JP6730704B2 - 回転翼飛行体、及び給電システム - Google Patents
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Description
移動体に対して連続的に電力を供給することができれば、当該移動体に蓄電池等を搭載することなく、移動体に備えられたモータ等の負荷に対して電力を供給することができ、移動体の小型軽量化を実現することができる。
回転翼飛行体100は、アンテナ101によって無線送信される電力を受信し、受信した電力によってモータ103を駆動し、ロータ104を回転させることで、上方に浮上し移動することができる。
特に、アンテナ101は、所定周波数の電波を受信するために長さや形状に制限があるため、多くのスペースを必要とすることがある。
つまり、上記回転翼飛行体のような、回転体を備える装置に対して無線給電しようとすると、受信アンテナのスペースを確保する必要があり、蓄電池等を廃して小型化しようとしているのに反して当該装置の大型化を招く場合があった。
この場合、回転体は、受信アンテナで受信した電力を回転体本体の駆動に用いることができる。
この場合、モータ及びモータに電力を供給する受信アンテナが共に回転体本体に設けられているので、無線送信によって給電を受けることができれば、回転体本体はモータの駆動力によって回転することができる。よって、回転体本体と、外部の装置との間を電源ケーブル等で接続する必要がなく、簡易な構成によって、回転体本体を駆動することができる。
上記構成の給電システムによれば、回転体装置においては、負荷に供給する電力を蓄電するための蓄電池や、無線送信される電力を受信するためのアンテナを別途設ける必要がなく、アンテナのためのスペースを確保する必要がない。この結果、回転体装置の小型化が可能となる。
この場合、給電装置は、パッチアンテナのアンテナ面から送出される電波によって、回転体装置に対して給電を行うことができる。
この場合、回転体装置がアンテナ面に近接している場合、当該回転体装置をアンテナ面に向かって正面視したときに、複数の回転体本体の受信アンテナをアンテナ面の周縁の内側に配置させるように、回転体装置を配置することができる。
これによって、回転体装置がアンテナ面に近接している場合であっても、一つのアンテナ面によって、複数の受信アンテナそれぞれに対して電力を無線送信することができ、複数の回転体それぞれに給電することができる。
〔システムの全体構成について〕
図1は、一実施形態に係る回転翼飛行体を含む給電システムの全体構成を示す図である。図中、給電システム1は、回転翼飛行体2と、給電装置40とを備えている。
回転翼飛行体2は、給電装置40から無線送信される電力を受信し、受信した電力によって浮上し飛行する機能を有している。
送信処理部41は、電力を無線送信するための信号波を生成する機能や、生成した信号波を増幅する機能を有している。
パッチアンテナ42は、送信処理部41から与えられる信号波を電波として空間に送出する機能を有している。
本実施形態の給電装置40は、電力を無線送信するための電波として、UHF帯の周波数の電波を送出するように構成されている。
機体4は、樹脂やプラスチック等の素材を用いて形成された部材であり、環状のリム部4aと、リム部4aの内側で互いに交差した状態で端部がリム部4aに接続されている一対の柱部4bとを備えている。
複数のロータユニット5は、機体4の外縁において、リム部4aと柱部4bの端部とが接続されている部分に対応する部分に固定されている。
図2は、ロータユニット5の外観図である。ロータユニット5は、回転体本体であるロータ6と、機体4に固定される固定軸7とを備えている。
ロータ6は、固定軸7の端部に設けられたフレーム8と、このフレーム8に固定された一対の回転翼9とを備えている。
フレーム8は、固定軸7に対して回転可能に設けられており、一対の回転翼9を固定軸7回りに回転可能に支持している。
なお、この一対の回転翼9及びフレーム8を含むロータ6の最外端が描く軌跡の直径(最大回転直径)は、約15cmとされている。
図3に示すように、フレーム8は、上面板10と下面板11とを組み合わせて構成されている。上面板10及び下面板11は、柱部12によって互いに対向した状態で連結されている。
上面板10及び下面板11には、固定軸7が挿通されている孔部10a及び孔部11aが形成されている。これら孔部10a及び11aは、フレーム8が固定軸7に対して回転可能な程度の寸法に形成されている。これにより、フレーム8は、固定軸7に対して相対回転可能とされている。
また、固定軸7の先端には、固定ギヤ14が固定されている。
フレーム8は、ストッパ13と、固定ギヤ14のボス部14aとによって、上下方向(固定軸7の軸方向)に対する移動が規制されている。
これによって、フレーム8は、固定軸7に対して相対回転可能とされつつ、固定軸7の端部に位置するように保持されている。
上面板10には、モータ15を保持するための保持孔10bが一対設けられている。また、下面板11には、モータ15を保持するための保持孔11bが一対設けられている。
一対のモータ15は、これら保持孔10b、11bによってフレーム8に対して相対回転しないように保持固定されている。
また、固定ギヤ14は、固定軸7に対して相対回転しないように固定されている。
この結果、一対のモータ15の出力軸15aの回転によって、モータ15を保持固定しているフレーム8(ロータ6)が固定軸7回りに回転する。
このようにして、一対のモータ15は、ロータ6を固定軸7に対して回転駆動する。
図4は、回転翼9の裏面の外観図である。
図4に示すように、回転翼9の裏面9aには、回転翼9の表面端縁に沿った線状の受信アンテナ20が設けられている。
この受信アンテナ20は、給電装置40から無線送信される電力を受信し、一対のモータ15に電力を供給する機能を有している。
このように、アルミニウム箔を用いて帯状に形成したものを受信アンテナ20として回転翼9の表面に沿って張り付けたので、回転翼9による揚力の発生にほとんど影響を与えることなく受信アンテナ20を設けることができる。
図5に示すように、一対のモータ15と受信アンテナ20との間に、整流回路30が設けられている。
整流回路30は、受信アンテナ20が受信した電波による電気信号を整流して直流電力を出力する機能を有している。整流回路30は、整合回路31と、整流部32と、ローパスフィルタ33とを備えている。整流回路30は、上面板10の上面に設けられている(図3)。
整合回路31は、受信アンテナ20が接続されており、受信アンテナ20が受信した電波による電気信号が与えられる。整合回路31は、受信アンテナ20と整流部32とのインピーダンス整合を行うために設けられている。整合回路31は、受信アンテナ20から与えられた電気信号を整流部32に与える。
ここで、本実施形態の給電装置40では、上述したように、無線送信による給電のためにUHF帯の周波数の電波を用いている。
例えば、無線送信のためにより高い周波数の電波を用いたとすると、特殊なダイオードが必要となる。
この点、本実施形態では、UHF帯の周波数の電波を用いたので、整流部32のダイオード32aとして一般的なダイオードを用いることができ、コスト面で有利となる。
ローパスフィルタ33は、一対のモータ15に接続されており、ローパスフィルタ33を通過した直流電力は、一対のモータ15に与えられる。
このため、無線送信によって給電を受けることができれば、ロータ6(フレーム8及び回転翼9)は、一対のモータ15の駆動力によって回転することができる。
つまり、回転翼飛行体2は、パッチアンテナ42のアンテナ面42aの上方で給電を受けることができ、アンテナ面42aの上方において浮上することができる。
これによって、回転翼飛行体2がアンテナ面42aに近接している場合であっても、一つのアンテナ面42aによって、4つの受信アンテナ20それぞれに対して電力を無線送信することができ、4つのロータ6それぞれに給電することができる。
本実施形態の回転翼飛行体2は、パッチアンテナ42から送出される電波によって電力を受信し浮上するが、受信アンテナ20と、パッチアンテナ42との間の距離に応じて2種類の給電態様を採る。
図6には、パッチアンテナ42から送出される電界強度の内、近傍界静電成分、遠方界電磁波成分、及びこれらの合成電界を示している。
これに対して、送受信アンテナ間距離が約10cmからそれ以上の範囲では、遠方界電磁波成分の方が近傍界静電成分よりも大きい電界強度を示している。
このことから、本実施形態では、ロータ6の受信アンテナ20は、パッチアンテナ42との間の送受信アンテナ間距離が0cmから約10cmの近傍界では、静電結合による給電が優位であり、送受信アンテナ間距離が約10cm以上の遠方界では、電磁波による給電が優位となっている。
つまり、本実施形態では、送受信アンテナ間距離が0cmから約10cmまでの近傍界では、主として静電結合によって給電を行い、送受信アンテナ間距離が約10cm以上の遠方界では、主として電磁波による給電を行う。
この結果、近傍界から遠方界まで、送受信アンテナ間距離を可変したとしても、幅広い範囲で給電を行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されない。
上記実施形態では、受信アンテナ20を回転翼9の裏面(裏側表面)に沿って設けた場合を示したが、受信アンテナ20は、回転翼9としての機能を損なわないように回転翼9の形状に沿って一体に設けられていればよく、回転翼9の表面に沿って設ける場合の他、回転翼9の内部に設けてもよい。
また、本実施形態の受信アンテナ20では、ダイポールアンテナを構成している場合を例示したが、これに限定されるものではなく、受信アンテナ20は、ループアンテナや、モノポールアンテナ等によって構成されてもよい。
また、アルミニウム箔を用いて受信アンテナ20を形成したが、銅や、金等、他の導電材を用いてもよい。
上記実施形態では、フレーム8に一対のモータ15を保持固定し、ロータ6を回転駆動する場合を示したが、1つのモータ15でロータ6を回転駆動するように構成してもよいし、より多数のモータ15で回転駆動するように構成してもよい。
車両の車輪に適用する場合、回転体としての車輪が、当該車輪を駆動するモータを備えていてもよいし、電力の供給が必要なセンサ等を備えていてもよい。
この場合、車輪に設けられる受信アンテナ20に電力を無線送信することで、車輪側のモータやセンサに電力を供給することができる。
2 回転翼飛行体
4 機体
4a リム部
4b 柱部
5 ロータユニット
6 ロータ
7 固定軸
8 フレーム
9 回転翼
9a 裏面
10 上面板
10a 孔部
10b 保持孔
10c 端部
11 下面板
11a 孔部
11b 保持孔
12 柱部
13 ストッパ
14 固定ギヤ
14a ボス部
15 モータ
15a 出力軸
16 ピニオンギヤ
20 受信アンテナ
21 直線部
22 周縁部
23 折り返し部
24 折り込み部
30 整流回路
31 整合回路
32 整流部
32a ダイオード
33 ローパスフィルタ
40 給電装置
41 送信処理部
42 パッチアンテナ
42a アンテナ面
42a1 周縁
50 回転軸
51 ロータ
52 回転翼
53 環状電極
54 ブラシ
Claims (8)
- 回転翼と、
前記回転翼を含み、中心軸回りに回転することで前記回転翼を前記中心軸回りに回転させる回転体本体と、を備えた回転翼飛行体であって、
前記回転翼は、当該回転翼飛行体が備えている負荷に供給するための電力として無線送信される電波を受信する受信アンテナを有し、
前記受信アンテナによって受信された電波から得られる電力によって前記回転翼を回転させて飛行する
回転翼飛行体。 - 前記負荷は、前記回転体本体が備えている
請求項1に記載の回転翼飛行体。 - 前記負荷は、前記受信アンテナが受信する電力によって前記回転体本体を回転駆動するための駆動部である請求項2に記載の回転翼飛行体。
- 前記駆動部は、
前記中心軸に固定された固定ギヤと、
前記固定ギヤに噛み合う駆動ギヤと、
前記回転翼を含む前記回転体本体に固定され、前記受信アンテナが受信する電力によって前記駆動ギヤを回転駆動するモータと、を備えている請求項3に記載の回転翼飛行体。 - 前記電波は、UHF帯の周波数帯域の電波であり、
前記回転体の最大回転直径は、50cm以下である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回転翼飛行体。 - 請求項1に記載の回転翼飛行体と、
前記回転翼飛行体に電力を電波による無線送信によって給電する給電装置と、を備えている
給電システム。 - 前記給電装置は、前記回転翼飛行体が有する受信アンテナに対して電力を電波によって無線送信するパッチアンテナを備えている
請求項6に記載の給電システム。 - 前記回転翼飛行体は複数の回転体本体を備え、
前記複数の回転体本体はそれぞれ回転翼を含み、中心軸回りに回転することで前記回転翼を前記中心軸回りに回転させ、
前記回転翼は、前記給電装置から電力として無線送信される電波を受信する受信アンテナを有し、
前記パッチアンテナは、当該パッチアンテナのアンテナ面に近接している状態の前記回転翼飛行体を前記アンテナ面に向かって正面視したときに、複数の前記回転翼の前記受信アンテナが前記アンテナ面の周縁の内側に配置することができる大きさに設けられている
請求項7に記載の給電システム。
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