JP6721883B2 - 強化繊維及び樹脂を含む複合材料からなる中間基材及び成形体並びに当該成形体の製造方法 - Google Patents

強化繊維及び樹脂を含む複合材料からなる中間基材及び成形体並びに当該成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、強化繊維及び樹脂を含む複合材料からなる中間基材及び成形体並びに当該成形体の製造方法に関する。
当該技術分野においては、例えば、軽量であり且つ高い機械的強度を有する材料として、母材(マトリックス)としての樹脂と炭素繊維(CF:Carbon Fiber)との複合材料である炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)等の炭素繊維強化樹脂複合材料を始めとする「強化繊維及び樹脂を含む複合材料」(以降、「繊維強化樹脂複合材料」と称呼される場合がある。)の開発が盛んに行われている。母材としての樹脂中にCF等の強化繊維を混入させて複合材料とすることにより、当該複合材料の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を向上させることができる。
しかしながら、従来の炭素繊維強化樹脂複合材料においては、樹脂とCFとの界面における密着が不十分であり、ナノメートル(nm)レベルの隙間が生じがちであった。このため、図1に示すように、当該複合材料10からなる製品に応力が作用すると樹脂20とCF30との界面において剥離が生じ、当該剥離が亀裂に発展して、複合材料としての機能を充分に発揮することができない場合があった。
そこで、母材からのCFの剥離を低減して上記のような課題を解決すべく、図2に示すように、カーボンナノチューブ(CNT:Carbon NanoTube)41を含む構造体(ネットワーク構造)を樹脂20とCF30との界面に配することにより、樹脂20とCF30との密着性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。CFとCNTとは何れも炭素からなるため互いに親和性(濡れ性)が良く、また共有π結合を介してCFの表面にCNTが結合するアンカー効果により、CFと樹脂との密着性が向上し、また、CFの繊維軸に直交する方向におけるCFと樹脂との滑りも抑制することができる。その結果、CFと樹脂との間の層間剥離を抑制することができ、曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を向上することができる。
特許文献1に記載された発明においては、互いに直接接続されたCNTのネットワーク構造がCFに直接的に接続されている付着部以外にも、結着部材を介してCFとCNTとが物理的に結合され、CFとCNTとの結合が補強されている。しかしながら、そもそもCNTと樹脂(特に、CFRPにおいて多用されるエポキシ樹脂)との親和性(濡れ性)は低く、CNTと樹脂とは密着し難い。更に、CNTのネットワーク構造の内部の空気は真空引きによっても抜け難く、CNTのネットワーク構造の凹凸の内部にまで樹脂を含浸させることは困難である。
また、CNTのネットワーク構造の凹凸の内部にまで樹脂が一旦入り込んでも、例えば熱硬化性樹脂の硬化等に伴う樹脂の収縮により、周辺の樹脂によって樹脂が凹凸から引き出され、CNTのネットワーク構造の内部の空隙が大きくなるという問題もある。加えて、CNTのネットワーク構造自体が硬く脆いため、図3に示すように、当該複合材料10からなる製品に応力が作用すると樹脂20とCF30との界面において剥離が生じ、当該剥離が亀裂に発展する場合があった。
一方、当該技術分野においては、例えば王水等の強酸を使用する表面処理等によりCNT自体に官能基を修飾する化学的修飾法が知られているが、このような過酷な表面処理はCNTの構造にダメージを与え、構造上の欠陥を生ずるという問題があり、工業的な実用化は困難である。
そこで、当該技術分野においては、官能基によって修飾されたナノセルロース(NCe:NanoCellulose)とナノカーボン(NC:NanoCarbon)とを母材としての樹脂に含有させることによりCFRPとしての機械的強度を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。当該技術によれば、樹脂に対する高い親和性を有する官能基によって修飾されたNCeと、CFに対する高い親和性を有するNCとを混合して得られる複合体を樹脂に含有させることにより、当該複合体を介して樹脂とCFとの密着性を高めると共にNCの凝集を低減し、結果としてCFRPの機械的強度を安定的且つ均一的に増大させることができる。
更に、上記複合体におけるNCeとNCとの物理的結合(絡み付き)に起因する柔軟性により、CFRPの衝撃強度を高めると共に、CFRPを金属及び/又は他の樹脂等の異種材料と接合した場合における線膨張係数の違いに起因する変形及び/又は寸法変化を良好に緩和することができる。
ところで、CFRPの技術分野においては、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂のプレポリマーをCF等の強化繊維に含浸させることによって得られる中間基材であるプリプレグが多用されている。プレポリマーは最終的な樹脂として硬化される前の段階にあるため粘度が低く、強化繊維に容易に含浸させることができる。しかしながら、一般に、プレポリマーを硬化させて最終的な樹脂とするには長い時間を要するため、熱硬化性樹脂からなる成形体の生産効率は、熱可塑性樹脂からなる成形体の生産効率に比べて低い。
上記のような背景から、昨今では、例えば炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP:Carbon Fiber Reinforced ThermoPlastic)等、熱可塑性樹脂を母材として含む「強化繊維及び熱可塑性樹脂を含む複合材料」の開発が盛んに行われている。CFRTPは、熱可塑性樹脂を母材として採用することにより、熱硬化性樹脂を母材として含む複合材料に比べて、成形に要する時間が短く、成形体の生産効率が高い。
上記のように母材としての熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む複合材料においても、上述したようなNCeとNCとの複合体を添加することにより、当該複合体を介して強化繊維と樹脂との密着性を高め、当該複合材料からなる成形体の機械的強度を安定的且つ均一的に増大させることができる。しかしながら、熱可塑性樹脂は熔融時においても粘度が高く、上記複合体を母材に均一に分散させることは困難である。その結果、例えばCF等の強化繊維と母材としての樹脂との界面における強化繊維と樹脂との密着性の向上に十分に寄与することができず、成形体の機械的強度を十分に向上させることは困難である。
以上のように、当該技術分野においては、高い生産効率を維持しつつ、繊維強化樹脂複合材料からなる成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる技術が求められている。
特開2016−190969号公報 特開2017−110114号公報
上述したように、当該技術分野においては、高い生産効率を維持しつつ、繊維強化樹脂複合材料からなる成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる技術が要求されている。
上記課題に鑑み、本発明者は、鋭意研究の結果、熱硬化性樹脂のプレポリマーとナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体とを含む部分と、熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む部分と、を含む中間基材から成形体を製造することにより、上記要求に応えることができることを見出した。
そこで、本発明に係る中間基材(以降、「本発明基材」と称呼される場合がある。)は、熱硬化性樹脂のプレポリマーである第1母材とナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体とを含む第1材料からなる第1部分と、熱可塑性樹脂である第2母材と強化繊維とを含む第2材料からなる第2部分と、を含む中間基材である。前記ナノセルロース(NCe)は官能基によって修飾されていてもよい。
好ましくは、前記ナノセルロース(NCe)はセルロースナノファイバ(CeNF)であり、前記ナノカーボン(NC)はカーボンナノチューブ(CNT)であり、前記複合体は、前記セルロースナノファイバ(CeNF)が前記カーボンナノチューブ(CNT)の表面に絡み付いた錯綜体である。
強化繊維、第1母材、及び第2母材として選択される材料、本発明基材における複合体の配置、第2部分における強化繊維の配置、並びに本発明基材における第1部分と第2部分との配置等、本発明基材の詳細については、本発明の種々の実施形態に関する説明において詳細に述べる。
更に、本発明に係る成形体(以降、「本発明成形体」と称呼される場合がある。)は、樹脂と、強化繊維と、ナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体と、を含む複合材料によって形成されており、前記樹脂は、熱硬化性樹脂である第1樹脂と熱可塑性樹脂である第2樹脂とを含む、成形体である。典型的には、本発明成形体は、上述した本発明基材から製造される。加えて、本発明に係る成形体の製造方法(以降、「本発明方法」と称呼される場合がある。)は、上述した本発明成形体の製造方法である。具体的には、本発明方法は、上述した本発明基材を前記第2母材の融点以上の所定の温度に加熱すること、及び前記中間基材を前記所定の温度において所定の圧力によって加圧すること、を含む、成形体の製造方法である。
上記のように、本発明基材は、熱硬化性樹脂のプレポリマーとナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体とを含む部分と、熱可塑性樹脂と強化繊維とを含む部分と、を含む中間基材である。プレポリマーは最終的な樹脂として硬化される前の段階にあるため粘度が低く、本発明基材を加熱及び加圧して所望の形状を有する成形体を製造する過程において、熔融状態にある熱可塑性樹脂中に上記複合体と共に容易に混入することができる。従って、成形体を構成する母材中に上記複合体を容易に分散させ、上記複合体を強化繊維の近傍に到達させることができる。その結果、成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる。
また、本発明基材の母材は熱硬化性樹脂のプレポリマー及び熱可塑性樹脂によって構成されている。即ち、熱硬化性樹脂のプレポリマーは本発明基材の母材の一部に過ぎないため、熱硬化性樹脂のみを母材として含む従来技術に係る複合材料からなる中間基材に比べて、より速くプレポリマーを硬化させることができるので、成形に要する時間が短く、成形体の生産効率が高い。
以上のように、本発明によれば、高い生産効率を維持しつつ、繊維強化樹脂複合材料からなる成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
従来技術に係る複合材料からなる製品に応力が作用した場合に樹脂と炭素繊維との界面において剥離が生じて亀裂に発展する様子を示す模式図である。 カーボンナノチューブを含む構造体を樹脂と炭素繊維との界面に配することにより樹脂と炭素繊維との密着性を向上させる従来技術を説明する模式図である。 図2に示した従来技術に係る複合材料からなる製品に応力が作用した場合に樹脂と炭素繊維との界面において剥離が生じて亀裂に発展する様子を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る中間基材(第1基材)の第1部分の構成の1つの例を示す模式図である。 第1基材の第1部分の構成のもう1つの例を示す模式図である。 第1基材の第2部分の構成の1つの例を示す模式図である。 第1基材の第2部分の構成のもう1つの例を示す模式図である。 図7に示した第2部分の模式的な斜視図である。 第1基材の構成の幾つかの例を示す模式図である。 第1基材の構成のもう1つの例を示す模式図である。 複合体としての錯綜体の構造を示す模式図である。 本発明基材から本発明成形体を製造する過程を示す模式図である。 本発明基材から本発明成形体を製造する過程における本発明基材の第1部分と第2部分との混ざり合いの程度の違いを示す模式図である。 本発明の変形例においてシート状の第1部分及び第2部分からなる積層体として構成された本発明基材に異なる材料からなる追加層を更に積層する過程を示す模式図である。 本発明に係る成形体の製造方法の1つの例を示す模式図である。 本発明に係る成形体の製造方法のもう1つの例を示す模式図である。 本発明に係る成形体の製造方法の更にもう1つの例を示す模式図である。
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る中間基材(以降、「第1基材」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第1基材は、熱硬化性樹脂のプレポリマーである第1母材とナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体とを含む第1材料からなる第1部分と、熱可塑性樹脂である第2母材と強化繊維とを含む第2材料からなる第2部分と、を含む中間基材である。
第1母材は、例えば、第1基材から製造される成形体の用途及び製造条件等に応じて、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)及びガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等の種々の繊維強化樹脂複合材料における母材として使用される熱硬化性樹脂を始めとする多種多様な熱硬化性樹脂のプレポリマーの中から適宜選択することができる。第1母材の具体例については後に詳しく説明する。
ナノセルロース(NCe)としては、例えば、α−セルロース等の市販のセルロースを採用することができる。或いは、例えばTEMPO酸化等の手法によりセルロースをナノファイバ化することによって得られるミクロフィブリル等をNCeとして採用してもよい。好ましくは、NCeは、セルロースナノファイバ(CeNF:Cellulose NanoFiber)である。
NCeの直径は1nm乃至800nm程度、平均長さは100nm乃至1000μm程度であることが望ましい。入手したセルロースの直径及び/又は長さが過大である場合は、例えばミル及びアトライタ等の微細化処理装置(粉砕機)を用いて微細化することができる。ミルの具体例としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、及びブレードミル等を挙げることができる。
ナノカーボン(NC)としては、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン、グラフェン、酸化グラフェン、カーボンブラック、及び活性炭、並びにこれらの混合物を採用することができる。NCは、好ましくはカーボンナノチューブ(CNT)であり、より好ましくは節状カーボンナノチューブ(節状又は釣鐘状の構造が複数連結しているカーボンナノチューブ)である。NCの平均直径は1nm乃至1μm程度であり、平均長さは1nm乃至100μm程度であることが望ましく、より好ましくは平均長さが1nm乃至1μm程度)である。
上記複合体は、ナノセルロース(NCe)とナノカーボン(NC)とを上述したような微細化処理装置によって混合することによって得ることができる。NCeとNCとの接続形態は特に限定されないが、例えば、NCeが有する官能基とNCの表面に存在する官能基との反応によって生成される結合及びNCeとNCとの物理的な絡み付き等を挙げることができる。
第1部分の構成は、上記のような第1母材と複合体とを含む第1材料からなる限り、特に限定されない。具体的には、第1部分は、例えば、熱硬化性樹脂の原料(例えば、モノマー等)を上記複合体に含浸させた後に半硬化状態とすることによって得られるプリプレグであってもよい。或いは、例えば図4に示すように、第1部分110は、熱硬化性樹脂の原料の中に上記複合体112を分散させた後に当該原料を半硬化状態のプレポリマー(第1母材111)としたものであってもよい。尚、図4において、複合体112は黒い点及び曲線によって表されている。或いは、例えば図5に示すように、第1部分110は、半硬化状態にある熱硬化性樹脂の原料(第1母材111)の表面が上記複合体112によって被覆されたものであってもよい。尚、図5において、複合体112は第1母材111よりも濃い色を有する層として表されている。
第2母材は、例えば、第1基材から製造される成形体の用途及び製造条件等に応じて、例えば炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)及びガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)等の種々の繊維強化樹脂複合材料における母材として使用される熱可塑性樹脂を始めとする多種多様な熱可塑性樹脂の中から適宜選択することができる。第2母材の具体例については後に詳しく説明する。
強化繊維は、例えば、第1基材から製造される成形体の用途及び製造条件等に応じて、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)及びガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)等の種々の繊維強化樹脂複合材料における強化繊維として使用される種々の強化繊維から適宜選択することができる。強化繊維の具体例については後に詳しく説明する。
第2部分の構成は、上記のような第2母材と強化繊維とを含む第2材料からなる限り、特に限定されない。具体的には、第2部分は、例えば、熔融状態にある熱可塑性樹脂を強化繊維に含浸させた後に冷却・固化させて熱可塑性樹脂と強化繊維とを一体化したものであってもよい。或いは、第2部分は、例えば、熱可塑性樹脂の粉末、繊維又はシートと強化繊維との混合物であってもよい。或いは、第2部分は、例えば、熱可塑性樹脂の粉末、繊維又はシート等と強化繊維との混合物を加熱して熱可塑性樹脂を熔解させた後に冷却・固化させて熱可塑性樹脂と強化繊維とを一体化したものであってもよい。
図6及び図7は、第1基材の第2部分の構成を例示する模式図である。図6は、熱可塑性樹脂である第2母材121の中に強化繊維122が分散された一体物として構成された第2部分120を示している。一方、図7は、熱可塑性樹脂である第2母材121からなる繊維(母材繊維)と強化繊維122との混合物として構成された第2部分120を示している。尚、図6及び図7においては、全ての繊維が同じ方向を向いているかのように描かれているが、必ずしも全ての繊維が同じ方向を向いている必要は無い。
尚、第1材料及び/又は第2材料は、上述した各種構成要素に加えて、親和性結合剤を更に含んでもよい。親和性結合剤は、上述した各種構成要素の間の親和性を高める機能を有するものであれば特に限定されない。例えば、NCeとNCとの間の親和性を高める機能を有する親和性結合剤の具体例としては、例えば、リグニン、アミロース、及びアミロペクチン等を挙げることができる。また、第1材料は、必要に応じて、例えば重合及び/又は架橋等により第1母材としてのプレポリマーを更に硬化させるための硬化剤等を更に含んでもよい。
例えば、図9の(a)は、図4に示したシート状の第1部分110と図6に示したシート状の第2部分120との積層体として構成された第1基材100の構成を示す模式図である。また、図9の(b)は、図6に示したシート状の第2部分120の対によって図4に示したシート状の第1部分110が挟まれているサンドイッチ状の積層体として構成された第1基材100の構成を示す模式図である。更に、図9の(c)は、第2母材とは異なる熱可塑性樹脂である第3母材と強化繊維とを含む第3材料からなる第3部分130と図6に示したシート状の第2部分120とによって図4に示したシート状の第1部分110が挟まれているサンドイッチ状の積層体として構成された第1基材100の構成を示す模式図である。
尚、図9においては、上記のように、シート状の第1部分110及び第2部分120(及び第3部分130)の積層体として第1基材100が描かれている。しかしながら、第1基材100は必ずしも積層体に限定されるものではなく、第1部分110及び第2部分120(及び第3部分130)もまた必ずしもシート状の形状に限定されるものではない。また、第2部分120における第2母材121と強化繊維122との混合形態もまた特に限定されず、例えば図6に示した第2部分120のように第2母材121としての熱可塑性樹脂の中に強化繊維122が分散されていてもよい。
或いは、第2部分120(及び第3部分130)は、図7及び図8に示した第2部分120のように第2母材121としての熱可塑性樹脂の繊維と強化繊維122とが混繊された混合繊維(例えば、コミングルヤーン)であってもよい。このような混合繊維として構成された第2部分を有する第1基材の構成の一例を図10に示す。図10に示す例における第1基材100は、混合繊維として構成された第2部分120によって挟まれた第1部分110を含む。
一方、図9において描かれた第1部分110は、図4に示したように、第1母材111である熱硬化性樹脂のプレポリマーの中に複合体112が分散された一体物として描かれている。しかしながら、第1部分110は、図5に示したように、第1母材111である熱硬化性樹脂のプレポリマーの表面が複合体112によって被覆されたものであってもよい。
〈効果〉
上記のように、第1基材は、熱硬化性樹脂のプレポリマーである第1母材とナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体とを含む第1材料からなる第1部分と、熱可塑性樹脂である第2母材と強化繊維とを含む第2材料からなる第2部分と、を含む。例えば、図9の(a)は、図4に示したシート状の第1部分110と図6に示したシート状の第2部分120との積層体として構成された第1基材100の構成を示す模式図である。また、図9の(b)は、一対の図6に示したシート状の第2部分120によって図4に示したシート状の第1部分110が挟まれているサンドイッチ状の積層体として構成された第1基材100の構成を示す模式図である。更に、図9の(c)は、第2母材とは異なる熱可塑性樹脂である第3母材と強化繊維とを含む第3材料からなる第3部分130と図6に示したシート状の第2部分120とによって図4に示したシート状の第1部分110が挟まれているサンドイッチ状の積層体として構成された第1基材100の構成を示す模式図である。第1基材の構成は上記に限定されず、上述した構成を更に組み合わせてもよい。
第1母材としての熱硬化性樹脂のプレポリマーは最終的な樹脂として硬化される前の段階にあるため粘度が低く、第1基材を加熱及び加圧して所望の形状を有する成形体を製造する過程において、熔融状態にある熱可塑性樹脂中に上記複合体と共に容易に混入することができる。従って、成形体を構成する母材中に上記複合体を容易に分散させ、上記複合体を強化繊維の近傍に到達させることができる。その結果、成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる。
また、第1基材の母材は熱硬化性樹脂のプレポリマー及び熱可塑性樹脂によって構成されている。即ち、熱硬化性樹脂のプレポリマーは第1基材の母材の一部に過ぎないため、熱可塑性樹脂のみを母材として含む従来技術に係る複合材料からなる中間基材に比べて、より速くプレポリマーを硬化させることができるので、成形に要する時間が短く、成形体の生産効率が高い。
更に、第1基材から製造される成形体においては熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とが母材として混在することから、これらの異なる種類の樹脂の複合に起因して、例えば、母材の柔軟性が高まり、成形体としての衝撃強度及び柔軟性等が高まる。加えて、第1基材から製造される成形体においては母材中にナノカーボン(NC)が分散されることから、例えば成形体の機械的強度の増大等の効果を達成することができる。
以上のように、第1基材によれば、高い生産効率を維持しつつ、繊維強化樹脂複合材料からなる成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る中間基材(以降、「第2基材」と称呼される場合がある。)について説明する。
例えば、第1母材としてエポキシ樹脂を、第2母材としてポリアミド樹脂を、及び強化繊維として炭素繊維(CF)をそれぞれ採用する場合、前述したように、樹脂とCFとの界面における密着が不十分である。しかしながら、NCeが分子構造中に有するヒドロキシル基によりNCeと樹脂との密着性が高まり、複合体と樹脂との密着性が高まる。一方、CF及びNCは何れも炭素からなり互いに対して高い親和性を有する。従って、CFとNCとの密着性が高まり、複合体とCFとの密着性が高まる。即ち、本発明基材によれば、上記複合体を介して、CFと母材樹脂との良好な密着性が達成される。
ところが、例えば、第1母材及び/又は第2母材として高い疎水性を有する熱硬化性樹脂のプレポリマー及び/又は熱可塑性樹脂を採用した場合、NCeと樹脂との密着性が低く、上記複合体を介してCFと母材樹脂との良好な密着性を達成することが困難となる虞がある。また、例えばガラス繊維及び樹脂繊維等、CF以外の強化繊維を採用した場合、当該強化繊維を構成する材料の特性によっては、上記複合体を介して強化繊維と母材としての樹脂との良好な密着性を達成することが困難となる虞がある。
〈構成〉
そこで、第2基材は、上述した第1基材であって、前記ナノセルロース(NCe)は官能基によって修飾されている、中間基材である。
NCeを修飾する官能基としては、第1母材に対する高い親和性を有する官能基が好ましい。具体的には、高い親水性を有する熱硬化性樹脂のプレポリマーが第1母材として採用される場合、上記官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アルコール基、(第1級、第2級、第3級、及び第4級のアミノ基を含む)アミノ基、カルボキシル基、及びカルボニル基等の親水性基を挙げることができる。逆に、高い疎水性を有する熱硬化性樹脂のプレポリマーが第1母材として採用される場合、上記官能基としては、例えば、アルキル基(特に、長鎖アルキル基)及びアリール基等の疎水性基を挙げることができる。
更に、上記官能基は、第1基材から製造される成形体の特性に何らかの悪影響を及ぼさない限り、第1母材との反応により第1母材を構成する分子及び/又は第1母材を硬化させることによって得られる熱硬化性樹脂を構成する分子との共有結合を生成することができる官能基であってもよい。このような官能基の具体例としては、例えば、シリコーン樹脂との間にシロキサン結合を生成することができるアルコキシシリル基等を挙げることができる。NCeは、このような官能基のうち異なる2種以上の官能基によって修飾されていてもよい。
上記に加えて、NCeは、第2母材として採用される熱可塑性樹脂に対する高い親和性を有する官能基によって更に修飾されていてもよい。具体的には、高い親水性を有する熱可塑性樹脂が第2母材として採用される場合、上記官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アルコール基、(第1級、第2級、第3級、及び第4級のアミノ基を含む)アミノ基、カルボキシル基、及びカルボニル基等の親水性基を挙げることができる。逆に、高い疎水性を有する熱可塑性樹脂が第2母材として採用される場合、上記官能基としては、例えば、アルキル基(特に、長鎖アルキル基)及びアリール基等の疎水性基を挙げることができる。
更に、上記官能基は、第1基材から製造される成形体の特性に何らかの悪影響を及ぼさない限り、第1基材から成形体が製造される過程において、第2母材との反応により第2母材としての熱硬化性樹脂を構成する分子との共有結合を生成することができる官能基であってもよい。NCeは、このような官能基のうち異なる2種以上の官能基によって修飾されていてもよい。
異なる2種以上の官能基によってNCeが修飾されている場合、これらの異なる2種以上の官能基によって修飾された1種類のNCeを使用してもよく、或いは、これらの異なる2種以上の官能基の何れか1種類のみによって修飾された2種以上のNCeを使用してもよい。
〈効果〉
ナノセルロース(NCe)は分子構造中にヒドロキシル基(OH基)を有するので、例えばカルボニル基及びヒドロキシル基等の極性の高い官能基を分子構造中に有する母材に対しては比較的良好な親和性を呈する。しかしながら、上述したように、多種多様な材料が第1母材、第2母材及び強化繊維として採用され得る。そこで、これらの材料に対する高い親和性を有する官能基によってNCeを修飾することにより、これらの材料とNCeとの密着性を高めることができる。その結果、上記複合体を介して、これらの材料同士の良好な密着性が達成される。
しかも、前述したようなCNTへの過酷な表面処理を行うのではなく、第1母材、第2母材及び/又は強化繊維に対する高い親和性を有する官能基によってNCeを修飾するので、CNTの構造にダメージを与えること無く、第2基材を構成する材料同士の良好な密着性を達成することができる。
更に、第1母材に対する高い親和性を有する官能基によってNCeを修飾する場合、複合体を構成するNCの間への第1母材の含浸が促進されるので、第1母材とNCとの界面における隙間の発生を低減することができる(高いアンカー効果)。加えて、一般的にNCeはNCよりも柔軟であるため、複合体においてNCeがナノメートル(nm)レベルの緩衝材(クッション)としても機能することができる。これらにより、第2基材から製造される成形体における層間剥離を抑制することができるので、当該成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を向上させることができる。
以上のように、第2基材によれば、高い生産効率を維持しつつ、繊維強化樹脂複合材料からなる成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度をより効果的に向上させることができる。
《第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係る中間基材(以降、「第3基材」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第3基材は、上述した第1基材又は第2基材であって、前記ナノセルロース(NCe)はセルロースナノファイバ(CeNF)であり、前記ナノカーボン(NC)はカーボンナノチューブ(CNT)であり、前記複合体は、前記セルロースナノファイバ(CeNF)が前記カーボンナノチューブ(CNT)の表面に絡み付いた錯綜体である、中間基材である。
図11は、上記錯綜体の構造を示す模式図である。図11に示すように、第3基材の第1部分を構成する複合体112である錯綜体112aにおいては、複数のCeNF113がCNT114の表面に絡み付いている。このような錯綜体112aもまた、上述したように、例えばミル及びアトライタ等の微細化処理装置によってCeNFとCNTとを混合することによって得ることができる。
〈効果〉
上記のようにCeNFが絡み付いてCNTの表面を覆うことにより、CNT同士の凝集の原因である分子間力が低減され、第1部分におけるCNTの分散性が高まり、その結果として第3基材から製造される成形体におけるCNTの分散性が高まる。これにより、上述したように複合体を介して第1母材、第2母材及び強化繊維の間の密着性を高める効果を良好に発揮することができる。
尚、CeNFによるCNTの被覆率には自ずと上限があり、CNTの全表面をCeNFによって覆い尽くすことは困難である。しかしながら、CeNFによってCNTの表面を過剰に覆ってしまうと炭素繊維(CF)とCNTとの結合が妨げられる。従って、CeNFとCNTとの配合比には適正値が存在する。この適正値は、例えば、様々な配合比にてCeNFとCNTとを配合して錯綜体(複合体)を調製し、それぞれの錯綜体を用いて調製された複合材料の機械的強度等を測定する事前実験等によって確かめることができる。
また、CeNFがCNTの表面に物理的に絡み付いている部分においては、第3基材から製造される成形体に応力が作用した場合、母材と密着しているCeNFがCNTの表面を滑り、衝撃を吸収することができる。これにより、CeNFを伴わずにCNTのみをバインダとした場合に比べて、当該成形体はより高い柔軟性及び耐衝撃性を発揮することができる。
以上のように、第2材料によれば、第1材料と同様に、CFRP及びCFRTP等の炭素繊維強化樹脂複合材料の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる。これに加えて、第2材料によれば、上述した錯綜体の構造上の特徴により、母材樹脂とCFとの密着性が高く、優れた耐衝撃性を有する複合材料成形体を製造することができる。
《第4実施形態》
以下、本発明の第4実施形態に係る中間基材(以降、「第4基材」と称呼される場合がある。)について説明する。上述したように、本発明基材の第2部分を構成する強化繊維は、例えば、本発明基材から製造される成形体の用途及び製造条件等に応じて、繊維強化樹脂複合材料における強化繊維として使用される種々の強化繊維から適宜選択することができる。このような強化繊維の中でも、炭素繊維(CF)、ガラス繊維(GF)、及び用途に照らして十分な強度を有する樹脂繊維(RF)が特に好ましい。
〈構成〉
そこで、第4基材は、上述した第1基材乃至第3基材の何れかに該当する中間基材であって、前記強化繊維は、炭素繊維(CF)、ガラス繊維(GF)、並びにポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、及びポリアミドイミド繊維を含む樹脂繊維(RF)からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維である、中間基材である。
CFとしては、例えば、アクリル繊維を原料とするPAN(PolyAcryloNitrile)系炭素繊維及びピッチを原料とするピッチ(PITCH)系炭素繊維の中から、例えば第4基材から製造される成形体の用途等に応じて、好適な太さ、長さ、及び強度等を有するものを適宜選択することができる。GF及びRFについても、例えば第4基材から製造される成形体の用途等に応じて、当該技術分野において強化繊維として広く使用されているものの中から適宜選択することができる。
〈効果〉
第4基材の第2部分に含まれる強化繊維は、上述したように、当該技術分野において強化繊維として広く使用されているものの中から適宜選択することができる。従って、例えば第4基材から製造される成形体の用途等に応じて、好適な太さ、長さ、及び強度等を有する強化繊維を適宜選択することができる。即ち、コストの過剰な増大を招くこと無く、第4基材から製造される成形体の特性(例えば、機械的強度等)を高い自由度にて設計することができる。
尚、強化繊維の選択に当たっては、例えば、第4基材から製造される成形体において母材となる第1母材に由来する熱硬化樹脂及び第2母材に由来する熱可塑性樹脂との親和性の高い強化繊維を選択することが望ましい。或いは、上記成形体における母材に対する強化繊維の親和性が低い場合は、複合体を構成するナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)の何れか一方又は両方の当該強化繊維及び母材に対する親和性が高くなるように構成することが望ましい。
《第5実施形態》
以下、本発明の第5実施形態に係る中間基材(以降、「第5基材」と称呼される場合がある。)について説明する。上述したように、本発明基材の第1部分を構成する第1母材は、例えば、本発明基材から製造される成形体の用途及び製造条件等に応じて、繊維強化樹脂複合材料における母材として使用される熱硬化性樹脂を始めとする多種多様な熱硬化性樹脂のプレポリマーの中から適宜選択することができる。また、本発明基材の第2部分を構成する第2母材もまた、例えば、第1基材から製造される成形体の用途及び製造条件等に応じて、繊維強化樹脂複合材料における母材として使用される熱可塑性樹脂を始めとする多種多様な熱可塑性樹脂の中から適宜選択することができる。
〈構成〉
そこで、第5基材においては、第1母材及び第2母材として選択され得る種々の材料を具体的に規定する。第5基材は、上述した第1基材乃至第4基材の何れかに該当する中間基材である。
第5基材において、前記第1母材は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂のプレポリマーである。また、前記第2母材は、当該技術分野において広く使用されている種々の汎用プラスチック、種々の汎用エンジニアリングプラスチック、及び種々のスーパーエンジニアリングプラスチックからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂である。
汎用プラスチックの具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂及びポリプロピレン(PP)樹脂を含むポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂を含むスチレン系樹脂等を挙げることができる。また、汎用エンジニアリングプラスチックの具体例としては、例えば、ポリアミド(PA)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及びポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂を含むポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂等を挙げることができる。更に、スーパーエンジニアリングプラスチックの具体例としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリスルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂等を挙げることができる。
〈効果〉
第5基材における第1母材及び第2母材は、上記のように当該技術分野において広く流通している周知の材料の中から適宜選択することができる。従って、例えば第5基材から製造される成形体の用途等に応じて、好適な性質(例えば、機械的強度、耐熱性、耐久性及び審美性等)を有する材料を適宜選択することができる。即ち、コストの過剰な増大を招くこと無く、第5基材から製造される成形体の特性(例えば、機械的強度等)を高い自由度にて設計することができる。
尚、一般的には、例えば、第5基材から製造される成形体において母材となる第1母材に由来する熱硬化樹脂と第2母材に由来する熱可塑性樹脂との親和性が高くなるように、第1母材及び第2母材を選択することが望ましい。しかしながら、例えば、第5基材から製造される成形体に求められる特性を達成し得る限り、これらの樹脂同士の親和性は必ずしも高くなくてもよい場合もあり得る。尚、上記成形体において高い機械的強度を達成する観点からは、強化繊維に対する高い親和性を有する第1母材及び第2母材を選択することが望ましい。この場合もまた、上記成形体における強化繊維に対する母材の親和性が低い場合は、複合体を構成するナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)の何れか一方又は両方の当該強化繊維及び母材に対する親和性が高くなるように構成することが望ましい。
《第6実施形態》
以下、本発明の第6実施形態に係る中間基材(以降、「第6基材」と称呼される場合がある。)について説明する。第1母材と複合体とを含む第1部分は、例えば図5を参照しながら上述したように、半硬化状態にある熱硬化性樹脂のプレポリマーである第1母材の表面が複合体によって被覆されたものであってもよい。この場合、本発明基材は第1部分と熱可塑性樹脂である第2母材及び強化繊維を含む第2材料からなる第2部分とを含むことから、ナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体は主として第1部分と第2部分との界面に存在することとなる。
〈構成〉
そこで、第6基材は、上述した第1基材乃至第5基材の何れかに該当する中間基材であって、少なくとも前記第1部分と前記第2部分との界面の一部に前記複合体が配設されている、中間基材である。
〈効果〉
上記のように第1部分と第2部分との界面に配設された複合体も、第6基材を加熱及び加圧して所望の形状を有する成形体を製造する過程において、熱硬化性樹脂のプレポリマーである第1母材が熔融状態にある第2母材(熱可塑性樹脂)中に混入するときに第1母材と共に第2母材の中に混入することができる。
従って、第6基材によれば、成形体を構成する母材中に上記複合体を容易に分散させ、上記複合体を強化繊維の近傍に到達させることができる。その結果、成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる。
《第7実施形態》
以下、本発明の第7実施形態に係る中間基材(以降、「第7基材」と称呼される場合がある。)について説明する。上記のように、第6基材においてはナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体が少なくとも第1部分と第2部分との界面の一部に配設されている。この複合体は、第6基材を加熱及び加圧して所望の形状を有する成形体を製造する過程において、熱硬化性樹脂のプレポリマーである第1母材が熔融状態にある第2母材(熱可塑性樹脂)中に混入するときに第1母材と共に第2母材の中に混入することができる。しかしながら、上記複合体の少なくとも一部は高い粘度を有する第2母材中に直接(複合体単独で)混入することとなるため、第2母材の中に均一に分散することは困難である。
ところで、例えば図4を参照しながら上述したように、第1母材と複合体とを含む第1材料からなる第1部分は、熱硬化性樹脂の原料の中に複合体を分散させた後に当該原料を半硬化状態のプレポリマー(第1母材)としたものであってもよい。この場合、ナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体は主として第1部分において第1母材の中に存在する(分散される)こととなる。
〈構成〉
そこで、第7基材は、上述した第1基材乃至第6基材の何れかに該当する中間基材であって、前記第1部分において前記第1母材の中に前記複合体が分散されている、中間基材である。
〈効果〉
上記のように第7基材においては第1母材の中に複合体が分散されている。このように第1母材の中に分散された複合体は、第7基材を加熱及び加圧して所望の形状を有する成形体を製造する過程において、高い粘度を有する第2母材に直接(複合体単独で)混入するのではなく、低い粘度を有する第1母材(熱硬化性樹脂のプレポリマー)と共に第2母材の中に混入する。その結果、複合体同士の凝集が低減されるので、第2母材の中に複合体を均一に分散させることが容易である。
従って、第7基材によれば、成形体を構成する母材中に上記複合体をより容易に分散させ、上記複合体を強化繊維の近傍に到達させることができる。その結果、成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる。
《第8実施形態》
以下、本発明の第8実施形態に係る中間基材(以降、「第8基材」と称呼される場合がある。)について説明する。前述したように、第2部分における第2母材と強化繊維との混合形態は特に限定されず、例えば図6を参照しながら上述したように、第2母材としての熱可塑性樹脂の中に強化繊維が分散されていてもよい。
〈構成〉
そこで、第8基材は、上述した第1基材乃至第7基材の何れかに該当する中間基材であって、前記第2部分において、前記第2母材中に前記強化繊維が混入されている、中間基材である。
〈効果〉
上記のように第8基材の第2部分においては、第2母材の中に強化繊維が混入されている。このような第2部分としては、例えば、所謂「プリプレグ」、「プリフォーム」及び「スタンパブルシート」等として流通しているものの中から適宜選択することができる。即ち、コストの過剰な増大を招くこと無く、第8基材から製造される成形体の特性(例えば、機械的強度等)を高い自由度にて設計することができる。
《第9実施形態》
以下、本発明の第9実施形態に係る中間基材(以降、「第9基材」と称呼される場合がある。)について説明する。前述したように、第2部分における第2母材と強化繊維との混合形態は特に限定されず、例えば図7及び図8を参照しながら上述したように、第2母材としての熱可塑性樹脂の繊維と強化繊維とが混繊された混合繊維(例えば、コミングルヤーン)であってもよい。
〈構成〉
そこで、第9基材は、上述した第1基材乃至第7基材の何れかに該当する中間基材であって、前記第2部分は、前記第2母材からなる繊維と前記強化繊維とからなるコミングルヤーンとして構成されている、中間基材である。
〈効果〉
上記のように第9基材の第2部分においては、第2母材からなる繊維と強化繊維とがコミングルヤーンとして混繊されている。このような第2母材からなる繊維としては、例えば、熱可塑性樹脂繊維として流通しているものの中から適宜選択することができる。また、第2母材からなる繊維と強化繊維との混繊比率、それぞれの繊維の配向、及び織り方等を適宜調整することにより、コストの過剰な増大を招くこと無く、第9基材から製造される成形体の特性(例えば、機械的強度等)を高い自由度にて設計することができる。
例えば、第9基材は、強化繊維が単一の方向に配向するように第2部分を構成することができる。このような第9基材を加熱及び加圧することによって製造される成形体においては、強化繊維が単一の方向に配向している。従って、このようにして製造される成形体は所謂「UD材」として使用することができる。或いは、強化繊維が単一の方向に配向しないように第2部分を構成することもできる。このような第9基材から製造される成形体においては、強化繊維が単一の方向に配向していないので、例えば機械的強度等の特性において異方性を示さない。従って、このような成形体は、例えば機械的強度等の特性において異方性を有することが望ましくないとされる用途等において使用することができる。
更に、強化繊維が織物を構成するように第2部分を構成することもできる。このような第9基材から製造される成形体においては強化繊維が織物を構成している。即ち、このような成形体は所謂「クロス材」として使用することができる。従って、このような成形体は、例えば機械的強度等の特性において異方性を有することが望ましくないとされ且つより高い機械的強度が求められる用途等において使用することができる。
《第10実施形態》
以下、本発明の第10実施形態に係る中間基材(以降、「第10基材」と称呼される場合がある。)について説明する。本発明基材の形状及び大きさ、本発明基材における第1部分及び第2部分の形状、大きさ及び配置等は、本発明基材から製造される基材から製造される成形体の用途及び製造条件等に応じて適宜設計することができ、特に限定されない。例えば、本発明基材は、図9を参照しながら上述したように、シート状(層状)の第1部分及び第2部分の積層体として構成することができる。
〈構成〉
そこで、第10基材は、上述した第1基材乃至第9基材の何れかに該当する中間基材であって、前記第1部分からなる第1層と前記第2部分からなる第2層とが隣接して積層された積層体を含む、シート状中間基材である。
第1層及び第2層のそれぞれの厚み及び厚みの比については特に限定されないが、熱硬化性樹脂のプレポリマーを第1母材として含む第1層(第1部分)の厚みが大きいほど、第10基材において硬化処理を必要とする材料が占める割合が増え、硬化処理に要する時間が長くなる。従って、第10基材からの成形体の生産効率を維持する観点からは、第1層の厚みは薄い方が望ましい。
〈効果〉
上記のように、第10基材は、熱硬化性樹脂のプレポリマー及び熱可塑性樹脂を母材とするシート状の中間基材である。従って、第10基材は、例えば、所謂「プリプレグ」、「プリフォーム」、及び「スタンパブルシート」等として使用することができる。
《第11実施形態》
以下、本発明の第11実施形態に係る成形体(以降、「第11成形体」と称呼される場合がある。)について説明する。本明細書の冒頭において述べたように、本発明は、強化繊維及び樹脂を含む複合材料からなる中間基材のみならず、強化繊維及び樹脂を含む複合材料からなる成形体にも関する。
〈構成〉
第11成形体は、樹脂と、強化繊維と、ナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体と、を含む複合材料によって形成されており、前記樹脂は、熱硬化性樹脂である第1樹脂と熱可塑性樹脂である第2樹脂とを含む、成形体である。
第11成形体の製造方法は特に限定されないが、例えば、第11成形体は、上述した第1基材乃至第10基材を始めとする本発明に係る中間基材(本発明基材)を加熱及び加圧して所望の形状を有する成形体として成形することによって製造することができる。
上記「第1樹脂」は、本発明基材の第1部分を構成する第1母材としての熱硬化性樹脂のプレポリマーに由来し、上記「第2樹脂」は、本発明基材の第2部分を構成する第2母材としての熱可塑性樹脂に由来する。従って、第1樹脂及び第2樹脂については、本発明基材における第1母材及び第2母材に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は割愛する。
また、ナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体並びに強化繊維は、本発明基材の第1部分を構成する複合体及び第2部分を構成する強化繊維に由来する。従って、複合体及び強化繊維についても、本発明基材における複合体及び強化繊維に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は割愛する。
〈効果〉
上記のように、第11成形体は、樹脂と強化繊維とを含む所謂「繊維強化樹脂複合材料」によって形成された成形体であり、NCe及びNCからなる複合体を更に含む。従って、第11成形体によれば、本発明基材に関して上述したように、樹脂と強化繊維との親和性が高められ、曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度が効果的に向上される。
更に、第11成形体においては熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とが母材として混在することから、これらの異なる種類の樹脂の複合に起因して、例えば、母材の柔軟性が高まり、成形体としての衝撃強度及び柔軟性等が高まる。加えて、第11成形体においては、樹脂中にナノカーボン(NC)が分散されることから、例えば成形体の硬度の増大等の効果を達成することができる。
以上のように、第11成形体によれば、繊維強化樹脂複合材料からなる成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を効果的に向上させることができる。尚、第11成形体の母材が熱可塑性を呈する場合は、当該成形体を中間素材として更なる加工工程に供することができる。即ち、第11成形体は、更なる加工に供される中間基材としても使用することができる。
《第12実施形態》
以下、本発明の第12実施形態に係る成形体(以降、「第12成形体」と称呼される場合がある。)について説明する。尚、第12成形体は、上述した第2基材に対応する。従って、第12成形体の構成及び第12成形体によって達成される効果等については、第2基材に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は割愛し、第12成形体の構成についてのみ簡潔に述べる。
〈構成〉
第12成形体は、上述した第11成形体であって、前記ナノセルロース(NCe)は官能基によって修飾されている、成形体である。
《第13実施形態》
以下、本発明の第13実施形態に係る成形体(以降、「第13成形体」と称呼される場合がある。)について説明する。尚、第13成形体は、上述した第3基材に対応する。従って、第13成形体の構成及び第13成形体によって達成される効果等については、第3基材に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は割愛し、第13成形体の構成についてのみ簡潔に述べる。
〈構成〉
第13成形体は、上述した第11成形体又は第12成形体であって、前記ナノセルロース(NCe)はセルロースナノファイバ(CeNF)であり、前記ナノカーボン(NC)はカーボンナノチューブ(CNT)であり、前記複合体は、前記セルロースナノファイバ(CeNF)が前記カーボンナノチューブ(CNT)の表面に絡み付いた錯綜体である、成形体である。
《第14実施形態》
以下、本発明の第14実施形態に係る成形体(以降、「第14成形体」と称呼される場合がある。)について説明する。尚、第14成形体は、上述した第4基材に対応する。従って、第14成形体の構成及び第14成形体によって達成される効果等については、第4基材に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は割愛し、第14成形体の構成についてのみ簡潔に述べる。
〈構成〉
第14成形体は、上述した第11成形体乃至第13成形体の何れかに該当する成形体であって、前記強化繊維は、炭素繊維(CF)、ガラス繊維(GF)、並びにポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、及びポリアミドイミド繊維を含む樹脂繊維(RF)からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維である、成形体である。
《第15実施形態》
以下、本発明の第15実施形態に係る成形体(以降、「第15成形体」と称呼される場合がある。)について説明する。尚、第15成形体は、上述した第5基材に対応する。従って、第15成形体の構成及び第15成形体によって達成される効果等については、第5基材に関する説明から明らかであるので、ここでの説明は割愛し、第15成形体の構成についてのみ簡潔に述べる。但し、上述したように、以下の説明において、「第1樹脂」は本発明基材の第1部分を構成する第1母材としての熱硬化性樹脂のプレポリマーに由来し、「第2樹脂」は本発明基材の第2部分を構成する第2母材としての熱可塑性樹脂に由来する。
〈構成〉
第15成形体は、上述した第11成形体乃至第14成形体の何れかに該当する成形体である。
第15成形体において、前記第1樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱硬化性樹脂である。また、前記第2母材は、当該技術分野において広く使用されている種々の汎用プラスチック、種々の汎用エンジニアリングプラスチック、及び種々のスーパーエンジニアリングプラスチックからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂である。
汎用プラスチックの具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂及びポリプロピレン(PP)樹脂を含むポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂を含むスチレン系樹脂等を挙げることができる。また、汎用エンジニアリングプラスチックの具体例としては、例えば、ポリアミド(PA)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及びポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂を含むポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂等を挙げることができる。更に、スーパーエンジニアリングプラスチックの具体例としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリスルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂等を挙げることができる。
《第16実施形態乃至第19実施形態》
以下、本発明の第16実施形態乃至第19実施形態に係る成形体(以降、「第16成形体」乃至「第19成形体」と称呼される場合がある。)について説明する。上述したように、本発明に係る成形体(本発明成形体)は、上述した第1基材乃至第10基材を始めとする本発明に係る中間基材(本発明基材)を加熱及び加圧して所望の形状を有する成形体として成形することによって製造することができる。
上記製造過程においては、熱硬化性樹脂のプレポリマーである第1母材と加熱によって熔解した熱可塑性樹脂である第2母材とが少なくとも部分的に混ざり合う。これに伴い、第1部分を構成していた(ナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる)複合体の少なくとも一部は第2部分へと混入し、第2部分を構成していた強化繊維の少なくとも一部は第1部分へと混入する。このように、本発明基材から本発明成形体を製造する過程において、本発明基材を構成していた第1部分と第2部分とが少なくとも部分的に混ざり合う。
上記混ざり合いの程度は、例えば、本発明基材から本発明成形体を製造する過程における各種条件(例えば、温度及び圧力、本発明基材を構成する各種材料の特性等)によって種々に変化する。例えば、図12に示すように、一対のシート状の第2部分120によってシート状の第1部分110が挟まれているサンドイッチ状の積層体として構成された第1基材100を加熱及び加圧して本発明成形体を製造する場合を想定する。尚、図12においては、第1基材100を構成する第1部分110と第2部分120との間に空隙があるが、実際の製造過程においては第1部分110と第2部分120とは互いに接触して、積層された状態にて加熱及び加圧に付される。このとき、例えば温度及び圧力等の製造条件並びに本発明基材を構成する各種材料の特性等により、本発明基材を構成していた第1部分と第2部分との混ざり合いの程度が種々に変化する。
図13の(a)は、製造された本発明成形体200において、本発明基材を構成していた第1部分110と第2部分120とが十分に混ざり合い混合層210が形成され、複合体112及び強化繊維122も混合層210の全体に亘ってほぼ均質に分散している状態を示す。また、(b)は、第1部分110の全体が第2部分120に混入して混合層210が形成され、これに伴って複合体112が主として混合層210へと拡散すると共に、第1部分110であった領域にも強化繊維122が拡散しているものの、一部の第2部分120は第1部分110とは混ざり合わず第2部分120のまま残っており、この第2部分120の領域には複合体112が到達していない状態を示す。更に、(c)は、第1部分110の一部のみが第2部分120に混入して混合層210が形成され、これに伴って複合体112が主として混合層210へと拡散すると共に、第1部分110であった領域にも強化繊維122が拡散しているものの、一部の第1部分110及び一部の第2部分120は混ざり合わないまま残っており、このうち第2部分120の領域には複合体112が到達していない状態を示す。
上記のように、同じ本発明基材から製造された本発明成形体であっても、例えば温度及び圧力等の製造条件並びに本発明基材を構成する各種材料の特性等により、本発明基材を構成していた第1部分と第2部分との混ざり合いの程度が種々に変化する。その結果として、異なる内部構造及び特性を有する本発明成形体が同じ本発明基材から製造され得る。
従って、例えば温度及び圧力等の製造条件並びに本発明基材を構成する各種材料の特性等を調整することにより、様々な内部構造及び特性を有する本発明成形体を同じ本発明基材から製造することができる。
〈構成〉
そこで、第16成形体は、上述した第11成形体乃至第15成形体の何れかに該当する成形体であって、前記樹脂は、前記第1樹脂と前記第2樹脂とが均質に混合されている領域を含む、成形体である。
また、第17成形体は、上述した第16成形体であって、前記樹脂は、前記第2樹脂のみからなる領域を更に含む、成形体である。
更に、第18成形体は、上述した第17成形体であって、前記樹脂は、前記第1樹脂のみからなる領域を更に含む、成形体である。
加えて、第19成形体は、上述した第11成形体乃至第15成形体の何れかに該当する成形体であって、前記樹脂の全体に亘って、前記第1樹脂と前記第2樹脂とが均質に混合されている、成形体である。
第16成形体においては、第1樹脂と第2樹脂とが少なくとも部分的には均質に混合されている。従って、図13を参照しながら上述した(a)乃至(c)の状態は何れも第16成形体に包含される。
第17成形体においては、第1樹脂と混ざり合わないままで残っている第2樹脂が存在する。従って、図13の(b)に示した状態が第17成形体に該当する。
第18成形体においては、第1樹脂と混ざり合わないままで残っている第2樹脂のみならず、第2樹脂と混ざり合わないままで残っている第2樹脂までもが存在する。従って、図13の(c)に示した状態が第18成形体に該当する。
第19成形体においては、全ての第1樹脂と全ての第2樹脂とが均質に混ざり合っている。従って、図13の(a)に示した状態が第19成形体に該当する。
〈効果〉
上記のように、同じ本発明基材から製造された本発明成形体であっても、例えば温度及び圧力等の製造条件並びに本発明基材を構成する各種材料の特性等により、第16成形体乃至第19成形体を始めとする様々な内部構造及び特性を達成することができる。従って、例えば温度及び圧力等の製造条件並びに本発明基材を構成する各種材料の特性等を調整することにより、本発明成形体の用途及び要求特性等に応じて、好適な性質(例えば、機械的強度、耐熱性、耐久性及び審美性等)を有する成形体を製造することができる。即ち、コストの過剰な増大を招くこと無く、本発明基材から製造される成形体の特性(例えば、機械的強度等)を高い自由度にて設計することができる。
《第20実施形態》
以下、本発明の第20実施形態に係る成形体(以降、「第20成形体」と称呼される場合がある。)について説明する。前述したように、本発明基材を構成する第1母材、第2母材及び強化繊維として採用される材料に対する高い親和性を有する官能基によってナノセルロース(NCe)を修飾することにより、ナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体を介して、これらの材料の間の良好な密着性が達成される。その結果、本発明基材から製造される成形体を構成する第1樹脂、第2樹脂及び強化繊維の間の良好な密着性が達成され、当該成形体における層間剥離を抑制することができるので、当該成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を向上させることができる。
上記のような効果を達成するためには、少なくとも、第1樹脂と強化繊維との界面の一部、第2樹脂と強化繊維との界面の一部、並びに第1樹脂及び第2樹脂との界面の一部の何れかに上記複合体が介在することが望ましい。
〈構成〉
そこで、第20成形体は、上述した第11成形体乃至第19成形体の何れかに該当する成形体であって、少なくとも、前記第1樹脂と前記強化繊維との界面の一部、前記第2樹脂と前記強化繊維との界面の一部、又は前記第1樹脂及び前記第2樹脂の混合物と前記強化繊維との界面の一部に前記複合体が配設されている、成形体である。
上記のような種々の界面に複合体を配設するための方法は特に限定されない。例えば、前述したように第20成形体の製造に使用される本発明基材の第1部分を構成する第1母材の表面を複合体によって被覆することにより、第20成形体における第1樹脂と強化繊維との界面及び第1樹脂と第2樹脂との界面に存在する複合体の割合を高めることができる。或いは、前述したように本発明基材において第1母材の中に複合体を分散させる場合は、複合体の添加量を増大させることにより、結果として上記のような種々の界面における複合体の存在確率を高めることができる。
〈効果〉
上記のように、第20成形体においては、少なくとも、第1樹脂と強化繊維との界面の一部、第2樹脂と強化繊維との界面の一部、又は第1樹脂及び第2樹脂の混合物と強化繊維との界面の一部に複合体を配設することにより、当該成形体を構成する第1樹脂、第2樹脂及び強化繊維の間の良好な密着性が達成され、当該成形体における層間剥離を抑制することができる。即ち、第20成形体によれば、当該成形体の曲げ強度及び衝撃強度等の機械的強度を向上させることができる。
《変形例》
本発明基材及び本発明成形体についての以上の説明においては、1層の第1部分と1層の第2部分との積層体、1層の第1部分が2層の第2部分の間に挟まれている積層体、1層の第1部分が1層の第2部分と1層の他の樹脂層(第3部分)との間に挟まれている積層体等を主に例示した。しかしながら、本発明に係る成形体(本発明成形体)の構成は上記に限定されない。
例えば、本発明成形体は上述した種々の積層体の何れか一方又は両方の最外面に更なる追加層を備えていてもよい。この追加層を構成する材料としては、は特に限定されないが、例えばステンレス鋼等の鉄系金属並びに金、銀、銅、アルミニウム及びマグネシウム等の非鉄金属等の金属材料を採用することができる。或いは、例えば耐熱性、耐薬品性、耐食性及び絶縁性等、優れた特性を本発明成形体に付与すること等を目的として、前述したようなスーパーエンジニアリングプラスチック等からなる樹脂層を追加層として加えてもよい。
図14は、図9の(a)を参照しながら上述した第1基材100の第1部分110側の表面に、スーパーエンジニアリングプラスチックであるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂を追加層220として更に積層したものを加熱及び加圧して成形体200を製造する過程を示す模式図である。一般にスーパーエンジニアリングプラスチックは高価であるが、このようにして最外層に追加層として積層することにより、原料コストを削減することができる。また、図14に示した例においては、熱硬化性樹脂のプレポリマーを含む第1部分110側の表面に追加層220を積層したが、追加層を構成する材料との親和性等によっては、第2部分120側の表面に追加層220を積層してもよい。
尚、例えばエポキシ樹脂及びウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂は良好な接着剤としても使用される。従って、本発明に係る中間基材は、上記のように異種材料同士を接合するのに好適な材料であると言うこともできる。
尚、上記のように異なる材料からなる追加層を更に積層する場合、本発明成形体と追加層との間における線膨張係数の違いに起因する変形及び/又は寸法変化等の問題が懸念される。しかしながら、本発明成形体においては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合による柔軟性に、複合体におけるNCeとNCとの物理的結合(絡み付き)による柔軟性が更に加わることから、上記のような変形及び/又は寸法変化等を良好に緩和することができる。
《第21実施形態》
以下、本発明の第21実施形態に係る成形体の製造方法(以降、「第21方法」と称呼される場合がある。)について説明する。本明細書の冒頭において述べたように、本発明は、強化繊維及び樹脂を含む複合材料からなる中間基材及び成形体のみならず、当該成形体の製造方法にも関する。
〈構成〉
第21方法は、上述した第11成形体乃至第20成形体の何れかを製造する製造方法であって、上述した第1基材乃至第10基材の何れかを前記第2母材の融点以上の所定の温度に加熱すること、及び前記中間基材を前記所定の温度において所定の圧力によって加圧すること、を含む、成形体の製造方法である。好ましくは、第21方法は、第1母材の硬化温度以上かつ第2母材の融点以上の所定の温度に本発明基材を加熱することを含む。
第21方法において中間基材を加熱及び加圧するための方法については、当業者に周知の種々の方法の中から、本発明基材を構成する材料、本発明基材から製造しようとする本発明成形体の形状及び特性等に応じて、適宜選択することができる。例えば、上述したようなシート状の中間基材を使用する場合は、所謂「ホットスタンプ」(熱間プレス)により本発明基材から本発明成形体を製造することができる。
例えば、図15は、図9の(a)を参照しながら説明した第1基材100を加熱及び加圧して本発明に係る成形体を製造する方法の1つの例を示す模式図である。1層の第1部分110と1層の第2部分120との積層体として構成された第1基材100は、加熱及び加圧により、第1部分110を構成する第1母材としての熱効果樹脂のプレポリマーの硬化が進行すると共に、第2部分120を構成する第2母材として熱可塑性樹脂が熔融し、第1母材及び/又は第1母材が硬化した熱硬化性樹脂と混ざり合い混合層210を形成している。
尚、図15に示した例においては、第1部分110及び第2部分120の両方が完全には互いに混ざり合わずに残っているが、図13を参照しながら上述したように、第1部分110と第2部分120との混ざり合いの程度は、例えば、本発明基材から本発明成形体を製造する過程における各種条件(例えば、温度及び圧力、本発明基材を構成する各種材料の特性等)によって種々に変化する。また、上記のように本発明基材を加熱及び加圧する際に、例えば第1部分110及び第2部分120の積層方向のみならず、他の方向(例えば、第1部分110及び第2部分120の面内方向等)にも応力を作用させることにより、第1部分110と第2部分120との混ざり合いを促してもよい。
また、図16は、図9の(b)を参照しながら説明した第1基材100を加熱及び加圧して本発明に係る成形体を製造する方法の1つの例を示す模式図である。更に、図17は、図9の(c)を参照しながら説明した第1基材100を加熱及び加圧して本発明に係る成形体を製造する方法の1つの例を示す模式図である。何れの例も、第1部分110の第2部分120とは反対側の表面にそれぞれ第2部分120及び第3部分130が積層されている点を除き、上述した図15に示した例と同様であるので、ここでの詳細な説明は割愛する。
〈効果〉
本発明基材の母材は熱硬化性樹脂のプレポリマー及び熱可塑性樹脂によって構成されている。即ち、熱硬化性樹脂のプレポリマーは本発明基材の母材の一部に過ぎないため、熱硬化性樹脂のみを母材として含む従来技術に係る複合材料からなる中間基材に比べて、より速くプレポリマーを硬化させることができる。従って、第21方法によれば、従来技術に比べて短い時間にて成形体を得ることができる。即ち、成形体の生産効率が高い。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及び変形例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態及び変形例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
10…複合材料、20…(母材)樹脂、30…炭素繊維(CF)、40…バインダ層、40a…錯綜体、41…カーボンナノチューブ(CNT)、42…セルロースナノファイバ(CeNF)、50…隙間、100…中間基材、110…第1部分、111…第1母材、112…複合材、112a…錯綜体、113…セルロースナノファイバ(CeNF)、114…カーボンナノチューブ(CNT)、120…第2部分、121…第2母材、122…強化繊維、130…第3部分、200…成形体、210…混合層、及び220…追加層。

Claims (15)

  1. 熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂のプレポリマーである第1母材とナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体とを含む第1材料からなる第1部分と、
    熱可塑性樹脂としてのポリアミド樹脂である第2母材と強化繊維としての炭素繊維(CF)とを含む第2材料からなる第2部分と、
    含み
    前記ナノセルロース(NCe)はセルロースナノファイバ(CeNF)であり、
    前記ナノカーボン(NC)はカーボンナノチューブ(CNT)であり、
    前記複合体は、前記セルロースナノファイバ(CeNF)が前記カーボンナノチューブ(CNT)の表面に絡み付いた錯綜体であり、
    前記第1部分と前記第2部分とは隣接している、
    中間基材。
  2. 請求項1に記載された中間基材であって、
    前記ナノセルロース(NCe)は官能基によって修飾されている、
    中間基材。
  3. 請求項1又は請求項に記載された中間基材であって、
    少なくとも前記第1部分と前記第2部分との界面の一部に前記複合体が配設されている、
    中間基材。
  4. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載された中間基材であって、
    前記第1部分において前記第1母材の中に前記複合体が分散されている、
    中間基材。
  5. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載された中間基材であって、
    前記第2部分において、前記第2母材中に前記強化繊維が混入されている、
    中間基材。
  6. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載された中間基材であって、
    前記第2部分は、前記第2母材からなる繊維と前記強化繊維とからなるコミングルヤーンとして構成されている、
    中間基材。
  7. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載された中間基材であって、
    前記第1部分からなる第1層と前記第2部分からなる第2層とが隣接して積層された積層体を含む、
    シート状中間基材。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載された中間基材を加熱及び加圧して所望の形状に成形することによって得られる成形体であって、
    前記成形体は、樹脂と、強化繊維としての炭素繊維(CF)と、ナノセルロース(NCe)及びナノカーボン(NC)からなる複合体と、を含む複合材料によって形成されており、
    前記樹脂は、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂である第1樹脂と熱可塑性樹脂としてのポリアミド樹脂である第2樹脂とを含み
    前記ナノセルロース(NCe)はセルロースナノファイバ(CeNF)であり、
    前記ナノカーボン(NC)はカーボンナノチューブ(CNT)であり、
    前記複合体は、前記セルロースナノファイバ(CeNF)が前記カーボンナノチューブ(CNT)の表面に絡み付いた錯綜体であり、
    前記樹脂と前記強化繊維との界面の少なくとも一部に前記複合体が介在している、
    成形体。
  9. 請求項に記載された成形体であって、
    前記ナノセルロース(NCe)は官能基によって修飾されている、
    成形体。
  10. 請求項又は請求項に記載された成形体であって、
    前記樹脂は、前記第1樹脂と前記第2樹脂とが均質に混合されている領域を含む、
    成形体。
  11. 請求項10に記載された成形体であって、
    前記樹脂は、前記第2樹脂のみからなる領域を更に含む、
    成形体。
  12. 請求項11に記載された成形体であって、
    前記樹脂は、前記第1樹脂のみからなる領域を更に含む、
    成形体。
  13. 請求項又は請求項に記載された成形体であって、
    前記樹脂の全体に亘って、前記第1樹脂と前記第2樹脂とが均質に混合されている、
    成形体。
  14. 請求項乃至請求項13の何れか1項に記載された成形体であって、
    少なくとも、前記第1樹脂と前記強化繊維との界面の一部、前記第2樹脂と前記強化繊維との界面の一部、又は前記第1樹脂及び前記第2樹脂の混合物と前記強化繊維との界面の一部に前記複合体が配設されている、
    成形体。
  15. 請求項乃至請求項14の何れか1項に記載された成形体の製造方法であって、
    請求項1乃至請求項の何れか1項に記載された中間基材を前記第2母材の融点以上の所定の温度に加熱すること、及び
    前記中間基材を前記所定の温度において所定の圧力によって加圧すること、
    を含む、
    成形体の製造方法。
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