JP6724279B2 - ストレスマネジメント支援システム - Google Patents

ストレスマネジメント支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP6724279B2
JP6724279B2 JP2018078278A JP2018078278A JP6724279B2 JP 6724279 B2 JP6724279 B2 JP 6724279B2 JP 2018078278 A JP2018078278 A JP 2018078278A JP 2018078278 A JP2018078278 A JP 2018078278A JP 6724279 B2 JP6724279 B2 JP 6724279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subject
stress
counseling
artificial intelligence
android
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018078278A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019185586A5 (ja
JP2019185586A (ja
Inventor
崎 篤 人 浜
崎 篤 人 浜
木 彩 乃 舟
木 彩 乃 舟
村 秀 輝 種
村 秀 輝 種
川 千 草 下
川 千 草 下
Original Assignee
株式会社メンタルシンクタンク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社メンタルシンクタンク filed Critical 株式会社メンタルシンクタンク
Priority to JP2018078278A priority Critical patent/JP6724279B2/ja
Publication of JP2019185586A publication Critical patent/JP2019185586A/ja
Publication of JP2019185586A5 publication Critical patent/JP2019185586A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6724279B2 publication Critical patent/JP6724279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Description

本発明は、いわゆる「ストレスマネジメント支援」に関する技術であり、主に心の健康やコミュニケーション能力の向上を支援するシステムである。
近年、メンタルヘルスに関する関心や認識は急激に向上している。例えば、50人以上の事業場は従業員へのストレスチェックテストが義務付けられ、「ストレスが高い」と判断された者に対して産業医による面談を勧奨するなど、メンタルヘルス対策のための措置が拡大している。
メンタルヘルス対策として有効な手段は、カウンセリングやコミュニケーションの練習などである。その中でも特に有効な手法は、ストレスコーピング、認知行動療法、アサーションなどであり、これらは必要に応じてカウンセリング中に実施される。
しかし、被雇用者等のメンタルヘルス対策のため、全ての使用者等がカウンセラーと嘱託契約を締結してカウンセリングを実施することは、カウンセリング費用が高額である、地方ではカウンセラーが不足している等の理由から、現実には困難である。
それに対して、各種ソフトウェア(いわゆる「アプリ」を含む)により、ストレスマネジメントの一部を代用する試みが種々行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術では、被験者(ユーザー)はディスプレイ上の指示を読み取り、ディスプレイに対して文章或いはクリックにより回答する方式であり、被験者はディスプレイに対して長時間向かい合わなければならず、当該被験者のメンタル面に対して良くない影響が懸念される。
また、従来のソフトウェアでは質問や被験者の回答に対する応答が画一的であるため、被験者の千変万化する心の状態に対応して、精神科医やカウンセラーが行う様に被験者に対応した適切な質問、回答に対する適切な判断をすることは困難である。
特開2017−199366号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、ストレスマネジメントに有効なカウンセリングやコミュニケーションの練習を実行できるシステムであって、被験者のメンタル面に悪影響を与える恐れが無く、個々の被験者のメンタルの状態やコミュニケーションスキルに対応して適切な質問及び(被験者の)回答に対する適切な判断をすることが出来るストレスマネジメント支援システムの提供を目的としている。
本発明のストレスマネジメント支援システム(100)は、(被験者Mの)表情を読み取る機能を有する映像センサ(S1)と、(被験者Mの)音声を聞き取る音声センサ(S2)と、人工知能(コントロールユニット10)を備えた人型ロボット(AN:アンドロイド)を備え、前記人工知能(10)は(被験者Mとの)対話形式でストレスコーピング、認知行動療法或いはアサーションを実行する機能を有していることを特徴としている。
本発明の実施に際して、体温、脈拍、その他のセンサにより被験者(M)の各種パラメータを計測する装置(1)を有し、前記人工知能(10)は、前記計測装置(1)による計測結果を参照して、被験者(M)の心のチェック、カウンセリング、トレーニングを決定する機能を有することが好ましい。
本発明において、前記人工知能(10)は、被験者(M)に対するカウンセリングの際に、認知行動療法の後にアサーションを行う機能を有していることが好ましい。
物事の捉え方(認知)を把握しておくことにより、アサーションで発した言葉が、どの様な認知が発した言葉であるのかが入力できる。それにより、被験者(M)が、自らの言葉と認知との関係を自覚することが出来る。
本発明のストレスマネジメント支援システム(100)は、例えば、使用者等の組織内(例えば、会社内の部屋等)や健康管理室に配置することが可能である。そして本発明のシステム(100)の設置個所は、トレーニングやカウンセリングを受ける被験者(M)の個人情報が十分に秘匿される環境である。
本発明のストレスマネジメント支援システム(100)は、例えば会社内に設置される産業用の用途のみならず、病院その他の医療施設にも設置することが出来る。本発明のストレスマネジメント支援システム(100)を医療施設内に設置した場合には、集団認知行動療法をする際に、前記アンドロイド(AN)に司会役或いは事例を示す役割(通常はカウンセラーが担当)を担当させることが出来る。
上述の構成を具備する本発明のストレスマネジメント支援システム(100)によれば、従来は主としてカウンセラーが行っていた認知行動療法やアサーションを、人工知能(10)を備えた人型ロボット(AN:アンドロイド)に実行させることが出来る。
その結果、カウンセラーが使用者等の職場に常駐していなくても、当該職場に人工知能(10)を備えた人型ロボット(AN:アンドロイド)を設置することにより、当該アンドロイド(AN)が「高ストレス者」や「コミュニケーションなどで悩んでいる」に該当する従業者等に対してカウンセリングを行い、ストレスコーピング、認知行動療法、アサーションを実行して、従業者等に対して効果的なメンタルヘルスケアやトレーニングを実施することが出来る。その結果、うつ病発症の予防や復職に際してのメンタルヘルスケアやトレーニングをすることも可能となる。
そして前記アンドロイド(AN)には、所定の条件を充足する従業者(例えば、残業時間が法定労働時間を大幅に超えて深刻な状態に陥る可能性の高い従業者等や、アンドロイドANによるカウンセリングにより症状の改善が見られず服薬などによる治療が必要と判断された従業者等)には、産業医や精神科医の面接を強く勧奨することにより、適切な時期に専門医に受診させることで疾病の予防につながり、病状の改善を図ることが出来る。このことは、自死の予防など心の健康のみならず、脳・心疾患の発症予防にも寄与する。
そして本発明によれば、アンドロイド(AN)は人工知能(10)を備えており、人工知能(10)の高い学習機能を利用することが出来る。そのため、人工知能(10)の学習能力により、過去の履歴(例えば、カウンセリングの履歴やコミュニケーションのクセ、病歴、健康診断結果、服用している薬等)、各種テストの結果、アサーション、認知行動療法の過程から、当該被験者(M)に対応した適切な質問をアンドロイドに出力し、当該被験者(M)の回答に対して適切な判断、出力を行うことが可能であり、最適なアサーション、認知行動療法を、被験者(M)に提供することが可能になる。
また、同一被験者(M)であっても、時々刻々、心の状態や健康状態が変動するが、人工知能(10)を備えたアンドロイド(AN)の高い学習機能により、千変万化する心の状態に対応して被験者(M)に最適なカウンセリングを実行することが可能である。
ここで、人工知能(10)であれば、コミュニケーション能力のトレーニングに適用可能であるため、前記アンドロイドを用いてコミュニケーション能力のトレーニングを行い、被験者のコミュニケーション能力を向上させることが期待できる。
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、話し手が聞き手に与える影響がどのような要素で形成されているかについて、次のような研究結果を報告した。その内容は、視覚情報(見た目、身だしなみ、表情、視線など)55%、聴覚情報(声の質、大きさ、テンポ)38%、言語情報(話す言葉そのものの意味)7%であった。つまり、コミュニケーションにおいて相手に与える影響の中で「言語情報」は1割にも満たず、相手に与える印象は「非言語」の部分が9割以上を占めているということになる。
被験者の表情、脈拍、声色というパラメータを加味してカウンセリングやトレーニングに必要な各種判断を行うことは、従来のソフトウェアでは困難である。しかし、高い学習機能を有する人工知能(10)なら、被験者(M)の表情、脈拍、声色という「非言語の部分」に該当するパラメータを加味した判断が可能である。そして本発明によれば、学習能力を持つ人工知能を使った認知行動療法やアサーショントレーニングが実現され、被験者(M)に対して適切な認知行動療法やアサーショントレーニングを行うことが出来る。
さらに、従来のソフトウェア技術を適用したカウンセリングとは異なり、本発明によれば、被験者(M)は人間の容貌と類似する外観を有するアンドロイド(AN)と対面するため、ディスプレイと長時間向かい合っている場合に比較して、被験者(M)の精神的な疲労が少なく、カウンセリングやトレーニングが長時間に及んだ場合でも被験者(M)の心に対して悪影響を与えてしまう度合いが少ない。換言すれば、ディスプレイの画面に対して対話形式のカウンセリングを行うと被験者(M)は「虚しさ」を感じてしまうのに対して、アンドロイド(AN)と対話形式で行うカウンセリングでは、その様な「虚しさ」を被験者(M)は感じない。そして、人間ではなく、アンドロイド(AN)に話すため、話しにくい内容であっても相手にどう思われるかなどを気にせず自己開示しやすいというメリットもある。
本発明によれば、状況に応じてさまざまなストレスコーピング(ストレスに対する対処行動)を選択できるようになり、歪んだ認知を修正して現実的な認知ができるようになり、コミュニケーション能力が向上し、ストレス対処能力が向上し、メンタルヘルス上の重大な問題が発生する頻度が減少し、被験者のメンタルヘルスのみならず健全で生産的な人間関係の形成にも大いに寄与することが出来る。
本発明において、人工知能を備えたアンドロイド(AN)の表情や声色が変化することにより、被験者(M)に対して、表情を読み取るトレーニング、音声に含まれる感情を読み取るトレーニングを行うことが可能になる。
その結果、被験者(M)のコミュニケーション能力が向上し、被験者(M)のストレス対処能力が向上することにより、被験者(M)の受けるストレスを和らげたり、または自己肯定感(自分の自信)を高めたりして、精神的な平穏を維持する能力や健全で生産的な人間関係を形成する能力を高くすることが出来る。
本発明において、多数の被験者の中からいわゆる「高ストレス者」やその「予備軍」を選定することが出来る。高ストレス者やその予備軍を選定することにより、メンタルヘルス対策において慎重な取り扱いが必要な被験者のみをピックアップして、カウンセリングの対象とすることができる。これにより、カウンセリングが必要な被験者や、将来的にカウンセリングが必要になる可能性が高い被験者(いわゆる「予備軍」)に対して必要なカウンセリングを行うことが出来る。また、カウンセリングが必要な被験者やその予備軍を医療へリファーすることが可能になる。
従来の質問紙やディスプレイ画面上による調査では、自分が「高ストレス者」に該当しない様に被験者自身が回答をコントロールしていることも多々あるが、本発明によれば、「重症化した人」などを「カウンセリング不要」と判断してしまうこと(いわゆる「取りこぼし」)を少なくすることが出来る、というメリットもある。
なお、本発明において、認知行動療法の後にアサーションを行う様にすれば、被験者(M)は予め自らの物事の捉え方(認知)或いはその傾向を把握しておくことにより、アサーションにおいて発した言葉が、どの様な認知がもたらしたものであるのかを判断することが可能になる。その結果、被験者(M)は、言葉と認知との関係を自覚することが出来て、コミュニケーション能力の向上に繋げることが出来る。
本発明の実施形態の概要を示す説明図である。 図1の実施形態の機能ブロック図である。 図1の実施形態におけるフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に図1を参照して、図示の実施形態の概要を説明する。
図示の実施形態では、アンドロイドAN(人型ロボット)は、被験者Mと対面する様に配置されている。そして、アンドロイドANはコントロールユニット10を備えている。構成を明確化するため、図1では、コントロールユニット10はアンドロイドANとは別体に表示している。
図示の実施形態では、コントロールユニット10は、いわゆる「人工知能(AI)」で構成されている。そのため、アンドロイドANのコントロールユニット10は、通常のPC等の情報処理機器に比較して、格段に高い学習能力を有している。
図1において、アンドロイドAN側には各種センサを包含する計測装置1が配置され、計測装置1はコントロールユニット10に接続されている。
計測装置1は、被験者Mの表情を読み取る機能を有する画像センサ(映像センサ、図2の符号S1)、被験者Mの音声を聞き取る音声センサ(図2の符号S2)、被験者Mの脈拍、血圧、体温をそれぞれ計測するセンサ(図2の符号S3、S4、S5)を包含している。ここで、被験者Mの表情、音声等からその疲労度を計測(推測)することが出来る。
図示の実施形態では、被験者Mに対するカウンセリングとして、ストレスコーピング、認知行動療法、アサーションを行う。また図示の実施形態では、被験者Mにカウンセリングを行う以前の段階でストレスチェックテストを実施し、被験者Mが高ストレス者や予備軍であるか否かを特定(選定、抽出)することも可能である。
図1において、被験者M側には入出力装置2が配置され、入出力装置2は計測装置1を介してコントロールユニット10に接続されている。図示の実施形態では、例えば前記ストレスチェックテストを実施する際に、被験者Mは入出力装置2を用いてストレスチェックテストの回答(ストレスチェックテスト入力データ)を入力することが出来る。
上述した様に、アンドロイドANのコントロールユニット10は人工知能で構成されており、被験者Mに対して、いわゆる「対話形式」でストレスコーピング、認知行動療法、アサーションを実行することが可能である。
アンドロイドAN(のコントロールユニット10)により対話形式でストレスコーピング、認知行動療法、アサーションを実行するに際して、その場で被験者Mの表情、音声、脈拍、血圧、体温(被験者Mの各種パラメータ)が、計測装置1が包含する各種センサにより、検知又は計測される。
図1の符号Aで示す領域内は、計測装置1により計測、検知され、入力された情報を表示している。
図1において、アンドロイドANとコントロールユニット10は、情報ラインLで連結された状態で表現されており、計測装置1による計測された各種情報は情報ラインLを介してコントロールユニット10に送信され、処理される。換言すれば、アンドロイドANとコントロールユニット10が必要な情報の授受を行っている。
図1において、アンドロイドANのコントロールユニット10には、被験者Mの過去の各種データが保存され、ストレスコーピング、認知行動療法、アサーションの際に参照することが可能である。
過去のデータとしては、図1のカッコB内に示す通り、例えば、被験者Mの健康診断結果、過去の労働時間、ストレスチェックテスト結果、SOC(首尾一貫感覚)検査の結果、コミュニケーションスキル、過去のカウンセリングの履歴(ストレスコーピング、アサーション、認知行動療法の過程)がある。
また、被験者Mの個人的なデータとして、出退勤時刻(タイムカード)、睡眠時間(ただし、被験者本人から提供がある場合)に関するデータが保存されている(図1のカッコB内)。
アンドロイドANによる被験者Mのカウンセリング(例えば、ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)を実行する際に、被験者Mの表情、音声、脈拍、血圧、体温等の計測装置1の計測結果(検知結果)、ストレスチェックテストの結果、過去のデータを参照して、アンドロイドANのコントロールユニット10において、被験者Mのカウンセリング或いはトレーニングの内容を決定する。
人工知能により構成されたコントロールユニット10の高い学習機能により、過去の履歴(例えば、カウンセリングの履歴等)、各種テストの結果、アサーション、認知行動療法の過程に基づいて、当該被験者Mに対して適切な質問やトレーニングの内容等を、情報ラインL及びアンドロイドANにより、当該被験者Mに対して出力し、最適なカウンセリング(例えばストレスコーピング、アサーション、認知行動療法)を、被験者Mに提供することが出来る。
また、同一の被験者Mであっても、時々刻々、心の状態や健康状態が変動するが、人工知能により構成されたコントロールユニット10は、千変万化する被験者Mの心の状態に対応して、被験者Mに対して必要な出力(図1の符号Cで示す領域参照)を行うことが出来る。
人工知能で構成されたコントロールユニット10は、被験者Mに疲労度を告知し、長時間労働の警告を行うことが出来る。そして、例えば、酷な状態のうつ病に罹患した従業者等や、アンドロイドANによるカウンセリングにより症状の改善が見られない従業者等に対しては、産業医面談を勧奨する機能を有している(図1の符号Cで示す領域参照)。
また、人工知能で構成されたコンロールユニット10によれば、カウンセリングを行う中で被験者のストレス対処行動の傾向を把握し(行動傾向テスト)、認知のクセについても把握することで、被験者Mの状況に適合したストレスコーピングのアドバイス等を提供することが出来る。
認知行動療法についても、人工知能で構成されたコンロールユニット10により、被験者Mの状況に適合した療法を実行することが出来る。
認知行動療法としては、「コラム法」と「行動と(それに伴う)気分の日記」がある。コラム法は、7コラム(スタンダード)と3コラム(簡易版)がある。7コラムでは第1〜第7までの7つのコラムを、3コラムでは第1〜第3までの3つのコラムを被験者Mが記入する。7コラムの例を挙げると、第1のコラムに「そのときの状況:上司にメールをしたが返信がない」、第2のコラムに「そのときの気分や感情:悲しい70点・不安30点」、第3のコラムに「そのとき瞬間的に浮かんだ考えやイメージ(自動思考):上司は自分を嫌っている」、第4のコラムに「根拠:最近、声をかけられなくなった」、第5のコラムに「自動思考と矛盾する事実:他の同僚も似たようなことがあったと言っていた」、第6のコラムに「バランスの良い別の考え方:上司は自分にだけメールの返信をしないわけではなく、自分にだけ声をかけないわけではなく、他の人にもそうだから忙しいのかもしれない」、第7のコラムに「考え方を変えた時のこころの変化(今の気分):悲しい20点、不安10点、スッキリ70点」となる。一方、簡易版3コラムでは、第1のコラム「そのときの状況:上司にメールをしたが返信がない」、第2のコラム「そのとき瞬間的に浮かんだ考えやイメージ(自動思考):上司は自分を嫌っている」、第3のコラム「そのときの気分や感情:悲しい70点・不安30点」を記入する。このように、捉え方次第で気分が左右されるため、「できごと」に対しての捉え方が現実的な認知なのかどうかを点検し、歪んだ認知であることが分かれば現実的な内容に捉えなおす練習をしていくことで、認知再構成が行われる。
また、「行動と気分の日記」には、気分の良くなった行動とそのときの気分を「日記」に入力し、寝る前に1日を振り返る時間をもつ。寝る前に気分が良かったことを思い出す理由は、眠る前に良いことを思い出すことと質の良い眠りは関連すると言われているからである。自分はどのような行動をすると気分が良くなるのかを蓄積していき、行動パターンを分析していくことは成功体験を蓄積することにつながる。
アサーションでは、アサーションチェックテストを実施し、その結果に基づきアサーショントレーニングを行い、コミュニケーション能力(自分と相手を大切にする表現方法)を向上させる。アサーションについても、人工知能で構成されたコンロールユニット10により、被験者Mの状況に適合したトレーニングを実行することが出来る。
換言すれば、人工知能で構成されたコンロールユニット10は、ストレスコーピング、認知行動療法、アサーションの全てに適用することが出来る。また、カウンセリングにおける状況設定及びカウンセリングの双方に適用することが出来る。
ストレスチェックテストは、「ストレス要因の特定(ストレッサー)」、「ストレス反応の分析(ストレッサーが心やからだのどの部分にどの程度の影響を与えているか)」、「ストレス緩衝要因(職場の人間関係や周りからの援助を受けられているか)の特定」で構成されている。ストレスの緩衝要因としては、例えば職場の上司の理解があること、同僚や後輩の協力が得られること、家族等、身近な人へ相談出来る環境が整備されていること等がある。
ストレスチェックテストの上述した構成項目について点数化して、被験者Mが高ストレス者か否か、または予備軍かどうかを判定することが出来る。図示の実施形態では、選定或いは抽出された高ストレス者や予備軍について、カウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)を実行する。ただし、予備軍の選定、抽出に際しては、被験者Mの画像センサ、音声センサ、脈拍センサ等の計測結果、被験者Mの過去のデータ等も参酌される(図2参照)。
例えばアサーショントレーニングを行い、コミュニケーション能力が向上すれば、適切なストレスコーピング(ストレスに対する対処行動)の種類が増え、その場に応じた適切な対処ができるようになり、職場での人間関係がスムーズになるなどのメリットがある。これらのメリットは各種ツールで数値化された点数で表示される。つまり、当該療法の効果を、客観的数値やレーダーチャートなどにより視覚化して、確認することが出来る。
上述した様に、人間と類似する外観を有するアンドロイドANのコントロールユニット10を適用する図示の実施形態であれば、コミュニケーション能力のトレーニングに好適である。従来のソフトウェア(いわゆる「アプリ」を含む)によるトレーニングはディスプレイ上に表示された文章に従って被験者Mが応答するが、ディスプレイの画面に対して対話形式のカウンセリングを行うと、被験者(M)は「虚しさ」を感じてしまう。それに対して、アンドロイド(AN)と対話形式で行うカウンセリングでは、その様な「虚しさ」を被験者(M)は感じない。そして、人間ではなく、アンドロイド(AN)に話すため、話しにくい内容であっても、相手にどう思われるかなどを気にせず自己開示しやすいというメリットもある。上述した様な理由により、図示の実施形態の様にアンドロイドANと対話形式で実行されるトレーニングの方が、コミュニケーション能力のトレーニングの効果が高くなる。
また、ディスプレイ上に文章が表示される従来のソフトウェアでは、被験者Mの表情や声色は判断のパラメータにすることは出来ないが、図示の実施形態によれば、人工知能で構成されたコントロールユニット10を備えたアンドロイドANを用いているので、例えば画像センサにより被験者Mの表情を読み取り、音声センサにより被験者の応答の声色に含まれる各種感情を読み取ることが可能であり、その様な表情や声色或いはそれ等に含まれる被験者Mの感情を加味して判断を行い、カウンセリングを実行することが出来る。
さらに、図示の実施形態では、アンドロイドAN自体の表情や声色を変化させることが出来る。そのため、被験者Mに対して、表情を読み取るトレーニング、音声に含まれる感情を読み取るトレーニングを実行することが可能である。
それに加えて、図示の実施形態において、体温、脈拍、血圧、その他のセンサにより被験者Mの各種パラメータを計測して、被験者Mの心のチェック、カウンセリング、トレーニングを行うので、被験者の疲労等も考慮した上で、適切なカウンセリング、トレーニングを行うことが出来る。
ただし、体温、脈拍、その他のセンサが無くても、図示の実施形態を用いて心のチェック、カウンセリング、トレーニングを行うことも可能である。
図示の実施形態のストレスマネジメント支援システム100において、産業用に用いられるのであれば、前記アンドロイドANは、例えば会社内の部屋や健康管理室等に配置することが出来る。換言すれば、アンドロイドANは、トレーニングやカウンセリングを受ける被験者の個人情報が十分に秘匿される環境に配置される。
明確には図示されていないが、図示の実施形態に係るストレスマネジメント支援システム100は、産業用(例えば会社内に設置)のみならず、病院その他の医療・福祉施設にも設置することが出来る。図示の実施形態に係るストレスマネジメント支援システム100を病院その他の医療・福祉施設に設置した場合には、例えば、集団認知行動療法に際して、司会役或いは事例を示す役割(通常はカウンセラーが担当)を、前記アンドロイドANが担当する。
図2の機能ブロックを用いて、図1で説明したストレスマネジメント支援システム100について、さらに詳細に説明する。
図2において、アンドロイドANのコントロールユニット10は、データ処理ブロック10A、画像処理ブロック10B、音声処理ブロック10C、パラメータ処理ブロック(自律神経系)10D、ストレス・疲労度判定ブロック10E、セラピーブロック10F、コーピングブロック10G、認知行動療法ブロック10H、アサーションブロック10I、記憶ブロック10Jを含んでいる。
以下、機能ブロックの各々における機能を説明する。ここで、以下に述べる機能ブロックの機能は、公知技術或いは市販のソフトウェア技術を適用し、公知の人工知能(AI)で構成することにより実行可能である。
データ処理ブロック10Aは、信号ラインSL1を介して、入出力装置2から被験者Mに関するデータ(例えば、ストレスチェックテストに関するデータ、その他の)を取得し、取得したデータをストレス・疲労度判定ブロック10Eで処理可能な形式のデータに処理する(変換する)機能を有している。図1で示す様に、被験者Mに関するデータは、アンドロイドAN側に配置された計測装置1を介して取得することも出来る。
データ処理ブロック10Aにより処理されたデータは、信号ラインSL2を介して、ストレス・疲労度判定ブロック10Eに送信される。
画像処理ブロック10Bは、アンドロイドAN側に配置された計測装置1の画像(顔)センサS1から、信号ラインSL3を介して被験者Mの画像データを取得し、取得したデータをストレス・疲労度判定ブロック10Eで処理可能な形式のデータに画像処理する機能を有する。
上述した様に、計測装置1は、画像センサS1、音声センサS2、脈拍センサS3、血圧センサS4、体温センサS5を包含している。
画像処理ブロック10Bにより処理されたデータは、信号ラインSL4を介して、ストレス・疲労度判定ブロック10Eに送信される。
音声処理ブロック10Cは、アンドロイドAN側に配置された計測装置1の音声センサS2から、信号ラインSL5を介して、被験者Mの音声データを取得し、取得したデータをストレス・疲労度判定ブロック10Eで処理可能な形式のデータに音声処理する機能を有する。
音声処理ブロック10Cにより処理されたデータは、信号ラインSL6を介して、ストレス・疲労度判定ブロック10Eに送信される。
パラメータ処理ブロック(自律神経系)10Dは、信号ラインSL7、SL8、SL9を介して、アンドロイドAN側に配置された計測装置1の脈拍センサS3、血圧センサS4、体温センサS5から、それぞれ被験者Mの脈拍、血圧、体温の計測データを取得し、取得したデータをストレス・疲労度判定ブロック10Eで処理可能な形式のデータに処理する(変換する)機能を有する。
パラメータ処理ブロック10Dにより処理されたデータは、信号ラインSL10を介して、ストレス・疲労度判定ブロック10Eに送信される。
ストレス・疲労度判定ブロック10Eは、被験者Mのストレスチェックテストの結果、被験者Mの表情、音声、脈拍、血圧、体温等の計測装置1の計測結果、過去のデータ(健診データ、労働時間、ストレスチェックテスト結果、SOC(首尾一貫感覚)検査結果、コミュニケーションスキル、カウンセリングの履歴(ストレスコーピング、アサーション、認知行動療法の過程)、その他)に基づいて、被験者Mのカウンセリング、トレーニングを決定(判定)する機能を有する。
また、ストレス・疲労度判定ブロック10Eは、上述した各種データに基づいて、カウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)を必要とする(カウンセリングを実行する対象となる)高ストレス者を特定(選定、抽出)する機能を有している。
例えば、ストレス・疲労度判定ブロック10Eは、信号ラインSL2を介してデータ処理ブロック10Aから被験者Mのストレスチェックテスト入力結果の処理データを取得し、画像処理ブロック10Bから信号ラインSL4を介して被験者Mの画像データの処理データを取得し、音声処理ブロック10Cから信号ラインSL6を介して被験者Mの音声データの処理データを取得し、パラメータ処理ブロック10Dから信号ラインSL10を介して被験者Mの脈拍、血圧、体温の計測データの処理データをそれぞれ取得する。
また、ストレス・疲労度判定ブロック10Eは、信号ラインSL11を介して、記憶ブロック10Jから被験者Mの過去のデータ(健診データ、ストレスチェックテスト結果、カウンセリングの履歴等)を取得する。
そして、ストレス・疲労度判定ブロック10Eは、取得したデータに基づいて、被験者Mのストレスの程度、疲労度を総合的に判定し、当該判定結果に基づき、カウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)を実行すべき高ストレス者を特定(選定、抽出)する。
ストレス・疲労度判定ブロック10Eの判定結果は、信号ラインSL12を介して、セラピーブロック10Fに送信される。
セラピーブロック10Fは、信号ラインSL12を介してストレス・疲労度判定ブロック10Eによる被験者Mのストレスの程度、疲労度の判定結果を取得し、被験者Mが高ストレス者であり、カウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)を実行すべき対象者である場合に、被験者Mにメンタルケアを実行することを決定し、指令信号を送信する機能を有する。
セラピーブロック10Fからの指令信号は、信号ラインSL13、SL14、SL15を介して、コーピングブロック10G、認知行動療法ブロック10H、アサーションブロック10Iのそれぞれに送信される。
コーピングブロック10Gは、セラピーブロック10Fから信号ラインSL13を介して実行指令信号を取得し、被験者Mに対してストレスコーピング(カウンセリング)を実行する機能を有する。
被験者Mとのストレスコーピングに際して、コーピングブロック10Gは、アンドロイドAN側に配置したアンドロイド出力装置3に、信号ラインSL16を介して、ストレスコーピング(カウンセリング)の内容(アンドロイドANの音声、アンドロイドANの表情の制御信号を含む)を出力し、以て、被験者Mと対話形式のカウンセリングを行う。
ここで、コーピングブロック10Gは、カウンセリングの内容や、検出した各種データから総合的に判断して被験者Mにストレス対処方法のアドバイスを行うとともに、心身の疲労度を告知し、長時間労働の警告を行い、さらに産業医面談を勧奨する機能を有している。
コーピングブロック10Gが実行するカウンセリングに際して、被験者Mの発する音声を検知する音声センサ、被験者Mの表情を検知する画像センサの検出結果を参照することにより、被験者Mの心の状態に対応して、アンドロイドANの音声、表情を変化させる。上述した通り、アンドロイドANは、その音声、表情を状況に応じて変化させることが出来るからである。
明確には図示されていないが、コーピングブロック10Gは、被験者Mのカウンセリングに際して、ストレス・疲労度判定ブロック10E、或いは各データ処理ブロック10A、10B、10C、10D、記憶ブロック10Jから被験者Mのデータ(ストレスチェックテストデータ、画像データ、脈拍データ、その他)、被験者Mの過去のデータ(健診データ、ストレスチェックテスト結果、カウンセリングの履歴、その他)を参照して、被験者Mに対応した適切なカウンセリングを実行する機能を有している。
さらにコーピングブロック10Gは、アンドロイド出力装置3から、信号ラインSL17を介して、被験者Mのカウンセリング(ストレスコーピング)の内容、被験者Mの音声、表情のデータ、その他を取得し、信号ラインSL18を介して、取得したデータを記憶ブロック10Jに送信する機能を有している。
認知行動療法ブロック10Hは、セラピーブロック10Fから実行指令信号を取得し(信号ラインSL14)、被験者Mに対して認知行動療法(カウンセリング)を実行する機能を有する。
被験者Mとの認知行動療法に際して、認知行動療法ブロック10Hは、信号ラインSL19を介して、コーピングブロック10Gと同様に、アンドロイドAN側に配置したアンドロイド出力装置3に認知行動療法(カウンセリング)の内容を出力し、アンドロイドANの音声、表情を変化させて、被験者Mとの対話形式のカウンセリングを行う。そして、認知行動療法(カウンセリング)により被験者Mの認知を修正するとともに、被験者Mに心身の疲労度を告知し、長時間労働の警告を行い、さらに産業医面談を勧奨する機能を有している。
また、認知行動療法ブロック10Hは、コーピングブロック10Gと同様に、被験者Mの認知行動療法(カウンセリング)に際して、ストレス・疲労度判定ブロック10E、或いは各データ処理ブロック10A、10B、10C、10D、記憶ブロック10Jから被験者Mのデータ(ストレスチェックテストデータ、画像データ、脈拍データ、その他)、被験者Mの過去のデータ(健診データ、ストレスチェックテスト結果、カウンセリングの履歴、その他)を取得した上、当該データを参照して被験者Mに対応した適切な認知行動療法のカウンセリングを実行する機能を有している。
さらに認知行動療法ブロック10Hは、信号ラインSL20を介して被験者Mのカウンセリング(認知行動療法)の内容、被験者Mの音声、表情のデータ、その他を取得し、取得したデータを信号ラインSL21経由で記憶ブロック10Jに送信する機能を有している。
アサーションブロック10Iは、信号ラインSL15を介してセラピーブロック10Fから実行指令信号を取得し、被験者Mに対してアサーション(カウンセリング、コミュニケーショントレーニング)を実行する機能を有する。
被験者Mとのアサーションに際して、アサーションブロック10Iは、信号ラインSL22を介して、コーピングブロック10G、認知行動療法ブロック10Hと同様に、アンドロイドAN側に配置したアンドロイド出力装置3にカウンセリングの内容(アンドロイドANの音声、表情の制御信号を含む)を出力し、被験者Mのカウンセリングを行い、カウンセリングによって被験者Mのコミュニケーション向上のためのトレーニングを施すとともに、被験者Mに心身の疲労度を告知し、長時間労働の警告を行い、さらに産業医面談を勧奨する機能を有している。
また、アサーションブロック10Iは、コーピングブロック10G、認知行動療法ブロック10Hと同様に、被験者Mのアサーション(カウンセリング)に際して、ストレス・疲労度判定ブロック10E、或いは各データ処理ブロック10A、10B、10C、10D、記憶ブロック10Jから被験者Mのデータ(ストレスチェックテストデータ、画像データ、脈拍データ、その他)、被験者Mの過去のデータ(健診データ、ストレスチェックテスト結果、カウンセリングの履歴、その他)を取得した上、当該データを参照して被験者Mに対応した適切なカウンセリングやトレーニングを実行する。
さらにアサーションブロック10Iは、信号ラインSL23経由でアンドロイド出力装置3から被験者Mのカウンセリング(アサーション)の内容、被験者Mの音声、表情のデータ、その他を取得し、取得したデータを信号ラインSL24経由で記憶ブロック10Jに送信する機能を有している。
記憶ブロック10Jには、被験者Mの種々の過去のデータが保存される。上述した様に、当該過去のデータとしては、健康診断結果、労働時間、ストレスチェックテスト結果、SOC(首尾一貫感覚)チェック結果、コミュニケーションスキル、過去のカウンセリングの履歴(ストレスコーピング、アサーション、認知行動療法の過程)、被験者Mの出退勤時刻(タイムカード)、睡眠時間(被験者本人の承諾がある場合)等がある。
記憶ブロック10Jに保存されたデータは、信号ラインSL18、SL21、SL24を介して、コーピングブロック10G、認知行動療法ブロック10H、アサーションブロック10Iからのデータを取得して、時々刻々更新される。
記憶ブロック10Jに保存されたデータは、必要に応じてストレス・疲労度判定ブロック10E、コーピングブロック10G、認知行動療法ブロック10H、アサーションブロック10I等に送信される。
次に、図示のストレスマネジメント支援システム100で被験者Mのストレスマネジメントを実行する手順を、主として図3を参照して説明する。
図示の実施形態では、被験者MがアンドロイドANと対面することにより、各種チェック、カウンセリング、トレーニングが行われる。そのため、図3のフローチャートにおけるステップS1では、被験者MとアンドロイドANが対面しているか否かを確認する。
被験者MとアンドロイドANが対面していれば(ステップS1が「Yes」)、ステップS2に進む。
ステップS2では、各種センサ(計測装置1)により被験者Mの疲労のパラメータ(脈拍、血圧、体温)を検出し、被験者Mの表情、音声の計測結果(疲労度)、ストレスチェックテストの結果、さらに被験者Mの過去のデータ(健診データ、ストレスチェックテスト結果、その他)を参照して、被験者Mのストレス・疲労度を判定する。
当該ストレス・疲労度の判定は、図2を参照して詳述した様に、コントロールユニット10の各データ処理機能ブロック(10A〜10D)、記憶ブロック10Jからの取得データに基づき、ストレス・疲労度判定ブロック10Eで実行される。
ステップS3では、ステップS2で被験者Mのストレス・疲労度Nを判定結果に基づき、その他の状況も加味して、アンドロイドANによるカウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)が必要か否かを判断する。
当該カウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)が必要か否かの判断は、図2を参照して詳述した様に、ストレス・疲労度判定ブロック10Eからの取得データに基づき、セラピーブロック10Fで実行される。
ステップS3の判断の結果、アンドロイドANによるカウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)が必要であれば(ステップS3が「Yes」)、ステップS4に進む。
一方、ステップS3の判断の結果、アンドロイドANによるカウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)が必要でない場合(ステップS3が「No」)、ステップS5に進む。
ステップS4では、被験者Mのカウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)が、アンドロイドANにより実行される。
アンドロイドANによる被験者Mのカウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)は、被験者Mのデータ(ストレスチェックテストデータ、画像データ、脈拍データ、その他)、被験者Mの過去のデータ(健診データ、ストレスチェックテスト結果、カウンセリングの履歴、その他)を参照して、被験者Mに対応した内容で実行される。そして、カウンセリングの際、千変万化する被験者Mの心の状態に対応して、アンドロイドANの音声、表情を変化させて行われる。
カウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)に際して、その結果等を参照して、被験者Mに疲労度を告知し、長時間労働の警告を行い、産業医面談を勧奨する。
カウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)は、図2を参照して詳述した様に、コーピングブロック10G、認知行動療法ブロック10H、アサーションブロック10Iにより実行される。
図示の実施形態では、カウンセリングの手順として、認知行動療法の後にアサーションを実行する。物事の捉え方(認知)を把握しておくことにより、アサーションで発した言葉が、どの様な認知が発した言葉であるのかを把握することが可能となり、被験者Mが、自らの言葉と認知との関係を自覚することが出来るからである。
ただし図示の実施形態において、アサーションの後に認知行動療法を行うことも可能である。
ステップS4に続くステップS6では、ステップS4における被験者Mのカウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)が終了したか否かを判断する。
ステップS6の判断の結果、被験者Mのカウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)が終了した場合(ステップS6が「Yes」)、ステップS5に進む。
被験者Mのカウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)が終了していない場合には(ステップS6が「No」)ステップS3に戻り、カウンセリングを継続する。
ステップS5(ステップS3が「No」或いはステップS6が「Yes」)では、カウンセリング(ストレスコーピング、認知行動療法、アサーション)の結果を出力し、或いは、カウンセリングが不要である旨を出力する。
そして、当該被験者Mに対するストレスマネジメントの手順を終了する。
図示の実施形態のストレスマネジメント支援システム100によれば、認知行動療法やアサーション等のカウンセリング或いはトレーニングを、コントロールユニット10を備えたアンドロイドAN(人型ロボット)が被験者Mと対話形式で実行することが出来るので、カウンセラーが使用者等の職場に常駐していなくても、図示の実施形態に係るストレスマネジメント支援システム100を設置することにより、「高ストレス者」及びその「予備軍」に該当する従業者等に対してカウンセリングを行い、ストレスコーピング、認知行動療法、アサーションを実行して、従業者等に対して効果的なメンタルケアを実施することが出来る。その結果、うつ病や認知症の発症を抑制することも可能である。
さらに、例えば、深刻な状態のうつ病に罹患した従業者等や、アンドロイドAN(人型ロボット)によるカウンセリングにより症状の改善が見られない従業者等には、精神科医(例えば産業医)の面接を勧奨することにより、適切な時期に専門医に受診させて病状の改善を図ることが出来る。
そして図示の実施形態によれば、人工知能の高い学習機能を利用することが出来るので、過去の履歴(例えば、カウンセリングの履歴等)、各種テストの結果、アサーション、認知行動療法の過程から、被験者Mに対応した適切な質問をアンドロイドANに出力し、被験者Mの回答に対して適切な判断、出力を行うことが可能であり、最適なアサーション、認知行動療法を、被験者Mに提供することが出来る。
また、人工知能の高い学習機能により、被験者(M)の心の状態における変化に対応して、適切なカウンセリングを実行することが出来る。
図示の実施形態によれば、人工知能で構成されたコントロールユニット10を備えたアンドロイドANはカウンセリングを実行するので、コミュニケーション能力のトレーニングに適用可能である。当該コミュニケーション能力のトレーニングにより、被験者Mのコミュニケーション能力の向上が期待できる。
さらに、学習機能を有する人工知能でコントロールユニット10を構成することにより、被験者Mの表情、脈拍、声色というパラメータを加味した判断が可能である。
さらに、図示の実施形態では、従来のソフトウェア技術を適用したカウンセリングとは異なり、被験者Mは人間の容貌と類似する外観を有するアンドロイドANと対面するため、ディスプレイと長時間向かい合っている場合に比較して、被験者Mの精神的な疲労が少なく、カウンセリングが長時間に及んだ場合でも被験者Mの心に対して悪影響を与えてしまう度合いが少ない。
図示の実施形態において、人工知能で構成されたコントロールユニット10を備えたアンドロイドANの表情や声色を変化させることにより、被験者Mは、対面している相手の表情から相手の感情を読み取るトレーニングや、相手の音声から相手の感情を読み取るトレーニングを行うことが出来る。そして、その様なトレーニングを行うことにより、被験者Mのコミュニケーション能力を向上させることが出来る。
そして被験者Mのコミュニケーション能力が向上すれば、被験者Mのストレス対処能力も向上するので、被験者Mは自らが受けるストレスを和らげて、精神的な平穏を維持する能力を高くすることが出来る。
さらに図示の実施形態においては、認知行動療法の後にアサーションを行う様にするので、物事の捉え方(認知)を把握しておくことにより、アサーションにおいて発した言葉が、どの様な認知がもたらしたものであるのかを判断することが出来る。その結果、被験者Mは、言葉と認知との関係を自覚することが出来る。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
1・・・計測装置
2・・・入出力装置
10・・・コントロールユニット
100・・・ストレスマネジメント支援システム
AN・・・アンドロイド(人型ロボット)
M・・・被験者
S1・・・映像センサ
S2・・・音声センサ
S3・・・脈拍センサ
S4・・・血圧センサ
S5・・・体温センサ

Claims (3)

  1. 表情を読み取る機能を有する映像センサと、音声を聞き取る音声センサと、ストレスチェックテスト入出力装置と、人工知能を備えた人型ロボットを備え、前記人工知能は対話形式でストレスコーピング、認知行動療法、アサーションのうちの少なくとも1つを含むカウンセリングを実行し、前記カウンセリングの効果を視覚化して確認できる機能を有していることを特徴としているストレスマネジメント支援システムであって、
    前記人工知能は、前記ストレスチェックテストの結果、前記映像センサによる画像データ及び音声センサによる音声データに基づいて、被験者のストレスの程度、疲労度を判定し、
    前記判定の結果に基づいて、前記カウンセリングの内容を決定し、
    前記決定に基づいて、前記人型ロボットの音声、表情を変化させて、前記対話形式で前記カウンセリングを行う
    ストレスマネジメント支援システム。
  2. 体温、脈拍、その他のセンサにより被験者の各種パラメータを計測する装置を有しており、前記人工知能は、前記計測装置による計測結果を参照して、前記カウンセリングの内容を決定する機能を有している請求項1のストレスマネジメント支援システム。
  3. 表情を読み取る機能を有する映像センサと、音声を聞き取る音声センサと、ストレスチェックテスト入出力装置と、人工知能を備え、前記人工知能は対話形式でストレスコーピング、認知行動療法、アサーションのうちの少なくとも1つを含むカウンセリングを実行し、前記カウンセリングの効果を視覚化して確認できる機能を有していることを特徴としているストレスマネジメント支援システムであって、
    前記人工知能は、前記ストレスチェックテストの結果、前記映像センサによる画像データ及び音声センサによる音声データに基づいて、被験者のストレスの程度、疲労度を判定し、
    前記判定の結果に基づいて、前記カウンセリングの内容を決定し、
    前記決定に基づいて、前記対話形式で前記カウンセリングを行う
    ストレスマネジメント支援システム。
JP2018078278A 2018-04-16 2018-04-16 ストレスマネジメント支援システム Active JP6724279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018078278A JP6724279B2 (ja) 2018-04-16 2018-04-16 ストレスマネジメント支援システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018078278A JP6724279B2 (ja) 2018-04-16 2018-04-16 ストレスマネジメント支援システム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019185586A JP2019185586A (ja) 2019-10-24
JP2019185586A5 JP2019185586A5 (ja) 2020-04-02
JP6724279B2 true JP6724279B2 (ja) 2020-07-15

Family

ID=68341459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018078278A Active JP6724279B2 (ja) 2018-04-16 2018-04-16 ストレスマネジメント支援システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6724279B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111134694A (zh) * 2019-12-20 2020-05-12 浙江连信科技有限公司 基于人机交互的心理咨询分析方法及装置
CN112331307A (zh) * 2020-11-04 2021-02-05 苏州中科先进技术研究院有限公司 一种基于ai的智能心理咨询方法、系统、终端以及存储介质

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003108674A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Sumitomo Cement Computers Systems Co Ltd メンタルヘルス・サーバ装置及びメンタルヘルス・サービス提供システム
JP5966446B2 (ja) * 2012-03-02 2016-08-10 日本電気株式会社 メンタルケア支援システム、装置、方法およびプログラム
JP2015184563A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 シャープ株式会社 対話型家電システム、サーバ装置、対話型家電機器、家電システムが対話を行なうための方法、当該方法をコンピュータに実現させるためのプログラム
WO2018066205A1 (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 ソニー株式会社 情報処理装置、及び情報処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019185586A (ja) 2019-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Anstey et al. Interrelationships among biological markers of aging, health, activity, acculturation, and cognitive performance in late adulthood.
US20190239791A1 (en) System and method to evaluate and predict mental condition
Santos et al. Toward interactive context-aware affective educational recommendations in computer-assisted language learning
US20040210159A1 (en) Determining a psychological state of a subject
JP2021500209A (ja) 生理的状態を判定するシステム及び方法
Young et al. Developing a carer communication intervention to support personhood and quality of life in dementia
Robert et al. Recommendations for ICT use in Alzheimer's disease assessment: Monaco CTAD expert meeting
US20230048704A1 (en) Systems and methods for cognitive health assessment
Zhu et al. Detecting emotional reactions to videos of depression
Johnsen et al. Registered nurses' clinical reasoning in home healthcare clinical practice: A think-aloud study with protocol analysis
Harrison The Emotiv mind: Investigating the accuracy of the Emotiv EPOC in identifying emotions and its use in an Intelligent Tutoring System
KR101854812B1 (ko) 시청각 콘텐츠와 생체신호 분석을 활용한 정신증상 평가 시스템
Penn Pragmatic assessment and therapy for persons with brain damage: What have clinicians gleaned in two decades?
WO2016092103A1 (en) Device, system and method for assessing information needs of a person
Daros et al. Identifying mental disorder from the faces of women with borderline personality disorder
JP2010259634A (ja) 認知症検査支援システム及び認知症検査支援装置
Dang et al. Stress game: The role of motivational robotic assistance in reducing user’s task stress
JP6724279B2 (ja) ストレスマネジメント支援システム
Weiß et al. Effects of image realism on the stress response in virtual reality
Walton et al. Putting “ME” into measurement: Adapting self-report health measures for use with individuals with intellectual disability
US20190130077A1 (en) Sensor system and method for cognitive health assessment
Louis Measurement issues in fluency disorders
US20160093231A1 (en) Apparatus and method for providing content for training non-cognitive ability of user by using user device
Svensson et al. Healthcare professionals learning when implementing a digital artefact identifying patients’ cognitive impairment
Husain Investigating current state-of-the-art applications of supportive technologies for individuals with ADHD

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191001

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191001

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200527

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6724279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250