JP6722205B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技が可能な遊技機に関する。
従来の遊技機には、遊技中における演出を第1期間と第2期間とで異なる速度にて実行し、遊技者にとって有利な有利状態に制御されるか否かを示唆するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の遊技機には、遊技者等の動作を受け付けることによって音量や光量等の演出に関する設定を設定可能なものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−217841号公報 特開2017−006552号公報
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機において特許文献2のように演出に関する設定を可能とすると、演出に関する設定の実行中に該設定の進行速度が変化してしまい、遊技者の意図しない設定が行われてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技者の意図しない設定が行われてしまうことを防ぐことのできる遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の手段Aに記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機であって、
遊技に関する演出を実行可能な演出実行手段と、
遊技者の動作に基づいて、演出に関する設定を行う設定手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
第1期間において、第1の進行速度にて演出を実行可能であり、
前記第1期間の後の第2期間において、前記第1の進行速度にて実行した演出を前記第1の進行速度と異なる第2の進行速度にて実行可能であり、
前記設定手段における設定に関する速度は、前記第1期間と前記第2期間とで変わらず、
さらに、
抽選に基づくコマンドを出力する第1制御手段と、
前記第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理を実行する第2制御手段と、を備え、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段が出力したコマンドを受信し、受信したコマンドを出力する出力部と、
前記出力部が出力したコマンドに基づいて処理を実行する処理部と、を備え、
前記第1制御手段が出力するコマンドは、第1コマンドと、該第1コマンドと異なる第2コマンドと、を含み、
前記出力部は、
受信したコマンドが前記第1コマンドのとき、該第1コマンドを出力し、
受信したコマンドが前記第2コマンドのとき、該第2コマンドを前記第1コマンドに変換して出力する。
前記課題を解決するために、本発明の手段1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技に関する演出(例えば、保留変化演出)を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用CPU101が先読み予告処理を実行した後に演出図柄変動中処理を実行する部分)と、
遊技者の動作(例えば、操作桿やプッシュボタン120、トリガボタン125、音量・光量変更ボタン50の操作)に基づいて、演出に関する設定を行う設定手段(例えば、演出制御用CPU101が図33に示す遊技者設定処理を実行する部分)と、
を備え、
前記演出実行手段は、第1期間(例えば、減速制御の非実行時)と該第1期間と異なる第2期間(例えば、減速制御の実行時)とで、異なる進行速度にて演出を実行可能であり(例えば、図17に示すように、減速制御の実行時は減速制御の非実行時よりも遅い速度(スローモーション)にて保留変化演出が実行される部分)、
前記設定手段における設定に関する速度は、前記第1期間と前記第2期間とで変わらず(例えば、図37〜図39に示すように、音量が変更された際にスピーカ27から出力される一連のサンプル音や光量が変更された際に枠LED28から出力される一連のサンプル光の出力が一定の期間にて終了する、つまり、一定の速度にて出力される部分)、
さらに、
抽選に基づくコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)を出力する第1制御手段(例えば、主基板9011)と、
前記第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理(例えば、演出実行のための処理であるステップS90171)を実行する第2制御手段(例えば、演出制御基板9012)と、を備え、
前記第2制御手段は、異なる複数のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」)を同じコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)として扱って前記処理を実行する(例えば、ステップS90752で変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換し(図66も参照)、当該「8100」として扱ってステップS90171を実行する)。
この特徴によれば、遊技者の意図しない設定が行われてしまうことを防ぐことができる。また、異なる複数のコマンドを同じコマンドとして扱って処理を行うので、第2制御手段を好適に動作させることができる。
なお、第1制御手段や第2制御手段は、複数のハードウェア(基板やプロセッサ)から構成されるものであってもよい。また、第1制御手段や第2制御手段は、少なくとも一部が共通のハードウェア構成により構成されてもよい。
例えば、後述の実施形態において、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する部分(共通モジュール90120AがステップS90751〜S90752を実行する部分)を主基板9011に設けてもよい。この場合、例えば、CPU90103は、変動パターンを抽選により決定して変動パターン指定コマンドを生成する(RAM90102に出力することになる)。そして、CPU90103は、ステップS90704と同様の処理を行い、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する。そして、CPU90103は、変換後のコマンドを演出制御基板9012に供給する。このように、第2制御手段は、主基板9011の一部を含んでもよい。
例えば、後述の実施形態において、共通モジュール90120Aを、主基板9011や演出制御基板9012とは別の基板、又は、演出制御基板9012に設けられるが演出制御用CPU90120とは別のプロセッサなどにより実現するようにしてもよい。このように、第2制御手段における、異なる複数のコマンドを同じコマンドとして扱う部分と、処理を実行する部分とを異なるハードウェアにより実現してもよい。
コマンドに応じた処理は、実行する演出を決定する処理の他、演出を実行する処理(表示制御部90123により実行される処理)であってもよい。また、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うとは、複数のコマンドを当該複数のコマンドのうちの1つのコマンドとして扱うことの他、複数のコマンドを当該複数のコマンド以外の他のコマンドとして扱うことも含む。また、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うことは、後述の実施形態のようにコマンドを変換することにより実現してもよいし、複数のコマンドについて同じ処理を実行すること(これにより、同じコマンドとして扱われる)により実現してもよい。
また、演出実行手段(例えば演出制御用CPU120、90120)が、第2制御手段(例えば、演出制御基板12、9012)に含まれるようにしてもよい。つまり、第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理を実行する第2制御手段が、遊技に関する演出(例えば、保留変化演出)を実行可能とし、第1期間(例えば、減速制御の非実行時)と該第1期間と異なる第2期間(例えば、減速制御の実行時)とで、異なる進行速度にて演出を実行可能(例えば、図17に示すように、減速制御の実行時は減速制御の非実行時よりも遅い速度(スローモーション)にて保留変化演出が実行される部分)としてもよい。
また、設定手段が、第2制御手段(例えば、演出制御基板12、9012)に含まれるようにしてもよい。つまり、第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理を実行する第2制御手段が、演出に関する設定を行うようにしてもよい。
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記設定手段は、遊技者の動作に基づいて変化する設定に関する特定画像(例えば、音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面)を表示可能な特定画像表示手段(例えば、演出制御用CPU101が図33及び図34に示す遊技者設定処理を実行する部分)を含み、
前記特定画像表示手段において前記特定画像が変化する速度は、前記第1期間と前記第2期間とで変わらない(例えば、図39に示すように、減速制御が実行されているか否かにかかわらず音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面が2msで更新される部分)ことを特徴としている。
この特徴によれば、設定に対応した適切な特定画像を表示できる。
本発明の手段3の遊技機は、手段1または手段2に記載の遊技機であって、
前記設定手段は、遊技者の動作に基づいて変化する設定に関する特定画像(例えば、音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面)を表示可能な特定画像表示手段(例えば、演出制御用CPU101が図33及び図34に示す遊技者設定処理を実行する部分)を含み、
前記特定画像表示手段は、前記第2期間においては前記特定画像の表示を制限する(例えば、変形例3に示すように、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、音量や光量の更新を実行する一方で、演出表示装置9においてこれら音量や光量の更新に応じた音量メータや光量メータを表示しない部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定画像の変化速度と異なる速度で演出が実行されることによって、遊技者に違和感を与えてしまうことを防ぐことができる。
本発明の手段4の遊技機は、手段1〜手段3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記設定手段による設定が行われたことに対応する設定演出(例えば、サンプル音やサンプル光の出力)を実行可能であり、
前記第1期間と前記第2期間とで共通の態様にて前記設定演出を実行可能である(例えば、図37及び図38に示すように、減速制御が実行されているか否かにかかわらず一連のサンプル音を期間T4にて出力する部分や、一連のサンプル光を期間T5にて出力する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、設定演出の態様が異なることで、設定演出ではないと遊技者に誤認されてしまうことを防ぐことができる。
尚、「態様」には、実行速度、音程、設定演出が開始されるまでの期間、設定演出の実行期間等が含まれる。
本発明の手段5の遊技機は、手段1または手段3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記設定手段による設定が行われたことに対応する設定演出(例えば、サンプル音やサンプル光の出力)を実行可能であり、
前記第2期間においては前記設定演出の実行を制限する(例えば、変形例4に示すように、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、該音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて変更された音量や光量でのサンプル音やサンプル光の出力を実行しない部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2期間において設定演出が実行されることにより、遊技者に違和感を与えてしまうことを防ぐことができる。
本発明の手段6の遊技機は、手段1〜手段5のいずれかに記載の遊技機であって、
エラーが発生していることを報知するエラー報知手段(例えば、演出制御用CPU101が図32に示す下皿エラー検出処理を実行する部分)を備え、
前記設定手段は、前記エラー報知手段による報知の実行中においても演出に関する設定が可能である(例えば、図33及び図34に示すように、下皿エラーの報知中であるか否かにかかわらずスピーカ27から出力される音の音量や枠LED28から出力される光の光量を変更可能な部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、設定に関する遊技者の利便性が低下してしまうことを防ぐことができる。
本発明の手段7の遊技機は、手段1〜手段6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記設定手段による設定が前記第2期間において行われた場合には、該設定に対応した演出を該第2期間において実行する(例えば、減速制御の実行中にスピーカ27から出力される音の音量や枠LED28から出力される光の光量を変更した場合は、該減速制御が実行されている保留変化演出中から変更した音量や光量にて出力する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者の設定が反映された演出が第2期間においても実行されるので、演出の興趣を向上できる。
本発明の手段8の遊技機は、手段1〜手段7のいずれかに記載の遊技機であって、
可変表示を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
可変表示に対応する特定表示(例えば、アクティブ表示AHや保留表示H)を表示可能な特定表示手段(例えば、保留表示エリア18cやアクティブ表示エリアAHA)を備え、
前記演出実行手段は、
前記特定表示の表示態様を、作用表示を前記特定表示に作用させることにより変化させる特定演出を実行可能であって(例えば、図17に示すように、保留変化演出として、カラーボール931をアクティブ表示AHや保留表示Hに作用させることで対象となったアクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様を変化させる演出)、
前記作用表示の表示を開始し、所定期間経過後に前記特定表示の表示態様を変化させる第1パターン(例えば、図17(c)に示す成功パターン)と、前記作用表示の表示を開始し、所定期間経過後に前記特定表示の表示態様を変化させない第2パターン(例えば、図17(d)に示す失敗パターン)と、を実行可能であり、
前記作用表示の表示を開始した後、前記第1パターンと前記第2パターンとの所定期間における共通のタイミングにおいて、対象となる前記特定表示に対する前記作用表示の速度を減速させる減速制御を実行可能である(例えば、図17(b)に示すように、成功時と失敗時とで同じタイミングでカラーボール931の速度の減速を開始させる部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、作用表示に変化を与えることによって遊技の興趣を向上させることができる。
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
また、後述する発明を実施するための形態には、以下の手段9〜手段20に係る発明が含まれる。従来より、遊技機において、特開2007−130191号公報に示されているような、抽選に基づくコマンドを出力する第1制御手段(主制御部310)と、前記第1制御手段が出力したコマンド(変動パターンコマンド)に応じた処理を実行する第2制御手段(副制御部340)と、を備える遊技機があった。しかしながら、例えば、上記した遊技機の開発では、第1制御手段が出力するコマンド(例えば、変動パターンを示すコマンド)を予め多めに用意する場合があり(後で追加すると作業が煩雑になるため)、その結果、第2制御手段が行うことが可能な処理に対してコマンドが余ることがある(例えば、実際に使用される変動パターンに対してコマンドが余ることがある)。このような場合、例えば、余ったコマンドに対して第2制御手段を好適に動作させることができない不都合(例えば、余ったコマンドに基づいて実行する演出がないという不都合)が生じ得るが、上記した遊技機では、このような不都合が考慮されていない。この例のように、従来の遊技機では、所定のコマンドについて第2制御手段を好適に動作させることができない不都合が生じ得るという問題があった。この点に鑑み、第2制御手段を好適に動作させることができる遊技機の提供が求められている。
上記目的を達成するため、別態様による手段9の遊技機は、
抽選に基づくコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)を出力する第1制御手段(例えば、主基板9011)と、
前記第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理(例えば、演出実行のための処理であるステップS90171)を実行する第2制御手段(例えば、演出制御基板9012)と、を備え、
前記第2制御手段は、異なる複数のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」)を同じコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)として扱って前記処理を実行する(例えば、ステップS90752で変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換し(図66も参照)、当該「8100」として扱ってステップS90171を実行する)、
ことを特徴とする。
なお、第1制御手段や第2制御手段は、複数のハードウェア(基板やプロセッサ)から構成されるものであってもよい。また、第1制御手段や第2制御手段は、少なくとも一部が共通のハードウェア構成により構成されてもよい。
例えば、後述の実施形態において、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する部分(共通モジュール90120AがステップS90751〜S90752を実行する部分)を主基板9011に設けてもよい。この場合、例えば、CPU90103は、変動パターンを抽選により決定して変動パターン指定コマンドを生成する(RAM90102に出力することになる)。そして、CPU90103は、ステップS90704と同様の処理を行い、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する。そして、CPU90103は、変換後のコマンドを演出制御基板9012に供給する。このように、第2制御手段は、主基板9011の一部を含んでもよい。
例えば、後述の実施形態において、共通モジュール90120Aを、主基板9011や演出制御基板9012とは別の基板、又は、演出制御基板9012に設けられるが演出制御用CPU90120とは別のプロセッサなどにより実現するようにしてもよい。このように、第2制御手段における、異なる複数のコマンドを同じコマンドとして扱う部分と、処理を実行する部分とを異なるハードウェアにより実現してもよい。
コマンドに応じた処理は、実行する演出を決定する処理の他、演出を実行する処理(表示制御部90123により実行される処理)であってもよい。また、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うとは、複数のコマンドを当該複数のコマンドのうちの1つのコマンドとして扱うことの他、複数のコマンドを当該複数のコマンド以外の他のコマンドとして扱うことも含む。また、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うことは、後述の実施形態のようにコマンドを変換することにより実現してもよいし、複数のコマンドについて同じ処理を実行すること(これにより、同じコマンドとして扱われる)により実現してもよい。
このような構成によれば、異なる複数のコマンドを同じコマンドとして扱って処理を行うので、第2制御手段を好適に動作させることができる。
別態様による手段10の遊技機は、手段9に記載の遊技機であって、
前記複数のコマンドには、第1コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)と第2コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8101」)とが含まれ、
前記第2制御手段は、
前記第2コマンドを前記第1コマンドとして扱い(例えば、図66参照)、
前記第1制御手段から前記第1コマンドを受信したときと、前記第1制御手段から前記第2コマンドを受信し、受信した当該第2コマンドを前記第1コマンドとして扱うときとで、同じ種類の演出を同じ割合で実行する(例えば、ステップS90171等により、変動パターン指定コマンド「8100」は、「8101」から変換されたものであるか否かに関わらず同じ処理が実行されることで、同じ種類の画像系演出(リーチ演出、予告演出、飾り図柄の可変表示)を同じ割合で実行する)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
別態様による手段11の遊技機は、手段9または手段10に記載の遊技機であって、
前記複数のコマンドには、第1コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)と第2コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8101」)とが含まれ、
前記第2制御手段は、前記第2コマンドを前記第1コマンドとして扱い(例えば、図66参照)、
前記第1コマンドと前記第2コマンドとは、同じテーブルを参照した抽選により出力されるコマンドである(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」、「8101」は、図58に示すように同じテーブルを参照した抽選で選択された変動パターンを指定するコマンドとして(抽選に基づいて)出力される)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第1コマンドと第2コマンドとの関係を容易に把握できる。
別態様による手段12の遊技機は、手段11に記載の遊技機であって、
前記第1コマンドが出力される割合は、前記抽選又は前記抽選を含む全ての抽選において最も高く(例えば、図57〜図58参照)、
前記第2コマンドが出力される割合は、前記抽選又は前記抽選を含む全ての抽選において最も低い(例えば、図57〜図58参照)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第2コマンドの使用割合を低くすることができ、第1コマンドを第2コマンドとして扱えない誤動作等によって生じる不都合の発生を極力抑えることができる。また、第2コマンドを決定割合が高い第1コマンドとして扱うことで、抽選における決定割合の調整を容易にすることができる。
別態様による手段13の遊技機は、手段9または手段10に記載の遊技機であって、
前記複数のコマンドには、第1コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)と第2コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8101」)とが含まれ、
前記第2制御手段は、前記第2コマンドを前記第1コマンドとして扱い(例えば、図66参照)、
前記第1コマンドと前記第2コマンドとは、異なるテーブルを用いた抽選それぞれで個別に出力されないコマンドである(例えば、図57〜図58参照)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第1コマンドと第2コマンドとの関係を容易に把握できる。
別態様による手段14の遊技機は、手段9〜手段13のいずれかに記載の遊技機であって、
前記複数のコマンドには、第1コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)と第2コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8101」)とが含まれ、
前記第1コマンドと前記第2コマンドとは、コマンド全体の通番(例えば、各変動パターンに付された通番)又はこれらコマンドが示す値(例えば、EXTデータの値)が所定範囲内にあるか、同じカテゴリ(例えば、非リーチ)の変動パターンを指定するグループに属している(例えば、図56参照)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第1コマンドと第2コマンドとの関係を容易に把握できる。
別態様による手段15の遊技機は、手段9〜手段14のいずれかに記載の遊技機であって、
前記複数のコマンドは、演出パターン(例えば、変動パターン)を示すコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、良く使用されるコマンドについて第2制御手段を好適に動作させることができる。
別態様による手段16の遊技機は、手段9〜手段14のいずれかに記載の遊技機であって、
前記複数のコマンドは、先読み予告演出の実行に使用される情報を示すコマンドである(例えば、図67参照)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、良く使用されるコマンドについて第2制御手段を好適に動作させることができる。
別態様による手段17の遊技機は、手段9〜手段14のいずれかに記載の遊技機であって、
前記複数のコマンドは、可変表示の変動パターン(例えば、変動パターン)を示すコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)であり、
同じコマンドと扱われる前記複数のコマンド(例えば、変動パターン「PA1´−1」〜「PA1´−3」)は、同じ変動時間(例えば、特図変動時間)を指定したものである(例えば、図56に示すように、変動パターン「PA1´−1」〜「PA1´−3」は同じ特図変動時間を指定している)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、複数のコマンドそれぞれで同じ演出(例えば、飾り図柄の可変表示)を違和感無く実行できる。
別態様による手段18の遊技機は、手段9〜手段17のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2制御手段は、前記複数のコマンドのうちの特定コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)以外の他のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」)を前記特定コマンドに変換して記憶手段(例えば、変動パターン指定コマンド格納領域)に保持する(例えば、ステップS90752〜S90753)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第2制御手段を好適に動作させることができる。
別態様による手段19の遊技機は、手段9〜手段18のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段(例えば、主基板9011)であり、
前記第2制御手段は、演出の実行を制御する演出制御手段(例えば、演出制御基板9012)である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、演出制御手段を好適に動作させることができる。
別態様による手段20の遊技機は、手段9〜手段19のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1制御手段は、演出の進行を制御する第1演出制御手段(例えば、変形例における演出制御用CPU90120)であり、
前記第2制御手段は、演出の実行を制御する第2演出制御手段(例えば、変形例における表示制御部90123)である、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、第2演出制御手段を好適に動作させることができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 遊技制御用マイクロコンピュータにおける保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 入賞音出力処理を示すフローチャートである。 保留表示演出処理を示すフローチャートである。 保留変化演出を示す図である。 保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。 保留変化態様決定テーブルを示す図である。 減速期間決定テーブルを示す図である。 演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。 先読み予告処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 アクティブ保留変化演出を示す図である。 アクティブ保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。 アクティブ保留最終色決定テーブルを示す図である。 演出設定処理を示すフローチャートである。 演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。 演出の開始位置と成功率および変化割合との関係を示す図である。 第1特別図柄表示器、第2特別図柄表示器及び枠LEDの発光態様を示すタイミングチャートである。 操作演出処理を示すフローチャートである。 下皿エラー検出処理を示すフローチャートである。 遊技者設定処理を示すフローチャートである。 遊技者設定処理を示すフローチャートである。 非変動中にプッシュボタンを操作した際の演出表示装置の表示態様を示す図である。 変動中に音量・光量変更ボタンを操作した際の演出表示装置の表示態様を示す図である。 サンプル音の出力態様を示すタイミングチャートである。 サンプル光の出力態様を示すタイミングチャートである。 音量メータ及び光量メータの更新態様と音量光量調整画面の更新態様を示す図である。 入賞音の出力態様を示すタイミングチャートである。 アクティブ保留変化演出の変形例1(一発告知)を示す図である。 アクティブ保留変化演出の変形例2(タイマー変化演出)を示す図である。 タイマー変化演出の実行期間を説明するためのタイミングチャートである。 タイマー変化演出実行決定テーブルを示す図である。 タイマー変化演出実行時間決定テーブルを示す図である。 タイマー変化演出のための変化回数決定テーブルを示す図である。 タイマー変化演出のための変化パターン決定テーブルを示す図である。 タイマー変化演出のための変化タイミング決定テーブルを示す図である。 タイマー変化演出のための演出設定処理を示すフローチャートである。 この発明の一実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 演出制御用CPU等の機能ブロック図等である。 主な演出制御コマンドの構成例を示す図である。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターンの一例を示す図である。 大当り時の変動パターンの決定例を示す図である。 ハズレ時の変動パターンの決定例を示す図である。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御コマンド解析等処理(ステップS90704)の処理内容例を示す図である。 変動パターン指定コマンド処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターン指定コマンド変換テーブルの一例である。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターン指定コマンドの変換例を説明する図である。 第2保留表示画像の変化パターン(変化演出の実行パターン)を指定するコマンドの変換例を説明する図である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施例、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。尚、余剰供給受皿(下皿)4には、該下皿4に遊技球が所定球数貯留されたことを検出可能な下皿センサ130も設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
また、打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、後述するスピーカ27から出力される音の音量や、枠LED28から出力される光の光量を調整(変更)するための音量・光量変更ボタン50も設けられている。尚、本実施例における音量・光量変更ボタン50は、正面視で略十字形状に形成されたボタンであり、遊技者は、該音量・光量変更ボタン50の上端部と下端部を操作することによってスピーカ27から出力される音の音量を変更可能であるとともに、該音量・光量変更ボタン50の右端部と左端部を操作することによって枠LED28から出力される光の光量を変更可能となっている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板31(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、本実施例では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア)が設けられる。保留表示エリアでは、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する保留表示エリアが設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施例では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。本実施例では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施例では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
本実施例においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、本実施例においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板31(遊技制御基板)および演出制御基板80における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、LEDドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
また、演出制御用CPU101は、音量・光量調整ボタン50やプッシュボタン120、トリガボタン125の操作検出信号を受信したことに基づいて、スピーカ27から出力する音の音量や枠LED28から出力する光の光量を変更可能となっている。更に、演出制御用CPU101は、下皿センサ130からの検出信号を受信したことに基づいて、下皿4内に所定数の遊技球が貯留されていることを判定可能となっている。
また、演出制御基板80に搭載されたROM102には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。たとえば、ROM102には、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、LED制御データ、操作検出制御データ、など)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板80に搭載されたRAM103には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施例では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、本実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
本実施例では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が、変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
本実施例では、入賞時演出処理(図11のS1217,S1228参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
本実施例において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
本実施例では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、本実施例では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、本実施例では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S77)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
本実施例では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、本実施例では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
次いで、下皿4に遊技球が所定数貯留されていることを検出するための下皿エラー検出処理(S708)、遊技者による音量・光量変更ボタン50やプッシュボタン120、トリガボタン125等の操作を受け付けることでスピーカ27から出力される音の音量や枠LEDから出力される光の光量を変更するための遊技者設定処理(S709)を実行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種LED、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、始動入賞の発生に基づいて入賞音を出力する入賞音出力処理(S498)、保留表示H及びアクティブ表示AHをこれら保留表示H及びアクティブ表示AHの表示位置において回転表示(アニメーション表示)するための保留表示演出処理(S499)、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
入賞音出力処理(S498)は、前述したように始動入賞の発生に基づいて入賞音を出力する処理であり、保留表示演出処理(S499)は、前述したように保留表示H及びアクティブ表示AHをこれら保留表示H及びアクティブ表示AHの表示位置において回転表示(アニメーション表示)するための処理である。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、LED制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図15は、図14に示す演出制御プロセス処理における入賞音出力処理を示すフローチャートである。入賞音出力処理において演出制御用CPU101は、先ず、入賞音の出力中であることを示す入賞音出力中フラグがセットされているか否かを判定する(S1002)。入賞音出力中フラグがセットされている場合(S1002;Y)はS1008に進み、入賞音出力中フラグがセットされていない場合(S1002;N)は、第1始動入賞口指定コマンド受信フラグまたは第2始動入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したか否かを判定する(S1003)。第1始動入賞口指定コマンド受信フラグまたは第2始動入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合(S1003;Y)、演出制御用CPU101は、入賞音出力中フラグをセットし(S1004)、入賞音出力用プロセステーブルを選択する(S1005)。そして、選択した入賞音出力用プロセステーブルの入賞音出力用プロセスデータ1における入賞音出力用プロセスタイマをスタートさせる(S1006)。
尚、入賞音出力用プロセステーブルには、スピーカ27から出力する音を制御するための音制御実行データ等が、各入賞音出力用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU101は、入賞音出力用プロセスデータの内容(音制御実行データ1)に従ってスピーカ27から入賞音を出力して入賞音出力処理を終了する(S1007)。例えば、また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。尚、第1始動入賞口指定コマンド受信フラグ及び第2始動入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(S1003;N)、演出制御用CPU101は、S1004〜S1007を実行せずに入賞音出力処理を終了する。
また、S1008において演出制御用CPU101は、入賞音出力プロセスタイマの値を−1し、該入賞音出力用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S1009)。入賞音出力用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S1009;N)は、入賞音出力用プロセスタイマに対応する入賞音出力用プロセスデータの内容に従ってスピーカ27から入賞音を出力して入手音出力処理を終了し(S1010)、入賞音出力用プロセスタイマがタイマアウトしている場合(S1009;Y)は、タイマアウトした入賞音出力用プロセスタイマが最後の入賞音出力用プロセスタイマか否かを判定する(S1011)。
タイマアウトした入賞音出力用プロセスタイマが最後の入賞音出力用プロセスタイマでない場合(S1011;N)は、入賞音出力用プロセスデータの切替を行い(S1012)、次の入賞音出力用プロセスタイマをスタートさせる(S1013)。そして、次の入賞音出力用プロセスタイマに対応する入賞音出力用プロセスデータの内容に従ってスピーカ27から入賞音を出力して入賞音出力処理を終了する(S1013)。尚、タイマアウトした入賞音出力用プロセスタイマが最後の入賞音出力用プロセスタイマである場合(S1011;Y)は、入賞音出力中フラグをクリアして入賞音出力処理を終了する(S1014)。
以上のように入賞音出力処理が実行されることによって、図40(A)〜図40(C)に示すように、本実施例では、変動表示中であるか否か、変動表示中における減速制御の実行中であるか否かにかかわらず、始動入賞が発生したことに基づいて一連の入賞音を期間T6に亘って出力する。つまり、本実施例では、変動表示中に減速制御が実行されているか否かにかかわらず、同じ速度にてスピーカ27から入賞音の出力を実行するようになっている。
図16は、図14に示す演出制御プロセス処理における保留表示演出処理を示すフローチャートである。保留表示演出処理において演出制御用CPU101は、先ず、保留記憶特定情報記憶領域等を参照し、合計保留記憶数を特定する(S1021)。そして、S1021において特定した合計保留記憶数が保留記憶表示部にて現在表示されている保留表示数と一致するか否かを判定する(S1022)。S1021において特定した合計保留記憶数が現在表示されている保留表示数と一致しない場合(S1022;N)は、S1021において特定した合計保留記憶数に応じた保留表示演出用プロセステーブルを選択し(S1023)、選択した保留表示演出用プロセステーブルの保留表示演出用プロセスデータ1における保留表示演出用プロセスタイマをスタートさせる(S1024)。
尚、保留表示演出用プロセステーブルには、演出表示装置9において各保留表示H及びアクティブ表示AHを垂直軸周りに回転表示するための演出表示制御データ等が、各保留表示演出用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示演出用プロセスデータ1(演出表示制御データ1)に従って演出表示装置9における各保留表示H及びアクティブ表示AHの演出表示(各保留表示H及びアクティブ表示AHの垂直軸周りの回転表示)を実行して保留表示演出処理を終了する(S1025)。
また、S1021において特定した合計保留記憶数が現在表示されている保留表示数と一致する場合(S1022;Y)は、合計保留記憶数が0であるか否かを判定する(S1026)。合計保留記憶数が0である場合(S1026;Y)は更に変動表示中であるか否かを判定する(S1027)。尚、変動表示中であるか否かは、後述する演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理、演出図柄変動停止処理のいずれかに応じた値であるか否かを判定すればよい。合計保留記憶数が0でない場合(S1026;N)や変動表示中である場合(S1027;Y)は、保留表示演出用プロセスタイマの値を−1し(S1028)、該保留表示演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S1029)。
保留表示演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S1029;N)は、保留表示演出用プロセスタイマに対応する保留表示演出用プロセスデータの内容に従って演出表示装置9における各保留表示H及びアクティブ表示AHの演出表示を実行して保留表示演出処理を終了する(S1030)。また、保留表示演出用プロセスタイマがタイマアウトしている場合(S1029;Y)は、タイマアウトしたのは最後の保留表示演出用プロセスタイマであるか否かを判定する(S1032)。タイマアウトしたのは最後の保留表示演出用プロセスタイマである場合(S1032;Y)、S1024及びS1025の処理を実行することによって各保留表示H及びアクティブ表示AHの演出表示を繰り返し実行する。また、タイマアウトしたのは最後の保留表示演出用プロセスタイマでない場合(S1032;N)、演出制御用CPU101は、保留表示演出用プロセスデータの切替を行い(S1033)、次の保留表示演出用プロセスタイマをスタートさせる(S1034)。そして、次の保留表示演出用プロセスタイマに対応する保留表示演出用プロセスデータの内容に従って演出表示装置9における各保留表示H及びアクティブ表示AHの演出表示を実行して保留表示演出処理を終了する(S1035)。
以上のように保留表示演出処理が実行されることによって、図17(a)に示すように、本実施例における保留表示H及びアクティブ表示AHは、演出表示装置9に表示されている間は、垂直軸周りに一定の速度(本実施例では速度V1)で回転表示される。
ここで、保留表示Hおよびアクティブ表示AHについて、簡単に説明する。既に説明したとおり、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア)が設けられる。演出図柄の変動表示が開始される際に、最も古くから表示されている保留表示H(画面において最も左側に表示されている保留表示)が消去される。また、残りの保留表示Hは、左側に1つずつシフトされる。消去された(移動された、シフトされた)保留表示Hに対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示すアクティブ画像(アクティブ表示AH)を表示するアクティブ表示エリアAHAが画面の左下に表示される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、変動表示の開始に伴い消去された保留表示Hが、たとえば、アクティブ表示エリアAHAに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留表示Hに対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ表示AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
本実施例で実行される特定演出を説明する。特定演出は、変動表示に対応する所定表示の表示態様を変化させる演出である。変動表示に対応する所定表示とは、たとえば、保留表示Hまたはアクティブ表示AHのことである。したがって、特定演出は、たとえば、保留表示Hまたはアクティブ表示AHの表示態様を変化させる演出である。保留表示Hまたはアクティブ表示AHの表示態様を変化させることによって、その保留表示Hまたはアクティブ表示AHが遊技者によって有利となることを示唆する。遊技者にとって有利とは、たとえば、その保留表示Hまたはアクティブ表示AHに対応する変動表示の結果が大当りになることであり、その他、その保留表示Hまたはアクティブ表示AHの変動表示が大当りの期待の高いリーチとなることである。
なお、特定演出が実行される変動表示では、特定演出が変動表示中に実行される各種の演出と被らないように、特定演出中は変動表示の表示領域を縮小するようにしてもよい。また、画面の表示領域を分割して、変動表示に関する演出が実行される領域と、特定演出が実行される領域との区別が付くようにしてもよい。また、別の画像表示装置を設け、その表示領域において特定演出が実行されるようにしてもよい。また、所定表示にボールや剣あるいは矢などが衝突あるいは刺さる如く、所定表示に作用表示が作用することによって、所定の操作手段の操作を促す操作促進表示を完成するものとしてもよい。
保留表示Hの表示態様を変化させる特定演出の具体例を図17に示す。また、アクティブ表示AHの表示態様を変化させる特定演出の具体例を図24、図41、および図42のそれぞれに示す。はじめに、保留表示Hの表示態様を変化させる特定演出の具体例を説明する。
図17は、保留変化演出を示す図である。保留変化演出は、保留表示Hに関する特定演出の一例である。また、保留変化演出は、ターゲットとなる保留表示H(図17に示す保留表示TH)の態様を変化させることによって、その保留表示に対応する変動表示に関する動作を予告する演出であるから、先読み演出のひとつとして位置付けられる。
ここで紹介する保留変化演出は、保留表示Hの1つに向けて投げ放たれたカラーボールが対象の保留表示THにぶつかって割れることで、対象の保留表示THの色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示THにぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。もちろん、投げ放たれたボールが対象の保留表示THにぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。見事にボールが割れて保留表示THの色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずに保留表示THの色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、その保留表示THが大当りである期待度が高い(図19参照)。保留表示THの色が大当り等の期待度の高い色に変化することを“成り上がる”ともいう。
本実施例の保留変化演出は、保留表示Hの1つに向けて投げ放たれたカラーボールの速度が途中で減速する点に1つの特徴がある。特に減速する期間の長さは一様ではなく、少なくとも2種類の中から決定され、その減速期間が長い場合の方が短い場合よりも演出結果が成功となる可能性が高くなる(図20参照)。ただし、いずれの減速期間が選択された場合であっても、ボールが投げ放たれてから減速し始めるタイミングは共通である。
以下、図17に沿って、その演出を詳細に説明する。演出表示装置9の画面には、下向きの3本の矢印で示す演出図柄の変動表示中に、各種画像が表示される。下端部には、発生した保留記憶情報を表示する保留表示THまたは保留表示Hが保留記憶情報の数に対応して表示される(以下、保留記憶画像または保留表示と呼ぶ)。これらの保留表示Hは、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶画像が表示されるようにしてもよい。画面の左下には、アクティブ表示エリアAHAが表示されている。アクティブ表示エリアAHAの上にはアクティブ表示AHが表示されている。
図17(a)を参照して、演出図柄の変動表示中に、カラーボール931を持ったキャラクタ930が登場する。キャラクタ930の登場タイミングは、様々に設定できる。ただし、キャラクタ930の登場から演出の成功・失敗の結果が出るまでの演出期間の間に保留表示がシフトして、演出が無駄にならないようにする必要がある。このため、変動表示の残り期間が演出期間に比べて十分に長い段階でキャラクタ930を登場させる。
キャラクタ930は、画面に現れている4つの保留表示のうちの左から2つめの保留表示THに向かってカラーボール931を投げる。キャラクタ930がカラーボール931を投げてから、そのカラーボール931が保留表示THにぶつかるまでの時間は所定期間である。その所定期間の長さは演出が成功する場合と失敗する場合とで異なるが、同じにしてもよい。いずれにしても、その所定期間において、カラーボール931の速度が変化する。
カラーボール931は、投球されてから一定期間が経過するまで(所定距離を移動するまで)の間、一定速度で移動するのであるが、一定期間が経過した段階で、その速度が減速する。つまり、減速期間に突入する。その様子を図17(b)に示す。このような減速制御の演出は、たとえば、スローモーション再生の演出である。減速期間は、3秒または5秒である。ただし、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタ930がボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通である。そのようなスローモーション再生による減速期間を経て、再び、カラーボール931の速度が初速に戻り、やがてカラーボール931が対象の保留表示THに衝突する。なお、初速に戻らずに減速したまま演出が終了してもよいし、減速期間終了後の速度が初速や減速期間での速度とは異なる速度となるようにしてもよい。尚、図17に示す保留変化演出において、該保留変化演出としてスピーカ27から出力される音は、減速制御の実行時には、減速制御の非実行時よりもスピーカ27からの出力速度(再生速度)が低下する。つまり、保留変化演出の一部としてスピーカ27から出力される音は、減速制御の実行時と非実行時とで態様が異なっている。
尚、図16及び図17(b)に示すように、減速期間中(減速制御の実行中)における各保留表示H及びアクティブ表示AHは、保留表示演出として垂直軸周りに一定の速度(本実施例では速度V1)で回転表示される。つまり、本実施例における各保留表示H及びアクティブ表示AHは、減速期間中であるか否かにかかわらず保留表示演出として垂直軸回りに回転表示される速度が不変となっているため、保留表示H及びアクティブ表示AHが減速制御中の表示であると遊技者に誤認されてしまうことが防止されている。また、本実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHがアクティブ表示エリアAHAに表示される速度や、始動入賞の発生に基づいて保留表示Hが保留表示エリアに表示(増加表示)される速度も、減速期間中であるか否かにかかわらず不変となっている。
その後、演出のパターンは、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示THを覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返り、保留表示THの色が変化しない失敗パターンとに分かれる。図17(c)は成功パターンを示し、図17(d)は失敗パターンを示す。成功パターンの場合には、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン120が振動し、成功パターンを遊技者に予告する(ボタン報知演出)。これにより、遊技者の期待感を向上させることができる。もちろん、プッシュボタン120が振動する場合と振動しない場合とがあるようにしてもよい。なお、このような予告報知は、プッシュボタン120に代えて、あるいは、プッシュボタン120に加えて、音声や画像によって行うものとしてもよい。また、ボタン報知演出を抽選により決定するようにしてもよい。このような場合には、プッシュボタン120が振動する場合の方が、プッシュボタン120が振動しない場合よりも大当り期待度が高くなるようにするのが望ましい。また、プッシュボタン120の振動に強弱を設けてもよい。このような場合には、ボタン報知演出の抽選の際にプッシュボタン120の強弱を含めた抽選をすればよい。そして、プッシュボタン120が強振動する場合の方が、プッシュボタン120が弱振動する場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
成功パターンでは、保留表示の色が元の色から複数の色のいずれかに変化する。たとえば、その色のバリエーションは、青、緑、赤である。このような色の違いは、たとえば、その保留表示に対応する変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。たとえば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。遊技者は、成功パターンにおいて、いずれの色に変化するかという点に注目できるために、より面白みのある遊技を提供できる。なお、色の変化に対する期待をより一層に高めるために、カラーボール931が保留表示THに衝突した段階、または、衝突する直前の段階で、そのボールの動きを一旦停止させてもよい。
以上、説明した保留変化演出によれば、カラーボール931が放たれてからそれが保留表示THに衝突する前に、カラーボール931の速度が減速する期間が存在するため、その間で、遊技者の期待感を高めることができる。特に、カラーボール931の速度を減速させることなく、そのままの速度で保留表示THに衝突させる演出に比べると、遊技者の期待感は格段に向上する。また、減速期間は複数の中から選択的に設定されるため、遊技者に減速期間に対して注目させつつバラエティに富んだ演出を提供できる。
尚、本実施例における保留変化演出の実行中は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず、保留表示Hやアクティブ表示AHが垂直軸周りに一定の速度(本実施例では速度V1)にて回転表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留変化演出の対象である保留表示THやアクティブ表示AHの回転速度を他の保留表示Hの回転速度と異なるようにし、アクティブ表示AHやいずれの保留表示Hが保留変化演出の対象となっているかを遊技者が容易に認識できるようにしてもよい。
また、本実施例における保留表示Hやアクティブ表示AHは、表示態様にかかわらず垂直軸周りに一定の速度にて回転表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留表示Hやアクティブ表示AHは、表示態様に応じて回転速度や回転方向等の動作態様が異なるようにしてもよい。
本実施例では、減速期間が終了してカラーボール931の速度が初速に戻った後に、該カラーボール931が対象の保留表示THやアクティブ表示AHに衝突することで該対象の保留表示THやアクティブ表示AHの表示態様が変化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速期間中に、プッシュボタン120の操作を促すボタン操作促進画像を演出表示装置9に表示し、該ボタン操作促進画像の表示中にプッシュボタン120の操作を受け付けることで対象の保留表示THやアクティブ表示AHの表示態様を変化させてもよい。このように減速期間中にボタン操作促進画像を表示する場合は、ボタン操作促進画像として、プッシュボタン120が操作されていない状態を示す画像とプッシュボタン120が操作された状態を示す画像とを繰り返して表示してもよい。また、減速期間中におけるボタン操作促進画像の表示中は、該ボタン操作促進画像とともにプッシュボタン120の操作の残り受付期間を示す残り受付期間メータを表示し、該残り受付期間メータの更新態様によって遊技者がプッシュボタン120の操作の残り受付期間を認識できるようにしてもよい。
また、本実施例では、変動表示中に保留変化演出を実行可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示中は、当該変動表示結果が大当りとなることを示唆する変動中予告演出を実行可能としてもよい。また、このような変動中予告演出としては、遊技者がプッシュボタン120を操作することで演出表示装置9に所定の画像を表示するボタン操作演出を実行可能としてもよい。
更に、変動中予告演出としてボタン操作演出を実行可能とする場合は、前述した保留変化演出のように、演出表示装置9にボタン操作促進画像や残り受付期間メータを表示してもよい。このように、保留変化演出の減速期間中とボタン操作演出の実行中との双方でボタン操作促進画像や残り受付期間メータを表示する場合は、減速期間中のボタン操作促進画像の更新速度(プッシュボタン120が操作されていない状態を示す画像とプッシュボタン120が操作された状態を示す画像の切替速度)や残り受付期間メータの更新速度をボタン操作演出におけるボタン操作促進画像の更新速度や残り受付期間メータの更新速度と同一とする、つまり、ボタン操作促進画像の更新速度や残り受付期間メータの更新速度を、減速制御が実行されているか否かにかかわらず同一速度(更新速度)で実行してもよい。
図18は、保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出を実行するか否かの決定に用いられる。特に、図18(A)は、大当り時保留変化演出実行決定テーブルを示し、図18(B)は、はずれ時保留変化演出実行決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。大当り時保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時保留変化演出実行決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、保留変化演出を実行するか否かが乱数SR2によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、大当り時保留変化演出実行決定テーブルの方がはずれ時保留変化演出実行決定テーブルよりも「あり」が選択される割合が高くなっており、特には、保留変化演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも大当りとなる期待度が高くなるように、乱数が振り分けられている。図18に示す保留変化演出実行決定テーブルを用いることによって、保留変化演出に対して遊技者に興味を抱かせることができる。
図19は、保留変化態様決定テーブルを示す図である。保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出において保留表示Hの色の変化を決定するために用いられる。特に、図19(A)は、大当り時保留変化態様決定テーブルを示し、図19(B)は、はずれ時保留変化態様決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。大当り時保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時保留変化態様決定テーブルは、保留変化演出のターゲットとなる保留記憶がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、保留表示Hの色の変化が乱数SR3によって振り分けて抽選される。
保留変化演出には、成功パターンと失敗パターンとがある(図17参照)。成功パターンは、カラーボールが割れて保留表示Hの色が変化するパターンであり、その際に保留表示の色は、青、緑、赤のいずれかに変化する。失敗パターンは、カラーボールが割れないパターンであり、そのために、保留表示Hの色は変化しない。変化した保留表示Hの色は、その保留表示Hが大当りに対応することの期待度を示唆しており、たとえば、赤が最も大当り期待度が高く、次が緑、その次が青である。また、色が変化しない場合の大当り期待度は、色が変化するいずれの場合よりも低い。このように、色に応じて大当り期待度を示唆できるようにするため、保留変化態様決定テーブルでは、各色に対応する乱数SR3が図19に示すように割り振られている。なお、色が変化する前の保留表示Hの色は、青、緑、赤以外のいずれでもよく、たとえば、白である。
図19に示す保留変化態様決定テーブルを用いることによって、保留表示Hの色が変化するか否かという点のみならず、変化する色にも遊技者を注目させることできる。
図20は、減速期間決定テーブルを示す図である。減速期間決定テーブルは、保留変化演出においてカラーボールの減速制御を実行するときの減速期間を決定するために用いられる。減速期間とは、キャラクタによって放たれたカラーボールの速度が初速とは異なる速度に減速し始めてから、その減速を終えるまでの期間である。特に、図20(A)は、成功パターン用減速期間決定テーブルを示し、図20(B)は、失敗パターン用減速期間決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。成功パターン用減速期間決定テーブルは、保留変化演出を成功パターンとするときに用いられるテーブルである。失敗パターン用減速期間決定テーブルは、保留変化演出を失敗パターンとするときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、減速期間を3秒および5秒のうちのいずれにするかが乱数SR4によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、成功パターン用減速期間決定テーブルの方が失敗パターン用減速期間決定テーブルよりも減速期間5秒が選択される割合が高くなっており、特には、減速期間が長い場合の方が短い場合よりも、その保留変化演出が成功パターンとなる期待度が高くなるように、乱数が振り分けられている。なお、ここでは、複数の減速期間として、3秒と5秒とを例示したが、それ以外の減速期間を採用してもよく、3つ以上の減速期間を採用してもよい。なお、大当りか否かにより減速期間が異なるようにしてもよい。
このように、減速期間の違いによって成功パターンとなる期待度が異なるため、遊技者に対して、減速期間に注目させることができる。特に、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタがボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通としているため、ボールが減速を開始した段階で遊技者に減速期間の長短を悟らせることがなく、遊技者の期待感を維持することができる。
図21は、演出実行タイミング決定テーブルを示す図である。このテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。演出実行タイミング決定テーブルは、複数の保留表示Hが存在する場合に、保留表示Hが何回シフトした段階で保留変化演出を実行するかを決定するために用いられる。複数の保留表示Hが存在する場合には、保留変化演出の対象となる保留表示THは、それらの複数の保留表示Hのうちの最後に消化される保留表示Hとしている。たとえば、保留表示Hが3つであれば、左から3つ目の保留表示THが保留変化演出の対象となり、保留表示Hが8つであれば、左から8つ目の保留表示THが保留変化演出の対象となる。演出実行タイミング決定テーブルを用いて、対象の保留表示THが何回左側シフトした段階(いくつの保留記憶を消化した段階)で、保留変化演出を実行するかが乱数抽選によって決定される。
演出実行タイミング決定テーブルには、第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数別に、保留変化演出の各実行タイミングに対して割り当てられた乱数の割合(パーセント表示)が示されている。たとえば、合算保留記憶数が2の場合には、左から2つ目の保留表示THが保留変化演出の対象となるが、この場合の演出のタイミングは、1回シフトが発生したとき(シフト回数=1)に決定される。つまり、2つの保留表示Hのうちの左側の保留表示Hがアクティブ表示AHに変化し、右側の保留表示THが左にシフトした段階で、保留変化演出が開始されることになる。
合算保留記憶数が4の場合には、左から4つ目の保留表示がH保留変化演出の対象となるが、この場合の演出のタイミングは、1回シフトが発生したとき(シフト回数=1)、2回シフトが発生したとき(シフト回数=2)、および3回シフトが発生したとき(シフト回数=3)のいずれかに乱数抽選によって決定される。その決定割合は、シフト回数=1が45%、シフト回=2が30%、シフト回数=3が25%である。
演出実行タイミング決定テーブルから理解されるとおり、合算保留記憶数がいずれの場合であっても、シフト回数が少ない段階で保留変化演出が実行される割合の方が、シフト回数が多い段階で保留変化演出が実行される割合よりも高い。これにより、保留変化演出の実行機会を極力多くすることができる。
図22は、先読み予告処理を示すフローチャートである。本フローチャートにより、保留変化演出が実現される。本フローチャートは、図14のS500のサブルーチンである。はじめに、演出制御用CPU101によって既に減速制御の実行中であるか否かが判断される(S501a)。既に減速制御の実行中である場合は先読み予告演出処理を終了し、減速制御の実行中でない場合は、合算保留記憶数指定コマンドおよび変動種別コマンドの受信時であるか否かが判断される(S501b)。それらのコマンドの受信時でなければ処理が終了するが、それらのコマンドの受信時であれば、変化演出制限フラグがすでにセットされているか否かが判断される(S502)。変化演出制限フラグは、保留変化演出の実行有が決定されてからその演出を終えるまでにセット状態が保持されるフラグである。変化演出制限フラグは、保留変化演出を終えていないにも関わらず、新たに保留変化演出の実行が決定されることを防ぐためのフラグである。
したがって、変化演出制限フラグがセットされているときには処理が終了するが、セットされていないときには、保留合計数が2以上か否かが判断される(S503)。保留合計数が2以上でなければ、保留変化演出を行なわないので処理が終了するが、保留合計数が2以上であれば、新たな保留記憶は、リーチの変動パターン種別であるか否かが判断される(S504)。ここで、“新たな保留記憶”とは、複数ある保留記憶(S503)のうちで最新の保留記憶のことであり、換言すると、最も右側に表示されている保留表示Hに対応する保留記憶のことである。既に、図22を用いて説明したとおり、そのような保留記憶が保留変化演出の対象として選定され得る。したがって、S505では、保留変化演出の対象として選定され得る保留記憶が大当りか否かが判断されている。
S505において、新たな保留記憶が大当りであると判断されたときには、大当り時保留変化演出実行決定テーブルにより、保留変化演出の実行の有無が決定され(S506)、S507において保留変化する(保留変化演出有)と判断されたときには、続いて大当り時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様が決定される(S508)。保留変化態様は、成功パターンと失敗パターンとに大別される。成功パターンは、保留表示THにぶつかったカラーボールが割れて保留表示の色が変わるパターンであり、失敗パターンは、保留表示THにぶつかったカラーボールが割れずに跳ね返り、その結果、保留表示THの色が変わらないパターンである。成功パターンは、さらに、変化する保留表示THの色が青、緑、赤の3つのパターンに分かれる。S508では、失敗パターンまたは3つの成功パターンのいずれにするかが決定される。S507において、保留変化しない(保留変化演出無)と判断されたときには、処理が終了する。大当り時保留変化演出実行決定テーブルは、図18(A)に示したとおりであり、大当り時保留変化態様決定テーブルは、図19(A)に示したとおりである。
S505において、新たな保留記憶がはずれであると判断されたときには、はずれ時保留変化演出実行決定テーブルにより、保留変化演出の実行の有無が決定され(S515)、S515において保留変化する(保留変化演出有)と判断されたときには、続いてはずれ時保留変化態様決定テーブルにより、保留変化態様が決定される(S517)。なお、S517では、失敗パターンまたは変化する保留表示THの色が青、緑、赤の3つの成功パターンのいずれにするかが決定される。S516において、保留変化しない(保留変化演出無)と判断されたときには、処理が終了する。はずれ時保留変化演出実行決定テーブルは、図18(B)に示したとおりであり、はずれ時保留変化態様決定テーブルは、図19(B)に示したとおりである。
S508またはS517の処理において、保留変化態様が成功パターンに決定されたときには(S509でYES)、成功パターン用減速期間決定テーブルにより、減速制御される期間が決定される(S510)。一方、S508またはS517の処理において、保留変化態様が失敗パターンに決定されたときには(S509でNO)、失敗パターン用減速期間決定テーブルにより、減速制御される期間が決定される(S510)。成功パターン用減速期間決定テーブルは、図20(A)に示したとおりであり、失敗パターン用減速期間決定テーブルは、図20(B)に示したとおりである。減速制御される期間(減速期間)は、図20に示すとおり、3秒および5秒のいずれかに決定される。
S510において、成功パターンとするときの減速期間が決定された後、ボタン報知演出を実行することが決定される(S511)。ボタン報知演出は、図17を用いて説明したとおり、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン120を振動させることによって、成功パターンを遊技者に予告する演出である。
S511またはS518の後、変化演出制限フラグがセットされる(S512)。次に、演出実行タイミング決定テーブルにより、保留変化演出の実行タイミングが決定される(S513)。演出実行タイミング決定テーブルは、図21に示したとおりである。この処理によって、保留変化演出の対象となる保留表示THがいくつシフトした段階で保留変化演出を実行するかが決定される。次に、本先読み予告処理において決定された内容が記憶領域に保存され(S514)、処理が終了する。
図23は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、図49に示す各種演出の内容の決定等の処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理については、後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、LED制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種LED、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、LEDドライバ基板35に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図17に示したキャラクタ930は、複数の速度のいずれかでカラーボール931を投球するよう、予め定めた複数の速度(たとえば、低速、中速、高速の3種類)のいずれかをマイクロコンピュータが都度選択するようにしてもよい。その場合、単にランダムにその速度を選択するのではなく、たとえば、選択された速度に応じて、成功パターンになるか失敗パターンになるかの割合が異なるようにしてもよい。
さらに、キャラクタ930が投球する位置を複数設定してもよい。たとえば、対象の保留表示からの距離が遠い遠距離位置と、その距離が当該遠距離位置に比較して近い近距離位置とからマイクロコンピュータが都度選択するようにしてもよい。その場合には、遠距離位置のときのカラーボール931の初速が早いほど成功パターンになりやすく、近距離位置のときのカラーボール931の初速が遅いほど成功パターンになりやすくしてもよい。遠距離位置のときのカラーボール931の初速が遅いと、カラーボール931が対象の保留表示に衝突するまでに長い時間がかかるため、演出が間延びしてしまうが、初速を早くすることで演出が間延びするとことを防止できる。一方、近距離位置のときのカラーボール931の初速が早いと、カラーボール931が短い時間で対象の保留表示THに衝突するため、十分に演出を遊技者が楽しめない可能性があるが、初速を遅くすることで遊技者が十分に演出を楽しむ時間を確保することができる。
キャラクタ930が、複数の速度のいずれかでカラーボール931を投球するようにした場合であっても、減速期間に入ったときのその減速時の速度は、いずれも共通とすることが考えられる。減速時の速度を共通化することによって、減速時の速度を複数の中から選択的に設定する場合と比較して減速制御を単純化できる。
保留変化演出において、必ず減速制御を伴うのではなく、減速制御を伴わない場合があるようにしてもよい。この場合、減速制御を伴った方が、それを伴わなかった場合に比較して成功結果が得られる期待度が高くなるように設計すれば、減速制御の実行に対する遊技者の期待感を高めることができる。
カラーボールの減速期間は様々に設定できる。たとえば、保留表示THにカラーボールが衝突する前に元の速度にもどしてもよい。また、成功パターンであっても、プッシュボタン120が振動しない場合があるようにしてもよい。また、失敗パターンであっても、成功パターンのときよりも低い割合であるものの、プッシュボタン120が振動する場合があるようにしてもよい。
演出結果が失敗となるパターンを実行するときには、減速制御が継続している状態でカラーボールが対象の保留表示THに衝突するのではなく、衝突前にカラーボールの速度が元の速度に戻り、保留表示THに衝突して跳ね返った後に落下、あるいは、保留表示THに衝突することなく、通過するようにしてもよい。
所定表示に対して作用表示が作用する例として、ここでは、カラーボールが作用する例を挙げた。しかしながら、このような作用表示に代えて、たとえば、対象の保留表示THの周辺が他の保留表示Hの周辺とは異なる色に変化するようなエフェクトを与えることを以て、作用表示としてもよい。
また、減速制御を行なう際に、減速したタイミングに合わせて、背景画像における変化対象(所定表示としての保留表示やアクティブ表示等)および作用物(作用表示としてのカラーボール)とを含む領域と、それ以外の領域とで画面の明るさを変えるようにしてもよい。具体的には、減速タイミングにおいて変化対象および作用物以外の背景画像を暗くすることで特定演出(保留変化演出や後述するアクティブ保留変化演出)に注目させることができる。逆に、変化対象および作用物を明るくすること、または、変化対象および作用物に所定のエフェクト画像を付加することで強調表示するようにしてもよい。なお、明るさの設定等は、変化対象と作用物とのうちいずれか一方のみにおいて実行されるようにしてもよい。
図17に示した保留変化演出は、保留表示Hの変化に関わる演出である。しかしながら、このような演出をアクティブ表示の変化に関わるアクティブ保留変化演出に流用してもよい。具体的には、図17を参照して、キャラクタ930は保留表示Hに向けてボールを投げるのではなく、アクティブ表示AHに向けてボールを投げる演出とする。演出の内容としては、図17を用いて説明したものに準じて、成功パターンと失敗パターンとに変化するものとする。また、その制御も図18〜図20に示した各テーブルを用いて実行するとよい。
保留変化演出やアクティブ保留変化演出以外で減速制御が行なわれるようにしてもよい。たとえば、変動中に画面の中央に所定の画像を表示し、当該所定の画像に作用表示が作用する際に、減速制御を行なうようにしてもよい。所定の画像は、保留表示Hやアクティブ表示AHとは関連のない画像である。そして、所定の画像に作用表示が作用することにより、成功するパターンと、失敗するパターンとを設けてもよい。成功するパターンでは、所定の画像に作用表示が作用することで、プッシュボタン120等の操作手段の操作を促す操作促進表示が完成するようにしてもよい。このような演出は、通常の遊技状態で行なわれてもよいし、高確率中や時短中で行なわれてもよい。より具体的には、高確率中に画面中央に手の画像を表示し、そこにボタンを示す画像が飛んできて、当る手前で減速制御を開始し、手の画像がボタン画像をキャッチすれば、ボタン操作を促す操作促進表示の演出へと発展し、手の画像がボタンの画像をキャッチできなければ、演出が終了するものとしてもよい。そして、操作促進表示の演出の実行中にプッシュボタンを操作することで、大当りとなったことやハズレとなったことを示す画像が表示される演出が実行されるようにすればよい。
保留表示は、画像以外のもので表されるようにしてもよい。たとえば、保留表示Hは、LED等の点灯で示されるようにしてもよい。そして、作用表示としてしめされる画像の減速制御を保留表示THに対応するLEDの手前で行なえばよい。失敗パターンでは、LEDの点灯色は変更せず、成功パターンでは、LEDの点灯色を変更すればよい。
図24は、アクティブ保留変化演出を説明するための図である。アクティブ保留変化演出は、アクティブ表示に関する特定演出の一例である。また、アクティブ保留変化演出は、アクティブ表示の態様を変化させることによって、進行中の変動表示に関する動作を予告する演出のひとつとして位置付けられる。
ここで紹介するアクティブ保留変化演出は、アクティブ表示に向けて投げ放たれたカラーボールがそのアクティブ表示にぶつかって割れることで、アクティブ表示の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。見事にボールが割れてアクティブ表示の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずにアクティブ表示の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、進行中の変動表示の結果が大当りとなる期待度が高く、かつ、その期待度は、変化する色によっても異なる(図26参照)。
たとえば、その色のバリエーションは、青、緑、赤である。このような色の違いは、たとえば、進行中の変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。たとえば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。対象がアクティブ表示であるという点や減速期間が存在しない点などを除けば、図24に示すアクティブ保留変化演出は、図17を用いて説明した保留変化演出と演出内容が共通している。
特に、図24に示すアクティブ保留変化演出が図17に示す保留変化演出と大きく異なる点は、カラーボール931を投げるキャラクタ930の位置によって、成功パターン(アクティブ表示の色が変わる)となる成功率と、成功パターンのときに最も大当り期待度の段階の高い色(赤)となる率が異なる点である。なお、キャラクタ930の種類は、その位置の違いに関わらず同じである。このように、キャラクタ930が共通であるので、位置を変更したときにキャラクタ930がその場所を移動したように遊技者に感じさせることができる。ただし、位置によって異なるキャラクタを表示するようにしてもよい。
以下、図24に沿って、その演出を詳細に説明する。演出表示装置9の画面には、下向きの3本の矢印で示す演出図柄の変動表示中に、アクティブ表示エリアAHA、アクティブ表示AH、および保留表示Hが表示されている。
図24(a)を参照して、演出図柄の変動表示中に、カラーボール931を携えたキャラクタ930が位置Aに登場する。キャラクタ930が登場した段階で画面には、プッシュボタンの操作が有効である旨が表示される(図示省略)。このとき、プッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Aから位置Bに移動し、さらに、プッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Bから位置Cに移動し、さらにプッシュボタン120を1回操作すると、キャラクタ930が位置Cから位置Aに移動する。このように、プッシュボタン120の操作に応じて、キャラクタ930の位置がA→B→C→A→B…と繰り返して変化する。したがって、演出の開始位置を変更する面白みを遊技者に提供できる。アクティブ表示AHからは、位置Aが最も近く、位置Cが最も遠い。図24(b)には、キャラクタ930の位置として位置Cが選択されている状態が示されている。なお、操作が有効な期間は予め定めらており、その操作有効期間を画面上でカウントダウンしてもよい。
図24(c)には、アクティブ表示AHに最も近い位置Aからキャラクタ930がカラーボール931を投げている様子が示されている。そのカラーボール931はやがてアクティブ表示AHにぶつかる。続いて、図24(d)には、そのカラーボール931が見事に割れてアクティブ表示AHの色が変わった様子が示されている。
一方、図24(e)には、アクティブ表示AHから最も遠い位置Cからキャラクタ930がカラーボール931を投げている様子が示されている。そのカラーボール931はやがてアクティブ表示AHにぶつかる。続いて、図24(f)には、そのカラーボール931が割れることなく跳ね返っている様子が示されている。したがって、この時は、アクティブ表示AHの色は変化しない。
このアクティブ保留変化演出では、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHに近い程、演出が成功パターンとなる割合が高く、したがって、アクティブ表示AHの色が成り上がる割合も高い。したがって、その観点のみからすると、遊技者としては、プッシュボタン120を操作してキャラクタ930の位置を位置Aに設定することを望むことになる。しかしながら、このアクティブ保留変化演出では、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHに近い程、3種類の色のうち、最も大当り期待度の低い赤にしかアクティブ表示AHの色が成り上がらない割合が高くなっている。
つまり、アクティブ表示が大当りであるならば、本来的には成功パターンにおいて最も大当り期待度の高い赤にアクティブ表示AHの色を成り上げるべきなのであるが、そのときのキャラクタ930の位置が位置Aに設定されていると、成功パターンが選択される割合が高いものの、その際の成り上がりの色が、赤ではなく最も期待度の低い青に設定されてしまう訳である。言いかえると、位置Aは、成り上がりの演出を見易いものの、その演出が示す成り上がりの色が、本来の大当り期待度に対応した色に到達せずに、それよりも大当り期待度の観点において段階の低い色に制限されてしまう可能性が高くなるということである。この場合、遊技者は、大当り期待度に応じた本来の成り上がり色は、それよりも段階の高い色であるかもしれないという不安な気持ちを抱かざるを得ない。
一方で、キャラクタ930がボールを投げる位置がアクティブ表示AHから遠い程、演出が成功パターンとなる割合が低いために、成り上がりの演出を見ることのできる機会が減るのであるが、運よく、成功パターンを見ることができたときには、そのときの成り上がりの色は、本来の大当り期待度に対応した色である可能性が高くなるということである。たとえば、大当りが決定されているときにアクティブ表示AHから最も通り位置Cで演出を実行すると、成功パターンは発生し難いものの、もし、成功パターンが発生したときには、その時の色が実際の期待度を示すものとなる。その結果、遊技者は本来の大当り期待度をその成り上がった色から察することができる。
このように、このアクティブ保留変化演出では、その演出を開始する位置によって、成功パターンとなる割合と、成功パターンとなったときに成り上がる色の制限の度合いとが異なっている。このような演出を実現するために、本パチンコ遊技機1においては、成功パターンのときのアクティブ表示AHの成り上がりの色を2段階で決定している。
第1段階として、キャラクタ930の位置を考慮せずに、アクティブ表示が大当りであるか否かの観点から成り上がりの色を決定する。このときに決定した色を“最終色”と称する。最終色は、アクティブ表示が大当りであるか否かの観点から決定された色であるので、その色はアクティブ表示が大当りとなる期待度を忠実に反映している。ただし、決定された“最終色”が実際に演出に用いられるか、あるいは、それよりも大当り期待度の低い色が演出に用いられるかは、次の第2段階での決定によって決まる。
第2段階として、キャラクタの投球位置を考慮して、第1段階で決定した“最終色”を実際に演出に用いるか、あるいは、それに制限をかけることによって、大当り期待度を表す指標が“最終色“以下の色にするかを決定する。たとえば、“最終色”が赤である場合でも、制限をかけた場合には、実際の成り上がり色として採用する色は青とする。これら第1段階、および第2段階の決定の詳細は図26〜図29及び図31の説明によってより明らかとなる。
このアクティブ保留変化演出では、アクティブ表示AHから近い位置の方が成功パターンの期待度が高いため、近い位置の方が変化し易いのではないかという遊技者の想定に合致した演出を提供できる。なお、このアクティブ保留変化演出において、図17を用いて説明した減速制御の演出を加えてもよいし、また、失敗パターンとしては、投げ放たれたボールがアクティブ表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。
図25は、アクティブ保留変化演出実行決定テーブルを示す図である。アクティブ保留変化演出実行決定テーブルは、アクティブ保留変化演出を実行するか否かの決定に用いられる。アクティブ保留変化演出を実行するか否かが乱数SR5によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、演出ありと演出なしとの比率が2:3となるように設定されている。このテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図26は、アクティブ保留最終色決定テーブルを示す図である。アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出においてアクティブ表示の色を変えるときの色(成り上がりの色)の種類を決定するために用いられる。すでに説明したとおり、実際に演出に用いられる成り上がり色は、ここで決定される“最終色”とは異なる場合がある。特に、図26(A)は、大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルを示し、図18(B)は、はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルを示す。これらのテーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出のターゲットとなるアクティブ表示が大当りのときに用いられるテーブルである。はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルは、アクティブ保留変化演出のターゲットとなるアクティブ表示がはずれのときに用いられるテーブルである。いずれのテーブルも、“最終色”が乱数SR5によって振り分けて抽選される。その振り分けの態様は、図に示されるように、変化なしについては、はずれのときの方が大当りのときよりも選択率が高く、青、緑、赤については、その順に大当り期待度が高くなるような態様とされている。なお、“最終色”は、投球するキャラクタの位置に関わりなく、アクティブ保留最終色決定テーブルに基づいて選択される、いわば、仮決めされた成り上がり色である。
図27は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、図23のS616にて実行されるサブルーチンである。はじめに、変化演出制限フラグがセットされているか否かが判断される(S901)。変化演出制限フラグがセットされているときには、重複して演出が実行されることのないよう、処理が終了する。一方、変化演出制限フラグがセットされていないときには、今回実行される変動がリーチであるか否かが判断され(S902)、リーチでないときには処理が終了し、リーチのときには、アクティブ保留変化演出実行決定テーブルにより、アクティブ保留変化演出の実行の有無が決定される(S903)。アクティブ保留変化演出実行決定テーブルは、図25に示したとおりである。
S904において、アクティブ保留変化演出の実行有と判断されたときには、今回実行されている変動表示が大当りであるか、すなわち、アクティブ表示が大当りに対応するものであるかが判断される(S905)。大当りである場合には、大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルにより、アクティブ保留の最終色が決定され(S906)、大当りでなくはずれの場合には、はずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルにより、アクティブ保留の最終色が決定される(S908)。大当り時アクティブ保留最終色決定テーブルおよびはずれ時アクティブ保留最終色決定テーブルは、図26に示したとおりである。これらの決定処理によって、アクティブ保留変化演出が成功したときの成り上がり色が仮決めされる。
S906またはS908の後、決定された内容が記憶領域に保存され(S907)、処理が終了する。
図28は、演出図柄変動中処理を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理は、図14のS802にて実行されるサブルーチンである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトしていない場合(S843;N)は、S849に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと場合(S843;Y)は、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S845)。また、後述する下皿エラーの報知中であることを示す下皿エラー報知フラグがセットされているか否かを判定する(S846)。
下皿エラー報知フラグがセットされていない場合(S846;N)は、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S847)、下皿エラー報知フラグがセットされている場合(S846;Y)は、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータのうち、表示制御実行データ及び音番号データ等のプロセスデータに基づいて枠LED28を除く演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S848)。
また、S849では、演出制御用CPU101は、下皿エラー報知フラグがセットされているか否かを判定する。
下皿エラー報知フラグがセットされていない場合(S849;N)は、プロセスタイマに対応する表示制御実行データ、LED制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御し(S850)、下皿エラー報知フラグがセットされている場合(S849;Y)は、プロセスタイマに対応する表示制御実行データ、LED制御実行データ、および、音番号データ等のプロセスデータのうち、表示制御実行データ及び音番号データ等のプロセスデータに基づいて枠LED28を除く演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S851)。
S847、S848、S850、S851の実行後は、プッシュボタン120の操作に応じて、操作演出処理が行なわれる(S852)。操作演出処理の詳細は図31を用いて後述する。
次に、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S853)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S853でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S855)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S853でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S854)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S854でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S854でY)、S855に移行する。このように、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S853でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図29は、演出の開始位置と成功率および変化割合との関係を示す図である。図示する対応関係のデータは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。図24を用いてアクティブ保留変化演出を説明した際に併せて説明したとおり、アクティブ保留変化演出では、その演出を開始する位置によって、成功パターンとなる割合と、成功パターンとなったときに成り上がる色の制限の度合いとが異なっている。図29示す位置A,B,Cは、図24に示した画面の各位置に対応している。
アクティブ表示から最も近い位置Aでキャラクタがカラーボールを投球したとき、すなわち、位置Aでアクティブ保留変化演出が開始したときには、演出パターンとして成功パターンが選択される率(成功率、期待度)は100%である。つまり、各位置のうち、最もアクティブ表示に近い位置Aでアクティブ保留変化演出を開始させると、遊技者は、必ず、成功パターンの演出を見ることができる。ただし、そのときに、アクティブ表示の成り上がりの色が、変動表示の表示結果に応じて仮決めした“最終色”に決定される割合は20%に過ぎず、80%の割合で大当り期待度の最も低い1段階目の色、すなわち、青に決定されてしまう。
アクティブ表示から最も遠い位置Cでキャラクタがカラーボールを投球したとき、すなわち、位置Cでアクティブ保留変化演出が開始したときには、演出パターンとして成功パターンが選択される率(成功率)は20%に過ぎない。つまり、各位置のうち、最もアクティブ表示から遠い位置Cでアクティブ保留変化演出を開始させると、その他の位置で演出を開始させた場合に比較して、遊技者が成功パターンの演出を見ることのできる可能性は低くなる。しかしながら、アクティブ表示の成り上がりの色が、変動表示の表示結果に応じて仮決めした“最終色”に決定される割合は100%であり、もし、成功パターンを見ることができた場合には、そのときの成り上がり色が示す大当り期待度に対して遊技者は信頼を抱くことができる。
したがって、遊技者は、極力、成功パターンを見たいのか、あるいは、成功パターンによって示される成り上がりの色の信頼度を高めたいのか、という観点から、アクティブ保留変化演出を開始させる位置を自身の操作で選択できる。このため、演出に遊技者の意思を反映させることができ、より、面白みのある遊技者参加型の演出を提供できる。
なお、図29に示す成功率と色の変化割合とは、上述した効果を発揮し得る範囲において、様々に調整可能である。たとえば、位置Aのとき、最終色まで変化することがなく、1段階目の色にしか変化しないようにしてもよく、また、位置Cのとき、ごくわずかな割合で1段階目の色に変化する場合があるようにしてもよい。また、位置Cで変化した場合には、位置Cでしか見ることのできない特殊な態様(特殊な色)に変化するようにしてもよい。特殊な態様とは、たとえば、大当りに決定されているときにレインボーに変化する色でアクティブ表示を表示するような態様である。
図31は、操作演出処理を示すフローチャートである。操作演出処理は、図28のS846で実行されるサブルーチンである。はじめに、アクティブ保留変化演出を実行するか否かが判断される(S860)。アクティブ保留変化演出を実行しない場合には処理が終了するが、実行する場合には、プッシュボタン120の操作有効期間中であるか否かが判断される(S861)。プッシュボタン120の操作有効期間中でなければ、S865に進む。プッシュボタン120の操作有効期間中であれば、プッシュボタン120の操作が検出されたか否かが判断される(S862)。操作が検出されなければS864に進むが、操作が検出された場合には、そのボタン操作に応じて、アクティブ保留変化演出の開始位置が変更される(S863)。具体的には、操作が検出される毎に、図24に示したキャラクタ930の位置が位置A→B→C→A→B…と変更される。
次に、操作有効期間の終了時であるか否かが判断され(S864)、終了時でなければ一旦処理が終了するが、終了時の場合には、現時点で選択されている演出の開始位置から、図29に示した「演出の開始位置と成功率および変化割合との関係」に従って、アクティブ保留変化演出の内容が決定される(S865)。その結果、このステップでは、演出のパターンをアクティブ表示の色の成り上がりが生じる成功パターンとするか、アクティブ表示の色の成り上がりが生じない失敗パターンとするか、および、成功パターンとするときには、その成り上がり色を先に図27のS906またはS908で仮決めした“最終色”とするか、あるいは1段階の色(赤)とするか、が決定される。次に、決定された内容が記憶領域に保存され(S866)、処理が終了する。
図41は、アクティブ保留変化演出の変形例1を示す図である。既に説明したアクティブ保留変化演出のパターンに対して、以下に説明する変形例1の演出パターンを追加することが考えられる。変形例1は、アクティブ保留変化演出の失敗パターンを経た後に、バトル演出が開始し、そのバトル演出の結果が出る前にボール等の作用演出を伴うことなくアクティブ表示の色がいきなり成り上がる例である。バトル演出は、その勝敗の結果によって今回の変動表示が大当りになるか否かを示す演出である。バトル演出の結果が出る前にアクティブ表示の色が成り上がるため、成り上がった色は、バトル演出の結果を予告するものとなる。
変形例1は、図24に示したアクティブ保留変化演出の失敗パターンと同様に進行する(図41(a)〜図41(c))。特に、図41の例では、アクティブ表示から最も遠い位置Cから演出が開始されている例が示されている。既に説明したとおり、アクティブ表示から最も遠い位置Cから演出が開始された場合には、失敗パターンが選択される割合が高い(図29参照)。このため、位置Cを敢えて演出の開始位置として選択した遊技者は、成功パターンをみることができず、落胆してしまうかもしれない。
しかしながら、変形例1のようなパターンも発生し得るようにすることで、一旦、落胆した遊技者を再び継続する演出の面白さに引込むことができる。すなわち、図41(c)のごとく、失敗パターンが表示された後、画面上でリーチが発生すると(図41(d))、やがて、画面上で敵味方でのバトル演出が開始する。遊技者はその結果を待つ訳であるが、そのバトル演出の途中で、いきなり何の前触れもなく、アクティブ表示の色が成り上がるのである(図41(e))。このときの成り上がりの色は、図26などを用いて説明した“最終色”とすることが望ましい。そうすれば、遊技者は、大当り期待度が反映された本来の成り上がり色を以て、大当りの可能性を推測できるからである。
あるいは、このような変形例1のパターンでは、失敗パターン(図41(c))を経ていることを理由として、遊技者にとっては望ましい“最終色”ではなく、“最終色”よりも大当り期待度の指標が低い色にしか成り上がらないようにしてもよい。
あるいは、このような変形例1のパターンは、表示結果が大当りである場合にのみ、実施するようにしてもよい。その場合、成り上がりの色は、大当りが確定していることを示す特殊な色(たとえば、レインボーカラー)としてもよい。
このような変形例1を加えることによって、演出の幅を広げることができる。特に、失敗パターンとなってしまったときの遊技者の失望感を軽減させることができる。なお、変形例1のパターンは、図29に示す成功率に従い、失敗パターンが選択されたときに、さらに乱数抽選することによって、選択するように制御してもよい。また、ここでは、バトル演出後に何の前触れもなくアクティブ表示の色が成り上がるものとして説明したが、その兆候となる演出を先に加えてもよい。
次に、図42〜図49を用いて、アクティブ保留変化演出の変形例2を説明する。図42は、アクティブ保留変化演出の変形例2を説明するための図である。既に説明したアクティブ保留変化演出のパターンに対して、あるいは、さらに、変形例1を加えたものに対して、以下に説明する変形例2の演出パターンを追加することが考えられる。もちろん、アクティブ保留変化演出としては、変形例2のみを実行するパチンコ遊技機としてもよい。
変形例2は、キャラクタが一定時間(たとえば、10秒)の中でボールを右手と左手とに交互に移し替えることを繰り返している間にボールの色が順次変化していき、一定時間が経過したときに、そのボールをキャラクタがアクティブ表示に向かって投げることで、アクティブ表示の色がボールの色に変化するという演出である。以下、変形例2に関わるアクティブ保留変化演出を“タイマー変化演出”と称する。
図42(a)は、変形例2に関わるタイマー変化演出が実行されるときの演出表示装置9の表示画面を説明するための図である。また、図42(b)〜(f)は、演出表示装置9の表示画面に表示される各種の画像のうち、タイマー変化演出に関する表示画像を拡大して示したものである。図42において、示唆表示910は、キャラクタ画像とボール画像911とからなる。示唆表示910は、アクティブ表示エリアAHAの中のアクティブ表示AHが変化することを示唆する画像である。また、タイマー表示920は、タイマー変化演出の実行時間を示す画像である。タイマー表示920の値が0秒を示す値となるときにキャラクタがボール画像911を投げることでボール画像911がアクティブ表示AHに作用し、アクティブ表示AHの表示態様が変化する演出が実行される。
図42(a)に示すように、変動表示中には、演出表示装置9の右上の表示領域において、タイマー変化演出が実行される。タイマー変化演出中は、キャラクタがお手玉をする示唆表示910と示唆表示910の下部に表示されるタイマー表示920とが演出表示装置9の表示領域に重畳表示される。示唆表示910およびタイマー表示920は、演出表示装置9の右上の表示領域にて重畳表示される画像である。このような画像は、表示に要する領域が大きくなり過ぎないので、変動表示において実行される各種演出を阻害しないようにすることができる。
また、タイマー表示920は、タイマー変化演出の実行期間を示している。具体的には、タイマー表示920は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマー表示の値が0(0秒を示す値)となる。タイマーの表示の値が0となったことに基づいて、所定表示の表示態様が実行されていたタイマー変化演出に関連して変化される。タイマー変化演出は、このようにタイマー表示920の値が0となり、所定表示の表示態様が変化するまでの演出である。このようなタイマー表示920は、時間とともにデジタル表示がカウントダウンされる。ここで、タイマー表示920は、秒より下の位2桁についても実際はカウントダウンしているが、図面上では詳細に開示していない。また、秒以下2桁を表示せず、「10」、「9」・・・「0」と秒数のみをカウントダウンしていくようにしてもよい。
図42(b)に示すように、タイマー変化演出の開始時は、アクティブ表示AHの表示態様が変化することを示唆する示唆表示910として、キャラクタとボール画像911とが表示される。タイマー変化演出の開始時におけるボール画像911の色は、青色である。このような青色は、保留表示エリア18cに示される保留表示Hの色と同じである。保留表示Hは、青色で表示される。また、アクティブ表示AHは、通常青色で表示され、タイマー変化演出により色が変化する場合がある。アクティブ表示AHの色は、青色<黄色<緑色<赤色<虹色の順に大当り期待度が高くなる。キャラクタは、お手玉をするようにボール画像911を上方に投げる。タイマー表示920には、「10:00」と表示され、タイマー変化演出が10秒間実行されることが示される。
図42(b)の状態から3秒経過後、図42(c)のように、タイマー表示920は、タイマー変化演出の残り時間が7秒であることを示す「07:00」で表示される。このとき、ボール画像911の色が青色から緑色(図中の斜線)へと変化する。色が変化することで、大当りの期待度が向上する。その後、タイマー変化演出開始時から9秒経過後、図42(d)に示すように、タイマー表示920は、タイマー変化演出の残り時間が1秒であることを示す「01:00」で表示される。ボール画像911の色は、図42(c)の状態と同じ緑色である。
図42(d)の状態からさらに1秒経過後(タイマー変化演出から10秒経過後)、図42(e)のように、タイマー表示920が「00:00」とタイマー変化演出の残り時間が0秒であることが示される。そして、0秒となったときに、示唆表示として表示されるキャラクタがボール画像911をアクティブ表示エリアAHAに向かって投げる演出が実行される。投げられたボール画像911は、図42(f)に示すように、アクティブ表示AHに命中する。アクティブ表示AHの表示態様は、ボール画像911が命中することで青色からタイマー変化演出の関連した態様の緑色へと変化する。青色から緑色に変化することで、実行されている変動表示の期待度が向上する。
このように、タイマー変化演出の実行中は、タイマー表示920により、タイマー変化演出の実行期間を知らせることができるので、図42(e)、(f)に示すように、アクティブ表示AHの表示態様が変化するタイミングを明確にすることができる。よって、タイマー表示920が0秒となるまでの期間に遊技者にタイマー表示920の表示値に注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
また、図42(b)、(c)に示すように、タイマー変化演出実行中に示唆表示910におけるボール画像911の色を変化させることで大当り期待度が向上するので、示唆表示910におけるボール画像911の表示態様に遊技者を注目させることができる。
図43は、タイマー変化演出の実行期間を説明するためのタイミングチャートである。タイミングチャートの横軸は、時間(t)を示し、低レベルは変動停止、高レベルは変動中を示している。本実施例では、図6に示すノーマルリーチとスーパーリーチとの変動パターンのうち、スーパーリーチの変動パターンにおいてタイマー変化演出が実行される。スーパーリーチの変動パターンには、第1〜第4スーパーリーチの変動パターンが設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560からスーパーリーチの変動パターンを指定する変動パターンコマンドが送信されると、演出制御用CPU101は、送信されたコマンドに基づいて指定されたスーパーリーチの演出を実行する。図6の第1〜第4スーパーリーチでは、各変動パターンについて、複数種類のスペシャルリーチ(以下、単にSPリーチとも称する)の中からいずれかのSPリーチが実行される。
図43に示すように、SPリーチでは、変動表示中の演出図柄のうちいずれかの図柄でリーチとなる。その後、リーチ状態となってから所定時間経過後(ノーマルリーチ後やノーマルリーチと異なるリーチ演出後)にSPリーチへと発展する。スーパーリーチにおいて実行されるSPリーチは、SPリーチまで発展せずリーチ後に派手な演出をしないノーマルリーチに比べ、大当り表示結果となる期待度の高いリーチである。SPリーチ中は、たとえば、液晶画面上でバトル演出等の演出が実行される。バトル演出とは、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦い、味方のキャラクタが勝利すると大当り表示結果が表示され、味方のキャラクタが敗北するとはずれ表示結果が表示されるような演出である。
タイマー変化演出は、このようなSPリーチが実行されるまでの期間において実行される。このようにすれば、SPリーチ前のタイマー変化演出について遊技者を注目させることができる。また、大当り期待度の高いSPリーチ演出についても、SPリーチによる演出を阻害することなく、遊技者に注目させることができる。
図44は、タイマー変化演出実行決定テーブルを示す図である。タイマー変化演出実行決定テーブルは、タイマー変化演出を実行するか否かを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。タイマー変化演出実行決定テーブルには、図44(A)の大当り時タイマー変化演出実行決定テーブルと、図44(B)のはずれ時タイマー変化演出実行決定テーブルとが含まれている。これらのタイマー変化演出実行決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図44(A)の大当り時タイマー変化演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、選択割合が「タイマー変化演出を実行する>タイマー変化演出を実行しない」という大小関係となるように、タイマー変化演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図44(B)のはずれ時タイマー変化演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、選択割合が「タイマー変化演出を実行する<タイマー変化演出を実行しない」という大小関係となるように、タイマー変化演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図44(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、タイマー変化演出が実行される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出が実行される場合には、タイマー変化演出が実行されない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図45は、タイマー変化演出実行時間決定テーブルを示す図である。タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、各変動毎にタイマー変化演出の実行される時間(秒数)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。タイマー変化演出実行時間決定テーブルには、図45(A)の大当り時タイマー変化演出実行時間決定テーブルと、図45(B)のはずれ時タイマー変化演出実行時間決定テーブルとが含まれている。これらのタイマー変化演出実行時間決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図45(A)の大当り時タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー変化演出実行時間の選択割合が「10秒<15秒<20秒」という大小関係となるように、長いタイマー変化演出実行時間(長い秒数)が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図45(B)のはずれ時タイマー変化演出実行時間決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー変化演出実行時間の選択割合が「10秒>15秒>20秒」という大小関係となるように、短いタイマー変化演出実行時間(短い秒数)が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図45(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、長いタイマー変化演出の実行時間に決定される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出の実行時間が長い場合には、タイマー変化演出の実行時間が短い場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。このようにすれば、遊技者にいずれのタイマー表示920の表示態様が表示されたかに注目させることができる。
また、図45に示すように、タイマー変化演出の実行時間は複数設けられている。よって、タイマー表示920として最初に表示される表示態様が複数あるので、タイマー表示920による演出が多様となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図46は、タイマー変化演出のための変化回数決定テーブルを示す図である。変化回数決定テーブルでは、タイマー変化演出において、ボール画像911の色の変化の回数が決定される。変化回数決定テーブルには、図46(A)の大当り時変化回数決定テーブルと、図46(B)のはずれ時変化回数決定テーブルとが含まれる。これらの変化回数決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。ボール画像911の色の変化回数によって大当りとなる期待度が異なる。
変化回数決定テーブルにおけるタイマー変化演出実行時間(秒)は、タイマー変化演出の実行時間を示している。本実施例では、10秒,15秒,20秒ごとに変化回数が2パターンずつ設定されている。タイマー変化演出の実行時間が10秒の場合には、変化回数として0回または1回のいずれかに決定される。変化回数が0回とは、タイマー変化演出においてボール画像911の色が青色から変化しないことを示している。また、タイマー変化演出の実行時間が15秒の場合には、変化回数として1回または2回のいずれかに決定される。また、タイマー変化演出の実行時間が20秒の場合には、変化回数として2回または3回のいずれかに決定される。
図46(A)の大当り時変化回数決定テーブルは、タイマー変化演出実行時間が10秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「0回<1回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「1回<2回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「2回<3回」という大小関係となるように、多い変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
また、図46(B)のはずれ時変化回数決定テーブルは、タイマー変化演出実行時間が10秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「0回>1回」という大小関係となるように、少ない変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、選択割合が「1回>2回」という大小関係となるように、少ない変化回数が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、常に2回が決定されるようにデータが設定されている。このように、はずれ時には、変化パターンとしてボール画像911が3回変化する場合がないので、3回変化することで大当りとなることが確定する。
図46(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、どのタイマー変化演出実行時間についても多い方の変化回数に決定される割合が高くなる。よって、タイマー変化演出においてボール画像911の変化回数が多い場合には、変化回数が少ない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図47は、タイマー変化演出のための変化パターン決定テーブルを示す図である。変化パターン決定テーブルでは、タイマー変化演出におけるボール画像911の色の変化パターンが決定される。変化パターン決定テーブルには、図47(A)の大当り時変化パターン決定テーブルと、図47(B)のはずれ時変化パターン決定テーブルとが含まれる。これらの変化パターン決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。ここで、図47に示すテーブルでは、色が変化する程大当り期待度が高くなっている。大当り期待度は、青色<黄色<緑色<赤色<虹色の順に高くなる。なお、虹色は、大当りとなる場合にしか決定されない色である。
図47(A)の大当り時変化パターン決定テーブルは、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄の変化パターン』<『青→緑の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に緑色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑の変化パターン』<『青→緑→赤の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に赤色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が3回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑→赤の変化パターン』<『青→緑→赤→虹の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に虹色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図47(B)のはずれ時変化パターン決定テーブルは、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄の変化パターン』>『青→緑の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に黄色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、選択割合が「『青→黄→緑の変化パターン』>『青→緑→赤の変化パターン』」という大小関係となるように最終的に緑色に変化する変化パターンが選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、はずれの場合には3回変化する変化パターンには設けられていない。
図47(A),(B)でのデータの設定により、タイマー変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、最終的に変化するボール画像911の色が大当り期待度の高い色となる割合が高くなる。よって、最終的に変化したボール画像911の色の種類により、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図48は、変化タイミング決定テーブルを示す図である。変化タイミング決定テーブルでは、変化回数に応じたボール画像911の変化タイミングが決定される。図48変化タイミング決定テーブルでは、タイマー変化演出実行時間が10秒でかつ、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、「7:00」と「2:00」とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が15秒でかつ、変化回数が1回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、「10:00」と「5:00」とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
また、タイマー変化演出実行時間が15秒でかつ、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「10:00」、2回目が「5:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、タイマー変化演出実行時間が20秒でかつ、変化回数が2回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「15:00」、2回目が「10:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
また、タイマー変化演出実行時間が20秒でかつ、変化回数が3回の場合には、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、変化タイミング(変化時のタイマー表示値)として、1回目が「15:00」、2回目が「10:00」、3回目が「5:00」のタイミングと1回目が「13:00」、2回目が「7:00」、3回目が「2:00」のタイミングとが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
図48でのデータの設定により、タイマー変化演出実時間と変化回数とが決定されている場合に、複数の変化タイミングの中からいずれかの変化タイミングに決定することができる。また、このように変化タイミングが複数設けられているので、いずれのタイミングで示唆表示910としてのボール画像911が変化するかについて遊技者に注目させることができる。
図49は、タイマー変化演出のための演出図柄変動開始処理における演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。図49においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の演出の設定に関する処理のうち、タイマー変化演出の設定に関係する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なうことによって、タイマー変化演出で実行される各種演出を決定する。
まず、今回実行される変動表示の変動パターンがスーパーリーチを指定する変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S931)。受信した変動パターンコマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域にスーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。スーパーリーチの変動パターンでなければS938の処理へ移行する。スーパーリーチの変動パターンであれば、SR2の値を抽出し、抽出した乱数値と図44に示すタイマー変化演出実行決定テーブルとを用いて、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)により、タイマー変化演出の実行の有無を決定する(S932)。今回の変動表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される変動表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の変動表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
S933においては、S932の決定結果に基づいて、タイマー変化演出が実行ありと決定されたか否かを判定する(S933)。タイマー変化演出を実行する決定がされていなければ、S938の処理へ移行する。タイマー変化演出を実行すると決定されていれば、S934において、SR3の値を抽出し、抽出した乱数値と図45に示すタイマー変化演出実行時間決定テーブルとにより、タイマー変化演出実行時間(タイマー変化演出を実行する秒数)を決定する。次いで、S935において、SR4の値を抽出し、抽出した乱数値と図46に示す変化回数決定テーブルとにより、タイマー変化演出中においてボール画像911の色を変化させる回数(変化回数)を決定する。
次いで、S936の処理へ移行し、SR5を抽出し、抽出した乱数値と図47に示す変化パターン決定テーブルとにより、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)により、ボール画像911の色の変化パターンを決定する(S936)。次いで、S937においてSR6の値を抽出し、抽出した乱数値と図48に示す変化タイミング決定テーブルとにより、タイマー変化演出においてボール画像911の色が変化するときの変化タイミングを決定する(S937)。ボール画像911の色は、タイマー表示920が特定の表示値となったときに変化するので、変化タイミングは、変化時のタイマー表示値を決定することにもなる。
次いで、S938では、タイマー変化演出以外に今回の変動表示中に実行されるその他の演出を決定し、決定した演出を実行するように設定する。演出設定処理においては、決定した演出を実行するためのデータがRAM103に記憶される。演出設定処理において設定された演出は、演出制御パターンとして選択され、その演出制御パターンに基づいて、S802の演出図柄変動中処理において、演出図柄の変動表示中に実行される。
保留変化演出が実行された保留表示Hに対してタイマー変化演出を実行してもよい。たとえば、保留変化演出において保留表示Hの色を通常態様の青色から黄色に変化させる。そして、変化した保留表示Hがアクティブ表示エリアAHAにアクティブ表示AHとして表示されたときにタイマー変化演出により、アクティブ表示AHの色をさらに変化させるようにしてもよい。
このような場合には、始動入賞が発生した際に大当りか否かにより予め定められた色の最終色を最初に決定しておき、保留変化演出では、保留表示Hの色をその途中まで変化させ、タイマー変化演出では、アクティブ表示AHの色を最終色まで変化するように制御すればよい。また、先読み演出で実行される演出は、タイマー表示920を用いた演出とは全く関連のない演出でもよく、タイマー表示920を用いた演出が実行されることを示唆する演出であってもよい。たとえば、タイマー表示920を用いた演出とは全く関連のない演出としては、所定のキャラクタを登場させ、そのキャラクタが保留変化の実行される保留表示Hを叩くなどの所定の作用を実行することにより、保留表示Hの色が変化するような演出が考えられる。また、タイマー表示920を用いた演出が実行されることを示唆する演出としては、保留表示Hの表示態様を「タイマー準備中」と記載された準備保留に変化させ、変化させた保留に対する変動表示が実行されるときに、タイマー変化演出を実行し、タイマー表示920が表示されるようにしてもよい。このようにすれば、保留表示Hの段階からタイマー変化演出が実行されることに遊技者に注目させることができる。なお、準備保留は、変動開始時に必ず実行されるものではなく、実行されない場合があるようにしてもよい。また、準備保留では、タイマー表示920を表示してもよいし(タイマー表示をするがカウントダウンはしないなど)、表示しないようにしてもよい。
アクティブ表示AHを変化させる演出としてタイマー変化演出とは別のアクティブ変化演出が実行されるようにしてもよい。アクティブ変化演出としては、たとえば、キャラクタがアクティブ表示AHに対してビームを発射する作用をする作用演出により、アクティブ表示AHの表示態様(たとえば、色)が変化するようにしてもよい。このようなアクティブ変化演出をSPリーチの前とSPリーチ中とのいずれかのタイミングにおいて実行してもよい。このような場合には、SPリーチ前のアクティブ変化演出とSPリーチ中のアクティブ変化演出とで演出期間が異なるようにしてもよい。たとえば、SPリーチ前はアクティブ変化演出の演出期間が長く、SPリーチ中は、アクティブ変化演出の演出期間が短くなるようにすればよい。このようにすれば、SPリーチ演出中には、アクティブ変化演出が短い時間で実行されるので、SPリーチ演出の実行をアクティブ変化演出により阻害することがない。よって、SPリーチ演出の演出効果を損なうことが防止され、遊技の興趣を向上させることができる。なお、SPリーチ中のアクティブ変化演出は、その変動表示についての最終の当否煽りの演出(たとえば、その後に大当りか否かが分かるリーチ終盤のカットイン演出等)までの時間に実行されることが望ましい。
また、SPリーチ中のアクティブ変化演出については、演出期間を短くするのではなく、アクティブ変化演出の表示を縮小する、SPリーチ前に比べてアクティブ変化演出の演出自体を地味にするようにしてもよい。たとえば、SPリーチ前には、演出表示装置9の画面上で派手な演出を実行したり、役物を動作させたりするが、SPリーチ中は、SPリーチ前よりも簡素な演出を実行すればよい。
また、アクティブ変化演出とタイマー変化演出とを実行可能としてもよい。このような場合には、タイマー変化演出が実行される場合には、アクティブ変化演出の実行を禁止するようにしてもよい。また、逆にアクティブ変化演出が実行される場合には、タイマー変化演出の実行を禁止するようにしてもよい。このようにすれば、演出が煩雑になってしまい、遊技者がいずれの演出に注目すればよいのかが定まらないようになることを防止することができる。なお、アクティブ変化演出とタイマー変化演出とが重複しないタイミングであれば、2つの演出を一の変動表示中に実行してもよい。
SPリーチ演出中にタイマー変化演出を実行してもよい。このような場合には、SPリーチの開始前とSPリーチ中とでタイマー変化演出の実行時間を異ならせるようにしてもよい。たとえば、SPリーチ中のタイマー変化演出の実行期間がSPリーチ前の実行期間よりも短くなるようにすればよい。このようにすれば、SPリーチ演出中には、タイマー変化演出が短い時間で実行されるので、SPリーチ演出の実行をタイマー変化演出により阻害することがない。よって、SPリーチ演出の演出効果を損なうことが防止され、遊技の興趣を向上させることができる。
リーチとなる前にタイマー変化演出を実行し、リーチ後にはタイマー変化演出を実行しないようにしてもよい。このようにすれば、リーチ後の演出に遊技者を集中させることができる。
タイマー変化演出が複数回実行されるようにしてもよい。たとえば、1回目のタイマー変化演出の実行時にアクティブ表示AHの色を変化させ、一旦示唆表示910やタイマー表示920を消去してもよい。そして、その後再びタイマー変化演出が実行され、当該タイマー変化演出により、アクティブ表示AHの色が変化するようにしてもよい。
図46に示すように、タイマー変化演出は実行時間が長い程、多い変化回数に決定される割合が高くなっていた。そして、タイマー変化演出の実行時間が短い場合には、変化しない場合(変化回数0回)もあった。しかしながら、タイマー変化演出が実行された場合には必ずアクティブ表示AHが変化するようにしてもよい。また、タイマー変化演出の実行時間として長い時間に決定されていても、変化回数が少ない場合や変化しない場合が設けられていてもよい。
図47に示すように、変化回数が1回の場合には、大当り期待度の高い赤色に変化するパターンが設けられていなかった。しかし、変化回数が少ない場合に大当り期待度の高いパターンを設けてもよい。また図47(B)に示すように、はずれの場合には、3回変化するパターンが設けられていなかったが、表示結果がはずれとなる場合にも3回変化するパターンを設けてもよい。
大当りの場合とはずれの場合とで、図48のような変化タイミング決定テーブルが異なるようにしてもよい。たとえば、変動表示の表示結果が大当り表示結果になる場合とはずれ表示結果になる場合とで、変化タイミングが異なるようにしてもよい。また、大当り表示結果となる場合にしか決定されない変化タイミング(たとえば、残り「7:77」で変化するなど)を設けてもよい。
図6に示す第1〜第4のいずれのスーパーリーチでもタイマー変化演出が実行される場合を示した。しかし、タイマー変化演出は、特定のスーパーリーチのみ実行されるようにしてもよい。たとえば、タイマー変化演出は、大当り期待度の高い第4スーパーリーチのみ実行されるようにしてもよい。
時間とともにデジタル表示がカウントダウンされるタイマー表示920について説明した。しかし、タイマー表示920は、時間とともに数字がカウントアップし、所定時間になった場合に演出が実行されるようにしてもよい。また、時間経過を示す期間表示として数字で表示するものではなく、時間経過を示す砂時計画像を表示するもの(砂時計の砂の残り具合で時間を示すもの)、または、時間経過を示すゲージ画像を用いて表示するもの(ゲージの増加または減少により時間を示すもの)等、所定期間の終了タイミングを示唆可能な情報を時間の経過とともに変化させる演出であればどのような演出が用いられてもよい。
タイマー変化演出が実行される場合に、タイマー表示920の開始時の秒数が異なる場合を示した。しかし、タイマー表示920の表示態様が異なることについて、表示される秒数が異なるのではなく、タイマー表示920の大きさが異なること、タイマー表示920の色が異なること、タイマー表示920の形(枠の形など)が異なることのいずれか、または、その組合せであってもよい。
図42(e),(f)に示すように、示唆表示910としてのボール画像911が直接アクティブ表示AHに当たりアクティブ表示AHが変化する場合を示した。しかし、キャラクタから投げられたボール画像911が一旦演出表示装置9の画面上で拡大されて表示された後に、アクティブ表示AHに当たる(作用する)ような演出が実行されてもよい。また、キャラクタから投げられたボール画像911がアクティブ表示AHに当たるときに、さらに、アクティブ表示の表示態様が変化するようにしてもよい。たとえば、黄色のボール画像911がアクティブ表示AHに当たることで、アクティブ表示AHの表示態様が赤色にさらに変化してもよい。
図45に示すようにタイマー変化演出の実行時間が長い程、大当り期待度が高くなるようにデータが設定されていた。しかし、タイマー変化演出の実行期間は、大当り期待度に関わらず一定にしてもよい(たとえば、常に10秒)。このような場合には、大当り期待度に応じてタイマー表示920の枠の色を変化させるなど、数字以外の部分で大当り期待度が異なるようにしてもよい。
図42の示唆表示910として示すキャラクタを複数種類設けてもよい。そして、キャラクタの違いにより、タイマー変化演出によりボール画像の変化する回数、タイマー表示920の秒数が異なるようにしてもよい。
タイマー変化演出中に表示されるタイマー表示920に関して次のような制御を実行してもよい。たとえば、タイマー変化演出の実行中にタイマー表示920のカウントダウンを数秒間停止する演出(以下、フリーズ演出と称する)を実行してもよい。フリーズ演出後は、タイマー表示920が再びカウントダウンするようにすればよい。また、フリーズ演出を経由する場合とフリーズ演出を経由しない場合とで、大当り期待度が異なるようにしてもよい。
タイマー変化演出中に表示されるタイマー表示920に関して次のような制御を実行してもよい。たとえば、タイマー変化演出で実行されるタイマー表示920が0秒を示す値となったときに、タイマー表示920の値が増加する特別パターンを設けてもよい。また、このような特別パターンは複数回実行されるようにしてもよい。また、特別パターンが実行される毎に、タイマー変化演出により、ボール画像911の色が変化するようにしてもよい。
変動表示中に実行されている他の演出の種類により、タイマー変化演出が実行される位置を変更するようにしてもよい。たとえば、第1の演出が実行されている場合には、演出表示装置9の右上の位置でタイマー変化演出を実行し、第2の演出が実行されている場合には演出表示装置9の左下の位置でタイマー変化演出を実行してもよい。また、演出の種類によりタイマー変化演出が実行される位置を変えるのではなく、タイマー変化演出として表示される示唆表示910の大きさを変えるようにしてもよい。
タイマー変化演出におけるタイマー表示920の表示態様を0秒となるまでに変化させてもよい。たとえば、10秒からカウントダウンが開始され、変化タイミングの7秒でタイマー表示920の数字や枠の色を変化させてもよい。また、このときの色は、ボール画像911の変化の色に対応させてもよい。
図42に示すうようにタイマー変化演出としてキャラクタがお手玉をして1つのボール画像911を変化させる演出を示した。このような、ボール画像911は1つではなく複数個表示されるようにしてもよい。また、複数のボール画像911のうち、少なくとも1個以上のボール画像911がタイマー変化演出の実行中に変化するようにしてもよい。たとえば、ボール画像911を2個用いてキャラクタがお手玉をする場合、タイマー変化演出中に一方のボール画像911を青色から緑色に変化させ、他方のボール画像911は青色から赤色に変化させるようにしてもよい。そして、タイマー表示920が0秒となったときに、キャラクタがこれらのボール画像911のうちのいずれかをアクティブ表示AHに向けて投げるようにしてもよい。このようにすれば、最終的にアクティブ表示AHの表示態様がどのような表示態様になるかが分からないので、遊技者をタイマー変化演出に注目させることができる。また、大当り期待度が高い場合には、タイマー変化演出において表示されるボール画像911の数が多くなるようにしてもよい。また、1個目のボール画像911によりアクティブ表示AHの表示態様が変化した後に、2個目のボール画像911をキャラクタが再度アクティブ表示AHに向けて投げることにより、より期待度の高い表示態様へとアクティブ表示AHが変化するようにしてもよい。
遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本実施例に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、タイマー変化演出が実行されるようにすればよい。スロットマシンでタイマー変化演出を実行する場合には、所定の抽選対象役に当選したときに保留表示を表示すればよい。そして、次のゲームにおいて保留表示をアクティブ表示領域に移動させ、当該ゲームにおいて、遊技者にとって有利となる有利状態(たとえば、遊技者にとって有利な操作手順を報知するAT)に当選したときに、タイマー変化演出を実行すればよい。また、このような場合のタイマー変化演出では、遊技の進行を遅延させる遅延制御とともに実行するようにしてもよい。遅延制御中に所定期間タイマー表示を表示し、タイマー表示が0秒となったことに基づいて、アクティブ表示の表示態様を変更するようにしてもよい。
以上、変形例2では、アクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様が変化するタイミングをタイマーにて示唆するアクティブ保留変化演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該アクティブ保留変化演出中においても減速制御を実行してもよい。尚、変形例2に示すアクティブ保留変化演出中に減速制御を実行する場合は、タイマーの更新速度を減速制御の実行中と非実行中とで変化させる、つまり、減速制御の実行中のタイマーの更新速度を減速制御の非実行中よりも遅くしてもよい。更に、タイマーの更新速度は、減速制御の実行中と非実行中とで一定とする、つまり、減速制御が実行中であるか否かにかかわらずタイマーを同一速度で更新してもよい。尚、減速制御が実行中であるか否かにかかわらずタイマーを同一速度で更新する場合は、減速期間の長さを考慮してタイマーの初期値を表示し、演出の進行に応じて該タイマーの値を更新していけばよい。
また、変形例2では、アクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様が変化するタイミングをタイマーに表示する残り時間にて示唆する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様が変化するタイミングは、例えば、爆弾の導火線や砂時計における残りの砂の量等、残り時間以外の態様にて示唆してもよい。
図24に示したアクティブ保留変化演出は、演出開始位置を予め定めた位置A〜Cの中から遊技者が選択可能なものとした。しかし、操作手段の操作によって、遊技者が自由にその位置を選択可能な構成としてもよい。
図24に示したアクティブ保留変化演出は、アクティブ表示の変化に関わる演出である。しかしながら、このような演出を保留表示の変化に関わる保留変化演出に流用してもよい。具体的には、図24を参照して、キャラクタ930はアクティブ表示AHに向けてボールを投げるのではなく、いずれかの保留表示Hに向けてボールを投げる演出とする。いずれの保留表示Hを対象とし、どのタイミングで演出を開始するかは任意であるが、たとえば、保留変化演出の制御に用いる演出実行タイミング決定テーブル(図21)を用いて、それらを決定してもよい。ただし、保留表示Hの場所に応じて、位置A〜Cとの距離が異なってしまう。いずれの保留表示Hが対象とされた場合であっても保留表示と位置A〜Cとの距離関係を共通にするためには、対象とされた保留表示Hの位置に応じて、位置A〜Cの位置をずらすようにしてもよい。
図24に示したアクティブ保留変化演出は、成功パターンとなったときにはアクティブ表示の色が“最終色”に成り上がるか、若しくは大当り期待度が成り上がりの色の中で最も低い1段階目の色(青)に成り上がるかのいずれかである。しかし、そのような1段階目の色に代えて、2段階目の色(緑)に成り上がるようにしてもよく、1段階目または2段階目のいずれかの色に成り上がるようにしてもよい。ただし、“最終色”が元々、1段階目の色に決定されているときには、2段階目の色に成り上がらないように規制する必要がある。
図42に示したタイマー変化演出は、アクティブ保留変化演出の変形例2である。しかしながら、このような演出を保留表示の変化に関わる保留変化演出に流用してもよい。具体的には、保留表示Hに対して、図42のタイマー表示920を用いたタイマー変化演出が実行されるようにしてもよい。つまり、先読み演出としてタイマー変化演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、タイマー変化演出が実行されるまでに実行される変動表示がタイマー変化演出を実行することのできる変動時間であるか否かを判定し、タイマー変化演出を実行できる変動時間であれば、タイマー変化演出を実行すればよい。そして、タイマー変化演出により、アクティブ表示AHではなく、保留表示Hが変化するようにしてもよい。
本実施例においては、保留表示あるいはアクティブ表示に向かって投げられたボールは、必ず対象の保留表示あるいはアクティブ表示にぶつかる演出とした。しかし、投げ放たれたボールが対象の保留表示あるいはアクティブ表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。たとえば、途中で横風に煽られて、ボールが上手く対象の保留表示あるいはアクティブ表示にあたらずに通過していくような失敗パターンに代えること、あるいは、そのような失敗パターンをさらに追加することが考えられる。
パチンコ遊技機1は、特定演出として、これまでに説明した保留変化演出およびアクティブ保留変化演出のうちの一方のみを採用したものとしてもよいし、双方を採用したものとしてもよい。また、保留変化演出の内容としては、これまでに説明した変形例を含むすべての演出のうちの少なくとも1つ(あるいはすべて)を採用したものとすることが考えられる。同様に、アクティブ保留変化演出の内容としては、これまでに説明した変形例を含むすべての演出のうちの少なくとも1つ(あるいはすべて)を採用したものとすることが考えられる。
本実施例では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
本実施例では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびLEDドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(LED、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
本実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やLEDドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とLEDドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/LED基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、LEDドライバ基板35、音/LED基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やLED制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本実施例における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、LEDドライバ基板35または音/LED基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、本実施例で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、LEDドライバ基板35、または、音/LED基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
本実施例では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
本実施例は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。本実施例を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本実施例として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
本実施例では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
本実施例では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
本実施例では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
図32は、演出制御メイン処理における下皿エラー検出処理を示すフローチャートである。下皿エラー検出処理において、演出制御用CPU101は、先ず、下皿エラー報知フラグがセットされているか否かを判定する(S1041)。下皿エラー報知フラグがセットされていない場合(S1041;N)は、下皿エラーの検出が有るか否か、つまり、下皿センサ130によって下皿4に遊技球が所定球数貯留されたことが検出されたか否かを判定する(S1042)。下皿エラーの検出が有る場合(S1042;Y)は、下皿エラー報知フラグをセットするとともに(S1043)、枠LED28の点灯を開始して下皿エラー検出処理を終了する(S1004)。尚、下皿エラーの検出が無い場合(S1042;N)は、S1043及びS1044の処理を実行せずに下皿エラー検出処理を終了する。
一方、S1041において下皿エラー検出フラグがセットされている場合(S1041;Y)、演出制御用CPU101は、下皿エラーの検出が有るか否かを判定する(S1045)。下皿エラーの検出が無い場合(S1045;N)、つまり、下皿4内から遊技球が取り除かれた場合は、下皿エラー報知フラグをクリアするとともに(S1046)、枠LED28を消灯して下皿エラー検出処理を終了する(S1047)。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、図32に示すように、演出制御用CPU101は下皿エラーを検出可能となっており、該下皿エラーが検出された場合は、枠LED28の点灯により該下皿エラーの発生を報知可能となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU101は、下皿エラー以外のエラーを検出可能となっていてもよい。尚、このように、演出制御用CPU101が下皿エラーを含む複数のエラーを検出可能とする場合は、検出されたエラーに応じて枠LED28の点灯態様を異ならせるようにしてもよいし、パチンコ遊技機1に複数のLEDを設け、検出されたエラーに応じて点灯させるLEDを異ならせるようにしてもよい。更に、演出制御用CPU101は、エラーを検出したことに基づいて、スピーカ27からの音出力や演出表示装置9における画像の表示によってエラーが検出された旨を報知してもよい。
以上のように、本実施例では、CPU56が特別図柄変動中処理(S303)を実行することに応じて、演出制御用CPU101によって演出図柄変動中処理(S802)が実行され、演出表示装置9における画像の表示制御やスピーカ27からの音声制御、枠LED28の発光制御等が実行される。
ここで、図30に示すように、CPU56は、特別図柄変動処理を実行することで、特別図柄の変動表示として、周期T1にて第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの点灯と消灯とを繰り返し実行する。尚、この周期T1での第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの点灯と消灯と繰り返しは、変動パターン毎に設定されている特別図柄の変動時間が経過するまで継続される。
一方で、演出制御用CPU101は、演出図柄変動中処理を実行することで、変動表示中且つ減速制御の非実行中は、周期T1よりも長い周期である周期T2にて枠LED28の点灯と消灯とを繰り返し実行し、変動表示中且つ減速制御の実行中は、周期T2よりも更に長い周期である周期T3にて枠LED28の点灯と消灯とを繰り返し実行する。
つまり、本実施例における第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bは、変動表示中に減速制御が実行されているか否かにかかわらず、変動表示が終了するまで周期T1にて点灯と消灯とを繰り返し実行し、枠LED28は、変動表示中における減速制御の実行中と非実行中とで変化するようになっている。このため、特別図柄の変動表示態様が減速制御の実行期間中に変化し、該減速制御中に特別図柄の変動表示が遊技者に認識されなくなってしまうことを防ぐことができる。
更に、本実施例における枠LED28は、下皿エラーが発生すると、減速制御が実行されているか否かにかかわらず、下皿エラーが検出されなくなるまで継続して点灯される。このため、遊技者は、減速制御が実行されているか否かにかかわらず枠LED28の点灯によって下皿エラーが発生していることを認識することができる。
図33及び図34は、演出制御メイン処理における遊技者設定処理(S709)を示すフローチャートである。遊技者設定処理において演出制御用CPU101は、先ず、後述する音量メータの表示中であるか否かを判定する(S1051)。音量メータの表示中である場合(S1051;Y)はS1085に進み、音量メータの表示中でない場合(S1051;N)は、後述する光量メータの表示中であるか否かを判定する(S1052)。光量メータの表示中である場合(S1052;Y)はS1088に進み、光量メータの表示中でない場合(S1052;N)は、後述するサンプル音の出力中であるか否かを判定する(S1053)。サンプル音の出力中である場合(S1053;Y)はS1065に進み、サンプル音の出力中でない場合(S1053;N)は、後述するサンプル光の出力中であるか否かを判定する(S1054)。サンプル光の出力中である場合(S1054;Y)はS1072に進み、サンプル光の出力中でない場合(S1054;N)は、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値であるか否か、つまり、変動表示が実行されておらず且つ大当り遊技中でもないか否かを判定する(S1055)。
演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値でない場合(S1055;N)はS1081に進み、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値である場合(S1055;Y)は、演出表示装置9において音量・光量調整画面を表示中であるか否かを判定する(S1056)。尚、詳細は後述するが、音量・光量調整画面は、変動表示が実行されておらず且つ大当り遊技中出ない場合に、演出制御用CPU101がトリガボタン125やプッシュボタン120の操作を受け付けたことに基づいて演出表示装置9に表示させることが可能な画面である。
音量・光量調整画面の表示中である場合(S1056;Y)はS1059に進み、音量・光量調整画面の表示中でない場合(S1056;N)は、音量・光量調整画面の呼び出し操作、つまり、トリガボタン125やプッシュボタン120の操作を受け付けたか否かを判定する(S1057)。音量・光量調整画面の呼び出し操作を受け付けた場合(S1057;Y)は、演出表示装置9における音量光量調整画面の表示を開始して遊技者設定処理を終了し(S1058)、音量・光量調整画面の呼び出し操作を受け付けていない場合(S1057;N)は、S1058を実行せずに遊技者設定処理を終了する。
尚、図35に示すように、本実施例における音量・光量調整画面は、スピーカ27から出力される音量を2〜14の設定値の範囲で操作桿によって選択可能なダイアログ5HHと、枠LED28から出力される光量(輝度)を45%、60%、75%、100%から操作桿によって選択可能なダイアログ5HLと、が表示さる。
また、S1059において演出制御用CPU101は、音量・光量調整画面の表示中において操作桿の操作による音量の変更操作を受け付けたか否かを判定する。音量の変更操作を受け付けていない場合(S1059;N)はS1066に進み、音量の変更操作を受け付けた場合(S1059;Y)は、受け付けた音量の変更操作に応じて音量・光量調整画面の表示を更新する(S1060)。また、演出制御用CPU101は、操作桿の操作(傾動操作)により変更先の音量が選択された後にプッシュボタン120の操作が行われたか否かを判定することで、音量の設定操作を受け付ける音量変更操作処理を実行し(S1061)、該音量変更操作処理において決定操作が受け付けられたか否かを判定する(S1062)。
音量変更操作処理において決定操作が受け付けられていない場合(S1062;N)は遊技者設定処理を終了し、音量変更操作処理において決定操作が受け付けられている場合(S1062;Y)は、音量をS1061の処理で設定した選択数値(設定値)に特定し(S1063)、該特定した選択数値(設定値)を音量として更新する(S1064)。そして、スピーカ27からS1064の処理において更新した音量にてサンプル音を出力するためのサンプル音出力処理を実行して遊技者設定処理を終了する(S1065)。
また、S1066において演出制御用CPU101は、音量・光量調整画面の表示中において操作桿の操作による光量の変更操作を受け付けたか否かを判定する。光量の変更操作を受け付けていない場合(S1066;N)は遊技者設定処理を終了し、光量の変更操作を受け付けた場合(S1066;Y)は、受け付けた光量の変更操作に応じて音量・光量調整画面の表示を更新する(S1067)。また、演出制御用CPU101は、操作桿の操作(傾動操作)により変更先の光量が選択された後にプッシュボタン120の操作が行われたか否かを判定することで、光量の設定操作を受け付ける光量変更操作処理を実行し(S1068)、該光量変更操作処理において決定操作が受け付けられたか否かを判定する(S1069)。
光量変更操作処理において決定操作が受け付けられていない場合(S1069;N)は遊技者設定処理を終了し、光量変更操作処理において決定操作が受け付けられている場合(S1069;Y)は、光量をS1068の処理で設定した選択数値(設定値)に特定し(S1070)、該特定した選択数値(設定値)を光量として更新する(S1071)。そして、枠LED28からS1071の処理において更新した光量にてサンプル光を出力するためのサンプル光出力処理を実行して遊技者設定処理を終了する(S1072)。
また、S1081において演出制御用CPU101は、変動表示中または大当り遊技中において、音量・光量変更ボタン50の操作を受け付けたか否かを判定する。音量・光量変更ボタンの操作を受け付けていない場合(S1081;N)は遊技者設定処理を終了し、音量・光量変更ボタン50の操作を受け付けた場合(S1081;Y)は、該受け付けた操作が音量の変更操作であるか否か、つまり、音量・光量変更ボタン50の上端部または下端部が操作されたか否かを判定する(S1082)。つまり、本実施例では、変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更するために遊技者等が操作する操作手段と、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更するために遊技者等が操作する操作手段とが異なっているため、操作演出の実行期間中等に遊技者が操作桿やプッシュボタン120、トリガボタン125等を操作することにより演出表示装置9に音量・光量調整画面が表示される等の誤った制御が実行されることが防止されている。
受け付けた操作が音量の変更操作である場合(S1082;Y)は、音量を受け付けた音量の変更操作に基づく選択数値(設定値)に特定し(S1083)、該特定した選択数値(設定値)を音量として更新する(S1084)。そして、演出表示装置9における所定位置(例えば、図36(A)に示すように、演出表示装置9における右上部)にS1084の処理において更新した音量に応じた音量メータを表示するための音量メータ表示処理を実行する(S1085)。S1085を実行した後は、サンプル音出力処理を実行して遊技者設定処理を終了する。
尚、特に図示しないが、演出表示装置9に音量メータが表示されていない状態で音量メータ表示処理を実行する場合(つまり、S1084の次に音量メータ表示処理を実行する場合)は、更新した音量に応じた音量メータの表示を演出表示装置9において開始するとともに、音量メータを演出表示装置9に表示する期間を示す音量メータ表示期間カウンタをセットする。また、S1051の処理の次に音量メータ表示処理を実行する場合、つまり、音量メータの表示中である場合は、該音量メータ表示処理を実行する毎に音量メータ表示期間カウンタの値を減算していき、該音量メータ表示期間カウンタの値が0となったこと(音量メータ表示期間カウンタがタイマアウトしたこと)に基づいて演出表示装置9における音量メータの表示を終了すればよい。
また、特に図示しないが、サンプル音の出力が開始されていない状態でサンプル音出力処理(S1065)を実行する場合は、スピーカ27からサンプル音を出力するための音声制御実行データが各サンプル音出力用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されているサンプル音出力用プロセステーブルを選択するとともに、該選択したサンプル音出力用プロセステーブルのサンプル音出力用プロセスデータ1におけるサンプル音出力用プロセスタイマをスタートさせることでスピーカ27から更新した音量にてサンプル音の出力を開始する。また、サンプル音の出力中にサンプル音出力処理を実行する場合は、サンプル音出力用プロセスタイマの値を減算していき、サンプル音出力用プロセスタイマの値に応じて更新した音量にてスピーカ27からサンプル音の出力を実行すればよい。
S1082において、受け付けた操作が光量の変更操作である場合(S1082;N)は、光量を受け付けた光量の変更操作に基づく選択数値(設定値)に特定し(S1086)、該特定した選択数値(設定値)を光量として更新する(S1087)。そして、演出表示装置9における所定位置(例えば、図36(B)に示すように、演出表示装置9における右上部)にS1087の処理において更新した光量に応じた光量メータを表示するための光量メータ表示処理を実行する(S1088)。S1088を実行した後は、サンプル光出力処理を実行して遊技者設定処理を終了する。
以上のように、本実施例では、S1064の処理やS1084の処理が実行された時点から、遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作によって変更された音量にてスピーカ27から音が出力され、S1071の処理やS1087の処理が実行された時点から、遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作によって変更された光量にて枠LED28から光が出力される。つまり、減速制御の実行中に音量や光量が変更された場合は、該減速制御が実行されている保留変化演出から、スピーカ27から出力される音の音量や枠LED28から出力される光の光量が変化する。
尚、特に図示しないが、演出表示装置9に光量メータが表示されていない状態で光量メータ表示処理を実行する場合(つまり、S1088の次に光量メータ表示処理を実行する場合)は、更新した光量に応じた光量メータの表示を演出表示装置9において開始するとともに、光量メータを演出表示装置9に表示する期間を示す光量メータ表示期間カウンタをセットする。また、S1052の処理の次に光量メータ表示処理を実行する場合、つまり、光量メータの表示中である場合は、該光量メータ表示処理を実行する毎に光量メータ表示期間カウンタの値を減算していき、該光量メータ表示期間カウンタの値が0となったこと(光量メータ表示期間カウンタがタイマアウトしたこと)に基づいて演出表示装置9における光量メータの表示を終了すればよい。
以上ように、本実施例では変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更する場合と、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更する場合とで演出表示装置9に表示する画像(図35に示す音量・光量調整画面と図36(A)及び図36(B)に示す音量メータ・光量メータ)が異なっている。具体的には、変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更する場合は、図35に示すように、演出表示装置9の表示領域の全領域を用いて音量・光量調整画面を表示する一方で、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更する場合は、図36(A)及び図36(B)に示すように、演出表示装置9の右上部の領域のみを用いて音量メータや光量メータを表示する。
このように、変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更する場合は、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更する場合よりも演出表示装置9における小さい表示領域において音量メータや光量メータのみを表示することによって、演出表示装置9に表示されている演出図柄や大当り遊技中の演出等の視認性の低下を抑えることができる。更に、変動表示の実行中や大当り遊技中は、演出表示装置9における演出画像の表示やスピーカ27からの音出力、枠LED28の発光等により変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときよりも演出制御用CPU101に高い処理負荷がかかっているため、音量や光量の変更により演出表示装置9に音量メータや光量メータのみを表示することにより、演出制御用CPU101にかかる更なる処理負荷を抑えることができる。
尚、図33及び図34に示すように、枠LED28は演出制御用CPU101によって制御されているため、演出制御用CPU101が遊技者設定処理を実行することによって枠LED28から出力される光の光量を変更可能となっているが、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41等は、CPU56によって制御されているため、演出制御用CPU101が遊技者設定処理を実行したとしても光量の変更は不可能となっている。
以上のように、本実施例における遊技者設定処理においては、減速制御が実行されているか否かにかかわらず、1の態様のみでサンプル音の出力やサンプル光の出力を実行する。更には、減速制御が実行されているか否かにかかわらず、1の態様のみで音量メータや光量メータの表示の更新(音量メータや光量メータの表示開始または表示終了)や、音量・光量調整画面の表示の更新を実行する。
具体的には、図37(A)〜図37(C)に示すように、演出制御用CPU101は、スピーカ27から出力される音の音量が変更されると、変動表示中において減速制御が実行されているか否か、及び変動表示中であるか否かを問わず一連のサンプル音を期間T4に亘って出力する。つまり、本実施例におけるサンプル音は、変動表示や減速制御を実行しているか否かにかかわらず、必ず一定の速度(即ち、一定の再生速度)でスピーカ27から出力されるようになっている。
また、図38(A)〜図38(C)に示すように、演出制御用CPU101は、枠LED28から出力される光の光量が変更されると、変動表示中において減速制御が実行されているか否か、及び変動表示中であるか否かを問わず一連のサンプル光を期間T5に亘って出力する。つまり、本実施例におけるサンプル光は、変動表示や減速制御を実行しているか否かにかかわらず、必ず一定の期間T5にて出力される。
更に、図39(A)〜図39(B)に示すように、演出制御用CPU101は、音量・光量変更ボタン50の操作によって音量や光量が変更されると、変動表示中において減速制御が実行されているか否かを問わず、本実施例における演出制御の起動間隔である2msにて演出表示装置9における音量メータや光量メータの表示の更新(音量メータや光量メータの表示開始または表示終了)を実行する。尚、本実施例では、図39(C)に示すように、演出制御用CPU101は、減速制御が実行されることのない変動表示の非実行時にて操作桿やプッシュボタン120が操作された場合においても、本実施例における演出制御の起動間隔である2msにて音量・光量調整画面の表示の更新(音量・光量調整画面の表示の開始や終了、操作桿の操作に応じたダイアログ5HHやダイアログ5HL内の表示の更新)を実行する。
また、本実施例では、変動表示の非実行中や大当り遊技中でないときに音量や光量を変更する場合は、遊技者等がプッシュボタン120を操作することによって演出表示装置9に音量・光量調整画面を表示させた上で操作桿の操作により音量や光量を変更先の値に選択し、更にプッシュボタン120の操作により音量や光量を変更先の値に更新するようになっているが、変動表示の実行中や大当り遊技中に音量や光量を変更する場合は、遊技者等が音量・光量変更ボタン50を操作することによって、該音量・光量変更ボタン50の操作に応じて即座に音量や光量が更新されるため、遊技者は、遊技興趣の低下を抑えつつ音量や光量を変更することができる。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、保留変化演出の実行中は、減速制御の実行中と非実行中とで該保留変化演出を異なる速度にて実行可能である一方で、スピーカ27からのサンプル音の出力や枠LEDからのサンプル光の出力、演出表示装置9における音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面の更新は、減速制御の実行中・非実行中を問わず一定の速度で実行するので、減速制御の実行中と非実行中とでスピーカ27からのサンプル音の出力や枠LEDからのサンプル光の出力、演出表示装置9における音量メータや光量メータ及び音量・光量調整画面の更新の速度が変化することにより遊技者の意図しない音量や光量の変更が行われてしまうことを防ぐことができる。
特に、本実施例では、遊技者による操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50等の操作等に応じて、演出表示装置9における音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面の更新が減速制御の実行中・非実行中を問わず一定の速度で実行されるので、音量や光量に対応した適切な音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面を演出表示装置9において表示できる。
尚、本実施例では、遊技者による操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50等の操作に応じて、演出表示装置9における音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面の表示を更新する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者の動作を非接触で検出可能なモーションセンサ等の検出手段を設け、該検出手段での検出結果に基づいて演出表示装置9における音量メータや光量メータ、音量・光量調整画面の表示を更新してもよい。
また、本実施例では、遊技者等による操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作を受け付けたことに基づいてスピーカ27から出力される音の音量や枠LEDから出力される光の光量を更新した場合、該更新した音量や光量にてサンプル音やサンプル光の出力を実行可能となっており、これらサンプル音やサンプル光は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず共通(同一)の態様にて出力されるようになっているので、減速制御の実行中と非実行中とでこれらサンプル音やサンプル光の態様が異なることで、出力されている音や光がサンプル音やサンプル光ではないと遊技者に誤認されてしまうことを防ぐことができる。
尚、本発明におけるサンプル音の「態様」とは、実行速度(再生速度)や音程、音量が変更されてからサンプル音の出力が開始されるまでの期間、サンプル音の出力期間等が含まれる。また、本発明におけるサンプル光の「態様」とは、実行速度や発光パターン、光量が変更されてからサンプル光の出力が開始されるまでの期間、サンプル光の出力期間等が含まれる。
また、本実施例では、演出制御用CPU101が下皿エラーを検出可能となっており、該下皿エラーの検出中であっても遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて音量や光量を変更可能となっているので、音量や光量の変更に関する遊技者の利便性が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例では、減速制御の実行中に遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて音量や光量が変更された場合、該減速制御を実行している保留変化演出中からスピーカ27から出力する音の音量や枠LED28から出力する光の光量を変化させることができるので、保留変化演出の興趣を向上できる。
尚、本実施例では、減速制御の実行中に遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて音量や光量が変更された場合、該減速制御を実行している保留変化演出中からスピーカ27から出力する音の音量や枠LED28から出力する光の光量を変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速制御の実行中に遊技者等の操作桿やプッシュボタン120、音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて音量や光量が変更された場合は、減速制御が終了してから、または、減速制御が実行されている保留変化演出の終了後からスピーカ27から出力する音の音量や枠LED28から出力する光の光量を変化させてもよい。
また、本実施例では、保留変化演出として保留表示THの表示態様を変化させるパターンと、保留表示THの表示態様を変化させないパターンとを実行可能であるとともに、保留表示THの表示態様を変化させるパターンと、保留表示THの表示態様を変化させないパターンとで、共通のタイミングで保留表示THに作用するカラーボール931の演出速度を減速させる減速制御を実行可能となっているので、保留表示THに作用するカラーボール931に変化を与えることによって遊技の興趣を向上できる。
また、図30に示すように、本実施例では、保留表示Hやアクティブ表示AHは、減速制御が実行される保留変化演出とは異なり、減速制御が実行されているか否かにかかわらず表示速度が一定であるため、これら保留表示Hやアクティブ表示AHが保留変化演出に関する表示であると誤認されてしまうことを防ぐことができる。更に、本実施例における保留表示Hやアクティブ表示AHは、減速制御が実行されているか否かにかかわらず一定速度での回転表示であるため、これら保留表示Hやアクティブ表示AHが保留変化演出に関する表示であると誤認されてしまうことを、より一層防ぐことができる。
また、本実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に入賞音を出力可能となっているとともに、該入賞音は、減速制御が実行されているか否かにかかわらず一定の速度(再生速度)にてスピーカ27から出力されるので、遊技者は、入賞音が出力されることによってアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始されたことを適切に認識できる。
尚、本実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に、減速制御が実行されているか否かにかかわらず入賞音を一定の速度(再生速度)にてスピーカ27から出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、入賞音は、減速制御が実行されているか否かに応じてスピーカ27から出力される速度(再生速度)が異なるようにしてもよい。
また、本実施例の枠LED28は、減速制御の実行中と非実行中とで異なる周期、すなわち異なるパターンにて点灯可能となっているので、枠LED28は減速制御中の保留変化演出の速度に対応して点灯し、該保留変化演出の演出効果を高めることができる。
また、本実施例における枠LED28は、減速制御の実行中であるか否かに応じて発光周期、すなわち発光パターンが変化する一方で、特別図柄の変動表示として点灯・消灯を繰り返す第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bは、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず常に一定の周期、すなわち一定の発光パターンにて点灯するので、特別図柄の変動表示が、減速制御の実行中に遊技者から適切に認識されなくなってしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず常に一定の周期で点灯する第1発光手段として第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1発光手段は、CPU56の制御によって減速制御の実行中であるか否かにかかわらず発光する第1特別図柄保留記憶表示器18aや第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41であってもよい。
尚、本実施例の枠LED28は、減速制御の実行中と非実行中とで異なる周期で点灯とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、枠LED28は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず一定の周期で点灯してもよい。
また、本実施例では遊技者等が操作桿やプッシュボタン120,音量・光量変更ボタン50を操作することによって、枠LED28の光量を遊技者が変更することができる一方で、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの光量を遊技者が変更することは不能となっているので、これら第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの光量が遊技者等によって変更されることにより、特別図柄の変動表示が遊技者に適切に認識されなくなってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例の第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bは、下皿エラーが検出されたときは、該下皿エラーが検出されていないときと同一の周期T1にて点灯する一方で、枠LED28は、下皿エラーが検出されたときは、該下皿エラーが検出されていないときとは異なるパターンにて点灯(下皿エラーが解除されるまで点灯継続)するので、特別図柄の変動中に下皿エラーが発生したときにおいても、遊技者は第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの点灯によって特別図柄が変動表示中であることを把握することができるとともに、枠LED28の点灯によって下皿エラーが発生していることも把握できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、変動表示の実行中に遊技者等によって音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず音量や光量の更新に応じた音量メータや光量メータを演出表示装置9に表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例3として、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、音量や光量の更新を実行する一方で、演出表示装置9においてこれら音量や光量の更新に応じた音量メータや光量メータを表示しないようにしてもよい。このようにすることで、保留変化演出中に減速制御が実行されているにもかかわらず、音量メータや光量メータの更新速度とは異なる速度で保留変化演出が実行されることにより遊技者に違和感を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、前記実施例では、変動表示の実行中に遊技者等によって音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず該音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて変更された音量や光量にてサンプル音やサンプル光の出力を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例4として、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、該音量・光量変更ボタン50の操作に基づいて変更された音量や光量でのサンプル音やサンプル光の出力を実行しないようにしてもよい。このようにすることで、減速制御の実行中にサンプル音やサンプル光が出力されることによって遊技者に違和感を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、本変形例4では、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合におけるサンプル音の出力を制限する例として、サンプル音を出力しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合におけるサンプル音の出力を制限する形態としては、サンプル音を最低音量や音量「0」で出力するもの、サンプル音の出力音量を減速制御中の演出音よりも小さくするものであってもよい。
更に、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、該減速制御中にサンプル音やサンプル光の出力が実行されない一方で、該減速制御中からスピーカ27から出力される音の音量や枠LED28から出力される光の光量が変更されるようにしてもよい。
更に、減速制御の実行中に音量・光量変更ボタン50が操作された場合は、該減速制御中にサンプル音やサンプル光の出力が実行されない一方で、減速制御の終了後からスピーカ27から出力される音の音量や枠LED28から出力される光の光量が変更されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、減速制御の実行中であるか否かにかかわらず、アクティブ表示AHや保留表示Hの視認性については特に変化させない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例5として、減速制御の実行中におけるアクティブ表示AHや保留表示Hの視認性を減速制御の非実行中とは異ならせることで、保留変化演出において減速制御の実行中であることを遊技者に対して認識させ易くしてもよい。
尚、本発明における「視認性と異なる」ことには、表示されるアクティブ表示AHや保留表示Hのコントラストや透明度等が異なることによって遊技者による視認のし易さが異なることだけではなく、一方の期間においてアクティブ表示AHや保留表示Hを表示しない態様とすることで、遊技者による視認を困難とすることも含まれる。
また、前記実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に、減速制御が実行されているか否かにかかわらず入賞音を一定の速度(再生速度)にてスピーカ27から出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例6として、減速制御の実行中に始動入賞が発生した場合には、入賞音の出力を制限することによって減速制御中の保留変化演出の演出効果が低下してしまうことを防いでもよい。
また、前記実施例では、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に、特別演出として入賞音を出力する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞の発生に基づいてアクティブ表示AHや保留表示Hの表示が開始される際に実行する演出は、入賞音の出力以外の演出(例えば、演出表示装置9に特定の画像を表示させる演出や、枠LED28を発光させる演出等)であってもよい。
また、前記実施例では、保留変化演出中に減速制御を実行して変化対象のアクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様が変化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速制御を実行する演出は、演出図柄の変動表示や特定のリーチ演出、大当り遊技中の演出等、保留変化演出以外の演出であってもよい。このように、保留変化演出以外の演出において減速制御を実行する場合は、変形例7として、減速制御の実行中に保留変化対象となっているアクティブ表示AHや保留表示Hの表示態様の変化を制限することで、遊技者がアクティブ表示AHや保留表示Hに注目してしまうことにより減速制御を実行している演出効果が低下してしまうことを防いでもよい。
また、前記実施例では、変動表示中の演出として保留変化演出を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示中の演出としては、当該変動表示が大当りとなることを予告する変動中予告演出や、保留記憶内に変動表示結果が大当りとなることを予告する先読み予告演出等、保留変化演出以外の演出を実行してもよい。このように、変動表示中に保留変化演出を含む複数の演出を実行可能とする場合は、変形例8として、いずれの演出の実行中においても第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを一定のパターンにて点灯させる一方で、枠LED28を演出毎の点灯パターンにて点灯させることで、各演出効果を高めてもよい。
また、前記実施例では、減速制御の実行中は枠LED28から光を出力する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、減速制御の実行中において枠LED28から光を出力しない場合を設けてもよい。このように減速制御の実行中において枠LED28から光を出力しない場合を設ける場合は、変形例9として、保留記憶数に応じて減速制御の実行中において枠LED28のから光を出力する割合を異ならせ、遊技興趣を向上させてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU101に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU101に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU101の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りとして、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短い大当りを設け、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、このように突確大当りを設ける場合には、該確変大当りの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
この発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、遊技に関する演出(例えば、保留変化演出)を実行可能な演出実行手段(例えば、演出制御用CPU101が先読み予告処理を実行した後に演出図柄変動中処理を実行する部分)と、遊技者の動作(例えば、操作桿やプッシュボタン120、トリガボタン125、音量・光量変更ボタン50の操作)に基づいて、演出に関する設定を行う設定手段(例えば、演出制御用CPU101が図33に示す遊技者設定処理を実行する部分)と、を備え、前記演出実行手段は、第1期間(例えば、減速制御の非実行時)と該第1期間と異なる第2期間(例えば、減速制御の実行時)とで、異なる進行速度にて演出を実行可能であり(例えば、図17に示すように、減速制御の実行時は減速制御の非実行時よりも遅い速度(スローモーション)にて保留変化演出が実行される部分)、前記設定手段における設定に関する速度は、前記第1期間と前記第2期間とで変わらず(例えば、図37〜図39に示すように、音量が変更された際にスピーカ27から出力される一連のサンプル音や光量が変更された際に枠LED28から出力される一連のサンプル光の出力が一定の期間にて終了する、つまり、一定の速度にて出力される部分)、さらに、抽選に基づくコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)を出力する第1制御手段(例えば、主基板9011)と、前記第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理(例えば、演出実行のための処理であるステップS90171)を実行する第2制御手段(例えば、演出制御基板9012)と、を備え、前記第2制御手段は、異なる複数のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」)を同じコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)として扱って前記処理を実行する(例えば、ステップS90752で変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換し(図66も参照)、当該「8100」として扱ってステップS90171を実行する)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、遊技者の意図しない設定が行われてしまうことを防ぐことができる。また、異なる複数のコマンドを同じコマンドとして扱って処理を行うので、第2制御手段を好適に動作させることができる。
なお、第1制御手段や第2制御手段は、複数のハードウェア(基板やプロセッサ)から構成されるものであってもよい。また、第1制御手段や第2制御手段は、少なくとも一部が共通のハードウェア構成により構成されてもよい。
例えば、後述の実施形態において、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する部分(共通モジュール90120AがステップS90751〜S90752を実行する部分)を主基板9011に設けてもよい。この場合、例えば、CPU90103は、変動パターンを抽選により決定して変動パターン指定コマンドを生成する(RAM90102に出力することになる)。そして、CPU90103は、ステップS90704と同様の処理を行い、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する。そして、CPU90103は、変換後のコマンドを演出制御基板9012に供給する。このように、第2制御手段は、主基板9011の一部を含んでもよい。
例えば、後述の実施形態において、共通モジュール90120Aを、主基板9011や演出制御基板9012とは別の基板、又は、演出制御基板9012に設けられるが演出制御用CPU90120とは別のプロセッサなどにより実現するようにしてもよい。このように、第2制御手段における、異なる複数のコマンドを同じコマンドとして扱う部分と、処理を実行する部分とを異なるハードウェアにより実現してもよい。
コマンドに応じた処理は、実行する演出を決定する処理の他、演出を実行する処理(表示制御部90123により実行される処理)であってもよい。また、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うとは、複数のコマンドを当該複数のコマンドのうちの1つのコマンドとして扱うことの他、複数のコマンドを当該複数のコマンド以外の他のコマンドとして扱うことも含む。また、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うことは、後述の実施形態のようにコマンドを変換することにより実現してもよいし、複数のコマンドについて同じ処理を実行すること(これにより、同じコマンドとして扱われる)により実現してもよい。
さらに、遊技者の意図しない設定が行われてしまうことを防ぐことができ、また、第2制御手段を好適に動作させることができる遊技機の形態の一例として、抽選に基づくコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)を出力する第1制御手段(例えば、主基板9011)と、前記第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理(例えば、演出実行のための処理であるステップS90171)を実行する第2制御手段(例えば、演出制御基板9012)と、を備え、前記第2制御手段は、異なる複数のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」)を同じコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)として扱って前記処理を実行する(例えば、ステップS90752で変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換し(図66も参照)、当該「8100」として扱ってステップS90171を実行する)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。
(パチンコ遊技機901の構成等)
図50は、パチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図50に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示などともいう)される(後述の他の可変表示についても同じ)。なお、図柄(特に、後述の飾り図柄)の変動として、スクロール表示、変形、拡大/縮小などが行われてもよい。
なお、以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する。
例えば、画像表示装置905の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置905では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。
また、画像表示装置905の画面上には、表示エリア905HL、905HRも配置され、表示エリア905HLには、実行が保留されている第1特図ゲームに対応する第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)が右詰めで表示され、表示エリア905HRには、実行が保留されている第2特図ゲームに対応する第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)が左詰めで表示される。第1保留表示画像及び第2保留表示画像を総称して保留表示画像ともいう。
なお、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特に、第1特図ゲームの保留数を、第1特図保留記憶数という。第2特図ゲームの保留数を、第2特図保留記憶数という。第1保留表示画像の数により、第1特図保留記憶数が示され、第2保留表示画像の数により、第2特図保留記憶数が示される。
また、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられ、第1保留表示器9025Aは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数を表示し、第2保留表示器9025Bは、LEDの点灯個数によって、第2特図保留記憶数を表示する。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。
普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ9022A(図51参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。)。
普通可変入賞球装置906Bは、普通電動役物用のソレノイド9081(図51参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、例えば、ソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置906Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置906Bは、ソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ9022B(図51参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。)。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、大入賞口扉用となるソレノイド9082(図51参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ9023(図51参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤902の所定位置(図50に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)の可変表示を行う。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)ともいう。
普図ゲームは、遊技球が通過ゲート9041を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート9041を通過したときには、図51のゲートスイッチ9021がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ909が設けられている。遊技効果ランプ909は、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
(基板構成)
パチンコ遊技機901には、例えば図51に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014、中継基板9015などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行、保留の管理、後述の大当り遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板9011は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100、スイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などを有する。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)90101と、RAM(Random Access Memory)90102と、CPU(Central Processing Unit)90103と、乱数回路90104と、I/O(Input/output port)90105とを備える。
CPU90103は、ROM90101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板9011の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM90101が記憶する各種データ(変動パターン(図56。詳しくは後述)、演出制御コマンド(図53。詳しくは後述)、各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90102がメインメモリとして使用される。
乱数回路90104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O90105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(後述のソレノイド駆動信号、第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどを制御(駆動)する信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023)からの検出信号(遊技媒体が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。
ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド9081やソレノイド9082をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定するコマンド)を演出制御基板9012に供給する。主基板9011から出力された演出制御コマンドは、中継基板9015により中継され、演出制御基板9012に供給される。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出であり、飾り図柄の可変表示を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板9012には、演出制御用CPU90120と、ROM90121と、RAM90122と、表示制御部90123と、乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
演出制御用CPU90120は、ROM90121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部90123とともに演出を実行するための処理を行う。このとき、ROM90121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90122がメインメモリとして使用される。
演出制御部CPU90120は、上記演出を実行するための処理を実行することで、図52に示す、共通モジュール90120A、演出実行指示部90120Bと、として動作する。
共通モジュール90120Aは、演出制御コマンド解析等処理(図59のステップS90704。詳しくは後述。)や、音、ランプ制御処理(図59のステップS90706。詳しくは後述。)を実行する。演出制御コマンド解析等処理は、主基板9011から送信された演出制御コマンドを解析して当該コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンド(解析結果)に応じた処理を行う処理である。音、ランプ制御処理は、スピーカ908L、908Rからの音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯などを制御する処理である。
共通モジュール90120Aは、音、ランプ制御処理において、出力する音声(音のみを含む。)を指定する音指定信号を音声制御基板9013に供給する。音声制御基板9013は、スピーカ908L、908Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ908L、908Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ908L、908Rから出力させる。このようにして、共通モジュール90120Aは、音声制御基板9013を介して、音声出力を制御する。
さらに、共通モジュール90120Aは、音、ランプ制御処理において、遊技効果ランプ909の点灯/消灯態様を指定するランプ信号をランプ制御基板9014に供給する。ランプ制御基板9014は、遊技効果ランプ909を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ909を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ909を点灯/消灯する。このようにして、共通モジュール90120Aは、ランプ制御基板9014を介して、ランプの点灯/消灯を制御する。
演出実行指示部90120Bは、演出制御プロセス処理(図59のステップS90705。詳しくは後述。)を実行する。演出制御プロセス処理は、共通モジュール90120Aによる解析により特定された演出制御コマンドに基づいて画像系演出の実行等を決定し(例えば、抽選により決定する。)、実行すると決定した画像系演出の実行(実行の開始)を表示制御部90123に指示する処理である。画像系演出は、画像表示装置905に演出画像を表示する演出であり、演出画像に合わせた音声出力や、演出画像に合わせた遊技効果ランプ909の点灯/消灯も適宜含む。
表示制御部90123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU90120からの画像系演出の実行指示に基づき、画像系演出の実行を開始する。画像系演出の実行では、例えば、映像信号を供給することで画像表示装置905に演出画像を表示する。また、表示制御部90123は、画像系演出を実行するときに、スピーカ908L、908Rからの音声出力の指示や遊技効果ランプ909の点灯/消灯の指示を共通モジュール90120Aに供給する。共通モジュール90120Aは、これら指示に従って、上述の音指定信号やランプ信号を出力する。つまり、表示制御部90123は、画像系演出に含まれる音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯を、共通モジュール90120Aを介して制御する。
なお、共通モジュール90120Aは、解析により特定した演出制御コマンドに基づいて、上述の音指定信号やランプ信号を出力することで、表示制御部90123とは独立して音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯を制御することも可能である(例えば、後述の図柄確定指定コマンドを受信したときに、遊技効果ランプ909を点灯させるなど)。
乱数回路90124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU90120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
(遊技の進行など)
パチンコ遊技機901が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート9041を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート9041を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置906Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。「普図ハズレ」のときには、前記開放制御は行われない。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、遊技球が、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。
第1特図保留記憶数(保留された第1特図ゲーム数)が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数(保留された第2特図ゲーム数)が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。
第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば、「3」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。
なお、大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ということがある。また、「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」ということがある。また、「非確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」ということがある。
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。
確変大当り遊技状態又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。
なお、時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置906Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させてもよい。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機901が、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」などともいわれる。
(演出の進行など)
画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも画像系演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
また、この実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出(画像系演出の一例)が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBが用意されている。この実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で高い。
大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
この実施の形態では、他の画像系演出として、例えば、大当り期待度を予告する予告演出等が可変表示中に実行される。また、大当り遊技状態中にも、画像系演出として、例えば、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。また、画像系演出として、例えば、特図ゲーム等が実行されていないときにはデモ(デモンストレーション)画像が表示される。
(パチンコ遊技機901の主要な動作)
以下、パチンコ遊技機901の主要な動作をフローチャートなどを参照して説明するが、各動作(各処理)では下記で説明されない処理などが行われる場合がある。
(主基板9011の主要な動作)
主基板9011では、CPU90103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給される図示しないCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごと)に実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU90103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、RAM90102などに一時記憶され、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板9011の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現する処理(第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、大入賞口扉用のソレノイド9082の制御を含む。)である。なお、特別図柄プロセス処理では、遊技の進行に応じて演出制御コマンドの送信設定を行う。特別図柄プロセス処理の詳細は、後述する。
普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置906B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現する処理(普通図柄表示器9020、普図保留表示器9025C、普通電動役物用のソレノイド9081の制御を含む。)である。
コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板9011から演出制御基板9012に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板9011から演出制御基板9012に送信される演出制御コマンドについて説明する。図53に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。演出制御コマンドは、MODEデータ及びEXTデータから構成されている。
コマンド8000(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第1変動開始指定コマンドである。コマンド8001(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第2変動開始指定コマンドである。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。
コマンド81XX(H)は、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の変動パターン(図56参照。詳しくは後述するが、特図や飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する変動パターン指定コマンドである。当該コマンドの「XX」(EXTデータ、「XX」について同じ)には、各変動パターンを示す数値が設定される(例えば、変動パターンPA1´−1なら「00」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する表示結果指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、表示結果を示す数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「確変大当り」なら「01」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する図柄確定指定コマンドである。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)を終了するとともに表示結果を導出表示することを指定するものである。当該コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する当り開始指定コマンドである。ファンファーレとは、大当り遊技状態中に実行される大当り中演出の一部を構成し、大当り遊技状態の開始時に実行され、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する当り終了指定コマンドである。エンディングとは、大当り遊技状態の終了時(大当り中演出後)に実行され、大当り遊技状態が終了することを報知する演出などである。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定(通知)する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドB101(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定(通知)する第2始動入賞指定コマンドである。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを始動入賞指定コマンドと総称することがある。始動入賞指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC0XX(H)は、第1特図ゲームの保留数である第1特図保留記憶数を指定(通知)する第1特図保留記憶数指定コマンドである。コマンドC1XX(H)は、第2特図ゲームの保留数である第2特図保留記憶数を指定(通知)する第2特図保留記憶数指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、保留記憶数を示す数値が設定される。これらコマンドを特図保留記憶数指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC600(H)は、デモ画像を表示することを指定する客待ちデモ指定コマンドである。このコマンドは、特図ゲームを実行しないときに送信される。
(特別図柄プロセス処理)
図54は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S90117の処理のいずれかを選択して実行する。
(始動入賞判定処理:ステップS90101)
CPU90103は、第1始動口スイッチ9022Aがオン(スイッチ処理の判定結果を参照する。各種スイッチのオン判定について同じ)であり(第1始動口に遊技球が進入したときであって)、第1特図保留記憶数(例えば、RAM90102に設けられた第1保留記憶数カウンタでカウントする。以下同じ)が所定の上限値(例えば「4」)となっていない場合、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路90104やRAM90102に設けられたランダムカウンタ(遊技用乱数更新処理で値が更新される。)等によって更新される乱数値のうちから、特図表示結果(特図ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1´(「1」〜「65535」いずれかの値)、大当り種別決定用の乱数値MR2´(「1」〜「100」のいずれかの値)、変動パターン決定用の乱数値MR3´(「1」〜「1000」のいずれかの値)を抽出する。こうして抽出された各乱数値は、保留データとして、第1特図保留記憶部(RAM90102に設けられる)の空きエントリの先頭にセットする。また、第1特図保留記憶数を1増加させる。
CPU90103は、第2始動口スイッチ9022Bがオンであり(第2始動口に遊技球が進入したときであって)、第2特図保留記憶数(例えば、RAM90102に設けられた第2保留記憶数カウンタでカウントする。以下同じ)が所定の上限値(例えば「4」)となっていない場合、第2始動入賞が発生したとして、乱数値MR1´〜MR3´を抽出する。こうして抽出された各乱数値は、保留データとして、第2特図保留記憶部(RAM90102に設けられる)の空きエントリの先頭にセットする。また、第2特図保留記憶数を1増加させる。
第1又は第2特図保留記憶部は、例えば、第1又は第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1´〜MR3´の数値データを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1又は第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、実行が保留されている第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを示す。
この実施の形態では、上記のように第1特図保留記憶部又は第2特図保留記憶部へ保留データを格納することで、未だ開始されていない(実行が保留されている)特図ゲーム(特に、特図ゲームに関する情報。ここでは、保留データ)が保留記憶として記憶される。
その後、始動入賞時コマンドの送信設定を行う。始動入賞時コマンドは、第1始動入賞指定コマンド(第1始動入賞発生時)又は第2始動入賞指定コマンド(第2始動入賞発生時)と、第1特図保留記憶数指定コマンド(第1始動入賞発生時)又は第2特図保留記憶数指定コマンド(第2始動入賞発生時)と、を含む。
上記送信設定後、CPU90103は、始動入賞判定処理を終了する。なお、1回の始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ9022A及び第2始動口スイッチ9022Bそれぞれについて、上記処理(オン判定や保留データの格納等)を行う(これにより、第1始動入賞及び第2始動入賞をもれなく検出できる)。第1始動口スイッチ9022A及び第2始動口スイッチ9022Bいずれもがオフの場合には、CPU90103は、始動入賞判定処理をそのまま終了する。
(特別図柄通常処理:ステップS90110)
特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。特別図柄通常処理において、CPU90103は、第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1´〜MR3´の数値データを読み出す。読み出された数値データは、RAM90102の変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶される。この場合、第2特図保留記憶数を1減算させ、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。このときには、RAM90102に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する。
第2特図保留記憶数が「0」であるときには、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第1特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1´〜MR3´の数値データを読み出す。読み出された数値データは、変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶される。この場合、第1特図保留記憶数を1減算し、第2特図保留記憶部のときと同様に第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。また、変動特図指定バッファ値を、「1」に更新する。上記処理により第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行される。
変動特図指定バッファ値の更新後には、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの可変表示結果)である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する。一例として、予めROM90101に用意された第1特図表示結果決定テーブル(非確変状態のときに参照される)又は第2特図表示結果決定テーブル(確変状態のときに参照される)が参照される。確変状態かどうかは、RAM90102に用意され、確変状態時にオンとなる確変フラグを参照して特定される(以下、同じ)。各特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR1´に基づいて、第1又は第2特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定する(乱数値に合致する決定値に割り当てられた決定結果を今回の決定結果とする。)。なお、CPU90103は、確変状態のときには、確変状態でないときよりも高い決定割合で特図表示結果を「大当り」に決定する。なお、この実施の形態では、このような乱数値とテーブルとを用いて決定結果をランダムに決定することを「抽選により決定する」などと表現する。
CPU90103は、決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、RAM90102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。その後、大当り種別を複数種類のいずれかに抽選(変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3´と、ROM90101に用意され、「非確変」、「確変」を決定結果とする大当り種別決定テーブルとを用いた抽選)により決定する。その後、CPU90103は、RAM90102に設けられた大当り種別バッファに、決定した大当り種別を記憶させる。
特図表示結果が「大当り」ではない場合や、大当り種別を記憶させた後には、今回実行する特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄を決定する。一例として、大当りフラグがオフのときには、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがオンのときには、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定する。その後、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから、特別図柄通常処理を終了する。
第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には、デモ表示設定を行ってから、特別図柄通常処理を終了する。デモ表示設定では、客待ちデモ指定コマンドが送信済みであるか否かを判定する(例えば、RAM90102に、客待ちデモ指定コマンドが送信済みのときにオンになるフラグを設け、このフラグの状態により、当該判定を行う)。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。
(変動パターン設定処理:ステップS90111)
変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。図55は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
CPU90103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS90261;Yes)、大当り時の変動パターンを抽選により決定する(ステップS90262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS90261;No)、ハズレ時の変動パターンを抽選により決定する(ステップS90263)。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
図56は、この実施の形態で使用される変動パターンを示している。この実施の形態では、ハズレ時の変動パターンとして、PA1´−1〜PA1´−3、PA2´−1〜PA2´−2、PA3´−2〜PA3´−4がある。また、大当り時の変動パターンとして、PB3´−2〜PB3´−4がある。なお、図56に示すように、各変動パターンには、通番(通し番号「1」〜「11」)が付されている。
PA1´−1〜PA1´−3は、非リーチを指定する。PA1´−1〜PA1´−3を指定する各変動パターン指定コマンドのEXTデータには、「00」〜「02」が順次設定される。PA1´−1〜PA1´−3は、同じ変動パターンを指定するものであり、特図変動時間も同じ長さの時間を指定している。PA1´−2〜PA1´−3を指定する各変動パターン指定コマンドは、演出制御基板9012が受信したときに共通モジュール90120Aにより、そのEXTデータ「01」〜「02」が「00」(PA1´−1を指定するEXTデータ)に変換される。つまり、演出制御基板9012では、PA1´−2、PA1´−3が、PA1´−1として扱われて、各種処理が行われる(他の変動パターン指定コマンドについては、このような扱いは行われない)。
PA2´−1〜PA2´−2も、非リーチを指定する。これらは、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1´−1等)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA2´−1〜PA2´−2を指定する各変動パターン指定コマンドのEXTデータには、「03」〜「04」が順次設定される。
PA3´−2、PB3´−2は、ノーマルリーチの実行を指定し、PA3´−3、PB3´−3は、スーパーリーチAの実行を指定し、PA3´−4、PB3´−4は、スーパーリーチBの実行を指定する。PA3´−2〜PA3´−4、PB3´−2〜PB3´−4を指定する各変動パターン指定コマンドのEXTデータには、「05」〜「0A」が順次設定される。
ステップS90262の抽選では、例えば、ROM90101に用意され、PB3´−2〜PB3´−4を決定結果とする大当り用変動パターン決定テーブル(図57の決定割合を実現する決定値が各変動パターンに割り当てられたテーブル)と、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3´と、が使用され、PB3´−2〜PB3´−4のいずれかを今回実行する可変表示の変動パターン(大当り時の変動パターン)に決定する。
また、ステップS90263の抽選では、例えばROM90101に用意された第1ハズレ用変動パターン決定テーブル又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルと、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3´と、が使用され、PA1´−1〜PA1´−3、PA2´−1〜PA2´−2、PA3´−2〜PA3´−4のいずれかを今回実行する可変表示の変動パターン(ハズレ時の変動パターン)に決定する。第1ハズレ用変動パターン決定テーブルは、PA1´−1〜PA1´−3、PA3´−2〜PA3´−4のいずれかを決定結果とするテーブル(図58(A)の決定割合を実現する決定値が各変動パターンに割り当てられたテーブル)であり、時短状態でないとき(非時短時)に使用される。第1ハズレ用変動パターン決定テーブルは、PA2´−1〜PA2´−2、PA3´−2〜PA3´−4のいずれかを決定結果とするテーブル(図58(B)の決定割合を実現する決定値が各変動パターンに割り当てられたテーブル)であり、時短状態であるとき(時短時)に使用される。時短状態であるか否かは、RAM90102に用意され、時短状態時にオンとなる時短フラグを参照して特定される(以下、同じ)。
図57及び図58を参照すると、変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA3´−2>PA3´−3>PA3´−4の順で高い。大当り時は、PB3´−4>PB3´−3>PB3´−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。また、時短状態のときには、特図変動時間が短いPA2´−1、PA2´−2(図56参照)が選択されるので、時短状態のときには、平均的な特図変動時間が非時短状態のときよりも短くなる。
また、演出制御基板9012側でPA1´−1と扱われるPA1´−2、PA1´−3の決定割合は、他の決定割合(同じテーブルでの決定割合及び図57〜図58の全てのテーブルでの決定割合)よりも低くなっている。つまり、PA1´−2、PA1´−3は、変動パターンの決定時に選択されにくい。また、PA1´−1と、演出制御基板9012側でPA1´−1と扱われるPA1´−2、PA1´−3と、は、同じテーブルの決定結果として設定されている。
ステップS90262、S90263の処理のいずれかを実行した後には、今回決定した変動パターンに応じた特図変動時間(図56参照)を設定する(ステップS90266)。具体的には、特図変動時間に応じたタイマ初期値をRAM90102の所定のタイマに設定する。
ステップS90266の処理に続いて、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲーム(特別図柄の変動)を開始させる(ステップS90267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置904Aに送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第2特別図柄表示装置904Bに送信する。
ステップS90267の処理を実行した後には、特図ゲームの実行開始時のコマンドとして変動開始時コマンド(上記決定結果、1減算後の第1又は第2特図保留記憶数などを指定する各種コマンド)の送信設定が行われる(ステップS90271)。変動開始時コマンドは、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンドを含み、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンドを含む。
ステップS90271の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS90272)、変動パターン設定処理を終了する。
(特別図柄変動処理:ステップS90112)
特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。CPU90103は、特図ゲームが開始してからの経過時間が、上記で設定した特図変動時間に達したか(上記所定のタイマのタイマ値を1減じ、減じた後のタイマ値が0になったか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置904A又は第2特別図柄表示装置904Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したとき(前記タイマ値が0になったとき)には、可変表示結果の導出タイミングとなったので、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置904A又は第2特別図柄表示装置904Bに供給し、上記で決定した今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」は「−」、「確変大当り」は「7」、「非確変大当り」は「3」)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS90112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
(特別図柄停止処理:ステップS90113)
特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。CPU90103は、今回の可変表示結果が「大当り」のとき(大当りフラグがオンのとき)は、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」(大当りフラグがオフのとき)で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(RAM90102に設けられた時短回数カウンタにより可変表示の回数をカウントする。)、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
(大当り開放前処理:ステップS90114)
大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。CPU90103は、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間(RAM90102に設けられたタイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS90114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
(大当り開放中処理:ステップS90115)
大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。CPU90103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ9023がオンになった回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(RAM90102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド9082をオフにする処理)などを行う。終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(RAM90102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「7」に更新する処理を行って、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にステップS90115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
(大当り開放後処理:ステップS90116)
大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。CPU90103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
(大当り終了処理:ステップS90117)
大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、最後のラウンド遊技終了時からの経過時間が予め設定されているエンディング待ち時間(演出制御基板9012で実行されるエンディングの実行時間に対応する時間)に達したか、つまり、エンディング待ち時間が終了したかを判定する。エンディング待ち時間が終了していないときには、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。エンディング待ち時間が終了した場合には、エンディングが終了するので、次に、今回の大当り種別が「確変」であるかを判定する。大当り種別は、大当り種別バッファに格納されている。大当り種別が「確変」である場合、確変フラグをオン状態にセットする。また、大当り種別に係わらず、時短回数カウンタに初期値(時短状態において実行可能な可変表示の回数、例えば、100)として設定するとともに(時短回数カウンタのカウント値は、例えば、特別図柄停止処理ごとに1減算される。これにより、時短状態において実行される可変表示の回数がカウントされ、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定できる)、時短フラグをオン状態にする。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して、本処理を終了する。
(その他)
上記一連の処理において、ステップS90114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS90115、S90116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。また、特図プロセスフラグの値を“0”に更新するときは、1回の可変表示等が終了したことになるので、遊技制御プロセスタイマ、各種フラグの状態などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(演出制御基板9012の主要な動作)
演出制御基板9012の演出制御用CPU90120は、起動後に所定の演出制御メイン処理を実行する。図59は、演出制御メイン処理の一例のフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS90701)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS90702)。タイマ割込みフラグは、例えば図示しないCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば10ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS90702;No)、待機する。
また、演出制御用CPU90120は、演出制御メイン処理とは別に、I/O90125の所定の入力ポートから演出制御コマンドを受信したときには、当該演出制御コマンドを受信コマンドとして例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS90702;Yes)、演出制御用CPU90120は、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御コマンド解析等処理(ステップS90704)、演出制御プロセス処理(ステップS90705)、音、ランプ制御処理(ステップS90706)、演出用乱数処理(ステップS90707)を実行する。ステップS90707のあと、ステップS90702の処理を実行する。演出制御用CPU90120は、演出制御コマンド解析等処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンドを読み出して解析して当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、解析により特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う(詳細は後述)。演出制御プロセス処理は、演出制御コマンドに応じて演出の実行を表示制御部90123に指示する処理(演出の実行やその態様の決定を含む。)である(詳細は後述)。音、ランプ制御処理は、スピーカ908L、908Rからの音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯などを制御する処理である(詳細は後述)。演出用乱数更新処理は、演出制御に用いる演出用乱数値をソフトウェアにより更新する処理である。演出制御用CPU90120は、演出制御コマンド解析等処理、音、ランプ制御処理を実行することで、共通モジュール90120Aとして動作し、演出制御プロセス処理を実行することで、演出実行指示部90120Bとして動作する。
(演出制御コマンド解析等処理)
演出制御用CPU90120は、演出制御コマンド解析等処理において、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板9012が受信した演出制御コマンド)を解析して(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。受信コマンドが複数の場合には、それぞれのコマンドについて演出制御コマンド解析等処理を行う。
図60に、演出制御コマンド解析等処理で特定された演出制御コマンドと、その演出制御コマンドについて行われる処理内容と、の関係を示す。なお、図中における各フラグ、各格納領域、コマンドバッファは、RAM90122に設けられる。また、フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。なお、各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミング(対象のコマンドの受信確認等がそれ以降必要なくなったタイミング等)でリセットや消去するものとする。
解析により特定された演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドである場合、演出制御用CPU90120は、例えば図61に示す変動パターン指定コマンド処理を実行する。当該処理にて演出制御用CPU90120は、今回受信した変動パターン指定コマンドのEXTデータに対して変換データがあるかを判定する(ステップS90751)。例えば、ROM90121に予め記憶された変換テーブルを参照して当該判定を行う。変換テーブルは、例えば、図62のように、各変動パターン指定コマンド(左欄の判定対象コマンド)に、変換後の変動パターン指定コマンド(変換無しであれば、変換無しのデータ)(右欄の変換データ)が割り当てられたテーブルとして構成される。
変換テーブルにおいて、今回受信した変動パターン指定コマンドに、変換無しのデータではなく変換後の変動パターン指定コマンドが割り当てられている場合、EXTデータに対して変換データがあることになるので(ステップS90751;Yes)、今回受信した変動パターン指定コマンドのEXTデータを、当該テーブルにおいて当該コマンドに割り当てられている変換後の変動パターン指定コマンドに置き換える。これにより、EXTデータが、変換後のデータとして変換テーブルにより指定されているEXTデータ(指定値)に変換される(ステップS90752)。この処理により、変換される変動パターンであるPA1´−2〜PA1´−3がPA1´−1に変換される。
ステップS90752のあと、又は、EXTデータに対して変換データが無い場合(今回受信した変動パターン指定コマンドに、変換無しのデータが割り当てられている場合)(ステップS90751;No)、変換後の変動パターン指定コマンド(PA1´−1)、又は、今回受信した変動パターン指定コマンドを、RAM90122に設けられた変動パターン指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90753)。このようにして、変換後のコマンドは、一旦記憶手段に保持される。
上記一連の処理により、変動パターン指定コマンドのうちの所定のコマンド(EXTデータが「01」、「02」の変動パターンPA1´−2、PA1´−3を指定するコマンド)が特定のコマンドとして扱われ、後述の画像系演出が実行されることになる。なお、変換テーブルは、EXTデータのみにより構成されてよい。具体的には、図62の判定対象コマンドの欄のデータを各コマンドのEXTデータのみとし(MODEデータは不要)、図62の右欄の変換データを、変換後のEXTデータ及び変換無しの旨のデータとしてもよい(MODEデータは不要)。
解析により特定された演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドである場合、デモ画像を表示する画像系演出であるデモ演出の実行指示を表示制御部90123に供給する。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、デモ演出を実行する(例えば、当該実行指示を受けてから30秒をカウントし、30秒経ったらデモ画像の映像信号を画像表示装置5に供給することを開始し、それによりデモ画像の表示を開始する)。
(演出制御プロセス処理)
演出制御プロセス処理(図63参照)では、演出制御用CPU90120は、保留表示画像制御処理(ステップS90169)を実行したあと、RAM90122に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、「0」である。)に応じて、以下のようなステップS90170〜S90175の処理のいずれかを選択して実行する。
(保留表示画像制御処理:ステップS90169)
演出制御用CPU90120は、始動入賞時コマンド(第1又は第2始動入賞指定コマンドと、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド)を受信しているかを判定する。各コマンドの受信は、対応する受信フラグがオンになっているか否か、又は、対応するコマンド格納領域に当該コマンドが格納されているか否かにより行う。例えば、第1始動入賞指定コマンド受信フラグがオンのときには、第1始動入賞指定コマンドを受信したと判定できる。例えば、第1特図保留記憶数指定コマンド格納領域にコマンドが格納されているときには、第1特図保留記憶数指定コマンドを受信したと判定できる。このようなコマンドの受信の確認の方法は、他のコマンドの受信判定でも同様である。コマンドの受信が無い場合、本処理を終了する。
始動入賞時コマンドを受信している場合であって、第1始動入賞指定コマンドを受信している場合、第1保留表示画像の数を、当該変動開始時コマンドに含まれる第1特図保留記憶数指定コマンドが指定する保留記憶数と同じ数に更新する画像系演出の実行指示(第1保留画像を1つ増加させる指示)を表示制御部90123に供給する。始動入賞時コマンドを受信している場合であって、第2始動入賞指定コマンドを受信している場合、第2保留表示画像の数を、当該変動開始時コマンドに含まれる第2特図保留記憶数指定コマンドが指定する保留記憶数と同じ数に更新する画像系演出の実行指示(第2保留画像を1つ増加させる指示)を表示制御部90123に供給する。これにより、画像表示装置905の画面では、第1保留表示画像を1つ増える場合には、第1保留表示画像が右詰めで追加され、第2保留表示画像を1つ増える場合には、第2保留表示画像が右詰めで追加される。
(可変表示開始待ち処理:ステップS90170)
可変表示開始待ち処理は、RAM90122に設けられた演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。演出制御用CPU90120は、変動開始時コマンド(第1又は第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド)を受信しているかを判定する。上記コマンドを受信していない場合、変動開始時コマンドの受信が未だ無いとして当該処理を終了する。上記コマンドを受信している場合、変動開始時コマンドを受信しているとして、飾り図柄の可変表示を開始すべく、演出プロセスフラグの値を「1」に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
(可変表示開始設定処理:ステップS90171)
可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図64は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターン)及び今回の可変表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果)に基づいて、最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定する(ステップS90321)。なお、最終停止図柄は、例えば、変動パターンと可変表示結果との組み合わせに応じて予め用意されており、抽選等により決定される(乱数値は、乱数回路90124又は演出用乱数更新処理で更新される演出用乱数値のいずれかを使用する)。例えば、今回の表示結果が「確変大当り」のときは、最終停止図柄を「3 3 3」、「5 5 5」、「7 7 7」のいずれかに決定する(決定割合は、任意でよい(例えば均等))。
ステップS90321のあとは、画像系演出の実行の有無や、実行する画像系演出の態様等を決定する(ステップS90322)。具体的には、ROM90121に予め用意された各種テーブルと、演出用乱数値のうちの任意の乱数値と、を用いた抽選により、予告演出等の各種演出の実行の有無やその態様等を決定する。このとき、表示結果や変動パターン等に応じて異なるテーブルを参照することにより、予告演出等の実行の有無やその態様に応じて大当り期待度(スーパーリーチの実行期待度等も含む)を異ならせる。また、今回の変動パターンがリーチを指定するものである場合には、その変動パターンが指定するリーチ演出(最終停止図柄を構成する飾り図柄でリーチを成立させたときのリーチ演出)を実行すると決定する。なお、同じノーマルリーチやスーパーリーチA〜Cそれぞれをカテゴリとし、各カテゴリについて複数種類の詳細なリーチ演出を用意してもよい。この場合、今回の変動パターンが指定するリーチ演出に基づいて、実際に実行するリーチ演出を抽選等により決定する。例えば、スーパーリーチAについて、スーパーリーチA1、A2、A3を用意し、今回の変動パターンがスーパーリーチAを指定するものである場合、抽選により、スーパーリーチA1、A2、A3のいずれかを今回実行するリーチ演出に決定する(決定割合は、任意(例えば、均等でもよいし、大当り期待度を異ならせてもよい))。
その後、演出制御用CPU90120は、ステップS90322で実行すると決定した画像系演出の開始タイミング(実行する演出と変動パターンとの関係で予め決められている)を設定する(ステップS90323)。具体的には、実行すると決定した画像系演出の種類や態様等を特定する演出特定データと、当該画像系演出の実行開始タイミングを示す実行タイミング特定タイマ値(演出制御プロセスタイマ(RAM90122に設けられ、各種の経過時間を計測するためのタイマ)でカウントされるタイマ値。実行する画像系演出と変動パターンとの関係で予め設定されており、ROM90121に用意されている。)と、を、対応付けてRAM90122のタイマ値格納領域に格納する。演出制御用CPU90120は、実行すると決定した画像系演出が複数有る場合には、各画像系演出について、演出特定データと実行タイミング特定タイマ値とをタイマ値格納領域に格納する。
その後、演出制御用CPU90120は、今回の変動パターンが指定する態様かつ上記で決定した最終停止図柄を導出する飾り図柄の可変表示(画像系演出)の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部90123に供給する(ステップS90324)。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、飾り図柄の可変表示を開始させる(これ以降、表示制御部90123は、演出制御用CPU90120とは、別個に飾り図柄の可変表示を実行する)。なお、このときには、演出制御用CPU90120は、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、演出制御プロセスタイマに初期値として設定する。
そして、今回第1変動開始指定コマンドを受信している場合、第1保留表示画像の数を、当該変動開始時コマンドに含まれる第1特図保留記憶数指定コマンドが指定する保留記憶数と同じ数に更新する画像系演出の実行指示(第1保留画像を1つ減らす指示)を表示制御部90123に供給し、今回第2変動開始指定コマンドを受信している場合、第2保留表示画像の数を、当該変動開始時コマンドに含まれる第2特図保留記憶数指定コマンドが指定する保留記憶数と同じ数に更新する画像系演出の実行指示(第2保留画像を1つ減らす指示)を表示制御部90123に供給する(ステップS90325)。これにより、画像表示装置905の画面では、第1保留表示画像を1つ減らす場合には、最も右の第1保留表示画像が消去され、他の第1保留表示画像が右に1つずつシフトし、第2保留表示画像を1つ減らす場合には、最も左の第2保留表示画像が消去され、他の第2保留表示画像が左に1つずつシフトする。
その後、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS90326)、可変表示開始設定処理を終了する。
(可変表示中処理:ステップS90172)
可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。図65は、可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中処理において、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、減じたあとのタイマ値が0であるか否かを判定することで、今回の変動パターンに対応した特図変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS90551)。
タイマ値が0でない場合、つまり、可変表示時間が経過していない場合(ステップS90551;No)、現在が、ステップS90323で設定した画像系演出(今回の可変表示で実行すると決定した演出)の開始タイミングであるかを判定する(ステップS90552)。ここでは、当該判定を、上記のタイマ値格納領域に格納された実行タイミング特定タイマ値が、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致するか判定することにより行う。
上記のタイマ値格納領域に、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が格納されている場合には、対応する画像系演出の開始タイミングであるので(ステップS90552;Yes)、当該タイマ値に対応して当該タイマ値格納領域に格納されている演出特定データが特定する画像系演出の実行指示(実行の開始の指示)を表示制御部90123(ステップS90553)に供給する。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、演出特定データが特定する画像系演出を開始させる(これ以降、表示制御部90123は、演出制御用CPU90120とは、別個に当該画像系演出を実行する)。なお、表示制御部90123は、複数の画像系演出を並行して行うことも可能であるが、各画像系演出を異なるレイヤーで別個に実行することで、演出の実行に関する処理負担が減る。
演出の実行開始タイミングでない場合(ステップS90551;No)、ステップS90553のあとは、可変表示中処理を終了する。
ステップS90551において、タイマ値が0である場合、つまり、可変表示時間が経過した場合(ステップS90551;Yes)、主基板9011からの図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS90571;No)、可変表示中処理を終了する。
図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS90571;Yes)、最終停止図柄の導出タイミングとなったので、表示制御部90123に最終停止図柄(確定飾り図柄)の導出を指示する(ステップS90572)。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、画像表示装置905の画面上にて飾り図柄の可変表示を終了させて確定飾り図柄(可変表示結果)を導出させる。その後、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマに設定する(ステップS90573)。演出プロセスフラグの値を 「3」に更新し(ステップS90576)、可変表示中処理を終了する。
(特図当り待ち処理:ステップS90173)
特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から当り開始指定コマンドを受信しているかを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信している場合には、「大当り」が発生したことになるので、大当り中演出(ファンファーレを含む。)の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部90123に供給する。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、ファンファーレを含む大当り中演出(画像系演出)を開始させる(これ以降、表示制御部90123は、演出制御用CPU90120とは、別個に当該大当り中演出を実行する)。そして、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
一方で、当り開始指定コマンドの受信がまだないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。
(当り中処理:ステップS90174)
当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。当り中処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、本処理を終了する。当り終了指定コマンドを受信している場合、エンディングの実行指示(実行開始の指示)を表示制御部90123に供給する。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、エンディング(画像系演出)を開始させる(これ以降、表示制御部90123は、演出制御用CPU90120とは、別個に当該エンディングを実行する)。また、エンディングの演出実行時間(エンディング待ち時間)に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマに設定し、演出プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
(エンディング処理:ステップS90175)
エンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。エンディング処理において、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合には、本処理を終了する。タイマ値が「0」のときは、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。
(その他)
なお、上記一連の処理(ステップS90170〜S90175)において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、1回の可変表示等が終了したことになるので、演出制御プロセスタイマや、各種フラグの状態やカウンタの値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(音、ランプ制御処理)
演出制御用CPU90120は、受信した演出制御コマンド(演出制御コマンド解析等処理により解析、特定されたコマンド)、又は、表示制御部90123から供給される指示(画像系演出と同期した音声出力の指示、画像系演出と同期した遊技効果ランプ909の点灯/消灯の指示)に基づいて、音声制御基板9013を介してスピーカ908L、908Rから音声を出力させたり、ランプ制御基板9014を介して遊技効果ランプ909を駆動して点灯/消灯させたりする。演出制御コマンドに基づく音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯としては、例えば、図柄確定指定コマンドや始動入賞指定コマンドを受信したときに、遊技効果ランプ909を点灯させる。以上のようにして、音、ランプ制御処理にて、音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯が制御される。
(コマンドの変換について)
次に変動パターン指定コマンドの取り扱いを、図66を参照して説明する。変動パターン指定コマンドは、主基板9011から変動開始時に送信され、共通モジュール90120Aにより受信される。共通モジュール90120Aでは、受信した変動パターン指定コマンドのEXTデータが「01」又は「02」であれば、これらデータを「00」に変換する(「01」、「02」以外はコマンドの変換無し)。これにより、変動パターンPA1´−2、PA1´−3を指定する変動パターン指定コマンドは、変動パターンPA1´−1に変換される。変換無しの変動パターン指定コマンド(「8100」、「8103」〜「810A」)は、そのまま演出実行指示部90120Bに供給され、無変換なまま演出実行指示部90120Bに使用される(当該変動パターン指定コマンドに基づいて飾り図柄の可変表示等の実行指示が表示制御部90123に対してなされる)。一方、変換有りの変動パターン指定コマンド(「8101」〜「8102」)は、変換後の変動パターン指定コマンド(「8100」)として演出実行指示部90120Bに供給されて使用される(当該変動パターン指定コマンド「8100」に基づいて飾り図柄の可変表示等の実行指示が表示制御部90123に対してなされる)。このように、この実施の形態では、演出制御基板9012側で、所定のコマンド(「8101」〜「8102」)が、特定のコマンドとして扱われ、演出を実行するための処理が実行される。なお、この実施の形態では、上記特定のコマンドに基づいて実行され得る演出は、変換の有無に関わらず同じである。つまり、上記特定のコマンドは、変換の有無にかかわらず同じ扱いを受ける。
(実施形態上の効果等)
パチンコ遊技機901の開発では、主基板9011が出力する変動パターン指定コマンド(EXTデータで特定される変動パターンでもある。)を予め多めに用意する場合があり(後で追加すると変動パターンを決定するときのテーブルが煩雑になるため)、その結果、演出制御基板9012が実行可能な飾り図柄の可変表示のパターンに対して変動パターン指定コマンドが余ることがある(実際に使用される変動パターンに対してコマンドが余ることがある)。余った変動パターン指定コマンドは、使用できないため(実行する演出がないため)、当該コマンドに対して演出制御基板9012は動作できない。つまり、演出制御基板9012は、好適に動作できないことがある。この実施の形態では、演出制御基板9012が、当該余った変動パターン指定コマンド(「8101」〜「8102」)を他の変動パターン指定コマンド(「8100」)として扱って、「8100」を受信したときと同じように演出(画像系演出)の実行決定を実行決定した演出を実行するので、余ったコマンドに対して演出制御基板9012が動作できないなどの不都合が生じず、演出制御基板9012(特に、演出制御用CPU90120)は、好適に動作できる。
なお、余ったコマンドを削除することが考えられるが、当該削除に伴って、変動パターンを選択するためのテーブルの調整作業が繁雑になるので、コマンドの削除はなるべく行いたくない(開発費の増大につながる)。また、余ったコマンドを使用しないことが考えられるが、このような場合、主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)の動作チェックを第3者が行うときに、当該第3者にとっては当該余ったコマンドの役割が不明であるので、当該第3者による動作チェックが順調に進まないという不都合が生じる。この実施の形態では、余った変動パターン指定コマンド(「8101」〜「8102」)を他の変動パターン指定コマンド(「8100」)として扱うので、コマンドの削除や不使用を避けることができる。つまり、パチンコ遊技機901の構成は、開発費の増大や動作チェック時に生じ得る不都合を解消できるという優れた効果も奏する。
また、上記実施の形態のように、変換後のコマンドになり得る変動パターン指定コマンド「8100」が「8101」又は「8102」から変換されたものであるか否かの区別無く同じ処理が実行されることで、同じ種類の画像系演出(リーチ演出、予告演出、飾り図柄の可変表示)を同じ割合で実行することで、演出制御基板9012を好適に動作させることができる。
また、変換対象及び変換後のコマンドである変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」は、図58(A)に示すように、同じテーブルを参照した抽選により出力されるコマンドであるので、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」の使用のされ方、互いの関係等を容易に把握できる。
また、上記実施の形態のように、変動パターンPA1´−1の決定割合(変動パターン指定コマンド「8100」が出力される割合)は、変動パターンPA1´−1を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選(例えば、同じ処理において異なるテーブルを参照する抽選全てであってもよいし、他の処理を含む全ての抽選(例えば、同じハードウェアにより行われる抽選)であってもよい)において最も高く(例えば、図57〜図58において、変動パターンPA1´−1の決定割合は、他のいずれの変動パターンの決定割合よりも高い)、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3の決定割合(変動パターン指定コマンド「8101」又は「8102」が出力される割合)は、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選(例えば、同じ処理において異なるテーブルを参照する抽選全てであってもよいし、他の処理を含む全ての抽選(例えば、同じハードウェアにより行われる抽選)であってもよい)において最も低く(例えば、図57〜図58において、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3の決定割合は、他のいずれの変動パターンの決定割合よりも低い)してもよく、これにより、変動パターン指定コマンド「8101」又は「8102」が送信される割合を低くすることができ、例えば、「8101」又は「8102」を「8100」に変換できない誤動作等を極力抑えることができる。また、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を決定割合が高い「8100」として扱うことで、抽選における決定割合の調整を容易にすることができる。
なお、変動パターンPA1´−1の決定割合を、変動パターンPA1´−1を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選において最も高くすることと、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3の決定割合を、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選において最も低くすることのいずれか一方のみを満たすようにパチンコ遊技機901を構成してもよい。
なお、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3の決定割合をある程度高くしてもよい。例えば、これらの各決定割合を、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選(例えば、同じ処理において異なるテーブルを参照する抽選全てであってもよいし、他の処理を含む全ての抽選(例えば、同じハードウェアにより行われる抽選)であってもよい)において最も低いものでないようにしてもよい。これにより、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」がある程度の頻度で使用されるので、上記第3者による動作チェックを容易化することできる。
また、上記実施の形態のように、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を、異なるテーブルを用いた抽選それぞれで個別に出力されないコマンドである(例えば、図57〜図58参照)ようにしてもよく、これにより、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」の使用のされ方、互いの関係等を容易に把握できる。
また、上記実施形態のように、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」は、変動パターン指定コマンド全体の通番(上記実施形態では、各変動パターンに付された通番により特定できる)又は変動パターン指定コマンドが示す値(例えば、EXTデータの値)が所定範囲内(近い範囲内(特に連番))にあるか、同じカテゴリ(上記実施の形態では、非リーチ)の変動パターンを指定するグループに属している(例えば、図56参照)ようにしてもよく、これにより、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」の使用のされ方、互いの関係等を容易に把握できる。所定範囲は、例えば、2つの変動パターン指定コマンドの通番又はEXTデータの値が「10」以内などの近い範囲であればよい。カテゴリは、例えば、リーチか非リーチか、ノーマルリーチかスーパーリーチか、ハズレ時の変動パターンであるか大当り時の変動パターンであるか、などの少なくとも1つの条件により仕分けされたものであれよい(例えば、ハズレ時のノーマルリーチ、ハズレ時のスーパーリーチ、大当り時のノーマルリーチ、大当り時のスーパーリーチなどでカテゴリを構成してもよい。その他、疑似連があるか否かなどでカテゴリを構成してもよい)。
また、変動パターン指定コマンドについて、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うので、良く使用されるコマンドについて演出制御基板9012を好適に動作させることができる。
また、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換することで、コマンドの扱いの処理を容易化でき、演出制御基板9012を好適に動作させることができる。さらに、変換後の「8100」を記憶手段(変動パターン指定コマンド格納領域)に格納(保持)するので、「8101」〜「8102」を精度良く「8100」として扱えることができる(特に、変動パターン指定コマンドを複数回参照する場合に、その都度コマンドを変換した場合における、処理負担の増加、変換ミス、参照ミスを抑制できる)。また、「8100」〜「8102」について同じ特図変動時間が設定されているので、「8101」〜「8102」についてコマンドの変換があっても、特図ゲームの実行に同期した飾り図柄の可変表示やその他の演出を好適に違和感なく実行できる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記実施の形態などについて様々な変形及び応用が可能である。以下に上記実施の形態の変形例を例示するが、各変形例の少なくとも一部は矛盾が生じない限り組み合わせることができる。なお、上記実施の形態の構成や下記変形例の構成は、上記「発明が解決しようとする課題」等に係る構成であるか否かに関わらず、どの構成であっても省略できる(その場合には、別の発明となりうる)。
(変形例1)
変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する部分(共通モジュール90120AがステップS90751〜S90752を実行する部分)を主基板9011に設けてもよい。この場合、例えば、CPU90103は、変動パターンを抽選により決定して変動パターン指定コマンドを生成する(RAM90102に出力することになる)。そして、CPU90103は、ステップS90704と同様の処理を行い、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する。
また、共通モジュール90120Aを、主基板9011や演出制御基板9012とは別の基板、又は、演出制御基板9012に設けられるが演出制御用CPU90120とは別のプロセッサなどにより実現するようにしてもよい。
(変形例2)
変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を共通の他の変動パターン指定コマンド(主基板9011から出力され得る「8100」〜「810A」のいずれでもないコマンド)に変換してもよい。この場合、演出制御基板9012は、変動パターン指定コマンド「8100」に基づく処理と同様の処理を、前記他の変動パターン指定コマンドに基づいて行うとよい。
(変形例3)
演出制御基板9012は、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換せずに、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」の受信時に、変動パターン指定コマンド「8100」と同じ処理を行ってもよい。このようにして、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」として扱ってもよい。
(変形例4)
あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うコマンドの種類は、変動パターン指定コマンドに限られない。例えば、可変表示結果が多数有る場合(大当り種別が多いなど)、このコマンドは、表示結果指定コマンドであってもよい。
(変形例5)
演出の実行等の決定をする演出制御用CPU90120(演出の実行等の決定を行う部分は、DSPなどの他のプロセッサにより実現されてもよい。)から表示制御部90123にコマンド(演出実行を指定するコマンド)を出力することで、表示制御部90123に演出を実行させてもよい。この場合、演出制御用CPU90120からのコマンドについて、あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うようにしてもよい(例えば、表示制御部90123がコマンド変換等を行う)。
例えば、保留ないし実行中の特図ゲームのうちの少なくとも保留に対応する対応画像(保留表示画像やアクティブ表示画像(実行中の特図ゲームに対応する画像)のうちの少なくとも保留表示画像)の表示態様を複数回の特図ゲームに渡って変化させる変化演出を実行可能とする。当該変化演出は、先読み予告演出の一種であり、主基板9011にて行われる先読み判定(始動入賞時に、当該始動入賞により保留された特図ゲームについて、可変表示結果が「大当り」であるか、変動パターンが「スーパーリーチ」を指定したものであるかなどを判定(予測)すること)の判定結果に基づいて実行される。この場合、演出制御用CPU90120は、当該判定結果(判定結果を指定する演出制御コマンドが主基板9011から送信される)に基づいて、変化演出の実行パターン(保留表示画像の表示態様の変遷)を抽選等により一括で決定する。そして、決定した実行パターンを指定するコマンドを表示制御部90123に出力し、当該実行パターンでの変化演出を表示制御部90123に実行させる。このようなコマンドについて、あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うようにしてもよい。
例えば、図67のような実行パターン(例えば、第2保留表示画像についての変化パターンであり、第2保留表示画像がすでに3つあるときのパターン)を用意し、実行パターンSP1´−2〜SP1´−3をそれぞれ指定するコマンドB5001〜B5002を、表示制御部90123で、実行パターンSP1´−1を指定するコマンドB5000に変換し、変化演出を実行する。なお、図67の内容の部分は、ターゲットの特図ゲーム(変化演出で変化させる第2保留表示画像に対応する特図ゲーム)よりも前に実行される特図ゲームごとの第2保留表示画像の表示態様の変遷を示す。具体的には、一番左がターゲットの3つ前の特図ゲームでの表示態様、真ん中がターゲットの2つ前の特図ゲームでの表示態様、一番右がターゲットの1つ前の特図ゲームでの表示態様を示す。例えば、SP1´−6では、ターゲットの第2保留表示画像は、3つ前の特図ゲームでは通常(変化演出で変化させないときの表示態様)のままであり、2つ前の特図ゲームでは通常から特殊1(ターゲットの大当り期待度が「中」の態様)に変化し、1つ前の特図ゲームでは特殊1から特殊2(ターゲットの大当り期待度が「高」の態様)に変化する(なお、図67では、アクティブ表示画像は対象外となっている)。
このように、あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うコマンドは、先読み予告演出の実行に使用されるコマンドであってもよい。先読み予告演出は、保留表示画像を変化させるものの他、確定飾り図柄としてチャンス目等を導出するもの、1回の可変表示にて保留表示画像やアクティブ表示画像を複数回変化させるものであってもよい。先読み予告演出の実行に使用されるコマンドは、先読み判定の結果を示すコマンド等であってもよい。
先読み予告演出の実行に使用されるコマンドについて、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うので、良く使用されるコマンドについて表示制御部90123を好適に動作させることができる。また、上記実施の形態等の構成(抽選の決定割合の関係等)を適宜採用してもよい。
(変形例6)
あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うコマンドは、演出制御基板9012から他の演出制御基板に送信されるものであってもよい。また、例えば、主基板9011から払出制御基板等に出力されるコマンド(例えば、賞球の数を示すコマンド)であってもよい。
(変形例7)
識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示(単に可変表示であってもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出表示することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる(上記特殊図柄は、最終停止図柄の仮停止時などに初めて登場する飾り図柄であってもよい。)。上記遊技機は、例えば可変表示を行うものであればよい。
(変形例8)
先読み判定は、演出制御基板9012側で行っても良い。例えば、始動入賞時の各乱数値を示すコマンドを始動入賞時に主基板9011から演出制御基板9012に送信し、演出制御基板9012において先読み判定を行ってもよい。
(変形例9)
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて当該大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
(変形例10)
この発明は、スロットマシンにおける複数の制御手段間、遊技球を封入した封入式のパチンコ遊技機における複数の制御手段間にも適用可能である。
(変形例11)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(その他)
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
1 パチンコ遊技機、
9 演出表示装置
27 スピーカ
28 枠LED
56 CPU
101 演出制御用CPU
100 演出制御用マイクロコンピュータ
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
AH アクティブ表示
901 パチンコ遊技機
902 遊技盤
903 遊技機用枠
904A、904B 特別図柄表示装置
905 画像表示装置
906A 普通入賞球装置
906B 普通可変入賞球装置
907 特別可変入賞球装置
908L、908R スピーカ
909 遊技効果ランプ
9011 主基板
9012 演出制御基板
9013 音声制御基板
9014 ランプ制御基板
9015 中継基板
9020 普通図柄表示器
9021 ゲートスイッチ
9022A、9022B 始動口スイッチ
9023 カウントスイッチ
90100 遊技制御用マイクロコンピュータ
90101、90121 ROM
90102、90122 RAM
90103 CPU
90104、90124 乱数回路
90105、90125 I/O
90120 演出制御用CPU
90123 表示制御部

Claims (1)

  1. 遊技が可能な遊技機であって、
    遊技に関する演出を実行可能な演出実行手段と、
    遊技者の動作に基づいて、演出に関する設定を行う設定手段と、
    を備え、
    前記演出実行手段は、
    第1期間において、第1の進行速度にて演出を実行可能であり、
    前記第1期間の後の第2期間において、前記第1の進行速度にて実行した演出を前記第1の進行速度と異なる第2の進行速度にて実行可能であり、
    前記設定手段における設定に関する速度は、前記第1期間と前記第2期間とで変わらず、
    さらに、
    抽選に基づくコマンドを出力する第1制御手段と、
    前記第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理を実行する第2制御手段と、を備え、
    前記第2制御手段は、
    前記第1制御手段が出力したコマンドを受信し、受信したコマンドを出力する出力部と、
    前記出力部が出力したコマンドに基づいて処理を実行する処理部と、を備え、
    前記第1制御手段が出力するコマンドは、第1コマンドと、該第1コマンドと異なる第2コマンドと、を含み、
    前記出力部は、
    受信したコマンドが前記第1コマンドのとき、該第1コマンドを出力し、
    受信したコマンドが前記第2コマンドのとき、該第2コマンドを前記第1コマンドに変換して出力する、
    遊技機。
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