JP6727090B2 - Alc取付枠とその組立工法 - Google Patents
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Description
ALCパネルは、多孔質、軽量、無機質であり、断熱性能及び耐火性能が高いことから、住宅の壁、床、屋根等に広く用いられている。
かかるALC取付枠は、例えば、特許文献1に開示されている。
(1)溶接作業者の熟練度により溶接部の品質にばらつきが生じやすい。
(2)溶接時の作業環境が悪く、溶接ヒュームによる健康被害、火災、感電、火傷などのおそれがある。
前記開口部を囲みドリルねじで結合可能な2〜5mmの板厚を有する複数の開口補強材と、
隣接する1対の前記開口補強材に跨って位置する複数の接合金物と、を備え、
前記開口補強材は、前記開口部の左右の辺に沿って上下方向に延びる1対の縦開口補強材を有し、
前記縦開口補強材は、前記ALCパネルの幅方向端面に沿って位置決めされ、断面がコの字型の部材であり、
前記コの字型は、前記ALCパネルの前記幅方向端面に沿って位置する第1平面部と、前記第1平面部と連続し前記ALCパネルの前面に沿って位置する第2平面部と、前記第2平面部と連続し前記第1平面部と平行に前記ALCパネルの前面側に位置する第3平面部と、を有する、ALC取付枠が提供される。
複数の前記開口補強材により前記開口部を囲む補強材位置決め工程と、
複数の接合金物を隣接する前記開口補強材に跨って位置決めする接合金物位置決め工程と、
前記接合金物を前記開口補強材にドリルねじで結合するねじ結合工程と、を有する、ALC取付枠の組立工法が提供される。
このALC取付枠100は、ALCパネル1で構成する平面に開口部2を設けるための構造物である。
複数の開口補強材10は、開口部2を囲んで位置する。
複数の接合金物20は、隣接する1対の開口補強材10に跨って位置する。
開口補強材10は、ドリルねじ30で結合可能な板厚を有する。すなわち、開口補強材10はすべてが薄板からなる。
また、接合金物20は、必要箇所にドリルねじ30の軸部を通す貫通穴35(穴明け加工による)を有する。
なお、本発明はこの構成に限定されず、開口部2は多角形以外の形状であってもよい。
ALCパネル1は、この例では厚さが約100mmの矩形板である。なお、ALCパネル1は、この例に限定されず、厚さが異なっても、形状が異なってもよい。
開口部2は、この例では左右の辺3が上下方向に延びる矩形開口部2aである。
1対の幅方向通し部材12は、この例では通しアングルであり、開口部2(矩形開口部2a)の上方及び下方に位置決めされ幅方向に延びる。「幅方向」は水平方向であるのが好ましいが、傾斜していてもよい。また、1対の幅方向通し部材12は、壁面を構成する建物の天井近傍と床面近傍にそれぞれ固定するのがよい。
1対の縦開口補強材14は、開口部2の左右の辺3に沿って上下方向に延びる。
開口補強材10は、さらに矩形開口部2aの下辺5(又は上辺4)に沿って延びる横開口補強材16を有する。
接合金物20は、さらに横開口補強材16の端部16aと縦開口補強材14の中間部14bとに跨って位置するL字形の第2接合金物24を有する。
第2接合金物24は、横開口補強材16の端部16a、及び、縦開口補強材14の中間部14bに、ドリルねじ30で結合されている。
パネル固定具26は、ALCパネル1と幅方向通し部材12又は横開口補強材16とに跨って位置し、幅方向通し部材12又は横開口補強材16の中間部12b,16bに、ドリルねじ30で結合可能な貫通穴35(穴明け加工による)を有する。
この図に示すように、縦開口補強材14は、ALCパネル1の幅方向端面に沿って位置決めされる断面がコの字型の部材である。この例において、縦開口補強材14は、厚さtの鋼板を折り曲げて断面をコの字型に成形している。厚さtは、呼び径3.5〜6.3mmのドリルねじ30で下穴開け、タップたて、締め付けを行える2〜5mmであるのが好ましく、特に3〜4mm(例えば3.2mm)であるのが好ましい。
この図に示すように、第1接合金物22は、断面がZ字型の部材である。この例において、第1接合金物22は、厚さtの鋼板を折り曲げて断面をZ字型に成形している。厚さtは、ボルト結合に適した厚さ(例えば4.5mm)であるのが好ましい。
第1部分21aと第2部分21bの段差は、例えば4〜8mm(この例では4.1mm)である。なおこの段差は、第1接合金物22の適用箇所に応じて設定するのがよい。
また、第1部分21aと第2部分21bには、必要に応じて予め、ボルトを通すボルト穴34、又はドリルねじ30の軸部を通す貫通穴35を設けるのがよい。
この図に示すように、幅方向通し部材12は、断面がL字型の部材である。この例において、幅方向通し部材12は、厚さtの鋼板を折り曲げて断面をL字型に成形している。厚さtは、縦開口補強材14と同様に、ドリルねじ30で下穴開け、タップたて、締め付けを行える厚さ(例えば3.2mm)であるのが好ましい。
図5〜図7において、第1接合金物22の第2部分21bは、ボルト・ナット32により縦開口補強材14の端部14a(この例で下端部)に結合され、第1接合金物22の第1部分21aは、幅方向通し部材12の中間部12bに、貫通穴35を通してドリルねじ30で結合されている。
この構成により、予め設けられたボルト穴34を用いて、接合金物20の第2部分21bと縦開口補強材14の端部14aを現場で容易に結合することができる。
この図に示すように、第2接合金物24は、L字形の部材である。この例において、第2接合金物24は、厚さtの鋼板を折り曲げてL字形に成形している。厚さtは、ボルト結合に適した厚さ(例えば4.5mm)であるのが好ましい。
第2接合金物24の寸法は、ドリルねじ30で結合した結合部が必要な強度を有するように設定する。また、第2接合金物24には、予め、ドリルねじ30の軸部を通す貫通穴35を設けるのがよい。
なおこの例では、L字形を構成する2枚の平板の奥行き長さが相違し、その正面に段差25を有する。この段差は、図1の左右において、勝手反対(対称)に設けるのがよい。
なお、段差25は、必須ではなく、これを省略し、左右の第2接合金物24を同一にしてもよい。
すなわち第2接合金物24のL字形を構成する2枚の平板の一方を縦開口補強材14の中間部14bにドリルねじ30で結合し、他方を、横開口補強材16の端部16aにドリルねじ30で結合するのがよい。
この構成により、横開口補強材16の端部16aと縦開口補強材14の中間部14bを現場で容易に結合(連結)することができる。
そのため、現場合わせはできるが、溶接作業に伴う上述した問題点があった。
そのため、幅方向通し部材12と第1接合金物22をドリルねじ30で結合するので、溶接作業なしに現場合わせでALC取付枠100を組み立てることができる。
従来例(B)では、ALCパネル1のメーカー毎に異なるパネル固定具9が供給されていた。このパネル固定具9には、ALCパネル1の雌ねじ穴と螺合するボルトを通す長穴9aが設けられ、パネル固定具9をボルトでALCパネル1の雌ねじ穴に固定し、パネル固定具9の本体を通しアングル7又は横開口補強材に溶接で結合していた。
そのため、現場合わせはできるが、溶接作業に伴う上述した問題点があった。
しかし、図10(A)のパネル固定具26は貫通穴35を有しており、貫通穴35を通るドリルねじ30により幅方向通し部材12の中間部12b又は横開口補強材16の中間部16bに結合することができる。
そのため、ドリルねじ30によるこの結合により、パネル固定具26を幅方向通し部材12又は横開口補強材16に、溶接作業なしに現場合わせで結合することができる。
平面は、好ましくは、上下方向に延びる壁面である。
開口部2は、好ましくは、左右の辺3が上下方向に延びる矩形開口部2aである。また、矩形開口部2aは、好ましくは、ALCパネル1の幅方向に延びる上辺4又は下辺5を有している。
この補強材位置決め工程S1において、1対の幅方向通し部材12を開口部2の上方及び下方に位置決めして幅方向に固定し、1対の縦開口補強材14を開口部2の左右の辺3に沿って上下方向に位置決めする。
「幅方向」は水平であるのが好ましいが、傾斜してもよい。「上下方向」は鉛直方向であるのが好ましいが傾斜していてもよい。
またこの補強材位置決め工程S1において、横開口補強材16を矩形開口部2aの上辺4又は下辺5に沿って位置決めするのがよい。
この接合金物位置決め工程S2では、第1接合金物22を、縦開口補強材14の端部14aと幅方向通し部材12の中間部12bとに跨って位置決めする。また、L字形の第2接合金物24を、横開口補強材16の端部16aと縦開口補強材14の中間部14bに位置決めする。
このねじ結合工程S3において、第1接合金物22を、縦開口補強材14の端部14aにボルトで結合し、かつ幅方向通し部材12の中間部12bにドリルねじ30で結合する。
またこのねじ結合工程S3において、L字形の第2接合金物24を、横開口補強材16の端部16a、及び、縦開口補強材14の中間部14bに、ドリルねじ30で結合する。
(2)工場での穴開け加工が可能な部材(縦開口補強材14、接合金物20)についてはボルト・ナット32による接合とし、予め穴開け加工ができない部材(幅方向通し部材12、横開口補強材16)についてはドリルねじ30による接合とする。
(3)従来の通しアングル7および開口補強材6である山形鋼は、板厚が6mmと厚くドリルねじ30での接合が困難であるため、鋼材の厚さを適応板厚(この例では3.2mm)とする。
(4)断熱ウレタン、造作工事の納まりを考慮して住戸内側への金物の突起は最小限度(この例では20mm以内)に収める。
(5)幅方向通し部材12、縦開口補強材14、横開口補強材16、接合金物20、及びパネル固定具26は全てのALCメーカーで採用可能とする。
(1)溶接機の準備、キャプタイヤの取り回し等が無くなることによる省力化と、品質の安定化が得られる。
(2)溶接ヒュームの発生がなくなることによる作業員の健康への影響が軽減される。
(3)火災や危険作業(感電、火傷)に対するリスクがなくなる。
(4)環境配慮、例えば電力使用量の削減ができる。
5 下辺、6 開口補強材、7 通しアングル、8 フラットバー、9 パネル固定具、
9a 長穴、10 開口補強材、12 幅方向通し部材、12b 中間部、
13a,13b 平面部、14 縦開口補強材、14a 端部、14b 中間部、
15a 第1平面部、15b 第2平面部、15c 第3平面部、16 横開口補強材、
16a 端部、16b 中間部、20 接合金物、21a 第1部分、
21b 第2部分、22 第1接合金物、24 第2接合金物、25 段差、
26 パネル固定具、26b 長穴、30 ドリルねじ、32 ボルト・ナット、
34 ボルト穴、35 貫通穴、100 ALC取付枠
Claims (10)
- ALCパネルで構成する平面に開口部を設けるためのALC取付枠であって、
前記開口部を囲みドリルねじで結合可能な2〜5mmの板厚を有する複数の開口補強材と、
隣接する1対の前記開口補強材に跨って位置する複数の接合金物と、を備え、
前記開口補強材は、前記開口部の左右の辺に沿って上下方向に延びる1対の縦開口補強材を有し、
前記縦開口補強材は、前記ALCパネルの幅方向端面に沿って位置決めされ、断面がコの字型の部材であり、
前記コの字型は、前記ALCパネルの前記幅方向端面に沿って位置する第1平面部と、前記第1平面部と連続し前記ALCパネルの前面に沿って位置する第2平面部と、前記第2平面部と連続し前記第1平面部と平行に前記ALCパネルの前面側に位置する第3平面部と、を有する、ALC取付枠。 - 前記開口部は、多角形の開口であり、
前記開口補強材は、前記多角形の辺に沿って延びる直線部材である、請求項1に記載のALC取付枠。 - 前記平面は、上下方向に延びる壁面であり、
前記開口部は、左右の辺が前記上下方向に延びる矩形開口部であり、
前記開口補強材は、さらに、
前記開口部の上方及び下方に位置決めされ幅方向に延びる1対の幅方向通し部材を有し、
前記接合金物は、前記縦開口補強材の端部と前記幅方向通し部材の中間部とに跨って位置する第1接合金物を有し、
前記第1接合金物は、前記縦開口補強材の前記端部にボルトで結合され、かつ前記幅方向通し部材の前記中間部にドリルねじで結合されている、請求項2に記載のALC取付枠。 - 前記矩形開口部は、前記ALCパネルの幅方向に延びる上辺又は下辺を有しており、
前記開口補強材は、前記矩形開口部の前記上辺又は前記下辺に沿って延びる横開口補強材を有し、
前記接合金物は、前記横開口補強材の端部と前記縦開口補強材の中間部とに跨って位置するL字形の第2接合金物を有し、
前記第2接合金物は、前記横開口補強材の前記端部、及び、前記縦開口補強材の前記中間部に、前記ドリルねじで結合されている、請求項3に記載のALC取付枠。 - 前記ALCパネルと前記幅方向通し部材又は前記横開口補強材とに跨って位置し、前記幅方向通し部材又は前記横開口補強材の前記中間部に、前記ドリルねじで結合可能なパネル固定具を有する、請求項4に記載のALC取付枠。
- 前記第1平面部は、前記ALCパネルの前記幅方向端面に沿って密着して位置しかつ隣接する別のALCパネルとの間にその幅方向端面に密着して位置する、請求項1に記載のALC取付枠。
- 前記第1接合金物は、断面がZ字型の部材であり、前記幅方向通し部材に接触する第1部分と、前記縦開口補強材の前記第2平面部に接触する第2部分と、を有する、請求項3に記載のALC取付枠。
- 請求項1に記載のALC取付枠の組立工法であって、
複数の前記開口補強材により前記開口部を囲む補強材位置決め工程と、
複数の接合金物を隣接する前記開口補強材に跨って位置決めする接合金物位置決め工程と、
前記接合金物を前記開口補強材にドリルねじで結合するねじ結合工程と、を有する、ALC取付枠の組立工法。 - 前記平面は、上下方向に延びる壁面であり、
前記開口部は、左右の辺が前記上下方向に延びる矩形開口部であり、
1対の幅方向通し部材を、前記開口部の上方及び下方に位置決めして幅方向に固定し、
1対の縦開口補強材を、前記開口部の左右の前記辺に沿って前記上下方向に位置決めし、
第1接合金物を、前記縦開口補強材の端部と前記幅方向通し部材の中間部とに跨って位置決めし、
前記第1接合金物を、前記縦開口補強材の前記端部にボルトで結合し、かつ前記幅方向通し部材の前記中間部に前記ドリルねじで結合する、請求項8に記載のALC取付枠の組立工法。 - 前記矩形開口部は、前記ALCパネルの幅方向に延びる上辺又は下辺を有しており、
横開口補強材を、前記矩形開口部の前記上辺又は前記下辺に沿って位置決めし、
L字形の第2接合金物を、前記横開口補強材の端部、及び、前記縦開口補強材の中間部に、前記ドリルねじで結合する、請求項9に記載のALC取付枠の組立工法。
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JP2016194318A JP6727090B2 (ja) | 2016-09-30 | 2016-09-30 | Alc取付枠とその組立工法 |
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JP2018053670A JP2018053670A (ja) | 2018-04-05 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
KR102492660B1 (ko) * | 2022-05-31 | 2023-01-30 | (주)베셀 | 건식패드와 물탱크 하부 프레임의 체결 결합장치 |
-
2016
- 2016-09-30 JP JP2016194318A patent/JP6727090B2/ja active Active
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KR102492660B1 (ko) * | 2022-05-31 | 2023-01-30 | (주)베셀 | 건식패드와 물탱크 하부 프레임의 체결 결합장치 |
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