JP6731391B2 - 工作機械、および、切削条件の設定方法 - Google Patents

工作機械、および、切削条件の設定方法 Download PDF

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Description

本開示は、工作機械における切削条件を設定するための技術に関する。
ワークを効率的に切削するように切削条件を決定する工作機械がある。設定され得る切削条件の一例として、ワークの切削幅がある。
ワークを効率的に切削するために、最少の加工回数でワークを切削するように切削幅が設定される。たとえば、切削幅の上限が6mmである工具を用いてワークの20mmの幅を切削する場合、4回の加工回数で切削が終了するように切削条件が設定される。一例として、工作機械は、6mm×3回+2mm×1回の計4回で切削を終了するように切削条件を設定する。しかしながら、切削幅が大きいほど、びびり振動が発生しやすくなり、切削精度が低下につながる。また、主軸モータへの負荷も増加する。そのため、切削幅は均等に分割することで、その分割数における最大切削幅を最小にすることが好ましい。したがって、上記の例では、5mm×4回の加工を行うように切削条件を設定することが好ましい。これにより、切削幅が一定になり、びびり振動が発生する可能性が低くなる。
びびり振動を抑制するための他の技術として、特開2012−096301号公報(特許文献1)は、主軸の軸方向の切削幅と主軸の径方向の切削幅との積が一定になるように切削条件を設定する加工手法を開示している。
特開2012−096301号公報
切削時間をより短縮するためには、切削幅を一定にするだけでなく、工具の送り速度を可能な限り上げることが有効である。しかしながら、工具の摩耗、工具の破損、工具の面密度などを考慮して、工具メーカによって工具ごとに推奨の送り速度の範囲が規定されている。工具が推奨の送り速度の範囲内で駆動されると、摩耗や破損などを抑制することができる。そのため、推奨の送り速度の範囲内で工具を駆動することが好ましい。特許文献1に開示される加工手法では、工具の推奨の送り速度の範囲が考慮されていない。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、工具の推奨の送り速度の範囲内で最も切削効率が良くなるように切削条件を設定することが可能な工作機械を提供することである。他の局面における目的は、工具の推奨の送り速度の範囲内で最も切削効率が良くなるように切削条件を設定することが可能な設定方法を提供することである。
ある局面に従うと、工作機械は、ワークを保持するためのワーク保持部と、上記ワークを切削するための切削工具と、上記切削工具を回転するための主軸と、上記ワーク保持部および上記主軸の少なくとも一方を駆動するための駆動機構と、所定の主軸回転数下において、上記主軸の軸方向に直交する方向であって上記ワークに対する上記切削工具の移動方向に直交する方向と、上記主軸の軸方向との少なくとも一方において上記ワークを等分し、等分の切削幅で上記ワークを順次切削するように上記工作機械における切削条件を設定するための制御装置とを備える。上記制御装置は、上記切削工具の送り速度と、上記等分の切削幅と、上記ワークの切削効率との間の予め定められた相関関係に基づいて、上記切削工具について予め規定されている推奨の送り速度の範囲内で上記切削効率が最大となる送り速度と等分の切削幅とを特定し、当該特定された送り速度と等分の切削幅とを上記切削条件として設定する。
ある局面に従うと、上記予め定められた相関関係は、上記ワークの切削効率を目的変数とし、上記送り速度と上記等分の切削幅とを少なくとも説明変数とする論理式である。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記推奨の送り速度の範囲内において、上記送り速度と上記等分の切削幅とをそれぞれ異ならせた複数の組み合わせを取得し、上記複数の組み合わせのそれぞれを上記論理式に代入することで各組み合わせについての切削効率を算出し、上記複数の組み合わせの内で切削効率が最大となる組み合わせを上記切削条件として設定する。
ある局面に従うと、上記複数の組み合わせは、上記推奨の送り速度の範囲内における最速の第1送り速度と、当該第1送り速度で上記切削条件として設定可能な等分の第1切削幅と、の第1の組み合わせと、上記第1送り速度で上記切削条件として設定可能な等分の切削幅の次に大きい等分の第2切削幅と、当該第2切削幅での切削条件下において設定可能な最速の第2送り速度と、の第2の組み合わせとを含む。
ある局面に従うと、上記制御装置は、上記所定の主軸回転数下で上記駆動機構に出力することが可能な定格出力を算出し、当該定格出力および上記第2切削幅の条件下で上記駆動機構を駆動したときにおける送り速度を上記第2送り速度として算出する。
ある局面に従うと、上記推奨の送り速度の範囲は、少なくとも予め定められた上限値によって規定されている。
ある局面に従うと、工作機械における切削条件の設定方法が提供される。上記工作機械は、ワークを保持するためのワーク保持部と、上記ワークを切削するための切削工具と、上記切削工具を回転するための主軸と、上記ワーク保持部および上記主軸の少なくとも一方を駆動するための駆動機構とを備える。上記設定方法は、所定の主軸回転数下において、上記主軸の軸方向に直交する方向でかつ上記ワークに対する上記切削工具の移動方向に直交する方向と、上記主軸の軸方向との少なくとも一方において上記ワークを等分し、等分の切削幅で上記ワークを順次切削するように上記工作機械における切削条件を設定するステップを備える。上記設定するステップは、上記切削工具の送り速度と、上記等分の切削幅と、上記ワークの切削効率との間の予め定められた相関関係に基づいて、上記切削工具について予め規定されている推奨の送り速度の範囲内で上記切削効率が最大となる送り速度と等分の切削幅とを特定するステップと、上記特定するステップで特定された送り速度と等分の切削幅とを上記切削条件として設定するステップとを含む。
ある局面において、工具の推奨の送り速度の範囲内で最も切削効率が良くなるように切削条件を設定することができる。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
実施の形態に従う工作機械の一例を示す図である。 ワークの切削態様の一例を示す図である。 図2に示される切削態様をZ方向から表わす図である。 工具の送り速度とワークの切削効率との関係をグラフで表した図である。 主軸回転数と定格トルクとの相関関係、および主軸回転数と定格出力との相関関係を示す図である。 実施の形態に従う工作機械の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。 切削条件の設定処理を表わすフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<A.工作機械100の構成>
図1を参照して、工作機械100の構成について説明する。図1は、工作機械100の一例を示す図である。
図1には、マシニングセンタとしての工作機械100が示されている。以下では、マシニングセンタとしての工作機械100について説明するが、工作機械100は、マシニングセンタに限定されない。たとえば、工作機械100は、旋盤であってもよいし、その他の切削機械や研削機械であってもよい。また、工作機械100は、工具が鉛直方向に取り付けられる横形のマシニングセンタであってもよいし、工具が水平方向に取り付けられる立形のマシニングセンタであってもよい。
図1に示されるように、工作機械100は、主軸頭21を有する。主軸頭21は、主軸22と、ハウジング23とで構成されている。主軸22は、ハウジング23の内部に配置されている。主軸22には、被加工物であるワークを加工するための工具が装着される。図1の例では、エンドミルとしての工具32が主軸22に装着されている。
主軸頭21は、ボールねじ25に沿ってZ軸方向に駆動可能に構成されている。ボールねじ25にはサーボモータなどの駆動機構が接続されている。当該駆動機構は、ボールねじ25を駆動することで主軸頭21を移動させ、Z軸方向の任意の位置に主軸頭21を移動する。
また、主軸22にはサーボモータなどの駆動機構が接続される。当該駆動機構は、Z軸方向(鉛直方向)に平行な中心軸AX1を中心に主軸22を回転駆動する。その結果、主軸22に装着された工具32は、主軸22の回転に伴って中心軸AX1を中心に回転する。なお、工作機械100が旋盤である場合には、主軸22には、ワークが装着される。この場合、主軸22の回転に伴って、主軸22に装着されたワークが回転する。
工作機械100は、自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)30をさらに有する。自動工具交換装置30は、マガジン31と、押出し機構33と、アーム36とで構成されている。マガジン31は、ワークを加工するための種々の工具32を収容するための装置である。マガジン31は、複数の工具保持部34と、スプロケット35とで構成されている。
工具保持部34は、種々の工具32を保持可能なように構成されている。複数の工具保持部34は、スプロケット35の周囲に環状に配列されている。スプロケット35は、モータ駆動により、X軸に平行な中心軸AX2を中心に回転可能に設けられている。スプロケット35の回転に伴って、複数の工具保持部34が中心軸AX2を中心に回転移動する。
自動工具交換装置30は、工具の交換命令を受けたことに基づいて、マガジン31から装着対象の工具32を抜き取り、当該工具32を主軸22に装着する。より具体的には、自動工具交換装置30は、目的の工具32を保持する工具保持部34を押出し機構33の前に移動する。次に、押出し機構33は、アーム36による交換位置に向けて目的の工具32を押し出す。その後、アーム36は、目的の工具32を工具保持部34から抜き取るとともに、現在装着されている工具32を主軸22から抜き取る。その後、アーム36は、これらの工具32を保持した状態で半回転し、目的の工具32を主軸22に装着するとともに、元の工具32を工具保持部34に収容する。これにより、工具32の交換が行われる。
工作機械100は、加工対象のワークをXY平面上で移動するための移動機構50をさらに有する。移動機構50は、ガイド51,53と、ボールねじ52,54と、ワークを保持するためのテーブル55(ワーク保持部)とで構成されている。
ガイド51は、Y軸に対して平行に設置されている。ガイド53は、ガイド51上に設けられており、X軸に対して平行に設置されている。ガイド53は、ガイド51に沿って駆動可能に構成されている。テーブル55は、ガイド53上に設けられており、ガイド53に沿って駆動可能に構成されている。
ボールねじ52にはサーボモータなどの駆動機構が接続されている。当該駆動機構は、ボールねじ52を駆動することでガイド53をガイド51に沿って移動し、Y軸方向の任意の位置にガイド53を移動する。同様に、ボールねじ54にもサーボモータなどの駆動機構が接続されている。当該駆動機構は、ボールねじ54を駆動することでテーブル55をガイド53に沿って移動し、X軸方向の任意の位置にテーブル55を移動する。すなわち、工作機械100は、ボールねじ52,54のそれぞれに接続される駆動機構を協働して制御することで、XY平面上の任意の位置にテーブル55を移動する。これにより、工作機械100は、テーブル55上で保持されるワークをXY平面上で移動させながら加工を行うことができる。
<B.ワークの切削態様>
図2および図3を参照して、工具32によるワークWの切削態様について説明する。図2は、ワークWの切削態様の一例を示す図である。図3は、図2に示される切削態様をZ方向から表わす図である。
図2および図3には、エンドミルとしての工具32が示されている。工具32は、その側面に複数の刃を有し、回転しながらワークWに接触することでワークWを切削する。
図2および図3の例では、工具32は、予め設定された加工経路Lに沿ってワークWを繰り返し切削している。このとき、工作機械100は、切削条件を変化させないようにワークWを切削する。工作機械100は、切削条件を一定にすると、びびり振動の発生を抑制することができる。
設定され得る切削条件の一例として、ワークWの切削幅がある。ここでいう切削幅とは、主軸22の軸方向(すなわち、Z方向)におけるワークWの切削幅であってもよいし、当該軸方向に直交する方向であって工具の移動方向に直交する方向(すなわち、Y方向)におけるワークの切削幅であってもよい。以下では、説明の便宜のために、主軸22の軸方向に直交する方向であって工具の移動方向に直交する方向を「径方向」とも称する。また、径方向におけるワークの切込み幅を「径方向の切削幅」と称する。また、主軸22の軸方向における切込み幅を「軸方向の切削幅」とも称する。また、径方向の切削幅と軸方向の切削幅とを区別しない場合には単に「切削幅」とも称する。
工作機械100は、所定の主軸回転数下において、径方向(Y方向)と軸方向(Z方向)との少なくとも一方においてワークWを等分し、等分の切削幅でワークWを順次切削するように切削条件を設定する。図2および図3の例では、径方向の切削幅Aeと軸方向の切削幅Aeとが切削条件として設定されている。この切削条件に従って切削が開始されると、工具32は、切削幅Apの1段目の切削部分を切削幅Aeごとに順次切削する。次に、工具32は、切削幅Apの2段目の切削部分を切削幅Aeごとに順次切削する。次に、切削幅Apの3段目の切削部分を切削幅Aeごとに順次切削する。次に、切削幅Apの4段目の切削部分を切削幅Aeごとに順次切削する。このように、工具32は、予め設定された加工経路Lに沿って等分の切削幅Ae,ApでワークWを順次切削することでワークWを任意の形状に加工する。
<C.切削条件の決定方法>
図4を参照して、切削条件の決定方法について説明する。図4は、工具32の送り速度とワークWの切削効率との関係をグラフで表した図である。
以下では、設定対象の切削条件として、工具32の送り速度と軸方向の切削幅Aeとを例に挙げて説明を行うが、設定対象の切削条件は、これらに限定されない。たとえば、設定対象の切削条件は、工具32の送り速度、および径方向の切削幅Apであってもよい。あるいは、設定対象の切削条件は、工具32の送り速度、軸方向の切削幅Ae、および径方向の切削幅Apであってもよい。
図4には、当該関係が相関関係124として示されている。相関関係124の横軸は、工具32の1刃当たりの送り速度を表わす。1刃当たりの送り速度は、工具32の第1の刃がワークWに接触してから、次の第2の刃がワークWに接触するまでの間に工具32が進む距離に相当する。1刃当たりの送り速度の単位は、たとえば、「mm/tooth」である。
相関関係124の縦軸は、ワークWの切削効率を表わす。ワークWの切削効率とは、単位時間当たりに切削することが可能なワークWの量のこという。切削効率の単位は、たとえば、「cc/min」で表わされる。
図4には、工具32の送り速度とワークWの切削効率との相関関係124が異なる切削幅ごとに示されている。軸方向においてワークの10mmを切削する場合、設定可能な等分の切削幅は、たとえば、Ap〜Ap(すなわち、2.0mm,2.5mm,3.3mm,5.0mm)となる。より具体的には、5段に分けて加工を行う場合には、等分の切削幅Apは2.0mm(=10mm/5段)となる。4段に分けて加工を行う場合には、等分の切削幅Apは2.5mm(=10mm/4段)となる。3段に分けて加工を行う場合には、等分の切削幅Apは3.3mm(=10mm/3段)となる。2段に分けて加工を行う場合には、等分の切削幅Apは5.0mm(=10mm/2段)となる。以下では、切削幅Ap〜Apを総称して切削幅Apもいう。
図4に示されるように、切削幅Apが同じ領域においては、切削効率は、送り速度に比例して向上する。しかしながら、ある程度まで送り速度が上がると、工具32を駆動するためのサーボモータにかかる負荷(以下、「モータ負荷」ともいう。)が上限に達するため、工作機械100は、切削幅Apを短くする必要がある。切削幅Apが短くなると、切削の段数が増えるため、同じ送り速度の条件下では、切削効率は下がる。しかしながら、切削幅Apが短くなった分、モータ負荷が下がるので、工作機械100は、その分、送り速度を上げることができる。このような関係から、工具32の送り速度とワークWの切削効率との関係は、図4に示されるようになる。
このように、切削幅Apが可能な限り短く設定され、送り速度が可能な限り速く設定されると、切削効率が向上する。しかしながら、工具の摩耗や破損を抑制するために、工具メーカによって工具の種類ごとに推奨の送り速度の範囲が規定されている。図4には、その例として、推奨の送り速度の範囲Rが示されている。推奨の送り速度の範囲Rを考慮すると、切削幅Apが可能な限り短く設定され、送り速度が可能な限り速く設定されるだけでは、切削効率が最大とならない場合がある。図4の例では、切削幅Apかつ送り速度がfzである切削条件C1よりも、切削幅Apかつ送り速度がfzである切削条件C2の方が、切削効率が高くなっている。
そのため、工作機械100は、工具32の送り速度と、等分の切削幅Apと、ワークWの切削効率との間の予め定められた相関関係に基づいて、推奨の送り速度の範囲R内で切削効率が最大となる送り速度と等分の切削幅とを特定し、特定した送り速度と等分の切削幅とを切削条件として設定する。これにより、工作機械100は、サーボモータを安全に駆動することができる範囲内で切削効率を最大にすることができる。
一例として、工作機械100は、ワークの切削効率を目的変数とし、工具32の送り速度と等分の切削幅Apとを少なくとも説明変数とする論理式に基づいて、切削条件を決定する。当該論理式は、たとえば、下記の式(1)で示される。
Figure 0006731391
式(1)に示される「E」は、ワークの切削効率を表わす。「E」の単位は、たとえば、「cc/min」で表わされる。「Z」は、工具の刃数を表わす。「Z」は、たとえば、工具情報などから特定されてもよいし、ユーザによって予め設定されてもよい。「N」は、単位時間当たりの主軸22の回転数を表わす。「N」の単位は、たとえば、「rpm(revolution per minute)」である。「N」は、たとえば、ワークWの加工プログラムから特定されてもよいし、ユーザによって予め設定されてもよい。「fz」は、1刃当たりの送り速度を表わす。「fz」の単位は、たとえば、「mm/tooth」である。「Ae」は、径方向におけるワークの切削幅を表わす。「Ap」は、軸方向におけるワークの切削幅を表わす。「Ae」および「Ap」の単位は、たとえば、「mm」である。
好ましくは、工作機械100は、推奨の送り速度の範囲R内において、送り速度fzと等分の切削幅Ap(または切削幅Ae)とをそれぞれ異ならせた複数の組み合わせを切削条件候補として取得する。工作機械100は、取得した切削条件候補のそれぞれを上記式(1)に代入することで各設定候補について切削効率「E」を算出する。工作機械100は、取得した切削条件候補の切削条件の内で、切削効率「E」が最大となる切削条件候補を切削条件として設定する。工作機械100は、複数の切削条件候補のそれぞれについて切削効率を算出した上で切削条件を決定することで、推奨の送り速度の範囲R内で切削効率をより確実に上げることができる。
上記式(1)に代入する切削条件候補の決定方法は、任意である。一例として、工作機械100は、切削条件C1および切削条件C2を少なくとも切削条件候補として決定する。切削条件C1は、推奨の送り速度の範囲R内における最速の送り速度fzと、最速の送り速度fzの条件下で設定可能な等分の切削幅Apとの組み合わせ(第1の組み合わせ)である。切削条件C2は、最速の送り速度fzの条件下で切削条件として設定可能な等分の切削幅Apの次に大きい等分の切削幅Apと、当該切削幅Apでの切削条件下において設定可能な最速の送り速度fzとの組み合わせ(第2の組み合わせ)である。工作機械100は、切削条件候補を切削条件C1,C2に絞り込むことで、切削条件を決定するための処理時間を短縮することができる。また、工作機械100は、切削条件C1,C2を切削条件候補とすることで、より確実に切削効率を最大化にすることができる。
なお、上述では、工具32の送り速度と、等分の切削幅と、ワークWの切削効率との間の相関関係が上記式(1)で規定されている前提で説明を行ったが、これらの相関関係は、必ずしも演算式で規定される必要はない。たとえば、これらの相関関係は、テーブル形式で予め規定されていてもよい。この場合、当該テーブルにおいて、工具32の送り速度ごと、および、等分の切削幅Apごとに、切削効率が関連付けられている。工作機械100は、当該テーブルを参照して、切削条件候補のそれぞれに関連付けられている切削効率を取得し、切削効率が最大となる切削条件候補を切削条件として設定する。
また、図4には、推奨の送り速度の範囲Rが予め定められた下限値および予め定められた上限値で規定されている例が示されているが、推奨の送り速度の範囲Rは、少なくとも上限値で規定さていればよい。
(C1.切削条件C1の算出方法)
以下では、図4に示される切削条件C1の算出方法について説明する。
切削条件C1の送り速度fzは、推奨の送り速度の範囲Rの最大値に相当する。切削条件C1の切削幅Apは、たとえば、下記の式(2)によって算出される。
Figure 0006731391
式(2)に示される「H」は、主軸22の軸方向におけるワークWの切削部分の幅を表わす。「n」は、下記の式(3)によって算出される。
Figure 0006731391
式(3)に示される「n」は、ワークWの切削時における最大の等分の分割数を表わす。「ROUNDUP(x)」は、括弧内の値「x」について小数点以下を切り上げるための関数である。「H」は、主軸方向におけるワークWの切削部分の幅を表わす。「MAX(x1,x2)」は、括弧内の値「x1」,「x2」の内の大きい方を取得するための関数である。「Aptooth」は、ワークWに対する工具32の最大切削幅を表わす。「Aptooth」は、たとえば、工具情報などから特定されてもよいし、ユーザによって予め設定されてもよい。「Apmax」は、下記の式(4)によって算出される。
Figure 0006731391
式(4)に示される「Pc」は、目標とする回転数「N」で主軸22を駆動するためにサーボモータに出力する電力値を表わす。「Pc」の単位は、たとえば、「kW」である。「Pc」は、主軸22に対する負荷が上限値の8割程度になるように決定される。「Ae」は、主軸22の径方向におけるワークWの切削幅を表わす。「N」は、単位時間当たりの主軸22の回転数を表わす。「N」の単位は、たとえば、「rpm」である。回転数「N」は、たとえば、ワークWの加工プログラムから特定されてもよいし、ユーザによって予め設定されてもよい。「Z」は、工具の刃数を表わす。刃数「Z」は、たとえば、工具情報などから特定されてもよいし、ユーザによって予め設定されてもよい。「kCA」は、比切削抵抗を表わす。比切削抵抗とは、ワークWの単位面積を1mmの厚さ切削するために要する力(すなわち、切削抵抗)を表わす。比切削抵抗「kCA」の単位は、たとえば、「N/mm」である。
(C2.切削条件C2の算出方法)
続いて、図4に示される切削条件C2の算出方法について説明する。
切削条件C2の切削幅Apは、たとえば、下記の式(5)によって算出される。
Figure 0006731391
式(5)に示される「Ap」は、切削条件候補としての等分の切削幅の中で、2番目に短い切削幅に相当する。すなわち、「Ap」は、切削条件C1の切削幅Apの次に短い切削幅に相当する。「H」は、主軸方向におけるワークWの切削部分の幅を表わす。「n」は、上記式(5)に従って算出され、ワークWの切削時における最大分割数を表わす。
切削条件C2の送り速度fzは、たとえば、下記の式(6)によって算出される。
Figure 0006731391
式(6)に示される「A」は、下記の式(7)によって算出される。式(6)に示される「B」は、下記の式(8)によって算出される。式(6)に示される「C」は、下記の式(9)によって算出される。
Figure 0006731391
Figure 0006731391
Figure 0006731391
「m」は、単位量当たりの切削厚さで変化する比切削抵抗の割合を表わす。「kc1」は、切削幅が1mmのときの比切削抵抗を表わす。「kc1」の単位は、たとえば、「N/mm」である。「hmA」は、ワークWの切削後における切り屑の厚さを表わす。「hmA」の単位は、たとえば、「mm」である。「fz」は、切削幅が1mmのときの1刃の送り速度を表わす。「fz」の単位は、たとえば、「mm/tooth」である。「kcA」は、切削幅が「hmA」であるときの比切削抵抗を表わす。「Pc」は、目標とする回転数「N」で主軸22を駆動するためにサーボモータに出力する電力値を表わす。「Pc」の単位は、たとえば、「kW」である。「Ae」は、径方向におけるワークの切削幅を表わす。「Ae」の単位は、たとえば、「mm」である。「N」は、単位時間当たりの主軸22の回転数を表わす。「N」の単位は、たとえば、「rpm」である。「Z」は、工具32の刃数を表わす。
<D.最速の送り速度>
上述の図4で説明したように、ワークの切削幅Apが同じ領域においては、切削効率は、送り速度に比例して向上する。そのため、送り速度は、可能な限り大きく設定されることが好ましい。しかしながら、主軸22のモータにかけることができる負荷には、限界がある。そのため、このような制約下で、主軸22の送り速度を最速にする必要がある。
以下では、図5を参照して、主軸22の最速送り速度の算出方法について説明する。図5は、主軸回転数と定格トルクとの相関関係R1、および主軸回転数と定格出力との相関関係R2を示す図である。
図5に示される「定格出力」は、安全な範囲で主軸22を駆動するためにモータに出力することが可能な出力値を表わす。「定格出力」は、たとえば、出力電流値、出力電圧値、または出力電力などで表される。「定格トルク」は、定格出力で主軸22のモータを駆動した場合における回転トルクを表わす。
図5に示されるように、主軸回転数が「N1」よりも小さい場合には、定格トルクは、一定または略一定となる。主軸回転数が「N1」よりも大きい場合には、主軸回転数が増加するほど、定格トルクが減少する。
また、主軸回転数が「N1」よりも小さい場合には、主軸回転数が増加するほど、定格出力が増加する。主軸回転数が「N1」よりも大きい場合には、定格出力は、一定または略一定となる。
主軸回転数、定格出力、および定格トルクは、下記の式(10)の関係を有する。
Figure 0006731391
式(10)に示される「N」は、単位時間当たりの主軸22の回転数を表わす。「N」の単位は、たとえば、「rpm」である。「k」は、左辺の単位と右辺の単位とを合わせるための定数である。「k」は、下記式(11)で表される。
Figure 0006731391
工作機械100は、主軸回転数と定格出力との相関関係R2に基づいて、現在設定されている主軸回転数下で主軸モータに出力することが可能な定格出力を算出する。相関関係R2は、定格出力を目的変数とし、主軸回転数を説明変数とする相関式で示されてもよいし、テーブル形式で示されてもよい。相関関係R2に基づいて算出された定格出力は、上記式(9)の「Pc」に相当する。あるいは、当該定格出力の所定パーセント(たとえば、80%)が、上記式(9)の「Pc」に相当する。工作機械100は、算出された定格出力や、現在設定されている切削幅Apを上記式(9)に代入し、上記式(6)における最速の送り速度fzを算出する。
このように、工作機械100は、定格出力で主軸モータを駆動したときの送り速度を最速送り速度として算出する。これにより、工作機械100は、安全な範囲内でモータを駆動しつつ、ワークの切削効率を最大化することができる。
<E.工作機械100のハードウェア構成>
図6を参照して、工作機械100のハードウェア構成の一例について説明する。図6は、工作機械100の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
工作機械100は、主軸22と、ボールねじ25,52,54と、制御装置101と、ROM102と、RAM103と、通信インターフェイス104と、表示インターフェイス105と、入力インターフェイス109と、サーボドライバ111A〜111Dと、サーボモータ112A〜112Dと、エンコーダ113A〜113Dと、記憶装置120とを含む。
制御装置101は、たとえば、NC(Numerical Control)プログラムを実行可能なNC制御装置である。NC制御装置は、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
制御装置101は、工作機械100の加工プログラム122(NCプログラム)などの各種プログラムを実行することで工作機械100の動作を制御する。制御装置101は、加工プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置120からROM102に加工プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、加工プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス104には、LANやアンテナなどが接続される。工作機械100は、通信インターフェイス104を介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、サーバーや、その他の通信端末などを含む。工作機械100は、当該通信端末から加工プログラム122をダウンロードできるように構成されてもよい。
表示インターフェイス105は、ディスプレイ130などの表示機器と接続され、制御装置101などからの指令に従って、ディスプレイ130に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ130は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。一例として、ディスプレイ130は、図4に示される相関関係124を表示し、当該相関関係124上に切削条件候補を表示する。工作機械100は、ディスプレイ130に表示された切削条件候補を選択できるように構成されてもよい。選択された切削条件候補は、切削条件として設定される。
入力インターフェイス109は、入力デバイス131に接続され得る。入力デバイス131は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザ操作を受け付けることが可能なその他の入力機器である。
サーボドライバ111Aは、制御装置101から目標回転数(または目標位置)の入力を逐次的に受け、サーボモータ112Aが目標回転数で回転するようにサーボモータ112Aを制御する。より具体的には、サーボドライバ111Aは、エンコーダ113Aのフィードバック信号からサーボモータ112Aの実回転数(または実位置)を算出し、当該実回転数が目標回転数よりも小さい場合にはサーボモータ112Aの回転数を上げ、当該実回転数が目標回転数よりも大きい場合にはサーボモータ112Aの回転数を下げる。このように、サーボドライバ111Aは、サーボモータ112Aの回転数のフィードバックを逐次的に受けながらサーボモータ112Aの回転数を目標回転数に近付ける。サーボドライバ111Aは、ボールねじ54に接続されるテーブル55(図1参照)をX軸方向に沿って移動し、テーブル55をX軸方向の任意の位置に移動する。
同様のモータ制御により、サーボドライバ111Bは、ボールねじ52に接続されるガイド53(図1参照)をY軸方向に沿って移動し、ガイド53上のテーブル55(図1参照)をY軸方向の任意の位置に移動する。同様のモータ制御を行うことにより、サーボドライバ111Cは、ボールねじ25に接続される主軸頭21(図1参照)をZ軸方向の任意の位置に移動する。同様のモータ制御を行うことにより、サーボドライバ111Dは、主軸22の回転数を制御する。
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶装置120は、本実施の形態に従う加工プログラム122、工具32の送り速度と等分の切削幅とワークの切削効率との間の相関関係124と、工具32の種類別に準備されている推奨の送り速度の範囲126、加工プログラム122の実行時に参照される切削条件128(制御パラメータ)などを格納する。相関関係124は、たとえば、上記式(1)などの演算式で規定されてもよいし、テーブル形式で規定されてもよい。加工プログラム122、相関関係124、推奨の送り速度の範囲126、および切削条件128の格納場所は、記憶装置120に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュ領域など)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
加工プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う加工プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、加工プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが加工プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で工作機械100が構成されてもよい。
<F.工作機械100の制御構造>
図7を参照して、工作機械100の制御構造について説明する。図7は、切削条件の設定処理を表わすフローチャートである。図7の処理は、工作機械100の制御装置101がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
ステップS10において、制御装置101は、ワークWの切削開始指示を受け付けたか否かを判断する。制御装置101は、ワークWの切削開始指示を受け付けたと判断した場合(ステップS10においてYES)、制御をステップS20に切り替える。そうでない場合には(ステップS10においてNO)、制御装置101は、ステップS10の処理を再び実行する。
ステップS20において、制御装置101は、切削に使用する工具の種類を特定する。切削に使用する工具の種類は、たとえば、加工プログラム122を読み取ることにより特定される。あるいは、切削に使用する工具の種類は、ユーザによって選択されてもよい。制御装置101は、工具の種類ごとに規定されている複数の推奨の送り速度の範囲の中から、切削に使用する工具に対応する推奨の送り速度の範囲を取得する。
ステップS22において、制御装置101は、ステップS20で取得した推奨の送り速度の範囲内において、工具の送り速度と等分の切削幅とをそれぞれ異ならせた複数の組み合わせを切削条件候補として取得する。一例として、制御装置101は、等分の切削幅ごとに最速の送り速度を算出し、等分の切削幅の各々と当該最速の送り速度との組み合わせを切削条件候補として取得する。たとえば、制御装置101は、図4に示される切削条件C1,C2を切削条件候補として取得する。
より具体的には、制御装置101は、推奨の送り速度の範囲内で設定することが可能な等分の切削幅Apの内で、最短の切削幅Apと、2番目に短い切削幅Apとを特定する。制御装置101は、最短の切削幅Apと、推奨の送り速度の範囲における最速の送り速度fzとの組み合わせを切削条件C1として切削条件候補の1つに決定する。
また、制御装置101は、2番目に短い切削幅Apと、当該切削幅Apで切削を行った場合の最速の送り速度fzとの組み合わせを切削条件C2として切削条件候補の1つに決定する。当該送り速度fzは、主軸回転数と定格出力との相関関係R2(図5参照)に基づいて算出される。すなわち、制御装置101は、相関関係R2を参照して、現在設定されている主軸回転数下で主軸モータに出力することが可能な定格出力を算出する。制御装置101は、上記式(6)〜(9)に基づいて、当該定格出力および2番目に短い切削幅Apの条件下での最速の送り速度fzを算出する。
なお、ステップS22で取得される切削条件候補は、切削条件C1,C2に限定されず、3つ以上の異なる切削条件候補が取得されてもよい。あるいは、切削条件C1,C2とは異なる切削条件候補が取得されてもよい。
ステップS24において、制御装置101は、ステップS22で取得した設定候補の切削条件のそれぞれを上記式(1)に代入し、各切削条件候補について切削効率を算出する。
ステップS26において、制御装置101は、ステップS24で算出した切削効率に基づいて、ステップS22で取得した切削条件候補の内から、切削効率が最大となる送り速度と等分の切削幅との組み合わせを特定し、当該特定した組み合わせを切削条件として設定する。
ステップS28において、制御装置101は、ステップS26で設定された切削条件に従ってワークWの切削を工作機械100に開始させる。これにより、工作機械100は、切削条件に規定される送り速度で、切削条件に規定される切削幅ごとにワークWを順次切削する。
ステップS30において、制御装置101は、工具の交換指示を受け付けたか否かを判断する。一例として、制御装置101は、加工プログラム122に含まれる工具交換命令が実行されたことに基づいて、工具の交換指示を受け付けたと判断する。制御装置101は、工具の交換指示を受け付けたと判断した場合(ステップS30においてYES)、制御をステップS20に戻す。そうでない場合には(ステップS30においてNO)、制御装置101は、制御をステップS40に切り替える。
ステップS40において、制御装置101は、ワークWの切削が終了したか否かを判断する。制御装置101は、ワークWの切削が終了したと判断した場合(ステップS40においてYES)、図7に示される処理を終了する。そうでない場合には(ステップS40においてNO)、制御装置101は、制御をステップS30に戻す。
<G.利点>
以上のようにして、工作機械100は、サーボモータを安全に駆動することが可能な推奨の送り速度の範囲内で、工具32の送り速度とワークWの等分の切削幅とを異ならせた切削条件候補を取得する。その後、工作機械100は、工具32の送り速度と、等分の切削幅と、ワークの切削効率との間の予め定められた相関関係に基づいて、切削条件候補のそれぞれについて切削効率を算出する。工作機械100は、切削条件候補の中から、切削効率が最大になる切削条件候補を特定し、当該切削条件候補と切削条件として採用する。これにより、工作機械100は、サーボモータを安全に駆動することができる範囲内で切削効率を最大にすることができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
21 主軸頭、22 主軸、23 ハウジング、25,52,54 ボールねじ、30 自動工具交換装置、31 マガジン、32 工具、33 押出し機構、34 工具保持部、35 スプロケット、36 アーム、50 移動機構、51,53 ガイド、55 テーブル、100 工作機械、101 制御装置、102 ROM、103 RAM、104 通信インターフェイス、105 表示インターフェイス、109 入力インターフェイス、111A,111B,111C,111D サーボドライバ、112A,112D サーボモータ、113A,113D エンコーダ、120 記憶装置、122 加工プログラム、124 相関関係、126,R 範囲、128,C1,C2 切削条件、130 ディスプレイ、131 入力デバイス。

Claims (4)

  1. 工作機械であって、
    ワークを保持するためのワーク保持部と、
    前記ワークを切削するための切削工具と、
    前記切削工具を回転するための主軸と、
    前記ワーク保持部および前記主軸の少なくとも一方を駆動するための駆動機構と、
    所定の主軸回転数下において、前記主軸の軸方向に直交する方向であって前記ワークに対する前記切削工具の移動方向に直交する方向と、前記主軸の軸方向との少なくとも一方において前記ワークを等分し、等分の切削幅で前記ワークを順次切削するように前記工作機械における切削条件を設定するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記切削工具について予め規定されている推奨の送り速度の範囲内において、前記切削工具の送り速度と前記等分の切削幅とをそれぞれ異ならせた複数の組み合わせを取得し、
    前記ワークの切削効率を目的変数とし、前記送り速度と前記等分の切削幅とを少なくとも説明変数とする論理式に前記複数の組み合わせのそれぞれを代入することで各組み合わせについての切削効率を算出し、
    前記複数の組み合わせの内で切削効率が最大となる組み合わせを前記切削条件として設定し、
    前記複数の組み合わせは、
    前記推奨の送り速度の範囲内における最速の第1送り速度と、当該第1送り速度で前記切削条件として設定可能な等分の第1切削幅と、の第1の組み合わせと、
    前記第1送り速度で前記切削条件として設定可能な等分の切削幅の次に大きい等分の第2切削幅と、当該第2切削幅での切削条件下において設定可能な最速の第2送り速度と、の第2の組み合わせとを含む、工作機械。
  2. 前記制御装置は、前記所定の主軸回転数下で前記駆動機構に出力することが可能な定格出力を算出し、当該定格出力および前記第2切削幅の条件下で前記駆動機構を駆動したときにおける送り速度を前記第2送り速度として算出する、請求項に記載の工作機械。
  3. 前記推奨の送り速度の範囲は、少なくとも予め定められた上限値によって規定されている、請求項1または2に記載の工作機械。
  4. 工作機械における切削条件の設定方法であって、
    前記工作機械は、
    ワークを保持するためのワーク保持部と、
    前記ワークを切削するための切削工具と、
    前記切削工具を回転するための主軸と、
    前記ワーク保持部および前記主軸の少なくとも一方を駆動するための駆動機構とを備え、
    前記設定方法は、所定の主軸回転数下において、前記主軸の軸方向に直交する方向でかつ前記ワークに対する前記切削工具の移動方向に直交する方向と、前記主軸の軸方向との少なくとも一方において前記ワークを等分し、等分の切削幅で前記ワークを順次切削するように前記工作機械における切削条件を設定するステップを備え、
    前記設定するステップは、
    前記切削工具について予め規定されている推奨の送り速度の範囲内において、前記切削工具の送り速度と前記等分の切削幅とをそれぞれ異ならせた複数の組み合わせを取得するステップと、
    前記ワークの切削効率を目的変数とし、前記送り速度と前記等分の切削幅とを少なくとも説明変数とする論理式に前記複数の組み合わせのそれぞれを代入することで各組み合わせについての切削効率を算出するステップと、
    前記複数の組み合わせの内で切削効率が最大となる組み合わせを前記切削条件として設定するステップとを含み、
    前記複数の組み合わせは、
    前記推奨の送り速度の範囲内における最速の第1送り速度と、当該第1送り速度で前記切削条件として設定可能な等分の第1切削幅と、の第1の組み合わせと、
    前記第1送り速度で前記切削条件として設定可能な等分の切削幅の次に大きい等分の第2切削幅と、当該第2切削幅での切削条件下において設定可能な最速の第2送り速度と、の第2の組み合わせとを含み、設定方法。
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