JP6727625B1 - 呼気検査装置 - Google Patents

呼気検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6727625B1
JP6727625B1 JP2019083724A JP2019083724A JP6727625B1 JP 6727625 B1 JP6727625 B1 JP 6727625B1 JP 2019083724 A JP2019083724 A JP 2019083724A JP 2019083724 A JP2019083724 A JP 2019083724A JP 6727625 B1 JP6727625 B1 JP 6727625B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
pressure
constant flow
suction pump
exhaled air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019083724A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020178879A (ja
Inventor
徳林 邵
徳林 邵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Seimitsu Sokki Co Ltd
Original Assignee
Nihon Seimitsu Sokki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Seimitsu Sokki Co Ltd filed Critical Nihon Seimitsu Sokki Co Ltd
Priority to JP2019083724A priority Critical patent/JP6727625B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6727625B1 publication Critical patent/JP6727625B1/ja
Publication of JP2020178879A publication Critical patent/JP2020178879A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】被検者の呼気に含まれる所定ガス分子の濃度測定にあたり、呼気の圧力および流量を一定範囲に維持することができる呼気検査装置を提供する。【解決手段】被検者の呼気が注入される注入口と、前記注入口に注入された呼気の圧力が所定圧力範囲内に属するように調整するための圧力調整ノズル20と、前記圧力調整ノズル20で圧力が調整された呼気を一定流量で後段に流す定流量吸引ポンプ50と、前記定流量吸引ポンプ50によって後段に流れてくる呼気に含まれる所定ガス分子の濃度を検出するガス濃度センサ60と、前記ガス濃度センサ60による検出結果に関する情報を出力する出力部71と、を備えて、呼気検査装置1を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、呼気に含まれる所定ガス分子の濃度を検出可能な呼気検査装置に関する。
近年、医療の現場では、被検者の呼気に含まれる所定ガス分子の一種である一酸化窒素(NO)について、その濃度のモニタリングが行われることがある。呼気中のNO濃度は、喘息状態等の身体異常を診断するための生体指標の一つとなるからである。具体的には、例えば、喘息患者は気道の炎症により気道上皮で大量のNOが産生されることから、呼気中のNO濃度を検出することで、被検者の気道の炎症レベルを診断することが可能となる。
呼気中のNO濃度の検出は、NOモニタと呼ばれる呼気検査装置を用いて行われる。呼気検査装置としては、例えば、呼気の分析装置を通るガスサンプルの流量を、一つまたは二つのポンプによって制御するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−37005号公報
ところで、NO濃度の検出結果は、ガスサンプルとなる呼気の圧力および流量に大きな影響を受ける。例えば、被検者の軟口蓋が開く程度に呼気の圧力が低くなると、呼気に鼻腔からの空気が流入してしまい、その影響がNO濃度の検出結果にも及ぶため、その検出結果が気道の炎症レベルの診断に適さないものとなってしまう。また、NO濃度の検出には一定時間を要することが一般的であるため、例えば、呼気の流量が変動すると、時間当たりのNO分子数量が変化してしまい、その影響がNO濃度の検出結果にも及んでしまうおそれがある。つまり、NO濃度について有効な検出結果を得るためには、その検出中において、被検者の呼気の圧力および流量を一定に維持することが要求される。
その一方で、呼気の圧力および流量の大きさは、被検者による呼気の吐出態様に依存する。不特定多数の者が被検者となり得ることを踏まえると、一定の圧力および流量で呼気を吐出するように被検者に求めることは、現実的ではない。そのため、被検者の呼気中のNO濃度の検出に際しては、呼気検査装置の側において、その被検者の呼気の圧力および流量を一定に維持するための構成を備えていることが望ましい。
しかしながら、従来構成の呼気検査装置では、呼気の圧力および流量の両方について、これらを一定に維持することが必ずしも容易ではない。例えば、特許文献1に開示された構成の装置では、ポンプを利用して流量を制御することが可能であっても、圧力については必ずしも適切に制御できるとは限らず、また圧力変動が流量制御に悪影響を及ぼしてしまうおそれもある。
本発明は、被検者の呼気に含まれる所定ガス分子の濃度検出にあたり、呼気の圧力および流量を一定範囲に維持することができる呼気検査装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために案出されたもので、
被検者の呼気が注入される注入口と、
前記注入口に注入された呼気の圧力が所定圧力範囲内に属するように調整するための圧力調整ノズルと、
前記圧力調整ノズルで圧力が調整された呼気を一定流量で後段に流す定流量吸引ポンプと、
前記定流量吸引ポンプによって後段に流れてくる呼気に含まれる所定ガス分子の濃度を検出するガス濃度センサと、
前記ガス濃度センサによる検出結果に関する情報を出力する出力部と、
を備える呼気検査装置である。
本発明によれば、被検者の呼気に含まれる所定ガス分子の濃度検出にあたり、呼気の圧力および流量を一定範囲に維持することができる。
本発明の一実施形態に係る呼気検査装置の概略構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る呼気検査装置における圧力調整ノズルの処理機能を例示する説明図であり、(a)は圧力調整ノズルでの呼気の流れの例を示す図、(b)は圧力調整ノズルでの圧力変動の例を示す図である。
以下、図面に基づき本発明に係る呼気検査装置について説明する。
<1.呼気検査装置の構成例>
本実施形態で例に挙げて説明する呼気検査装置は、被検者の呼気に含まれる所定ガス分子の濃度を検出するように構成されたものである。さらに詳しくは、所定ガス分子の濃度として、喘息状態等の身体異常を診断するための生体指標の一つとなるNOの濃度を検出し、その検出結果を出力するように構成されたものである。
以下、呼気検査装置の構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る呼気検査装置の概略構成例を示すブロック図である。
図示した呼気検査装置1は、マウスピース10と、圧力調整ノズル20と、圧力センサ30と、フィルタ40と、定流量吸引ポンプ50と、ガス濃度センサ60と、表示部71と、操作部72と、制御部80と、を備えて構成されている。
マウスピース10は、被検者の呼気を採取するためのもので、被検者が口にくわえる筒状に形成されており、その筒端に被検者の呼気が注入される注入口(ただし不図示)を有して構成されている。マウスピース10は、金属製、樹脂製、紙製のいずれであってもよいが、詳細を後述する圧力調整ノズル20に対して着脱可能なディスポーザブル(使い捨て品)とすることが好ましく、その場合はコスト等の観点から樹脂製または紙製とするのがよい。本実施形態においては、製造の容易性やコスト等の観点から、例えば、ポリプロピレン等の樹脂材料の一体成型によって構成されている。
圧力調整ノズル20は、マウスピース10の注入口に注入された呼気を受け取って、その呼気の圧力が所定圧力範囲内に属するように調整するためのものである。所定圧力範囲については、詳細を後述する。
所定圧力範囲に調整するために、圧力調整ノズル20は、注入口に注入された呼気を受け取って一時的に滞留させるバッファ空間と、その呼気の圧力が所定圧力範囲の上限値を超えないように調整するために当該呼気の一部をバッファ空間外に排気する固定排気穴21と、を有して構成されている。固定排気穴21は、予め設定された穴径で形成されているが、その穴径ついては詳細を後述する。
また、圧力調整ノズル20におけるバッファ空間には、そのバッファ空間内の呼気の圧力が所定圧力範囲の下限値を下回らないように調整するために当該呼気の圧力を検出する圧力センサ30が接続されている。
圧力センサ30は、圧力調整ノズル20におけるバッファ空間内の呼気の圧力を検出するものである。呼気の圧力を検出すると、圧力センサ30は、その検出結果を電気信号によって制御部80へ通知するように構成されている。このような圧力センサ30としては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用した小型ピエゾ抵抗式圧力センサを用いることが考えられるが、これに限定されることはなく、他の公知技術を利用して圧力検出を行う圧力センサを用いても構わない。
フィルタ40は、圧力調整ノズル20と定流量吸引ポンプ50とを結ぶ呼気の流路上(すなわち、定流量吸引ポンプ50よりも上流側)に配され、その流路を流れる呼気に含まれる水蒸気(水分)を除去するためのものである。このようなフィルタ40としては、公知技術を利用して構成されたものを用いればよい。
定流量吸引ポンプ50は、圧力調整ノズル20で所定圧力範囲内に圧力が調整された呼気を、一定流量で、後段(具体的にはガス濃度センサ60の側)に流すものである。一定流量の具体例については、詳細を後述する。
このような定流量吸引ポンプ50としては、例えば、ダイヤフラム駆動方式の小型ローリングポンプを用いることが考えられる。その場合に、定流量吸引ポンプ50は、呼気の圧力が所定圧力範囲内で変動しても、その影響によらずに一定流量で呼気を後段に流し得るようにすべく、ダイヤフラムを駆動する駆動モータの回転数制御により流量可変に対応するように構成されていることが好ましい。本実施形態において、定流量吸引ポンプ50は、例えば、パルス幅変調(pulse width modulation、以下「PWM」と略す。)制御による駆動モータの回転数制御に対応しているものとする。また、PWM制御は、制御部80からの電気信号(パルス信号)によって管理されるものとする。
なお、本実施形態では、定流量吸引ポンプ50がダイヤフラム駆動方式の小型ローリングポンプである場合を例に挙げるが、必ずしもこれに限定されることはなく、一定流量での呼気の流れに対応するもの、さらに好ましくは圧力変動の影響を排除するための流量可変制御に対応し得るものであれば、他の公知技術を利用したポンプを用いても構わない。
ガス濃度センサ60は、定流量吸引ポンプ50によって後段に流れてくる呼気に含まれる所定ガス分子の濃度を検出するものである。さらに具体的には、所定ガス分子の濃度として、喘息状態等の身体異常を診断するための生体指標の一つとなるNOの濃度を検出するものである。NOの濃度を検出すると、ガス濃度センサ60は、その検出結果を電気信号によって制御部80へ通知するように構成されている。このようなガス濃度センサ60としては、例えば、電気化学式のNOセンサを用いることが考えられるが、これに限定されることはなく、他の公知技術を利用して濃度検出を行うガスセンサを用いても構わない。
表示部71は、必要に応じて被検者または呼気検査装置1の操作者(例えば医療従事者)に対する情報を画面表示によって出力するものである。表示部71が出力する情報には、例えば、呼気検査装置1の状態(例えば電源投入の有無等)に関する情報、圧力センサ30による検出結果に関する情報、ガス濃度センサ60による検出結果に関する情報等が含まれる。つまり、表示部71は、これらの情報を出力する出力部の一例として機能するものである。このような表示部71は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electro luminescence)ディスプレイ等を用いて構成することができる。
操作部72は、主として呼気検査装置1の操作者が操作するためのものである。操作部72としては、例えば、各種の操作ボタン等を用いて構成することが考えられるが、タッチパネル等のように表示部71と一体で構成されたものであってもよい。
制御部80は、呼気検査装置1における処理動作を制御するもので、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の組み合わせからなるハードウエア資源を備えて構成されたものである。つまり、制御部80は、マイクロコンピュータとしてのハードウエア資源を備えて構成されており、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、そのプログラム(ソフトウエア)とハードウエア資源とが協働して、呼気検査装置1の処理動作を制御するようになっている。
また、制御部80は、CPUがプログラムを実行することにより、少なくとも出力制御部81、圧力制御部82および流量制御部83として機能するようになっている。
出力制御部81は、表示部71での出力内容を制御する機能である。具体的には、出力制御部81は、例えば、ガス濃度センサ60による検出結果に関する情報を表示部71に出力させるとともに、その際に当該出力に必要となる表示画像を形成することで表示部71での表示出力を制御するようになっている。また、出力制御部81は、例えば、圧力センサ30による検出結果に関する情報を表示部71に出力させるとともに、その際に当該出力に必要となる表示画像を形成することで表示部71での表示出力を制御するようになっている。
圧力制御部82は、マウスピース10の注入口に注入された呼気の圧力を管理するための機能である。具体的には、圧力制御部82には、例えば、所定圧力値に相当する第1閾値と、その第1閾値よりも低圧の圧力値に相当する第2閾値とが、それぞれ予め設定されている。そして、圧力センサ30による検出結果が第1閾値を下回ると、圧力制御部82は、表示部71にアラーム情報を出力させるようになっている。表示部71に出力させるアラーム情報は、圧力センサ30による検出結果に関する情報の一例であり、その出力に必要となる表示画像が出力制御部81によって形成される。また、圧力センサ30による検出結果が第2閾値を下回ると、その圧力では高精度の濃度検出が行えないおそれがあるので、圧力制御部82は、ガス濃度センサ60による検出を停止させるようになっている。
流量制御部83は、定流量吸引ポンプ50が流す呼気の流量を管理するための機能である。具体的には、流量制御部83は、例えば、圧力センサ30による検出結果から認識可能な圧力調整ノズル20での呼気の圧力変動に応じて、定流量吸引ポンプ50の駆動モータの回転数を制御して、その定流量吸引ポンプ50が流す呼気の流量を一定流量に維持するようになっている。なお、本実施形態において、流量制御部83は、定流量吸引ポンプ50の駆動モータの回転数を、例えば、PWM制御によって行うものとする。
<2.呼気検査装置の処理動作例>
次に、上述した構成の呼気検査装置1における処理動作例について説明する。ここでは、呼気検査装置1における処理動作例として、呼気検査装置1を用いて被検者の呼気中のNO濃度を検出する場合の処理動作を例に挙げる。
(呼気注入)
呼気検査装置1を用いて被検者の呼気中のNO濃度を検出する場合には、先ず、操作部72での所定操作により、呼気検査装置1を起動して、定流量吸引ポンプ50が動作している状態にする。そして、起動状態の呼気検査装置1におけるマウスピース10を被検者の口にくわえさせて、その状態で被検者に呼気を吐き出させることで、マウスピース10の注入口に被検者の呼気を注入させる。これにより、被検者が吐く呼気は、マウスピース10を介して、圧力調整ノズル20のバッファ空間に流れ込むことになる。このとき、被検者が吐く呼気は、例えば、流量LがL=50ml/sec程度、圧力PがP=5〜20cmH2O(水中センチメートル)程度である。
(圧力調整)
被検者の呼気が流れ込むと、圧力調整ノズル20は、その呼気の圧力が所定圧力範囲内に属するようにする。具体的には、圧力調整ノズル20において、呼気の圧力が所定圧力範囲の上限値を超えないように調整する処理を行う。また、圧力センサ30および制御部80の圧力制御部82を利用しつつ、圧力調整ノズル20において、呼気の圧力が所定圧力範囲の下限値を下回らないように調整する処理を行う。
以下、呼気の圧力を調整する処理について、上限値調整と下限値調整に分けて順に説明する。
図2は、本実施形態に係る呼気検査装置における圧力調整ノズルの処理機能を例示する説明図である。
(上限値調整)
圧力調整ノズル20には、定流量吸引ポンプ50との間を結ぶ流路が接続されているとともに、予め設定された穴径で形成された固定排気穴21が設けられている。そのため、圧力調整ノズル20では、図2(a)に示すように、マウスピース10からの呼気EX1がバッファ空間に流れ込むと、そのうちの一部の呼気EX2が定流量吸引ポンプ50による吸引動作に応じて流路を通じて定流量吸引ポンプ50の側へ送られるとともに、そのうちの他部の呼気EX3が固定排気穴21を通じてバッファ空間外に排気される。これにより、定流量吸引ポンプ50の側へ送られる呼気EX2は、一定の圧力(すなわち、所定圧力範囲の上限値)を超えないように調整されるとともに、その流量についても一定の圧力を超えないように調整されることになる。
このとき、定流量吸引ポンプ50の側へ送られる呼気EX2と、外部に排気される呼気EX3とについて、それぞれの圧力割合および流量割合は、固定排気穴21の穴径に依存する。固定排気穴21の穴径は、以下に説明するように設定されているものとする。
例えば、マウスピース10からの呼気EX1の流量をL、その圧力をP、固定排気穴21の穴面積をS、呼気の流動抵抗係数(固定値)をρ、定流量吸引ポンプ50による呼気の吸引流量をLpとすると、以下に示す(1)式の関係が成り立つ。
呼気流量L=呼気圧P×(穴面積S/流動抵抗係数ρ)+吸引流量Lp・・・(1)
(1)式の両辺を時間微分すると、以下に示す(2)式のようになる。
dL/dt=S/ρ×dP/dt+0・・・(2)
(2)式によれば、穴面積Sが大きくなると、呼気圧Pの変動により発生する呼気の流速変動が大きくなることがわかる。つまり、ガス濃度センサ60による濃度検出の結果を安定させるためには、呼気の流速変動を抑制する必要があることから、固定排気穴21の穴面積Sを小さくするほうが有利であるといえる。
ここで、上述した(1)式を変形すると、以下に示す(3)式のようになる。
穴面積S=流動抵抗係数ρ×(呼気流量L−吸引流量Lp)/呼気圧P・・・(3)
(3)式によれば、定流量吸引ポンプ50による吸引流量Lpを差し引くことで、当該吸引流量Lpを導入しない場合に比べて、固定排気穴21の穴面積Sを小さくできることがわかる。つまり、定流量吸引ポンプ50の後段に定流量吸引ポンプ50を配置することで、当該定流量吸引ポンプ50がない場合に比べると、固定排気穴21の穴面積Sを小さくすることができる。このことは、固定排気穴21の穴面積Sを一意に決定する当該固定排気穴21の穴径が、定流量吸引ポンプ50による吸引流量Lpの設定値を踏まえた上で、その設定値に基づいて設定され得ることを意味しているといえる。
以上のことを踏まえつつ、本実施形態において、固定排気穴21の穴径は、例えば、マウスピース10からの呼気EX1の流量を「1」とした場合に、固定排気穴21から排気される呼気EX3の流量が「1/3〜2/3程度」となるように、その大きさを設定することが考えられる。このように設定されていれば、マウスピース10からの呼気EX1の一部が呼気EX3として固定排気穴21から排気されるので、定流量吸引ポンプ50の側へ送られる呼気EX2は、その圧力が所定圧力範囲の上限値を超えないように調整されることになる。また、呼気EX2については、マウスピース10からの呼気EX1の圧力、流量に対する依存関係の大きさを低減できるようになる。
具体的には、図2(b)に示すように、例えば、マウスピース10からの呼気EX1の圧力が予め設定された所定圧力範囲の上限値P1を超える場合があっても、呼気EX1の一部が呼気EX3として固定排気穴21から排気されるので、定流量吸引ポンプ50の側へ送られる呼気EX2については、上限値P1を超える分が削減されて(図中ハッチング部参照)、その圧力が所定圧力範囲内に属するように調整されることになる。
所定圧力範囲の上限値P1は、定流量吸引ポンプ50が流量可変を行う際に当該定流量吸引ポンプ50で対応可能な調整範囲の上限値に応じて規定されるものとする。つまり、呼気EX2の圧力変動が定流量吸引ポンプ50での流量可変制御に影響を及ぼし得ることから、流量制御部83からの指示に従って定流量吸引ポンプ50が流量可変を行う際に当該定流量吸引ポンプ50で対応可能な調整範囲の上限値内に収まるように(すなわち、呼気EX2の圧力変動等が定流量吸引ポンプ50での対応可能調整範囲から外れないように)、呼気EX2の圧力変動の上限値P1が規定される。このことからも、固定排気穴21の穴径は、定流量吸引ポンプ50による流量設定値を踏まえた上で、その設定値に基づいて設定され得るといえる。
以上のように、圧力調整ノズル20では、呼気EX1の一部を呼気EX3として排気する固定排気穴21を有することで、マウスピース10の注入口から注入された呼気EX1が呼気EX2として定流量吸引ポンプ50の側へ送られる際には、その呼気EX2の圧力が所定圧力範囲の上限値P1を超えないように調整される。なお、所定圧力範囲の上限値P1の一具体例としては、定流量吸引ポンプ50の仕様等によっても変わり得るが、呼気EX1の圧力PがP=5〜20cmH2O程度であるのに対して、例えば、P1=17〜20cmH2O程度とすることが考えられる。
なお、上限値P1に関する調整のために圧力調整ノズル20に設けられた固定排気穴21は、逆止弁としての機能を有して構成されたものであってもよい。固定排気穴21が逆止弁としての機能を有していれば、圧力調整ノズル20内への外気の逆流が生じてしまうことがない。そのため、圧力調整ノズル20での圧力調整が確実かつ的確なものとなる。また、外気に含まれる雑菌等の侵入も防げるので、衛生面でも非常に好ましいものとなる。
(下限値調整)
また、被検者の呼気が流れ込む圧力調整ノズル20には、バッファ空間内の呼気の圧力を検出する圧力センサ30が接続されている。圧力センサ30は、呼気EX1が圧力調整ノズル20のバッファ空間に流れ込むと、そのバッファ空間内の呼気の圧力を検出して、その検出結果を制御部80へ通知する。なお、圧力センサ30による圧力検出は、呼気検査装置1でのNO濃度検出が終了するまで、例えば所定周期毎に継続して行うものとする。
圧力センサ30による検出結果を受け取ると、制御部80では、その都度、受け取った検出結果を圧力制御部82が第1閾値または第2閾値と対比する。具体的には、圧力制御部82は、先ず、圧力センサ30による検出結果を第1閾値と対比して、その検出結果が第1閾値を下回るか否かを判断する。そして、圧力センサ30による検出結果が第1閾値を下回る場合には、続いて、その検出結果を第2閾値と対比して、その検出結果が第2閾値を下回るか否かを判断する。
第1閾値は、圧力調整ノズル20にて調整する所定圧力範囲の下限値に相当する値に設定されているものとする。したがって、圧力制御部82は、第1閾値との対比により、圧力センサ30による検出結果が所定圧力範囲の下限値を下回るか否かを判断することになる。
この判断の結果、圧力センサ30による検出結果が所定圧力範囲の下限値を下回っていなければ、圧力制御部82は、そのまま圧力センサ30による圧力検出を継続して行わせる。
一方、圧力センサ30による検出結果が所定圧力範囲の下限値を下回ると判断した場合、圧力制御部82は、その旨のアラーム情報を出力するように、出力制御部81に依頼する。そして、出力制御部81は、圧力制御部82からの依頼を受けて、アラーム情報の出力に必要となる表示画像を形成し、その表示画像を表示部71に出力させる。なお、アラーム情報を出力する表示画像の具体的な態様については、被検者が認識し得るものであれば、特に限定されるものではない。
これにより、呼気を吐出している被検者に対して、アラーム情報の出力により呼気の圧力が弱いことを認識させ、呼気の吐出力を強めるように注意喚起を促すことができる。その結果として、被検者が呼気の吐出力を強めれば、マウスピース10からの呼気EX1の圧力が上昇するので、これに伴って、定流量吸引ポンプ50の側へ送られる呼気EX2は、その圧力が所定圧力範囲の下限値を下回らないように調整されることになる。
具体的には、図2(b)に示すように、例えば、マウスピース10からの呼気EX1の圧力が予め設定された所定圧力範囲の下限値P2を下回る場合には、そのことを検出する圧力センサ30での検出結果に基づいて圧力制御部82がアラーム情報の出力を表示部71に行わせるので、これに応じて被検者が呼気の吐出力を強めることで、定流量吸引ポンプ50の側へ送られる呼気EX2について、下限値P2を下回る分が圧力増大されて(図中網点部参照)、その圧力が所定圧力範囲内に属するように調整されることになる。
所定圧力範囲の下限値P2は、被検者の軟口蓋が開かない程度の圧力値に規定されるものとする。つまり、例えば、被検者の軟口蓋が開いてしまうと、呼気に鼻腔からの空気が流入してしまい、適切なNO濃度検出が行えないおそれが生じてしまうため、このような事態が生じない程度の圧力値に下限値P2が規定される。なお、軟口蓋が開かない程度の圧力値は、一般に、5〜15cmH2O程度である。
また、所定圧力範囲の下限値P2は、定流量吸引ポンプ50が流量可変を行う際に当該定流量吸引ポンプ50で対応可能な調整範囲の下限値に応じて規定されるものとする。つまり、呼気EX2の圧力変動が定流量吸引ポンプ50での流量可変制御に影響を及ぼし得ることから、流量制御部83からの指示に従って定流量吸引ポンプ50が流量可変を行う際に当該定流量吸引ポンプ50で対応可能な調整範囲の下限値内に収まるように(すなわち、呼気EX2の圧力変動等が定流量吸引ポンプ50での対応可能調整範囲から外れないように)、呼気EX2の圧力変動の下限値P2が規定される。
さらに、所定圧力範囲の下限値P2(すなわち、第1閾値の設定値)は、ガス濃度センサ60におけるNO濃度の検出性能についても考慮して規定されていることが好ましい。具体的には、ガス濃度センサ60においてNO濃度の検出を適切に行える圧力範囲を下回らないように、下限値P2が規定されていることが考えられる。
以上のように、圧力調整ノズル20では、圧力センサ30での検出結果および圧力制御部82による制御処理を利用することで、マウスピース10の注入口から注入された呼気EX1が呼気EX2として定流量吸引ポンプ50の側へ送られる際には、その呼気EX2の圧力が所定圧力範囲の下限値P2を下回らないように調整される。なお、所定圧力範囲の下限値P2の一具体例としては、定流量吸引ポンプ50の仕様等によっても変わり得るが、呼気EX1の圧力PがP=5〜20cmH2O程度であるのに対して、例えば、P2=6〜8cmH2O程度とすることが考えられる。
また、圧力制御部82は、圧力センサ30による検出結果が所定圧力範囲の下限値を下回ると判断した場合、上述したアラーム情報の出力制御を行うことに加え、その検出結果を第2閾値と対比して、その検出結果が第2閾値を下回るか否かを判断する。
第2閾値は、上述した第1閾値よりも低圧の圧力値に相当するもので、ガス濃度センサ60におけるNO濃度の検出に支障が生じ得る程度の低圧値に設定されているものとする。したがって、圧力制御部82は、第2閾値との対比により、ガス濃度センサ60におけるNO濃度の検出に支障が生じ得るか否かを判断することになる。第2閾値の一具体例としては、ガス濃度センサ60の仕様等によっても変わり得るが、呼気EX1の圧力PがP=5〜20cmH2O程度であるのに対して、例えば、第2閾値=5〜6cmH2O程度とすることが考えられる。
この判断の結果、圧力センサ30による検出結果が第2閾値を下回る場合、ガス濃度センサ60でのNO濃度の検出を適切に行えないおそれがあることから、圧力制御部82は、ガス濃度センサ60によるNO濃度の検出を停止させる。これにより、ガス濃度センサ60が不正確なNO濃度検出を行ってしまうことを未然に回避することができる。
(水分除去)
圧力調整ノズル20で所定圧力範囲内に圧力が調整された呼気EX2は、定流量吸引ポンプ50の側へ送られる過程でフィルタ40を通過する。そのため、呼気EX2は、定流量吸引ポンプ50に到達するときには、水蒸気(水分)が除去された状態となる。このように、定流量吸引ポンプ50の上流側でフィルタ40が水分除去を行なえば、呼気EX2に含まれる水分が定流量吸引ポンプ50の動作に悪影響を及ぼしてしまうことを未然に回避することができる。
(流量調整)
フィルタ40で水分除去された呼気EX2は、定流量吸引ポンプ50の吸引動作によって、ガス濃度センサ60の側に送られる。このとき、定流量吸引ポンプ50は、呼気EX2を一定流量で後段(すなわち、ガス濃度センサ60の側)に流すように吸引動作を行う。つまり、呼気EX2は、定流量吸引ポンプ50で一定流量に調整された状態で、ガス濃度センサ60の側に送られることになる。
呼気EX2を一定流量に調整するのは、以下の理由による。ガス濃度センサ60でのNO濃度検出には、所定期間(例えば、20〜30秒程度)を要することが一般的である。そのため、NO濃度検出を高精度に行うためには、所定期間が経過するまでの間、NO濃度の検出対象となる呼気EX2を、流量変動がなく、かつ、必要十分な流量で、ガス濃度センサ60に供給することを要する。このことから、定流量吸引ポンプ50は、一定流量に調整するように吸引動作を行いつつ、呼気EX2をガス濃度センサ60の側に流すのである。
定流量吸引ポンプ50による一定流量は、ガス濃度センサ60でのNO濃度検出に必要十分な流量となるように設定されるものとする。一定流量の一具体例としては、ガス濃度センサ60の仕様等によっても変わり得るが、呼気EX1の流量LがL=50ml/sec程度であるのに対して、例えば、15〜30ml/sec程度のうちのいずれかの値とすることが考えられる。
ところで、定流量吸引ポンプ50での流量調整は、その定流量吸引ポンプ50に流れ込む呼気圧力の影響を受け得る。そのため、本実施形態において、定流量吸引ポンプ50は、ダイヤフラムを駆動する駆動モータの回転数制御により流量可変に対応するように構成されている。これにより、定流量吸引ポンプ50に流れ込む呼気圧力が変動しても、その影響によらずに、定流量吸引ポンプ50が呼気EX2を一定流量で後段に流せるようになっている。
具体的には、定流量吸引ポンプ50での流量調整にあたり、制御部80において、流量制御部83が圧力センサ30による圧力検出結果を監視している。そして、流量制御部83は、圧力センサでの検出結果である圧力値を基に、制御部80に設定されているテーブルであって圧力値とパルス幅の対応関係を規定したテーブルを参照しつつ、定流量吸引ポンプ50の駆動モータに印加するパルス幅を可変させる。これにより、定流量吸引ポンプ50では、流れ込む呼気圧力が変動しても、後段に流す呼気EX2の流量に変動が生じることなく、その流量を一定に維持することができるようになる。
特に、本実施形態においては、定流量吸引ポンプ50での流量調整に先立って、圧力調整ノズル20での圧力調整が行われている。つまり、定流量吸引ポンプ50に流れ込む呼気EX2は、圧力が所定圧力範囲内に属するように、その圧力が調整されている。したがって、定流量吸引ポンプ50での流量調整にあたり、呼気EX2の圧力変動が定流量吸引ポンプ50での対応可能調整範囲から外れてしまうことがないので、その定流量吸引ポンプ50において、ガス濃度センサ60の側に流す呼気EX2の流量を、確実に一定流量に維持することができる。
しかも、本実施形態において、流量制御部83は、一定流量に維持するための駆動制御を、定流量吸引ポンプ50の駆動モータに印加するパルス幅を可変させるPWM制御によって行う。PWM制御は、負荷変動に対する応答性能を高められる。したがって、PWM制御による駆動制御(すなわち、駆動モータの回転数制御)を行なえば、優れた応答性が得られるので、ガス濃度センサ60の側に流す呼気EX2の流量を一定流量に維持する上で非常に有用なものとなる。
(NO濃度検出)
定流量吸引ポンプ50が流量調整を行いつつ呼気EX2を後段に流すと、ガス濃度センサ60には、NO濃度の検出対象となる呼気EX2が、一定流量で(すなわち、流量変動のない状態で)送られてくる。定流量吸引ポンプ50からの呼気EX2を受け取ると、ガス濃度センサ60は、その呼気に含まれるNO濃度の検出を行う。NO濃度の検出手法については、公知技術を利用したものであればよく、ここでの説明を省略する。
NO濃度の検出にあたり、ガス濃度センサ60には、圧力調整ノズル20での圧力調整を経た後の呼気EX2が流れてくる。そのため、NO濃度の検出対象となる呼気EX2には、被検者の鼻腔からの空気が流入してしまうことがない。これにより、ガス濃度センサ60でのNO濃度検出の適切化が図れ、その検出結果が被検者の気道の炎症レベルの診断に適したものとなる。
また、NO濃度の検出にあたり、ガス濃度センサ60には、定流量吸引ポンプ50による流量調整を経た後の呼気EX2が流れてくる。そのため、NO濃度の検出対象となる呼気EX2は、NO濃度検出中の流量変動が抑制されたものとなる。これにより、ガス濃度センサ60でのNO濃度検出の適切化が図れ、その検出結果が高精度で、かつ、信頼性が高いものとなる。
呼気EX2に含まれるNO濃度の検出を行うと、ガス濃度センサ60は、その検出結果を制御部80に通知する。そして、制御部80では、ガス濃度センサ60から受け取った検出結果の出力に必要となる表示画像を形成し、その表示画像を表示部71に出力させる。これにより、表示部71は、ガス濃度センサ60による検出結果に関する情報を表示出力することになる。
表示部71が表示出力を行うと、その表示出力内容を視認する呼気検査装置1の操作者(例えば医療従事者)は、被検者の呼気中のNO濃度を把握して、喘息状態等の身体異常の有無を診断することができるようになる。
また、表示部71が表示出力を行うと、呼気検査装置1は、装置起動からの上述した一連の処理動作を終了する。ただし、一連の処理動作を行っている間、圧力センサ30は圧力調整ノズル20のバッファ空間内の呼気の圧力を検出しており、制御部80はその圧力センサ30による検出結果を監視している。そして、圧力センサ30による検出結果が第1閾値を下回り、さらに第2閾値をも下回った場合には、制御部80では、圧力制御部82がガス濃度センサ60によるNO濃度検出を停止させる。したがって、被検者による呼気が低圧すぎてNO濃度検出を適切に行えないおそれがある場合には、ガス濃度センサ60によるNO濃度検出が自動的に停止させることになるので、ガス濃度センサ60が不正確なNO濃度検出を行ってしまうことを未然に回避することができる。
<3.本実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下に述べる一つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態では、被検者の呼気の圧力が所定圧力範囲内に属するように圧力調整ノズル20が圧力調整を行い、圧力調整がされた呼気を一定流量で後段に流すように定流量吸引ポンプ50が流量調整を行い、定流量吸引ポンプ50によって後段に流れてくる呼気に含まれるNO濃度をガス濃度センサ60が検出するように、呼気検査装置1が構成されている。したがって、かかる呼気検査装置1を用いれば、被検者の呼気中のNO濃度検出にあたり、呼気の圧力および流量の両方について適切に制御することができる。
例えば、ガス濃度センサ60でのNO濃度検出に要する所定期間(例えば、20〜30秒程度)が経過するまでの間、呼気を一定の圧力および流量で安定させるように被検者に要求することは現実的ではない。ただし、その場合であっても、本実施形態で説明したように、呼気検査装置1の側において圧力調整ノズル20での圧力調整を経ることで、例えば被検者の鼻腔からの空気が呼気EX2に流入するといったことがなくなるので、ガス濃度センサ60でのNO濃度検出の適切化が図れ、その検出結果が被検者の気道の炎症レベルの診断に適したものとなる。また、呼気検査装置1の側において定流量吸引ポンプ50による流量調整を経ることで、NO濃度検出中における呼気EX2の流量変動が抑制されるので、ガス濃度センサ60でのNO濃度検出の適切化が図れ、その検出結果が高精度で、かつ、信頼性が高いものとなる。
しかも、本実施形態においては、定流量吸引ポンプ50での流量調整に先立って、圧力調整ノズル20での圧力調整が行われる。つまり、被検者による呼気EX1の圧力変動および流量変動の影響を圧力調整ノズル20で極力排除した後に、定流量吸引ポンプ50による流量調整を行うようになっている。したがって、ガス濃度センサ60の側に流す呼気EX2について、その流量を確実に一定流量に維持することができる。このことは、呼気EX2の圧力についても同様である。つまり、本実施形態においては、NO濃度検出の対象となる呼気EX2の圧力および流量を一定に維持することができ、これによりガス濃度センサ60によるNO濃度検出の適切化が図れるようになる。
以上のように、本実施形態で説明した呼気検査装置1を用いれば、被検者の呼気中のNO濃度検出にあたり、被検者による呼気の吐出態様の影響を排除しつつ当該呼気の圧力および流量を適切に一定範囲に維持することができ、これにより高精度で、かつ、信頼性が高いNO濃度の検出結果を得ることができる。
ちなみに、上述した本実施形態による効果は、圧力調整ノズル20での圧力調整と定流量吸引ポンプ50による流量調整との組み合わせによって得られるもので、当該圧力調整と当該流量調整とのいずれか一方のみでは実現が困難である。
例えば、呼気に対する圧力調整のみでは、ガス濃度センサに流れる呼気の流量変動を抑制できないため、そのガス濃度センサでのNO濃度検出に悪影響が及ぶおそれがある。
また、例えば、呼気に対する流量調整のみでは、圧力については必ずしも適切に制御できるとは限らず、また圧力変動が流量制御に悪影響を及ぼしてしまうおそれもある。このことは、特許文献1に開示された構成の装置を利用して流量を制御する場合が相当する。
これらに対して、本実施形態で説明した呼気検査装置1では、圧力調整ノズル20での圧力調整と定流量吸引ポンプ50による流量調整とを組み合わせ、しかも当該流量調整に先立って当該圧力調整を行うようにすることで、上述した効果が得られるのである。
(b)本実施形態では、ガス濃度センサ60が、被検者の呼気に含まれる所定ガス分子の濃度として、NO濃度の検出を行う。したがって、ガス濃度センサ60によるNO濃度の検出結果を把握することで、例えば、被検者の気道の炎症レベルを診断することが可能となる。つまり、喘息状態等の身体異常の有無を診断する上で非常に好適なものとなり、医療の現場で用いて非常に有用である。
(c)本実施形態では、圧力調整ノズル20が有する固定排気穴21を利用して、当該圧力調整ノズル20での圧力調整を行う。したがって、マウスピース10からの呼気が所定圧力範囲の上限値P1を超えないようにするのにあたり、その圧力調整を固定排気穴21という非常に簡素な構成によって行うことができる。
(d)特に、本実施形態では、定流量吸引ポンプ50が吸引動作を行う際の一定流量に基づいて、固定排気穴21の穴径が設定されている。したがって、固定排気穴21という非常に簡素な構成であっても、確実かつ適切に圧力調整ノズル20での圧力調整を行うことができる。
(e)本実施形態では、圧力センサ30での検出結果に基づいて、圧力調整ノズル20での圧力調整を行う。したがって、圧力調整ノズル20での圧力調整にあたり、マウスピース10からの呼気が所定圧力範囲の下限値P2を下回らないようにすることができる。しかも、その際に、表示部71でのアラーム情報の出力を利用して被検者に注意喚起を促すので、被検者が容易に状況を把握することができ、その結果として被検者にとって使い易いものとなる。
(f)特に、本実施形態では、圧力センサ30による検出結果が第1閾値を下回ると表示部71にアラーム情報を出力させ、当該検出結果が第2閾値を下回るとガス濃度センサ60による検出を停止させる。このように、二段階の閾値を用意しておくことで、呼気が所定圧力範囲の下限値P2を下回らないように圧力調整を行いつつ、ガス濃度センサ60でのNO濃度の検出を適切に行えない程度に呼気の圧力が低下した場合には、ガス濃度センサ60が不正確なNO濃度検出を行ってしまうことを未然に回避することができる。
(g)本実施形態では、定流量吸引ポンプ50が駆動モータの回転数制御により流量可変に対応するようになっているので、定流量吸引ポンプ50に流れ込む呼気圧力が変動しても、その影響によらずに、後段に流す呼気の流量を一定に維持することができる。したがって、ガス濃度センサ60には一定流量に維持された(すなわち、流量変動が抑制された)呼気が流れてくることになり、高精度で、かつ、信頼性が高いNO濃度の検出結果を得る上で非常に有用なものとなる。
(h)特に、本実施形態では、呼気を一定流量に維持するための定流量吸引ポンプ50の駆動制御をPWM制御によって行うので、優れた応答性が得ることができ、ガス濃度センサ60の側に流す呼気を一定流量に維持する上で非常に有用なものとなる。
(i)本実施形態では、定流量吸引ポンプ50の上流側でフィルタ40が水蒸気(水分)を除去するので、呼気に含まれる水分が定流量吸引ポンプ50の動作に悪影響を及ぼしてしまうことを未然に回避することができる。
<4.変形例等>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、ガス濃度センサ60による検出結果に関する情報等を表示部71で出力する場合(すなわち、表示部71が情報出力を行う出力部の一例である場合)について説明したが、本発明がこれに限定されることはない。例えば、情報出力を行う出力部は、有線または無線の通信回線を介して、当該通信回線上の外部装置に情報を出力するように構成されたものであってもよい。
また、上述の実施形態では、ガス濃度センサ60でNO濃度を検出する場合について説明したが、本発明がこれに限定されることはなく、他の種類の所定ガス分子の濃度を検出する場合であっても、全く同様に本発明を適用することが可能である。
1…呼気検査装置、10…マウスピース、20…圧力調整ノズル、21…固定排気穴、30…圧力センサ、40…フィルタ、50…定流量吸引ポンプ、60…ガス濃度センサ、71…表示部、72…操作部、80…制御部、81…出力制御部、82…圧力制御部、83…流量制御部

Claims (8)

  1. 被検者の呼気が注入される注入口を有するマウスピースと、
    前記マウスピースの前記注入口に注入された呼気の圧力が所定圧力範囲内に属するように調整するための圧力調整ノズルと、
    前記圧力調整ノズルで圧力が調整された呼気を一定流量で後段に流す定流量吸引ポンプと、
    前記定流量吸引ポンプによって後段に流れてくる呼気に含まれる所定ガス分子の濃度を検出するガス濃度センサと、
    前記ガス濃度センサによる検出結果に関する情報を出力する出力部と、
    を備え
    前記圧力調整ノズルは、予め設定された穴径で形成された固定排気穴を有しており、前記注入口に注入された呼気のうちの一部を前記定流量吸引ポンプの側へ送るとともに、当該呼気のうちの他部を前記固定排気穴から排気することで、前記定流量吸引ポンプの側へ送る呼気の圧力が前記所定圧力範囲の上限値を超えないように調整する
    呼気検査装置。
  2. 前記所定ガス分子が一酸化窒素である
    請求項1に記載の呼気検査装置。
  3. 前記固定排気穴は、前記一定流量に基づいて設定された穴径で形成されている
    請求項1または2に記載の呼気検査装置。
  4. 前記固定排気穴の穴径は、前記マウスピースからの呼気の流量を1とした場合に、前記固定排気穴から排気される呼気の流量が1/3〜2/3となるように、その大きさが設定されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の呼気検査装置。
  5. 前記圧力調整ノズルは、前記注入口に注入された呼気の圧力が前記所定圧力範囲の下限値を下回らないように調整するために当該呼気の圧力を検出する圧力センサと接続されており、
    前記出力部は、前記圧力センサによる検出結果に関する情報を出力するように構成されている
    請求項1から4のいずれか1項に記載の呼気検査装置。
  6. 前記圧力センサによる検出結果が所定の第1閾値を下回ると前記出力部にアラーム情報を出力させ、当該検出結果が所定の第2閾値を下回ると前記ガス濃度センサによる検出を停止させるように構成された圧力制御部
    を備える請求項5に記載の呼気検査装置。
  7. 前記定流量吸引ポンプは、駆動モータの回転数制御により流量可変に対応するように構成されており、
    前記圧力調整ノズルでの圧力変動に応じて前記駆動モータの回転数を制御して前記一定流量を維持するように構成された流量制御部を備える
    請求項1から6のいずれか1項に記載の呼気検査装置。
  8. 前記定流量吸引ポンプおよび前記流量制御部は、パルス幅変調制御による前記駆動モータの回転数制御を行うように構成されている
    請求項7に記載の呼気検査装置。
JP2019083724A 2019-04-25 2019-04-25 呼気検査装置 Active JP6727625B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019083724A JP6727625B1 (ja) 2019-04-25 2019-04-25 呼気検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019083724A JP6727625B1 (ja) 2019-04-25 2019-04-25 呼気検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6727625B1 true JP6727625B1 (ja) 2020-07-22
JP2020178879A JP2020178879A (ja) 2020-11-05

Family

ID=71664000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019083724A Active JP6727625B1 (ja) 2019-04-25 2019-04-25 呼気検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6727625B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024075437A1 (ja) * 2022-10-06 2024-04-11 株式会社日立ハイテク 分注装置およびプローブの状態確認方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2853847B2 (ja) * 1994-08-08 1999-02-03 大陽東洋酸素株式会社 NOx 含有呼気ガスの除害方法
JPH1048206A (ja) * 1996-07-30 1998-02-20 Suzuki Motor Corp 呼気採取分析装置
JP3512321B2 (ja) * 1997-12-15 2004-03-29 日立東京エレクトロニクス株式会社 呼気分析装置および呼気分析方法
US7101340B1 (en) * 2002-04-12 2006-09-05 Braun Charles L Spectroscopic breath profile analysis device and uses thereof for facilitating diagnosis of medical conditions
DE60322446D1 (de) * 2002-09-16 2008-09-04 Aerocrine Ab Gerät und Verfahren für eine diagnostische Gasanalyse
NL2000310C2 (nl) * 2006-11-09 2008-05-13 Univ Twente Inrichting voor het meten van het ammoniakgehalte in een gasmengsel.
JP2009058398A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Toyota Central R&D Labs Inc ガス濃縮検出装置
JP5795590B2 (ja) * 2009-11-03 2015-10-14 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 呼吸をモニタするシステム及び方法
EP3605053B1 (en) * 2017-03-23 2022-05-04 PHC Holdings Corporation Exhaled air measurement device
US20200000372A1 (en) * 2017-03-30 2020-01-02 Jms Inc. Sulfide gas concentration measuring device and sulfide gas concentration measuring method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020178879A (ja) 2020-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5199082B2 (ja) 呼吸用気体測定装置
AU2007222883B2 (en) Determination of apnea/hypopnea during CPAP treatment
US8230858B2 (en) Controlling the operation of a respiratory gas monitor
CA2752886A1 (en) Automated oxygen delivery system
US20060178592A1 (en) System and method for controlling the flow of exhaled breath during analysis
JP5997175B2 (ja) カプノグラフ情報だけに基づいて呼吸を識別するシステム及び方法
WO2010101812A2 (en) Automated oxygen delivery method
CN102186522A (zh) 具有柔性模式的通气机
JP2015506189A (ja) 圧補助装置を監視し且つ制御する方法及び装置
US11202875B2 (en) Cough assistance and measurement system and method
JP5927013B2 (ja) 生体情報モニタ装置
JP4855803B2 (ja) 呼吸機能検査装置
JP6727625B1 (ja) 呼気検査装置
CN218391088U (zh) 一种多呼吸道的气体检测系统
KR101725877B1 (ko) 의료용 고압 산소 챔버 내부의 이산화탄소 배출시스템 및 이를 이용한 이산화탄소 배출방법
CN112402752B (zh) 一种呼吸支持方法和呼吸支持设备
US9950132B2 (en) Systems and methods to determine the fraction of inhaled oxygen during ventilation
US20210213217A1 (en) Airway anomaly recognition method, ventilation device, and storage medium
KR101710901B1 (ko) 환자의 상태 정보를 기초로 자율 구동되는 인공 지능형 의료용 석션기 및 인공 지능형 의료용 석션기의 제어 방법
KR102075688B1 (ko) 환자의 상태 정보를 기초로 자율 구동되는 인공 지능형 의료용 석션기 및 인공 지능형 의료용 석션기의 제어 방법
EP1964514B1 (en) Controlling the operation of a respiratory gas monitor
JP2009125567A (ja) 生体内情報モニタ装置およびモニタ方法
JPH11319093A (ja) ガス供給制御装置
JP2010110372A (ja) 電子血圧計
KR102075711B1 (ko) 환자의 상태 정보를 기초로 자율 구동되는 인공 지능형 의료용 석션기의 동작 기준값 설정 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190927

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190927

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6727625

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250