JP6728150B2 - 鋳鉄溶湯処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄及び片状黒鉛鋳鉄の両方を含む)の溶湯処理方法に関するものである。この溶湯処理方法には、とりわけ厚肉鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄、片状黒鉛鋳鉄)の機械的性質を向上させるのに有効な接種処理が含まれる。
球状黒鉛鋳鉄及び片状黒鉛鋳鉄の鋳造において、溶解炉から取鍋への出湯時、取鍋から鋳型への注湯時等に溶湯に接種処理を行うことにより、鋳鉄製品の機械的性質(引張強さ、伸び)を改善することが一般的に行われている。
厚肉鋳鉄製品においては、黒鉛の晶出が起こる共晶凝固時間が長くなるため、金属組織中に異常黒鉛または粗大黒鉛が晶出しやすい。異常黒鉛または粗大黒鉛の晶出により、鋳鉄の引張強さが低下する。フェライト系球状黒鉛鋳鉄においては、異常黒鉛または粗大黒鉛の晶出により、材料の伸びが著しく低下する。
異常黒鉛及び粗大黒鉛の晶出は、適切な接種処理を行って共晶セルを増加させることにより回避することができる。共晶セルの増加に伴い、球状黒鉛鋳鉄においては黒鉛粒数及び黒鉛球状化率が増加し、片状黒鉛鋳鉄においては微細A型黒鉛の形成が促進され、いずれの場合も機械的性質が改善される。
比較的薄肉の鋳鉄製品を鋳造する場合、取鍋または掛け堰内で、Fe−Si(フェロシリコン)に、Ca(カルシウム)、Al(アルミニウム)、Ba(バリウム)、Bi(ビスマス)等を添加してなる接種剤を用いて接種処理することが良く知られている。
上述のように、厚肉の鋳鉄製品を鋳造するときには共晶凝固時間が長くなる。このため、共晶セルの増加作用だけでなく黒鉛化促進作用を有するCa、Al、Ba、Bi等を含む一般的な接種剤を厚肉の鋳鉄製品の鋳造に用いると、異常黒鉛(球状黒鉛鋳鉄の場合には「チャンキー黒鉛」)または粗大黒鉛が晶出する可能性がある。つまり、厚肉の鋳鉄製品の鋳造時には、共晶セル数を増加させつつ、必要以上の黒鉛化を抑制する必要がある。このため、黒鉛核生成物質としては希土類元素を用いることが好ましいと考えられる。
厚肉の片状黒鉛鋳鉄製品の鋳造において、上記の要求を十分に満足しうる希土類元素を含む接種剤を用いた溶湯処理方法は知られていない。特許文献1(国際公開WO2015/034062A1)には、厚肉の球状黒鉛鋳鉄製品を製造する際の溶湯の球状化処理方法が記載されている。ここに開示された方法は、黒鉛の微細化効率においてさらなる改善の余地がある。
国際公開WO2015/034062A1
本発明は、異常黒鉛及び粗大黒鉛の晶出を抑制し、機械的性質の低下を抑制することができる溶湯処理方法特に接種方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明では、接種剤中で黒鉛核の化合物となるRE(レアアース、希土類元素)、Ca(カルシウム)、Al(アルミニウム)の溶湯への添加量を最適化することにより、過剰な黒鉛化作用で晶出する異常黒鉛、粗大黒鉛を抑制する。
本発明の一実施形態による接種方法では、黒鉛接種剤(以下、単に「接種剤」と呼ぶ)として、15〜80%のSiと、La(ランタン)またはCe(セリウム)のいずれか一方と、Caと、Alとを含み、残部Fe(鉄)及び不可避的不純物からなる接種剤を用い、この接種剤を、溶湯に対する各成分元素の添加量がRE(LaまたはCe):0.001〜0.009%、Ca:0.001〜0.02%、Al:0.001〜0.02%となるように、溶湯に添加する。なお、本明細書において、含有量または添加量を示すパーセンテージは、特別な断り書きが無い限り、全て重量%を意味する。
共晶凝固時間が1.0ks以上になる厚肉鋳鉄においては、RE、Ca及びAlが黒鉛化作用を示し異常黒鉛または粗大黒鉛の晶出を助長する。しかしながら、上記のようにRE、Ca及びAlの添加量を最適化し、かつ、REとしてLaまたはCeを単独で用いることにより、異常黒鉛及び粗大黒鉛の晶出を抑制することができる。
Ca、Al添加量が過剰になると異常黒鉛または粗大黒鉛の晶出を助長するだけではなくノロ及びドロスの生成を助長する。しかしながら、上記のようにCa、Alの添加量を最適化することにより、清浄な溶湯が得られるので、製品にノロかみやピンホールなどの欠陥が生じることを抑制することができる。
また、高価かつ価格の安定性に不安が残るREの添加量を上記のように低めに抑えることにより、材料費を低減することができ、かつ、価格変動への感度を小さくすることができる。
本発明の実施例の球状黒鉛鋳鉄の組織図写真。 従来例の球状黒鉛鋳鉄の組織図写真。 本発明の実施例の片状黒鉛鋳鉄の組織図写真。 従来例の片状黒鉛鋳鉄の組織図写真。 掛け堰法を示す概略図。 置き注ぎ法を示す概略図。 ワイヤ処理法を示す概略図。 複合的に実施される掛け堰接種及びインモールド接種を示す概略図。 複合的に実施される注湯流接種及び掛け堰接種を示す概略図。
本発明の好適な実施形態について以下に説明する。
厚肉球状黒鉛鋳鉄で共晶凝固時間が1.0ks以上になるような鋳造品において、本発明の実施形態に係る溶湯処理方法、特に接種方法を用いることにより、異常黒鉛であるチャンキー黒鉛の晶出を抑制することができる。
使用される接種剤は、15〜80%のSiと、REとしてLaまたはCeのいずれか一方と、Caと、Alとを含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる。
接種剤は、Fe−Si合金(フェロシリコン)溶湯に所定量(詳細後述)のRE、Ca及びAlを溶解させ、この溶湯を凝固させた後に、砕いて粒状にすることにより作製することができる。
接種剤中のSiの含有量を15〜80%とするのは、公知のFe−Si状態図(例えばASM HANDBOOK(商標または登録商標),Volume3等を参照)より明らかなように、この範囲内でSiの溶け込み量が多くなることによる。また、Siの含有量が80%以上の場合、他の成分元素が溶け込み難くなる。また、接種剤中のSiの含有量を15〜25%または50〜60%とすることが、溶け込み量を増やす上でさらに好ましい。
REは、複数種のREの合金(例えば「ミッシュメタル」と呼ばれるCe:La=2:1の合金)または混合物の形態としてではなく、Ce(セリウム)のみ若しくはLa(ランタン)のみが単独で添加される。Ceのみ、あるいはLaのみを単独で適量添加することにより、優れた機械的性質が得られる。REとしてCeのみを用いる場合には、Ceの純度は80〜100重量%とするのが好ましい。REとしてLaのみを用いる場合には、Laの純度は80〜100重量%とするのが好ましい。上記成分規定は、例えば添加するREをCeとしたときに、添加するRE中にCeから分離しきれないLaが不可避的不純物として含まれることを排除するものではない。
REの溶湯に対する添加量は0.001〜0.009%とすることが好ましい。REの添加量が0.001%未満の場合、片状黒鉛鋳鉄においては共晶セル数が減少するという問題が生じ、球状黒鉛鋳鉄においては黒鉛球状化阻害元素の中和能が不足して黒鉛形状が悪化するという問題が生じる。REの添加量が0.009%を超えた場合、片状黒鉛鋳鉄においては大きな悪影響はないが、球状黒鉛鋳鉄においては異常黒鉛であるチャンキー黒鉛が多く晶出するという問題が生じる。黒鉛形状が悪くなると、機械的性質低下の原因となる。
Caの溶湯に対する添加量は0.001〜0.020%とすることが好ましく、また同様に、Alの溶湯に対する添加量は0.001〜0.020%とすることが好ましい。Ca、Alの添加量が0.001未満では黒鉛核生成が十分に行われない。また、Ca、Alの添加量が0.020%を超えると、異常黒鉛または粗大黒鉛が晶出し易くなり、また、ノロ及びドロスが生成し易くなり、製品にノロかみやピンホールの欠陥が生じる可能性がある。
上記の接種剤は、元湯を出湯する直前の炉内での接種を行うときに使用することができ、また、置き注ぎ法、掛け堰法、注湯流接種法、インモールド法、ワイヤ処理法などの公知の全ての接種方法の実施のために使用することもできる。接種剤は、粒径1〜5mmの粒状、あるいは、長さが5〜70mmの塊状とすることができる。接種剤は、粒径が0.1〜1.0mmの粒からなり、このような粒がワイヤの芯部に連続的に包含された状態で溶湯に供給されてもよい。
置き注ぎ法、掛け堰法、注湯流接種法及びインモールド法に好適に用いることができる接種剤の組成を以下に示す。
Si:30〜80%
RE:0.1〜0.6%(純度80〜100重量%LaまたはCe)
Ca:0.1〜1.3%
Al:0.1〜2.0%
残部Fe及び不可避的不純物
ワイヤ処理法に好適に用いることができる接種剤の組成を以下に示す。
Si:30〜60%
RE:0.3〜1.8%(純度80〜100重量%LaまたはCe)
Ca:0.1〜6.0%、
Al:0.1〜6.0%
残部Fe及び不可避的不純物
上記組成では、Fe、Siの濃度を低めに抑え、他の成分元素の濃度を高めにすることにより、ワイヤのフィード量が少なくても十分な接種効果を達成できるようになるので、接種処理時間を短縮することができる。
いずれの接種方法を用いる場合でも、また、いずれの組成の接種剤を用いる場合でも、溶湯に対する各成分元素の添加量は上述した通りとする。
本実施形態に係る接種剤にはMg(マグネシウム)が含まれない。従って、球状黒鉛鋳鉄製品を鋳造する場合、球状化処理は、上記接種処理に用いる接種剤とは異なる球状化剤を用いて、上記接種処理に先行して別個に行われる。球状化処理に用いられる球状化剤は、公知のものから適当なものを選択して用いることができる。しかしながら、球状化剤はRE,Ca,Alを含まないもの、例えばFe−Si−Mg(例えば重量比でFe:Si:Mg=45:45:10、または30:30:20、または45:30:5のものなど)系のものを用いることが、上記接種処理への影響を最小限にする観点から好ましい。
接種処理は鋳型に溶湯を注湯する時点になるべく近い時点で行うことにより高い効果を得られることが知られており、本実施形態では、球状化に寄与する元素であるMgを接種剤に含めずに、球状化処理は別個の球状化剤により行い、球状化処理後、型に注湯する直前に接種処理を行うことにより、接種効果を高めることができる。
片状黒鉛鋳鉄製品を鋳造する場合には、溶湯に上記の接種剤を添加すればよい。
図6に置き注ぎ法の概略図を示す。一般的に多く使用されている置き注ぎ法に用いた場合、取鍋底部の反応溝(ポケット)に接種剤を充填し、1400〜1500℃の元湯をこの取鍋に出湯して接種処理する。
球状黒鉛鋳鉄の溶湯処理においては、上記の接種剤を反応溝に充填した球状化剤の表面を覆うように配置し、Mgの反応を穏やかにするカバー剤としても用いることができる。Mgの添加量が多いと反応が激しくなるが、Caを上記の最適範囲(溶湯全体に対して0.001〜0.02重量%)内で多く入れることで反応を穏やかにすることができる。
図7にはワイヤ処理法の概略図を示す。ワイヤ処理によって短時間で効率的に接種処理を行うことができる。
図8には掛け堰接種及びインモールド接種を複合的に実施した概略図を示す。掛け堰接種またはインモールド接種のみを実施することも可能である。一般的には、鋳型への注湯直前に接種を行うことにより、鋳物の機械的性質をより一層に改善することができる。また、図9の概略図に示すように、注湯流接種と掛け堰接種とを複合的に実施してもよい。
また、溶解炉から取鍋への出湯後から、鋳型への注湯が完了するまでの間に、取鍋内の溶湯への接種、掛け堰接種、インモールド接種及び注湯流接種の2つ以上を組み合わせて複数回溶湯に接種することも好ましく、そうすることにより、鋳物の機械的性質をより一層改善することができる。なお、複数回の接種を行う場合には、溶湯に対する各成分元素の合計が、前述した範囲内となるようにする。
上述した接種処理(球状黒鉛鋳鉄の場合は接種処理に加えて球状化処理)が行われた溶湯を1300〜1400℃で鋳型に注湯することが好ましく、そうすることにより良好な機械的性質を有した厚肉鋳物が得られる。鋳物の形状については特に制限はないが、上述した実施形態に係る接種方法は、共晶凝固時間が1.0ks以上になるような肉厚を有する場合に、特に優れた効果を示す。鋳物がより大型または厚肉で共晶凝固時間がより長くなる場合には、鋳込み温度は、やや低めの1280〜1360℃とすることが、鋳物の良好な機械的性質を確保する上で好ましい。なお、球状黒鉛鋳鉄の場合には、球状化処理温度1400〜1500℃とすることが好ましい。
本発明の実施例としての接種剤と、比較例としての接種剤をそれぞれ用いた片状黒鉛鋳鉄品及び球状黒鉛鋳鉄品の鋳造実験を行った。この実験では、共晶凝固時間が1.2ksとなるように設計された肉厚100mmの試験片を鋳造するための鋳型を用いた。このように共晶凝固時間が長いと、異常黒鉛及び粗大黒鉛が晶出しやすいので、接種の効果を検証するのに適している。
実験では、先に説明したように、Fe−50%Si合金(フェロシリコン)溶湯に所定量(詳細後述)のRE、Ca及びAlを溶解させ、この溶湯を凝固させた後に、砕いて粒状にすることにより作製した接種剤を用いた。この接種剤を、 元湯30kgに対して、溶湯(元湯)に対する添加量が下記の表1のNo.1〜20にそれぞれ記載された通りになるように、掛け堰法を用いて添加した。球状黒鉛鋳鉄品を鋳造するときには、取鍋の底の反応溝の底部に接種剤とは別の球状化剤を配置し、球状化処理を接種と併せて行った。No.1,11は接種無しである。接種有りの試験片において、Caの添加量は0.003%、0.012%、0.03%のいずれか、Alの添加量は0.003%、0.012%、0.03%のいずれか、REの添加量は0.002%、0.008%、0.020%のいずれかとした。
球状黒鉛鋳鉄溶湯の組成は、C:3.5〜3.7%、Si:2.4〜2.6%、Mn:0.5〜1.0%であり、片状黒鉛鋳鉄溶湯の組成はC:3.1〜3.2%、Si:1.5〜1.7%、Mn:0.8〜0.9%であった。
得られた試験片に対して、引張試験を行い、引張強さ及び破断伸びを測定するとともに、組織観察を行った。
表1に試験結果を示す。
表1のNo.1〜10は球状黒鉛鋳鉄、No.11〜20は片状黒鉛鋳鉄である。No.11〜20には片状黒鉛鋳鉄の機械的性質と条件を示す。
球状黒鉛鋳鉄の引張強さについて以下のことが確認された。接種なしの場合(No.1)、REがCe+La(REとしてミッシュメタルを使用)の場合(No.2−4)、並びにREがLa単独またはCe単独の場合でもRE添加量が0.02%の場合(No.7,10)には引張強さが450MPaを下回っていた。しかしながら、その他の場合(No.5,6,8,9)つまり実施例では、引張強さが450MPa以上であった。
球状黒鉛鋳鉄の伸びについて以下のことが確認された。REとしてLaを単独またはCeを単独で添加し、かつ、RE、Ca、Al添加量を低めに押さえた場合(No.5,6,8,9)つまり実施例は、比較例(No.1、2−4,7,10)よりも大幅に高い伸びを示した。
片状黒鉛鋳鉄の引張強に関しては以下のことが確認された。いずれの試料も300MPa以上の引張強さを示した。接種を行うことにより引張強さの増加が認められた。RE、Ca、Alの添加量が同じもの同士を比較すると、REをミッシュメタルの形態で添加したものよりも、REとしてLaを単独またはCeを単独で添加したものの方が、高い引張強度を示した。REとしてLaを単独で添加したもの同士を比較すると、RE、Ca、Al添加量が高いもの(No.17)よりも、RE、Ca、Al添加量を低めに抑えたもの(No.15,16)の方が、高い引張強度を示した。REとしてCeを単独で添加したもの同士を比較すると、RE、Ca、Al添加量が高いもの(No.20)よりも、RE、Ca、Al添加量を低めに抑えたもの(No.18,19)の方が、高い引張強度を示した。片状黒鉛鋳鉄の伸びについては、接種の有無、RE、Ca、Al添加量による差は殆どなかった。
図1は本発明の球状黒鉛鋳鉄の実施例、図2は従来例の球状黒鉛鋳鉄の組織図写真である。図3は本発明の片状黒鉛鋳鉄の実施例、図4は従来例の片状黒鉛鋳鉄の組織図写真である。接種を行うことにより球状黒鉛鋳鉄の黒鉛粒数は増加し、片状黒鉛鋳鉄の黒鉛組織は微細化されている。RE、Ca、Alを最適量にした接種剤を使用することにより組織の改善が確認できた。

Claims (10)

  1. 接種剤として、15〜80重量%のSiと、REとして純度80〜100重量%のLaまたは純度80〜100重量%Ceのいずれか一方と、Caと、Alとを含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる接種剤を用い、前記接種剤を、鋳鉄の溶湯に対する各成分元素の添加量がLaまたはCe0.001〜0.009重量%、Ca0.001〜0.02重量%、Al0.001〜0.02重量%となるように前記溶湯に添加することにより前記鋳鉄の溶湯に接種処理を行うことを含む、鋳鉄溶湯処理方法。
  2. 前記接種処理は、置き注ぎ法、掛け堰法、注湯流接種法及びインモールド法のいずれかにより実施され、
    前記接種剤におけるSiの含有量が30〜80%、純度80〜100重量%のLaまたは純度80〜100重量%Ceの含有量が0.1〜0.6重量%、Caの含有量が0.1〜1.3重量%、Alの含有量が0.1〜2.0重量%である、請求項1記載の鋳鉄溶湯処理方法。
  3. 前記接種処理は、ワイヤ処理法により実施され、
    前記接種剤におけるSiの含有量が30〜60%、純度80〜100重量%のLaまたは純度80〜100重量%Ceの含有量が0.3〜1.8重量%、Caの含有量が0.1〜6.0重量%、Alの含有量が0.1〜6.0重量%である、請求項1記載の鋳鉄溶湯処理方法。
  4. 前記接種剤は、粒径1〜5mmの粒状である、請求項1または請求項2に記載の鋳鉄溶湯処理方法。
  5. 前記接種剤は、塊状である、請求項1または請求項2に記載の鋳鉄溶湯処理方法。
  6. 前記接種剤は、粒径が0.1〜1.0mmの粒からなり、前記粒がワイヤの芯部に連続的に包含された状態で溶湯に供給される、請求項3に記載の鋳鉄溶湯処理方法。
  7. 前記接種剤とは異なる別の球状化剤を用いて黒鉛球状化処理を行うことをさらに含み、前記黒鉛球状化処理の処理温度が1400〜1500℃、鋳型への注湯温度が1270〜1370℃である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の鋳鉄溶湯処理方法。
  8. 同じ鋳鉄の溶湯に対して、黒鉛球状化処理と、複数回の接種処理とを行うことを含む鋳鉄溶湯処理方法であって、
    前記黒鉛球状化処理と、前記複数回の接種処理のうちの1回が、置き注ぎ法により同時に行われ、その後に、前記複数回の接種処理のうちの他の接種処理が、取鍋、掛け堰、鋳型内のいずれか1か所以上で1回以上行われ、
    前記複数回の接種処理の各々において、接種剤として、15〜80重量%のSiと、REとして純度80〜100重量%のLaまたは純度80〜100重量%Ceのいずれか一方と、Caと、Alとを含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる接種剤が用いられ、
    前記複数回の接種処理は、鋳鉄の溶湯に対する各成分元素の合計の添加量が、LaまたはCeが0.001〜0.009重量%、Caが0.001〜0.02重量%、Alが0.001〜0.02重量%となるように行われる、鋳鉄溶湯処理方法。
  9. 取鍋、掛け堰、鋳型内のいずれか1か所以上で行われる前記他の接種処理として、鋳型への注湯時に行う注湯流接種、インモールド接種、掛け堰接種を組み合わせて行う、請求項8記載の鋳鉄溶湯処理方法。
  10. 前記接種剤による前記接種処理とは別に、マグネシウムを含む球状化処理剤を用いて黒鉛球状化処理を行うことをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の鋳鉄溶湯処理方法。
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