JP6730720B1 - マイクロニードルの成形方法及び成形金型 - Google Patents

マイクロニードルの成形方法及び成形金型 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法精度の高い中空のマイクロニードルを量産することができる成形方法を提供する。【解決手段】錐状体のニードル部111に貫通孔111Aが形成されたマイクロニードル110の成形方法であって、可動型130と複数に分割される固定型120とを備える金型140が準備される準備工程と、金型のキャビティに樹脂が射出される射出工程とを備える。固定型は、ニードル部の頂点と貫通孔の開口部の中心とを含む面で分割される。可動型130によりニードル部111の貫通孔111Aが成形され、複数の固定型120のそれぞれによりニードル部111の外面形状が成形される、【選択図】図3

Description

本発明は、中空型のマイクロニードルを射出成形によって成形する成形方法及び成形金型に関する。
マイクロニードルは、1mm未満の直径および長さの極小の針として公知である。中空型のマイクロニードルは、貫通孔が形成される中空形状である。例えば、特許文献1には、中空型のマイクロニードルを射出成形によって成形する成形方法が開示される。
従来、中空型のマイクロニードルを成形するときに用いられる射出成形金型の固定型は、一枚型(単一の金型ユニット)である。そのため、例えば、円錐形状のニードル部の外面形状を成形する時には、金型にインローピンを保持するための穴を加工し、加工した穴をさらに円錐形状に加工する必要がある。
深型の底部における穴加工または円錐形状の加工では、加工作業が困難であるため、固定型の寸法精度が低い。固定型の寸法精度が低いため、型締め時の固定型と可動型との位置精度が低い。そのため、寸法精度の高い中空型のマイクロニードルを量産することが困難であった。
特開2003−038645号公報
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためのものであり、寸法精度の高い中空のマイクロニードルを量産することができる成形方法及び成形金型を提供することを目的とする。
本発明に係るマイクロニードルの成形方法は、
錐状体のニードル部に貫通孔が形成されたマイクロニードルの成形方法であって、
可動型と複数に分割される固定型とを備える金型が準備される準備工程と、
前記金型のキャビティに樹脂が射出される射出工程と、を備え、
前記可動型は、前記ニードル部の前記貫通孔の形状が成形されるピン部を備え、
前記固定型は、ニードル成形部と、前記ピン部の先端部を保持するピン保持部と、該ピン保持部と連通するエアベント部とを備え、
前記固定型は、前記ニードル部の頂点と前記貫通孔の開口部の中心とを含む面で分割され、
前記ピン部と前記ニードル成形部との隙間に前記キャビティの前記樹脂を流動させ、前記樹脂は前記ピン保持部と前記ピン部の先端部との隙間に空気を押し込み、該空気を前記エアベント部から外部へ排出し、
前記可動型により前記ニードル部の前記貫通孔が成形され、
前記複数の固定型のそれぞれにより前記ニードル部の外面形状が成形される、ことを特徴とする。
本発明に係るマイクロニードルの成形方法において、
前記マイクロニードルは、複数の前記ニードル部が1列に並んで成形され、
前記固定型は、2つに分割され、
前記固定型の分割されるそれぞれによって前記ニードル部の外面形状の一部が成形されることが好適である。
本発明に係るマイクロニードルの成形方法において、
前記マイクロニードルは、複数の前記ニードル部が複数列に並んで成形され、
前記固定型の分割されるそれぞれによって前記ニードル部の外面形状の一部が成形されることが好適である。
本発明に係るマイクロニードルの成形金型は、
錐状体のニードル部に貫通孔が形成されたマイクロニードルを射出成形によって成形する成形金型であって、
前記ニードル部の前記貫通孔を成形する可動型と、
前記ニードル部の外面形状を成形する複数に分割される固定型とを備え、
前記固定型は、前記ニードル部の頂点と前記貫通孔の開口部の中心とを含む面で分割され
前記可動型は、前記ニードル部の前記貫通孔の形状が成形されるピン部を備え、
前記分割される固定型のそれぞれの合わせ面には、前記ニードル部の外面形状の一側部分を成形するニードル成形部と、前記可動型の前記ピン部の先端部を保持するピン保持部と、該ピン保持部と連通するエアベント部とを備え、
前記ピン部と前記ニードル成形部との隙間に前記キャビティの前記樹脂を流動させ、前記樹脂は前記ピン保持部と前記ピン部の先端部との隙間に空気を押し込み、該空気を前記エアベント部から外部へ排出するように形成されている、ことを特徴とする。
本発明に係るマイクロニードルの成形金型において、
前記ピン部は、テーパー部と先端部とを備えることが好適である。
本発明に係るマイクロニードルの成形金型において、
前記マイクロニードルは、複数の前記ニードル部が1列に並んで成形され、
前記固定型の分割されるそれぞれは、前記1列に並んだ複数の前記ニードル部の外面形状の一部を成形するように形成されていることが好適である。
本発明に係るマイクロニードルの成形金型において、
前記マイクロニードルは、複数の前記ニードル部が複数列に並んで成形され、
前記固定型の分割されるそれぞれは、前記複数列に並んだ各列の複数の前記ニードル部の外面形状の一部を成形するように形成されている、ことが好適である。
本発明の成形方法及び成形金型によれば、寸法精度の高い中空型のマイクロニードルを量産することができる。
より詳細には、本発明の成形方法によれば、射出成形金型の固定型が分割されるため、固定型を切削加工することができる。固定型を切削加工することができるため、固定型の寸法精度を向上することができる。例えば、深型の最深部にマイクロニードルを形成する、マイクロニードルに微細な貫通孔を得るための微細な溝を形成する、金型にエアベント部を形成することができる。そして、寸法精度が向上した固定型に樹脂を射出成形することによって、寸法精度の高い中空型のマイクロニードルを量産することができる。
本発明の実施形態1に係るマイクロニードルを示す斜視図である。 ニードル部の断面図及び平面図である。 射出成形用金型を示す斜視図である。 射出成形用金型を示す断面図である。 可動型のピン部を示す斜視図である。 射出成形工程の流れを示すフロー図である。 射出工程の作用を示す斜視図である。 本発明の実施形態2に係るマイクロニードルを示す斜視図である。 固定型を示す斜視図である。 固定型を分割したうちの一つを示す斜視図である。 可動型を示す斜視図である。 別のマイクロニードルを示す斜視図である。 別のマイクロニードルの第1適用例を示す断面図である。 別のマイクロニードルの第2適用例を示す断面図である。 ニードル部を複数列設ける場合の配列の変形例を示す平面図である。
本発明の実施形態の一例は、図面を参照しながら詳細に説明される。
実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に表された構成要素の寸法比率などは現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。本明細書において、「略**」との用語は、略平行を例に挙げて説明すると、完全に平行はもとより、実質的に平行と認められる状態を含む。
<マイクロニードル>
まず、本発明に係るマイクロニードルの成形方法により成形されるマイクロニードルの構成について説明する。
図1Aは、本実施形態1に係るマイクロニードル110の構成を斜視図によって表す。
マイクロニードル110は、1mm未満の直径および長さのニードル部111を有する極小の針である。マイクロニードル110は、樹脂製とされる。マイクロニードル110は、後述する射出成形金型140を用いる射出成形工程S100によって成形される。
マイクロニードル110は、3つのニードル部111と、第1ベース部112と、第2ベース部113と、を備える。3つのニードル部111は、1列に並んで成形される。ここで、1列に並んだ3つのニードル部111のそれぞれが2分割される面は、「境界面F1」(図2B)として定義される。マイクロニードル110の外面には、境界面F1とマイクロニードル110の外面が交差する所に分割線PL(図1A参照)が現れる。ニードル部111の数および配列は、特に限定されない。
ニードル部111の詳細は、後述する。
第1ベース部112は、深型の鍋形状に成形される。第1ベース部112の先端側には、ニードル部111が成形される。第1ベース部112は、例えば、マイクロニードル110が注射器に装着される時に、注射器の先端側に取り付けられる。
第2ベース部113は、鍔形状に成形される。第2ベース部113は、第1ベース部112の基端側に形成される。
図1Bに示すように、ニードル部111は、錐状体としての略円錐形状に形成される。本実施形態のニードル部111は、略円錐形状に形成されるが、これに限定されない。錐状体は、例えば、略四角錐または略三角錐を含む。また、錐状体は、略円錐と略四角錐とを組み合わせたもの、または略円錐と略三角錐とを組み合わせたものを含む。さらに、錐状体は、錐状体の軸を含む断面に現れる斜面が直線又は折れ線であるもの、外側に凸の曲線又は内側に凹の曲線であるものも含む。略円錐形状の頂点は、「頂点T」として定義される。略円錐形状の頂点Tから底面10Bに下した垂線は、「軸線A1」として定義される。
ニードル部111には、貫通孔111Aが形成される。貫通孔111Aの中心を貫く貫通線は、「軸線A2」として定義される。貫通孔111Aが形成されるニードル部111を備えるマイクロニードル110は、「中空型のマイクロニードル」として定義される。
貫通孔111Aは、軸線A1に対してオフセットして形成される。言い換えれば、貫通孔111Aの軸線A2は、軸線A1に対してオフセットして形成される。
ニードル部111は、底面10Bの重心Gに対して、軸線A1がオフセットして形成される。言い換えれば、ニードル部111は、軸線A1による底面10Bの足(通過部)Ftと、重心Gとがオフセットして形成される。
底面10Bは、オーバル形状に形成される。より詳細には、底面10Bは、卵形状に形成される。本実施形態の底面10Bは、卵形状に形成されるが、これに限定されず、楕円形状と三角形状の組み合わせ等、種々の形状に形成される。また、「オーバル形状」は、長円形状(トラック形状)および楕円形状を含む。
「重心G」は、平面図形としての底面10Bの重心Gとして定義される。具体的には、「重心G」は、図形内における1次のモーメントの総和が0になる点として定義される。本実施形態のように底面10Bが卵形状の場合には、重心Gは、対称軸Sの軸上であって、対称軸Sの中心よりも先端側の反対側に位置する。
「対称軸S」は、底面10Bの卵形状が線対称となる軸として定義される。なお、対称軸は、底面10Bが楕円形状の場合には、長軸である。対称軸Sは、底面10Bが長円形状の場合には、長軸である。「先端側」は、底面10Bの卵形状における尖った側として定義される。
例えば、底面10Bが円の場合には、重心Gは、円の中心である。底面10Bが楕円の場合には、重心Gは、長軸と短軸との交点である。底面10Bが長円の場合には、重心Gは、長軸の中心である。底面10Bが三角形の場合には、重心Gは、三角形の3つの中線の交点である。
「オフセット」は、設計段階において意図的にずらして設計される、として定義される。「オフセット」は、例えば加工による寸法公差内のずれは含まない。
底面10Bの輪郭は、円に近似した輪郭と、楕円に近似した輪郭と、に分けられる。言い換えれば、楕円に近似した輪郭は、円に近似した輪郭よりも扁平率が大きい。ニードル部111の表面において、頂点Tから円に近似した輪郭と楕円に近似した輪郭との境界のそれぞれに向かって伸ばされた線分は、「境界線R」として定義される。
頂点Tと、境界線Rと、円に近似した輪郭と、を含む傾斜面は、「緩傾斜面10L」として定義される。頂点Tと、境界線Rと、楕円に近似した輪郭と、を含む傾斜面は、「急傾斜面10S」として定義される。ニードル部111の表面(底面10Bを除く)は、緩傾斜面10Lと、急傾斜面10Sと、に分けられる。底面10B上の軸線A1による垂線の足Ftから緩傾斜面10L側にある底面10Bの輪郭と対称軸Sとの交点S1までの距離L1は、底面10B上の軸線A1による垂線の足Ftから急傾斜面10S側にある底面10Bの輪郭と対称軸Sとの交点S2までの距離L2より長く形成される。
貫通孔111Aは、軸線A1に対し、底面10Bの卵形状の対称軸Sの先端側の反対側にオフセットして形成される。より詳細には、貫通孔111Aの軸線A2は、軸線A1に対し、底面10Bの卵形状の対称軸Sの先端側の反対側にオフセットして形成される。
貫通孔111Aは、図1B(b)に示すように、対称軸Sと交差し、底面10Bの重心Gを通過するように形成される。より詳細には、貫通孔111Aの軸線A2は、底面10Bの対称軸Sの軸上にある重心Gを通過するように形成される。貫通孔111Aは、必ずしも底面10Bの重心Gを通過する必要はなく、図1B(b)に示すように、対称軸Sから最も離れた底面10Bの輪郭上の点を結ぶ線Wと対称軸Sとの交点O、すなわち、最も幅広の部分の中心Oを通過するようにしてもよい。
貫通孔111Aは、底面10Bから緩傾斜面10Lに向かって形成される。貫通孔111Aの緩傾斜面10Lにおける開口部は、「開口部11C」として定義される。貫通孔111Aは、テーパー形状とされる。より具体的には、貫通孔111Aは、テーパー部11Tと、ストレート部11Sと、を備える。
テーパー部11Tは、底面10Bから貫通孔111Aの開口部11C側の中途部に向かって縮径するように形成される。ストレート部11Sは、テーパー部11Tの最も縮径された径にて貫通孔111Aの中途部から開口部11Cまで形成される。
マイクロニードル110の作用として、例えば、マイクロニードル110を注射針に取り付けて薬剤が人体に投与される場合には、貫通孔111Aがテーパー形状とされるため、薬剤の注入抵抗が低減される。
マイクロニードル110の効果として、マイクロニードル110は、鋭利な形状とされ、なおかつ、マイクロニードルの強度が確保される。
すなわち、貫通孔111Aが軸線A1に対してオフセットして形成されるため、ニードル部111の先端部が形成される。ニードル部111の先端部が形成されるため、ニードル部111の先端部が鋭利な形状とされる。
さらに、底面10Bの重心G又は最も幅広の部分の中心Oに貫通孔111Aが形成されるため、貫通孔111Aの肉厚が確保される。貫通孔111Aの肉厚が確保されるため、マイクロニードル110の強度が確保される。
<マイクロニードルの成形金型及び成形方法>
次に、マイクロニードルの成形金型及び成形方法について説明する。なお、本発明のマイクロニードルの成形方法及び成形金型は、前記構成のマイクロニードルのように急傾斜面と緩傾斜面を有し底面がオーバル形状の錘状体で貫通孔が緩傾斜面側にオフセットしたマイクロニードルが最適である。しかし、本発明のマイクロニードルの成形方法及び成形金型は、錐状体に貫通孔が形成されるマイクロニードルであればよく、円錐状で貫通孔がオフセットしたマイクロニードルや、円錐状で貫通孔がオフセットしていないマイクロニードルにも適用できる。
図2A,図2Bは、金型としての射出成形金型140の構成をそれぞれ斜視図、断面図によって表す。また、図2Aは、固定型120のうちの第1固定型120Aのみを表す。さらに、図2Aは、射出成形金型140の型締め時の状態を表す。なお、「型締め時」は、後述する型締工程S120が終了した状態として定義される。
金型としての射出成形金型140は、後述する射出成形工程S100において、マイクロニードル110が成形される時に用いられる。射出成形金型140は、固定型120と、可動型130と、を備える。
固定型120は、複数に分割される。実施形態1の固定型120は、図2Bに示すように、第1固定型120Aと、第2固定型120Bと、の2つに分割される。第1固定型120Aと第2固定型120Bとを合わせる時は、位置合わせ機構が用いられる。「位置合わせ機構」は、ピンまたは外枠等が用いられる。ニードル部111が2分割される合わせ面は、ニードル部111の錐状体の頂点と貫通孔111Aの開口部の中心とを含む。
第1固定型120Aおよび第2固定型120Bのそれぞれによってニードル部111の外面形状の一部が成形される。第1固定型120Aによってマイクロニードル110の境界面F1より一側の部分が成形される。第2固定型120Bによってマイクロニードル110の境界面F1より他側の部分が成形される。
第1固定型120Aの第2固定型120Bとの合わせ面には、ニードル成形部121と、ピン保持部122と、エアベント部123と、第1ベース成形部124と、が形成される。ニードル成形部121、ピン保持部122、エアベント部123および第1ベース成形部124は、連通して形成される。エアベント部123は、第1固定型120Aの第2固定型120Bとの合わせ面の両縁を面取りすることにより形成された排出部125を介して外部と連通している。
ニードル成形部121によって、ニードル部111の外面形状の境界面F1より一側の部分が成形される。ピン保持部122は、後述するピン部132を隙間なく保持するように形成される。エアベント部123は、浅い溝として形成される。第1ベース成形部124によって、第1ベース部112の外面形状の境界面F1より一側の部分が成形される。
なお、第2固定型120Bは、エアベント部123が形成されない点を除いて、第1固定型120Aと同様の形状であるため、説明を省略する。
可動型130は、固定型120に対し進退するように構成される。可動型130は、3個のピン部132と、第1ベース成形部134と、を備える。
ピン部132によってニードル部111の貫通孔111Aが成形される。ピン部132は、テーパー形状に形成される。ピン部132の構成の詳細は、後述する。
第1ベース成形部134は、略円柱形状に形成される。第1ベース成形部134によってニードル部111の第1ベース部112の内面形状が成形される。第1ベース成形部134の先端側には、3つのピン部132が1列に並んで形成される。
図3は、ピン部132の構成を斜視図によって表す。また、図3は、図2(A)の一部を拡大して表す。
ピン部132は、基端部132Aと、テーパー部132Bと、先端部132Cと、を備える。ピン部132は、基端側から先端側に向かって、基端部132A、テーパー部132B、先端部132Cの順に形成される。
基端部132Aは、先端部132Cよりも径が大きい円柱形状に形成される。
テーパー部132Bは、ピン部132の先端側に向かって縮径するように形成される。テーパー部132Bは、型締め時には、境界面F1の断面視において、固定型120のニードル成形部121と第1ベース成形部124とに跨って位置する。
先端部132Cは、基端部132Aよりも径が小さい円柱形状に形成される。先端部132Cの径は、第1固定型120Aのピン保持部122の径と略同一に形成される。先端部132Cは、型締め時には、境界面F1の断面視において、固定型120のピン保持部122とニードル成形部121とに跨って位置する。
射出成形金型140の効果としては、固定型120が分割されるため、固定型120を切削加工することができる。固定型120を切削加工することができるため、固定型120の寸法精度が向上される。つまり、射出成形金型140の効果としては、第1ベース成形部124にニードル成形部121を形成することができる、微細なピン保持部122を形成することができる、エアベント部123を形成することができる。
図4は、射出成形方法としての射出成形工程S100の流れをフロー図によって表す。
射出成形工程S100では、射出成形金型140を用いて、マイクロニードル110が射出成形される。射出成形工程S100は、準備工程S110と、型締工程S120と、射出工程S130と、を備える。
準備工程S110では、射出成形金型140が準備される。このとき、固定型120は、位置合わせ機構によって、第1固定型120Aと第2固定型120Bとの位置を合わせて合体される。
型締工程S120では、射出成形金型140の固定型120と可動型130とが閉じられ、締め付けられる。射出工程S130では、溶かされた樹脂が射出成形金型140の湯口141(図2A)からキャビティに流し込まれる。
図5は、射出工程S130の作用を斜視図によって表す。なお、図5の矢印A、B、Cは、射出工程S130における樹脂または空気の流れを表す。
射出工程S130では、溶かされた樹脂が、一方の第1ベース成形部124と第1ベース成形部134との隙間から、他方の第1ベース成形部124と第1ベース成形部134との隙間に向かって流れる(矢印A)。
このとき、ピン部132において基端部132Aが先端部132Cよりも径が大きい円柱形状に形成されるため、ピン部132の強度は、十分に確保される。ピン部132に十分な強度が確保されるため、ピン部132は、樹脂の流動力に対し変形されない。
一方、溶かされた樹脂は、一方の第1ベース成形部124と第1ベース成形部134との隙間から、ニードル成形部121とピン部132との隙間を基端側から先端側に向かって流れる(矢印B)。
このとき、テーパー部132Bが先端側に向かって縮径するように形成されるため、樹脂は、ニードル成形部121とピン部132との隙間を基端側から先端側に向かってスムーズに流れる。そのため、樹脂を先端まで到達させることができる。
また、ニードル成形部121とピン部132との隙間を基端側から先端側に向かって流れる樹脂は、ピン保持部122と先端部132Cとの隙間に空気を押し込む(矢印C)。ピン保持部122と先端部132Cとの隙間に押し込まれた空気は、エアベント部123から排出部125を通って外部へ排出される。
射出成形工程S100の効果としては、寸法精度の高い中空型のマイクロニードル110が量産される。すなわち、上述したように固定型120の寸法精度が向上されるため、寸法精度が向上された固定型120に樹脂が射出成形されることによって、寸法精度の高い中空型のマイクロニードル110が量産される。
図6は、実施形態2に係るマイクロニードル210の構成を斜視図によって表す。
マイクロニードル210は、後述する射出成形金型240を用いる射出成形方法としての射出成形工程S200により成形される。
マイクロニードル210は、9つのニードル部211と、第1ベース部212と、第2ベース部213と、を備える。9つのニードル部211は、3列に平行に並んで成形される。ここで、3列に並んだうちの1列に含まれる3個のニードル部211のそれぞれが2分割される面は、「境界面F2」(図示なし)として定義される。ニードル部211には、貫通孔211Aが形成される。マイクロニードル210の外面には、境界面F2とマイクロニードル210の外面が交差する所に分割線PLが現れる。
ニードル部211、第1ベース部212および第2ベース部213は、実施形態1のニードル部111、第1ベース部112および第2ベース部113と同様であるため説明を省略する。
図7は、固定型220の構成を斜視図によって表す。
図8は、第2固定型220Bの構成を斜視図によって表す。
金型としての射出成形金型240(図示なし)は、射出成形工程S200において、マイクロニードル210(図6参照)が成形される時に用いられる。射出成形金型240は、固定型220と、可動型230(図9参照)と、を備える。
図7に示すように、固定型220は、第1固定型220Aと、第2固定型220Bと、第3固定型220Cと、第4固定型220Dと、の4つに分割される。第1固定型220Aと第2固定型220Bと第3固定型220Cと第4固定型220Dとの位置を合わせる時は、位置合わせ機構が用いられる。
第1固定型220A、第2固定型220B、第3固定型220C、または第4固定型220Dのそれぞれによってニードル部211の外面形状の一部が成形される。
図8に示すように、例えば、第2固定型220Bの一側によって、マイクロニードル210の境界面F2より他側の部分が成形される。第2固定型220Bの他側によって、マイクロニードル210の境界面F2より一側の部分が成形される。より具体的には、第2固定型220Bの一側には、ニードル成形部221と、ピン保持部222と、エアベント部223と、第1ベース成形部224と、が形成される。
ニードル成形部221、ピン保持部222、エアベント部223および第1ベース成形部224は、第1実施形態のニードル成形部121、ピン保持部122、エアベント部123および第1ベース成形部124と同様であるため説明を省略する。
図9は、可動型230の構成を斜視図によって表す。
可動型230は、9つのピン部232と、第1ベース成形部234と、を備える。ピン部232および第1ベース成形部234は、第1実施形態のピン部132および第1ベース成形部134と同様であるため説明を省略する。
射出成形金型240の効果は、第1実施形態の射出成形金型140の効果と同様であるため説明を省略する。射出成形工程S200の流れ、作用および効果は、第1実施形態の射出成形工程S100の流れ、作用および効果と同様であるため説明を省略する。
図10は、別のマイクロニードル310の構成を斜視図によって表す。
マイクロニードル310は、分割される可動型を備える射出成形金型を用いる射出成形工程により成形される。マイクロニードル310は、20個のニードル部311と、シート部312と、を備える。シート部312は、シート状に成形される。ニードル部311には、貫通孔311A(図示なし)が成形される。ニードル部311は、実施形態1のニードル部111と同様であるため説明を省略する。
図11は、マイクロニードル310の第1適用例を断面図によって表す。
第1適用例において、マイクロニードル310の裏面には、蓋350が取り付けられる。また、マイクロニードル310の裏面と蓋350との隙間には、薬剤Mが充填される。マイクロニードル310の表面には、カバー360が設けられる。
第1適用例では、カバー360が取り外され、人体の皮膚にマイクロニードル310の表面が押し付けられ、蓋350が押し込まれることによって、人体に薬剤Mが投与される。
図12は、マイクロニードル310の第2適用例を断面図によって表す。
第2適用例において、マイクロニードル310の裏面には、蓋370が設けられる。また、マイクロニードル310の裏面と蓋370との隙間は、中空とされる。
第2適用例では、マイクロニードル310が蓋370を押し込んだ状態で、マイクロニードル310の表面が人体の皮膚Sに押し付けられる。そして、マイクロニードル310の裏面と蓋370との隙間の押し込み圧力が開放されることによって、血液がマイクロニードル310の裏面と蓋370との隙間に採取される。
図13は、ニードル部211を複数列配置する場合の変形例を示す。図13(a)は、図6の実施形態と同様に、ニードル部211を正方形型に配列しているが、各列で貫通孔211Aのオフセットする方向が異なっている。図13(b)は菱形、図13(c)は三角形、図13(d)は十字型にそれぞれ配置したものである。いずれの場合も、ニードル部の頂点Tと貫通孔211Aの中心とは分割線PL上にある。
110,210,310…マイクロニードル
111,211,311…ニードル部
111A,211A,311A…貫通孔
120,220…固定型
121,221…ニードル成形部
122,222…ピン保持部
123,223…エアベント部
130,230…可動型
132,232…ピン部
132A…基端部
132B…テーパー部
132C…先端部
140,240…射出成形金型
S100…射出成形工程

Claims (7)

  1. 錐状体のニードル部に貫通孔が形成されたマイクロニードルの成形方法であって、
    可動型と複数に分割される固定型とを備える金型が準備される準備工程と、
    前記金型のキャビティに樹脂が射出される射出工程と、を備え、
    前記可動型は、前記ニードル部の前記貫通孔の形状が成形されるピン部を備え、
    前記固定型は、ニードル成形部と、前記ピン部の先端部を保持するピン保持部と、該ピン保持部と連通するエアベント部とを備え、
    前記固定型は、前記ニードル部の頂点と前記貫通孔の開口部の中心とを含む面で分割され、
    前記ピン部と前記ニードル成形部との隙間に前記キャビティの前記樹脂を流動させ、前記樹脂は前記ピン保持部と前記ピン部の先端部との隙間に空気を押し込み、該空気を前記エアベント部から外部へ排出し、
    前記可動型により前記ニードル部の前記貫通孔が成形され、
    前記複数の固定型のそれぞれにより前記ニードル部の外面形状が成形される、マイクロニードルの成形方法。
  2. 前記マイクロニードルは、複数の前記ニードル部が1列に並んで成形され、
    前記固定型は、2つに分割され、
    前記固定型の分割されるそれぞれによって前記ニードル部の外面形状の一部が成形される、請求項1に記載の成形方法。
  3. 前記マイクロニードルは、複数の前記ニードル部が複数列に並んで成形され、
    前記固定型の分割されるそれぞれによって前記ニードル部の外面形状の一部が成形される、請求項1に記載の成形方法。
  4. 錐状体のニードル部に貫通孔が形成されたマイクロニードルを射出成形によって成形する成形金型であって、
    前記ニードル部の前記貫通孔を成形する可動型と、
    前記ニードル部の外面形状を成形する複数に分割される固定型とを備え、
    前記固定型は、前記ニードル部の頂点と前記貫通孔の開口部の中心とを含む面で分割され
    前記可動型は、前記ニードル部の前記貫通孔の形状が成形されるピン部を備え、
    前記分割される固定型のそれぞれの合わせ面には、前記ニードル部の外面形状の一側部分を成形するニードル成形部と、前記可動型の前記ピン部の先端部を保持するピン保持部と、該ピン保持部と連通するエアベント部とを備え、
    前記ピン部と前記ニードル成形部との隙間に前記キャビティの前記樹脂を流動させ、前記樹脂は前記ピン保持部と前記ピン部の先端部との隙間に空気を押し込み、該空気を前記エアベント部から外部へ排出するように形成されている、マイクロニードルの成形金型。
  5. 前記ピン部は、テーパー部と先端部とを備える、請求項に記載の成形金型。
  6. 前記マイクロニードルは、複数の前記ニードル部が1列に並んで成形され、
    前記固定型の分割されるそれぞれは、前記1列に並んだ複数の前記ニードル部の外面形状の一部を成形するように形成されている、請求項4又は5に記載の成形金型。
  7. 前記マイクロニードルは、複数の前記ニードル部が複数列に並んで成形され、
    前記固定型の分割されるそれぞれは、前記複数列に並んだ各列の複数の前記ニードル部の外面形状の一部を成形するように形成されている、請求項4又は5に記載の成形金型。
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