JP6724755B2 - 熱音響装置 - Google Patents

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Description

ここに開示される技術は、熱音響効果により熱エネルギを音響エネルギに変換し、この音響エネルギを他のエネルギに変換して出力する熱音響装置に関する。
従来から、例えばエンジンの排熱を入力して熱音響効果により音響エネルギに変換し、音響エネルギを冷熱等の他のエネルギに変換して出力する熱音響装置がある。このような装置は、例えば下記特許文献1に開示されている。
特開2012−154251号公報
しかしながら、上記従来技術の熱音響装置では、給熱源であるエンジンから供給される熱エネルギが不充分である場合には、充分な安定した出力を行なうことができないという問題がある。
ここに開示される技術は、上記点に鑑みてなされたものであり、給熱源から供給される熱エネルギが不充分な場合であっても、安定した出力を得ることが可能な熱音響装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、開示される熱音響装置では、
内部に作業ガスが封入されて作業ガスの音波の伝達経路を形成する管部材(20)と、
管部材に設けられ、外部より入力される熱エネルギ以外の入力エネルギを、熱エネルギを介さずに音響エネルギに変換して、作業ガスに音波を発生可能な第1音波発生部(30)と、
管部材に設けられ、給熱源(60)より供給される熱エネルギを音響エネルギに変換して、作業ガスに熱音響自励振動による音波を発生可能な第2音波発生部(40)と、
管部材に設けられ、第1音波発生部からの音波及び第2音波発生部からの音波の音響エネルギを音響エネルギ以外の他のエネルギに変換し、他のエネルギを出力可能な出力部(50)と、を備え
出力部を第1出力部と呼ぶときに、
第2音波発生部を、音波を発生させる音波発生モードと、音波の発生を中止して、第1音波発生部からの音波の音響エネルギを熱エネルギに変換して、当該熱エネルギを出力する第2出力部として機能させる熱出力モードと、に切り替え可能なモード切替装置(61、91、93、94、65、95)を更に備える。
これによると、開示される熱音響装置は、第1音波発生部、第2音波発生部及び出力部を備えている。第1音波発生部は、外部より入力される熱エネルギ以外の入力エネルギを音響エネルギに変換する。一方、第2音波発生部は、給熱源より供給される熱エネルギを音響エネルギに変換する。そして、出力部は、第1音波発生部及び第2音波発生部の両者からの音波の音響エネルギを他のエネルギに変換して出力することができる。
したがって、給熱源から供給される熱エネルギが充分でなく、第2音波発生部で発生する音波の音響エネルギが不足する場合には、第1音波発生部で熱エネルギ以外の入力エネルギを音響エネルギに変換して不足分を賄うことができる。これにより、第1音波発生部及び第2音波発生部の両者からの音波の音響エネルギを出力部で他のエネルギに変換することができる。このようにして、給熱源から供給される熱エネルギが不充分な場合であっても、安定した出力を得ることができる。
なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示技術の範囲を限定するものではない。
第1実施形態の熱音響装置の概略構成図である。 第1実施形態の熱音響装置の第1音波発生部を模式的に示す構成図である。 第1実施形態の熱音響装置を用いた空調装置を模式的に示す構成図である。 第1実施形態の空調装置の廃熱不足状態の作動を説明する図である。 第1実施形態の空調装置の廃熱充足状態の作動を説明する図である。 第1実施形態の空調装置の廃熱極不足状態の作動を説明する図である。 第1実施形態の熱音響装置におけるエネルギ流分布を示すグラフであり、廃熱不足状態の分布を示している。 第1実施形態の熱音響装置におけるエネルギ流分布を示すグラフであり、廃熱充足状態の分布を示している。 第1実施形態の熱音響装置におけるエネルギ流分布を示すグラフであり、廃熱極不足状態の分布を示している。 第2実施形態の空調装置を模式的に示す構成図である。 他の実施形態の熱音響装置の車両搭載状態の一例を示す図である。 他の実施形態の熱音響装置の車両搭載状態の一例を示す図である。 他の実施形態の熱音響装置の車両搭載状態の一例を示す図である。 他の実施形態の熱音響装置の車両搭載状態の一例を示す図である。
以下に、図面を参照しながら開示技術を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
開示技術を適用した第1実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態における熱音響装置10は、管部材20、第1音波発生部30、第2音波発生部40、及び冷却器50を備えている。管部材20は、ループ状に形成された第1ループ管21と、ループ状に形成された第2ループ管22と、第1ループ管21及び第2ループ管22を連通する連結管23とを有する。
管部材20は、例えば、ステンレス製の円形断面の管である。管部材20の内部には作業ガスが封入されている。作業ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の低分子数の不活性ガスが単独あるいは混合されて用いられる。管部材20内には、作業ガスが、例えば0.1〜3.0MPa程度の圧力で充填される。管部材20は、その内部に作業ガスの音波伝達経路を形成する。熱音響装置10は、所謂ダブルループ型の熱音響機関である。
第1ループ管21には、第1音波発生部30及び第2音波発生部40が設けられている。第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、熱音響装置10における原動機である。第1音波発生部30は、電気エネルギを音響エネルギに変換する音波発生機能を有する。第2音波発生部40は、熱エネルギを音響エネルギに変換する音波発生機能を有する。第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、第1ループ管21に対して直列に配置されている。すなわち、第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、音波伝達経路における音波の進行方向に沿って直列に配置されている。
図2に示すように、本例の第1音波発生部30は、振動板31、ベローズ32、及びコイル33を有する。振動板31は、磁性材からなる薄板材により構成されており、第1ループ管21内の音波伝達経路を横切るように配設されている。ベローズ32は、振動板31の外周部と第1音波発生部30のハウジングとを繋ぐように接続しており、振動板31を音波伝達経路延在方向において変位可能に支持している。コイル33は、振動板31の両側に設けられており、通電に伴い発生する電磁力により振動板31を振動可能となっている。
第1音波発生部30は、電気エネルギを入力して振動板31を振動させることで音波を発生可能である。第1音波発生部30は、図2を用いて説明した構成に限定されない。第1音波発生部30は、電気エネルギを入力して、熱エネルギを介さずに音響エネルギに変換し、作業ガスに音波を発生させるものであればよい。また、第1音波発生部30は、音波進行方向における上流側からの音波を減衰させることなく、発生させた音波を重畳できるものであることが好ましい。
第1音波発生部30は、例えば、振動板の片側のみにコイルを有し、振動板を弾性部材で支持するものであってもよい。また、第1音波発生部30は、例えば、リニア駆動モータを有するものであってもよい。第1音波発生部30は、第1ループ管21内の音波伝達経路を横切るように配置されるものに限定されない。第1音波発生部30は、第1ループ管21の音波伝達通路に臨む壁面に設けられるものであってもよい。
第2音波発生部40は、第1ループ管21の内部に収容されたスタック41と、スタック41の高温端となる一端部に設けられた高温側熱交換器42と、スタック41の低温端となる他端部に設けられた低温側熱交換器43とを有する。高温側熱交換器42は、給熱源から熱エネルギを輸送する熱輸送媒体との熱交換により作業ガスを加熱する。低温側熱交換器43は、熱輸送媒体との熱交換により作業ガスを冷却する。
スタック41は、例えば、ステンレス製の金属メッシュを複数枚積層した構造体により構成される。これにより、スタック41内には、微小間隔で微細な作業ガスの通路が形成されている。スタック41は、例えば、セラミックスや焼結金属からなるハニカム構造体であってもよい。
スタック41内の通路壁には、両端に配設された熱交換器の機能により第1ループ管21の延在方向に温度勾配が生じる。温度勾配の生じたスタック41内の微細通路において作業ガスがこの温度勾配に沿って移動すると、熱音響効果によって作業ガスに自励的な圧力変動が発生する。すなわち、スタック41は、作業ガスに熱音響自励振動による音波を発生させる。第1ループ管21内の音波伝達経路には、第2音波発生部40の高温端側から図1の矢印で示す方向に進む進行波及び定在波の音波が発生する。
第1ループ管21内の音波は、一部が連結管23を介して第2ループ管22内へ伝搬される。連結管23は、音波進行方向における上流端が第1ループ管21に接続し、音波進行方向における下流端が第2ループ管22に接続している。第1ループ管21において、第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、連結管23接続部位の比較的近傍に配置されている。第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、第1ループ管21内の音波進行方向において、連結管23接続部位よりも上流側の部位に、上流側から第1音波発生部30及び第2音波発生部40の順に配置されている。換言すれば、第1音波発生部30が第2音波発生部40よりも音波進行方向における上流側に配置され、音波伝達経路の音響エネルギのレベルが、音波進行方向における第1音波発生部30の上流端よりも第2音波発生部40の下流端の方が高くなる構成である。
第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、第1ループ管21の延在方向において、相互に比較的近接して配置されている。第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、第1ループ管21の延在方向において、第1音波発生部30、低温側熱交換器43、スタック41、高温側熱交換器42の順に配置されている。そして、第1ループ管21の延在方向において、第1音波発生部30の下流端とスタック41の低温端との対向間隔よりも、スタック41の高温端と第1音波発生部30の上流端との対向間隔の方が大きくなるように配置されている。第1音波発生部30の振動板31と第2音波発生部40のスタック41との配置関係は、其々が発生する音波同士が干渉して音響エネルギを弱め合わないように設定されている。
第2ループ管22には、冷却器50が設けられている。冷却器50は、熱音響装置10における受動機であり、音響エネルギを熱エネルギに変換する蓄熱機能を有する。冷却器50は、第1音波発生部30及び第2音波発生部40からの音波の音響エネルギを熱エネルギに変換し、熱エネルギを出力する出力部に相当する。
冷却器50は、第2ループ管22の内部に収容されたスタック51と、スタック51の高温端となる一端部に設けられた高温側熱交換器52と、スタック51の低温端となる他端部に設けられた低温側熱交換器53とを有する。高温側熱交換器52は、熱交換により作業ガスが有する熱を熱輸送媒体に放熱する。低温側熱交換器53は、熱交換により熱輸送媒体が有する熱を作業ガスに吸熱する。
スタック51は、スタック41と同様に、例えば、ステンレス製の金属メッシュを複数枚積層した構造体により構成される。これにより、スタック51内には、微小間隔で微細な作業ガスの通路が形成されている。スタック51は、例えば、セラミックスや焼結金属からなるハニカム構造体であってもよい。
連結管23内を介して第2ループ管22内へ音波が伝搬され、スタック51内の微細通路へ高温端側から進入すると、作業ガスと通路壁との間で音響エネルギから熱エネルギへの変換と、熱エネルギから音響エネルギへの変換とが繰り返される。その過程で、スタック51の低温端から高温端へ熱輸送が行なわれる。冷却器50は、音響エネルギを用いてスタック51の低温端から高温端へ熱輸送するヒートポンプである。
第2ループ管22において、冷却器50は、連結管23接続部位の比較的近傍に配置されている。冷却器50は、第2ループ管22内の音波進行方向において、連結管23接続部位よりも上流側の部位に配置されている。冷却器50は、第2ループ管22の延在方向において、高温側熱交換器52、スタック51、低温側熱交換器53の順に配置されている。
冷却器50は、音響エネルギを音響エネルギ以外の他のエネルギである熱エネルギに変換して出力する。冷却器50は、熱エネルギをスタック51の低温端に設けた低温側熱交換器53から冷熱として出力する。
本実施形態の熱音響装置10は、例えば、車両用の空調装置に適用して好適な装置である。図3に示すように、空調装置1は、空調ケース2、クーラコア3、及びヒータコア4を備えている。空調ケース2は、車室内へ吹き出す空気の空気通路を内部に形成する。クーラコア3及びヒータコア4は、空調ケース2内に配設されている。空調装置1は、クーラコア3で空調ケース2内を流通する空気から吸熱して空気を冷却した後、冷却された空気をヒータコア4からの放熱で適宜加熱して、車室内へ温度調節した空調風を吹き出し、車室内を空調することが可能である。
車両に搭載された内燃機関であるエンジン60には、エンジン冷却水をヒータコア4及び高温側熱交換器42に循環可能な循環回路61と、循環回路61にエンジン冷却水を循環する循環ポンプ62とが設けられている。循環回路61においてエンジン60の冷却水流れ下流側には、排熱回収器64が設けられている。排熱回収器64は、エンジン60の排ガスが有する熱量でエンジン冷却水を加熱して、排ガス廃熱を回収する。
循環回路61は、排熱回収器64の下流側で流路61aと流路61bとに分岐している。流路61aと流路61bとは循環ポンプ62の上流側で合流している。ヒータコア4は、循環回路61の流路61aに設けられ、第2音波発生部40の高温側熱交換器42は、循環回路61の流路61bに設けられている。高温側熱交換器42では、排熱回収器64から流出する熱輸送媒体としてのエンジン冷却水との熱交換により、作業ガスが加熱される。エンジン60は、本実施形態における給熱源に相当する。また、排熱回収器64は、本実施形態における排気熱回収部に相当する。排熱回収器64は、給熱源の一種であるということもできる。
図3では、循環回路61は、エンジン冷却水をエンジン60、排熱回収器64、ヒータコア4の順に循環する循環路と、エンジン60、排熱回収器64、高温側熱交換器42の順に循環する循環路を組み合わせた構成としていたが、これに限定されるものではない。また、循環回路61には、エンジン冷却水が有する熱を外部に放熱するための高温ラジエータを備えていてもよい。
車両には蓄電装置70及びインバータ装置80が搭載されている。蓄電装置70は、例えば車両走行駆動用のモータジェネレータに対して充放電が可能となっている。また、蓄電装置70は、例えば車両外部の外部電源からの充電や車両外部への放電も可能とすることができる。上記した蓄電装置70の充放電に際しては、電力変換装置としてのインバータ装置80により交流/直流変換が行なわれる。蓄電装置70は、第1音波発生部30にも給電可能となっている。蓄電装置70は、本実施形態における給電源に相当する。
インバータ装置80は、電力変換時のスイッチング素子のスイッチング動作により発熱する。インバータ装置80には、インバータ装置80を冷却するインバータ冷却水を低温ラジエータ83に循環可能な循環回路81と、循環回路81にインバータ冷却水を循環する循環ポンプ82とが設けられている。冷却器50の高温側熱交換器52及び第2音波発生部40の低温側熱交換器43は、循環回路81におけるインバータ装置80と低温ラジエータ83との間に設けられている。高温側熱交換器52及び低温側熱交換器43では、インバータ装置80から流出して低温ラジエータ83へ導かれる熱輸送媒体としてのインバータ冷却水と作業ガスとの熱交換が行なわれる。インバータ冷却水は、電力変換装置を冷却する液相の冷却媒体であり、循環回路81は、電力変換装置の排熱を系外に廃棄可能な冷却媒体回路である。
冷却器50の低温側熱交換器53には、作業ガスとの熱交換で冷却された熱輸送媒体をクーラコア3に循環するための循環回路91が接続している。循環回路91には、循環回路91に熱輸送媒体を循環する循環ポンプ92が設けられている。低温側熱交換器53からの冷熱出力が熱輸送媒体によりクーラコア3に輸送され、クーラコア3において車室内へ吹き出す空気が冷却される。
循環回路91は、クーラコア3の下流側で流路91aと流路91bとに分岐している。流路91aと流路91bとは循環ポンプ92の上流側で合流している。低温側熱交換器53は、循環回路91の流路91aに設けられている。流路91bは、循環回路91を流れる熱輸送媒体を第2音波発生部40の高温側熱交換器42に流通可能に設けられている。
循環回路61の流路61bと循環回路91の流路91bとは、流路としての共用部を有しており、この共用部に高温側熱交換器42が設けられている。流路61bと流路91bとの共用部の上流端には、この共用部へ流れ込む流体流路を切り替えるための切替バルブ93が設けられている。また、流路61bと流路91bとの共用部の下流端には、この共用部から流れ出す流体流路を切り替えるための切替バルブ94が設けられている。切替バルブ93、94は連動して流路切り替え動作を行ない、高温側熱交換器42に流れる流体を、循環回路61を流れるエンジン冷却水、又は、循環回路91を流れる熱輸送媒体に選択的に切り替え可能となっている。
次に、上記した構成の熱音響装置10を用いた空調装置1の作動について説明する。図4は、エンジン60から供給される廃熱があるものの、廃熱の熱エネルギだけでは出力部における冷熱出力が不足する廃熱不足状態を示している。図5は、エンジン60から供給される廃熱の熱エネルギに基づき出力部において充分な冷熱出力を行なうことができる廃熱充足状態を示している。図6は、エンジン60から供給される廃熱がほとんどなく、第2音波発生部40で音波の発生が困難な廃熱極不足状態を示している。なお、図4〜図6では、循環回路に流体が流れている部分を実線で、循環回路に流体が流れていない部分を破線で示している。
例えばエンジン60始動直後や低負荷時等に、エンジン60から供給される廃熱はあるが冷却器50における冷凍能力が不足する場合には、図4に示す廃熱不足状態の運転モードが設定される。循環ポンプ62、82、92が駆動され、切替バルブ93、94は、高温側熱交換器42に循環回路61を流れるエンジン冷却水が流通するように流路を設定する。また、蓄電装置70から第1音波発生部30に対して給電が行なわれる。
第1音波発生部30では、入力された電気エネルギが音響エネルギに変換されて音波が発生する。また、第2音波発生部40では、熱音響効果により音波が発生する。冷却器50において所望の冷熱出力を得るために必要な音響エネルギが、第2音波発生部40からの音波の音響エネルギでは不足する分を、第1音波発生部30からの音響エネルギで賄うように、第1音波発生部30へ入力する電気エネルギが調節される。図4に示す廃熱不足状態の場合には、図7に示すようにエネルギ変換が行なわれる。
図7は、廃熱不足状態における熱音響装置10のエネルギ流分布を示すグラフである。グラフの横軸は管部材20の延在方向における位置を示している。一方縦軸はエネルギ流を示しており、0より上方では仕事流Iを、0より下方では熱流Qを示している。なお、これは、後で説明する図8及び図9においても同様である。
例えばエンジン60高負荷時等に、エンジン60から供給される廃熱が充分にあり冷却器50における冷凍能力が不足しない場合には、図5に示す廃熱充足状態の運転モードが設定される。循環ポンプ62、82、92が駆動され、切替バルブ93、94は、高温側熱交換器42に循環回路61を流れるエンジン冷却水が流通するように流路を設定する。このとき、蓄電装置70から第1音波発生部30に対して給電は行われない。
第2音波発生部40では、熱音響効果により音波が発生する。冷却器50において所望の冷熱出力を得るために必要な音響エネルギが、第2音波発生部40からの音波の音響エネルギで全て賄われる。図5に示す廃熱充足状態の場合には、図8に示すようにエネルギ変換が行なわれる。
例えば低外気温時のエンジン60始動直後等に、エンジン60から供給される廃熱ほとんどなく、第2音波発生部40において熱音響効果による音波の発生が困難な場合には、図6示す廃熱極不足状態の運転モードが設定される。循環ポンプ62、82、92が駆動され、切替バルブ93、94は、高温側熱交換器42に循環回路91を流れる熱輸送媒体が流通するように流路を設定する。また、蓄電装置70から第1音波発生部30に対して給電が行なわれる。
第1音波発生部30では、入力された電気エネルギが音響エネルギに変換されて音波が発生する。また、第2音波発生部40からは音波が発生されず、音響エネルギを熱エネルギに変換する。第2音波発生部40は、熱音響効果によりヒートポンプとして作動する。このとき、高温側熱交換器42は低温側熱交換器として機能し、低温側熱交換器43は高温側熱交換器として機能する。出力部である冷却器50を第1出力部としたときに、第2音波発生部40が第2出力部となり、第1、第2出力部が協働して冷熱を出力する。このとき、第2音波発生部40は、第2冷却器、又は補助冷却器と呼ぶこともできる。
冷却器50及び第2音波発生部40において所望の冷熱出力を得るために必要な音響エネルギが、第1音波発生部30からの音響エネルギで賄われるように、第1音波発生部30へ入力する電気エネルギが調節される。図6に示す廃熱極不足状態の場合には、図9に示すようにエネルギ変換が行なわれる。
図4に示す廃熱不足状態、及び図5に示す廃熱充足状態では、第2音波発生部40は、熱エネルギを音響エネルギに変換して音波を発生する音波発生モードに設定される。図6に示す廃熱極不足状態では、第2音波発生部40は、音波の発生を中止し、音波の音響エネルギを熱エネルギに変換して出力する熱出力モードに設定される。循環回路61、91、及び、循環回路61、91の回路構成を切り替える切替バルブ93、94は、音波発生モードと熱出力モードとを切り替えるモード切替装置に相当する。
以上、3つの作動状態について説明したが、空調装置1が冷熱を必要としない場合には、例えば、第2音波発生部40で発生した音波の音響エネルギを、第1音波発生部30で音響エネルギから電気エネルギに変換して出力させてもよい。第1音波発生部30として、例えばリニア駆動するボイスコイル電動機等を採用すれば、電気エネルギと音響エネルギとの相互の変換が容易である。
本実施形態の熱音響装置10によれば、以下に述べるような効果を得ることができる。
熱音響装置10は、管部材20、第1音波発生部30、第2音波発生部40、及び出力部である冷却器50を備える。管部材20は、内部に作業ガスが封入されて、作業ガスの音波の伝達経路を形成する。第1音波発生部30は、管部材20に設けられている。第1音波発生部30は、外部より入力される熱エネルギ以外の入力エネルギを、熱エネルギを介さずに音響エネルギに変換して、作業ガスに音波を発生可能である。第2音波発生部40は、管部材20に設けられている。第2音波発生部40は、給熱源であるエンジン60より供給される熱エネルギを音響エネルギに変換して、作業ガスに熱音響自励振動による音波を発生可能である。出力部である冷却器50は、管部材20に設けられている。第1音波発生部30からの音波及び第2音波発生部40からの音波の音響エネルギを音響エネルギ以外の他のエネルギである冷熱エネルギに変換して出力可能である。
これによると、熱音響装置10は、第1音波発生部30、第2音波発生部40及び出力部である冷却器50を備えている。第1音波発生部30は、外部より入力される熱エネルギ以外の入力エネルギを音響エネルギに変換する。一方、第2音波発生部40は、エンジン60より供給される熱エネルギを音響エネルギに変換する。そして、出力部である冷却器50は、第1音波発生部30及び第2音波発生部40の両者からの音波の音響エネルギを他のエネルギに変換して出力することができる。
したがって、エンジン60から供給される熱エネルギが充分でなく、第2音波発生部40で発生する音波の音響エネルギが不足する場合には、第1音波発生部30で熱エネルギ以外の入力エネルギを音響エネルギに変換して不足分を賄うことができる。これにより、第1音波発生部30及び第2音波発生部40の両者からの音波の音響エネルギを、冷却器50で冷熱エネルギに変換することができる。このようにして、給熱源であるエンジン60から供給される熱エネルギが不充分な場合であっても、安定した出力を得ることができる。
また、外部より入力される熱エネルギ以外の入力エネルギは、給電源である蓄電装置70から供給される電気エネルギである。これによると、第1音波発生部30では、入力される電気エネルギを、熱エネルギを介さずに音響エネルギに変換することができる。したがって、第1音波発生部30の構成を比較的シンプルにできる。
また、モード切替装置は、第2音波発生部40を、音波発生モードと、熱出力モードと、に切り替え可能である。本実施形態のモード切替装置は、循環回路61、91、及び切替バルブ93、94からなる構成である。音波発生モードでは、第2音波発生部40が音波を発生させる。熱出力モードでは、第2音波発生部40が音波の発生を中止して、第1音波発生部30からの音波の音響エネルギを熱エネルギに変換して熱エネルギを出力する。出力部である冷却器50を第1出力部と呼ぶときに、第2音波発生部40は第2出力部として機能する。
これによると、給熱源であるエンジン60より供給される熱エネルギが極めて少なく、第2音波発生部40において音波の発生を行ない難いときには、設定モードを音波発生モードから熱出力モードへ切り替えることができる。したがって、熱出力モードを設定して第2音波発生部40を第2出力部として機能させて、音波の発生を行ない難い第2音波発生部40を有効利用することができる。
また、第1出力部である冷却器50が出力する音響エネルギ以外の他のエネルギは、熱エネルギである。これによると、第1出力部である冷却器50及び第2出力部としての第2音波発生部40から熱エネルギを出力することができる。したがって、比較的大きく安定した熱出力を得ることが容易である。
また、モード切替装置は、第1出力部である冷却器50から出力される熱エネルギを輸送するための熱輸送媒体を、第2音波発生部40にも流通可能な媒体流通回路として循環回路91を有している。また、音波発生モードを設定するときには、熱輸送媒体の第2音波発生部40への流通を禁止し、熱出力モードを設定するときには、熱輸送媒体の第2音波発生部40への流通を許可するように流路切り替えを行なう切替バルブ93、94を有している。
これによると、第2音波発生部40を第2出力部とする熱出力モード時には、第1出力部から熱エネルギを輸送するための熱輸送媒体を第2出力部においても熱輸送媒体とすることができる。したがって、共通の熱輸送媒体によって、第1出力部及び第2出力部の両者から熱エネルギを容易に出力することができる。
また、第2音波発生部40は、音波発生モードが設定されたときには、給熱源であるエンジン60から熱供給媒体であるエンジン冷却水により輸送される熱エネルギを入力する構成である。そして、モード切替装置は、熱出力モードを設定するときには、エンジン冷却水の第2音波発生部40への流通を禁止する構成である。
これによると、給熱源であるエンジン60より供給される熱エネルギが極めて少なく、第2音波発生部40を熱出力モードに設定したときには、給熱源からの熱エネルギの入力を禁止することができる。したがって、極めて小さな熱エネルギであっても入力を確実に抑止して、第2出力部の出力機能低下を防止できる。
また、電気エネルギ入力の第1音波発生部30とエンジン排熱エネルギ入力の第2音波発生部40とを有する本実施形態のような多段方式の原動機を採用することで、単段方式と比較して高い出力と得ることが容易である。
また、給熱源であるエンジン60から排出される排気が有する熱を、給熱源を冷却する冷却液媒体で回収する排気熱回収部としての排熱回収器64を、更に備えている。そして、第2音波発生部40は、冷却液媒体により、給熱源の冷却に伴い取得した熱及び排気熱回収部で回収した熱を熱エネルギとして入力する構成である。これによると、給熱源と第2音波発生部40とを繋ぐ冷却熱媒体の流通経路が形成し易く、冷却液媒体による熱輸送により第2音波発生部40が給熱源から熱エネルギを得ることが比較的容易である。また、本実施形態のように給熱源が内燃機関等である場合には、比較的高温である排気の熱エネルギも利用することができる。したがって、冷却液媒体及び排気が輸送する給熱源からの熱エネルギを極めて有効に利用することができる。
また、給電源である蓄電装置70に入出力する電力を変換する電力変換装置であるインバータ装置80と、電力変換装置を冷却する液相の冷却媒体を循環し、電力変換装置の排熱を系外に廃棄可能な冷却媒体回路として循環回路81を更に備えている。そして、第2音波発生部40は、作業ガスからの放熱に伴う音響エネルギに未変換の廃熱量を、循環回路81を循環する冷却媒体に対して放出する構成である。これによると、冷却媒体回路を第2音波発生部40にまで取回す構成を形成し易く、第2音波発生部40において音響エネルギに未変換の廃熱を、電力変換装置の冷却媒体に容易に放出することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図10に基づいて説明する。
第2実施形態は、前述の第1実施形態と比較して、第2音波発生部の高温側熱交換器に流れる流体流路の構成が異なる。なお、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品、第2実施形態において説明しない他の構成は、第1実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
図10に示すように、本実施形態の熱音響装置を用いた空調装置では、循環回路61の流路61bと循環回路91の流路91bとは、流路としての共用部を有していない。高温側熱交換器42内には、流路61bに連通する流路と流路91bに連通する流路とが個別に形成されている。そして、流路61bには、流路61bを開閉する開閉バルブ65が設けられ、流路91bには、流路91bを開閉する開閉バルブ95が設けられている。
本実施形態では、循環回路61、91、及び、循環回路61、91の回路構成を切り替える開閉バルブ65、95が、音波発生モードと熱出力モードとを切り替えるモード切替装置に相当する。第2音波発生部40を音波発生モードとするときには、開閉バルブ65が流路61bを開き、開閉バルブ95が流路91bを閉じる。また、第2音波発生部40を熱出力モードとするときには、開閉バルブ65が流路61bを閉じ、開閉バルブ95が流路91bを開く。
本実施形態によれば、モード切替装置は、第2音波発生部40を、音波発生モードと、熱出力モードと、に切り替え可能である。本実施形態のモード切替装置は、循環回路61、91、及び開閉バルブ65、95からなる構成である。音波発生モードでは、第2音波発生部40が音波を発生させる。熱出力モードでは、第2音波発生部40が音波の発生を中止して、第1音波発生部30からの音波の音響エネルギを熱エネルギに変換して熱エネルギを出力する。出力部である冷却器50を第1出力部と呼ぶときに、第2音波発生部40は第2出力部として機能する。
これによると、給熱源であるエンジン60より供給される熱エネルギが極めて少なく、第2音波発生部40において音波の発生を行ない難いときには、設定モードを音波発生モードから熱出力モードへ切り替えることができる。したがって、熱出力モードを設定して第2音波発生部40を第2出力部として機能させて、音波の発生を行ない難い第2音波発生部40を有効利用することができる。
また、モード切替装置は、第1出力部である冷却器50から出力される熱エネルギを輸送するための熱輸送媒体を、第2音波発生部40にも流通可能な媒体流通回路として循環回路91を有している。また、音波発生モードを設定するときには、熱輸送媒体の第2音波発生部40への流通を禁止し、熱出力モードを設定するときには、熱輸送媒体の第2音波発生部40への流通を許可するように流路切り替えを行なう切替バルブとしての開閉バルブ95を有している。
これによると、第2音波発生部40を第2出力部とする熱出力モード時には、第1出力部から熱エネルギを輸送するための熱輸送媒体を第2出力部においても熱輸送媒体とすることができる。したがって、共通の熱輸送媒体によって、第1出力部及び第2出力部の両者から熱エネルギを容易に出力することができる。
また、第2音波発生部40は、音波発生モードが設定されたときには、給熱源であるエンジン60から熱供給媒体であるエンジン冷却水により輸送される熱エネルギを入力する構成である。そして、モード切替装置は、熱出力モードを設定するときには、エンジン冷却水の第2音波発生部40への流通を禁止する構成である。第2音波発生部40へのエンジン冷却水の流通の許可及び禁止は、開閉バルブ65の開閉動作により行われる。
これによると、給熱源であるエンジン60より供給される熱エネルギが極めて少なく、第2音波発生部40を熱出力モードに設定したときには、給熱源からの熱エネルギの入力を禁止することができる。したがって、極めて小さな熱エネルギであっても入力を確実に抑止して、第2出力部の出力機能低下を防止できる。
本実施形態では、上記した様に、第2音波発生部40の熱出力モード設定時には、開閉バルブ65によりエンジン冷却水の第2音波発生部40への流通を禁止する構成であったが、これに限定されるものではない。エンジン冷却水の第2音波発生部40への流通を常時許容するものであってもよい。これによれば、開閉バルブを廃止して構成を簡素化することが可能である。
また、給熱源から熱エネルギを輸送する熱輸送媒体はエンジン冷却水であったが、これに限定されるものではない。例えば、エンジン60の排ガスを給熱源から熱エネルギを輸送する熱輸送媒体とすることができる。本実施形態の第2音波発生部40の高温側熱交換器42内では、給熱源から熱エネルギを輸送する熱輸送媒体の流路と、冷熱出力のための熱輸送媒体の流路とが隔絶されている。そのため、給熱源から熱エネルギを輸送する熱輸送媒体として内燃機関の排ガスを適用する場合に適している。内燃機関の排ガスを熱輸送媒体とする場合には、高温側熱交換器42においてエンジン冷却水よりも高温で熱交換が可能となる。これにより、熱エネルギから音響エネルギへの変換効率を向上することができる。
(他の実施形態)
この明細書に開示される技術は、その開示技術を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される技術は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分をもつことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示技術の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示技術のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、第2音波発生部40は、エンジン冷却水が給熱源であるエンジン60の冷却に伴い取得した熱、及び排気熱回収部である排熱回収器64で回収した熱を熱エネルギとして入力していたが、これに限定されるものではない。例えば、エンジン冷却により得た熱エネルギ、またはエンジン排気熱を回収した熱エネルギのいずれかを入力するものであってもよい。
すなわち、第2音波発生部40は、給熱源であるエンジン60を冷却する冷却液媒体であるエンジン冷却水により輸送される熱エネルギを入力する構成であってもよい。これによると、給熱源と第2音波発生部40とを繋ぐ冷却熱媒体の流通経路が形成し易く、冷却液媒体による熱輸送により第2音波発生部40が給熱源から熱エネルギを得ることが比較的容易である。
また、第2実施形態でも説明したように、第2音波発生部40は、給熱源から排出される排気により輸送される熱エネルギを入力する構成であってもよい。これによると、給熱源が内燃機関等である場合には、排気が比較的高温であり、第2音波発生部40において比較的大きな温度勾配を形成し易い。したがって、運転効率を向上し易い。
また、上記実施形態では、給熱源はエンジン60であったが、これに限定されるものではない。例えば、給熱源は、作動時に発熱を伴う他の発熱機器であってもよい。また、例えば、給熱源は、地熱等の自然界の熱エネルギであってもよい。
また、上記実施形態では、給電源は蓄電装置70であったが、これに限定されるものではない。例えば、給電源から供給される電気エネルギは、電力供給元の一例である電力会社から供給される系統電力であってもよい。
また、上記実施形態では、電力変換装置としてインバータ装置80を備えていたが、これに限定されるものではない。例えば、電力変換装置はコンバータ装置であってもかまわない。
また、上記実施形態では、第2音波発生部40において廃棄せざるを得ない音響エネルギに未変換の熱エネルギを、インバータ冷却水に放出していたが、これに限定されるものではない。例えば、音響エネルギに未変換の熱エネルギを、他の冷却液媒体に放出するものであってもよい。また、例えば、音響エネルギに未変換の熱エネルギを、外気に直接放出するものであってもよい。
また、第1音波発生部30は、電気エネルギを入力エネルギとして入力していたが、これに限定されるものではない。第1音波発生部は、外部より入力される熱エネルギ以外の入力エネルギを、熱エネルギを介さずに音響エネルギに変換して、作業ガスに音波を発生するものであればよい。入力エネルギは、例えば磁気エネルギであってもよい。
また、上記実施形態では、第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、管部材20の音波伝達経路における音波の進行方向に沿って直列に配置されていた。そして、第1音波発生部30が第2音波発生部40よりも音波進行方向における上流側に配置され、音波伝達経路の音響エネルギのレベルが、音波進行方向における第1音波発生部30の上流端よりも第2音波発生部40の下流端の方が高い構成であった。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、第1音波発生部の音波進行方向における上流側に第2音波発生部を配置するものであってもよい。また、例えば、第1音波発生部及び第2音波発生部は、音波伝達経路における音波の進行方向において並列に配置されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、管部材は2つのループ管を有し、第1ループ管に第1、第2音波発生部を設け、第2ループ管に出力部を設けたものであったが、これに限定されるものではない。例えば、1つのループ管に第1、第2音波発生部、及び出力部を設けるものであってもよい。また、例えば、ループ管部に第1、第2音波発生部を設け、これに接続する共鳴管としての直管部に出力部を設けるものであってもよい。また、例えば、ループ管部のない直管に第1、第2音波発生部及び出力部を設けるものであってもよい。
また、上記実施形態では、出力部である冷却器50で音響エネルギを冷熱エネルギに変換して冷熱エネルギを出力していたが、これに限定されるものではない。出力部は、音響エネルギを音響エネルギ以外の他のエネルギに変換して出力するものであればよい。例えば、出力部を冷却器と同様のヒートポンプとして、高温端から温熱エネルギを出力するものであってもよい。また、例えば、出力部を発電機として、音響エネルギを電気エネルギに変換して出力するものであってもよい。
また、上記実施形態では、第1音波発生部は、外部より入力される熱エネルギ以外の入力エネルギを、熱エネルギを介さずに音響エネルギに変換して、作業ガスに音波を発生するものであった。これに加え、第2音波発生部を、音波を発生させる音波発生モードと、第1音波発生部からの音波の音響エネルギを熱エネルギに変換して、この熱エネルギを出力する出力部として機能させる熱出力モードとに切り替え可能であった。しかしながら、これに限定されるものではない。第2音波発生部を音波発生モードと熱出力モードとでモード切り替えする構成は、第1音波発生部の形態に係らず有効である。例えば、第1音波発生部が、電気エネルギから熱エネルギを生成して、生成した熱エネルギを音響エネルギに変換して音波を発生するものであっても、第2音波発生部を音波発生モードと熱出力モードとでモード切り替えする構成を適用して有効である。
また、上記実施形態では、第2音波発生部40を音波発生モードと熱出力モードとに設定切り替え可能であったが、これに限定されるものではない。第2音波発生部を熱出力モードに設定しないものであってもよい。
また、上記実施形態で説明した熱音響装置を用いる空調装置は、例えば、次に述べるように車両に搭載されている。低温ラジエータ83は、エンジンルームの前方部位に高温ラジエータと共に配設される。第1音波発生部30及び第2音波発生部40は、エンジンルーム内や車室の床下に配設される。冷却器50は、エンジンルームの後方部位のうち、車室内の前方部位に配設されたクーラコア3に比較的近接した部位に配設される。しかしながら、これに限定されるものではない。熱音響装置を用いる空調装置は、各種の車両搭載形態を適用することができる。
例えば、図11に示すような搭載形態とすることができる。図11に示すように、第1ループ管21はエンジンルーム内に配設され、第2ループ管22は車室内のシート100の下方に配設されている。図11に示す空調装置は、シート空調装置である。シート100内には吸込みダクト101が設けられ、シート100背面には吹出ダクト102が設けられている。送風ファン110が作動すると、空気がシート座面から吸込みダクト101に吸い込まれ、クーラコア3で冷却されて、吹出ダクト102を介して吹出口103から乗員の頭部に向かって吹き出される。これにより、乗員周りに温調した空気を循環させる。本例のクーラコア3は、ヒートパイプ120により冷却器50と接続されている。
また、例えば、図12に示すような搭載形態とすることができる。図12に示すように、クーラコア3は、第1、第2実施形態と同様に、循環回路91により冷却器50と接続されている。これによれば、前述のヒートパイプ120に比べ、高さ方向の配置の制約をなくしたり、熱輸送量を増加させたりすることができる。
また、例えば、図13に示すような搭載形態とすることができる。図13に示すように、本例の管部材は、第1ループ管を備えておらず、第2ループ管22に接続する直管に音響エネルギを発生するスピーカ130を設けている。スピーカ130は、振動膜を振動させるアクチュエータを有している。体格が比較的大きなスピーカ130をエンジンルーム内に配置し、スピーカ130からの音響エネルギを車室内に導入することができる。
また、例えば、図14に示すような搭載形態とすることができる。図14に示すように、本例の空調装置は、後部座席用の空調装置である。後部座席よりも後方の吸込口201から吸い込んだ空気をクーラコア3で冷却して、吹出口203から後部座席に着座した乗員に向かって吹き出すことができる。
これらのように、熱音響装置では原動機から受動機へ伝達されるエネルギが音響エネルギであるため、管部材と雰囲気との間に温度差があっても熱的な損失を生じることがない。また、管部材に封入された気体は往復運動しているため、定常的に冷媒が一方向に流れるときに生じる圧力損失が生じることもない。したがって、エネルギの移送の損失を小さく抑えることができ、原動機と受動機との配置関係や、配管の経路等において設定の自由度が大きい。特に図14に示した例のように原動機と受動機との距離を大きくした場合には、効果は極めて大きい。
また、上記実施形態では、熱音響装置を車両用の空調装置に適用していたが、これに限定されるものではない。例えば、定置式の空調装置に適用してもかまわない。
10 熱音響装置
20 管部材
30 第1音波発生部
40 第2音波発生部
50 冷却器(出力部)
60 エンジン(給熱源)
70 蓄電装置(給電源)

Claims (5)

  1. 内部に作業ガスが封入されて前記作業ガスの音波の伝達経路を形成する管部材(20)と、
    前記管部材に設けられ、外部より入力される熱エネルギ以外の入力エネルギを、熱エネルギを介さずに音響エネルギに変換して、前記作業ガスに前記音波を発生可能な第1音波発生部(30)と、
    前記管部材に設けられ、給熱源(60)より供給される熱エネルギを音響エネルギに変換して、前記作業ガスに熱音響自励振動による前記音波を発生可能な第2音波発生部(40)と、
    前記管部材に設けられ、前記第1音波発生部からの前記音波及び前記第2音波発生部からの前記音波の音響エネルギを音響エネルギ以外の他のエネルギに変換し、前記他のエネルギを出力可能な出力部(50)と、を備え
    前記出力部を第1出力部と呼ぶときに、
    前記第2音波発生部を、前記音波を発生させる音波発生モードと、前記音波の発生を中止して、前記第1音波発生部からの前記音波の音響エネルギを熱エネルギに変換して、当該熱エネルギを出力する第2出力部として機能させる熱出力モードと、に切り替え可能なモード切替装置(61、91、93、94、65、95)を更に備える熱音響装置。
  2. 前記入力エネルギは、給電源(70)から供給される電気エネルギである請求項1に記載の熱音響装置。
  3. 前記第1出力部が出力する前記他のエネルギは、熱エネルギである請求項1又は請求項2に記載の熱音響装置。
  4. 前記モード切替装置は、
    前記第1出力部から出力される熱エネルギを輸送するための熱輸送媒体を、前記第2音波発生部にも流通可能な媒体流通回路(91)と、
    前記媒体流通回路に設けられ、前記音波発生モードを設定するときには、前記熱輸送媒体の前記第2音波発生部への流通を禁止し、前記熱出力モードを設定するときには、前記熱輸送媒体の前記第2音波発生部への流通を許可するように流路切り替えを行なう切替バルブ(93、94、95)と、を有する請求項3に記載の熱音響装置。
  5. 前記第2音波発生部は、前記音波発生モードが設定されたときには、前記給熱源から熱供給媒体により輸送される熱エネルギを入力する構成であって、
    前記モード切替装置は、前記熱出力モードを設定するときには、前記熱供給媒体の前記第2音波発生部への流通を禁止する構成である請求項4に記載の熱音響装置。
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