JP6721455B2 - 船体汚損評価装置及び船体汚損評価プログラム - Google Patents

船体汚損評価装置及び船体汚損評価プログラム Download PDF

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Description

本発明は、船体汚損評価装置及び船体汚損評価プログラムに関する。
船舶の運航においては、燃料消費量の低減を図ることが求められている。例えば、特許文献1には、船舶の実際の運行データに基づいて、船舶の速力特性及び燃料特性を作成し、この速力特性及び燃料特性に基づいて、船舶の運航時において参照される、燃料消費量等の船舶の運行管理情報を推定する構成が記載されている。
また、特許文献2には、実際の航行における遭遇海気象データ及び船舶性能データに基づいて、個船性能データを作成し、この個船性能データに基づいて、例えば航海燃料消費量を最適化するための最適航路を推定する構成が記載されている。
特許第4690730号公報 特許第5312425号公報
ところで、船舶の保守管理等を行う上で船体性能の評価は重要となる。特に、船体汚損の影響によって、速力、燃料消費量が変化するので、船体汚損による船体性能への影響の程度を評価するのは重要となる。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、船体汚損による船体性能への影響の程度を良好に評価することが可能になる船体汚損評価装置及び船体汚損評価プログラムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る船体汚損評価装置は、船舶から収集された複数の各々の日時の前記船舶の運航情報と、各々の日時の前記船舶の航海海域の気象及び海象情報と、を含む各々の日時の日時別データに基づいて、前記船舶の船体抵抗のうちの船体の汚損に基づく抵抗に関して無次元化された値である粗度影響係数を日時別に算出する粗度影響係数算出手段と、算出対象日時を基準にした所定範囲の期間内において前記粗度影響係数算出手段により算出された全ての前記粗度影響係数の平均値を算出し、この平均値を前記算出対象日時の汚損影響指標値とする汚損影響指標値算出手段とを備えている。
ここで、汚損影響指標値として算出される粗度影響係数の平均値は、単純平均によって算出される平均値でもよいし、加重平均によって算出される平均値でもよい。また、日時別データは、例えば所定時間ごとに収集(取得)されるデータであり、例えば、24時間ごと(1日ごと)に収集されるデータであってもよいし、1時間ごとに取得されるデータであってもよい。また、ドック入りしている入渠期間中などには日時別データは収集されず、日時別データは、必ずしも所定時間ごとに収集されるデータでなくてもよい。
この構成によれば、汚損影響指標値を粗度影響係数の平均値として算出することにより、ばらつきが抑えられ、かつ船速に依存しない無次元数として汚損影響指標値を算出できるので、船体汚損による船体性能への影響の程度を良好に評価することが可能になる。この構成の場合、算出対象日時が所定範囲の期間に含まれることが好ましいが、これに限られない。
前記汚損影響指標値算出手段は、所定の算出期間内において所定間隔で前記算出対象日時を定め、各々の前記算出対象日時の汚損影響指標値を算出するようにし、前記汚損影響指標値算出手段により算出される全ての前記汚損影響指標値を所定の態様にて出力する汚損影響指標値出力手段をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、算出期間内で算出される全ての汚損影響指標値を所定の態様、例えば折れ線グラフの表示データとして出力されることにより、汚損影響指標値の時間的推移が明らかになる。この構成の場合、汚損影響指標値算出手段は、例えば、汚損度合推移出力指示が入力されたときに、所定間隔で算出対象日時を定め、各々の汚損影響指標値を算出するようにしてもよい。
前記汚損影響指標値算出手段は、指定された前記算出対象日時の前記汚損影響指標値を算出するようにし、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記算出対象日時の前記汚損影響指標値に基づいて想定出力での船速における汚損影響による出力損失を算出する出力損失算出手段と、前記出力損失算出手段により算出される前記出力損失を出力する出力損失出力手段とをさらに備えていてもよい。
この構成によれば、ユーザは、任意に指定した算出対象日時における汚損影響による出力損失を知ることができるので、ユーザが所望する算出対象日時での船体汚損による船体性能への影響の程度を評価することができる。この際、ユーザは、汚損影響指標値のような無次元化された値ではなく、出力損失を知ることで船体汚損による船体性能への影響の程度を理解しやすくなる。この構成の場合、汚損影響指標値算出手段は、例えば、汚損影響による出力損失算出指示と算出対象日時を指定する指示とが入力されたときに、指定された算出対象日時の汚損影響指標値を算出するようにしてもよい。
前記汚損影響指標値算出手段は、前記算出対象日時を前記船舶が船渠から出た直後にして出渠直後の前記汚損影響指標値を算出するとともに、前記算出対象日時を前記船舶が船渠に入る直前にして入渠直前の前記汚損影響指標値を算出するようにし、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記出渠直後の前記汚損影響指標値に基づいて想定出力での船速における出渠直後の汚損影響による出力損失を算出するとともに、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記入渠直前の前記汚損影響指標値に基づいて前記想定出力での船速における入渠直前の汚損影響による出力損失を算出する出力損失算出手段と、前記出力損失算出手段により算出される各々の前記出力損失を出力する出力損失出力手段とをさらに備えていてもよい。
この構成によれば、出渠直後の汚損影響による出力損失と、入渠直前の汚損影響による出力損失との比較が可能になり、船体汚損による船体性能への影響の変化がユーザによりわかりやすくなる。この構成の場合、汚損影響指標値算出手段は、例えば、汚損影響による出力損失算出指示が入力されたときに、出渠直後の汚損影響指標値を算出するとともに、入渠直前の汚損影響指標値を算出するようにしてもよい。
前記船舶が船渠から出てから次に船渠に入るまでの出入渠期間において前記粗度影響係数算出手段により算出された全ての前記粗度影響係数の平均値を算出する平均値算出手段をさらに備え、前記出力損失算出手段は、前記平均値算出手段により算出される前記粗度影響係数の平均値に基づいて前記想定出力での船速における出入渠期間の汚損影響による出力損失をさらに算出するようにしてもよい。
この構成によれば、出入渠期間が例えば複数あれば、それらの期間における汚損影響による出力損失の比較が可能になる。この構成の場合、平均値算出手段は、例えば、汚損影響による出力損失算出指示が入力されたときに、粗度影響係数の平均値を算出するようにしてもよい。
前記汚損影響指標値算出手段は、各々の前記日時別データに所定の除外条件に該当する情報を含むか否かを判定し、前記除外条件に該当する情報を含む日時別データに応じた日時については前記粗度影響係数を算出しないようにしてもよい。
この構成によれば、粗度影響係数の算出においては、外乱影響推定、計測誤差などの不確定要素が多いため、除外条件に該当する情報を含む日時別データについては、その日時の粗度影響係数を算出しないことで、粗度影響係数の平均値として算出される汚損影響指標値の信頼性の向上を図ることができる。
前記所定範囲の期間の長さを変更値に変更する変更手段をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、所定範囲の期間の長さをユーザが目的等に応じて適当な長さに随時変更することができる。この構成の場合、変更手段は、例えば、変更値が入力されたときに、所定範囲の期間の長さを変更するようにしてもよい。
前記汚損影響指標値算出手段は、前記算出対象日時を現在時点として現在時点の前記汚損影響指標値を算出するとともに、前記算出対象日時を直近の出渠直後の時点として直近の出渠直後の時点の前記汚損影響指標値を算出するようにし、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記現在時点の前記汚損影響指標値と前記直近の出渠直後の時点の前記汚損影響指標値との差に基づいて、想定出力での船速における汚損影響による出力損失のうちの現在の運航における増加分を算出し、この現在の運航における増加分と前記想定出力での1日の平均燃料消費量とに基づいて汚損影響によって1日当たりに増加する燃料費を算出し、この1日当たりに増加する燃料費と所定の基準金額とに基づいて、次の入渠時期を算出する入渠時期算出手段と、前記入渠時期算出手段により算出される前記次の入渠時期を出力する入渠時期出力手段とをさらに備えていてもよい。
この構成によれば、次の入渠時期が出力されるので、ユーザは次の入渠計画等を立てやすくなる。この構成の場合、汚損影響指標値算出手段は、例えば、運航中の船舶に対する入渠時期算出指示が入力されたときに、現在時点の汚損影響指標値を算出するとともに、直近の出渠直後の時点の汚損影響指標値を算出するようにしてもよい。
また、本発明のある態様に係る船体汚損評価プログラムは、コンピュータを、船舶から収集された複数の各々の日時の前記船舶の運航情報と、各々の日時の前記船舶の航海海域の気象及び海象情報と、を含む各々の日時の日時別データに基づいて、前記船舶の船体抵抗のうちの船体の汚損に基づく抵抗に関して無次元化された値である粗度影響係数を日時別に算出する粗度影響係数算出手段と、算出対象日時を基準にした所定範囲の期間内において前記粗度影響係数算出手段により算出された全ての前記粗度影響係数の平均値を算出し、この平均値を前記算出対象日時の汚損影響指標値とする汚損影響指標値算出手段として機能させるためのものである。
ここで、汚損影響指標値として算出される粗度影響係数の平均値は、単純平均によって算出される平均値でもよいし、加重平均によって算出される平均値でもよい。また、日時別データは、例えば所定時間ごとに収集(取得)されるデータであり、例えば、24時間ごと(1日ごと)に収集されるデータであってもよいし、1時間ごとに取得されるデータであってもよい。また、ドック入りしている入渠期間中などには日時別データは収集されず、日時別データは、必ずしも所定時間ごとに収集されるデータでなくてもよい。
この構成によれば、汚損影響指標値を粗度影響係数の平均値として算出することにより、ばらつきが抑えられ、かつ船速に依存しない無次元数として汚損影響指標値を算出できるので、船体汚損による船体性能への影響の程度を良好に評価することが可能になる。この構成の場合、算出対象日時が所定範囲の期間に含まれることが好ましいが、これに限られない。
前記汚損影響指標値算出手段は、所定の算出期間内において所定間隔で前記算出対象日時を定め、各々の前記算出対象日時の汚損影響指標値を算出するようにし、前記コンピュータを、前記汚損影響指標値算出手段により算出される全ての前記汚損影響指標値を所定の態様にて出力する汚損影響指標値出力手段としてさらに機能させるようにしてもよい。
この構成によれば、算出期間内で算出される全ての汚損影響指標値を所定の態様、例えば折れ線グラフの表示データとして出力されることにより、汚損影響指標値の時間的推移が明らかになる。この構成の場合、汚損影響指標値算出手段は、例えば、汚損度合推移出力指示が入力されたときに、所定間隔で算出対象日時を定め、各々の汚損影響指標値を算出するようにしてもよい。
前記汚損影響指標値算出手段は、指定された前記算出対象日時の前記汚損影響指標値を算出するようにし、前記コンピュータを、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記算出対象日時の前記汚損影響指標値に基づいて想定出力での船速における汚損影響による出力損失を算出する出力損失算出手段と、前記出力損失算出手段により算出される前記出力損失を出力する出力損失出力手段としてさらに機能させるようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザは、任意に指定した算出対象日時における汚損影響による出力損失を知ることができるので、ユーザが所望する算出対象日時での船体汚損による船体性能への影響の程度を評価することができる。この際、ユーザは、汚損影響指標値のような無次元化された値ではなく、出力損失を知ることで船体汚損による船体性能への影響の程度を理解しやすくなる。この構成の場合、汚損影響指標値算出手段は、例えば、汚損影響による出力損失算出指示と算出対象日時を指定する指示とが入力されたときに、指定された算出対象日時の汚損影響指標値を算出するようにしてもよい。
前記汚損影響指標値算出手段は、前記算出対象日時を前記船舶が船渠から出た直後にして出渠直後の前記汚損影響指標値を算出するとともに、前記算出対象日時を前記船舶が船渠に入る直前にして入渠直前の前記汚損影響指標値を算出するようにし、前記コンピュータを、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記出渠直後の前記汚損影響指標値に基づいて想定出力での船速における出渠直後の汚損影響による出力損失を算出するとともに、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記入渠直前の前記汚損影響指標値に基づいて前記想定出力での船速における入渠直前の汚損影響による出力損失を算出する出力損失算出手段と、前記出力損失算出手段により算出される各々の前記出力損失を出力する出力損失出力手段としてさらに機能させるようにしてもよい。
この構成によれば、出渠直後の汚損影響による出力損失と、入渠直前の汚損影響による出力損失との比較が可能になり、船体汚損による船体性能への影響の変化がユーザによりわかりやすくなる。この構成の場合、汚損影響指標値算出手段は、例えば、汚損影響による出力損失算出指示が入力されたときに、出渠直後の汚損影響指標値を算出するとともに、入渠直前の汚損影響指標値を算出するようにしてもよい。
前記コンピュータを、前記船舶が船渠から出てから次に船渠に入るまでの出入渠期間において前記粗度影響係数算出手段により算出された全ての前記粗度影響係数の平均値を算出する平均値算出手段としてさらに機能させ、前記出力損失算出手段は、前記平均値算出手段により算出される前記粗度影響係数の平均値に基づいて前記想定出力での船速における出入渠期間の汚損影響による出力損失をさらに算出するようにしてもよい。
この構成によれば、出入渠期間が例えば複数あれば、それらの期間における汚損影響による出力損失の比較が可能になる。この構成の場合、平均値算出手段は、例えば、汚損影響による出力損失算出指示が入力されたときに、粗度影響係数の平均値を算出するようにしてもよい。
前記汚損影響指標値算出手段は、各々の前記日時別データに所定の除外条件に該当する情報を含むか否かを判定し、前記除外条件に該当する情報を含む日時別データに応じた日時については前記粗度影響係数を算出しないようにしてもよい。
この構成によれば、粗度影響係数の算出においては、外乱影響推定、計測誤差などの不確定要素が多いため、除外条件に該当する情報を含む日時別データについては、その日時の粗度影響係数を算出しないことで、粗度影響係数の平均値として算出される汚損影響指標値の信頼性の向上を図ることができる。
前記コンピュータを、前記所定範囲の期間の長さを変更値に変更する変更手段としてさらに機能させるようにしてもよい。
この構成によれば、所定範囲の期間の長さをユーザが目的等に応じて適当な長さに随時変更することができる。この構成の場合、変更手段は、例えば、変更値が入力されたときに、所定範囲の期間の長さを変更するようにしてもよい。
前記汚損影響指標値算出手段は、前記算出対象日時を現在時点として現在時点の前記汚損影響指標値を算出するとともに、前記算出対象日時を直近の出渠直後の時点として直近の出渠直後の時点の前記汚損影響指標値を算出するようにし、前記コンピュータを、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記現在時点の前記汚損影響指標値と前記直近の出渠直後の時点の前記汚損影響指標値との差に基づいて、想定出力での船速における汚損影響による出力損失のうちの現在の運航における増加分を算出し、この現在の運航における増加分と前記想定出力での1日の平均燃料消費量とに基づいて汚損影響によって1日当たりに増加する燃料費を算出し、この1日当たりに増加する燃料費と所定の基準金額とに基づいて、次の入渠時期を算出する入渠時期算出手段と、前記入渠時期算出手段により算出される前記次の入渠時期を出力する入渠時期出力手段としてさらに機能させるようにしてもよい。
この構成によれば、次の入渠時期が出力されるので、ユーザは次の入渠計画等を立てやすくなる。この構成の場合、汚損影響指標値算出手段は、例えば、運航中の船舶に対する入渠時期算出指示が入力されたときに、現在時点の汚損影響指標値を算出するとともに、直近の出渠直後の時点の汚損影響指標値を算出するようにしてもよい。
本発明は、以上に説明した構成を有し、船体汚損による船体性能への影響の程度を良好に評価することが可能になる船体汚損評価装置及び船体汚損評価プログラムを提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係る船体汚損評価装置を含むシステムの概略構成の一例を示す図である。 図2は、船体汚損評価装置が汚損影響指標値を算出する際の動作の一例の概略を示すフローチャートである。 図3は、船舶の推進器の特性曲線を示す図である。 図4(A)は、比較例における粗度影響係数の表示例を示す図であり、図4(B)は、本実施形態の一例における粗度影響係数及び汚損影響指標値曲線等の表示例を示す図であり、図4(C)は、本実施形態の他の例における粗度影響係数及び汚損影響指標値曲線等の表示例を示す図である。 図5は、汚損影響指標値の算出方法を説明するための図である。 図6は、本実施形態において図4とは異なる事例における粗度影響係数及び汚損影響指標値曲線等の表示例を示す図である。 図7(A)〜(C)は、本実施形態において図4、図6とは異なる事例における粗度影響係数及び汚損影響指標値曲線等の表示例を示す図である。 図8(A)、(B)は、本実施形態において図4、図6とは異なる事例における粗度影響係数及び汚損影響指標値曲線等の表示例を示す図である。 図9(A)、(B)は、本実施形態において図4、図6とは異なる事例における粗度影響係数及び汚損影響指標値曲線等の表示例を示す図である。 図10は、船体汚損評価装置が汚損影響による出力損失を算出する際の動作の一例の概略を示すフローチャートである。 図11は、5隻の船舶について、想定出力(40%MCO)における汚損影響による出力損失の表示例を示す図である。 図12は、2隻の船舶について、想定出力(40%MCO)における汚損影響による出力損失の表示例を示す図である。 図13は、汚損影響による無駄な累積燃料費とドック費用とを示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る船体汚損評価装置を含むシステムの概略構成の一例を示す図である。
この船体汚損評価装置1は、インターネット等のネットワーク4に接続されており、船舶2等から必要な情報を取得する。なお、図1では、評価対象の船舶として1つの船舶2のみを図示しているが、評価対象となる船舶2が複数あってもよい。
船舶2に搭載された通信装置21は、船舶2の運航情報を送信するための装置であり、当該船舶2において得られた運航情報を、例えば、通信衛星3及びネットワーク4を介して陸上の船体汚損評価装置1へ送信する。
船体汚損評価装置1は、陸上の管理センター等に設置され、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、操作入力部14と、表示部15と、データ蓄積部16とを備えている。
制御部11は、CPU等の演算処理装置を備え、CPUが所定のプログラム(船体汚損評価プログラム等)を実行して船体汚損評価装置1の各部の動作を制御する。この制御部11は、船体汚損評価プログラムを実行することにより、粗度影響係数算出手段、汚損影響指数値算出手段、汚損影響指数値出力手段、出力損失算出手段、出力損失出力手段、平均値算出手段、変更手段、入渠時期算出手段、入渠時期出力手段等として機能する。
記憶部12は、ROM及びRAMなどの記憶媒体を備え、制御部11により実行されるプログラムや、制御部11で用いられるデータを記憶することができる。
通信部13は、外部にある他の装置とデータを送受信する手段である。通信部13は、ネットワーク4等を介して船舶2の通信装置21等からデータを受信する。
操作入力部14は、マウスやキーボード等によって構成され、ユーザの操作による入力を受け付ける手段である。操作入力部14は、ユーザの操作による入力情報を制御部11へ出力する。
表示部15は、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成され、制御部11から供給される表示データに応じた情報を表示する。
データ蓄積部16には、船舶2の通信装置21から送信された運航情報が記憶される。また、制御部11は、通信部13に対して、定期的に気象庁などのサーバ(図示せず)と接続する指示を出力する。これにより、ネットワーク4を介して気象庁などのサーバと接続されると、制御部11は、これらサーバから気象情報、海象情報などを取得し、これら気象情報、海象情報などをデータ蓄積部16に蓄積されている運航情報に付加して蓄積する。
よって、データ蓄積部16には、評価対象とする船舶の過去から現在までにおける運航情報や、その運航情報の日時における気象情報、海象情報などが記憶される。ここで、船舶ごとに、かつ、日時別ごとに、船舶の運航情報と当該船舶の航海海域の気象及び海象情報とをまとめて日時別データとして記憶される。この日時別データは、例えば所定時間ごとに収集(取得)されるデータであり、例えば、24時間ごと(1日ごと)に収集されるデータであってもよいし、1時間ごとに取得されるデータであってもよい。また、ドック入りしている入渠期間中などには日時別データは収集されず、日時別データは、必ずしも所定時間ごとに収集されるデータでなくてもよい。
ここで、運航情報とは、船舶の航海に関する情報をいい、例えば、日時、航路、船位(緯度、経度)、燃料消費量(FOC)、排水量、対水船速、航行距離、航海時間、主機回転数、海水温度、船首喫水、船尾喫水、対地船速、針路、などがある。これらの運航情報は、船舶に搭載された計測機器から直接供給されるデータであってもよいし、船舶に搭載された計測機器が示す値を人間が読み取ってパソコン等の入力装置(キーボード等)で入力されたものであってもよい。
また、気象及び海象情報としては、気温、水温、風向、風速、波高、波周期、波向きなどがあり、気象庁などのサーバから取得した情報に限らず、船舶2の通信装置21から送信された情報であってもよい。
また、データ蓄積部16には、上記の日時別データの他に、対象とする各船舶のデータ(要目、水槽試験データ等)、例えば、船名、船種、船体長さ、船幅、喫水、排水量、推進器直径等の船体汚損評価に必要となる情報が予め記憶されている。
なお、本実施形態では、データ蓄積部16に、日時別ごとの運航情報と気象及び海象情報とをまとめて日時別データとして記憶することにより、ある日時の日時別データを読み出すことにより、その日時の運航情報と気象及び海象情報とが読み出されるようにしているが、同じ日時の運航情報と気象及び海象情報とを関連付けて読み出すことができれば、運航情報と気象及び海象情報とを別々に記憶してもよいし、さらには別々の記憶媒体に記憶してもよい。以下では、日時別データとしてまとめて記憶されるものとして説明する。また、以下では、日時別データは、入渠期間中以外では24時間ごと(1日ごと)に収集取得されるデータとし、日時別データのことを「日別データ」と記載して説明する。
〔汚損影響指標値の算出〕
図2は、船体汚損評価装置1が汚損影響指標値を算出する際の動作の一例の概略を示すフローチャートである。この動作は、制御部11が船体汚損評価プログラムを実行することによって実現される。
例えば、ユーザが操作入力部14を操作して、対象とする船舶の指示と、汚損影響指標値の算出指示(汚損度合推移出力指示)が制御部11へ入力される(ステップS1)。ここで、操作入力部14から算出期間の指示を入力するようにしてもよい。なお、算出期間の指示が入力されない場合には、当該船舶に関して日別データが蓄積されている全ての期間が算出期間として指示されたものとする。
制御部11は、前述のように汚損影響指標値の算出指示が入力されると、データ蓄積部16から算出期間内のある日(ある日時)の1つの日別データを読み出す(ステップS2)。このステップS2が繰り返されることにより、日別データが、所定の順、例えば、算出期間内の最古の日別データから順に読み出される。
そして、制御部11は、読み出した日別データに異常データが含まれるか否かを判定する(ステップS3)。そして、異常データが含まれない場合にはステップS4へ進み、異常データが含まれる場合には、ステップS2に戻って、次の日別データを読み出す。すなわち、異常データが含まれる日別データについては、ステップS4以降の処理で用いない。なお、異常データについては後述する。
ステップS4では、読み出した日別データに基づいて、粗度影響係数dCfを算出し、日別データの日時とともに記憶部12に記憶する。この粗度影響係数dCfは、新造船が就航後の船体表面の汚損影響(粗度の増加)による抵抗増分に関して無次元化された値(係数)である。
制御部11は、算出期間内の全ての日別データを読み出すまでステップS2〜S4を繰り返す(ステップS5)。これにより、算出期間内の異常データを含まない全ての日別データに対して粗度影響係数dCfが算出され、日別データの日時とともに記憶部12に記憶される。
次のステップS6では、制御部11は、記憶部12に記憶されている粗度影響係数dCfに基づいて、算出期間内において時系列的に並ぶ全ての汚損影響指標値を算出する。
次に、ステップS7では、制御部11は、時系列的に並ぶ汚損影響指標値を結んだ汚損影響指標値曲線のデータを表示部15へ出力し、表示部15の画面に表示させる。
なお、前述のステップS4での粗度影響係数dCfの算出方法は、造船工学において公知であるので、詳細な説明は省略するが、例えば、次のようにして算出できる。
ある船速における実船体抵抗Rsは、水槽試験等によって導出された基準馬力曲線(新造時における船舶の平水中での馬力曲線)に基づく基準船体抵抗(平水中抵抗)Roと、外乱(風、波浪、水温)影響による増加抵抗Raと、船体表面の汚損影響による増加抵抗Rfとで構成される。
よって、汚損影響による増加抵抗Rfは、Rf=Rs−Ro−Raである。そして、ある時点における粗度影響係数dCfは次式にて与えられる。
Figure 0006721455
ここで、ρは、海水密度(水温の関数)である。Sは、水面下船体表面積であり、算出時点の航海時の排水量と水温より算定される。Vは船速(本例では対地船速Vsを用いる)である。
また、実船体抵抗Rsと、外乱影響による増加抵抗Raとは、日別データ等を用いて算出できる。
実船体抵抗Rsは、主機出力をBHP、対地船速をVs、推進効率をηPとすると次式で示される。
Figure 0006721455
ここで、主機出力BHPは、日別データの1日当たりの燃料消費量(FOC)から所定の特性曲線に基づいて算出できる。
また、推進効率ηPは、次式で算出できる。
Figure 0006721455
ここで、伝達効率ηtは所定値(0.97)を用い、推進器効率比ηR、推力減少係数(1−t)は、水槽試験等より既知の値を用いる。また、伴流係数(1−w)は、ここでは、船型に応じて統計的に推定された既知の値を用いるようにしているが、公知の方法によって算出するようにしてもよい。
また、推進器単独効率ηoは、例えば図3に示すようなプロペラオープンテストから導出される推進器の特性曲線に基づいて求めることができる。
この推進器単独効率ηoは、主機の連続最大出力(MCO)、MCOでの設計回転数、MCOでの設計船速などから推定され、次式で与えられる。なお、MCO、MCOでの設計回転数、MCOでの設計船速などは、各々の船舶のデータとして、データ蓄積部16に記憶されている。
Figure 0006721455
ここで、トルク係数KQ、推力係数KTは、それぞれの特性曲線を前進係数J(J=Va/n・D、但し、Vaは前進速度、nは回転数、Dは推進器直径)の二次式で近似すること等によって算出される。
すなわち、ステップS4では、伴流係数(1−w)及び推進器単独効率ηo等を算出し、それらを用いて推進効率ηPを算出し、この推進効率ηPを用いて実船体抵抗Rsを算出する。
また、外乱影響による増加抵抗Raは、日別データの水温、風向、風速等に基づいて、水温影響による抵抗増加量、風圧抵抗、波浪中抵抗増加量をそれぞれ公知の方法により算出し、これらを合計して求める。
そして、実船体抵抗Rsと、外乱影響による増加抵抗Raと、基準馬力曲線より導出される基準船体抵抗Roとを用いて、前述の(数1)式により粗度影響係数dCfを算出する。
また、本実施形態では、粗度影響係数dCfを算出する上で、例えば、ある日の日別データに異常データがある場合には、その日の粗度影響係数dCfを算出しないようにしている(ステップS3でNoの場合)。
ここで、異常データについて説明する。粗度影響係数dCfの算出においては、外乱影響推定、計測誤差などの不確定要素が多い。そこで、例えば、以下の(1)〜(6)の場合には、異常データであると判定し、その異常データを含む日別データについては、その日の粗度影響係数dCfを算出しないことで、粗度影響係数dCfを用いて最終的に算出される汚損影響指標値の信頼性の向上を図るようにしている。すなわち、異常データを含む日別データについては、粗度影響係数dCfの算出対象データから除外している。なお、本実施形態では、(1)〜(6)のいずれかの場合に該当する全てのデータを算出対象データから除外するようにしているが、必ずしも全てのデータを除外する必要はない。
(1)荒天海象遭遇データの除外
粗度影響係数dCfの算出対象に用いる日別データを、静穏海象時のデータに限定する必要はないが、非常に厳しい荒天に遭遇した場合は、海象状況の特定などの解析精度の信頼度に問題が生じる。そこで、風力階級、風浪階級に上限値を予め設定しておき、それらを超えるデータを異常データと判定し、その異常データを含む日別データは、粗度影響係数dCfの算出対象にしない。
(2)航海時間不足データの除外
出入港時、洋上保守時などで航海時間が1日の間に24時間を大きく下回るような場合がある。これらは非定常な運航状態であるので、基準時間を予め設定しておき、航海時間が基準時間に満たないデータを異常データと判定し、その異常データを含む日別データは、粗度影響係数dCfの算出対象にしない。
(3)異常な主機出力データの除外
出入港時、洋上保守時などで主機出力が異常に低い場合とか、計測異常などで異常に高い場合に対応して、主機出力に対して上限値及び下限値を予め設定しておき、1日当たりの燃料消費量(FOC)から換算した主機出力が上限値を上回る場合及び下限値を下回る場合には異常データと判定し、その異常データを含む日別データは、粗度影響係数dCfの算出対象にしない。
(4)異常な主機回転数(RPM)データの除外
上記(3)の場合と同様、出入港時、洋上保守時などで主機回転数が異常に低い場合とか、計測異常などで異常に高い場合に対応して、主機回転数に対して上限値及び下限値を予め設定しておき、主機回転数が上限値を上回るデータ及び下限値を下回るデータを異常データと判定し、その異常データを含む日別データは、粗度影響係数dCfの算出対象にしない。
(5)異常な排水量データの除外
満載状態もしくは軽荷状態の基準排水量と許容範囲を予め設定しておき、出入港時、洋上保守時などで排水量が許容範囲外のデータを異常データと判定し、その異常データを含む日別データは、粗度影響係数dCfの算出対象にしない。
(6)強海流海域および海峡航行時のデータの除外
強海流が予想される海域ならびに海峡通過海域では、船速計測の精度確保が困難であるため、このような対象海域を予め設定しておき、この対象海域に船位が含まれるデータを異常データと判定し、その異常データを含む日別データは、粗度影響係数dCfの算出対象にしない。
また、本実施形態では、分析に用いる船速は対地船速を採用している。対地船速はGPSにより検出される船速であり、計測精度は高いが、海流の影響を受ける。一方、対水船速は汚損影響などの性能評価の基本となる量であるが、計測装置の精度と劣化に問題があり、汚損影響のような長期間の分析には適合しない恐れがある。そのため、分析に用いる船速は対地船速を採用し、強海流域を避けることと、長期の分析による往復航での海流影響の相殺効果により精度確保を可能にしている。
また、対地船速と対水船速とは一致するとは限らず、対水船速の計測装置の異常(例えば零点異常など)によって、対水船速が対地船速と2ノット以上の差が発生する場合もある。よって、分析に用いる船速に対水船速を採用する場合には、対地船速との差が所定値以上である場合には異常データと判定し、その異常データを含む日別データを、粗度影響係数dCfの算出対象にしないようにしてもよい。
また、粗度影響係数dCfの算出過程において、船舶の性能特性データ(抵抗推進性能特性、推進器単独性能特性など)をもとに伴流係数(1−w)を算出する場合、この算出値が船舶の性能特性値と大きな偏差を生じる場合には、粗度影響係数dCfを算出しないようにしてもよい。
また、粗度影響係数dCfの算出過程において、推進器トルク係数KQを算出するが、このトルク係数KQは、推進器の作動状態を示すもので、スリップ比に相当し、推進性能特性を定量的合理的に示す指標であり、推進器がありえない状態で作動していると判別できる場合には、粗度影響係数dCfを算出しないようにしてもよい。
図4(A)は、比較例であり、ステップS3の異常データの有無の判定を行わずに、全ての日別データ等に基づいて算出した粗度影響係数dCfの表示例(表示部15の画面での表示例)を示す図である。一方、図4(B)は、本実施形態の一例であり、ステップS3の異常データの有無の判定を行い、異常データの無いときの日別データ等に基づいて算出した粗度影響係数dCf及び汚損影響指標値曲線L1の表示例(表示部15の画面での表示例)を示す図である。図4(A)、(B)において、横軸は、出渠後の日数を示す(後出の図4(C)、図5、図6の横軸も同様)。ここでは、汚損影響指標値の算出期間として、直近の出渠直後の時点から現在時点までの期間が設定されている。
図4(A)の場合には、粗度影響係数dCfのばらつきが大きく、その時間的変化の傾向が判断できないが、図4(B)の場合には、粗度影響係数dCfのばらつきが小さく、その時間的変化の傾向がある程度判断できる。
また、図4(B)には、ステップS6で算出された全ての汚損影響指標値を結んで表示されるステップS7の汚損影響指標値曲線L1も図示されている。
ここで、ステップS6での汚損影響指標値の算出方法について説明する。図5は、その算出方法を説明するための図である。
図5において、点Mが求める汚損影響指標値である。ここで、算出対象日時taを含み、かつ算出対象日時taを基準にした所定期間AP内において、ステップS4で算出済の全ての粗度影響係数dCf(図5中には図示せず)の平均値を算出し、この平均値を算出対象日時taにおける汚損影響指標値(点M)としている。所定期間APは、操作入力部14を用いて予め設定されており、操作入力部14の操作によってその長さ(期間)を変更することも可能である。ここで、制御部11は、操作入力部14の操作に基づいて所定期間APの長さを設定及び変更する変更手段として機能する。所定期間APの長さは、記憶部12に記憶されており、操作入力部14からその変更値が入力されると、制御部11は、記憶部12に記憶されている所定期間APの長さを変更値に変更する(書き換える)。
具体例としては、所定期間(所定範囲の期間)APが例えば300日に設定されている場合には、所定期間APの真ん中の日時が算出対象日時taとなり、所定期間AP内において算出対象日時taより前の前半期間APbが150日となり、算出対象日時ta以後の後半期間APaも150日となる。そして、所定期間APの300日間に対して粗度影響係数dCfがx個(x≦300)算出されている場合には、そのx個の平均値が算出対象日時taにおける汚損影響指標値となる。
そして、汚損影響指標値の算出期間の最初の時点から最終時点までの期間内において、算出対象日時taを所定間隔yで順次移動させて設定し、この設定される全ての算出対象日時taについて汚損影響指標値を順次算出する。所定間隔yは、1日以上で、かつ所定期間AP以下の時間間隔とすることが好ましく、例えば、1日間隔、10日間隔、30日間隔などであり、操作入力部14の操作によって任意に設定及び変更することができる。なお、本実施形態では、所定間隔yを1日に設定している。
ここで、所定期間APが上述のように偶数日(300日)の場合には、算出対象日時taは、横軸の日数で言えば、整数とはならずに、0.5,1.5,2.5,・・・のようになる。
また、例えば、算出対象日時taが出渠直後の0.5(日)の場合には、所定期間APの前半期間APbにおいては日別データが存在せず、したがって粗度影響係数dCfは算出されず、後半期間APaにおいて算出された全ての粗度影響係数dCfの平均値を算出し、この平均値を、出渠直後(ta=0.5)における汚損影響指標値とする。
同様に、例えば、算出対象日時taが入渠直前あるいは現在航海中の時点の場合には、所定期間APの後半期間APaにおいては日別データが存在せず、粗度影響係数dCfは算出されないので、前半期間APbにおいて算出された全ての粗度影響係数dCfの平均値を算出し、この平均値を、入渠直前あるいは現在航海中の時点における汚損影響指標値とする。
図4(B)の汚損影響指標値曲線L1は、所定期間APを300日とした場合の例である。また、本例では、汚損影響指標値曲線L1を表示するとともに、汚損影響指標値の累積平均値曲線Laも表示するようにしている。
この累積平均値曲線Laで示される累積平均値の算出方法を説明しておく。まず、汚損影響指標値曲線L1で示されるように時系列的に並ぶ汚損影響指標値を、出渠後からの経過時間(例えば日数)τの関数として、ある関数F(τ)で表現する。この際、例えば、算出期間を複数の区間に分割し、各区間において、例えば最小二乗法を用いて所望の関数F(τ)を求めるようにしてもよい。
そして、出渠後からの経過時間tbにおける汚損影響指標値の累積値CF(tb)は、次式で表せる。
Figure 0006721455
そして、出渠後からの経過時間tbにおける累積平均値AVF(tb)を、次式によって算出する。
AVF(tb)=CF(tb)/tb
以上のようにして、算出期間内における各経過時間tbにおける累積平均値AVF(tb)を算出して累積平均値曲線Laを表示する。
また、図4(C)では、本実施形態の他の例として、所定期間APを100日とした場合の汚損影響指標値曲線L2が示されている。このように所定期間APを短くした場合、汚損影響指標値の細かい挙動を識別することができ、季節的な周期的変動の予測や、洋上保守が行われた場合にその効果等の確認に適する場合がある。
一方、図4(B)のように、所定期間APを300日とした場合の汚損影響指標値曲線L1の方が、汚損度合を示す汚損影響指標値の推移(言い換えれば、粗度影響係数dCfの推移)を把握しやすいと考えられる。例えば、現在、5年間に2回程度ドック入りが行われていること等から、経験上、所定期間APを300日程度とするのが、汚損影響指標値の推移を把握する上で好ましいと考えられる。
本実施形態では、汚損影響指標値を粗度影響係数dCfの平均値として算出することにより、ばらつきが抑えられ、かつ船速に依存しない無次元数として汚損影響指標値を算出できるので、船体汚損による船体性能への影響の程度を良好に評価することが可能になる。また、前述のように所定期間APの長さを変更することができるので、ユーザの目的等に応じて適当な長さに所定期間APを随時変更することができる。
図6は、本実施形態において、図4とは異なる事例で求められた、粗度影響係数dCf、汚損影響指標値曲線(L3)及び累積平均値曲線(La)の表示例を示す図である。ここでの汚損影響指標値曲線L3は、所定期間APを300日として算出している。
図6の場合、汚損影響指標値曲線L3で示されるように、汚損影響指標値(言い換えれば、粗度影響係数dCf)は、出渠直後から400日頃までは船体表面(塗装面)の自己研磨作用により漸減傾向を示す。その後、船体表面(塗装面)の劣化により漸増していく。そして1000日より後に長期係留が行われており、それにより汚損が急増(汚損影響指標値が急増)しているため、塗装面の保守が実施されている。このように、汚損影響指標値の推移によって汚損影響程度(汚損度合)の推移を把握することが可能になり、適切な時期に塗装面の保守等を行うことができる。
さらに、図7〜図9は、本実施形態において、図4、図6とは異なる事例で求められた、粗度影響係数dCf、汚損影響指標値曲線(L11〜L17)及び累積平均値曲線(La1〜La7)の表示例を示す図である。ここで、横軸は、出渠後の日数を示し、汚損影響指標値の算出期間として、直近の出渠直後の時点から現在時点までの期間が設定されている。
図7(A),(B),(C)の汚損影響指標値曲線L11,L12,L13は、平均期間である所定期間APを、1000日,700日,500日として汚損影響指標値を算出した場合の曲線である。図8(A),(B)の汚損影響指標値曲線L14,L15は、所定期間APを、300日,200日として汚損影響指標値を算出した場合の曲線である。図9(A),(B)の汚損影響指標値曲線L16,L17は、所定期間APを、100日,50日として汚損影響指標値を算出した場合の曲線である。
図7(A)のAP=1000日とした場合の汚損影響指標値曲線L11では、出渠後航海中において汚損が増加するが、その基本的傾向が全体的に示されている。
図7(B)のAP=700日とした場合の汚損影響指標値曲線L12、及び図7(C)のAP=500日とした場合の汚損影響指標値曲線L13では、それぞれ係船の影響による汚損増加の特徴(楕円T1内)が見られる。
図8(A)のAP=300日とした場合の汚損影響指標値曲線L14、及び図8(B)のAP=200日とした場合の汚損影響指標値曲線L15では、さらに、係船の影響による汚損増加の特徴が2箇所(楕円T11、T12内)に分かれることが見られ、出渠直後における塗装面の自己研磨作用による汚損影響指標値の漸減効果(楕円T2内)と、塗装面の洋上保守による汚損影響指標値の漸減効果(楕円T3内)とが明確になる。
図9(A)のAP=100日とした場合の汚損影響指標値曲線L16では、係船の影響による汚損増加の特徴(楕円T11、T12内)、塗装面の洋上保守による汚損影響指標値の漸減効果(楕円T3内)などがより顕著になるが、汚損の季節的変動要因による汚損影響指標値の変動も若干見られる。
図9(B)のAP=50日とした場合の汚損影響指標値曲線L17では、汚損の季節的変動要因による汚損影響指標値の周期的な変動が顕著になる。汚損の季節的変動要因としては、船体外板に付着する海中生物(藻、藤壺など)の季節による繁殖性の相違や、水温変化による海水密度変化や粘度変化などが考えられる。
以上のように、汚損影響指標値の推移を分析することで、長期的な傾向による塗装性能の評価、長期係留などによる塗装面の劣化の検知、事故等による船体変形・破損・凹凸の検知、洋上保守による塗装面の緊急保守効果の評価、季節的変動要因による汚損の周期的な変動傾向の検知などが可能となる。このような評価分析は、平均期間(AP)を変更することで容易に行うことができる。
また、上記では、汚損影響指標値の算出期間を設定するようにしたが、算出期間に代えて算出対象日時taを設定することもできる。例えば、ユーザが操作入力部14を操作して、対象とする船舶の指示と、汚損影響指標値の算出指示と、算出対象日時の指示とが制御部11へ入力される。この場合、制御部11は、指示された算出対象日時taにおける汚損影響指標値を算出し、これを表示部15に表示する。これにより、ユーザは、任意に設定した算出対象日時の汚損影響指標値を知ることができ、設定した算出対象日時において船体汚損による船体性能への影響の程度を評価することが可能になる。
なお、本実施形態では、算出対象日時taにおける汚損影響指標値を、所定期間AP内の粗度影響係数dCfの単純平均(相加平均)として算出するようにしているが、加重平均として算出するようにしてもよい。この加重平均として算出する場合、所定期間AP内の各々の日時の粗度影響係数dCfについてその対応する日時と算出対象日時taとの時間差の絶対値txを算出する。このtxの値は各々の粗度影響係数dCfについて算出される値である。そして、各々の粗度影響係数dCfについて、それに対応する重みWxを1/(tx+1)とし(ここでの「n」は、所定の正の整数である)、各々対応する粗度影響係数dCfの値と重みWxとを乗算し、それら乗算値の合計を算出する。そして、この乗算値の合計を、所定期間AP内の全ての粗度影響係数dCfについての重みWxの合計で割り算することによって加重平均(すなわち汚損影響指標値)を算出する。
〔汚損影響による出力損失の算出〕
次に、本実施形態では、無次元数である汚損影響指標値を、汚損影響による出力損失(Power−Loss)に換算して出力する(例えば表示部15の画面に表示する)ことができる。以下、これについて説明する。
図10は、船体汚損評価装置1が汚損影響による出力損失を算出する際の動作の一例の概略を示すフローチャートである。この動作は、制御部11が船体汚損評価プログラムを実行することによって実現される。
また、図11は、同型の5隻の船舶A〜Eの各々について、汚損影響指標値を算出し、それを想定出力(本例では40%MCOに設定している)における汚損影響による出力損失(単位:%MCO)に換算して表示部15の画面に表示した例を示す図である。
ここでは、各々の船舶A〜Eについて、新造時の出渠後(0回目の出渠後)から1回目のドックに入るまでの期間(Dk0−1)を算出対象期間とし、所定期間APを300日として汚損影響指標値を算出している。
図11の船舶A〜Eの各々について、左側の棒グラフが0回目の出渠直後(新造時の出渠直後)の出力損失を示し、真ん中の棒グラフが1回目の入渠直前(1回目のドックに入る直前)の出力損失を示し、右側の棒グラフが出入渠区間(0回目と1回目のドックの間)における平均の出力損失を示している。
また、図12は、2隻の船舶F,Gの各々について、汚損影響指標値を算出し、それを想定出力(40%MCO)における汚損影響による出力損失(単位:%MCO)に換算して表示部15の画面に表示した例を示す図である。
また、図12では、船舶Fと船舶Gの各々について示された、F(Dk0−1)、G(Dk0−1)の3つの棒グラフは、図11における各船舶A〜Eの場合と同様である。また、船舶Fと船舶Gの各々について示された、F(Dk1−2)、G(Dk1−2)の3つの棒グラフは、左側の棒グラフが1回目の出渠直後(1回目のドックから出た直後)の出力損失を示し、真ん中の棒グラフが2回目の入渠直前(2回目のドックに入る直前)の出力損失を示し、右側の棒グラフが出入渠区間(1回目と2回目のドックの間)における平均の出力損失を示している。
ここで、図10を参照して、汚損影響による出力損失の算出方法について説明する。
例えば、ユーザが操作入力部14を操作して、対象とする船舶の指示と、所望の想定出力(例えば40%MCO)の指示と、その想定出力における汚損影響による出力損失の算出指示と、算出対象期間の指示とが、制御部11へ入力される(ステップS11)。なお、算出対象期間の指示が入力されない場合には、当該船舶に関して日別データが蓄積されている全ての期間が算出対象期間として指示されたものとする。
次に、制御部11は、出渠から次の入渠までの間を1つの出入渠区間とし、算出対象期間内に含まれる各出入渠区間において、ステップS12〜S14の処理を行う。出入渠区間は、例えば、新造時の出渠後(0回目の出渠後)から1回目のドックへ入渠するまでの間の区間(Dk0−1)、1回目のドックの出渠後から2回目のドックへ入渠するまでの間の区間(Dk1−2)、2回目のドックの出渠後から3回目のドックへ入渠するまでの間の区間(Dk2−3)、など、というように、m回目の出渠後から(m+1)回目の入渠するまでの間の区間に設定されている。ここで、mは0以上の整数であり、m=0としたときの、0回目の出渠は新造時の出渠に相当する。
ステップS12では、ある出入渠区間において出渠直後の汚損影響指標値を用いて、出渠直後における想定出力での汚損影響による出力損失(主機が想定出力の場合の船速における汚損影響による出力損失)を算出する。
ステップS13は、ステップS12と同じ出入渠区間において入渠直前の汚損影響指標値を用いて、入渠直前における想定出力での汚損影響による出力損失を算出する。
ステップS14では、ステップS12と同じ出入渠区間において、その出入渠区間内の全ての粗度影響係数dCfの平均値を算出し、この平均値を用いて想定出力での汚損影響による出力損失を算出し、これを、その出入渠区間における想定出力での汚損影響による出力損失を算出する。
そして、算出対象期間内の全ての出入渠区間について上記出力損失を算出するまで、ステップS12〜S14の処理を繰り返す(ステップS15)。なお、ステップS12〜S14の処理の順序はどのように入れ替わっても構わない。
次のステップS16では、制御部11は、算出した全ての出力損失のデータを表示部15へ出力し、表示部15の画面に表示させる。
この出力損失の表示例が、図11、図12に示されている。なお、図11、図12のように、複数の船舶を対象とする場合には、各船舶について、ステップS11〜S15の処理が行われる。図11の場合には、例えば、算出対象期間が0回目の出渠後から1回目のドックへ入渠するまでの期間に設定されており、図12の場合には、例えば、算出対象期間が0回目の出渠後から2回目のドックへ入渠するまでの期間に設定されている。
なお、ステップS12の出渠直後の汚損影響指標値、及び、ステップS13の入渠直前の汚損影響指標値は、例えば、図2のステップS6で算出されたものを用いてもよい。また、ステップS14の出入渠区間内の全ての粗度影響係数dCfは、例えば、図2のステップS4で算出されたものを用いてもよい。あるいは、図2の処理が行われていない場合等には、図2の場合と同様にして、算出対象期間内の粗度影響係数dCfを算出し、ステップS12で用いる出渠直後の汚損影響指標値、及び、ステップS13で用いる入渠直前の汚損影響指標値、ステップS14で用いる出入渠区間内の全ての粗度影響係数dCfの平均値を算出するようにしてもよい。
ここで、ステップS12,S13,S14における出力損失の算出方法について簡単に説明する。
その概略は、まず、ステップS11で指示された想定出力(本例では、40%MCO)における船速(V)を、基準馬力曲線から導出する。
そして、船体抵抗が基準船体抵抗Roのみである状態を平滑状態とし、この平滑状態の船舶を上記船速(V)で平水中を航行させるときの主機出力(HPo)を算出する。
また、船体抵抗が基準船体抵抗Roと汚損影響による増加抵抗Rfのみである状態を汚損状態とし、この汚損状態の船舶を上記船速(V)で平水中を航行させるときの主機出力(HPf)を算出する。ここで、汚損影響による増加抵抗Rfを算出する際に、汚損影響指標値(ステップS12、S13の場合)あるいは粗度影響係数dCfの平均値(ステップS14の場合)を用いる。
そして、汚損影響による出力損失dPfを、
dPf=HPf−HPo
として算出する。そして、この出力損失dPf(kW)を「%MCO」を単位とする値に換算する。以上は、概略である。
例えば、平滑状態のときの全船体抵抗をRsoとすると、Rso=Roである。
一方、汚損状態のときの全船体抵抗をRsfとすると、
Rsf=Ro+Rf(=Rso+Rf)である。
ここで、汚損影響による増加抵抗Rfは次式で示される。
Figure 0006721455
そして、平滑状態と汚損状態とのそれぞれの場合において、公知の手法により、推進器の作動点を求め、その作動点に対する推進器単独効率を算出し、この推進器単独効率に基づく推進効率(ηPo,ηPf)を求める。
汚損影響による出力損失dPfは、汚損状態での主機出力(HPf)から平滑状態での主機出力(HPo)を減算すればよいので、先に求めた平滑状態での推進効率ηPoと、汚損状態での推進効率ηPfとを用い、次式で算出できる。
Figure 0006721455
そして、この出力損失dPf(kW)を、MCO(主機の連続最大出力)の値を100%とした場合の値Mc(%MCO)に換算する。これは、MCOの値をHPm(kW)とすれば、次式により換算できる。
Mc=(dPf/HPm)×100
なお、上記では、汚損影響による増加抵抗Rfを算出する際、前述の(数6)の式中に粗度影響係数dCfを用いて説明したが、出力損失を算出するためにステップS12,S13で用いる汚損影響指標値及びステップS14で用いる粗度影響係数dCfの平均値は、いずれも粗度影響係数dCfの代表値と言えるので、これらの値を、前述の(数6)の式中の「dCf」に用いて汚損影響による増加抵抗Rfを算出するようにすればよい。
前述の図11、図12に示すように、汚損影響による出力損失を表示することにより、粗度影響係数や汚損影響指標値のような無次元数を表示するよりも、船体表面の汚損による性能への影響をユーザが理解しやすくなる。また、出力損失をMCOを基準(100%)にした換算値(単位:%MCO)で表示することにより、異なる船舶に対して汚損による影響度合いの比較が容易になる。
また、図12において、矢印a、bで示されるように、あるドックの入渠直前と出渠直後との出力損失を比較することにより、当該ドックで実施された整備の評価が可能になる。例えば、船舶Fの場合、矢印aで示すように、1回目のドックへの入渠直前における出力損失よりも1回目のドックの出渠直後の出力損失が減少しているため、良好な整備が実施されたと考えられる。一方、船舶Gの場合、矢印bで示すように、1回目のドックへの入渠直前における出力損失よりも1回目のドックの出渠直後の出力損失が増加しているため、塗装前のブラスト処理やペイント材料の適否等を含めて良好な整備が実施されなかったと考えられる。
なお、設定される算出対象期間がドック入りしている期間(入渠期間)を含み、かつ算出対象期間の最初の時点が、対象船舶が航海途中の時点である場合には、その最初の時点から次に入渠する時点までを1つの出入渠期間とみなして、すなわち、算出対象期間の最初の時点を出渠直後の時点とみなして、ステップS12〜S14の処理を行うようにしてもよい。
また、設定される算出対象期間がドック入りしている期間を含み、かつ算出対象期間の最後の時点が、対象船舶が航海途中の時点(例えば、航海中である現在時点でもよい)である場合には、最後の出渠後から算出対象期間の最後の時点までを1つの出入渠期間とみなして、すなわち、算出対象期間の最後の時点を入渠直前の時点とみなして、ステップS12〜S14の処理を行うようにしてもよい。
また、設定される算出対象期間が、ドック入りしている期間を含まない実際の出入渠期間内の一部の期間である場合には、算出対象期間の最初の時点を出渠直後の時点とみなしすとともに、算出対象期間の最後の時点を入渠直前の時点とみなして、ステップS12〜S14の処理を行うようにしてもよい。
例えば上記のように、操作入力部14を操作して算出対象期間を任意に設定することができ、それに応じて汚損影響による出力損失を算出し、表示部15に表示することができる。
また、上記では、操作入力部14を操作して算出対象期間の指示を入力するようにしたが、算出対象期間に代えて算出対象日時の指示を入力するようにしてもよい。例えば、ユーザが操作入力部14を操作して、対象とする船舶の指示と、所望の想定出力(例えば40%MCO)の指示と、その想定出力における汚損影響による出力損失の算出指示と、算出対象日時の指示とが、制御部11へ入力される。この場合、制御部11は、指示された算出対象日時における汚損影響指標値を算出し、これを用いて汚損影響による出力損失を算出して、表示部15に表示する。これにより、ユーザは、任意に設定した算出対象日時における汚損影響による出力損失を知ることができるので、ユーザが所望する算出対象日時での船体汚損による船体性能への影響の程度を評価することができる。この際、ユーザは、汚損影響指標値のような無次元化された値ではなく、出力損失を知ることで船体汚損による船体性能への影響の程度を理解しやすくなる。
〔次の入渠時期(ドック入り時期)の算出〕
次に、船体汚損評価装置1が次のドック入り時期を算出し出力する動作について説明する。この動作は、制御部11が船体汚損評価プログラムを実行することによって実現される。ここでは、対象船舶が航海中に次のドック入り時期を算出する方法について説明する。
例えば、ユーザが操作入力部14を操作して、対象とする航海中の船舶の指示と、所望の想定出力(例えば40%MCO)の指示と、当該船舶についてのドック入り時期の算出指示と、所定の基準金額(例えば、ドック費用の見積り金額または無駄な燃料費の許容上限額など)Cdとが、制御部11へ入力される。すると、制御部11は、当該船舶の次のドック入り時期を算出し、算出したドック入り時期を表示部15へ出力し、表示部15の画面に表示させる。
この場合、制御部11は、例えば、図5において、現在時点を算出対象日時taとし、所定期間AP(この場合、実質、前半期間APb)内における全ての粗度影響係数dCfの平均値を算出し、この平均値を現在時点における汚損影響指標値A1とする。さらに、現在の運航の直近に出渠した直後の時点を算出対象日時taとして所定期間AP(この場合、実質、後半期間APa)内における全ての粗度影響係数dCfの平均値を算出し、この平均値を直近の出渠直後の時点(直近に出渠した直後の時点)における汚損影響指標値A2とする。
そして、現在時点と直近の出渠直後の時点との汚損影響指標値の差D(=A1−A2)を算出する。この差Dを、前述の(数6)の式中の「dCf」に代入してRfを算出し、さらに前述の(数7)を用いてdPfを算出し、それを「%MCO」を単位とする値Mcに換算する。
この場合に算出されるRfは、汚損影響による増加抵抗のうちの現在の運航(今回の運航)においての増加分と考えられる。また、dPf及びMcは、想定出力での汚損影響による出力損失(主機が想定出力の場合の船速における汚損影響による出力損失)のうちの現在の運航においての増加分(現在の運航における想定出力での出力損失増加分)と考えられる。
さらに、制御部11は、現在の運航における想定出力での出力損失増加分Mcと、想定出力での1日の平均燃料消費量Bとを乗算することにより、想定出力での1日当たりの無駄な燃料消費量E(ton/day)を算出する。
すなわち、E=Mc×Bである。
なお、想定出力での1日の平均燃料消費量Bは、船舶のデータとしてデータ蓄積部16に予め記憶されている主機出力と燃料消費量との関係を示す情報から算出できる。
この燃料消費量Eに燃料単価p($/ton)を乗算することにより、1日当たりの無駄な燃料費F($/day)が算出される。
すなわち、F=E×p(=Mc×B×p)である。
この無駄な燃料費Fは、現在の運航において汚損影響によって1日当たりに増加する燃料費(推定値)である。
そして、制御部11は、ドック入り時期t1を、例えば次式によって算出する。
t1=Cd/F=Cd/(Mc×B×p)
なお、燃料単価pは、操作入力部14から入力するようにしてもよいし、通信部13を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
図13に、直近の出渠直後の時点(t=0)からの経過日数(t)に応じて増加する、汚損影響による無駄な累積燃料費W(=F×t)と、ドック費用(見積り金額)Cdとを示す。
すなわち、ドック入り時期t1は、無駄な累積燃料費Wがドック費用Cdと同額になるまでの日数として算出される。ここでは、ドック入り時期t1より前では、無駄な累積燃料費Wがドック費用Cdより少ないのでドック入りを見合わせ、ドック入り時期t1より後では、無駄な累積燃料費Wがドック費用Cdより大きくなるので、ドック入りして燃料費の無駄を解消するようにしている。この図13では、所定の基準金額Cdとして、ドック費用の見積り金額を例に説明したが、前述のように、無駄な燃料費の許容上限額などを所定の基準金額Cdとしてもよい。
なお、ドック入り時期t1を直近の出渠直後の時点からの日数としてそのまま表示部15に表示させるようにしてもよいし、年月日に換算して表示させるようにしてもよい。このように次のドック入り時期を算出して表示させることにより、ユーザは次のドック入りの計画等を立てやすくなる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、船体汚損による船体性能への影響の程度を良好に評価することが可能になる船体汚損評価装置及び船体汚損評価プログラム等として有用である。
1 船体汚損評価装置
2 船舶

Claims (16)

  1. 船舶から収集された複数の各々の日時の前記船舶の運航情報と、各々の日時の前記船舶の航海海域の気象及び海象情報と、を含む各々の日時の日時別データに基づいて、前記船舶の船体抵抗のうちの船体の汚損に基づく抵抗に関して無次元化された値である粗度影響係数を日時別に算出する粗度影響係数算出手段と、
    算出対象日時を基準にした所定範囲の期間内において前記粗度影響係数算出手段により算出された全ての前記粗度影響係数の平均値を算出し、この平均値を前記算出対象日時の汚損影響指標値とする汚損影響指標値算出手段と
    を備えた船体汚損評価装置。
  2. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    所定の算出期間内において所定間隔で前記算出対象日時を定め、各々の前記算出対象日時の汚損影響指標値を算出するようにし、
    前記汚損影響指標値算出手段により算出される全ての前記汚損影響指標値を所定の態様にて出力する汚損影響指標値出力手段をさらに備えた、
    請求項1に記載の船体汚損評価装置。
  3. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    指定された前記算出対象日時の前記汚損影響指標値を算出するようにし、
    前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記算出対象日時の前記汚損影響指標値に基づいて想定出力での船速における汚損影響による出力損失を算出する出力損失算出手段と、
    前記出力損失算出手段により算出される前記出力損失を出力する出力損失出力手段とをさらに備えた、
    請求項1または2に記載の船体汚損評価装置。
  4. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    前記算出対象日時を前記船舶が船渠から出た直後にして出渠直後の前記汚損影響指標値を算出するとともに、前記算出対象日時を前記船舶が船渠に入る直前にして入渠直前の前記汚損影響指標値を算出するようにし、
    前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記出渠直後の前記汚損影響指標値に基づいて想定出力での船速における出渠直後の汚損影響による出力損失を算出するとともに、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記入渠直前の前記汚損影響指標値に基づいて前記想定出力での船速における入渠直前の汚損影響による出力損失を算出する出力損失算出手段と、
    前記出力損失算出手段により算出される各々の前記出力損失を出力する出力損失出力手段とをさらに備えた、
    請求項1または2に記載の船体汚損評価装置。
  5. 前記船舶が船渠から出てから次に船渠に入るまでの出入渠期間において前記粗度影響係数算出手段により算出された全ての前記粗度影響係数の平均値を算出する平均値算出手段をさらに備え、
    前記出力損失算出手段は、
    前記平均値算出手段により算出される前記粗度影響係数の平均値に基づいて前記想定出力での船速における出入渠期間の汚損影響による出力損失をさらに算出する、
    請求項4に記載の船体汚損評価装置。
  6. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    各々の前記日時別データに所定の除外条件に該当する情報を含むか否かを判定し、前記除外条件に該当する情報を含む日時別データに応じた日時については前記粗度影響係数を算出しない、
    請求項1〜5のいずれかに記載の船体汚損評価装置。
  7. 前記所定範囲の期間の長さを変更値に変更する変更手段をさらに備えた、
    請求項1〜6のいずれかに記載の船体汚損評価装置。
  8. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    前記算出対象日時を現在時点として現在時点の前記汚損影響指標値を算出するとともに、前記算出対象日時を直近の出渠直後の時点として直近の出渠直後の時点の前記汚損影響指標値を算出するようにし、
    前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記現在時点の前記汚損影響指標値と前記直近の出渠直後の時点の前記汚損影響指標値との差に基づいて、想定出力での船速における汚損影響による出力損失のうちの現在の運航における増加分を算出し、この現在の運航における増加分と前記想定出力での1日の平均燃料消費量とに基づいて汚損影響によって1日当たりに増加する燃料費を算出し、この1日当たりに増加する燃料費と所定の基準金額とに基づいて、次の入渠時期を算出する入渠時期算出手段と、
    前記入渠時期算出手段により算出される前記次の入渠時期を出力する入渠時期出力手段とをさらに備えた、
    請求項1〜7のいずれかに記載の船体汚損評価装置。
  9. コンピュータを、
    船舶から収集された複数の各々の日時の前記船舶の運航情報と、各々の日時の前記船舶の航海海域の気象及び海象情報と、を含む各々の日時の日時別データに基づいて、前記船舶の船体抵抗のうちの船体の汚損に基づく抵抗に関して無次元化された値である粗度影響係数を日時別に算出する粗度影響係数算出手段と、
    算出対象日時を基準にした所定範囲の期間内において前記粗度影響係数算出手段により算出された全ての前記粗度影響係数の平均値を算出し、この平均値を前記算出対象日時の汚損影響指標値とする汚損影響指標値算出手段と
    して機能させるための船体汚損評価プログラム。
  10. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    所定の算出期間内において所定間隔で前記算出対象日時を定め、各々の前記算出対象日時の汚損影響指標値を算出するようにし、
    前記コンピュータを、
    前記汚損影響指標値算出手段により算出される全ての前記汚損影響指標値を所定の態様にて出力する汚損影響指標値出力手段としてさらに機能させる、
    請求項9に記載の船体汚損評価プログラム。
  11. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    指定された前記算出対象日時の前記汚損影響指標値を算出するようにし、
    前記コンピュータを、
    前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記算出対象日時の前記汚損影響指標値に基づいて想定出力での船速における汚損影響による出力損失を算出する出力損失算出手段と、
    前記出力損失算出手段により算出される前記出力損失を出力する出力損失出力手段としてさらに機能させる、
    請求項9または10に記載の船体汚損評価プログラム。
  12. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    前記算出対象日時を前記船舶が船渠から出た直後にして出渠直後の前記汚損影響指標値を算出するとともに、前記算出対象日時を前記船舶が船渠に入る直前にして入渠直前の前記汚損影響指標値を算出するようにし、
    前記コンピュータを、
    前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記出渠直後の前記汚損影響指標値に基づいて想定出力での船速における出渠直後の汚損影響による出力損失を算出するとともに、前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記入渠直前の前記汚損影響指標値に基づいて前記想定出力での船速における入渠直前の汚損影響による出力損失を算出する出力損失算出手段と、
    前記出力損失算出手段により算出される各々の前記出力損失を出力する出力損失出力手段としてさらに機能させる、
    請求項9または10に記載の船体汚損評価プログラム。
  13. 前記コンピュータを、
    前記船舶が船渠から出てから次に船渠に入るまでの出入渠期間において前記粗度影響係数算出手段により算出された全ての前記粗度影響係数の平均値を算出する平均値算出手段としてさらに機能させ、
    前記出力損失算出手段は、
    前記平均値算出手段により算出される前記粗度影響係数の平均値に基づいて前記想定出力での船速における出入渠期間の汚損影響による出力損失をさらに算出する、
    請求項12に記載の船体汚損評価プログラム。
  14. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    各々の前記日時別データに所定の除外条件に該当する情報を含むか否かを判定し、前記除外条件に該当する情報を含む日時別データに応じた日時については前記粗度影響係数を算出しない、
    請求項9〜13のいずれかに記載の船体汚損評価プログラム。
  15. 前記コンピュータを、
    前記所定範囲の期間の長さを変更値に変更する変更手段としてさらに機能させる、
    請求項9〜14のいずれかに記載の船体汚損評価プログラム。
  16. 前記汚損影響指標値算出手段は、
    前記算出対象日時を現在時点として現在時点の前記汚損影響指標値を算出するとともに、前記算出対象日時を直近の出渠直後の時点として直近の出渠直後の時点の前記汚損影響指標値を算出するようにし、
    前記コンピュータを、
    前記汚損影響指標値算出手段により算出される前記現在時点の前記汚損影響指標値と前記直近の出渠直後の時点の前記汚損影響指標値との差に基づいて、想定出力での船速における汚損影響による出力損失のうちの現在の運航における増加分を算出し、この現在の運航における増加分と前記想定出力での1日の平均燃料消費量とに基づいて汚損影響によって1日当たりに増加する燃料費を算出し、この1日当たりに増加する燃料費と所定の基準金額とに基づいて、次の入渠時期を算出する入渠時期算出手段と、
    前記入渠時期算出手段により算出される前記次の入渠時期を出力する入渠時期出力手段としてさらに機能させる、
    請求項9〜15のいずれかに記載の船体汚損評価プログラム。
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