JP6728127B2 - 電気化学的電池のためのカソード設計 - Google Patents

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Description

(背景)
(発明の分野)
本発明は、電気化学的電池のための触媒層、特に、電気化学的燃料電池のための膜電極アセンブリのカソード触媒層に関する。
(関連技術の説明)
電気化学的燃料電池は、燃料および酸化剤を電気に変換する。固体ポリマー電気化学的燃料電池は一般に、2つの電極間に配置された固体ポリマー電解質膜を含む膜電極アセンブリを採用する。膜電極アセンブリは、典型的には、2つの導電性フローフィールドプレートの間に介在して燃料電池を形成する。これらのフローフィールドプレートは、集電体として作用し、電極のための担持体を提供し、反応物および生成物のための通路を提供する。このようなフローフィールドプレートは、典型的には、燃料および酸化剤反応物流体の流れをそれぞれ、膜電極アセンブリのそれぞれのアノードおよびカソードに向け、過剰量の反応物流体および反応生成物を除去するための流体流チャネルを含む。運転中、電極は、外部回路を通じて電極間で電子を伝導するために電気的にカップルされる。典型的には、いくつかの燃料電池が、所望の電力出力を有する燃料電池スタックを形成するために直列に電気的にカップルされる。
アノードおよびカソードはそれぞれ、それぞれアノード触媒およびカソード触媒の層を含む。触媒は、金属、合金、または担持された金属/合金触媒、例えば、カーボンブラックに担持された白金であり得る。触媒層は、NAFION(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Co.によって提供されている)などのイオン伝導性材料、および/またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの結合剤を含む場合がある。各電極は、反応物の分配および/または機械的担持のために炭素繊維紙または炭素クロスなどの導電性多孔質基材をさらに含む。多孔質基材の厚さは、典型的には、約50〜約250ミクロンの範囲である。任意選択で、電極は、触媒層と基材との間に配置される多孔質副層を含み得る。副層は通常、炭素粒子などの導電性粒子、ならびに任意選択で、ガス拡散および水管理などのその性質を改変するための撥水材料を含む。触媒は、膜上に被覆されて触媒被覆膜(CCM)を形成するか、または副層もしくは基材上に被覆されて電極を形成し得る。
触媒は、典型的に使用される貴金属に起因して燃料電池において最も高価な成分の1つである。このような貴金属としては、白金および金があり、これらは、アノードおよびカソードのために異なる好適な反応を増強し、そして望まれない副反応を軽減するために、他の金属、例えば、ルテニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、鉄、スズ、チタン、マンガン、セリウム、クロム、銅、およびタングステンなどと混合され、または合金化されることが多い。
水素ガス燃料電池におけるアノードおよびカソードの半電池反応は、以下の式で示される:
→2H+2e (1)
1/2O+2H+2e→HO (2)
アノードで、主要な機能は、水素燃料を酸化してプロトンおよび電子を形成することである。燃料源に応じて、アノード触媒は、不純物に対して耐性である必要があり得る。例えば、アノード触媒の一酸化炭素毒作用が、リフォーメートベース燃料で運転するとき起こることが多い。一酸化炭素毒作用を軽減するために、白金−ルテニウムなどの白金合金触媒がアノードについて好ましい。
カソードで、主要な機能は、酸素を還元し、水を形成することである。この反応は、アノード反応より本質的にはるかに遅く、したがって、カソード触媒装填量は、典型的にはアノード触媒装填量より高い。カソード半電池反応を増強する1つのやり方は、触媒層の電気化学的活性および触媒利用を改善し、それによって触媒動力学に関する電圧損失を低減することである。例えば、米国特許第7,419,740号には、貴金属触媒の活性が増大され、利用が改善された膜電極アセンブリが開示されている。特に、膜電極アセンブリは、炭素に担持された貴金属触媒およびプロトン伝導性ポリマーを含む反応層を有し、カソード側の反応層は、互いの上に少なくとも2つの副層、第1の副層および第2の副層を含み、第1の副層は、ポリマー電解質膜と直接接触しており、貴金属ブラックおよび炭素に担持された貴金属触媒を含み、そして第2の副層は、さらなる担持貴金属触媒を含む。しかし、貴金属ブラックの使用は、望ましくない。その理由は、それがコストを低減することが要求されている低触媒装填量を実現することが困難であり、多孔度の減少に起因して水管理およびガス拡散の問題を創り出すより高密度な層を創製する傾向があるためである。
同時に、アノードおよびカソード中の触媒は、燃料電池運転、ならびに燃料電池の起動および運転停止の間に起こり得る劣化に耐えることができる必要がある。典型的な触媒劣化モードは、触媒担持体材料の腐食、ならびに白金の溶解および凝集を含み、それは、白金表面積の減少に起因して燃料電池性能を減少させる。触媒劣化は、それが燃料電池寿命および全体的なコストに対して有害なインパクトを有するので重要な問題である。腐食を軽減するのに、黒鉛化炭素担持体は、カーボンブラック担持体より好ましく、その理由は、黒鉛化炭素担持体は、より安定であり、腐食に対する感受性がより低いためである。M.MurthyおよびN.Sisofo(「Investigation of Degradation Mechanisms Relevant to Automotive Fuel Cells」、3rd European PEFC Forum、セッションB03、ファイル番号B031(2005年))によれば、黒鉛化プロセスにより、表面官能基が除去され、それにより炭素腐食の度合いが低減されると考えられている。しかし、黒鉛化炭素担持体もまた、より低い表面積を有し、それは、黒鉛化炭素担持体上に貴金属触媒を均質に分散させることを困難にする。したがって、黒鉛化炭素担持体に分散した貴金属を有する触媒は、典型的には、カーボンブラックなどの高い表面積担持体に分散した貴金属を有する触媒より低い電気化学的活性および燃料電池性能を示す。
結果として、コストを低減しながら触媒の性能および耐久性を改善するための触媒および触媒層の設計における多くの研究が依然として存在する。本明細書は、これらの問題に対処し、さらなる関連した利点を提供する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
アノードガス拡散層およびアノード触媒層を含むアノード電極;
カソードガス拡散層およびカソード触媒層を含むカソード電極;ならびに
前記アノード触媒層と前記カソード触媒層との間に介在するポリマー電解質膜;
を備え、
前記カソード触媒層は、
第1の炭素質担持体に担持された第1の触媒、および第2の炭素質担持体に担持された第2の触媒を含む、前記ポリマー電解質膜に隣接する第1のカソード触媒副層;ならびに
第3の炭素質担持体に担持された第3の触媒を含む、前記カソードガス拡散層に隣接する第2のカソード触媒副層;を含み、
前記第1の炭素質担持体は、カーボンブラックであり、前記第2および第3の炭素質担持体は、少なくとも部分的に黒鉛化されている、膜電極アセンブリ。
(項目2)
前記第1の触媒、前記第2の触媒、および前記第3の触媒が、白金、金、ルテニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、鉄、スズ、チタン、マンガン、セリウム、クロム、銅、およびタングステン、ならびにこれらの合金、固溶体、および金属間化合物からなる群から選択される、項目1に記載の膜電極アセンブリ。
(項目3)
前記第1の触媒、前記第2の触媒、および前記第3の触媒が、白金を含む、項目1に記載の膜電極アセンブリ。
(項目4)
前記第1の触媒が、白金とコバルトの合金を含む、項目1に記載の膜電極アセンブリ。
(項目5)
前記第1の触媒が、白金とニッケルの合金を含む、項目1に記載の膜電極アセンブリ。
(項目6)
前記第1の炭素質担持体の比表面積が、少なくとも部分的に黒鉛化されている前記第2の炭素質担持体および前記第3の炭素質担持体の比表面積より大きい、項目1に記載の膜電極アセンブリ。
(項目7)
前記第1の炭素質担持体が、約250〜2000m /gの比表面積を有し、少なくとも部分的に黒鉛化されている前記第2の炭素質担持体および前記第3の炭素質担持体が、約40〜1500m /gの比表面積を有する、項目1に記載の膜電極アセンブリ。
(項目8)
前記第1カソード触媒副層および前記第2のカソード触媒副層が、イオノマーを含む、項目1に記載の膜電極アセンブリ。
(項目9)
前記第1のカソード触媒副層のイオノマー含有量が、前記第2のカソード触媒副層のイオノマー含有量とは異なる、項目8に記載の膜電極アセンブリ。
(項目10)
項目1に記載の膜電極アセンブリを備える燃料電池。
(項目11)
アノードガス拡散層およびアノード触媒層を含むアノード電極;
カソードガス拡散層およびカソード触媒層を含むカソード電極;ならびに
前記アノード触媒層と前記カソード触媒層との間に介在するポリマー電解質膜;
を備え、
前記カソード触媒層は、
第1の炭素質担持体に担持された第1の触媒、および第2の炭素質担持体に担持された第2の触媒を含む、前記ポリマー電解質膜に隣接する第1のカソード触媒副層;ならびに
第3の炭素質担持体に担持された第3の触媒を含む、前記カソードガス拡散層に隣接する第2のカソード触媒副層;を含み、
前記第1の炭素質担持体上の前記第1の触媒は、前記第2の炭素質担持体に担持された前記第2の触媒および前記第3の炭素質担持体に担持された前記第3の触媒より高い電気化学的活性を有する、膜電極アセンブリ。
(項目12)
前記第2の炭素質担持体および前記第3の炭素質担持体が、少なくとも部分的に黒鉛化されている、項目11に記載の膜電極アセンブリ。
(項目13)
前記第1の炭素質担持体が、約250〜2000m /gの比表面積を有し、前記第2の炭素質担持体および前記第3の炭素質担持体が、約40〜1500m /gの比表面積を有する、項目11に記載の膜電極アセンブリ。
(項目14)
前記第1の触媒、前記第2の触媒、および前記第3の触媒が、白金、金、ルテニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、鉄、スズ、チタン、マンガン、セリウム、クロム、銅、およびタングステン、ならびにこれらの合金、固溶体、および金属間化合物からなる群から選択される、項目11に記載の膜電極アセンブリ。
(項目15)
前記第1の触媒、前記第2の触媒、および前記第3の触媒が、白金を含む、項目11に記載の膜電極アセンブリ。
(項目16)
前記第1の触媒が、白金とコバルトの合金を含む、項目11に記載の膜電極アセンブリ。
(項目17)
前記第1の触媒が、白金とニッケルの合金を含む、項目11に記載の膜電極アセンブリ。
(項目18)
前記第1のカソード触媒副層および前記第2のカソード触媒副層が、イオノマーを含む、項目11に記載の膜電極アセンブリ。
(項目19)
前記第1のカソード触媒副層のイオノマー含有量が、前記第2のカソード触媒副層のイオノマー含有量とは異なる、項目18に記載の膜電極アセンブリ。
(項目20)
項目11に記載の膜電極アセンブリを備える燃料電池。
(簡単な要旨)
簡単に言えば、本発明は、電気化学的燃料電池のための触媒層に関する。
一実施形態では、膜電極アセンブリは、アノードガス拡散層およびアノード触媒層を含むアノード電極;カソードガス拡散層およびカソード触媒層を含むカソード電極;ならびにアノード触媒層とカソード触媒層との間に介在するポリマー電解質膜を備え;カソード触媒層は、第1の炭素質担持体に担持された第1の触媒、および第2の炭素質担持体に担持された第2の触媒を含む、ポリマー電解質膜に隣接する第1のカソード触媒副層;ならびに第3の炭素質担持体に担持された第3の触媒を含む、カソードガス拡散層に隣接する第2のカソード触媒副層を含み;第1の炭素質担持体は、カーボンブラックであり、第2の炭素質担持体および第3の炭素質担持体は、少なくとも部分的に黒鉛化されている。
具体的な実施形態では、第1の炭素質担持体に担持された第1の触媒は、白金−コバルト合金を含み、それぞれ第2の炭素質担持体および第3の炭素質担持体に担持された第2および第3の触媒は、白金を含む。
さらなる実施形態では、第1のカソード触媒副層中のイオノマーは、第2のカソード触媒副層中のイオノマーとは異なる。
一部の実施形態では、膜電極アセンブリは、アノードガス拡散層およびアノード触媒層を含むアノード電極;カソードガス拡散層およびカソード触媒層を含むカソード電極;ならびにアノード触媒層とカソード触媒層との間に介在するポリマー電解質膜を備え;カソード触媒層は、第1の炭素質担持体に担持された第1の触媒、および第2の炭素質担持体に担持された第2の触媒を含む、ポリマー電解質膜に隣接する第1のカソード触媒副層;ならびに第3の炭素質担持体に担持された第3の触媒を含む、カソードガス拡散層に隣接する第2のカソード触媒副層を含み;第1の炭素質担持体上の第1の触媒は、第2の炭素質担持体に担持された第2の触媒および第3の炭素質担持体に担持された第3の触媒より高い電気化学的活性を有する。
これらの態様および他の態様は、添付の図面および以下の詳細な説明を参照すると明白となる。
図では、同一の参照番号は、同様の要素または作用を識別する。図中の要素のサイズおよび相対的な位置は、必ずしもある縮尺にするように描かれていない。例えば、様々な要素の形状、および角度は、スケール通りある縮尺にするように描かれておらず、これらの要素の一部は、図の見読性を改善するために自由裁量で拡大され、配置されている。さらに、描かれている要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関する任意の情報を伝えるように意図されておらず、図中の認識の容易さのためにもっぱら選択されている。
図1は、一実施形態による膜電極アセンブリの分解組立図で示した断面である。 図2は、吸気口条件(約21%の酸素)下での電位サイクリングによる燃料電池性能劣化のグラフである。 図3は、排気口条件(約10.5%の酸素)下での電位サイクリングによる燃料電池性能劣化のグラフである。
(詳細な説明)
脈絡により別段に要求されない限り、明細書および引き続く特許請求の範囲全体にわたって、単語「含む(comprise)」ならびにその変形、例えば、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などは、オープンな、包括的な意味で、すなわち、「それだけに限らないが、〜を含む」として解釈されるべきである。
本脈絡では、「装填量」は、基材に形成または塗布され、基材の単位表面積当たりの材料の質量として通常表現される材料の量を指す。
本明細書では、「均質な」は、成分が混合物中で実質的に均一に分散していることを意味する。
本脈絡では、「疎水性の」または「撥水性の」は、水滴が、疎水性材料と接触しているとき、少なくとも90度の接触角を形成することを意味する。さらに、「親水性の」は、水滴が、親水性材料と接触しているとき、90度未満の接触角を形成することを意味する。
本脈絡では、触媒および触媒担持体の「表面積」は、BET法によって測定される表面積を指す。
本明細書では、「黒鉛化炭素」は、炭素粒子の表面に主に黒鉛状炭素を含む炭素材料を指す。
本脈絡では、「少なくとも部分的に黒鉛化された」炭素質担体は、炭素質担持体の表面が少なくとも多少の黒鉛状炭素を含むことを意味する。
一実施形態によれば、図1を参照すると、膜電極アセンブリ2は、アノードガス拡散層6およびアノード触媒層8を含むアノード電極4;カソードガス拡散層12およびカソード触媒層14を含むカソード電極10;ならびにアノード触媒層8とカソード触媒層14との間に介在したポリマー電解質膜16を備え;カソード触媒層14は、第1の担持体に担持された第1の触媒、および第2の担持体に担持された第2の触媒を含む、膜16に隣接する第1のカソード触媒副層18;ならびに第3の担持体に担持された第3の触媒を含む、カソードガス拡散層12に隣接する第2のカソード触媒副層20を含み;第1の炭素質担持体は、カーボンブラックであり、第2の炭素質担持体および第3の炭素質担持体は、少なくとも部分的に黒鉛化されている。
上記で述べたように、黒鉛化炭素に担持された触媒は、攻撃の部位の減少に起因してより良好な耐久性を示すが、表面積の減少に起因してカーボンブラックおよび活性炭に担持された触媒より劣った燃料電池性能を示す。したがって、課題は、高性能および高耐久性の両方を呈するカソード触媒および/または触媒層設計を見つけることである。
本発明者らは、カソード中の2副層触媒構造であって、膜に隣接する第1の副層は、より耐久性のある担持触媒およびより電気化学的に活性の担持触媒の混合物を含み、ガス拡散層に隣接する第2の副層は、より耐久性のある担持触媒を含む、2副層触媒構造を使用することによって、得られる燃料電池は、他のカソード電極設計と比較して性能向上および耐久性向上の両方を意外にも呈することを驚くべきことに発見した。
第1の触媒、第2の触媒、および第3の触媒は、白金、金、ルテニウム、イリジウム、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、鉄、スズ、チタン、マンガン、セリウム、クロム、銅、およびタングステン、ならびにこれらの合金、固溶体、および金属間化合物であり得る。第1の触媒は、第2の触媒および第3の触媒と同じであっても、異なっていてもよい。さらに、第2の触媒は、第3の触媒と同じであっても、異なっていてもよい。
第1の触媒担持体、第2の触媒担持体、および第3の触媒担持体は、炭素質担持体、例えば、活性炭、カーボンブラック、少なくとも部分的に黒鉛化された炭素、および黒鉛などであり得る。具体的な実施形態では、第1の触媒担持体は、カーボンブラックであり、一方、第2の担持体は、黒鉛化炭素である。当業者が理解することになるように、炭素担持体の黒鉛化レベルは、いくつかの技法、例えば、高分解能TEM分光法、ラマン分光法、およびXPS(X線光電子スペクトル)などを介して測定することができる。
一部の実施形態では、第1の触媒副層中の第1の触媒担持体は、好ましくは、第1の触媒副層中にもある第2の触媒担持体、およびガス拡散層に隣接する第2の触媒副層中にある第3の触媒担持体より大きい表面積を有する。例えば、第1の触媒担持体は、約250〜2000m/gの範囲の表面積を有し得、一方、第2の触媒担持体および第3の触媒担持体は、約40〜1500m/gの範囲の表面積を有し得る。第2の触媒担持体材料および第3の触媒担持体材料は、同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。例えば、第2の触媒担持体および第3の触媒担持体は、その表面に異なる程度の黒鉛化を有し得るが、第2の触媒担持体および第3の触媒担持体はともに、第1の触媒担持体より低い表面積を依然として有することになる。
一部の実施形態では、第1の触媒、第2の触媒、および第3の触媒のいずれも、その担持体に対して同じまたは異なるカバレッジを有することができる。例えば、第1の担持触媒は、カーボンブラックに担持された20wt%の白金であり得、第2の担持触媒は、黒鉛化炭素に担持された40wt%の白金であり得、第3の担持触媒は、黒鉛化炭素に担持された50wt%の白金であり得る。
一部の実施形態では、より耐久性のある担持触媒は、黒鉛化炭素担持体に担持された貴金属を含み、より電気化学的に活性の担持触媒は、カーボンブラック担持体に担持された貴金属を含む。
一実施形態では、第1の担持触媒は、アセチレンカーボンブラックなどのカーボンブラック担持体に白金ブラックを含み、第2の担持触媒および第3の担持触媒は、黒鉛化炭素担持体に担持された白金を含む。上記に述べたように、カーボンブラックに担持された白金は、少なくとも部分的に黒鉛化された炭素担持体よりカーボンブラック担持体の高い表面積に起因して、少なくとも部分的に黒鉛化された炭素に担持された白金より高い電気化学的活性を有する。(当業者は、電気化学的活性は、質量活性(すなわち、A/gでの重量に基づく)または比活性(すなわち、A/mでの表面積に基づく)として測定することができることを理解するであろう)。
具体的な一実施形態では、第1の担持触媒は、アセチレンカーボンブラックなどのカーボンブラック担持体に担持された白金−コバルト合金を含み、第2の担持触媒および第3の担持触媒は、黒鉛化炭素担持体に担持された白金を含む。担持された白金−コバルト合金触媒は一般に、同じ白金装填量および担体材料で、担持された白金のみの触媒より高い触媒活性を有するが、白金−コバルト合金触媒は、典型的には、例えば、約0.65Vから約1.05Vの間の電位サイクリングによって誘導される白金の溶解および凝集を介してより高い劣化速度を示すことが当技術分野で周知である(Matsutaniら、「Effect of Particle Size of Platinum and Platinum−Cobalt Catalysts on Stability Against Load Cycling」、Platinum Metals Review、2010年、54巻、(4号)、223〜232頁)。別の具体的な実施形態では、第1の担持触媒は、形状制御触媒に使用されるものなどの炭素に担持された白金−ニッケル合金を含む。
アノードおよびカソード電極の貴金属装填量は、コストを最小限にするために低くあるべきである。例えば、アノード電極の白金装填量は、Pt約0.01mg/cm〜Pt約0.15mg/cmの範囲であり得、カソード電極の白金装填量は、Pt約0.1mg/cm〜Pt約0.6mg/cmの範囲であり得る。アノードおよびカソードの触媒層および副層は、触媒層塗布を支援するために、かつ水管理目的で追加の炭素および/または黒鉛粒子を含むことができる。アノードおよびカソードの触媒層および副層はまた、疎水性結合剤などの結合剤(例えば、PTFE)、イオノマー、およびこれらの組合せも含むことができる。カソード触媒副層はそれぞれ、同じ量のイオノマーを含む場合があり、または異なる量のイオノマーを含む場合がある。イオノマー含有量は、例えば、10wt%〜50wt%の範囲となり得る。一部の実施形態では、膜に隣接している第1の触媒副層のイオノマー含有量は、GDLに隣接している第2の触媒副層のイオノマー含有量より大きい。理論によって束縛されることなく、第1の触媒副層のより高いイオノマー含有量は、膜へのプロトンコネクティビティの改善をもたらし、第2の触媒副層のより低いイオノマー含有量は、触媒への反応物アクセスの改善をもたらす。
一部の実施形態では、第1および第2のカソード触媒副層は、同じイオノマー、または化学構造、組成、および/もしくは当量が異なる、異なるイオノマーを有し得る。イオノマーは、例えば、ペルフッ素化されており、部分的にフッ素化されており、または炭化水素ベースであり得る。触媒副層中の例示的なイオノマーは、それだけに限らないが、Nafion(登録商標)(DuPont)、Aciplex(登録商標)(Asahi Kasei Corporation)、およびAquivion(登録商標)(Solvay Plastics)の商標名の下で販売されているものがある。
アノードガス拡散層およびカソードガス拡散層は、導電性であり、熱伝導性であり、触媒層および膜の機械的担持のために十分強く、ガス拡散を可能にするために十分に多孔質であり、かつ高出力密度のために薄く軽量であるべきである。したがって、慣例的なガス拡散層材料は、炭化または黒鉛化炭素繊維不織マットなどの炭素繊維紙および炭素ファブリックを含む、市販の織られた、および不織の多孔質炭素質基材から典型的には選択される。適当な多孔質基材としては、それだけに限らないが、TGP−H−060およびTGP−H−090(Toray Industries Inc.、Tokyo、日本);AvCarb(登録商標)P50およびEP−40(Ballard Material Products Inc.、Lowell、MA);ならびにGDL24および25シリーズ材料(SGL Carbon Corp.、Charlotte、NC)がある。一部の実施形態では、多孔質基材は、疎水化することができ、繊維形態および/または粒状形態で炭素および/または黒鉛を有する少なくとも1つのガス拡散副層を任意選択で含み得る。
ポリマー電解質膜は、任意の適当なプロトン伝導性材料またはイオノマー、例えば、それだけに限らないが、Nafion(登録商標)(DuPont)、BAM(登録商標)(Ballard Power Systems、カナダ)、Flemion(登録商標)(Asahi Glass、日本)、Aquivion(登録商標)(Solvay Plastics)、GORE−SELECT(登録商標)(W.L.Gore&Associates)、およびAciplex(登録商標)(Asahi Kasei、日本)などであり得る。
MEAおよび触媒層および副層は、当技術分野で公知の方法を介して作製することができる。例えば、触媒インクは、スクリーン印刷、ナイフ被覆、吹き付け、もしくはグラビア被覆によってガス拡散層もしくは膜に直接塗布することができ、またはガス拡散層もしくは膜にデカール転写することができる。触媒インクは、所望の触媒装填量および/または触媒層構造を達成するために、単回の塗布で、または複数の薄い被覆で塗布され得る。
貴金属のみが本明細書において触媒材料として識別されているが、当業者は、非貴金属触媒もまた燃料電池に使用することができることを理解するであろう。本発明者らは、このような非貴金属触媒が本明細書に記載の貴金属触媒の代替品であり得ることを企図する。さらに、炭素担持体および黒鉛化炭素担持体のみが論じられているが、炭素ナノチューブおよび炭素ナノファイバーなどの他の炭素担持体、ならびに酸化物担持体などの非炭素担持体も、本明細書に記載の担持体の代替品であり得ることが企図されている。さらに、カソード電極設計のみが論じられ、示されているが、本発明者らは、アノード電極も2副層触媒層設計から利益を得ることができることを企図する。
4種の異なるカソード触媒インクを燃料電池試験用MEAのために作製した。第1のカソード触媒インクは、Nafion(登録商標)イオノマー中に分散された黒鉛化炭素に担持されたPt触媒を含んでいた。第2のカソード触媒インクは、Nafion(登録商標)イオノマー中に分散されたカーボンブラックに担持されたPt−Co合金触媒を含んでいた。第3のカソード触媒インクは、Nafion(登録商標)イオノマー中に一緒に混合され、分散されたカーボンブラックに担持された30wt%白金のPt−Co合金触媒、および黒鉛化炭素に担持された70wt%白金のPt触媒を含有んでいた。第4のカソード触媒インクは、Nafion(登録商標)イオノマー中に一緒に混合され、分散されたカーボンブラックに担持された50wt%白金のPt−Co合金触媒、および黒鉛化炭素に担持された50wt%白金のPt触媒を含んでいた。
比較例1については、第1のカソード触媒インクをNafion(登録商標)膜(E.I.du Pont de Nemours and Co.によって提供されている)上に被覆して半CCMを形成した。カソード触媒の総白金装填量は、Pt約0.4mg/cmであった。
比較例2については、第2のカソード触媒インクをNafion(登録商標)膜上に被覆して半CCMを形成した。カソード触媒の総白金装填量は、Pt約0.4mg/cmであった。
比較例3については、第2のカソード触媒インクをNafion(登録商標)膜上に被覆して第1のカソード触媒副層を形成した。その後、第1のカソード触媒インクをカソード触媒副層上に被覆して半CCMを形成した。第1および第2のカソード触媒副層のそれぞれの総白金装填量は、それぞれ約0.1mg/cmおよび0.3mg/cmであって、カソード中でPt約0.4mg/cmの総白金装填量を生じさせた。
比較例4については、第3のカソード触媒インクをNafion(登録商標)膜上に被覆して半CCMを形成した。カソード触媒の総白金装填量は、Pt約0.4mg/cmであった。
比較例5については、第3のカソード触媒インクをNafion(登録商標)膜上に被覆して第1のカソード触媒副層を形成した。その後、第2のカソード触媒インクをカソード触媒副層上に被覆して半CCMを形成した。第1および第2のカソード触媒副層のそれぞれの総白金装填量は、約0.2mg/cmであって、カソード中でPt約0.4mg/cmの総白金装填量を生じさせた。
本発明実施例1については、第3のカソード触媒インクをNafion(登録商標)膜上に被覆して第1のカソード触媒副層を形成した。その後、第1のカソード触媒インクをカソード触媒副層上に被覆して半CCMを形成した。第1および第2のカソード触媒副層のそれぞれの総白金装填量は、約0.2mg/cmであって、カソード中でPt約0.4mg/cmの総白金装填量を生じさせた。
本発明実施例2については、第4のカソード触媒インクをNafion(登録商標)膜上に被覆して第1のカソード触媒副層を形成した。その後、第1のカソード触媒インクをカソード触媒副層上に被覆して半CCMを形成した。第1および第2のカソード触媒副層のそれぞれの総白金装填量は、約0.2mg/cmであって、カソード中でPt約0.4mg/cmの総白金装填量を生じさせた。
次いで半CCMのそれぞれは、担持された白金アノード触媒層を半CCMの膜側にデカール転写させて完全CCMを形成した。次いで完全CCMを、Ballard Material Products(Lowell、MA)製の2つの疎水化炭素繊維GDLの間に、GDLが触媒層に隣接するように挟み、引き続いて密封して非結合MEAを形成した。(カソード触媒層が2つの副層を含んでいた場合、GDLを第2のカソード触媒副層に対して置いた)。以下の表は、MEA構成を要約するものである。
次いでMEAのそれぞれをフローフィールドプレート間に置いて燃料電池を形成し、次いで一晩のコンディショニングおよび以下の条件での電位サイクリングに付して、白金の溶解および再析に起因する電圧劣化を判定した。MEAを、燃料電池吸気口条件をシミュレートするために酸化剤として約21%酸素(すなわち、空気)で試験し、MEAのいくつか(比較例1、4、5、ならびに本発明実施例1および2)は、燃料電池排気口条件をシミュレートするために酸化剤として約10.5%酸素(すなわち、希釈された空気)でも試験した。
燃料電池を、吸気口条件下の図2および排気口条件下の図3に示したように、700、1400、2100、および4700サイクルのそれぞれの後に75℃で1A/cmの電流密度で性能について定期的に試験した。全体的に、本発明実施例1および2は、吸気口条件および排気口条件の両方の下で4700サイクル後に最良の性能および最小量の劣化を示した。
吸気口条件について、比較例1と2との間で、黒鉛化炭素担持体に担持された触媒を用いた比較例1は、わずか約647mVの初期性能を示したが、吸気口条件下で4700サイクル後にわずか31mVの劣化(606mV)を呈したことが明瞭である。他方では、カーボンブラックに担持された触媒を用いた比較例2は、約666mVの高い初期性能を示したが、吸気口条件下で4700サイクル後に400mV超の相当な劣化を呈した。
担持触媒の2つのタイプの組合せ(第1および第2の触媒インク)は、吸気口条件下で、混合された結果を示した。別個の層に両タイプの担持触媒を有していた比較例3は、比較例1および2より悪い性能(630mV)を示し、4700サイクル後にほぼ90mVの劣化を被った。混合層に両タイプの担持触媒を有していた比較例4は、比較例1、2、および3より良好な性能(669mV)および耐久性(4700サイクル後に29mVの損失)を示したが、依然として本発明実施例1および2のものより下である。
比較例5、本発明実施例1、および本発明実施例2は、2つの別個のカソード触媒副層を有し、第1の副層は、2種の異なる担持触媒を含む膜に隣接し、第2の副層は、単一の担持触媒のみを含むガス拡散層に隣接していた。比較例5、本発明実施例1、および本発明実施例2のすべては、第1の副層中に同じ成分、すなわち、黒鉛化炭素に担持された白金およびカーボンブラックに担持された白金−コバルト合金の混合物を有していた。しかし、比較例5は、その第2の層中にカーボンブラックに担持された白金−コバルト合金を含み、一方、本発明実施例1および2は、その第2の層中に黒鉛化カーボンブラック上の白金を含んでいた。図2は、比較例5は、本発明実施例1(666mV)および本発明実施例2(682mV)より低い初期性能(658mV)を呈し、4700mV後に本発明実施例1(22mV)および本発明実施例2(36mV)より多くの劣化(60mV超)も被ったことを示す。排気口条件で、図3に示したように、比較例5も、本発明実施例1(615mV)および本発明実施例2(623mV)より低い初期性能(596mV)を呈し、かつ本発明実施例1(約50mV)および本発明実施例2(54mV)より多くの劣化(120mV超)を被った。
比較例3および4、ならびに本発明実施例2は、同様の割合の黒鉛化炭素に担持された白金およびカーボンブラックに担持された白金−コバルト合金を有していたが、分配が異なる(比較例4において一緒に混合され、本発明実施例2において別個の副層)ことに留意されるべきである。しかし、本発明実施例2は、吸気口条件で比較例3および4の両方より良好な初期性能を示した(それぞれ630mVおよび669mVとは対照的に682mV)ことが図2において明瞭である。さらに、図3に示したように、本発明実施例2は、排気口条件で比較例4より良好な初期性能を示した(それぞれ616mVとは対照的に623mV)。
本明細書において参照し、かつ/または出願データシートに列挙した上記の米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物のすべては、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。本願は、2014年7月8日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国仮特許出願第62/022,094号の利益も主張する。
本発明の特定の要素、実施形態、および用途を示し、記載してきたが、本発明は、それらに限定されないことが理解されることになり、その理由は、改変を、特に上記の教示を踏まえると本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者によって行うことができるためである。

Claims (11)

  1. アノードガス拡散層およびアノード触媒層を含むアノード電極;
    カソードガス拡散層およびカソード触媒層を含むカソード電極;ならびに
    前記アノード触媒層と前記カソード触媒層との間に介在するポリマー電解質膜;
    を備え、
    前記カソード触媒層は、
    第1の炭素質担持体に担持された第1の触媒、および第2の炭素質担持体に担持された第2の触媒を含む、前記ポリマー電解質膜に隣接する第1のカソード触媒副層;ならびに
    第3の炭素質担持体に担持された第3の触媒を含む、前記カソードガス拡散層に隣接する第2のカソード触媒副層;を含み、
    前記第1の炭素質担持体は、カーボンブラックであり、前記第2の炭素質担持体および第3の炭素質担持体は、少なくとも部分的に黒鉛化されているカーボンブラックであり、ここで、前記第1の触媒が、白金とコバルトの合金を含み、前記第2の触媒および前記第3の触媒が、白金を含み、そしてここで、前記カソード電極の前記白金の装填量が、Pt0.1mg/cmからPt0.6mg/cmである、膜電極アセンブリ。
  2. 前記第1の炭素質担持体の比表面積が、少なくとも部分的に黒鉛化されている前記第2の炭素質担持体および前記第3の炭素質担持体の比表面積より大きい、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  3. 前記第1の炭素質担持体が、250〜2000m/gの比表面積を有し、少なくとも部分的に黒鉛化されている前記第2の炭素質担持体および前記第3の炭素質担持体が、40〜1500m/gの比表面積を有する、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  4. 前記第1カソード触媒副層および前記第2のカソード触媒副層が、イオノマーを含む、請求項1に記載の膜電極アセンブリ。
  5. 前記第1のカソード触媒副層のイオノマー含有量が、前記第2のカソード触媒副層のイオノマー含有量とは異なる、請求項4に記載の膜電極アセンブリ。
  6. 請求項1に記載の膜電極アセンブリを備える燃料電池。
  7. アノードガス拡散層およびアノード触媒層を含むアノード電極;
    カソードガス拡散層およびカソード触媒層を含むカソード電極;ならびに
    前記アノード触媒層と前記カソード触媒層との間に介在するポリマー電解質膜;
    を備え、
    前記カソード触媒層は、
    第1の炭素質担持体に担持された第1の触媒、および第2の炭素質担持体に担持された第2の触媒を含む、前記ポリマー電解質膜に隣接する第1のカソード触媒副層;ならびに
    第3の炭素質担持体に担持された第3の触媒を含む、前記カソードガス拡散層に隣接する第2のカソード触媒副層;を含み、
    前記第1の炭素質担持体上の前記第1の触媒は、前記第2の炭素質担持体に担持された前記第2の触媒および前記第3の炭素質担持体に担持された前記第3の触媒より高い電気化学的活性を有し、ここで、前記第1の触媒が、白金とコバルトの合金を含み、前記第2の触媒および前記第3の触媒が、白金を含み、そしてここで、前記カソード電極の前記白金の装填量が、Pt0.1mg/cmからPt0.6mg/cmであり、
    ここで、前記第2の炭素質担持体および第3の炭素質担持体は、少なくとも部分的に黒鉛化されているカーボンブラックである、
    膜電極アセンブリ。
  8. 前記第1の炭素質担持体が、250〜2000m/gの比表面積を有し、前記第2の炭素質担持体および前記第3の炭素質担持体が、40〜1500m/gの比表面積を有する、請求項7に記載の膜電極アセンブリ。
  9. 前記第1のカソード触媒副層および前記第2のカソード触媒副層が、イオノマーを含む、請求項7に記載の膜電極アセンブリ。
  10. 前記第1のカソード触媒副層のイオノマー含有量が、前記第2のカソード触媒副層のイオノマー含有量とは異なる、請求項に記載の膜電極アセンブリ。
  11. 請求項7に記載の膜電極アセンブリを備える燃料電池。
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