JP6731044B2 - 生物付着の抑止において用いるためのコノトキシンペプチド - Google Patents

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Description

[0001]本出願は、2015年5月22日の出願日を有する米国仮特許出願62/165,345(その全部を参照として本明細書中に包含する)の出願日の利益を主張する。
[0002]本発明は、海軍研究事務所(NAVY/ONR)によって与えられた登録番号N00014−14−1−0488に基づく政府援助によってなされたものである。政府は本発明において幾つかの権利を有する。
[0003]生物付着は、水面下の構造物上のバクテリア、植物、藻類、及び動物などの有機体の望ましくない蓄積である。生物付着には、ミクロ生物付着(バイオフィルムの形成及びバクテリアの付着)、並びにマクロ生物付着(より大きな有機体の付着)の両方が含まれる。生物付着性の有機体は、硬質又は軟質付着タイプとして分類される。硬質(石灰質)の付着性有機体としては、フジツボ、被殻状(encrusting)コケムシ、牡蛎のような貝類、多毛類及び他のチューブワーム、ゼブラ貝、及び被嚢類が挙げられる。例えば、十分に成長したフジツボは、石灰板(calcinous plates)のイモガイ形の包囲層を有することを特徴とする固着性石灰質節足動物である。フジツボの付着の機械強度は非常に高く、それらを船舶表面から機械的に取り除くことは困難である。軟質(非石灰質)付着性有機体としては、海藻、ヒドロ虫、藻類、及びバイオフィルムの「スライム」が挙げられる。船舶表面からの軟質付着性有機体をうまく除去することも、多くの困難性を示す。
[0004]船舶上の生物付着は、大きな運転上及び安全上の問題を引き起こす。幾つかの場合においては、船体構造及び推進システムが損傷を受ける可能性がある。時間と共に、船体上の生物付着性物質の蓄積は、船舶の水力学的体積及び摩擦効果の両方を増加させて増加した抵抗をもたらす可能性があり、これは生物付着した表面に関して最大で60%増加すると見積もられている。抵抗の増加は速度を最大で10%減少させることが分かっており、これによって増加した燃料消費がもたらされる可能性がある。燃料は通常は水上輸送コストの最大で半分を構成しており、改良された防汚方法及び材料によって、海運業は一年あたり数十億ドルを節約することができるであろう。例えば、生物付着物の蓄積を制御することは、船舶の運航のために米国海軍によって負担される最も高価なメンテナンスの問題になっている。
[0005]船舶は生物付着を受ける唯一の表面ではない。生物付着は水が存在するほぼ全ての箇所で起こる可能性があるので、生物付着は、淡水及び塩水の両方の広範囲の水中沈下構造体に対して危険性を与え、製紙、食品加工(水産養殖)、水中建設、石油及びガスの回収、並びに脱塩などの産業全体に対して大きなコストの問題を与える。
[0006]歴史的に、アクアティック(aquatic)被覆、(又は水の、水中の、もしくは水に関連する被覆)、(例えば海洋用塗料)には、時間と共にその被覆から浸出して、それによって生物付着性有機体に対するその殺生物剤の毒性によって生物付着を抑止するように意図されている殺生物剤が含まれていた。通常用いられる殺生物剤は、特定の金属及びそれらの塩を含んでいた。2つの特定の化合物のトリブチルスズ(TBT)及び酸化第一銅は、海洋用塗料中において防汚剤として数十年にわたって商業的に使用されてきた。しかしながら、TBTは、現在では浮遊性有機体に対する浸出液の高い毒性のために世界中で禁止されている。酸化第一銅はまた、浸出した銅が港湾堆積物中に蓄積するために問題である。更に、水産養殖産業においては、養殖している魚自体の成長に悪影響を与えず、最終消費者に危険性を与えない薬剤が必要であるので、広範囲の浸出する殺生物剤は水産養殖産業においては全く用いることができない。
[0007]残念なことに、周辺水域中に放出された際に非毒性である代替物、或いは付着している海洋生物を除去することができる機械的代替法を伝統的な殺生物剤の代わりに用いる試みは、あまり成功していない。例えば、シリコーン及びフルオロポリマー(例えばテフロン(登録商標))のような自己洗浄性ポリマー被覆が、毒性の防汚剤を含む海洋用塗料に対する可能性のある代替物として提案されている。これらの被覆は低い表面エネルギーを有して、これにより海洋有機体の低い付着能力をもたらすことができる。しかしながら、残念なことに、これらの材料は、生物付着をうまく抑止するためには何かしらの殺生物添加剤がなお必要であり、生物付着性有機体を除去するためには水力学的圧力がなお必要であり、即ち生物付着を抑止するためには低い表面エネルギーの表面だけでは十分ではない。
[0008]浸出性の殺生物剤に対する非毒性の表面結合型の代替物も研究されている。例えば、ホルモン及び神経伝達物質などとしての生物学的役割を有するカテコールアミンであるノルアドレナリンは、表面に共有結合させるか、又は表面を被覆してカバーする被覆の一部として含めると、汚染性の海生無脊椎動物が着生するのを阻止して、それによって生物付着を抑止することが見出された。実験室の研究におけるその防汚有効性にもかかわらず、天然のノルアドレナリンは、短い半減期(数分)を有し、自発的にアデノクロムに酸化して生物活性を失うという事実のために、海洋用防汚塗料中に活性薬剤として含めるためには理想的な分子ではない。
[0009]被覆中に導入するか或いは他の形態でアクアティック表面(aquatic surface)上に適用することができる、局所環境を損なうことなく生物付着からの最大の保護を与えることができる防汚化合物が当該技術において必要である。
[0010]一態様によれば、コノトキシンペプチドを含む被覆組成物(例えば海洋用塗料)を開示する。
[0011]また、アクアティック表面であって、それに直接又は間接的に付着しているコノトキシンペプチドを含むアクアティック表面も開示する。例えば、一態様においては、アクアティック表面、即ち淡水又は塩水環境中で用いることを目的とする表面に、それに直接結合しているコノトキシンペプチドを含めることができる。他の態様においては、表面に、それに間接的に付着しているコノトキシンペプチドを含めることができる。例えば、コノトキシンペプチドは、アクアティック被覆の一成分であってよく、被覆の他の成分とブレンドすることができ、或いは被覆組成物の他の成分に結合させることができる。有機体による生物付着を抑止するのに十分な量のコノトキシンペプチドを表面に含めることができ、例えば間接的密度測定方法によって測定して表面1平方センチメートルあたり約1014ペプチド以上の量のコノトキシンペプチドを表面に含めることができる。
[0012]他の態様によれば、コノトキシンペプチドをアクアティック表面に付着させることを含む、生物付着を抑止する方法を開示する。
[0013]本出願は、図1を参照してより良好に理解することができる。
図1は、種々の可溶化濃度レベルのχ−コノトキシンの溶液中に保持した表面上の3日齢のキプリスの着生レベルを示す。
[0014]本議論は代表的な態様のみの記載であり、本発明のより広い形態を限定することは意図しないことが当業者によって理解される。
[0015]一般に、本明細書においては、アクアティック表面の生物付着を抑止するための物質及び方法を開示する。より具体的には、本発明によれば、1種類以上のコノトキシンペプチドをアクアティック表面に直接又は間接的に付着させることができる。当該表面にコノトキシンペプチドを存在させることによって、当該アクアティック表面の生物付着を抑止することができる。
[0016]本明細書において用いる「アクアティック表面」という用語は、大洋、海、湖、沼、若しくは河川のような自然環境、又は生物付着が起こる可能性がある任意の他の環境における海水及び淡水のいずれか或いは両方の中で用いるための、或いはこれらに連続的又は周期的に曝露される表面を指す。アクアティック表面としては、例えば、パイプ(例えば、送水管又は下水管)のライニング、タンクの内表面、或いは水に定常的又は周期的に曝露されて、その曝露によって生物付着が起こる可能性がある任意の他の表面を挙げることができる。本発明において包含されるアクアティック表面としては、限定なしに、船体、スクリュー等のような商船及び軍用船(塩水用及び淡水用の両方)、海底油田掘削装置のような固定式及び浮体式海洋構造体、並びにレクリエーション用ボート及びヨットの表面が挙げられる。特定の例としては、例えば、軍艦、旅客船、貨物船、タンカー、コンテナ船、漁船、及びフェリー、並びに石油リグ、内陸水路用船舶、はしけ、及び引き船を挙げることができる。アクアティック表面にはまた、ドック、水産養殖設備、発電所及び脱塩工場の吸水及び排水システム、熱交換器、グリッド、漁網、魚カゴ、ライン(Lines)の表面、生物医学的表面(例えば、ステント及び他の移植具)等も含めることができる。生物付着を受けやすく、本発明において包含される他の表面としては、例えば、雨水に曝される壁、貯水タンク、シャワー室の壁、屋根、雨樋、プール領域、サウナ、地下室又はガレージのような湿潤環境に曝露される床及び壁、並びに工作機械のハウジング及び屋外用家具を挙げることができる。
[0017]開示する物質及び方法は、限定なしに側生動物;多毛類ウォーム及び貧毛類ウォームのような腔腸動物;軟体動物;フジツボ及びエボシ貝(Goose Barnacles)など(しかしながらこれらに限定されない)の甲殻類を含む節足動物;石灰化チューブワーム;コケムシ;及び海洋性被嚢動物;などの水中沈下表面に付着及びコロニー形成することができる海洋性及び/又は淡水性有機体による生物付着を抑止するため、並びに対象有機体の成体形又は幼生形の付着及び/又は成長を抑止するのに有効にするために用いることができる。本防汚化合物はまた、珪藻類、藻類、及び水中沈下表面に付着する可能性があるより高級な植物などの海洋性及び淡水性植物に対しても有効である可能性がある。開示する化合物はまた、コロニー形成性有機体が付着する可能性があるバイオフィルムの形成を抑止又は他の形態で有効に減少させることもできる。
[0018]コノトキシンは、Conus属の海洋性巻貝(イモガイ科)の毒性ペプチドである。イモガイ科は、魚類、ワーム、及び他の軟体動物の捕食動物である。これらは、通常はコノトキシンと呼ばれる生物活性小ペプチドの混合物を含む毒物をこれらの被食者に注入する。注入すると、コノトキシンは、種々の受容体及びイオンチャンネルを標的にすることによって神経伝達を阻害する。コノトキシンは、それらの生理学的標的に基づいて幾つかの分類に分けられる。ω−コノトキシン類のペプチドは、電圧感受性Ca2+−チャネルを標的にしてこれを遮断して、神経伝達物質の放出を阻害する。α−コノトキシン及びφ−コノトキシンは、ニコチン性アセチルコリン受容体を標的にしてこれを遮断して、神経節及び神経筋の遮断を引き起こす。μ−コノトキシン類のペプチドは、電圧感受性Na−チャネルを遮断するように作用して、筋肉及び神経の活動電位を抑止する。δ−コノトキシンは、電圧感受性Na−チャネルを標的にしてその不活性化を遅延して、神経細胞の興奮性を増大させる。κ−コノトキシン類のペプチドは、電圧感受性K−チャネルを標的にしてこれを遮断し、これらはまた増大した神経細胞の興奮性も引き起こす。コノプレシン類のコノトキシンはバソプレシン受容体拮抗物質であり、コナントキシン類のものはNMDA受容体拮抗物質である。γ−コノトキシン類は、電圧感受性非特異的カチオンチャネルを標的にする。σ−コノトキシン類は5HT受容体に拮抗し、χ−コノトキシン類は神経アミン輸送体を阻害する。
[0019]いかなる特定の理論にも縛られることは望まないが、コノトキシンペプチドを表面に存在させると、生物付着性有機体の着生及び/又は膠着(cementation)プロセスを阻害することによって、具体的には有機体の細胞表面受容体にコノトキシンペプチドが結合することによって生物付着を抑止することができると考えられる。例えば、1平方センチメートルの表面積(cm)あたり約1014ペプチド以上、約1.3×1014ペプチド/cm以上、又は一態様においては約1.5×1014ペプチド/cm以上の量の1種類以上のコノトキシンペプチドを表面に含めることができる。ペプチドの表面密度は、間接的な方法によって、即ち、表面に付着したペプチドの全重量、ペプチドの数平均分子量、及びペプチドによって覆われた表面積を用いて、対象空間1平方センチメートルあたりのペプチド分子の数に到達することによって求めることができる。
[0020]フジツボのような巨視的な着生性有機体は、自由遊泳性の幼生のような成長段階を経験し、最後の幼生段階はキプリス段階と呼ばれる。キプリスは、神経突起である第1触覚を用いて着生のために好適な固体表面を探査する。フジツボセメントと呼ばれる「着生膠」が、突起付近に集中する専用の分泌腺から分泌され、この動物はこれによって固体表面に着生する。着生した後は、この動物は成体の固着性動物への変態を起こす。
[0021]上述したように、生体分子のノルアドレナリンは、表面に付着させると防汚作用を示すことが従前に分かっている。この防汚作用は、表面に結合したノルアドレナリンリガンドが、マクロ付着性の海洋性無脊椎動物の幼生の感覚器の神経細胞中に見られるアドレナリン受容体に結合することによるものであることが分かった。ノルアドレナリンリガンドがアドレナリン受容体に結合すると、動物の細胞はアポトーシス(プログラム細胞死)を起こし、フジツボのキプリスのような海洋性の幼生が処理された表面上に着生するのが抑止される。
[0022]アクアティック表面上にコノトキシンペプチドを存在させることは、生物付着性有機体の着生のために必要な事象を阻害すると考えられているものと同様の形態で機能すると考えられる。例えば、アクアティック表面上に1種類以上のコノトキシンペプチドを存在させることによって、マクロ付着性の幼生の感覚器官中のアドレナリン受容体と結合して、表面上における着生の抑止をもたらすと考えられる。
[0023]アドレナリン受容体は、海洋性生物付着において重要な役割を果たすことが見出されており、それ自体が生物付着を抑止するための標的を与えると思われる。例えば、牡蛎に関しては、ペディベリジャー幼生の出現に関する研究及び空間的調査によって、動物の脚部が主要な感覚機能を果たし、感覚神経は脚部の表面で終端していることが確認された。更に、分子遺伝学、ゲノム及び免疫ブロット研究は、全て独立して牡蛎幼生中にアドレナリン受容体が発現及び存在していることを確認した。更に、アドレナリン受容体は有機体内に広く行き渡っていて、生物付着性有機体全体に高度に保存されていることが分かった。例えば、太平洋牡蛎(Crassostrea gigas)のゲノムの場合には、14の異なるアドレナリン受容体に関する遺伝子が発見されている。更に、比較ゲノム研究によって、底生性の生物付着性海洋性無脊椎動物の幾つかの海洋動物門が高い程度のアドレナリン受容体保存を示すことが確認された。例えば、カタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)は、そのゲノム内に6つのアドレナリン様受容体を含んでいることが見出され、それらは全てC. gigasのゲノムと整列化されている。ウニ(Strongylocentrotus purpuratus)は、66のアドレナリン様受容体塩基配列を有することが見出され、その8つもC. gigasのゲノムと整列化されている。而して、アクアティック表面における生物付着性有機体のアドレナリン受容体結合は、生物付着を抑止する1つの手段であると考えられる。
[0024]アクアティック表面に存在するコノトキシンによって生物付着を抑止するためのメカニズムは、アドレナリン受容体の結合に限定されないことを理解すべきである。例えば、アクアティック表面に存在する個々のコノトキシンは、ドーパミン受容体、5HT受容体、オクトパミン受容体、及び神経ペプチド受容体、例えばFF、Y、FMRF、LW−アミド、及びcapa(これらは全て、マクロ付着性有機体によって発現されることが示されている)の結合、又は任意の他の着生阻害メカニズムによって、生物付着性有機体の表面着生を妨げることができる。表面上に存在するコノトキシンは、更に限定なしに電位依存性チャネル、ATPアーゼ、イオンチャネル及びポンプ(例えば、カルシウム、ナトリウム、カリウム等)、水素チャネルなどのような他の手段によって、生物付着性有機体の着生を抑止し得る。
[0025]一態様においては、本発明において開示するように用いるためのコノトキシンペプチドは、長さ約10〜約30アミノ酸、又は幾つかの態様においては約10〜約20アミノ酸であってよい。更に、コノトキシンペプチドは、イモガイから単離される天然ペプチドと同一であってよく、或いはその誘導体又は合成物質であってよい。
[0026]一態様においては、生物付着を抑止するためにχ−コノトキシンをアクアティック表面に付着させることができる。例として、生物付着を抑止するために表面に付着させることができるχ−コノトキシンペプチドとしては、Lewisらの米国特許6,794,361;Lewisらの米国特許6,849,601;及びLewisらの米国特許7,851,444(これらは全て参照として本明細書中に包含する)に記載されているものを挙げることができる。例えば、本発明において開示するように用いるためのχ−コノトキシンペプチドとしては、次の塩基配列:
Asn Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Hyp Cys (配列番号1);
Val Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Hyp Cys (配列番号2);
Xaa1 Xaa2 Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Pro Cys (配列番号3);
Xaa1 Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Hyp Cys-NH2 (配列番号4);
Xaa1 Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Xaa3 Cys (配列番号5);
Xaa1 Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Xaa3 Xaa5 (配列番号6);
Xaa1 Gly Val Cys Cys Gly Xaa4 Lys Leu Cys His Xaa3 Cys (配列番号7);
Xaa1 Asn Gly Val Cys Cys Gly Xaa4 Lys Leu Cys His Xaa3 Cys (配列番号8);
Xaa1 Asn Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Xaa3 Cys (配列番号9);
Xaa1 Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Xaa3 Cys-OH (配列番号10);
Xaa1 Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Xaa3 Cys-OH (配列番号11);
Xaa1 Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Xaa3 Cys (配列番号12)。
の1以上を挙げることができる。
ここで、
Hypは4−ヒドロキシプロリンを指し;
Xaa1はピログルタミン酸(pGlu)又はD−ピログルタミン酸(DpGlu)残基であり;
Xaa2はAsn又は欠失であり;
Xaa3は4−ヒドロキシプロリンであり;
Xaa4は4−メトキシチロシンであり;
Xaa5はD−システインであり;そして
-OHは遊離酸C末端であり;
-NH2はアミンC末端である。
[0027]勿論、コノトキシンペプチドはχ−コノトキシンペプチドに限定されず、生物付着を抑止するために、更に又は代替的に、ω−コノトキシンペプチド、α−コノトキシンペプチド、φ−コノトキシンペプチド、μ−コノトキシンペプチド、δ−コノトキシンペプチド、κ−コノトキシンペプチド、コノプレシン、コナントキン、γ−コノトキシンペプチド、及び/又はσ−コノトキシンペプチドの1以上を表面に付着させることができる。例として、限定なしに本発明において包含されるコノトキシンペプチドとしては、米国特許8,759,480;8,673,856;8,124,726;7,387,997;7,348,400;7,115,708;6,767,896;及び5,591,821(これらは全て参照として本明細書中に包含する)に記載されているものを挙げることができる。
[0028]一態様においては、複数の異なるコノトキシンペプチドをアクアティック表面に直接又は間接的に付着させることができ、これらのそれぞれは互いと同じか又は異なるコノトキシンペプチド類のものであってよい。このアプローチは、アクアティック表面に多様な機能性を与えるのに有用である可能性がある。例えば、ミクロ付着及びマクロ付着の両方の抑止において、アクアティック表面における複数の異なるコノトキシンペプチドを用いて複数の異なる有機体による生物付着を抑止することができる。
[0029]本発明において包含されるコノトキシンペプチドには、天然コノトキシンペプチドの合成物質及び誘導体の類縁体が含まれる。本明細書において用いる「誘導体」という用語は、一般に、1又はそれを超えるアミノ酸の欠失、付加、置換;或いは側鎖修飾によって天然ポリペプチドと異なるポリペプチドを指す。本明細書において用いる「合成物質」という用語は、一般に、天然残基ではないアミノ酸残基、並びにポリペプチドオリゴマー全体の合成類縁体を指す。全てのかかる誘導体及び合成物質は、コノトキシンペプチドを付着させた表面の生物付着を抑止する能力を示す。アミノ酸置換は単一の残基に典型的なものであるが、クラスター化又は分散している複数の残基のものであってもよい。
[0030]置換には、アミノ酸が異なる天然又は非既存型(non-conventional)アミノ酸残基で置き換えられるアミノ酸改変が含まれる。かかる置換は「同類」と分類されてもよく、この場合には、ペプチド中に含まれるアミノ酸残基が、極性、側鎖官能基、又は大きさのいずれかに関して同様の特性の他の天然アミノ酸によって置き換えられており、例えば、Ser⇔Thr⇔Pro⇔Hyp⇔Gly⇔Ala、Val⇔Ile⇔Leu、His⇔Lys⇔Arg、Asn⇔Gln⇔Asp⇔Glu、又はPhe⇔Trp⇔Tyrである。非既存型アミノ酸はまた、天然アミノ酸に対する好適な代替物とすることもできる。例えば、Lys残基は、オルニチン、ホモアルギニン、nor-Lys、N−メチル−Lys、N,N−ジメチル−Lys、及びN,N,N−トリメチル−Lysによって置換することができる。Lys残基はまた、N−1−(2−ピラゾリニル)−Arg、2−(4−ピペリニル)−Gly、2−(4−ピペリニル)−Ala、2−[3−(2S)ピロリニニル]−Gly、及び2−[3−(2S)ピロリニニル]−Alaなど(しかしながらこれらに限定されない)の合成塩基性アミノ酸で置き換えることもできる。Tyr残基は、4−メトキシチロシン(MeY)、メタ−Tyr、オルト−Tyr、nor−Tyr、125I−Tyr、モノハロ−Tyr、ジハロ−Tyr、O−スルホ−Tyr、O−ホスホ−Tyr、及びニトロ−Tyrで置換することができる。Tyr残基はまた、3−ヒドロキシル又は2−ヒドロキシル異性体(それぞれメタ−Tyr又はオルト−Tyr)、並びに対応するO−スルホ−及びO−ホスホ誘導体で置換することもできる。Tyr残基はまた、4−ヒドロキシメチル−Phe、4−ヒドロキシフェニル−Gly、2,6−ジメチル−Tyr、及び5−アミノ−Tyrなど(しかしながらこれらに限定されない)の合成ヒドロキシル含有アミノ酸で置き換えることもできる。脂肪族アミノ酸は、非天然脂肪族の分岐又は線状側鎖のC2n+2(n=8以下)を有する合成誘導体によって置換することができる。置換は一般に同類置換に限定される。
[0031]一態様においては、側鎖修飾を行って、ペプチドに結合するための官能基をアクアティック表面又は被覆組成物の成分に与えることができる。本発明によって意図される側鎖修飾の例としては、アルデヒドとの反応によって還元性アルキル化し、次にNaBHによって還元すること;メチルアセチミデートによるアミジン化;無水酢酸によるアシル化;シアネートによるアミノ基のカルバモイル化;2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)によるアミノ基のトリニトロベンジル化;無水コハク酸及び無水テトラヒドロフタル酸によるアミノ基のアシル化;並びにピリドキサール−5−リン酸によってリシンをピリドキシル化(pyridoxylation)し、次にNaBHによって還元すること;並びにN−アセチル化;などによるアミノ基の修飾が挙げられる。一態様においては、側鎖修飾は、ペプチドの末端アミノ酸において行って、表面にペプチドを結合させるための官能基を与えることができる。
[0032]例として、限定なしに、アルギニン残基のグアニジン基は、2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキサール、及びグリオキサールのような薬剤による複素環式縮合生成物の形成によって修飾することができ;カルボキシル基は、O−アシルイソ尿素の形成によってカルボジイミドを活性化し、次に引き続いて例えば対応するアミドへの誘導体化を行うことによって修飾することができ;酸性アミノ酸は、グリシン及びアラニンのテトラゾイル誘導体で置換することができ;チロシン残基は、例えば4位におけるメトキシ化によって改変することができ;チロシンはまた、テトラニトロメタンでニトロ化して3−ニトロチロシン誘導体を形成することによって改変することもでき;ヒスチジン残基のイミダゾール環の修飾は、ヨード酢酸誘導体によるアルキル化又はジエチルピロカーボネートによるN−カルボエトキシ化によって行うことができ;プロリン残基は、例えば4位におけるヒドロキシ化によって修飾することができる。
[0033]意図される他の誘導体としては、グリコシル化変異体が挙げられる。例えば、Ser、Thr、及びHyp残基はO−グリカンを含むように修飾することができ、一方でAsn及びGin残基はN−グリカンを形成するように修飾することができる。本発明によれば、「グリカン」という用語は、一般に、当該技術において公知の合成又は酵素法によって修飾アミノ酸の天然形(natural of modified amino acids)の任意のヒドロキシル、アミノ、又はチオール基に結合させることができるN−、S−、又はO−結合型の単糖、二糖、三糖、多糖、又はオリゴ糖を指す。グリカンを構成する単糖としては、D−アロース、D−アルトロース、D−グルコース、D−マンノース、D−グロース、D−イドース、D−ガラクトース、D−タロース、D−ガラクトサミン、D−グルコサミン、D−N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、D−N−アセチルガラクトサミン(GalNac)、D−フコース、又はD−アラビノースを挙げることができる。これらの糖類は、例えば1以上のO−スルフェート、O−ホスフェート、O−アセチル、又はシアル酸のような酸性基(これらの組合せを含む)によって構造的に修飾することができる。グリカンにはまた、D−ペニシラミン−2,5及びそのハロゲン化誘導体、或いはポリプロピレングリコール誘導体のような同様のポリヒドロキシル基を含めることもできる。グリコシド結合は、β、及び1−4、又は1−3、好ましくは1−3である。グリカンとアミノ酸の間の結合は、α又はβ、好ましくはαであってよく、1である。
[0034]コノトキシンペプチドはまた、例えば同様の方法で作用する新規な分子を同定するための結合アッセイを行うように用いるために標識することもできる。例えば、標識ペプチドリガンドは三重水素を含んでよく、又はTyr又は他の適切な残基を通じて結合させた放射性ヨウ素、蛍光色素、クエンチ剤もしくは同様のものを有してもよい。
[0035]コノトキシンペプチドは、標準的なペプチド合成法を用い、次に酸化ジスルフィド結合形成を行うことによって調製することができる。例えば、ペプチドは、Schnoltzerら(1992)によって記載されているようなBOC化学を用いる固相法によって合成することができる。固体担体から脱保護して切断した後、分取クロマトグラフィーを用いて還元ペプチドを精製することができる。精製された還元ペプチドは、緩衝系中で酸化することができ、酸化されたペプチドは分取クロマトグラフィーを用いて精製することができる。コノトキシンを合成する方法は、Miljanichらの米国特許5,051,403(参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0036]コノトキシンペプチドはまた、組換えDNA技術を用いて調製することもできる。所望のペプチド配列をエンコードするヌクレオチド配列を、好適なベクター及び適当な発現系において発現されているタンパク質中に組み込むことができる。幾つかの場合においては、発現したペプチドの更なる化学的修飾、例えばC−末端のアミド化及びN−末端グルタメート残基のピログルタメート残基への転化が適している可能性がある。幾つかの状況においては、ペプチド発現の後の化学的工程として、発現したペプチドの酸化結合形成を行うことが望ましい可能性がある。これは、折り畳まれていないペプチドを与える還元工程の後に行うことができる。当業者であれば、ペプチドを還元及び酸化するための適当な条件を容易に定めることができる。
[0037]コノトキシンの抗生物付着効果をアクアティック表面に与えるために、1種類以上のコノトキシンをアクアティック表面に直接又は間接的に付着させることができる。本明細書において用いる「直接付着」という用語は、一般に、アクアティック表面自体に共有結合又は非共有結合(例えば静電結合)しているコノトキシンペプチドを指す。直接付着コノトキシンペプチドは、ペプチドの反応性官能基(一般に、ペプチドのC−末端又はN−末端における末端反応性官能基)と、当該表面の反応性官能基の間の反応によって当該表面に結合させることができる。或いは、連結剤を用いてコノトキシンペプチドを当該表面に直接結合させることができる。例えば、モノマー又はポリマーであってよい多官能性連結剤を、当該表面と1種類以上のコノトキシンペプチドの間の固定剤として機能させることができる。
[0038]本明細書において用いる「間接的付着」という用語は、一般に、アクアティック表面に適用すことができる被覆組成物の成分であるコノトキシンペプチドを指す。コノトキシンペプチドは、被覆組成物の他の成分と単にブレンドすることができ、又は被覆組成物の成分に結合させることができる。例えば、当該成分の反応性官能基と当該ペプチドの反応性官能基の間の直接共有結合又は非共有結合、或いはモノマー又はポリマーであってよく、被覆組成物の成分にコノトキシンペプチドを結合させるように機能させることができる連結剤のいずれかによって、コノトキシンペプチドを被覆組成物のポリマー成分に結合させることができる。
[0039]本明細書において用いる「被覆組成物」及び「被覆」という用語は同義であり、一般に、任意の一時的、半永久的、又は永久的な層若しくは被膜を指す。被覆の例としては、ポリッシュ、表面クリーナー、コーキング、接着剤、仕上げ剤、塗料、ワックス、及び重合性組成物(フェノール樹脂、シリコーンポリマー、塩素化ゴム、コールタール、及びエポキシ配合物、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、エラストマー、アクリレートポリマー、フルオロポリマー、ポリエステル、及びポリウレタン、ラテックスなど)が挙げられる。シリコーン樹脂、シリコーンポリマー(例えば室温加硫(RTV)ポリマー)、及びシリコーン熱硬化ゴムは、アクアティック表面のための被覆の他の例である。本発明の実施のために好適な商業的な海洋用塗料ビヒクルは、Ameron International, Pasadena, Californiaの製品であるAmerlock 698である。匹敵する海洋用塗料ビヒクルはまた、Jotan, AS, Sandefjord,ノルウェーからも入手できる。Redmond, MichiganのZtech Technologiesから入手できる海洋用被覆組成物も、本明細書に記載するコノトキシンペプチドと組み合わせて用いることができる。
[0040]基材に(アクアティック表面に直接、又は表面被覆の成分に間接的のいずれかで)結合させる際には、着生性有機体の感覚器官とうまく相互作用して生物付着を抑止するように、コノトキシンペプチドが活性を維持することを確保することが必要である。これは、所望の活性を維持する配向でコノトキシンペプチドを基材に結合させることによって達成することができる。一態様においては、これはコノトキシンペプチドのN−末端によってコノトキシンペプチドを結合させることによって達成することができる。
[0041]一態様においては、例えばペプチドのN−末端を介して形成されたコノトキシンペプチドに結合し、基材表面の化学的性質によって定められる好適な官能基によって基材に結合するペプチド又は非ペプチド連結剤を合成することによって、結合したコノトキシンペプチドの活性を維持することができる。例として、連結剤は、コノトキシンペプチドに結合するためにCOO末端、ポリマー鎖中の2以上のグリシル単位、及び基材に結合するための第2の末端を含む修飾グリシル鎖であってよい。
[0042]グリシル鎖は、任意の好適な長さのものであってよい。一態様においては、比較的長いグリシル鎖(例えば約50mer鎖以上)を用いることができる。他の態様においては、より短い鎖、例えば約5〜約10mer鎖、又は幾つかの態様においては約7merのグリシル鎖を用いることができる。グリシル鎖は、アミノ末端が基材と相互作用して結合することができる残基を有するように修飾することができる。例えば、7merのグリシル鎖を修飾して、
HOOC−GLY−GLY−GLY−GLY−GLY−GLY−GLY−X
(式中、Xとしては、基材表面に結合することができる官能基(例えば、アミン、酸等)を挙げることができる)
の構造を有する連結剤を形成することができる。一態様においては、X基は、基材と相互作用してそれに結合することができるリノレン酸基であってよい。
[0043]基材に結合させるコノトキシンペプチドは、連結剤(例えば修飾グリシル鎖)に結合させ、その後に連結剤を介してペプチドを基材に結合させることができる。例えば、合成生物活性コノトキシンペプチドの折りたたみ及びジスルフィドブリッジの形成などの二次構造の形成をうまく行った後に、好適な化学反応を用いてコノトキシンペプチドを連結剤(例えば修飾グリシル鎖)に結合させて、完全なインタクト分子(例えば、基材に結合するための官能基を末端に有するHOOC−コノトキシンペプチド修飾グリシル鎖)を形成することができる。
[0044]一態様においては、コノトキシンペプチドを連結剤に結合させるための連結化学反応には、「クリック化学反応」を含めることができる。クリック化学反応は、高効率、モジュラー性、及び選択性であり、簡単な仕上げ手順によって起こる有機反応を分類する方法として導入された。効率的なクリック反応を用いることによって、デンドリマー、デンドロナイズド線状ポリマー、ヒドロゲル、超高分子、及び新規な共役ポリマーのような異なる構造の巨大分子を形成することができる。クリック化学法はまた、異なるメカニズムによって重合させることができるモノマーのセグメント化コポリマーを製造するためにも行われている。クリック化学反応を用いることによるペプチド修飾は、例えばCarellの国際特許出願公開WO−2011/045316、及びPloeghらの米国特許出願公開2014/0249296(参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0045]コノトキシンペプチドを連結剤に結合させた後、連結剤の官能基を用いて、例えば基材と連結剤の間にアミド結合を形成する酸/アミン反応によって、コノトキシンペプチドを基材に結合させることができる。このようにして、連結剤を介してコノトキシンペプチドを基材(アクアティック表面自体、又は被覆組成物の成分のいずれか)に結合させることができる。
[0046]限定なしにチオール、第1級アミン、第2級アミン、ニトリル、アルデヒド、イミダゾール、アジド、ハロゲン化物、ポリヘキサメチレンジチオカーボネート、水素、ヒドロキシル、カルボン酸、カルボン酸エステル、又はカルボキサミドなどの任意の好適な反応性官能基を用いて、コノトキシンペプチドをアクアティック表面に直接又は間接的に付着させることができる。特定の官能基は、一般にコノトキシンペプチドを結合させる基材の性質に応じて変化させることができる。アクアティック表面は、多くの異なる材料、例えば金属、木材、コンクリート、プラスチック等から構成されていてよく、それらはいずれも変性してそれに直接結合しているコノトキシンペプチドを含めることができる。更に、表面へのコノトキシンペプチドの間接的付着に関しては、一態様においてはコノトキシンペプチドを被覆組成物の有機ポリマー成分に結合させることができるが、これは本発明の必須要件ではなく、被覆組成物の任意の成分を用いてコノトキシンペプチドをアクアティック表面に間接的に付着させることができる。而して、コノトキシンペプチドと基材の間の共有結合又は非共有結合の形成において、任意の好適な反応性を用いることができる。
[0047]基材(即ちアクアティック表面又は被覆の成分)は、コノトキシンペプチドに結合するのに好適な官能基を既に含んでいてもよい。或いは、基材を予備処理して反応性官能基を含ませることができる。例えば、基材は、例えば強酸による酸化、オゾン処理、化学吸着、又は火炎処理によって化学的に処理することができる。一態様においては、基材は、グロー放電、コロナ放電、光活性化(例えばUV処理)、レーザー、イオン注入、イオン衝撃、電子線、γ線照射、プラズマ処理などのような照射処理を用いて官能化することができる。
[0048]アルカリ加水分解、共有結合固定化、及び湿式化学法は、コノトキシンペプチドを基材に直接結合させるために用いることができる基材変性法の例である。例えば、アルカリ加水分解法によれば、強求核性試薬(例えばヒドロキシドイオン)を用いて、基材の加水分解を促進して、ペプチドの反応性官能基との結合を形成することができるカルボキシル及びヒドロキシル官能基を形成する。
[0049]上述したように、連結剤を用いて、コノトキシンペプチドを基材、即ちアクアティック表面又は被覆組成物の成分のいずれかに結合させることができる。連結剤は、モノマー又はポリマーであってよい。例として、連結剤としては、ジエポキシドなどの多官能性エポキシド、ジイソシアネートなどのポリイソシアネート、多価アルコール、カルボジイミド、ジアミン、ジアミノアルカン、ジカルボン酸などの多官能性カルボン酸、二酸ハロゲン化物などを挙げることができるが、これらに限定されない。
[0050]多官能性カルボン酸連結剤の具体例としては、限定なしに、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、1,2−ジ(p−カルボキシフェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ビス安息香酸、1,4−又は1,5−ナフタレンジカルボン酸、デカヒドロナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロオクタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(シス及びトランスの両方)、1,4−ヘキシレンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ジカルボキシルドデカン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、ステアリン酸、及びセバシン酸を挙げることができる。アルコール基中に1〜4個の炭素原子を有するカルボン酸ジエステル、カルボン酸無水物、又はカルボン酸ハロゲン化物のような対応するジカルボン酸誘導体を用いることもできる。
[0051]連結剤として有用な代表的なジオールとしては、限定なしにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブト−2−エンジオール、1,3−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオールなどのような脂肪族ジオールを挙げることができる。限定なしにヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、メチルヒドロキノン、クロロヒドロキノン、ビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、フェノールフタレインなどのような芳香族ジオールを用いることもできる。用いることができる代表的な脂環式ジオールは、脂環式基、例えば1,6−ヘキサンジオール、ジメタノールデカリン、ジメタノールビシクロオクタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール(そのシス及びトランス異性体を含む)、トリエチレングリコール、1,10−デカンジオールなどを含む。
[0052]連結剤として用いることができる代表的なジアミンとしては、限定なしに、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、1,2−、1,3−プロピレンジアミン、N−メチル−1,3−プロピレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、並びに例えば2,4−及び2,6−トルオイレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−及び/又は−2,6−トルオイレンジアミン、並びに第1級オルト−、ジ−、トリ−、及び/又はテトラアルキル置換4,4’−ジアミノジフェニルメタンのような芳香族ジアミン、例えばイソホロンジアミン、エチレンジアミン、1,2−、1,3−プロピレンジアミン、N−メチル−1,3−プロピレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンのような(シクロ)脂肪族ジアミン、並びに例えば2,4−及び2,6−トルオイレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−及び/又は−2,6−トルオイレンジアミン、並びに第1級オルト−、ジ−、トリ−、及び/又はテトラアルキル置換4,4’−ジアミノジフェニルメタンのような芳香族ジアミンを挙げることができる。
[0053]連結剤を存在させないで基材へ結合させることと同様に、連結剤との結合を形成するために好適な反応性官能基を基材に含めることができ、或いは基材を予備処理して好適な官能基を含めることができる。例えば、基材をまずプラズマに曝露して、基材上に活性部位を生成させることができる。その後、活性部位を多官能性分子と反応させて、基材表面上に表面結合した連結剤を与えることができる。表面結合した連結剤は、次に場合によっては1以上の更なる多官能性分子と反応させて延長した連結剤鎖を形成することができる。最後に、コノトキシンペプチドは、それらを連結剤の反応性官能基と反応させることによって基材上に固定化することができる。或いは、コノトキシンペプチドをまず連結剤と反応させることができ、その後連結剤/ペプチド複合体を基材に結合させることができる。
[0054]一態様においては、ポリエチレングリコール連結剤を用いて、コノトキシンペプチドをアクアティック表面に付着させることができる。例えば、Zalipskyの米国特許5,122,614(参照として本明細書中に包含する)に記載されているように、水性の塩基性条件下において、ウレタン結合によってコノトキシンペプチドのアミン基及び基材表面へ結合させることができるオキシカルボニル−N−ジカルボキシミド官能基によってポリエチレングリコールを活性化することができる。ポリエチレングリコール連結剤は、一態様においては、透明な防汚性方面を与えるために透明なアクアティック表面にコノトキシンペプチドを直接結合させるために用いることができる。しかしながら、透明な防汚性アクアティック表面を形成するための他の付着メカニズムが本発明に包含されることを理解すべきである。
[0055]一態様においては、ポリマー連結剤にステアリン酸成分を含めることができる。例えば、連結剤として1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を用いることによって、コノトキシンペプチドのアミン基をステアリン酸のカルボキシル基と架橋させることができる。カルボジイミドの化学的性質はまた、ステアリン酸を基材に結合させるのに用いることもできる。或いは、異なる化学方法を用いて、連結剤をコノトキシンペプチドに結合させるのに用いる場合と同様にステアリン酸連結剤を基材に結合させることができる。連結剤を基材に結合させるために好ましい結合化学は、一般に基材の性質によって定めることができる。
[0056]他の代表的な態様においては、Zhaoら(Journal of Biomedical Materials Research A, 2012年1月, vol. 100A, 1版)によって記載されているような多官能性エチレングリコール連結剤を用いることができる。簡単に言うと、シラン及びアジド末端を有するヘテロ二官能性テトラ(エチレングリコール)分子を合成することができ、この分子を用いて一工程でアジド誘導体化表面を形成することができる。得られる表面は、アルキン含有ペプチドとの共役に使用することができ、これは低温及び水溶液中で進行させることができる。簡潔な全体的手順及び高効率の共役反応によって、表面上のペプチドの高い密度を達成することができる。
[0057]コノトキシンペプチドと組み合わせて用いることができる被覆組成物には、一般にポリマー基材を含めることができる。本明細書において用いる「ポリマー基材」という用語は、一般に、コノトキシンペプチドと混合して、及び/又はそれに結合させるのに好適で、アクアティック表面を被覆するために用いることができる任意のポリマー又は複数のポリマーの混合物を指す。例えば、塗料に、ポリマー基材と好適な溶媒又は懸濁媒体(例えば水)の混合物を含めることができる。塗料は剥離性塗料(ablative paint)であってよく、この場合には船体がアクアティックを進む際の摩擦力によって、塗布された塗料被覆の最外面を除去することができる。剥離によって、コロニー化した有機体が除去され、表面にコノトキシンペプチドが保持される。ポリマー基材には、例えばラテックス基材、ポリマーエポキシ基材などを含めることができる。
[0058]種々の合成及び天然ポリマーをポリマー基材中に含めることができる。好適なポリマーの例としては、限定なしに、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタンベースの樹脂、塩素化ゴム樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、合成ゴム、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、石油樹脂、油脂樹脂、ロジンエステル樹脂、及び/又はロジン石けんが挙げられる。ポリエステルベースの樹脂としては、不飽和酸及び無水物、飽和酸及び無水物、グリコール、及びグリコールモノマーから形成されるものが挙げられる。ポリマー基材には、複数のポリマーのブレンド、例えば天然ポリマー材料(例えばロジン)と合成材料(例えば塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー)のブレンドを含めることができる。ビニル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビニルアクリルコポリマー樹脂、ビニルエステル(例えば、C2〜20の線状又は分岐のアルカン酸、アルケン酸、アルキルジエン酸のビニルエステル)、並びにこれらの組合せが本発明において包含される。
[0059]一態様においては、ポリマー基材に、1種類以上のアクリル樹脂(例えば、ポリエステルアクリル樹脂、エポキシアクリル樹脂、ポリエーテルアクリル樹脂、ビニルアクリル樹脂、スチレン/アクリルコポリマー樹脂、ウレタンアクリル樹脂、フルオロアルキル(メタ)アクリレート/シリル(メタ)アクリレート/アルキル(メタ)アクリレートターポリマー(例えばAubartらの米国特許6,767,978(参照として本明細書中に包含する)に記載されているもの)、アクリルエマルジョン樹脂、及びポリオールアクリル樹脂)を含めることができる。塩化ビニル、ビニルイソブチルエーテル、カルボン酸官能性ポリマー、及びこれらの組合せのコポリマー、例えば塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−ビニルイソブチルエーテルコポリマー等も包含される。コポリマーとしては、限定なしに、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルエチルブチルエーテル、ビニルヘキシルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、及びビニルシクロヘキシルエーテルのようなビニルエーテルのコポリマーを挙げることができる。塩化ビニルとビニルイソブチルエーテルのコポリマーとしては、BASFによってLaroflex(登録商標)の商品名で販売されているものが挙げられる。
[0060]ポリマー基材には1種類以上の天然ロジンを含めることができる。例えば、ロジンは、ガムロジン、グレードB、C、D、E、F、FF、G、H、I、J、K、L、M、N、W−G、W−W(ASTM−D509標準規格によって規定)のウッドロジン、バージンロジン、ハードロジン(hard rosin)、黄色ディップロジン(yellow dip rosin)、NFウッドロジン、トール油(tail oil)ロジン、コロフォニー、コロフォニウム、天然ロジンの単一の成分(例えば、アビエチン酸、アビエチニン酸、シルビン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、レボピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、パルストル酸、デクストロピマル酸、イソデクストロピマル酸、デクストロピマリナール、イソデクストロピマリナール、キサントペロール、タタロール、ポドカルピン酸、フィロクラデン、スギオール、フェルギノール、ヒモキオール、マノオール、マノイルオキシド、ケトマノイルオキシド、カチビニン酸、エペルアニン酸、およびアビエチン酸のジテルペン骨格をベースとする全ての他のロジン成分)、並びにこれらの組合せであってよい。
[0061]種々の態様においては、被覆組成物に希釈剤を含めることができる。希釈剤としては、例えば、限定なしに、アルコール、脂肪族、脂環式、及び芳香族炭化水素、ケトン、エーテルアルコール、エステル、塩素化炭化水素、及びこれらの組合せを挙げることができる。通常は、希釈剤は組成物の成分(例えば樹脂)のための溶媒として機能させることができる。例えば、希釈剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ベンジルアルコール、ホワイトスピリット、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルジグリコール、メトキシプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、塩化メチレン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、及びこれらの組合せを挙げることができる。
[0062]通常は、希釈剤は、被覆組成物をアクアティック表面に適用したら蒸発させる。したがって、乾燥及び/又は硬化させた被覆は、被覆中に最小濃度の希釈剤を有する可能性がある。
[0063]当該技術において一般的に知られている添加剤を被覆組成物中に含めることができる。添加剤としては、例えば、顔料、充填剤、増量剤、膨潤剤、湿潤剤、殺生物剤、及びこれらの組合せの1以上を挙げることができる。顔料は、例えば有機又は無機顔料であってよい。被覆中で用いるための通常の顔料としては、フタロブルー、ハンサイエロー、オーカー、アンバー、キナクリドンレッド、ピグメントレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ペリレンレッド、カーボンブラック、ルチル及びアナターゼ二酸化チタン、リトポン、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、硫化バリウム、鉛白、酸化亜鉛、含鉛酸化亜鉛、赤色酸化鉄、ブラウンオキサイド、アルミニウム粉末、蒸着アルミニウム粉末、アルミナ粉末、ニッケル粉末、銅粉末、黄銅粉末、クロム粉末、真珠層真珠マイカ粉末、及び真珠層着色真珠マイカ粉末、並びにこれらの組合せを挙げることができる。
[0064]被覆組成物には1種類以上の充填剤を含めることができる。充填剤としては、概して、微細な粒径を有し、被覆組成物の溶媒媒体中に分散性であり、一旦分散したら沈降しない添加剤が挙げられる。代表的な充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化鉄、カオリン、クレイ、二酸化チタン、アルミナ三水和物、パイロフィライト、石英、シリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、シリケート、硫酸バリウム、酸化アンチモン、マイカ、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、長石、霞石閃長岩、カーボンブラック充填剤、チタネート、タルク、石膏、耐熱性石英ガラス、珪灰石、バガス、ココナツ殻/繊維、コルク、トウモロコシ粒、綿ベースの充填剤、フィルソナイト(filsonite)、堅果殻粉、もみ殻、サイザル/麻、大豆、デンプン木粉、及びこれらの組合せが挙げられる。
[0065]被覆組成物には、場合によって1種類以上の湿潤剤を含めることができる。湿潤剤は、液体の表面張力を減少させて、液体をより容易に固体の表面に拡げるか又は浸透させることができる物質である。被覆組成物中に含めることができる代表的な湿潤剤としては、限定なしに、不飽和ポリアミンアミドと低分子酸ポリマーの塩の溶液、ナトリウムポリホスフェート、アリール又はアルキルホスフェート、低分子量ポリ(アクリル酸)の塩、スルホン化ポリエチレンの塩、ポリ(ビニル−ホスホン酸)の塩、ポリ(マレイン酸)の塩、マレイン酸とオレフィンのコポリマーの塩、及びこれらの組合せを挙げることができる。
[0066]形成の後、被覆組成物をアクアティック表面に適用することができる。例えば、被覆組成物は、表面上にブラシ塗布又は噴霧することができ、或いは例えばロープのような表面上への塗布においては浸漬被覆として適用することができる。任意の好適な適用法が本発明に包含される。一態様においては、本組成物は、牡蛎又はイガイのような養殖貝類の外表面を被覆して、それによって、繁茂することによって直接か、又は清浄な水の流れを制限することによって養殖貝類の成長速度を遅延させる可能性がある有機体のその上での成長を制限するために用いることもできる。
[0067]本発明は、下記に示す実施例を参照してより良好に理解することができる。
[0068]種々の濃度のχ−コノトキシンペプチド:
pGlu Gly Val Cys Cys Gly Tyr Lys Leu Cys His Hyp Cys-NH2 (配列番号13)
の溶液中において、キプリス幼生の着生及び付着を調べた。
[0069]溶液には、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む溶液中に溶解した5mg/mLのペプチド、DMSOを含む溶液中に溶解した3mg/mLのペプチド、DMSOを含む溶液中に溶解した1mg/mLのペプチド、DMSOを含む溶液中に溶解した0.1mg/mLのペプチド、含む溶液中に溶解した0.01mg/mLのペプチドを含めた。
[0070]この溶液は、5mg/mLの濃度で牡蛎の血球においてアポトーシスを引き起こすことが分かった。
[0071]3日齢のキプリスの付着の研究によって、可溶性ペプチドは、3mg/mLにおいてキプリスの着生を抑止し、1mg/mLにおいて着生を促進したことが明らかになった(図1)。試験した表面は、標準的なペトリ皿内に配置したカバーガラスであった。図において、皿、対照、及びDMSOは、陰性対照である。分類には、皿−プラスチックペトリ皿の表面上におけるキプリスによる着生の測定値;対照−カバーガラス上におけるキプリスによる着生の陰性対照測定値;DMSO−可溶処理として皿内に同じ最終濃度のジメチルスルホキシドのみを含む溶液中におけるキプリスによる着生の測定値を含めた。
[0072]いかなる特定の理論にも縛られることは望まないが、配列番号13は、低い濃度においては、キプリスのアドレナリン受容体がペプチドによって刺激されたために着生を誘発したと考えられる。これは閾値効果であり、リガンドに結合して挙動反応(この場合には刺激である)を誘発させることが必要な受容体の最小数が存在することを暗示していると考えられる。より高い濃度においては、この効果は着生に対して抑制性である。これらの効果は可溶性ペプチドに関して認められたので、このペプチドの防汚効果はキプリスの表面探査の前に起こっている。
[0073]本発明を示す目的で幾つかの代表的な態様及び詳細を示したが、本発明の範囲か
ら逸脱することなしに本発明において種々の変更及び修正を行うことができることは、当
該技術における当業者に明らかになるであろう。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
コノトキシンペプチドを含むアクアティック表面のための被覆組成物。
[請求項2]
請求項1に記載の被覆組成物であって、コノトキシンペプチドが当該被覆組成物の成分
に結合しており、例えばコノトキシンペプチドが連結剤によって当該成分に結合している
、前記被覆組成物。
[請求項3]
アクリル樹脂のようなポリマー基材を更に含み、並びに場合によっては希釈剤、充填剤
、湿潤剤、及び顔料の1以上を更に含む、請求項1に記載の被覆組成物。
[請求項4]
コノトキシンペプチドがχ−コノトキシンペプチドである、請求項1に記載の被覆組成
物。
[請求項5]
コノトキシンペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番
号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11
、配列番号12、又は配列番号13を含む、請求項1に記載の被覆組成物。
[請求項6]
海洋用塗料である、請求項1に記載の被覆組成物。
[請求項7]
アクアティック表面であって、当該アクアティック表面に直接又は間接的に付着してい
るコノトキシンペプチドを含む、前記アクアティック表面。
[請求項8]
コノトキシンペプチドが、連結剤、例えばポリマー連結剤によって当該アクアティック
表面に直接結合している、請求項7に記載のアクアティック表面。
[請求項9]
コノトキシンペプチドが前記表面上の被覆組成物の成分であり、場合によってはコノト
キシンペプチドは当該被覆組成物の成分に直接結合している、例えば連結剤を介して直接
結合している、請求項7に記載のアクアティック表面。
[請求項10]
コノトキシンペプチドがχ−コノトキシンペプチドである、請求項7に記載のアクアテ
ィック表面。
[請求項11]
コノトキシンペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番
号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11
、配列番号12、又は配列番号13を含む、請求項7に記載のアクアティック表面。
[請求項12]
請求項7に記載のアクアティック表面であって、当該表面が、船舶又は固定式若しくは
浮体式海洋構造物の表面である、前記アクアティック表面。
[請求項13]
請求項7に記載のアクアティック表面であって、当該表面が、約1014ペプチド/c
以上の量のコノトキシンペプチドを含む、前記アクアティック表面。
[請求項14]
コノトキシンペプチドをアクアティック表面に直接又は間接的に付着させることを含む
、生物付着を抑止する方法。
[請求項15]
前記表面を予備処理して前記表面上に反応性官能基を形成することを更に含む、請求項
14に記載の方法。
[請求項16]
被覆組成物を前記表面に適用することを含み、当該被覆組成物はコノトキシンペプチド
を含み、コノトキシンペプチドは、場合によっては当該被覆組成物の成分に結合している
、例えば連結剤を介して結合している、請求項14に記載の方法。

Claims (31)

  1. アクアティック表面、前記表面に結合したポリマー連結剤、及び前記ポリマー連結剤に
    結合したχコノトキシンペプチドを含む基材であって、前記ポリマー連結剤が、前記χコ
    ノトキシンペプチドと前記表面との間にある、前記基材。
  2. 前記χコノトキシンペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、
    配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番
    号11、配列番号12、又は配列番号13を含む、請求項1に記載の基材。
  3. 前記χコノトキシンペプチドが、前記ポリマー連結剤に共有結合している、請求項1に
    記載の基材。
  4. 当該表面が、1014ペプチド/cm以上の量の前記χコノトキシンペプチドを含む
    、請求項1に記載の基材。
  5. 前記χコノトキシンペプチドが、前記χコノトキシンペプチドのN−末端を介して前記
    ポリマー連結剤に結合している、請求項1に記載の基材。
  6. 前記ポリマー結合剤がペプチドポリマー連結剤である、請求項1に記載の基材。
  7. 前記ペプチドポリマー連結剤がグリシル鎖を含む、請求項1に記載の基材。
  8. 前記ポリマー連結剤が、前記ポリマー連結剤の反応性官能基と前記表面との反応生成物
    を介して前記表面に結合しており、前記官能基は、チオール、第1級アミン、第2級アミ
    ン、ニトリル、アルデヒド、イミダゾール、アジド、ハロゲン化物、ポリヘキサメチレン
    ジチオカーボネート、ヒドロキシル、カルボン酸、カルボン酸エステル、及びカルボキサ
    ミドからなる群から選択される、請求項1に記載の基材。
  9. 前記ポリマー連結剤が、前記ポリマー連結剤の前記官能基と前記表面の反応性官能基と
    の反応生成物を介して前記表面に結合している、請求項8に記載の基材。
  10. 前記表面の前記反応性官能基が、基材予備処理プロセスの生成物である、請求項9に記
    載の基材。
  11. 前記連結剤が、多官能性エポキシド、ポリイソシアネート、多価アルコール、カルボジ
    イミド、ジアミン、ジアミノアルカン、及び多官能性カルボン酸からなる群から選択され
    る、請求項1に記載の基材。
  12. 前記ポリマー連結剤が、前記表面に結合した表面結合多官能性分子である、請求項1に
    記載の基材。
  13. 前記表面が、金属、木材、コンクリート、ガラス、又は有機ポリマーを含む、請求項1
    に記載の基材。
  14. 基材を含む被覆組成物であって、前記基材が、表面、前記表面に結合したポリマー連結
    剤、及び前記ポリマー連結剤に結合したχコノトキシンペプチドを含み、前記ポリマー連
    結剤が、前記χコノトキシンペプチドと前記表面との間にある、前記組成物。
  15. 前記χコノトキシンペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、
    配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番
    号11、配列番号12、又は配列番号13を含む、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記χコノトキシンペプチドが、前記ポリマー連結剤に共有結合している、請求項14
    に記載の組成物。
  17. 当該表面が、1014ペプチド/cm以上の量の前記χコノトキシンペプチドを含む
    、請求項14に記載の組成物。
  18. 前記χコノトキシンペプチドが、前記χコノトキシンペプチドのN−末端を介して前記
    ポリマー連結剤に結合している、請求項14に記載の組成物。
  19. 前記ポリマー結合剤がペプチドポリマー連結剤である、請求項14に記載の組成物。
  20. 前記ペプチドポリマー連結剤がグリシル鎖を含む、請求項14に記載の組成物。
  21. 前記ポリマー連結剤が、前記ポリマー連結剤の反応性官能基と前記表面との反応生成物
    を介して前記表面に結合しており、前記官能基は、チオール、第1級アミン、第2級アミ
    ン、ニトリル、アルデヒド、イミダゾール、アジド、ハロゲン化物、ポリヘキサメチレン
    ジチオカーボネート、ヒドロキシル、カルボン酸、カルボン酸エステル、及びカルボキサ
    ミドからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
  22. 前記ポリマー連結剤が、前記ポリマー連結剤の前記官能基と前記表面の反応性官能基と
    の反応生成物を介して前記表面に結合している、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記表面の前記反応性官能基が、基材予備処理プロセスの生成物である、請求項22に
    記載の組成物。
  24. 前記連結剤が、多官能性エポキシド、ポリイソシアネート、多価アルコール、カルボジ
    イミド、ジアミン、ジアミノアルカン、及び多官能性カルボン酸からなる群から選択され
    る、請求項14に記載の組成物。
  25. 前記ポリマー連結剤が、前記表面に結合した表面結合多官能性分子である、請求項14
    に記載の組成物。
  26. 前記表面が、金属、木材、コンクリート、ガラス、又は有機ポリマーを含む、請求項1
    4に記載の組成物。
  27. 海洋用塗料である、請求項14に記載の被覆組成物。
  28. χコノトキシンペプチドをアクアティック表面に直接又は間接的に付着させることを含
    む、生物付着を抑止する方法。
  29. 前記表面を予備処理して前記表面上に反応性官能基を形成することを更に含む、請求項
    28に記載の方法。
  30. 被覆組成物を前記表面に適用することを含み、当該被覆組成物は前記χコノトキシンペ
    プチドを含み、前記χコノトキシンペプチドは、場合によっては当該被覆組成物の成分に
    結合している、例えば連結剤を介して結合している、請求項28に記載の方法。
  31. 前記χコノトキシンペプチドが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、
    配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番
    号11、配列番号12、又は配列番号13を含む、請求項28に記載の方法。
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