JP6721707B2 - 血流速度の測定を改善するための方法及び装置 - Google Patents

血流速度の測定を改善するための方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は血流速度の測定を改善するための方法及び装置に関連し、特に超音波トランスデューサを利用して血流速度の測定を改善することに関連する。
心拍出量(Cardiac output)は、1分間で心臓から排出される血液量の尺度である。心拍出量は、ストローク体積(即ち、心臓の拍動の度にくみ上げられる血液体積)に、1分当たりの心拍数を乗算したものとして決定される。このパラメータ(特に、拍動毎の心拍出量(beat-to-beat cardiac output))は、非侵襲的に測定することが困難である。しかしながら、血流速度(これは超音波ドップラーを利用して取得することが可能である)及び大動脈の断面積から心拍出量を測定することは可能である。
GB 2257254は、ドップラー超音波を利用して、血管の断面積及び血流速度(従って、心拍出量)を測定する方法及び装置を記載している。超音波プローブが頸切痕を通って下方に方向付けられ、大動脈の中での血液の動きからドップラー信号が検出される。信号処理手段が、連続的なレンジにおけるドップラー・パワーを決定し、結果のパワー・カーブが、最もフィットするものを発見するために、既知の大動脈断面積のレンジを表現する保存済みカーブと相関付けられる。
典型的には、心拍出量を推定するために、オペレータは大動脈の中心にプローブをマニュアルで向けなければならず、大動脈の断面積は、患者の体重又は身長から推定される、或いはGB2257254で説明されているような他の技術により推定される。心拍出量を算出するこのアプローチは、大動脈を特定する困難性、個人差、特に若年層及び老齢層における個人差などに起因して、信頼性に乏しい。更に、測定はプローブの配置に敏感であるので、同一患者からの心拍出量の複数の測定値が一貫しない可能性がある。従って、従来のソリューションの精度は、上行大動脈を識別してトランスデューサの正しい位置を決定するオペレータのスキルに非常に大きく依存している。
従って、流速ひいては心拍出量の測定を改善することが可能な方法及び装置を求めるニーズが存在する。本発明は特許請求の範囲により規定される。
第1側面によれば、被検体の血管内の血流速度の測定を改善する方法が提供され、本方法は:超音波ビームを放出し、被検体の身体部分における流速を測定するために、超音波トランスデューサを利用するステップ;測定された流速から、身体部分に関する時空間速度プロファイル(a spatial time velocity profile)を形成するステップ;及び被検体に対する超音波ビームの角度の補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するステップであって、補正は、時空間速度プロファイルにおけるピークの位置と時空間速度プロファイルの中心との間の差分に基づいている、ステップを有する。従って、本方法は、流速のピークを中心とするために及び流速の測定を改善するために、超音波ビームの角度がどのように補正されるべきかを決定する。
或る実施形態において、時空間速度プロファイルにおけるピークは、時空間速度プロファイルにおける最大流速を有する。
或る実施形態において、本方法は、角度に対して決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのオペレータにフィードバックを提供するステップを更に含む。オペレータに対するフィードバックは、被検体に対する超音波トランスデューサの回転の指示を含むことが可能であり、その回転は、時空間速度プロファイルにおけるピークを、時空間速度プロファイルの中心又はその近辺に配置するものである。その指示は、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なインジケータ、又はそれらの組み合わせであるとすることが可能である。この実施形態は、被検体に対する超音波トランスデューサの改善された又は正しい配置に関して、オペレータを案内することが可能である、という利点を有する。
別の又は代替的な実施形態において、本方法は、角度に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサに対する第1制御信号を決定するステップ;及び時空間速度プロファイルにおけるピークの位置が時空間速度プロファイルの中心又はその近辺にあるように、超音波トランスデューサにより放出される超音波ビームの方向を、決定された第1制御信号に従って調整するステップを更に有する。この実施形態は、アクチュエータの利用を必要とせずに、流速の測定を改善するように、超音波ビームの角度が自動的に調整され得る、という利点を有する。
別の又は代替的な実施形態において、本方法は、角度に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのオリエンテーション・アクチュエータに対する第2制御信号を決定するステップを更に含み、オリエンテーション・アクチュエータは、被検体に対する超音波トランスデューサの方向を調整することが可能である。これらの実施形態において、本方法は、時空間速度プロファイルにおけるピークの位置が、時空間速度プロファイルの中心又はその近辺になるように、被検体に対する超音波トランスデューサの方向を調整するために、第2制御信号を利用してオリエンテーション・アクチュエータを制御するステップを更に有することが可能である。この実施形態は、超音波ビームの角度が、流速の測定を改善するように自動的に調整され得る、という利点を有する。
別の又は代替的な実施形態において、本方法は、角度に対する決定された補正に基づいて、時空間速度プロファイルにおける流速値に対する補正を決定するステップを更に有する。
或る実施形態において、超音波トランスデューサを利用するステップが、身体部分のうちの複数の深度で流速を測定するために、超音波トランスデューサを利用するステップを含み;時空間速度プロファイルを形成するステップが、複数の深度の各々について各自の時空間速度プロファイルを形成するステップを含み、各々の時空間速度プロファイルは各自の深度で測定された流速から形成され;及び超音波ビームの角度の補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するステップが、超音波ビームの角度に対する補正を決定するために、複数の時空間速度プロファイルのうちの1つ以上を分析するステップを含む。
或る実施形態において、本方法は、被検体に対する超音波トランスデューサの位置に対する補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するステップを更に含む。
或る実施形態において、被検体に対する超音波トランスデューサの位置に対する補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するステップは、時空間速度プロファイルにおけるピークを通る大動脈経路の幾何学的モデルのフィッティングに基づいて、補正を決定するステップを含む。
或る実施形態において、本方法は、位置に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのオペレータにフィードバックを提供するステップを更に有する。オペレータに対するフィードバックは、被検体に対する超音波トランスデューサの動かし方の指示を含むことが可能であり、その動かし方は超音波トランスデューサの動脈に対するアライメントを改善するものである。指示は、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なインジケータ、或いはそれらの組み合わせであるとすることが可能である。この実施形態は、被検体に対する超音波トランスデューサの改善された又は正しい配置に関して、オペレータを案内することが可能である、という利点を有する。
別の又は代替的な実施形態において、本方法は、位置に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのポジション・アクチュエータに対する第3制御信号を決定するステップを更に有し、ポジション・アクチュエータは、被検体に対する超音波トランスデューサの位置を調整することが可能である。本方法は、超音波トランスデューサの動脈に関するアライメントが改善されるように、被検体に対する超音波トランスデューサの位置を調整するために第3制御信号を利用して、ポジション・アクチュエータを制御するステップを更に有することが可能である。この実施形態は、流速の測定を改善するように、超音波ビームの位置が自動的に調整されることが可能である、という利点を有する。
第2側面によれば、コンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム・プロダクトが提供され、その媒体に組み込まれるコンピュータ読み取り可能なコードは、適切なコンピュータ、制御ユニット又はプロセッサにより実行されると、そのコンピュータ、制御ユニット又はプロセッサに、動作を実行させるように構成され、その動作は、超音波ビームを放出し、被検体の身体部分における流速を測定するステップ;測定された流速から、身体部分に関する時空間速度プロファイルを形成するステップ;及び被検体に対する超音波ビームの角度の補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するステップであって、補正は、時空間速度プロファイルにおけるピークの位置と時空間速度プロファイルの中心との間の差分に基づいている、ステップを含む。
より一般的に言えば、第2側面によるコンピュータ読み取り可能なコードは、適切なコンピュータ、制御ユニット、又はプロセッサが上記の任意の方法の実行を引き起こすように構成される。
第3側面によれば、制御ユニットを有し、被検体の血管内の血流速度を測定する装置が提供され、制御ユニットは、被検体の身体部分における流速の測定値を取得するステップであって、測定は、超音波ビームを放出する超音波トランスデューサを利用して実行される、ステップ;測定された流速から、身体部分に関する時空間速度プロファイルを形成するステップ;及び被検体に対する超音波ビームの角度の補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するステップであって、補正は、時空間速度プロファイルにおけるピークの位置と時空間速度プロファイルの中心との間の差分に基づいている、ステップを行うように構成される。従って、本装置は、流速のピークを中心とするために及び流速の測定を改善するために、超音波ビームの角度がどのように補正されるべきかを決定する。
或る実施形態において、本装置は超音波トランスデューサを更に有する。
或る実施形態において、時空間速度プロファイルにおけるピークは、時空間速度プロファイルにおける最大流速を含む。
或る実施形態において、制御ユニットは、角度に対して決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのオペレータに対するフィードバックを決定するように構成される。オペレータに対するフィードバックは、被検体に対する超音波トランスデューサの回転の指示を含むことが可能であり、その回転は、時空間速度プロファイルにおけるピークを、時空間速度プロファイルの中心又はその近辺に配置するものである。その指示は、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なインジケータ、又はそれらの組み合わせであるとすることが可能である。或る実施形態において、装置は、決定されたフィードバックをオペレータに提供するユーザー・インターフェース・コンポーネントを更に有することが可能である。この実施形態は、被検体に対する超音波トランスデューサの改善された又は正しい配置に関して、オペレータを案内することが可能である、という利点を有する。
別の又は代替的な実施形態において、制御ユニットは、角度に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサに対する第1制御信号を決定するステップ;及び時空間速度プロファイルにおけるピークの位置が時空間速度プロファイルの中心又はその近辺にあるように、超音波トランスデューサにより放出される超音波ビームの方向を調整するために第1制御信号を出力するステップを行うように更に構成される。この実施形態は、アクチュエータの利用を必要とせずに、流速の測定を改善するように、超音波ビームの角度が自動的に調整され得る、という利点を有する。
別の又は代替的な実施形態において、制御ユニットは、角度に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのオリエンテーション・アクチュエータに対する第2制御信号を決定するように構成され、オリエンテーション・アクチュエータは、被検体に対する超音波トランスデューサの方向を調整することが可能である。これらの実施形態において、制御ユニットは、時空間速度プロファイルにおけるピークの位置が、時空間速度プロファイルの中心又はその近辺になるように、被検体に対する超音波トランスデューサの方向を調整するために、第2制御信号を利用してオリエンテーション・アクチュエータを制御するように更に構成される。或る実施形態において、装置は、被検体に対して超音波トランスデューサの方向を調整するように構成されるオリエンテーション・アクチュエータを更に有する。この実施形態は、超音波ビームの角度が、流速の測定を改善するように自動的に調整され得る、という利点を有する。
別の又は代替的な実施形態において、制御ユニットは、角度に対する決定された補正に基づいて、時空間速度プロファイルにおける流速値に対する補正を決定するように更に構成される。
或る実施形態において、流速の尺度は、身体部分のうちの複数の深度における流速を表し;制御ユニットは、複数の深度の各々について各自の時空間速度プロファイルを形成するように構成され、各々の時空間速度プロファイルは各自の深度で測定された流速から形成され;制御ユニットは、超音波ビームの角度に対する補正を決定するために、複数の時空間速度プロファイルのうちの1つ以上を分析することにより、超音波ビームの角度の補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するように構成される。
或る実施形態において、制御ユニットは、被検体に対する、超音波トランスデューサの位置に対する補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するように更に構成される。
或る実施形態において、制御ユニットは、時空間速度プロファイルにおけるピークを通る大動脈経路の幾何学的モデルのフィッティングに基づいて、補正を決定することにより、被検体に対する超音波トランスデューサの位置に対する補正を決定するために、時空間速度プロファイルを分析するように構成される。
或る実施形態において、制御ユニットは、位置に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのオペレータに対するフィードバックを決定するように更に構成される。オペレータに対するフィードバックは、被検体に対する超音波トランスデューサの動かし方の指示を含むことが可能であり、その動かし方は超音波トランスデューサの動脈に対するアライメントを改善するものである。指示は、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なインジケータであるとすることが可能である。或る実施形態において、装置は、決定されたフィードバックをオペレータに提供するユーザー・インターフェース・コンポーネントを更に有することが可能である。この実施形態は、被検体に対する超音波トランスデューサの改善された又は正しい配置に関して、オペレータを案内することが可能である、という利点を有する。
別の又は代替的な実施形態において、制御ユニットは、位置に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのポジション・アクチュエータに対する第3制御信号を決定するように更に構成され、ポジション・アクチュエータは、被検体に対する超音波トランスデューサの位置を調整することが可能である。これらの実施形態において、制御ユニットは、超音波トランスデューサの動脈に関するアライメントが改善されるように、被検体に対する超音波トランスデューサの位置を調整するために第3制御信号を利用して、ポジション・アクチュエータを制御するように更に構成される。或る実施形態において、装置は、被検体に対して超音波トランスデューサの位置を調整することが可能なポジション・アクチュエータを更に有する。この実施形態は、流速の測定を改善するように、超音波トランスデューサの位置が自動的に調整されることが可能である、という利点を有する。
本発明のより良い理解のため、及び本発明がどのように実現に移されるかをより明確に説明するために、単なる例示として添付図面が参照される:
本発明を利用することで実行される測定方式を示す図。 動脈に関する例示的な時空間速度プロファイルを示す図。 本発明の実施形態による装置のブロック図。 本発明を利用することが可能な状況を示す図。 本発明を利用することが可能な状況を示す図。 実施形態による血流速度の測定を改善する方法を示すフローチャート。 本発明を利用することが可能な別の状況を示す図。
本発明は、例えば動脈や血管(特に、上行大動脈又は肺動脈)のような被検体の血管中の血流速度を測定するためのものである。大動脈は、人体における主要な動脈であり、左心室から始まり、身体の胸部及び腹部へ下降して延びる。上行大動脈は、左心室の上部から延び、その後その動脈は下方に曲がる。肺動脈は、心臓の右心室を肺につなぐ動脈である。本発明の以下の説明は動脈中の血流速度を測定することに言及しているが、本発明は管内の流速を測定するために利用されることも可能であることが認められるであろう。
或る実施形態では、上行大動脈における血流速度を測定するために、被検体の頸切痕の上、中、又はその近辺で超音波トランスデューサが使用され得る。他の実施形態では、肺動脈における血流速度を測定するために、胸骨傍の位置で超音波トランスデューサが使用され得る。
図1は本発明が使用されることが可能な測定シナリオを示す。図1は、情報に流れる血液とともに概して縦に向いた大動脈2(上行大動脈又は肺動脈)と、大動脈2の上方に配置される超音波トランスデューサ4とを示す。本発明の以下の説明では、トランスデューサ4に対するトランスバース方向、ラテラル方向、及びアキシャル方向が参照される。これら3つの方向が図1に示されており、アキシャル方向(z軸として言及される)はトランスデューサ4の平面に垂直な方向に対応し、トランスバース方向及びラテラル方向(x軸及びy軸とも言及される)は、トランスデューサ4の面内における直交する軸を含む。
トランスデューサ4は、時空間速度プロファイルを形成するために超音波ドップラー技術を利用して、少なくとも1つの断面に対するアキシャル方向の流速を測定する。図1は、トランスデューサ4から100mm及び150mmの距離にある例示的な2つの断面を示しているが、これらは限定であるように解釈されるべきでない。身体内150mm付近の深度において、大動脈4はトランスデューサ4に概ね整合している。
図2には、例示的な動脈血の時空間速度プロファイル(即ち、速度の空間分布)が示されており、管内の粘性流体の流れに関して予想されるように、速度は動脈の中心に向かって増加していることが理解できる。時空間速度プロファイルは、2次元平面/断面における複数の地点それぞれにおける速度の測定値又は推定値を含むことを、当業者は認めるであろう。
上述したように、心拍出量を推定するために、超音波プローブのオペレータは、マニュアルでプローブを大動脈の中心に向けなければならない。しかしながら、流速の測定値の精度は、プローブの配置に敏感である。そこで、本発明は、超音波トランスデューサにより取得された時空間速度プロファイルを分析し、被検体に対する超音波トランスデューサの角度の補正を決定することにより、流速の超音波測定の精度を改善することを目的としている(本願においてその角度はトランスデューサの方向として言及されてもよい)。或る実施形態において、複数の深度に関する時空間速度プロファイルが分析され、超音波トランスデューサの角度及び位置に関する補正を決定することが可能である。
或る実施形態では、オペレータが超音波トランスデューサの配置に対する調整を行うように、決定された補正がオペレータに指示されることが可能であり、及び/又は決定された補正に応じてアクチュエータが制御され、トランスデューサの配置を自動的に調整することが可能である。
図3には、本発明の実施形態に従って血流速度を測定する装置例が示されている。装置10は、超音波を放出して超音波の反射を測定する超音波トランスデューサ12を含む。
超音波トランスデューサ12は複数のトランスデューサ・エレメントを有することが可能であり、複数のトランスデューサ・エレメントは、超音波を生成し、反射された超音波を測定する。超音波トランスデューサ12は、連続波(CW)ドップラー超音波トランスデューサ12、或いはパルス波(PW)ドップラー超音波トランスデューサ12であるとすることが可能である。
或る実施形態では、超音波トランスデューサ12は、トランスデューサ・エレメントの線形配列として配置される複数のトランスデューサ・エレメントを含むことが可能であり、超音波トランスデューサ12は、アニュラス形状又はトロイダル形状(又は環状)の超音波ビームを形成するために、アコースティック・レンズ又はその他のアコースティック・ビーム形成エレメントを備えることが可能である。この超音波ビームは被検体から時空間速度情報(例えば、ラテラル方向及びトランスバース方向における時間−速度の情報)を得るために使用されることが可能である。
他の実施形態において、超音波トランスデューサ12は複数のトランスデューサ・エレメントを有することが可能であり、トランスデューサ・エレメントは2次元(2D)アレイに配置されることが可能である。トランスデューサ・エレメントは、超音波ビームを生成及びステアリングし、それにより被検体から時空間速度情報を取得するために、個別的に又は組み合わせて駆動されることが可能である。この主の超音波トランスデューサ12は、被検体の3次元(3D)体積における時空間速度情報、及び従って被検体における複数の深度での時空間速度情報(例えば、複数の深度でのラテラル方向及びトランスバース方向における時空間速度情報)を取得するために利用されることが可能である。
当業者は、本発明による実施形態で利用されることが可能な適切なタイプの超音波トランスデューサに気付くであろう。
超音波トランスデューサ12は制御ユニット14に接続され、制御ユニット14は、トランスデューサ12の動作を制御し、かつトランスデューサ12の出力を受信する。超音波トランスデューサ12は、受信した反射超音波の測定値を制御ユニット14へ出力することが可能であり、制御ユニット14は流速の測定値を決定するために反射超音波のドップラー・シフトを分析することが可能である。制御ユニット14は、1つ以上のプロセッサ、処理ユニット、マルチ・コア・プロセッサ又はモジュールを含むことが可能であり、それらは、以下に説明されるような被検体の動脈中の血流速度の測定値を決定するために、装置10及びそのコンポーネントを制御するように構成又はプログラムされる。
装置10はプログラム・コードを保存するために利用されることが可能なメモリ・ユニット16を含むことも可能であり、プログラム・コードは、本願で説明される方法を実行するように制御ユニット14により実行されることが可能である。メモリ・ユニット16は、装置10により及び/又は超音波トランスデューサ12により生成又は取得された信号及び測定値を保存するために利用されることが可能である。
或る実施形態では、装置10は、装置10のオペレータにフィードバックを提供するためのユーザー・インターフェース18、及び/又は1つ以上のアクチュエータ20を更に有することが可能であり、アクチュエータ20は、制御ユニット14からの制御信号に基づいて被検体に対する超音波トランスデューサ12の角度(方向)及び/又は位置を調整する。
ユーザー・インターフェース18は、超音波トランスデューサ12の角度及び/又は位置を調整するようにオペレータに、指示する、可能にする又は促し、流速の測定の精度及び/又は信頼性を改善するために、オペレータにフィードバックを提供する。ユーザー・インターフェース18は、従って、このフィードバック/情報を提供することに相応しい任意のコンポーネントを含むことが可能であり、例えば、ディスプレイ・スクリーン又はその他の視覚的なインジケータ、スピーカ、1つ以上のライト、触覚的なフィードバックを提供するコンポーネント(例えば、振動機能)のうちの任意の1つ以上であるとすることが可能である。上記のフィードバックを提供することに加えて、ユーザー・インターフェース18は、本発明による方法から結果的に得られる情報を、被検体又は装置10のオペレータ(例えば、ヘルスケア・プロバイダ)に提供するために利用されることが可能である。例えば、ユーザー・インターフェース18は、被検体の流速のインジケータを提供することが可能である。
1つ以上の装置20は、被検体に関して調整されるべき超音波トランスデューサ12の角度及び/又は位置を動作可能にする適切な任意の手段を含むことが可能である。1つ以上の装置20は、超音波トランスデューサ12の方向及び/又は位置を変えるために機構又はシステムを動かす又は制御することが可能な任意のタイプのアクチュエータ20であるとすることが可能である。アクチュエータは、電気、磁気、空気式、又は水圧式の原理、又はそれらの任意の組み合わせに基づくことが可能である。最も相応しい種類のアクチュエータは電気又は磁気的なアクチュエータである。電気的なアクチュエータはモータ又はピエゾ・コンポーネントであるとすることが可能である。磁気的なアクチュエータは磁気エネルギを適用することにより作動させられることが可能である。これらの種類のアクチュエータは、一般的には、コンパクトで軽量で経済的で高い電力密度を有するものである。磁気的なアクチュエータは、形状記憶合金(SMAs)、又は磁気的な形状記憶合金(MSMAs)のような形状記憶材料(SMMs)を利用することが可能である。或る適切なタイプのアクチュエータは、電気活性ポリマ(EAPs)であり、これは電場により刺激されるとサイズ又は形状に変化を示すポリマである。EAPsは幾つもの形態を有し得るが、概して、誘電性及びイオン性の2つの主要なクラスに分けられる。
或る実施形態において(別個のものであってもよいし、或いは上述したものと組み合わせられてもよい)、超音波トランスデューサ12からの超音波ビームの方向を調整することにより、例えば、超音波トランスデューサ12の個々のトランスデューサ・アレイ・エレメントの位相を調整することにより、超音波トランスデューサ12の調整は達成されことが可能である。
図3は、本発明のこの側面を説明するために必要なコンポーネントのみを示しているに過ぎず、実際の実現では、装置10は図示されたものに対して追加的なコンポーネントを含むことが、認められるであろう。例えば、装置10は、装置10を給電するバッテリその他の電源、或いは装置10を主電源に接続する手段、及び/又は流速の測定値がリモート・コンピュータに伝達されることを可能にする通信モジュールを有してもよい。
図4は本発明が利用されることが可能な状況を示し、図5は実施形態による方法を示すフローチャートである。
図4(a)は、大動脈2と、概して大動脈2の上方に(例えば、被検体の頸切痕に)配置される超音波トランスデューサ12とを示す。ベクトル28は大動脈2の中の血流方向を示し、ベクトル29は、超音波トランスデューサ12により測定されることが可能な超音波トランスデューサ12の方に向かう速度成分を示す。この実施形態では、超音波トランスデューサ12は、複数の深度で時空間速度情報を取得する能力を有していないかもしれず、従って時空間速度プロファイルは、各々の(2D)空間位置に関して全ての深度における血流速度の軸方向成分を積分することにより取得される。図4(a)では超音波トランスデューサ12からの超音波ビーム30が示されており、この例では、超音波トランスデューサ12は大動脈2に適切に整合していない(図示されるように、超音波ビームの中心軸32は大動脈2の軸34から角度θだけずれている)。
図4(b)は超音波トランスデューサ12を利用して取得される時空間速度プロファイルを示し、この場合において、超音波ビームの中心軸32は、大動脈2の軸34から角度θの分だけずれており、大動脈2内の血流に関連する時空間速度プロファイルの中心部分は、超音波ビーム30の中心軸32から距離dだけずれている(オフセットしている)ことが分かる。このオフセットは、大動脈2の高速中心(部)に関して中心からずれた角度を招き、これにより、取得される時空間速度プロファイルを「曖昧(smearing)」にしてしまう。
超音波トランスデューサ12が大動脈2と整合していない場合、大動脈中の血液の流速測定値の精度及び再現性は劣化してしまうであろう。従って本発明の本実施形態による方法は、このオフセットを検出し、オペレータ及び/又は装置10が、正しい措置を講じることを可能にすることを目的としている。
かくて、ステップ101において、超音波ビームを放出する超音波トランスデューサ12が、被験者の身体部分における流速を測定するために使用される。例えば、超音波トランスデューサ12は、上行大動脈の中の血液の流速を測定するために、被験体の頸切痕の上、中又はその近辺で利用されることが可能である。別の実施形態において、超音波トランスデューサは、肺動脈の中の血液の流速を測定するために、胸骨傍の位置で利用されることが可能である。ステップ101において、流速は、複数の空間方向で測定される。超音波トランスデューサ12は、或る特定の深度で流速を測定することが可能であり、或いは超音波トランスデューサ12は、それぞれの空間位置に関する全ての深度における血流速度の軸方向成分の積分として、流速を測定することも可能である。
ステップ103において、(例えば、図2及び4(b)に示されるような)時空間速度プロファイルが、測定された流速から、身体部分に関して形成される。即ち、ラテラル及びトランスバーサル方向における多数の様々な位置の各々に関する流速を示す時空間速度プロファイルが、超音波トランスデューサ12からの複数の方向において実行された流速の測定から形成される。ステップ103は制御ユニット14により実行されることが可能である。
ステップ105において、超音波トランスデューサ12により放出される超音波ビームの被検体に対する角度の補正を決定するために、時空間速度プロファイルが分析される。特に、時空間速度プロファイルは、プロファイル中のピークを識別するように分析され、時空間速度プロファイルにおけるピーク位置と、時空間速度プロファイルの中心との間の距離が決定される(その中心は、図4(a)の軸32とプロファイルとの交点に対応する)。超音波ビームの角度の補正は、決定された距離に基づいている。ステップ105は制御ユニット14により実行されることが可能である。ステップ105で識別される時空間速度プロファイルにおけるピークは、時空間速度プロファイルにおける最大流速であるとすることが可能である。
或る実施形態において、本方法は、角度に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのオペレータにフィードバックを提供するステップを更に有する。フィードバックは、ユーザー・インターフェース18における適切な任意のフィードバック手段を利用して適切な任意の形式で提供されることが可能である。
例えば、或る実施形態において、フィードバックは、超音波トランスデューサ12の方向が正しくない旨の指示を単に有するに過ぎないものとすることが可能であり、その場合、オペレータは、方向が正しいことをフィードバックが指示するまで(即ち、時空間速度プロファイルにおけるピークが、時空間速度プロファイルの中心から或る閾値距離の範囲内にある、又は中心にあるようになるまで)、超音波トランスデューサ12の方向を調整し得る。指示は、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なインジケータ、或いはそれらの組み合わせであるとすることが可能である。
他の実施形態において、フィードバックは、被検体に関する超音波トランスデューサ12の回転の指示、及び/又は超音波トランスデューサ12の回転方向の指示であるとすることが可能であり、その指示は、時空間速度プロファイルにおけるピークを、時空間速度プロファイルの中心に又はその近辺に配置するために必要とされるものである。指示は、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なインジケータ、或いはそれらの組み合わせであるとすることが可能である。
フィードバックがオペレータに提供される実施形態に対して追加的又は代替的であるとすることが可能な或る実施形態において、本方法は、超音波トランスデューサ12により生成される超音波ビーム30をステアリングするために使用されることが可能な角度に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサ12に対する制御信号(本願では、第1制御信号と言及されてもよい)を決定するステップを更に含むことが可能である。超音波トランスデューサ12は、以後、超音波ビーム30が被検体に対して放出される方向を調整するように第1制御信号を利用しながら制御されることが可能であり、それにより、時空間速度プロファイルのピーク位置は、時空間速度プロファイルの中心又はその近辺になる。特に、第1制御信号は、要求される方向で超音波ビーム30をステアリングするために、超音波トランスデューサ12の個々のトランスデューサ・エレメントの位相を調整するように、第1制御信号が利用されることが可能である。
フィードバックがオペレータに提供される実施形態に対して追加的又は代替的であるとすることが可能な或る実施形態において、本方法は、角度に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサ12のオリエンテーション・アクチュエータ20に対する制御信号(本願では、第2制御信号と言及されてもよい)を決定するステップを更に含むことが可能である。オリエンテーション・アクチュエータ20は、以後、被検体に対する超音波トランスデューサ12の向きを調整するために第2制御信号を利用して制御され、それにより、時空間速度プロファイルのピーク位置は、時空間速度プロファイルの中心又はその近辺になる。
超音波トランスデューサ12の方向が調整されると、オペレータ・フィードバックに応答してオペレータにより、或いはビーム・ステアリングにより、或いはオリエンテーション・アクチュエータ20により、ステップ101-105は反復されることが可能である。ステップ105において、超音波トランスデューサ12の角度に対して補正は必要とされないことが判断されると、ステップ103において決定された時空間速度プロファイルは、大動脈2内の血液の流速、及び/又は他の任意の心臓パラメータを決定するために分析されることが可能であり、その心臓パラメータは例えば大動脈流モデルを利用して血液の流速から導出されることが可能である。
或る実施形態では、本方法は、角度に対する決定された補正に基づいて、時空間速度プロファイルにおける流速値に対する補正を決定するステップを更に有することが可能である。このステップは、上記のフィードバックを提供するステップ及び制御信号を決定するステップに対して追加的又は代替的に実行されることが可能である。特に、このステップでは、時空間速度プロファイルからの情報は、超音波トランスデューサ12に対する大動脈の残留角度エラーを推定するために利用されることが可能であり、プロファイルからの血流速度推定値は(例えば、その角度の正割(the secant of the angle)を乗算することにより)この残留角度エラーを利用して補正されることが可能である。このステップが、フィードバックを提供し、制御信号ステップを決定することに対する代替として実行される場合、このステップは、装置10がアクチュエータ20を含むことを要求することなく、角度に対する(或いはより直接的に流速自体に対する)自動的な「補正」を実行することが可能である、という利点を有する。
或る実施形態では、超音波トランスデューサ12は複数の深度で流速を測定することが可能であってもよく、それにより、時空間速度プロファイルは特定の深度で決定されることが可能である。この場合、分析するステップ(ステップ105)は、超音波ビームの角度に対する補正を決定するために、複数の時空間速度プロファイルのうちの1つ以上を分析するステップを含むことが可能である。各々の時空間速度プロファイルから異なる補正が決定される場合、それらの内の何れかに対する補正又は補正の平均が、ステップ105の出力として選択されることが可能である。
図6は本発明を利用することが可能な別の状況を示す。図6は、大動脈2と、概して大動脈2の上方の位置A(例えば、被検体の頸切痕)に配置される超音波トランスデューサ12とを示す。ベクトル28は大動脈の中の血流の方向を示し、ベクトル29は、超音波トランスデューサ12により測定されることが可能な超音波トランスデューサ12に向かう速度成分を示す。この実施形態では、超音波トランスデューサ12は、複数の深度においてそれぞれ時空間速度情報を測定することが可能であり(例えば、3D超音波システムであるとすることが可能である)、従って個別的な時空間速度プロファイルが得られる。図6には3つの深度が示されており、結果の時空間速度プロファイルが図示されている(ラベル36-1,36-2及び36-3)。超音波トランスデューサ12からの超音波ビーム30が示されており、この例では、超音波トランスデューサ12は、大動脈2に対して正確には位置付けられおらず、図示されるように、超音波トランスデューサ12は、理想的な測定位置Bから距離Pだけ、ラテラル及び/又はトランスバーサル方向にずれている。プロファイル36-1、36-2及び36-3の各々において、流速のピークはプロファイルの中心からずれていることが分かる(ピークは、測定深度が減少するにつれて益々ずれてゆく)。
この状況において、取得された時空間速度プロファイルから、超音波ビームの角度に対する補正を識別するために、図5の方法が利用可能である。更に、時空間速度プロファイルは、(ラテラル及び/又はトランスバーサル方向における)被検体に対する超音波トランスデューサ12の位置の補正を決定するように、分析されることが可能である。或る実施形態において、補正は、大動脈経路(即ち、大動脈の中心を通るライン)の幾何学的モデルを、時空間速度プロファイルのピーク(例えば、最大値)にフィッティングすること、及び時空間速度プロファイルにおけるピーク及びモデルの隔たりから補正を決定することに基づくことが可能である。幾何学的モデルの複雑さは、プロファイルの個数に依存し、わずか2つのプロファイルの場合、モデルはラインとなり、3つのプロファイルの場合、モデルは放物線となり、以下同様である。
図4に示される状況の例と同様に、位置に対する決定された補正に基づいて、超音波トランスデューサのオペレータにフィードバックが提供されることが可能である。フィードバックは、ユーザー・インターフェース18の適切な任意のフィードバック手段を利用する適切な任意の形態で提供されることが可能である。
例えば、或る実施形態において、フィードバックは、超音波トランスデューサ12の方向及び/又は位置が正しくない旨の指示を単に含むものとすることが可能であり、その場合、方向及び/又は位置が正しいことをフィードバックが指示するまで、オペレータは超音波トランスデューサ12の方向及び/又は位置を調整することが可能である。指示は、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なインジケータ、或いはそれらの組み合わせであるとすることが可能である。
他の実施形態において、フィードバックは、ラテラル及び/又はトランスバーサル方向における被検体に対する超音波トランスデューサ12の並進の指示、及び/又はラテラル及び/又はトランスバーサル方向における超音波トランスデューサ12の並進の方向の指示であるとすることが可能であり、その指示は(例えば、超音波トランスデューサ12の軸32と大動脈の中央ラインとの間の距離を減少させることにより)大動脈に関してプローブの位置合わせを改善するために必要とされるものである。再び、指示は、視覚的、聴覚的及び/又は触覚的なインジケータ、或いはそれらの組み合わせであるとすることが可能である。
フィードバックがオペレータに提供される実施形態に対して追加的又は代替的であるとすることが可能な或る実施形態において、本方法は、位置に対して決定された補正に基づいて超音波トランスデューサ12のポジション・アクチュエータ20に対する制御信号(本願では、第3制御信号と言及されてもよい)を決定するステップを更に含むことが可能である。ポジション・アクチュエータ20は、以後、ラテラル及び/又はトラバース方向において被検体に対する超音波トランスデューサ12の位置を調整するために制御信号を用いて制御されることが可能であり、それにより、大動脈に対する超音波トランスデューサ12の調整を改善する。アクチュエータ20が、超音波トランスデューサ12の角度、及び超音波トランスデューサ12の位置の双方を調整することが可能である場合、第2及び第3制御信号は同一の信号であるとすることが可能であることが、認められるであろう。
超音波トランスデューサ12の位置が調整されると、オペレータ・フィードバックに応答してオペレータにより、或いはポジション・アクチュエータ20により、ステップ101-105は反復されることが可能である。ステップ105において、超音波トランスデューサ12の位置に対して補正は必要とされないことが判断されると、ステップ103において決定された1つ以上の時空間速度プロファイルは、大動脈2内の血液の流速、及び/又は他の任意の心臓パラメータを決定するために分析されることが可能であり、その心臓パラメータは例えば大動脈流モデルを利用して血液の流速から導出されることが可能である。
従って、流速の高信頼性の尺度及び従って心拍出量を提供することが可能な方法及び装置が提供される。
開示される実施形態の変形は、図面、本開示及び添付の特許請求の範囲を学ぶことにより、請求項に係る発明を実施する当業者により理解及び把握されることが可能である。特許請求の範囲において、「有する(comprising)」という言葉は他の要素又はステップを排除しておらず、「或る(“a” or “an”)」という不定冠詞的な語は複数個を排除していない。単独のプロセッサ又はその他のユニットが、特許請求の範囲に記載される複数の事項についての機能を発揮してもよい。或る複数の事項が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの事項の組み合わせが有利に利用できないことを示すものではない。コンピュータ・プログラムは、他のハードウェアとともに又はその一部として提供される光記憶媒体又はソリッド・ステート媒体のような適切な媒体に保存/分散されてもよいが、インターネット又はその他の有線又は無線の通信システムを経由するような他の形態で分散されてもよい。特許請求の範囲における如何なる参照符号もその範囲を限定するように解釈されるべきではない。
英国特許出願公開第2257254号明細書 米国特許出願公開第2009/0292208号明細書 米国特許第5928153号明細書 米国特許出願公開第2014/0276072号明細書

Claims (14)

  1. 被検体の血管内の血流速度の測定を改善する方法であって:
    超音波ビームを放出し、前記被検体の身体部分のうちの複数の深度における流速を測定するために、超音波トランスデューサを利用するステップ;
    制御ユニットが、前記複数の深度の各々について測定された流速から、前記身体部分に関する各自の時空間速度プロファイルを形成するステップであって、各々の時空間速度プロファイルは各自の深度で測定された流速から形成される、ステップ;及び
    制御ユニットが、前記超音波トランスデューサの位置を調整するために前記被検体の血管軸に対する前記超音波ビームの角度の補正を決定するために、複数の時空間速度プロファイルのうちの1つ以上を分析するステップであって、前記補正は、前記時空間速度プロファイルにおけるピークの位置と、前記超音波ビームの軸の前記時空間速度プロファイルとの交点に対応する前記時空間速度プロファイルの中心との間の差分に基づいている、ステップ;
    を有する方法。
  2. 前記角度に対して決定された補正に基づいて、前記超音波トランスデューサのオペレータにフィードバックを提供するステップ;
    を更に有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記角度に対する決定された補正に基づいて、前記超音波トランスデューサに対する第1制御信号を決定するステップ;及び
    前記時空間速度プロファイルにおけるピークの位置が前記時空間速度プロファイルの中心又はその近辺にあるように、前記超音波トランスデューサにより放出される前記超音波ビームの方向を、決定された前記第1制御信号に従って調整するステップ;
    を更に有する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記角度に対する決定された補正に基づいて、前記超音波トランスデューサのオリエンテーション・アクチュエータに対する第2制御信号を決定するステップであって、前記オリエンテーション・アクチュエータは、前記被検体に対する前記超音波トランスデューサの方向を調整することが可能である、ステップ;
    を更に有する請求項1、2又は3に記載の方法。
  5. 前記角度に対する決定された補正に基づいて、前記時空間速度プロファイルにおける流速値に対する補正を決定するステップ;
    を更に有する請求項1ないし4のうち何れか一項に記載の方法。
  6. 前記被検体に対する、前記超音波トランスデューサの位置に対する補正を決定するために、前記時空間速度プロファイルを分析するステップ;
    を更に有する請求項1ないし5のうちの何れか一項に記載の方法。
  7. 前記位置に対する決定された補正に基づいて、前記超音波トランスデューサのポジション・アクチュエータに対する第3制御信号を決定するステップであって、前記ポジション・アクチュエータは、前記被検体に対する前記超音波トランスデューサの位置を調整することが可能である、ステップ;
    を更に有する請求項6に記載の方法。
  8. コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶され、コンピュータ読み取り可能なコードを有するコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ読み取り可能なコードは、コンピュータ又はプロセッサにより実行されると、請求項1ないし7のうちの何れか一項に記載の方法を前記コンピュータ又はプロセッサに実行させる、コンピュータ・プログラム。
  9. 超音波ビームを放出する超音波トランスデューサから信号を受信する入力部と、制御ユニットを有し、被検体の血管内の血流速度を測定する装置であって、前記制御ユニットは:
    前記被検体の身体部分のうちの異なる深度における流速の測定値を取得するステップであって、前記測定は、前記超音波トランスデューサを利用して実行される、ステップ;
    複数の深度の各々について測定された流速から、前記身体部分に関する各自の時空間速度プロファイルを形成するステップであって、各々の時空間速度プロファイルは各自の深度で測定された流速から形成される、ステップ;及び
    前記超音波トランスデューサの位置を調整するために前記被検体の血管軸に対する前記超音波ビームの角度の補正を決定するために、複数の時空間速度プロファイルのうちの1つ以上を分析するステップであって、前記補正は、前記時空間速度プロファイルにおけるピークの位置と、前記超音波ビームの軸の前記時空間速度プロファイルとの交点に対応する前記時空間速度プロファイルの中心との間の差分に基づいている、ステップ;
    を行うように構成されている、装置。
  10. 前記制御ユニットは:
    前記角度に対する決定された補正に基づいて、前記超音波トランスデューサに対する第1制御信号を決定するステップ;及び
    前記時空間速度プロファイルにおけるピークの位置が前記時空間速度プロファイルの中心又はその近辺にあるように、前記超音波トランスデューサにより放出される前記超音波ビームの方向を調整するために前記第1制御信号を出力するステップ;
    を行うように更に構成されている、請求項9に記載の装置。
  11. 前記制御ユニットは:
    前記角度に対する決定された補正に基づいて、前記超音波トランスデューサのオリエンテーション・アクチュエータに対する第2制御信号を決定するステップであって、前記オリエンテーション・アクチュエータは、前記被検体に対する前記超音波トランスデューサの方向を調整することが可能である、ステップ;
    を行うように更に構成されている、請求項9又は10に記載の装置。
  12. 前記制御ユニットは:
    前記被検体に対する、前記超音波トランスデューサの位置に対する補正を決定するために、前記時空間速度プロファイルを分析する;
    ように更に構成される、請求項9ないし11のうちの何れか一項に記載の装置。
  13. 前記制御ユニットは:
    前記位置に対する決定された補正に基づいて、前記超音波トランスデューサのポジション・アクチュエータに対する第3制御信号を決定するステップであって、前記ポジション・アクチュエータは、前記被検体に対する前記超音波トランスデューサの位置を調整することが可能である、ステップ;
    を行うように更に構成される、請求項12に記載の装置。
  14. 前記超音波トランスデューサを更に有する請求項9ないし13のうち何れか一項に記載の装置。
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