JP6727698B2 - 管継手の止水性能確認試験装置および試験方法ならびに止水部の管理値設定方法 - Google Patents

管継手の止水性能確認試験装置および試験方法ならびに止水部の管理値設定方法 Download PDF

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Description

この発明は、主にパイプルーフ工法用の鋼管、又は杭、水道管等に使用される鋼管を互いに連結する管継手の止水構造にかかる止水性能確認試験装置および試験方法ならびに止水部の管理値設定方法の技術分野に属する。
前記した種々の管継手について、例えば、特許文献1、2に開示されているように、互いに連結される鋼管の一方の鋼管端部に支持された外側継手部材内に他方の鋼管端部に支持された内側継手部材が挿入され、内側継手部材の先端部を外側継手部材の内周面に設けられた止水材(シール材)に接触させて前記内外両継手部材間を止水するようにしてなる管継手の止水構造が知られている。
特許第5713259号公報 特許第5762796号公報
パイプループ工法用鋼管をピン式継手(機械式継手)により連結された管継手の止水構造について、一例としてその要部を図11に示す。
この管継手の止水構造の止水性能を確認する手段として、従来は実物大試験を行い、要求性能に対して漏水するか否かの評価を行っていた。
しかしながら、前記実物大試験は以下の課題があった。
1)特に説明するまでもなく費用と手間が非常にかかり、パラメトリックな試験を広範に実施することは現実的ではなかった。
2)定性的な評価しかできず、止水部の性能を定量的に把握できていないため、止水部の製作的、施工的な管理値を設定することができなかった。
3)止水性能を確認する上で最も肝要な止水材は、閉塞空間内に固定されているので可視化できず、よって、内側継手部材の先端部が接触したときの止水材がどのように変形し、また、止水性(漏水)判断の基準となる目標水圧(例えば、水圧1.0MPa)に対してどのように止水性を発揮したかは必ずしも明確になっていなかった。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、パラメトリックな試験を簡易、かつ確実に行うことにより、止水材と内側継手部材の先端部との接触部で発生する接面応力を定量的に把握できる、経済性、作業性に非常に優れた管継手の止水性能確認試験装置および試験方法ならびに止水部の管理値設定方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る管継手の止水性能確認試験装置は、互いに連結される鋼管において一方の鋼管端部に支持された外側継手部材内に他方の鋼管端部に支持された内側継手部材が挿入され、前記内側継手部材の先端部を前記外側継手部材の内周面に設けられた止水材に接触させて前記内外両継手部材間を止水する、管継手の止水構造のための止水性能確認試験装置であって、
前記止水性能確認試験装置は、前記内側継手部材に相当する内側継手片と前記外側継手部材に相当する外側継手片とが支持部材を介して対向配置され、少なくとも一方が他方に対して接近離反する構成とされ、
前記外側継手片は、前記内側継手片側へ突き出る止水材受け部が設けられ、
前記外側継手片と止水材受け部とで形成されるコーナー部に止水材が設けられ、
前記止水材の両端部は、前記外側継手片と直交する方向に配設した押さえ部材で拘束され、
前記管継手の止水性能確認試験装置には、ひずみゲージ、ロードセル等のセンサ手段が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した管継手の止水性能確認試験装置において、前記管継手の止水性能確認試験装置は、前記外側継手片とで前記内側継手片を挟持するサポート部材が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した管継手の止水性能確認試験装置において、前記外側継手片は、前記外側継手片と前記内側継手片との間の水平方向のクリアランスを調整可能な水平調整手段が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項2に記載した管継手の止水性能確認試験装置において、前記サポート部材は、前記外側継手片と前記内側継手片との間の水平方向のクリアランスを調整可能な水平調整手段が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載した管継手の止水性能確認試験装置において、前記内側継手片は、前記止水材を当接させる先端部にテーパーが形成されていることを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載した管継手の止水性能確認試験装置において、前記押さえ部材は、透明板、又は目盛り付きの透明板であることを特徴とする。
請求項に記載した発明に係る管継手の止水性能確認試験方法は、前記請求項1〜のいずれか1項に記載の管継手の止水性能確認試験装置を用いた止水性能確認試験方法であって、前記内側継手片または前記外側継手片のうちの少なくとも一方を他方に接近させることにより、前記内側継手片を前記止水材へ向かって漸次推し進め、前記内側継手片の先端部を前記止水材に接触させ、さらに内側継手片の先端と止水材受け部の上面との間の鉛直方向のクリアランスが所要の値に達するまで接近させた段階で前記推進動作を停止させ、前記停止状態での前記センサ手段の値を取得することを特徴とする。
請求項に記載した発明に係る止水部の管理値設定方法は、前記請求項に記載の管継手の止水性能確認試験方法のもとで取得したセンサ手段の値から前記止水材に発生する接面応力を求め、前記接面応力が目標水圧を超えたときの前記鉛直方向のクリアランス及び前記外側継手片と前記内側継手片との間の水平方向のクリアランスに基づいて止水部の管理値を設定することを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)パラメトリックな試験を簡易、確実、かつ自在に行うことができる。よって、経済性、作業性に非常に優れていることはもとより、止水材の止水性能について、定性的な評価しかできなかった従来の実物大試験とは異なり、定量的な評価を実現することができる。これに伴い、従来至難であった止水部の製作上および施工上の管理値を容易に、かつ精度よく設定することができる。
(2)試験の可視化を実現できるので、従来の実物大試験と異なり、止水材の変形状態、接触状態等を作業員が目視で逐一確認(判別)することができる。
(3)コンパクト(20×20×40cm程度)な装置を実現できるので、置き場所を選ばない等、使い勝手がよい。
実施例1に係る管継手の止水性能確認試験装置の全体構成を示した斜視図である。 図1に係る止水性能確認試験装置の部分的分解斜視図である。 Aは、図1に係る止水性能確認試験装置の正面図であり、Bは、同左側面図であり、Cは、同右側面図であり、Dは、同平面図である。 Aは、図1に係る止水性能確認試験装置の上部プレート側の構成部材を示した正面図であり、Bは、同左側面図であり、Cは、同底面図である。 Aは、図1に係る止水性能確認試験装置の下部プレート側の構成部材を示した正面図であり、Bは、同左側面図であり、Cは、同右側面図であり、Dは、同平面図である。 図1に係る止水性能確認試験装置の要部を拡大して示した正面図である。 図6の状態から上部プレート(内側継手片)を降下させて止水材に十分に接触させた状態を拡大して示した正面図である。 A、Bは、止水材に発生する接面応力について、2種の確認試験結果をまとめたグラフである。 A、Bは、止水材に発生する接面応力を求めるための説明図である。 実施例2に係る管継手の止水性能確認試験装置の全体構成を示した正面図である。 パイプルーフ工法用鋼管に実際に接合して用いられる継手部材(管継手)の連結構造の要部を示した参考図である。
本発明は、互いに連結される鋼管において一方の鋼管端部に支持された外側継手部材内に他方の鋼管端部に支持された内側継手部材が挿入され、内側継手部材の先端部を外側継手部材の内周面に設けられた止水材に接触させて前記内外両継手部材間を止水する、管継手の止水構造のための止水性能確認試験装置を主たる発明とし、従来の実物大試験と比べ、コンパクトで、パラメトリックな試験を広範に実施可能な技術的思想に立脚している。
よって先ず、本発明に係る止水性能確認試験装置の実施例を図面に基づいて説明する。
前記止水性能確認試験装置10は、図1〜図5(特には図1〜図3)に示したように、前記内側継手部材に相当する内側継手片3と前記外側継手部材に相当する外側継手片4とが支持部材を介して対向配置され、少なくとも一方が他方に対して接近離反する構成とされている。前記外側継手片4は、前記内側継手片3側へ突き出る止水材受け部6が設けられている。前記外側継手片4と止水材受け部6とで形成されるコーナー部に止水材7が設けられている。前記止水材7の両端部は、前記外側継手片4と直交する方向に配設した押さえ部材8で拘束されている。また、管継手の止水性能確認試験装置10の好適な部位に、ひずみゲージ9、ロードセル21(図10参照)等のセンサ手段が設けられている。
前記支持部材は、本実施例では、上部プレート1と下部プレート2と支柱ロッド11とで実施され、支柱ロッド11を利用して少なくとも一方が他方に対して接近離反する上部プレート1と下部プレート2とが対面配置する構成で実施されている。そして、前記上下部プレート1、2のうちの一方には、前記内側継手部材に相当する内側継手片3が設けられ、他方には、前記外側継手部材に相当する外側継手片4が設けられた構成で実施されている。
さらに、本実施例では、前記内外両継手片3、4間に所定の水平方向のクリアランスCr2(図6等参照)を確保して外側継手片4とで内側継手片3を挟持するためのサポート部材5が設けられている。ちなみに、このサポート部材5は、止水性能確認試験装置10に必須の構成部材ではなく、サポート部材5がなくても性能確認試験を良好に行うことができる。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
前記支柱ロッド11は、同形同大の金属製棒材が4本用いられ、前記上下部プレート1、2(図示例では一対)の頂点近傍位置にバランスよく配置され、その上下の端部を、それぞれ対応する上下部プレート1、2に穿設されたロッド通し孔(図示例では長孔)1a、2aへ貫通させてワッシャ14を介しナット12で締結する手段により前記上下部プレート1、2に接合されている。すなわち、前記支柱ロッド11は、必要な範囲に(又は全長にわたり)ねじが切れられたねじ棒で実施されている、
前記上下部プレート1、2は、設置面(接地面)に対して水平に設けられており、前記上部プレート1側及び/又は下部プレート2側の各ナット12を均等に回動させる(締めたり緩めたりする)手段で支柱ロッド11に昇降可能に支持されている。
なお、本実施例では、下部プレート2、即ち外側継手片4およびサポート部材5を固定(不動)とし、上部プレート1、即ち内側継手片3を昇降させる構成で実施しているが、装置10自体を横向き姿勢で実施する場合等は逆の構成でも実施できるし、双方のプレート1、2を可動させる構成で実施することもできる。
本実施例では、ねじ式で昇降させる手段を採用しているが、油圧シリンダ、油圧ジャッキ等を用いた公知の軸荷重載荷手段で昇降させることもできる。
本実施例に係る支柱ロッド11の本数、配置は適宜設計変更可能である。要は、前記上下部プレート1、2を確実に支持し、昇降できればよい。
本実施例では、センサ手段として、各支柱ロッド11にひずみゲージ9を貼着して実施しているが、ロードセル21を用いて実施することもできる。この点については実施例2で説明する。
次に、前記昇降させる側の上部プレート1は、その下面の略中央部に、鉛直姿勢の前記内側継手片3の上端部が溶接等の接合手段により接合されている。この内側継手片3の先端部は、漸次縮径するテーパー(図示例ではテーパー角が45度)が形成されている。一方、前記下部プレート2は、その上面の略中央部に、前記内側継手片3を受け入れるように配置した鉛直姿勢の前記外側継手片4およびサポート部材5の下端部が溶接等の接合手段により接合されている。
なお、前記内側継手片3を下部プレート2側に設け、外側継手片4およびサポート部材5を上部プレート1側に設けて実施することができる。
ちなみに、前記内外両継手片3、4には、例えばパイプルーフ工法用鋼管に実際に接合して用いられる継手部材(管継手)に要求される強度・剛性を備えた部材が用いられている。本実施例では、一例として、連結する鋼管よりも強度・剛性が高く、管継手として地山等の土圧に起因するせん断作用に十分に耐え、地盤の凍結処理を行っても構造上何の支障も生じない強度・剛性を備えた鋼製部材を用いている。
これに伴い、前記サポート部材5にも、前記内外両継手片3、4と同程度の強度・剛性を備えた鋼製部材が用いられている。
前記内外両継手片3、4間に所定の水平方向のクリアランスCr2を確保する手段は、本実施例では、前記外側継手片4とサポート部材5との対面部位に複数(図示例では4個)のねじ孔4a、5aをバランス良く(図示例では縦長の長方形の頂点に相当する配置であって、対応するねじ孔4a、5aの芯が略一致するように)配設し、水平調整手段として、前記ねじ孔4a、5aに外方から内方(内側継手片3)へ向かって内側継手片3を押圧する押しボルト(頭付きボルト)13をねじ込み、かくして前記外側継手片4とサポート部材5とに相対向するようにねじ込んだ押しボルト13を進退調整することにより行う。
その結果、前記内側継手片3は、外側継手片4と平行に、かつ前記内外両継手片3、4間に所要のクリアランスCr2を確保して位置決め(拘束)することができる。
なお、前記押しボルト13の本数、配置は適宜設計変更可能である。要は、前記内側継手片3を外側継手片4と平行に、かつ前記内外両継手片3、4間に所要のクリアランスCr2を確保して確実に位置決めできればよい。
また、本実施例に係る前記内外両継手片3、4、およびサポート部材5は、ともに平板形状で実施しているが、パイプルーフ工法用鋼管に実際に接合して用いられる継手部材と同様の曲率で湾曲させた形状等でも同様に実施できる。
次に、前記外側継手片4の下部に突設させた前記止水材受け部6は、図5が分かりやすいように、前記外側継手片4の幅寸と一致する横長の直方体形状に形成されている。この止水材受け部6は、前記サポート部材5と同様に、前記内外両継手片3、4と同程度の強度・剛性を備えた鋼製部材が用いられている。
前記外側継手片4と止水材受け部6とが形成するコーナー部に装着(貼着)する止水材7は、パイプルーフ工法用鋼管を連結する際に実際に使用される止水材(シール材)そのものが用いられている。本実施例に係る止水材7は、例えばゴム材等の弾性素材等が好適に用いられ、前記内側継手片3の先端部に向けて先細りの楔状(テーパー)に形成されている。
前記止水材7の両端部は、前記外側継手片4およびサポート部材5と直交する方向に配設した押さえ部材8で拘束されている。この押さえ部材8は、内側継手片3の先端部のテーパー部(開先部)に押圧されて弾性的に接触した前記止水材7の両端部の変形を拘束することにより、実際のパイプルーフ工法用鋼管の連結時同様に、閉塞空間、ひいては内外両側継手片3、4間が止水されるに等しい構成を実現している。
ちなみに本実施例に係る押さえ部材8、8は、透明板が用いられ、前記外側継手片4およびサポート部材5を両側から挟んだ状態で、その上下部を、フレーム材とボルト・ナットとを組み合わせて枠状に形成してなる上フレーム枠材15と下フレーム枠材16とで留め付けることにより拘束されている。
ここで、上記した止水性能確認試験装置10の主な構成部材の寸法等についてその一例を示す。
前記一対の上下部プレート1、2は、縦寸205mm程度、横寸200mm程度、板厚12mm程度(以下、この段落において適宜「程度」は略す。)。
内側継手片3は、高さ320mm、幅寸100mm、板厚32mm。先端部のテーパー角は、45度。
外側継手片4は、高さ340mm、幅寸100mm、板厚32mm。
サポート部材5は、高さ340mm、幅寸100mm、板厚12mm。
止水材受け部(角鋼)6は、縦寸22mm、横寸22mm、長さ100mm。
止水材7は、幅寸が前記外側継手片4と同じ100mmで、呼び径800〜1200mm、材質SBR/NR IV類(JIS K 6353)、硬さ45〜55H
押さえ部材8は、高さ150mm、幅寸75mm、板厚10mmの透明板。
支柱ロッド11は、M16、長さ420mm。
外側継手片4側の押しボルト13は、M12、長さ45mm。
サポート部材5側の押しボルト13は、M12、長さ25mm。
以上要するに、本発明に係る止水性能確認試験装置10は、縦寸205mm、横寸200mm、高さ420mmのコンパクトなサイズで実現することができる。
また、内側継手片3、外側継手片4、サポート部材5、止水材受け部6、および止水材7の幅寸が100mmで統一されていることがわかる。
図6は、本発明に係る止水性能確認試験装置10の要部を示している。なお、図示の便宜上、押さえ部材(透明板)8、上下のフレーム枠材15、16は省略した。
かくして、前記止水性能確認試験装置10によれば、前記外側継手片4とサポート部材5にそれぞれ設けた押しボルト(水平調整手段)13を進退調整することにより、所定の水平方向のクリアランスCr2を確保できる。
一方、前記上部プレート1側のナット12を回動させて(締めたり緩めたりして)、前記上部プレート1(内側継手片3)を昇降させることにより、所定の鉛直方向のクリアランスCr1を確保できる(図6と図7を対比して参照)。
なお、前記各クリアランスCr1、Cr2を確保(設定)する作業は、本実施例では作業員が定規等の測定器具を用いて目視で確認しながら行う。より正確なクリアランスCr1、Cr2の値は、事後に行う画像処理から解析する。
また、前記定規の代わりに、前記透明板8に予め目盛りを刻印しておいたり、位置決め作業前に目盛り付きシールを透明板8の所定部位に貼り付けておいたりする等の工夫は適宜行われるところである。
したがって、前記管継手の止水性能確認試験装置10を用いた止水性能確認試験方法は、前記内側継手片3または前記外側継手片4のうちの少なくとも一方を他方に接近させることにより、前記内側継手片3を前記止水材7へ向かって漸次推し進め、前記内側継手片3の先端部を前記止水材7に接触させる。具体的に本実施例では、前記上部プレート1を、その直上位置の4つのナット12を均等に回動操作して下部プレート2に接近させることにより、前記外側継手片4と前記サポート部材5との間に挿入された前記内側継手片3を前記止水材7へ向かって漸次推し進め、前記内側継手片3の先端部を前記止水材7に接触させる。
そして、さらに内側継手片3の先端と止水材受け部6の上面との間の鉛直方向のクリアランスCr1が所要の値に達するまで接近させた段階で前記推進動作を停止させ、前記停止状態での前記ひずみゲージ9の値を取得することにより行われる。
図8は、前記管継手の止水性能確認試験方法により、作業員が実際に行った試験結果をまとめたグラフを示している。ちなみに、内側継手片3のテーパー角は前記のとおり45度で実施している。
図8Aに係るCASE1は、水平方向のクリアランス(Cr2)を4.0mmに設定(固定)した状態で、鉛直方向のクリアランス(Cr1)を7.50mmから3.00mmへと段階的に狭めた場合の要所(本実施例では10箇所)での接面応力(MPa)を求めたものである。
このグラフから明らかなように、鉛直方向のクリアランス(Cr1)が漸次狭まると、止水材7に発生する接面応力(MPa)は漸次高まり、およそ反比例の関係にあることが分かる。
一方、図8Bに係るCASE2は、水平方向のクリアランス(Cr2)を8.0mmに設定した状態で、鉛直方向のクリアランス(Cr1)を5.75mmから2.00mmへと段階的に狭めた場合の要所(本実施例では8箇所)での接面応力(MPa)を求めたものである。
このグラフから明らかなように、上記CASE1の場合と同様に、鉛直方向のクリアランス(Cr1)が漸次狭まると、止水材7に発生する接面応力(MPa)は漸次高まり、およそ反比例の関係にあることが分かる。
前記試験形態および試験結果は、もとより一例であり、構造設計、解析、又は本出願人が経験上知得した数値等に基づき、実際に設定可能な範囲内で前記内側継手片3のテーパー角、前記クリアランスCr1、Cr2をフレキシブルに適宜変更し、パラメトリックな試験を簡易かつ確実に行う。
なお、止水材7に発生する接面応力を求める意義は、密封の原理に基づいている。この原理は、パッキン理論ともいい、止水材7が圧縮させることにより止水材7の接触面に発生する応力(接面応力)が作用水圧(例えば、1.0MPa)以上であれば漏水は生じないが、接面応力が作用水圧よりも小さければ、その接触面がら漏水が発生するという考え方に基づいている。この原理を管継手の止水構造に置き換えると、外側継手片4(実際には外側継手部材)に設けられた止水材7と内側継手片3(実際には内側継手部材)の先端部との接触面で発生する接面応力が、作用水圧を超えるか否かが問題となる。
前記作用水圧は、管継手の止水構造を実際に適用する地盤の深さ等の地盤性状に応じて適宜設計変更される。
よって、前記図8に係る試験結果について、作用水圧(目標水圧)を例えば1.0MPaに設定すると、CASE1(Cr2=4mm)の場合、鉛直方向のクリアランス(Cr1)が7.00mm、より安全性を追求するのであれば4.00mm程度よりも小さいと、目標水圧を十分に超えることがわかる。一方、CASE2(Cr2=8mm)の場合、鉛直方向のクリアランス(Cr1)が5.25mm、より安全性を追求するのであれば4.00mm程度よりも小さいと、目標水圧を十分に超えることがわかる。
これらの結果に加え、試験に用いた前記内外両継手片3、4の形態(強度、剛性、大きさ)、止水材7のタイプを勘案して、止水部の製作上および施工上の管理値を設定するのである。
ちなみに、前記ひずみゲージ9で取得した値から前記止水材7に発生する接面応力(σr)を求める手法(算定法)は、以下の通りである(図9A、B参照)。
σr=Pr’/{(B1+B2)/2×L}
Pr’=Pr/cosθ
Pr=(ε1+ε2+ε3+ε4)×Es×Ab
ここで、
σr:接面応力(N/mm
Pr’:反力(kN)
B1:正面側から見える内側継手片3のテーパー部と止水材7とが接触する接触幅(傾斜面部)の長さ(mm)
B2:背面側から見える内側継手片3のテーパー部と止水材7とが接触する接触幅(傾斜面部)の長さ(mm)
つまり本算定法では、より正確性を期すべく、前記接触幅の長さに正面側と背面側との平均値を用いている。また、B1、B2の数値は画像処理から解析した。
L:止水材7の長さ(本実施例では100mm)
Pr:荷重(kN)
cosθ:内側継手片3のテーパー角に基づく(本実施例では45度)
ε1+ε2+ε3+ε4:全て(本実施例では4本)の支柱ロッド11に発生する軸ひずみ(μ)
Es:弾性係数(本実施例では200kN/mm
Ab:ひずみゲージ9貼着部の支柱ロッド11の全断面積(本実施例では113.10mm
図10は、本発明に係る止水性能確認試験装置のバリエーションを示している。
要するに、この実施例2に係る止水性能確認試験装置20は、上記実施例1と比べ、データロガーを接続したセンサ手段にロードセル21を用いている点が主に相違する。
これに伴い、前記支柱ロッド11を長尺化し、前記上部プレート1の上面に設置したロードセル21の更に上方に鉄板22(一例として上下部プレート1、2と略同形同大)を設け、上部プレート1と鉄板22とでロードセル21を挟み込み、鉄板22の上からワッシャ14を介しナット12で締結する構成で実施している。
その他の構成要素は、上記実施例1と同様なので同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例2に係る管継手の止水性能確認試験装置20を用いた止水性能確認試験方法は、前記鉄板22を、その直上位置の4つのナット12を均等に回動操作して下部プレート2に接近させることにより、前記外側継手片4と前記サポート部材5との間に挿入された前記内側継手片3を前記止水材7へ向かって漸次推し進め、前記内側継手片3の先端部を前記止水材7に接触させ、さらに内側継手片3の先端と止水材受け部6の上面との間の鉛直方向のクリアランス(Cr1)が所要の値に達するまで接近させた段階で前記推進動作を停止させ、前記停止状態での前記ロードセル21の値を取得することにより行われる。
止水材7の接面応力(σr)の算出法は、上記実施例1と同様に行うが、止水材7の荷重(Pr)についてはロードセル21の計測値を用いればよいので、全ての支柱ロッド11に発生する軸ひずみから荷重への換算は不要となる。
なお、前記ロードセル21の性能や大きさについては種々あるが、コンパクト化を考慮し、平面方向からみて上下部プレート1、2よりも小さいサイズを用いることが好ましい。
ちなみに、この止水性能確認試験装置20では、0〜20kNの範囲で計測可能なロードセル21を用いた。ただし、より高い止水性能が求められる場合は、大型のロードセル21を適用し、これに応じて上下部プレート1、2や鉄板22を大きくする等、適宜設計変更可能である。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、本実施例では、主としてパイプルーフ工法用鋼管の管継手の止水性能確認試験について説明しているがこれに限定されず、杭(鋼管杭)、水道管など、鋼管を互いに連結する管継手の止水性能を確認する場合にも十分に適用可能である。
1 上部プレート
1a ロッド通し孔
2 下部プレート
2a ロッド通し孔
3 内側継手片
4 外側継手片
4a ねじ孔
5 サポート部材
5a ねじ孔
6 止水材受け部
7 止水材
8 押さえ部材(透明板)
9 ひずみゲージ
10、20 止水性能確認試験装置
11 支柱ロッド
12 ナット
13 押しボルト
14 ワッシャ
15 上フレーム枠材
16 下フレーム枠材
21 ロードセル
22 鉄板
Cr1 鉛直方向のクリアランス
Cr2 水平方向のクリアランス

Claims (8)

  1. 互いに連結される鋼管において一方の鋼管端部に支持された外側継手部材内に他方の鋼管端部に支持された内側継手部材が挿入され、前記内側継手部材の先端部を前記外側継手部材の内周面に設けられた止水材に接触させて前記内外両継手部材間を止水する、管継手の止水構造のための止水性能確認試験装置であって、
    前記止水性能確認試験装置は、前記内側継手部材に相当する内側継手片と前記外側継手部材に相当する外側継手片とが支持部材を介して対向配置され、少なくとも一方が他方に対して接近離反する構成とされ、
    前記外側継手片は、前記内側継手片側へ突き出る止水材受け部が設けられ、
    前記外側継手片と止水材受け部とで形成されるコーナー部に止水材が設けられ、
    前記止水材の両端部は、前記外側継手片と直交する方向に配設した押さえ部材で拘束され、
    前記管継手の止水性能確認試験装置には、ひずみゲージ、ロードセル等のセンサ手段が設けられていることを特徴とする、管継手の止水性能確認試験装置。
  2. 前記管継手の止水性能確認試験装置は、前記外側継手片とで前記内側継手片を挟持するサポート部材が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載した管継手の止水性能確認試験装置。
  3. 前記外側継手片は、前記外側継手片と前記内側継手片との間の水平方向のクリアランスを調整可能な水平調整手段が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した管継手の止水性能確認試験装置。
  4. 前記サポート部材は、前記外側継手片と前記内側継手片との間の水平方向のクリアランスを調整可能な水平調整手段が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載した管継手の止水性能確認試験装置。
  5. 前記内側継手片は、前記止水材を当接させる先端部にテーパーが形成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載した管継手の止水性能確認試験装置。
  6. 前記押さえ部材は、透明板、又は目盛り付きの透明板であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載した管継手の止水性能確認試験装置。
  7. 前記請求項1〜のいずれか1項に記載の管継手の止水性能確認試験装置を用いた止水性能確認試験方法であって、
    前記内側継手片または前記外側継手片のうちの少なくとも一方を他方に接近させることにより、前記内側継手片を前記止水材へ向かって漸次推し進め、前記内側継手片の先端部を前記止水材に接触させ、さらに内側継手片の先端と止水材受け部の上面との間の鉛直方向のクリアランスが所要の値に達するまで接近させた段階で前記推進動作を停止させ、前記停止状態での前記センサ手段の値を取得することを特徴とする、管継手の止水性能確認試験方法。
  8. 前記請求項に記載の管継手の止水性能確認試験方法のもとで取得したセンサ手段の値から前記止水材に発生する接面応力を求め、前記接面応力が目標水圧を超えたときの前記鉛直方向のクリアランス及び前記外側継手片と前記内側継手片との間の水平方向のクリアランスに基づいて止水部の管理値を設定することを特徴とする、止水部の管理値設定方法。
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