本発明に係る遊技機を実施するための形態を、実施例に基づいて以下説明する。但し、本発明を適用可能な実施例が以下説明する実施例に限定されるわけでないことは勿論である。
[実施例]
最初に、本発明に係る遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。以下の説明においては、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。なお、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。なお、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示又は可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(或いは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアで、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(或いは単に「導出」ともいう)する。
ここで、例えば特別図柄や演出図柄といった各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。
なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」或いは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字或いは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、或いは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。或いは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
なお、以下の説明において、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。さらに、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせてもよい。なお、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部又は一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄及び普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けてもよい。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすればよい。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。或いは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくい又は通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、或いは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」或いは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、或いは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20で普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしてもよく、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すればよい。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすればよい。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間或いは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間で、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」又は「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、或いは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間で大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
なお、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、或いは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間で大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
なお、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とするが、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であればよい。
なお、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としてもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
なお、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すればよい。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出玉(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すればよい。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域で停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、或いは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、或いは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(或いは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」或いは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
本実施例では、詳細は後述するが、図5に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。さらに、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図5参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。ここで、大当り期待度とは、大当りの発生に対する期待度(信頼度と言ってもよい。)であり、「その演出が実行された場合に大当りとなる割合/(その演出が実行されたときに大当りとなる割合+その演出が実行されたときに大当りとはならない割合)」として算出される。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「擬似連」が実行可能である。この擬似連の変動表示演出は、主基板11側で変動パターンが決定されることによって実行有無が決定されるようにすることができる。
擬似連の変動表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部で所定の演出図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで演出図柄を再変動させる演出表示を、所定回数(本実施例では最大3回まで)行う。擬似連における再変動の回数は、演出図柄の変動表示が開始されてから全部の演出図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全てにおいて演出図柄が再変動する回数である。
擬似連の変動表示演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する演出図柄を所定表示結果として一旦仮停止表示し、その後に変動表示を再開(再変動)する。擬似連チャンス目は、変動表示される演出図柄(「1」〜「9」の数字図柄)の組合せであり、本実施例では「左」と「中」が同じ数字図柄で「右」がそれに1を加えた数字図柄でなる組合せ(「112」、「223」、「334」、「556」、「667」、「778」、「889」)として説明する。
演出画面で後述するように、例えば、擬似連1回目では「112」の第1擬似連チャンス目を仮停止表示させ、擬似連2回目では「334」の第2擬似連チャンス目を仮停止表示させ、擬似連3回目では「556」の第3擬似連チャンス目を仮停止表示させる。擬似連の変動表示演出では、再変動が1回〜3回行われることにより、演出図柄の変動表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
なお、擬似連の変動表示演出における再変動の回数は、例えば4回や5回といった1回〜3回よりも多くの回数としてもよい。また、擬似連の変動表示演出は、再変動の回数によって予告する対象が変化するものでもよい。例えば1回再変動すると「リーチ確定」、2回再変動すると「スーパーリーチ確定」、3回再変動すると「大当り確定」となるようなものであってもよい。また、擬似連チャンス目は上記の数字図柄の組合せに限られるわけではなく、他にも、例えば「左」と「右」が同じ数字図柄で「中」がそれに1を加えた数字図柄でなる組合せ(「121」、「232」、「343」、「454」、「565」、「676」、「787」、「898」)といった数字図柄の組合せを擬似連チャンス目としてもよい。
また、変動表示されていない図柄であって、仮停止表示が行われるときにのみ出現する特殊図柄を仮停止表示させるようにしてもよい。例えば、通常は数字図柄のみが変動表示されるが、仮停止表示を行う場合は「継続」や「続く」、「NEXT(next)」といった変動表示が継続することを想起させるような特殊図柄を「左」、「中」、「右」のいずれかに停止させることとし(例えば「1−継続−1」や「1−続く−1」、「1−NEXT−1」)、この特殊図柄を仮停止させた場合に、再変動予告演出を行うようにしてもよい。
また、このような演出図柄の変動表示動作を利用した変動表示演出として、擬似連の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」といった各種の演出動作を実行するようにしてもよい。ここで、発展チャンス目の変動表示演出では、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部で、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する演出図柄を仮停止表示させた後、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する演出図柄が仮停止表示されたときには、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に変動表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、発展チャンス目終了の変動表示演出では、演出図柄の変動表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部で、発展チャンス目として予め定められた組合せの演出図柄を、確定演出図柄として導出表示させる演出表示が行われる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出或いは擬似連などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部で演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rで演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
本実施例では、上記のうちの擬似連の変動表示による予告演出(以下、「再変動予告演出」と称す。)を実行可能に設置されていることとして説明する。擬似連は演出図柄の仮停止及び再変動を含む制御動作の意味合いが強いため、本実施例では、この擬似連に基づく予告演出を再変動予告演出として説明する。但し、これに限らず、再変動予告演出を、擬似連演出や擬似連予告演出と言い換えてもよい。
また、本実施例では、段階演出といった表示系の予告演出が実行可能に設定されている。予告演出となる演出動作は、それが実行されるか否かによっては特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)に変化が生じないものであればよい。本実施例では、段階演出として、演出図柄の変動表示中に導出結果を予告する演出として、段階予告演出を実行することとして説明する。段階予告演出では、演出図柄の変動表示中に、例えば演出表示装置5の表示領域に、予め定められた複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化するような演出動作が行われる。
段階予告演出とは、例えば、演出図柄の仮停止を伴わない予告演出であって、一の変動表示が実行されている期間内に複数回にわたって実行可能な演出であり、該複数回にわたって実行される演出間に関連性が存在する演出である。
例えば、パチンコの題材である漫画やアニメ、ドラマに登場するキャラクタのうち、同じキャラクタを複数回繰り返し表示させる演出(キャラクタA−キャラクタA−キャラクタA)としてもよいし(キャラクタが同じという関連性)、異なるキャラクタを複数回表示させる演出(キャラクタA−キャラクタB−キャラクタC)としてもよい(何らかのキャラクタが出現するという関連性)。また、キャラクタに所定のセリフを発声させてもよい(何らかのキャラクタが所定のセリフを発するという関連性)。この場合に、同じセリフを複数回繰り返し発声させる演出(セリフa−セリフa−セリフa)としてもよいし、異なるセリフを複数回発声させる演出(セリフa−セリフb−セリフc)としてもよい。また、同じキャラクタに同じセリフや異なるセリフを発声させてもよいし、異なるキャラクタに同じセリフや異なるセリフを発声させてもよい。
また、パチンコの題材である漫画やアニメ、ドラマのストーリーの一部(一話や一場面)を分割した映像を段階的に表示させるようにしてもよい(ストーリーの一部であるという関連性)。また、パチンコの題材である漫画やアニメ、ドラマの主題歌(オープニング曲やエンディング曲)や挿入歌等の楽曲のうち、同じ楽曲をキャラクタの映像とともに繰り返し出力させたり(楽曲が同じという関連性)、異なる楽曲をキャラクタの映像とともに出力させるようにしてもよい(何らかの楽曲が出力されるという関連性)。また、例えば、後述する演出制御基板12に接続されたモータ(図示せず)により駆動される可動役物が複数回作動するものであってもよい(可動役物が作動するという関連性)。
なお、段階予告演出では、予め定められた複数種類の演出画像のうちいずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り換えられることなく、段階予告演出における演出表示を終了させる場合があるようにしてもよい。また、演出画像を切り換えて表示させる演出表示に代えて、或いは、このような演出表示とともに、例えば演出用の可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化するような演出動作を行うようにしてもよい。
段階予告演出は、例えば演出表示装置5にキャラクタの画像が3段階目まで段階的に切り替わって表示される予告演出とすることができる。但し、段階予告演出はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技効果ランプ9による発光を複数段階に亘って段階的に変化させていく予告演出や、スピーカ8L、8Rから出力される音を複数段階に亘って段階的に変化させていく予告演出としてもよい。また、演出表示装置5にキャラクタの画像が4段階目以上に亘って切り替わって表示される予告演出であってもよい。
さらに、本実施例では、上記の再変動予告演出や段階予告演出の他に、追加的な予告演出である「追加予告演出」を設定可能に構成されている。追加予告演出における追加予告には、演出表示装置5に特定のキャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告と、演出表示装置5に複数体のキャラクタが該演出表示装置5を横切るように表示される群予告とが含まれる。
本明細書では、上記の再変動予告演出、段階予告演出及び追加予告演出のそれぞれの予告演出と、これらの予告演出を組み合わせた予告演出とを包括して「変動中予告演出」と称する。
こうした複数段階に変化するようなことが可能な予告演出は、1回の始動入賞(第1始動入賞口又は第2始動入賞口に1個の遊技球が進入したこと)に対応して実行される特別図柄や演出図柄の可変表示中に実行される予告演出の一種であり、一般的には変化する段階数が多い程信頼度(変動表示結果が「大当り」となる可能性)が高くなる。また、段階演出における段階数、或いは、各段階における演出態様に応じて、「確変大当り」となること、特定のリーチ演出が実行されること、「非確変大当り」から「確変大当り」へと昇格することのうち、少なくともいずれか1つを予告するものであってもよい。
又は、変化する回数(段階数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第1段階まで行くと「リーチ確定」、第2段階まで行くと「スーパーリーチ確定」、第3段階まで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。予告の態様の変化としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や色等が変化することで段階を踏むようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであればよい。なお、本実施例では、例えば、段数が3段の段階予告演出であっても、第1段階から第3段階へ移行するなど、途中の段階を飛ばして高次の段階へと移行する特殊段階演出として中抜き段階予告演出を実行可能である。
また、予告演出には、保留表示予告演出が含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。
なお、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再変動させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる擬似連の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、或いは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示してもよい。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。
なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示してもよい。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポート(電サポ)が実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。
なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示してもよい。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。
また、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示してもよい。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、上記した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。
なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。
なお、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果で「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果で「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。
なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選で確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態或いは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態或いは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。
なお、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。
一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
なお、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すればよい。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行してもよい。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。
ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行わればよい。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などで、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。
なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などで実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域で演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、或いは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。
なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。
なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。
なお、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。
なお、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8CX4H(Xは1〜3の任意の値))を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すればよい。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。或いは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB5XXHは、時短回数の残り回数(変動回数)を通知するための演出制御コマンドであり、時短回数の残り回数(変動回数)に応じたEXTデータが設定されることにより、時短回数の残り回数(変動回数)が通知される。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどで特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどで特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(又は減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、実行される変動パターンを特定可能な事前判定変動パターンコマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。
なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、本実施例における変動パターンを定めた変動パターンテーブルの一例を示す図である。
本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
なお、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
また、図示するように、擬似連変動(再変動)を行う変動パターンや段階演出を行う変動パターンでは、再変動の回数や変化する段階数が多い程、特図変動時間が長く設定されている。本実施例では、擬似連変動を行う変動パターンや段階演出を実行する変動パターンであるか否かに関わらず、スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチで変動表示結果が大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
本実施例では、上記のように、擬似連用の変動パターンや段階演出用のパターンが個別に定められており、一の変動においては、これらの変動パターンの中から決定した一の変動パターンに応じた予告演出を実行するようにしている。従って、一の変動表示においては、仮停止演出及び段階演出のいずれか一方しか実行されない。つまり、一の変動表示において仮停止演出及び段階演出の両方が行われることはないため、遊技者に混乱を生じさせることがなく、遊技興趣が低下することが防止される。
本実施例においては、後述するように、非リーチの種別やノーマルリーチの種別、スーパーリーチの種別といった変動カテゴリの種別を先に決定してから、該決定した変動カテゴリに属する変動パターンの中から、実行する変動パターンを決定するのではなく、変動カテゴリを決定することなく、変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて変動パターンを決定するようにしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動カテゴリ判定用の乱数値を設けて、これら変動カテゴリ判定用の乱数値から変動カテゴリを先に決定してから、該決定した変動カテゴリに属する変動パターンの中から、実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。
これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図7に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。
このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
なお、図7に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、上記したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。或いは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、図8及び図9に示すように、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
図8(A)及び図8(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が「確変大当りA」及び「確変大当りB」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と、大当り種別が「非確変大当り」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が予め用意されている。
これらの大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PA4−1、PA4−2、PC1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PA4−3、PA4−5、PA4−7、PC1−2、PC1−4、PC1−6)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PA4−4、PA4−6、PA4−8、PC1−3、PC1−5、PC1−7)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
本実施例では、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)が使用される場合には、擬似連を行う変動パターンや段階演出を行う変動パターンが、ハズレ用変動パターン判定テーブルが使用される場合よりも決定され易く、大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が使用される場合には、擬似連を行わない変動パターンや段階演出を行わない変動パターンが、ハズレ用変動パターン判定テーブルが使用される場合よりも決定され易いように、これら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)とに判定値が割り当てられている。つまり、擬似連や段階演出が実行される場合は、行われない場合と比べて大当り期待度が高くなっている。このため、擬似連や段階演出が行われた場合には、「確変大当りA」又は「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、それぞれの大当り用変動パターン判定テーブル(A)、(B)における判定値を見ると、擬似連を実行する変動パターンPA4−2〜PA4−6について、擬似連の回数が多くなるほど、より広い数値範囲の判定値が割り当てられている。従って、擬似連の回数が多くなるほど大当りの期待度が高くなっている。具体的には、擬似連3回の場合は擬似連2回の場合よりも大当り期待度が高く、擬似連2回の場合は擬似連1回の場合よりも大当り期待度が高くなっている。このため、擬似連が行われた場合、再変動の回数が多いほど、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を高めることができる。
同様に、段階演出を実行する変動パターンPC1−1〜PA1−7について、段階演出の段階数が多くなるほど、より広い数値範囲の判定値が割り当てられている。従って、段階演出の段階数が多くなるほど大当りの期待度が高くなる。具体的には、段階演出3段の場合は段階演出2段の場合よりも大当り期待度が高く、段階演出2段の場合は段階演出1段の場合よりも大当り期待度が高くなっている。このため、段階演出が行われた場合、その段数が多いほど、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を高めることができる。但し、本実施例では、変動パターンPC1−4及びPC1−5で示される中抜き3段の段階演出については大当り確定(当確)としているため、判定値の数値範囲を、その他の段階演出の判定値の数値範囲よりも狭くしている。
また、ノーマルリーチはスーパーリーチよりも判定値の数値範囲を広くし、スーパーリーチβはスーパーリーチαよりも判定値の数値範囲を広くしている。従って、スーパーリーチはノーマルリーチよりも大当り期待度が高く、スーパーリーチβはスーパーリーチαよりも大当り期待度が高くなっている。このため、スーパーリーチが発生した場合、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を高めることができ、特にスーパーリーチβが発生した場合は、大当りの発生に対して一層の期待感を深めることができる。回数の多い擬似連や段数の多い段階演出と併せてスーパーリーチが発生した場合は、遊技者は、より一層大当りに対する期待を膨らませることができる。
ハズレ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている(図9参照)。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、擬似連変動後ノーマルリーチハズレとなる変動パターン(PA2−2)、2回の擬似連変動後スーパーリーチαハズレとなる変動パターン(PA2−3)、2回の擬似連変動後スーパーリーチβハズレとなる変動パターン(PA2−4)、3回の擬似連変動後スーパーリーチαハズレとなる変動パターン(PA2−5)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−6)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−7)、第1段階までの段階演出後ノーマルリーチハズレとなる変動パターン(PC2−1)、第2段階までの段階演出後スーパーリーチαハズレとなる変動パターン(PC2−2)、第2段階までの段階演出後スーパーリーチβハズレとなる変動パターン(PC2−3)、第3段階までの段階演出後スーパーリーチαハズレとなる変動パターン(PC2−4)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルBにおいては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおける短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)に代えて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルCにおいては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおける短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)に代えて、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルDにおいては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおける短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)に代えて、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
また、図9(A)〜(D)に示す各ハズレ用変動パターン判定テーブルでは、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)と比べて、擬似連を行う変動パターンや段階演出を行う変動パターンよりも擬似連を行わない変動パターンや段階演出を行わない変動パターンが決定され易くなるように判定値が割り当てられている(大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)と比べて判定値の割り当て数が少なくなっている)。このため、擬似連や段階演出が行われた場合には、「大当り」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることができる。
なお、図9(A)〜(D)に示す各ハズレ用変動パターン判定テーブルでは、判定値の割り当てはそれぞれのテーブルで同様となっているが、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)と比べて、擬似連変動を行う変動パターンや段階演出を行う変動パターンよりも擬似連変動を行わない変動パターンや段階演出を行わない変動パターンが決定され易いように各判定値が割り当てられていれば、それぞれのハズレ用変動パターン判定テーブルで判定値の割り当てが異なっていてもよい。
また、図9(A)〜(D)に示す各ハズレ用変動パターン判定テーブルにおいて、擬似連変動を行う変動パターンや段階演出を行う変動パターンでは、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)とは対照的に、擬似連変動(再変動)の回数や変化する段階数が多い程判定値の割り当て数が少なくなっている(大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)及び大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)では擬似連(再変動)の回数や段階演出の段階数が多い程判定値の割り当て数が多くなっている)。このため、擬似連の回数や段階演出の段階数が多い程大当り期待度が高くなっている。
なお、図5に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図10に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図10に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部で保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態或いはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部又は全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的或いは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
図25に示すように、乱数回路124は、演出制御基板12側で保留表示変化実行決定用の乱数値SR1、保留表示態様決定用の乱数値SR2、追加予告演出実行決定用の乱数値SR3、追加演出決定用の乱数値SR4、保留表示態様決定用(大きさ用)の乱数値SR5、保留表示態様決定用(色用)の乱数値SR6、エフェクト態様決定用(炎の大きさ用)の乱数値SR7、エフェクト態様決定用(炎の色用)の乱数値SR8、変化タイミング決定用の乱数値SR9のそれぞれを示す数値データをカウント可能に制御している。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした演出の進行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
乱数回路124は、これらの乱数値SR1〜SR7の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。演出制御用CPU120は、例えば図11(A)に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路124とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値SR1〜SR7の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
保留表示変化実行決定用の乱数値SR1は、始動入賞に伴い第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留表示を、該保留表示の保留記憶の変動表示結果が大当りとなること、又はいずれの変動中予告演出が実行されるかを示唆する態様に変化させるか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。保留表示態様決定用の乱数値SR2は、保留表示の保留記憶の変動表示結果が大当りとなることを示唆する態様に変化させると決定した場合に、保留表示パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動中予告演出実行決定用の乱数値SR3は、変動中予告演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。変動中予告演出決定用の乱数値SR4は、変動中予告演出を実行すると決定された場合に、実行する変動中予告演出を予め用意された複数種類から決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
保留表示態様決定用(大きさ用)の乱数値SR5は、保留表示をいずれの変動中予告演出(具体的には段階予告演出)が実行されるかを示唆する態様に変化させると決定した場合に、保留表示の大きさを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。保留表示態様決定用(色用)の乱数値SR6は、保留表示をいずれの変動中予告演出(この実施例では段階演出)が実行されるかを示唆する態様に変化させると決定した場合に、保留表示の色を予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。これらの保留表示態様を変化させる演出は、一の変動表示において段階演出が実行されることを該変動表示が開始される前に予告する段階事前演出の一例である。
エフェクト態様決定用(大きさ用)の乱数値SR7は、保留表示をいずれの変動中予告演出(具体的には再変動予告演出)が実行されるかを示唆する態様に変化させると決定した場合に、保留表示のエフェクトの大きさを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。エフェクト態様決定用(色用)の乱数値SR8は、保留表示をいずれの変動中予告演出(この実施例では擬似連の変動表示演出)が実行されるかを示唆する態様に変化させると決定した場合に、保留表示のエフェクトの色を予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。この保留表示のエフェクトを変化させる演出は、仮停止演出が実行されることを該変動表示が開始される前に予告する仮停止事前演出の一例である。
変化タイミング決定用の乱数値SR9は、保留表示をいずれの変動中予告演出が実行されるかを示唆する態様に変化させると決定した場合に、保留表示の大きさ・色を複数のタイミングのいずれかで変化させるかを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
なお、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再変動予告演出や段階予告演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、或いは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図11(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図11(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態或いはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図11(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1−0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2−0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、事前判定変動パターンコマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、事前判定変動パターンコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」又はバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−0」又はバッファ番号「2−0」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
さらに、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、後述する予告演出決定処理(図23)において、保留記憶表示の表示パターンの決定が未決定であるか否か、つまり、新たな始動入賞の発生によって、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、事前判定変動パターンコマンド、保留記憶数通知コマンドが新たに格納されたことにより保留記憶表示の表示パターンの決定が未決定である旨を示す表示未決定フラグと、保留記憶表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる保留表示フラグと、保留表示の最終表示態様に応じたフラグ値がセットされる最終保留表示フラグと、追加予告演出の実行の有無に応じたフラグ値がセットされる追加予告演出フラグとを第1特図保留記憶及び第2特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて格納できるように記憶領域が、各格納領域(エントリ)毎に確保されている。追加予告演出フラグには、セリフ予告の実行有無を示すセリフ予告実行フラグと、群予告の実行有無を示す群予告実行フラグとが含まれる。
なお、保留表示フラグには、後述する予告演出決定処理において、保留表示変化の実行が決定されなかった場合には、通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、通常サイズである小サイズの白抜き○)の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示され、保留表示変化の実行が決定された場合には、通常の表示態様とは異なる特別態様(例えば、四角形(◇)や星(☆))の保留記憶表示の表示パターンに対応する「1」(四角形(◇))又は「2」(星(☆))や、通常よりも大きなサイズの色付き○(例えば、小サイズよりも大きな大サイズの黄色○や、小サイズよりも大きく、且つ大サイズよりも小さい中サイズの赤色○)の保留記憶表示の表示パターンに対応する「32」(大サイズの黄色○)又は「24」(中サイズの赤色○)がセットされることで、通常の表示態様とは異なる特別態様の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示されて、該保留記憶表示に対応する変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性、変動中予告演出が実行される可能性が高いことやその種類が予告されるようになっている。
なお、図11(B)に示す例では、バッファ番号「1−2」のエントリには、保留表示フラグと最終保留表示フラグがいずれも同一の数値である「21」が格納されていることにより、最初に表示される保留表示の態様と最終的に表示される保留表示の態様とが同一である場合、つまり、始動入賞時に保留表示変化による保留予告が実行される例が示されているが、後述するように、始動入賞時に通常の保留表示が表示された後に保留表示変化が実行される場合には、これら保留表示フラグと最終保留表示フラグには、異なるフラグ値が格納される。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。従って、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶又は第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、事前判定変動パターンコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、直前に終了した変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−0」又は「2−0」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」又は「2−1」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。
例えば、図11(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドがバッファ番号「0」にシフトされるとともに、バッファ番号「2」に対応した領域で格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」、「4」のそれぞれに対応した領域で格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」、「3」に対応した領域にシフトされる。よって、バッファ番号「0」は、その時点において変動表示されている保留記憶に関する各コマンドを格納するための領域(エントリ)となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。
なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図13は、特別図柄プロセス処理として、図12に示すS15で実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、図14に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102で第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101で第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102で第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105で第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図15(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図14のS112で実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図13のS22、図16)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。
また、後述する変動パターン設定処理(図13のS23、図17)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口又は第2始動入賞口)で検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。
これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
図15(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図14のS109で抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。或いは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123で大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、変動表示結果が「ハズレ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行する(S124)。そして、S121で特定した現在の遊技状態が時短中であれば、図9(D)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットし(S127)、時短中でなければ、保留数に応じて図9(A)に示すハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(S126)。
なお、ハズレ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。ハズレ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。
本実施例では、これらのハズレ用変動パターン判定テーブルAやハズレ用変動パターン判定テーブルDに加えて、図9(B)及び図9(C)に示すように、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、これらハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、いずれのハズレ用変動パターン判定テーブルにおいても、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち1〜600までの値が割り当てられており(PA1−1〜PA1−3のいずれか)、その他の変動パターンについても共通の値が割り当てられている。
このため、S126においてハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチ又はスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定することにしている。
なお、各ハズレ用変動パターン判定テーブルの判定値の割り当てを異ならせる場合には、非リーチとスーパーリーチ、擬似連や段階演出の判定が保留記憶数に関わらず共通の判定値となるように(PA1−1に割り当てられた判定値をPA1−2及びPA1−3に割り当てられた判定値よりも少なくなるようにし、PA2−1以外に割り当てられた判定値が共通するように)すればよい。
図15(A)に示すように、S123で大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り種別に応じた大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S130)。
S126,S127,S130の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127,S130の処理で設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動パターンを判定する(S131)。
その後、S131の処理により判定した変動パターンに応じた事前判定変動パターンコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行った後(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
本実施例のS132では、図15(B)に示すように、S131の処理により判定した変動パターンが短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)である場合はコマンドC600Hの送信設定を行い、短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)である場合はコマンドC601Hの送信設定を行い、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)である場合はコマンドC602Hの送信設定を行う。
また、擬似連1回のノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−2)である場合はコマンドC603Hの送信設定を行い、擬似連2回のスーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−3)である場合はコマンドC604Hの送信設定を行い、擬似連2回のスーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−4)である場合はコマンドC605Hの送信設定を行い、擬似連3回のスーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−5)である場合はコマンドC606Hの送信設定を行う。
また、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−6)である場合はコマンドC607Hの送信設定を行い、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−7)である場合はコマンドC608Hの送信設定を行い、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PA4−1)である場合はコマンドC609Hの送信設定を行い、擬似連1回のノーマルリーチ大当りの変動パターン(PA4−2)である場合はコマンドC610Hの送信設定を行い、擬似連2回のスーパーリーチα大当りの変動パターン(PA4−3)である場合はコマンドC611Hの送信設定を行い、擬似連2回のスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PA4−4)である場合はコマンドC612Hの送信設定を行う。
また、擬似連3回のスーパーリーチα大当りの変動パターン(PA4−5)である場合はコマンドC613Hの送信設定を行い、擬似連3回のスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PA4−6)である場合はコマンドC614Hの送信設定を行い、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB4−7)である場合はコマンドC615Hの送信設定を行い、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB4−8)である場合はコマンドC616Hの送信設定を行う。
また、段階演出(1段)のノーマルリーチ大当りの変動パターン(PC1−1)である場合はコマンドC630Hの送信設定を行い、段階演出(2段)のスーパーリーチα大当りの変動パターン(PC1−2)である場合はコマンドC631Hの送信設定を行い、段階演出(2段)のスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PC1−3)である場合はコマンドC632Hの送信設定を行い、段階演出(中抜き3段)のスーパーリーチα大当りの変動パターン(PC1−4)である場合はコマンドC633Hの送信設定を行い、段階演出(中抜き3段)のスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PC1−5)である場合はコマンドC634Hの送信設定を行う。
また、段階演出(3段)のスーパーリーチα大当りの変動パターン(PC1−6)である場合はコマンドC635Hの送信設定を行い、段階演出(3段)のスーパーリーチβ大当りの変動パターン(PC1−7)である場合はコマンドC636Hの送信設定を行い、段階演出(1段)のノーマルリーチハズレの変動パターン(PC2−1)である場合はコマンドC637Hの送信設定を行い、段階演出(2段)のスーパーリーチαハズレの変動パターン(PC2−2)である場合はコマンドC638Hの送信設定を行い、段階演出(2段)のスーパーリーチβハズレの変動パターン(PC2−3)である場合はコマンドC639Hの送信設定を行い、段階演出(3段)のスーパーリーチαハズレの変動パターン(PC2−4)である場合はコマンドC640Hの送信設定を行う。
なお、本実施例においては、上述したように、時短フラグがセットされておらずハズレの場合にあっては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを特定するので、例えば始動入賞時に非リーチPA1−1の変動パターンと判定され非リーチハズレの変動パターンに決定された場合でも、変動開始時の保留記憶数によっては非リーチPA1−2又は非リーチPA1−3の変動パターンが決定される場合があり得るが、演出制御基板12(演出制御用CPU120)側では、非リーチPA1−1であっても、非リーチPA1−2であっても、非リーチPA1−3であっても、全て非リーチとして変動中予告演出の実行・非実行や、変動中予告演出の種類、保留表示態様が決定されるので、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化することによりこれらの演出が不適切になってしまうことは無い。
また、大当りの場合にあっては、始動入賞時の保留記憶数と変動開始時の保留記憶数とが異なっていても、始動入賞時においても変動開始時においても、図8に示す大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)又は大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が、共通して使用されて変動パターンが判定又は決定されるので、始動入賞時の保留記憶数と変動開始時の保留記憶数とが異なることで、始動入賞時に判定された変動パターンと異なる変動パターンが変動開示時に決定されることは無いので、演出が不適切になってしまうことは無い。なお、大当りとなるときには、非リーチの変動パターンは決定されないので、上記した非リーチの変動パターンにより、演出が不適切になってしまうことは無い。
また、スーパーリーチに関しても上述したように、ハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cのいずれにおいても、共通の判定値がスーパーリーチの変動パターンに対して割り当てられているので、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化することにより始動入賞時に判定された変動パターンと異なる変動パターンが変動開示時に決定されることは無く、これらの演出が不適切になってしまうことは無い。
一方、上記のように、非リーチとスーパーリーチの判定が保留記憶数に関わらず共通の判定値となるようにして各ハズレ用変動パターン判定テーブルの判定値の割り当てを異ならせた場合、ノーマルリーチに関しては、ハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cでノーマルリーチの変動パターンに対して割り当てられている判定値が異なるので、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化することにより、始動入賞時にノーマルリーチの変動パターンと判定しても、必ずしもノーマルリーチの変動パターンが実行されない可能性があるが、このようなノーマルリーチに関して、演出が不適切になってしまうことを解消するために、例えば、S126のステップにおいて、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いてノーマルリーチと判定された場合には、さらに、ハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cでノーマルリーチの変動パターンに対して共通に割り当てられている判定値の範囲に、抽出された変動パターン判定用の乱数値MR3が該当するか否かを判定し、該範囲にある場合においてのみノーマルリーチハズレの変動パターンと判定してコマンドC602Hの送信設定を行い、該範囲にない場合には、「判定不能」を示す事前判定変動パターンコマンド(コマンドC6FFH)を送信するようにしてもよい。
つまり、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化することで異なる変動パターンとなる可能性のある変動パターンについては、変動中予告演出や先読み予告演出の対象とせずに、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化しても異なる変動パターンとなる可能性のない変動パターンについてのみ変動中予告演出や先読み予告演出の対象とするようにすればよい。
なお、上記したように、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化しても異なる変動パターンとなる可能性のない変動パターンについてのみ変動中予告演出や先読み予告演出の対象とする場合にあっては、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化することで異なる変動パターンとなる可能性のある変動パターンについては、変動中予告演出を決定して実行できなくなってしまうことを防ぐために、上記において「判定不能」とされた保留記憶については、該保留記憶の変動開始時において変動パターンが決定されたときに、該決定された変動パターンに応じて変動中予告演出を決定して実行するようにしてもよい。
つまり、変動中予告演出の実行や種別の決定を、全て、始動入賞時において実行するのではなく、一部の変動パターン、例えば、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化することで異なる変動パターンとなる可能性のある変動パターン(例えば、短縮の非リーチハズレの変動パターンPA1−2、PA1−3、ノーマルリーチハズレの変動パターンPA2−1等)については、変動開始時において変動中予告演出の実行や種別を決定するようにしてもよい。また、「判定不能」であるか否かに関係なく、始動入賞時において変動中予告演出の実行が決定されなかった場合において、該始動入賞による変動表示の変動開始時において、変動中予告演出の実行や種別を決定してもよい。
また、本実施例では、始動入賞時と変動開始時において保留記憶数が変化しても異なる変動パターンとなる可能性のあるノーマルリーチについても始動入賞時に変動中予告演出の実行・非実行や、変動中予告演出の種類を決定し、該決定した変動中予告演出の種類で変動中予告演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら決定した変動中予告演出の種類を、当該変動表示の変動開始時において、始動入賞時に判定された変動パターンが、該変動開始時に決定された変動パターンと同一であるか否かを検証し、同一でない場合には、該変動開始時に決定された変動パターンにもとづいて変動中予告演出の種類を再決定して、該再決定した変動中予告演出を実行するようにしてもよいし、これら変動開始時に変動中予告演出を再決定して修正するだけではなく、始動入賞時に決定可能な追加予告演出(セリフ予告、群予告)以外の変動中予告演出(例えば、異なるキャラクタが登場することで大当りとなることを示唆するキャラクタ予告等)の実行を決定するようにしてもよい。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算或いは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。
このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bで特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。
一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」又は「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
なお、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図16は、特別図柄通常処理として、図13のS22で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141で第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bで保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bで保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141で第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154で第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141で第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145で第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aで保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aで保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S150)。このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150で特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図7(A)に示す大当り種別決定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別決定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理で大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151で「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151で特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156で確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
なお、S145で第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図17は、変動パターン設定処理として、図13のS23で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S162)。
なお、上述したように、本実施例では、大当り用変動パターン判定テーブルとして、図8(A)及び図8(B)に示すように、大当り種別が「確変大当りA」及び「確変大当りB」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と、大当り種別が「非確変大当り」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)とが予め用意されている。このため、ステップS162では、大当り種別に応じて大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)又は大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)を使用テーブルとしてセットする。
S161で大当りフラグがオフであるときには(S161;N)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(S163)。そして、時短フラグがオンであれば(S163;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S164)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(S163;N)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(S165;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(S166)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(S165;Y)には、S167に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かをさらに判定する(S167)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(S167;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(S168)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(S167;Y)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S169)。
S162,S164,S166,S168,S169の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブル又はハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
なお、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理で変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かや、再変動予告演出や段階予告演出を行うか否かが決定される。すなわち、S170の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170で変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。
なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図18は、特別図柄停止処理として、図13のS25で実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。
なお、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグ及び時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変A)、大当り開始2指定コマンド(確変B)、大当り開始3指定コマンド(非確変)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、非確変大当りや確変大当りAの場合には16回。確変大当りBの場合には5回。)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S195に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、時短回数指定コマンドの送信設定を行い(S192)、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS195に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグ又は時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図19は、大当り終了処理として、図13のS29で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当りフラグをリセットし(S202)、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S203)。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りA又は確変大当りBであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りA又は確変大当りBである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進む。
一方、大当り種別が確変大当りA又は確変大当りBでない場合(S207;N)には、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。
S213では、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S214)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図20は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)。その後、S52に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのかを、図21に示すように解析する。
図21は、コマンド解析処理として、図20のS54で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S221)。このとき、受信コマンドがなければ(S221;N)、コマンド解析処理を終了する。
S221で受信コマンドがある場合には(S221;Y)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S222)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(S222;Y)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(S223)。例えば、S223の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S222で受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(S222;N)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S224)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S224;Y)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(S225)。例えば、S225の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S224で受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S224;N)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S226)。S226で受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S226;N)、その受信コマンドは事前判定変動パターンコマンドであるか否かを判定する(S227)。S227で受信コマンドが事前判定変動パターンコマンドではない場合には(S227;N)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S228)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(S228;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S229)。
S228で受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(S228;N)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S230)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(S230;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S231)。
S226で受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(S226;Y)、S227で受信コマンドが事前判定変動パターンコマンドである場合(S227;Y)、或いはS223,S225,S229,S231の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを図示しない始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭に格納するとともに(S232)、格納したエントリの表示未決定フラグに、未決定である旨を示す「1」をセットしてから(S233)、S221の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
S230で受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(S230;N)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(S234)、S221の処理に戻る。
図22は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、変動中予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)又は変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図23は、予告演出決定処理として、図22のS71で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし(S241)、始動入賞時のコマンドの新たな格納が有るか否かを、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが存在するか否かにより判定する(S242)。
表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが無い場合は(S242;N)、予告演出決定処理を終了し、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが有る場合は(S242;Y)、該エントリが第1特図の保留記憶であるか否かを判定する(S243)。なお、第1特図の保留記憶であるか否かは、該エントリに記憶されている始動口入賞指定コマンドが第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれかへの入賞を通知する始動口入賞指定コマンドであるかを判定すればよい。
第1特図の保留記憶である場合、つまり、始動口入賞指定コマンドが第1始動入賞口への入賞を通知する始動口入賞指定コマンドである場合は、さらに時短制御中であるか否かを判定する(S244)。時短制御中であるか否かは、コマンド解析処理において、時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンド、又は時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドを受信したことに応じて、これら第2遊技状態指定コマンド又は第4遊技状態指定コマンドを受信したことを示す所定のフラグがセットされているか否かを判定すればよい。
時短制御中でない場合は(S244;N)、当該エントリに格納されている事前判定変動パターンコマンドを特定する(S245)。そして、S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンが属するカテゴリ(非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ)を判定する(S246)。
ここで、カテゴリとは、事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンが、擬似連や段階演出の実行有無に関わらず、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチのいずれを実行する変動パターンであるかを分類するための概念である。但し、カテゴリは、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチに分類するものに限らず、大当りとなるか否か、擬似連や段階演出を行うか否かといったように、より細かく分類するようにしてもよい。
次いで、乱数回路124等から変動中予告演出実行決定用乱数SR3を抽出し、S246で判定したカテゴリと、該抽出した追加予告演出実行決定用乱数SR3とに応じて、図26に示す追加予告演出実行決定割合に従って追加予告演出の実行・非実行を決定する(S247)。
図26に示す決定割合の設定例では、S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンが非リーチのカテゴリに属するとS246において判定した場合、10%の割合で追加予告演出の実行を決定し、90%の割合で追加予告演出の非実行を決定する。ノーマルリーチのカテゴリに属するとS246で判定した場合は、40%の割合で追加予告演出の実行を決定し、60%の割合で追加予告演出の非実行を決定する。また、S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチのカテゴリに属するとS246で判定した場合は、80%の割合で追加予告演出の実行を決定し、20%の割合で追加予告演出の非実行を決定する。従って、大当り期待度が高い程追加予告演出の実行割合が高く設定されているため、追加予告演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
S247の処理を実行した後は、追加演出を実行すると決定したか否かを判定する(S248)。S247において追加予告演出の実行を決定した場合は(S248;Y)、乱数回路124等から追加予告演出決定用乱数SR4を抽出し、S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンと、該抽出した追加予告演出決定用乱数SR4とに応じて、図26に示す決定割合に従って、実行する追加予告演出の種類を決定する(S249)。そして、実行する追加予告演出のフラグをONに設定する(S250)。
本実施例において実行される追加予告演出としては、図27(A)に示すように、演出表示装置5に特定のキャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告と、演出表示装置5に複数体のキャラクタが該演出表示装置5を横切るように表示される群予告とが予め用意されている。なお、図27(B)及び図27(C)にそれぞれ示すように、追加予告演出(セリフ予告及び群予告)は、段階予告演出や再変動予告演出と重複して実行される場合がある。
具体的には、図27(A)に示す決定割合の設定例では、S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンを特定し、非リーチハズレの変動パターン(PA1−1又はPA1−4)である場合は、95%の割合でセリフ予告の実行を決定し、5%の割合で群予告の実行を決定する。なお、短縮の非リーチハズレの変動パターンPA1−4である場合には、追加予告演出の実行を決定しないようにしてもよい。
S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンがノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1、PA2−2、PC2−1)である場合は、75%の割合でセリフ予告の実行を決定し、25%の割合で群予告の実行を決定する。スーパーリーチハズレの変動パターン(PA2−3〜PA2−5、PA2−6、PA2−7、PC2−2〜PC2−4)である場合は、50%の割合でセリフ予告の実行を決定し、50%の割合で群予告の実行を決定する。
また、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PA4−1、PA4−2、PC1−1)である場合は、25%の割合でセリフ予告の実行を決定し、75%の割合で群予告の実行を決定する。スーパーリーチ大当りの変動パターン(PA4−3〜PA4−8、PC1−2〜PC1−7)である場合は、5%の割合でセリフ予告の実行を決定し、95%の割合で群予告の実行を決定する。
上記によれば、大当り期待度が高い程、追加予告演出の種類として群予告の実行が決定される割合が高くなるように実行割合が設定されている。このため、群予告が実行されると、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を抱くことができる。
なお、S249の処理では、図27(A)に示すように、事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンを非リーチハズレ、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレ、ノーマルリーチ大当り、スーパーリーチ大当りの5種類の種別に分類する例を示しているが、S246,S247で追加予告演出の実行有無を決定する場合におけるカテゴリと同様の分類(非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ)としてもよい。また、大当りとなるか否か、再変動予告演出又は段階予告演出を行うか否かといったように、より細かく分類するようにしてもよい。
また、本実施例では、S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンが属するカテゴリを特定して、追加予告演出の実行有無及び追加予告演出の種類を決定する例を示しているが、主基板11の側で各変動パターンが属するカテゴリである非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの種別(非リーチハズレ、ノーマルリーチハズレ、スーパーリーチハズレ、ノーマルリーチ大当り、スーパーリーチ大当りの種別も含む。)を判定し、事前判定変動パターンコマンドに代えて、判定した変動パターンのカテゴリを特定可能なカテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
このようなカテゴリコマンドを送信する場合は、ハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cのそれぞれにおいて、各カテゴリに属する変動パターンに共通に割り当てられている判定値に基づき、抽出した変動パターン判定用の乱数値MR3がこれら共通の判定値に該当する場合にカテゴリコマンドを送信するようにする。そして、カテゴリコマンドを受信した場合に、追加予告演出の実行を該判定の対象となった保留記憶による変動表示の開始前に決定したり、該判定の対象となった保留記憶による変動表示に向けた先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
また、本実施例では、実行する追加予告演出の種類として、セリフ予告及び群予告を予め用意しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作に応じて演出表示装置5に特定の画像の表示等を実行する操作演出等を追加予告演出として実行するようにしてもよい。
次いで、特定した事前判定変動パターンが示す変動パターンに基づいて段階予告演出及び再変動予告演出の実行有無と、実行する場合はその種類を判定する(S251)。そして、サブルーチンとして保留決定処理を実行した後(S252)、予告演出決定処理を終了する。
図24は、保留決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図24に示す保留決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第1保留記憶表示エリア5D又は第2保留記憶表示エリア5Uにおいて表示される保留表示が、大当りとなること又は変動中予告演出(段階演出又は再変動予告演出)が実行されることを示唆する態様に変化することが決定されたことを示す保留表示変化決定済みフラグがセットされているか否かを判定する(S261)。
保留表示変化決定済みフラグがセットされている場合は(S252;N)、S251の判定結果に基づいて、段階予告演出又は再変動予告演出を実行するか否かを判定する(S262)。段階予告演出も再変動予告演出も実行しない場合は(S262;N)、乱数回路124等から保留表示変化実行決定用乱数SR1を抽出し、図23のS245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンと、該抽出した保留表示変化実行決定用乱数SR1とに応じて、図示しない保留表示変化実行決定テーブルを用いて大当りとなることを示唆する保留表示変化の実行・非実行を、図28に示すような割合で決定する(S263)。
図28に示す決定割合の設定例では、S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンが大当りの変動パターンである場合は、90%の割合で保留表示変化の実行を決定し、10%の割合で保留表示変化の非実行を決定する。また、S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンがハズレの変動パターンである場合は、10%の割合で保留表示変化の実行を決定し、90%の割合で保留表示変化の非実行を決定する。このように、変動表示結果が「大当り」となる場合には、「大当り」とならない場合よりも保留表示変化を実行すると決定される割合が高くなっている。従って、保留表示変化が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
そして、S263において保留表示変化の実行を決定したか否かを判定する(S264)。S263において保留表示変化の実行を決定した場合は(S264;Y)、保留表示の表示態様を大当りとなることを示唆する表示態様に変化すると決定したものとして、乱数回路124等から保留表示態様決定用乱数SR2を抽出し、図23のS245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンと、該抽出した保留表示態様決定用乱数SR2とに応じて、図29に示すような割合で保留表示態様を決定する(S265)。
図29に示す決定割合の設定例では、図23のS245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンが大当りの変動パターンである場合は、10%の割合で保留表示の表示態様を「白抜きの四角形(◇)」に決定し、90%の割合で保留表示の表示態様を「白抜きの星形(☆)」に決定する。S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンがスーパーリーチハズレの変動パターン(PA2−6、PA2−7)である場合は、40%の割合で保留表示の表示態様を「白抜きの四角形(◇)」に決定し、60%の割合で保留表示の表示態様を「白抜きの星形(☆)」に決定する。
また、図23のS245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンがノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)である場合は、70%の割合で保留表示の表示態様を「白抜きの四角形(◇)」に決定し、30%の割合で保留表示の表示態様を「白抜きの星形(☆)」に決定する。S245において特定した事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンが非リーチハズレの変動パターン(PA1−1又はPA1−4)である場合は、90%の割合で保留表示の表示態様を「白抜きの四角形(◇)」に決定し、10%の割合で保留表示の表示態様を「白抜きの星形(☆)」に決定する。つまり、本実施例では、第1保留記憶表示エリア5D又は第2保留記憶表示エリア5Uにおいて表示される保留表示の表示態様が「◇」又は「☆」で表示される場合には、保留表示の表示態様が「☆」で表示される場合の方が、保留表示の表示態様が「◇」で表示される場合よりも大当りとなる確率が高くなるように設定されている。
なお、本実施例では、このように段階予告演出又は再変動予告演出の実行が決定されない場合についても、保留表示を「◇」又は「☆」の表示態様で表示することにより大当りとなる可能性を示唆するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、段階予告演出又は再変動予告演出の実行が決定されない場合については、これらの「◇」又は「☆」の表示態様を決定しないようにしてもよい。
また、本実施例では、段階予告演出又は再変動予告演出の実行が決定された場合には、保留表示の態様を、図30に示すように、「大」、「中」、「小」の大きさと「白」、「黄」、「青」、「赤」の色の組合せによる態様とし、段階予告演出又は再変動予告演出の実行が決定されない場合には、実行が決定された場合とは全く態様が異なる「◇」又は「☆」の表示態様として、これらそれぞれの表示態様の保留表示を、段階予告演出又は再変動予告演出の実行が決定された場合と決定されない場合とで個別に行うこととするが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、段階予告演出又は再変動予告演出の実行が決定された場合において、段階予告演出又は再変動予告演出の実行が決定されない場合と同様に、最初に「◇」や「☆」の態様で表示した後に、決定された最終表示態様(例えば、「大」、「中」、「小」の大きさで「黄」、「青」、「赤」の表示態様)に変更するようにしてもよい。また、追加予告演出の実行が決定された場合には、段階予告演出又は再変動予告演出の実行が決定されない場合及び変動中予告演出の実行が決定されない場合(段階予告演出、再変動予告演出、追加予告演出のいずれの演出の実行も決定されない場合)と異なる表示態様の保留表示とするようにしてもよい。
なお、本実施例では、大当りとなることを示唆する保留表示の表示態様として「◇」と「☆」の2種類を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら「◇」と「☆」以外にも大当りとなることを示唆する保留表示の表示態様を設けるようにしてもよい。
そして、S265において保留表示の表示態様を決定した後は、表示未決定フラグ「1」のエントリの保留表示フラグ及び最終保留表示フラグの値にS265において決定した保留表示態様に応じた値をセットする(S266)。
なお、S266においては、図29に示すように、S265において決定した保留表示の表示態様が「◇」である場合は、保留表示フラグ及び最終保留表示フラグの値に「41」をセットし、S265において決定した保留表示の表示態様が「☆」である場合は、保留表示フラグ及び最終保留表示フラグの値に「42」をセットする。
そして、S266の実行後は、保留表示変化決定済みフラグをセットする(S267)。保留表示変化決定済みフラグがセットされている場合(S261;Y)、又は、保留表示変化の非実行を決定した場合は(S264;N)、表示未決定フラグ「1」のエントリの保留表示フラグ及び最終保留表示フラグの値に保留表示変化を実行しないことを示す「0」をセットする(S268)。
一方、段階予告演出又は再変動予告演出を実行する場合は(S262;Y)、S251の判定結果に基づいて、実行する変動中予告演出の種類を判定する(S269)。段階予告演出を実行すると判定した場合(S269;段階予告演出)、乱数回路124等から保留表示態様決定用(大きさ用)の乱数値SR5を抽出し、実行する変動中予告演出の種類と、該抽出した保留表示態様決定用乱数(大きさ用)SR5とに応じて、図30(A)に示す割合で、対象保留表示の大きさを決定する(S270)。
図30(A)に示す決定割合の設定例では、実行する変動中予告演出が段階予告演出のみである場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示のサイズを100%の割合で通常サイズ(小サイズ)の「○」に決定する。実行する変動中予告演出がセリフ予告を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示のサイズを90%の割合で小サイズよりも大きいサイズ(中サイズ)の「○」に決定し、10%の割合で中サイズよりも大きいサイズ(大サイズ)の「○」に決定する。実行する変動中予告演出が群予告を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示のサイズを10%の割合で小サイズよりも大きいサイズ(中サイズ)の「○」に決定し、90%の割合で中サイズよりも大きいサイズ(大サイズ)の「○」に決定する。
そして、S270の実行後は、乱数回路124等から保留表示態様決定用乱数(色用)SR6を抽出し、実行する変動中予告演出と、該抽出した保留表示態様決定用乱数(色用)SR6とに応じて、図30(B)に示すような割合で対象保留表示の色を決定する(S271)。
図30(B)に示す決定割合の設定例では、実行する変動中予告演出が段階予告演出(1段階)を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示の最終表示態様の色を85%の割合で「黄」に決定し、10%の割合で「青」に決定し、5%の割合で「赤」に決定する。
また、実行する変動中予告演出が段階予告演出(2段階)を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示の最終表示態様の色を60%の割合で「黄」に決定し、25%の割合で「青」に決定し、15%の割合で「赤」に決定する。実行する変動中予告演出が段階予告演出(3段階)を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示の最終表示態様の色を20%の割合で「黄」に決定し、30%の割合で「青」に決定し、50%の割合で「赤」に決定する。
実行する変動中予告演出が段階予告演出(中抜き3段階)を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示の最終表示態様の色を10%の割合で「黄」に決定し、20%の割合で「青」に決定し、70%の割合で「赤」に決定する。
つまり、本実施例では、保留表示の表示態様の色が「赤」の場合が最も段階予告演出(中抜き3段階)が実行される割合が高く、次いで保留表示の表示態様の色が「青」、「黄」の順で段階予告演出(中抜き3段階)が実行される割合が低くなるように設定されている。
S269で再変動予告演出を実行すると判定した場合(S269;再変動予告演出)、乱数回路124等からエフェクト態様決定用(炎の大きさ用)の乱数値SR7を抽出し、実行する変動中予告演出の種類と、該抽出したエフェクト態様決定用(炎の大きさ用)の乱数値SR7とに応じて、図31(A)に示す割合で、対象保留表示の大きさ(エフェクトの大きさ)を決定する(S272)。
図31(A)に示す決定割合の設定例では、実行する変動中予告演出が再変動予告演出のみである場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示のサイズ(エフェクトの大きさ)を100%の割合で通常サイズ(小サイズ)に決定する。実行する変動中予告演出がセリフ予告を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示のサイズ(エフェクトの大きさ)を80%の割合で小サイズよりも大きいサイズ(中サイズ)に決定し、20%の割合で中サイズよりも大きいサイズ(大サイズ)に決定する。実行する変動中予告演出が群予告を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示のサイズ(エフェクトの大きさ)を20%の割合で小サイズよりも大きいサイズ(中サイズ)に決定し、80%の割合で中サイズよりも大きいサイズ(大サイズ)に決定する。
そして、S272の実行後は、乱数回路124等からエフェクト態様決定用乱数(炎の色用)SR8を抽出し、実行する変動中予告演出と、該抽出したエフェクト態様決定用乱数(炎の色用)SR8とに応じて、図30(B)に示すような割合でエフェクトの色を決定する(S273)。
図31(B)に示す決定割合の設定例では、実行する変動中予告演出が再変動回数1回の再変動予告演出を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示の最終表示態様の色を85%の割合で「黄」に決定し、10%の割合で「緑」に決定し、5%の割合で「赤」に決定する。
また、実行する変動中予告演出が再変動回数2回の再変動予告演出を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示の最終表示態様の色を60%の割合で「黄」に決定し、25%の割合で「青」に決定し、15%の割合で「赤」に決定する。実行する変動中予告演出が再変動回数3回の再変動予告演出を含んでいる場合は、第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示の最終表示態様の色を20%の割合で「黄」に決定し、30%の割合で「青」に決定し、50%の割合で「赤」に決定する。
つまり、本実施例では、保留表示の表示態様の色が「赤」の場合が最も再変動回数3回の再変動予告演出が実行される割合が高く、次いで保留表示の表示態様の色が「青」、「黄」の順で再変動回数3回の再変動予告演出が実行される割合が低くなるように設定されている。
このように、本実施例では、段階予告演出が実行される場合には、段階予告演出が行われることを示唆する態様に保留表示を変化させ、再変動演出が実行される場合には、再変動表示が行われることを示唆する態様に保留表示を変化させるため、同時に示唆されることがなく、遊技者を混乱させて遊技興趣が低下することを防止することができる。
なお、本実施例では、実行する変動中予告演出と保留表示変化の態様(保留表示の表示態様であってエフェクト態様も含む)を異なるテーブルを用いて決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め実行する変動中予告演出毎に保留表示の表示態様の大きさ及び色を対応付けておき、例えば、実行する変動中予告演出を、変動中予告演出決定テーブルを用いて決定することで、保留表示の表示態様を、該決定した変動中予告演出に対応した態様に決定するようにしてもよい。つまり、同一のテーブルのみを用いて変動中予告演出と保留表示変化の態様を決定するようにしてもよく、これら変動中予告演出と保留表示変化の態様を決定する方法は、適宜に設定すればよい。
また、本実施例では、変動中予告演出(追加予告演出の有無と種類)を決定した後に保留表示変化の態様を決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記したように、変動中予告演出毎と保留表示の表示態様とが予め対応付けられた決定用テーブルを用いて、変動中予告演出毎と保留表示の表示態様とを同時に決定してもよいし、保留表示の表示態様を決定した後に、該保留表示の表示態様に対応した変動中予告演出(追加予告演出の有無と種類)を決定するようにしてもよい。
また、本実施例では、実行する変動中予告演出に応じて、本発明の先読み予告演出として、図32に示すように、保留記憶に対応する変動表示が開始される前に第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留表示を変化させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実行する変動中予告演出に応じて実行する先読み予告演出としては、変動中予告演出の実行が決定された保留記憶の変動表示が実行されるまでの変動表示において、実行する変動中予告演出に応じて、演出図柄の表示態様の変化や、背景画像の変化、スピーカ8L,8Rからの音出力、遊技効果ランプ9の発光等を実行するようにしてもよい。
なお、これらの先読み予告演出は、決定した変動中予告演出が実行される変動表示が開始される前の1の変動表示においてだけ実行されるものでも、決定した変動中予告演出が実行される変動表示が開始される前の複数の変動表示に亘って連続して実行されるものであってもよい。
S271又はS273の実行後は、表示未決定フラグが「1」のエントリの保留表示フラグの値に「0」をセットするとともに、最終保留表示フラグの値に、決定した保留表示の表示態様に応じた値をセットする(S274)。S274において最終保留表示フラグの値にセットされる値は、2桁の数値であり、図30(A)及び図31(B)、図31(A)及び図31(B)に示すように、決定した保留表示の大きさが小サイズである場合は最終保留表フラグの値の十の位に「1」又は「5」をセットし(段階予告演出の場合は「1」、再変動予告演出の場合は「5」)、中サイズである場合は最終保留表示フラグの値の十の位に「2」又は「6」をセットし(段階予告演出の場合は「2」、再変動予告演出の場合は「6」)、大サイズである場合は最終保留表フラグの値の十の位に「3」又は「7」をセットする(段階予告演出の場合は「3」、再変動予告演出の場合は「7」)。
一方、決定した保留表示の色が「黄」である場合は最終保留表示フラグの値の一の位に「2」又は「6」をセットし(段階予告演出の場合は「2」、再変動予告演出の場合は「6」)、「青」である場合は最終保留表フラグの値の一の位に「3」又は「7」をセットし(段階予告演出の場合は「3」、再変動予告演出の場合は「7」)、「赤」である場合は最終保留表フラグの値の一の位に「4」又は「8」をセットする(段階予告演出の場合は「4」、再変動予告演出の場合は「8」)。つまり、S274においては、最終保留表示フラグの値には、段階予告演出の場合、「12」〜「14」、「22」〜「24」、「32」〜「34」のうちのいずれかの数値がセットされ、再変動予告演出の場合、「56」〜「58」、「66」〜「68」、「76」〜「78」のうちのいずれかの数値がセットされる。
S274の実行後は、乱数回路124等から変化タイミング決定用乱数SR9を抽出し、実行する変動中予告演出と、該抽出した変化タイミング決定用乱数SR9とに応じて、図32(A)〜図32(C)に示すような割合で保留表示を変化させるタイミング(保留表示を変化させるまでの保留表示のシフト回数)を決定する(S275)。
なお、実行する変動中予告演出は、表示未決定フラグが「1」のエントリについて事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンに基づいて決定すればよい。また、第1保留記憶数は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて第1特図保留記憶数として記憶されている保留記憶数を特定すればよい。
S275では、図32(A)に示すように、実行する変動中予告演出がセリフ予告又は群予告を伴わない段階予告演出又は再変動予告演出である場合、第1保留記憶数が1つのみである場合は、100%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定する。また、第1保留記憶数が2つである場合は、10%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、90%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定する。第1保留記憶数が3つである場合は、5%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、10%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、85%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。そして、第1保留記憶数が4つである場合は、1%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、4%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、15%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定し、80%の割合で変化タイミング(シフト回数)を3と決定する。
図32(B)に示すように、実行する変動中予告演出がセリフ予告を伴う段階予告演出又は再変動予告演出である場合、100%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定する。また、第1保留記憶数が2つである場合は、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定する。第1保留記憶数が3つである場合は、35%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、35%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。そして、第1保留記憶数が4つである場合は、25%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、25%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、25%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定し、25%の割合で変化タイミング(シフト回数)を3と決定する。
図32(C)に示すように、実行する変動中予告演出が群予告を伴う段階予告演出又は再変動予告演出である場合、100%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定する。また、第1保留記憶数が2つである場合は、90%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、10%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定する。第1保留記憶数が3つである場合は、85%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、10%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、5%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。そして、第1保留記憶数が4つである場合は、80%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)に決定し、15%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、4%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定し、1%の割合で変化タイミング(シフト回数)を3と決定する。
つまり、本実施例における保留表示を変化させるタイミング(シフト回数)は、実行する変動表示演出の大当り期待度が高いほど入賞時に近いタイミングに決定され易い(少ないシフト回数に決定され易い)一方で、実行する変動表示演出の大当り期待度が低いほど遠いタイミングに決定され易い(多いシフト回数に決定され易い)ようになっている。なお、本実施例では、実行する変動表示演出の大当り期待度が高いほど保留表示を変化させるタイミングを入賞時に近いタイミングに決定し易くしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実行する変動表示演出の大当り期待度が高いほど保留表示を変化させるタイミングを入賞時から遠いタイミングに決定し易くしてもよい。
S275の実行後は、S275において決定した変化タイミングに応じた値をシフト回数カウンタの値にセットする(S276)。つまり、S275において変化タイミングを0に決定した場合はシフト回数カウンタの値に「0」をセットし、S275において変化タイミングを1に決定した場合はシフト回数カウンタの値に「1」をセットし、S275において変化タイミングを2に決定した場合はシフト回数カウンタの値に「2」をセットし、S275において変化タイミングを3に決定した場合はシフト回数カウンタの値に「3」をセットする。
次いで、保留表示変化決定済みフラグをセットし(S277)、変化タイミングが入賞時であるか否か、つまり、シフト回数カウンタにセットされた値は0であるか否かを判定する(S278)。変化タイミングが入賞時である場合は(S278;Y)、表示未決定フラグが「1」のエントリの保留表示フラグの値に最終保留表示フラグにセットされている値をセットし(S279)、変化タイミングが入賞時でない場合は(S278;N)、表示未決定フラグが「1」のエントリの保留表示フラグの値に「0」をセットする(S280)。
そして、S267、S268、S279又はS280の実行後は、表示未決定フラグが「1」のエントリの表示未決定フラグを「0」にセットして(S281)、保留決定処理を終了する。
なお、本実施例では、乱数値SR1〜SR9をそれぞれ別のタイミングで抽出しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら乱数値SR1〜SR9は、予告演出決定処理の開始時に纏めて抽出するようにしてもよい。
また、本実施例では、表示未決定フラグが「1」のエントリが第1特図の保留記憶である場合のみ変動中予告演出及びいずれの変動中予告演出が実行されるかを示唆する保留表示変化を実行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示未決定フラグが「1」のエントリが第2特図の保留記憶である場合においても変動中予告演出及びいずれの変動中予告演出が実行されるかを示唆する保留表示変化を実行するようにしてもよい。
図33(A)は、S72において実行される保留表示更新処理の処理内容を示すフローチャートである。
まず、図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドとして、第1始動入賞口を示す「B100(H)」のコマンドが記憶されている数に基づいて、第1始動入賞に対応する保留記憶数(第1特図保留記憶数)を特定し(S291)、その時点において第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶の表示数と一致しているか否か、つまり、保留記憶数に変化(増加又は減少)があったか否かを判定する(S292)。
該判定において一致している場合(保留記憶数に変化がない場合)には、S294に進む。一方、一致していない場合(保留記憶数に変化がある場合)には、S291で特定した第1保留記憶数の保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のそれぞれのエントリに格納されている保留表示フラグから特定される表示態様で第1保留記憶表示エリア5Dに表示し(S293)、その後、S294に進む。
S294では、S211と同様に、図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている始動口入賞指定コマンドとして、第2始動入賞口を示す「B200(H)」のコマンドが記憶されている数に基づいて、第2始動入賞に対応する保留記憶数(第2特図保留記憶数)を特定し、その時点において第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶の表示数と一致しているか否か、つまり、保留記憶数に変化(増加又は減少)があったか否かを判定する(S295)。
該判定において一致している場合(保留記憶数に変化がない場合)には、処理を終了する。一方、一致していない場合(保留記憶数に変化がある場合)には、S294で特定した第2保留記憶数の保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のそれぞれのエントリに格納されている保留表示フラグから特定される表示態様で第2保留記憶表示エリア5Uに表示し(S296)、その後、当該処理を終了する。
このような処理を行うことにより、変動表示の開始時に実行される、後述する演出図柄変動開始処理において保留記憶が消費されて、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶がシフトされた場合には、シフト後の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶に基づいて、図33(B)に示すように、第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示もシフトされて表示されるとともに、始動入賞により、新たな保留記憶があった場合には、該保留表示更新処理の前に実行される前述した予告演出決定処理で当該保留記憶の表示パターンが決定されて保留表示フラグにセットされ、該保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた表示態様で、第1保留記憶表示エリア5Dや第2保留記憶表示エリア5Uに表示されるようになる。
具体的には、図33(B)に示すように、第1特図保留記憶数が1つであれば1つの保留記憶表示を表示する。この保留記憶表示の表示態様としては、該保留記憶に対応する保留表示フラグのフラグ値が「0」である場合には、図33(B)に示すように小サイズの「○」の表示態様で表示される。
なお、第1特図保留記憶数が2つであれば、2つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様で第1保留記憶表示エリア5Dに表示される。また、第1特図保留記憶数が3つであれば、3つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様で第1保留記憶表示エリア5Dに表示される。また、第1特図保留記憶数が4つであれば、4つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様で第1保留記憶表示エリア5Dに表示される。
また、第2特図保留記憶数が1つであれば1つの保留記憶表示を表示する。この保留記憶表示の表示態様としては、第1特図の場合と同じく、該保留記憶に対応する保留表示フラグのフラグ値が「0」である場合には、小サイズの「○」の表示態様で表示される。なお、第2特図保留記憶数が2つであれば、例えば、図33(B)に示すように、2つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様で第2保留記憶表示エリア5Uに表示される。また、第2特図保留記憶数が3つであれば、3つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様で第2保留記憶表示エリア5Uに表示される。また、保留記憶数が4つであれば、4つの保留記憶表示が表示され、それぞれの保留記憶表示が、対応する保留記憶の保留表示フラグにセットされたフラグ値に応じた態様で第2保留記憶表示エリア5Uに表示される。
そして、変動表示が実行される毎に、保留記憶が減少(消費)されることに応じて、図32(B)に示すように、保留記憶表示も、所定のシフト方向(本実施例では画面の中央方向)にシフトする。
図34は、図22に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S371において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S371)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S371;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S372)。なお、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S371において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S371;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S373)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S373;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S373;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトしたのち(S374)、S375に進む。
よって、第2始動入賞口への入賞があって、第2特図の変動表示が割り込んで実行されることにより第2変動開始コマンド受信フラグを受信したときには、S374a〜S374dの処理を実行しないことにより、シフト回数カウンタの値が算されないようになっている。なお、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
このように本実施例では、第2変動開始コマンド受信フラグを受信したときには、S374a〜S374dの処理を実行しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2始動入賞口への入賞があって第2始動口入賞指定コマンドを含む始動入賞時受信コマンドを受信したときにシフト回数カウンタの値に1を加算しておき、第2変動開始コマンド受信フラグを受信したときにも、第1変動開始コマンド受信フラグを受信したときと同じく、S374a〜S374dの処理を実行するようにしてもよい。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S372の実行後、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S374a)。シフト回数カウンタの値が1以上である場合は(S374a;Y)、シフト回数カウンタの値を−1し(S374b)、シフト回数カウンタの値が0となったか否かを判定する(S374c)。シフト回数カウンタの値が0となった場合は(S374c;Y)、最終保留表示フラグがセットされているエントリと同一エントリの保留表フラグの値に、該最終保留表示フラグの値をセットする(S374d)。
S374aにおいてシフト回数カウンタの値が0である場合(S374a;N)、S374cにおいてシフト回数カウンタの値が0でない場合(S374c;N)及びS374dの実行後は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S375)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S376)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すればよい。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すればよい。
続いて演出制御用CPU120は、図23で設定した追加予告演出の実行フラグと変動パターン指定コマンドとに応じたプロセステーブル(演出制御パターン)を選択する(S381)。再変動演出や段階予告演出は、図5に示したように変動パターンで定められており、変動パターン指定コマンドにより指定される。また、追加予告演出(セリフ予告、群予告)は、前述した実行フラグにより実行有無が決定されている。このため、追加予告演出の実行フラグと変動パターン指定コマンドとに応じたプロセステーブルを選択することで、再変動予告、段階予告、再変動予告+追加予告、段階予告+追加予告の全ての変動中予告演出が実行可能となる。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S382)。
なお、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプ及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新して(S286)、演出図柄変動開始処理を終了する。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を「−1」する(S301,S302,S303)。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。
また、演出制御用CPU120は、次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等のプロセスデータの内容に従って、演出装置(演出用部品)を制御する(S309)。
S309では、再変動予告演出における再変動のタイミングや段階予告演出における次段階の演出を実行するタイミングである場合には、再変動の回数又は段階数に応じた各演出において共通の指標情報を表示する。ここで、指標情報は、実行中の再変動予告演出における再変動の回数や実行中の段階予告演出における段階数を、例えば数字(「×1」、「×2」、「×3」など)により示すものである。
なお、指標情報は、このような数字に限られず、例えば、再変動の回数や段階演出の段階が進むごとに「○」の数が増えていくようなものや、キャラクタを順次に表示するものや、背景画像を順次に変化させるものなどであってもよい。
また、この他にも、指標情報として、再変動の回数や段階演出の段数に応じて、異なる色の背景やキャラクタを表示させるようにし(例えば黄−緑−赤)、同じ回数や段数では共通の色の背景やキャラクタを表示させるようにして、遊技者に同じ回数や段数であることを示唆するようにしてもよい。
また、これらの予告演出における総回数(総段数)を分母とし、現在の再変動の回数や段階演出の段数を分子とする分数形式の指標情報を表示させるなどして、当該変動において将来的に何回の再変動予告演出や段階予告演出が実行されるかを遊技者に示唆するようにしてもよい。例えば、総回数を3回とする再変動予告や総段数を3段とする段階予告演出を行う場合には、指標情報として、1回目(1段目)では「1/3」を表示させ、2回目(2段目)では「2/3」を表示させ、3回目(3段目)では「3/3」を表示させるようにしてもよい。
また、指標情報は、再変動予告演出が実行される場合と段階予告演出が実行される場合とで演出表示装置5における共通の位置に表示させるようにすればよい。この際、指標情報は、保留表示や第4図柄の表示を妨げない位置や、可動役物が作動した場合にその可動役物によって妨げられない位置といった、遊技者が常に視認可能な位置(視認性が妨げられない位置)に表示させるようにするとよい(S309で設定して表示)。また、この場合、遊技者の視認性が妨げられない位置として、演出表示装置5とは別に設けられたサブ液晶表示装置に指標情報を表示させるようにしてもよい。
これによれば、指標情報は実行中の演出や表示情報(保留表示や第4図柄)を妨げることがないため、遊技者に遊技の進行状況を視認可能とすることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、例えば、再変動予告演出が実行される場合において表示される指標情報と、段階予告演出が実行される場合において表示される指標情報とをそれぞれ別の場所(演出表示装置5における別の場所)に表示するようにしてもよい。
さらに、再変動や段階毎に演出表示装置5における表示位置を異ならせてもよい。この場合、いずれの位置に表示するかを、表示用の乱数を用いて逐次決定するようにしてもよい。また、大当り期待度に応じて表示位置を異ならせるようにしてもよい。
これによれば、指標情報がいずれの位置に表示されるかに対する遊技者の期待感を向上させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、再変動予告演出又は段階予告演出が実行されることを示唆する保留表示変化とは別に、再変動予告演出又は段階予告演出を実行する場合、それぞれの予告演出が実行されることを示唆する示唆演出として煽り演出を行ってもよい。具体的には、再変動予告演出が実行される場合には、再変動予告演出に対応する再変動煽り演出(仮停止示唆演出)を行い、段階予告演出が実行される場合には、段階予告演出に対応する段階煽り演出(段階示唆演出)を行えばよい。
煽り演出としては、例えば、パチンコ遊技機1に設けられる可動役物を作動させることが考えられる。この場合は、可動役物を作動させるモータを演出制御基板12に接続し、演出制御基板12がモータに制御信号を出力して、可動役物を作動させるようにすればよい。この場合の役物としては、キャラクタを象ったフィギュア役物や、ロゴを表示させるロゴ役物、ライトを表示させるライト役物(例えばサーチライト)等の役物を構成することができる。
煽り演出では、フィギュア役物を振動させたり、ロゴ役物を落下させたり、ライト役物を発光させるなどの演出を行うことができる。この場合、再変動予告演出が行われる場合と、段階予告演出が行われる場合とで、異なる煽り演出を行うようにするとよい。例えば、再変動予告演出が行われる場合はフィギュア役物を作動させ、段階予告演出が行われる場合はライト役物を作動させるなどすればよい。また、再変動の回数や段階予告の段数が多くなるほど大当り期待度が高いため、回数や段数が多いほど、いわゆる熱い状態であることを示す煽り演出を行うとよい。例えば、再変動の回数が多いほど、フィギュア役物の振動回数を多くしたり振動の時間を長くするなどすればよい。また、段階予告の段数に応じて、ライト役物を発光させる色を変化させる(黄<緑<赤)などすればよい。
また、役物を作動させる他に、再変動予告演出や段階予告演出が行われることを示唆するために、演出画面に特別なキャラクタを表示させたり、演出画面にカットイン予告を表示させたり、演出画面にフラッシュを表示させるなどの煽り演出を行ってもよい。この場合も、再変動予告演出が行われる場合と、段階予告演出が行われる場合とで、異なる煽り演出を行うようにするとよい。例えば、再変動予告演出が行われる場合はカットイン予告を表示させ、段階予告演出が行われる場合はフラッシュを発光させるなどすればよい。この場合、再変動の回数が多いほど、カットイン予告のカットイン回数を多くしたり、より熱いことを示す内容のカットイン予告を表示させるようにすればよい。また、段階予告の段数が多いほど、より熱い状態であることを示す色でフラッシュを表示させる(黄<緑<赤)などすればよい。
これらの再変動煽り演出や段階煽り演出を行うタイミングは、例えば、再変動予告演出や段階予告演出が行われる変動における演出図柄の変動表示中のタイミング、つまり一の変動表示中のタイミングとしてもよいし、当該変動よりも前の変動における演出図柄の変動表示中のタイミングとしてもよい。また、再変動煽り演出と段階煽り演出とは、開始のタイミングや終了のタイミングを同じとしてもよいし、開始のタイミングや終了のタイミングを異ならせてもよい。再変動煽り演出と段階煽り演出とは、その一部又は全部が重ならないようにすることが望ましい。
また、一の変動表示中に、再変動煽り演出と段階煽り演出とを同時に行う同時煽りは禁止するようにする。つまり、一の変動表示中には、再変動煽り演出(仮停止示唆演出)及び段階煽り演出(段階示唆演出)のいずれか一方を実行するようにする。これは、遊技者を混乱させて遊技興趣が低下することを防止するためである。なお、このような煽り演出を制御するためのデータは、図34のS381で選択されるプロセステーブルに設定しておくことができる。
次に、変動制御タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。具体的には、再変動予告演出における仮停止のタイミングであれば、仮停止表示時の演出図柄(仮停止図柄の組合せ)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。
表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図36は、パチンコ遊技機1の演出表示装置5の表示画面の一例を示す図である。
先ず、図36(A)及び図36(B)に示すように、演出表示装置5において演出図柄の変動表示中に普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞(始動入賞)すると、第1保留記憶表示エリア5Dにおいて新たな保留表示が表示される。
なお、本実施例では、該始動入賞により変動中予告演出として群予告及び段階予告演出(中抜き3段階)の実行が決定されるとともに、保留表示変化タイミングが0(入賞時)と決定されることで、新たな保留表示は、第1保留記憶表示エリア5Dにおいて大サイズの黄色○の表示態様で表示される。
そして、図36(C)及び図36(D)に示すように、該始動入賞以前に入賞した保留記憶に伴う変動表示が全て実行された後、該始動入賞により生じた保留記憶に伴う変動表示が開始されると、先ず、図36(E)及び図36(F)に示すように、演出表示装置5を複数体のキャラクタが横切る群予告が実行され、該群予告の実行後は、段階予告演出の1段階目として、演出表示装置5に特定のキャラクタの画像が小さく表示される。このとき、図36(F)に示すように、段階予告演出における1段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×1」が画面右下に表示される。
次いで、図36(G)に示すように、段階予告演出の1段階目の実行後は、該段階予告演出の1段階目のマスコットキャラクタの画像が演出表示装置5から消去された後、段階予告演出の2段階目が実行されない。このため、遊技者は、表示されていた保留表示の態様と併せて実行された段階予告演出が1段階目のみの段階予告演出(1段階)であると推測する。しかし、図36(H)に示すように、段階予告演出の3段階目の実行期間となることで、段階予告演出の3段階目として演出表示装置5に1段階目とは異なるマスコットキャラクタの画像が段階予告演出の1段階目よりも大きく表示される。
このように、段階予告演出の1段階目が実行された後に2段階目が実行されずに3段階目が実行されることで、該段階予告演出の3段階目が実行される直前まで段階予告演出が1段階目のみであると推測していた遊技者に意外感を与えることができる。このとき、図36(H)に示すように、段階予告演出の3段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×3」が画面右下に表示される。
なお、段階予告演出の終了後は、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rで演出図柄がリーチを示す組み合わせで停止するノーマルリーチとなり、演出図柄が大当り又はハズレの組み合わせで導出表示される。或いは、該ノーマルリーチからスーパーリーチの演出が実行され、演出図柄が大当り又はハズレの組み合わせで導出表示される。
なお、本実施例では、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rで演出図柄がリーチを示す組み合わせで停止するよりも前のタイミングにおいて段階予告演出を実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rで演出図柄がリーチを示す組み合わせで停止した後のタイミングにおいて段階予告演出を実行するようにしてもよい。
図37及び図38は、演出表示装置5の演出画面の別例を示す図である。
図37(A)〜(D)は、段階予告演出が実行される場合に演出表示装置5に表示される演出画面の一例を示す図である。
まず、図37(A)に示すように、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始された後、図37(B)に示すように、段階予告演出の1段階目の演出が行われる。この1段階目の演出では、画面の中央部にマスコットキャラクタAが登場するとともに、段階予告演出における1段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×1」が画面右下に表示される。
次いで、図37(C)に示すように、段階予告演出の2段階目が行われる。この2段階目の演出では、画面の中央部にマスコットキャラクタAよりも大きいマスコットキャラクタBが登場するとともに、段階予告演出における2段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×2」が画面右下に表示される。
次いで、図37(D)に示すように、段階予告演出の3段階目が行われる。この3段階目の予告演出では、画面の中央部にマスコットキャラクタBよりも大きいマスコットキャラクタCが現れるとともに、段階予告演出における3段階目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×3」が画面右下に表示される。
このように、段階予告演出として、段数が上がるにつれ、より大きなマスコットキャラクタを表示させるステップアップ型の段階予告演出を行うことで、遊技者は、大当りが発生するのではないかとの期待度を高めることができる。さらに、段階予告演出の段数を示す指標情報として段数を示す表示を行うことで、マスコットキャラクタの演出と併せて、遊技者は大当りの発生に期待を膨らませることができる。
図37(E)〜図38(K)は、再変動予告演出(擬似連)が実行される場合に演出表示装置5に表示される演出画面の一例を示す図である。
図37(E)に示すように変動表示が開始された後、図37(F)に示すように第1擬似連チャンス目(112)が仮停止表示される(仮停止1回目)。この際、画面の右下に、再変動予告演出における1回目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×1」が画面右下に表示される。この場合の回数表示の表示位置及び表示態様は、図36(B)と同じである。
その後、図37(G)に示すように再変動が開始され(再変動1回目)、図37(H)に示すように第2擬似連チャンス目(334)が仮停止される(仮停止2回目)。この際、再変動予告演出における2回目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×2」が画面右下に表示される。この場合の回数表示の表示位置及び表示態様は、図36(C)と同じである。
その後、図38(I)に示すように再変動が開始され(再変動2回目)、図38(J)に示すように第3擬似連チャンス目(556)が仮停止される(仮停止3回目)。この際、再変動予告演出における3回目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×3」が画面右下に表示される。この場合の回数表示の表示位置及び表示態様は、図36(D)と同じである。
このように再変動予告演出を実行する場合と段階予告演出を実行する場合とで、いずれも共通の回数表示を行うことで、遊技者は大当りとなる期待度を容易に認識することができ、遊技興趣を向上させることができる。また、同じ位置に同じ態様の指標情報を表示することで、再変動予告演出と段階予告演出とのいずれが実行された場合であっても、遊技者は混乱することなく、演出の種類こそ異なるものの、いずれも大当りに絡む熱い演出であると認識することができる。
図39は、演出表示装置5の演出画面の別例を示す図である。
図39(A)には、変動表示中に画面下部の第1保留記憶表示エリア5Dに2つの保留が表示されている状態を示している。
その後、図39(A)の変動表示中に第1始動入賞口に遊技球が入賞したことで、図39(B)に示すように、第1保留記憶表示エリア5Dにおいて新たな保留表示が表示されている。ここで、この遊技球の入賞に伴い、図5の変動パターンに基づいて擬似連1回を実行することが決定され、これに対応する予告演出である再変動予告演出(1回)と追加予告演出として群予告とを実行することが決定されたとする。また、入賞に伴う新たな保留が保留表示変化させるターゲット保留に決定され、保留表示変化させるまでのシフト回数として1回(シフト回数=1)が設定されたとする。
次いで、図39(B)の変動表示が停止して、「195」でなる演出図柄の組合せが停止した状態が図39(C)に示されている。その後、図39(D)に示すように、ターゲット保留が1つ分だけ右にシフトし、ターゲット保留にエフェクトが発生している(シフト回数カウンタ=0)。具体的には、擬似連の発生を予告するエフェクトとして、大きさが「中」で、色が「赤」である炎のエフェクトがターゲット保留に発生している。
次いで、図39(E)には、最新の保留が消化されて、「862」でなる演出図柄の組合せが停止した状態が示されている。その後、図39(F)に示すように、ターゲット保留について変動表示が開始されるが、追加予告演出として、図39(G)に示すようにキャラクタ群が登場する群予告が発生している。そして、その後、図39(H)に示すように、第1擬似連チャンス目(112)が仮停止表示(仮停止1回目)している。この際、再変動予告演出における1回目の演出であることを示す指標情報として、矩形の枠で囲まれた「×1」が画面右下に表示される。
このように、再変動予告演出が実行される場合には、再変動予告演出が行われることを示唆するために保留に炎のエフェクトを追加するため、遊技者は保留にエフェクトが追加されたことを確認することで、再変動予告の発生を予期するとともに、大当りの発生を期待することができる。特に、追加されたエフェクトが大きい場合や、追加されたエフェクトが赤色に変化した場合は、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を抱くことができる。
また、段階予告演出が実行される場合は保留表示態様(保留の大きさや色)を変化させることにしているため、遊技者は保留の大きさや色が変化したことを確認することで、段階予告演出の発生を予期するとともに、大当りの発生を期待することができる。特に、保留が大きく変化した場合や、保留が赤色に変化した場合は、遊技者は大当りが発生するのではないかとの期待感を抱くことができる。
また、本実施例では、普通入賞球装置6Aを遊技球が通過したときに変動中予告演出を決定し、決定した変動中予告演出に対応した先読み予告演出を実行するため、適切な先読み予告演出を実行できるので、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、特殊段階演出として、2段階目を経由することなく3段階目の演出を実行する中抜き3段階を実行する場合があるので、遊技者に意外感を与えることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、中抜き3段階に対応する先読み予告演出として、段階予告(1段階)に対応する先読み予告演出と同一の先読み予告演出が実行されるので、先読み予告演出によって中抜き3段階であることが遊技者に認識されてしまうことによって、中抜き3段階の演出効果が低下してしまうことを防止することができる。
また、事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンに応じて異なる予告演出を決定能であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されるコマンドの容量を増やすことなく、演出パターンを増やすことができる。
また、一の変動表示において複数種類の予告演出が実行されるとともに、複数種類の予告演出が実行される変動表示が開始される前において、複数種類の予告演出に対応した先読み予告演出が実行されるので、興趣を向上できる。
また、保留表示を変化させるタイミングを複数のタイミングから決定することができるので、遊技興趣を向上できる。
[変形例]
本発明を適用可能な実施例は、上記の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。なお、上記の実施例と同一の構成については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
上記の実施例では、遊技機の一例として通常のパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、遊技球が遊技機内部に循環可能に内封(封入)され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、いわゆる封入玉式のパチンコ遊技機(封入式パチンコ遊技機)に本発明を適用することも可能である。
また、本発明に係る遊技機をスロットマシンとすることも可能である。
スロットマシンでは、リール上にベルやスイカ、チェリー、ブドウ、赤7、青7、BARといった各々を識別可能な複数種類の図柄(識別情報)が変動表示され、例えば、該変動表示の表示結果として予め定められた特定表示結果(ボーナス図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(ボーナス)に制御されるものが存在する。例えば、赤の「7−7−7」が導出表示された場合はビッグボーナス(BB)に制御され、「BAR−BAR−BAR」が導出表示された場合はレギュラーボーナス(RB)に制御されるものが存在する。
ここで、スロットマシンにおける擬似遊技演出を対象として、上記の実施例における再変動予告を対象とした場合と同様の指標情報の表示処理を実行するようにするとよい。擬似遊技演出とは、1回の変動表示(1ゲーム)において遊技者の操作(ストップボタンの操作)に応じた表示結果の導出表示前に、遊技者の操作に応じて所定の仮停止図柄(例えば白7−白7−白7)を複数回仮停止させることを可能とする演出である。これにより、実際には表示結果が複数回にわたり導出表示されているわけではないが、あたかも表示結果が複数回にわたり導出表示されているかのように遊技者に見せることができる。なお、擬似遊技演出はあくまでも擬似的に遊技しているかのように見せる演出であるため、擬似遊技演出の実行中に仮に特定表示結果と同じ仮停止図柄が仮停止したとしても、遊技者にメダルは付与されない。
また、1回の変動表示(1ゲーム)において、演出表示装置において上記の実施例のような段階演出を実行するようにしてもよい。そして、擬似遊技演出における仮停止回数を表示するときと(擬似遊技演出を実行するとき)、段階演出における段階数を表示するとき(段階演出を実行するとき)とで、共通の指標情報を表示させるようにすればよい。なお、スロットマシンにおいて、擬似遊技演出は実行されないものの、演出表示装置等において、上記パチンコ遊技機1における再変動予告演出と同様の演出を実行するようにしてもよく、この場合は、再変動予告演出を実行するときと、段階演出を行うときとで、共通の指標情報を表示させるようにすればよい。
なお、この場合、パチンコ遊技機と同様に、通常のスロットマシンではなく、遊技メダルが内部に循環可能に封入された封入メダル式のスロットマシン(封入式スロットマシン)を本発明に係る遊技機とすることも可能である。
上記の実施例では、再変動予告演出の実行の有無及び実行回数、ならびに段階予告演出の実行の有無及び実行回数が予め変動パターン毎に決定されている例について説明したが、このような形態に限らず、予め変動パターンコマンド毎にリーチ演出の有無及びリーチ演出の種別が決定されているものの、再変動予告演出の実行の有無及び実行回数、ならびに段階予告演出の実行の有無及び実行回数は決定されていないようにしてもよい。そして、事前判定変動パターンコマンドや変動パターンコマンドを受信した演出制御用CPU120がこれらを決定するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、再変動予告演出において、変動表示される演出図柄(「1」〜「9」の数字図柄)の組合せであるチャンス目(「112」、「223」、「334」、「556」、「667」、「778」、「889」)のいずれかが仮停止される例について説明したが、このような演出に加えて、前述したように、変動表示されていない図柄であって、仮停止表示が行われるときに出現する特殊図柄を含む演出図柄の組合せ(例えば「1−継続−1」や「1−続く−1」、「1−NEXT−1」)を仮停止させる演出を実行可能な遊技機を構成してもよい。このように両演出を実行可能な遊技機において、例えば、前者の演出におけるチャンス目の仮停止回数に応じた指標情報と、後者の演出における特殊図柄の仮停止回数に応じた指標情報とは、共通態様にするとよい。
また、このように両演出を実行可能な遊技機において、前者のチャンス目を仮停止させる演出は再変動予告演出(仮停止演出)としてそれに伴う演出を行い、後者の特殊図柄を仮停止させる演出は段階予告演出(段階演出)としてそれに伴う演出を行うようにしてもよい。つまり、特殊図柄を仮停止させる演出を、仮停止演出ではなく段階演出として取り扱うこととしてもよい。この場合、例えば、前者の演出におけるチャンス目の仮停止回数に応じて仮停止事前演出(例えば保留表示変化予告:保留表示態様(保留の大きさ、色)を変化)を実行するようにし、後者の演出における特殊図柄の仮停止回数に応じて段階事前演出(例えば保留表示変化予告:保留のエフェクト態様(炎の大きさ、色)を変化)を実行するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、再変動予告演出(擬似連)や段階予告演出(段階演出)の実行が主基板11(メイン)側で変動パターンとして予め定められており、演出制御基板12(サブ)側で、主基板11から受信した事前判定変動パターンコマンドに基づいて再変動演出や段階予告演出の実行を決定することとして説明した。しかし、このようにするのではなく、主基板11側では再変動予告演出や段階予告演出に共通の変動パターンを定めておき、演出制御基板12側で、再変動予告演出や段階予告演出の実行有無及び実行する再変動予告演出や段階予告演出の種類を決定してもよい。つまり、変動パターンを用いずに、再変動予告演出や段階予告演出を実行するようにしてもよい。
この場合は、図5の変動パターンテーブルにおいて、変動パターンとして、PA1−1〜PA1−4の他に、例えば、ノーマルリーチ(ハズレ)、スーパーリーチα(ハズレ)、スーパーリーチβ(ハズレ)、ノーマルリーチ(大当り)、スーパーリーチα(大当り)、スーパーリーチβ(大当り)といった擬似連や段階演出に共通の変動パターンを定めておき、主基板11が、これらの変動パターンに対応する事前判定変動パターンコマンドを演出制御基板12に出力するようにする。
そして、演出制御基板12は、主基板11から受信した事前判定変動パターンコマンドに応じて、段階演出の実行有無及び段階数を決定する。この場合は、図11(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに、主基板11から受信した事前判定変動パターンコマンドに対応付けて、段階予告演出の実行有無及び実行する場合はその種類を記憶させておく。そして、主基板11から該事前判定変動パターンコマンドに対応する変動パターン指定コマンドを受信した場合に、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの該事前判定変動パターンコマンドに対応付けて記憶されている段階予告演出の実行有無及び種類に基づいて、段階予告演出を実行するようにすればよい。
また、演出制御基板12は、主基板11から受信した事前判定変動パターンコマンドに応じて、再変動演出の実行有無及び再変動回数を決定する。この場合も、図11(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに、主基板11から受信した事前判定変動パターンコマンドに対応付けて再変動予告演出の実行有無及び実行する場合はその種類を記憶させておく。そして、主基板11から該事前判定変動パターンコマンドに対応する変動パターン指定コマンドを受信した場合に、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの該事前判定変動パターンコマンドに対応付けて記憶されている再変動予告演出の実行有無及び種類に基づいて、再変動予告演出を実行するようにすればよい。
また、上記の実施例では、擬似連(再変動予告演出)の最大回数を3回としたが、この最大回数は3回に限らず、2回としてもよいし、3回よりも多い数としてもよい。同様に、段階予告演出についても、最大段数を3段とするのではなく、2段としてもよいし、3段よりも多い段数としてもよい。3段よりも多い段数とする場合、特殊段階演出である中抜き段階予告演出については、1段飛ばしとしてもよいし、2段以上飛ばしとしてもよい。例えば、段数を4段とするのであれば、2段目を飛ばして1段目→3段目→4段目としてもよいし、3段目を飛ばして1段目→2段目→4段目としてもよい。また、2段目及び3段目を飛ばして、1段目→4段目としてもよい。
また、上記の実施例では、段階予告演出を段階毎に上位の演出を行うステップアップ型の段階予告演出として説明した。具体的には、上記の実施例では、段階が進むにつれてより大きなキャラクタを表示させて、ステップアップであることが遊技者に報知されるようにした。しかし、このようなステップアップ型の段階予告演出に限らず、全ての段数や一部の段数について同じ演出を行う段階予告演出を実行するようにしてもよい。例えば、段数に関わらず同じキャラクタを表示させるようにしてもよい。この場合、同じ演出が繰り返されることになるため、一見すると大当り期待度が分かりにくいようであるが、段階予告演出の段階数を示す指標表示(回数表示)を表示させることにしているため、この指標表示を確認し、段階予告の回数を確認することで、遊技者は大当り期待度を判断することができる。
また、上記の実施例では説明していないが、例えば、変動表示を擬似連チャンス目(特定態様)とは異なる所定チャンス目(所定態様)で仮停止させた後に段階予告演出を行う変動パターンを定めておき、擬似連チャンス目とは異なる所定チャンス目を仮停止させた後に、段階予告演出を行うようにしてもよい。つまり、変動表示を特定態様とは異なる所定態様で仮停止させた後に、段階演出を実行するようにしてもよい。この場合に段階予告演出を実行する契機となる所定チャンス目は、擬似連チャンス目とは異なる数字図柄の組合せの中から選択することができ、例えば「123」、「345」、「567」といった順目の数字図柄の組合せや、「321」、「543」、「765」といった逆目の数字図柄の組合せとしてもよいし、他の数字図柄の組合せとしてもよい。
また、リーチ状態となった後に再変動予告演出や段階予告演出が実行されるようにしてもよい。リーチ状態とは、前述したように、演出表示装置の表示領域で停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、或いは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことを言う。
具体的には、リーチ状態として左右に同じ数字図柄を停止させた状態で真ん中の数字図柄のみを変動させ、「継続」や「続く」等の文字を画面に表示させた後に擬似連チャンス目を仮停止表示させ、その後に再変動予告演出を行うようにしてもよい。また、リーチ状態として左右に同じ数字図柄を停止させた状態で真ん中の数字図柄のみを変動させ、「NEXT(next)」等の文字を表示させて、その後に段階予告演出を行うようにしてよい。また、スーパーリーチ中に、お助けキャラクタが順次に登場するような段階予告演出を行ってもよい。これによれば、リーチ状態となった後に再変動予告演出や段階予告演出が実行される場合があるため、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、上記の実施例では、セリフ予告に加えて段階予告又は再変動予告演出が実行される場合と、群予告に加えて段階予告又は再変動予告演出が実行される場合とがあるが、本発明はこれに限定されるものではなく、セリフ予告、群予告及び段階予告や、セリフ予告、群予告及び再変動予告演出といったように、全てが実行されるようにしてもよい。この場合には、これらセリフ予告と群予告の両方を実行する場合に対応する保留表示態様の実行割合を、図30(A)及び図31(A)乱数(大きさ用)において設定すればよい。SR5の判定値を最終表示態様(大きさ)決定テーブルに設定すればよい。
また、上記の実施例では、入賞時に大当りの変動表示結果とするか否かや、いずれの変動パターンとするかの判定を行うこととして説明したが、これらの判定を行うタイミングは、当該入賞に対応する変動表示が開始されるまでのタイミングであればよく、そのタイミングは問わない。また、当該入賞に対応する変動表示が開始されるタイミング(変動開始時)に判定を行うようにしてもよい。
また、上記の実施例では、第1保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示の変化を、変動表示が開始されるタイミングで実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示の変化は、変動表示中や変動終了時に実行するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、図30に示すように、段階予告演出及び段階予告演出と追加予告演出との組合せに応じて先読みとする保留表示変化の態様(保留表示の大きさ、色)を決定することとして説明したが、このようにするのではなく、段階予告演出の実行有無のみに応じて先読みとする保留表示変化の態様(保留表示の大きさ、色)を決定することとしてもよい。再変動予告についても同様であり、図31に示すように、再変動予告演出及び再変動予告演出と追加予告演出との組合せに応じて先読みとする保留表示のエフェクト態様(エフェクトの大きさ、色)を決定することとして説明したが、このようにするのではなく、再変動予告演出の実行有無のみに応じて先読みとする保留表示変化の態様(保留表示の大きさ、色)を決定することとしてもよい。
また、再変動予告における再変動の回数や段階予告演出における段数に基づいて保留表示変化の態様(保留表示の大きさ、色)やエフェクト態様(エフェクトの大きさ、色)を決定するのではなく、再変動予告演出の実行有無や段階予告演出の実行有無に基づいて保留表示変化の態様(保留表示の大きさ、色)やエフェクト態様(エフェクトの大きさ、色)を決定してもよい。例えば、段階予告演出を実行すると決定した場合は、保留表示(○)の大きさを「大」としたり、保留表示(○)の色を「赤」とするように保留表示変化の態様を決定してもよい。また、再変動予告を実行すると決定した場合は、保留のエフェクト(炎)の大きさを「大」としたり、保留のエフェクト(炎)の色を「赤」とするようにエフェクト態様を決定してもよい。
また、上記の実施例では、演出制御用CPU120は、事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンに応じて、大当りとなる変動パターンであるか、ハズレとなる変動パターンであるかとともに、変動パターンの種別(非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ)に応じて変動中予告演出における追加予告演出を実行するか否か及び実行する追加予告演出の種類を決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動パターンの種別に関係なく、変動表示結果が大当りとなるか、ハズレとなるかのみに基づいて追加予告演出を実行するか否か及び実行する追加予告演出の種類を決定するようにしてもよい。
この場合には、事前判定変動パターンコマンドではなく、図柄指定コマンドで大当りとなるか、ハズレとなるかを特定できるので、図柄指定コマンドのみに基づいて追加予告演出を実行するか否か及び実行する追加予告演出の種類を決定するようにしてもよい。なお、上記の実施例では、始動入賞時に変動パターン判定用乱数MR3を抽出して、当該始動入賞にもとづいて実行される変動表示における変動パターンを判定するようにしているが、上記したように、図柄指定コマンドのみに基づいて追加予告演出を実行するか否か及び実行する追加予告演出の種類を決定する場合には、始動入賞時に特図表示結果判定用の乱数値MR1を抽出して変動表示結果のみを判定し、変動パターン判定用乱数MR3については、変動表示の開始時に抽出して変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、追加予告演出の実行有無及び実行する追加予告演出の種類は、主基板11から事前パターンコマンドを受信したタイミングで決定することとしてもよいが、各変動の変動開始時に決定することとしてもよい。つまり、追加予告演出の実行有無及び実行する追加予告演出の種類は、変動が開始する前に決定することとしてもよいし、変動開始時に決定することとしてもよい。
また、上記の実施例では、段階予告演出又は再変動予告演出を実行しない場合(S262;N)、入賞時の時点で該保留表示を大当りとなることを示唆する「◇」や「☆」の表示態様で表示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動中予告演出が実行されることを示唆する保留表示変化を実行する場合と同様に、変動表示結果が大当りとなること示唆する保留表示変化を実行する場合においても、保留表示を「◇」や「☆」に変化させるタイミングを決定するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、いずれの変動中予告演出が実行されるかを示唆する(段階予告演出又は再変動予告演出の実行を示唆する)保留表示変化を実行する場合、対象となる保留表示の変化タイミングを、該保留表示の保留記憶にもとづく変動表示が実行されるよりも前の複数のタイミングから決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該保留表示の変化タイミングとしては、該保留表示の保留記憶にもとづく変動表示の実行中のタイミングを含むようにしてもよい。
なお、保留表示を該保留表示の保留記憶にもとづく変動表示の実行中に変化させる場合は、演出表示装置5に変動表示中の保留記憶を示す保留表示を表示する表示部を設けることで、該表示部に表示されている保留表示を最終表示態様に変化させればよい。
また、上記の実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。
具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、段階予告演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
なお、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBをラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしてもよい。
なお、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、演出制御用CPU120は、事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンに対して、一義的に、実行する変動中予告演出の種類を決定しているが、事前判定変動パターンコマンドが示す変動パターンに応じて、所定の割合で、実行する変動中予告演出の種類を決定するようにしてもよい。