JP6728513B1 - 胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具 - Google Patents

胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具 Download PDF

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Abstract

胸腔シミュレータを傾けた状態で、臓器モデルを安定的に固定でき、取り付け、取り外し及び位置調整が容易な臓器モデル固定具を提供する。少なくとも背骨と胸骨と肋骨を模擬した人体骨格モデルを備える胸腔シミュレータに対し、臓器モデルの姿勢を固定する固定具において、固定具は、胸腔シミュレータの肋骨部の内側に収納可能な台座部と、該台座部の裏面に設けられた背骨係着機構であって、胸腔シミュレータの背骨部の凸部に係着させて該背骨部の長手方向にスライド自在に取り付けられる背骨係着機構と、台座部の表面に設けられ、左右を仕切る縦隔部を備え、縦隔部の左面と右面の双方の面は臓器モデルを積載でき、縦隔部の背骨部の長手方向の長さは、胸骨部の長手方向の長さと略同じである。

Description

本発明は、胸腔鏡下手術のトレーニングや学習用の胸腔シミュレータに臓器モデルを取り付ける器具に関するものである。
近年、胸腔鏡下手術のトレーニングや学習用として、人の体型や質感を再現し、人の身体に対する手術環境を模擬できるシミュレータが開発されている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記特許文献1に開示された胸腔シミュレータは、少なくとも肋骨を模擬した人体骨格モデルと、人体骨格モデルを収納するケーシングとから成る装置であり、ケーシングの肋骨部分に開孔部が設けられ、横隔膜の部分が開閉でき、人体骨格モデルの肋骨内部に臓器モデルを収納できる構成となっている。これによれば、効果的に胸腔鏡下手術の手技トレーニングを行うことが可能である。
そして、上記特許文献1のシミュレータへの臓器モデルの取り付け方法としては、例えば、係合部が設けられた把持部材を用いるとしている。
上記特許文献1に開示された胸腔シミュレータは、仰臥位でのトレーニングを前提としたものであるため、胸腔シミュレータを左右に傾けた状態で固定する場合については、十分な開示はなされていないが、手術の対象部位や術式によっては、側臥位で手術を行う場合も存在するため、側臥位で手術を行う場合に、適切な角度で臓器モデルを固定できる器具が望まれている。
臓器モデルを傾けた状態で設置可能とした技術としては、装置本体に設けられたフックに網を取り付け、網に管状臓器を挿入し、また、縫合糸で縫合することで固定するトレーニング用臓器設置装置が知られている。かかるトレーニング用臓器設置装置には、本体を回転可能とする多角形脚部が設けられており、トレーニング中に装置の角度を変えることも可能となっている。
上記特許文献2に開示されたトレーニング用臓器設置装置では、上下左右に湾曲する管状臓器の形態を正確に再現することができるという利点がある。しかしながら、正確な設置のためには、網に管状臓器を挿入するだけではなく、縫合作業も行う必要があり、設置作業が煩雑であるという問題がある。
また、上記特許文献2に開示されたトレーニング用臓器設置装置は、肺などの臓器モデルについては使用できないという問題もある。
国際公開パンフレットWO2015/151503号 実用新案登録第3177527号公報
かかる状況に鑑みて、本発明は、胸腔シミュレータを傾けた状態で、臓器モデルを安定的に固定でき、取り付け、取り外し及び位置調整が容易な臓器モデル固定具を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具は、少なくとも背骨と胸骨と肋骨を模擬した人体骨格モデルを備える胸腔シミュレータに対し、臓器モデルの姿勢を固定する固定具において、固定具は、胸腔シミュレータの肋骨部の内側に収納可能な台座部と、該台座部の裏面に設けられた背骨係着機構であって、胸腔シミュレータの背骨部の凸部に係着させて該背骨部の長手方向にスライド自在に取り付けられる背骨係着機構と、台座部の表面に設けられ、左右を仕切る縦隔部を備え、縦隔部の左面と右面の双方の面は臓器モデルを積載でき、縦隔部の背骨部の長手方向の長さは、胸骨部の長手方向の長さと略同じである。
台座部の裏面に背骨係着機構が設けられることにより、臓器モデル固定具を胸腔シミュレータにしっかりと固定することができる。
縦隔部が設けられることにより、胸腔シミュレータを傾けて使用する場合でも臓器モデルを安定的に設置することができ、また、左右双方の面を臓器モデルの設置に利用できるため、多様なバリエーションの手技トレーニングが可能となる。
縦隔部において、背骨部の長手方向の長さが、胸骨部の長手方向の長さと略同じとされることにより、胸腔シミュレータに設置した臓器モデルをしっかりと支持することができる。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具において、台座部は、表面の左端と右端の間で縦隔部をスライドし得るスライド機構を更に備えたことでもよい。
実際の手術に近い状態を再現する場合、臓器モデルを配置する空間を調整し得ることが好ましい。上記スライド機構を備えることにより、縦隔部の位置を左右に調整して、臓器モデルを配置する空間を調整できる。これにより、より実際の手術に近いリアルな手技トレーニングが可能となる。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具の台座部が、縦隔部をスライドし得るスライド機構を更に備えた場合において、スライド機構は、縦隔部と連結するアーム部と、該アーム部の端部を台座の表面上で回動させるアーム駆動部と、縦隔部の移動方向及び移動範囲を画定するガイド部を備え、ガイド部は、台座部の表面に設けられた軸部材及び該軸部材の両端を保持する軸止め部で構成され、軸部材が縦隔部に設けられた貫通孔に挿通されることが好ましい。
スライド機構が、アーム部及びアーム駆動部を備えることにより、簡単な操作で縦隔部の位置を調整することができる。アーム部及びアーム駆動部の構造としては、公知のウォームギヤが好適に用いられる。すなわち、アーム部の一端は縦隔部に連結され、他端にはウォームホイールが設けられる。また、アーム駆動部には円筒形状のウォームが設けられウォームの端部にはユーザが操作するためのノブが設けられる。ユーザはノブを回転させることにより、アーム部の端部を台座の表面上で回動させることができる。ウォームギヤを用いることにより、縦隔部の表面に圧力が加えられたとしても、容易にはノブは回転しないため、ノブを操作する手を離すだけで、縦隔部の位置を固定することが可能である。
また、ガイド部を備えることにより、縦隔部の移動方向及び移動範囲を画定できる。具体的には、縦隔部が、台座部表面の左端と右端の間で平行移動し得る構造とすることが好ましい。軸部材が縦隔部に設けられた貫通孔に挿通される構成とすることで、簡易な構造で縦隔部の移動方向を画定できる。軸部材は、2本設けられることが好ましい。軸部材の両端は、軸止め部により保持されるため、縦隔部の移動範囲を容易に画定できる。上記ガイド部により、アーム部の端部が台座の表面上で回動する動きが、左右の平行運動へと変換される。
このように、アーム部、アーム駆動部及びガイド部が一体となって機能することにより、比較的シンプルな構造で、ノブの回転運動を、縦隔部の平行運動に変換でき、縦隔部の位置を容易に調整・固定できる。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具において、台座部は、表面の左端又は右端に縦隔部を脱着自在に取り付け得る取付機構を更に備えたことでもよい。
上記の取付機構を備えることにより、簡単な構造及び操作で、臓器モデルを配置する空間を調整することができる。取付機構としては、一方の部材を他方の部材に係止し回転爪により固定する機構と、一方の部材を他方の部材と嵌合して爪部により固定する機構を併用することが好ましいが、かかる構成に限られず、上記の何れかの機構のみを利用するものでもよいし、例えば、螺子等の留め具により固定する機構でもよい。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具において、縦隔部の左面と右面の双方の表面は、面ファスナのフック部が形成されたことが好ましい。
臓器モデルの表面の素材は、面ファスナのループ部と同様の機能を果たすものがある。縦隔部の左右の表面に面ファスナのフック部が形成されることにより、該フック部に臓器モデルの表面を当接させて、臓器モデルをしっかりと固定することができ、また、取り外して位置調整を行うことも容易にできる。
面ファスナのフック部が、縦隔部の左面と右面の双方の表面に設けられることにより、胸腔シミュレータを右側臥位と左側臥位のいずれの状態にした場合でも臓器モデルを安定的に設置することができる。ここで、右側臥位とは右側を下にした姿勢のことであり、左側臥位とは左側を下にした姿勢のことである。
また、縦隔部の左面と右面には、例えば、吸盤を設ける、接着剤を塗布する等、面ファスナ以外の固定機構が設けられてもよい。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具は、胸腔シミュレータの姿勢が左側臥位である場合には、縦隔部の右面に臓器モデルを積載し、胸腔シミュレータの姿勢が右側臥位である場合には、縦隔部の左面に臓器モデルを積載することが好ましい。
ここで、縦隔部の面の左右については、人体の構造における左右に沿ったものとし、固定具を胸腔シミュレータに取り付けた状態で、右手側の面を右面、左手側の面を左面としている。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具において、臓器モデルは、少なくとも肺の形状及び質感を再現した肺の生体質感臓器モデルであることが好ましい。
肺の形状及び質感とは、肺門や肺内部の血管の形状や質感を含む。また、肺の生体質感臓器モデルには、気管、膜、リンパ、胸膜、肺靭帯も再現されることが好ましい。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具において、背骨係着機構は、背骨部上の取り付け位置を段階的に調整し得る凹部又は凸部が設けられたことでもよい。
背骨係着機構に凹部又は凸部が設けられることにより、固定具の取り付け位置を段階的に調整することが可能となる。また、凹部又は凸部の形状を小さく設けることで、実質的には無段階で任意の位置に固定できるものとしてもよい。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具において、台座部と背骨係着機構と縦隔部は、樹脂により一体成形されたことでもよい。
樹脂により一体成形されることにより、固定具に臓器モデルをしっかり固定でき、また取り扱いが容易となる。
本発明の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具によれば、胸腔シミュレータを傾けた状態で、臓器モデルを安定的に固定でき、取り付け、取り外し及び位置調整が容易に行えるといった効果がある。
実施例1の肺モデル固定具の斜視図 実施例1の肺モデル固定具の正面図 実施例1の肺モデル固定具の背面図 実施例1の肺モデル固定具の左側面図 実施例1の肺モデル固定具の右側面図 実施例1の肺モデル固定具の外観図 実施例1の肺モデル固定具の説明図 実施例1の肺モデル固定具の胸腔シミュレータへの取り付け説明図1 実施例1の肺モデル固定具の胸腔シミュレータへの取り付け説明図2 実施例1の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す外観図 実施例1の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す底面図1 実施例1の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す底面図2 実施例1の肺モデル固定具の使用フロー図 実施例2の肺モデル固定具の構造説明図 実施例2の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す外観図 胸腔シミュレータの斜視図 胸腔シミュレータの外観図1 胸腔シミュレータの外観図2 胸腔シミュレータの外観図3 実施例3の肺モデル固定具の斜視図 実施例3の肺モデル固定具の正面図 実施例3の肺モデル固定具の背面図 実施例3の肺モデル固定具の左側面図 実施例3の肺モデル固定具の右側面図 実施例3の肺モデル固定具の外観図 スライド機構の説明図1 スライド機構の説明図2 実施例3の肺モデル固定具の胸腔シミュレータへの取付説明図 実施例3の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す外観図1 実施例3の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す外観図2 実施例3の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示すイメージ図 実施例3の肺モデル固定具の使用フロー図 実施例4の肺モデル固定具の斜視図 実施例4の肺モデル固定具の正面図 実施例4の肺モデル固定具の背面図 実施例4の肺モデル固定具の外観図 実施例4の肺モデル固定具の左側面図 実施例4の肺モデル固定具の右側面図 実施例4の肺モデル固定具の使用フロー図
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
まず、臓器モデル固定具を取り付ける胸腔シミュレータの構造について説明する。図16は、胸腔シミュレータの斜視図を示している。また、図17〜19は、胸腔シミュレータの外観図であり、図17(1)は正面図、図17(2)は背面図、図18(1)は右側面図、図18(2)は左側面図、図19(1)は平面図、図19(2)は底面図を示している。
図16に示すように、胸腔シミュレータ9は、上端部91、下端部92、胸骨部93、背骨部94及び肋骨部95から成る。胸骨部93及び背骨部94の上端には上端部91が設けられ、下端には下端部92が設けられている。肋骨部95は胸骨部93及び背骨部94に固定されている。また、図19(2)に示すように、下端部92には、臓器モデル(図示せず)を取り付けるための貫通孔96が設けられている。このように、胸腔シミュレータ9は、人体の胸部を模擬した形状となっている。
肺の手術を行うような場合には、側臥位で手術が行われることが多く、術式によっては、図17(1)及び(2)に示す右側部9aや左側部9bが下向きとなるように胸腔シミュレータ9を設置する必要がある。
ところが、図18(1)及び(2)に示すように、胸腔シミュレータ9の内部には、縦隔に相当する部分が設けられていないため、肺モデルを設置したとしても、側臥位の状態で肺モデルを保持することができないという問題がある。そこで、胸腔シミュレータ9を横向きに固定した場合でも、臓器モデルを安定的に支持可能な固定具が必要となる。
なお、胸腔シミュレータ9において、右側部9a、左側部9bとしているが、左右については、ここでは人体の構造における左右に沿ったものとしている。すなわち、右手側を右側部9a、左手側を左側部9bとしている。
次に、肺モデル固定具の構造について説明する。図1〜6は、肺モデル固定具の外観図を示している。具体的には、図1は斜視図、図2は正面図、図3は背面図、図4は左側面図、図5は右側面図、図6(1)は平面図、図6(2)は底面図を示している。
図1に示すように、肺モデル固定具1は、台座部2及び縦隔部3から成り、台座部2と縦隔部3は何れも樹脂製であり、一体成形されている。
台座部2には、胸腔シミュレータ9に取り付けるための凹部21、図2に示す滑り止め機構(22a,22b)、図1に示す凹型係合部(23a,23b)、図3に示す凸型係合部(24a,24b)、及び図6に示す雌螺子部25が設けられている。凹型係合部(23a,23b)、凸型係合部(24a,24b)、及び雌螺子部25が背骨係着機構である。
凹部21は、肺モデル固定具1を胸腔シミュレータ9に取り付けるために設けられたものであり、凹部21に胸腔シミュレータ9の背骨部94が嵌合するように取り付ける構造である。
滑り止め機構(22a,22b)は、取り付け又は取り外しの際に、肺モデル固定具1を把持しやすくするためのものである。すなわち、肺モデル固定具1は、台座部2に対して略垂直に縦隔部3が設けられているため、片手では把持し難い構造となっている。そこで、滑り止め機構(22a,22b)を設けて、作業者の何れかの指が滑り止め機構(22a,22b)に引っ掛かりやすい構造とし、取り付けや取り外しを容易にしたものである。
凹型係合部(23a,23b)及び凸型係合部(24a,24b)は、位置決め及び固定のために設けられたものであり、胸腔シミュレータ9の背骨部94に設けられた凸型係合部(図示せず)と凹型係合部(23a,23b)が係合し、胸腔シミュレータ9の背骨部94に設けられた凹型係合部(図示せず)と凸型係合部(24a,24b)が係合する構造である。
雌螺子部25は、胸腔シミュレータ9の背骨部94と肺モデル固定具1が係合した後に、螺子(図示せず)を用いて肺モデル固定具1と背骨部94を固定するために設けられたものである。
図2に示すように、縦隔部3はプレート状の部材から成り、人体における縦隔を模擬したものである。縦隔部3の左面には左肺の臓器モデルを取り付けることができ、右面には右肺の臓器モデルを取り付けることができる。したがって、左肺と右肺の何れの手術トレーニングを行うことも可能である。
縦隔部3の右面には面ファスナ3aが設けられ、左面には面ファスナ3bが設けられている。なお、ここでも左右については、胸腔シミュレータ9における右側部9a、左側部9bと同様に人体の構造における左右に沿ったものとし、図2における縦隔部3の左側の面を右面、右側の面を左面としている。
面ファスナ(3a,3b)は、いずれも面ファスナのフック部で形成されている。後述する肺モデル4の表面は、材質上、面ファスナのループ部と同じ役割を果たしうるため、面ファスナ(3a,3b)上において、肺モデル4の取付位置を自在に調整可能である。
図7は、実施例1の肺モデル固定具の説明図である。図7に示すように、ここでは面ファスナ3bに肺モデル4bが取り付けられた状態を表している。肺モデル4bは左肺を模擬した臓器モデルであり、左肺の手術のトレーニングを行う場合のイメージを示している。
肺モデル4bの表面の素材は、面ファスナのループ部と同様の機能を果たすため、肺モデル4bの表面が縦隔部3に設けられた面ファスナ3bと当接することで、該ループ部と面ファスナ3bのフック部が係合し、しっかりと固定される。また、縦隔部3は台座部2と一体成形されているため、例えば、鉗子などで肺モデル4bが上から押さえられたとしても、肺モデル4bの3次元的位置が解剖学的に正確な位置のまま支持することが可能である。
図8及び9は、実施例1の肺モデル固定具の胸腔シミュレータへの取り付け説明図であり、図8は取り付け前、図9は取り付け後の状態を示している。また、図13は、実施例1の肺モデル固定具の使用フロー図を示している。
図8においては、肺モデルは図示していないが、実際に実施例1の肺モデル固定具を使用する場合には、図13に示すように、まず、肺モデル固定具1に肺モデルを固定する(ステップS01)。その後、貫通孔96から胸腔シミュレータ9内に肺モデル固定具1を挿入し、背骨部94に肺モデル固定具1を取り付ける(ステップS02)。
なお、肺モデルの肺モデル固定具1への固定は、肺モデル固定具1を胸腔シミュレータ9に取り付けた後に行ってもよい。また、肺モデルの固定位置の調整は、肺モデル固定具1を胸腔シミュレータ9に取り付けたままの状態で行うこともできるし、一旦肺モデル固定具1を胸腔シミュレータ9から取り外して調整を行い、再度取り付けてもよい。
図10は、実施例1の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す外観図であり、図11及び図12は、実施例1の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す底面図である。図10(1)及び図11は右肺の肺モデルを取り付けた場合、図10(2)及び図12は左肺の肺モデルを取り付けた場合をそれぞれ示している。
図10(1)に示すように、肺モデル固定具1における縦隔部3の長さLは、胸骨部93の長さLと略同じとなっている。
右肺の肺モデル4aを使用して、側臥位でのトレーニングを行う場合には、図11に示すように、肺モデル固定具1に右肺の肺モデル4aを取り付ける。肺モデル4aは、面ファスナ3aにより肺モデル固定具1に固定され、肺モデル固定具1は胸腔シミュレータ9にしっかりと固定されているため、あたかも縦隔の上に左肺が存在するかのような状態が作出され、リアルなトレーニングが可能となっている。術者(図示せず)は、図10(1)に示す肋骨部95の隙間から鉗子等を挿入して、トレーニングを行う。
同様に、左肺の肺モデル4bを使用して、側臥位でのトレーニングを行う場合には、図12に示すように、肺モデル固定具1に左肺の肺モデル4bを取り付けてトレーニングを行う。
このように、左右いずれの肺についてもトレーニングを行うことが可能である。また、前述したように、肺モデル(4a,4b)の固定位置を微調整することもできるため、実際の手術を想定したよりリアルなトレーニングが可能である。
人体の骨格内部において、肺は、概ね決まった位置に存在しているが、人によって僅かに位置や大きさが異なっていることがある。かかる場合でも、実態に即した骨格と肺の位置関係で手技トレーニングができることが望ましいといえる。
図14は、実施例2の肺モデル固定具の構造説明図を示している。図14に示すように、実施例2の肺モデル固定具10は、台座部20及び縦隔部3から成り、台座部20と縦隔部3は何れも樹脂製であり、一体成形されている。
台座部20には、図示しないが、肺モデル固定具10を背骨部94上の任意の位置で固定できる機構が設けられている。したがって、図14(1)に示すように、背骨部94の下部と肺モデル固定具10の下部がしっかりと嵌合するように、肺モデル固定具10を上方に固定することもできるし、図14(2)に示すように、肺モデル固定具10を背骨部94の下方に摺動して固定することもできる構造となっている。
これにより、肺モデルの固定位置の調整をよりフレキシブルに行うことが可能である。
図15は、実施例2の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す外観図であり、(1)は肺モデル固定具を上方に固定した場合、(2)は肺モデル固定具を下方に固定した場合を示している。また、いずれも左肺のトレーニングを行う場合を想定し、胸腔シミュレータ9を側臥位の状態としている。
肺モデル固定具を上方に固定した場合は、図15(1)に示すように、肺モデル固定具10が上端部91に近い位置、すなわちより右側に固定されている。これに対して、肺モデル固定具を下方に固定した場合は、図15(2)に示すように、肺モデル固定具10が下端部92に近い位置、すなわちより左側に固定されている。このように、肺モデル固定具10を用いることで、縦隔部3上に配置される肺モデル(図示せず)の脱着を行うことなく、肺モデルの取り付け位置を容易に微調整することができる構造となっている。
図20は、実施例3の肺モデル固定具の斜視図を示している。図21は実施例3の肺モデル固定具の正面図、図22は実施例3の肺モデル固定具の背面図、図23は実施例3の肺モデル固定具の左側面図、図24は実施例3の肺モデル固定具の右側面図を示している。また、図25は、実施例3の肺モデル固定具の外観図であり、(1)は平面図、(2)は底面図を示している。
図20に示すように、肺モデル固定具11は、台座部5、縦隔部6及びアーム駆動部7から成る。図21に示すように、台座部5には軸止め部(51a〜51d)が設けられ、縦隔部6には貫通孔(61a,61b)が形成されている。軸部材(52a,52b)は、貫通孔(61a,61b)に挿通され、両端部が軸止め部(51a〜51d)に固定されている。具体的には、軸部材52aは、貫通孔61aに挿通され、両端部は軸止め部(51a,51b)により固定されている。また、軸部材52bは、貫通孔61bに挿通され、両端部は軸止め部(51c,51d)により固定されている。これにより、縦隔部6は、軸止め部51aと軸止め部51b、及び、軸止め部51cと軸止め部51dの範囲内で、軸部材(52a,52b)の軸方向にスライド自在となっている。
台座部5には、図22に示す滑り止め機構(59a,59b)、胸腔シミュレータ9に取り付けるための凹部53、図25(1)に示す凸型係合部(54a,54b)、図23及び24に示す凹型係合部(55a,55b)が設けられている。凹型係合部(55a,55b)及び凸型係合部(54a,54b)が背骨係着機構である。
凹部53は、肺モデル固定具11を胸腔シミュレータ9に取り付けるために設けられたものであり、凹部53に胸腔シミュレータ9の背骨部94が嵌合するように取り付ける構造である。滑り止め機構(59a,59b)は、取り付け又は取り外しの際に、肺モデル固定具11を把持しやすくするためのものである。凹型係合部(55a,55b)及び凸型係合部(54a,54b)は、位置決め及び固定のために設けられたものであり、胸腔シミュレータ9の背骨部94に設けられた凸型係合部(図示せず)と凹型係合部(55a,55b)が係合し、胸腔シミュレータ9の背骨部94に設けられた凹型係合部(図示せず)と凸型係合部(54a,54b)が係合する構造である。なお、胸腔シミュレータ9の構造は、実施例1で説明したものと同様である。
台座部5にはスライド機構が設けられており、縦隔部6のスライドは、スライド機構を用いて行う。図26及び27は、スライド機構の説明図であり、図26は、縦隔部を右端に移動させた場合を示している。図26(1)は斜視図、(2)は正面図である。また、図27は、縦隔部を左端に移動させた場合であり、図27(1)は斜視図、(2)は正面図を示している。
図21、図26(2)及び27(2)に示すように、スライド機構として、アーム駆動部7、ノブ71、アーム部(72,73)、上述した軸部材(52a,52b)及び軸止め部(51a〜51d)が設けられている。軸部材(52a,52b)及び軸止め部(51a〜51d)は、ガイド部を構成する。
図26及び27では図示しないが、アーム駆動部7の内部には、公知のウォームギヤが設けられており、アーム部(72,73)は、それぞれ一端がアーム駆動部7内に設けられたウォームホイール(図示せず)に接続され、他端は縦隔部6に接続されている。ウォームホイールに噛み合わされる螺子状の歯車であるウォーム(図示せず)の先端には、ノブ71が設けられている。図25(2)に示すように、ノブ71は回動可能であり、ユーザ(図示せず)はノブ71を回すことにより、アーム部(72,73)の端部を台座の表面上で回動させることができ、さらに軸部材(52a,52b)及び軸止め部(51a〜51d)により、左右の平行運動へと変換される。
すなわち、図21に示す状態で、ノブ71を左に回すと、図26(2)に示すように、アーム部(72,73)を介して、縦隔部6を右方へと移動させることができる。これに対して、ノブ71を右に回すと、図27(2)に示すように、アーム部(72,73)を介して、縦隔部6を左方へと移動させることができる。縦隔部6は、ノブ71を持つ手を離した位置で固定される。したがって、トレーニング中に縦隔部6の右面6a又は左面6bに圧力が加わることによっても、容易に押し下げられることはなく、取り付けられる肺モデル(図示せず)の3次元的位置が解剖学的に正確な位置のまま支持することが可能である。なお、ここでは、右端若しくは左端まで縦隔部6を移動させた例を示しているが、固定箇所はこれらに限られず、例えば、図21に示す縦隔部6の位置と図26(2)に示す縦隔部6の位置の中間の位置で縦隔部6を固定することも可能である。
図20に示すように、縦隔部6はプレート状の部材から成り、人体における縦隔を模擬したものである。図23に示す縦隔部6の右面6aには右肺の臓器モデルを取り付けることができ、図24に示す縦隔部6の左面6bには左肺の臓器モデルを取り付けることができる。かかる点は、実施例1と同様である。このように、縦隔部6は、右面6a及び左面6bの両面を肺モデルの固定に利用することができ、また、台座部5への取付位置も変更できるため、多様なパターンの位置調整が可能となっている。
図26(1)及び図27(1)は、右側臥位での手技トレーニングを行うべく、縦隔部6の左面6bを上面とした斜視図を示している。図26(2)に示すように、縦隔部6を右方に移動させると、図26(1)では縦隔部6は上方へと移動し、図27(2)に示すように、縦隔部6を左方に移動させると、図27(1)では縦隔部6は下方へと移動する。
このように、ノブ71を回して縦隔部6の高さを調整した上で、肺モデルを取り付けることが可能である。なお、図23及び図24に示すように、縦隔部6の右面6a及び左面6bには、面ファスナは設けられていないが、実施例1に示す面ファスナ(3a,3b)と同様の部材を設けることが可能である。
ここで、実施例3の肺モデル固定具の使用方法について説明する。図28は、実施例3の肺モデル固定具の胸腔シミュレータへの取付説明図であり、(1)は取り付け前、(2)は取り付け後の状態を示している。図29及び30は、実施例3の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示す外観図であり、図30は縦隔部を下げた状態の斜視図を示している。図31は、実施例3の肺モデル固定具の取り付け後の状態を示すイメージ図を示している。また、図32は、実施例3の肺モデル固定具の使用フロー図を示している。
図32に示すように、まず、手技トレーニングの内容に合わせて、肺モデル固定具11における縦隔部6の位置を調整する(ステップS11)。後述するが、縦隔部6の位置調整は、胸腔シミュレータ9への取り付け後においても可能であるので、ここでは大まかな調整を行うことでもよい。次に、肺モデル固定具11に肺モデル(図示せず)を固定する(ステップS12)。
その後、図28(1)及び(2)に示すように、貫通孔96から胸腔シミュレータ9内に肺モデル固定具11を挿入し、背骨部94に肺モデル固定具11を取り付ける(ステップS13)。使用する胸腔シミュレータ9は、実施例1で説明したものと同様である。なお、図29に示すように、肺モデル固定具11における縦隔部6の長さLは、胸骨部93の長さLと略同じとなっている。
図28(1)及び(2)に示す例では、肺モデル固定具11の縦隔部6は、図26(1)及び(2)に示す場合と同様に、軸止め部(51b,51d)に当接する位置まで移動した状態で固定され、胸腔シミュレータ9に取り付けられている。したがって、図31(1)に示すように、胸腔シミュレータ9に肺モデル固定具11が取り付けられた際に形成される空間8aは、比較的狭く形成されることになる。
これに対して、図30に示す例では、肺モデル固定具11の縦隔部6は、図27(1)及び(2)に示す場合と同様に、軸止め部(51a,51c)に当接する位置まで移動した状態で固定され、胸腔シミュレータ9に取り付けられている。したがって、図31(3)に示すように、胸腔シミュレータ9に肺モデル固定具11が取り付けられた際に形成される空間8cは、比較的広く形成されることになる。同様に、例えば、空間8aよりも広く、空間8cよりも狭い空間を望む場合には、図31(2)に示すように、縦隔部6を中段の位置に調整し固定することで、空間8aよりも広く、空間8cよりも狭い空間8bを形成することが可能である。このように、縦隔部6の位置を調整することで、手技に必要な空間を自由に設定することができ、実際の手術を想定したよりリアリティのあるトレーニングが可能となる。
胸腔シミュレータ9には、貫通孔96が形成されており、またアーム駆動部7は肺モデル固定具11を胸腔シミュレータ9に取り付けた際に、胸腔シミュレータ9の下端部92側に設けられている。そのため、肺モデル固定具11を胸腔シミュレータ9に取り付けた後においても、ノブ71を回して、縦隔部6の位置を調整することが可能である。胸腔シミュレータ9への取り付け前だけではなく、取り付け後においても調整できることにより、手技トレーニング中に術者や補助者が貫通孔96から手を挿し入れて縦隔部6の位置を微調整し、より実際の手術に近い体腔内の環境を再現することが可能となる。
図33は、実施例4の肺モデル固定具の斜視図を示している。図34は、実施例4の肺モデル固定具の正面図を示している。図35は、実施例4の肺モデル固定具の背面図を示している。図36は、実施例4の肺モデル固定具の外観図であり、(1)は平面図、(2)は底面図を示している。図37は、実施例4の肺モデル固定具の左側面図を示している。図38は、実施例4の肺モデル固定具の右側面図を示している。
図33に示すように、肺モデル固定具12は、台座部50及び縦隔部60から成り、台座部50と縦隔部60は何れも樹脂製である。図34及び図36に示すように、縦隔部60は台座部50に対して脱着自在に取り付けられている。
台座部50には、縦隔部60を取り付けるための機構として、図35に示すように、留め具(56a,56b)、凹型嵌合部(57a,57b)が設けられている。本実施例では図37に示すように、留め具56a及び凹型嵌合部57aによって縦隔部60が固定されている。
留め具56aは、軸部29aに回転爪30aが設けられ、軸部29aを中心に回転爪30aを回転させて固定する構造である。縦隔部60の取り付けの際には、縦隔部60に形成された貫通孔63の形状に合わせて回転爪30aの向きを調整した上で、回転爪30aと貫通孔63を嵌合し、その後、回転爪30aの向きを貫通孔63の形状からずらした位置に調整する。次に、台座部50に設けられた凹型嵌合部57aと、縦隔部60に設けられた凸型嵌合部62を嵌合する。凹型嵌合部57aと凸型嵌合部62を嵌合すると、凹型嵌合部57aに設けられた窓部27aに凸型嵌合部62に設けられた爪部28が引っ掛かり固定される構造である。
固定状態を解除する場合には、窓部27aから爪部28を押下して、凹型嵌合部57aから凸型嵌合部62を抜き出す。また、留め具56aについては、回転爪30aの向きを貫通孔63の形状に合わせて調整することで、容易に留め具56aから縦隔部60を抜き取ることが可能である。
本実施例では、図37に示すように、留め具56a及び凹型嵌合部57aによって縦隔部60が固定されているが、これとは異なり、図38に示す留め具56b及び凹型嵌合部57bによって縦隔部60を固定することでもよい。留め具56b及び凹型嵌合部57bによって縦隔部60を固定する場合も、本実施例で示す例と同様に、留め具56bに貫通孔63を嵌合し、軸部29bに設けられた回転爪30bを回転させて固定する構造である。また、凹型嵌合部57bについては、凸型嵌合部62と嵌合し、窓部27bに爪部28が引っ掛かることで固定される構造である。このように、必要に応じて、縦隔部60の固定箇所を変えることで、胸腔シミュレータ9に取り付けた際に形成される内部空間を容易に調整することができる。また、実施例3に比べて構造がシンプルであるため、低コストで作製することができる。
図33に示すように、縦隔部60はプレート状の部材から成り、人体における縦隔を模擬したものである。図37に示す縦隔部60の右面60aには右肺の臓器モデルを取り付けることができ、図38に示す縦隔部60の左面60bには左肺の臓器モデルを取り付けることができる。かかる点は、実施例1と同様である。このように、縦隔部60は、右面60a及び左面60bの両面を肺モデルの固定に利用することができ、また、台座部50への取付位置も変更できるため、多様なパターンの位置調整が可能となっている。なお、図37に示す肺モデル固定具12における縦隔部60の長さLは、図示しないが、胸腔シミュレータ9の胸骨部93の長さLと略同じとなっている。
ここで、実施例4の肺モデル固定具の使用方法について説明する。図39は、実施例4の肺モデル固定具の使用フロー図を示している。まず、台座部50に縦隔部60を取り付ける(ステップS21)。縦隔部60の取付方法については、上述の通りである。
次に、肺モデル固定具12に肺モデル(図示せず)を固定する(ステップS22)。ここでは図示しないが、縦隔部60の右面60a及び左面60bには、実施例1と同様に面ファスナのフック部を設けることが可能である。面ファスナのフック部を設けることにより、肺モデルの取付位置を右面60a又は左面60b上の適切な位置に配置することができる。
肺モデル固定具12に肺モデルを固定した後に、胸腔シミュレータ9に肺モデル固定具12を取り付ける(ステップS23)。なお、胸腔シミュレータ9の構造は、実施例1で説明したものと同様である。
台座部50には、胸腔シミュレータ9に取り付けるための、図35に示す凹部29及び滑り止め機構(59a,59b)、図37に示す凹型係合部58a、図38に示す凹型係合部58b、及び図36(2)に示す雌螺子部26が設けられている。凹型係合部(58a,58b)及び雌螺子部26が背骨係着機構である。
凹部29は、肺モデル固定具12を胸腔シミュレータ9に取り付けるために設けられたものであり、凹部29に胸腔シミュレータ9の背骨部94が嵌合するように取り付ける構造である。滑り止め機構(59a,59b)は、取り付け又は取り外しの際に、肺モデル固定具12を把持しやすくするためのものである。凹型係合部(58a,58b)は、位置決め及び固定のために設けられたものであり、胸腔シミュレータ9の背骨部94に設けられた凸型係合部(図示せず)と凹型係合部(58a,58b)が係合する構造である。雌螺子部26は、胸腔シミュレータ9の背骨部94と肺モデル固定具12が係合した後に、螺子(図示せず)を用いて肺モデル固定具12と背骨部94を固定するために設けられたものである。
なお、肺モデルの肺モデル固定具12への固定(ステップS22)は、肺モデル固定具12を胸腔シミュレータ9に取り付けた(ステップS23)後に行ってもよい。また、肺モデルの固定位置の調整は、肺モデル固定具12を胸腔シミュレータ9に取り付けたままの状態で行うこともできるし、一旦肺モデル固定具12を胸腔シミュレータ9から取り外して調整を行い、再度取り付けてもよい。
(その他の実施例)
実施例3で説明した肺モデル固定具11の台座部50に、肺モデル固定具11を背骨部94上の任意の位置で固定できる機構が設けられてもよい。また、実施例4で説明した肺モデル固定具12の台座部50に、肺モデル固定具12を背骨部94上の任意の位置で固定できる機構が設けられてもよい。
本発明は、胸腔鏡下手術のトレーニングや学習に有用であり、手術支援装置や手術シミュレーション装置における臓器固定具として利用できる。
1,10〜12 肺モデル固定具
2,5,20,50 台座部
3,6,60 縦隔部
3a,3b 面ファスナ
4a,4b 肺モデル
6a,60a 右面
6b,60b 左面
7 アーム駆動部
9 胸腔シミュレータ
9a 右側部
9b 左側部
21,29,53 凹部
22a,22b,59a,59b 滑り止め機構
23a,23b,55a,55b,58a,58b 凹型係合部
24a,24b,54a,54b 凸型係合部
25,26 雌螺子部
27a,27b 窓部
28 爪部
29a,29b 軸部
30a,30b 回転爪
51a〜51d 軸止め部
52a,52b 軸部材
56a,56b 留め具
57a,57b 凹型嵌合部
61a,61b,63,96 貫通孔
62 凸型嵌合部
71 ノブ
72,73 アーム部
91 上端部
92 下端部
93 胸骨部
94 背骨部
95 肋骨部
L 長さ

Claims (9)

  1. 少なくとも背骨と胸骨と肋骨を模擬した人体骨格モデルを備える胸腔シミュレータに対し、臓器モデルの姿勢を固定する固定具において、
    前記固定具は、
    胸腔シミュレータの肋骨部の内側に収納可能な台座部と、
    該台座部の裏面に設けられた背骨係着機構であって、胸腔シミュレータの背骨部の凸部に係着させて該背骨部の長手方向にスライド自在に取り付けられる前記背骨係着機構と、
    前記台座部の表面に設けられ、左右を仕切る縦隔部、
    を備え、
    前記縦隔部の左面と右面の双方の面は前記臓器モデルを積載でき、
    前記縦隔部の前記背骨部の長手方向の長さは、前記胸骨部の長手方向の長さと略同じであることを特徴とする胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
  2. 前記台座部は、表面の左端と右端の間で前記縦隔部をスライドし得るスライド機構を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
  3. 前記スライド機構は、
    前記縦隔部と連結するアーム部と、該アーム部の端部を前記台座の表面上で回動させるアーム駆動部と、前記縦隔部の移動方向及び移動範囲を画定するガイド部を備え、
    前記ガイド部は、
    前記台座部の表面に設けられた軸部材及び該軸部材の両端を保持する軸止め部で構成され、前記軸部材が前記縦隔部に設けられた貫通孔に挿通される、ことを特徴とする請求項2に記載の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
  4. 前記台座部は、表面の左端又は右端に前記縦隔部を脱着自在に取り付け得る取付機構を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
  5. 前記縦隔部の左面と右面の双方の表面は、面ファスナのフック部が形成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
  6. 前記胸腔シミュレータの姿勢が左側臥位である場合には、前記縦隔部の右面に前記臓器モデルを積載し、
    前記胸腔シミュレータの姿勢が右側臥位である場合には、前記縦隔部の左面に前記臓器モデルを積載する、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
  7. 前記臓器モデルは、少なくとも肺の形状及び質感を再現した、肺の生体質感臓器モデルであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
  8. 前記背骨係着機構は、前記背骨部上の取り付け位置を段階的に調整し得る凹部又は凸部が設けられたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
  9. 前記台座部と前記背骨係着機構と前記縦隔部は、樹脂により一体成形されたことを特徴とする請求項1に記載の胸腔シミュレータ用臓器モデル固定具。
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