JP6729919B1 - 共振装置、電力伝送装置、及び電力伝送方法 - Google Patents

共振装置、電力伝送装置、及び電力伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの共振器間の位置ずれに対応可能とする共振装置を提供すること。【解決手段】閉曲線線路の一部が開放された構造を呈し、自身に対向して配された自身と相似形の他の共振器211との間で、電磁結合を利用して非接触で高周波電力の授受を行う共振器111と、閉曲線線路が形成する面内で、共振器111を、当該共振器111の周方向に回転させる駆動部115と、駆動部115を制御して共振器111の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で共振器111と他の共振器211との間で高周波電力の授受を試験的に実行させ、共振器111の各位置で検出される共振器111と他の共振器211との一方から他方へ伝送された高周波電力の電力値に基づいて、高周波電力の授受を本実施する際の角度を設定する制御部114と、を備える共振装置。【選択図】図2

Description

本開示は、共振装置、電力伝送装置、及び電力伝送方法に関する。
従来、2つのオープンリング共振器を用いて、非接触で高周波の電力や信号(以下、「高周波電力」と総称する)を送受する電力伝送装置が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
この種の電力伝送装置は、互いに対向するように配設された送電側のオープンリング共振器と受電側のオープンリング共振器とによって構成される。そして、送電側のオープンリング共振器と受電側のオープンリング共振器とを電磁結合(例えば、磁界共鳴)させることによって、送電側のオープンリング共振器から受電側のオープンリング共振器に高周波電力を伝送する。
オープンリング共振器は、一般に、送電側のオープンリング共振器と受電側のオープンリング共振器とが、同一の周波数で共振するように構成されており、典型的には、リングの線路長が共振周波数から換算されるλ/2程度となるように構成される。
このように構成された電力伝送装置は、非接触で高い伝送効率を得られるため、携帯機器や電気自動車等への非接触電力伝送の用途等への応用が期待されている。
特許第4835334号公報
I.Awai and A.K.Saha, "Open Ring Resonators Applicable to Wide-band BPF", Proceedings of Asia-Pacific Microwave Conference 2006, ISBN:978-4-902339-08-6 大平 孝、"電圧電流で理解する最大効率とkQ積", 2014 Microwave workshops & Exhibition (MWE 2014)ダイジェスト WS05-03
ところで、この種の電力伝送装置は、小型で且つ高効率というメリットを有しているが、2つのオープンリング共振器間の位置関係に応じて、オープンリング共振器間の電磁結合の状態が変化し、電力伝送の効率が低下するという課題がある。かかる課題は、特に、2つのオープンリング共振器のうちの一方が移動体に搭載されている場合に表出しやすく、例えば、地上に固定された共振器から移動体に搭載された共振器に対して電力伝送を実行する際に、表出しやすい。
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、2つの共振器間の位置ずれに対応可能とする共振装置、電力伝送装置、及び電力伝送方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
閉曲線線路の一部が開放された構造を呈し、自身に対向して配された自身と相似形の他の共振器との間で、電磁結合を利用して非接触で高周波電力の授受を行う共振器と、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御して前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で前記共振器と前記他の共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される前記共振器と前記他の共振器との一方から他方へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する制御部と、
を備える共振装置である。
又、他の局面では、
第1及び第2共振装置を備え、当該第1及び第2共振装置それぞれが有する閉曲線線路の一部が開放された構造を呈する共振器を用いて、非接触で高周波電力の授受を行う電力伝送装置であって、
前記第1及び第2共振装置のいずれか一方は、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御して前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で一方の前記共振器と他方の前記共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される一方の前記共振器から他方の前記共振器へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する制御部と、を有する、
電力伝送装置である。
又、他の局面では、
第1及び第2共振装置それぞれが有する閉曲線線路の一部が開放された構造を呈する共振器を用いて、非接触で高周波電力の授受を行う電力伝送方法であって、
前記第1及び第2共振装置のいずれか一方は、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させ、
前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で一方の前記共振器と他方の前記共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される一方の前記共振器から他方の前記共振器へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する、
電力伝送方法である。
本開示に係る共振装置によれば、2つの共振器間の位置ずれに対応することができる。
第1の実施形態に係る電力伝送装置の全体構成を示す図 第1の実施形態に係る第1共振装置と第2共振装置の構成の一例を示す側面図 第1の実施形態に係る第1共振器を平面視した図 第1の実施形態に係る第1共振器と第2共振器との位置関係を示す平面図 電力伝送装置における、ポート角度(共振器への入出力線路の接続位置)と伝送効率の関係の一例を示す図 電力伝送装置における、共振器間距離(±Z方向における第1共振器と第2共振器の間の距離)と伝送効率の関係の一例を示す図 電力伝送装置における、リング間角度とkQ積の関係の一例を示す図 第1の実施形態に係る電力伝送装置において、共振器間距離の変化に対応するために、リング間角度を調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図 第1の実施形態に係る電力伝送装置において、±X方向における位置ずれに対応するために、リング間角度を調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図 第1の実施形態に係る電力伝送装置において、±Y方向における位置ずれに対応するために、リング間角度を調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図 第1の実施形態に係る電力伝送装置の動作を示すフローチャート 第2の実施形態に係る共振器の側面を拡大した図 第2の実施形態に係る電磁界解析シミュレーションにより、多層構造の共振器を用いて電力伝送を実行した場合の伝送効率と単相構造の共振器を用いて電力伝送を実行した場合の伝送効率とを比較した図 第3の実施形態に係る共振装置を側面から見た図 第3の実施形態に係る共振装置を平面から見た図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
各図には、各構成の位置関係を明確にするため、電力伝送装置の送電装置と受電装置とが対向する方向のうち、送電装置から受電装置を見た方向を、Z軸のプラス方向として、共通の直交座標系(X、Y、Z)を示している。以下では、プラスZ方向を上方向と称して説明する。但し、これらの方向は、電力伝送装置の使用時の姿勢を制限するものではない。
(第1の実施形態)
[電力伝送装置の全体構成]
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態に係る電力伝送装置の構成の一例について説明する。本実施形態に係る電力伝送装置は、電気負荷に対する電力伝送に適用されている。
図1は、本実施形態に係る電力伝送装置Uの全体構成を示す図である。
電力伝送装置Uは、受電装置100と送電装置200とにより構成される。
受電装置100は、例えば、送電装置200の第2共振装置210から高周波電力を受電する第1共振装置110、第1共振装置110が受電した高周波電力を整流する整流回路120、及び、整流回路120で整流された直流電力を使用する電気負荷(例えば、バッテリ)130を有している。
送電装置200は、例えば、電源230(例えば、バッテリ)、当該電源230から供給される電力を用いて高周波電力を生成する発振器220(例えば、半導体発振器、マグネトロン等)、及び、発振器220から取得した高周波電力を、受電装置100の第1共振装置110に送出する第2共振装置210を有している。
尚、受電装置100と送電装置200とは、典型的には、分離した状態で配設されている。受電装置100は、例えば、電気自動車に搭載され、送電装置200は、例えば、給電設備として地面に埋設されている。
図2は、本実施形態に係る第1共振装置110と第2共振装置210の構成の一例を示す側面図である。図3は、本実施形態に係る第1共振器111を平面視した図である。図4は、本実施形態に係る第1共振器111と第2共振器211との位置関係を示す平面図である。尚、図4では、第1共振器111及び第2共振器211の突起部(後述する111b等)の図示を省略している。
第1共振装置110は、第1共振器111、第1入出力線路112、第1グラウンド板113、第1制御部114、及び、駆動部115を備えている。
第1共振器111は、第2共振器211が対向して配された際に、当該第2共振器211と電磁結合して、当該第2共振器211との間で、非接触で高周波電力の授受を行う。ここでは、第2共振器211から第1共振器111に対して、高周波電力を送電する。
第1共振器111は、閉曲線線路の一部に開放部111aを有する構造(以下、「オープンリング」と称する)を呈している(図3を参照)。即ち、第1共振器111は、長手方向の両端が開放端とされている。第1共振器111は、例えば、開放部111aを有するリング状の金属板にて構成されている。第1共振器111のオープンリングのリング長は、例えば、電位差の最大となる両端が近接するように、送受する高周波電力の波長の1/2の長さ程度に設定される。
第1共振器111は、第1入出力線路112と電気的に接続するように配設され、第2共振器211から受信した高周波電力を、第1入出力線路112を介して、整流回路120に送出する。本実施形態に係る第1共振器111は、当該第1共振器111の上面側(即ち、裏面側)において、第1入出力線路112の電極部112aと電気接続するように配設されている。
第1共振器111が第1入出力線路112の電極部112aと電気接続する位置は、第1共振器111と第1入出力線路112との間におけるインピーダンス整合を考慮して、適宜な位置に設定されている(図5、図6を参照して後述)。尚、以下では、第1共振器111が電極部112aと電気接続する位置を、平面視において、第1共振器111の中心点Aと第1共振器111に電極部112aが電気接続する位置Aとを結ぶ線と、第1共振器111の中心点Aと第1共振器111の長手方向の中心位置Aとを結ぶ線との間のなす角度(即ち、位置Aと位置Aとの間の第1共振器111の周方向における角度)∠Aにより規定する(以下、「ポート角度φ」と称する)。
但し、第1共振器111に対する第1入出力線路112のポート角度φは、第1共振器111と第1入出力線路112との間のインピーダンス整合の整合条件を完全に充足する角度よりも小さくなるように設定されるのが望ましい(図5、図6を参照して後述)。尚、図3では、ポート角度φが、略28°の態様を示している。
第1共振器111は、例えば、当該第1共振器111の側面において、当該第1共振器111の長手方向の中心位置(即ち、周方向の中心位置)から、当該第1共振器111の中心点Aに向けて突出する突起部111bを有している(図3を参照)。そして、第1共振器111は、突起部111bに挿通された上下方向(±Z方向)に延在する支持棒111Sにて支持されている。突起部111bの位置は、典型的には、第1共振器111が共振動作する際の電圧のゼロクロス点に相当するため、突起部111bは、第1共振器111の共振特性に影響を及ぼさない。
第1共振器111は、自身の上方側(プラスZ方向)に配設された第1グラウンド板113と対向する位置に、第1グラウンド板113から離間して配設されている。そして、第1共振器111は、第1グラウンド板113を挟んで、整流回路120が構成された回路基板120aの下方に位置するように、配設されている。そして、第1共振器111は、回路基板120aの下面から延在する支持棒111Sにて支持されている。第1共振器111、第1グラウンド板113、及び回路基板120aは、支持棒111Sにて互いに固定され、駆動部115にて、第1グラウンド板113が横方向(XY面内における周方向)に回転させられた際には、支持棒111Sと共に一体的に回転するように構成されている。これによって、第1共振器111の開放部111aの向き(即ち、後述するリング間角度α)が調整可能となっている。
第1入出力線路112は、第1共振器111と電気的に接続するように配設され、第1共振器111から受信した高周波電力を、整流回路120に送出する。第1入出力線路112は、例えば、第1共振器111と整流回路120とを電気接続するように、整流回路120が構成された回路基板120a(例えば、PCB基板)の下面から下方(マイナスZ方向)に延在する同軸線路により構成されている。そして、第1入出力線路112は、回路基板120aの下面から、第1グラウンド板113に形成された貫通穴を挿通して、第1共振器111の上面の直上まで延在している。
但し、第1入出力線路112と回路基板120aとの間の距離が短い場合には、第1入出力線路112は、同軸線路に代えて、回路基板120a(整流回路120)から下方に突出する金属ピン(例えば、整流回路120を構成するダイオードの接続ピン)等によって構成されてもよい。尚、第1入出力線路112は、典型的には、所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω)となるように調整されている。
第1入出力線路112は、下方側の先端位置に、電極部112aを有し、当該電極部112aが、第1共振器111の上面と対向するように配設されている。即ち、第1入出力線路112は、電極部112aを介して、第1共振器111と電気的に接続する。電極部112aは、例えば、第1入出力線路112を構成する同軸線路の中心導体に接続された板状電極である。電極部112aは、例えば、第1共振器111の上面と対向する位置に、第1共振器111から離間して配設され、容量結合によって、第1共振器111と電気接続する。尚、電極部112aの形状は、任意であるが、例えば、平面視で円形状を呈している。
但し、電極部112aと第1共振器111とは、容量結合により電気接続する態様に代えて、直接接触して電気接続する態様であってもよい。
第1グラウンド板113は、第1共振器111の上方(プラスZ方向)に、第1共振器111と対向して、配設されている。尚、第1グラウンド板113の側面には、駆動部115の歯車115aと噛み合う歯溝(図示せず)が形成されている。
尚、第1グラウンド板113と第1共振器111との間は、空気層となってマイクロストリップラインを形成しているが、第1グラウンド板113と第1共振器111との間には空気層以外の誘電体が存在してもかまわない。
第1制御部114は、第1共振器111と第2共振器211との間で高周波電力の授受を実行させつつ駆動部115を制御する。そして、第1制御部114は、第1共振器111の各位置で検出される第2共振器211から第1共振器111へ伝送された高周波電力の電力値に基づいて、第1共振器111の周方向における角度(即ち、開放部111aの向き)を設定する(図11を参照して後述)。
尚、第1制御部114は、例えば、CPU、ROM、及びRAM等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、これに加えて、第2制御部214と無線通信するための通信コントローラ等を有している。又、第1制御部114は、第1共振器111と第2共振器211との間で高周波電力の授受を実行させた際の伝送効率を測定し得るように、整流回路120に通流する電流レベルを検出する電流センサ114aからセンサ信号を取得している。
駆動部115は、第1共振器111(即ち、一部が開放された閉曲線線路)が形成する面内(即ち、XY面内)で、第1共振器111の中心点Aを回転中心として、第1共振器111を回転させる。つまり、駆動部115は、XY面内における第1共振器111の開放部111aが向く方向を変更する。
駆動部115は、例えば、先端に歯車115aを有する駆動モータであり、当該歯車115aを回転させることで、第1グラウンド板113をXY面内で回転させ、これにより、第1グラウンド板113と固定された第1共振器111を回転させる。つまり、本実施形態に係る駆動部115は、第1共振器111、第1グラウンド板113、及び回路基板120aを、第1共振器111の周方向に一体的に回転させる。尚、この際、入出力線路112も回路基板120aと一体的に回転するため、第1共振器111が回転した際、ポート角度φは常時一定に保持され、第2共振器211のポート角度φと常時同一の角度となるようになっている。
第2共振装置210は、第2共振器211、第2入出力線路212、第2グラウンド板213、及び、第2制御部214を備えている。
第2共振器211、第2入出力線路212、及び、第2グラウンド板213は、第1共振器111、第1入出力線路112、及び、第1グラウンド板113と同様の構成を有している。
第2共振器211は、閉曲線線路の一部に開放部211aを有する構造を呈している。第2共振器211は、例えば、開放部211aを有するリング状の金属板にて構成されている。第2共振器211のオープンリングのリング長さは、例えば、電位差の最大となる両端が近接するように、送受する高周波電力の波長の1/2の長さ程度に設定される。尚、第1共振器111と第2共振器211とは、典型的には、同一の共振周波数を有するように、略同一サイズの共振器が用いられる。
第2共振器211は、第2入出力線路212と電気的に接続するように配設され、発振器220から送出される高周波電力を、第2入出力線路212を介して取得する。第2共振器211は、例えば、当該第2共振器211の下面側において、第2入出力線路212の電極部212aと電気接続するように配設されている。
第2共振器211が第2入出力線路212の電極部212aと電気接続する位置は、第2共振器211と第2入出力線路212とがインピーダンス整合するように適宜な位置に設定されている(図5、図6を参照して後述)。以下では、第2共振器211が電極部212aと電気接続する位置を、平面視において、第2共振器211の中心点Bと第2共振器211に電極部212aが電気接続する位置Bとを結ぶ線と、第2共振器211の中心点Bと第2共振器211の長手方向の中心位置Bとを結ぶ線との間のなす角度(即ち、位置Bと位置Bとの間の第2共振器211の周方向における角度差)∠Bにより規定する(以下、「ポート角度φ」と称する)。尚、ポート角度φは、典型的には、ポート角度φと略同一の角度(ここでは、略28°)に設定される。
尚、第2共振器211は、第1共振器111と同様に、当該第2共振器211の側面において、当該第2共振器211の長手方向の中心位置(即ち、周方向の中心位置)から、当該第2共振器211の中心点B0に向けて突出する突起部(図示せず)を有する。そして、第2共振器211は、当該突起部に、上下方向に延在するように挿通された支持棒211Sにて支持されている。
第2共振器211は、自身の下方側(マイナスZ方向)に配設された第2グラウンド板213と対向する位置に、第2グラウンド板213から離間して配設されている。そして、第2共振器211は、第2グラウンド板213の上面から上方に向かって延在する支持棒211Sにて支持されている。
第2入出力線路212は、発振器220から受信した高周波電力を、第2共振器211に送出する。第2入出力線路212は、例えば、第2共振器211と発振器220とを電気接続するように、上下方向に延在する同軸線路により構成されている。第2入出力線路212は、第2グラウンド板213の下方側に配設された発振器220が形成された回路基板(図示せず)の下面から、第2グラウンド板213に形成された貫通穴を挿通して、第2共振器211の上面の直上まで延在している。尚、第2入出力線路212は、典型的には、所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω)となるように調整されている。
第2入出力線路212は、上方側の先端位置に、電極部212aを有し、当該電極部212aが、第2共振器211の上面側と対向するように配設されている。即ち、第2入出力線路212は、電極部212aを介して、第2共振器211と電気的に接続する。電極部212aは、例えば、第2入出力線路212を構成する同軸線路の中心導体に接続された板状電極である。電極部212aは、例えば、第2共振器211の下面と対向する位置に離間して配設され、容量結合によって、第2共振器211と電気接続する。尚、電極部212aの形状は、任意であるが、例えば、平面視で円形状を呈している。
第2グラウンド板213は、第2共振器211の下方(マイナスZ方向)に、第2共振器211と対向して、配設されている。
第2制御部214は、第1制御部114と通信し、第1共振器111と第2共振器211とが対向して配設されているときに、発振器220に対して、電力伝送の実行指令等を行う。
尚、第2制御部214は、例えば、CPU、ROM、及びRAM等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、これに加えて、第1制御部114と無線通信するための通信コントローラ等を有している。
電力伝送装置Uにおいて、電力伝送の際には、第1共振器111と第2共振器211とは、平面視で、互いの内径が重なるように(典型的には、第1共振器111の中心点Aと第2共振器211の中心点Bとが重なるように)、対向して配される(図4を参照)。尚、第1共振器111と第2共振器211とは、空間、誘電体材料、又はこれらの両方を介して、対向するように配設される。
この際、第1共振器111と第2共振器211とは、平面視で、第1共振器111の開放部111aと中心点Aとを結ぶ線と、第2共振器211の開放部211aと中心点Bとを結ぶ線との間のなす角度(即ち、第1共振器111の開放部111aと第2共振器211の開放部211aとの間のリングの周方向における角度差)(図4の角度α)が、例えば、90°以上、より好適には180°の角度を有するように配設される。
尚、以下では、第1共振器111と第2共振器211との位置関係を規定するため、平面視における、第1共振器111における開放部111aと中心点Aとを結ぶ線と、第2共振器211における開放部211aと中心点Bとを結ぶ線との間のなす角度を、「リング間角度α」と称する。又、第1共振器111と第2共振器211との間の高さ方向(±Z方向)の距離を、「共振器間距離Z」と称する。
[電力伝送装置のリング間角度の調整機能について]
図5〜図11を参照して、本実施形態に係る電力伝送装置Uが有する第1共振器111と第2共振器211との間のリング間角度αを調整する機能について、説明する。
図5〜図10は、各種条件にて、第1共振装置110から第2共振装置210に対して高周波電力を送出した際に観察される伝送効率(即ち、透過率S21)を、電磁界解析シミュレーションによってシミュレーションした結果である。
尚、各シミュレーションでは、第1共振器111及び第2共振器211として、例えば、920MHzに共振周波数(後述する基本モード周波数f0)を有するように構成された内径27mm、外径74mmのオープンリング共振器を用いている。
以下では、第1共振器111に対する第1入出力線路112のポート角度φと、第2共振器211に対する第2入出力線路212のポート角度φとは、同一の角度に設定するものとして、ポート角度φとポート角度φを特に区別しない場合には、「ポート角度φ」と称する。又、第1共振器111と第2共振器211とを特に区別しない場合には、「共振器111、211」と総称する。第1入出力線路112と第2入出力線路212とを特に区別しない場合には、「入出力線路112、212」と総称する。
一般に、2つの共振器(ここでは、共振器111、211)の間で高周波電力の授受を行う際の透過率に係る周波数特性は、2つの共振器が近接している場合には、2つの共振器間での電磁的な相互作用により、共振器固有の共振周波数f0(以下、基本モード周波数f0と称する)から、高周波側の共振周波数f1及び低周波側の共振周波数f2の2つに分離したものとなる(図5及び図6を参照)。そして、二つの共振器が強く結合するほど、高周波側の共振周波数f1及び低周波側の共振周波数f2は、それぞれ、基本モード周波数f0から離れる側へシフトする。
このとき、2つの共振器間の電磁結合の強度は、一般に、結合係数kとして以下の式(1)のように表される。
Figure 0006729919
但し、この高周波側の共振周波数f1から低周波側の共振周波数f2の間の帯域内では、必ずしも均一な伝送効率(透過率)が実現されるわけではなく、2つの共振器間における電磁結合の状態によっては、当該周波数帯域の中間領域の伝送効率が低下する(双峰型の周波数特性と称される)。
この種の電力伝送装置においては、通常、基本モード周波数f0を用いて電力伝送を実行する構成となっているため、双峰型の周波数特性の状態にて、電力伝送を実行すると、伝送効率が低下することになってしまう。又、例えば、広帯域に亘って高い伝送効率を示す周波数特性が得られれば、共振器の使用環境が変化して、分離した高周波側の共振周波数及び低周波側の共振周波数がシフトした態様でも、高い伝送効率で電力伝送を実行することができる。
一般に、共振器には蓄積エネルギーと損失の関係で決まる内部Q値(ここでは、Quと表す)が存在するが、2つの共振器間の伝送効率の最大値ηmaxは、結合係数kと内部Q値の積であるkQu積で規定されることが知られている(例えば、非特許文献2を参照)。この理論によれば、kQu積は、式(2)で表され、当該共振器にて実現できる最大の伝送効率ηmaxは、式(3)で表される。尚、これらの値は、実測やシミュレーション等を用いて、Sパラメータから計算することができる。
Figure 0006729919
Figure 0006729919
但し、最大の伝送効率ηmaxを実現し得るか否かは、共振器と入出力線路のインピーダンス整合によって決まる。
非特許文献1によれば、オープンリング共振器においては、帯域中心周波数でも伝送効率低下(即ち、周波数特性が双峰型とならない)が起きないバターワース型(最大平坦型とも称される)の伝送特性を得るためのインピーダンス整合は、共振器に入出力線路を接続するポート角度(ここでは、共振器111、211に対して入出力線路112、212の電極部112a、212aを電気接続する位置を規定するポート角度φ)で調整することが可能である。具体的には、非特許文献1によれば、オープンリング共振器においては、2つに分離した共振周波数f1、f2間でバターワース型の周波数特性を持たせるためには、結合係数のk値と共振器の外部Q値(ここでは、Qeと表す)との間に、以下の式(4)の関係が成立することが必要とされる。
Figure 0006729919
又、非特許文献1によれば、オープンリング共振器の外部Q値は、以下の式(5)のように表され、当該外部Q値は、共振器に入出力線路を接続するポート角度の調整によって変更可能である。
Figure 0006729919
外部Q値は、共振器本体と入出力線路の結合の強さを示すパラメータである。式(5)から、ポート角度を大きくするほど、入力インピーダンスのリアクタンス成分が小さくなり、外部Q値は小さくなる。一方、ポート角度を0°に近づけるほど、入力インピーダンスのリアクタンス成分が大きくなり、外部Q値は大きくなる。
式(4)で基準とされるkQe積は、2つの共振器間の電磁結合の状態(即ち、結合係数k)、及び、入出力線路と共振器との間の結合状態(即ち、外部Q値)を考慮した場合における、電力伝送の円滑度合いを示す指標である。kQe=1の状態(式(4)に示す状態)は、送電側から受電側への電力伝送が最も円滑に行われる状態であり、kQe>1の状態は、共振器に電磁エネルギーが過剰に蓄積する状態であり、kQe<1の状態は、共振器間の電力伝送に比べ共振器から入出力線路への電磁エネルギーの供給放出が過大な状態であると推察されている。
図5は、本実施形態に係る電力伝送装置Uにおける、ポート角度φ(共振器111、211への入出力線路112、212の接続位置)と伝送効率の関係の一例を示す図である。
図5の各グラフは、以下の態様における伝送効率を表す。
点線:ポート角度φ=28°における伝送効率
実線:ポート角度φ=40°における伝送効率
一点鎖線:ポート角度φ=52°における伝送効率
尚、ここでは、共振器間距離Zを32mmに設定している。
図5においては、ポート角度φ=40°が、バターワース型の周波数特性を示す適正なポート角度であり、中心周波数(共振器111、211の基本モード周波数f0)の920MHz付近でほぼ平坦な伝送効率を示す。この状態が、式(4)に示すkQe=1の状態に相当する。一方、ポート角度φを40°より小さい28°とすると、外部Q値が増大し、その結果、kQe>1となる。この場合、伝送効率の周波数特性は双峰型になる。このとき、中心周波数付近における伝送効率は、谷間の底となり、目標とする周波数での伝送効率は低下することになる。他方、ポート角度φを40°よりも大きい52°とした場合、外部Q値は低下し、kQe<1となる。この場合の伝送特性は単峰型で、中心周波数付近にあるピークの伝送効率も低下する。
尚、一般に、オープンリング共振器においては、ポート角度φにより決まる外部QがQe=1/kを満たすときにインピーダンス整合の整合条件を完全に充足する。本実施形態に係る電力伝送装置Uにおいては、ポート角度φ=40°がインピーダンス整合の整合条件を完全に充足するポート角度である。しかし、それが最適の位置関係で実現したとしていると、リング位置がそれからずれた場合は、k値は下がるのみである。その結果、1/kが上昇し、Qeが過小な値となり伝送効率の低下が起きる。そこで、あらかじめポート角度φを小さく設定して(この場合は28°)Qeを最適状態より高めに設定する。一方で、リング間角度αを最大効率の180度からずらしておくことでk値をさげ、Qe=1/kを実現させる。リングの位置関係が最適条件からずれれば、k値はさらに下がるが、リング間角度αを180度方向に戻すことでk値を上げることができ、Qe=1/kを維持することができる。
図6は、本実施形態に係る電力伝送装置Uにおける、共振器間距離Z(±Z方向における第1共振器111と第2共振器211の間の距離)と伝送効率の関係の一例を示す図である。
図6の各グラフは、以下の態様における伝送効率を表す。
点線グラフ:共振器間距離Z=22mmにおける伝送効率
実線グラフ:共振器間距離Z=32mmにおける伝送効率
一点鎖線グラフ:共振器間距離Z=42mmにおける伝送効率
尚、ここでは、ポート角度φを40°に設定している。
共振器間距離Zが32mmの場合、図5の実線と同様の条件となるため、kQe=1である。一方、共振器間距離Zが22mmの場合、結合係数kは上昇し、kQe>1となる。その結果、周波数特性は双峰型になり、結合係数kが上がっているにもかかわらず、中心周波数付近の伝送効率は低下する。他方、共振器間距離Zが42mmの場合、結合係数kが減少して、kQe<1となり、伝送特性は単峰型となり、中心周波数を含む全域での領域での効率が低下する。
このように、いずれにしても、kQe=1で周波数特性がバターワース型になり、中心周波数(基本モード周波数f0)での効率が最大となる。そして、kQe<1の場合には、周波数特性が単峰型となり、ピークの伝送効率が下がる。一方、kQe>1の場合には、周波数特性が双峰型となり、基本モード周波数f0の高周波側の共振周波数f1及び低周波側の共振周波数f2においては伝送効率は高いが、基本モード周波数f0においては伝送効率は低下する。すなわち、kQe=1で伝送効率は最大であり、それが大きくなっても、小さくなっても、中心周波数(即ち、電力伝送を実施する際の送信周波数)における伝送効率は低下する。
但し、ポート角度φや共振器間距離Zは、実際には、変更が困難又は煩雑な場合も多い。そこで、本実施形態に係る電力伝送装置Uにおいては、第1共振器111と第2共振器211との間の共振器間距離Zの変化や、第1共振器111と第2共振器211との間の位置ずれが起きた際、リング間角度α(第1共振器111の開放部111aと第2共振器211の開放部211aとの間のリングの周方向における角度差)を変更することで、kQe=1の状態を維持する。
図7は、本実施形態に係る電力伝送装置Uにおける、リング間角度αとkQu積の関係の一例を示す図である。
通常、共振器のQu値はリング間角度αには依拠しないため、図7は、リング間角度αに依拠したk値の変化を示している。結合係数kは、図7に示すように、リング間角度αが0°の場合に最小となり、リング間角度αを大きくするほど増大する。そして、結合係数kは、リング間角度αが180°の場合に最大となる。これは、リング間角度αが180°の場合には、磁界の共振及び電界の共振の両方が、第1共振器111と第2共振器211の間で同相となり、共鳴が最も強くなるためであると推察されている。
このように、図7から、第1共振器111と第2共振器211との間の共振器間距離Zの変化や、第1共振器111と第2共振器211との間の位置ずれが起きた際にも、リング間角度αを調整することによって、結合係数kを調整することができることが分かる。即ち、リング間角度αを調整することによって、kQe=1の状態に調整することが可能である。
図8は、本実施形態に係る電力伝送装置Uにおいて、共振器間距離Zの変化に対応するために、リング間角度αを調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図である。
尚、このシミュレーションでは、本実施形態に係る電力伝送装置Uにおいて、平面視における第1共振器111の中心点Aと第2共振器211の中心点Bを一致させた状態で、共振器間距離Zを変化させた場合の伝送効率を算出している。このシミュレーションでは、共振器111、211の基本モード周波数f0に相当する920MHzの高周波電力を用いている。
図8中の各グラフは、以下を示す。
実線グラフ:ポート角度φを40°に設定し、リング間角度αを180°に設定した場合の伝送効率
点線グラフ:ポート角度φを28°に設定し、リング間角度αを180°から15°まで変化させた場合の伝送効率(点線グラフL1:α=180°、点線グラフL2:α=150°、点線グラフL3:α=120°、点線グラフL4:α=90°、点線グラフL5:α=60°、点線グラフL6:α=30°、点線グラフL7:α=15°)
ドットグラフ:各点線グラフL1〜L7の伝送効率のピーク値を結んだグラフ
図8中において、横軸は、共振器間距離Z[mm]を表し、縦軸は、伝送効率を表す。
点線グラフL1を見ると分かるように、ポート角度φが28°(本実施形態に係る共振器111、211に設定されたポート角度φに相当する)及びリング間角度α=180°の条件においては、共振器間距離Z=44mmのときに、95%の伝送効率を実現できる。これは、ポート角度φが28°の場合、リング間角度α=180°、共振器間距離Z=44mmのときに、kQe=1の状態が成立しているためである。しかしながら、ポート角度φ=28°及びリング間角度α=180°の条件においては、共振器間距離Zが44mmから小さくなるにつれて、伝送効率が低下する。これは、この条件においては、共振器間距離Zが小さくなるにつれて、結合係数kが増大し、kQe>1の状態に変化し、周波数特性が双峰型に変化し、中心の周波数では効率が低下するためである。
この点、各点線グラフL1〜L7に着目すると、リング間角度αが小さくなるにつれて、95%の伝送効率を得られる共振器間距離Zも小さくなることが分かる。具体的には、95%の伝送効率を得られる共振器間距離Zは、リング間角度αに対応して以下のように変化する。
リング間角度α=180°(点線グラフL1):共振器間距離Z=44mm
リング間角度α=150°(点線グラフL2):共振器間距離Z=42mm
リング間角度α=120°(点線グラフL3):共振器間距離Z=40mm
リング間角度α=90°(点線グラフL4):共振器間距離Z=35mm
リング間角度α=60°(点線グラフL5):共振器間距離Z=32mm
リング間角度α=30°(点線グラフL6):共振器間距離Z=23mm
リング間角度α=15°(点線グラフL7):共振器間距離Z=12mm
これは、リング間角度αが小さくなるにつれて、結合係数kが低下し、共振器間距離Zが小さくなることによる結合係数kの増大を打ち消すように作用して、kQe=1の状態を維持することができるためである。つまり、リング間角度αを変化させることで、共振器間距離Z:12mm〜44mmの範囲において、95%の伝送効率を実現することができることが分かる。
一方、仮に、ポート角度φを40°に設定した場合、インピーダンス整合の整合条件を最も充足するため、共振器間距離Z=32mmの場合に、97%以上の高い伝送効率が得られる(実線グラフを参照)。但し、実線グラフを見ると分かるように、伝送効率が95%以上の領域は、共振器間距離Zが28mmから34mmのわずか6mmの範囲のみとなっている。
つまり、ポート角度φを、最も整合条件を充足するポート角度(ここでは、φ=40°)よりも小さい値(ここでは、φ=28°)に設定し、且つ、リング間角度αの調整を行うことで、95%の伝送効率を実現し得る共振器間距離Zの範囲は、リング間角度αを固定した場合に95%の伝送効率を実現し得る共振器間距離Zの範囲よりも5倍以上拡大する。
図9は、本実施形態に係る電力伝送装置Uにおいて、±X方向における位置ずれに対応するために、リング間角度αを調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図である。
図9中の各グラフは、以下を示す。
実線グラフ:ポート角度φを40°に設定し、リング間角度αを180°に設定した場合の伝送効率
点線グラフ:ポート角度φを28°に設定し、リング間角度αを180°から15°まで変化させた場合の伝送効率(点線グラフL11:α=180°、点線グラフL12:α=150°、点線グラフL13:α=120°、点線グラフL14:α=90°、点線グラフL15:α=60°、点線グラフL16:α=30°)
ドットグラフ:各点線グラフL11〜L16の伝送効率のピーク値を結んだグラフ
図9中において、横軸は、リング間角度αが180°の状態からの±X方向における位置ずれ量(以下、横ずれ量ΔXと称する)[mm]を表し、縦軸は、伝送効率[%]を表す。横軸の0点は、共振器111の中心点Aと共振器211の中心点Bが重なる位置を表し、プラスX方向が、開放部111aと開放部211aとが重なる方向へのずれ量を表す。尚、共振器間距離Zは、32mmに設定されている。
点線グラフL11を見ると分かるように、ポート角度φが28°(本実施形態に係る共振器111、211に設定されたポート角度φに相当する)及びリング間角度α=180°の条件においては、横ずれ量ΔX=50mmのときに、95%の伝送効率を実現でき、横ずれ量ΔXが50mmから小さくなるにつれて、伝送効率も低下する。これは、ポート角度φが28°の場合、リング間角度α=180°、横ずれ量ΔX=50mmのときに、kQe=1の状態が成立し、横ずれ量ΔXが50mmよりも小さくなるにつれて、結合係数kが増大し、kQe>1の状態に変化し、伝送特性が双峰型に変化するためである。
この点、各点線グラフL11〜L16に着目すると、リング間角度αが小さくなるにつれて、95%の伝送効率を得られる横ずれ量ΔXも小さくなることが分かる。具体的には、95%の伝送効率を得られる横ずれ量ΔXは、リング間角度αに対応して以下のように変化する。
リング間角度α=180°(点線グラフL11):横ずれ量ΔX=50mm
リング間角度α=150°(点線グラフL12):横ずれ量ΔX=40mm
リング間角度α=120°(点線グラフL13):横ずれ量ΔX=30mm
リング間角度α=90°(点線グラフL14):横ずれ量ΔX=20mm
リング間角度α=60°(点線グラフL15):横ずれ量ΔX=0mm
これは、リング間角度αが小さくなるにつれて、結合係数kが低下し、横ずれ量ΔXが小さくなることによる結合係数kの増大を打ち消すように作用して、kQe=1の状態を維持することができるためである。つまり、リング間角度αを変化させることで、横ずれ量ΔXが−20mm〜+52mmの範囲で、95%の伝送効率を維持することができることが分かる。
一方、仮に、ポート角度φを40°に設定した場合、インピーダンス整合の整合条件を最も充足するため、横ずれ量ΔXが小さいときには、97%以上の高い伝送効率が得られる(実線グラフを参照)。但し、実線グラフを見ると分かるように、伝送効率が95%以上の領域は、横ずれ量ΔXが−6mm〜+28mmのわずか34mmの範囲のみとなっている。
つまり、ポート角度φを、最も整合条件を充足するポート角度(ここでは、φ=40°)よりも小さい値(ここでは、φ=28°)に設定し、且つ、リング間角度αの調整を行うことで、95%の伝送効率を実現し得る横ずれ量ΔXの範囲は、リング間角度αを固定した場合に95%の伝送効率を実現し得る横ずれ量ΔXの範囲よりも2倍以上拡大する。
尚、図9の各グラフにおいて、高い伝送効率が得られる横ずれ量ΔXが、プラスX方向の横ずれ量ΔXの方がマイナスX方向の横ずれ量ΔXよりも大きくなっているのは、共振器111の開放部111aと共振器211の開放部211aとが重なる方向へのずれは、結合係数kが高く保たれるためである。
図10は、本実施形態に係る電力伝送装置Uにおいて、±Y方向における位置ずれに対応するために、リング間角度αを調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図である。
図10中の各グラフは、以下を示す。
実線グラフ:ポート角度φを40°に設定し、リング間角度αを180°に設定した場合の伝送効率
点線グラフ:ポート角度φを28°に設定し、リング間角度αを180°から60まで変化させた場合の伝送効率(点線グラフL21:α=180°、点線グラフL22:α=150°、点線グラフL23:α=120°、点線グラフL24:α=90°、点線グラフL25:α=60°)
ドットグラフ:各点線グラフL21〜L25の伝送効率のピーク値を結んだグラフ
図10中において、横軸は、±Y方向における位置ずれ量(以下、縦ずれ量ΔYと称する)[mm]を表し、縦軸は、伝送効率[%]を表す。横軸の0点は、共振器111の中心点Aと共振器211の中心点Bが重なる位置を表す。尚、±Y方向における位置ずれは、プラスY方向とマイナスY方向とで対称であるため、ここでは、プラスY方向への位置ずれのみを示している。尚、リング間角度αは、180°に設定されている。又、共振器間距離Zは、32mmに設定されている。
点線グラフL21を見ると分かるように、ポート角度φが28°(本実施形態に係る共振器111、211に設定されたポート角度φに相当する)及びリング間角度α=180°の条件においては、縦ずれ量ΔY=20mmのときに、95%の伝送効率を実現でき、縦ずれ量ΔYが20mmから小さくなるにつれて、伝送効率も低下する。これは、ポート角度φが28°の場合、リング間角度α=180°、縦ずれ量ΔY=20mmのときに、kQe=1の状態が成立し、縦ずれ量ΔYが20mmよりも小さくなるにつれて、結合係数kが増大し、kQe>1の状態に変化し、伝送特性が双峰型に変化するためである。
この点、各点線グラフL21〜L25に着目すると、リング間角度αが小さくなるにつれて、95%の伝送効率を得られる縦ずれ量ΔYも小さくなることが分かる。具体的には、95%の伝送効率を得られる縦ずれ量ΔYは、リング間角度αに対応して以下のように変化する。
リング間角度α=180°(点線グラフL21):縦ずれ量ΔY=20mm
リング間角度α=150°(点線グラフL22):縦ずれ量ΔY=18mm
リング間角度α=120°(点線グラフL23):縦ずれ量ΔY=17mm
リング間角度α=90°(点線グラフL24):縦ずれ量ΔY=16mm
リング間角度α=60°(点線グラフL25):縦ずれ量ΔY=15mm
これは、リング間角度αが小さくなるにつれて、結合係数kが低下し、縦ずれ量ΔYが小さくなることによる結合係数kの増大を打ち消すように作用して、kQe=1の状態を維持することができるためである。つまり、リング間角度αを変化させることで、縦ずれ量ΔYが−22mm〜+22mmの範囲で、95%の伝送効率を維持することができることが分かる。
一方、仮に、ポート角度φを40°に設定した場合、インピーダンス整合の整合条件を最も充足するため、縦ずれ量ΔYが小さいときには、97%以上の高い伝送効率が得られる(実線グラフを参照)。但し、実線グラフを見ると分かるように、伝送効率が95%以上の領域は、縦ずれ量ΔYが−10mm〜+10mmのわずか20mmの範囲のみとなっている。
つまり、ポート角度φを、最も整合条件を充足するポート角度(ここでは、φ=40°)よりも小さい値(ここでは、φ=28°)に設定し、且つ、リング間角度αの調整を行うことで、95%の伝送効率を実現し得る縦ずれ量ΔYの範囲は、リング間角度αを固定した場合に95%の伝送効率を実現し得る縦ずれ量ΔYの範囲よりも2倍以上拡大する。
図11は、本実施形態に係る電力伝送装置Uの動作を示すフローチャートである。図11に示すフローチャートは、例えば、第1制御部114が、第2制御部214と協働して、コンピュータプログラムに従って順番に実行する処理である。
ステップS1において、第1制御部114は、第2制御部214に対して指令して、第1電力値にて、第2共振器211から第1共振器111に対して電力伝送を実行させる。このとき、第2制御部214は、第1制御部114からの指令に応じて、発振器220を制御して、電力伝送を実行する。
尚、このステップS1は、高い伝送効率を確保し得るリング間角度αを特定するための試験的な電力伝送である。そのため、このステップS1で指定される第1電力値は、ステップS5の本実施に係る電力伝送の場合の電力値(第2電力値)よりも、低い電力値に設定されている。
ステップS2において、第1制御部114は、伝送効率を測定する。このとき、第1制御部114は、例えば、電流センサ114aからの検出信号に基づいて、第2共振器211から第1共振器111に伝送された電力値を検出する。そして、第1制御部114は、検出された電力値と、第2制御部214に対して指令した第1電力値との比較により、伝送効率を測定する。
ステップS3において、第1制御部114は、ステップS2で測定された伝送効率が、閾値(例えば、95%)よりも大きいか否かを判定する。そして、ステップS2で測定された伝送効率が、閾値よりも大きい場合(ステップS3:YES)、ステップS5に処理を進め、閾値以下の場合(ステップS3:NO)、ステップS4に処理を進める。
尚、このステップS3において、第1制御部114は、伝送効率に代えて、検出された第2共振器211から第1共振器111へ伝送された電力の電力値を基準として、判定を行ってもよい。
ステップS4において、第1制御部114は、駆動部115を制御して、第1共振器111を、所定角度(例えば、1°)だけ、当該第1共振器111の周方向に回転させる。そして、第1制御部114は、ステップS1に戻って、再び、電力伝送及び伝送効率の測定を実行する。そして、このS1〜S4の処理を繰り返し実行することで、高い伝送効率を確保し得るリング間角度αを特定する。
ステップS5において、第1制御部114は、第2制御部214に対して指令して、第2電力値にて、第2共振器211から第1共振器111に対して電力伝送を実行させる。尚、このステップS5は、本実施に係る電力伝送に相当する。
ステップS6において、第1制御部114は、電力伝送を終了する条件を充足するか否かを判定することを待ち受ける(S6:NO)。そして、終了条件を充足した場合(S6:YES)、ステップS7に処理を進める。尚、第1制御部114は、例えば、電気負荷130であるバッテリが満充電の状態に到った場合、終了条件を充足したと判定する。
ステップS7において、第1制御部114は、第2制御部214に対して電力伝送を終了するように指令する。
電力伝送装置Uは、以上のような一連の処理によって、高い伝送効率にて、送電装置200から受電装置100に対して、電力伝送を実行することができる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る共振装置110は、
閉曲線線路の一部が開放された構造を呈し、自身に対向して配された自身と相似形の他の共振器211との間で、電磁結合を利用して非接触で高周波電力の授受を行う共振器111と、
閉曲線線路が形成する面内で、共振器111を、当該共振器111の周方向に回転させる駆動部115と、
駆動部115を制御して共振器111の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で共振器111と他の共振器211との間で高周波電力の授受を試験的に実行させ、共振器111の各位置で検出される共振器111と他の共振器211との一方から他方へ伝送された高周波電力の電力値に基づいて、高周波電力の授受を本実施する際の角度を設定する制御部114と、を備えている。
従って、本実施形態に係る共振装置110によれば、2つの共振器111、211間の共振器間距離Zが基準距離から変化したり、2つの共振器111、211間に位置ずれが生じたりしているときにも、高い伝送効率を確保した状態で、電力伝送を実行することができる。
(変形例)
上記実施形態では、第1制御部114によるリング間角度αの設定方法の一例として、伝送効率が閾値以上となるように、リング間角度αを特定する手法を示した。
しかしながら、第1制御部114は、かかる手法に代えて、第1共振器111の周方向の全周の各位置において伝送効率を測定して、第1共振器111の周方向の各位置における伝送効率のプロファイルを生成し、伝送効率が最も高くなるようにリング間角度αを設定してもよい。
かかる態様においては、第1制御部114は、例えば、第1共振器111の周方向の0°〜180°の間の各位置(例えば、1°間隔の各位置)における伝送効率を測定することで、伝送効率のプロファイルを生成する。そして、第1制御部114は、伝送効率のプロファイルに基づいて、伝送効率が最も高くなるようにリング間角度αを設定する。
これによって、伝送効率が最大化された状態で、電力伝送を実行することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、図12を参照して、第2の実施形態に係る共振装置110、210について説明する。
図12は、第2の実施形態に係る共振器111、211の側面を拡大した図である。尚、本実施形態においても、共振器111と共振器211とは、同様の構成を有しており、以下では、共振器111の構成についてのみ説明する。
本実施形態に係る共振器111、211は、金属層Lsと絶縁層Ltとが交互に積層された構造を有する点で、第1の実施形態と相違する。
一般に、電力伝送装置において、伝送効率を下げる原因の一つは、共振器を形成する金属板の抵抗である。仮に、共振器を、低い抵抗率を持つ銅、アルミ、金などを用いて形成した場合であっても、その損失を無視することができない。とりわけ高周波となると表皮効果のため、表面の数μmしか伝導に寄与せず、金属を厚くすることは効果が無い。
この点、本実施形態に係る共振器111、211によれば、金属層Lsと絶縁層Ltとが交互に積層された構造を有するため、電力伝送実行時における伝送を担う表皮部分を金属層数分増大させることになる。これによって、電力伝送実行時における共振器111、211の抵抗を低抵抗化することが可能となる。
図13は、電磁界解析シミュレーションにより、多層構造の共振器(本実施形態に係る共振器に相当)を用いて電力伝送を実行した場合の伝送効率(実線グラフ)と単相構造の共振器を用いて電力伝送を実行した場合の伝送効率(点線グラフ)とを比較した図である。
このシミュレーションでは、単相構造の共振器は、厚さ:1mm、抵抗:1×10S/mの金属板で形成されたものを用いている。多層構造の共振器は、厚さ:18μm、抵抗:1×10S/mの金属板を4枚積層して形成されたものであり、各金属板の間には、厚さ:0.4mm、誘電率:2.16の誘電体板が配設された構造を有する。尚、多層構造の共振器の金属板の総厚は、単相構造の共振器の金属板の厚さの1/10以下である。
シミュレーション結果によると、多層構造の共振器を用いることによって、単相構造の共振器を用いた場合と比較して、1%以上増大することが分かる。この結果は、金属単板の場合で、金属伝導率を約3.5倍にしたものと同等である。多層構造の共振器は、単純に枚数に比例して増えるわけではないが、単層構造の共振器よりは低抵抗となり、高伝送効率となる。
尚、このような導体損は、共振器111、211におけるものが大部分を占めるが、グラウンド板113、213においても発生する。そのため、グラウンド板113、213にも適用することが望ましい。これによって、伝送効率の更なる向上を図ることができる。
以上のように、本実施形態に係る共振装置110、210によれば、共振器111、211の抵抗を低抵抗化することが可能であり、これによって、伝送効率をより高効率にすることができる。
(第3の実施形態)
次に、図14、図15を参照して、第3の実施形態に係る共振装置110、210について説明する。
図14は、第3の実施形態に係る共振装置110、210を側面から見た図である。図15は、第3の実施形態に係る共振装置110を平面から見た図である。
本実施形態に係る共振装置110は、同一の回路基板116内に、入出力線路112及び共振器111が構成されている点で、第1の実施形態に係る共振装置と相違する。
本実施形態に係る回路基板116は、例えば、PCB基板であり、整流回路120等が構成された基板である。そして、本実施形態に係る共振器111及び入出力線路112は、回路基板116の基板面に形成された導体パターンにより構成されている。又、回路基板116の裏面には、グラウンド板113が形成されている。
本実施形態に係る入出力線路112は、例えば、マイクロストリップであり、第1の実施形態に係る共振装置110と同様に、所定のポート角度φの位置で、共振器111に接続されている。尚、回路基板116内には、入出力線路112と接続する垂直なビア配線等が設けられてもよい。
本実施形態に係る駆動部115は、回路基板116の裏面の共振器111の中心点の位置において、回路基板116を支持している。そして、駆動部115は、共振器111の中心点を回転中心として、回路基板116をXY面内で回転させ得るように構成されている。つまり、駆動部115は、回路基板116と共に共振器111を回転させて、これにより、共振器111の周方向における角度(即ち、リング間角度α)を調整する。
尚、本実施形態に係る共振装置210は、共振装置110と同様の構成を有し、同一の回路基板216内に、入出力線路212及び共振器211が構成されている。
本実施形態に係る共振装置110においても、第1の実施形態に係る共振装置110と同様に、2つの共振器111、211間のリング間角度αを調整することが可能である。そして、これによって、2つの共振器111、211間の共振器間距離Zが基準距離から変化したり、2つの共振器111、211間に位置ずれが生じたりしているときにも、高い伝送効率を確保した状態で、電力伝送を実行することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
上記実施形態では、共振器111、211の形状の一例として、リング状の閉曲線線路の一部に開放部111a、211aが形成された形状を示した。しかしながら、共振器111、211の形状は、種々に変形可能であり、例えば、一部に開放部111a、211aが形成された略矩形状にループする形状であってもよい。又、共振器111、211のリング長は、高周波電力の波長の1/2の奇数倍の長さとしてもよい。
又、上記実施形態では、共振器111と共振器211とが同一の形状を有する態様を示したが、共振器111と共振器211とが異なる形状とされてもよい。尚、共振器111と共振器211とが異なる形状の態様としては、例えば、リングサイズやリング幅等が挙げられる。かかる態様においては、共振器111のポート角度φと共振器211のポート角度φとを別個に調整可能とすればよい。
又、上記実施形態では、入出力線路112、212の電極部112a、212aの形状の一例として、円形状を示した。しかしながら、電極部112a、212aの形状は、種々に変形可能であり、例えば、共振器111、211と相似形のオープンリング形状としてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る共振装置によれば、2つの共振器間の位置ずれに対応することができる。
U 電力伝送装置
100 受電装置
110 第1共振装置
111 第1共振器
111S 支持棒
111a 開放部
111b 突起部
112 第1入出力線路
112a 電極部
113 第1グラウンド板
114 第1制御部
114a 電流センサ
115 駆動部
115a 歯車
116 回路基板
120 整流回路
120a 回路基板
130 電気負荷
200 送電装置
210 第2共振装置
211 第2共振器
211S 支持棒
211a 開放部
212 第2入出力線路
212a 電極部
213 第2グラウンド板
214 第2制御部
216 回路基板
220 発振器
230 電源
共振器間距離
α リング間角度
φ ポート角度

Claims (7)

  1. 閉曲線線路の一部が開放された構造を呈し、自身に対向して配された自身と相似形の他の共振器との間で、電磁結合を利用して非接触で高周波電力の授受を行う共振器と、
    前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させる駆動部と、
    前記駆動部を制御して前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で前記共振器と前記他の共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される前記共振器と前記他の共振器との一方から他方へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する制御部と、
    を備える共振装置。
  2. 前記制御部は、前記共振器と前記他の共振器との間における前記高周波電力の伝送効率が閾値以上となるように、又は、前記共振器と前記他の共振器との間における前記高周波電力の伝送効率が最大となるように、前記共振器の周方向における角度を設定する、
    請求項1に記載の共振装置。
  3. 前記制御部は、
    前記角度を設定する前には、第1電力値で、前記共振器と前記他の共振器との間で前記高周波電力の授受を実行させ、
    前記角度を設定した後には、前記第1電力値よりも大きい第2電力値で、前記共振器と前記他の共振器との間で前記高周波電力の授受を実行させる、
    請求項1又は2に記載の共振装置。
  4. 前記共振器は、金属膜と絶縁膜とが交互に積層された構造を有する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の共振装置。
  5. 前記共振器は、自身の長手方向の中心位置に、当該共振器の側面から当該共振器の中心点に向かって延在する突起部を有し、当該突起部にて、支持されている、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の共振装置。
  6. 第1及び第2共振装置を備え、当該第1及び第2共振装置それぞれが有する閉曲線線路の一部が開放された構造を呈する共振器を用いて、非接触で高周波電力の授受を行う電力伝送装置であって、
    前記第1及び第2共振装置のいずれか一方は、
    前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させる駆動部と、
    前記駆動部を制御して前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で一方の前記共振器と他方の前記共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される一方の前記共振器から他方の前記共振器へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する制御部と、を有する、
    電力伝送装置。
  7. 第1及び第2共振装置それぞれが有する閉曲線線路の一部が開放された構造を呈する共振器を用いて、非接触で高周波電力の授受を行う電力伝送方法であって、
    前記第1及び第2共振装置のいずれか一方は、
    前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させ、
    前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で一方の前記共振器と他方の前記共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される一方の前記共振器から他方の前記共振器へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する、
    電力伝送方法。
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