定し、27%の割合で3に決定し、30%の割合で4に決定する。また、合計保留記憶数が6であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを10%の割合で1に決定し、15%の割合で2に決定し、20%の割合で3に決定し、25%の割合で4に決定し、30%の割合で5に決定する。また、合計保留記憶数が7であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを5%の割合で1に決定し、10%の割合で2に決定し、15%の割合で3に決定し、20%の割合で4に決定し、23%の割合で5に決定し、27%の割合で6に決定する。また、合計保留記憶数が8であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを3%の割合で1に決定し、5%の割合で2に決定し、7%の割合で3に決定し、10%の割合で4に決定し、20%の割合で5に決定し、25%の割合で6に決定し、30%の割合で7に決定する。
保留記憶表示の態様変化回数が1回であり、且つ図柄指定コマンドがはずれを示す場合は、図18(B)に示すように、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミング(シフト回数)を1〜7のいずれかに決定する。具体的には、合計保留記憶数が2であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを100%の割合で1に決定する。また、合計保留記憶数が3であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを70%の割合で1に決定し、30%の割合で2に決定する。また、合計保留記憶数が4であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを45%の割合で1に決定し、30%の割合で2に決定し、25%の割合で3に決定する。また、合計保留記憶数が5であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを30%の割合で1に決定し、27%の割合で2に決定し、23%の割合で3に決定し、20%の割合で4に決定する。また、合計保留記憶数が6であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを30%の割合で1に決定し、25%の割合で2に決定し、20%の割合で3に決定し、15%の割合で4に決定し、10%の割合で5に決定する。また、合計保留記憶数が7であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを27%の割合で1に決定し、23%の割合で2に決定し、20%の割合で3に決定し、15%の割合で4に決定し、20%の割合で5に決定し、5%の割合で6に決定する。また、合計保留記憶数が8であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを30%の割合で1に決定し、25%の割合で2に決定し、20%の割合で3に決定し、10%の割合で4に決定し、7%の割合で5に決定し、5%の割合で6に決定し、3%の割合で7に決定する。
保留記憶表示の態様変化回数が2回であり、且つ図柄指定コマンドが大当りを示す場合は、図18(C)に示すように、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミング(シフト回数)を2〜7のいずれかに決定する。具体的には、合計保留記憶数が23であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを100%の割合で1に決定する。また、合計保留記憶数が4であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを30%の割合で1に決定し、70%の割合で2に決定する。また、合計保留記憶数が5であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを25%の割合で1に決定し、30%の割合で2に決定し、45%の割合で3に決定する。また、合計保留記憶数が6であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを20%の割合で1に決定し、23%の割合で2に決定し、27%の割合で3に決定し、30%の割合で4に決定する。また、合計保留記憶数が7であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを10%の割合で1に決定し、15%の割合で2に決定し、20%の割合で3に決定し、25%の割合で4に決定し、30%の割合で5に決定する。また、合計保留記憶数が8であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを5%の割合で1に決定し、10%の割合で2に決定し、15%の割合で3に決定し、20%の割合で4に決定し、23%の割合で5に決定し、27%の割合で6に決定する。
保留記憶表示の態様変化回数が2回であり、且つ図柄指定コマンドがはずれを示す場合は、図18(D)に示すように、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミング(シフト回数)を2〜7のいずれかに決定する。具体的には、合計保留記憶数が3であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを100%の割合で1に決定する。また、合計保留記憶数が4であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを70%の割合で1に決定し、30%の割合で2に決定する。また、合計保留記憶数が5であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを45%の割合で1に決定し、30%の割合で2に決定し、25%の割合で3に決定する。また、合計保留記憶数が6であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを30%の割合で1に決定し、27%の割合で2に決定し、23%の割合で3に決定し、20%の割合で4に決定する。また、合計保留記憶数が7であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを30%の割合で1に決定し、25%の割合で2に決定し、20%の割合で3に決定し、15%の割合で4に決定し、10%の割合で5に決定する。また、合計保留記憶数が8であれば、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示の変化タイミングを27%の割合で1に決定し、23%の割合で2に決定し、20%の割合で3に決定し、15%の割合で4に決定し、20%の割合で5に決定し、5%の割合で6に決定する。
つまり、本実施例では、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示に応じた変動表示結果が大当りとなる場合は、先読み予告演出の演出対象である保留記憶表示に応じた変動表示結果がはずれとなる場合よりもシフト回数が多い変化タイミングに決定され易くなっている。このような特徴を備えていることによって、保留記憶表示がシフトされていく際に、該保留記憶表示が最終態様に変化することに対する遊技者の期待感を継続して維持することが出来るようになっている。
そして、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタに変化タイミングに応じた値をセットするとともに(S253)、当該エントリの保留表示フラグに、白色の「○」を示す「0」をセットして先読み予告演出決定処理を終了する(S254)。
また、S255において演出制御用CPU120は、当該エントリの保留表示フラグに、先読み予告演出無し(先読み予告演出非実行)に対応する値として、白色の「○」を示す「0」をセットして先読み予告演出決定処理を終了する(S255)。
図15に示す保留表示更新処理(72a)では、演出制御用CPU120は、図8(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている保留記憶数(合計保留記憶数)及び各保留表示フラグの値にもとづいて、保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留記憶表示を更新すれば良い。このようにすることで、保留表示フラグの値が経由態様フラグや最終態様フラグに更新された場合や、新たに保留記憶が発生した場合、変動表示の実行により保留記憶が消費された場合等に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの内容にもとづいて保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留記憶表示を更新することが出来る。また、アクティブ表示更新処理(72b)では、演出制御用CPU120は、図8(C)に示すアクティブ表示バッファ194Bに記憶されている保留表示フラグの値にもとづいて、アクティブ表示エリア5Uに表示されるアクティブ表示を更新すれば良い。
図19は、図15に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271a)。変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合はS271bに進み、変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は演出図柄変動開始処理を終了する。S271bでは、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号「2」〜「8」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする。尚、バッファ番号「1」のについては、アクティブ表示バッファ194Bにバッファ番号「1」の内容がコピーされた後に削除される。
S271bの実行後、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(S272)。シフト回数カウンタの値が0でない場合は(S272;N)S273に進み、シフト回数カウンタの値が0である場合は(S272;Y)S275に進む。S273において演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値を−1し、該−1した後のシフト回数カウンタの値が0または1となったか否かを判定する(S274)。−1した後のシフト回数カウンタの値が0または1となっていない場合は(S274;N)S275に進み、−1した後のシフト回数カウンタの値が0または1となった場合は(S274;Y)S278に進む。
S275において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す。そして、演出制御用CPU120は、図示しない態様非変化用の変化示唆演出実行決定テーブルにもとづいて保留記憶表示の態様非変化用の変化示唆演出の実行・非実行及び保留記憶表示の態様非変化用の変化示唆演出の演出パターンを決定する(S276)。尚、本実施例における変化示唆演出とは、図23〜図25に示すように、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに演出図柄が停止するときにこれら演出図柄が発光するとともに、先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する演出である。該変化示唆演出には、全ての演出図柄(「左」演出図柄表示エリア5Lに停止する左図柄、「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止する中図柄、「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止する右図柄)が停止時に発光して先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用することで、該保留記憶表示の表示態様が経由態様や最終態様に変化する態様変化用の変化示唆演出と、一部の演出図柄(「左」演出図柄表示エリア5Lに停止する左図柄と「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止する右図柄、または「左」演出図柄表示エリア5Lに停止する左図柄のみ)が停止時に発光して先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する一方で、残りの演出図柄が停止時に発光せず先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用しないことで該保留記憶表示の表示態様が変化しない態様非変化用の変化示唆演出と、が設けられている。
S276では、図20(A)に示すように変化示唆演出の非実行を60%の割合で決定するとともに、変化示唆演出(態様非変化用の変化示唆演出)を実行する演出パターンとして、パターンAの実行を30%の割合で決定し、パターンBの実行を10%の割合で決定する。尚、図20(C)に示すように、態様非変化用の変化示唆演出の演出パターンであるパターンAは、左図柄の停止タイミングにて左図柄が発光して先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する一方で、右図柄の停止タイミングと中図柄の停止タイミングでは右図柄と中図柄は発光せずに先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用しないパターンである。また、態様非変化用の変化示唆演出の演出パターンであるパターンBは、左図柄の停止タイミングにて左図柄が発光して先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用し、右図柄の停止タイミングにて右図柄が発光して先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する一方で、中図柄の停止タイミングでは中図柄は発光せずに先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用しないパターンである。
S276の実行後、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定してS281に進む(S277)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、本実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
また、S278において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す。そして、演出制御用CPU120は、図示しない態様変化用の変化示唆演出実行決定テーブルにもとづいて保留記憶表示の態様変化用の変化示唆演出の演出パターンを決定する(S279)。S279では、図20(B)に示すように、態様変化用の変化示唆演出の演出パターンとして、パターンCの実行が100%の割合で決定する。尚、図20(C)に示すように、態様変化用の変化示唆演出の演出パターンであるパターンCは、左図柄の停止タイミングにて左図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用し、右図柄の停止タイミングにて右図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用し、中図柄の停止タイミングにて中図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用するパターンである。
S279の実行後、演出制御用CPU120は、保留記憶表示の表示態様が経由態様または最終態様に変化する変動表示として、保留記憶表示の変化段階数と表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータに応じて演出図柄の停止図柄(はずれを示す組合せ)を決定してS281に進む(S280)。具体的には、図21に示すように、保留記憶表示の変化段階数が通常態様(通常パターン)である「○」から表示パターンαである「△」や表示パターンβである「◇」から表示パターンγである「☆」に変化する場合等の1段階である場合は、はずれを示す組合せとして、演出図柄を40%の割合で奇数組合せから決定し、60%の割合で偶数組合せから決定する。また、保留記憶表示の変化段階数が「○」から表示パターンβである「◇」や表示パターンαである「△」から表示パターンγである「☆」、「○」から表示パターンγである「☆」に変化する場合等の2段階以上である場合は、はずれを示す組合せとして、演出図柄を100%の割合で奇数組合せから決定する。
尚、本実施例におけるはずれを示す組合せとしての演出図柄の奇数組合せは、「135」や「357」等の全ての図柄の数字が異なる奇数組合せや、「133」や「355」等の2つの図柄の数字が同一である奇数組合せ(リーチを示す組合せを除く)から決定すれば良い。また、本実施例におけるはずれを示す組合せとしての演出図柄の偶数組合せは、「246」や「468」等の全ての図柄の数字が異なる偶数組合せや、「244」や「466」等の2つの図柄の数字が同一である偶数組合せ(リーチを示す組合せを除く)から決定すれば良い。
つまり、本実施例では、保留記憶表示の表示態様が経由態様や最終態様に変化する変動表示においては、はずれを示す組合せとして演出図柄が奇数組合せで導出表示される場合は、はずれを示す組合せとして演出図柄が偶数組合せで導出表示される場合よりも高い割合で先読み予告演出の対象である保留記憶表示の表示態様が2段階以上変化するようになっているため、導出表示される演出図柄の組合せに対して遊技者を注目させることが出来るようになっている。
尚、本実施例では、はずれを示す組合せとして演出図柄が奇数組合せで導出表示される場合は、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の表示態様が1段階変化する場合と2段階変化する場合がある形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、はずれを示す組合せとして演出図柄が奇数組合せで導出表示される場合は必ず先読み予告演出の対象である保留記憶表示の表示態様が2段階以上変化するようにしても良い。
S281において演出制御用CPU120は、変化示唆演出パターンと変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図22は、演出図柄変動停止処理として図15のS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、先ず、確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S851)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合は(S851;Y)、S852に進み、確定コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S851;N)、演出図柄変動停止処理を終了する。
S852において演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをクリアするとともに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに停止図柄を導出表示する(S853)。そして、変動表示結果指定コマンドを参照して変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S854)。変動表示結果が大当りである場合は(S854;Y)S862に進み、変動表示結果がはずれである場合は(S854;N)S855に進む。
S855において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに最終態様フラグの値として「1」〜「3」のいずれかがセットされているエントリが有るか否か、つまり、先読み予告演出の対象である保留記憶表示が有るか否かを判定する。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに最終態様フラグの値として「1」〜「3」のいずれかがセットされているエントリが有る場合は(S855;Y)S856に進み、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに最終態様フラグの値として「1」〜「3」のいずれかがセットされているエントリが無い場合(S855;N)はS861に進む。
S856において演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が1であるか否かを判定する。シフト回数カウンタの値が1である場合はS857に進み、シフト回数カウンタの値が1でない場合はS859に進む。
S857において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて最終態様フラグの値として「1」〜「3」のいずれかがセットされているエントリの経由態様フラグの値として「1」または「2」がセットされているか否かを判定する。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて最終態様フラグの値として「1」〜「3」のいずれかがセットされているエントリの経由態様フラグの値として「1」または「2」がセットされている場合は(S857;Y)S858に進み、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて最終態様フラグの値として「1」〜「3」のいずれかがセットされているエントリの経由態様フラグの値として「1」または「2」がセットされていない場合は(S857;N)S861に進む。
S858において演出制御用CPU120は、該エントリの保留表示フラグの値として、経由態様フラグの値をセットしてS861に進む。このように経由態様フラグの値を保留表示フラグの値としてセットすることで、先読み予告演出の対象である保留記憶表示は、次に保留表示更新処理が実行される際に経由態様フラグが示す態様に変化する。
また、S859において演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。シフト回数カウンタの値が0である場合は(S859;Y)S860に進み、シフト回数カウンタの値が0でない場合は(S859;N)S861に進む。
S860において演出制御用CPU120は、該エントリの保留表示フラグの値として、最終態様フラグの値をセットしてS861に進む。このように最終態様フラグの値を保留表示フラグの値としてセットすることで、先読み予告演出の対象である保留記憶表示は、次に保留表示更新処理が実行される際に最終態様フラグが示す態様に変化する。
S861において演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値にセットしてS863に進む。また、S862において演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に応じた値にセットしてS863に進む。そして、S863において演出制御用CPU120は、アクティブ表示バッファの内容を削除して演出図柄変動停止処理を終了する。
次に、本実施例における変化示唆演出の演出態様について図23及び図24にもとづいて説明する。先ず、図23(A)及び図23(B)に示すように、演出図柄の変動表示中且つ保留記憶表示エリア5Dに保留記憶表示が3個表示されているときに新たな始動入賞が発生する。このとき、該始動入賞にもとづいて先読み予告演出の実行が決定されるとともに、新たに表示される保留記憶表示の態様変化回数が2回、先読み予告演出の対象となる保留記憶表示の最終態様が表示パターンγ、先読み予告演出の対象となる保留記憶表示の経由態様が表示パターンα、先読み予告演出の対象となる保留記憶表示の表示態様が最終態様となるシフト回数が3回に決定されたとする。先読み予告演出の実行が決定されると、保留記憶表示エリア5Dにおいて先読み予告演出の対象となる保留記憶表示が新たに表示される。
図23(B)及び図23(C)に示すように、演出図柄がはずれを示す組合せで導出表示され、新たな変動表示が開始される。このとき、保留記憶表示エリア5Dの最も左に表示されている保留記憶表示がアクティブ表示エリア5Uにシフトされ、保留記憶表示エリア5Dに表示されているその他の保留記憶表示は左方向にシフトされる。
そして、図23(D)に示すように、演出図柄の変動表示が進行することで左図柄が停止表示され、該停止表示された左図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する。更に、図23(E)に示すように、演出図柄の変動表示が進行することで右図柄が停止表示され、該停止表示された右図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する。しかしながら、本変動表示中は、シフト回数カウンタの値が2にセットされているため(図19のS274でN)、図23(F)に示すように、演出図柄の変動表示が進行することで中図柄が停止表示されても該停止表示された中図柄が発光せず先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用しないため、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の表示態様が変化することなく変動表示が終了する。
次いで、図24(G)に示すように、新たな変動表示が開始されること、再び保留記憶表示エリア5Dの最も左に表示されている保留記憶表示がアクティブ表示エリア5Uにシフトされ、保留記憶表示エリア5Dに表示されているその他の保留記憶表示は左方向にシフトされる。図24(H)及び図24(I)に示すように、図23(D)及び図23(E)と同様に、演出図柄の変動表示が進行することで左図柄が停止表示され、該停止表示された左図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する。また、演出図柄の変動表示が進行することで右図柄が停止表示され、該停止表示された右図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する。次いで、本変動表示中は、シフト回数カウンタの値が1にセットされているため(図19のS274でY)、図24(J)に示すように、演出図柄の変動表示が進行することで中図柄が停止表示され、該停止表示された中図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する。そして、先読み予告演出の対象である保留記憶表示が「○」から経由態様である表示パターンαに変化する。ここで、本変動表示では、先読み予告演出の対象である保留記憶表示は、演出図柄が偶数組合せで導出表示されたことに対応して、「○」から表示パターンαへ1段階変化する。
更に、図24(K)に示すように、新たな変動表示が開始されること、再び保留記憶表示エリア5Dの最も左に表示されている保留記憶表示がアクティブ表示エリア5Uにシフトされ、保留記憶表示エリア5Dに表示されているその他の保留記憶表示(図24(K)では先読み予告演出の対象の保留記憶表示のみ)は左方向にシフトされる。そして、図24(L)及び図24(M)に示すように、演出図柄の変動表示が進行することで左図柄が停止表示され、該停止表示された左図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する。更に、演出図柄の変動表示が進行することで右図柄が停止表示され、該停止表示された右図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する。本変動表示中は、シフト回数カウンタの値が0にセットされているため(図19のS274でY)、図24(N)に示すように、演出図柄の変動表示が進行することで中図柄が停止表示され、該停止表示された中図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用する。そして、先読み予告演出の対象である保留記憶表示が経由態様である表示パターンαから最終態様である表示パターンγに変化する。ここで、本変動表示では、先読み予告演出の対象である保留記憶表示は、演出図柄が奇数組合せで導出表示されたことに対応して、表示パターンαから表示パターンγへ2段階変化する。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの各々で演出図図柄が停止する際に、これら演出図柄が発光し、その図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用して該保留記憶表示の態様が変化するので、演出図柄の変動表示と保留記憶表示とを関連させた演出についての興趣を向上できる。
また、演出図柄が偶数組合せで導出表示される場合と奇数組合せで導出表示される場合とで先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様の変化段階の選択割合が異なるので、導出表示される演出図柄の組合せに遊技者を注目させることができ、興趣を向上できる。
また、各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに演出図柄が停止表示されるタイミングが異なるとともに、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する場合は、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに演出図柄が停止表示される毎に演出図柄が発光し、その図柄から示唆画像が該保留記憶表示に作用する変化示唆演出が実行されるので、保留記憶表示の態様が変化するか否かについて遊技者をより注目させることができ、先読み予告演出の演出効果を高めることができる。
また、既に保留記憶表示の態様が変化している場合は、保留記憶表示の態様が変化していない場合よりも更に保留記憶表示の態様が変化する割合が高いので、保留記憶表示の態様が変化していても、保留記憶表示の態様が更に変化するか否かに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。
また、先読み予告演出として、2回の変動表示に亘って保留記憶表示の態様を変化させる割合が1回の変動表示のみで保留記憶表示の態様を変化させる割合よりも高いので、2回の変動表示に亘って保留記憶表示の態様が変化するか否かに遊技者を注目させることができ、興趣を向上できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、演出図柄が偶数や奇数組合せで導出表示された場合、必ず保留記憶表示の態様が変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄が偶数や奇数組合せで導出表示された場合であっても、保留記憶表示の態様が変化しない場合を設けても良い。具体的には、変形例1として図25(A)〜図25(D)に示すように、演出図柄が偶数組合せで導出表示される場合は、演出図柄の変動表示が進行することで各演出図柄が停止表示され、これら演出図柄が発光しても、示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用せずに該保留記憶表示の態様が変化しない場合がある一方で、図25(E)〜図25(H)に示すように、演出図柄が奇数組合せで導出表示される場合は、演出図柄の変動表示が進行することで各図柄が停止表示され、これら演出図柄が発光し、これら演出図柄から一斉に先読み予告演出の対象である保留記憶表示に示唆画像が作用して該保留記憶表示の態様が変化すれば良い。このようにすることで、演出図柄の組合せによる先読み演出に対応して保留記憶表示の態様を変化させることが可能となるため、演出図柄の変動表示と保留記憶表示とを関連させた演出についての興趣を向上できる。
尚、本変形例では、演出図柄が奇数組合せで導出表示された場合は、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が必ず変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄が奇数組合せで導出表示された場合は、演出図柄が偶数組合せで導出表示された場合よりも高い割合で先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化すれば、必ず先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化せずとも良い。
また、前記実施例では、演出図柄が偶数や奇数組合せで導出表示された場合に保留記憶表示の態様が変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄が通常の変動表示では導出表示されない特殊図柄の組合せで導出表示されることによって先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化しても良い。例えば、変形例2として図26に示すように、「左」の演出図柄表示エリア5Lに第1特殊図柄(図26(B)に示す「へ」)が停止した後、「右」の演出図柄表示エリア5Rに第2特殊図柄(図26(C)に示す「か」)が停止する。そして、当該変動表示が先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する変動表示である場合は、「中」の演出図柄表示エリア5Cに第3特殊図柄(図26(D)に示す「ん」)が停止することで、これら導出表示された演出図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に一斉に作用し、該保留記憶表示の態様が変化する。尚、当該変動表示が先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する変動表示でない場合は、「中」の演出図柄表示エリア5Cに特殊図柄とは異なる通常の数字を示す図柄(図26(E))が停止することで、示唆画像の作用演出が行われず、該保留記憶表示の態様は変化しない。このようにすることで、演出図柄の変動表示と保留記憶表示とを関連させた演出についての興趣を向上できる。
なお、この変形例2では、左列、中列及び右列の全ての演出図柄表示エリアで特殊図柄が停止表示されたことに応じて変化演出を実行さする例を示したが、この例に限るものではなく、左列、中列及び右列のうちの少なくとも2つの演出図柄表示エリアで特殊図柄が停止表示されたことに応じて変化演出を実行してもよい。
また、前記実施例では、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する場合は、演出図柄の停止表示の際に該保留記憶表示に対する作用演出を実行することで該保留記憶表示の態様が変化する形態を例示したが、キャラクタ画像等を表示し、該キャラクタ画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用することで該保留記憶表示の態様が変化する演出を実行しても良い。また、該キャラクタ画像が演出図柄と重複して表示される場合は、演出図柄が導出表示される際に該キャラクタ画像の動作を停止させても良い。
具体的に変形例3として図27及び図28にもとづいて説明する。図27は、演出表示装置5の画面上に各種画像を表示させる具体的な設定の一例を示している。図27(A)は、複数の表示レイヤにZ値を割り当てるZ値設定テーブルの構成例を示している。図27(B)は、Z値設定テーブルによるZ値の設定に基づく各表示レイヤの配置例を示している。本変形例3において、複数のレイヤには、小図柄表示レイヤと、変化演出表示レイヤと、演出図柄表示レイヤとが含まれている。小図柄表示レイヤには、小図柄表示エリア5Vにて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される。変化演出表示レイヤには、先読み予告演出で用いられるキャラクタ(キャラクタ画像)などを示す演出画像が描画される。演出図柄表示レイヤには、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される演出図柄を示す演出画像が描画される。各表示レイヤに描画される演出画像の画像データには、それぞれの演出画像を重畳して描画するときに用いる奥行き値となるZ値が設定されている。図27(A)に示すようなZ値設定テーブルによるZ値の設定により、小図柄表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、演出図柄表示レイヤのそれぞれに描画される演出画像のZ値は、その演出画像が描画される表示レイヤに応じて異なる値となっている。
例えば表示制御部123のVDPは、CGROMから読み出した画像データをVRAMのフレームバッファなどに書き込むときに、Z値の比較演算を行うことで、優先度の判定を行えばよい。そして、Z値が小さい値である演出画像の画像データは、Z値が大きい値である演出画像の画像データよりも優先してフレームバッファに書き込まれる。これにより、Z値として小さい値が割り当てられた表示レイヤに描画する演出画像は、Z値として大きい値が割り当てられた表示レイヤに描画する演出画像よりも優先度が高くなり、遊技者からみて前方側に配置することができる。
図27(B)に示すように、小図柄表示エリア5Vにて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される小図柄表示レイヤは、遊技者からみて最も前方側に配置されるように、Z値が設定される。したがって、演出表示装置5の画面上にて任意の演出画像を表示することによる表示演出が実行される場合でも、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄の表示は、常に遊技者が視認可能となる。また、変化演出表示レイヤは、先読み予告演出で用いられる演出画像が表示される演出領域を提供する表示レイヤであり、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、演出図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、先読み予告演出で用いられる演出画像は、演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。このように、先読み予告演出用のキャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。
このように表示レイヤの設定を行うことで、図28に示すように、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて表示される演出図柄のうち、「右」の演出図柄表示エリア5Rにて表示される演出図柄よりも前方側の重複する位置に、特定演出画像となるキャラクタCH1を示す演出画像が配置される。また、図28(B)に示すように、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5C、5Rにて表示される演出図柄よりも前方側の重複する位置に、特定演出画像となるキャラクタCH1を示す演出画像が配置される。これに対し、例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cにて表示される演出図柄よりも前方側の重複する位置には、特定演出画像となるキャラクタCH1を示す演出画像などが配置されないようにしてもよい。この場合には、演出図柄の変動表示において最終停止される「中」の演出図柄表示エリア5Cに対する遊技者の注目が特定演出画像の表示によって妨げられてしまうことを防止して、遊技の興趣を向上させることができる。
尚、図28(A)に示すように、演出図柄の変動表示中は、キャラクタCH1を示す演出画像は、例えば上下方向に揺動するように表示されている。その後、図28(B)に示すように、先読み予告演出の対象である保留記憶表示へ作用する作用演出の実行期間となることで、キャラクタCH1を示す演出画像が該保留記憶表示への作用する演出が実行される。そして当該変動表示が先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する変動表示である場合は、図28(C1)に示すように、該保留記憶表示の態様が変化するとともに、演出図柄が導出表示されることによってキャラクタCH1を示す演出画像が静止して表示(停止態様)される。一方、当該変動表示が先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する変動表示でない場合は、図28(C2)に示すように、該保留記憶表示の態様が変化せず、演出図柄が導出表示されることによってキャラクタCH1を示す演出画像が静止して表示(停止態様)される。尚、本変形例では、キャラクタCH1を示す演出画像を小図柄と演出図柄との間に配置する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクタCH1を示す演出画像は小図柄と演出図柄の前方に配置されていても良い。
また、前記実施例では、先読み予告演出として、保留記憶表示の態様を変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告演出としては、アクティブ表示の態様を変化させても良い。また、先読み予告演出として保留記憶表示の態様を変化させる場合は、先読み予告演出としてアクティブ表示の態様を変化させる場合には表示されない態様に保留記憶表示を変化させても良いし、先読み予告演出としてアクティブ表示の態様を変化させる場合は、先読み予告演出として保留記憶表示の態様を変化させる場合には表示されない態様にアクティブ表示を変化させても良い。また、先読み予告演出としてアクティブ表示の態様を変化させる場合は、擬似連演出が実行される毎にアクティブ表示の態様を変化させても良い。具体的には、変形例4として図29〜図32に示す。
図29は、1の保留記憶表示に対応して複数回の先読み予告演出が実行される演出実行例を示している。図30は、図29に示す各演出の実行タイミングを示している。図29に示す演出実行例では、図30に示すタイミングT01にて、図29(A)に示すような演出図柄や小図柄の変動表示が開始されるときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様がアクション態様(上下方向に揺動する態様)になる。
次いで、図30に示すタイミングT02からタイミングT03までの期間では、図30(B)に示すような保留記憶表示に作用して保留記憶表示の態様が変化する保留表示変化演出が実行される図29(B)に示す演出が実行された後には、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が図29(C)に示すような「秘」のメッセージを示す態様に変化する。図30に示すタイミングT04に達すると、図29(D)に示すように、演出図柄導出表示されるとともに、小図柄が導出表示されることで、変動表示が終了する。このときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が停止態様になる。
図29(D)に示すような変動表示の終了に続いて、図30に示すタイミングT05では、図29(E)に示すような演出図柄や小図柄の変動表示が開始される。この変動表示では先読み予告演出が実行されない。また、図29(E)に示すような演出図柄や小図柄の変動表示が開始されるときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様がアクション態様になる。
図29(E)に示すような変動表示が開始された後、図30に示すタイミングT06では、図29(F)に示すように、演出図柄が導出表示されるとともに、小図柄が導出表示されることで、変動表示が終了する。このときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が停止態様になる。続いて、図30に示すタイミングT07では、図29(G)に示すような演出図柄や小図柄の変動表示が開始される。このとき、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様はアクション態様になる。また、当該変動表示では演出図柄の変動表示中に先読み予告演出が実行される。
例えば図30に示すタイミングT08からタイミングT09までの期間では、保留表示変化演出の実行期間となり、図29(H)に示すような保留表示変化演出が実行される。こうした保留表示変化共通演出が実行された後には、図29(I)に示すように、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が表示パターンβの「◇」に変化する保留表示変化成功演出が実行される。図30に示すタイミングT10に達すると、演出図柄が導出表示されるとともに、小図柄が導出表示されることで、変動表示が終了する。このときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様が停止態様になる。
図31は、擬似連変動3回の場合における先読み予告演出の実行例を示している。図32は、図31に示す各演出の実行タイミングを示している。図32に示すタイミングT11にて、図31(A)に示すような演出図柄や小図柄の変動表示が開始されるときには、アクティブ表示エリア5Uにてアクティブ表示が表示パターンβにて表示されているものとする。
図32に示すタイミングT11では、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様がアクション態様になる。その後、例えば図32に示すタイミングT12からタイミングT13までの期間では、図31(B)に示すようなアクティブ表示変化演出が実行可能になる。このアクティブ表示変化演出は、図31(C)に示すように、アクティブ表示の態様が表示パターンγである「☆」に変化する。図32に示すタイミングT14に達すると、擬似連チャンス目を構成する演出図柄が一旦仮停止表示され、演出図柄の変動表示が一旦仮停止する。このときには、小図柄表示エリア5Vでは小図柄の変動表示が一定速度の変動態様で継続して行われ、また、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様はアクション態様のまま維持される。
図31(C)に示すような演出図柄の変動表示における仮停止に続いて、図32に示すタイミングT15では、図31(D)に示すように演出図柄の変動表示を再開させて1回目の擬似連変動が実行される。図32に示すタイミングT16からタイミングT17までの期間では、アクティブ表示変化演出が実行される。このアクティブ表示変化演出は、図31(E)に示すように、アクティブ表示の表示態様が「NEXT」のメッセージを報知する態様に変化する。図32に示すタイミングT18に達すると、擬似連チャンス目を構成する演出図柄が一旦仮停止表示され、演出図柄の変動表示が一旦仮停止する。このときには、小図柄の変動表示が継続して行われ、また、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様はアクション態様のまま維持される。
図31(E)に示すような演出図柄の変動表示における仮停止に続いて、図32に示すタイミングT19では、図31(F)に示すように変出図柄の変動表示を再開させて2回目の擬似連変動が実行される。図32に示すタイミングT20からタイミングT21までの期間では、アクティブ表示変化演出が実行される。このアクティブ表示変化演出は、図31(G)に示すように、アクティブ表示の表示態様が「チャンス」のメッセージを報知する態様に変化する。図32に示すタイミングT22に達すると、擬似連チャンス目を構成する演出図柄が一旦仮停止表示され、演出図柄の変動表示が一旦仮停止する。このときには、小図柄の変動表示が継続して行われ、また、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様はアクション態様のまま維持される。
図31(G)に示すような演出図柄の変動表示における仮停止に続いて、図32に示すタイミングT23では、図31(H)に示すように演出図柄の変動表示を再開させて3回目の擬似連変動が実行される。図32に示すタイミングT24からタイミングT25までの期間では、アクティブ表示変化演出期間となり、アクティブ表示変化演出が実行される。このアクティブ表示変化演出は、図31(I)に示すように、アクティブ表示の態様が「激熱」のメッセージを報知する態様に変化する。図32に示すタイミングT26では、図31(J)に示すように、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となってリーチ成立となる。このときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示を終了させる。その後、ノーマルリーチやスーパーリーチなどにおけるリーチ演出が実行され、図32に示すタイミングT27に達すると、図31(K)に示すように、大当り組合せの演出図柄が導出表示される。このときには、小図柄が大当り組合せで導出表示される。
また、前記実施例では、演出図柄として、数字からなる演出図柄を示す演出画像が変動可能に表示(変動表示)されるものとして説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄には数字以外の絵柄を含んでいても良い。図33(A)は、変形例5として、数字以外の絵柄を含む演出図柄ZU1の構成例を示している。図33(A)に示す演出図柄ZU1は、数字を示す数字図柄領域ZU1−1と、数字以外の絵柄を示す絵柄領域ZU1−2とを含んで構成されている。演出表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、複数種類の演出図柄のうちの一部または全部の演出図柄として、図33(A)に示す演出図柄ZU1のように、数字図柄領域ZU1−1と絵柄領域ZU1−2とを含んで構成された演出図柄が変動表示されてもよい。このように、演出図柄ZU1を数字図柄領域ZU1−1と絵柄領域ZU1−2とを含んで構成する場合は、図33(B)に示すように、特定演出画像を数字図柄領域ZU1−1よりも前方側の重複する位置には配置せずに表示させることにより、導出表示された表示結果を遊技者が認識しやすくなり、表示結果の誤認をより確実に防止できる。
また、前記変形例では、キャラクタ画像として1のキャラクタCH1を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクタ画像は複数部位からなるキャラクタから構成しても良い。図34(A)は、変形例6として複数部位からなるキャラクタCH2を示す演出画像(キャラクタ画像)の構成例を示している。図34(A)に示すキャラクタCH2は、それぞれが1個の風船を示す合計4つのキャラクタCH2−1〜キャラクタCH2−4となる部位を含んで構成されている。
図34(B)は、図33(A)に示された演出図柄ZU1が導出された図柄確定時におけるキャラクタCH2の表示例を示している。図34(C)は、図34(B)に示す表示例において、キャラクタCH2を構成する複数部位のキャラクタCH2−1〜キャラクタCH2−4ごとの表示態様を示している。図34(B)に示す図柄確定時には、キャラクタCH2を構成する複数部位のキャラクタCH2−1〜キャラクタCH2−4のうち、キャラクタCH2−1〜キャラクタCH2−3は演出図柄ZU1の数字図柄領域ZU1−1とは重複せず、キャラクタCH2−4のみが演出図柄ZU1の数字図柄領域ZU1−1と重複している。
この場合、演出図柄ZU1の数字図柄領域ZU1−1よりも前方側の重複する位置には配置されないキャラクタCH2−1〜キャラクタCH2−3については、図柄確定時にも変動表示中と同様のアクション態様で表示される。これに対し、演出図柄ZU1の数字図柄領域ZU1−1よりも前方側の重複する位置に配置されるキャラクタCH2−4については、図柄確定時に変動表示中のアクション態様とは異なる停止態様で表示される。これにより、遊技者は、少なくとも演出図柄ZU1の数字図柄領域ZU1−1は変動表示における表示結果として導出されたことを認識しやすくなるとともに、導出された数字などの表示結果を明確に認識して、表示結果の誤認を防止することができる。また、演出図柄ZU1の数字図柄領域ZU1−1よりも前方側の重複する位置には配置されないキャラクタCH2−1〜キャラクタCH2−3については、変動表示中と同様のアクション態様で表示されるので、演出画像の表示に対する違和感を防止できる。
このように、キャラクタ画像は、演出図柄の変動表示などが実行される変動表示中において、表示態様が第1態様となる一方、変動表示における表示結果が導出される期間では、表示結果の誤認が生じない範囲で、表示態様が第1態様とは異なる第2態様となるものであればよい。これにより、表示結果の誤認を防止しつつ、例えば複数回の変動表示にわたり実行される擬似連演出や先読み予告演出の連続感を好適に表現することができるなど、演出の自由度を確保して演出の興趣を向上させることができる。
尚、前記変形例3や本変形例4では、先読み予告演出として、キャラクタCH1を示す画像が保留記憶表示に作用し、該保留記憶表示の表示態様を変化させる演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告演出としては、キャラクタCH1を示す画像が複数回の変動表示に亘って表示されることによって大当り遊技状態に制御されることを予告する連続演出等、保留記憶表示の表示態様を変化させる演出以外であってもよい。
また、前記実施例では、先読み予告演出として、停止表示された演出図柄全てが発光して保留記憶表示に作用することで該保留記憶表示の表示態様を変化させる演出を実行する一方で、前記変形例3や本変形例4では、先読み予告演出として、キャラクタCH1を示す画像が保留記憶表示に作用することで該保留記憶表示の表示態様を変化させる演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、停止表示される演出図柄の組合せや、演出図柄の停止表示の態様でキャラクタCH1を示す画像が保留記憶表示に作用し、該保留記憶表示の表示態様を変化しても良い。また、停止表示される演出図柄の組合せや、演出図柄の停止表示の態様によって、保留記憶表示に対する作用演出を実行することで該保留記憶表示の表示態様を変化させる先読み予告演出と、キャラクタCH1を示す画像が保留記憶表示やアクティブ表示に作用することで該保留記憶表示の表示態様を変化させる先読み予告演出の両方を実行可能としてもよい。このような場合は、本変形例4と同様に、演出図柄の確定表示が行われている期間(図30に示すT04〜T05やT06〜T07の期間)においては、演出図柄の前方に配置されているキャラクタCH1を示す演出画像の表示態様を停止態様とし、導出表示された表示結果を遊技者が認識しやすくしたり、表示結果の誤認を防止すればよい。
また、前記実施例では、先読み予告演出として保留記憶表示の態様変化回数を2回に決定した場合は、2回の変動表示に亘って保留記憶表示の態様を経由態様と最終態様とに変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告演出として保留記憶表示の態様変化回数を2回に決定した場合は、1回の変動表示中に保留記憶表示を経由態様、最終態様に変化させても良い。
また、前記実施例では、先読み予告演出として保留記憶表示の態様変化回数を0回、1回、2回の中から決定可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示の態様変化回数は、3回以上から決定可能としても良い。
また、前記実施例では、先読み予告演出として保留記憶表示の態様変化回数を2回と決定した場合は、該保留記憶表示の態様を最終態様に変化させる変動表示の直前の変動表示にて該保留記憶表示の態様を経由態様に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示の態様を経由態様に変化させる変動表示は、該保留記憶表示の態様を最終態様に変化させる変動表示の直前の変動表示よりも前に実行する変動表示から決定可能としても良い。
また、前記実施例では、先読み予告演出として、保留記憶表示の態様を通常態様(通常パターン)とは異なる形状に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告演出としては、保留記憶表示の態様を通常態様(通常パターン)とは異なる色や大きさに変化させても良い。
また、前記実施例では、先読み予告演出が実行されている場合は、新たな先読み予告演出を実行しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の先読み予告演出を重複して実行してもよい。
また、前記実施例では、保留記憶表示の表示が開始されるタイミングから該保留記憶表示が表示パターンα〜γのいずれかの態様で表示されている場合は、該保留記憶表示の態様が更に変化しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶表示の表示が開始されるタイミングから該保留記憶表示が表示パターンα〜γのいずれかの態様で表示されている場合においても、該保留記憶表示の態様を更に変化させても良い。
また、前記実施例では、演出表示装置5において保留記憶表示とともにアクティブ表示を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ表示は表示せずとも良い。
また、前記実施例では、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する変動表示では、演出図柄が停止時に発光して該保留記憶表示に作用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄は、保留記憶表示の態様が変化することを示唆可能であれば、停止時に発光以外の態様(例えば、暗転等)にて表示されても良い。また、前記実施例では、演出図柄の停止の際に作用演出を実行して保留記憶表示の態様を変化させたが、演出図柄の停止の際に作用演出を実行せずに保留記憶表示の態様を変化させてもよい。
また、前記実施例では、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する段階数に応じて演出図柄が奇数組合せで停止する割合と偶数組合せで停止する割合とが異なる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が経由態様に変化する場合と最終態様に変化する場合とで、演出図柄が奇数組合せで停止する割合と偶数組合せで停止する割合とが異なっていても良い。
また、前記実施例では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに演出図柄が停止する際に、これら演出図柄が発光し、これら演出図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用することで該保留記憶表示の態様が変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告演出の対象である保留記憶表示の態様が変化する場合は、少なくとも1の演出図柄の停止に対応して該保留記憶表示の態様を変化させても良い。例えば、リーチ演出を実行する変動表示では、「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rに演出図柄が停止する際にこれら2つの演出図柄から示唆画像が先読み予告演出の対象である保留記憶表示に作用すれば良い。尚、このように、リーチ演出を実行する場合には、作用演出の対象をアクティブ表示としても良い。
また、前記実施例では、先読み予告演出として、保留記憶表示の態様を変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告演出として態様を変化させる対象は、アクティブ表示であっても良い。更に、演出表示装置5においてアクティブ表示を表示しない場合には、パチンコ遊技機1に設けられているLEDや構造物を先読み予告演出の対象としても良い。尚、このようにパチンコ遊技機1に設けられているLEDや構造物を先読み予告演出の対象とする場合は、該先読み予告演出として、LEDの発光態様を変化させたり、構造物の形態を変化させる等により当該変動表示の大当り期待度を示唆すれば良い。
また、前記実施例では、変化示唆演出を先読み予告演出の実行が決定されている場合と先読み予告演出の実行が決定されていない場合の双方にて実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変化示唆演出は先読み予告演出の実行が決定されている場合のみ実行しても良い。
また、前記実施例では、先読み予告演出の対象である保留記憶表示に対応する変動表示が大当りとなる場合は、先読み予告演出の対象である保留記憶表示に対応する変動表示がはずれとなる場合よりも該保留記憶表示の態様が最終態様に変化するシフト回数が多く決定され易い形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み予告演出の対象である保留記憶表示に対応する変動表示が大当りとなる場合は、先読み予告演出の対象である保留記憶表示に対応する変動表示がはずれとなる場合よりも該保留記憶表示の態様が最終態様に変化するシフト回数が少なく決定され易くても良い。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。