<実施形態>
本発明の一実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1について、図1〜図13を参照して説明する。
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について図1および図2を参照して説明する。
この実施形態におけるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであって、例えば図1に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、筐体3の前面が前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されると共に、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。
そして、この正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、図1、図2に示すように、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。これら左・中・右リール13L,13M,13Rには、複数種類の図柄(例えば、「赤7」「青7」「白7」「BAR」「BE(ベル)」「CH(チェリー)」「WM1(スイカ1)」「WM2(スイカ2)」「RP1(リプレイ1)」「RP2(リプレイ2)」)が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄には、0番から20番までのコマ番号が順に付されている。そして、例えば、コマ番号0番から20番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて各リール13L,13M,13Rがそれぞれ形成される。また、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号20番、19番、…、0番、20番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、この実施形態では、リール13Lが「中段」、中リール13Mが「中段」、右リール13Rが「中段」の1ライン(センターライン)が入賞ラインとして設定されている。
また、各リール13L,13M,13Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rには、それぞれステッピングモータにより構成される図3
に示すリールモータ14L,14M,14Rが連結されている。なお、各リール13L,13M,13Rと各々のリールモータ14L,14M,14Rとで構成されたリールユニットが本発明の「図柄表示手段」に相当する。
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、液晶表示器27に表示されるメニュー画面上の操作等に用いられる十字キースイッチ44、演出ボタン42、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R(本発明の「停止操作手段」に相当)、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27(本発明の「演出表示手段」に相当)が設けられ、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体(図示省略)が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図3参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48(図3参照)が配設されている。また、ホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49(図3参照)が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のオンオフを切り換える電源スイッチ50(図3参照)が設けられるとともに、後述する設定変更処理のためのキーシリンダおよび押しボタン式の設定変更ボタン52(図3参照)が設けられている。
続いて、スロットマシン1の電気的な構成について図3を参照して説明する。図3はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図3において、投入センサ53は、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。払出センサ54は、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するためのもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号20番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
変更処理開始スイッチ56は、操作ボックス49のキーシリンダの内部に設けられており、設定変更キー(図示省略)をキーシリンダに挿入して回転することによりオンオフが切り換えられる。設定変更ボタン52は、操作ボックス49内に設けられ、設定変更中は1回押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。
ホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。
また、このスロットマシン1では、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種の遊技情報が一方向で送信される。
メイン制御基板63のRAM65はスロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域が形成されている。
また、メイン制御基板63のROM67は予め設定されたデータ(図4の役抽選テーブル671、停止テーブル672など)を含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
また、メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、役抽選手段105(図4参照)による役抽選結果(後述する役の入賞に必要な情報も含む)に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報などの種々の遊技情報をコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
また、サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種の遊技情報に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27やスピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について、図4〜図9を参照して詳細に説明する。
図4に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
(1)遊技制御手段100
遊技制御手段100は、スロットマシン1の遊技を制御するためのものであり、一般的な遊技である通常遊技(RT0)および遊技者にとって通常遊技よりも有利な遊技であるビックボーナス遊技(BB遊技)およびレギュラーボーナス遊技(RB遊技)と、両ボーナス遊技(BB遊技、RB遊技)の内部当選の持越し状態の遊技(RT1、RT2)とを実行する。
図5に示すように、通常遊技で特別役「BB」に入賞すると、BB遊技に移行する。BB遊技で、所定枚数のメダルが払い出されたり、所定数の遊技(ゲーム)が実行されたりするなどのBB遊技終了条件が成立すると、BB遊技が終了して通常遊技(RT0)に戻る。通常遊技で特別役「RB」に入賞すると、RB遊技に移行する。RB遊技において、所定枚数のメダルが払い出されたり、所定数の遊技(ゲーム)が実行されたりするなどのRB遊技終了条件が成立すると、RB遊技が終了して通常遊技(RT0)に戻る。
通常遊技で特別役「BB」に当選したにも関わらず入賞しなかった場合は、BB遊技の内部当選の持越し状態であるBB内部当選中遊技(RT1)に移行する。BB内部当選中遊技(RT1)で持越し状態中の特別役「BB」に入賞するとBB遊技に移行し、上述のBB遊技終了条件の成立により通常遊技(RT0)に戻る。
通常遊技において、特別役「RB」に当選したにも関わらず入賞しなかった場合は、RB遊技の内部当選の持ち越し状態であるRB内部当選中遊技(RT2)に移行する。当該遊技(RT2)で持ち越し状態中の特別役「RB」に入賞するとRB遊技に移行し、上述のRB遊技終了条件の成立により通常遊技(RT0)に戻る。なお、BB、RB遊技終了条件は、例えば、獲得枚数が所定値に達することなど、適宜設定することができる。
ここで、通常遊技の流れの一例について説明する。この実施形態では、スロットマシン1は、3枚のメダルで1遊技(1ゲーム)が行われるように構成されており、ベット枚数カウンタ651は、投入メダルの数を3枚まで記憶する。投入センサ53、ベットスイッチ15または最大ベットスイッチ17により3枚のメダルが投入されると、表示窓11の中央(中段)の水平な入賞ライン(センターライン)が有効となる。そして、規定数である3枚のメダルの投入を条件にスタートスイッチ19が操作されると、役抽選手段105により予め設定された複数の当選役(抽選結果)に当選したか否かの役抽選が行われる。ここで、メイン制御基板63は、左・中・右リール13L,13M,13Rの全ての回転を開始させ、表示窓11に表示される各リール13L,13M,13Rの図柄を各リール13L,13M,13Rの回転角に合わせて判別することを開始する。
その後、左・中・右リール13L,13M,13Rが加速され、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rにより、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置が所定の基準位置であることが検出されると、すべてのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となる。各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作が有効となった後、左ストップスイッチ21Lが操作されると左リール13Lが停止し、中ストップスイッチ21Mが操作されると中リール13Mが停止し、右ストップスイッチ21Rが操作されると右リール13Rが停止する。このように、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rに対応する左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されると、各左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が、有効となった表示窓11の中段の入賞ライン上の所定の位置に停止すると、入賞となる。そして、入賞態様に応じた枚数のメダルが、クレジットされるかまたはメダル払出口39から払い出される。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
具体的には、図6および図7に示すように、この実施形態では、特別役として当選役「BB」および「RB」、BB、RB中増加役として当選役「nBP」、再遊技役として当選役「sRP1」「sRP2」「nRP」「cRP」、小役として当選役「nBE(ベル)」「nWM(スイカ)」「nCH(チェリー)」)が予め設定されている。
当選役「BB」の入賞態様は、各リール13L,13M,13Rの図柄「赤7」が入賞ラインに揃う図柄組合せであり、当選役「RB」の入賞態様は、入賞ラインに図柄「赤7」−「赤7」−「青7」が揃う図柄組合せである。これらの当選役は、いずれも各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによっては、入賞させることができない「取りこぼし」が発生し得る当選役であり、「取りこぼし」が発生した場合は、次の遊技から入賞するまでの間、BBまたはRB内部当選中遊技に移行する。
BB、RB中増加役「nBP」は、BB遊技およびRB遊技中の遊技でのみ役抽選の対象となる当選役である。その入賞時は、表示窓11中の左リール13Lの下段に図柄「BE」、中リール13Mの中段に図柄「BE」、右リール13Rの上段に図柄「BE」が停止表示される図柄組合せ(右上がりベル)が主な入賞態様に設定されている。なお、当選役「nBP」の入賞態様にかかる図柄は、各リール13L,13M,13Rのいずれでもストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングに依らずに引き込み可能であり、「取りこぼし」が発生しないように構成されている。
当選役「nBE(ベル)」は、入賞態様として、表示窓11内の左リール13Lの上段に図柄「BE」、中リール13Mの上段に図柄「BE」、右リール13Rの上段に図柄「BE」が停止表示される図柄組合せ(上段ベル)と、全てのリール13L,13M,13Rの中段に図柄「BE」が停止表示される図柄組合せ(中段ベル)と、左リール13Lの上段に図柄「BE」、中リール13Mの中段に図柄「BE」、右リール13Rの下段に図柄「BE」が停止表示される図柄組合せ(右下がりベル)の3種類が設定されている。また、当選役「nBE」は、当選すると必ず入賞するように構成されており、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングに応じて、上述の3種類の入賞態様のうちのいずれかが停止表示される。
当選役「nCH(チェリー)」の入賞態様は、中、右リール13M,13Rの図柄の停止表示態様によらずに、入賞ラインの左リール13Lの図柄が「CH」の図柄組合せである。この当選役は、左ストップスイッチ21Lの操作タイミングによっては、入賞させることができない「取りこぼし」が発生する。
当選役「nWM(スイカ)」の入賞態様(センターラインの図柄組合せ)は、左リール13Lが図柄「BEまたはRP1」、中リール13Mが図柄「WM1またはWM2」、右リール13Rが図柄「BEまたはWM1またはWM2」である。この当選役は、中リール13Mのストップスイッチ21L,21Mの操作タイミングによっては、入賞させることができない「取りこぼし」が発生する。
ここで、当選役「nCH」、「nWM」の両方の「取りこぼし」をなくすためのストップスイッチ21L,21M,21Rの操作方法の一例を説明する。例えば、左リール13Lの図柄「BAR」を、「枠上」か「上段」に目押しする。このとき、当選役「nCH」が当選している場合は、左リール13Lの中段に図柄「CH」が停止するため当選役「nCH」の「取りこぼし」をなくすことができる。また、当選役「nWM」に当選している場合は、上述の図柄「BAR」が枠下まで滑り、左リール13Lの図柄「WM1(コマ番号4)」が上段に停止する。左リール13Lの上段に図柄「WM1」が停止した場合、中リール13Mの図柄「BAR」を上段か中段に目押しすると、図柄「BAR」の1つ上の図柄「WM2」が中段に停止する。右リール13Rは、どのようなタイミングで操作しても図柄「WM1」または「WM2」のいずれかが下段に停止するように図柄が配列されているため、適当なタイミングで操作しても当選役「nWM」の「取りこぼし」が発生しない。なお、このようなストップスイッチ21L,21M,21Rの操作方法(小役回収打法)は、一般的に「DDT打法」(または、「KKK打法」)と呼ばれている。
再遊技役は、当選役「sRP1」、「sRP2」、「nRP」、「cRP」の4種類が設定されており、いずれも入賞すると次の遊技で新たなメダルを投入することなく当該入賞遊技のメダルの賭数と同じ賭数で再度遊技を行うことができる。当選役「sRP1」の入賞態様(センターラインの図柄組合せ)は、左リール13Lが図柄「RP2」、中リール13Mが図柄「BAR」、右リール13Rが図柄「RP1またはRP2」である。この場合、左、中リール13L,13Mの操作タイミングによっては入賞しない場合があるが、上述の「DDT打法」を実践すると、左リール13Lの下段に図柄「BAR」が停止し、中リール13Mの中段に図柄「BAR」が停止し、右リール13Rの上段に図柄「WM1」または「WM2」が停止する。ここで、左リール13Lの図柄「BAR」の1つ上の図柄(中段の図柄)が「RP2」、右リール13Rの図柄「WM1」または「WM2」の1つ下の図柄(中段の図柄)が「RP1」または「RP2」であり、当選役「sRP1」の入賞態様となる。なお、当該入賞態様は、抽選対象グループ「SRP1+BB」(図9参照)に当選した遊技でしか発生しないものである。
当選役「sRP2」の入賞態様(センターラインの図柄組合せ)は、左リール13Lが図柄「BE」、中リール13Mが図柄「CHまたはWM1またはWM2」、右リール13Rが図柄「WM1またはWM2」である。この場合、各ストップスイッチ21L,21M,21Rをどのようなタイミングで操作しても「取りこぼし」が発生しない構成となっている。また、「DDT打法」を実践すると、左リール13Lの中段に図柄「BE」が停止し、中リール13Mの中段に図柄「WM1」または「WM2」が停止する。すなわち、左、中リール13L,13Mは、当選役「nWM」と同じ停止表示態様となるため、遊技者は、当選役「nWM」の入賞(右下がりスイカ)を予想する。そして、右リール13Rで図柄「WM1」または「WM2」を目押しした場合は、右リール13Rの中段に図柄「WM1」または「WM2」が停止し、当選役「sRP2」の入賞態様となる(当選役「sRP2」に入賞)。当該入賞態様は、右下がりスイカのテンパイハズレであり、遊技者はスイカが外れてリーチ目になったと認識することになる。
なお、このような特殊リーチ目(右下がりスイカハズレ)は、抽選対象グループ「SRP2+BB」または、「SRP2+RB」に当選した遊技でしか発生しないものである。なお、左リール13Lの上段と中リール13Mの中段それぞれに図柄「WM1」または「WM2」が停止する態様である「右下がりスイカテンパイ」は、スイカ(抽選対象グループ「NWM」)またはボーナス当選(抽選対象グループ「SRP2+BB」または、「SRP2+RB」に当選)のときにのみ発生し、他の役(抽選対象グループ)の当選時には停止しないように停止制御されており、「右下がりテンパイ」の出目が出現した後、スイカ(当選役「nWM」)が入賞しなければボーナス当選となる。
当選役「nRP」の入賞態様(センターラインの図柄組合せ)は、左リール13Lが図柄「RP1」または「RP2」、中リール13Mが図柄「RP1」または「RP2」、右リール13Rが図柄「RP1」または「RP2」である。当選役「cRP」の入賞態様(センターラインの図柄組合せ)は、左リール13Lが図柄「BE」、中リール13Mが図柄「BE」、右リール13Rが図柄「WM1またはWM2」である。これらの当選役「nRP」、「cRP」は、いずれも「取りこぼし」が発生しない再遊技役として設定されている。
なお、図6および図7に示す各当選役にかかる図柄組合せが入賞ライン(センターライン)に揃うと、当該当選役の入賞となって、図6および図7の「配当」の欄に示す枚数のメダルが払い出される。
(2)設定変更手段101
図4の設定変更手段101は、所定の設定変更操作に基づいて、出玉率(獲得メダル数÷投入メダル数×100[%])の調整をするための設定(設定1〜設定6)を変更するものである。各設定の出玉率は、例えば、設定値毎に特別役(当選役「BB」、「RB」)の当選確率を変えることで調整できる。
ここで、設定値を変更するための設定変更操作の一例について説明する。例えば、スロットマシン1の電源が投入される前に変更処理開始スイッチ56(設定キー)をON状態にし、電源を投入すると、設定変更処理が開始される。このとき、設定変更ボタン52(リセットスイッチ)を1回押すと、電源投入前に設定された設定値から1つ上位の設定値に仮設定される(例えば、設定3から設定4に仮設定)。その後は、設定変更ボタン52を押す度に1つ上位の設定値に仮設定される。但し、仮設定値が6の場合に設定変更ボタン52を押すと、設定値が1に戻って仮設定される。そして、最後に、スタートスイッチ19のON操作により設定値が確定し、その時の仮設定値がスロットマシン1の設定値になる。
(3)テーブル選択手段102
図4のテーブル選択手段102は、遊技制御手段100により制御される遊技の種類(通常遊技や内部当選中遊技、BB、RB遊技など)、および、設定変更手段101により設定された設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブル671から1つの役抽選テーブルを選択するものである。すなわち、例えば通常遊技では、テーブル選択手段102は、役抽選テーブルとして、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて役抽選テーブル671(通常遊技用役抽選テーブル)を選択する。
(4)乱数発生手段103
図4の乱数発生手段103は、抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させるものである。また、乱数発生手段103は、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成することができる(いわゆるハード乱数)。なお、乱数発生手段103は、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。これらの手段は、例えば、メインCPU61に所定のプログラムを実行させることによって構成することができる(いわゆるソフト乱数)。また、ハード乱数とソフト乱数の双方を備え、それらの結果に基づき乱数をソフト的に生成するようにしてもよい。また、この実施形態では、後述する役抽選手段105に用いられる乱数を発生させる。
(5)乱数抽出手段104
図4の乱数抽出手段104は、乱数発生手段103が発生する乱数値を抽出するもので、当該乱数値を所定の条件で抽出する。この実施形態では、乱数抽出手段104は、スタートスイッチ19が操作されたタイミングで乱数値を抽出する。なお、乱数発生手段103は、カウンタ回路などによって構成されるため、乱数発生手段103が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。しかしながら、スタートスイッチ19が操作されるタイミングはランダムであると考えられるため、乱数抽出手段104が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
(6)役抽選手段105
図4の役抽選手段105は、予め設定された複数の役に当選したか否かを抽選により決定するもので、図4に示すように、役抽選判定手段105aを備えている。
この実施形態では、役抽選手段105により複数の当選役に同時に当選することができるように構成されている。この場合、図8に示すように、役抽選を行うに当たり、1または複数の当選役で構成された複数の当選役グループが設定される。例えば、複数の当選役で構成された当選役グループ「SRP1」に当選した場合は、当選役「sRP1」および「nRP」の両方に同時に当選したことを意味する。また、この実施形態では、当選役グループ「SRP1」に当選した場合、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミング(操作態様)に応じて当選役「sRP1」および「nRP」のいずれかに入賞するように構成されている。なお、当選役グループ「HZ」は、いずれの当選役にも当選していないハズレを意味している。
また、この実施形態では、役抽選において複数の当選役グループに同時に当選する同時当選役が設定されている。具体的には、図9に示すように、役抽選の区分として、1または複数(この実施形態では2つ)の当選役グループで構成された複数の抽選対象グループが設定されており、役抽選手段105は、これらの抽選対象グループのいずれかに当選したか否かを抽選により決定する。ここで、複数の当選役グループで構成された各抽選対象グループのいずれかに当選した場合は、当該抽選対象グループを構成する各当選役グループに同時に当選したことを意味する。例えば、抽選対象グループ「SRP1+BB」(同時当選役)に当選した場合は、当選役グループ「SRP1」および当選役グループ「BB」に同時に当選したことを意味し、換言すると、当選役「BB」、「sRP1」、「nRP」の3種類の当選役に同時に当選したことを意味する。複数の当選役グループで構成された他の抽選対象グループ「SRP2+BB」「SRP2+RB」「CRP+BB」「CRP+RB」も同様である。
また、図8に示すように、各当選役グループには、それぞれ固有の上位役番号または下位役番号が16進数で対応付けされている。そして、役抽選手段105の役抽選結果に基づいて、当選した当選役グループに上位役番号が対応付けされていれば、当選した当選役グループに対応付けされている上位役番号が役抽選結果記憶領域653の上位記憶領域に格納される。また、当選した当選役グループに下位役番号が対応付けされていれば、当選した当選役グループに対応付けされている下位役番号が役抽選結果記憶領域653の下位記憶領域に格納される。
この実施形態では、役抽選結果記憶領域653は、RAM65に2バイトのデータ領域として割当てられており、役抽選結果記憶領域653は、それぞれ1バイトのデータ領域が割当てられた、特別役に関する役抽選結果を記憶する上位記憶領域と、小役、BB中増加役および再遊技役に関する役抽選結果を記憶する下位記憶領域とを備えている。
そして、図8(a)に示す、特別役(当選役「BB」、「RB」)で構成される当選役グループ「BB」、「RB」のいずれかに当選した場合には、当選した当選役グループに対応付けされている”01h”または”02h”のいずれかが上位記憶領域に記憶される。また、図8(b)に示す、小役、BB中増加役および再遊技役により構成される当選役グループのいずれかに当選した場合には、各当選役グループに対応付けされている”01h”〜”09h”のいずれかが下位記憶領域に記憶される。
なお、図9に示す当選役グループHZは、役抽選手段105による役抽選結果がハズレである場合を示し、役抽選結果がハズレである場合には、同図中に示すように、役抽選結果記憶領域653の上位記憶領域および下位記憶領域の両方に”00h”が格納される。同時当選役では、例えば、抽選対象グループ「SRP1+BB」に当選した場合、役抽選結果記憶領域653の上位記憶領域に“01h”が記憶されるとともに、下位記憶領域に“03h”が記憶される。なお、下位記憶領域のデータは、当選役の入賞に有無に関わらず役抽選の度に書き換えられるのに対して、上位記憶領域のデータは、入賞するまで維持される。すなわち、特別役(当選役「BB」、「RB」)は、入賞するまでその当選状態が持ち越される。このように、特別役に当選した場合に、入賞するまで上位記憶領域のデータが維持される機能、つまり、特別役の当選を内部当選として持ち越される機能が、本発明の「持ち越し手段」に相当する。
また、図9に示すように、各抽選対象グループは、遊技状態に応じて、役抽選手段105による役抽選が行われるか否かが設定されている。例えば、抽選対象グループ「SRP1+BB」は、通常遊技(RT0)のみで抽選対象となる。また、抽選対象グループ「CRP」は、通常遊技(RT0)、BB内部当選中遊技(RT1)、RB内部当選中遊技(RT2)のときに抽選対象となる。なお、図9の”○”は役抽選手段105により当選となる可能性があることを示し、”×”は、役抽選手段105による役抽選が行われない、もしくは、当選確率0%の抽選データに基づく役抽選が行われることにより、役抽選手段105に当選となる可能性がないことを示す。
そして、この実施形態では、役抽選手段105の役抽選に用いられる役抽選テーブル671には、各抽選対象グループにそれぞれ抽選データが設定されている。役抽選テーブル671は、各抽選対象グループに当選したか否かの役抽選を行うためのものであって、各抽選データにより、乱数発生手段103が発生する乱数の全範囲中での当選領域が決定される。
なお、この実施形態では、特別役との同時当選にかかる再遊技役「sRP1」(当選役グループ「SRP1」)および「sRP2」(当選役グループ「SRP2」)は、BB、RB内部当選中遊技の役抽選で当選しないように構成されている。具体的には、BB内部当選中遊技(RT1)でテーブル選択手段102により選択される役抽選テーブル671(BB内部当選中遊技用役抽選テーブル)では、通常遊技の抽選対象グループ「SRP1+BB」、「SRP2+BB」、「SRP2+RB」それぞれに対して、代用役として当選役グループ「CRP」、「TRP」、「CRP」が設定されている。例えば、BB内部当選中遊技において乱数発生手段103が発生する乱数値が、通常遊技において抽選対象グループ「SRP1+BB」の当選領域にある場合には、代用役の当選役グループ「CRP」に当選するように構成されている。
また、抽選対象グループ「BB」、「RB」、「CRP+BB」、「CRP+RB」にも代用役が設定されている。すなわち、BB内部当選中遊技において乱数発生手段103が発生する乱数値が、通常遊技での抽選対象グループ「BB」および「RB」の当選領域にある場合には、いずれも「HZ(ハズレ)」となり、抽選対象グループ「CRP+BB」および「CRP+RB」の当選領域にある場合は、いずれも当選役グループ「CRP」に当選するように構成されている。
また、RB内部当選中遊技においても、抽選対象グループ「SRP1+BB」、「SRP2+BB」、「SRP2+RB」それぞれに対して、代用役として当選役グループ「NRP」、「TRP」、「NRP」が設定されるとともに、抽選対象グループ「CRP+BB」、「CRP+RB」それぞれに対して、代用役として当選役グループ「NRP」が設定されている。
また、BB遊技およびRB遊技では、抽選対象グループとして当選役グループ「NBP」の1種類が設定され、役抽選手段105は、当選役グループ「NBP」に当選していない場合は、「HZ(ハズレ)」と判断する。
なお、詳細な説明は省略するが、役抽選テーブル671には、役抽選におけるメダル数増加の期待値が異なる複数種類の抽選データが設けられており、この実施形態では、期待値が最も低い設定1から期待値が最も高い設定6までの6種類の抽選データが抽選対象グループごとに設けられている。
a)役抽選判定手段105a
役抽選判定手段105aは、乱数抽出手段104が抽出した乱数値と、テーブル選択手段102が選択した役抽選テーブル671に含まれる抽選データとを照合して、乱数抽選結果の判定を行うものである。すなわち、この役抽選判定手段105aは、乱数抽出手段104が抽出した乱数値と、複数の役抽選テーブル671からテーブル選択手段102により選択された抽選テーブルに含まれる抽選データを照合して、乱数抽選の結果が、特別役当選か、小役当選か、BB中増加役当選か、再遊技役当選か、あるいはハズレかを判定する。そして、役抽選判定手段105aによる判定結果が、RAM65に形成された役抽選結果記憶領域653に記憶される。
(7)メイン側操作判定手段106
図4のメイン側操作判定手段106は、メイン制御基板63に入力される各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されることによる検出信号に基づいて、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序を判定するものである。
(8)リール検出手段107
図4のリール検出手段107は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。この場合、リール検出手段107は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(9)停止制御手段108
図4の停止制御手段108は、役抽選手段105の役抽選結果および各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様に基づいて、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。この場合、停止制御手段108は、1遊技毎に、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
停止テーブル672は、役抽選手段105の役抽選結果それぞれに対応して複数のテーブルが設定されている。この停止テーブル672は、各リール13L,13M,13Rの停止位置を決定するためのものであって、ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときのリール13L,13M,13Rの回転位置に応じて、各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数をあらかじめ定めたものである。
具体的には、停止テーブル672は、各リール13L,13M,13Rそれぞれについて、対応する各ストップスイッチ21L,21M,21Rが1番目に操作されたときの第1停止用の停止テーブルと、2番目に操作されたときの第2停止用の停止テーブルと、3番目に操作されたときの第3停止用の停止テーブルとを個別に備えている。そして、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応する第1停止用の停止テーブルと、第2停止用の停止テーブルと、第3停止用の停止テーブルとには、役抽選手段105の役抽選結果に対応して、異なる滑りコマ数が定められている。
そして、停止制御手段108は、役抽選手段105の役抽選結果と、メイン側操作判定手段106により判定された、ストップスイッチ21L,21M,21Rのうち、いずれのストップスイッチが何番目に操作されたのかという情報とに基づいて、複数の停止テーブル672の中から一の停止テーブル672を選択する。次に、この選択した一の停止テーブル672と、各リール13L,13M,13Rのうち、操作されたストップスイッチに対応するリールの、ストップスイッチが操作されたときの回転位置とから、操作されたストップスイッチに対応するリールの滑りコマ数を決定する。
ここで、滑りコマ数が0と決定されれば、直ちにリールの回転を停止させる。すなわち、滑りコマ数が0と決定されると、ストップスイッチが操作されたときに表示窓11の上段に表示されていた図柄は、そのまま表示窓11の上段に停止表示される。また、滑りコマ数が1と決定されれば、1コマ分だけリールを回転させて停止させる。すなわち、滑りコマ数が1と決定されると、ストップスイッチが操作されたときに表示窓11の上段に表示されていた図柄は、リールの回転方向に1コマずれて、表示窓11の中段に停止表示される。
また、停止制御手段108は、役抽選手段105の役抽選結果が複数の当選役のいずれかへの当選であれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、当選役に入賞するように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
また、停止制御手段108は、役抽選手段105による役抽選結果がハズレであれば、この役抽選結果に基づいて選択された停止テーブル672と、各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作されたときの各リール13L,13M,13Rの回転位置とから、複数の当選役のいずれにも入賞しないように各リール13L,13M,13Rの滑りコマ数を決定して、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。なお、この実施形態では、滑りコマ数に上限(4コマ)が設けられており、上述のように、当選役「nCH(チェリー)」および「nWM(スイカ)」は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミングによって、「取りこぼし」が発生する。この場合、停止制御手段108は、「取りこぼし」が生じる場合は、当選していない他の当選役に入賞しないように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
また、この実施形態では、例えば、抽選対象グループ「SRP1+BB」に当選した場合、当選役グループ「BB」および「SRP1」に同時当選しているが、この場合、停止制御手段108は、当選役「sRP1」、「nRP」、「BB」の優先順位で入賞するように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。
ところで、通常遊技では、小役の取りこぼしを防止するために、上述の「DDT打法」を実践するのが一般的である。「DDT打法」を実践しているときに、抽選対象グループ「SRP1+BB」に当選すると、左リール13Lでは、優先順位が1番目の当選役「sRP1」の入賞にかかる図柄「RP2」を引き込むことができるため、停止制御手段108は、左リール13Lの中段に図柄「RP2」が停止するように左リール13Lの停止制御を行う。残りのリール13M,13Rについても、それぞれ当選役「sRP1」の入賞にかかる図柄(中リール13M:「BAR」、右リール13R:「RP1/2」)を入賞ラインに引き込めるタイミングでストップスイッチ21M,21Rが操作された場合は、当選役「sRP1」の入賞にかかる図柄が停止するように両リール13M,13Rの停止制御を行う。ここで、入賞にかかる図柄を引き込めるタイミングで中ストップスイッチ21Mが操作されなかった場合は、優先順位が2番目の当選役「nRP」が入賞させるべく、中リール13Mの中段に図柄「RP1/2」が停止するように中リール13Mの停止制御を行う。なお、当選役「nRP」は、「取りこぼし」が発生しないため必ず入賞する。したがって、抽選対象グループ「SRP1+BB」に当選した遊技では、当選役「BB」には入賞せず、当選役「sRP1」および「nRP」のいずれかに入賞する。
抽選対象グループ「SRP2+BB」に当選した場合、停止制御手段108は、当選役「sRP2」、「BB」の優先順位で入賞するように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。当選役「sRP2」は、「取りこぼし」が発生しないため、抽選対象グループ「SRP2+BB」に当選した遊技では、当選役「BB」には入賞せずに、必ず当選役「sRP2」に入賞する。なお、「DDT打法」を実践している場合は、表示窓11内に、「右下がりスイカ」のはずれ目の特殊リーチ目が表示される。
抽選対象グループ「SRP2+RB」に当選した場合、停止制御手段108は、当選役「sRP2」、「RB」の優先順位で入賞するように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。停止制御手段108の停止制御は、抽選対象グループ「SRP2+BB」と同様である。
抽選対象グループ「CRP+BB」および「CRP+RB」に当選した場合、停止制御手段108は、いずれも特別役(当選役「BB」または「RB」)、「CRP」の優先順位で入賞するように各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。当選役「cRP」は、上述のように「取りこぼし」が発生しないので、特別役(当選役「BB」または「RB」)の「取りこぼし」が発生した場合は必ず当選役「cRP」に入賞する。
当選役グループ「TRP」(抽選対象グループ「TRP」)は、通常遊技の抽選対象グループ「SRP2+BB」の代用役であり、BB、RB内部当選遊技でのみ抽選対象となるものである。当選した場合は、当選役「sRP2」、「nRP」、「cRP」に同時に当選したことになるが、この場合、停止制御手段108は、BB内部当選中遊技では、当選役「cRP」に、RB内部当選中遊技では、当選役「nRP」に入賞するように、各リール13L,13M,13Rの停止制御を行う。したがって、この場合の当選役「sRP2」は、当選が許容されてはいるものの、入賞はしない当選役として設定されている。
当選役「sRP1」および「sRP2」は、いずれも通常遊技のみで抽選対象となっており、かつ、特別役(当選役「BB」または「RB」)と同時に当選する当選役として設けられている。また、当選役「sRP1」および「sRP2」は、いずれも特別役(当選役「BB」、「RB」)に当選した遊技でのみ入賞し得るものである。したがって、上記した特殊リーチ目は、いずれも特別役(当選役「BB」、「RB」)に当選した遊技でのみ発生し得るリーチ目となる。
また、特別役(ボーナス役「BB」、「RB」)を含む抽選対象グループに当選した遊技で、当該ボーナス役に入賞しなかった場合や、BB、RB内部当選中遊技では、当選したボーナス役に入賞させるべく各リール13L,13M,13Rのリール制御が行われる。その結果、各リール13L,13M,13Rが停止したときの図柄組合せが、ボーナス役に当選していない遊技では発生しない停止図柄組合せとなる場合がある。このときの停止図柄組合せもボーナス役「BB」、「RB」に当選した遊技であるか、あるいは、ボーナス役の入賞を持ち越している状態であることを示唆するリーチ目となる(通常リーチ目)。通常リーチ目は、特別役(ボーナス役「BB」、「RB」)に当選した遊技で当該ボーナス役に入賞しないタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作された場合や、BB、RB内部当選中遊技において役抽選結果がハズレであった場合に、持ち越しているボーナス役に入賞しないタイミングで各ストップスイッチ21L,21M,21Rが操作された場合などに発生し得る。
また、BB内部当選中遊技(RT1)では、通常遊技での抽選対象グループ「SRP2+BB」が当選役グループ「TRP」に代用されるとともに、抽選対象グループ「SRP1+BB」、「SRP2+RB」、「CRP+BB」、「CRP+RB」が、いずれも当選役グループ「CRP」に代用される。ここで、BB内部当選中遊技(RT1)に当選役グループ「TRP」に当選した場合は、当選役「cRP」に入賞するため、BB内部当選中遊技では、当選役「cRP」の当選確率が上がるようになっている。したがって、例えば、ボーナス(BBまたはRB)の内部当選中遊技(RT1、RT2)で「cRP」の入賞図柄組合せが表示されるとボーナスのうちのBB遊技への期待が高まるため、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、通常遊技の当選役グループ「BB」、「RB」の単独当選領域(乱数値範囲)やHZ(ハズレ)領域を、BB、RB内部当選中遊技において、当選役グループ「NRP」や「CRP」で代用する構成であってもよい。
(10)図柄判定手段109
図4の図柄判定手段109は、リール検出手段107により検出された各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、停止制御手段108により停止制御された各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものである。
具体的には、図柄判定手段109は、停止制御手段108により全てのリール13L,13M,13Rが停止制御されたときに、各リール13L,13M,13Rの回転位置情報を取得して入賞ラインの図柄組合せを特定する。そして、特定した図柄組合せが、図6および図7に示す図柄組合せに該当する場合は、当該当選役に入賞したと判定し、いずれにも該当しない場合はハズレと判定する。
(11)払出制御手段110
図4の払出制御手段110は、図柄判定手段109が、いずれかの当選役に入賞したと判定したときに、それがメダル払い出しのある入賞であれば、ホッパーユニット43を動作させて、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出すものである。ただし、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達していない場合は、払出数分だけクレジットメダルの枚数を増加する。
(12)メダル制御手段111
図4のメダル制御手段111は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。
(13)設定変更・日跨ぎフラグ設定手段112
設定変更・日跨ぎフラグ設定手段112は、RAM65に設定されたフラグ格納領域654の設定変更・日跨ぎフラグのONとOFFの設定を行うものである。設定変更・日跨ぎフラグ設定手段112は、設定変更手段101により設定値の変更制御が行われた場合、または、24時を回った後に電源投入された場合、設定変更・日跨ぎフラグをONに設定する。また、設定変更・日跨ぎフラグ設定手段112は、BB遊技やRB遊技に移行した場合に設定変更・日跨ぎフラグをOFFに設定する。なお、設定変更・日跨ぎフラグをOFFに設定するタイミングは適宜変更可能である。
(14)コマンド作成手段113
図4のコマンド作成手段113は、役抽選手段105の役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報、各リール13L,13M,13Rが停止したときに表示窓11に視認可能となっている表示図柄組合せを特定可能な情報などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段113により生成されたコマンドは、サブ制御コマンド送信手段114によりサブ制御基板73に送信される。なお、表示図柄組合せを特定可能な情報とは、例えば、リール検出手段107が検出した各リール13L,13M,13Rの所定の基準位置に停止している図柄に対応するコマ番号に関する情報である。
また、役抽選手段105による役抽選が実行されたときに、役抽選結果を識別できるコマンドを作成する。サブ制御基板73では、送られてきたコマンドに基づき、種々の処理を実行する。
(15)サブ制御コマンド送信手段114
図4のサブ制御コマンド送信手段114は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、種々のデータを含む通信コマンドを一方通行で送信するものである。すなわち、サブ制御コマンド送信手段114は、設定変更手段101により設定される設定値、通常遊技、BB遊技、RB遊技などの遊技状態、役抽選手段105の役抽選結果、図柄判定手段109による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段110によるメダルの払出状態、前面扉5の開放または閉塞の状態、スロットマシン1のエラー状態など、スロットマシン1の状態を表すデータをサブ制御基板73へ送信する。
また、サブ制御コマンド送信手段114は、投入センサ53により投入メダルが検出されたとき、ベットスイッチ15が操作されたとき、最大ベットスイッチ17が操作されたとき、再遊技役の入賞に伴って自動投入(賭数の自動設定処理)が行われるとき、ベット枚数カウンタ651に格納されるベット枚数分のメダル投入が行われたことを表すデータをサブ制御基板73に送信する。
また、サブ制御コマンド送信手段114は、払出制御手段110により払い出されるメダル数を表すデータや、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータなどもサブ制御基板73に送信する。
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信された通信コマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。図4に示すように、サブ制御基板73は、メモリ75に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
(1)サブ制御コマンド受信手段115
図4のサブ制御コマンド受信手段115は、メイン制御基板63のサブ制御コマンド送信手段114により送信された種々のデータを含む通信コマンドを受信するものである。サブ制御コマンド受信手段115は、メイン制御基板63から送信される通信コマンドを受信し、通信コマンドを受信すれば、通信コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
(2)演出内容決定手段116
図4の演出内容決定手段116は、サブ制御コマンド受信手段115が受信した通信コマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行や、役抽選手段105の役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定する。
例えば、演出内容決定手段116は、サブ制御コマンド受信手段115が役抽選手段105の役抽選結果に関するコマンドを受信した場合、当該役抽選結果に対応する演出群の中から一の演出を実行演出内容に決定する。この演出群の中には、役抽選結果を遊技者に示唆する演出が含まれる。また、演出内容決定手段116は、サブ制御コマンド受信手段115が、当選役に入賞した旨の情報を受信した場合は、その入賞役を示唆する演出を実行する演出内容に決定する。
また、演出内容決定手段116は、遊技中の背景画面や、当該画面に表示する情報の内容等を決定する。この実施形態では、通常遊技(RT0)、BB内部当選中遊技(RT1)、RB内部当選中遊技(RT2)では、例えば、液晶表示器27にカエルの背景画面が表示される(図10(a))。背景画面は、静止画であっても動画であってもよい。また、役抽選結果を遊技者に示唆する演出としては、例えば、背景画面のカエルの色が所定色に変化したり、当選役に対応したアイテムやキャラクタなどが出現したりする。なお、BB内部当選中遊技(RT1)やRB内部当選中遊技(RT2)では、一定遊技数経過すると、ボーナス役が内部当選している状態であることを報知するボーナス役確定画面が液晶表示器27に表示されることがある。
また、BB遊技やRB遊技(ボーナス中)では、それぞれに応じた背景動画となり所定の情報が表示される。BB遊技の開始以降は、例えば、液晶表示器27の表示画面の中央部にカエルが表示されるとともに、カエルの下部に「BONUS」の文字が表示される。また、当該表示画面の左上部には、当該ボーナスで獲得したメダルの払出枚数(総獲得枚数)が表示され、右上部には当該ボーナスの終了条件が成立するまでの残りのメダルの払出枚数(残り枚数)が表示される(図12参照)。なお、ボーナス役に入賞したときの背景画面については、BB遊技開始以降の背景画面と同様でもよいし、異なっていてもよいが、通常遊技(RT0)、BB内部当選中遊技(RT1)、RB内部当選中遊技(RT2)の背景画面とは異なる。この入賞したときの背景画面でもBB遊技の開始以降と同様に後述するボーナス役に当選したゲームの停止出目を報知することができる。
総獲得枚数は、メモリ75に設けられた獲得メダルカウンタ751のカウント値に基づいて表示される。ボーナス中においてメダルの払出枚数に関する情報がメインCPU61から送信された場合は、当該枚数分が獲得メダルカウンタ751のカウント値に加算される。また、ボーナスが終了した場合は、獲得メダルカウンタ751のカウント値が0にクリアされる。残り枚数は、獲得メダルカウンタ751のカウント値とボーナスの種別とに基づいて算出することができる。総獲得枚数の表示や残り枚数の表示は、ボーナス中にメダルを獲得する度に更新される。
また、この実施形態ではボーナス中において、設定変更手段101により設定されている設定値を示唆する演出(設定示唆演出)が行われる。この実施形態では、設定示唆演出として液晶表示器27の表示画面の残り枚数の表示部の下方にキャラクタが表示される(図12)。例えば、キャラクタAが表示された場合は、奇数設定の可能性が高く、キャラクタBが表示された場合は偶数設定の可能性が高く、キャラクタCが表示された場合は設定4〜6が確定するなど、表示されるキャラクタの種類によって設定示唆内容が異なるようになっている。なお、表示されるキャラクタの種類は、メインCPU61から送信された設定値情報に基づいて抽選により決定される。
さらに、この実施形態では、ボーナス中に所定の条件をクリアした場合はその旨を報知する表示が行われる。例えば、表示画面における設定示唆にかかるキャラクタの表示部の下方に済みマークが表示される。例えば、ボーナス中に1回目押しに成功した場合は当該ボーナスの終了時の総獲得枚数が最大となる構成の場合は、目押しに成功することを所定の条件とすることができ、この構成によれば目押しに成功したときに済マークが表示される。
また、演出内容決定手段116は、通常遊技(RT0)やボーナス遊技状態(BB遊技、RB遊技)の演出画面が表示されている状態で、全てのリール13L,13M,13Rの停止後、遊技が行われていない状態が所定のデモ移行時間に達すると、液晶表示器27の表示画面をデモ画面に切り替えるという演出内容に決定する。
(3)表示制御手段117
図4の表示制御手段117は、演出内容決定手段116から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を実行するものである。
(4)音声制御手段118
図4の音声制御手段118は、演出内容決定手段116から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなどの演出を実行するものである。
(5)出目記憶領域更新手段119
出目記憶領域更新手段119は、メモリ75に設定された停止出目記憶領域752(本発明の「表示図柄記憶手段」に相当)の記憶内容と、成立出目記憶領域753の記憶内容を更新するものである。停止出目記憶領域752は、例えば30ゲーム分の停止出目を記憶可能な容量が設定されており、出目記憶領域更新手段119は、メインCPU61から停止出目(表示窓11に停止表示される図柄組合せ:表示図柄組合せ)に関する情報を受信するたびに停止出目記憶領域752の記憶情報を直近の30ゲームの停止出目の情報に更新する。したがって、出目記憶領域更新手段119は、例えば、新たな停止出目の情報を受信すると、更新前に停止出目記憶領域752に記憶されていた30ゲーム前の停止出目の情報を消去して、新たな停止出目の情報に書き換えることにより、直近の30ゲームの停止出目の情報に更新する。なお、停止出目記憶領域752に記憶させる停止出目のゲーム数は、適宜変更可能である。
なお、出目記憶領域更新手段119は、例えば、1ゲームごとに全てのリール13L,13M,13Rが停止したときにリール検出手段107により検出された各リール13L,13M,13Rのコマ番号(各リール13L,13M,13Rそれぞれの表示窓11の中段の図柄のコマ番号)を特定可能な情報を停止出目記憶領域752に記憶させるようにしてもよい。また、その他としては、1ゲームごとに表示窓11に表示された各リール13L,13M,13Rの全ての図柄のコマ番号(各リールの上、中、下段の図柄のコマ番号)を停止出目記憶領域752に記憶させるようにしてもよい。なお、停止出目を記憶するゲームは毎ゲームでもよいが、ボーナス遊技状態中については通常遊技のようにボーナス当選を期待するゲーム性ではなく、停止出目を記憶しても遊技者が振り返る必要性がないため、この実施形態においてはボーナス役に入賞したゲームまでを記憶し、ボーナス遊技状態中は記憶せず、ボーナス遊技状態終了後に停止出目の記憶を再開するようにする。したがって、ボーナス遊技状態終了直後の通常遊技で停止出目のチェックを行うと、前回ゲームはボーナス役に入賞したゲームの停止出目の表示となり、次のゲームから再び停止出目の履歴の更新が行われることになる。また、ボーナス遊技状態中については、停止出目の履歴を表示する必要がないことから、メニュー画面で「出目チェック」の項目を選択できないようにするなど、停止出目の履歴機能を閲覧できないようにしてもよい。
また、出目記憶領域更新手段119は、ボーナス役(「BB」、「RB」)に当選した遊技の停止出目を成立出目記憶領域753に記憶させる。例えば、出目記憶領域更新手段119は、役抽選結果が当選役グループ「BB」や「RB」を含む抽選対象グループへの当選を示す情報(コマンド)を受信した場合は、当該ゲームにおいて全てのリール13L,13M,13Rが停止したときにリール検出手段107により検出された各リール13L,13M,13Rのコマ番号を特定可能な情報を成立出目記憶領域753に記憶させる。また、出目記憶領域更新手段119は、ボーナス役に当選したゲームで全てのリール13L,13M,13Rが停止したときに、表示窓11に表示された各リール13L,13M,13Rの全ての図柄のコマ番号(各リールの上、中、下段の図柄のコマ番号)を成立出目記憶領域753に記憶させるようにしてもよい。
また、出目記憶領域更新手段119は、当該ボーナス役の入賞により移行したボーナス(BB遊技、RB遊技)が終了し、新たなボーナス役に当選した場合は、成立出目記憶領域753の記憶内容を、当該新たなボーナス役に当選したゲームの停止出目を特定可能な情報に更新する。
また、出目記憶領域更新手段119は、設定変更・日跨ぎフラグがOFFからONに設定された場合は、停止出目記憶領域752および成立出目記憶領域753の両方の記憶内容をクリアするようにしてもよい。また、出目記憶領域更新手段119は、ボーナス遊技状態が終了したタイミングで成立出目記憶領域753の記憶内容をクリアするようにしてもよいし、停止出目記憶領域752の記憶内容をクリアするようにしてもよい。ここで、停止出目記憶領域752に記憶されている情報が、本発明の「図柄情報」に相当し、成立出目記憶領域753に記憶されている情報が、本発明の「当選時図柄情報」に相当する。
(6)遊技情報表示画面制御手段120
この実施形態では、遊技が行われていない状態、例えば、しばらく遊技が行われておらず、液晶表示器27にデモ画面が表示されている状態や、遊技中の画面が表示されているが、全てのリール13L,13M,13Rが停止している状態で演出ボタン42が操作されると、デモ画面や遊技中の画面からメニュー画面に切り替わる。メニュー画面は、例えば、遊技に関する各種情報や、音量や光量を遊技者が調整するための調整情報を表示できる画面である。遊技情報表示画面制御手段120は、メニュー画面の切替制御を行う。
例えば、遊技情報表示画面制御手段120は、遊技中の画面が表示されているが全てのリール13L,13M,13Rが停止している状態(図10(a))や、デモ画面が表示されている状態(図10(b))で演出ボタン42が操作されると、液晶表示器27の表示画面をメニュー画面に切り替える(図10(c))。なお、図10(a)のように、ボーナス入賞前に液晶表示器27に表示される画面が、本発明の「通常時演出画面」に相当し、図12に示すボーナス中に液晶表示器27に表示される画面や、ボーナス役に入賞したときに液晶表示器27に表示される画面が、本発明の「ボーナス時演出画面」に相当する。
メニュー画面のデフォルトは、例えば、図10(c)に示すように、左から順に「戻る」の項目、「配当」の項目、「出目チェック」の項目、「ボーナス履歴」の項目が横並びで表示される。そして、十字キースイッチ44の左が押下される度にカーソルが一つ左隣りの項目に移動する。一方、十字キースイッチ44の右が押下される度にカーソルが一つ右隣りの項目に移動する。また、遊技情報表示画面制御手段120は、メニュー画面で演出ボタン42が操作された場合は、カーソルが位置する項目に関する情報の表示画面に切り替える。
例えば、「配当」の場合は、全ての当選役の入賞図柄と配当(払出枚数)が分かるリストが表示される。また、「ボーナス履歴」の場合は、当選したボーナス役の種類と、そのボーナスに当選するまでに要したゲーム数の履歴が表示される。また、「戻る」の場合は、メニュー画面から通常遊技の画面に切り替わる。
また、遊技情報表示画面制御手段120は、液晶表示器27の表示画面がメニュー画面となっているときに、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19のいずれかが操作された場合は、メニュー画面から通常の遊技画面に切り替える。
(停止出目履歴の表示)
また、「出目チェック」の場合は、カーソルが当該項目に位置するときに演出ボタン42が操作されると、遊技情報表示画面制御手段120は、停止出目の表示画面に切り替える。例えば、図11に示すように、表示画面の左部領域に各リール13L,13M,13Rのコマ番号と図柄配列(本発明の「図柄配列情報」に相当)が表示され、右部領域に2ゲーム分の停止出目が表示される。この実施形態では、演出ボタン42が操作されたときの直近の2ゲーム分の停止出目が表示される(図11(a))。例えば、2ゲーム分の停止出目が上下に並んで配置される。つまり、この実施形態では、ボーナス入賞前に「出目チェック」が選択された場合は、遊技(通常遊技)中の画面は表示されず、液晶表示器27の表示画面の全体に各リール13L,13M,13Rのコマ番号と図柄配列、2ゲーム分の停止出目の情報のみが表示される。なお、表示画面の全体に表示を行うための制御としては、表示画面の全体を表示するものであれば特に限定されないが、例えば以下の1)や2)等の制御を適用すればよい。
1)通常遊技の演出画面の描画を行わず、図柄配列と停止出目の情報の描画をして表示画面の全体に表示することで画面を切り替える。
2)通常遊技の演出画面の描画に加えて図柄配列と停止出目の情報の描画を行い、図柄配列と停止出目の描画を優先して表示画面の全体に表示するように設定する、例えば、演出画面の描画がなされているレイヤよりも図柄配列と停止出目の描画がなされているレイヤを優先して表示画面の全体に表示する設定を行うことが挙げられる。
また、十字キースイッチ44の上が操作されると、より直近に近いゲームの停止出目が表示され、十字キースイッチ44の下が操作されると、より過去のゲームの停止出目が表示されるようになっている。例えば、図11(a)の画面で十字キースイッチ44の下が1回操作されると、2ゲーム前と3ゲーム前の停止出目が上下に並んだ画面に切り替わる。さらに十字キースイッチ44の下が1回操作されると、3ゲーム前と4ゲーム前の停止出目の画面に切り替わり、その後も十字キースイッチ44の下が1回操作されると順次1ゲーム分過去の停止出目の表示画面に切り替わる。
なお、1ゲーム前の停止出目は最新のデータであり、それよりも新しい停止出目の表示はできないことから、このような場合は、停止出目の表示画面の上部に配置された三角形の輝度が低くなった状態で表示され、それ以上新しいゲームの停止出目の表示はできないことを遊技者に報知する。この状態で十字キースイッチ44の上が押下された場合は無効となる。一方、十字キースイッチ44の下の押下が続いた結果、29ゲーム前と30ゲーム前の停止出目の表示画面となった場合は、それよりも過去の停止出目の表示はできないことから、このような場合は、停止出目の表示画面の下部に配置された三角形の輝度が低くなった状態で表示され、それ以上過去のゲームの停止出目の表示はできないことを遊技者に報知する。この状態で十字キースイッチ44の下が押下された場合は無効となる。
また、遊技情報表示画面制御手段120は、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、メニュー画面の「出目チェック」の項目の指定を無効にする。このとき、例えば、図10(d)に示すように、「出目チェック」の文字の輝度を他の項目の文字よりも低くし、カーソルを当該項目に移動させて演出ボタン42を操作しても、当該操作を無効にする。したがって、ホール運営の開始直後や設定変更直後は、停止出目の履歴を見ることができなくなる。
なお、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、カーソルが「出目チェック」の項目に移動しないようにしてもよい。この場合、例えば、カーソルが「配当」に位置するときに十字キースイッチ44の右が操作されると、「出目チェック」の項目を飛ばして「ボーナス履歴」の項目にカーソルが移動する。また、設定変更・日跨ぎフラグがONに設定されている場合は、「出目チェック」の項目がメニュー画面に表示されないようにしてもよい。また、メニュー画面に表示される項目の内容や数は必要に応じて適宜変更することができる。
(成立出目の表示)
また、遊技情報表示画面制御手段120は、ボーナス役(当選役「BB」、「RB」)に入賞してから当該ボーナス役の入賞により移行するボーナス遊技状態(BB遊技、RB遊技)において、当該ボーナス役に当選したゲームの停止出目(成立出目)を液晶表示器27の表示画面に表示する。
この実施形態では、図11の遊技情報(停止出目)が表示されたゲームの次のゲームで持ち越しているボーナス役に入賞した場合を例として説明する。図11では、3ゲーム前にボーナス役に当選したが、入賞しなかった場合を示しており、停止出目としては左リール13Lの中段に図柄「RP1」が停止し、中リール13Mの中段に図柄「BE」が停止し、右リール13Rの中段に図柄「WM1」が停止する図柄組合せとなっている。当該停止出目はボーナス役に当選している状態でなければ出現しないものであり、リーチ目(通常リーチ目)となっている。なお、このリーチ目は、ボーナス図柄(図柄「赤7」、「青7」、「BAR」)が一直線に並ぶ停止出目ではなく、遊技者が気付きにくいリーチ目である。また、2ゲーム前の停止出目は、全てのリール13L,13M,13Rの中段に図柄「RP1」が停止する図柄組合せとなっている。つまり、2ゲーム前は抽選対象グループ「NRP」に当選し、当選役「nRP」に入賞した場合の停止出目を示している。また、1ゲーム前は、役抽選結果がハズレであったが、持ち越しているボーナス役に入賞しなかった場合を示しており、左リール13Lと中リール13Mそれぞれの中段に図柄「赤7」が停止し、右リール13Rの中段に図柄「BAR」が停止する図柄組合せとなっている。当該停止出目はボーナス役に当選している状態でなければ出現しないものであり、リーチ目(通常リーチ目)となっている。なお、当該停止出目はボーナス図柄(図柄「赤7」、「青7」、「BAR」)が一直線に並ぶ停止出目であり、遊技者が気付き易いリーチ目である。
そして、図11の遊技情報が表示されたゲームの次のゲームで持ち越しているボーナス役に入賞した場合、当該ゲームの第3停止リールのストップスイッチ21L,21M,21Rの押下を止めると、液晶表示器27の表示画面にはボーナス役に入賞したことを報知する画面が表示される。ボーナス役に入賞してからボーナス遊技状態が終了するまでの間に演出ボタン42が操作された場合、遊技情報表示画面制御手段120は、当該ボーナス役に当選したゲームの停止出目(成立出目)を表示する。
なお、ボーナス役に入賞する前は、演出ボタン42が操作されると通常遊技の画面から別画面(メニュー画面)に切り替わるが、ボーナス役の入賞した以降は、そのときに表示されている画面上に成立出目を表示する。具体的には、ボーナス役に入賞したことを報知する画面や、ボーナス遊技状態(BB遊技中、RB遊技中)の演出画面は、レイヤ構成であり、複数のレイヤ画面を重ね合せた状態で表示される。例えば、ボーナス中は、ボーナス遊技状態での背景画面のレイヤ画面(図12のカエルやBONUSの文字)と、ボーナス遊技状態での払出枚数に関連する情報(図12の総獲得枚数や残り枚数)を表示するレイヤ画面と、設定示唆や所定の条件をクリアしたか否かに関する情報(図12のキャラクタA、済みマーク)を表示するレイヤ画面と、成立出目と当該出目に対するコメントに関する情報を表示するレイヤ画面とがある。図13は、ボーナス中に成立出目を表示させたときの液晶表示器27の表示画面の一例を示している。ここでは、出目に対するコメントが、「こんな出目でもリーチ目だぜ!!」となっており、成立出目がボーナス図柄の直線系ではなく、遊技者が気付きにくいリーチ目であることを示している。また、成立出目の表示部では、その出目が何ゲーム前の停止出目であるかの情報も併せて表示される(図13の「4G前」)。
なお、レイヤ画面の種類によって優先順位が設定されており、優先順位が高いレイヤ画面が優先的に表示されるようになっている。例えば、この実施形態では、成立出目と当該出目に対するコメントに関する情報を表示するレイヤ画面(本発明の「所定のレイヤ画面」に相当)が最も優先順位が高く設定されており、成立出目やコメントが表示された場合は、他のレイヤ画面で、その表示部(成立出目やコメントの表示部)と重なる部分、図13に示すカエルの表示部の一部や「BONUS」の文字が付された表示部の一部は視認できなくなる。ただし、成立出目を表示する場合は、図11に示す停止出目の履歴を表示する場合とは異なり、各リール13L,13M,13Rの図柄配列やコマ番号は表示されない。したがって、成立出目が表示されている状態において、成立出目のレイヤ画面よりも優先順位が低いレイヤ画面でも、成立出目の表示部およびコメントの表示部に重ならない領域(例えば、「獲得枚数」、「残り枚数」、「設定示唆演出(キャラクタA)」、「済みマーク」)は遊技者が視認できるようになっている。
また、上述のようにボーナス役に入賞したゲームの液晶表示器27の背景画面は、ボーナス中の背景画面と同じであっても異なっていてもよいが、図12とは異なり、獲得枚数、残り枚数、設定示唆演出(キャラクタA)、済みマーク等の情報は表示されない。したがって、ボーナス役に入賞したゲームで成立出目を表示させる場合は、これらの情報の表示がない状態の画面上に成立出目が表示される。ただし、設定示唆演出をボーナス役が入賞したゲームで行うようにしてもよく、この場合、ボーナス役に入賞したときの表示画面は、背景画面と設定示唆演出(キャラクタA)とが表示された状態となる。したがって、このときに成立出目を表示する場合は、背景画面と設定示唆演出とが表示された画面上に成立出目が表示される。
また、遊技情報表示画面制御手段120は、図13の画面が表示された状態で再度演出ボタン42が操作された場合や、次のゲームのスタートスイッチ19が操作された場合は成立出目およびコメントが配置されたレイヤ画面を表示しないようにし、通常画面に戻す(例えば図12の画面に戻す)。
また、この実施形態では、ボーナス役に入賞してから、当該ボーナス役の入賞による移行するボーナス遊技状態が終了するまでの間は、演出ボタン42の操作により成立出目が表示される。ただし、各リール13L,13M,13Rが回転している状態など、遊技中に演出ボタン42が操作されても当該操作は無効となる。また、「ボタンを押せ!」のような演出ボタン42の操作を促す演出が行われている間に演出ボタン42が操作されても、成立出目を表示するための操作としては無効となる。なお、成立出目は、成立出目記憶領域753に記憶されている情報に基づいて表示可能である。ここで、演出ボタン42および十字キースイッチ44が、本発明の「表示操作手段」に相当する。また、ボーナス役に入賞してから、当該ボーナス役の入賞による移行するボーナス遊技状態が終了するまでの間であって、各リール13L,13M,13Rが回転している状態などの遊技が行われている状態を除いたタイミングが、本発明の「特定タイミング」に相当する。
したがって、上記した実施形態によれば、ボーナス役に入賞した以降に演出ボタン42が操作された場合は、当該ボーナス役に当選したゲームの停止出目が液晶表示器27に表示されるため、いつボーナス役に当選したのかが分かる。また、停止出目の履歴の表示と成立出目の表示とに基づいて、遊技者にリーチ目を楽しむ新たな面白みを提供することができる。例えば、ボーナス役に当選していると思われるところで停止出目の履歴を確認し、これよりも前にリーチ目が無いかなどを調べてボーナス役に当選したゲームを予想しておけば、ボーナス役に入賞したときに成立出目を確認すればその答え合せができる。また、図13に示すようにリーチ目の中には分かりにくいものがあり、ボーナス役に当選したゲームの予想が外れる場合がある。この場合は、ボーナス役に当選したときの停止出目(成立出目)からリーチ目を学習できるため、遊技意欲の向上を図ることができる。また、ボーナス役に入賞する前の停止出目の履歴も確認できるため、例えば、ボーナス役に当選してから入賞するまでの停止出目を確認することでリーチ目の更なる学習ができる。
また、ボーナス役に入賞する前に表示可能な停止出目の履歴の表示画面(図11)では、同一画面上に各リール13L,13M,13Rの図柄配列およびコマ番号が併せて表示されるため、複数のゲームの停止出目を表示した状態において、停止出目それぞれの各図柄が各リール13L,13M,13Rのどの位置の図柄かを同一画面で見ながら容易に比較できる。一方、成立出目が表示されるときは1ゲーム分の停止出目しか表示しないため、停止出目の履歴を表示する場合のように、停止出目それぞれの図柄を比較する必要性がない。したがって、成立出目を表示する場合は各リール13L,13M,13Rの図柄配列およびコマ番号を表示しないことにより、その表示領域を他の情報の表示に利用することができる。また、成立出目を大きく表示することも可能となる。また、この実施形態では、ボーナス役の入賞後に成立出目を表示する際は、メニュー画面に切り替えることなく、通常の演出画面上に表示される。このようにすると、成立出目を表示してもボーナス役に入賞してから行われる様々な演出が途切れることなく、有利な状態を自然に楽しむことができる。
また、ボーナス遊技での獲得枚数、ボーナス遊技が終了するまでの残りの枚数、設定示唆演出(図13のキャラクタA)、ボーナス遊技状態で所定の条件をクリアしたことの報知(済みマーク)など、ボーナス遊技状態で得られた特典や必要な情報は、成立出目が配置されたレイヤ画面によりも優先順位が低いレイヤ画面に配置されているが、これらの情報の表示部は、成立出目やコメントの表示部とは重ならない領域に配置されている。このようにすると、成立出目を表示している同一画面で、遊技者が必要とする情報を視認できる。
また、停止出目の履歴をどのようなときでも確認できるとすると、例えば、BB、RB内部当選中遊技の状態でホール運営が終了した場合は、次の日に停止出目の履歴を確認することでその旨を把握できる。この場合、次の日にボーナス非成立(BB、RB内部当選中遊技の状態でない)ことが分かれば、設定変更があったことが遊技者に知られてしまうため問題となる。しかしながら、この実施形態では、設定変更や日跨ぎがあった場合のように設定変更・日跨ぎフラグがONの状態では、メニュー画面で「出目チェック」の項目を選択できないため、このような問題が発生するのを防止できる。
また、当選役「sRP1」の当選は、通常遊技における当選役「BB」との同時当選に限られる。このようにすると、通常遊技の当選役「BB」の当選遊技にのみ出現する特殊リーチ目を創出することができるため、遊技者の興趣を向上することができる。また、BBまたはRBの内部当選の持ち越し状態では、当選役「sRP1」に当選しないように構成されているため、当該持ち越し状態で特殊リーチ目が出現しない。そのため、BB、RB内部当選中遊技で特殊リーチ目が出現して遊技者が落胆するのを防止できる。
また、当選役「sRP2」は、通常遊技における当選役「BB」または「RB」との同時当選のみならず、BB、RB内部当選中遊技にも当選し得る(当選役グループ「TRP」)が、当選役グループ「TRP」に当選した場合は、他の構成当選役である「nRP」および「cRP」のいずれかに入賞するように構成されている。したがって、当選役「sRP2」の入賞時の特殊リーチ目も、当選役「sRP1」と同様、通常遊技の当選役「BB」または「RB」との同時当選した遊技でしか出現しない。そのため、通常遊技で当選役「BB」または「RB」の当選が確定する特殊リーチ目を創出することができ、遊技者の興趣を向上することができる。また、当選役「BB」の当選が確定する特殊リーチ目と、当選役「BB」および「RB」の両方に当選の可能性がある特殊リーチ目の両方を創出することで、遊技性の多様化を図ることができる。
また、特殊リーチ目を出現させる当選役「sRP1」および「sRP2」は、いずれも再遊技役であるため、遊技者が特殊リーチ目を得るのに賭数を犠牲にすることがない。
また、当選役「sRP1」は、ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作タイミング(操作態様)によっては、入賞させることができない操作態様限定役であるため、当該特殊リーチ目の出現により、遊技者が優越感を味わうことができる。これに対して、当選役「sRP2」は、「取りこぼし」が発生しない役であるため、初心者でも特殊リーチ目を楽しむことができる。なお、特定の操作手順(例えば、左→右→中で操作する挟み押し、左リール13Lが第1停止しない操作順序である変則押し、右→中→左で操作する逆押し)では、特殊リーチ目が出現可能だが、順押し(左→中→右)では、特殊リーチ目が出現しないように構成されていてもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、成立出目記憶領域753にボーナス役に当選したゲームの停止出目を特定可能な情報を記憶するようにしたが、成立出目を特定できる構成であればどのようなものであってもよい。例えば、ボーナス役に当選したゲームを特定可能な情報を記憶し、ボーナス役の当選ゲームの停止出目を表示するときは、当該情報と停止出目記憶領域752から対応するデータを特定することで、成立出目記憶領域753を設けることなく、停止出目記憶領域752のデータとボーナス役に当選したゲームのデータとに基づいて成立出目の表示が可能になる。なお、この場合のボーナス役に当選したゲームを記憶する領域については、設定変更・日跨ぎフラグがOFFからONに設定された場合にクリアされるようにしてもよいし、ボーナス遊技状態が終了したタイミングでクリアされるようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、停止出目の履歴を表示する際、図11に示すように同一画面で2ゲーム分の停止出目を表示するようにしたが、例えば、1ゲーム分ずつ表示するなど適宜変更することができる。
本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、本発明の遊技機として、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームを採用してもよい。この場合、テレビモニタにより本発明の「図柄表示手段」を構成すればよい。